(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159553
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】術具用アクセスアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/01 20060101AFI20241031BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61B1/01 511
A61B1/00 716
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063860
(22)【出願日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】202310494463.7
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524139611
【氏名又は名称】寧波海泰科邁医療器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO HITCM MEDICAL DEVICES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.59 Kechuang North Road,Wangchun Industrial Park,Haishu District,Ningbo,Zhejiang 315000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】丁 偉江
(72)【発明者】
【氏名】袁 鵬
(72)【発明者】
【氏名】蔡 哲峰
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161FF38
4C161GG24
4C161JJ13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された洗浄効果を実現するアクセスアセンブリを提供する。
【解決手段】管状本体3と、術具と管状本体の近位端をシーリングして接続する近位端シーリング装置4と、管状本体に接続される遠位端部材2と、流体を提供する流体供給通路30と、流体を排出することに供するように設置される流体排出通路37と、を含み、遠位端部材は、管状本体の遠位端に接続される管状ハウジング7と、管状ハウジングの遠位端に設置され、開閉可能であるように構成される複数のシーリングフラップ9と、を含み、複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つは、流体を噴出するためのノズル16と、流体を受け取るための流体入口と、流体入口とノズルを流体連通するための遠位端部材流体通路34と、を含むアクセスアセンブリ1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
術具用アクセスアセンブリであって、
前記アクセスアセンブリの縦方向軸線に沿って延伸するように構成され、且つ前記術具を受け取るための管状本体と、
前記術具と前記管状本体の近位端をシーリングして接続するように構成される近位端シーリング装置と、
前記管状本体に接続するように設置される遠位端部材であって、前記管状本体の遠位端に接続するように構成される管状ハウジングと、前記管状ハウジングの遠位端に設置される複数のシーリングフラップと、を含み、前記複数のシーリングフラップは前記アクセスアセンブリの遠位端を開いたりシーリングしたりするために開閉可能であるように構成され、前記複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つは、流体を噴出するためのノズルと、前記流体を受け取るための流体入口と、前記流体入口と前記ノズルを流体連通するための遠位端部材流体通路と、を含み、前記ノズルは前記アクセスアセンブリの近位方向へ前記流体を方向付けて噴出するように設置され、前記ノズルの噴出方向は前記遠位端部材の縦方向軸線に対して角度αをなす遠位端部材と、
前記アクセスアセンブリに前記流体を提供するように設置される流体供給通路と、
前記アクセスアセンブリが前記流体を排出することに供するように設置され、出口と、前記管状本体の近位端に設置される入口と、を含む流体排出通路と、を含むことを特徴とする、術具用アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記角度αの値は60°以下であり、好ましくは、前記角度αの値は15°以下であることを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記角度αの値は15°に等しく、及び/又は、前記ノズルは前記流体排出通路の前記入口に向くことを特徴とする、請求項2に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記シーリングフラップには、前記術具の遠位端部を拭き取るためのワイパーが設けられ、前記ノズルは前記ワイパーから離れて前記複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つに設置され、前記ワイパーの少なくとも一部は前記遠位端部材の中心軸線に設置されることを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