(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159641
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】基材及び面状ユニット
(51)【国際特許分類】
H05B 3/20 20060101AFI20241031BHJP
H05B 3/34 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H05B3/20 318
H05B3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071087
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2023071973
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000129529
【氏名又は名称】株式会社クラベ
(72)【発明者】
【氏名】藤井 寛剛
【テーマコード(参考)】
3K034
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA06
3K034AA12
3K034AA15
3K034AA22
3K034AA26
3K034BB08
3K034BB13
3K034BC02
3K034CA02
3K034JA01
(57)【要約】
【課題】生産性に優れ、付加的な機能を付与することが可能な基材、及びそれを用いた面状ユニットを提供すること。
【解決手段】高分子材料からなりシート形状の第1発泡体31a及び第2発泡体31bが、主面と異なる面において突き合わされて接しており、一方の発泡体の気孔中にもう一方の発泡体の非気孔部が直接入り込んでおり、第1発泡体31aと第2発泡体31bとが直接固定されている基材31。基材31の主面に線状体11が配設されており、線状体11が第1発泡体31a部分と第2発泡体31b部分にまたがって連続して配設されている面状ユニット1。第1発泡体31aと第2発泡体31bとを、主面と異なる面において突き合わせて配置して基材31とし、その状態で、第1発泡体31a及び第2発泡体を基材31の主面に略垂直な方向に加熱加圧し、第1発泡体31aと第2発泡体を直接固定する基材31の製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とが、主面と異なる面において突き合わされて接しており、上記第1発泡体の気孔中に上記第2発泡体の非気孔部が直接入り込んでいるとともに、上記第2発泡体の気孔中に上記第1発泡体の非気孔部が直接入り込んでおり、上記第1発泡体と上記第2発泡体とが直接固定されている基材。
【請求項2】
上記基材が凸片部を有しており、上記基材における上記凸片部が上記第1発泡体からなり、上記基材における上記凸片部以外の部分が上記第2発泡体からなる請求項1記載の積層体。
【請求項3】
請求項1又は2記載の基材を有し、該基材の主面に線状体が配設されており、該線状体が上記第1発泡体部分と上記第2発泡体部分にまたがって連続して配設されている面状ユニット。
【請求項4】
上記線状体の外周に熱融着層が形成されている請求項3記載の面状ユニット。
【請求項5】
高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とを、主面と異なる面において突き合わせて配置して基材とし、その状態で、第1発泡体及び第2発泡体を上記基材の主面に略垂直な方向に加熱加圧し、第1発泡体と第2発泡体を直接固定する基材の製造方法。
【請求項6】
高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とを、主面と異なる面において突き合わせて配置して基材とし、その状態で、外周に熱融着層が形成された線状体を、上記第1発泡体部分と上記第2発泡体部分にまたがるようにして上記基材の主面に連続して配設し、上記第1発泡体、上記第2発泡体及び上記線状体を上記基材の主面に略垂直な方向に加熱加圧し、上記第1発泡体と上記第2発泡体、上記第1発泡体と上記線状体及び上記第2発泡体と上記線状体をそれぞれ直接固定する面状ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、例えば、自動車、船舶などに使用されるステアリングホイールのホイール部を暖めるためのヒータユニットと、ステアリングホイールの温度検知や把持検知を行うためのセンサユニットを含む面状ユニット、及び、その面状ユニットなどに使用される基材に係り、特に、生産性に優れ、付加的な機能を付与することが可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特に自動車内においては、寒冷時における採暖器具の態様として、抵抗加熱を利用したヒータユニットが使用されている。例えば、車両用シートにおいては、運転手等の乗員の背部や臀部を暖めるために、車両用シート内にヒータユニットを組付けることが提案されている。