(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159644
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】プリント回路基板アセンブリおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/57 20110101AFI20241031BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01R12/57
H01R13/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071189
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】202321004510.7
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レェイレェイ シィア
(72)【発明者】
【氏名】ファンユエ ジェイソン ヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】ハァイトォン ライアン シェン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA16
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC32
5E021MA08
5E021MA31
5E223AA21
5E223AB43
5E223AC19
5E223BA23
5E223BA27
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単純な構造を有し、それにより、コストを大幅に低減することができるコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】プリント回路基板アセンブリ(PCBA)およびコネクタアセンブリが提供される。プリント回路基板アセンブリは、コネクタアセンブリのハウジング110に装着されることで、ハウジング110に装着される接続端子120に電気的に接続されるように構成される。プリント回路基板アセンブリは、接続端子に向くように配される第1の面を有する回路基板210を含む。プリント回路基板アセンブリは、第1の面に装着されるように形成される導電性コンタクト部材220をさらに含み、コンタクト部材220は、ハウジング110におけるプリント回路基板アセンブリの組み立て済み状態において、接続端子120の、第1の面に向く第1の端部121に当接するように構成および配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリ(10)のハウジング(110)に装着されることで、前記ハウジングに装着されている接続端子(120)に電気的に接続されるように構成されているプリント回路基板アセンブリ(200)であって、
前記プリント回路基板アセンブリは、前記接続端子に向くように配されている第1の面(211)を有する回路基板(210)を備え、
前記プリント回路基板アセンブリは、前記第1の面に装着されるように形成されている導電性コンタクト部材(220)をさらに備え、前記コンタクト部材は、前記ハウジングに装着されている前記プリント回路基板アセンブリの組み立て済み状態において、前記接続端子の、前記第1の面に向く第1の端部(121)に当接するように構成および配置されている、
プリント回路基板アセンブリ(200)。
【請求項2】
前記コンタクト部材は、前記組み立て済み状態において、前記第1の端部に向かう第1の方向(Y)における前記第1の端部の端面に当接するように弾性変形するように構成および配置されている弾性アーム(222)を備える、
請求項1に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項3】
前記コンタクト部材は、前記第1の面に固定されるように構成されている基部(221)をさらに備え、前記弾性アームは、前記第1の面から離れるように前記基部から延びる、
請求項2に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項4】
前記基部は、U字形状を有し、前記弾性アームは、前記U字形状の2つの分岐アームの間に配置され、前記U字形状の底部から斜めに延び、前記弾性アームの自由端部には、前記接続端子に接触するためのコンタクト部が形成されている、
請求項3に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項5】
前記コンタクト部材は、少なくとも1つのストッパ(223)をさらに備え、各ストッパは、前記第1の方向において前記基部から延びる各ストッパの第1の距離が、前記第1の方向において前記基部から延びる前記弾性アームの第2の距離よりも小さくなるように、前記第1の面から離れるように前記基部から延びる、