記ノズルの中心点と前記遠位端部材の中心軸線との径方向における距離は前記管状ハウジングの外径の四分の一以上であることを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のシーリングフラップのうちの各々は、前記管状ハウジングの径方向に沿って延伸するリッジと、前記リッジの径方向両側の面と、を含み、前記ノズルは複数の前記リッジの1つに設置され、且つ前記遠位端部材流体通路は前記遠位端部材の縦方向軸線と前記リッジにより画定された面内に延伸することを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記遠位端部材の中心軸線から離れる前記ノズルの内側エッジと前記管状ハウジングの外側壁との距離は前記ノズルの内径より大きいことを特徴とする、請求項1記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記ノズルの近位側エッジと前記遠位端部材のベースとの距離は、前記ワイパーの近位側エッジと前記遠位端部材のベースとの距離より大きいことを特徴とする、請求項4に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記ワイパーは、前記術具が前記シーリングフラップを通過するときに前記術具の遠位端部と接触することができるように、近位側へ突出することを特徴とする、請求項4に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のシーリングフラップは前記管状ハウジングの円周方向に沿って配列され、各前記シーリングフラップは2本の径方向エッジ及び1本の円周方向エッジを含み、前記ワイパーは近位側へ前記シーリングフラップの表面に突出することを特徴とする、請求項4に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記ワイパーは、前記シーリングフラップから近位側へ突起し、且つ前記シーリングフラップの少なくとも1つの前記径方向エッジに沿って前記シーリングフラップに配置される少なくとも1つのボスを含み、前記ワイパーは、前記ボスの縦方向軸線に近い部分から近位側へ突起する少なくとも1つのスクレーパをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記遠位端部材に少なくとも1つの弾性シートが接続され、前記弾性シートは一部の前記管状本体と共同で少なくとも一部の前記流体供給通路を構成するように構成され、少なくとも前記流体供給通路の遠位端は前記遠位端部材流体通路と連通することを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項13】
前記術具は遠位端部にレンズが設置された内視鏡であることを特徴とする、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクセスアセンブリに関し、具体的に術具用アクセスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術中に外科手術医は、通常、術具(例えば、ピンセット、把持器、カッター、アプリケータ等)によって体内の関連器官に対して診断及び/又は治療を行う必要があり、該術具はカニューレを介して患者の体内にアクセスされなければならないが、患者の体内に導入された術具の操作実行部材は診断及び/又は治療中に体腔内の凝集物、組織、血液、他の体液等が付着しやすく、これは診断及び/又は治療の効果に悪影響又は損害を与え、従って、手術中に関連術具、特に内視鏡のレンズのクリーニングを維持することは非常に重要である。通常、外科医(例えば、内視鏡操作者)はアクセスアセンブリを介して内視鏡を患者の体の切欠きから引き出し、予め用意された体温での生理食塩水でレンズを洗浄し、次にヨードボルト等の消毒剤で内視鏡本体を拭き、アクセスアセンブリを介して患者の体の切欠きに再挿入する。手術中に、レンズのクリーニングに必要な時間は手術の総時間と患者が麻醉を維持する必要がある時間を増加させる可能性があり、そして、内視鏡が繰り返して患者の体の切欠きから引き出したり、それに挿入したりする必要があるため、感染のリスクを高め、回復時間を増加させる可能性がある。従って、本分野では、手術中に内視鏡のレンズを簡便且つ迅速にクリーニングすることができ、さらなる洗浄液又は汚物を患者の体腔に導入しないというアクセスアセンブリの改善ニーズが存在している。
【0003】
従来技術は内視鏡用のアクセスアセンブリの遠位端部材を開示し、内視鏡を受け取るための管状本体と、管状本体の遠位端に接続される遠位端部材と、を含み、該遠位端部材は複数のシーリングフラップを含み、複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つは流体入口、ノズル、及び流体入口とノズルを流体連通する遠位端部材流体通路を含み、ノズルは遠位端部材の中心軸線に近く、ノズルは遠位端部材の軸線に対して平行に設置され、噴出流は内視鏡のレンズに垂直に噴出され、該アクセスアセンブリは内視鏡のレンズの洗浄をある程度実現できるが、ノズルがカニューレの軸線に近いため、ノズルと流体入口との間の流体通路が長くなり、流体通路が長くなると、該遠位端部材を製造するための対応する金型インサートも長くなり、従って、遠位端部材を射出成形する際に金型が変形しやすく、最終的には金型の耐用年数が短くなり、且つアクセスアセンブリ用の遠位端部材を製造する歩留まりが低い。また、ノズルがカニューレの軸線に近く、ワイパーがレンズ上の水を拭き取るときに、ノズルが一定の確率で水を噴出しているため、レンズ上の水を完全に拭き取ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、アクセスアセンブリを提供することであり、該アクセスアセンブリを使用することによって、改善された洗浄効果を実現することができ、特にノズル位置の設置によって、術具の遠位端部のアクセスアセンブリのキャビティ内における任意の角度の洗浄を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
