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特開2024-159529シート処理装置及び画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159529
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】シート処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65H7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047347
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2023074572
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 忠仁
(72)【発明者】
【氏名】相川 憲稔
(72)【発明者】
【氏名】志村 拓哉
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AA02
3F048AB01
3F048BA05
3F048BB10
3F048CB03
3F048CB13
3F048DA09
3F048DB01
3F048DC05
3F048DC14
3F048EB40
(57)【要約】
【課題】構成の複雑化を避けながら、昇降可能な第1トレイ上のシート有無を検知するためのセンサと回路基板とを繋ぐ配線の断線を抑制する。
【解決手段】移動部材は、第1トレイに設けられ第1トレイ上のシートの有無に応じて変位可能である。出力部325は、処理ユニットに設けられ移動部材の変位に応じて電気信号を出力する。インターフェース部326は、処理ユニットに設けられ出力部325から出力された電気信号を受け取る。配線503は、処理ユニットに設けられ出力部325とインターフェース部326を接続する。スタッカー制御部330は、インターフェース部326が受け取った電気信号に応じて第1トレイ上のシートの有無を判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
前記画像形成部により画像が形成されたシートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された前記電気信号を受け取る受信部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、
前記受信部が受け取った前記電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、
を備えた画像形成システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記積載部が所定位置にある状態で前記変位部の変位に応じて電気信号を出力可能である請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記処理ユニットに設けられた発光部と、前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記発光部は、前記送出部によるシートの送り出し方向に交差するシートの幅方向に関して、前記積載部のシートが積載される積載面よりも片側に配置され、
前記受光部は、前記幅方向に関して、前記積載面よりも他側に配置され、
前記変位部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合で、且つ、前記積載部が前記所定位置にある場合に、前記発光部から発光された光が前記受光部に受光されないように遮光する請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記積載部が前記所定位置よりも下方にある場合は、前記積載部の位置または前記積載部に積載されたシートの位置に応じて電気信号を出力し、
前記判定部は、前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部のシートが積載される積載面の位置または前記積載面に積載された複数枚のシートのうちの最上位のシートの上面位置を判定する請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記積載部の昇降方向の高さ位置を検知する高さ検知部をさらに備え、
前記判定部は、前記積載部を上昇させ、前記出力部が前記積載部が無いまたは前記積載部に積載されたシートが無い場合の電気信号を出力している第1状態から前記積載部が有るまたは前記積載部に積載されたシートが有る場合の電気信号を出力している第2状態となった際の前記積載部の高さ位置が、所定の高さ位置よりも下方の下降位置である場合には、前記出力部の電気信号に関わらず、前記積載部にシートが有ると判定する請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記昇降部は、前記積載部を上昇させ、前記出力部が前記第1状態から前記第2状態となった際の前記積載部の位置が、前記所定の高さ位置以上の上昇位置である場合には、前記積載部を前記所定位置に移動させ、
前記判定部は、前記積載部が所定位置にある状態で前記出力部の電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記処理ユニットに設けられた発光部と、前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記変位部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に、前記発光部から発光された光を反射させて前記受光部に受光させる請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記変位部は、第1変位部であり、
前記積載部が所定位置にある状態で、且つ、前記変位部が前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に前記第1変位部と接触して前記第1変位部の変位に応じて変位する、前記処理ユニットに設けられた第2変位部を更に備え、
前記出力部は、前記第2変位部の変位に応じて電気信号を出力する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記送出部によるシートの送り出し方向に交差するシートの幅方向に関し前記積載部の一端部よりも突出するように前記積載部に設けられ、前記変位部の変位に連動する連動部と、
前記処理ユニットに設けられた発光部と、
前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記発光部及び前記受光部は、略鉛直方向に関して前記積載部の昇降範囲から外れた位置で、且つ、前記連動部を挟むように配置され、
前記連動部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に、前記発光部から発光された光が前記受光部に受光されないように遮光する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記積載部の上方に配置され、前記積載部上のシートに接触して該シートを、前記送出部によるシートの送り出し方向に関して上流側に搬送する搬送位置と、前記搬送位置よりも上方に退避した退避位置に移動可能な搬送部を更に備え、
前記搬送部は、前記判定部が前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する際に前記搬送位置に位置する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項11】
シートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記判定部を接続する配線部と、
を備えたシート処理装置。
【請求項12】
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
請求項11に記載のシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置は、前記画像形成部により画像が形成されたシートに前記所定の処理を施す画像形成システム。
【請求項13】
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットから受け取ったシートに所定の処理を施す処理部と、前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部と、を有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号を受け取る受信部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記積載部上のシートの有無を判定する判定部を有する前記画像形成ユニットに対して前記受信部が受け取った前記電気信号を送信する送信部と、
を備えたシート処理装置。
【請求項14】
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
請求項13に記載のシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置は、前記画像形成部により画像が形成されたシートに前記所定の処理を施し、
前記受信部は、第1受信部であり、
前記画像形成ユニットは、前記送信部から送信された前記出力部から出力された電気信号を受け取る第2受信部を有し、
前記判定部は、前記第2受信部が受け取った前記電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに綴じ処理を施す綴じ処理部を備えたシート処理装置、及び、シート処理装置を備えた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに綴じ処理を施す処理部と処理部によって綴じ処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、処理ユニットの送出部から送り出されたシートを積載する積載トレイ(積載部)とを備えたシート処理装置として、処理ユニットに対して昇降可能な積載トレイ上のシートの有無を検知する構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の構成では、シートの有無を検知する構成のうち、積載部の上面から上方に突出して、積載トレイ上にシートが載ると移動するフラグ(変位部)と、フラグによって遮光されるセンサ(電気信号を出力する出力部を含む)とが昇降する積載トレイに配置されている。このようなフラグとセンサは、一般的に積載トレイ上にシートが有るか無いかを検知することで異なるジョブの成果物(シート)が積載トレイ上で混ざらないようにする目的で設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-030667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、積載トレイに配置されたセンサは、処理ユニットに配置された回路基板(積載トレイ上のシートの有無を判定する判定部または電気信号を受け取る受信部)と配線によって電気的に接続される。よって、この配線を処理ユニットの外部にある積載トレイと、処理ユニットの内部にある回路基板との間に設ける必要がある。そして、積載トレイは処理ユニットに対して昇降するため、それに伴い配線も移動する。このような従来の構成では、配線が断線しないよう高度な断線防止対策を施す必要に迫られ、構成の複雑化が避けられない。
【0005】
本発明は、構成の複雑化を避けながら、昇降可能な積載トレイ上のシート有無を検知するためのセンサと回路基板とを繋ぐ配線の断線を抑制するシート処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、前記画像形成部により画像が形成されたシートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された前記電気信号を受け取る受信部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、前記受信部が受け取った前記電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、を備える。
【0007】
また、本発明のシート処理装置は、シートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記判定部を接続する配線部と、を備える。
【0008】
また、本発明のシート処理装置は、シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットから受け取ったシートに所定の処理を施す処理部と、前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部と、を有する処理ユニットと、前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号を受け取る受信部と、前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、前記処理ユニットに設けられ、前記積載部上のシートの有無を判定する判定部を有する前記画像形成ユニットに対して前記受信部が受け取った前記電気信号を送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構成の複雑化を避けながら昇降可能な積載トレイ上のシート有無を検知するためのセンサと回路基板とを繋ぐ配線の断線を抑制するシート処理装置及び画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る画像形成システムの概略構成断面図。
図2】第1の実施形態に係るシート処理装置の概略構成断面図。
図3】第1の実施形態に係る画像形成システムの制御ブロック図。
図4】第1の実施形態に係るシート処理装置の一部を拡大した断面図。
図5】第1の実施形態に係る第1トレイ周辺の斜視図。
図6】第1の実施形態に係る第1トレイの昇降機構の構成を示す斜視図。
図7】第1の実施形態に係る第1トレイの昇降機構の一部を拡大して示す斜視図。
図8】第1の実施形態に係る第1トレイの昇降機構の一部を、図7の反対側から見た斜視図。
図9】第1の実施形態に係る第1トレイ上のシートの検知に関する構成を示す斜視図。
図10】第1の実施形態に係る第1トレイ上のシートの検知に関する構成を示す平面図。
図11】第1の実施形態に係るフラグと、処理ユニット側の受光部との関係を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を奥側から手前側に見た図。
図12】第1の実施形態に係るフラグと、処理ユニット側の受光部との関係を、第1トレイ上にシートが有る状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を奥側から手前側に見た図。
図13】第1の実施形態に係る第1トレイの高さ位置の検知に関する構成を示す斜視図。
