IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リテルフューズ、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-スロープ検出に基づく過電流保護 図1
  • 特開-スロープ検出に基づく過電流保護 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159606
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】スロープ検出に基づく過電流保護
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241031BHJP
   H02H 3/087 20060101ALI20241031BHJP
   H02H 3/44 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 P
H02H3/087
H02H3/44 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068681
(22)【出願日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】63/462,780
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス、セザール
(72)【発明者】
【氏名】ゴルボビッチ、ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ガンブザ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ザトーレ、ギレルモ
【テーマコード(参考)】
5G004
5G503
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004BA03
5G004DA05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA17
5G503GD04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スロープ検出に基づく過電流保護を含む固体バッテリ切断及び保護回路を提供する。
【解決手段】固体バッテリ切断及び保護システム100において、適応制御回路108は、電気車両の電気バッテリ102及びDCリンクキャパシタ106の間で結合されている高電圧スイッチ116及び制御ブロック124を備える。制御ブロック124は、高電圧双方向スイッチ128への接続経路144の電流変化率及び電流値をモニタリングし、電流変化率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、かつ、前記値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、第1の予め定められた閾値又は第2の予め定められた閾値を超過した場合に、過電流不良が存在すると判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体バッテリ切断及び保護システムにおける使用のための制御回路であって、前記制御回路は:
電気車両の電気バッテリ及びDCリンクキャパシタの間で結合されている高電圧スイッチ、ここで前記電気車両は前記電気バッテリによって電力を供給される;及び
電流経路の上の電流の変化率及び値をモニタリングし;
前記電流の前記変化率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記電流の前記値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し;
前記第1の予め定められた閾値又は前記第2の予め定められた閾値を超過した場合に過電流不良が存在すると判定する
ように動作可能な制御ブロック
を備える、制御回路。
【請求項2】
前記制御ブロックは、前記過電流不良が判定された場合、前記高電圧スイッチを開くように更に動作可能である、請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記制御ブロックは、前記過電流不良に続いて前記高電圧スイッチをリセットするように更に動作可能である、請求項1に記載の制御回路。
【請求項4】
前記制御ブロックが電流測定回路を更に有し、前記電流測定回路は、前記電流の前記値を判定するように動作可能である過電流検出器、及び前記電流の前記変化率を判定するように動作可能であるスロープ検出器を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項5】
前記変化率は増加率を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項6】
固体バッテリ切断及び保護システムにおける使用のための制御回路であって、前記制御回路は:
電気車両の電気バッテリ及びDCリンクキャパシタの間で結合されている高電圧スイッチ、ここで前記電気車両は前記電気バッテリによって電力を供給される;及び
スイッチへの接続の上の電流の変化率及び値をモニタリングし;
