(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159546
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】複合サイクル発電システム
(51)【国際特許分類】
F22B 35/00 20060101AFI20241031BHJP
F01K 23/10 20060101ALI20241031BHJP
F02C 6/18 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F22B35/00 Z
F01K23/10 D
F02C6/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062463
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】PCT/US2023/020447
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ラウブ ウォーフィールド
【テーマコード(参考)】
3G081
3L021
【Fターム(参考)】
3G081BA01
3G081BA11
3G081BC07
3L021AA05
3L021BA03
3L021CA10
3L021DA03
3L021DA04
3L021FA02
3L021FA04
(57)【要約】
【課題】複合サイクル発電システムを提供する。
【解決手段】
ガスタービンを含む発電システムが開示される。発電システムは、高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含む蒸気供給システム、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリ、および前記蒸気供給システムおよび前記蒸気タービンアセンブリに結合された制御システムであって、前記非凝縮蒸気タービンおよび前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御することを実行するように構成された制御システムを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンを含む発電システムであって、
高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含む蒸気供給システム、
非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリ、および
前記蒸気供給システムおよび前記蒸気タービンアセンブリに結合された制御システムであって、
前記非凝縮蒸気タービンおよび前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および
前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御すること
を実行するように構成された制御システム
を含む、発電システム。
【請求項2】
前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御する第1の制御バルブと、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御する第2の制御バルブと、前記蒸気供給システムから前記低圧蒸気タービン部への蒸気の供給を選択的に制御する第3の制御バルブとを含む、請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記制御システムは、更に、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御するために、前記第2の制御バルブと並列に結合された過負荷バルブを含み、前記第1、第2および第3の制御バルブ並びに前記過負荷バルブの各バルブは、前記発電システムのベース負荷において完全に開いた状態である、請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力が維持できるように、少なくとも部分的に閉じ、前記過負荷バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、請求項3に記載の発電システム。
【請求項5】
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが完全に閉じると、前記第1の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、請求項4に記載の発電システム。
【請求項6】
負荷が第3の負荷状態まで低下し、前記非凝縮蒸気タービンへの最小蒸気流量が維持されていると、前記第1の制御バルブは、前記非凝縮蒸気タービンが発電を停止するように、完全に閉じる、請求項5に記載の発電システム。
【請求項7】
前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、前記過負荷バルブは最初に閉じられ、前記中圧蒸気タービン部の排気温度を制御するために、前記蒸気供給システムから出る再熱蒸気温度が低下する、請求項6に記載の発電システム。
【請求項8】
前記非凝縮蒸気タービンは、第1の制御バルブを通じて高圧過熱器から蒸気を受け取り、前記高圧蒸気タービン部は、主蒸気制御バルブを通じて前記高圧過熱器から蒸気を受け取り、前記制御システムは、前記第2の制御バルブに並列に結合され、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御するための過負荷バルブをさらに含み、前記第2の制御バルブと、前記第3の制御バルブと、前記主蒸気制御バルブと、前記第2の制御バルブに対して並列に結合された過負荷バルブは、それぞれ、前記発電システムの基本負荷において完全な開いた状態である、請求項2に記載の発電システム。
【請求項9】
前記発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力が維持できるように、少なくとも部分的に閉じ、前記過負荷バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、請求項8に記載の発電システム。
【請求項10】
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが閉じると、前記中圧蒸気タービン部の排気温度を、前記中圧蒸気タービン部の限界温度の限界値以下に維持できるように、前記再熱器の高温再熱蒸気温度が低下する、請求項9に記載の発電システム。
【請求項11】
前記発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下すると、前記非凝縮蒸気タービンが作動して前記プロセスへの蒸気供給が行われるように、前記第1の制御バルブは開く、請求項10に記載の発電システム。
【請求項12】
前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、前記プロセスへの蒸気供給を制御するために、前記第1の制御バルブの位置が前記主蒸気制御バルブと協働して調整される、請求項11に記載の発電システム。
【請求項13】
前記非凝縮蒸気タービンは、前記高圧過熱器から排気された蒸気を受け取り、前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御するために、前記第1の制御バルブと並列の過負荷バルブをさらに含み、前記主蒸気制御バルブは完全に開き、前記第1の制御バルブおよび前記過負荷バルブは、前記発電システムの基本負荷状態において完全に閉じる、請求項12に記載の発電システム。
【請求項14】
前記発電システムの負荷が前記発電システムの第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力を維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、請求項13に記載の発電システム。
【請求項15】
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下すると、前記第2の制御バルブが完全に開いた状態に維持され、前記中圧蒸気タービン部の排気温度が前記中圧蒸気タービン部の定格限界内に維持されるように、前記中圧蒸気タービン部の入口圧力が低下し、前記再熱器からの再熱蒸気温度が低下する、請求項14記載の発電システム。
【請求項16】
前記発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下すると、前記非凝縮蒸気タービンが作動してプロセスへの蒸気供給が行われるように、前記第1の制御バルブおよび前記過負荷バルブが開き、負荷がさらに低下すると、前記非凝縮蒸気タービンの入口圧力が維持できるように、前記過負荷バルブが閉じる、請求項15に記載の発電システム。
【請求項17】
前記主蒸気制御バルブは、前記高圧過熱器から前記高圧蒸気タービン部への蒸気圧力を選択的に制御し、前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが完全に閉じると、負荷の更なる低下に適合するようにプロセス蒸気の需要に合わせて第1の制御バルブおよび主蒸気制御バルブの動作を選択的に制御する、請求項16に記載の発電システム。
【請求項18】
第1の制御バルブを閉じると、前記非凝縮蒸気タービンの膨張圧力比が低下する、請求項17に記載の発電システム。
【請求項19】
少なくとも蒸気タービンアセンブリおよび蒸気供給システムを含む発電システムと共に使用するための制御システムであって、前記蒸気タービンアセンブリは、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含み、前記蒸気供給システムは、少なくとも高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含み、前記制御システムは、
前記非凝縮蒸気タービンへの高圧加熱蒸気及び再熱蒸気のうちの一方の蒸気の供給を選択的に制御する第1の制御バルブ、
前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御する第2の制御バルブ、および
高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御する主蒸気制御バルブ
を含む、制御システム。
【請求項20】