図14】第1の実施形態に係る第1トレイのホームポジションの検知に関する構成を示す斜視図。
図15】第1の実施形態に係る第1トレイの高さ位置の検知を行うための遮蔽板と、各センサとの関係を説明するための模式図。
図16】第1の実施形態に係る第1トレイ上のシートの有無を検知するためのフラグ周辺の斜視図。
図17】第1の実施形態に係る第1トレイ上のシートの有無を検知するためのフラグを示す斜視図。
図18】第1の実施形態に係るシート送り出し制御のフローチャート。
図19】第1の実施形態に係るシート有無検知動作のフローチャート。
図20】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、第1トレイを上面検知位置まで上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図21】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、第1トレイを上面検知位置から第1所定距離上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図22】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、第1トレイを第1所定位置まで上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図23】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、シートが1枚積載された第1トレイを上面検知位置まで上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図24】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、シートが1枚積載された第1トレイを上面検知位置から第1所定距離上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図25】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、シートが1枚積載された第1トレイを第1所定位置まで上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図26】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、シートが10枚程度積載された第1トレイを上面検知位置まで上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図27】第1の実施形態に係るシート有無検知動作において、シートが10枚以上積載された第1トレイを上面検知位置から第1所定距離上昇させた状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図28】第2の実施形態に係るシート有無検知動作において、第1トレイ上にシートが有る状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図29】第2の実施形態に係るシート有無検知動作において、第1トレイ上にシートが無い状態を示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図30】第3の実施形態に係るシート有無検知機構を第1トレイの下側から見た斜視図。
図31】第3の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが無い状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を奥側から手前側に見た図。
図32】第3の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが有る状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を奥側から手前側に見た図。
図33】第4の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが無い状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図34】第4の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが有る状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を手前側から奥側に見た図。
図35】(a)第5の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが無い状態で模式的に示す斜視図、(b)同じく平面図。
図36】(a)第5の実施形態に係るフラグと処理ユニット側の検知部との関係を、第1トレイ上にシートが有る状態で模式的に示す斜視図、(b)同じく平面図。
図37】他の実施形態の第1例のシート処理装置を備えた画像形成システムの概略構成断面図。
図38】他の実施形態の第2例のシート処理装置を備えた画像形成システムの概略構成断面図。
図39】第1の実施形態に係るフラグと、処理ユニット側の受光部との関係を、ジョブ中以外のタイミングにおいて第1トレイ上にシートが有る状態で示す第1トレイの上流端部側の断面図で、装置を奥側から手前側に見た図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図27図39を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムの概略構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
[画像形成システム]
本実施形態では、画像形成装置として複写機を用い、この複写機のシートの開口部にシート処理装置が連接されている。画像形成システム1000は、画像形成装置Aと、シート処理装置Bを含んで構成され、画像形成装置Aによって画像形成されたシートSを、下流側のシート処理装置Bで受け取り、必要に応じて綴じ処理などの所定の処理を施し、下流側の送出部へ送り出す。画像形成装置Aには、例えば複写機、プリンタ、印刷機、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機など種々の構造のものが含まれる。以下、画像形成装置A、シート処理装置Bについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置A及びシート処理装置Bについて、ユーザなどの操作者が装置を操作する側(例えば、操作パネルや操作ボタンなどがある側)を、手前側(図1、2などの紙面手前側)、手前側と反対側を奥側(図1、2などの紙面奥側)という。
【0013】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは、図1に示すように、画像形成ユニットA1と、画像読取ユニットA2と、原稿給送ユニットA3とを含んでいる。画像形成ユニットA1は、装置ハウジング1内に、給送部2と、画像形成部3と、送出部4と、データ処理部5とを備えている。
【0014】
給送部2は、複数のカセット2a、2b、2cを含んでおり、各カセット2a、2b、2cには、予め選定された異なる規格サイズのシートSを収納可能になっている。シートSは、例えば、用紙やプラスチックシートなどである。各カセット2a、2b、2cには、内部のシートSを一枚ずつ分離する分離機構と、シートSを繰り出す給送機構が内蔵されている。このような構成の給送部2に収納されたシートSは、画像形成装置Aの制御部310(図3)から指定されたサイズのシートSを給送経路6に繰り出す。給送経路6には、複数のカセット2a、2b、2cから供給されるシートSを下流側に搬送する搬送ローラ7と、経路端部に配置され各シートSを先端揃えするレジストレーションローラ対8とが設けられており、レジストレーションローラ対8によって先端揃えされたシートSが所定のタイミングで下流側の画像形成部3に給送される。
【0015】
給送経路6には、大容量カセット2dと、手差しトレイ2eとが接続されている。大容量カセット2dは、大量に消費するサイズのシートを収納するオプションユニットで構成される。手差しトレイ2eは、分離給送が困難な厚紙シート、コーティングシート、フィルムシートなどの特殊シートを供給可能なように構成される。
【0016】
画像形成部3は、給送部2から送られたシートSに画像を形成するように構成されていればよく、種々の画像形成機構が採用可能である。図示されている実施形態では、画像形成部3として、静電式画像形成機構が示されている。しかしながら、画像形成部3は、図示されている静電式画像形成機構に限定されるものではなく、インクジェット式画像形成機構、オフセット式画像形成機構などを採用することも可能である。
【0017】
図1に示されている画像形成部3には、ドラム状又はベルト状に形成された感光体9と、感光体9に光学ビームを発光する発光器10とが設けられており、現像器11とクリーナ(図示せず)とが回転する感光体9の周囲に配置されている。図示のものはモノクロ印刷機構であり、感光体9に発光器10で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーを付着する。感光体9に付着されたトナー画像は、給送部2から送られたシートSに転写チャージャ12で画像転写され、画像転写されたシートSが定着ローラ13で定着された後に、搬送経路14へ送られる。また、画像形成部3には、搬送経路14の下部に循環経路が設けられており、搬送経路14から搬送されたシートSをスイッチバック経路で裏表反転した後に、再びレジストレーションローラ対8に送り、シートSの裏面に画像形成がされ、搬送経路14へ送られる。搬送経路14には、送出ローラ15(所謂、排出ローラ)が配置されていると共に、その末端に開口部16が形成されており、送出ローラ15によって開口部16から後述するシート処理装置BへシートSを送り出す。
【0018】
このように構成された画像形成ユニットA1の上部には、画像形成部3で画像形成する原稿画像を光学的に読み取る画像読取ユニットA2が設けられており、画像読取ユニットA2のさらに上部に、原稿給送ユニットA3が搭載されている。
【0019】
画像読取ユニットA2は、透明ガラスで形成された第1のプラテン17及び第2のプラテン21と、読取キャリッジ18と、読取キャリッジ18に搭載された光源と、光電変換素子19と、ミラーやレンズを組み合わせて構成された縮小光学系20とを備える。そして、第1のプラテン17に沿って読取キャリッジ18を走査して、第1のプラテン17上に載置された原稿の画像に光源からの光を照射し、原稿の画像から反射された反射光を縮小光学系20で光電変換素子19に案内して、画像の読み取りを行う。光電変換素子19は画像データを電気信号に変換して画像形成部3に転送する。
【0020】
原稿給送ユニットA3は、給送トレイ22と、給送経路23と、積載トレイ24とを備え、給送トレイ22上に載置された原稿を給送経路23に沿って一枚ずつ搬送して、第2のプラテン21上を通過させ、積載トレイ24に送り出す。なお、原稿給送ユニットA3から給送されて第2プラテン21上を通過する原稿を読み取るときには、読取キャリッジ18を第2プラテン21の下方で予め停止させておき、第2プラテン21上を通過する画像から画像データを生成する。
【0021】
[シート処理装置の全体構成]
次に画像形成装置Aから送られてくるシートに対して、ステイプルや折り処理など処理を施すシート処理装置Bの全体構成について、図2を用いて説明する。図2は、シート処理装置Bの詳細構成を示す。シート処理装置Bは、画像形成装置Aの開口部16に連なるストレートパス28の入口である受入部26から受け入れたシートを処理した後に、後述する第1トレイ(第1積載トレイ)49、サドル積載ユニット131、第2トレイ(第2積載トレイ)71に積載可能である。シート処理装置Bのうち、第1トレイ49及び第2トレイ71以外の部分を処理ユニット200とする。即ち、処理ユニット200は、後述する装置ハウジング27、ストレートパス28、処理部B1、サドル部B2を含むものである。
【0022】
図示の装置では、搬送経路及び第1搬送経路としてのストレートパス28に送られたシートを、後述する処理部B1から第1トレイ49と第2トレイ71に、後述するサドル部B2からサドル積載ユニット131に移送する。それぞれの装置は、図3に示す装置全体における制御構成を示すブロックのように、制御部や通信部などを有しており、これにより装置の制御を行っている。
【0023】
処理部B1は、ストレートパス28の経路出口(受渡部35)の下方に配置され、受渡部35を介してストレートパス28から順次受け渡された複数枚のシートを部揃え集積してシート束とし、このシート束の端部に対して所定の処理の一例である綴じ処理を実行可能である。綴じ処理されたシート束は、積載部としての第1トレイ49に積載される。
【0024】
サドル部B2は、ストレートパス28から鉛直方向下方に分岐した第2搬送経路としてのサドルパス32の受渡部の下方に配置され、サドルパス32及び受渡部を介してストレートパス28から順次受け渡される複数枚のシートを部揃え集積してシート束とし、中綴じ処理を施した後、或いは、中綴じ処理を施さずに折り処理を施して、サドル積載ユニット131に送り出す。以下、各構成について詳述する。
【0025】
[装置ハウジング]
図2に示すように、シート処理装置Bは、装置ハウジング27、ストレートパス28、処理部B1、サドル部B2、第1トレイ49、サドル積載ユニット131、第2トレイ71などを備えている。ストレートパス28、処理部B1、サドル部B2は、装置ハウジング27の内部に配置されている。また、ストレートパス28は、シートの受入部26と、シートの受渡部35を有する。処理部B1及びサドル部B2は、ストレートパス28の受渡部35から受け渡されたシートを処理する。第1トレイ49、サドル積載ユニット131、第2トレイ71は、各処理部から送られたシートを積載する。図示の装置ハウジング27は、ストレートパス28におけるシートの搬送方向上流側に位置する画像形成装置Aの装置ハウジング1と接続されている。そして、装置ハウジング27及び装置ハウジング1は、画像形成装置Aの開口部16とシート処理装置Bの受入部26の設置面からの高さが略同一となるように配置され、開口部16と受入部26とが連結される。
【0026】
[シート受入経路]
シート受入経路であるストレートパス28は、図2及び図4に示すように、装置ハウジング27を略水平方向に横断する略直線経路で構成され、画像形成装置Aの開口部(本体開口部)16と連なる受入部26と、この受入部26から装置を横断して反対側に位置する受渡部35を備えている。このストレートパス28には、受入部26から第1送出パス31に向けて第1方向にシート搬送が可能で、且つ、第1送出パス31から受入部26に向けて第2方向に搬送が可能な搬送ローラとしての入口ローラ29、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203が配置されている。即ち、入口ローラ29、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203は、搬送経路においてシートを第1方向及びこの第1方向とは反対の第2方向に搬送可能であり、第1方向に関して、受入部26側から順に配置されている。