前記電流の前記変化率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記電流の前記値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し;
前記第1の予め定められた閾値又は前記第2の予め定められた閾値を超過した場合に過電流不良が存在すると判定する
ように動作可能な制御ブロック
を備える、制御回路。
【請求項7】
前記制御ブロックは、前記過電流不良が判定された場合、前記高電圧スイッチを開くように更に動作可能である、請求項6に記載の制御回路。
【請求項8】
前記制御ブロックは、前記過電流不良に続いて前記スイッチをリセットするように更に動作可能である、請求項6に記載の制御回路。
【請求項9】
前記制御ブロックが電流測定回路を更に有し、前記電流測定回路は、前記電流の前記値を判定するように動作可能である過電流検出器、及び前記電流の前記変化率を判定するように動作可能であるスロープ検出器を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項10】
前記制御ブロックは、前記過電流不良が判定された場合、前記高電圧スイッチを開くように動作可能であるロジック及びゲートドライブを更に有する、請求項9に記載の制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、スロープ検出に基づく過電流保護を含む固体バッテリ切断及び保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
充電可能EVバッテリなどの充電可能素子を保護する電気回路は周知である。しかしながら、そのような充電可能素子は、動作電圧が安全限界を超過した場合、危険であり得る。過電流保護デバイスは、電流上昇が中断される前に、可能な最大電流に耐えるように設計されている。電流が大きいほど、設計はより難しい。過電流検出のための現在の手法は、レベル検出に基づいており、すなわち、電流は、デバイスが過電流を検出し電流上昇を中断するために動作する前に特定の値に達しなければならない。したがって、最大電流は、デバイスが動作のシーケンスを完了して電流を軽減する前に、潜在的に高くなり得る。
【0003】
本改善は、これら及び他の考慮事項に関して有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
この発明の概要は、下記の発明を実施するための形態で更に説明される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供されている。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な又は不可欠な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する助けとなることを意図するものでもない。
【0005】
ある手法において、固体バッテリ切断及び保護システムにおける使用のための制御回路は、電気車両の電気バッテリ及びDCリンクキャパシタの間で結合されている高電圧スイッチ、ここで前記電気車両は前記電気バッテリによって電力を供給される、及び制御ブロックを備え得る。前記制御ブロックは、電流経路の上の電流の変化率及び値をモニタリングし、前記電流の前記変化率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記電流の前記値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記第1の又は第2の予め定められた閾値を超過した場合に過電流不良が存在すると判定するように動作可能であり得る。
【0006】
別の手法において、固体バッテリ切断及び保護システムにおける使用のための制御回路は、電気車両の電気バッテリ及びDCリンクキャパシタの間で結合されている高電圧スイッチ、ここで前記電気車両は前記電気バッテリによって電力を供給される、を備え得る。
【0007】
前記制御回路は、スイッチへの接続の上の電流の変化率及び値をモニタリングし、前記電流の前記増加率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記電流の前記値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定し、前記第1の又は第2の予め定められた閾値を超過した場合に過電流不良が存在すると判定するように動作可能な制御ブロックを更に備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は、その原理の実際的な応用のためにこれまでに考案された、開示される実施形態の例示的な手法を示す。
【0009】
図1】例示的な実施形態による、電気車両システムにおける使用のための制御回路を示す図である。
【0010】
図2】例示的な実施形態による、図1の制御回路の動作原理を示す図である。
【0011】