術具用アクセスアセンブリであって、アクセスアセンブリの縦方向軸線に沿って延伸し、且つ術具を受け取るための管状本体と、術具と管状本体の近位端をシーリングして接続する近位端シーリング装置と、管状本体に接続するように設置される遠位端部材と、を含む。遠位端部材は、管状本体の遠位端に接続される管状ハウジングと、前記管状ハウジングの遠位端に設置される複数のシーリングフラップと、を含み、複数のシーリングフラップは前記アクセスアセンブリの遠位端を開いたりシーリングしたりするために開閉可能であるように構成され、複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つは、流体を噴出するためのノズルと、前記流体を受け取るための流体入口と、前記流体入口と前記ノズルを流体連通するための遠位端部材流体通路と、を含む。ノズルは、アクセスアセンブリの近位方向へ前記流体を方向付けて噴出するように設置され、ノズルの噴出方向は遠位端部材の縦方向軸線に対して角度αをなす。アクセスアセンブリは、前記アクセスアセンブリに流体を提供する流体供給通路と、前記アクセスアセンブリが前記流体を排出することに供する流体排出通路と、をさらに含み、流体排出通路は出口と、前記管状本体の近位端に設置される入口と、を含む。角度αの値は60°以下であり、好ましくは、角度αの値は15°以下である。
【0006】
該技術的課題は、術具用アクセスアセンブリによって本発明のように解決され、前記ノズルは前記遠位端部材の縦方向軸線に対して角度αをなすように方向付けられ、角度αの値が15°に等しい場合、前記ノズルは前記アクセスアセンブリの排出通路の入口に向く。前記角度αの値は好ましい15°以下である場合、特にキャビティ内に任意の位置及び角度の洗浄を行うことに有利である。本発明によるノズルのこのような設計により、ノズルから噴出された噴出流はアクセスアセンブリの全体的な有効洗浄空間、特に排出通路の入口から遠位端部材までの管状本体セグメント全体に効果的に到達することができ、それにより該管状本体セグメントのキャビティ内における任意の位置及び角度の洗浄を実現する。ノズルを方向付ける角度αの値が15°より大きい場合、噴出流はアクセスアセンブリの一部の有効洗浄空間、特に排出通路の入口から遠位端部材までの一部の管状本体セグメントのみに到達することができ、これに鑑みて、手術作業を作業状態から洗浄状態に変換する場合、洗浄するために、術具の遠位端部、特に腹腔鏡のレンズを特定の位置に置く必要があり、明らかなように、これはアクセスアセンブリの洗浄操作の簡略化に不利であり、角度αの値が60°より大きい場合、内視鏡のレンズがノズル16とは反対すると、ノズル16から噴出された流体はレンズに噴出することができない。
【0007】
本発明の1つの拡張態様によれば、シーリングフラップには、術具の遠位端部を拭き取るためのワイパーが設けられ、ノズルはワイパーから離れ、複数のシーリングフラップのうちの少なくとも1つに設置され、ワイパーの少なくとも一部は遠位端部材の中心軸線に設置される。ノズルを遠位端部材の縦方向軸線に近く設置し、特に従来技術のようにする場合、アクセスアセンブリを用いてアクセスされた術具を洗浄するときに術具の遠位端部に水が残りやすいが、ノズルを遠位端部材の縦方向軸線から離れてシーリングフラップの1つに設置する場合、術具の洗浄後、その遠位端、特に内視鏡のレンズに水が残りにくく、従って、本発明のように設置されたノズルはより良い洗浄効果を取得することができる。それと同時に、本発明によれば、ノズルを遠位端部材の縦方向軸線から離れてシーリングフラップの1つに設置するため、本発明による遠位端部材の流体通路も明らかに短くなり、これにより、該遠位端部材を製造するために必要な金型インサートを短縮することができ、該より短い金型インサートにより、遠位端部材を製造するための金型は変形しにくく、アクセスアセンブリ用の遠位端部材及びアクセスアセンブリを製造する歩留まりを顕著に向上させる。
【0008】
本発明のさらなる拡張態様によれば、良好な洗浄効果を取得し且つ高い歩留まりを維持するために、特に有利には、前記ノズルの中心点と前記遠位端部材の中心軸線との径方向における距離は前記管状ハウジングの外径の四分の一以上である。
【0009】
本発明のさらなる拡張態様によれば、ノズルの近位側エッジと遠位端部材のベースとの距離は、ワイパーの近位側エッジと遠位端部材のベースとの距離より大きい。内視鏡のレンズが近位方向へ遠位端部材から縮む過程で、シーリングフラップは最初に開いた状態にあり、このときの負圧の作用により、腹腔内のガスが隙間を通ってアクセスアセンブリの管状本体内に流れ、術具の遠位端部上の水が気流により除去される。術具の遠位端部上の水が多い場合、負圧の吸引作用はすべての水を除去できず、それにより、水滴がレンズに残ることになる。該態様によれば、術具が遠位側へ移動するときに、まず、ノズルを塞ぎ、その後、ワイパー、特にスクレーパと接触することを実現することができ、それにより、術具の遠位端部、特に内視鏡のレンズに噴出される水量を減少させ、従って、負圧による吸引によって除去される必要がある水が少なくなり、このように、水滴が術具の遠位端部に残りにくく、水滴除去の効果がより良くなる。
