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特開2024-159543燃料電池及び炭素回収システムを有する燃焼システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159543
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】燃料電池及び炭素回収システムを有する燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0668 20160101AFI20241031BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20241031BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20241031BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20241031BHJP
   H01M 8/04111 20160101ALI20241031BHJP
   H01M 8/14 20060101ALI20241031BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20241031BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20241031BHJP
【FI】
H01M8/0668
F02C6/18 A
F02C6/00 E
H01M8/04 Z
H01M8/04 J
H01M8/04111
H01M8/14
H01M8/00 Z
H01M8/04746
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061954
(22)【出願日】2024-04-08
(31)【優先権主張番号】202311030100
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タンガナダル、ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】カラガ、ムラリ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ラウブ ウォーフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ファレル、トーマス レイモンド
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB05
5H127AA04
5H127AB28
5H127AB29
5H127AC04
5H127AC15
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA20
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB04
5H127BB12
5H127BB37
5H127DC02
5H127DC08
(57)【要約】
【課題】大量の電力を必要とせずに排気から汚染物質を除去する炭素回収システムを含む燃焼システムを提供する。
【解決手段】燃焼システムは、排気ガスの流れを発生させるトッピングサイクル(102)とボトミングサイクル(104)とを含む。燃焼システムは、アノード側(112)、カソード側(116)及び電解質(114)を含む燃料電池(106)をさらに含む。燃焼システムは、カソード出口ライン(146)を介してカソード側から排気ガスを受ける排熱回収ボイラ(HRSG)(32)をさらに含む。HRSG(32)は、ボトミングサイクルで使用するための蒸気の流れを発生させる。バイパスライン(168)がカソード入口ライン(118)からカソード出口ライン(146)まで延在する。炭素回収システム(108)がHRSG出口ラインを介してHRSGに流体連結している。炭素回収システムは、排気ガスから汚染物質の第2の部分を除去する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼システムであって、当該燃焼システムが、
排気ガスの流れを発生させるトッピングサイクル(102)と、
ボトミングサイクル(104)と、
アノード側(112)、カソード側(116)及び電解質(114)を含む燃料電池(106)であって、前記カソード側(116)がカソード入口ライン(118)を介して前記トッピングサイクル(102)からの排気ガスの流れを受け取り、前記カソード側(116)が前記排気ガスから汚染物質の第1の部分を除去する、燃料電池(106)と、
カソード出口ライン(146)を介して前記カソード側(116)から前記排気ガスを受け取る排熱回収ボイラ(32)と、
前記カソード入口ライン(118)から前記カソード出口ライン(146)まで延在するバイパスライン(168)と、
排熱回収ボイラ出口ラインを介して前記排熱回収ボイラ(32)に流体連結した炭素回収システム(108)であって、前記排気ガスから汚染物質の第2の部分を除去する炭素回収システム(108)と
を備える、燃焼システム。
【請求項2】
前記バイパスライン(168)上に流体連通して配置されたバイパス制御弁(176)をさらに備える、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記炭素回収システム(108)が第1の炭素回収システムであり、当該燃焼システムが、前記バイパスライン(168)上に流体連通して配置された第2の炭素回収システムをさらに備える、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項4】
第1の炭素回収システム及び第2の炭素回収システムの各々が吸着床を備える、請求項3に記載の燃焼システム。
【請求項5】
大気及び前記炭素回収システム(108)に流体連結した空気入口ライン(160)をさらに備える、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項6】
前記トッピングサイクル(102)が、第1の負荷に連結されたガスタービン(10)であって、圧縮機セクション(20)と、燃焼セクション(18)と、タービンセクション(16)とを含むガスタービン(10)を備えており、前記タービンセクション(16)が前記排気ガスを発生する、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項7】
前記タービンセクション(16)を前記圧縮機セクション(20)に流体連結する排気ガス再循環ライン(170)をさらに備える、請求項6に記載の燃焼システム。
【請求項8】
前記燃料電池(106)が溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)である、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項9】
前記炭素回収システム(108)と排気スタック(110)との間に流体連通して延在する排気ライン(166)をさらに備える、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項10】
前記アノード側(112)が、アノード入口ライン(126)を介して燃料及び/又は蒸気の流れを受ける、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項11】
アノード出力生成物から水及び液体二酸化炭素を除去する分離システム(134)に流体連結したアノード出口ライン(132)をさらに備える、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項12】
前記トッピングサイクル(102)から出る排気ガスから汚染物質の約85%~約100%が、前記燃料電池(106)及び前記炭素回収システム(108)によって総合的に回収される、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項13】
燃焼システムの運転方法であって、前記燃焼システムが、トッピングサイクル(102)と、前記トッピングサイクル(102)に流体連結した燃料電池(106)と、炭素回収システム(108)とを備えており、当該方法が、
前記トッピングサイクルを運転して、排気ガスを発生させるステップと、
前記排気ガスの第1の量を前記燃料電池のカソード側に供給するステップと、
前記排気ガスの第2の量を、前記燃料電池の下流側の燃焼システムに流体連結したバイパスラインを少なくとも部分的に介して前記炭素回収システムに供給するステップと、
全プラント回収率を維持しながら第1の量及び第2の量を変化させるステップと
を含む、方法
【請求項14】
前記全プラント回収率を維持しながら第1の量及び第2の量を変化させるステップが、前記バイパスライン上に配置された制御弁を選択的に作動させて、第1の量及び第2の量を調整することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カソード出力生成物を前記排気ガスの第2の量と共に前記炭素回収システムに供給することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義には、燃料電池及び1以上の追加の炭素回収システムを有する燃焼システムに関する。具体的には、本開示は、燃料電池及び炭素回収システムを有する燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)又はコンバインドサイクルシステム(CCS)のようなガスタービン発電プラントは、一般に、圧縮機セクション、燃焼セクション及びタービンセクションを有するガスタービンと、タービンの下流に配置される排熱回収ボイラ(HRSG)と、HRSGと流体連通する1以上の蒸気タービンとを含む。運転中、空気は吸気システムを介して圧縮機に入り、漸次圧縮されて、燃焼セクションの燃焼器を少なくとも部分的に囲む圧縮機吐出又はディフューザケーシングに向かって導かれる。圧縮空気の少なくとも一部は燃料と混合され、1以上の燃焼器内に画成された燃焼室内で燃焼して、高温高圧の燃焼ガスを生成する。
【0003】
燃焼ガスは、燃焼器からタービンを通る高温ガス経路に沿って送られ、静止ベーンとロータシャフトに結合されるタービンブレードとの交互の段を流れる際に、漸次膨張する。燃焼ガスからタービンブレードにエネルギーが伝達されて、ロータシャフトを回転させる。ロータシャフトの回転エネルギーは、発電機で電気エネルギーへと変換し得る。燃焼ガスは排気ガスとしてタービンから出て、排気ガスはHRSGに入る。排気ガスからの熱エネルギーは、HRSGの1以上の熱交換器を流れる水へと伝達されて過熱又は超臨界蒸気を生成する。過熱蒸気は次いで蒸気タービンに送られ、追加の発電に利用し得るので、発電プラント全体の効率が向上する。