【0027】
第1送出パス31は、ストレートパス28の受渡部35に接続され、この接続部には、第1搬送ローラ36が配置されている。ストレートパス28から第1送出パス31に受け渡され、第1送出パス31から送り出されたシートは、第1トレイ49へと送り出されるか、又は、処理部B1へと案内される。なお、上述の各搬送ローラは、搬送ベルトなどのシートを搬送可能な他の部材であっても良い。
【0028】
[シート受入経路のレイアウト]
ストレートパス28には、図2及び図4に示すように、分岐経路であるサドルパス32、上搬送パス30が接続されている。サドルパス32及び上搬送パス30は、第1方向に関して受入部26から第1送出パス31に向かって順に配置されている。また、サドルパス32は、ストレートパス28から鉛直方向下方に向かって分岐しており、上搬送パス30は、ストレートパス28から鉛直方向上方に向かって分岐している。ストレートパス28と、サドルパス32及び上搬送パス30とのそれぞれの分岐部には、搬送されたシートの搬送方向を切り換える切換部材としてのサドルパス切換部材33、上搬送パス切換部材34が配置されている。
【0029】
[パスの分岐]
上搬送パス切換部材34は、受入部26から受け入れたシートを第1送出パス31と、上搬送パス30のいずれかに搬送するように搬送経路を変更するように稼働する切換部材ガイドで構成され、電磁ソレノイド、ミニモータなどの駆動部(図示しない)に連結されている。
【0030】
[上搬送パス]
ストレートパス28には、第1送出パス31へ送り出すシート以外を搬送する上搬送パス30(プリントアウト送出パス)が連結され、パス分岐部には上搬送パス30にシートを案内するための上搬送パス切換部材34を備えている。また、上搬送パス30には、シートを第2トレイ71へと案内する搬送ローラとして第4搬送ローラ204、第5搬送ローラ205、第6搬送ローラ206、及び、送出部としての第2送出ローラ対207が備えられている。これらにより、上搬送パス30へと案内されたシートは、第2送出ローラ対207によって上搬送パス開口部40から積載トレイ(積載部)としての第2トレイ71(オーバフロートレイ)へと送り出される。
【0031】
処理部B1は、ストレートパス28の下流側に配置され第1送出パス31から送られたシートを載置し、載置された複数のシートを部揃え集積する載置部としての処理トレイ37と、集積されたシート束を綴じ処理する綴じ処理機構47で構成される。そして、処理部B1は、処理トレイ37に載置されたシート束に綴じ処理を施す。綴じ処理機構47は、ストレートパス28の鉛直方向下方に配置されている。図2及び図4に示すように、第1送出パス31には、段差を形成してその下方に処理トレイ37が配置されている。第1送出パス31と処理トレイ37との間には、第1送出パス31の開口部31aから搬送方向を反転させてシートを処理トレイ37上に案内する第1スイッチバックパスが形成されている。
【0032】
具体的には、第1送出パス31には、シートを挟持して搬送する上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48が設けられている。上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48により送出部としての送出ローラ対42を構成している。上搬送ローラ41は、下搬送ローラ48と当接及び離間可能となっており、上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48がシートを挟持した状態で第1トレイ49に向かう方向と、この方向とは逆方向に搬送可能である。そして、上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48により処理トレイ37に向けて第1スイッチバックパスを介して搬送可能となっている。また、上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48(即ち、送出ローラ対42)は、処理トレイ37上のシート又はシート束を、開口部31aから積載トレイ(積載部)としての第1トレイ49に送り出す。開口部31aは、装置ハウジング27の下搬送ローラ48の上方に開口された部分である。更に、送出ローラ対42は、処理トレイ37を経由せずに第1送出パス31に搬送されたシートを、開口部31aから第1トレイ49に送り出す。
【0033】
綴じ処理機構47は、シートの端部(後端)と当接してシートを位置決めする後端規制部47aを有する。処理トレイ37上には、上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48により処理トレイ37に搬送されたシートを後端規制部47aに向けて搬送する掻き込み部38が配置されている。そして、綴じ処理機構47は、処理トレイ37上に載置され、端部の位置が後端規制部47aにより規制された複数枚のシートからなるシート束の端部に綴じ処理を施す。また、綴じ処理機構47は、シート束の端部に綴じ処理を行った後、このシート束を第1トレイ49に搬出するシート束搬出機構を有する。
【0034】
なお、図2に示す綴じ処理機構47は、処理トレイ37と、その下流側の第1トレイ49との間で、第1送出パス31から送られたシートが跨るように支持している。つまり、第1送出パス31から送られたシートは、その先端部を下流側の第1トレイ49の最上シートの上に、後端部を処理トレイ37上に支持される。
【0035】
[サドルパス]
ストレートパス28には、上述のサドル部B2にシートを搬送するためのサドルパス32が連結され、パス分岐部にはサドルパス32にシートを案内するためのサドルパス切換部材33を備えている。サドルパス32によってサドル部B2へと案内されたシートは、中折り処理された後に略水平方向に配置された折り後パスガイド114、第2ローラ後パスガイド116、及び、サドル送出ガイド124を経由して、サドル積載ユニット131へと送り出される。本実施形態では、サドル送出ガイド124は、シートがサドル積載ユニット131へ適切に積載されるための補助ガイドとして使用される。
【0036】
[制御構成]
図3を用いて、画像形成システム1000の制御構成の概略について説明する。まず、画像形成装置Aは、制御部310、操作部302、搬送制御部303、画像処理部304、駆動部305、通信部306を有する。制御部310は、CPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313を有している。CPU311は、ROM312に格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAM313には、作業用データや入力データが格納されており、CPU311は、前述のプログラム等に基づいてRAM313に収納されたデータを参照して制御を行う。
【0037】
操作部302は、制御部310と接続された、例えば、画像形成装置Aに設けられた操作パネルであり、操作者が装置の操作を行ったり各種設定を行う。搬送制御部303は、画像形成装置Aにおいてシートの搬送を行う各種搬送ローラや搬送経路を切り換える切換部材を制御する。画像処理部304は、画像形成部3を制御する。駆動部305は、各種モータや電源を制御する。通信部306は、パーソナルコンピュータなどの外部機器301やシート処理装置Bの通信部321と制御部310とを通信可能に接続する。
【0038】
シート処理装置Bは、スタッカー制御部330、搬送制御部322、端部綴じ制御部323、送出処理制御部324、通信部321を有する。これは、後述する図10及び図13に示すように、処理ユニット200の装置ハウジング27の内部に配置された回路基板500上に設けられている。装置ハウジング27の奥側には、回路基板500や電源などが収容された収容部501が設けられている。回路基板500は、第1トレイ49等の昇降動作を制御する制御基板でもよいし、制御基板に中継する中継基板でもよい。
【0039】
スタッカー制御部330は、制御部310と同様に、CPU331、ROM332、RAM333を有している。搬送制御部322は、シート処理装置Bのサドル部B2以外においてシートの搬送を行う各種搬送ローラや搬送経路を切り換える切換部材を制御する。端部綴じ制御部323は、処理部B1を制御する。送出処理制御部324は、シートの送り出し及び送り出されたシートが積載される各種積載トレイを制御する。通信部321は、画像形成装置Aの通信部306及びサドル部B2の通信部341とスタッカー制御部330とを通信可能に接続する。なお、通信部306と通信部321との間の通信は有線通信で行っても良いし無線通信で行っても良い。
【0040】
なお、通信部321は、報知部として機能し、後述するように、第1トレイ49や第2トレイ71などの積載トレイ上にシートが有ると検知された場合、シートが有る旨の報知を行う。具体的には、画像形成装置Aの通信部306にシートが有る旨の情報を送信し、例えば、操作部302の表示部にシートが有る旨を表示させる。
【0041】
サドル部B2は、サドル制御部350、搬送制御部342、中綴じ制御部343、中折り制御部344、通信部341を有する。サドル制御部350は、制御部310と同様に、CPU351、ROM352、RAM353を有している。搬送制御部342は、サドル部B2においてシートの搬送を行う各種搬送ローラや搬送経路を切り換える切換部材を制御する。中綴じ制御部343は、中綴じ処理部104を制御する。中折り制御部344は、中折り処理機構C1を制御する。通信部341は、シート処理装置Bの通信部321とサドル制御部350とを通信可能に接続する。
【0042】
[サドル部]
サドル部B2は、図2に示すように、中折り処理機構C1を有する。中折り処理機構C1は、ストレートパス28から送られたシートを部揃え集積してシート束とし、シート束の搬送方向中央部に綴じ処理を施して、綴じ処理された位置でシート束を折り曲げる中折り処理を施す。そして、中折り処理機構C1の下流側には、サドル積載ユニット131が配置され、製本処理されたシート束を収納する。なお、シート1枚又は複数枚のシートを部揃え集積して、中綴じ処理をせず搬送方向中央部を折り曲げる中折り処理のみを施すことも可能である。
【0043】
[シート積載構成の詳細]
本実施形態のシート処理装置Bのシート積載構成の詳細について、図5ないし図17を用いて説明する。シート処理装置Bは、上述したように、装置ハウジング27、送出部としての送出ローラ対42及び第2送出ローラ対207を含む処理ユニット200と、積載トレイとしての第1トレイ49、第2トレイ71などを有する。また、シート処理装置Bは、第1トレイ49と第2トレイ71をそれぞれ昇降させる昇降機構210と、第1トレイ49と第2トレイ71のそれぞれトレイ上のシートの有無を検知するシート有無検知機構220とを備える。昇降機構210とシート有無検知機構220の構成は、第1トレイ49と第2トレイ71とで同様であるため、以下では、第1トレイ49に関してのみ説明する。
【0044】
まず、装置ハウジング27からシートが第1トレイ49に送り出される開口部31a周辺の構成について、図5を用いて説明する。なお、以下で説明する開口部31a周辺の構成は、上搬送パス開口部40周辺についても同様である。装置ハウジング27の外面のうち、開口部31aの下方で、第1トレイ49と処理部B1との間には、送り出されたシートの後端(送り出し方向に関して上流側の端部)が突き当たる突き当て部材271が設けられている。この突き当て部材271は、第1トレイ49上に送り出されて積載するシートの搬送方向を揃える役割がある。
【0045】
また、第1トレイ49のシートが積載される積載面49aは、突き当て部材271に向かってなだらかに傾斜して下がっており、開口部31aから送り出されたシートは、第1トレイ49上に落下した後に積載面49aの傾斜に沿って滑り下り、やがてシート後端が突き当て部材271まで到達して停止する。
【0046】
また、第1送出パス31には、シートの送り出し方向に交差するシートの幅方向の整合を行う幅方向揃え部272、及び、シートの送り出し方向の整合を行う送出方向揃え部274を備えることが可能となっている。幅方向揃え部272は、第1トレイ49の上方に設けられている。幅方向揃え部272は、上下方向に移動可能で、且つ、幅方向に移動可能な一対の揃え部材273a、273bを有する。第1トレイ49の積載面49aには、揃え部材273a、273bが下降したときに侵入可能な凹み49bが形成されている。図5は、揃え部材273a、273bが上搬送ローラ41及び下搬送ローラ48のニップ点よりも上方に退避した状態であり、この状態で開口部31aからシートが送り出される。そして、第1トレイ49にシートが送り出されたら、揃え部材273a、273bが凹み49bに一部が侵入するまで下降して、シートの幅方向両側からシートの幅方向両端部を叩く。これにより、シートの幅方向整合が行われる。
【0047】
一方、送出方向揃え部274は、上下方向に移動可能で、且つ、回転することで第1トレイ49上のシートを送り出し方向とは反対方向に搬送可能な搬送部としてのパドル275を有する。パドル275は、第1トレイ49の上方に配置され、第1トレイ49上のシートに接触して該シートを、シートの送り出し方向に関して上流側に搬送する搬送位置と、搬送位置よりも上方に退避した退避位置に移動可能である。
【0048】
図5は、パドル275が開口部31aよりも上方に退避した状態(退避位置にある状態)であり、この状態で開口部31aからシートが送り出される。そして、第1トレイ49にシートが送り出されたら、パドル275が搬送位置に向けて下降し、パドル275が回転することで、開口部31aから送り出されたシートを第1トレイ49に落としながら突き当て部材271に向けて搬送する。
【0049】
[昇降機構]
次に、第1トレイ49の昇降機構210について、図6ないし図8を用いて説明する。図6は第1トレイ49の昇降機構210をシート処理装置Bから抜き出して示した図であり、図7及び図8は昇降機構210の駆動部211周辺を拡大した図である。シートを積載トレイとしての第1トレイ49や第2トレイ71に送り出す際には、積載したシートの整列性が低下しないように積載面49a或いは積載面49a上の最上位シートの位置を一定に保つべく、第1トレイ49や第2トレイ71を昇降させる必要がある。このために、本実施形態では、送出ローラ対42又は第2送出ローラ対207によって送り出され第1トレイ49上又は第2トレイ71上に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるように、昇降部としてのトレイモータ190により、第1トレイ49又は第2トレイ71を下降させ、第1トレイ49上又は第2トレイ71上に積載されたシートが取り除かれたら第1トレイ49又は第2トレイ71を上昇させるようにしている。第1トレイ49及び第2トレイ71の動作は同じなので、以下、第1トレイ49を例に説明する。
【0050】
本実施形態の昇降機構210は、ベルトにより駆動する方式を採用しており、第1ベルト80、第1プーリ81、駆動軸82、ギヤ83~87、第2プーリ88、第2ベルト89、トレイモータ190などを備える。第1トレイ49は、幅方向両側をそれぞれ2本の第1ベルト80で保持されている。2本の第1ベルト80は、装置ハウジング27のフレームにそれぞれ取り付けられている略鉛直方向に配置された上下2個の第1プーリ81により駆動が伝達されている。2本の第1ベルト80は、駆動軸82を介して、昇降部としてのトレイモータ190によって駆動され、第1トレイ49を昇降している。