【0010】
さらなる拡張態様では、前記遠位端部材の中心軸線から離れる前記ノズルの内側エッジと前記管状ハウジングの外側壁との距離Bは前記ノズルの内径Aより大きい。該技術的解決手段によって、ノズルから噴出されたジェットが噴出状態ではなく、アクセスアセンブリの管状本体の内壁に沿って流れるというコアンダ効果の発生を良好に回避することができ、この現象の発生により、噴出流が術具の遠位端部に効果的に噴出できなくなり、従って、洗浄効果に悪影響を与える。
【0011】
本発明のさらなる拡張態様では、有利には、ワイパーは、術具が前記シーリングフラップを通過するときに特に負圧の下で前記術具の遠位端部と接触することができるように、近位側へ突出する。
【0012】
本発明のさらなる改良態様では、有利には、複数のシーリングフラップは前記管状ハウジングの円周方向に沿って配列され、各シーリングフラップは2本の径方向エッジ及び1本の円周方向エッジを含み、前記ワイパーは近位側へ突出する。その突出の程度は前記シーリングフラップの径方向エッジと前記遠位端部材の縦方向軸線がなす角度βに決まり、前記角度βはアクセスアセンブリによって提供される負圧に適合する。
【0013】
本発明の1つの拡張設計によれば、前記複数のシーリングフラップのうちの各々は、前記管状ハウジングの径方向に沿って延伸するリッジと、前記リッジの径方向両側の面と、を含み、ノズルは前記複数のリッジの1つに設置され、且つ前記流体通路は前記遠位端部材の縦方向軸線と前記リッジにより画定された面内に延伸する。ノズルがシーリングフラップの他の位置に設置される場合、シーリングフラップを閉じる時の閉じ動作が前後して一致せず、即ち、ノズルが設置されたこのリッジは時間的に遅く閉じられるため、ここで閉じ時間差による短時間の隙間が形成される。該拡張態様によれば、このような隙間の発生を基本的に除去することができ、従って、術具洗浄時により確実なシーリングを実現することができる。
【0014】
本発明によれば、特に有利には、前記ワイパーは少なくとも1つのボスを含み、前記少なくとも1つのボスは前記シーリングフラップから近位側へ突起し、且つ前記シーリングフラップの少なくとも1つの径方向エッジに沿って前記シーリングフラップに配置され、ワイパーは、前記ボスの縦方向軸線に近い部分から近位側へ突起する少なくとも1つのスクレーパをさらに含む。
【0015】
本発明のさらなる拡張態様によれば、前記遠位端部材は前記管状ハウジングから近位側へ突出する少なくとも1つの弾性シートをさらに有し、それは前記管状本体と共同で流体通路を形成するように構成され、且つ第1状態及び第2状態を有し、前記弾性シートは前記遠位端部材の縦方向軸線に対して径方向に外向きに屈曲し、前記第2状態で前記弾性シートは前記遠位端部材の縦方向軸線に対して径方向に内向きに屈曲する。弾性シートの異なる状態により、流体通路の横断面は変化可能であり、弾性シートが第1状態にあるときに流体通路の横断面は大きくなり、それにより流体の抵抗が小さくなり、同等の負圧の下で流速が速くなり、それに対応して衝撃力も大きくなり、それにより本発明によるアクセスアセンブリの洗浄効果をより良くする。
【0016】
本発明のさらなる拡張態様によれば、遠位端部材に少なくとも1つの弾性シートが接続され、弾性シートは一部の管状本体と共同で少なくとも一部の流体供給通路を構成するように構成され、一部の流体供給通路の遠位端は前記遠位端部材流体通路と連通する。
【0017】
上記術具は内視鏡である及び/又は術具の遠位端部は内視鏡のレンズである。
【0018】
図面を参照してより詳細に説明された非限定的な実施例の以下の説明と組み合わせることで、本発明の上記特性、特徴、利点、及びそれらを実現する方法をより明確に理解することができる。図面には以下のものが示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明によるアクセスアセンブリの側断面図である。
【
図2】
図2は本発明によるアクセスアセンブリの遠位端部材の側面平面斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の実施形態による
図2のA-A線に沿って遠位端部材を断面にした断面図である。
【
図4】
図4は
図3の点線丸枠で示される遠位端部材の詳細図である。
【
図5】
図5は本発明による遠位端部材の平面図である。
【
図6A】
図6Aは本発明の実施形態による
図2のB-B線に沿って遠位端部材を断面にした断面図である。
【
図7A】
図7Aは本発明によるアクセスアセンブリの弾性シートが第1状態にある平面図である。
【
図7B】
図7Bは本発明によるアクセスアセンブリの弾性シートが第2状態にある平面図である。
【
図8A】
図8Aはアクセスアセンブリの洗浄状態での側断面図である。
【
図8B】
図8Bはアクセスアセンブリの洗浄状態での側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の実施形態は本発明の好ましい実施形態である。該実施形態では、説明される実施形態の各部材は、個別に、互いに独立して考慮された本発明の各特徴をそれぞれ形成し、それらはさらに互いに独立して本発明を拡張し、従って個別に、又は示された組み合わせとは異なる他の形式で本発明の構成部分を構成することができる。また、説明される実施形態は既に説明された本発明の他の特徴によって補足されてもよい。
