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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159548
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ファブリック異物除去システム
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/28 20060101AFI20241031BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20241031BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20241031BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F01D25/28 E
F02C7/00 D
F02C7/00 E
F01D25/00 X
F01D25/24 R
F01D25/00 L
F02C7/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062469
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】P.444688
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーラ、マグダレナ アンジェリカ
(72)【発明者】
【氏名】モーグル 2世、トーマス アラン
(72)【発明者】
【氏名】ランケル、クリストファー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】コルヴィック、サンドラ ビバリー
(72)【発明者】
【氏名】デュプレ、ニコラス デズモンド
(72)【発明者】
【氏名】マクマヌス、ケリー アン
(57)【要約】
【課題】タービン(40)のメンテナンス中にあらゆる異物(82)を捕捉するためにタービン(40)のケーシング(64)内に配置するための異物排除システム(100)を提供する。
【解決手段】異物排除システム(100)は、半円形形状(120)を有する布製スリーブ(110)と、タービンケーシング(64)内の所定位置にスリーブ(110)を維持するためにスリーブ(110)に取り付けられた多数のポール(190)とを含むことができる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(40)のメンテナンス中に異物(82)を捕捉するためにタービン(40)のケーシング(64)内に配置する異物排除システム(100)あって、
半円形(120)のスリーブ(110)であって、スリーブ(110)がファブリック(130)を含む、スリーブ(110)と、
スリーブ(110)をタービンケーシング(64)内の所定位置に維持するために、スリーブ(110)に取り付けられた複数のポール(220)と、含む、異物排除システム(100)。
【請求項2】
異物排除システム(100)であって、スリーブ(110)が、ベース壁(140)、第1の側壁(170)、および第2の側壁(180)を含む、請求項1に記載の異物排除システム(100)。
【請求項3】
第1の側壁(170)および第2の側壁(180)が、複数のポール(220)を収容するための複数のチャネル(190)を含む、請求項2に記載の異物排除システム(100)。
【請求項4】
第1の側壁(170)および第2の側壁(180)が、内側の縁部(200)および外側の縁部(210)を含み、内側の縁部(200)および外側の縁部(210)が共に、複数のチャネル(190)のうちの1つをその中に収容する、請求項3に記載の異物排除システム(100)。
【請求項5】
ベース壁(140)が第1の端部(150)および第2の端部(160)を含む、請求項2に記載の異物排除システム(100)。
【請求項6】
第1の端部(150)および第2の端部(160)は、その中に複数の磁石(240)を含む、請求項5に記載の異物排除システム(100)
【請求項7】
第1の端部(150)および第2の端部(160)は、その上に1つまたは複数のそりフック(250)を含む、請求項5に記載の異物排除システム(100)。
【請求項8】
1つまたは複数のそりフック(250)は、タービン(40)の所定の段(52)に対応する大きさである、請求項7に記載の異物排除システム(100)。
【請求項9】
第1の端部(150)および第2の端部(160)は、その上に水平ジョイントフレームプレート(260)を含む、請求項5に記載の異物排除システム(100)。
【請求項10】
水平ジョイントフレームプレート(260)は、その上に一対のフランジ(270)を含む、請求項9に記載の異物排除システム(100)。
【請求項11】
水平ジョイントフレームプレート(260)は、複数のポール(190)を収容する大きさの複数のポール開口部(280)を含む、請求項9に記載の異物排除システム(100)。
【請求項12】
ベース壁(140)、第1の側壁(170)、および第2の側壁(180)が縫い合わされるか、またはジッパーで接合される、請求項2に記載の異物排除システム(100)。
【請求項13】
複数のポール(190)は各々、張力付与用の剛性ファイバーコレット(230)を含む、請求項1に記載の異物排除システム(100)。
【請求項14】
ファブリック(130)が天然素材または合成素材を含む、請求項1に記載の異物排除システム(100)。
【請求項15】
異物排除システム(100)をタービン(40)のケーシング(64)にケーシング(64)の複数の段(52)の周りに挿入する方法であって、