【0051】
即ち、トレイモータ190の駆動により第2ベルト89を介してプーリ88が回転し、プーリ88の回転が同軸上に配置されたギヤ87、86に伝達される。そして、ギヤ86の回転が同軸上に配置されたギヤ85、84に伝達され、ギヤ84から駆動軸82の端部に設けられたギヤ83に更に回転が伝達される。駆動軸82は、2本の第1ベルト80に跨るように配置され、図6の右側に配置されたトレイモータ190の駆動を左側の第1ベルト80に伝達する。これにより、2本の第1ベルト80がトレイモータ190により回転駆動され、2本の第1ベルト80に保持された第1トレイ49が昇降する。なお、第1トレイ49は、装置ハウジング27に略鉛直方向に設けられた不図示のレールに沿って移動する。なお、第1トレイ49を昇降させる昇降部としてのモータは、第1トレイ49側に配置されていても良い。
【0052】
また、図7及び図8に示すように、ギヤ86及びギヤ87の軸にはギヤ191を介して過負荷保護装置であるトルクリミッタ180が取り付けてあり、第1トレイ49上に積載するシート束の重量を支えている。これにより、過積載時にトルクリミッタ180が滑り回転して第1トレイ49や駆動部品が破損することを防止する。更に、ギヤ84とギヤ85の係合部はラチェットとなっており、第1トレイ49が上昇時に異物や作業者の手が挟まった場合、ギヤ84とギヤ85間で駆動を切り離し可能としている。これにより、第1トレイ49や駆動部品の破損防止や作業者のケガ防止の効果がある。
【0053】
更に、図8に示すように、駆動軸82上にはエンコーダ520が取り付けられている。このエンコーダ520のON/OFFをトレイ位置検知センサS10により検知することで、スタッカー制御部330が第1トレイモータ190の回転量、即ち、第1トレイ49の移動量を検知可能である。トレイ位置検知センサS10は、装置ハウジング27に設けられており、シート処理装置Bの回路基板500(後述する図10など参照)に不図示の配線を介して電気的に接続されている。
【0054】
[シートの上面検知]
次に、第1トレイ49に積載されたシートの上面検知を行うための上面検知部502の構成について、図9ないし図12を用いて説明する。シートの上面検知とは、第1トレイ49上に積載された複数枚のシートのうち、最上位のシートの上面位置を検知することである。図9は、第1トレイ49、送出ローラ対42、突き当て部材271、上面検知部502を抜き出して示す斜視図である。図10は、開口部31aからシートの送り出し方向下流側に向かって見た図である。図11及び図12は、第1トレイ49の上流端部側を装置の奥側から手前側に向かって見た図であり、図11は第1トレイ49上にシートがない状態を、図12は第1トレイ49上にシートがある状態をそれぞれ示している。
【0055】
上面検知部502は、図9に示すように、発光部510dと、発光部510dから発光された光を受光可能な第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cとを有する。発光部510dは、送り出し方向に交差するシートの幅方向に関して、第1トレイ49のシートが積載される積載面49aよりも片側に配置されている。一方、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cは、幅方向に関して、積載面49aよりも他側に配置されている。
【0056】
図示の例では、第1トレイ49の幅方向両側の端部寄り部分にそれぞれ切り欠き49cが形成されており、第1トレイ49が昇降した際に、幅方向片側の切り欠き49cを発光部510dが、幅方向他側の切り欠き49cを第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cがそれぞれ通過可能となっている。なお、発光部510dを幅方向に関して第1トレイ49よりも片側に、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cを幅方向に関して第1トレイ49よりも他側に配置しても良い。
【0057】
上述の発光部510d、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cは、処理ユニット200の装置ハウジング27に設けられ、図10に示すように、シート処理装置Bの回路基板500に配線部としての配線503により電気的に接続されている。具体的には、図3に示すように、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510c(図3では、併せて「受光部」と表示)は、出力部325を介して回路基板500に接続されている。
【0058】
出力部325は、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cの受光状態に応じて電気信号を出力するものである。出力部325は、透光時(受光部が光を受光した時)だけではなく、遮光時の「ゼロ」も「出力」する。なお、後述するように、本実施形態では、第2受光部510bが遮光されたときに第1トレイ49上にシートが有ると判定されるが、第2受光部510bが遮光されたときに第1トレイ49上にシートが無いと判定する構成であっても良い。
【0059】
出力部325から出力された電気信号は、受信部としてのインターフェース部326が受け取る。判定部としてのスタッカー制御部330は、インターフェース部326が受け取った電気信号に応じて、後述するように、第1トレイ49上(積載部上)のシートの有無を判定する。出力部325とインターフェース部326とは、処理ユニット200に設けられた配線503により接続されている。以下、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cなどの各種センサで「検知する」といった場合、センサの状態に応じて出力される電気信号に基づいて、スタッカー制御部330などの各種制御部が、センサによる検知対象物の状態を判定することをいう。
【0060】
なお、発光部510d、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cは、開口部31aの下流側で、且つ、突き当て部材271の近傍に配置されている。また、発光部510dは1つであり、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cは、この発光部510dから発光された光を受光可能な範囲(図10に示す発光部510dの照射範囲α)に、第1トレイ49の昇降方向(高さ方向、略鉛直方向)に並んで配置されている(図11及び図12参照)。具体的には、高さ方向に関して中央にある第2受光部510bは、発光部510dとほぼ同じ高さ位置に配置され、第1受光部510aは第2受光部510bの上側に、第3受光部510cは第2受光部510bの下側にそれぞれ配置されている。
【0061】
第1トレイ49の高さ方向の位置は、上述の上面検知部502により、第1トレイ49又は第1トレイ49に積載されたシートを検知することで制御する。図3及び図10に示すように、発光部510dから光が放たれて、第1受光部510a、第2受光部510b、第3受光部510cがその光を受光したかどうかによって、各受光部のON/OFFの信号(電気信号)が出力部325から出力される。本実施形態では、受光部が光を受光しなかった場合(遮光された場合)にONの信号、受光した場合にOFFの信号となる。そして、その検知信号(電気信号)は、配線503を介して回路基板500のインターフェース部326に送られ、回路基板500に設けられたスタッカー制御部330が、その信号に基づいて送出処理制御部324(図3)を介してトレイモータ190を制御するなどして、第1トレイ49の高さ位置を制御する。
【0062】
ここで、中央の第2受光部510bは、第1トレイ49上のシートの上面検知を行うためのセンサ(シート上面検知センサ、紙面検知センサともいう)である。上側の第1受光部510aは、図12に示すように、第1トレイ49上に送り出されたシートS1の後端が突き当て部材271にもたれかかったこと(後端もたれ)を検知するためのセンサである。上述のように、発光部510dが第2受光部510bと略同じ高さの位置にあるため、第2受光部510bの上側にある第1受光部510aが受光していた発光部510dから発光された光は、第1トレイ49上のシートS1によって遮蔽され、第1受光部510aがONとなる。下側の第3受光部510cは、図12に示すように、例えばジョブ実行中に第1トレイ49上にシート束S2が積載されており、第1トレイ49が下降した状態でシート束S2を急に抜き取られたことを検知するためのセンサである。即ち、第3受光部510cは、通常、第1トレイ49やシートにより遮光された状態(ON状態)であるが、シート束S2が抜き取られることで、発光部510dから発光された光を受光してOFFとなる。
【0063】
本実施形態のスタッカー制御部330(図3)は、ジョブ開始前やジョブ終了後及び満載時には、第2受光部510bが第1トレイ49や積載面49a上のシート束S2によって遮光される位置に第1トレイ49を位置づけている(図39)。図39は、第2受光部510bが積載面49a上のシート束S2によって遮光される位置に、第1トレイ49を位置づけている状態を示している。よって、ジョブ終了後に第1トレイ49上のシート束S2がユーザによって抜き取られた場合、第2受光部510bがシート束S2により遮光された状態(ON状態)から発光部510dから発光された光を受光してOFF状態となる。一方、ジョブ実行中は、第2受光部510bはOFF状態で第3受光部510cがON状態となる位置(後述するシート受入位置)に第1トレイ49を位置づける。
【0064】
図11は、第1トレイ49は、シートが積載されていない状態で送出ローラ対42から送り出されたシートを第1トレイ49上に受け入れる位置であるシート受入位置にある。シート受入位置は、第1トレイ49に積載されるシートの枚数に応じて変わるものであり、例えば、第1トレイ49に複数枚のシートが積載されている場合には、最上位のシートの更に上側にシートを送り出し可能な位置に第1トレイ49を移動させた位置である。
【0065】
その後、ジョブが実行されてシートが第1トレイ49に順次積載されていくと、第2受光部510bがシートにより遮光されONの状態となる。第2受光部510bがONの状態となると、トレイモータ190を駆動して、第1トレイ49を第2受光部510bがOFFとなる位置(発光部510dの光を受光する位置)から所定距離(例えば1mm)下降したシート受入位置まで下降させる。即ち、本実施形態では、シート受入位置を、第2受光部510bがOFFとなった位置から所定距離下降した位置としている。但し、シート受入位置は、第2受光部510bの状態で設定されていれば良く、例えば、第2受光部510bがOFFした位置としても良い。
【0066】
このようにシートが第1トレイ49に積載され、第2受光部510bがONになることに応じて、第1トレイ49を下降させる動作を繰り返すことでシートを第1トレイ49へ順次積載していく。具体的には、スタッカー制御部330は、第1トレイ49にシートが積載されると、5枚に1回、第2受光部510bの状態を確認する。そして、第2受光部510bがON(積載されたシートによって遮光)したら、第2受光部510bがOFF(受光した状態)から更に1mm下降したシート受入位置まで第1トレイ49を下降させる。なお、送出ローラ対42によりシート束を送り出す束出しの場合には、スタッカー制御部330は、毎回、第2受光部510bの状態を確認し、第2受光部510bのON、OFFの信号に基づいて同様に第1トレイ49を下降させる。
【0067】
なお、本実施形態では、所定枚数毎(上述の例では5枚毎)に第2受光部510bの状態を確認して、遮光していたら第1トレイ49を下げるとしているが、所定枚数は例えば1枚などの他の枚数でも良いし、シート坪量に応じて所定枚数を変えても良い。また、枚数カウントはせずに、第2受光部510bの状態を監視して、遮光したら第1トレイ49を下げるようにしても良い。即ち、第2受光部510bの状態を常時監視するようにしても良い。また、第1トレイ49を下げるために第2受光部510bの状態を監視するタイミングを変えるようにしても良い。例えば、ジョブが実行されてから1回目は5枚で第2受光部510bの状態を確認し、2回目以降は4枚で第2受光部510bの状態を確認し、遮光していたら第1トレイ49を下げるようにしても良い。
【0068】
また、第2受光部510bの状態を確認せずに、枚数カウントで所定枚数毎に第1トレイ49を下げるようにしても良い。この場合も、所定枚数は1枚などの他の枚数でも良いし、シート坪量に応じて所定枚数を変えても良い。更に、第2受光部510bの状態を確認せずに、枚数カウントで第1トレイ49を下げる場合、第1トレイ49を下げるための枚数を変えるようにしても良い。例えば、ジョブが実行されてから1回目は5枚で第1トレイ49を下げ、2回目は6枚で第1トレイ49を下げるようにしても良い。
【0069】
スタッカー制御部330は、第1トレイ49を積載許容高さまで下降させた場合、スタッカー制御部330及び通信部321を介して画像形成装置Aへ、第1トレイ49上のシートの積載量が上限に達した旨(即ち、満載検知)を通知する。このとき、第1トレイ49を上昇させて、第1トレイ49上のシートによって第2受光部510bが遮光された状態(ON状態)で動作が一旦停止する。この場合、第1トレイ49は昇降可能エリアの下限付近に位置しており、操作者が第1トレイ49上のシート束を取り除くことで第2受光部510bがOFFとなったことを検知した時点で、スタッカー制御部330は、第1トレイ49の上昇動作を開始する。その後、第2受光部510bがONとなる状態まで第1トレイ49を一旦上昇させて停止する。
【0070】
なお、満載ではなくジョブ実行中は第1トレイ49にシートを積載中に第3受光部510cがOFFとなった場合には、スタッカー制御部330は、第1トレイ49上から一定量のシートを取り除かれたと判断する。そして、第2受光部510bがONとなる状態まで第1トレイ49を一旦上昇させて停止し、第2受光部510bがOFFとなる位置から更に1mm下降したシート受入位置まで下降させて停止する。第1トレイ49の下降量は、図8に示したトレイ位置検知センサS10の検知信号により検知可能である。スタッカー制御部330は、トレイ位置検知センサS10の検知信号に基づいて、例えば、第1トレイ49がジョブ開始時の初期位置からどれだけ下降したかを把握可能である。
【0071】
[トレイの高さ位置の検知]
次に、第1トレイ49の昇降方向の位置(高さ位置)を検知するための構成及び動作について、図13ないし図15を用いて説明する。図13及び図14に示すように、第1トレイ49を昇降させる第1ベルト80の近傍に、高さ検知部としてのエリア検知センサS11~S20が略鉛直方向に並ぶように配置されている。エリア検知センサS11~S20は、処理ユニット200の装置ハウジング27に設けられており、シート処理装置Bの回路基板500に不図示の配線により電気的に接続されている。
【0072】