【0021】
なお、注射器アセンブリの各態様及びその様々な特徴を詳細に解釈する前に、本明細書に開示されている各態様は、それらの応用又は使用において、図面及び明細書に示す部品の構造及び配置の詳細に限定されない。逆に、開示されている機器は、他の機器、その変形例、及び修正に配置又は組み込まれてもよく、また様々な方法で実施又は実行されてもよい。従って、本明細書に開示されている遠位端部材及びアクセスアセンブリの特徴の態様は本質的に例示的なものであり、その範囲又は応用を制限することを意味するものではない。また、別の説明がない限り、ここで用いられる用語及び表現は、読者の便宜を図って遠位端部材及びアクセスアセンブリの特徴の各態様を説明する目的で選択されており、その範囲を制限するためのものではない。また、理解されるべきであるように、遠位端部材及びアクセスアセンブリの任意の1つ又は複数の部材、それらの表現及び/又はそれらの例は、任意の1つ又は複数の他の部材、その表現及び/又はその例と組み合わせることができ、制限がない。
【0022】
図面を参照して術具用アクセスアセンブリの遠位端部材及びアクセスアセンブリを詳細に説明し、同一の符号は上記図面の各々に同一の素子又は対応する素子を表す。本明細書に使用されるように、用語「術具」とは、アクセスアセンブリ、例えば穿刺器具を介して被験者体内に導入することができるいずれかの外科術具を指し、本実用新案の非限定的な実施形態では、内視鏡であり、用語「遠」、「遠位側」とは、術具、アクセスアセンブリの部分又はそれらの部材が操作者(例えば医師)から遠い方向(例えば図面に示す下方)を指し、さらに、用語「遠位方向」は術具、特に内視鏡の挿入方向であり、用語「遠位端」は術具、特に内視鏡の操作者(例えば医師)から遠い一端であり、逆に、用語「近」、「近位側」とは、内視鏡、アクセスアセンブリの部分又はそれらの部材が操作者に近い方向(例えば図面に示す上方)を指し、さらに、用語「近位方向」は術具、特に内視鏡を引き出す方向であり、「近位端」は術具、特に内視鏡の操作者(例えば医師)に近い一端である。また、用語「内視鏡」は、一般的に、腹腔鏡、関節鏡、胃腸鏡、喉頭気管鏡等の小径切欠き又はカニューレ3を介して患者の体腔を観察するための任意の他の機器と交換可能に使用される。本明細書で使用されるように、用語「約」とは、数値が近似的であり、且つ小さな変化が本開示に開示されている態様の実施に著しい影響を与えないことを指す。数値で制限する場合、コンテキストが特に指定されない限り、「約」とは数値が±10%変化できることを指し、本開示の範囲内にある。
【0023】
図1に示すように、アクセスアセンブリ1は、管状本体3と、近位端でアクセスアセンブリ1と術具をシーリングするための近位端シーリング装置4と、遠位端でアクセスアセンブリ1をシーリングするための遠位端部材2と、アクセスアセンブリ1に流体を提供するための流体供給通路30と、を含む。本実施形態では、管状本体3は穿刺器具のカニューレとして設計され、近位端シーリング装置4は管状本体3の近位端に設置され、術具が近位端から挿入され、遠位端に押し付けられるときに、近位端シーリング装置4はアクセスアセンブリ1と術具をシーリングし、且つ遠位端部材2はW字型シーリング部材として設計され、該遠位端部材2は、管状本体3の内壁6の遠位端位置に取り付けられ、且つ、(
図7A~7Bに示す)術具10、特に内視鏡が通過すると、遠位端部材2がその側壁に当接して部分的に開いてシーリングを形成することで、術具10が作業するときに、特に手術視野を観察するときに患者の体腔とアクセスアセンブリ1のキャビティ22との隔離を維持するように配置される。
【0024】
管状本体3はアクセスアセンブリ1の中心軸線Z-Z’に沿って延伸するように配置され、且つ術具10を受け取ることに用いられ、且つその近位側に位置し、把持することに用いられ、近位端シーリング部材25と接合する基本的に円錐形の円錐部分と、その遠位側に位置する基本的に円筒状の円柱部分とを含む。
【0025】
本実施形態では、遠位端部材2は管状ハウジング7及び複数のシーリングフラップ9を含み、該管状ハウジング7はその近位端でアクセスアセンブリ1の遠位端に接続するように構成される。管状本体3の円柱部分の内壁6の内径は遠位端部材2の管状ハウジング7の外壁8の外径に対応し(例えば、実質的に等しい又はやや小さい)、それにより遠位端部材2と管状本体3との間に良好なシーリングを形成する。
【0026】
本実施形態では、遠位端部材2の4つのシーリングフラップ9は管状ハウジング7の遠位端に設置され、且つ開閉可能であり、アクセスアセンブリ1の遠位端を開いたり、特に一方向にシーリングしたりするように構成され、シーリングフラップ9のうちの少なくとも1つは、アクセスアセンブリの近位方向に流体15を噴出するためのノズル16と、流体を受け取るための流体入口と、流体入口とノズル16を流体連通するための遠位端部材流体通路34と、を含む。4つのシーリングフラップ9には、術具10の遠位端部18を拭き取るためのワイパー19が設けられる。好ましくは、遠位端部18は術具のレンズである。
【0027】
複数のシーリングフラップの閉状態及び/又はシーリングフラップが開いて術具の外壁とシーリングする状態で、複数のシーリングフラップは流体の通過を一方向に阻止する。遠位端部材2は、流体(例えば、人工気腹に用いられるCO