請求項4に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項6】
前記第2の距離と前記第1の距離との間の差は、前記弾性アームが前記第1の方向への弾性変形を受けることが許容可能な最大変形距離よりも小さい、
請求項5に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の方向に垂直な方向における各ストッパと前記弾性アームとの間の最大間隔は、前記接続端子の前記第1の端部の直径よりも小さい、
請求項6に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのストッパは、前記弾性アームの少なくとも一部分の周囲に配置されている、
請求項7に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのストッパ(223)は、前記第1の方向において前記第1の面から離れるようにそれぞれ前記2つの分岐アームから延びる2つのストッパを含み、前記2つのストッパは、前記第1の方向に垂直な第2の方向(X)において離隔し、前記弾性アームの両側にあり、前記第2の方向における前記2つのストッパの間の最大間隔は、前記接続端子の前記第1の端部の直径よりも小さい、
請求項6に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項10】
前記回路基板は、前記第1の面とは反対側の第2の面(212)をさらに有し、
前記プリント回路基板アセンブリは、前記第2の面に装着され、前記コンタクト部材と電気的に接続されている電気コネクタ(230)をさらに備える、
請求項1から9のいずれか一項に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項11】
前記コンタクト部材は、一体の打抜き加工部品である、
請求項1から9のいずれか一項に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項12】
ハウジング(110)と、前記ハウジングに装着されている1つまたは複数の接続端子(120)とを備えるコネクタアセンブリ(10)であって、
前記コネクタアセンブリは、各コンタクト部材が前記接続端子のうちの対応する1つに当接し電気的に接続されるように前記ハウジングに装着されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記プリント回路基板アセンブリをさらに備える、
コネクタアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記コネクタアセンブリは、相手側コネクタと嵌合するための嵌合端部(101)と、後端部(102)とを有し、前記プリント回路基板アセンブリは、前記後端部において、留め具(103)により前記ハウジングに取り外し可能に固定されている、
請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングには、1つまたは複数の装着孔(111)が形成され、前記接続端子の各々は、前記装着孔のうちの対応する1つに設けられ、
前記コンタクト部材の数は、前記接続端子の数よりも少ないかまたはそれに等しい、
請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記コネクタアセンブリは、充電のためのソケットコネクタであり、前記接続端子は、信号端子、電力端子および接地端子のうちの1つまたは複数を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2023年4月27日に出願された中国特許出願第202321004510.7号の優先権の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、一般にコネクタに関し、特に、コネクタアセンブリにおける組立て位置ずれを改善することが可能なプリント回路基板アセンブリ(PCBA)、およびPCBAを含むコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタは、一般的に、様々な電子部品またはデバイス間の電気的接続を確立するために用いられる。電気自動車などの充電式電力消費デバイスの推進および応用に伴い、高電圧グリッドに接続され、それらの電力消費デバイスを充電するために用いられる多様な充電システム、例えば、電力消費デバイスのための充電インターフェースまたはコネクタ、または電力消費デバイスの充電インターフェースと電気的に接続または結合するための充電インターフェースまたはコネクタを含む、充電パイルまたはステーションなどの充電デバイスが開発されている。
【0004】
電気コネクタは、通常、接続端子と、接続端子への電気的接続のための回路基板またはプリント回路基板アセンブリ(PCBA)とを含む。回路基板またはPCBAは、コネクタにおけるあらゆる信号接続において重要な役割を果たし、したがって、回路基板またはPCBAの接続信頼性を確保する必要があるのみならず、回路基板またはPCBAの組立てを考慮する必要もある。