【0004】
ターボ機械の燃焼システムは通常、炭化水素燃料を燃焼させて、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)のような大気汚染物質を排出する。排出量を削減すべく、ターボ機械ガスを大気に排出する前に、COその他の大気汚染ガスを回収するため二酸化炭素回収システムが利用される。しかし、公知の炭素回収システムは部分的にしか効果がなく、大量のエネルギーを必要とする。
【0005】
そこで、当技術分野では、大量の電力を必要とせずに排気から汚染物質を除去する炭素回収システムを有する改良型コンバインドサイクル発電プラントが望まれており、高く評価されるであろう。
【発明の概要】
【0006】
本開示技術に係るコンバインドサイクルシステム及び方法の態様及び利点について、以下の詳細な説明に記載するが、以下の詳細な説明から自明となるものもあろうし、或いは本技術の実施を通して習得できるものもあろう。
【0007】
一実施形態では、燃焼システムを提供する。本燃焼システムは、排気ガスの流れを発生させるトッピングサイクルと、ボトミングサイクルと、燃料電池とを含む。燃料電池は、アノード側と、カソード側と、電解質とを含む。カソード側は、カソード入口ラインを介してトッピングサイクルから排気ガスの流れを受け取る。カソード側は、排気ガスから汚染物質の第1の部分を除去する。排熱回収ボイラ(HRSG)は、カソード出口ラインを介してカソード側から排気ガスを受け取り、HRSGは蒸気を発生させてボトミングサイクルに利用する。燃焼システムは、カソード入口ラインからカソード出口ラインまで延在するバイパスラインをさらに含む。燃焼システムは、HRSG出口ラインを介してHRSGに流体連結した炭素回収システムをさらに含む。炭素回収システムは、排気ガスから汚染物質の第2の部分を除去する。
【0008】
別の実施形態では、燃焼システム内の汚染物質を除去する方法を提供する。本方法は、燃焼システムのトッピングサイクルを運転して、第1の出力及び排気ガスを発生させることを含む。本方法は、さらに、排気ガスを燃料電池のカソード側に搬送して、排気ガスから汚染物質の第1の部分を除去することを含む。本方法は、カソード側の出口から排気ガスを炭素回収システムに供給することをさらに含む。炭素回収システムによって、汚染物質の第2の部分が排気ガスから除去される。
【0009】
別の実施形態では、燃焼システムを運転する方法を提供する。燃焼システムは、トッピングサイクルと、トッピングサイクルに流体連結した燃料電池と、炭素回収システムとを含んでおり、本方法は、トッピングサイクルを運転して、排気ガスを発生させることを含む。。本方法は、排気ガスの第1の量を燃料電池のカソード側に供給することをさらに含む。本方法は、排気ガスの第2の量を、燃料電池の下流側の燃焼システムに流体連結したバイパスラインを少なくとも部分的に介して炭素回収システムに供給することをさらに含む。本方法は、全プラント回収率を維持しながら第1の量及び第2の量を変化させることをさらに含む。
【0010】
本燃焼システム及び方法の上記その他の特徴、態様及び利点については、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって理解を深めることができよう。添付の図面は、本明細書の内容の一部をなすものであり、本技術の様々な実施形態を例示するとともに、発明の詳細な説明と併せて本技術の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本燃焼システム及び方法について、以下の発明の詳細な説明において、当業者に対して、添付の図面を参照しながら、本システム及び方法を製造及び使用するための最良の形態を含めて、実施できるように十分に開示する。
図1】本開示の実施形態に係る燃焼システムの概略説明図。
図2】本開示の実施形態に係る燃焼システムの概略説明図。
図3】本開示の実施形態に係る燃焼システムにおける汚染物質の除去方法の流れ図。
図4】本開示の実施形態に係る燃焼システムの運転方法の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、燃焼システム及び方法の様々な実施形態について詳細に説明し、その1以上の実施例を図面に示す。各実施例は、本技術を限定するものではなく、例示のためのものである。実際、特許請求の範囲に記載された技術的範囲及び技術的思想を逸脱することなく、本技術に様々な修正及び変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示又は記載された特徴を、別の実施形態と共に用いてさらに別の実施形態とすることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲に属する修正及び変更を包含する。
【0013】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例又は説明として役立つ」という意味で用いられる。本明細書で「例示的」と記載された実施例は、必ずしも他の実施例よりも好ましい又は有利であると解すべきではない。さらに、別途特定されていない限り、本明細書に記載されたすべての実施形態は例示的なものであると解される。
【0014】
発明の詳細な説明では、図面に記載された特徴を参照するために数字及び文字による符号を用いる。図面及び発明の詳細な説明において、同様又は類似の符号は本発明の同様又は類似の部材を示す。本明細書において、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、ある部品を他の部品と区別するために互換的に用いられ、個々の部品の位置又は重要性を意味するものではない。
【0015】
「流体」という用語は、気体でも液体でもよい。「流体連通」という用語は、流体が所定の領域間の接続をなすことができることを意味する。
【0016】
本明細書で用いる[上流」(又は「前方」)及び「下流」(又は「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を示す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向をいい、「下流」は流体が流れていく方向をいう。ただし、本明細書で用いる「上流」及び「下流」という用語は、電気の流れをいうこともある。「半径方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線に対して実質的に垂直な相対的方向をいい、「軸方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線に対して実質的に平行及び/又は同軸である相対的方向をいい、「周方向」という用語は、ある部品の軸方向中心線の周りの相対的方向をいう。
【0017】
「約」、「略」及び「実質的に」のような近似的用語は、記載された厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度或いは部品及び/又はシステムの構築又は製造のための方法又は機械の精度に対応する。例えば、近似表現は、個々の数値、数値範囲、及び/又は数値範囲を限定するための上下限のいずれかの1%、2%、4%、5%、10%、15%又は20%以内の誤差をいうことがある。角度又は方向に関して用いる場合、かかる用語は、記載された角度又は方向の±10度以内を包含する。例えば、「略鉛直」とは、鉛直から任意の方向(例えば時計回り又は反時計回り)に10度以内の方向を包含する。
【0018】
「結合」、「固定」又は「取付け」などの用語は、本明細書で別途記載されていない限り、直接的な結合、固定又は取付けだけでなく、1以上の中間部品又は特徴を介しての間接的な結合、固定又は取付けも意味する。本明細書で用いる「含む」、「備える」及び「有する」という用語は、非排他的に含んでいることを包含するものである。例えば、列挙された特徴を含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの特徴に限定されるものではなく、明示的に列挙されておらず、またかかるプロセス、方法、物品又は装置に固有でもない別の特徴を含んでいてもよい。さらに、別途明示されていない限り、「又は」という用語は、排他的な意味での「又は」ではなく、包括的な意味での「又は」をいう。例えば、A又はBという条件は、Aが真であり(又は存在し)、かつBが偽である(又は存在しない)場合、Aが偽であり(又は存在せず)、かつBが真である(又は存在する)場合、A及びBの両方が真である(又は存在する)場合のいずれにおいても成立する。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能であり、かかる範囲はその上下限で規定され、別途記載されているか前後関係から明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を包含する。例えば、本明細書に開示された範囲はすべて上下限を含んでおり、上下限は互いに独立して組合せることができる。
【0020】
本明細書で用いる「ライン」という用語は、パイプ、ホース、チューブ、ダクトその他の流体搬送導管のような、流体搬送導管をいう。
【0021】
ここで図面を参照すると、図1及び図2はそれぞれ、トッピングサイクル102及びボトミングサイクル104を含む燃焼システム又はコンバインドサイクルシステム100の実施形態の概略図を示す。トッピングサイクル102では、燃料を燃焼させて電気的又は機械的動力を発生させ、その結果、二酸化炭素を含む排気ガス34が発生する。ボトミングサイクル104では、トッピングサイクル102からの排気ガス34を、追加の電気的又は機械的動力を生成するために使用し得る。様々な実施形態では、トッピングサイクル102は、内燃機関、燃料を燃焼させる工業プロセスその他であってもよい。幾つかの実施形態では、ボトミングサイクル104は、熱交換器、ボイラ、超臨界COサイクル、過熱器、蒸発器、ポンプその他であってもよい。例示的な実施形態では、図に示す通り、トッピングサイクル102はガスタービン10であり、ボトミングサイクル104は蒸気タービンシステム22である。
【0022】