スリーブ(110)をケーシング(64)と複数の段(52)の間にスライドさせるステップと、
スリーブ(110)に1本以上のポール(190)を挿入するステップと、
スリーブ(110)を1つ以上のそりフック(250)でケーシング(64)に取り付けるステップと、
スリーブ(110)に1つ以上の水平ジョイントフレームプレート(260)を取り付けるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及びその結果の特許は、一般に、ガスタービン及び蒸気タービンのようなターボ機械に関するものであり、より詳細には、タービンブレードの取り外し及び交換又は他の種類の処置の間に紛失する可能性のあるタービンピン及び他の物体のような異物を捕捉するためのファブリック異物排除システム(fabric foreign material exclusion system)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、従来、周囲の空気を圧縮するための圧縮機と、高温の燃焼ガスを生成するために空気の流れと燃料の流れとを混合するための燃焼器とを含む。タービンは、高温の燃焼ガスの流れを受け、コンプレッサに電力を供給するため、および発電機などの外部負荷のための出力電力を生成するために、そこからエネルギーを抽出する。高温ガス経路に沿って配置されたタービンバケットやブレードなどのタービン構成部品は、高い燃焼温度だけでなく、さまざまな種類の動的な力を受ける。そのため、これらの高温ガス経路の構成部品は、効率的な性能を確保するために定期的に交換および/または改修されることがある。
【0003】
タービンブレードには、シールピンやダンパピンなどの比較的小さな部品が多数取り付けられていることがある。これらの比較的小さな部品は、タービンブレードと一緒に取り外さなければならない。ピンまたは他のタイプの構成部品が誤って配置され、タービン内部に残された場合、その構成部品は、タービンの再始動時に壊滅的な損傷を引き起こす可能性がある。
【0004】
現在の異物排除システムは、ピン等の異物を捕捉するために回転タービン部品の下に配置される大型のタープ(large tarp)を使用することができる。タープは、タープをケーシングにテーピングすることによって固定することができる。しかし、タープは回転部品の下で束になる(bunch up:こぶ状に絡まる)傾向があり、ひっかかったり、回転部品の下で滑ったりする可能性がある。このような引っ掛かりや滑りは、特にタープを取り外す際に、ピンや他の種類の異物をタービン内に逃がす可能性がある。このようなことから、タービンのメンテナンスなどの際に異物が混入することは依然として大きな問題である。
【発明の概要】
【0005】
従って、本出願及びその結果としての特許は、タービンのメンテナンス中にあらゆる異物を捕捉するためにタービンのケーシング内に配置するための異物排除システム(foreign material exclusion system)を提供する。異物排除システムは、半円形形状を有する布製スリーブと、タービンケーシング内の所定位置にスリーブを維持するためにスリーブに取り付けられた多数のポールとを含むことができる。
【0006】
本出願及びその結果としての特許は、さらに、異物排除システムをタービンのケーシングの多数の段の周りで挿入する(inserting a foreign material exclusion system into a casing of a turbine about a number of stages thereof)方法を提供する。この方法は、ケーシングと多くの段との間にスリーブをスライドさせるステップと、スリーブに1つ又は複数のポールを挿入するステップと、1つ又は複数のそりフックでスリーブをケーシングに取り付けるステップと、スリーブに1つ又は複数の水平ジョイントフレームプレートを取り付けるステップとを含むことができる。
【0007】
本出願及びその結果としての特許は、さらに、タービンのメンテナンス中にあらゆる異物を捕捉するためにタービンのケーシング内に配置するための異物排除システムを提供する。異物排除システムは、半円形状を有する布スリーブ、その中に形成された多数のチャネル、及び水平ジョイントフレームプレートを含むことができる。スリーブをタービンケーシング内の所定位置に維持するために、多数のポールをチャンネル内に配置することができる。
【0008】
本出願およびその結果としての特許のこれらおよび他の特徴および改良点は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲と併せて考慮すれば、以下の詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】圧縮機、燃焼器、タービン、および外部負荷を含むガスタービンエンジンの概略図である。
図2】タービンのケーシング内に配置された多数の段の概略図である。
図3】タービンブレードの透視図である。
図4】本明細書に記載され得るような異物排除システムの透視図である。
図5図4の異物排除システムのさらなる透視図である。
図6図4の異物排除システムと共に使用するための剛性ファイバーコレットの透視図である。
図7図4の異物排除システムと共に使用するためのそりフックの透視図である。