また、エリア検知センサS11~S20は、それぞれ発光部と受光部とが隙間をあけて対向して配置されたフォトインタラプタであり、この隙間を遮蔽板(フラグ)192が通過可能となっている。遮蔽板192は、第1トレイ49に設けられ、第1トレイ49と共に昇降する。そして、遮蔽板192がエリア検知センサS11~S20のうちの1つ或いは複数のセンサの隙間に侵入することで、その1つ或いは複数のセンサが検知状態(ON)となる。
【0073】
エリア検知センサS12は、第1トレイ49の昇降方向に関する基準位置(HP)を検知可能な位置に配置された基準位置検知部(ホームポジションセンサ)であり、この位置に第1トレイ49がある場合に検知状態(ON)に、この位置よりも下方に第1トレイ49がある場合に非検知状態(OFF)になる。基準位置は、上述のシート受入位置よりも上方に位置する。エリア検知センサS11、S13~S20は、エリア検知センサS12(HP)からそれぞれ間隔をあけて配置されている。それぞれのセンサのエリア検知センサS12からの距離は、検知したい第1トレイ49上に積載されたシート束の高さに相当し、各センサの検知状態から第1トレイ49の高さ位置、即ち、第1トレイ49上のシート束の高さを検知可能である。
【0074】
なお、図13において一番上にあるエリア検知センサS11は、第1トレイ49の上限検知センサであり、遮蔽板192がエリア検知センサS11に検知されたら、第1トレイ49がそれ以上、上昇しないように昇降動作を制限する。このエリア検知センサS11は、HP(ホームポジション)を検知するエリア検知センサS12の下方、エリア検知センサS13の上方となる位置に配置しても良い。この場合、例えば、遮蔽板192の下端部がエリア検知センサS11を通過したタイミングや、このタイミングから一定の距離上昇したタイミングで、第1トレイ49が上限に達したと判断する。
【0075】
また、遮蔽板192は、第1トレイ49の昇降動作時に上述のエリア検知センサS11~S20に検知される位置に設けられており、略鉛直方向に所定長さを有する。この遮蔽板192の所定長さはエリア検知センサS11~S20同士の間隔の中で2番目に長い間隔より長く設定されている。図15に例を示すように、遮蔽板192の長さをLfとし、各センサの間隔を長い順にL1、L2、L3とすると、L1>Lf>L2>L3となるように遮蔽板192の長さを設定する。なお、図15のSEN A~Dは、エリア検知センサS11~S20の何れかを示している。このように遮蔽板192の長さと各センサとの間隔を設定することで、エリア検知センサS11~S20を遮蔽板192が通過してON/OFFするパターンにより、第1トレイ49がどの高さ(エリア)に位置しているのか第1トレイ49を昇降させなくても検知可能となる。
【0076】
このように、シート処理装置Bには、積載トレイとしての第1トレイ49及び第2トレイ71の高さ位置を検知する構成が二種類設けられている。一つは、エンコーダ520とトレイ位置検知センサS10により、積載トレイの細かい移動量を検知することができるものである。もう一つは、エリア検知センサS11~S20と遮蔽板192により積載トレイがどこまで下降したかを知ることができるものである。エンコーダ520により検知する方法は、細かく移動量を検知できる反面、昇降を繰り返すと駆動部のガタにより実際の移動量と検知量がずれてしまうリスクがある。一方、遮蔽板192により検知する方法は、積載トレイが確実に所定の位置まで下降したことを検知できるというメリットがある。ここまで第1トレイ49の昇降動作、制御、位置検知等について述べてきたが、これは第2トレイ71も同様である。
【0077】
[シート有無検知機構]
次に、積載トレイ上のシートの有無を検知するシート有無検知機構220について、前述の図11を参照しつつ、図16及び図17を用いて説明する。なお、以下では、第1トレイ49に関するシートの有無検知について説明するが、第2トレイ71においても同様である。
【0078】
シート有無検知機構220は、第1トレイ49上のシートの有無を検知するものであり、変位部としての移動部材(フラグ)193と、検知部221とを備える。移動部材193は、第1トレイ49に設けられ、第1トレイ49上のシートの有無に応じて変位可能である。本実施形態では、移動部材193は、第1トレイ49上にシートが無い場合に第1位置に、第1トレイ49上にシートが有る場合に該シートが接触することで第2位置に移動可能である。即ち、移動部材193は、第1トレイ49上にシート又はシート束が有るか無いかによって姿勢が変化するものである。本実施形態におけるシート有無検知機構220の移動部材193は、例えば、坪量45g/mのシートを第1トレイ49上に置いた場合に移動できるものであれば良く、坪量45g/m以上のシートが第1トレイ49上にある場合に、第1トレイ49上シートが有ると検知する。したがって、移動部材193としては、例えば坪量45g/m未満のシートなど坪量が小さいシートに対して移動しない場合も含む。但し、移動部材193により検知可能なシートの坪量下限は、設計により適宜変更可能である。
【0079】
検知部221は、処理ユニット200の装置ハウジング27に設けられ、回路基板500と出力部325を介して配線503により電気的に接続され、第1トレイ49が所定位置にある状態で移動部材193の位置を検知するためのものである。即ち、出力部325は、第1トレイ49が所定位置にある状態で移動部材193の変位に応じて電気信号を出力可能である。本実施形態では、検知部221は、上述した上面検知部502と兼用している。即ち、検知部221は、上面検知部502の構成のうち、発光部510dと、第2受光部510bとを有する。以下、それぞれの構成について詳しく説明する。
【0080】
移動部材193は、図17に示すように、接触部193aと、被検知部193cとを有する。接触部193aは、シートに接触可能な部分であって、第1位置において、図16に示すように、第1トレイ49のシートが積載される積載面49aよりも上方に突出し、積載面49aにシートが積載されることに伴って第2位置に移動する。移動部材193は、第1トレイ49の内部に配置されており、第1トレイ49の積載面49aには、接触部193aが突出可能な透孔49dが形成されている。
【0081】
被検知部193cは、接触部193aの移動に連動して検知部221により検知されることが可能な部分である。被検知部193cは、一定の面積を有し、且つ、昇降方向に沿った面形状を有する。そして、移動部材193が第2位置にある場合には、検知部221を構成する発光部510dと第2受光部510bとの間を通過する光を遮ることが可能なっている。第1トレイ49のシートの送り出し方向上流端部で積載面49aよりも下方には、被検知部193cを第1トレイ49の送り出し方向上流側の外部に露出させる透孔49eが形成されている。
【0082】
本実施形態の場合、移動部材193は、図17に示すように、第1トレイ49に揺動自在に支持される揺動支持部193bを更に有する揺動部材である。接触部193aは、揺動支持部193bの片側に設けられており、被検知部193cは、揺動支持部193bの他側に設けられている。したがって、接触部193aが積載面49aよりも上方に突出する第1位置では、被検知部193cは検知部221により検知可能な位置よりも下方に位置する。一方、接触部193aが積載面49aに積載されたシートに接触することで第2位置に移動した場合には、移動部材193が揺動支持部193bを中心に揺動することで、被検知部193cが第1位置における位置よりも上方に移動する。
【0083】
本実施形態の移動部材193は、接触部193aにシートが接触していない状態で第1位置となるように、移動部材193の重心位置が揺動支持部193bよりも被検知部193c側となるようにしている。第1位置では、移動部材193に設けられた突部193dが第1トレイ49の内壁に当接し、その姿勢が維持される。そして、第1トレイ49にシートが積載されてシートが接触部193aに接触すると、シートの重みにより接触部193aが下がって、移動部材193が第2位置に移動するようになっている。
【0084】
なお、移動部材193が第1位置になる方向に、移動部材193の一部をバネなどの付勢部材で付勢するようにしても良い。また、移動部材193は、このような揺動部材に限らず、接触部193aが積載面49aよりも突出、及び、突出した位置から下方に退避する方向に移動し、この移動を例えばリンク機構などにより被検知部193cに伝達するような構成であっても良い。
【0085】
ここで、シートの有無を検知するためのフォトインタラプタなどのセンサが第1トレイ49に配置されている場合、シート処理装置Bの処理ユニット200側にある回路基板500と、処理ユニット200の外側にあるセンサを配線で電気的に接続する必要がある。この場合、配線が第1トレイ49と処理ユニット200とに跨るように配置される。第1トレイ49は、上述のように昇降するため、配線には昇降動作の繰り返しに耐えられることが要求され、コストが高くなってしまう。具体的には、配線の断線を抑制するために配線自体の強度を確保するためのコストが高くなると共に、配線をガイドする部分にもコストがかかってしまう。
【0086】
そこで、本実施形態では、上述のように、第1トレイ49上にシート又はシート束が有るか無いかによって姿勢が変化する移動部材193を第1トレイ49に設けるが、この移動部材193の移動を検知する検知部221は、処理ユニット200(具体的には装置ハウジング27)側に設けるようにしている。検知部221を処理ユニット200側に設けることで、検知部221と回路基板500とを接続する配線を処理ユニット200側だけに配置することができ、配線の断線を抑制できる。即ち、構成の複雑化を避けながら、昇降可能な第1トレイ49上のシート有無を検知するためのセンサと回路基板とを繋ぐ配線の断線を抑制することができる。また、配線の強度確保や配線のガイドにかかるコストを、配線を第1トレイ49と処理ユニット200とに跨るように配置する場合よりも低くできる。特に本実施形態では、この検知部221をシートの上面検知を行うセンサと兼用することで、更なる低コスト化を図れる。
【0087】
このように、移動部材193を検知する検知部221は、上面検知部502の発光部510dと第2受光部510bとで構成される。発光部510d及び第2受光部510bは、第1トレイ49の積載面49aを挟むように幅方向両側にそれぞれ配置されている。そして、移動部材193が第1位置と第2位置のうちの何れか一方の位置にあり(即ち、第1トレイ49にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合で)、且つ、第1トレイ49が所定位置にある場合に、移動部材193の一部である被検知部193cは、発光部510dから発光された光が第2受光部510bに受光されないように遮光する。本実施形態では、移動部材193が第2位置にある場合に、被検知部193cが遮光する構成としている。
【0088】
上述の所定位置とは、第1トレイ49が昇降方向に関してその位置にある場合に、移動部材193が第1位置と第2位置のうちの何れか一方の位置(本実施形態では第2位置)にあると、被検知部193cが発光部510dから発光された光を遮光する位置である。本実施形態では、第1トレイ49の基準位置よりも所定の距離上昇した位置である。したがって、検知部221は、第1トレイ49が所定位置よりも下方にある場合は、第1トレイ49または第1トレイ49に積載されたシートを検知する上面検知部502として機能する。即ち、出力部325は、第1トレイ49が所定位置よりも下方にある場合は、第1トレイ49または第1トレイ49に積載されたシートに応じて電気信号を出力する。スタッカー制御部330は、出力部325から出力された電気信号に応じて第1トレイ49の積載面49aの位置または積載面49aに積載された複数枚のシートのうちの最上位のシートの上面位置を判定する。
【0089】
なお、本実施形態では、検知部221を、移動部材193を挟んで発光部510dと第2受光部510bとが両側にある透過型のセンサとしているが、反射型のセンサとしても良い。透過型のセンサの場合、第2受光部510bが光を受光しない状態で第2受光部510bがONとなる。一方、反射型のセンサの場合、発光部510d及び第2受光部510bが移動部材193の片側にあり、発光部510dから発光された光が移動部材193の被検知部193cに反射して第2受光部510bで受光される構成となる。そして、第2受光部510bが光を受光した状態で第2受光部510bがONとなる。
【0090】
[シート送出制御]
ここで、本実施形態のシート処理装置Bにおけるシート送出制御について、図3など参照しつつ図18を用いて説明する。なお、本実施形態の画像形成システム1000は、第1トレイ49上の全てのシートや一部のシートが取り残された状態などシートが第1トレイ49に残された状態で第1トレイ49にシートが積載される場合に生じる積載不良や落丁を防止するために「混載禁止モード」が設定可能である。モードの設定は操作部302や外部機器301から行うことができる。以下では、混載禁止モードにおける第1トレイ49におけるシート送出制御について説明するが、第2トレイ71においても同様である。まず、装置の電源が投入されると、スタッカー制御部330は、エリア検知センサS11~S20の検知状態から第1トレイ49の位置情報を得ると共に、前回電源を切る前に保存されていたジョブの情報(シートサイズなど)から第1トレイ49が満載状態であるか否かを判断する(S101)。
【0091】
S101で満載状態である判断された場合(S101のYes)、報知部としての通信部321から満載である旨の情報を画像形成装置Aの通信部306に送信し、操作部302の表示部に、第1トレイ49が満載である旨の情報を表示させる(S102)。この際、スタッカー制御部330は、第2受光部510bの信号を監視しており(S103)、第2受光部510bの信号がONのままであれば(S103のNo)、満載表示を継続する(S102)。一方、第2受光部510bの信号がOFFとなった場合(S103のYes)、第1トレイ49上のシートの有無を検知する「シート有無検知ルーチン」に進む(S104)。第2受光部510bの信号がOFFになる場合としては、操作者によって第1トレイ49上のシートが抜き取られた場合がある。「シート有無検知ルーチン」については後述する。なお、S101において、満載状態ではないと判断された場合(S101のNo)、S107に進む。
【0092】
S104の「シート有無検知ルーチン」において、第1トレイ49上にシートが有ると判断された場合(S105のYes)、シート有無検知ルーチンを継続する。なお、S101において満載状態であると判断された場合には、満載表示も継続する。一方、S104の「シート有無検知ルーチン」において、第1トレイ49上にシートが無いと判断された場合(S105のNo)、満載表示がされていればそれを解除し(S106)、ジョブを受け付ける(S107)。即ち、満載状態では、第1トレイ49からシートが取り除かれないと満載状態が解除されず、満載状態が解除されないと、ジョブは受け付けられない。なお、満載表示がされていない場合、S105からS107に進む。ここまでは、電源投入からジョブ受け付けまでイニシャライズ動作である。この状態で第1トレイ49は後述する所定位置(シート有無検知位置)で停止している。
【0093】