図面は必ずしも縮尺どおりではない。図面は単なる表示であり、本開示の特定のパラメータを表現することは意図されていない。図面は、本開示の例示的な実施形態を示すことが意図され、したがって、範囲の限定とみなされるべきではない。図面において、同様の参照符号は同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、添付図面を参照して次の段階に進むことになるが、そこでは、様々な手法が示されている。しかしながら、再利用可能スナップインフィッティングは、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される手法に限定されると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。むしろ、これらの手法は、この開示が十分且つ完全であり、当業者に本開示の範囲を十全に伝えるように提供されている。
【0013】
本明細書の実施形態は、過剰電流スロープ(di/dt)に基づく過電流イベントの早期検出のための方法を対象とする。過剰電流スロープは、イベントの始まりからしばしば存在し、したがって後続の不良のより速い検出を可能にする。
【0014】
上記で述べたように、現行技術水準の過電流検出は、レベル検出に基づいており、それによって実際の電流レベルが規定された閾値と比較される。この閾値を超過した場合、過電流「フラグ(flag)」が生成され、デバイスは、電流上昇が中断されるまで動作のシーケンスを経る。しかしながら、特定の遅延tdelayが、電流レベルが閾値を超過する時点及び電流上昇が中断される時点の間に存在する。より具体的には、tdelayは過電流にフラグ付けする時間(センサ+通信)、計算しゲートドライバに通信する時間、ゲートドライバが半導体の制御電圧に作用するための時間、及び電流上昇を中断する半導体の時間によって定義される。この時間の最中、短絡回路電流が、特定のスロープdi/dtで上昇し続け、これは、車両バッテリ電圧、及びバッテリインダクタンス及び短絡位置までのインターコネクトインダクタンスによって合成されるシステムインダクタンスによって定義され、すなわちdi/dt=Vbatt/Lである。達成されたピーク電流Ipeak=Vbatt/L*tdelayが半導体デバイスに関する絶対最大電流を超過した場合、それは永続的な損傷を受け得る。
【0015】
delayを低減する方法は、スロープ(di/dt)検出器を使用して閾値を超過したスロープを検出し、「スロープフラグ(slope flag)」を生成することである。スロープ検出器は、di/dtを計算するために、アナログ回路又はADC及びデジタル機能を使用して実装され得る。アナログ実装は、マイクロプロセッサが必要ないので、最も速い応答を提供し得る。いくつかの実施形態において、スロープ検出及びレベル検出の組み合わせがよりロバストな応答のために使用されて、誤トリガを回避し得る。いくつかの実施形態において、スロープ閾値は工場プログラミング済みであり得る。代替的に、スロープ閾値は、通常の動作において、すなわち、PWM変調が使用される場合のプリチャージモード中に、自動的に算出され得る。
【0016】
図1は、例示的な実施形態による固体バッテリ切断及び保護システム100における電流スロープ検出を提供するための適応制御回路108の代表図である。固体バッテリ切断及び保護システム100は、電気車両(electric vehicle:EV)バッテリ102、負荷104、及びDCリンクキャパシタ106からなり、適応制御回路108がEVバッテリ102及び負荷104の間に配設されている。原理的には、負荷104は電気車両のEVモータであるが、負荷は、例えば空調コンプレッサ、窓有効化モータ(window enabling motors)などの電気車両内の他の電力を供給される構成要素も含む。車両における各サブユニットは、個別のキャパシタ、及びサブユニットの数が未知の状態で、入力容量を有し得る。個別のキャパシタの合計は、DCリンク容量(CDC)であり、DCリンクキャパシタ106によって表される。
【0017】
適応制御回路108は、高電圧双方向性スイッチ回路116、又は略して高電圧スイッチ116、及び制御ブロック124を有する固体バッテリ切断及び保護回路であり得る。固体バッテリ切断及び保護回路は、電流センサに結合されているマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを使用して、波形をサンプリングし、任意の過電流シナリオを検出する。固体バッテリ切断及び保護回路は、従来の回路ブレーカに対して非常に速い応答時間を有する。適応制御回路108の高電圧スイッチ116は、オンになる(閉じる)又はオフになる(開く)ことで、EVバッテリ102及び負荷104の間の電流の流れを制御(有効化又は阻止)する。1つの非限定的な実施形態において、制御ブロック124はPWM信号126を高電圧スイッチ116に対して発行して、PWM信号のデューティサイクルに基づく比でその中のスイッチ128をオン及びオフにする。オン/オフレート又は時間毎のスイッチングイベントの数は、PWMスイッチング周波数によって規定される。デューティサイクルは、オン時間及びスイッチング期間の間の比を規定する。
【0018】
EVバッテリ102の電圧Vbatt、及びDCリンクキャパシタ106の電圧Voutが示されている。例示的な実施形態において、適応制御回路108は、DCリンクキャパシタ106を、その電圧がEVバッテリ102の電圧に近くなるまで、低速充電することを可能にするように設計され得る。Vout及びVbattの間の予め規定された差Vdiffに達すると、高電圧スイッチ116がオンになって(閉じて)、電流がEVバッテリ102及び負荷104の間を自由に流れることを可能にする。このようにして、EVバッテリ102は負荷に安全に電力を供給できる。数学的に述べると、Vbatt-Vout≦Vdiffとなると、電気車両がオフにされるまでスイッチが閉じたままになる。