コンバインドサイクルシステム100は、第1の負荷14を駆動するガスタービン10を含んでいてもよい。ガスタービン10は、本開示技術の例示的な実施形態におけるトッピングサイクル102である。第1の負荷14は、例えば、電力を生成するための発電機であってもよい。こうして、ガスタービン10は、コンバインドサイクルシステム100によって生成される総プラント出力に含まれる第1の出力を生成することができる。ガスタービン10は、タービンセクション16と、燃焼器又は燃焼セクション18と、圧縮機セクション20とを含んでいてもよい。タービンセクション16と圧縮機セクション20とは、1本以上のシャフト21で連結されていてもよい。燃焼器燃料供給源15は、燃焼セクション18の燃焼器に燃料を供給し得る。燃焼器燃料供給源15は、メタン、プロパンなどを始めとする、炭化水素燃料のような天然ガスを燃焼セクション18に供給してもよい。例示的な実施形態では、燃焼器燃料供給源15は、燃焼セクション18にメタン(CH)を供給し得る。加えて/或いは、燃焼器燃料供給源15は、ディーゼル、原油、合成ガスその他の液体燃料を燃焼器に供給してもよい。
【0023】
ガスタービン10の運転中、空気171のような作動流体が圧縮機セクション20に流入し、そこで空気が漸次圧縮され、燃焼器セクション18の1以上の燃焼器に圧縮空気が供給される。圧縮空気は燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼して燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼器セクション18から高温ガス経路を通ってタービンセクション16に流れ込み、そこでエネルギー(運動及び/又は熱)が燃焼ガスからロータブレードに伝達され、1以上のシャフト21を回転させる。機械的回転エネルギーは、次いで、圧縮機セクション20の駆動及び/又は発電に使用し得る。
【0024】
タービンセクション16を出る加熱された排気ガス34は、排熱回収ボイラ(HRSG)32に入る前に、まず燃料電池106へと導かれる。具体的には、タービンセクション16からの排気ガスの第1の量は、燃料電池106のカソード側116に搬送してもよく、そこで汚染物質の第1の部分が排気ガスから除去される。カソード出力生成物は、排気ガスの第2の部分と共に、HRSG32に搬送してもよい。HRSG32では、排気ガス34(及び/又はカソード出力生成物)とHRSG32の各種部品との間で熱伝達が起きて蒸気を発生させ、蒸気タービンシステム22に供給される。排気ガス34の第2の量は次いでカソード出力生成物と共に、吸着床のような炭素回収システム108に搬送してもよく、そこで汚染物質(例えばCO)の第2の部分(例えば残部)が排気ガスから除去される。最後に、燃料電池106及び/又は炭素回収システム108によってすべての汚染物質が除去された排気ガスは、排気スタック110を介して大気中に排出することができる。
【0025】
タービンセクション16から出る際、排気ガス34は、大半の窒素(N)、二酸化炭素(CO)、酸素(O)及び水(HO)を含むことがある。加えて、排気ガス34は、痕跡量の一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)及び/又はアルゴン(Ar)を含むことがある。コンバインドサイクルシステム100の例示的な実施例では、二酸化炭素(CO)の第1の部分を燃料電池106で排気ガス34から除去し、二酸化炭素(CO)の第2の部分を追加の炭素回収システム108(例えば吸着床)で排気ガス34から除去することができる。多くの実施形態では、炭素回収システム108で除去されるCOの第2の部分は、排気ガス34中のCOの残部であってもよく、その結果、排気スタック110を介して排出される前にCOのすべて(例えば100%)を排気ガス34から除去し得る。
【0026】
コンバインドサイクルシステム100は、第2の負荷24を駆動するための蒸気タービンシステム22を含んでいてもよい。蒸気タービンシステム22は、本開示技術の例示的な実施形態におけるボトミングサイクル104であってもよい。また、第2の負荷24は、発電用の発電機とすることができる。こうして、蒸気タービンシステム22は第2の出力を生成することができ、コンバインドサイクルシステム100で生成される総プラント出力に含めることができる。ただし、第1及び第2の負荷14,24はいずれも、ガスタービン10及び蒸気タービンシステム22で駆動し得る他の種類の負荷であってもよい。加えて、ガスタービン10及び蒸気タービンシステム22は、図の実施形態に示すように、別個の負荷14,24を駆動してもよいが、一本の軸を介して単一の負荷を駆動するためにガスタービン10と蒸気タービンシステム22をタンデムして利用してもよい。
【0027】
図示の実施形態では、蒸気タービンシステム22は、低圧(LP)蒸気タービン26、中圧(IP)蒸気タービン28及び高圧(HP)蒸気タービン30を含む。低圧(LP)蒸気タービン26、中圧(IP)蒸気タービン28、高圧(HP)蒸気タービン30及び負荷24は、各々1以上のシャフト23(幾つかの実施形態では共通シャフトなど)に配置し得る。
【0028】
例示的な実施形態では、燃料電池106は、アノード側112、カソード側116及び電解質114(荷電イオンを伝導し得る)を含んでいてもよい。燃料電池106は、炭化水素燃料に蓄えられた化学エネルギーを、電気化学反応によって電気エネルギーに直接変換し得る。例示的な実施形態では、燃料電池106は、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、例えば内部改質型MCFC及び/又は外部改質型MCFCであってもよい。かかる実施形態では、電解質114は、βアルミナ固体電解質(BASE)の多孔質で化学的に不活性なセラミックマトリックスに溶融炭酸塩混合物を懸濁したものであってもよい。MCFCは、アノード側112に反応体燃料ガス(例えば天然ガス)を流し、酸化性ガス(例えば酸素と共に二酸化炭素を含む排気ガス)をカソード側116に流すことによって作動し、電解質114を横断して電気化学反応が起こり、二酸化炭素を消費(又は化学変換)して電気を生成する。特に、カソード側116では、酸素と二酸化炭素によって炭酸イオン(CO 2-)が生成する。
【0029】
上記で簡単に説明した通り、燃料電池106は、アノード燃料流及び排気ガスを電気エネルギーに変換しつつ、排気ガスからCOを除去する(例えばCOは燃料電池106内の電気化学反応によって除去される)。例えば、燃料電池出力120は、DC電流を1以上のサブシステムで有効利用し得るAC電流へと変換するために、電力変換装置121に送ってもよい。特に、図示の実施形態の場合、出力120は、電力変換装置から電気バス124を介して1以上の電気装置122に供給される。電気バス124は、コンバインドサイクルシステム100、ガスタービン10、蒸気タービンシステム22に専用の電気バス、燃料電池106の電気バス、炭素回収システム108の電気バスなどであってもよい。電気バス124は、1以上の追加の電気装置122と電気通信しており、電気装置122は、電源、電力シンク又はその両方であってもよい。例えば、追加の電気装置122は、蓄電装置(1以上の電池など)、電気機械(発電機、電気モータ又はその両方)であってもよい。或いは/加えて、出力120は、第1の負荷14及び/又は第2の負荷24の駆動に役立ててもよい。コンバインドサイクルシステム100は、総出力を生成する。総出力は、ガスタービン10で第1の負荷14の駆動によって生成する第1の出力と、蒸気タービンシステム22で第2の負荷24の駆動によって生成する第2の出力と、燃料電池106の出力120との総和であってもよい。多くの実施形態では、燃料電池106の出力120は、コンバインドサイクルシステム100の総出力の約10%~約30%とし得る。他の実施形態では、燃料電池106の出力120は、コンバインドサイクルシステム100の総出力の約15%~約25%とし得る。
【0030】
多くの実施形態では、カソード側116は、カソード入口ライン118を介してガスタービン10に流体連結(例えば直接流体連結)することができる。カソード入口ライン118は、タービンセクション16の出口から延在する排気出口ライン117と同じ管路であってもよいし、或いはカソード入口ライン118は排気出口ライン117から延在し得る。特に、カソード側116は、タービンセクション16からの排気ガス34の流れをカソード側116で受け入れるように、タービンセクション16の出口に流体連結してもよい。例えば、カソード入口ライン118は、タービンセクション16からカソード側116に排気ガス34を搬送するため、タービンセクション16の出口と燃料電池106のカソード側116の入口との間に(例えば直接)延在し得る。
【0031】
多くの実施形態では、タービンセクション16の出口からの排気ガス34の第1の量は、燃料電池106のカソード側116に導かれ、排気ガス34の第1の量から汚染物質(例えばCO)の第1の部分を除去することができる。任意選択的な実施形態では、図1に示すように、カソード入口ライン118上にファン又はブロア157が含まれていてもよい。ファン157は、カソード側116、HRSG32、直接接触冷却器155及び炭素回収システム108における流れ抵抗を好適に克服し得る。換言すると、ファン157は、カソード側116、HRSG32、直接接触冷却器155及び炭素回収システム108を通過する排気ガスの流れを促進し得る。
【0032】
様々な実施形態では、アノード側112は、アノード入口ライン126を介して燃料及び/又は蒸気の流れを受け取ることができる。燃料及び/又は蒸気は、アノード側112に搬送し得る。アノード入口ライン126は、アノード側112をアノード燃料供給源128に流体連結し得る。幾つかの実施形態では、アノード燃料供給源128は、燃焼器燃料供給源15と同一であって、燃焼セクションと燃料電池106のアノード側の両方に同じ燃料が供給されるようにしてもよい。他の実施形態では、アノード燃料供給源128と燃焼器燃料供給源15とは異なっていてもよい。多くの実施例では、アノード燃料供給源128は、アノード入口ライン126を介してアノード側112に天然ガス(例えば炭化水素燃料)を供給し得る。天然ガスは、メタン、プロパンなどを含むことができる。例示的な実施形態では、アノード燃料供給源128は、アノード側112にメタン(CH)を供給し得る。熱交換器のような燃料予熱器130を、アノード入口ライン126上に熱連通して配置してもよい。燃料予熱器130は、燃料電池106のアノード側112に入る前の燃料を加熱することができ、燃料電池106の効率を好適に高める。
【0033】
例示的な実施形態では、コンバインドサイクルシステム100は、アノード蒸気供給ライン188を含んでいてもよい。アノード蒸気供給ライン188は、熱交換器136とアノード入口ライン126との間に延在し得る。蒸気は、熱交換器136内のアノード出力生成物からの熱によって生成され、アノード入口ライン126に供給し得る。アノード蒸気供給ライン188は、燃料電池106のアノード側112で使用するために、アノード入口ライン126に蒸気の流れを供給し得る。様々な実施形態(図示せず)では、アノード蒸気供給ライン126をHRSG32に流体連結して、HRSG32が蒸気タービンシステム22及び燃料電池106のアノード側112の両方に蒸気を供給するようにしてもよい。