S107において、ジョブを受け付けたら、再度、第2受光部510bの出力を確認する(S108)。これは、イニシャライズ動作後に第1トレイ49上にシートが置かれていないことを確認するためである。S108において、第1トレイ49上にシートが有ると判断された場合(S109のYes)、報知部としての通信部321から第1トレイ49上にシートが有る旨の報知を行う。具体的には、第1トレイ49上にシートが有る旨の情報を通信部321から画像形成装置Aの通信部306に送信し、操作部302の表示部に、例えば、「シートを取り除いてください」というような第1トレイ49上にシートが有る旨の情報を表示させる(S110)。
【0094】
スタッカー制御部330は、表示部に第1トレイ49上にシートが有る旨の情報を表示してから経過時間をカウントし、第1所定時間以内にジョブの続行命令がなければ(S111のNo)、第1所定時間が経過するまでシートが有る旨の情報の表示を継続する(S112のNo、S110)。なお、ジョブの続行命令は、例えば、ユーザが第1トレイ49上にシートが有ると認識しても、操作部を操作するなどしてジョブを継続させる命令である。このため、例えば、表示部には、「シートを取り除いてください」の表示と共に、ジョブの継続を命令するためのボタンなどを表示するようにしても良い。
【0095】
S111において、第1所定時間以内にジョブの続行命令があれば(S111のYes)、第1トレイ49をシート受入位置に移動して第1トレイ49上に積載されているシート上に仕切りシートを送り出す(S113)。仕切りシートとは、例えば、第1トレイ49に積載されているシートとは異なる種類のシートを送り出し、既に第1トレイ49に積載されているシートと、これから第1トレイ49に送り出すシートとを区別するために、積載済みの最上位のシート上に送り出すものである。異なる種類のシートとは、サイズが異なるものでも良いし、色が異なるものでも良い。なお、S112において、第1所定時間が経過した場合でも、仕切りシートを送り出す(S113)。
【0096】
仕切りシートを送り出したら、ジョブを実行してそのジョブにおけるシートの送り出しを行う(S114)。なお、S108の「シート有無検知ルーチン」において、第1トレイ49上にシートが無いと判断された場合(S109のNo)、第1トレイ49をシート受入位置に移動して(図11の状態)ジョブを実行してシートの送り出しを行う(S114)。
【0097】
ジョブの実行中は、スタッカー制御部330が第2受光部510bの信号を監視しており、途中でシートが第1トレイ49から取り除かれたら、第1トレイ49をシート受入位置まで上昇させる。また、1つのジョブが終了し、次のジョブが入力されるまでの間に第1トレイ49からシートが取り除かれた場合、即ち、第2受光部510bの信号がONからOFFに切り替わったら、毎回「シート有無検知ルーチン」を実行するようにしてもよい。
【0098】
S114のシート送出が開始されたら、スタッカー制御部330は、エリア検知センサS11~S20の検知状態、及び、ジョブ情報(シートサイズなど)から第1トレイ49が満載状態になったか否か判断する(S115)。満載状態である判断された場合(S115のYes)、S102に戻る。S115において、満載状態でない判断された場合(S115のNo)、ジョブを継続し、そのジョブが終了してから第2所定時間以内に次のジョブが入力されると(S116のYes)、S107に戻る。第2所定時間経過しても次のジョブが入力されない場合(S116のNo)、スリープ状態に入り(S117)、制御を終了する。スリープ状態とは、ジョブの入力を待機している待機状態よりも省電力の状態である。
【0099】
なお、混載禁止モードが設定されていない場合は、満載時のみシート有無検知ルーチンを実行して満載後に第1トレイ49上のシート有無を確認し、満載時以外はシート有無検知ルーチンを実行せず、S108からS113の処理を実行せずにジョブを受け付けたら第1トレイ49をシート受入位置に移動してジョブを実行するようにしてもよい。また、満載時のおいてもシート有無検知ルーチンを実行せずに、全てのシートを取り除かずに一部のシートが取り除かれた状態で次のジョブを受け付けるモードを設定可能にしてもよい。
【0100】
[シート有無検知ルーチン]
次に、上述のシート有無検知ルーチンについて、図19を用いて説明する。第2受光部510bがOFF状態となりルーチンが開始されると、S201で、第2受光部510bの信号がOFFからONになるまで第1トレイ49を上昇させる。第2受光部510bがON状態になったらエリア検知センサS11~S20の状態から第1トレイ49の高さ位置を検知する(S202)。S202で検知した第1トレイ49の高さ位置が、上述の所定位置(第1所定位置ともいう)よりも十分に下方の第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置であれば(S203のYes)、スタッカー制御部330は、第1トレイ49上にシートが有ると判断する(S204)。
【0101】
即ち、第2受光部510bの信号がOFFからONになるまで第1トレイ49を上昇させた際の第1トレイ49の位置が、第1トレイ49にシートが無い場合に送出ローラ対42からシートが送り出されるシート受入位置から所定量下降した位置(所定の高さ位置)よりも下方の下降位置(第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置)である場合には、スタッカー制御部330は、シート有無検知機構220によるシートの有無の検知に関わらず(即ち、出力部325の電気信号に関わらず)、第1トレイ49にシートが有ると判定し、通信部321により第1トレイ49にシートが有る旨の報知が行われる。
【0102】
なお、第2所定位置は、第1トレイ49に十分なシート束があり、このシート束の最上位のシートの上面が第2受光部510bにより検知される位置である。例えば、図13に示す各エリア検知センサのうち、ホームポジションセンサであるエリア検知センサS12の1つ下のエリア検知センサS13が遮蔽板192を検知している位置である。エリア検知センサS13、或いは、エリア検知センサS13よりも下方のセンサで遮蔽板192を検知していれば、第1トレイ49がシートの積載により十分に下がっている位置であるため、この時点で第1トレイ49にシートが有ると判断できる。
【0103】
S203において、第1トレイ49の高さ位置が第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置ではない、即ち、第2所定位置よりも上方の位置であれば(S203のNo)、S205に進む。第1トレイ49の高さ位置が第2所定位置よりも上方の位置である場合、この時点では、第1トレイ49上にシートが有るか否かを確定できない。このため、まず、第1トレイ49を第1所定距離(例えば3mm)上昇させる(S205)。そして、エリア検知センサS12がONになるか否かを確認する(S206)。エリア検知センサ(トレイHPセンサ)S12がONにならなければ(S206のNo)、第1トレイ49上にシートが有ると判断できるため、S204に進む。
【0104】
一方、S206において、エリア検知センサ(ホームポジションセンサ)S12がONになったら(S206のYes)、第1トレイ49を、シート有無検知機構220によりシートの有無を検知する位置である所定位置(第1所定位置)まで上昇させる(S207)。エリア検知センサS12がONになった位置は、第1トレイ49のホームポジションであり、第1所定位置はこのホームポジションから第2所定距離(例えば8.6mm)上昇した位置である。上述の第1トレイ49の第1所定距離の移動、及び、第2所定距離の移動は、エンコーダ520とトレイ位置検知センサS10を用いて行うことが可能である。
【0105】
第1トレイ49を第1所定位置まで移動させたら、シート有無検知処理を実行する(S208)。シート有無検知処理は、発光部510dから発光された光を第2受光部510bが受光しているか否かを判断する処理である。第2受光部510bがONである場合(S209のYes)、移動部材193が第2位置に位置することで被検知部193cが発光部510dから発光された光を遮光している状態である。このため、第1トレイ49上にシートが有ると判断でき、S204に進む。
【0106】
即ち、第1トレイ49上のシートの有無を検知する際に、検知部221が非検知状態から検知状態となるまで、第1トレイ49を上昇させる。そして、この際の第1トレイ49の位置が、シート受入位置から所定量以内の位置(所定の高さ位置である第2所定位置以上の上昇位置)である場合には、第1トレイ49を所定位置に移動しシート有無検知機構220により第1トレイ49上のシートの有無を検知して(即ち、スタッカー制御部330が出力部325の電気信号に応じて第1トレイ49上のシートの有無を判定して)、第1トレイ49上にシートが有ると検知されたら、通信部321により第1トレイ49にシートが有る旨の報知が行われる。
【0107】
一方、第2受光部510bがOFFである場合(S209のNo)、移動部材193が第1位置に位置することで被検知部193cが発光部510dから発光された光を遮光していない状態である。このため、スタッカー制御部330は、第1トレイ49上にシートが無いと判断する(S210)。
【0108】
[シート有無検知の動作]
上述の図19の動作について、図20ないし図27を用いて説明する。以下では、第1トレイ49上にシートが無い状態、シートが1枚ある状態、シートが10枚程度ある状態を例に、シート有無検知の動作について説明する。なお、図20図27は、第1トレイ49のシート送り出し方向上流端部側を装置の手前側から奥側に見た図である。このため、第2受光部510bが図示されていないが、第2受光部510bの位置は発光部510dと同じ高さの位置である。したがって、発光部510dがシート、第1トレイ49、移動部材193の被検知部193cの何れかにより遮られている場合には、第2受光部510bが遮光された状態(即ち、ON状態)となっていることを示している。
【0109】
[シート無しの状態における動作]
まず、第1トレイ49上にシートが無い状態において、シート有無検知機構220によるシート有無検知の動作を、図20ないし図22を用いて説明する。シート有無検知動作では、まず、図20に示すように、第1トレイ49を第2受光部510bがONするまで上昇させる(図19のS201)。ここでは、第1トレイ49の高さ位置が第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置でないため(図19のS203のNo)、図21に示すように、第1トレイ49を第1所定距離上昇させる(図19のS205)。ここでは、エリア検知センサS12が遮蔽板192を検知している状態(即ち、ON状態)であるため(図19のS206のYes)、図22に示すように、第1トレイ49を第1所定位置まで上昇させる(図19のS207)。
【0110】
そして、シート有無検知処理を実行する(図19のS208)。ここでは、移動部材193が第1位置に位置しており、被検知部193cが発光部510dを遮光していない。即ち、第2受光部510bがOFFの状態である(図19のS209のNo)。このため、スタッカー制御部330は、第1トレイ49にシートが無いと判断する。なお、第1トレイ49は第1所定位置(シート有無検知位置)で停止した状態で次のジョブ受付を待つ。
【0111】
[シートが1枚ある状態における動作]
次に、第1トレイ49上にシートが1枚ある状態において、シート有無検知機構220によるシート有無検知の動作を、図23ないし図25を用いて説明する。シート有無検知動作では、まず、図23に示すように、第1トレイ49を第2受光部510bがONするまで上昇させる(図19のS201)。ここでは、第1トレイ49の高さ位置が第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置でないため(図19のS203のNo)、図24に示すように、第1トレイ49を第1所定距離上昇させる(図19のS205)。ここでは、エリア検知センサS12が遮蔽板192を検知している状態(即ち、ON状態)である(図19のS206のYes)。なお、本例では、第1トレイ49にシートが1枚ある場合を示しているが、例えば、薄紙10枚程度でも同様の状態になる。
【0112】
エリア検知センサS12がONであるため、図25に示すように、第1トレイ49を第1所定位置まで上昇させる(図19のS207)。そして、シート有無検知処理を実行する(図19のS208)。ここでは、移動部材193が第2位置に位置しており、被検知部193cが発光部510dを遮光している。即ち、第2受光部510bがONの状態である(図19のS209のYes)。このため、スタッカー制御部330は、第1トレイ49にシートが有ると判断する。なお、第1トレイ49は同様に第1所定位置で停止している。
【0113】
[シートが10枚以上ある状態における動作]
次に、第1トレイ49上にシート(例えば普通紙)が10枚程度ある状態において、シート有無検知機構220によるシート有無検知の動作を、図26ないし図27を用いて説明する。シート有無検知動作では、まず、図26に示すように、第1トレイ49を第2受光部510bがONするまで上昇させる(図19のS201)。ここでは、第1トレイ49の高さ位置が第2所定位置、或いは、第2所定位置よりも下方の位置でないため(図19のS203のNo)、図27に示すように、第1トレイ49を第1所定距離上昇させる(図19のS205)。
【0114】
ここでは、エリア検知センサS12が遮蔽板192を検知していない状態(即ち、OFF状態)である(図19のS206のNo)。このため、スタッカー制御部330は、第1トレイ49にシートが有ると判断して第1トレイ49の上昇を停止する。
【0115】
このような本実施形態によれば、第1トレイ49に電気部品を配置せず、外部への配線が不要でありながら、第1トレイ49上のシートの有り無しを正確に検知することが可能となり、第1トレイ49上へのシート取り残し要因による積載不良や落丁を防止することができる。この結果、成果物の品位を保ちつつ、複雑な構成を使用することなく、且つ第1トレイ49の昇降動作に耐えうる信頼性を備えたシート処理装置を提供できる。
【0116】
また、本実施形態の場合、第1トレイ49上のシートの有無を検知するシート有無検知機構220が、第1トレイ49に設けられた移動部材193と、装置ハウジング27に設けられた検知部221とで構成される。装置ハウジング27には、検知部221と配線503により接続される回路基板500が設けられている。このため、検知部221と回路基板500とを接続する配線を装置ハウジング27側だけに配置することができ、配線の断線を抑制できる。また、配線の強度確保や配線のガイドにかかるコストを、配線を第1トレイ49と装置ハウジング27とに跨るように配置する場合よりも低くできる。特に本実施形態では、この検知部221をシートの上面検知を行うセンサと兼用することで、更なる低コスト化を図れる。この結果、低コストで第1トレイ49上のシートの有無を検知できる。
【0117】
