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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159638
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/08 20060101AFI20241031BHJP
   G06F 1/06 20060101ALI20241031BHJP
   G06F 1/324 20190101ALI20241031BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06F1/08 510
G06F1/06 520
G06F1/324
G06F1/04 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070997
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】18/303,020
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆生
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011DB02
5B011DC01
5B011EA10
5B011LL13
5B011MB07
(57)【要約】
【課題】消費電力の低減を図ることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、指定された周波数のクロック信号を出力する周波数出力回路31_CPと、所定の機能を実現する回路ブロックと、クロック信号に従って、回路ブロックのスタンバイモードを制御するスタンバイコントローラ31_MVとを備える。ここで、スタンバイコントローラ31_MVは、スタンバイモードの制御に対応したステート情報を出力する制御回路と、ステート情報に従って、周波数出力回路から出力するクロック信号の周波数を指定する周波数制御信号と、回路ブロックの状態遷移の時間を指定するカウント情報を出力する周波数選択回路とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された周波数のクロック信号を出力する周波数出力回路と、
所定の機能を実現する回路ブロックと、
前記クロック信号に従って、前記回路ブロックのスタンバイモードを制御するスタンバイコントローラと、
を備え、
前記スタンバイコントローラは、
前記スタンバイモードの制御に対応したステート情報を出力する制御回路と、
前記ステート情報に従って、前記周波数出力回路から出力する前記クロック信号の周波数を指定する周波数制御信号と、前記回路ブロックの状態遷移の時間を指定するカウント情報とを出力する周波数選択回路と、
を備える、
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記カウント情報は、前記周波数制御信号によって指定された周波数のクロック信号の数を表し、
前記スタンバイコントローラは、前記回路ブロックの状態を、前記カウント情報によって指定された時間後に、所定の状態から他の状態に遷移させる制御信号を、前記回路ブロックへ出力する、
半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記回路ブロックは、プログラムに従って動作するプロセッサの電源電圧を生成する電圧レギュレータを含む、
半導体装置。
【請求項4】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記スタンバイコントローラは、さらに、
ステート情報と、ステート情報に対応した周波数を指定する周波数情報と、ステート情報に対応した状態遷移の時間を指定するカウント値情報とを保持したテーブルを備え、
前記周波数選択回路は、前記制御回路から出力されたステート情報を基にして、前記テーブルを検索し、前記制御回路から出力されたステート情報に従った周波数制御信号とカウント情報とを出力する、
半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記半導体装置は、前記テーブルに登録される、ステート情報、周波数情報およびカウント値情報を保持した記憶回路を備える、
半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記記憶回路は、不揮発性メモリと、レジスタと、前記不揮発性メモリおよび前記レジスタと前記テーブルとの間に接続されたセレクタとを備え、
前記不揮発性メモリまたは前記レジスタに保持されているステート情報、周波数情報およびカウント値情報が、前記テーブルに保持される、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に低消費電力化を図るためのスタンバイモードを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等に搭載され、自動車の種々の部分を制御する半導体装置が知られている。この場合、半導体装置の消費電力を低減するために、例えば自動車のエンジンが停止している期間(エンジン停止期間)では、半導体装置をスタンバイモードに遷移させることが行われる。しかしながら、エンジン停止期間の間、半導体装置を常時スタンバイモードにしていると、例えば運転者によるエンジンの起動操作等を、半導体装置で検出することが困難となる。そのため、エンジン停止期間においても、一定時間毎に、半導体装置をスタンバイモードから復帰させ、検出等の処理が終了したら再びスタンバイモードに遷移させることが行われる。すなわち、エンジン停止期間においても、半導体装置は、スタンバイモードへの遷移と復帰(スタンバイモード遷移/復帰)とが繰り返し行われ、間欠的に動作していることになる。そのため、半導体装置の消費電力を低減するためには、間欠動作中の平均電流を小さくすることが重要となる。
