(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159549
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】仏りん
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A47G33/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062911
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2023072840
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(57)【要約】
【課題】りん本体部を揺動可能に支持する態様と、揺動しないように支持する態様に切り換えることができる仏りんの提供を目的とする。
【解決手段】下側が開口したりん本体部と、前記りん本体部を下側から支持する支持部材とを有し、前記支持部材の先端側に、前記りん本体部を揺動可能に支持する態様と、揺動しない状態に支持する態様に切り換えるためのコントロール部材を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側が開口したりん本体部と、
前記りん本体部を下側から支持する支持部材とを有し、
前記支持部材の先端側に、前記りん本体部を揺動可能に支持する態様と、揺動しない状態に支持する態様に切り換えるためのコントロール部材を有することを特徴とする仏りん。
【請求項2】
前記りん本体部側に有する被支持部は凹部形状であり、
前記支持部材の先端部に有する支持部は凸部形状であり、
前記コントロール部材は前記支持部材の先端に着脱自在なっていることを特徴とする請求項1記載の仏りん。
【請求項3】
前記りん本体部側に有する被支持部は凸部形状であり、
前記支持部材の先端部に有する支持部は凹部形状であり、
前記コントロール部材は前記りん本体部の被支持部又は前記支持部材の支持部のうち一方に着脱自在になっていることを特徴とする請求項1記載の仏りん。
【請求項4】
前記支持部材は前記りん本体部が揺動可能な支持部と、揺動をしない支持部とに交換可能になっていることを特徴とする請求項1記載の仏りん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仏壇,祭壇等に置き使用される仏具の1つである仏りんに関する。
【背景技術】
【0002】
仏りんは、りん棒等で打ち鳴らすと、リーンといった澄みきった音が鳴る。
仏りんは、勤行の際に使用することが多く、読経の開始や終わりの合図として鳴らしたり、読経中の調子を取る際にも打ち鳴らすことがある。
また、仏壇にお参りする際にも使用される。
したがって、りん棒で仏りんを打ち鳴らす際に、余韻を残して長く鳴り響かせたい場合もあれば、短く鳴らしたい場面もある。
【0003】
本出願人は、これまでりん本体部が揺動し、音が綺麗に長く響く仏りんを提案している(特許文献1,2)。
上記仏りんは、これまでにない新規の構造である。
本発明は、りん本体部を揺動させる使用態様と、揺動せずに使用する態様にコントロールできる仏りんを検討した結果、本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4907141号公報
【特許文献2】特許第5499286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、りん本体部を揺動可能に支持する態様と、揺動しないように支持する態様に切り換えることができる仏りんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る仏りんは、下側が開口したりん本体部と、前記りん本体部を下側から支持する支持部材とを有し、前記支持部材の先端側に、前記りん本体部を揺動可能に支持する態様と、揺動しない状態に支持する態様に切り換えるためのコントロール部材を有することを特徴とする。
【0007】
具体的な態様としては、りん本体部側に有する被支持部は凹部形状であり、前記支持部材の先端部に有する支持部は凸部形状であり、前記コントロール部材は前記支持部材の先端に着脱自在なっている例、りん本体部側に有する被支持部は凸部形状であり、前記支持部材の先端部に有する支持部は凹部形状であり、前記コントロール部材は前記りん本体部の被支持部又は前記支持部材の支持部のうち一方に着脱自在になっている例、支持部材は前記りん本体部が揺動可能な支持部と、揺動をしない支持部とに交換可能になっている例が挙げられる。
【0008】
本発明においては、揺動可能な状態では、りん本体部が回転自在であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明係る仏りんは、コントロール部材の着脱により、りん本体部が揺動可能になっている態様と、揺動しない態様に切り換えることができるので、仏りんの使用場面に応じて音の鳴らし方を調整することができる。
また、コントロール部材を弾性材で形成すると、その柔らかさにより揺動の大きさを調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)はりん本体部が揺動可能、(b)は揺動を抑えた状態を示す。
【
図2】りん本体部側の被支持部を凸部形状にした例を示し、コントロール部材にて(a)と(b)の状態に切り換えることができる。
【
図3】コントロール部材につば部を設けた例を示す。
【
図4】コントロール部材をりん本体部側に取り付ける例を示す。
【
図5】コントロール部材をリング状にした例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る仏りんの構造例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
図1に仏りんの断面図を示す。
仏りん10は、台座部12と台座部12の中央部から一体的に、あるいは別部品として立設するように、取り付けた支持部材13を有する。
支持部材13の先端部に設けた支持部13aが凸部形状に形成した例になっていて、この部分でりん本体部11の内側の中央部に設けた被支持部11aを支持する例になっている。
本実施例では、被支持部11aが凹部形状になっている。
りん本体部11は、下側に円形状の開口部11bを有する半球形形状になっている。
また、台座部12は、底部12aに平坦面を有する載置型であり、台座部12の側面は球面形状であり、台座部12と、りん本体部11の開口部11bの間に隙間dを有するが、台座部12とりん本体部11とで全体として略球形状にした例である。
【0013】
図1(a)に示した状態では、りん本体部11は支持部材13の先端部の凸部形状の支持部13aを支点にして、左右,前後に揺動可能であり、りん本体部11は回転自在にもなっている。
この状態で、りん棒等で打りんすると、りん本体部11が左右,前後に揺れながら音が鳴り、余韻も長い。
これに対して、りん本体部11を持ち上げ、コントロール部材20を支持部材13の先端部に装着した状態が
図1(b)の状態である。
コントロール部材20は、ゴム材や軟質樹脂材からなり、基部21と下側に設けた有底孔状の装着部22を有し、上部にりん本体部11の被支持部11aに当接する被覆部23を有する。
このコントロール部材20を支持部材13の先端部の支持部13aに装着すると、基部21の上面及び被覆部23で、りん本体部11の内側の頂部に当接及び支持するので、りん本体部11の揺動が抑えられる。
【0014】
図2は、支持部材13の先端部の支持部113aを凹部形状に形成し、りん本体部11側の被支持部111aを凸部形状にした例である。
(a)に示した揺動する態様から、支持部材13の先端部に管状のコントロール部材20aを装着部22aを介して取り付けると、
図2(b)に示すように揺動を抑えることができる。
図3は、コントロール部材20bに、つば部21bと装着孔22bを設けた例である。
【0015】
図4は、キャップ状のコントロール部材20cの装着部22cを、りん本体部11側の凸部形状の被支持部111aに装着し、被覆部23cが支持部材13の先端部の凹部形状に合致し、揺動を抑えた例を示す。
図5は、リング状のコントロール部材20dにし、装着孔22dにてりん本体部11側の被支持部に装着しても台座部12との隙間dが変化しないようにした例である。
【0016】
図6は、支持部材を台座側の支持部材13Aに対して、ねじ部にて着脱自在にした上部支持部材を揺動可能タイプ13Bと、揺動を抑えたタイプ113Bを相互に交換できる例である。
この場合に、
図7に示すように支持部材13を台座部側のねじ部(213C,213D)を介して、揺動可能タイプ13Cと揺動を抑えたタイプ13Dに交換可能にした構造であってもよい。
【符号の説明】
【0017】
11 りん本体部
11a 被支持部
11b 開口部
12 台座部
13 支持部材
13a 支持部
20 コントロール部材
21 基部
22 装着部