なお、本実施形態では、第1トレイ49上にシートが無い状態で、第2受光部510b(上面検知センサ)がOFF状態から第1トレイ49を上昇させて第2受光部510bがON状態になった際に、エリア検知センサS12が第1トレイ49の遮蔽板192を検出しない位置関係となっているが、これに限ることはない。例えば、第2受光部510bがOFF状態で第1トレイ49が上昇し、第2受光部510bがON状態となる前にエリア検知センサS12が遮蔽板192を検知可能な配置関係となるようにしてもよい。つまり、エリア検知センサS12が遮蔽板192を検知してから第2受光部510bがON状態になるまでの第1トレイ49の移動量が所定量以内であることを検出した場合に、第1トレイ49をシート有無検知位置に移動して第1トレイ49上のシートの有無を検知してもよい。いずれにせよ、第2受光部510bがOFF状態で第1トレイ49を上昇させてOFF状態からON状態に切り替わった時の第1トレイの高さ位置を検出し、高さ位置が所定の高さよりも下方の下方位置である場合は第1トレイ49上に明らかにシートが載っていると判断し、第1トレイ49が所定の高さ以上の上昇位置である場合は第1トレイ49上にシートが載っているか判断できないためシート有無検知機構220を用いて確実にシートの有無を検出する。
【0118】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図28及び図29を用いて説明する。本実施形態では、シート有無検知の動作の際に、パドル275を下降させてシートを第1トレイ49に押し付けるようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0119】
第1トレイ49に積載されているシートが薄紙などの坪量が小さいシートである場合、シートの重さだけでは移動部材193を第1位置から第2位置に十分に移動させることができない可能性がある。この場合、第1トレイ49にシートが有るにも拘わらず、シートが無いと検知されてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、シート有無検知の動作の際に(即ち、スタッカー制御部330が出力部325から出力された電気信号に応じて第1トレイ49上のシートの有無を判定する際に)、図28に示すように、搬送部としてのパドル275を搬送位置に位置させて、第1トレイ49上のシートを押さえるようにしている。
【0120】
ここで、第1トレイ49の幅方向中央には、移動部材193の接触部193aが上方に突出するように存在している。一方、パドル275は、前述の図5に示すように、幅方向に互いに離間して一対設けられており、一対のパドル275は、第1トレイ49の幅方向中から外れるように配置されている。このため、図29に示すように、第1トレイ49上にシートが無い状態でパドル275が搬送位置に位置しても、パドル275が接触部193aと干渉しない。このため、シート有無検知の動作の際に、第1トレイ49上にシートが無い状態でパドル275を退避位置から搬送位置に移動させても、パドル275により移動部材193が移動することはなく、シートが無いにも拘らずシートが有る検知されることはない。
【0121】
このように本実施形態では、シート有無検知の動作の際に、パドル275を搬送位置に移動させることで、第1トレイ49上にシートの有無の検知をより確実に行える。なお、このような動作は、前述の図5に示した幅方向揃え部272を用いて行うこともできる。この場合、一対の揃え部材273a、273bを、シートの幅方向整合を行う際よりもシートの幅方向中央寄りに寄せた状態、即ち、第1トレイ49上のシートに接触可能な位置で下降させる。この際、揃え部材273a、273bを、シートの幅方向整合の動作を行う位置よりも上側の位置で止める。これは、シートの幅方向整合の動作の際には、揃え部材273a、273bが第1トレイ49の凹み49bに一部が侵入するまで下降するため、シートの有無を検知する際にも同様の位置まで下降した場合、シートにダメージを与えてしまうためである。
【0122】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図30ないし図32を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、検知部221を透過型のセンサとした。これに対して本実施形態では、検知部221Aを反射型のセンサとしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0123】
図30は、第1トレイ49の下側のカバーを外した状態を示している。本実施形態のシート有無検知機構220Aは、変位部としての移動部材222と、検知部221Aを有する。検知部221Aは、第1トレイ49のシート送り出し方向上流端部よりもさらに上流側で、装置ハウジング27の突き当て部材271側に設けられている。突き当て部材271には、シートの後端が突き当たる突き当て面271aと、突き当て面271aよりも凹んだ溝部271bと形成されている。検知部221Aは、突き当て面271aよりも突出しないように溝部271b内に配置されている。検知部221Aは、発光部及び受光部を有し、発光部から発光された光が後述する被検知部225aに反射した場合に受光部で受光可能となっている。本実施形態の場合も、図3で説明したように、検知部221Aの受光部の受光状態に応じて電気信号を出力する出力部を有する。
【0124】
移動部材222は、第1トレイ49に揺動自在に支持された第1部材223と、第1部材223と連結軸224で連結された第2部材225とを有する。第1部材223及び第2部材225は、連結軸224を介して第1トレイ49に揺動自在に支持されており、第2部材225は、第1部材223の揺動に連動して連結軸224を中心に揺動可能である。なお、このように第2部材225を設けているのは、上述のように、検知部221Aが突き当て部材271の溝部271b内に配置されており、その位置で移動部材222の一部である被検知部225aを検知部221Aに対向可能とするためである。
【0125】
第1部材223は、先端部にシートと接触可能な接触部223aが、基端部に連結軸224と連結される第1連結部223bが、それぞれ設けられている。第2部材225は、先端部に検知部221Aと対向する被検知部225aが、基端部に連結軸224と連結される第2連結部225bが、それぞれ設けられている。
【0126】
第1部材223の接触部223aは、第1の実施形態の接触部193aと同様に、第1トレイ49に設けられた透孔49dを介して、積載面49aよりも上方に突出、積載面49aよりも下方に退避可能となっている。第2部材225の被検知部225aは、第1トレイ49上にシートが無く、接触部223aが積載面49aよりも上方に突出した第1位置にある場合には、図31に示すように、検知部221Aと対向する。この状態で検知部221AはONとなる。
【0127】
一方、被検知部225aは、第1トレイ49上にシートS1が有り、接触部223aがシートと接触することで第1位置より下方の第2位置にある場合には、図32に示すように、検知部221Aと対向する位置から外れた位置にある。この状態で検知部221AはOFFとなる。即ち、本実施形態では、第1トレイ49上にシートが無い場合には検知部221AがONになり、シートが有る場合には検知部221AがOFFになる。
【0128】
このような本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、第1トレイ49が所定位置にある状態で、シート有無検知の動作を行い、検知部221AがONであれば第1トレイ49上にシートが無いと判断し、OFFであれば第1トレイ49上にシートが有ると判断する。
【0129】
なお、本実施形態では、検知部221Aが、第1トレイ49または第1トレイ49に積載されたシートを検知する上面検知部502と兼用されていない。このため、図19に示したようなルーチンを実行しなくても、第1トレイ49を所定位置に移動させることで、第1トレイ49上のシートの有無を検知可能である。その際、所定位置をシート受入位置と同じ位置(もしくは近い位置)とすることでシート有無検知の際の第1トレイ49の移動量を少なくすることができる。
【0130】
また、本実施形態の場合、第1トレイ49上にシートが有る場合に、被検知部225aが検知部221Aと対向する位置から外れた位置にあるように、シートが無い場合に被検知部225aが検知部221Aと対向する位置にあるようにしても良い。この場合、検知部221AのON及びOFFとシートの有無の判断の関係が上述と逆になる。したがって、本実施形態の場合も、移動部材222は、第1位置と第2位置のうちの何れか一方の位置にある場合に、移動部材222の一部である被検知部225aが発光部から発光された光を反射させて受光部に受光させる構成であれば良い。
【0131】
また、本実施形態の場合、検知部221Aの位置を、幅方向に関して第1部材223と同じ位置に設けることができれば、第2部材225を省略し、第1部材223に被検知部を設けても良い。更に、本実施形態の場合も、第2の実施形態のように、シート有無検知の動作の際に、パドル275を搬送位置に位置させても良い。
【0132】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について、図33及び図34を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、移動部材193の移動を検知部221により直接検知した。これに対して本実施形態では、移動部材193Aの移動を検知部221Bにより間接的に検知するようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0133】
本実施形態のシート有無検知機構220Bは、移動部材193Aと、検知部221Bを有する。変位部及び第1変位部としての移動部材193Aは、第1の実施形態と同様に、第1トレイ49に揺動支持部193bを介して揺動自在に支持されている。また、揺動支持部193bの片側に設けられた接触部193aが、第1トレイ49に設けられた透孔49dを介して、積載面49aよりも上方に突出、積載面49aよりも下方に退避可能となっている。但し、揺動支持部193bの他側には、被検知部193cの代わりに当接部193eを設けている。
【0134】
検知部221Bは、処理ユニット200の装置ハウジング27に設けられ、第2変位部としての接触移動部材230と、移動部材検知部231とを有する。接触移動部材230は、第1トレイ49が所定位置にある状態で、且つ、移動部材193Aが第1位置と第2位置のうちの何れか一方の位置にある場合に(即ち、第1トレイ49にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に)、移動部材193Aの一部である当接部193eと接触して移動部材193Aの変位に応じて変位する。移動部材検知部231は、発光部と受光部とが隙間をあけて対向して配置されたフォトインタラプタであり、この隙間を接触移動部材(フラグ)230が通過可能となっている。そして、発光部及び受光部を用いて接触移動部材230の移動を検知可能としている。本実施形態の場合も、図3で説明したように、移動部材検知部231の受光部の受光状態に応じて電気信号を出力する出力部を有する。そして、出力部は、接触移動部材230の変位に応じて電気信号を出力する。
【0135】
本実施形態の場合、図33に示すように、第1トレイ49上にシートが無く、移動部材193Aが第1位置にある場合、移動部材193の当接部193eが接触移動部材230と当接しない。この結果、接触移動部材230が移動部材検知部231に検知されないOFF状態となる。
【0136】
一方、図34に示すように、第1トレイ49上にシートS1が有り、移動部材193Aが第2位置にある場合、移動部材193の当接部193eが接触移動部材230と当接する。これにより、接触移動部材230が移動部材検知部231に検知されるON状態となる。
【0137】
このような本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、第1トレイ49が所定位置にある状態で、シート有無検知の動作を行い、検知部221BがONであれば第1トレイ49上にシートが有ると判断し、OFFであれば第1トレイ49上にシートが無いと判断する。
【0138】
なお、本実施形態では、検知部221Bが、第1トレイ49または第1トレイ49に積載されたシートを検知する上面検知部502と兼用されていない。このため、図19に示したようなルーチンを実行しなくても、第1トレイ49を所定位置に移動させることで、第1トレイ49上のシートの有無を検知可能である。また、本実施形態の場合も、第2の実施形態のように、シート有無検知の動作の際に、パドル275を搬送位置に位置させても良い。
【0139】
<第5の実施形態>
第5の実施形態について、図35(a)ないし図36(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、移動部材193を第1トレイ49のシートの送り出し方向上流側に一部が突出するように設け、検知部221を構成する発光部510dと第2受光部510bを、移動部材193の一部を挟むように幅方向に関して積載面49aの両側に配置した。これに対して本実施形態では、移動部材240と連動する連動部としてのフラグ250を第1トレイ49の幅方向の一端部よりも突出させ、検知部221Cを構成する発光部511aと受光部511bを、フラグ250を挟むように略鉛直方向両側に配置している。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ符号を付して説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0140】
図35(a)、(b)は、第1トレイ49上にシートが無い状態を示しており、図36(a)、(b)は、第1トレイ49上にシートが有る状態を示している。図35(a)及び図36(a)は、シート有無検知機構220C及び検知部221Cを抜き出して模式的に示す斜視図、図35(b)及び図36(b)は、第1トレイ49を上方から見た平面図である。
【0141】
検知部221Cは、処理ユニット200(図2参照)に設けられた発光部511aと、発光部511aから発光された光を受光可能で、処理ユニット200に設けられた受光部511bとを備えている。本実施形態の場合も、出力部325(図3参照)は、受光部511bの受光状態に応じて電気信号を出力し、スタッカー制御部330が出力部325から出力された電気信号に応じて第1トレイ49上のシートの有無を判定する。
【0142】
本実施形態の場合、発光部511a及び受光部511bは、略鉛直方向に関して第1トレイ49の昇降範囲から外れた位置で、且つ、後述するフラグ250を挟むように配置されている。即ち、発光部511a及び受光部511bは、第1トレイ49を上方から見た場合に第1トレイ49と重ならない位置で、且つ、幅方向に関し第1トレイ49の一端部よりも外側に配置されている。また、発光部511aと受光部511bとのうちの一方(本実施形態では発光部511a)が、第1トレイ49が最も上昇可能な位置よりも上方に配置され、他方(本実施形態では受光部511b)が、第1トレイ49が最も下降可能な位置よりも下方に配置されている。なお、略鉛直方向とは、完全な鉛直方向も含むが、鉛直方向に対して僅かに傾斜していても良い。即ち、発光部511a及び受光部511bは、第1トレイ49が昇降範囲のどの位置にいてもフラグ250が遮光位置に移動したときに発光部511aから発光された光を遮光できる範囲であれば完全な鉛直方向に対して角度を持って配置されてもよい。
【0143】