車両用シートは、ベースとなるシートフレーム、クッション性を付与する発泡ウレタン樹脂等からなるシートパット、及び、それらを覆うシート表皮から構成される。ヒータユニットは、このシートパットとシート表皮の間に設置される(例えば、特許文献1、2等参照)。また、ステアリングホイールにおいては、運転手の手を温めるために、ステアリングホイールのホイール部にヒータユニットを組付けることが提案されている。ステアリングホイールは、ホイール部、スポーク部、ボス部からなり、ホイール部はホイール芯材と合成樹脂、繊維製品、皮革などからなる被覆材とから構成される。ヒータユニットは、このホイール芯材と被覆材の間に設置され、スポーク部及びボス部を通されたリード線に接続されて給電される(例えば、特許文献3,4等参照)。また、関連する技術として例えば、特許文献5~7が挙げられる。
【0003】
このように車両用シートやステアリングホイールに設置されるヒータユニットとしては、例えば、特許文献1~4に示すような、基材上に所定のパターン形状でヒータ線を配設したものが知られている。ここで、基材としては、各種の発泡樹脂シート、発泡ゴムシート、ゴムシート、不織布、織布などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4202071号公報:クラベ
【特許文献2】特開2011-229795公報:クラベ
【特許文献3】国際公開WO2014/104000公報:豊田合成、クラベ
【特許文献4】特許第6468701号公報:クラベ
【特許文献5】特許第6675845号公報:クラベ
【特許文献6】特許第6810234号公報:クラベ
【特許文献7】国際公開WO2022/054701公報:クラベ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、車両用シートにおいても、ステアリングホイールにおいても、ヒータユニットは運転手等の乗員の極近傍に設置され、座る、握るといったように所定の圧力をもって乗員に接するものである。そのため、ヒータ線が配設される箇所のみに厚みが生じてしまうと、乗員がその凹凸を感じてしまい、違和感を覚えることになってしまう。
【0006】
このような課題に対し、特許文献1によるヒータユニット(シートヒータ)では、ヒータ線が基材布に潜りこむように、ヒータ線の外周の30%以上が基材布と接着しているようにすることが開示されている。特許文献2によるヒータユニット(シートヒータ)では、基材布の空隙が多い側にヒータ線を配置し、空隙が少ない側をシート表皮側として、乗員がヒータ線の感触を受け難くすることが開示されている。特許文献3、4によるヒータユニットでは、ヒータ線が配設される箇所の基材の厚さが、ヒータ線の形状に沿うように薄くなっており、それによって平坦な形状とし、乗員がヒータ線の感触を受け難くすることが開示されている。
【0007】
これらは、現段階では問題なく使用できるものである。しかし、今後は、このような乗員が違和感を覚えることのないという特性を維持したまま、更に生産性を向上させるとともに、特に基材において、付加的な機能を持たせるよう、技術改良が求められる可能性がある。
【0008】
特許文献5,6においては、複数の発泡体からなる基材を使用したヒータユニットが記載されている。ここで、これら複数の発泡体からなる基材は、シート状の発泡体を厚さ方向に積層して固定したものである。これにより、特性の異なる発泡体を組合せることができるものの、厚さ方向で特性を異ならせることしかできていない。
【0009】
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、生産性に優れ、付加的な機能を付与することが可能な基材、及び、それを使用した面状ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するべく、本発明による基材は、高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とが、主面と異なる面において突き合わされて接しており、上記第1発泡体の気孔中に上記第2発泡体の非気孔部が直接入り込んでいるとともに、上記第2発泡体の気孔中に上記第1発泡体の非気孔部が直接入り込んでおり、上記第1発泡体と上記第2発泡体とが直接固定されているものである。
また、上記基材が凸片部を有しており、上記基材における上記凸片部が上記第1発泡体からなり、上記基材における上記凸片部以外の部分が上記第2発泡体からなることが考えられる。
本発明による面状ユニットは、上記の基材を有し、該基材の主面に線状体が配設されており、該線状体が上記第1発泡体部分と上記第2発泡体部分にまたがって連続して配設されているものである。
また、上記線状体の外周に熱融着層が形成されていることが考えられる。
本発明による基材の製造方法は、高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とを、主面と異なる面において突き合わせて配置して基材とし、その状態で、第1発泡体及び第2発泡体を上記基材の主面に略垂直な方向に加熱加圧し、第1発泡体と第2発泡体を直接固定するものである。