【0019】
制御ブロック124は、マイクロプロセッサ130及び1つ又は複数のアナログデジタル変換器(analog-to-digital converter:ADC)132を更に含み得る。他の実施形態において、制御ブロック124は均等な集積回路であり得る。ADC132は、バッテリ電圧Vbatt及び出力電圧Voutを測定するように動作可能である。計算がなされ得る前に、マイクロプロセッサ130は、バッテリ電圧Vbatt及び出力電圧Voutの測定値又はデジタル表現を提示される。ADC132は、電圧を測定し、それらをデジタル値に変換する。ADC132は、電流129も測定し得る。マイクロプロセッサ130は、次にこれらの結果を読み出し、電圧差Vdiffを計算し得る。更に、マイクロプロセッサ132は、スイッチ128をオン及びオフにするPWMパターンを生成する。
【0020】
制御ブロック124は、過電流(overcurnt:OC)検出器127及びスロープ検出器133を含む電流測定回路125を更に有し得る。例示的な実施形態において、適応制御回路108のロジック121及びゲートドライブ122は、PWM信号126の高電圧スイッチ116への発行を生じさせる。PWM信号126は、高電圧スイッチ128がオン又はオフにされることを可能にし、ひいてはEVバッテリ102及びDCリンクキャパシタ106の間の電流の流れを有効化するか、又はそれを阻止する。制御ブロック124のロジック121及びゲートドライブ122は、制御インターフェース136に接続されていてよく、これは有線又は無線接続であってよい。
【0021】
例示的な実施形態において、電流測定回路125のOC検出器127は、電流が閾値に達した場合にロジック121及びゲートドライブ122へとロジック信号が発行されるように、予め規定された閾値を有するホール効果センサを含み得る。ホールセンサを使用することに対する代替として、いくつかの実施形態において、OC検出器127は代替的に又は更に、過電流を検知するためのシャント抵抗を使用し得る。代替的な実施形態において、実質的にあらゆる電流センサタイプが使用され得ることが理解されるであろう。
【0022】
いくつかの実施形態において、適応制御回路108は、電流制限機能を含んでもよく、ここで円138は測定されるワイヤ/接続/経路144を示す。流れている電流によって生成される磁束は、ホール効果を介して電圧へ変換される。電圧は、過電流を示す閾値電圧を表す、センサにおける基準と比較される。過電流が生じた場合、単一のロジック信号が生成され、ロジック121及びゲートドライブ122へ送信される。例示的な実施形態において、これはマイクロ秒の時間枠内で起こる。
【0023】
電流が特定の限界を超過した場合、電流制限機能がトリガされ、適応制御回路108がバッテリ及び負荷を切断する(及び充電を停止する)。電流制限機能なしでは、電流は制限なく上昇し、構成要素及びインターコネクトが応力を受けるか、又は損傷することになる。
【0024】
例示的な実施形態において、高電圧スイッチ116のスイッチ128は、固体スイッチングデバイス、例えば、絶縁ゲートバイポーラ接合トランジスタ(insulated gate bipolar junction transistor:IGBT)、半導体、例えば、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor:MOSFET)、サイリスタ、シリコン制御整流器(silicon-controlled rectifier:SCR)、交流用三極管(triode for alternating current:TRIAC)、又は任意の他の好適な高電力制御固体デバイスであり得る。スイッチ128は、EVバッテリ102を車両の高電圧車載システムに対して接続又は切断する。例示的な実施形態において、スイッチ128は双方向性であって、EVバッテリ102が車両(負荷104)に給電することを可能にし、充電器がバッテリに給電することを可能にする。いくつかの実施形態において、スイッチ128は制御ブロック124から来るPWM信号によって制御され得る。
【0025】
電流測定回路125のスロープ検出器133は、過剰電流スロープ(di/dt)に基づく過電流イベントの早期検出のために使用され得る。換言すれば、電流の増加率は、最小過電流閾値レベルが達成される前にフラグ付けされ得る。過剰スロープは、イベントの始まりからしばしば存在するので、過剰スロープのより早い認識は、不良のより速い検出をもたらす。様々な実施形態において、スロープ検出器133は、di/dtを計算するために、アナログ回路又はADC132及びデジタル機能を使用して実装され得る。
【0026】