前記蒸気供給システムから前記低圧蒸気タービン部への蒸気供給と、前記中圧蒸気タービン部から前記低圧蒸気タービン部への蒸気供給を選択的に制御する第3の制御バルブ、
前記第2の制御バルブと並列に結合され、前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御する過負荷バルブ、および
前記第1の制御バルブと並列に結合され、前記非凝縮蒸気タービンへの高圧過熱蒸気の供給と、前記非凝縮蒸気タービンへの再熱蒸気の供給とのうちの一方の供給を選択的に制御する過負荷バルブ
を更に含む、請求項19に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、一般に複合サイクル発電システムに関し、より詳細には、負荷ターンダウン制御の最大化を支援する協調システム構成および制御戦略を含む複合サイクル発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合サイクル発電システムは、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせて使用して、発電する。発電システムは、ガスタービンが熱回収蒸気発生器(「HRSG」)を通じて蒸気タービンに熱的に接続されるように構成され、HRSGは、蒸気発生プロセスのための給水を本来なら無駄になる排気ガスによって加熱することができる。一部の構成では、流体は複数の圧力レベルで生成された蒸気であり、蒸気タービンの高圧部、中圧部、および/または低圧部のいずれかのセクションを流れる。
【0003】
複合サイクルシステムの中には、産業用炭素回収隔離(CCS)又は地域暖房システムをサポートするためにプロセス蒸気を供給する蒸気タービン抽気装置を含むものがある。蒸気の抽気は、蒸気流量またはプラント負荷の運転範囲にわたってプロセス蒸気の供給圧力の維持ができるように、一般的に圧力制御される。プラント負荷またはプロセス蒸気需要がタービンからの抽気の許容運転範囲外に移動した場合、プロセス要件を満たすために、高圧蒸気源から蒸気を抽出し、その後圧力と温度を低下させるフォールバック規定が一般的に存在する。
【0004】
このフォールバックモードでは、プロセス蒸気が最初に膨張して蒸気タービンの動力を発生させることがないので、効率が大幅に低下する。プロセスに必要な(低い)圧力まで膨張している間にプロセス蒸気がすでに仕事をした後、プロセス蒸気が抽気から利用できる場合に、運転は最も効率的である。ただし、プロセス蒸気抽出が技術的に実現可能である最小蒸気タービン負荷が、制限されている場合がある。これは、負荷が低下するにつれて、抽出点における蒸気タービンの構成要素が高温になりすぎて熱限界を超えるまで、抽気温度が徐々に上昇するからである。これが発生するのは、蒸気入口(蒸気入口部は、流量の減少に伴って圧力が低下する)と蒸気抽出部(蒸気抽出部は、バルブによって、プロセス蒸気ユーザへの供給に必要な固定圧力に制御される)との間で、タービンの蒸気膨張における圧力比が減少するからである。
【0005】
そのため、多くの場合、蒸気抽出の理想的な位置は、中圧(IP)タービンの入口の下流である。このため、蒸気タービン抽気装置から出る蒸気温度を管理するために、中圧(IP)タービンの入口の(再熱)蒸気温度のターンダウン制御が必要となる。HRSGは、一般的に、過熱蒸気に水を混合することによって高圧の再熱出口蒸気の温度を低下させるための水噴霧式過熱低減器(デスーパーヒータ)を含んでおり、水が蒸発すると蒸気が冷却される。しかし、従来の蒸気温度制御手段を使用した再熱蒸気温度制御には限界がある。蒸気抽出を有効にしたまま運転をすることが望ましく、これは、プロセス蒸気供給を、より高圧・高温の供給源に切り替えるよりも効率的だからであり、効率的な理由は、このような供給源からの蒸気が、蒸気タービンを流れて膨張することによって仕事をする機会がないからである。
【0006】
再熱部と再熱部との間に水噴霧式の過熱低減部を有する従来の再熱蒸気温度制御システムは、HRSG内で安全に注入し蒸発できる水量によって制限を受ける場合がある。これは、高レベルのエネルギーを使用してHRSG内のスプレー水を蒸発させることから、本質的に非効率的でもある。より効率的な方法は、水の代わりに冷却蒸気を利用して再加熱器に入る蒸気の温度を低下させることである。しかし、この方法は、出口蒸気温度をどれだけ低下させることができるかによって、温度制御範囲が制限される恐れがある。蒸気温度を更に低下できるように再熱蒸気温度制御の範囲を広げると、プロセスに抽気を供給するのに利用可能な負荷範囲も広がる。
【0007】
従って、本技術分野では、熱回収蒸気発生器システムにおける再熱蒸気温度のターンダウン制御を改善する必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
一
一態様では、ガスタービンを含む発電システムが開示される。発電システムは、高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含む蒸気供給システム、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリ、および前記蒸気供給システムおよび前記蒸気タービンアセンブリに結合された制御システムであって、前記非凝縮蒸気タービンおよび前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御することを実行するように構成された制御システムを含む。
【0009】
別の態様では、発電システムと共に使用するための制御システムが開示される。発電システムは、少なくとも蒸気タービンアセンブリおよび蒸気供給システムを含み、前記蒸気タービンアセンブリは、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含み、前記蒸気供給システムは、少なくとも高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含む。前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの高圧加熱蒸気及び再熱蒸気のうちの一方の蒸気の供給を選択的に制御する第1の制御バルブ、前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御する第2の制御バルブ、および高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御する主蒸気制御バルブを含む。
【0010】
さらに別の態様では、ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法が開示される。前記方法は、高温高圧過熱器と高温中圧再熱器とを含む蒸気供給システムを用意すること、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、及び低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリを用意すること、及び制御システムを前記蒸気供給システム及び前記蒸気タービンアセンブリに結合することを含み、前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの再熱蒸気の供給および前記中圧蒸気タービンへの再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部のうちの少なくとも一方への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御することを実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態による、HRSGシステムを有する例示的な複合サイクル発電システムの概略図であり、主蒸気および並列の中圧(IP)蒸気の複合型の非凝縮蒸気タービンの蒸気供給が示されている。
【
図2】
図1の複合サイクル発電システムの制御バルブの開閉を支援する制御システムのブロック図である。
【
図3】例示的なHRSGシステムを含む
図1の発電システムの概略図であり、主蒸気および並列のIP蒸気の複合型の非凝縮蒸気タービンの蒸気供給が示されている。
【
図4】例示的なHRSGシステムを含む
図1の発電システムの概略図であり、主蒸気および並列のHP蒸気の複合型の非凝縮蒸気タービンの蒸気供給が示されている。
【
図5A】ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法を示す。
【
図5B】ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法を示す。
【
図5C】ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法を示す。
【
図5D】ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法を示す。
【
図5E】ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現する方法を示す。
【0012】
図面で使用されている符号とその意味は、符号のリストに簡潔に列挙されている。図面では、原則として、同一の部品には同一の符号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の明細書および特許請求の範囲では、以下の意味を持つように定義される複数の用語が参照される。
【0014】
本明細書において、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「この(the)」は、文脈が明らかに複数形を含むことを示していない限り、複数を含んでいる。「含んでいる、有している、備えている(comprising)」、「含んでいる、有している、備えている(including)」、および「含んでいる、有している、備えている(having)」は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。「任意選択の」又は「任意選択で」という用語は、その後に記述される事象又は状況が発生しても発生しなくてもよいこと、およびその記載が、事象が発生する例および事象が発生しない例を含むことを意味する。
【0015】