本発明による面状ユニットの製造方法は、高分子材料からなりシート形状の第1発泡体と、高分子材料からなりシート形状の第2発泡体とを、主面と異なる面において突き合わせて配置して基材とし、その状態で、外周に熱融着層が形成された線状体を、上記第1発泡体部分と上記第2発泡体部分にまたがるようにして上記基材の主面に連続して配設し、上記第1発泡体、上記第2発泡体及び上記線状体を上記基材の主面に略垂直な方向に加熱加圧し、上記第1発泡体と上記第2発泡体、上記第1発泡体と上記線状体及び上記第2発泡体と上記線状体をそれぞれ直接固定するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一方の発泡体の気孔中に、もう一方の発泡体の非気孔部が直接入り込んでいるため、接着剤等を使用しなくとも発泡体同士が充分に直接固定されることになる。そのため、接着剤等を配置する工程がなくなり、コストも低減され生産性が向上することになる。また、発泡体が元来備えていた柔軟性や伸縮性が接着剤等によって阻害されることがなく、それぞれの発泡体の特性を生かした基材とすることができる。
また、主面と異なる面での接続固定が可能であるため、このような基材を用いた面状ユニットであれば、2つ発泡体を異なる特性のものとすることで、基材の部分ごとで異なる特性を持つ複合的なものとすることができる。なお、ここで言う主面とは、シート形状の発泡体における面の内で、他の面よりもはるかに面積が大きい面のことを示す。
また、凸片部を有する形状の基材の場合、この凸片部とその他の部分で異なる発泡体を使用し、これらを接続固定することができるので、材料のロスを大きく低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による面状ユニットの構成を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1による面状ユニットの要部を拡大して模式的に示す断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1による基材の要部を拡大して模式的に示す断面図である。
【
図4】本発明で使用されるヒータ線の構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。
【
図5】本発明で使用されるヒータ線の構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。
【
図6】本発明で使用されるセンサ線の構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。
【
図7】本発明で使用されるセンサ線の構成をその一部を切り欠いて示す側面図である。
【
図8】本発明で使用されるホットプレス式製造装置の構成を示す図である。
【
図9】本発明の面状ユニットにおいて、線状体を所定のパターン形状に配設する様子を示す一部斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態1による面状ユニットの断面を示す顕微鏡写真である。
【
図11】本発明による面状ユニット実施の形態とは別の形態の構成を示す平面図である。
【
図12】本発明による面状ユニット実施の形態とは別の形態の構成を示す平面図である。
【
図13】本発明による面状ユニット実施の形態とは別の形態の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。まず実施の形態1の面状ユニットは、線状体としてヒータ線11を使用したヒータユニット1となるものである。
【0014】
まず、実施の形態1において線状体として用いられるヒータ線11の構成から説明する。実施の形態1におけるヒータ線11は
図4に示すような構成になっている。まず、芯線13は外径約0.2mmの芳香族ポリアミド繊維束で形成されている。該芯線13の外周に、素線径0.08mmの硬質錫入り銅合金線である5本の導体素線15aを引き揃えて、ピッチ約1.0mmで、螺旋状に巻装されている。
図4,
図5に示すように、導体素線15aの周囲には、絶縁被膜15bが形成されている。絶縁被膜15bは、ポリウレタン樹脂製の内層15cと、ポリアミドイミド樹脂製の外層15dとから形成されている。絶縁被膜15bの内層15cは、導体素線15aの周囲にポリウレタンワニスを塗布し乾燥させることで厚さ4μmの層となるように形成された。次に、外層15dは、この内層15cの外周にポリアミドイミドワニスを塗布し乾燥して厚さ4μmの層となるように形成された。導体素線15aを巻装した芯線13の外周には、絶縁体層が被覆されている。絶縁体層は、難燃剤が配合されたポリエチレン樹脂を0.2mmの厚さとなるように押出被覆して形成されている。この実施の形態では、絶縁体層のポリエチレン樹脂は、熱融着部19として機能する。以上のヒータ線11の仕上外径は0.8mmである。芯線13は屈曲性や引張強度が高くなる点で有効である。芯線13を使用せずに、複数本の導体素線を引き揃えるか或いは撚り合わせたものとすることも可能である。