【0034】
多くの実施形態では、コンバインドサイクルシステム100は、燃料電池106内での電気化学反応の後に、アノード側112から出力生成物をアノード出口ライン132で受け取るように、アノード側112の出口に流体連結したアノード出口ライン132を含んでいてもよい。ある実施形態では、アノード出力生成物は、CO、CO、H、水及び未利用CH(例えば電気化学反応時に燃料電池106で利用されなかったメタン)を含んでいてもよい。アノード出力生成物は、分離システム134に供給してもよく、分離システムは、アノード出力生成物から水及び液化COを除去し得る。
【0035】
分離システム134は、流れの順に(例えば上流から下流へ)、熱交換器136、水フラッシュ分離装置138、圧縮機140、チラー142及び液体二酸化炭素分離装置144を含んでいてもよい。熱交換器136は、アノード出口ライン132に熱及び流体連結し得る。例えば、アノード出口ライン132は、アノード側112と熱交換器136の出口との間に延在し得る。熱交換器136は、水フラッシュ分離装置138への導入に先立って、アノード出力生成物から熱を除去してもよく、水フラッシュ分離装置138は、所望の蒸気/炭素モル比(約1.5~約5、特に約2~約3)を維持するために、アノード側の入口に使用される蒸気入口ライン188で蒸気を生成する。水フラッシュ入口ライン137は、熱交換器136と水フラッシュ分離装置138との間に延在し、それらを流体連結し得る。水フラッシュ分離装置138は、アノード出力生成物から水を除去し得る。例えば、アノード出力生成物中の水は、熱交換器136によって液化温度まで冷却され、水フラッシュ分離装置138で除去し得る。幾つかの実施形態では、アノード出力生成物は、一酸化炭素を水素に変換するための水性ガスシフト反応器に通過させてもよい。かかる実施形態では、水性ガスシフト反応器は、熱交換器136と水フラッシュ分離装置138との間に配置し得る。
【0036】
多くの実施形態では、圧縮機入口ライン139は、水フラッシュ分離装置138と圧縮機140との間に延在し、それらを流体連結し得る。圧縮機140は、アノード出力生成物を加圧し、加圧したアノード出力生成物をチラー入口ライン141を介してチラー142に供給し得る。チラー142は、加圧アノード出力生成物の温度を低下させることによって、加圧アノード出力生成物中のCOを液化し得る。次いで、液体二酸化炭素分離装置144を介して液体COを除去し得る。除去された液体二酸化炭素は、炭素隔離又は利用に付すことができる。例えば、チラー142は、接続ライン143を介して液体二酸化炭素分離装置144に流体連結し得る。
【0037】
アノード再循環ライン145は、分離システム134の出口からアノード入口ライン126(燃料予熱器130の上流)まで延在し得る。例えば、アノード再循環ライン145は、液体二酸化炭素分離装置144から燃料予熱器130の下流のアノード入口ライン126まで延在して、アノード出力生成物(水及び液体二酸化炭素が除去されたもの)をアノード側112に再導入してもよい。例えば、アノード再循環ライン145は、電気化学的変換のため、未利用のメタン及び余剰水素をアノード側112に好適に再導入する。
【0038】
幾つかの実施形態では、図1に示すように、HRSG32は、カソード側116の下流に配置し得る。かかる実施形態では、HRSG32は、燃料電池106のカソード側116の出口に流体連結してもよい(例えば幾つかの実施形態では直接流体連結してもよい)。HRSG32は、ボトミングサイクル104で使用するための蒸気の流れを発生させる。例えば、カソード出口ライン146は、カソード側116とHRSG32の出口との間に延在し、それらを流体連結し得る。HRSG32は、カソード側116から出た排気ガスからの熱で蒸気を発生させ、蒸気を蒸気タービンシステム22に供給する。
【0039】
例示的な実施形態では、バイパスライン168は、カソード入口ライン118とカソード出口ライン146の間に延在し、それらを流体連結し得る。特に、バイパスライン168は、カソード入口ライン118からカソード出口ライン146まで延在し得る。図1及び図2に示すように、バイパスライン168は、カソード入口ライン118からファン157の上流及び排気ガス再循環ライン170の下流に延在し得る。バイパスライン168は、カソード側116のすぐ下流及びHRSG32のすぐ上流のカソード出口ライン146まで延在し得る。バイパスライン168は、タービンセクション16から出る排気ガスの第2の量が燃料電池106を迂回して、HRSG32及び/又は炭素回収システム108に供給できるようにするが、これは、ターンダウン状態(すなわち、CCPP100の生産量が最大プラント出力よりも低いとき)及び/又は負荷増加状態の際に、燃料電池106を始動するときに有利である。
【0040】
多くの実施形態では、図1及び図2に示すように、バイパス制御弁176は、バイパスライン168上に流体連通して配置される。例えば、バイパス制御弁176は、バイパスライン168上にバイパスライン168と流体連通して配置し得る。バイパス制御弁176は、バイパスライン168を流れる排気ガスの量(すなわち、第2の量)を調節して、カソード側116を流れる排気ガスの量(すなわち、第1の量)を調節することができる。換言すると、カソード側116を流れる排気ガス量の第1の量と、バイパスライン168を流れる排気ガス量の第2の量は、バイパス制御弁176の調節(又は作動)によって、調整(又は修正)し得る。
【0041】
バイパス制御弁176は、バイパスライン168を通る排気ガスの流れを選択的に制限するように動作し得る。例えば、バイパスライン168は、バイパスラインを通る排気ガスの流れが制限されない全開位置と、バイパスラインを通る排気の流れが完全に制限される全閉位置との間で動作し得る。加えて、バイパス制御弁176は、0%~100%制限の間の任意の位置など、全開位置と全閉位置との間の任意の位置で動作し得る。幾つかの実施形態では、アノード側112に供給される燃料及びカソード側116に供給される排気ガスは、プラントレベルの回収率を変化させないまま、燃料電池106からの所望の炭素回収率及び出力をエネルギー効率よく達成するように調整される。
【0042】
蒸気供給ライン148は、HRSG32から蒸気タービンシステム22まで延在し得る。特に、蒸気供給ライン148は、HRSG32からHP蒸気タービン30まで延在し得る。HP蒸気タービン30の出口は、IP蒸気タービン28の入口に流体連結していてもよいし、IP蒸気タービン28の出口は、LP蒸気タービン26の入口に流体連結していてもよい。或いは、他の実施形態(図示せず)では、HP蒸気タービン30の出口蒸気を、HRSG内の再熱器に再導入して過熱し、次いでIP蒸気タービン28の入口に戻してもよい。LP蒸気タービンの出口は、タービン出口ライン152を介して復水器150に流体連結してもよい。復水器は、LP蒸気タービン26の出口からの蒸気を水に変換してもよく、水は復水戻りライン151を介してHRSG32に供給してもよい。
【0043】
多くの実施形態では、図1に示すように、吸着剤式炭素回収システムのような炭素回収システム108は、燃料電池106のカソード側116からのカソード出力生成物とバイパス供給ライン168からの排気ガスの第2の量との混合物を炭素回収システム108が受け取るように、燃料電池106に流体連結してもよい。特に、炭素回収システム108は、HRSG流出ライン154を介してHRSG32の出口に流体連結し得る。HRSG出口ライン154は、HRSG32の出口から炭素回収システム108にガスの混合物を搬送し得る。例示的な実施形態では、炭素回収システム108は、排気ガスから汚染物質(例えばCO)の第2の部分を除去する吸着床156であってもよい。特に、炭素回収システム108は、複数の吸着床156を含んでいてもよく、排気スタック110から出る前に排気ガスからCOが全て除去されるように、排気ガスからCOの残部を除去してもよい。
【0044】
加えて、幾つかの実施形態では、図1に示すように、炭素回収システム108への導入に先立ってHRSG32から出る排気ガスをさらに冷却するために、直接接触冷却器155をHRSG出口ライン154に含めてもよい。例えば、直接接触冷却器155を、炭素回収システム108の上流のHRSG出口ライン154上に配置してもよい。直接接触冷却器155は、排気ガス中に水(又は他の適切な冷却剤)を噴霧して、炭素回収システム108への導入前の排気ガスの温度を下げることができる。
【0045】
複数の吸着床156は、カソード出力生成物とバイパスライン168によって供給される排気ガスの第2の量との混合物からCOを連続的に回収し得る。例えば、真空温度スイング吸着プロセスでは、COを連続的に回収するために、吸着床156は吸着プロセス、再生プロセス及び冷却プロセスを交互に経ることができる。
【0046】
吸着プロセスは、吸着剤材料(活性炭、ゼオライト、金属有機構造体(MOF)その他の吸着剤材料など)を含む吸着床156の1以上に、COを含むガス流を通過させることを含む。吸着剤は、物理吸着又は化学吸着のいずれか或いはそれらの組合せによってCOを吸収できる。CO分子は吸着剤の表面に引き寄せられて結合し、ガス流から効果的に除去される。吸着プロセスは、用いる吸着剤の種類に応じて、常温又は高温で実施できる。
【0047】
1以上の吸着床156がCOで飽和状態になったら、1以上の吸着床156は、捕捉したCOを除去するとともに、吸着能力を回復するために再生される。再生プロセスでは、1以上の吸着床内の吸着剤材料を低圧で高温に付し(低圧が常に必要というわけではないが、場合によっては最適である)、吸着剤材料からCOを脱着させ、廃棄又は利用のために回収及び貯蔵できるようにする。例えば、炭素回収システム108から二酸化炭素リッチストリーム158を生成させることができる。二酸化炭素リッチストリーム158は、隔離してもよいし或いは他の工業的用途のため搬出してもよい。再生された吸着剤は、冷却プロセスで冷却され、吸着プロセスに再利用される。
【0048】
炭素回収システム108内で複数の吸着床156を区画してもよく、吸着床の第1のグループが吸着プロセスで作動(それによりCOを回収する)している一方で、第2のグループは再生及び/又は冷却プロセスにある。次に、第1のグループ及び第2のグループを切り替えて(第1のグループが再生及び/又は冷却プロセスで作動し、第2のグループが再生プロセスで作動するように)、炭素回収システム108が継続的にCOを回収するようにプロセスを繰り返すことができる。
【0049】
蒸気抽気ライン178は、再生プロセスで使用するための蒸気の流れを供給するため、蒸気供給ライン148から炭素回収システム108まで延在し得る。戻りライン180は、使用済み流体(例えば再生プロセスで利用される蒸気)を戻すために、炭素回収システム108から復水戻りライン151まで延在し得る。抽気制御弁182は、蒸気抽気ライン178上に蒸気抽気ライン178と流体連通して配置し得る。抽気制御弁182は、蒸気抽気ライン178に流すことのできる蒸気の量を調整し得る。換言すると、蒸気抽気ライン178を流れる蒸気の量は、抽気制御弁182を調節(又は作動)させることによって調整(又は修正)してもよい。