【0005】
従来技術においては、ソケットまたは装着孔が回路基板またはプリント回路基板アセンブリ(PCBA)に形成され、接続端子がソケットまたは装着孔に挿入される。回路基板またはPCBAを接続端子と組み付ける際には、高い挿入精度が必要とされる。PCBAのソケットの入口はより小さくなっており、回路基板またはPCBAのソケットまたは装着孔と接続端子の端部との間のずれまたは位置合わせ不良が生じる場合がある。したがって、二次組立てが必要となる。さらに、回路基板またはPCBAのソケットまたは装着孔には、多くの場合、複数の弾性シート、例えば4つの弾性シートが設けられ、その結果、構造が複雑になるとともに、コストも大幅に増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、関連技術における上記のおよび他の課題および欠点のうちの少なくとも1つを克服するために行われる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、コネクタアセンブリのハウジングに装着されることで、ハウジングに装着される接続端子に電気的に接続されるように構成されるプリント回路基板アセンブリが提供され、プリント回路基板アセンブリは、接続端子に向くように配される第1の面を有する回路基板を備え、プリント回路基板アセンブリは、第1の面に装着されるように形成される導電性コンタクト部材をさらに備え、コンタクト部材は、ハウジングに装着されるプリント回路基板アセンブリの組み立て済み状態において、接続端子の、第1の面に向く第1の端部に当接するように構成および配置される。
【0008】
いくつかの実施形態において、コンタクト部材は、組み立て済み状態において、第1の端部に向かう第1の方向における第1の端部の端面に当接するように弾性変形するように構成および配置される弾性アームを備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、コンタクト部材は、第1の面に固定されるように構成される基部をさらに含み、弾性アームは、第1の面から離れるように基部から延びる。
【0010】
いくつかの実施形態において、基部は、U字形状を有し、弾性アームは、U字形状の2つの分岐アームの間に配置され、U字形状の底部から斜めに延び、弾性アームの自由端部には、接続端子に接触するためのコンタクト部が形成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、コンタクト部材は、少なくとも1つのストッパをさらに含み、各ストッパは、第1の方向において基部から延びる各ストッパの第1の距離が、第1の方向において基部から延びる弾性アームの第2の距離よりも小さくなるように、第1の面から離れるように基部から延びる。
【0012】
いくつかの実施形態において、第2の距離と第1の距離との間の差は、弾性アームが第1の方向への弾性変形を受けることが許容可能な最大変形距離よりも小さい。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1の方向に垂直な方向における各ストッパと弾性アームとの間の最大間隔は、接続端子の第1の端部の直径よりも小さい。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのストッパは、弾性アームの少なくとも一部分の周囲に配置される。
【0015】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのストッパは、第1の方向において第1の面から離れるようにそれぞれ2つの分岐アームから延びる2つのストッパを含み、2つのストッパは、第1の方向に垂直な第2の方向において離隔し、弾性アームの両側にあり、第2の方向における2つのストッパの間の最大間隔は、接続端子の第1の端部の直径よりも小さい。
【0016】
いくつかの実施形態において、回路基板は、第1の面とは反対側の第2の面をさらに有し、プリント回路基板アセンブリは、第2の面に装着され、コンタクト部材と電気的に接続される電気コネクタをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、コンタクト部材は、一体の打抜き加工部品である。
【0018】
本開示の別の態様によれば、ハウジングと、ハウジングに装着される1つまたは複数の接続端子とを含むコネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、各コンタクト部材が接続端子のうちの対応する1つに当接し電気的に接続されるようにハウジングに装着される、本開示の任意の実施形態に記載のプリント回路基板アセンブリをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、相手側コネクタと嵌合するための嵌合端部と、後端部とを有し、プリント回路基板アセンブリは、後端部において、留め具によりハウジングに取り外し可能に固定される。
【0020】