【0015】
次に、上記構成をなすヒータ線11を配設する基材31の構成について説明する。実施の形態1における基材31は、単位体積当たりの重量0.04g/cm3、(JIS K7222準拠)、硬さ220N(JIS K6400-2準拠)、厚さ8mmの発泡ポリウレタン樹脂からなる発泡体2枚からなる。実施の形態1では便宜的に、面積が小さい側の発泡体を第1発泡体31a、面積が大きい側の発泡体を第2発泡体31bとする。
【0016】
次に、上記ヒータ線11を基材31上に所定のパターン形状で配設するとともに、第1の発泡体31a及び第2の発泡体31bからなる基材31と、ヒータ線11を接着・固定する構成について説明する。
図8はヒータ線11が配設された基材を加熱加圧するためのホットプレス式ヒータ製造装置43の構成を示す図である。まず、ホットプレス治具45があり、このホットプレス治具15上には複数個の係り止め機構47が設けられている。上記係り止め機構17は、
図9に示すように、ピン49を備えていて、このピン49はホットプレス冶具15に穿孔された孔51内に下方より差し込まれている。このピン49の上部には先端が針となった係り止め部材53が軸方向に移動可能に取り付けられていて、コイルスプリング55によって常時上方に付勢されている。そして、
図9中仮想線で示すように、これら複数個の係り止め機構57の係り止め部材53にヒータ線11を引っ掛けながら、ヒータ線11を所定のパターン形状にて配設することになる。
【0017】
図8に戻って、上記複数個の係り止め機構17の上方にはプレス熱板57が昇降可能に配置されている。すなわち、ヒータ線11を複数個の係り止め機構47の係り止め部材53に引っ掛けながら所定のパターン形状にて配設し、その上に第1発泡体31a及び第2発泡体31bを置く。その状態で上記プレス熱板57を降下させてヒータ線11、第1発泡体31a及び第2発泡体31bに、加熱加圧を施す。尚、上記プレス熱板57の降下による加熱加圧時には複数個の係り止め機構17の係り止め部材53はコイルスプリング55の付勢力に抗して下方に移動するものである。
【0018】
この際、少なくとも、第1発泡体31a及び第2発泡体31bの圧縮量がヒータ線11の外径よりも大きくなるように設計することが好ましい。それによって、第1発泡体31a及び第2発泡体31bが圧縮され高密度化されるとともに、ヒータ線11の熱融着材19が溶融して、熱融着材19が、第1発泡体31a及び第2発泡体31bの気孔中に含浸され、ヒータ線11、第1発泡体31a及び第2発泡体31bが接着・固定されることになる。また、第1発泡体31a及び第2発泡体31bの圧縮に伴い、第1発泡体31a及び第2発泡体31bは、主面と平行の方向へ押し広げられることになる。これにより、第1発泡体31aと第2発泡体31bを突き合せた面においては、相互を接合させる方向に力が働く。これにより、第1発泡体31aの気孔中に第2発泡体31bの非気孔部が直接入り込むとともに、第2発泡体31bの気孔中に第1発泡体31aの非気孔部が直接入り込んで、第1発泡体31aと第2発泡体31bとが直接固定されることとなる。
【0019】
上記作業を行うことにより、
図1~3に示すようなヒータユニット1を得ることができる。なお、
図2,3は
図1の要部を拡大して模式的に示す断面図である。実施の形態1では、基材31は、平板のプレス熱板57によって圧縮されることになるため、ヒータ線11が配設される箇所については、より強く加圧されることになる。これにより、基材31におけるヒータ線11が配設される箇所は、ヒータ線11の形状に沿うような形状で、他の箇所よりも薄くなる。また、ヒータ線11の熱融着材19についても、加熱加圧により大きく変形して、基材31と接しない箇所の厚さが薄くなって平坦な形状になる。これらにより、ヒータユニット1は、ヒータ線11が配設される箇所においても凹凸がなく、平坦な形状となるとともに、熱融着材19の形状保持により、この平坦な形状が維持されることになる。また、このようにして得られたヒータユニット1は、基材31が圧縮され高密度になっているため、機械的強度を向上させることができる。ヒータ線11の熱融着材19が、第1発泡体31a及び第2発泡体31bの気孔中に含浸され、ヒータ線11、第1発泡体31a及び第2発泡体31bが連結されることにより強固に接着・固定されることになる。なお、本実施の形態によって得られたヒータユニットの厚さは1.00mmであり、ヒータ線11が配設された箇所における基材31の最小厚さは0.52mmであり、ヒータ線11が配設されていない箇所における基材31の厚さは1.00mmであった。
【0020】
なお、ヒータ線11を熱融着する際に、第1発泡体31aと第2発泡体31bに対して充分に加熱加圧して高圧縮とした場合、接着層を使用しなくても、ヒータ線11が配設されていない箇所であっても、第1発泡体31aと第2発泡体31bを1N以上の剥離強度で直接固定させることができる。これは、