【0050】
炭素回収システム108の例示的な実施形態は、複数の吸着床156を含んでいるが、炭素回収システム108は、限定されるものではないが、圧力スイング吸着、温度スイング吸着、急速熱スイング吸着、真空温度スイング吸着、化学吸収、極低温分離、液体溶媒ベースの吸着及び膜分離を始めとする様々な技術を適用して、残部の二酸化炭素を排気ガスから分離することができる。
【0051】
様々な実施形態では、炭素回収システム108は、圧力スイング吸着(PSA)を用いることができる。PSAは、ガスの混合物から二酸化炭素を分離するのに使用できる。PSA技術では、高い分圧で固体モレキュラーシーブは二酸化炭素を吸着することができる。その結果、低い分圧(主に真空条件)では、ガスの混合物が吸着床を通過する際に混合物から二酸化炭素が除去される。床の再生は、減圧及びパージによって行われる。臨界的運転には、通例、二酸化炭素の連続的分離に複数の吸着容器を使用し、1つの吸着床を使用し、他の吸着床は再生される。
【0052】
例示的な実施形態では、炭素回収システム108は、温度スイング吸着(TSA)を用いることができる。TSAでは、吸着剤は低温(好ましくは極低温乃至<60℃)でカソード出力生成物からCOを吸着する。次いで、飽和吸着床は温度を上昇させる(通常>100℃)ことによって脱着される。脱着は、真空条件下又はCO分圧を下げるための掃引ガスの存在下で行ってもよい。脱着に必要な熱は、低圧蒸気タービンからの蒸気によって供給してもよい。或いは/加えて、脱着に必要な熱は、ジュール電気加熱又はマイクロ波加熱によって直接供給してもよい。最後に、吸着剤床を初期温度まで冷却すると、次の吸着サイクルの準備が整う。
【0053】
ある実施形態では、炭素回収システム108は、酸化カルシウム(CaO)及び酸化マグネシウム(MgO)又はそれらの組合せのような酸化物を用いた化学吸収によって、排気ガスから二酸化炭素を分離し得る。一実施形態では、高圧及び高温において、COはCaOによって吸収されて炭酸カルシウム(CaCO)を形成し、ガス混合物からCOが除去される。吸着剤CaOはCaCOの焼成によって再生され、CaCOを再びCaOに改質することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、膜分離技術も、炭素回収システム108による排気ガスからの二酸化炭素の分離に使用し得る。高温二酸化炭素分離に使用される膜としては、CO選択的なオライト膜及びセラミック膜が挙げられる。膜分離装置は、圧力が高いほど効率的に作動するので、排気ガスからの二酸化炭素の分離のための膜分離装置の使用は、追加の圧縮(例えば炭素回収システム108の上流に1以上の圧縮機を設けること)によって達成し得る。
【0055】
他の実施形態では、炭素回収システム108による排気ガスからのCOの分離に使用し得る他の技術としては、限定するものではないが、アミン類を用いるCOの化学的吸収が挙げられる。アミン類を用いる二酸化炭素の化学吸収に用いるため、排気ガスを適当な温度に冷却してもよい。この技術は、比較的低温で二酸化炭素を吸収する能力を有するアルカノールアミン溶媒に基づいており、リッチ溶媒の温度を上げることで容易に再生できる。二酸化炭素リッチな流れは、リッチ溶媒の再生後に得られる。この技術で使用される溶媒としては、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコラミン及びピペラジンの単体又は混合物が挙げられる。
【0056】
幾つかの他の実施形態では、炭素回収システムは、1以上の吸収容器を備えてもよく、化学吸収技術が使用される。さらに別の実施形態では、二酸化炭素分離装置は、1以上の膜分離装置を含む。
【0057】
例示的な実施形態では、炭素回収システムは、1以上の吸着床156を含んでいてもよく、TSA技術を使用して、出口流排気ガスから二酸化炭素を分離することができる。特に、例示的な実施形態では、炭素回収システム108は、複数の吸着床156(例えば約10~約500個の吸着床、又は約10~約400個の吸着床、又は約30~約250個の吸着床、又は約10~約100個の吸着床)を含んでいてもよい。運転中、幾つかの吸着床156では吸着が起こり、幾つかの吸着床156では脱着が起こり、残りの吸着床は、温度スイング吸着プロセスのため冷却に付される。部分負荷では、排気ガス(又はカソード出力生成物)中のCO流量が減少するので、一部の吸着床だけ作動すればよく、他の吸着床156は待機状態となる。これらの待機吸着床156には、大気から追加のCOを吸着するために周囲空気を供給してもよく、それによって負のシステム排出が達成される。或いは/加えて、幾つかの追加の吸着床を追加してもよく、脱着のために蒸気タービンからの蒸気を受け入れる直接空気回収システムとして機能し得る。こうして、通常の全負荷状態で負の炭素排出を達成できる。
【0058】
他の実施形態では、吸着床156は、直接接触吸着床であってもよい。直接接触吸着床は、様々なプロセスに付される多数のセグメントを含む1つの大型回転床が含まれる。かかる実施形態では、炭素回収システム108は、約1個~約100個の直接接触吸着床を含んでいてもよい。
【0059】
特に図2を参照すると、炭素回収システム108は、第1の炭素回収システム109であってもよく、CCPP100は、バイパスライン上に流体連通して配置された第2の炭素回収システム111をさらに含んでいてもよい。第2の炭素回収システム111は、上述の吸着技術のいずれを利用してもよい。例えば、第2の炭素回収システム111を第1の炭素回収システム109と同様に構成して、第2の炭素回収システム111が複数の吸着床156を含んでいてもよい。第2の炭素回収システム111は、バイパスライン168を流れる排気ガスの第2の量から汚染物質(例えばCO)の一部(例えば第3の部分など)を除去するように構成してもよい。
【0060】
図1及び図2を共に参照すると、コンバインドサイクルシステム100は、大気(又は周囲環境)及び炭素回収システム108に流体連結した空気入口ライン160をさらに含んでいてもよい。特に、空気入口ライン160は、吸着床156の各々と流体連通していてもよく、追加の炭素回収のために追加の空気を待機吸着床156に供給し得る。多くの実施形態では、ポンプ162(ファン又は送風機など)及び弁164を、空気入口ライン160上に流体連通して配置してもよい。弁164は、開位置(空気を通過させることができる)と閉位置(空気の通過を制限又は阻止する)との間で動作し得る。弁164は、ポンプ162の下流側にあってもよい。ポンプ162は、その作動時に大気から空気を吸い込む圧力差を生じさせることができる。空気中に存在する汚染物質(例えばCO)を除去するため、大気中の空気を炭素回収システム108(例えば吸着床156)に通してもよい。こうして、好適には、タービンセクション16からの排気ガス中の二酸化炭素(例えば100%)を全て燃料電池106及び炭素回収システム108によって回収することができるとともに、追加の大気を空気入口ライン160によって炭素回収システム108に導入して追加の大気の二酸化炭素を除去できるので、コンバインドサイクルシステム100で負の二酸化炭素排出量を達成できるようになる。
【0061】
本明細書に記載の様々な技術を用いると、1以上の炭素回収システム108から二酸化炭素リッチストリーム158が生成される。二酸化炭素リッチストリーム158は隔離してもよいし或いは他の工業的用途のため搬出してもよい。
【0062】
多くの実施形態では、コンバインドサイクルシステム100は、炭素回収システム108と排気スタック110との間に延在する排気ライン166をさらに含んでいてもよい。特に、排気ライン166は、吸着床1560の出口と排気スタック110との間に延在し得る。排気スタック110は、(汚染物質が除去された)排気ガスを大気に排気することができる。
【0063】
上述の通り、燃料電池106及び炭素回収システム108は全体として、排気スタック110を介して排気ガスを大気中に排出する前に、トッピングサイクル102から出る排気ガスからすべての汚染物質(例えば二酸化炭素)を除去し得る。例えば、トッピングサイクル102から出る排気ガスから汚染物質の約85%~約100%が燃料電池106及び炭素回収システム108(例えば吸着床156)によって総合的に回収される。燃料電池106は、排気ガスから二酸化炭素の大半を除去することができ、炭素回収システム108は、排気ガスから二酸化炭素の残部を除去することができる。特に、排気ガス再循環を実施すると、燃料電池106で排気ガスから二酸化炭素の約50%~約90%を除去することができ、排気ガス再循環なしでは約75%~約85%程度を除去できる。燃料電池106でもっと多くの二酸化炭素を除去することができるものの、これは、燃料電池106への過度のストレス付加、燃料電池106の寿命短縮及び燃料電池106の電気効率(燃料電池で生成される電気とアノードに供給される燃料エネルギーとの比)の低下を伴わずには、達成することができない。そこで、排気ガスから約75%~約85%の二酸化炭素が除去されるように燃料電池106を作動させると、燃料電池106の寿命が好適に維持され、効率的運転が可能になる。タービンセクション16から出る排気ガス中の二酸化炭素の残部(例えば排気ガス中の二酸化炭素の約10%~約30%又は排気ガス中の二酸化炭素の約15%~約25%など)は、炭素回収システム108(例えば例示的な実施形態における吸着床156)で除去し得る。
【0064】
多くの実施形態では、図1及び図2に示すように、コンバインドサイクルシステム100は、タービンセクション16を圧縮機セクション20に流体連結する排気ガス再循環ライン170を含んでいてもよい。排気ガス再循環ライン170は、排気ガス排出ライン117から圧縮機セクション20まで延在し得る。かかる実施形態では、圧縮機20は、周囲空気171と再循環された排気ガスとを受け得る。排気ガス再循環を導入すると、ガスタービン排気ガス中のCOモル%が約4.3%~約~8%に増加し、燃料電池106を高い効率で運転できるようになる。例えば、排気ガス再循環を行うと、燃料電池106は、排気ガスからCOの最大90%を除去し得る。排気ガス再循環ライン170は、排気ガス出口ライン117から排気ガスの一部を選択的に分岐させて圧縮機セクション20の入口に戻す。例えば、弁172を、排気ガス再循環ライン170上に配置してもよい。弁172は、開位置(排気ガスの再循環を可能にする)と閉位置(排気ガスの再循環を制限又は防止する)との間で選択的に作動し得る。加えて、例示的な実施形態では、排気ガス冷却器174を排気ガス再循環ライン170上に配置してもよい。排気ガス冷却器174は、ガスタービン10の入口温度要件を満たすために、排気ガス再循環ライン170の排気ガスを冷却する熱交換器であればよい。