【0003】
プロセッサの起動時の消費電流を小さくする技術は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1では、プロセッサ(マイクロコンピュータ)を動作させるクロック信号を発生する発振器として、複数の発振器を設け、起動時に消費電流の小さな発振器を用いることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-231280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、半導体装置の起動時およびスタンバイモード遷移/復帰時の制御に用いるクロック信号として、低い周波数のクロック信号を用いることで、半導体装置のコストおよび消費電力の低減が可能となると考えた。
【0006】
しかしながら、更に本発明者が検討したところ、制御に用いるクロック信号の周波数を低くすると、起動に掛かる期間、スタンバイモードへの遷移に掛かる遷移期間およびスタンバイモードからの復帰に掛かる復帰期間が長くなることを見出した。その結果、例えば間欠動作中の平均電流も大きくなることが懸念されることが判明した。さらに、スタンバイモード遷移/復帰に関する制御は、ますます複雑化しているため、この制御に要する時間も長くなり、これによっても遷移期間および復帰期間が長くなる傾向である。その結果、間欠動作中の平均電流はさらに大きくなることが懸念される。
【0007】
さらに、本発明者が、検討したところ、スタンバイモード遷移/復帰時の制御においては、多種類の信号が用いられるが、制御に用いるクロック信号の周波数が低くなると、適切な信号を生成することが難しくなることがあることが判明した。これについては、後で図面を用いて説明するので、ここでは詳細は省略する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち、一実施の形態に係る半導体装置は、指定された周波数のクロック信号を出力する周波数出力回路と、所定の機能を実現する回路ブロックと、クロック信号に従って、回路ブロックのスタンバイモードを制御するスタンバイコントローラとを備える。ここで、スタンバイコントローラは、スタンバイモードの制御に対応したステート情報を出力する制御回路と、ステート情報に従って、周波数出力回路から出力するクロック信号の周波数を指定する周波数制御信号と、回路ブロックの状態遷移の時間を指定するカウント情報を出力する周波数選択回路とを備える。
【0010】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0011】
一実施の形態によれば、消費電力の低減を図ることが可能な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係るスタンバイ制御部を説明するための図である。
図3図3は、実施の形態1に係るスタンバイ制御部の動作を示すフローチャート図である。
図4図4は、実施の形態1に係るテーブルに登録されている情報を説明するための図である。
図5図5は、実施の形態1に係るステートマシン回路が出力する制御信号の状態の変化を説明するための図である。
図6図6は、実施の形態1に係る遷移期間および復帰期間を説明するための図である。
図7図7(A)~図7(C)は、実施の形態1に係る半導体装置の動作を説明するための図である。
図8図8は、実施の形態1に係る周波数出力回路の構成を示す回路図である。
図9図9は、実施の形態2に係るスタンバイ制御部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するためのすべての図において、同一部分には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
以下では、車載の半導体装置を例にして、実施の形態を説明するが、本発明は、車載の半導体装置に限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
<半導体装置の全体的な構成>
図1は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す図である。図1において、1は半導体装置を示している。半導体装置1は、プログラムに従って、所定の機能を実現するために、1つの半導体チップに配置された複数の機能ブロックを備えているが、図1には説明に必要な機能ブロックのみが示されている。図1において、10は、種々の処理等を実行する処理機能ブロックであり、30は、スタンバイモードを制御する制御機能ブロックであり、20は、処理機能ブロック10等に電源電圧を給電する電源機能ブロックである。
【0016】
処理機能ブロック10は、プロセッサ(CPU)11、周辺回路(PHC)12および発振回路13等を備えている。プロセッサ11および周辺回路12には、発振回路13から出力されたクロック信号が供給され、プロセッサ11および周辺回路12は、供給されたクロック信号に基づいて動作する。