図3にて模式的に示すように、一方の発泡体の気孔中にもう一方の発泡体の非気孔部が入り込み、アンカー効果によって2つの発泡体を固定させることによるものである。上記のように、本実施の形態においては、単位体積当たりの重量0.04g/cm
3(JIS K7222準拠)、硬さ220N(JIS K6400-2準拠)、厚さ10mmの発泡ポリウレタン樹脂からなる2枚の発泡体を使用している。これらについて、接着層を使用することなく突き合わせ、厚さ1mmになるまで加熱加圧して圧縮しており、加熱加圧後は、ヒータ線11が存しない箇所の単位体積当たりの重量0.40g/cm
3(JIS K7222準拠)となっている。このようにしてヒータ線11と2枚の発泡体31a,31bが接続固定された部分について、接続強度を測定した。接続強度は、プッシュプルゲージによって測定される。中央部に第1発泡体31aと第2発泡体31bの突き合せ面が配置されるように基材31を25mm×150mmに切り出し、第1発泡体31aの端部をプッシュプルゲージに固定し、第2発泡体31bの端部を掴持して、5mm/sの速度でプッシュプルゲージと反対の方向に引っ張り、最大荷重となった値を接続強度とした。このようにして測定された実施の形態1によるヒータユニット1における第1発泡体31aと第2発泡体31bとの接続強度は51.7N、破断時の伸びは21.9mmであり、実使用上充分な値であった。また、破断後の状態を確認したところ、界面破断ではなく、材料破断による剥離であることが確認でき、この点からも充分な接着が得られていることが確認された。参考までに、第1発泡体31aと第2発泡体31bとを溶剤形接着剤で接着したサンプルを使用して、同様に接続強度を測定したところ、接続強度は11.9N、破断時の伸びは13.9mmであった。また、ヒータ線11を使用せず、単に第1発泡体31aと第2発泡体31bとを上記実施の形態と同様に加熱加圧して高圧縮とし、第1発泡体31aと第2発泡体31bとを固定したサンプルを使用して、同様に接続強度を測定したところ、接続強度は40.5N、破断時の伸びは76.5mmであり、界面破断がされていた。これらの点から、ヒータユニット1(面状ユニット)を引き伸ばしながら配置することも問題ないことが確認された。
【0021】
図10に、実施の形態1によるヒータユニット1の要部のデジタルマイクロスコープによる拡大写真を示す。熱融着材19が第1発泡体31a及び第2発泡体31bの気孔中に含浸されていることが確認される。また、第1発泡体31aの気孔中に第2発泡体31bの非気孔部が入り込み、且つ、第2発泡体31bの気孔中に第1発泡体31aの非気孔部が入り込み、アンカー効果によって第1発泡体31aと第2発泡体31bが固定されていることが確認される。また、第1発泡体31a、第2発泡体31bともに気孔状態が維持されており、第1発泡体31aと第2発泡体31bは溶融するに至っていないことも確認される。
【0022】
上記のようにして得られた実施の形態1によるヒータユニット1について、ヒータ線11の両端は、引き出されてリード線35に接続され、このリード線35により、ヒータ線11、温度制御装置39、及び、コネクタ(図示しない)が接続されている。温度制御装置はヒータ線11上に配置され、ヒータ線11の発熱によって温度制御を行うこととなる。そして、上記したコネクタを介して図示しない電気系統に接続されることになる。
【0023】
本実施の形態1においては、リード線35に接続される近傍において、全体形状から突き出た形状の凸片部となっており、この凸片部を第1発泡体31aで構成している。一般的に、基材となる発泡体は、長尺のシートから打ち抜き等によって所定形状とされる。そのため、凸片部を有するような複雑な形状とする場合は、分割されている方が材料のロスを低減させることができ、生産性の上で好ましい。本実施の形態1では、この凸片部を第1発泡体31aで構成し、その他の比較的四角形状に近い部分を第2発泡体31bで構成しているため、材料のロスを大きく低減させることができている。
【0024】
基材31には、ヒータユニット1と被加熱体とを接着するため、接着層(図示しない)が形成されてもよい。接着層の形成は、予め離型シート上に接着剤のみからなる接着層を形成し、該接着層を上記離型シートから上記基材31の表面に転写することが好ましい。これにより、接着剤は基材31の内部には侵入せず、基材31やの表面のみに接着層が形成されることになる。なお、ヒータユニット1と被加熱体とを接着する場合、被加熱体を使用する者が触れる側が、基材31のヒータ線11を配設しない面となるように、ヒータユニット1を配置することが好ましい。これは、ヒータ線11による凹凸が被覆材78表面に表れにくくなるためである。
【0025】
次いで、実施の形態2による面状ユニットを説明する。実施の形態2による面状ユニットは、線状体としてセンサ線21が使用されたセンサユニット2となるものである。センサ線21は
図6,