【0065】
様々な実施形態では、CCPP100の各種部品のサイズは、炭素回収要件に基づいて決定し得る。例えば、燃料電池106及び炭素回収システム108のサイズは、トッピングサイクル102(例えばガスタービン10)からの潜在的出力の全範囲に応じて決定し得る。特に、燃料電池106及び炭素回収システム106は、あらゆる運転条件で(例えばガスタービン10を全速無負荷、低負荷、ベース負荷、全負荷或いは他のガスタービンエンジン10の運転条件で運転しているときに)、ガスタービン10から排出されるCOの全部を全体として回収するサイズとすることができる。例えば、炭素回収システム108のサイズは、吸着床156の数の増減によって変更し得る。
【0066】
次に図3を参照すると、本開示技術の一態様に従ってコンバインドサイクルシステムで汚染物質を除去するための方法200の一実施形態の流れ図が示してある。一般に、方法200については、本明細書では、上記で図1及び図2を参照して説明したコンバインドサイクルシステム100を参照して説明する。ただし、当業者には自明であろうが、本開示技術に係る方法200は、あらゆる適切なコンバインドサイクルシステム全般で利用することができ、及び/又は他の適切なシステム構成を有するシステムに関して利用することができる。さらに、図3には、例示及び説明のため特定の順序で実施されるステップが記載されているが、本願に記載の方法は、特許請求の範囲に別途記載されていない限り、特定の順序又は構成に限定されるものではない。本明細書の開示内容から当業者には自明であろうが、本開示の方法の様々なステップを、本開示の技術的範囲から逸脱せずに、様々に、省略、再構成、組合せ及び/又は適合させることができる。
【0067】
図に示す通り、方法200は、コンバインドサイクルシステム100のトッピングサイクル102を運転して、第1の出力及び排気ガスを発生させるステップ(202)を含む。例えば、トッピングサイクル102の運転は、ガスタービン10を部分負荷又は全負荷で運転することを含んでいてもよい。その結果、第1の出力及び排気ガスが発生する。第1の出力は、第1の負荷14によって生成し得る。第1の負荷14は、例えば、1以上のシャフトを介してガスタービン10に連結した発電機であってもよく、発電機は回転して第1の出力を生成する。ガスタービン10は、燃焼セクション18で天然ガス燃料を燃焼させ、タービンセクション16に導いて排気ガスとして排気してもよく、二酸化炭素などの汚染物質を含んでいてもよい。
【0068】
例示的な実施例では、図に示す通り、方法200は、排気ガスを燃料電池106のカソード側116に搬送するステップ(204)をさらに含んでおり、それによって、排気ガスから汚染物質の第1の部分が除去される。例えば、燃料電池106内で電気化学反応を起こしてもよく、それによって、排気ガスから二酸化炭素が除去されるとともに電気が発生するが、電気は電気バス124を介して1以上の電気装置122に供給し得る。例示的な実施形態では、燃料電池106は、内部改質型MCFC及び/又は外部改質型MCFCのような溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)であってもよい。MCFCは、蒸気と混合した反応体燃料ガス(例えば蒸気と混合した天然ガス)をアノード側112に流し、酸化性ガス(例えば二酸化炭素及び酸素を含む排気ガス)をカソード側116に流すことによって作動し、電解質114を横断して電気化学反応が起こり、二酸化炭素を除去(又は化学変換)して電気及び水素を生成する。
【0069】
多くの実施例では、図に示す通り、方法200は、カソード側の出口から排気ガス(すなわち、カソード出力生成物)を炭素回収システム108に供給するステップ(206)をさらに含む。汚染物質の第2の部分(例えば二酸化炭素)は、炭素回収システム108を通過すると、排気ガスから除去される。例えば、炭素回収システム108は、燃料電池106の下流の排気ガスから二酸化炭素の残部を除去する吸着床156であってもよい。
【0070】
例えば、汚染物質は二酸化炭素であってもよく、カソード側で排気ガスから除去される汚染物質の第1の部分は、ガスタービン10から出る際の排気ガス中の二酸化炭素の過半数(例えば50%超)であってもよい。そこで、炭素回収システム108によって排気ガスから除去される汚染物質の第2の部分は、排気ガス中の二酸化炭素の残部であってもよい。特に、タービンセクション16からの排気ガス中の二酸化炭素の最大約85%を燃料電池106のカソード側116で除去(電気化学的に変換)し、残部の二酸化炭素(例えば約15%)は、排気スタック110から排出される前に、炭素回収システム108で除去してもよい。例えば、トッピングサイクル102から出る排気ガスから汚染物質の約85%~約100%が、燃料電池106及び炭素回収システム108(例えば吸着床156)によって総合的に回収される。燃料電池106は排気ガスから二酸化炭素の大部分を除去し、炭素回収システム108は排気ガスから二酸化炭素の残部を除去し得る。特に、排気ガスから二酸化炭素の約70%~約90%(或いは約75%~約85%など)を燃料電池106で除去し得る。燃料電池106でもっと多くの二酸化炭素を除去することができるものの、これは、燃料電池106への過度のストレス付加、燃料電池106の寿命短縮及び燃料電池106の効率低下を伴わずには、達成することができない。そこで、排気ガスから二酸化炭素が約50%~約85%(又は排気ガス再循環を実施する場合には約50%~約90%など)除去されるように燃料電池106を作動させると、燃料電池106の寿命が好適に維持され、効率的運転が可能となる。タービンセクション16から出る排気ガス中の二酸化炭素の残部(例えば排気ガスの約15%~約50%又は約15%~約25%など)は、炭素回収システム108(例えば例示的な実施形態における吸着床156)で除去し得る。
【0071】
多くの実施例では、コンバインドサイクルシステム100の運転は、総出力(例えば第1の負荷14で生成される出力、第2の負荷24で生成される出力及び燃料電池106の出力120の合計)を生成する。例示的な実施例では、燃料電池106及び炭素回収システム108の作動には、総出力の約0.5%~約5%(又は約3%~約5%など)の電力供給が必要となり得る。上述の通り、燃料電池106は、もっと激しく作動させることができ、二酸化炭素の85~90%超が燃料電池106で回収されるが、その場合、カソード分極(低濃度の二酸化炭素に起因する支配的抵抗)、オーム抵抗、アノード分極、活性化損失などの損失メカニズムの寄与が大幅に増加する。そのため、プラント全体の効率又は燃料電池106の電気効率が低下する。燃料電池106を最大約85%の二酸化炭素消費量で運転しながら、追加の炭素回収システム108(例えば例示的な実施形態における吸着床156)で残部の二酸化炭素を回収すると、CO回収に必要な比エネルギー(MJ/CO回収kg)は炭素回収率の増加に伴って単調に増加するので、好適には、100%の炭素回収率を達成するのに、コンバインドサイクルシステム100の総出力の約3%~約5%の電力供給しか必要とせず、これは他の設計よりも低い。さらに、燃料電池106(MCFCなど)の統合は、約20~25%の追加電力を生成するので、プラントの正味出力は増加するが、一方、他のすべての炭素回収技術ではエネルギーを消費してプラントの正味出力が低下してしまう。燃料電池106(例えばMCFC)は、約20%~25%の余剰電力を生成し得るが(炭素回収率が約85%であると仮定すると、炭素回収率を約50%に下げると、余剰電力の下限は約10%となる)、燃料も消費する。燃料電池106からのCO回収率を増加させると、燃料電池106内の損失が増大して、燃料電池106の対燃料電気効率が低下してしまい、燃料電池106での発電は、コンバインドサイクル発電プラントでの発電と比較して相対的に非効率となる。さらに、分離システム134は寄生負荷を消費し、これらはプラント全体の効率の約2%超の低下(燃料電池106での炭素回収率の増加に伴って増加し得る)に寄与する。燃料電池106での炭素回収率を約50%に下げる実施例では、プラント全体の効率の低下は約1%とし得る。
【0072】
燃料電池106(MCFCなど)の最大CO回収限界は、排気ガス中のCO濃度の関数として変化する。ガスタービン10の排気ガス34は典型的には約5モル%のCOを含む。排気ガス再循環を実施すると、モル%は約8%モルのCOに増加して、燃料電池106による最大CO回収率は約85%~約90%に増大する。工業プロセスのような他のプロセスでは、CO濃度の高い排気ガスが発生することがある(例えばセメント工場の排気ガスは約30%モルのCOを含む)。かかる実施例では、COのモル%が高い工業プロセス(セメント工場又は石炭プラントなど)からの排気ガスを燃料電池に供給すると、燃料電池はさらに高い回収率(例えば90%超の炭素回収率)を達成し得る。
【0073】
任意選択的な実施例では、破線のボックスで示すように、方法200は、カソード側116の出口から排気ガスを排熱回収ボイラ32(HRSG)に搬送してから、排気ガスを炭素回収システム108に供給するステップ(208)を含んでいてもよい。かかる実施形態では、方法は、HRSG32で蒸気を発生させるステップ(210)、及び蒸気をボトミングサイクル104に供給するステップ(212)を含んでいてもよい。ボトミングサイクル104は、第2の出力を生成し得る。例えば、ボトミングサイクル104は、発電のための第2の負荷24を駆動する蒸気タービンシステム22であってもよい。また、第2の負荷24は、発電用の発電機であってもよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、方法200は、排気ガスに加えて大気からの空気を炭素回収システム108に供給するステップ(214)を含んでいてもよい(例えば通常サイズの吸着床に対してトッピングサイクル102を部分負荷で運転する場合、或いは過大吸着床に対してトッピングサイクル102を全負荷で運転する場合)。例えば、トッピングサイクル102の二酸化炭素出力に基づくサイズの炭素回収システム108を有するシステムでガスタービン10が部分負荷で運転されているときに、大気からの空気を空気入口ライン160を介して炭素回収システム108に導入してもよい。或いは、過大(例えばガスタービンの二酸化炭素出力要件よりも大きなサイズの)炭素回収システム108を有するシステムでガスタービン10が全負荷で運転されているときに、大気からの空気を空気入口ライン160を介して炭素回収システム108に導入してもよい。ガスタービンからの排気ガスに追加して空気を供給することによって、空気及び排気ガスから二酸化炭素が除去され、燃焼システムは負の炭素回収排出を生成する。ガスタービン10は、全負荷(例えば最大容量又は100%)及び部分負荷(例えば最大容量未満又は100%未満)で運転し得る。全負荷時には、ガスタービン10は、大量の排気ガスを発生させることがあり、燃料電池106及び炭素回収システム108の二酸化炭素回収能力をフルに活用し得る。しかし、部分負荷条件では、ガスタービン10で発生する排気ガスが減るので、二酸化炭素回収のための追加の能力を炭素回収システム108に与える。この追加の能力は、大気中の二酸化炭素を回収するために活用することができ、そうすることによって、好適には、燃料電池106及び炭素回収システム108で、トッピングサイクル102(例えばガスタービン10)で生成した二酸化炭素の100%超を回収することができる。例えば、トッピングサイクル102で生成した二酸化炭素の全量を燃料電池106及び炭素回収システム108で総合的に回収することができ、排気ガスに加えて大気からの空気を炭素回収システム108に導入することによって大気から二酸化炭素を回収してもよい。