【0017】
電源機能ブロック20は、複数の電圧レギュレータと、電源制御回路23と、発振回路24とを備えている。図1では、複数の電圧レギュレータの例として、処理機能ブロック10へ電源電圧を給電する電圧レギュレータ(以下、第1電圧レギュレータとも称する)21と、図示していない機能ブロックに電源電圧を給電する電圧レギュレータ(以下、第2電圧レギュレータとも称する)22とが示されている。第1電圧レギュレータ21は、特に制限されないが、8個の電圧レギュレータ21_1~21_8を備えている。発振回路24は、低い周波数、例えば32KHzのクロック信号を出力する。電源制御回路23は、発振回路24からのクロック信号に従って電圧レギュレータ21、22を制御する。
【0018】
制御機能ブロック30は、処理機能ブロック10および電源機能ブロック20のスタンバイモードを制御するスタンバイ制御回路31と、セレクタ32と、発振回路33とを備えている。発振回路33は、発振回路24に比べて高い周波数(例えば、200MHz)のクロック信号を出力する。セレクタ32によって、発振回路24または33から出力されたクロック信号が、スタンバイ制御回路31に供給され、供給されたクロック信号に従ってスタンバイ制御回路31が動作する。
【0019】
スタンバイ制御回路31は、処理機能ブロック10および電源機能ブロック20に配置されているプロセッサ11、周辺回路12、発振回路13および第1および第2電圧レギュレータ21、22等の制御対象を、スタンバイモードへ遷移および復帰させる制御を行う。見方を変えると、スタンバイ制御回路31は、各制御対象に対応したスタンバイ制御部を備えていると見なすことができる。実施の形態1では、電源機能ブロック20内の第1電圧レギュレータ21をスタンバイモードへ遷移および復帰させる場合を例にして説明する。すなわち、制御対象である第1電圧レギュレータ21に対応したスタンバイ制御部を説明する。
【0020】
第1電圧レギュレータ21に対応したスタンバイ制御部は、第1電圧レギュレータ21をスタンバイモードへ遷移および復帰させるとき、複数の電圧レギュレータ21_1~21_8の動作に関するタイミングを制御する。
【0021】
スタンバイモードへ遷移していると、電圧レギュレータ21_1~21_8は停止しており、低消費電力化が図られている。後で図面を参照して、詳しく説明するが、スタンバイモードから復帰させる際、電圧レギュレータ21_1~21_8を同時に起動すると、大きな突入電流が発生するため、第1電圧レギュレータ21に対応するスタンバイ制御部は、電圧レギュレータ21_1~21_8を起動するタイミングを変える(ズラス)ことで、突入電流を低減する。スタンバイモードへの遷移の場合も同様に、スタンバイ制御回路31は、電圧レギュレータ21_1~21_8を停止させるタイミングを変える。
【0022】
第1電圧レギュレータ21に対応するスタンバイ制御部を例にして述べたが、第2電圧レギュレータ22、プロセッサ11、周辺回路12および発振回路13等に対応したスタンバイ制御部も同様である。
【0023】
<スタンバイ制御部>
図2は、実施の形態1に係るスタンバイ制御部を説明するための図である。図2では、図1に示した第1電圧レギュレータ21に対応するスタンバイ制御部が、符号31_Mとして示されている。また、図2には、第1電圧レギュレータ21を構成する電圧レギュレータ21_1~21_8も示されている。
【0024】
スタンバイ制御部31_Mは、周波数出力回路31_CPと制御回路(以下、スタンバイコントローラとも称する)31_MVとを備えている。
【0025】
周波数出力回路31_CPには、スタンバイコントローラ31_MVから周波数切り替えコード(周波数制御信号)FCCが供給され、周波数切り替えコードFCCによって指定された周波数のクロック信号CLKをスタンバイコントローラ31_MVに出力する。周波数出力回路31_CPの一例を後で図8を用いて説明するので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0026】
スタンバイコントローラ31_MVは、ステートマシン(Finite State Machine)によって構成された制御回路(以下、ステートマシン回路とも称する)31_FSMと、周波数選択制御回路31_FSLと、テーブル31_TBLとを備えている。
【0027】
ステートマシン回路31_FSMは、電圧レギュレータ(以下、回路ブロックとも称する)21_1~21_8のスタンバイモードの制御に対応して、ステート情報STIを周波数選択制御回路31_FSLに出力する。すなわち、ステートマシン回路31_FSMは、スタンバイモードへ遷移する際および復帰する際の電圧レギュレータ21_1~21_8のそれぞれの制御を表す情報をステート情報STIとして出力する。
【0028】
また、ステートマシン回路31_FSMは、ステート情報STIと、クロック信号CLKと、カウント値(カウント情報)CNTとに基づいて、電圧レギュレータ21_1~21_8の状態を制御する制御信号pd1~pd8、pt1~pt8を生成し、電圧レギュレータ21_1~21_8へ出力する。
【0029】