特に指示がない限り、本明細書で使用される近似を表す言語(「概ね」、「実質的に」、および「およそ」など)は、その言語で修飾された用語が、絶対的または完全なものではなく、当業者に認識されるような近似的なものに適用できることを示している。したがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくとも一部の例では、近似を表す言語は、値を測定するための計器の精度に対応していてもよい。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲の限定が特定される場合がある。この範囲は組合せ及び/又は置き換えが可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、それに包含される全ての部分範囲を含む。
【0016】
さらに、別段の指示がない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用され、これらの用語が表す項目に順序的要件、位置的要件、または階層的要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば、「第2」の項目に言及していることは、例えば、「第1」即ち小さい番号の項目又は「第3」即ち大きい番号の項目が存在していることを、必要とするものでもないし、これらの存在を排除するものでもない。
【0017】
本開示の例示的な実施形態は、制御された蒸気抽出を使用して運転可能範囲を拡大することによってプラントの部分負荷効率を改善するために使用することができる様々なプラント設計構成に対応している。例示的なプラント設計構成は、(1)深層再熱蒸気温度制御(deep reheat steam temperature control)、(2)中圧(IP)タービンの過負荷バルブ、及び(3)主蒸気タービンと並行して運転する非凝縮蒸気タービン(NCST)、のうちの1つ以上を含む。本明細書に記載される実施形態では、これらの構成を別々にまたは組み合わせて使用して、プロセスへの蒸気の予備の供給源が作動する前に、可能な限りプラントの出力を最も低くする。本開示では、様々な順序で制御バルブを操作することによってプラントの出力を低くする構成の調整方法について説明される。
【0018】
図1は、ガス燃焼器22および圧縮機24を有するガスタービンシステム20と、主蒸気タービン28と、HRSG100とを含む例示的な発電システム10を示す。HRSG100は、主蒸気タービン28用の例示的な蒸気供給システムである。したがって、図示されたHRSG100は、蒸気供給システムを単に例示するものであり、他の蒸気供給システムが図示された発電システム10の一部として含まれてもよいことが理解される。図示された実施形態におけるHRSG100の構成要素は、HRSG100が簡略化されて表されており、HRSG100に含むことができるものを限定することを意図するものではない。図示されたHRSG100は、単にHRSGシステムの一般的な動作を表すために示されている。例示的な実施形態では、主蒸気タービン28は、非凝縮蒸気タービン30(NCST30と呼ぶ)、高圧タービン部(HP蒸気タービン31と呼ぶ)、中圧タービン部(IP蒸気タービン32と呼ぶ)、および1つまたは複数の低圧タービン部(LP蒸気タービン33と呼ぶ)を含んでおり、異なる圧力において複数の蒸気導入点を有している。一部の実施形態において、NCST30は、
図2~
図4を参照してより詳細に説明されるように、一部の実施形態においてNCST30が動力を生成しなくなったときにNCST30を切り離すように構成された自己同期クラッチ29も含んでいる。一部の実施形態では、NCST30は、主蒸気タービン発電機28に接続される代わりに、代替的に、NCST自体の負荷または発電機を駆動することができる。
【0019】
NCST30は、1つ又は複数のシステム運転点で運転可能である。本明細書において、「運転点(operating point)」および「負荷状態(load state)」という用語は、運転条件および/または運転状態を一般的に表しており、限定することを意図するものではない。したがって、運転点は、NCST30の運転状態(ベース負荷、ターンダウン点、ピークファイア(peak fire)など)を表すことができる。NCST30は、ベース負荷状態と最小負荷状態との間で運転可能である。最小負荷状態は、ベース負荷状態よりも小さく、NCST30がプロセスおよび/またはCCSへの蒸気供給を停止する運転点によって定義される。発電システムの負荷は最小負荷状態からさらに低下させることができるが、更に負荷が低下すると、NCST30はプロセスおよび/またはCCSへの蒸気供給を停止するので、システム全体の効率に悪影響を及ぼす。
【0020】
LP蒸気タービン33は復水器80に排気する。主蒸気タービン28は、シャフト34を通じて電力を生成する発電機40を駆動する。主蒸気タービン28は、運転する場合、消費者及びエンドユーザ用に蒸気を生成する。図示の実施形態では、ガスタービンシステム20は、シャフト26によって負荷または発電機を駆動するが、一部の実施形態では、ガスタービンシステム20および主蒸気タービン28は、単一の共通のシャフト(図示せず)に結合される。
【0021】
主蒸気タービン28は多圧HRSG100に結合されている。HRSG100は、3つの異なる一般的な運転圧力(高圧、中圧、及び低圧)を有し、蒸気は、主蒸気タービン28の対応するセクションに供給される蒸気として、様々な圧力及び温度で生成される。HRSG100は、例えば、低温部130、中温部120、および高圧蒸気を生成し過熱するとともに中圧蒸気を再加熱する高温部110を含むことができる。
【0022】
HRSG100は、入口部102と、排気筒および/または炭素回収部を含む発電システムの下流の構成要素に排気14を導く出口部分104とを含む。一部の実施形態では、HRSG100は排出削減触媒(図示せず)も含んでいる。高温部110は、典型的には直列に配置された再熱器114と高温過熱器112の構成を含んでいる。一部の実施形態では、高温過熱器112および/または高温再熱器114は、HRSG100とは分離した構成要素又は独立した構成要素とすることができる。
【0023】
高温過熱器112は、HRSG100(または蒸気供給システム)から過熱された高圧蒸気を生成して出力し、高温再熱器114は、HRSG100(または蒸気供給システム)から、過熱された中圧再熱蒸気を出力する。定格状態では、高圧蒸気及び再熱蒸気は高温蒸気として特徴付けられる。再熱蒸気の温度は、IP蒸気タービン32からの出口蒸気の温度制御が行われるように調節する(その結果、低い温度の再熱蒸気となる)ことができる。
【0024】
したがって、HRSG100(または蒸気供給システム)から出力される場合、高温過熱器112から出力される蒸気は「高圧高温」蒸気と呼ばれ、高温再熱器114から出力される蒸気は「中圧高温」蒸気と呼ばれる。高温過熱器112および高温再熱器114からの蒸気流は、使用される又は下流の構成要素を通過して処理されるため、それぞれの蒸気流は、該当する場合はそれぞれ高圧蒸気および再熱蒸気を表す。
【0025】
蒸気は蒸発器116、126、136で生成され、蒸気タービン31、32、33に供給される。蒸発器は、上流部(過熱器、蒸発器、エコノマイザ、再熱器)から残っている排熱を抽出して各圧力レベルにおける蒸気を生成する一連の流体管(図示せず)を含む。蒸発器の流体管は、以下に更に詳細に説明されるように、直接的にまたは間接的に、流体導管によって、節炭部と、熱回収システム内で流体を循環させる給水システムとに結合される。排気12が蒸発器および下流のHPエコノマイザ、IPおよびLPの蒸気発生回路を流れると、排気ガスは冷却され、スタックまたは下流プロセス(プロセスおよび/またはCCSへの蒸気供給など)に排気14される。プロセスへの蒸気供給は、NCST30の排気から行われる、および/またはIP蒸気タービン32の排気の圧力制御された抽出蒸気から行われる。図示の実施形態では、導管89(IP蒸気タービン32の排気に対応する)、導管88(低圧過熱器124の出口に対応する)、または導管145(HP蒸気タービン31からの排気と混合した後に再熱器114に供給される低温再熱(CRH)蒸気に対応)のうちの少なくとも1つが、プロセスおよび/またはCCSに蒸気を供給するように割り当てられている。
【0026】
本明細書において、「再熱蒸気温度制御」という用語は、再熱器114を出る再熱蒸気の調整を表す。図示された実施形態では、ダクトバーナ170が再熱器114のすぐ上流にあり、燃焼速度を調節することによって、再加熱器を出る再熱蒸気の温度が高くなる又は低くなる。再熱蒸気温度制御を効果的に行うために、他の手段(例えば、アテンプレーションであるが、これに限定されることはない)を実装することもできる。
【0027】
(液状の)凝縮物は、凝縮水ポンプ82によって、復水器80から、1本又は複数本の導管84を流れて、HRSG100の低温部130に供給される。低温部130はエコノマイザ138と低圧蒸発器136とを含んでいる。液状の凝縮物は、HRSG100を流れる気体によって加熱され、蒸発し、蒸気は、蒸気導管139を通って低圧過熱器124に導かれ、導管88を通じて主蒸気タービン28のLP蒸気タービン33に送られる。
【0028】
導管89は、IP蒸気タービン32の蒸気排気導管89と流体連通しており、これらの導管は合流して蒸気抽出用に排気することができる。制御バルブDは、導管88および蒸気排気導管89からの蒸気の一部を、LP蒸気タービン33に選択的に流入させる。一部の実施形態では、制御バルブDは、
図1に示されるように、プロセスおよび/またはCCSへの蒸気供給用に蒸気を抽出する間、上流の蒸気圧力を調節するために閉じることができる。
【0029】
また、エコノマイザ138からは、給水が給水ポンプ90に導かれ、給水ポンプ90から、液体給水が、導管91によって中圧(IP)エコノマイザ127に供給される。続いて、給水ポンプ90からの高圧吐出水は、導管92を通じて高圧エコノマイザ128に送られる。HPエコノマイザ128は、導管129を通じて、HPエコノマイザ128の上流で中間温度部120内にあるHPエコノマイザ118に結合されている。
【0030】
IPエコノマイザ127からの給水は、導管140を通って、IPエコノマイザ127の上流に配置された中圧蒸発器126に導かれる。給水は蒸発されて蒸気になり、導管142を流れてIP過熱器119に送られ、その後導管144を流れて高温部の再熱器114に送られる。導管145は、HP蒸気タービン31からの排気と混合した後、再熱器114に供給される低温再熱(CRH)蒸気の経路を規定している。さらに、制御バルブFは、必要なときに、蒸気を導管145から蒸気抽出に選択的に供給する。制御バルブFは、(導管142を経由し)IP過熱器119で過熱された蒸気と、(導管148を経由した)IP蒸気タービン32の排気とを混合する。