【0075】
次に図4を参照すると、本開示技術の一態様に従ってコンバインドサイクルシステムを運転するための方法400の一実施形態の流れ図が示してある。一般に、方法400については、本明細書では、上記で図1及び図2を参照して説明したコンバインドサイクルシステム100を参照して説明する。ただし、当業者には自明であろうが、本開示技術に係る方法400は、あらゆる適切なコンバインドサイクルシステム全般で利用することができ、及び/又は他の適切なシステム構成を有するシステムに関して利用することができる。さらに、図4には、例示及び説明のため特定の順序で実施されるステップが記載されているが、本願に記載の方法は、特許請求の範囲に別途記載されていない限り、特定の順序又は構成に限定されるものではない。本明細書の開示内容から当業者には自明であろうが、本開示の方法の様々なステップを、本開示の技術的範囲から逸脱せずに、様々に、省略、再構成、組合せ及び/又は適合させることができる。
【0076】
図に示す通り、方法400は、トッピングサイクルを運転するステップ(402)を含む。トッピングサイクルの運転の結果、排気ガスが発生する。例えば、ステップ(402)でトッピングサイクルを運転すると、第1の出力も生成する。例示的な実施例では、トッピングサイクルは、圧縮機セクション、燃焼セクション及びタービンセクションを含むガスタービンである。かかる実施形態では、トッピングサイクルを運転するステップ(402)は、燃焼セクションに燃料を供給して燃焼ガスを発生させること及び燃焼ガスをタービンセクションに供給して第1の出力及び排気ガスを発生させることを含んでいてもよい。
【0077】
多くの実施形態では、方法400は、排気ガスの第1の量を燃料電池のカソード側に供給するステップ(404)を含む。例えば、排気ガスの第1の量は、カソード入口ラインを介して燃料電池のカソード側に搬送してもよい。次いで、排気ガスの第1の量を燃料電池のカソード側に搬送してもよい。多くの実施例では、燃料電池は、排気ガスの第1の量から汚染物質(例えばCO)を除去するとともに、燃料電池の出力を生成するように運転し得る。特に、燃料電池の運転は、燃料電池のアノード側に燃料(蒸気と混合してもよい)を供給し、排気ガスの第1の量を燃料電池のカソード側に供給することを含んでいてもよい。
【0078】
様々な実施形態では、方法400は、燃料電池の下流側の燃焼システムに流体連結したバイパスラインを少なくとも部分的に介して、排気ガスの第2の量を炭素回収システムに供給するステップ(406)を含む。例えば、バイパスラインは、カソード入口ラインからカソード出口ラインまで延在し得る。特に、本方法は、カソード出力生成物を、排気ガスの第2の量と共に混合物として炭素回収システムに供給することを含んでいてもよい。
【0079】
例示的な実施形態では、方法は、全プラント回収率を維持しながら、排気ガスの第1の量及び排気ガスの第2の量を変化させるステップ(408)を含む。全プラント回収率は、本システムで回収される汚染物質の量であり、燃料電池及び炭素回収システムで回収される汚染物質の合計(例えば燃料電池回収率及び炭素回収システム回収率)であってもよい。全プラント回収率は、排気ガス中に含まれるCOの約100%とし得る。
【0080】
例えば、燃料電池に供給される排気ガス量の第1の量が低下した(それによって燃料電池の回収率が低下した)場合、全回収率を維持するために、バイパスラインを介して炭素回収システムに供給される排気ガス量の第2の量を増加(幾つかの実施形態では第1の量の低下に比例して)させてもよいし、全回収率を維持するために炭素回収システムの回収率を増加させてもよい。対照的に、燃料電池に供給される排気ガス量の第1の量が増加した(それによって燃料電池の回収率が増加した)場合に、全回収率を維持するために、バイパスラインを介して炭素回収システムに供給される排気ガス量の第2の量を減少(幾つかの実施形態では第1の量の増加に比例して)させてもよいし、全回収率を維持するために炭素回収システムの回収率を下げてもよい。
【0081】
任意選択的な実施例では、破線のボックスで示すように、変化させるステップ(408)は、第1の量及び第2の量を調整するために、バイパスライン上に位置する制御弁を選択的に作動させるステップ(410)を含んでいてもよい。すなわち、カソード側を流れる排気ガスの第1の量及びバイパスラインを流れる排気ガスの第2の量は、バイパス制御弁を調節(又は作動)させることよって調整(又は修正)し得る。バイパス制御弁は、バイパスラインを通る排気ガスの流れを選択的に制限するように動作し得る。例えば、バイパスラインは、バイパスラインを通る排気ガスの流れが制限されない全開位置と、バイパスラインを通る排気の流れが完全に制限される全閉位置との間で選択的に動作し得る。さらに、バイパス制御弁は、0%~100%の任意の位置など、排気ガスの一部を制限するために、全開位置と全閉位置の間の任意の位置で動作し得る。
【0082】
幾つかの実施例では、方法は、カソード出力生成物及び排気ガスの第2の量を混合物として排熱回収ボイラに搬送してから、混合物を炭素回収システムに供給することを含んでいてもよい。かかる実施形態では、本方法は、HRSGで蒸気を発生させ、蒸気をボトミングサイクルに供給することを含んでいてもよい。ボトミングサイクルは、第2の出力を発生させる。例えば、ボトミングサイクルは、発電のための第2の負荷を駆動する蒸気タービンシステムであってもよい。また、第2の負荷は、第2の出力のような電力を生成するための発電機であってもよい。
【0083】
様々な実施例では、方法400は、第1の量及び第2の量を変化させることに少なくとも部分的に依拠して、全プラント回収率を維持しながら、燃料電池を始動させるステップ(410)を含んでいてもよい。例えば、本方法は、燃料電池の運転を開始することを含んでおり、燃料電池は、ある期間で最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する。運転を開始するステップは、燃料電池を利用して炭素回収を開始することを含むことができる。多くの実施例では、燃料電池は、始動直後は炭素回収できないことがあり、この方法で、「運転開始」とは、燃料電池が最初に炭素回収できるようになったときをいう。例えば、燃料電池は、初期期間、制御環境下で(例えばアノード側への燃料及びカソード側への酸化性物質の供給レベルを制御して)始動及び運転し得る。燃料電池が安定化(制御環境下での運転が終了)すると、燃料電池は、トッピングサイクルからの排気ガスを供給することによって運転(又は炭素回収)を開始するが、その間、燃料電池は最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する。
【0084】
例えば、燃料電池の暖機は、約2~約7日間にわたって連続的に行うことができる。燃料電池が最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行している間、燃料電池は炭素回収率を連続的に増加させることができる。そこで、本方法は、燃料電池が最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する期間にわたって略漸増割合で排気ガスの第1の量を燃料電池のカソード側に供給することを含むことができる。排気ガス量の第1の量は、燃料電池を始動させる暖機速度に比例した略漸増割合で燃料電池に供給し得る。かかる実施例では、本方法は、排気ガスの第2の量を排気ガスの残部として炭素回収システムに供給することを含むことができる。すなわち、燃料電池に供給されない余剰の排気ガスを全て炭素回収システムに供給し得る。例示的な実施形態では、本方法は、燃料電池が最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する期間にわたって略漸減割合で排気ガスの第2の量を炭素回収システムに同時に供給することを含むことができる。略漸減割合は、略漸増割合に比例し得る。
【0085】
本明細書で用いる「略漸増割合」とは、増加傾向に追従する割合を含むことができる。すなわち、略漸増割合は、絶えず増加する必要はなく、反復的に増加してもよい(供給される排気ガスが、増加傾向に追従するが、休止又は中断してもよい)。他の実施形態では、略漸増割合は、連続的な(又は一定の)増加であってもよい。同様に、本明細書で用いる「略漸減する率」とは、減少傾向に従う率を含むことができる。すなわち、略漸減割合は、絶えず減少する必要はなく、反復的に減少してもよい(供給される排気ガスが、減少傾向に追従するが、休止又は中断してもよい)。他の実施形態では、略漸減割合は、連続的な(又は一定の)減少であってもよい。
【0086】
様々な実施例では、方法400は、第1の量及び第2の量を変化させることに少なくとも部分的に依拠して、全プラント回収率を維持しながら、プラント出力を調整するステップ(414)を含んでいてもよい。例えば、トッピングサイクルの運転は第1の出力を生じ、ボトミングサイクルの運転は第2の出力を生じ、燃料電池の運転は燃料電池の出力を生じる。総プラント出力は、第1の出力、第2の出力及び燃料電池出力を含むことができる(例えば総プラント出力は、第1の出力、第2の出力及び燃料電池出力の合計であってもよい)。
【0087】
様々な実施例では、全プラント回収率を維持しながらプラント出力を調整することは、カソード側に供給される排気ガス量の第1の量を調整し、かつ燃料電池のアノード側に供給される燃料の量を調整することによって行うことができる。その結果、燃料電池の出力を調整し、燃料電池の回収率を調整することができる。次いで又は同時に、炭素回収システムに供給される蒸気の流れを調整することによって炭素回収システムの回収率を調整してもよく、第2の出力が調整される。例えば、蒸気を蒸気抽気ラインで炭素回収システムに供給してもよく、吸着床の再生速度を増加させることによって炭素回収システムの回収率を調整し得る。ただし、蒸気タービンからの蒸気量を調整すると、第2の出力が調整され、総プラント出力が調整される。こうして、全プラント回収率を維持しながら、プラントの出力を調整することができる。特に、プラント出力の調整は、全プラント回収率を維持しながら、プラント出力を増減させることを含むことができる。