いくつかの実施形態において、ハウジングには、1つまたは複数の装着孔が形成され、接続端子の各々は、装着孔のうちの対応する1つに設けられ、コンタクト部材の数は、接続端子の数よりも少ないかまたはそれに等しい。
【0021】
いくつかの実施形態において、コネクタアセンブリは、充電のためのソケットコネクタであり、接続端子は、信号端子、電力端子および接地端子のうちの1つまたは複数を含む。
【0022】
添付の図面と併せて、以下の詳細な説明に基づき、本開示の実施形態の上記のおよび他の態様、特徴、および利点がより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の例示的実施形態に係るコネクタアセンブリの構造を模式的に示す斜視図である。
【
図2】本開示の例示的実施形態に係るコネクタアセンブリの構造を模式的に示す分解図である。
【
図3】本開示の例示的実施形態に係るコネクタアセンブリを模式的に示す端面斜視図である。
【
図4】プリント回路基板アセンブリ(PCBA)および接続端子を示すためにハウジングが取り除かれている、本開示の例示的実施形態に係るコネクタアセンブリの構造を模式的に示す側面斜視図である。
【
図5】本開示の例示的実施形態に係るコネクタアセンブリの構造を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図5において点線の円で示す部分の部分拡大図である。
【
図7】本開示の例示的実施形態に係るプリント回路基板アセンブリの構造を模式的に示す斜視図である。
【
図8】本開示の例示的実施形態に係るプリント回路基板アセンブリのコンタクト部材の構造を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面と併せて、本開示の実施形態を以下で詳細に説明する。本説明において、同じまたは類似の部分は、同じまたは類似の参照符号により示されている。添付の図面を参照した以下の本開示の実施形態の各々の説明は、本開示の一般的な発明概念を説明することを意図したものであり、本開示に対する限定として解釈されるべきではない。
【0025】
加えて、以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例として、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0026】
下記の詳細な説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「上側」および「下側」、「内側」および「外側」等のような方向的用語は、添付の図面に従って定義されるが、各部の形状および位置は、これらの用語によって限定されず、実際の応用に応じて調整されてよい。
【0027】
加えて、本明細書で用いられる用語は、例示的実施形態を説明することを意図したものであり、本開示を限定および/または制約することを意図したものではない。別途文脈による明示のない限り、単数形の「1つ」、「一の」および「前記」は、複数形を含むことも意図したものである。本開示において、「含む」、「備える」、「有する」といった用語、および類似の用語は、特徴、量、ステップ、操作、要素、部分、またはそれらの組合せを列挙するために用いられるが、そのような特徴、量、ステップ、操作、要素、部分、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数の存在または追加を除外するものではない。
【0028】
多種多様な要素を説明するために、「第1の」、「第2の」等といった用語が本明細書で用いられる場合があるが、これらの要素は、これらの用語により制限されるべきではない。これらの用語は、単に1つの要素を別の要素と区別するために用いられる。例えば、本開示の範囲から逸脱しない限り、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。「および/または」という用語は、関連する項目の複数の組合せまたは複数の関連する項目のうちのいずれか1つを含む。
【0029】
図1~
図8に示すように、本開示の例示的実施形態によれば、様々なタイプの電子部品またはデバイス間の電気的接続を確立するための、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)、およびPCBAを含むコネクタアセンブリが提供される。一例として、本開示により提供されるコネクタアセンブリは、例えばハイブリッド電力、電気産業、および電気自動車の分野における電気コネクタとして用いられてよい。例えば、コネクタアセンブリは、電気自動車または電子デバイスなどの電力消費デバイスのための充電コネクタ、あるいは、充電パイルまたはステーションなどの充電デバイスのための充電コネクタ、例えば充電ソケットまたはプラグであってよい。
【0030】