テーブル31_TBLには、複数のステート情報と、各ステート情報に対応した周波数情報と、各ステート情報に対応したカウント値情報とが、テーブルとして予め登録されている。周波数情報は、対応するステート情報のときに、周波数出力回路31_CPから出力されるクロック信号CLKの周波数を指定する情報である。また、カウント値情報は、対応するステート情報のときに、電圧レギュレータ21_1~21_8の状態を遷移(状態遷移)させるのに要する時間を指定する時間情報である。
【0030】
周波数選択制御回路31_FSLは、ステートマシン回路31_FSMから供給されたステート情報STIを基にして、テーブル31_TBLに格納されている複数のステート情報から、一致するステート情報を検索する。周波数選択制御回路31_FSLは、検索によって一致したステート情報に対応する周波数情報を、周波数切り替えコードFCCとして、周波数出力回路31_CPへ出力する。また、周波数選択制御回路31_FSLは、検索によって一致したステート情報に対応するカウント値情報を、カウント値CNTとして、ステートマシン回路31_FSMへ出力する。
【0031】
これにより、周波数出力回路31_CPからは、ステートマシン回路31_FSMから出力されたステート情報STIに対応する周波数のクロック信号CLKが、ステートマシン回路31_FSMに出力され、さらに周波数選択制御回路31_FSLからは、ステート情報STIに対応するカウント値CNTがステートマシン回路31_FSMに出力されることになる。
【0032】
ステートマシン回路31_FSMは、供給されたクロック信号CLKの数を、供給されたカウント値CNTに到達するまでカウントし、到達すると、電圧レギュレータに供給している制御信号pd1~pd8、pt1~pt8の状態を変更させる。例えば、カウント値CNTに到達すると、ステートマシン回路31_FSMは、制御信号pd1をハイレベルからロウレベルに変更させる。なお、ここでカウントするクロック信号CLKの周波数は、カウント値情報と同じステート情報に対応した周波数情報によって指定された値である。
【0033】
電圧レギュレータ21_1~21_8には、対応する制御信号pd1~pd8、pt1~pt8がステートマシン回路31_FSMから供給される。電圧レギュレータ21_1を例にして述べると、電圧レギュレータ21_1は対応する制御信号pd1、pt1によって、その動作が制御される。後で図5を用いて説明するが、電圧レギュレータ21_1は、起動したタイミングでは不安定である。そのため、電圧レギュレータ21_1は、起動後に制御信号pd1がハイレベルからロウレベルへ変化すると、電圧を出力可能となる。その後、制御信号pt1がロウレベルからハイレベルへ変化すると、電圧を出力する。
【0034】
電圧レギュレータ21_1~21_8を、スタンバイモードへ遷移させる遷移期間および復帰させる復帰期間において、ステート情報STIによって指定する周波数切り替えコードFCCが高い周波数を示すようにしてクロック信号CLKの周波数を高くすることで、制御信号pd1、pt1の変化するタイミングを早くすることが可能であり、遷移期間および復帰期間を短くすることが可能である。
【0035】
また、カウント値CNTによって、制御信号pd1の状態が変化するタイミングを変更することが可能である。そのため、クロック信号CLKの周波数を高くしても、カウント値CNTを適切に設定することで、電圧レギュレータ21_1が安定してから、電圧が出力可能となるようにすることが可能である。
【0036】
電圧レギュレータ21_1を例にして説明したが、他の電圧レギュレータ21_2~21_8も同様である。
【0037】
<<スタンバイ制御部の動作フロー>>
図3は、実施の形態1に係るスタンバイ制御部の動作を示すフローチャート図である。図2に示したように、スタンバイ制御部31_Mは、電圧レギュレータ21_1~21_8に対応している。そのため、スタンバイコントローラ31_MV内のステートマシン回路31_FSMは、各電圧レギュレータ21_1~21_8に対応したステート情報STIを順次出力する。
【0038】
図3において、S0は動作を開始するステップを示している。ステップS1において、周波数選択制御回路31_FSLは、ステートマシン回路31_FSMから、例えば電圧レギュレータ21_1に関するステート情報STIを取得する。
【0039】
ステップS2において、周波数選択制御回路31_FSLは、取得したステート情報STIに基づいてテーブル31_TBLを検索する。この検索で、取得したステート情報STIと一致するステート情報が見つけられなかった場合(N)、ステップS4に移行する。これに対して、テーブル31_TBLにおいて、一致するステート情報が見つけられた場合、周波数選択制御回路31_FSLは、見つけたステート情報に対応する周波数情報およびカウント値情報を、該当するステート情報STIに対応する周波数切り替えコードFCCとカウント値CNTとして更新する(ステップS3)。これにより、電圧レギュレータ21_1には、更新された周波数切り替えコードFCCおよびカウント値CNTに基づいた制御信号pd1、pt1が供給されることになる。
【0040】
ステップS4において、全てのシーケンスが終了したか否かの判定が行われる。すなわち、周波数選択制御回路31_FSLが、新たなステート情報STIか供給されているか否かの判定を行う。例えば、ステートマシン回路31_FSMが、次段の電圧レギュレータ21_2に関するステート情報STIを出力している場合(N)、ステップS1に戻り、以降、ステップS2~S4が繰り返される。これに対して、新たなステート情報STIか、周波数選択制御回路31_FSLに供給されていない場合(Y)、ステップS5において、動作が終了する。