図7に示すような構成になっている。まず、芯線23は外径約0.2mmの芳香族ポリアミド繊維束で形成されている。該芯線23の外周に、素線径0.08mmの硬質錫入り銅合金線である2本の導体素線25aを引き揃えて、ピッチ約1.0mmで、螺旋状に巻装されている。
図6,
図7に示すように、導体素線25aの周囲には、絶縁被膜25bが形成されている。絶縁被膜25bは、ポリウレタン樹脂製の内層25cと、ポリアミドイミド樹脂製の外層25dとから形成されている。絶縁被膜25bの内層25cは、導体素線25aの周囲にポリウレタンワニスを塗布し乾燥させることで厚さ4μmの層となるように形成された。次に、外層25dは、この内層25cの外周にポリアミドイミドワニスを塗布し乾燥して厚さ4μmの層となるように形成された。導体素線25aを巻装した芯線23の外周には、絶縁体層が被覆されている。絶縁体層は、難燃剤が配合されたポリエチレン樹脂を0.2mmの厚さとなるように押出被覆して形成されている。この実施の形態では、絶縁体層のポリエチレン樹脂は、熱融着部29として機能する。以上のセンサ線21の仕上外径は0.8mmである。このセンサ線21は、2本の導体素線25a間の静電容量値を検知するものである。その他の材料や条件等については、上記実施の形態1と同様である。
【0026】
このようにして得られた実施の形態1,2による面状ユニット(ヒータユニット1,センサユニット2)について、同様の作業条件によって、被加熱体への組付けを行った。被加熱体は、直径35mmの円筒形金属パイプを直径380mmの円形状に形成したホイール部と、円形状における中心から円周に向かって形成されホイール部と連結される3本のスポーク部からなるものである。ヒータユニット1またはセンサユニット2はこの被加熱体のホイール部に組付けられる。実施の形態1,2何れの面状ユニットにおいても、組付けの作業性は良好であった。これは、線状体(ヒータ線11,センサ線12)、第1発泡体31a及び第2発泡体31bが充分に固定されていることから、面状ユニット1を引き伸ばす等して形状を適合させた場合にも、第1発泡体31aと第2発泡体31bが分離せず、問題なく設置することができたためである。特に、ホイール部とスポーク部の連結部分のような曲面が組合わさった形状の部分にも、面状ユニットを引き伸ばす等して形状を適合させ容易に設置することができた。なお、第1発泡体31aと第2発泡体31bが分離してしまうと、実使用の際にも、面状ユニットのズレが生じてしまい、違和感を覚えることになってしまう。
【0027】
また、上記のようにして得られた実施の形態1,2による面状ユニット1について、線状体(ヒータ線11,センサ線12)が配設された側を被加熱体側とするようにして組付けた状態で、違和感の確認を行った。確認は、面状ユニット1が組付けられた被加熱体を10人の使用者が握り、左右の手で交互に10回ずつ握り直しを行って、ヒータ線11による凹凸を感じるかを聞き取り調査した。その結果、実施の形態のものについて、違和感を覚えると回答した使用者は0人だった。
【0028】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、線状体を複数使用することもでき、基材における両主面に線条体を配設することもできる。また、線状体として、ヒータ線11とセンサ線21を組合せて使用することも考えられる。
【0029】
センサ線21としては、静電容量センサの他、温度センサなど他のセンサとして使用することができる。温度センサの一種として、線状体をハンダ線とし、異常温度検知ユニットとすることもできる。電波を検知するという意味で、線状体をアンテナ線としてアンテナユニットとすることも考えられる。また、一つの線状体の中にヒータ機能を奏する導電体とセンサ機能を奏する導電体の両方を含むようなものを使用することもできる。
【0030】
また、複数の線状体を組合せて使用する場合、そのうちの一つの線状体としてシールド線とすることも考えられる。シールド線は、ヒータ線11からの電磁波の影響を外部に及ぼさないように、又は、センサ線21に外部からの電磁波の影響が及ばないように使用される。一般的に、シールド線の片端または両端はグランドに接続されることになる。
【0031】
ヒータ線11としては、従来公知の種々のコード状ヒータを使用されることができ、例えば、芯線の外周に導体素線を巻回したもの、芯線と導体素線を撚り合わせたもの、これらの外周に複数層の絶縁体層や熱融着層を形成したもの、等が考えられる。芯線13としては、例えば、ガラス繊維等の無機繊維や、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維等の有機繊維のモノフィラメント、マルチフィラメントなどが考えられる。導体素線15の材料としては、例えば、銅線、銅合金線、ニッケル線、鉄線、アルミニウム線、ニッケル-クロム合金線、鉄-クロム合金線、などが挙げられ、銅合金線としては、例えば、錫-銅合金線、銅-ニッケル合金線、銅固溶体と銅銀共晶がファイバー状になった銀入り銅合金線などが挙げられる。