図8】タービンのケーシング内に配置された図4の異物排除システムの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の数字が同様の要素を示しており、図1は、本明細書で使用され得るガスタービンエンジン10の概略図を示している。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮された空気流20を多数の燃焼器缶25に供給する。燃焼器缶25は、圧縮された空気流20を加圧された燃料流30と混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス流35を生成する。単一の燃焼器缶25のみが示されているが、ガスタービンエンジン10は、周方向アレイなどに配置された任意の数の燃焼器缶25を含むことができる。あるいは、燃焼器25は環状燃焼器であってもよい。燃焼ガス35の流れは、順にタービン40に送られる。燃焼ガス35の流れは、タービン40を駆動して機械的な仕事を発生させる。タービン40で生成された機械的な仕事は、ロータシャフト45および発電機などの外部負荷50を介して圧縮機15を駆動する。
【0011】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、様々な種類の合成ガス、液体燃料、および/または他の種類の燃料およびそれらのブレンドを使用することができる。ガスタービンエンジン10は、ニューヨーク州シェネクタディのGeneral Electric Companyによって提供される多数の異なるガスタービンエンジンのうちのいずれか1つであってもよく、これには、7シリーズまたは9シリーズのヘビーデューティガスタービンエンジンなどが含まれるが、これらに限定されない。ガスタービンエンジン10は、単純サイクル発電システムまたは複合サイクル発電システムまたは他のタイプの発電システムの一部であってもよい。ガスタービンエンジン10は、異なる構成を有していてもよく、他の種類のコンポーネントを使用してもよい。本明細書では、他のタイプのガスタービンエンジンを使用することもできる。複数のガスタービンエンジン、他のタイプのタービン、および他のタイプの発電装置も、本明細書で併用することができる。
【0012】
図2は、タービン40の部分断面図である。タービン40は多数の段(a number of stages)52を含む。一般的に説明すると、各段52は、ステータベーン56の静止列54と、タービンブレード60の回転列58とを含む。この例では、第1段、第2段、および第3段の3つの段52が示されている。各列58のタービンブレード60は、ロータディスク62に対して円周方向に間隔をあけて配置され、ロータディスク62から半径方向外側に延びている。各ロータディスク62はロータシャフト45に結合されている。タービンケーシング64は、ステータベーン56の周方向に延びている。ステータベーン56はそれぞれタービンケーシング64に結合されており、各ステータベーン56はケーシング64からロータシャフト45に向かって半径方向内側に延びている。高温燃焼ガス経路66は、タービンケーシング64と各ロータディスク62との間に画定されている。
【0013】
図3は、タービン40のタービンブレード60の一例を示す。タービンブレード60は、シャンク68、ダブテール70、プラットフォーム72、およびエアフォイル(airfoil:翼形)74を含むことができる。ダブテール70は、タービンブレード60をロータディスク62の外周に固定する。プラットフォーム72は、高温燃焼ガス経路66を流れる燃焼ガス35の内向流境界を画定する。ダンパピン76は、プラットフォーム72に隣接する(すなわち、半径方向内側にある)1つの軸方向エッジ(またはスラッシュ面)78に沿って配置することができる。具体的には、ダンパピン76は、タービンブレード60のスラッシュ面78に沿って延びる細長い溝80内に配置される可能性がある。ダンパピン76は、振動エネルギーを摩擦的に散逸させ、対応する振動の振幅を減少させる。同様のダンパピン76が、隣接するタービンブレード60の各対の間に配置されてもよい。本明細書では、シールピン等の他の種類のピンも使用することができる。デブレードプロセスおよび他のタイプのメンテナンス(deblading process and other types of maintenance)の間、ピン76などは、説明および除去されない場合、タービン40に損傷を与える可能性のある異物82となる可能性がある。
【0014】
図4及び図5は、本明細書に記載され得るような異物排除システム100の一例を示す。異物排除システム100は、スリーブ110を含むことができる。スリーブ110は、実質的に半円形の形状120を有してよい。具体的には、スリーブ110は、ケーシング64の下半分内に適合する大きさおよび形状を有してよい。スリーブ110は、複数の段52にわたって延びていてもよい。スリーブ110はファブリック130で作られてもよい。ファブリック130は、織られたプラスチックメッシュ、不織合成材料、含浸樹脂、綿のような天然多孔性繊維、頑丈な防水性および耐熱性材料、または任意の可撓性で成形可能な表面被覆、および同様の種類の材料およびそれらの混合物(woven plastic mesh, nonwoven synthetic material, impregnated resins, natural porous fibers such as cotton, heavy duty waterproof and temperature resistant material, or any flexible, formable surface covering, and similar types of materials and blends thereof)を含むことができる。
【0015】