【0031】
再熱器114から蒸気がさらに加熱され、その結果、温度が上昇する。出口導管146は再熱器114の高温再熱導管(HRH)を規定している。制御バルブA1は、再熱器114から導管147を流れてNCST30に流入する蒸気の流れを選択的に制御する。一部の実施形態では、過負荷バルブA2が制御バルブA1と並列に配置されており、これらのバルブはNCST30に流れる蒸気を選択的に制御する。図示の実施形態では、高温再熱導管146からの蒸気も、ライン148を通じて主蒸気タービン28のIP蒸気タービン32に選択的に導くことができ、IP蒸気タービン32に入る蒸気の流れは、並列構成の制御バルブB1および過負荷バルブB2によって制御される。
【0032】
HPエコノマイザ118を見ると、水は高圧蒸発器116に供給され、その後蒸気としてHP過熱器112に供給される。一部の実施形態では、HRSG100は少なくとも2つの過熱器112を含んでいる。一部の実施形態では、HRSG100はアテンパレータ113も含んでいる。高圧高温過熱蒸気は、過熱器112から、蒸気出口導管149を流れてHP蒸気タービン31に導かれる。主蒸気制御バルブMは、HP蒸気タービン31に流れる蒸気を制御する。
【0033】
図示の実施形態では、ダクトバーナ170が再熱器114と過熱器112に直列に結合されており、ダクトバーナ170は再熱器114と過熱器112との間に存在している。ダクトバーナ170は、燃料源172から供給される燃料を燃焼させる。ダクトバーナ170によって、再熱蒸気温度制御を行うことができる。ダクトバーナ170は、再熱器114から出る蒸気を加熱して目標蒸気温度にする。ダクトバーナ170は、可変燃焼速度で燃料を燃焼させることができ、ダクトバーナ170に供給される燃料は、ガスタービンシステム20の負荷が低下する又は抽気された蒸気が増加するにつれて、再熱蒸気温度が選択的に制御されるように調節することができ、蒸気タービン抽気温度を材料の許容範囲内に維持することができる。一部の実施形態では、再熱蒸気温度を制御する他の手段を交互に採用することができる。
【0034】
システムの運転中、NCST30および主蒸気タービン28の運転状態は、一般に、グリッド適合要件が満たされるように調整し、更に最も効率的なレベルで運転する必要がある。一例として、地域送電事業者は、通常、需要およびグリッド周波数が変動した場合に発電プラントがグリッドをサポートすることができるようにする要件を規定している。異常が起きている間にグリッドをサポートするには、ガスタービン20への燃料を増減し、したがってNCST30および主蒸気タービンで使用できる蒸気を増減する必要がある。ターンダウン状態にある間、システムを効率的に運転することが望ましく、そのためにはHP、IP、LPの蒸気タービン31、32、33の各タービンに流入する蒸気及び各タービンから抽出される蒸気の流量、温度、圧力をアクティブ制御することが必要になる場合がある。蒸気システムがスタートアップおよびターンダウンの状態の間で、ガスタービンシステム20が運転している、負荷を増加させている、又は負荷を低下させている場合、装置の寿命を予測できるように管理し、最も効率的な運転モードが実現されるように、HP、IP、およびLPの蒸気タービン31、32、33並びにNCST30に流れる流体の流量、温度、および圧力を制御することも望ましい場合がある。
【0035】
図2は、
図1の複合サイクル発電システムの制御バルブA
1、A
2、B
1、B
2、D、F、およびMの開閉を行うために発電システムと共に使用する制御システム180のブロック図である。図示された実施形態は、本開示で提示された新規な態様に焦点を当てており、したがって、当該技術分野で知られている蒸気システムの制御に共通する他のバルブおよび制御機能を除外している。制御システム180は、1つ又は複数のセンサ184および制御バルブA
1、A
2、B
1、B
2、D、F、およびMに通信可能に結合されたシステムコントローラ182を含んでいる。システムコントローラ182は、マイクロプロセッサ186およびローカルメモリ188を含み、マイクロプロセッサ186は、例えば、有線Modbus接続または無線接続を使用して、1つまたは複数のセンサ184並びに制御バルブA
1、A
2、B
1、B
2、D、F、およびMと通信する。システムコントローラ182は、さらにネットワーク190と通信する。例えば、一部の実施形態では、システムコントローラ182は、マイクロプロセッサ186に通信可能に結合された無線モジュール192をさらに含み、マイクロプロセッサ186は無線モジュール192を通じてネットワーク190と通信することができる。一部の実施形態では、無線モジュール192は、特定の通信プロトコルを使用してネットワークの他の要素と通信するように構成されている。制御システム180は、更に、ユーザからの入力を受け取るためのユーザインターフェース194を含んでいる。
【0036】
1つ又は複数のセンサ184としては、システム性能センサ、圧力センサ、温度センサ、流量センサなどが挙げられる。制御バルブA1,A2,B1,B2,D,F,およびMは、電気、空気、または油圧の動力を使用して、バルブA1,A2,B1,B2,D,F,およびMの開閉を、開状態、閉状態、および部分開状態または部分閉状態の間で作動し、バルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMは、システムコントローラ182によって生成された制御信号に応答して動作する。マイクロプロセッサ186は、ローカルメモリ188に記憶された命令を読み出し、その命令と、センサ184から受け取ったセンサデータと、ユーザインターフェース194とに基づいて、バルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびM用の制御信号を生成するように構成されている。このような指示は、マイクロプロセッサ186がバルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMの動作を制御する設定を定義するデータを含む。例えば、バルブの動作は、所定のセンサデータまたはユーザ入力に対して出力される特定の制御信号を指定することによって、マイクロプロセッサが制御することができる。
【0037】
一部の実施形態では、システムコントローラ182は、発電システム10の運転が行われるようにするため、ガスタービンシステム20、蒸気タービンシステム28、およびHRSG100に接続されている。
【0038】
図3は、NCST30と並列IP蒸気タービン32を組み合わせてプロセスに蒸気を供給する蒸気タービンシステム28とHRSG100の詳細図である。再熱器114からの高温再熱蒸気は、導管146から、導管147および148を通じて、それぞれ、NCST30およびIP蒸気タービン32に供給され、したがって、NCST30とIP蒸気タービン32の並列構成が画定される。導管147は、制御バルブA
1および任意選択で過負荷バルブA
2を含んでおり、バルブA
1およびA
2は並列に結合されており、NCST30に流れる蒸気流を制御する。導管148は、制御バルブB
1および任意選択で過負荷バルブB
2を含んでおり、バルブB
1およびB
2は並列に結合されており、各バルブは再熱器114からIP蒸気タービン32に流入する蒸気を制御する。制御バルブA
1および制御バルブB
1によって、発電システムは、プロセス蒸気を供給するために2つのタービン(NCST30およびIP蒸気タービン32)を利用し、それらのタービンの運転を調整することができる。
【0039】
制御バルブDは、LP蒸気タービン33の入口に流入する蒸気の流量と導管88および89の蒸気圧力を制御し、これらの導管からの蒸気の一部をプロセス蒸気抽出に選択的に送る。制御バルブFは、バルブDが絞り限界に達したため、導管88および89内の蒸気圧力を目標値に維持できなくなり、NCST30が非運転状態になった場合に、CRH導管145からの蒸気をプロセス蒸気抽出に選択的に送る。制御バルブFは、IP過熱器119からの(導管144を流れる)過熱蒸気とHP蒸気タービン31の排気蒸気との混合物を流入させる。主蒸気制御バルブMは、蒸気がHP蒸気タービン31に流入するように制御する。制御バルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMは、本明細書で説明するように、様々なシーケンスおよび構成でバルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMの開閉を制御するために、1つまたは複数のプロセッサまたはコントローラを含む制御バルブシステムを画定する。各制御バルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMは、完全に開いた状態、部分的に開いた状態、および完全に閉じた状態を有する。
【0040】
本明細書において、「完全に開く」および「完全に開いた状態」という用語は、システムによって要求される上限流量で動作し、実質的に完全に開いた制御バルブを示す。大きいサイズの制御バルブが使用される実施形態では、大きいサイズの制御バルブの「完全に開く」及び「完全に開いた状態」は、システムによって要求される上限流量で動作する制御バルブを示すが、制御バルブは更に開くことができるものであってもよい。同様に、本明細書において、「完全に閉じる」および「完全に閉じた状態」という用語は、システムによって要求される下限流量で動作し、実質的に完全に閉じた制御バルブを示す。従って、「完全に開く」及び「完全に閉じる」という用語は、制御バルブがその物理的な制御限界まで行使されることを要求するものではなく、制御バルブがその制御限界のどちらかの限界まで動作することを要求するものではない。
【0041】
本明細書で説明するシーケンスは、発電システム10の1つまたは複数の運転負荷状態に従ったものであり、過負荷バルブA2およびB2の両方が存在する場合について説明する。運転負荷は、基本運転負荷から、第1の負荷状態、第2の負荷状態などの1つ又は複数の負荷状態を経て、最小負荷状態まで低下する。別の言い方をすれば、ガスタービン20の負荷が低下する場合発電システム10の運転負荷が低下することに応答して、各プラントプロセスが変更し、またはバルブA1、A2、B1、B2、D、F、およびMが開閉する。NCST30とIP蒸気タービン32の並列構成は、深層再熱蒸気温度制御と組み合わせることによって、プロセスへの蒸気供給を増大して、プラント負荷を最大限低下させることができる。過負荷バルブA2、B2を設置すると、IP蒸気タービン32とNCST30それぞれの負荷を低下させる能力がさらに向上する。
【0042】