2)がアクセスアセンブリ1のキャビティ22においてアクセスアセンブリ1の外部(例えば患者の体腔)からアクセスアセンブリ1の(
図7A~7Bに示す)キャビティ22内に入ることを許可することができるが、流体がアクセスアセンブリ1の外部からアクセスアセンブリ1のキャビティ22に向く圧力差の作用によりアクセスアセンブリ1のキャビティ22から離れてアクセスアセンブリ1の外部、例えば患者の体腔に入ることを許可しない。
【0028】
近位端シーリング装置4は近位端シーリング部材25を含み、それによって術具10の外壁と付加的なシーリングを形成する。そのため、術具10が該近位端シーリング部材25を通過するときに術具10の外壁に密着する。
【0029】
管状本体3の内壁6、近位端シーリング部材25の遠位方向面、及び遠位端部材2の近位方向面は共同でアクセスアセンブリ1のキャビティ22を画定することで、アクセスアセンブリ1の近位側の外部空気及び遠位側の患者体腔から全体的に隔離された内部空間を形成する。さらに、人工気腹等の方式で、患者の体腔圧力をアクセスアセンブリ1のキャビティ22より高くすることができ、それによってアクセスアセンブリ1のキャビティ22内の物質が遠位端部材2を通過して患者の体腔に入ることを防止する。
【0030】
アクセスアセンブリ1は流体排出通路37を含み、それは真空吸引源(例えば、真空ポンプ、病院のインフラストラクチャとする真空源等)に接続するための真空吸引インタフェース27(流体排出通路37の出口27とも呼ばれる)と、真空吸引口28(流体排出通路37の入口28とも呼ばれる)と、真空吸引インタフェース27と真空吸引口28を流体連通する真空通路(流体排出通路37とも呼ばれる)と、を有する。真空吸引口28はアクセスアセンブリ1のキャビティ22の近位端に位置し、それによってキャビティ22から洗浄後の流体及び汚物を吸引し、アクセスアセンブリ1のキャビティ22内の洗浄流体及び汚物は真空吸引口28から真空通路に沿って真空吸引インタフェース27を経てアクセスアセンブリ1を離れ、その方向及び経路は
図7A又は7Bの点線矢印29により示される。本実施例で真空吸引口28は管状本体3内の相対的近位側の位置にあるが、その位置がこれに限定されず、つまり、それは管状本体3内の任意の適切な位置に設置することができる。理解すべきであるように、アクセスアセンブリ1及び術具10を使用して手術作業を行うときに、必要な術具10の作業角度、特に内視鏡の観察角度が異なるため(例えば直立、倒立、水平、斜め下、斜め上等の方向)、アクセスアセンブリ1は対応する必要な角度に設置することもできる。従って、洗浄流体及び汚物は、重力により、アクセスアセンブリのキャビティ22内の近位側又は遠位側に集まる可能性がある。この場合、真空吸引口は対応して管状本体3内の近位側又は遠位側に設置されてもよく、それによってキャビティ22内から流体及び汚物を吸引して除去する効果を促進させる。
【0031】
アクセスアセンブリ1は流体供給通路30を含み、近位端に流体を受け取るための流体注入口5が設けられ、遠位端には流体をアクセスアセンブリ1のキャビティ22内に排出するためのノズル16が設けられ、該流体供給通路30を介してアクセスアセンブリ1の外部から流体(例えば、ガス、液体又は気液二相混合物)を受け取り、流体をアクセスアセンブリ1のキャビティ22内に排出することで術具10の遠位端部18を洗浄することを許可する。流体供給通路30は流路に沿って複数の供給通路セグメントに分けられ、本実施形態では、好ましくは、互いに流体連通する4つの供給通路セグメントがあり、第1供給通路セグメント31は前記管状本体の近位端に設置され、第1供給通路セグメント31の下流に位置する第2供給通路セグメント32は管状本体3の円錐部分に設置され、第2供給通路セグメント32の下流に位置する第3供給通路セグメント33は管状本体3の円柱部分に設置され、そして、第3供給通路セグメント33の下流に位置する第4供給通路セグメント34(即ち、遠位端部材流体通路34)は遠位端部材2に設置され、本態様では、該第4供給通路セグメント34は、流体を入れるための入口と、術具10を洗浄するときに管腔内に洗浄流体を噴出するためのノズル16と、を有し、且つ遠位端部材2の中心軸線Z-Z’とシーリングフラップ9の関連リッジ13により画定された平面内に延伸する。
図2は本発明による遠位端部材2の非限定的な実施形態の側面平面斜視図を示す。図面に示すように、遠位端部材2はその近位側の管状ハウジング7と、その遠位側の4つのシーリングフラップ9と、を含み、管状ハウジング7はアクセスアセンブリ1の遠位端に接続するように構成され(
図1に示す)、管状ハウジング7の遠位端はシーリングフラップ9に隣接し、管状ハウジング7の近位端から遠位端部材2の中心軸線Z-Z’方向に沿って近位側へ2つの弾性シート、即ち、第1弾性シート23及び第2弾性シート24が設置される。第1弾性シート23はアクセスアセンブリの管状本体3の内壁6とともに第3供給通路セグメント33を形成する。第1弾性シート23は前記管状本体と共同で流体供給通路30の第3供給通路セグメント33を構成するように構成され、且つ第2弾性シート24は前記管状本体と共同で第2流体通路、特に二酸化炭素を腹腔に流すための第2流体通路を構成するように構成される。
【0032】