【0041】
<<テーブルの一例>>
次に、図2に示したテーブル31_TBLに予め登録されているステート情報、周波数情報およびカウント値情報の一例を、図面を用いて説明する。
【0042】
図4は、実施の形態1に係るテーブルに登録されている情報を説明するための図である。図4において、State_A~State_Fはステート情報を示している。図4に示すように、各ステート情報に対応して、周波数情報とカウント値情報とが、テーブル31_TBLに登録されている。例えば、ステート情報State_Aに対応して、周波数情報0x00001とカウント値情報0x3とが、テーブル31_TBLに登録され、ステート情報State_Cに対応して、周波数情報0x111111とカウント値情報0x1とが、テーブル31_TBLに登録されている。
【0043】
図2に示した周波数選択制御回路31_FSLは、例えばステート情報STIでテーブル31_TBLを検索し、例えばステート情報State_Aと一致すれば、周波数情報0x00001を周波数切り替えコードFCCとして出力し、カウント値情報0x3をカウント値CNTとして出力する。これにより、周波数出力回路31_CPは、周波数情報0x00001によって指定された周波数のクロック信号CLKを出力する。また、ステートマシン回路31_FSMは、このときの周波数のクロック信号CLKをカウントし、カウント値情報0x3で指定されたカウント値に到達すると、制御信号pd1またはpt1の状態を変更する。
【0044】
図4では、テーブル31_TBLに5種類のステート情報と、それに対応する周波数情報およびカウント値情報とが登録されている例が示されているが、これに限定されるものではない。テーブル31_TBLには、少なくとも2種類以上のステート情報、周波数情報およびカウント値情報が登録されていればよい。
【0045】
<<制御信号の一例>>
次に、図2に示したステートマシン回路31_FSMが、クロック信号CLK、ステート情報STI、カウント値CNTに基づいて出力する制御信号pd1~pd8、pt1~pt8の一例を、図面を用いて説明する。
【0046】
図5は、実施の形態1に係るステートマシン回路が出力する制御信号の状態の変化を説明するための図である。
【0047】
図5には、半導体装置をスタンバイモードから通常動作モードへ復帰させる復帰期間における制御信号pd1~pd8、pt1~pt8の変化が示されている。同図において、Statusは、半導体装置の状態を示し、Vdは、図1に示した処理機能ブロック10に配置された電源電圧配線における電源電圧を示している。この電源電圧Vdは、例えばプロセッサ11等に給電され、プロセッサ11は電源電圧Vdを動作電圧として動作する。
【0048】
スタンバイモードでは、半導体装置1のStatusは、パワーダウン状態となっており、電源電圧Vdはほぼ接地電圧となっている。これにより、半導体装置1は低消費電力の状態となっている。
【0049】
スタンバイモードから復帰する際には、制御信号pdがハイレベルからロウレベルへ変化する。制御信号pdのハイレベルからロウレベルへの変化(立下りエッジ)に応答して、ステートマシン回路31_FSMは、第1所定時間Td1(例えば、20マイクロ秒(20us))後に制御信号pd1をハイレベルからロウレベルに変化させる。また、ステートマシン回路31_FSMは、制御信号pd1のロウレベルへの変化に応答して、第1所定時間後に、制御信号pd2をハイレベルからロウレベルに変化させる。以降、同様に、ステートマシン回路31_FSMは、前段の電圧レギュレータに対する制御信号pdのロウレベルへの変化に応答して、第1所定時間Td1後に、制御信号pd3~pd8の順に、それぞれの電圧をハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0050】
ステートマシン回路31_FSMは、制御信号pd8をハイレベルからロウレベルに変化させてから、第1所定時間後に、制御信号pt1をロウレベルからハイレベルに変化(立ち上がりエッジ)させる。また、ステートマシン回路31_FSMは、制御信号pt1のハイレベルへの変化に応答して、第2所定時間Td2(例えば1us)後に、制御信号pt2をロウレベルからハイレベルに変化させる。以降、同様に、ステートマシン回路31_FSMは、前段の電圧レギュレータに対する制御信号(pt2~pt7)のハイレベルへの変化に応答して、第2所定時間Td2後に、制御信号pt3~pt8の順に、それぞれの電圧をハイレベルからロウレベルに変化させる。
【0051】
前記したように、電圧レギュレータ21_1~21_8は、起動後に、対応する制御信号pd1~pd8をハイレベルからロウレベルに変化させることで、電圧を出力可能となり、その後、対応する制御信号pt1~pt8がロウレベルからハイレベルに変化することで、電圧を出力する。電圧レギュレータ21_1は、制御信号pdの立下りエッジに応答して、起動し、電圧レギュレータ21_2~21_8は、前段の電圧レギュレータ21_1~21_7に対する制御信号pd1~pd7の立下りエッジに応答して起動する。そのため、電圧レギュレータ21_1~21_8は、起動してから、第1所定時間Td1後に、出力が可能となる。この第1所定時間Td1は、前記したカウント値CNTによって指定される。すなわち、電圧レギュレータが不安定となっているとき、電圧レギュレータから電圧が出力されるのを抑制することが可能である。また、電圧レギュレータ21_1~21_8を順次、動作させることで、電圧レギュレータを流れる突入電流が、集中することを抑制することができる。