図3の構成を利用した例示的なシーケンス動作では、NCST30の基本負荷状態において、制御バルブM、A
1、B
1、及びD、並びに過負荷バルブA
2、B
2は、それぞれ完全に開いた状態であり、プロセスへの蒸気供給は通常は
図3に示すように流れる。
【0043】
発電システム10の負荷が基本運転負荷から第1の負荷状態まで低下すると、制御バルブDは、IP蒸気タービン32のプロセス抽気の圧力が維持できるように、必要に応じて少なくとも部分的に閉じ、一方、IP蒸気タービン32とNCST蒸気タービン30の少なくとも一方を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、制御バルブA1、B1は開いたままで、過負荷バルブB2および/または過負荷バルブA2が少なくとも部分的に閉じる。NCST30からの排気の抽気圧力は、下流のプロセス蒸気ライン(図示せず)のバルブによって維持される。
【0044】
発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、過負荷バルブB2および/または過負荷バルブA2が完全に閉じた状態になると、IP蒸気タービン32を流れて膨張する蒸気の圧力比が定格状態に維持できるように、制御バルブA1は少なくとも部分的に閉じる。一部の実施形態では、NCST30は、高温再熱蒸気温度を低下させる必要なく低段圧力比で運転できるように、高い排気温度に対して定格されている。
【0045】
発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下し、NCST30への蒸気流量が最小に達すると、制御バルブA1は完全に閉じる。第3の負荷状態は、バルブA1が閉じたときにIP蒸気タービン32が定格入口圧力で運転することによって画定される。バルブA1が閉じた場合にIP蒸気タービン32は定格入口圧力で運転しているので、過負荷バルブB2は、IP蒸気タービン32が過大な入口圧力から保護されるように、少なくとも部分的に再び開く。さらに、NCST30は動力を発生しなくなり、クラッチ29は解除され、NCST30は惰力で回転して、ターニングギア速度まで減速する。
【0046】
あるいは、一部の実施形態では、制御バルブA1を閉じることは、プラントの負荷を継続的に低減することによって延期することができ、制御バルブA1はその最小開度に保持され、その結果、IP蒸気タービン32の入口蒸気圧力を、その定格入口値よりも低くすることができる。このシーケンスでは、制御バルブA1を閉じてNCST30を使用停止にするタイミングを調整して、IP蒸気タービン32への蒸気流量を増加させ、導管148の入口圧力が定格圧力に戻り、過負荷バルブB2は閉じられたままである。
【0047】
発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、IP蒸気タービンの圧力比を維持するために、まず過負荷バルブB2が閉じる。過負荷バルブB2が完全に閉じた後、ガスタービンの負荷が更に低減すると、導管146および148のHRH蒸気流量が減少し、したがってIP蒸気タービン圧力比が低下する。HRH蒸気温度が低下して、IP蒸気タービン32の排気温度が制御される。制御バルブDが最大絞り限界に達する、又はHRH蒸気温度が十分に低下しているにもかかわらず、IP蒸気タービン32の導管89又は上流においてプロセスへの蒸気抽出温度がその温度限界に達するときに、第4の負荷状態の下限負荷境界に到達する。
【0048】
再熱蒸気温度制御は、ダクトバーナ170の変調または他の再熱蒸気温度制御手段によって調整される。IP蒸気タービン32の排気の温度が運転可能な定格設計限界に達した場合、プロセスへの蒸気供給は、制御バルブFを通じて低温再熱供給に切り替わる、又は同様に設けられたより高圧の蒸気源に切り替わる。この運転構成では、一部の実施形態では、制御バルブDが開いてクロスオーバー絞りをなくし、IP蒸気タービン32の排気温度を下げる。低温再熱蒸気供給などに切り替わることは、サイクル寿命消費に関する考慮事項を考慮した他の制約(IP蒸気タービン32の入口温度の低下など)によって決定されることもある。
【0049】
図4は、NCST30とHP蒸気タービン31の両方が導管149からHP蒸気を受け取るNCST30およびHRSG100の代替の実施形態を示す。再熱器114からの高温再熱蒸気が導管246からIP蒸気タービン32に供給される。過熱器112からの高圧高温蒸気は、導管149から導管248を流れてHP蒸気タービン31に供給されるとともに、導管149から導管249を流れてNCST30に供給される。導管249は、NCST30への蒸気流を制御するために、制御バルブA
1と、任意選択で、制御バルブA
1に並列に結合された過負荷バルブA
2とを含んでいる。導管246は、IP蒸気タービン32への蒸気供給を制御するために、制御バルブB
1と、任意選択で、並列に結合された過負荷バルブB
2とを含んでいる。制御バルブDは、LP蒸気タービン33の入口への蒸気流量と導管88と89の蒸気圧力を制御し、これらの導管からの蒸気の一部を選択的にプロセス蒸気抽出に分ける。制御バルブFは、NCST30が非運転状態であり、バルブDが絞り限界に達し、従って導管88と89の蒸気圧力を目標値に維持することができなくなった場合に、CRH導管145からの蒸気をプロセス蒸気抽出に選択的に分ける。制御バルブFは、IP過熱器119から(導管144を流れる)の過熱蒸気とHP蒸気タービン31の排気とを混合する。主蒸気制御バルブMは、HP蒸気タービン31に流れる蒸気を制御する。各制御バルブA
1、A
2、B
1、B
2、D、F、Mは、完全に開いた状態、部分的に開いた状態、および完全に閉じた状態を有する。
【0050】
NCST30とIP蒸気タービン32を深層再熱蒸気温度制御と組み合わせて運転することによって、プロセスへの蒸気供給を増大してプラントの負荷を最大限に低下させることができる。さらに、NCST30に高圧蒸気を供給することによって、再熱器114からのHRH蒸気供給を使用する
図3の構成とは対照的に、NCST30を停止する又はクラッチを解除することが必要となる前に、NCST30を更にターンダウンすることができる。
図4の例示的な構成には第1のシーケンス動作および第2のシーケンス動作が含まれており、各シーケンス動作は、プロセスへの蒸気供給を増大してプラント負荷を最大限に低下させるための実施形態に対応している。
【0051】
最初のシーケンス動作では、NCST30のベース負荷状態において、制御バルブA
1、B
1、及びD、並びに過負荷バルブA
2及びB
2はそれぞれ完全に開いた状態であり、
図4に示すように、IPタービン排気及びNCST排気の両方によって、通常はプロセス及び/又はCCSへの蒸気供給が流れている。
【0052】
発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、制御バルブDは、IP蒸気タービン32のプロセス抽気圧力が維持できるように、必要に応じて少なくとも部分的に閉じ、一方、NCST30およびIP蒸気タービン32の少なくとも一方を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持できるように、制御バルブA1、B1は開いたままで、過負荷バルブA2、B2が、少なくとも部分的に閉じる。NCST30からの排気における抽気圧力は、下流プロセス蒸気ライン(図示せず)のバルブによって維持される。
【0053】
発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、過負荷バルブB2が完全に閉じた状態になると、IP蒸気タービン32の排気89を限界温度以下に維持するように再熱蒸気温度が制御されるため、制御バルブB1は完全に開いた状態を維持する。過負荷バルブA2も完全に閉じて、NCST30とHP蒸気タービン31との間の流量分割が、バルブA1とバルブMの調整によって管理され、NCST30の排気からのプロセス蒸気供給とIP蒸気タービン32からのプロセス蒸気の組み合わせが、要求された流量を満たすようになる。
【0054】
一部の実施形態では、NCST30は、NCST30の入口蒸気温度を低下させる必要なく低い段の圧力比(low section pressure ratio)で運転できるように、高い排気温度に対して定格されている。過負荷バルブB2が完全に閉じた後、ガスタービンに負荷が接続されていないと、導管146及び148内のHRH蒸気流が減少し、従ってIP蒸気タービンの圧力比が減少する。HRH蒸気温度が低下し、IP蒸気タービン32の排気温度が管理される。制御バルブDが最大絞り限界に達するか、あるいは、HRH蒸気温度が十分に低下しているにもかかわらず、導管89のプロセスへの抽気温度がその温度限界に達すると、第2の負荷状態の下限負荷境界に到達する。
【0055】
発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下すると、IPタービン抽気及び/又は排気からのプロセス抽気が停止される。この運転構成では、一部の実施形態では、クロスオーバー絞りが発生しないように制御バルブDが開き、したがって、IP蒸気タービン32の排気温度が下がる。NCST30への蒸気流量が最小に達するまで、NCST30の排気からプロセス蒸気供給が継続される。制御バルブA1が完全に閉じると、HP蒸気タービン31への蒸気供給圧力が適度に上昇する。この負荷状態になる場合、発電プラントの負荷とプロセス蒸気の需要に応じて、バルブMは完全に開いていてもよいし、部分的に閉じていてもよい。NCST30は発電を停止し、クラッチ29が解除され、NCST30がターニングギア速度まで減速する。NCST30がプロセス蒸気の供給を停止すると、制御バルブFが開き、IP過熱器119からの(導管144を流れる)過熱蒸気とHP蒸気タービン31又は同様に備えられた高圧蒸気源の排気蒸気との混合蒸気を受け取る。制御バルブB1、Dは、このプロセスを通じて完全に開いた状態である。
【0056】
図4の第2のシーケンス動作では、主蒸気タービン28の基本負荷状態において、制御バルブB
1、Dおよび過負荷バルブB
2は、それぞれ完全に開いた状態であり、
図4に示すように、プロセスへの蒸気供給は、通常は、IPST排気流89とLP蒸気流88が混合して流れるものである。NCST30に供給する制御バルブA
1、過負荷バルブA
2は完全に閉じており、NCST30はクラッチが解放され、ターニングギアがオンになる。
【0057】