4つのシーリングフラップ9のうちの各々は全体的に尾根状であり、その円周方向における中部が近位方向へ突起し、それによってシーリングフラップ9の中部が高くて両側が低く、外側が高くて内側が低い「尾根状」を構成し、シーリングフラップ9は管状ハウジングの径方向に沿って延伸するリッジ13と、前記リッジの径方向両側の第1面11及び第2面12とを、それぞれ含み、前記ノズルはシーリングフラップ9のリッジの1つに設置され、本実施形態では、第1面11及び第2面12は、平面として設計されるが、曲面又は平面と曲面の組み合わせとして設計されてもよい。
【0033】
図2~
図5に示すように、シーリングフラップ9はそれぞれ2本の径方向エッジ35及び1本の円周方向エッジ36を有する。シーリングフラップ9の径方向エッジ35に沿って、術具の遠位端部18上の液体又は組織を拭き取るためのワイパー19がさらに設けられ、該ワイパー19はボス20及びスクレーパ21を含み、ボス20はシーリングフラップ9から近位側へ突起し、且つシーリングフラップ9の径方向エッジ35に沿って延伸し、該スクレーパ21はボス20から近位側へ突起し、且つボス20の径方向内部に延伸する。
【0034】
遠位端部材2の中心軸線Z-Z’から離れてシーリングフラップ9にノズル16が設けられ、該ノズル16の中心点と遠位端部材2の中心軸線Z-Z’との径方向における距離は、管状ハウジング7の外径の四分の一より大きい。特に(水滴が術具の遠位端部に残りにくい)限界状態で、ノズル16の中心点と遠位端部材2の中心軸線Z-Z’との径方向における距離は管状ハウジング7の外径の四分の一に等しくてもよい。
【0035】
図3は本発明の実施形態による
図2の(リッジ13と重なる)A-A線に沿って遠位端部材2を断面にした断面図を示し、該図面からさらに明らかなように、遠位端部材流体通路34は遠位端部材2の中心軸線Z-Z’から離れてシーリングフラップ9のリッジ13に設置され、且つ前記遠位端部材2の中心軸線Z-Z’と前記リッジ13により画定された面内に延伸する。
【0036】
図4は
図3の点線丸枠で示される遠位端部材2の詳細図を示し、第3供給通路セグメント33の遠位端は第4供給通路セグメント34(即ち、遠位端部材2の流体通路34)と連通し、第3供給通路セグメント33の長さは約100mmであり、遠位端部材流体通路34のノズル16はアクセスアセンブリ1の近位方向へ流体を方向付けて噴出するように設置され、ノズルの噴出方向は遠位端部材2の縦方向軸線に対して角度αをなし、角度αの値は約60°以下であり、好ましくは、角度αの値は約15°以下である(αは0°ではなく、且つαは15°を含む)。角度αの値が60°より大きい場合、内視鏡のレンズがノズル16とは反対すると、噴出された流体がレンズに噴出することができない。角度αの値が15°以下である場合、噴出された流体はアクセスアセンブリの管状本体の任意の軸方向における回転位置に到達することができ、且つ術具10の遠位端部18における任意の位置の洗浄を実現し、角度αの値が15°に等しい場合、即ち、ノズル16から噴出された流体が正に流体排出通路37の入口28に向く。
【0037】
図4に示すように、前記ノズルの近位側エッジと前記遠位端部材のベースとの距離D1は、前記ワイパーの近位側エッジと前記遠位端部材のベースとの距離D2より大きい。遠位端部材のベースは、遠位端部材2の最も遠位側の点がある、遠位端部材の縦方向軸線に垂直な平面である。ノズル16の近位側エッジ38は、図面の平面においてスクレーパ21の近位側エッジより高く、言い換えれば、ノズル16の近位側エッジ38はスクレーパ21の近位側エッジ39よりも近位側に位置し、それによって負圧でノズル16はスクレーパよりも先に術具の遠位端部と接触する。術具10の遠位端部18が近位方向へ遠位端部材2から縮む過程で、シーリングフラップ9は最初に開いた状態にあり、このときの負圧の作用により、腹腔内のガスが隙間を通ってアクセスアセンブリの管状本体3内に流れ、術具10の遠位端部18上の水が気流により除去される。術具10の遠位端部18上の水が多い場合、負圧の吸引作用はすべての水を除去できず、それにより、水滴が術具10の遠位端部18に残ることになる。
図4においてスクレーパ21の近位側エッジ39よりもノズル16の近位側エッジ38を高くすることによって、遠位端部18は術具10が遠位側へ移動するときに、まず、ノズル16を塞ぎ、その後、スクレーパ21と接触し、それにより術具10の遠位端部18に噴出される水量を減少させ、従って、負圧による吸引によって除去される必要がある水が少なくなり、このように、水滴が術具10の遠位端部18に残りにくく、水滴除去の効果がより良くなる。
【0038】
ノズル16の遠位端部材2の中心軸線Z-Z’から離れる内側エッジと管状ハウジング7の外側壁又はアクセスアセンブリの管状本体3の内壁6との距離Bはノズル16の内径Aより大きく、それにより、ノズル16から噴出されたジェットが噴出状態ではなく、アクセスアセンブリの管状本体3の内壁6に沿って流れるというコアンダ効果の発生を良好に回避することができ、この現象の発生により、噴出流が術具10の遠位端部18に有利に噴出できなくなり、それにより洗浄効果に悪影響を与える。
【0039】
図5は
図2の遠位端部材2の平面図を示し、該図面から明らかなように、4つのシーリングフラップ9は中心軸線に対して対称に分布し、且つリッジ13の径方向両側の(図示しない)面11、12も対称に設置され、遠位端部材流体通路34のノズル16は正にリッジ13に設置され、且つその中心と遠位端部材2の中心軸線Z-Z’との径方向における距離は、管状ハウジング7の外径の四分の一より著しく大きい。
【0040】
図6A~6Bは