図示の例示的実施形態において、コネクタアセンブリ10は、プラスチック材料などの絶縁材料から作製されるハウジング110と、1つまたは複数の導電または接続端子120と、ハウジング110に装着されるプリント回路基板アセンブリ200とを含む。例えば、ハウジング110は、アウターシェルと、アウターシェル内に設けられるインナーシェルとを含んでよく、接続端子120およびプリント回路基板アセンブリ200は、インナーシェルに固定的に組み付けられるが、本開示はこれに限定されない。例示的に、ハウジング110、例えばインナーシェルには、1つまたは複数の装着孔111が形成されまたは設けられ、各接続端子120は、1つの対応する装着孔111に設けられる。
一例として、接続端子は、電力または信号の伝送に用いられてよく、信号端子、電力端子および接地端子のうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0031】
図1~
図3および
図5に示すように、コネクタアセンブリ10は、相手側コネクタ(不図示、プラグまたはソケットコネクタなど)と嵌合するための嵌合端部101と、他端部または後端部102とを有する。例えば、接続端子120を装着孔111に装着した後、プリント回路基板アセンブリ200が、後端部102において、ねじなどの留め具103によりハウジング110に取り外し可能に固定されてよい。
図3に示すように、ポートまたはジャック112が、嵌合端部101に形成され、装着孔111と連通しまたは一体化され、相手側コネクタの対応する端子が、接続端子120との電気的接触または接続のためにポートまたはジャック112に挿入される。
例示的に、接続端子120は、プリント回路基板アセンブリ200との電気的接触のための第1の端部121と、相手側コネクタの対応する端子との電気的接触のための第2の端部122とを有する、
図1~
図6に示すような機械加工端子であってよい。
【0032】
図示の実施形態において、プリント回路基板アセンブリ200は、プリント回路基板などの回路基板210を含み、回路基板210は、第1の面211および反対側の第2の面212を有する。プリント回路基板アセンブリ200がハウジング110に組み付けられると、第1の面211が接続端子120に向き、例えば第1の端部121に向く。
【0033】
本開示の例示的実施形態において、
図1~
図8に示すように、プリント回路基板アセンブリ200はまた、回路基板210の第1の面211に装着されるコンタクト部材220を含み、コンタクト部材220は、導電性材料から作製される。プリント回路基板アセンブリ200がハウジング110に装着されている組み立て済み状態において、コンタクト部材220は、第1の面211に向く接続端子120の第1の端部121に当接する。
【0034】
よって、ハウジング110へのプリント回路基板アセンブリ200の組み付け中、例えば、プリント回路基板アセンブリを後端部102の側からハウジング110に挿入する過程で、従来技術における回路基板のソケットまたは装着孔と接続端子との間の挿入または位置合わせおよび接触の代わりに、回路基板210の面に設けられるコンタクト部材220が、ハウジング110に装着される接続端子120に当接し、接続端子120と電気的に接触し、それにより、組み立て中におけるプリント回路基板アセンブリのオフセットまたは位置ずれを良好に吸収し、プリント回路基板アセンブリ200と接続端子120との間の高信頼な接続または電気的接触を確保し、二次組立ての必要がなくなり、それにより組立て効率が向上する。
例示的に、各コンタクト部材220は、1つの対応する接続端子120と接続され電気的に接触してよく、コンタクト部材の数は、接続端子の数よりも少ないかまたはそれに等しくてよい。
【0035】
図示の実施形態において、コンタクト部材220は、例えば、回路基板210の第1の面211に装着または固定され得る、プレート状の基部221を含む。コンタクト部材210はまた、接続端子120の第1の端部121に向かう第1の方向Yにおいて第1の面211から離れるように基部221から延びる弾性アーム222を含んでよい。組み立て中、弾性アーム222は、接続端子120に接触してよく、例えば第1の方向Yにおける第1の端部121の端面に当接してよく、弾性変形するように押圧される(すなわち弾性的に圧縮される)。これにより、高信頼な電気的接触をコンタクト部材210と接続端子120との間に確立することができる。
【0036】
図4~
図8に示す図示の例示的実施形態において、基部221は、底部と、底部から延び、例えば第2の方向Xにおいて離隔する2つの分岐アームとを有する、略U字形状に形成される。弾性アーム222は、U字形状の2つの分岐アームの間に配置され、第1の面211から離れるようにU字形状の底部から延び、例えば第1の方向Yに対して傾斜するように弾性シート状に延びる。弾性アーム222の自由端部には、接続端子120の第1の端部121に当接するための、面取り部または湾曲部などのコンタクト部が形成されてよい。
【0037】
本開示のいくつかの例示的実施形態において、
図4~
図8に示すように、コンタクト部材220は、各々が少なくとも第1の方向Yにおいて第1の面211から離れるように基部221から延びる少なくとも1つのストッパ223をさらに含んでよく、一方で弾性アーム222は、ストッパ223よりも回路基板210の第1の面から遠い。例えば、第1の方向Yにおいて基部221から延びる各ストッパ223の(最も遠い)第1の距離は、第1の方向Yにおいて基部221から延びる弾性アーム222の(最も遠い)第2の距離よりも小さい。