発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、制御バルブDは、IP蒸気タービン32のプロセス抽気圧力が維持されるように少なくとも部分的に閉じ、一方、IP蒸気タービン32を流れて膨張した蒸気の圧力比を維持できるように、制御バルブB1は開いたままで、過負荷バルブB2が少なくとも部分的に閉じる。
【0058】
発電システムの負荷が第2の負荷状態(IP蒸気タービンの入口圧力が低下し始めることによって定義される)まで低下すると、IP蒸気タービンの排気温度は上昇する傾向がある。制御バルブB1が完全に開いたままの状態で、高温の再熱蒸気温度は、IP蒸気タービンの排気温度が定格限界内に維持できるように低下する。再熱蒸気温度制御は、ダクトバーナ170を調整することによって変更されるが、他の先行技術の手段によって実行してもよい。
【0059】
発電システムの負荷が第3の負荷状態(再熱蒸気温度制御、IP蒸気タービンの最小入口温度、制御バルブDの最大ターンダウンなどのいくつかの制限のうちのいずれかの制限によって決定されるIP蒸気タービンの最大ターンダウンによって定義される)に低下すると、制御バルブA1および過負荷バルブA2は、プロセスおよび/またはCCSの蒸気供給のために、NCST30が作動するように開く。このプロセス抽気モードに移行することによって、IP蒸気タービンによる導管89を通じた抽出からプロセス抽気を行うことが終了する。NCST30は、フルのプロセス流量を供給するために、この部分負荷プラント条件に対してサイズが決められ定格が決められている。NCST30がこの供給ニーズを満たした後、制御バルブDは完全に開き、変圧運転にすることができる。IP蒸気タービンの膨張比が増加するため、再熱蒸気温度も上昇し、それにより、現在不活性な抽気点における成分および蒸気温度が低下する。これによって、NCST30とHP蒸気タービン31との間のHP蒸気流量分割は、制御バルブA1、過負荷バルブA2、および主蒸気制御バルブMの調整により管理され、NCST30の排気からのプロセス蒸気供給が要求された流量を満たす。過負荷バルブA2は制御バルブA1よりも先に閉じる。
【0060】
発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、制御バルブA1および主蒸気制御バルブMはプロセスのための蒸気流量を制御するために調節される。プロセス流量が減少するにつれて、NCST30の排気温度は上昇する。NCST30は高い排気温度に対して定格されており、NCST30は、導管249を通じてNCST30への蒸気供給温度を調整する必要なく、低い段の圧力比(low section pressure ratio)で運転することができる。NCST30の流量が最大限まで低下すると、制御バルブA1は閉じる。NCST30は出力を停止し、クラッチを解除して、NCST30は惰力で回転してターニングギア速度まで減速する。その後、プロセスのための蒸気供給は、制御バルブFを通じて、低温再熱供給、または他の設定されたバックアップ蒸気源に変わる。
【0061】
図5A~
図5Eは、ガスタービンアセンブリを含む発電システム(
図1~
図3に示されるシステムなど)の負荷ターンダウン制御を実現するための方法300を示す。
【0062】
方法300は、高温高圧過熱器と高温中圧再熱器とを含む蒸気供給システムを用意すること(302)、非凝縮蒸気タービンと、高圧タービン部と、中圧タービン部と、低圧タービン部とのうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリを用意すること(304)、および制御システムを蒸気供給システムおよび蒸気タービンアセンブリに結合すること(306)を含んでいる。制御システムは、再熱蒸気を非凝縮蒸気タービンに供給すること及び中圧タービン部に供給することを選択的に制御するように構成され、高圧過熱蒸気を非凝縮蒸気タービンおよび高圧タービン部のうちの少なくとも一方に供給することを選択的に制御するように構成されている。
【0063】
方法300は、さらに、蒸気タービンアセンブリの非凝縮蒸気タービン、中圧タービン部、および低圧部のうちの少なくとも1つへの蒸気の流れを選択的に制御するために、複数の制御バルブを発電システムに結合すること(308)を含む。方法300は、さらに、中圧タービン部への蒸気の流れを選択的に制御するために、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブと並列に過負荷バルブを結合すること(310)を含んでいる。
【0064】
方法300は、さらに、発電システムの負荷が低下することに応答して、中圧タービン部のプロセス抽気圧力を維持できるように、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを選択的に閉じること(312)と、発電システムの負荷が低下することに応答して、蒸気タービンアセンブリの中圧タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持できるように、過負荷バルブを選択的に閉じること(314)とを含む。
【0065】
方法300は、さらに、発電システムの負荷が低下することに応答して、中圧タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持できるように、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを部分的に閉じること(316)を含んでいる。方法300は、さらに、発電システムの負荷が低下することに応答して、非凝縮蒸気タービンが電力を生成することを防止するために、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを完全に閉じること(318)を含む。方法300は、さらに、発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下することに応答して、中圧蒸気タービン部の排気温度を制御するために、蒸気供給システムから出る再熱蒸気温度を低下させること(320)を含む。
【0066】
一部の実施形態において、方法300は、更に、高圧過熱器から非凝縮蒸気タービンへの蒸気の流れを選択的に制御すること(322)、高圧過熱器から高圧タービン部への蒸気の流れを選択的に制御すること(324)、および過負荷バルブを使用して(326)中圧タービン部への蒸気の流れを選択的に制御することを含む。
【0067】
一部の実施形態において、方法300は、発電システムの負荷が低下することに応答して、中圧タービン部のプロセス抽気圧力を維持できるように、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを部分的に閉じること(328)と、発電システムの負荷が低下することに応答して、中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持できるように、過負荷バルブを部分的に閉じること(330)とをさらに含む。一部の実施形態において、方法300は、中圧タービン部の排気温度を中圧タービン部の限界温度の限界値よりも低い温度に維持できるように、再加熱器からの高温再熱蒸気の温度を低下させること(332)をさらに含む。
【0068】
一部の実施形態において、方法300は、更に、発電システムの負荷が低下することに応答して、非凝縮蒸気タービンがプロセスへの蒸気供給を行うための動作をするように、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを開くこと(334)と、第3の制御バルブを完全に開くこと(336)とを含む。一部の実施形態において、方法300は、更に、発電システムの負荷が低下することに応答してプロセスへの蒸気供給の制御をするため、主蒸気制御バルブの位置を選択的に調整することと連携して、複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブの位置を選択的に調整すること(338)を含む。
【0069】
一部の実施形態では、方法300は、更に、高圧過熱器から非凝縮蒸気タービンに高圧蒸気を送ること(340)と、非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御するために第1の制御バルブと並列に第2の過負荷バルブを結合すること(342)と、発電システムのベース負荷状態において、複数の制御バルブのうちの少なくとも2つの制御バルブ、および主蒸気制御バルブを完全に開くこと(344)とを含む。
【0070】
一部の実施形態では、方法300は、更に、発電システムの負荷が低下することに応答して、中圧タービン部の入口圧力が低下するように、複数の制御バルブのうちの少なくとも1つの制御バルブを完全に開いた状態に維持すること(346)と、中圧タービン部の排気温度が中圧タービン部の定格限界内に維持されるように、再熱器の再熱蒸気温度を低下させること(348)とを含む。一部の実施形態では、方法300は、更に、発電システムの負荷が低下することに応答して、非凝縮蒸気タービンがプロセスへの蒸気供給を行うために動作するように、制御バルブおよび過負荷バルブのうちの1つのバルブを完全に開くこと(350)と、非凝縮蒸気タービンの入口圧力を維持できるように、負荷が更に低下すると過負荷バルブを閉じること(352)とを含む。
【0071】
一部の実施形態において、方法300は、更に、発電システムの負荷が低下することに応答して、高圧過熱器から高圧タービン部への蒸気圧力を選択的に制御するために、主蒸気制御バルブを調整すること(354)と、過負荷バルブを完全に閉じること(356)と、負荷の更なる低下に適合するようにプロセス蒸気の需要に合わせて制御バルブおよび主蒸気制御バルブのうちの少なくとも1つのバルブの動作を選択的に制御すること(358)とを含む。
【0072】
本明細書に記載されたシステムは、抽気の制御を有効にして運転可能範囲を拡大することにより、部分負荷プラントの効率を改善することができる。特に、プラントの設計構成は、(1)深層再熱蒸気温度制御、(2)中圧(IP)タービン及び/又はNCSTの過負荷バルブ、及び(3)HP蒸気タービン又はIP蒸気タービンと並列にHP蒸気又はHRH蒸気を受け入れる非凝縮蒸気タービン(NCST)、のうちの1つ以上を含む。本明細書に記載される実施形態は、これらの構成を別々に又は組み合わせて利用して、プロセスへの蒸気の予備の供給源が作動する前に、可能な限りプラントの出力を最も低くする。
【0073】