図2のB-B線に沿って遠位端部材2を断面にした2つの異なる実施形態の断面図を示し、B-B線はシーリングフラップ9の径方向エッジ35に対応し、この2つの実施形態の相違点は、径方向エッジ35と遠位端部材2の中心軸線Z-Z’がなす角度β、β’が異なることであり、
図6Aに示す本発明の実施形態の角度βは
図6Bに示す別の実施形態の角度β’より小さい。より良い洗浄効果を取得するために、通常、大きな洗浄力を必要とし、従って、シーリングフラップ9は大きな(アクセスアセンブリの真空吸引源から提供された)負圧に耐えることができるべきであり、より小さな角度βを選択すると、
図6Aの本発明による遠位端部材2は
図6Bの別の実施形態の遠位端部材2よりも大きい負圧に耐えるが、
図6Aにおいて、術具10がシーリングフラップ9を通過するときに、負圧で術具10の遠位端部18と接触することを確保するために、対応するワイパー19はそれに対応して
図6Bの実施形態よりも高く設計する必要もある。
【0041】
図7A~7Bはクリーニング過程で異なる実施形態の遠位端部材2を有するアクセスアセンブリ1の側向断面図である。例として、手術中に、術具10の遠位端部18が患者の体腔内の煙、凝集物、組織、血液、又は他の体液等により覆われて手術の視野に影響を与える場合、本願によるアクセスアセンブリ1を使用することによって、術具10の全体をアクセスアセンブリ1から取り出すことなく、術中洗浄の過程を行うことができる。洗浄中に、まず、術具10の遠位端部18を近位方向へアクセスアセンブリ1のキャビティ22内に縮め、該キャビティ22は管状本体3、近位端シーリング部材25及び遠位端部材2が互いにシーリングすることで構成される。
図7Aに示すように、流体15は遠位端部材2のノズル16から噴出され、角度αの値は15°より小さく、噴出された流体はアクセスアセンブリ1の流体排出通路37の入口28から遠位端部材2までの管状本体セグメント全体に効果的に到達することができ、長さは約100mmであり、それにより該管状本体セグメントのキャビティ22内における任意の位置及び角度の洗浄を実現する。ノズル16が角度α’で方向付けられる場合、
図7Bに示すように、本実施形態では、角度α’の値は15°であり、ノズル16から噴出された流体15は流体排出通路の入口28に向き、角度αの値が0~15°(αは0°ではなく、αは15°を含む)である場合、噴出された流体はアクセスアセンブリの管状本体のキャビティ22内における任意の位置に到達して洗浄することができる。角度αが15°より大きい且つ60°より小さい場合、噴出流体が管状本体に噴出された位置は流体排出通路の入口28より低く、術具10の遠位端部18の該管状本体セグメントのキャビティ22内における任意の位置及び角度の洗浄を実現できないが、術具10の遠位端部18を遠位端へ適切に移動させるだけで、洗浄を実現することができる。
【0042】
図8A~8Bは第1弾性シート23が第1状態及び第2状態にあるアクセスアセンブリ1の平面図であり、第3供給通路セグメント33は管状本体の円柱部分、弾性シート23及び選択的なシーリング体により囲まれ、第1弾性シート23は、第1状態で管状本体3の中心軸線Z-Z’に対して径方向に外向きに屈曲し、且つ第2状態で少なくとも部分的に管状本体3の中心軸線Z-Z’に近接して径方向に外向きに屈曲するように配置されてもよい。
【0043】
該第3供給通路セグメント33は、キャビティ22内の圧力と第3供給通路セグメント33内の圧力との圧力差により、第1状態から第2状態に変化することができ、アクセスアセンブリ1のキャビティ22内の圧力が第3供給通路セグメント33内の圧力以上である場合、弾性シート23は第1状態にあり、且つアクセスアセンブリ1のキャビティ22内の圧力が第3供給通路セグメント33内の圧力より低い場合、弾性シート23は第2状態にある。
【0044】
術具10を洗浄しようとするときに、真空吸引装置をアクセスアセンブリ1の真空吸引インタフェース27に接続し、負圧によりアクセスアセンブリ1のキャビティ22に対する吸引を形成し、流体源を流体注入口5に接続し、加圧された流体が第3供給通路セグメント33内に流れ、これにより第3供給通路セグメント33内の圧力はアクセスアセンブリ1のキャビティ22内の圧力より大きく、該圧力差により、第3供給通路セグメント33の弾性シート23は
図8Aに示す第1状態から
図8Bに示す第2状態に変形し、即ち、管状本体3の縦方向軸線Z-Z’に対して径方向に外向きに屈曲することから、
図8Bに示す管状本体3の縦方向軸線Z-Z’に対して径方向に内向きに屈曲することに変形し、それによりアクセスアセンブリ1の縦方向軸線Z-Z’に垂直な第3供給通路セグメント33の断面(
図8Bに示す)の断面積を大きくし、第3供給通路セグメント33の断面積が大きくなるため、流体が第3供給通路セグメント33を通過する抵抗は小さくなる。流体源の圧力が変化しない場合、流体の流速を増加させ、それにより術具10の遠位端に対する流体の洗浄力を強くする、又はCO
2などのガスを患者の体腔に排出する速度を増加させる。
【0045】
代替的に、流体の流速が変化しない場合、抵抗が小さくなるため、流体源の加圧に対する要件を低減させることができる。この場合、生理食塩水の点滴ボトル等の手術室の一般的な機器を流体源として使用することができ、ポンプ等のさらなる圧力源を提供する必要がない。弾性シート23及び/又は弾性シート24は弾性率が管状本体3より低い医療レベル材料、例えば医療用シリカゲル材料で製造することができ、それによって、低い上記圧力差で変形し、管状本体3の形状に顕著な影響を与えない。