したがって、組み立て中、弾性アーム222は、ストッパ223よりも早く接続端子120の第1の端部121またはハウジング110に接触し、第1の面211に向かって弾性的に変形するように押圧され、一方でストッパ223は、弾性アーム222の不可逆的変形を回避するために弾性アーム222のさらなる変形を防止する。例えば、弾性アーム222がその元の形状に復元することができるように、弾性アーム222が第1の面211に押し付けられることが防止される。組み立て中における弾性アーム222の不可逆的変形を防止することに加えて、ストッパ223は、輸送、パッケージングまたは保管中におけるコンタクト部材220の不可逆的変形を防止することもできることが理解されよう。
【0038】
一例として、第1の方向Yにおいて基部221から延びるストッパ223の(最も遠い)第1の距離と、第1の方向Yにおいて基部221から延びる弾性アーム222の(最も遠い)第2の距離との間の差は、弾性アーム222の不可逆的変形が生じる前にストッパ223が弾性アーム222のさらなる変形を防止することができるように、弾性アーム222が第1の面211に向かう第1の方向Yへの弾性変形を受けることが許容可能な最大変形距離よりも小さくなるように設定されてよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、回路基板210の第1の面211に平行な平面において、例えば第1の方向Yに垂直な1つまたは複数の方向において、ストッパ223と弾性アーム222との間の最大間隔は、接続端子120の第1の端部121の直径よりも小さい。これにより、接続端子120の第1の端部121をストッパ223と弾性アーム222との間の空間に挿入することにより生じる低信頼な接続を防止することができる。
【0040】
図4~
図8に示す図示の実施形態において、コンタクト部材220は、それぞれ基部221の2つの分岐アームから延び、少なくとも第1の方向Yにおいて回路基板210の第1の面211から離れるように延びる2つのストッパ223を含む。2つのストッパ223は、例えば、第1の方向Yに垂直な第2の方向Xにおいて離隔し、弾性アーム222の両側にある。第2の方向Xにおける2つのストッパ223の間の最大間隔は、接続端子120の第1の端部121の直径よりも小さく、これにより、接続端子120の第1の端部121をストッパ223と弾性アーム222との間の空間に挿入することにより生じる低信頼な接続を防止することができる。
【0041】
一例として、コンタクト部材210は、金属薄板などの導電性材料を打抜き加工および曲げ加工することにより形成される一体部品であってよく、例えば、弾性アーム222は、金属薄板の中間部を打抜き加工および曲げ加工することにより形成されてよく、一方でストッパ223は、金属薄板の縁部を打抜き加工および曲げ加工することにより形成されてよい。したがって、本開示の実施形態において利用されるコンタクト部材は、単純な構造を有し、それにより、コストを大幅に低減することができる。
【0042】
ストッパ223の配置は図示の実施形態に限定されず、他の実施形態においては、ストッパ223が様々な態様および形状で弾性アーム222の周囲にまたは弾性アーム222の少なくとも一部分の周囲に配置されてよいことが理解されよう。例えば、ストッパ223は、弾性アーム222の最も遠く延びるまたは突出する自由端部の近くの位置に形成されてよく、例えば保持壁(retaining wall)、バッフル、隆起等の形態で形成されてよい。
【0043】
加えて、プリント回路基板アセンブリ200は、電気コネクタ230などの多様な電子部品をさらに含み、電気コネクタ230は、回路基板210の第2の面212に装着され、導電トレースおよび/またはビアホールを介してコンタクト部材220に電気的に接続されてよい。電子デバイスまたは電気自動車などの電力消費デバイスの内部電子部品(例えばケーブル、バッテリ等)が、電気コネクタ230に接続されてよい。
【0044】
本開示の実施形態を示し説明したが、これらの実施形態は、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限りにおいて様々であってよく、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物により限定されることが、当業者には理解されるべきである。また、別段の記載のない限り、本明細書において用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような語は、他の要素またはステップを除外するものではないことに留意されたい。加えて、特許請求の範囲において用いられるあらゆる参照符号は、本開示の保護範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【外国語明細書】