図35(a)及び図36(a)に示すように、変位部としての移動部材240は、第1トレイ49に揺動自在に支持されており、連結軸241によりフラグ250と連結されている。移動部材240は、先端部にシートと接触可能な接触部242が、基端部に連結軸241と連結される第1連結部243が、それぞれ設けられている。移動部材240の接触部242は、第1の実施形態の接触部193aと同様に、第1トレイ49に設けられた透孔49dを介して、積載面49aよりも上方に突出、積載面49aよりも下方に退避可能となっている。
【0144】
連動部としてのフラグ250は、移動部材240の揺動に連動して連結軸241を中心に揺動可能である。即ち、フラグ250は、図35(b)及び図36(b)に示すように、幅方向に関し第1トレイ49の一端部よりも突出するように第1トレイ49に設けられ、移動部材240の変位に連動する。フラグ250は、連結軸241と連結される第2連結部251から幅方向に突出するように被検知部252が設けられている。被検知部252は、上述の発光部511aから受光部511bに向けて発光される光の経路(光路511C)から退避した退避位置(図35(a)、(b))と、光路511Cを遮る遮蔽位置(図36(a)、(b))とに移動可能となっている。
【0145】
即ち、図35(a)、(b)に示すように、第1トレイ49上にシートが無い状態では、被検知部252が光路511Cから退避して、発光部511aから発光された光が受光部511bに受光される。一方、図36(a)、(b)に示すように、第1トレイ49上にシートSが積載され、移動部材240の接触部242がシートに接触して移動部材240が揺動すると、第1連結部243、連結軸241及び第2連結部251を介してフラグ250が移動部材240の揺動に連動して回転する。そして、被検知部252が遮蔽位置に位置して、発光部511aの光が遮光される。
【0146】
スタッカー制御部330は、受光部511bが遮光された場合に、第1トレイ49にシートが有ると判定し、受光部511bが受光している場合に、第1トレイ49にシートが無いと判定する。このような本実施形態の場合、発光部511a及び受光部511bを第1トレイ49の幅方向外側に配置し、移動部材240と連動するフラグ250を第1トレイ49の幅方向外側に突出するように配置している。これにより、第1トレイ49が昇降方向のどの位置にあっても第1トレイ49上のシートの有無を検知可能である。
【0147】
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、処理ユニットで行う所定の処理として綴じ処理を行う構成について説明した。但し、所定の処理は、綴じ処理に限らず、折り処理、シフト処理、パンチ処理、クリース(折り目をつける)、ラミネート処理などであっても良い。図37は、第1例として、シート処理装置Bの処理ユニット200Aがシートに折り処理のみを施す構成を示している。即ち、処理ユニット200Aは、処理部としてのシート折り装置410を有する。シート折り装置410は、例えば、特開2020-45244号公報に記載された構成と同様である。
【0148】
シート折り装置410について、簡単に説明する。シート折り装置410は、ストレートパス28から下方に配置され、ストレートパス28から下方に分岐した搬送パス411に送られたシートに対して折り処理を行う。シート折り装置410は、第1ローラ412、第2ローラ413、第3ローラ414を有し、第1ローラ412と第2ローラ413のニップ部、及び、第2ローラ413と第3ローラ414のニップ部に適宜、シートを湾曲させた状態で搬送するなどして、シートに対して二つ折りや三つ折りなどの折り処理を行う。そして、折り処理が行われたシートは、搬送パス415を介して、送出部としての送出ローラ対42から積載部としての積載トレイ416に送り出される。積載トレイ416上のシートの有無の検知や積載トレイ416の昇降動作の制御は、上述の各実施形態と同様である。
【0149】
図38は、第2例として、シート処理装置Bの処理ユニット200Bがシートを幅方向にシフトさせるシフト処理のみを施す構成を示している。即ち、処理ユニット200Bは、処理部としてのシフト装置400を有する。シフト装置400は、従来から知られている構成と同様であるが、図示の例では、ストレートパス28でシートを搬送するローラ対401がシートを挟持した状態で幅方向に移動可能となっている。ローラ対401により幅方向に移動した(シフト処理された)シートは、送出部としても機能するローラ対401から積載部としての積載トレイ402に送り出される。積載トレイ402上のシートの有無の検知や積載トレイ402の昇降動作の制御は、上述の各実施形態と同様である。なお、シフト処理は、上述のローラ対をシフトさせる構成以外に、例えば、シートの幅方向端部に当接する整合板を移動させることで行う構成であっても良い。
【0150】
上述の各実施形態では、第1トレイ49(或いは第2トレイ71)上のシートの有無の判断を、シート処理装置Bのスタッカー制御部330(CPU331)により行った例について説明した。但し、検知部221(221A、221B)からの情報を画像形成装置Aに送ることで、画像形成装置Aの制御部310(CPU311)が第1トレイ49(或いは第2トレイ71)上のシート有無を判断するようにしてもよい。
【0151】
この場合、処理ユニット200に設けられたインターフェース部326が、出力部325から出力された電気信号を受け取る受信部及び第1受信部に相当する。また、処理ユニット200に設けられた通信部321が、画像形成装置Aに対してインターフェース部326が受け取った電気信号を送信する送信部に相当する。更に、画像形成装置Aの通信部306が、通信部321から送信された出力部325から出力された電気信号を受け取る第2受信部に相当する。そして、画像形成装置Aの制御部310が、通信部306から受け取った電気信号に応じて第1トレイ49(或いは第2トレイ71)上のシートの有無を判定する判定部に相当する(図3参照)。
【0152】
また、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
前記画像形成部により画像が形成されたシートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された前記電気信号を受け取る受信部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、
前記受信部が受け取った前記電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、
を備えた画像形成システム。
(構成2)
前記出力部は、前記積載部が所定位置にある状態で前記変位部の変位に応じて電気信号を出力可能である構成1に記載の画像形成システム。
(構成3)
前記処理ユニットに設けられた発光部と、前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記発光部は、前記送出部によるシートの送り出し方向に交差するシートの幅方向に関して、前記積載部のシートが積載される積載面よりも片側に配置され、
前記受光部は、前記幅方向に関して、前記積載面よりも他側に配置され、
前記変位部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合で、且つ、前記積載部が前記所定位置にある場合に、前記発光部から発光された光が前記受光部に受光されないように遮光する構成2に記載の画像形成システム。
(構成4)
前記出力部は、前記積載部が前記所定位置よりも下方にある場合は、前記積載部の位置または前記積載部に積載されたシートの位置に応じて電気信号を出力し、
前記判定部は、前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部のシートが積載される積載面の位置または前記積載面に積載された複数枚のシートのうちの最上位のシートの上面位置を判定する構成2又は3に記載の画像形成システム。
(構成5)
前記積載部の昇降方向の高さ位置を検知する高さ検知部をさらに備え、
前記判定部は、前記積載部を上昇させ、前記出力部が前記積載部が無いまたは前記積載部に積載されたシートが無い場合の電気信号を出力している第1状態から前記積載部が有るまたは前記積載部に積載されたシートが有る場合の電気信号を出力している第2状態となった際の前記積載部の高さ位置が、所定の高さ位置よりも下方の下降位置である場合には、前記出力部の電気信号に関わらず、前記積載部にシートが有ると判定する構成4に記載の画像形成システム。
(構成6)
前記昇降部は、前記積載部を上昇させ、前記出力部が前記第1状態から前記第2状態となった際の前記積載部の位置が、前記所定の高さ位置以上の上昇位置である場合には、前記積載部を前記所定位置に移動させ、
前記判定部は、前記積載部が所定位置にある状態で前記出力部の電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する構成5に記載の画像形成システム。
(構成7)
前記処理ユニットに設けられた発光部と、前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記変位部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に、前記発光部から発光された光を反射させて前記受光部に受光させる構成1又は2に記載の画像形成システム。
(構成8)
前記変位部は、第1変位部であり、
前記積載部が所定位置にある状態で、且つ、前記変位部が前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に前記第1変位部と接触して前記第1変位部の変位に応じて変位する、前記処理ユニットに設けられた第2変位部を更に備え、
前記出力部は、前記第2変位部の変位に応じて電気信号を出力する構成1又は2に記載の画像形成システム。
(構成9)
前記送出部によるシートの送り出し方向に交差するシートの幅方向に関し前記積載部の一端部よりも突出するように前記積載部に設けられ、前記変位部の変位に連動する連動部と、
前記処理ユニットに設けられた発光部と、
前記発光部から発光された光を受光可能で、前記処理ユニットに設けられた受光部と、を更に備え、
前記出力部は、前記受光部の受光状態に応じて前記電気信号を出力し、
前記発光部及び前記受光部は、略鉛直方向に関して前記積載部の昇降範囲から外れた位置で、且つ、前記連動部を挟むように配置され、
前記連動部は、前記積載部にシートが無い場合とシートが有る場合との何れか一方の場合に、前記発光部から発光された光が前記受光部に受光されないように遮光する構成1に記載の画像形成システム。
(構成10)
前記積載部の上方に配置され、前記積載部上のシートに接触して該シートを、前記送出部によるシートの送り出し方向に関して上流側に搬送する搬送位置と、前記搬送位置よりも上方に退避した退避位置に移動可能な搬送部を更に備え、
前記搬送部は、前記判定部が前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する際に前記搬送位置に位置する構成1ないし8の何れか1項に記載の画像形成システム。
(構成11)
シートに所定の処理を施す処理部と前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部とを有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する判定部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記判定部を接続する配線部と、
を備えたシート処理装置。
(構成12)
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
構成11に記載のシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置は、前記画像形成部により画像が形成されたシートに前記所定の処理を施す画像形成システム。
(構成13)
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットから受け取ったシートに所定の処理を施す処理部と、前記処理部により処理されたシートを送り出す送出部と、を有する処理ユニットと、
前記送出部によって送り出されたシートを積載する積載部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記送出部によって送り出され前記積載部に積載されたシートの最上位のシートの高さが所定の範囲となるよう前記積載部を下降させ、前記積載部に積載されたシートが取り除かれたら前記積載部を上昇させる昇降部と、
前記積載部に設けられ前記積載部上のシートの有無に応じて変位可能な変位部と、
前記処理ユニットに設けられ前記変位部の変位に応じて電気信号を出力する出力部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部から出力された電気信号を受け取る受信部と、
前記処理ユニットに設けられ前記出力部と前記受信部を接続する配線部と、
前記処理ユニットに設けられ、前記積載部上のシートの有無を判定する判定部を有する前記画像形成ユニットに対して前記受信部が受け取った前記電気信号を送信する送信部と、
を備えたシート処理装置。
(構成14)
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成ユニットと、
構成13に記載のシート処理装置と、を備え、
前記シート処理装置は、前記画像形成部により画像が形成されたシートに前記所定の処理を施し、
前記受信部は、第1受信部であり、
前記画像形成ユニットは、前記送信部から送信された前記出力部から出力された電気信号を受け取る第2受信部を有し、
前記判定部は、前記第2受信部が受け取った前記電気信号に応じて前記積載部上のシートの有無を判定する画像形成システム。
【符号の説明】
【0153】
3・・・画像形成部
27・・・装置ハウジング
42・・・送出ローラ対(送出部)
49・・・第1トレイ(積載部)
49a・・・積載面
71・・・第2トレイ(積載部)
190・・・トレイモータ(昇降部)
193・・・移動部材(変位部)
193A・・・移動部材(変位部、第1変位部)
200、200A、200B・・・処理ユニット
207・・・第2送出ローラ対(送り出し部)
220、220A、220B・・・シート有無検知機構
221、221A、221B・・・検知部
222・・・移動部材(変位部)
230・・・接触移動部材(第2変位部)
231・・・移動部材検知部
240・・・移動部材(変位部)
275・・・パドル(搬送部)
306・・・通信部(第2受信部)
310・・・制御部(判定部)
321・・・通信部(送信部)
325・・・出力部
326・・・インターフェース部(受信部、第1受信部)
330・・・スタッカー制御部(判定部)
400・・・シフト装置(処理部)
401・・・ローラ対(送出部)
402・・・積載トレイ(積載部)
410・・・シート折り装置(処理部)
416・・・積載トレイ(積載部)
500・・・回路基板
503・・・配線(配線部)
510a・・・第2受光部(受光部)
510d・・・発光部
511a・・・発光部
511b・・・受光部
1000・・・画像形成システム
A・・・画像形成装置
A1・・・画像形成ユニット
B・・・シート処理装置
B1・・・処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図39