本明細書に開示される方法、システム、および構成は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、本方法のステップ、システムの要素、および/または構成物の要素は、本明細書に記載された他のステップおよび/または要素から独立して別個に利用することができる。例えば、方法、システム、および構成物は、本明細書に記載された回転機械のみを用いた実施に限定されることはない。本方法、システム、および構成物は、他の多くの用途で実施および利用することができる。
【0074】
様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され、他の図面には示されていない場合があるが、これは単なる便宜上の理由によるものである。さらに、上記の「一実施形態」に言及することは、言及された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。本発明の原理に従って、ある図面の任意の特徴は、他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照するおよび/または特許請求の範囲に記載することができる。
【0075】
ここに記載された説明は、実施例(最良の態様を含む)を用いて、当業者が本開示を実施すること(任意の装置又はシステムを製造すること及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法を実行することを含む)ができるようにするものである。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が思い浮かぶ他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異なっていない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異なっていない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0076】
本発明の様々な特定の実施形態について説明してきたが、当業者であれば、本発明は特許請求の範囲の精神および範囲内で変更して実施できることを認識することができる。
【0077】
本発明の他の態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
ガスタービンを含む発電システムであって、高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含む蒸気供給システム、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリ、および前記蒸気供給システムおよび前記蒸気タービンアセンブリに結合された制御システムであって、前記非凝縮蒸気タービンおよび前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御することを実行するように構成された制御システムを含む。
[実施形態2]
前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御する第1の制御バルブと、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御する第2の制御バルブと、前記蒸気供給システムから前記低圧蒸気タービン部への蒸気の供給を選択的に制御する第3の制御バルブとを含む、実施形態1に記載の発電システム。
[実施形態3]
前記制御システムは、更に、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御するために、前記第2の制御バルブと並列に結合された過負荷バルブを含み、前記第1、第2および第3の制御バルブ並びに前記過負荷バルブの各バルブは、前記発電システムのベース負荷において完全に開いた状態である、実施形態1又は2に記載の発電システム。
[実施形態4]
前記発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力が維持できるように、少なくとも部分的に閉じ、前記過負荷バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態5]
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが完全に閉じると、前記第1の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態6]
負荷が第3の負荷状態まで低下し、前記非凝縮蒸気タービンへの最小蒸気流量が維持されていると、前記第1の制御バルブは、前記非凝縮蒸気タービンが発電を停止するように、完全に閉じる、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態7]
前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、前記過負荷バルブは最初に閉じられ、前記中圧蒸気タービン部の排気温度を制御するために、前記蒸気供給システムから出る再熱蒸気温度を低下させる、請求項1~6のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態8]
前記非凝縮蒸気タービンは、第1の制御バルブを通じて高圧過熱器から蒸気を受け取り、前記高圧蒸気タービン部は、主蒸気制御バルブを通じて前記高圧過熱器から蒸気を受け取り、前記制御システムは、前記第2の制御バルブに並列に結合され、前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御するための過負荷バルブをさらに含み、前記第2の制御バルブと、前記第3の制御バルブと、前記主蒸気制御バルブと、前記第2の制御バルブに対して並列に結合された過負荷バルブは、それぞれ、前記発電システムの基本負荷において完全な開いた状態である、実施形態1~7のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態9]
前記発電システムの負荷が第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力が維持できるように、少なくとも部分的に閉じ、前記過負荷バルブは、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比が維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態10]
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが閉じると、前記中圧蒸気タービン部の排気温度を、前記中圧蒸気タービン部の限界温度の限界値以下に維持できるように、前記再熱器の高温再熱蒸気温度が低下する、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態11]
前記発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下すると、前記非凝縮蒸気タービンが作動して前記プロセスへの蒸気供給が行われるように、前記第1の制御バルブは開く、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態12]
前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下すると、前記プロセスへの蒸気供給を制御するために、前記第1の制御バルブの位置が前記主蒸気制御バルブと協働して調整される、実施形態1~11のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態13]
前記非凝縮蒸気タービンは、前記高圧過熱器から排気された蒸気を受け取り、前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御するために、前記第1の制御バルブと並列の過負荷バルブをさらに含み、前記主蒸気制御バルブは完全に開き、前記第1の制御バルブおよび前記過負荷バルブは、前記発電システムの基本負荷状態において完全に閉じる、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態14]
前記発電システムの負荷が前記発電システムの第1の負荷状態まで低下すると、前記第3の制御バルブは、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力を維持できるように、少なくとも部分的に閉じる、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態15]
前記発電システムの負荷が第2の負荷状態まで低下すると、前記第2の制御バルブが完全に開いた状態に維持され、前記中圧蒸気タービン部の排気温度が前記中圧蒸気タービン部の定格限界内に維持されるように、前記中圧蒸気タービン部の入口圧力が低下し、前記再熱器からの再熱蒸気温度が低下する、実施形態1~14のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態16]
前記発電システムの負荷が第3の負荷状態まで低下すると、前記非凝縮蒸気タービンが作動してプロセスへの蒸気供給が行われるように、前記第1の制御バルブおよび前記過負荷バルブが開き、負荷がさらに低下すると、前記非凝縮蒸気タービンの入口圧力が維持できるように、前記過負荷バルブが閉じる、実施形態1~15のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態17]
前記主蒸気制御バルブは、前記高圧過熱器から前記高圧蒸気タービン部への蒸気圧力を選択的に制御し、前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下し、前記過負荷バルブが完全に閉じると、負荷の更なる低下に適合するようにプロセス蒸気の需要に合わせて第1の制御バルブおよび主蒸気制御バルブの動作を選択的に制御する、実施形態1~16のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態18]
第1の制御バルブを閉じると、前記非凝縮蒸気タービンの膨張圧力比が低下する、実施形態1~17のうちのいずれかの実施形態に記載の発電システム。
[実施形態19]