【0088】
多くの実施例では、全プラント回収率を維持しながらプラント出力を減少させることは、カソード側に供給される排気ガス量の第1の量を減少させ、かつ燃料電池のアノード側に供給される燃料の量を減少させることによって行うことができる。その結果、燃料電池の出力が低下し、燃料電池の回収率が低下する。次いで又は同時に、炭素回収システムに供給される蒸気の流れを増加させることによって、炭素回収システムの回収率を増加させてもよく、それによって、第2の出力が減少する。例えば、蒸気を蒸気抽気ラインで炭素回収システムに供給してもよく、吸着床の再生速度を増加させることによって炭素回収システムの回収率を高めることができる。ただし、蒸気タービンから蒸気を抽気すると、第2の出力が低下して総プラント出力が低下する。こうして、全プラント回収率(約70%~約100%、或いは約100%であってもよい)を維持しながら、プラントの出力を減少させることができる。
【0089】
他の実施例では、全プラント回収率を維持しながらプラント出力を増加させることは、カソード側に供給される排気ガス量の第1の量を増加させ、かつ燃料電池のアノード側に供給される燃料の量を増加させることによって行うことができる。その結果、燃料電池の出力を高めることができ、燃料電池の回収率が向上する。次いで又は同時に、炭素回収システムに供給される蒸気の流れを減少させることによって、炭素回収システムの回収率を低下させてもよく、それによって、第2の出力が増加する。こうして、全プラント回収率(約70%~約100%、或いは約100%であってもよい)を維持しながら、プラントの出力を増加させることができる。
【0090】
多くの実施例では、第1の量及び第2の量を変化させると、炭素回収システムにおける吸着床の回収能力及び炭素の捕捉速度に影響を与えるが、これは、あるシナリオでは有利である。例えば、燃料電池に供給される排気ガス量の第1の量が減少し、かつ炭素回収システムに供給される排気ガス量の第2の量が増加すると、炭素回収システムに供給されるガスの流れのCO量が増加することから、回収能力(例えば吸着床の吸着剤材料の容量)及び/又は物質移動速度(COが吸着剤に吸着される速度)が増加する。
【0091】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【0092】
本発明の追加の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様1]
燃焼システムであって、当該燃焼システムが、排気ガスの流れを発生させるトッピングサイクルと、ボトミングサイクルと、アノード側、カソード側及び電解質を含む燃料電池であって、前記カソード側がカソード入口ラインを介して前記トッピングサイクルからの排気ガスの流れを受け取り、前記カソード側が前記排気ガスから汚染物質の第1の部分を除去する、燃料電池と、カソード出口ラインを介して前記カソード側から前記排気ガスを受け取る排熱回収ボイラ(HRSG)と、前記カソード入口ラインから前記カソード出口ラインまで延在するバイパスラインと、HRSG出口ラインを介してHRSGに流体連結した炭素回収システムであって、前記排気ガスから汚染物質の第2の部分を除去する炭素回収システムとを備える、燃焼システム。
[実施態様2]
前記バイパスライン上に流体連通して配置されたバイパス制御弁をさらに備える、実施態様項1に記載の燃焼システム。
[実施態様3]
前記炭素回収システムが第1の炭素回収システムであり、当該燃焼システムが、前記バイパスライン上に流体連通して配置された第2の炭素回収システムをさらに備える、実施態様項1又は実施態様項2に記載の燃焼システム。
[実施態様4]
第1の炭素回収システム及び第2の炭素回収システムの各々が吸着床を備える、実施態様項1乃至実施態様項3のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様5]
大気及び前記炭素回収システムに流体連結した空気入口ラインをさらに備える、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様6]
前記トッピングサイクルが、第1の負荷に連結されたガスタービンであって、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションとを含むガスタービンを備えており、前記タービンセクションが前記排気ガスを発生する、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様7]
前記タービンセクションを前記圧縮機セクションに流体連結する排気ガス再循環ラインをさらに備える、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様8]
前記燃料電池が溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)である、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様9]
前記炭素回収システムと排気スタックとの間に流体連通して延在する排気ラインをさらに備える、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様10]
前記アノード側が、アノード入口ラインを介して燃料及び/又は蒸気の流れを受ける、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様11]
アノード出力生成物から水及び液体二酸化炭素を除去する分離システムに流体連結したアノード出口ラインをさらに備える、実施態様項1乃至実施態様項10のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様12]
前記トッピングサイクルから出る排気ガスから汚染物質の約85%~約100%が、前記燃料電池及び前記炭素回収システムによって総合的に回収される、実施態様項1乃至実施態様項のいずれか1項に記載の燃焼システム。
[実施態様13]
燃焼システムの運転方法であって、前記燃焼システムが、トッピングサイクルと、前記トッピングサイクルに流体連結した燃料電池と、炭素回収システムとを備えており、当該方法が、前記トッピングサイクルを運転して、排気ガスを発生させるステップと、前記排気ガスの第1の量を前記燃料電池のカソード側に供給するステップと、前記排気ガスの第2の量を、前記燃料電池の下流側の燃焼システムに流体連結したバイパスラインを少なくとも部分的に介して前記炭素回収システムに供給するステップと、全プラント回収率を維持しながら第1の量及び第2の量を変化させるステップとを含む、方法
[実施態様14]
前記全プラント回収率を維持しながら第1の量及び第2の量を変化させるステップが、前記バイパスライン上に配置された制御弁を選択的に作動させて、第1の量及び第2の量を調整することをさらに含む、実施態様項13に記載の方法。
[実施態様15]
カソード出力生成物を前記排気ガスの第2の量と共に前記炭素回収システムに供給することをさらに含む、実施態様項13又は実施態様項14に記載の方法。
[実施態様16]
前記燃料電池の運転を開始するステップであって、前記燃料電池がある期間にわたって最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間で移行するステップと、前記燃料電池が最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する前記期間にわたって前記排気ガスの第1の量を略漸増割合で前記燃料電池のカソード側に供給するステップと、前記排気ガスの第2の量を前記排気ガスの残部として前記炭素回収システムに供給するステップとをさらに含む、実施態様項13乃至実施態様項15のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様17]
前記燃料電池が最小汚染物質回収状態と最大汚染物質回収状態の間を移行する前記期間にわたって前記排気ガスの第2の量を略漸減割合で炭素回収システムに同時に供給するステップをさらに含む、実施態様項16に記載の方法。
[実施態様18]
第1の出力を生成するために前記トッピングサイクルを運転するステップであって、前記トッピングサイクルの運転が、燃焼セクションに燃料を供給して燃焼ガスを発生させること及び前記燃焼ガスをタービンセクションに供給して第1の出力及び前記排気ガスを発生させることを含む、ステップと、前記燃料電池の出力を生成するために前記燃料電池を作動させるステップであって、前記燃料電池を作動させるステップが、燃料を前記燃料電池のアノード側に燃料を供給し、かつ前記排気ガスの第1の量を前記燃料電池のカソード側に供給することを含む、ステップと、第2の出力を生成するために前記ボトミングサイクルを運転するステップであって、前記ボトミングサイクルを運転するステップが、カソード出力生成物及び前記排気ガスの第2の量を排熱回収ボイラに供給して蒸気を発生させることを含んでおり、前記ボトミングサイクルを運転するステップが、さらに、前記蒸気を蒸気タービンに供給して、第2の出力を生成させることを含んでおり、総プラント出力が、第1の出力、第2の出力及び前記燃料電池の出力を含む、実施態様項13乃至実施態様項17のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様19]
前記燃料電池のカソード側に供給される前記排気ガス量の第1の量を調整するとともに前記燃料電池のアノード側に供給される燃料の量を調整し、もって前記燃料電池の出力を調整するとともに前記燃料電池の回収率を調整すること、前記炭素回収システムに供給される蒸気の流れを調整することによって前記炭素回収システムの回収率を調整し、もって第2の出力を調整することによって、全プラント回収率を維持しながらプラント出力を調整するステップをさらに含む、実施態様項13乃至実施態様項18のいずれか1項に記載の方法。
【符号の説明】
【0093】
10 ガスタービン
16 タービンセクション
18 燃焼セクション
20 圧縮機セクション
32 排熱回収ボイラ
100 コンバインドサイクルシステム
102 トッピングサイクル
104 ボトミングサイクル
106 燃料電池
108 炭素回収システム
112 アノード側
116 カソード側
118 電解質
146 カソード出口ライン
160 空気入口ライン
168 バイパスライン
170 排気ガス再循環ライン
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】