線状体として、温度検知のセンサ線とする場合、導体素線25aとしては、温度変化による抵抗値変化が大きい材料が好ましい。例えば、銅線、銅合金線、ニッケル線、鉄線、アルミニウム線、ニッケル-クロム合金線、銅-ニッケル合金、鉄-クロム合金などの各種金属線、炭素繊維線、導電性樹脂線などが挙げられる。これらの中でも、正特性温度係数を有するものが好ましい。特に係数が大きいニッケル線、プラチナ線が好ましく使用できる。導体素線15a,25aに被覆される絶縁被膜15b,25bは、内層と外層の2層によって形成されても良いし、3層以上の複数層によって形成されても良いし、単層であっても良い。絶縁被膜15b,25bの材料は、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステルナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂など種々の材料が挙げられる。これらの材料は、複数種類を組み合わせて使用しても良いし、難燃剤や老化防止剤などの公知の添加剤を種々配合しても良い。絶縁体層を形成する場合、材料として、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、変性ノリル樹脂(ポリフェニレンオキサイド樹脂)、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、合成ゴム、フッ素ゴム、エチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等、種々のものが挙げられ、適宜、難燃剤や老化防止剤などの公知の添加剤を種々配合しても良い。熱融着部19,29を形成する場合、上記絶縁体層の材料として挙げられたものを使用することができる。但し、絶縁体層や基材よりも融点及び熱分解温度が低いものを選定することが好ましい。線状体の構成や材料については、例えば、上記特許文献7等を参照することができる。また、ヒータ線11で適用できるものは、特別な注記をした場合を除き、センサ線21でも適用できるし、シールド線でも適用できる。
【0032】
また、線状体ではなく、例えば、発熱素子やセンサ素子として、単なる抵抗線のみのもの、箔状の抵抗体、いわゆるPTC素子のようなブロック形状のものなど、種々のものを使用することが考えられる。勿論、これら発熱素子やセンサ素子の外周に熱融着層を形成しても構わない。
【0033】
基材31を構成する発泡体についても、発泡ポリウレタン樹脂に限定されるものではなく、例えば、他の材質からなる発泡樹脂シート、発泡ゴムシートなど種々の高分子発泡体が考えられる。特に伸縮性に優れるものが好ましく、表面にヒータ線の凹凸が現れないように硬度を調節したものが好ましい。また、硬度を調節するには、発泡率を調整する、気泡の状態を独立気泡または連続気泡にする、目的に応じた硬度の材料を使用するなどの方法がある。特に、一方の発泡体の気孔中に、もう一方の発泡体の非気孔部が充分に入り込めるように、連続気泡の方が好ましい。材料としては、ポリウレタン樹脂、クロロプレンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、ジエン系ゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体など、種々の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択すれば良い。また、基材31は、上記の通り、第1発泡体31a及び第2発泡体31bが接続されたものであるが、これら発泡体それぞれを異なる材質のものとしても良い。例えば、以下のようなものが考えられる。一方の発泡体について、気孔率の高いものを選択することが考えられる。これにより、基材31の断熱性能を部分によって変化させることができ、ヒータユニット1として発熱特性を制御することができる。また、部分ごとに最適化させた基材31とすることができ、難燃性に優れる発泡体、引張強度の高い発泡体、耐薬品性に優れる発泡体、耐熱性に優れる発泡体、耐電圧特性に優れる発泡体、電磁波遮蔽特性を備える発泡体、低反発性を有する発泡体、低温脆性に優れる発泡体、熱伝導率が高い発泡体、柔軟性が高い発泡体等、種々の発泡体を組合せることによって、付加的な機能が付与された面状ユニット1にすることができる。また、第1発泡体31aと第2発泡体31bだけでなく、その他の発泡体を使用してもよく、このその他の発泡体は、第1発泡体31aや第2発泡体31bと突き合わせて接続されても良いし、第1発泡体31aや第2発泡体31bと積層されてもよい。
【0034】