【0052】
電圧レギュレータ21_1~21_8の全てが、電圧を出力可能となった後、図5に示すように、電圧レギュレータ21_1~21_8の順に、電圧を出力させる。電圧を出力させるタイミングでは、既に全ての電圧レギュレータが安定しているため、前段の電圧レギュレータ(例えば21_1)に対して、電圧の出力を制御信号(pt1)で指示した後、第1所定時間Td1よりも短い第2所定時間Td2で電圧レギュレータ(21_2)に対して、電圧の出力を指示する。この第2所定時間Td2も、カウント値CNTによって指定される。
【0053】
これらの電圧レギュレータから出力された電圧が、前記した電圧配線に供給され、電源電圧Vdとなる。電圧レギュレータ21_1~21_8からの電圧が電源電圧Vdとして供給されたあと、例えばプロセッサ11等が動作(Run)を開始する。すなわち、Power downからRun状態になるまでのStarup期間において、前記した制御が行われる。電圧レギュレータ21について見たとき、Startup期間はスタンバイモードからの復帰期間と見なすことができる。
【0054】
前記した制御を行うために、ステートマシン回路31_FSMが出力するステート情報STIとしては、制御信号pd1~pd8およびpt1を出力させるときには、例えば図4に示したステート情報State_Aと一致するようなステート情報STIを出力し、制御信号pt2~pt8を出力させるときには、例えばステート情報State_Cが一致するようなステート情報STIを出力すればよい。この場合、図4に示したState_AおよびState_Cに対応する周波数情報は、同じ値にし、カウント値は、図4に示すような値にする。これにより、第1所定時間Td1は、カウント値情報0x3で規定され、第2所定時間Td2は、カウント値情報0x1によって規定されることになる。
【0055】
<遷移期間および復帰期間>
半導体装置のスタンバイモードへの遷移期間および復帰期間を、図を用いて説明する。図6は、実施の形態1に係る遷移期間および復帰期間を説明するための図である。
【0056】
図6において、横軸は時間を示している。図6において、P1~Pnは、半導体装置1(図1)の各機能ブロック(例えば処理機能ブロック10、電源機能ブロック20、制御機能ブロック30)における制御を示している。ここでは、制御P2が、電源機能プロック20の制御を示しているものとして説明する。すなわち、制御P2において、図5に示した制御信号pd、pd1~pd8およびpt1~pt8による制御が行われている。
【0057】
図6において、Tnはプロセッサ11等が動作している通常動作モードの期間を示し、Tstはスタンバイモードの期間を示し、Tnsはスタンバイモードへの遷移期間を示し、Tsnはスタンバイモードからの復帰期間を示している。また、NSは、時刻ts1から時刻ts2への遷移における処理の方向を示し、SNは、時刻ts3から時刻ts4への復帰における処理の方向を示している。
【0058】
図6では、周波数出力回路31_CPが、周波数切り替えコードFCCに従って、2種類の周波数のクロック信号CLKを出力する場合が示されている。すなわち、周波数出力回路31_CPが、32KHzのクロック信号CLKと240KHzのクロック信号CLKを出力する場合が、図6には示されている。より具体的に述べると、ステートマシン回路31_FSMは、通常動作モードの期間Tnおよびスタンバイモードの期間Tstにおいては、周波数出力回路31_CPが、32KHzのクロック信号CLKを出力するようなステート情報STIを出力する。これに対して、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnでは、ステートマシン回路31_FSMは、周波数出力回路31_CPが、240KHzのクロック信号CLKを出力するようなステート情報STIを出力する。
【0059】
このように、通常動作モードの期間Tnおよびスタンバイ動作モードの期間Tstにおいては、周波数出力回路31_CPが出力するクロック信号CLKの周波数を低くすることで、消費電力の低減を図ることが可能である。一方、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnでは、周波数出力回路31_CPが出力するクロック信号CLKの周波数を高くすることで、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnの時間を短縮することが可能であり、その分、スタンバイモードに滞在している期間を長くすることが可能であり、平均の消費電力を低減することが可能である。
【0060】
なお、通常動作モードの期間Tnにおいては、処理機能ブロック10(図1)に配置されている回路ブロック、例えばプロセッサ11等は、発振回路13からのクロック信号によって動作している。
【0061】
<<遷移機関および復帰期間において、低い周波数を用いた場合>>
スタンバイモードへの遷移機関および復帰期間においても、例えば32KHzのような低い周波数のクロック信号を用いて、電圧レギュレータ等の制御を行うことは可能である。
【0062】
図5に示した制御信号pt2~pt8は、例えば前段の電圧レギュレータに対する制御信号の立ち上がりエッジに応答して、立ち上がるような制御信号を生成することが可能である。制御信号pt2を例にして述べると、制御信号pt1の立ち上がりエッジに応答して、制御信号pt2を立ち上げるようにすればよい。すなわち、32KHzのクロック信号を用いても、制御信号pt2~pt8は生成することが可能である。