一般的に説明すると、スリーブ110は、第1の端部150から第2の端部160まで延びるベース壁140と、第1の側壁170と、第2の側壁180とを含み得る。ベース壁140及び側壁170、180は、スリーブ110を形成するために一緒にまくことができる。あるいは、ジッパー(zippers、クラスプロッカー:clasp lockers)等を用いて壁を連結してもよい。側壁170、180は、その内縁200および外縁210に形成されたチャンネル190を有することができる。チャネル190は、細長いポール220がその中に配置されるための大きさであってもよい。細長いポール220は半円形120の中で湾曲していてもよく、スリーブ110に剛性を与える役割を果たす。細長いポール220は、プラスチック、スチール、またはアルミニウムやチタンなどの金属、炭素繊維、ガラス繊維、それらの組み合わせなど(plastics, steel or metal such as aluminum and titanium, carbon fiber, fiberglass, combinations thereof, and the like)のような実質的に剛性のある材料で作られてもよい。図7に示すように、また以下により詳細に説明するように、スリーブ110のポール220は、多数の剛性ファイバーコレット(a number of rigid fiber collets)230等によって張力をかけ、所定の位置に保持することができる。本明細書では他のタイプの張力付与装置(Other types of tensioning devices)を使用してもよい。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0016】
ベース壁140の第1および第2の端部150、160は、そこに縫い付けられるか、または他の方法で配置される磁石240などを有することができる。磁石240はケーシング64の下半分の金属に引き付けられて、スリーブ110を所定の位置に保持する。あるいは、異なる種類の錘などを用いてもよい。ベース壁140の第1および第2の端部150、160もまた、多数のそりフック(a number of sled hooks)250によって所定の位置に保持することができる。図8に示され、以下により詳細に説明されるように、そりフック250は、ベース壁140の端部150、160に沿ってケーシング64内の所定の位置にファブリック130を固定する。そりフック250は、所定の段の特定のシュラウドフック形状(specific shroud hook geometry)等に対応する大きさであってよい。そりフック250は、ポール220などを介してスリーブ110をケーシング64の外周に捕捉してもよい。
【0017】
ベース壁140の第1及び第2の端部150、160は、水平ジョイントフレームプレート260によって覆われてもよい。水平ジョイントフレームプレート260は、ケーシング64の水平ジョイントを確実に囲むような大きさ及び形状にすることができる。水平ジョイントフレームプレート260は、段部52の両側に延びる一対のフランジ270を含んでいてもよい。水平ジョイントフレームプレート260はまた、細長いポール220がそこを貫通して延びるための多数のポール開口(a number of pole apertures)280を含むことができる。細長いポール220は、水平ジョイントフレームプレート260を所定の位置に維持するのに役立つ。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用してもよい。
【0018】
図8に示されているような使用において、異物排除システム100は、タービンブレード60の列58の下のケーシング64の下半分の所定位置にスライドさせることができる。具体的には、カスタムフィットスリーブ110を所定の位置に配置し、細長いポール220をチャンネル190内に配置し、細長いポール220を剛性ファイバーコレット230を介して緊張させる(tension:張力をかける)ことができる。細長いポール220はスリーブ110のファブリック130をケーシング64にタイトフィットさせることができる。このようなタイトフィットにより、ファブリック130の束付きが回避される。スリーブ110の両端150、160に縫い付けられた磁石240は、スリーブ110を所定の位置に保持し、スリーブ110をケーシング64から取り外す際にファブリック130の最適な折り畳みを可能にする。この最適な折り畳みにより、処置中にスリーブ110内に落下した異物が確実に収容され、安全に除去される。ケーシング64の水平継ぎ目上の水平継ぎ目フレームプレート260は、ファブリック130を所定の位置に保ち、その端部に関するすべての可能な異物の通路を閉鎖する。同様に、そりフック250はスリーブ110のファブリック130を所定の位置に適切に誘導する。
【0019】
異物排除システム100のスリーブ110にファブリック130を使用することにより、摩耗、破れ、及び熱に耐性のあるカスタムフィットが提供される。従って、カスタムフィットは、タービン領域への異物の侵入から最大限の保護を提供する。半円形形状120に細長いポール220を使用することにより、スリーブ110がケーシング64の曲率に対して正しい位置を維持することが保証される。このようにして、異物排除システム100は、高温ガス経路の検査、デブレーディング(deblading:ブレードの取り外し)、およびその他の処置中に異物が損傷する機会を減少させる。
【0020】
前述は、本出願および結果として得られる特許の特定の実施形態に関するものでしかないことは明らかであろう。以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の一般的な精神および範囲から逸脱することなく、当業者であれば、本明細書において多数の変更および修正を行うことができる。
【0021】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施態様1]
メンテナンス中にあらゆる異物を捕捉するためにタービンのケーシング内に位置決めするための異物排除システムあって、半円形の形状を有するスリーブと、前記スリーブはファブリックと、前記スリーブを前記タービンケーシング内の所定位置に維持するために前記スリーブに取り付けられた複数のポールと、を含む、異物排除システム。