上記の発泡体の中でも、単位体積当たりの重量が、平均で0.32g/cm3以上であるものが好ましい。より詳しくは、単位体積当たりの重量が0.32g/cm3より小さい発泡体を複数重ね、加熱加圧によって0.32g/cm3以上にすることが好ましい。特に、単位体積当たりの重量が0.04g/cm3以下の発泡体を複数重ね、加熱加圧によって0.32g/cm3以上にすることが好ましい。これにより、一方の発泡体の気孔中に、もう一方の発泡体の非気孔部が確実に入り込んで、発泡体同士が強固に直接固定されることになる。この際、発泡体における固定が必要のない部分について、故意に加熱加圧を行わないことや、その部分のみ加圧を弱くすることも考えられる。そのような加熱加圧を行わなかった部分や加圧を弱くした部分については、平均の単位体積当たりの重量に算入されない。平均の単位体積当たりの重量は、実質的に直接固定されている部分で規定されるものである。
【0035】
本発明においては、基材31を構成する第1発泡体31aと第2発泡体31bが1N以上の剥離強度で直接固定されていることが好ましい。この直接固定とは、間に接着剤等の他部材を介することなく固定されていることを示す。勿論、第1発泡体31aと第2発泡体31bが接している部分全てにおいて直接固定されている必要はなく、全体として必要な固定がなされていれば、部分的にでも1N以上の剥離強度で直接固定されているのみでも良い。
【0036】
また、上記の実施の形態では、基材31を構成する第1発泡体31aと第2発泡体31bの間に接着剤等が介されていなかったが、これらを確実に接着・固定するため、補助的に、第1発泡体31aと第2発泡体31bの間に接着層を形成することが考えられる。具体的には、例えば、第1発泡体31a及び/または第2発泡体31bに接着剤を塗布すること、第1発泡体31aと第2発泡体31bの間に熱融着樹脂シートを配置しておくこと、なども考えられる。接着層としては、熱融着樹脂のみでなく、例えば、高分子アクリル系粘着剤からなりテープ基材を使用しない接着層や、ポリプロピレンフィルムの両面に接着剤を形成してなる接着層など種々のもの使用できる。それ単独でFMVSS No.302自動車内装材料の燃焼試験に合格するような難燃性を有するものであれば、面状ユニットの難燃性が向上し好ましい。また、面状ユニットの伸縮性を損なわないために、粘着剤のみからなる接着層であることが好ましい。勿論、上記したように、第1発泡体31aと第2の発泡体は、加熱加圧によって必要充分に固定されるので、このような接着剤の使用はあくまで補助的なものであり、部分的に接着剤を使用する程度となる。
【0037】
また、第1発泡体31aと第2発泡体31bが突き合わされる面は、主面と略垂直となっていても良いし、傾斜していても良い。突き合わされる面と主面との角度が小さくなるほど、第1発泡体31aと第2発泡体31bの接触面積を増加させることができ、また加圧による力をより強く接合面に与えることができる。本発明によれば、第1発泡体31aと第2発泡体31bが突き合わされる面と主面との角度が、45度以上90度以下の角度であっても、十分な接続強度で第1発泡体31aと第2発泡体31bが直接固定されていることが確認できている。また、第1発泡体31aと第2発泡体31bが突き合わされる部分について、それぞれが噛み合わさるように段付きにすることも考えられる。この段付きに関しては、主面と平行な面において段付きとすること考えられるし、第1発泡体31aと第2発泡体31bが突き合わされる面において段付きとすることも考えられる。
【0038】
図11~13に示すように、第1発泡体31aと第2発泡体31bが突き合わされる部分について、それぞれに凸部と凹部を設け、噛み合わせることも考えられる。また、凸部の形状を、長辺を凹部側に向けた台形形状や、T字型の異形形状とし、凹部の形状を凸部に対応した形状とすることで、主面水平方向に第1発泡体31aと第2発泡体31bが分離することを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
また、本発明による基材は、ヒータユニットやセンサユニットのような面状ユニットの基材としての使用だけでなく、様々な物品の部品等として使用することができる。例えば、防音材、断熱材、防振材、ろ過材、液体保持材、クッション材といった基礎的材料として、様々な用途で使用することができる。
【0040】
また、本発明による面状ユニットは、例えば、自動車、船舶、各種輸送用車両、各種農耕用車両、各種土木建設用重機などに使用されるステアリングホイールや座席に使用され、ステアリングホイール部や座席を暖めるためのヒータユニットとして、ステアリングホイールや座席の温度検知をするための温度センサユニットとして、或いは、ステアリングホイールの恥状態は座席の着座状態を検知するための静電容量センサユニットとして好適に使用することができる。また、本発明による面状ユニットは、線状体部分の凹凸がなく平坦なものであることを活かし、ステアリングホイールや座席のみでなく、他の用途に活用することができる。例えば、電気毛布、電気カーペット、暖房便座、防曇鏡用ヒータ、加熱調理器具、床暖房用ヒータ、被服用ヒータ、各種の平面状温度検知器、静電容量検知器等に応用することも考えられる。
【符号の説明】
【0041】
1 ヒータユニット(面状ユニット)
2 センサユニット(面状ユニット)
11 ヒータ線(線状体)
21 センサ線(線状体)
31 基材
31a 第1発泡体
31b 第2発泡体