【0063】
しかしながら、状態を比較的長い時間維持することが要求される制御信号の場合、すなわち図5の例では、第1所定時間Td1、ハイレベルを維持することが要求される制御信号pd1~pd8は、32KHzのクロック信号を用いて生成することが難しい。図5で説明したように、第1所定時間Td1は、20usであるが、32KHzのクロック信号では、その1周期が1/32KHz=31.25usとなる。そのため、32KHzのクロック信号を用いた場合には、第1所定時間Td1は、20usではなく、31.25usとなってしまう。これは、1つのステップ、例えば1つの電圧レギュレータを起動してから電圧を出力可能にするまでに要する時間が長くなることを意味している。復帰期間では、図5から理解されるように、このようなステップが連続して実行されるため、結果として復帰期間の時間が長くなり、スタンバイモードの期間が短くなり、平均消費電力が増大することになる。
【0064】
遷移期間において、32KHzのクロック信号を用いて制御を行う場合にも、同様に、1つのステップに要する時間が長くなり、遷移期間の時間が長くなり、スタンバイモードの期間が短くなる。その結果、平均消費電力が増加することになる。
【0065】
なお、実施の形態1では、制御信号pt2~pt8についても、クロック信号をカウントすることで、第2所定時間Td2を設定していたが、前記したように、制御信号pt2~pt8は、前段の電圧レギュレータに対する制御信号の変化するエッジに応答して生成するようにしてもよい。
【0066】
<<具体例>>
エンジンを停止しているエンジン停止期間において、一定時間毎に、半導体装置をスタンバイモードから復帰させ、再びスタンバイモードへ遷移させる場合の具体的な一例を、図面を用いて説明する。
【0067】
図7は、実施の形態1に係る半導体装置の動作を説明するための図である。ここで、図7(A)は、32KHzのクロック信号で、図2に示した電圧レギュレータ21_1~21_8を制御する制御信号pd1~pd8、pt1~pt8を生成した場合の消費電流の変化を示している。また、図7(B)は、図2に示した構成で、周波数出力回路31_CPがスタンバイモードの期間では、32KHzのクロック信号CLKを出力し、遷移期間および復帰期間では、240KHzのクロック信号CLKを出力するようにした場合の消費電力の変化を示している。さらに、図7(C)は、図7(A)の場合と、図7(B)の場合とを比較した比較表である。
【0068】
図7(A)および図7(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は半導体装置の消費電流を示している。エンジン停止期間において、半導体装置は、一定時間TS毎に、スタンバイモードから復帰し、再びスタンバイモードへ遷移する。図7(A)および図7(B)において、Tstはスタンバイモードの期間を示し、Tnは通常動作モードの期間を示している。ここでは、通常動作モードの期間Tnは、2ms(ミリ秒)であるとし、この期間Tnにおいて、例えばプロセッサが所定の処理を実行する。
【0069】
図7(A)および図7(B)において、Tsnは、スタンバイ動作モードから通常動作モードへ復帰する復帰期間を示し、Tnsは、通常動作モードからスタンバイ動作モードへ遷移する遷移期間を示している。遷移期間Tnsにおいて、例えば電圧レギュレータ21、22等を含む種々の回路ブロックを、通常動作モードからスタンバイモードへ遷移させるための制御が行われる。反対に、復帰期間Tsnにおいては、電圧レギュレータ21、22等を含む種々の回路ブロックを、スタンバイモードから通常動作モードへ復帰させるための制御が行われる。
【0070】
図7(A)では、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnにおける回路ブロックの制御は、32KHzのクロック信号に従って行われる。そのため、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnが長くなる。すなわち、例えば電圧レギュレータ21等の遷移および復帰の制御を実施している期間が長くなり、一定時間TSにおける半導体装置の平均消費電力が高くなる。
【0071】
これに対して、図7(B)では、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnにおける回路ブロックの制御は、240KHzのクロック信号に従って行われる。そのため、遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnが短くなる。すなわち、例えば電圧レギュレータ21等の遷移および復帰の制御を実施している期間を短くすることが可能であり、一定時間TSにおける半導体装置の平均消費電力を低減することが可能である。
【0072】
図7(C)において、(1)は、図7(A)を用いて述べたように、32KHzのクロック信号CLKを用いた場合の遷移復帰(遷移期間の時間+復帰期間の時間)時間Tsn+Tnsおよび平均消費電流PDI1、PDI2の一例を示している。また、図7(C)において、(2)は、図7(B)を用いて述べたように、240KHzのクロック信号CLKを用いた場合の遷移復帰時間Tsn+Tnsおよび平均消費電流PDI1、PDI2の一例を示している。さらに、図7(C)において、(3)は、32KHzのクロック信号を用いた場合に対する240KHzのクロック信号を用いた場合の削減率を示している。