[実施態様2]
前記スリーブが、ベース壁、第1の側壁、および第2の側壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様3]
前記第1の側壁および前記第2の側壁は、前記複数のポールを収容するための複数のチャネルを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様4]
前記第1の側壁および前記第2の側壁が内縁および外縁を含み、前記内縁および前記外縁が両方が、その中に複数のチャネルのうちの1つを収容する、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様5]
前記ベース壁が第1の端部と第2の端部とを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様6]
前記第1の端部および前記第2の端部は、その中に複数の磁石を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様7]
前記第1の端部および前記第2の端部は、その上に1つまたは複数のそりフックを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様8]
前記1つ又は複数のそりフックが、前記タービンの所定の段に対応する大きさである、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様9]
前記第1の端部及び前記第2の端部は、その上に水平ジョイントフレームプレートを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様10]
前記水平ジョイントフレームプレートは、その上に一対のフランジを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様11]
前記水平ジョイントフレームプレートが、前記複数のポールを収容する大きさの複数のポール開口部を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様12]
前記ベース壁、前記第1の側壁、及び第2の側壁は、一緒に縫い付けられるか、又はジッパーで締め付けられる、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様13]
前記複数のポールはそれぞれ、張力付与のための剛性ファイバーコレットを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様14]
前記ファブリックが天然材料又は合成材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様15]
タービンのケーシングに前記ケーシングの複数の段の周りに異物排除システムを挿入する方法であって、前記ケーシングと前記複数の段との間にスリーブをスライドさせる工程と、前記スリーブに1つ以上のポールを挿入する工程と、1つ以上のそりフックで前記スリーブを前記ケーシングに取り付ける工程と、前記スリーブに1つ以上の水平ジョイントフレームプレートを取り付ける工程と、を含む、方法。
[実施態様16]
タービンのメンテナンス中にあらゆる異物を捕捉するためにタービンのケーシング内に位置決めするための異物排除システムであって、半円形の形状を有するスリーブを含み、前記スリーブはファブリックを含み、前記スリーブはその中に複数のチャネルを含み、前記スリーブは、前記スリーブをタービンケーシング内の所定位置に維持するために該複数のチャネル内に位置決めされた複数のポールと、前記スリーブの周りに位置決めされた水平ジョイントフレームプレートとを含む、異物排除システム。
[実施態様17] スリーブがその中に複数の磁石を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様18]スリーブが、その上に1つ以上のそりフックを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様19]
複数のポールはそれぞれ、張力をかけるための剛性ファイバーコレットを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
[実施態様20]
ファブリックが天然材料又は合成材料を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の異物排除システム。
【符号の説明】
【0022】
10:ガスタービンエンジン 15:圧縮機 20:圧縮された空気流 25:燃焼器缶 30:燃料流 35:燃焼ガス 40:タービン 45:ロータシャフト 50:外部負荷 52:段 54:静止列 56:ステータベーン 58:回転列 60:タービンブレード 62:ロータディスク 64:タービンケーシング 66:高温燃焼ガス経路 68:シャンク 70:ダブテール 72:プラットフォーム 74:エアフォイル 76:ダンパピン 78:スラッシュ面 80:溝 82:異物 100:異物排除システム 110:スリーブ 120:半円形の形状 130:ファブリック 140:ベース壁 150:第1の端部 160:第2の端部 170:第1の側壁 180:第2の側壁 190:チャネル 200:内縁 210:外縁 220:ポール 230:剛性ファイバーコレット 240:磁石 250:そりフック 260:水平ジョイントフレームプレート 270:フランジ 280:ポール開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】