電流スロープ(di/dt=Vbatt/L)を判定するための下記の非限定的な例を検討する。VBatt=1kV及びL=1uH。したがってdi/dt=1kA/usである。動作電流を超える電流閾値(すなわち、500Aの動作電流に関して1kAの閾値)を設定して、ノイズによって生じる誤トリガを回避することが通常である。1kAの閾値を設定し、またtdelay=1.2us+0.2us+0.5us+0.3us=2.2usである。Imax=1kA+2.2us×1kA/us=3.2kA。1usで過剰di/dtにフラグ付けするdi/dt検出器を有するとすると、Imax=(1us+0.2us+0.5us+0.3us)×1kA/us=2kAである。1つの方法において、特定のVbatt/L要件を有するシステムアプリケーションを有することは、半導体に関する絶対最大電流においておよそ60%の低減された要件という結果になり、これはより優れたコスト最適化をもたらす。更に、特定の絶対最大電流が定格の固定半導体デバイスを有するので、それはより高いバッテリ電圧及び/又はより小さなインダクタンスを有するシステムにおいて使用され得る。
【0027】
図2は、レベル閾値対スロープ検出器を表し、図1の適応制御回路108の動作原理を代表する。ここで、電流測定回路は電流の変化率及び電流の値をモニタリングするように動作可能である。電流は、電流の変化率が第1の予め定められた閾値を超過するか否かを判定するために、及び電流の値が第2の予め定められた閾値を超過するか否かを判定するためにモニタリングされる。第2の予め定められた閾値は、特定の電流値であり得る。示されるように、過電流不良は、第1の又は第2の予め定められた閾値を超過した場合において存在し得る。つまり、di/dtが特定の値を超過した場合、デバイスは、動作のシーケンスを開始し得、その後、電流上昇が中断される。第1の予め定められた閾値は、第2の予め定められた閾値がトリガされる前にトリガされ得ることに留意されたい。しかしながら、電流が徐々に増加する他の場合において、第1の予め定められた閾値はトリガされない場合がある。
【0028】
いくつかの実施形態において、過電流保護回路はリセット可能である。つまり、回路保護がトリガされた場合、システムは、特定の時間の後に再び、過電流状況が維持されているかどうか、又はそれが何らかの他の一時的な効果のノイズによって生じていたのかどうかを検証しようとし得る。再接続の際に、同様の方法(例えば、di/dt)が、過電流イベントが維持されているかどうか判定するための基準として使用され得る。
【0029】
上記の論述は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、本開示を本明細書に開示された1つの形態又は複数の形態に限定することは意図されていない。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ又は複数の態様、実施形態、又は構成において共にグループ化され得る。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、又は構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、又は構成において組み合わされ得ることが理解されるべきである。更に、下記の特許請求の範囲は、この参照によってこの発明を実施するための形態へと組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。
【0030】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という単語で始まる要素又はステップは、そのような除外が明示的に記載されていない限り、複数の要素又はステップを除外しないものとして理解されるべきである。更に、本開示の「1つの実施形態(one embodiment)」の参照は、記載された特徴をも組み込む追加の実施形態の存在を除外するものと解釈されることは意図されていない。
【0031】
「備える/有する/含む(including)」、「備える/有する/含む(comprising)」、又は「備える/有する/含む(having)」、及びそれらの変化形を本明細書において使用することは、それらの後に列挙された項目及びその均等物並びに追加の項目を包含することを意味している。したがって、「備える/有する/含む(including)」、「備える/有する/含む(comprising)」、又は「備える/有する/含む(having)」という用語及びそれらの変化形は、オープンエンド表現であり、本明細書において交換可能に使用することができる。
【0032】
本開示は、本明細書において説明される特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。実際、本明細書に説明したものに加えて、本開示の様々な他の実施形態及び修正が、上記の説明及び添付図面から当業者には明らかであろう。したがって、そのような他の実施形態及び修正は、本開示の範囲内にあることが意図されている。更に、本開示は、特定の目的のために特定の環境における特定の実装形態の文脈において本明細書で説明されてきた。当業者は、有用性がそれに限定されないこと、及び本開示が任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実装され得ることを認識するであろう。したがって、下記に記載される特許請求の範囲は、本明細書で説明されるような本開示の全容及び趣旨を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2
【外国語明細書】