【0073】
平均消費電流については、一定時間TSとして、200msの場合PDI1と40msの場合PDI2が、図7(C)に示されている。遷移期間Tnsおよび復帰期間Tsnにおいて、制御に用いるクロック信号の周波数を高くすることにより、図7(C)に示すように、遷移復帰時間Tsn+Tnsを短くすることができ、平均消費電流PDI1、PDI2を低減することができる。その結果、平均消費電力を抑制することが可能である。
【0074】
なお、図7(A)および図7(B)において、Tpは、通常動作モードの期間Tnと、遷移期間Tnsと、復帰期間Tsnとの和の期間を示している。この期間Tpが、一定時間TSにおいて、半導体装置が主に消費電力を発生している期間に相当する。
【0075】
<周波数出力回路の一例>
図8は、実施の形態1に係る周波数出力回路の構成を示す回路図である。同図において、MP1~MP5はPチャンネル型FET(以下、P型FET)を示し、MN1およびMN2はNチャンネル型FET(以下、N型FET)を示し、OP1およびOP2は比較回路を示し、Cは容量を示している。また、R1は固定抵抗を示し、R2は図2および図3で説明した周波数切り替えコードFCCに従って抵抗値が変化する可変抵抗を示している。同図において、LGCは、比較回路OP1、OP2からの出力に基づいてクロック信号CLKと内部クロック信号φ1および反転内部クロック信号/φ1(内部クロック信号φ1に対して位相反転したクロック信号)を生成するロジック回路である。これらの素子によって、図2に示した周波数出力回路31_CPが構成されている。
【0076】
P型FETMP1~MP3によってカレントミラー回路が構成されており、可変抵抗R2の抵抗値が変わることにより、カレントミラー回路を流れる電流IbおよびIcが変化する。比較回路OP1、OP2の入力電圧V1、V2の値は、電流Ibによって容量Cが充電されることで決定される。比較回路OP1、OP2は、参照電圧Vrfと入力電圧V1、V2とを比較し、比較結果をロジック回路LGCに供給する。ロジック回路LGCは、供給された比較結果に基づいて、クロック信号CLKと内部クロック信号φ1および反転内部クロック信号/φ1を生成する。図8に示した構成の周波数出力回路が形成するクロック信号CLKの周期は、次式の通りである。
【0077】
T=(2*Vrf*C)/Ic=2*R2*C(Ib/Ic)…式
図8では、1つの発振回路によって、互いに異なる周波数のクロック信号を形成する例を示したが、周波数出力回路31_CPは、図8に示した構成に限定されるものではない。例えば、互いに異なる周波数のクロック信号を形成する複数の発振回路を用意し、周波数切り替えコードFCCに従った周波数のクロック信号を形成する発振回路を選択するようにしてもよい。
【0078】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係るスタンバイ制御部を説明するための図である。図9は、図2と類似しているので、相違点を主に説明する。
【0079】
主な相違点は、図9では、レジスタREG、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)FMおよびセレクタTSLが、スタンバイ制御部31_Mに追加されていることである。
【0080】
フラシュメモリFMおよびレジスタREGには、図4で説明したようなステート情報、周波数情報およびカウント値情報が格納されている。フラシュメモリFMおよびレジスタREGに格納されているステート情報、周波数情報およびカウント値情報は、セレクタTSLを介してテーブル31_TBLに供給され、テーブル31_TBLに登録されている情報が、セレクタTSLを介して供給された情報によって書き換えられる。
【0081】
特に制限されないが、レジスタREGには、セレクタTSLを制御する制御情報SELも格納される。この制御情報SELに従って、セレクタTSLが、レジスタREGおよびフラッシュメモリFMから供給されている情報を選択して、選択された情報を出力する。
【0082】
実施の形態2によれば、ステート情報、周波数情報およびカウント値情報の更新、追加を容易にすることが可能である。
【0083】
図9では、ステート情報、周波数情報およびカウント値情報を格納する記憶回路として、レジスタREGとフラッシュメモリFMを例に示したが、これに限定されるものではない。
【0084】
図2および図9では、スタンバイ制御部31_Mが、周波数出力回路31_CPを備える例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図1に示した発振回路24を、周波数出力回路31_CPとして用いるようにしてもよい。この場合には、スタンバイコントローラ31_MVからの周波数切り替えコードFCCによって、発振回路24の形成するクロック信号の周波数が切り替えられるようにすればよい。
【0085】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1 半導体装置
10 処理機能ブロック
20 電源機能ブロック
30 制御機能ブロック
31 スタンバイ制御回路
31_M スタンバイ制御部
31_CP 周波数出力回路
31_MV スタンバイコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9