少なくとも蒸気タービンアセンブリおよび蒸気供給システムを含む発電システムと共に使用するための制御システムであって、前記蒸気タービンアセンブリは、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、および低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含み、前記蒸気供給システムは、少なくとも高温高圧過熱器および高温中圧再熱器を含み、前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの高圧加熱蒸気及び再熱蒸気のうちの一方の蒸気の供給を選択的に制御する第1の制御バルブ、前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御する第2の制御バルブ、および高圧蒸気タービン部への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御する主蒸気制御バルブ
を含む、制御システム。
[実施形態20]
前記蒸気供給システムから前記低圧蒸気タービン部への蒸気供給と、前記中圧蒸気タービン部から前記低圧蒸気タービン部への蒸気供給を選択的に制御する第3の制御バルブ、前記第2の制御バルブと並列に結合され、前記中圧蒸気タービン部への再熱蒸気の供給を選択的に制御する過負荷バルブ、および前記第1の制御バルブと並列に結合され、前記非凝縮蒸気タービンへの高圧過熱蒸気の供給と、前記非凝縮蒸気タービンへの再熱蒸気の供給とのうちの一方の供給を選択的に制御する過負荷バルブを更に含む、実施形態19に記載の制御システム。
[実施形態21]
ガスタービンアセンブリを含む発電システムの負荷ターンダウン制御を実現するための方法であって、前記方法は、高温高圧過熱器と高温中圧再熱器とを含む蒸気供給システムを用意すること、非凝縮蒸気タービン、高圧蒸気タービン部、中圧蒸気タービン部、及び低圧蒸気タービン部のうちの少なくとも1つを含む蒸気タービンアセンブリを用意すること、及び制御システムを前記蒸気供給システム及び前記蒸気タービンアセンブリに結合することを含み、前記制御システムは、前記非凝縮蒸気タービンへの再熱蒸気の供給および前記中圧蒸気タービンへの再熱蒸気の供給を選択的に制御すること、および前記非凝縮蒸気タービンおよび前記高圧蒸気タービン部のうちの少なくとも一方への高圧過熱蒸気の供給を選択的に制御することを実行するように構成されている、方法。
[実施形態22]
前記非凝縮蒸気タービン、前記中圧蒸気タービン部、及び低圧部のうちの少なくとも1つへの流れを選択的に制御するために、複数の制御バルブを前記発電システムに結合することをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
[実施形態23]
前記中圧蒸気タービン部への流れを選択的に制御するために、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブと並列に過負荷バルブを結合することをさらに含む、実施形態21又は22に記載の方法。
[実施形態24]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力を維持するために、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを選択的に閉じること、および前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持するために、前記過負荷バルブを選択的に閉じる、実施形態21~23のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態25]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持するために、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを部分的に閉じることを更に含む、実施形態21~24のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態26]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記非凝縮蒸気タービンが電力を生成することを防止するために、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを完全に閉じることを更に含む、請求項21~25のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態27]
前記発電システムの負荷が最小負荷状態まで低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部の排気温度を制御するために、前記蒸気供給システムから出る再熱蒸気温度を低下させることを含む、実施形態21~26のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態28]
前記高圧過熱器から前記非凝縮蒸気タービンへの蒸気の流れを選択的に制御すること、前記高圧過熱器から前記高圧蒸気タービン部への蒸気の流れを選択的に制御すること、過負荷バルブを使用して、前記中圧蒸気タービン部への流量を選択的に制御する、実施形態21~27のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態29]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部のプロセス抽気圧力を維持するために、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを部分的に閉じること、および前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部を流れて膨張する蒸気の圧力比を維持するために、前記過負荷バルブを部分的に閉じることを更に含む、実施形態21~28のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態30]
前記中圧蒸気タービン部の排気温度を、前記中圧上記タービン部の限界温度の限界値以下に維持できるように、前記再熱器の高温再熱蒸気温度を低下させることをさらに含む、実施形態21~29のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態31]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記非凝縮蒸気タービンが作動してプロセスへの蒸気供給ができるように、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブを開くことを更に含む、実施形態21~30のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態32]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、プロセスへの蒸気供給を制御できるように、主蒸気制御バルブの位置を選択的に調整することと協調して、前記複数の制御バルブのうちの1つの制御バルブの位置を選択的に調整することを更に含む、実施形態21~31のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態33]
蒸気を前記高圧過熱器から前記非凝縮蒸気タービンに送ること、
前記非凝縮蒸気タービンへの流れを選択的に制御するために、第1の制御バルブと並列に第2の過負荷バルブを結合すること、および
前記発電システムの基本負荷状態において、前記複数の制御バルブのうちの少なくとも2つの制御バルブと前記主蒸気制御バルブを完全に開くこと
を更に含む、実施形態21~32のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態34]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記中圧蒸気タービン部の入口圧力が低下するように、前記複数の制御バルブのうちの少なくとも1つの制御バルブを完全に開いた状態に維持すること、及び前記中圧蒸気タービン部の排気温度を前記中圧蒸気タービン部の定格限界内に維持するために、前記再熱器からの再熱蒸気温度を低下させることを含む、実施形態21~33のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態35]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、プロセスへの蒸気供給のために前記非凝縮蒸気タービンが作動するように、前記制御バルブおよび前記過負荷バルブのうちの一方のバルブを完全に開くこと、および負荷が更に低下すると、前記非凝縮蒸気タービンの入口圧力が維持できるように、前記過負荷バルブを閉じることを更に含む、実施形態21~34のうちのいずれかの実施形態に記載の方法。
[実施形態36]
前記発電システムの負荷が低下することに応答して、前記高圧過熱器から前記高圧蒸気タービン部への蒸気を選択的に制御するために、前記主蒸気制御バルブを結合すること、前記過負荷バルブを完全に閉じること、および負荷の更なる低下に対応するプロセス蒸気需要に合わせて、前記制御バルブおよび前記主蒸気制御バルブのうちの少なくとも一方のバルブの動作を選択的に制御することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【符号の説明】
【0078】
10 発電システム
12 排気
14 排気
20 ガスタービンシステム
22 ガス燃焼器
24 圧縮機
26 シャフト
28 蒸気タービン
29 クラッチ
30 凝縮蒸気タービン
31 HP蒸気タービン
32 IP蒸気タービン
33 LP蒸気タービン
34 シャフト
40 発電機
80 復水器
82 凝縮水ポンプ
84 導管
88 導管
89 導管
90 給水ポンプ
91 導管
92 導管
102 入口部
110 高温部
112 過熱器
113 アテンパレータ
114 熱器
116 蒸発器
118 HPエコノマイザ
119 IP過熱器
124 低圧過熱器
126 中圧蒸発器
127 IPエコノマイザ
128 HPエコノマイザ
129 導管
130 低温部
136 低圧蒸発器
138 エコノマイザ
139 蒸気導管
140 導管
142 導管
144 導管
145 導管
146 導管
147 導管
148 導管
149 導管
170 ダクトバーナ
172 燃料源
180 制御システム
182 システムコントローラ
184 センサ
186 マイクロプロセッサ
188 ローカルメモリ
190 ネットワーク
192 無線モジュール
194 ユーザインターフェース
246 導管
248 導管
249 導管
【外国語明細書】