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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015965
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】コンフォーマル光学薄層を含む物品
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20240130BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240130BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20240130BHJP
   G02B 1/16 20150101ALI20240130BHJP
   G02B 1/111 20150101ALI20240130BHJP
【FI】
G02B5/02 B
G02B3/00 A
G02B3/00 Z
G02B5/22
G02B1/16
G02B1/111
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085431
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】17/872,288
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】カンニン リャン
(72)【発明者】
【氏名】アルバート アルゴイティア
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスロウ ジエバ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ピー ザイデル
【テーマコード(参考)】
2H042
2H148
2K009
【Fターム(参考)】
2H042BA01
2H042BA20
2H148CA14
2H148CA19
2K009AA02
2K009CC21
2K009EE03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品による光の反射を最小限に抑えるように整合させる屈折率を与えることができ、拡散ポリマーの厚みを低くしつつ、大視野用の設計を可能にすることができる。
【解決手段】基板20と、拡散ポリマー12と、拡散ポリマーの表面に合致する光学材料薄層14と、を含む物品10が開示される。物品の製造方法も開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
拡散ポリマーと、及び
前記拡散ポリマーの表面に合致する光学材料薄層と、
を備える、物品。
【請求項2】
請求項1に記載の物品であって、前記光学材料薄層は2つ以上の光学材料薄層である、物品。
【請求項3】
請求項2に記載の物品であって、前記2つ以上の光学材料薄層の各薄層は異なる屈折率を有し、また前記2つ以上の薄層は屈折率勾配を形成するように配置される、物品。
【請求項4】
請求項1に記載の物品であって、前記光学材料薄層は、屈折率を有するナノ粒子、選択吸収性ナノ粒子、液晶ポリマー、導電性ポリマー、着色剤、シリコーン、及びフルオロカーボンポリマーから選択される少なくとも1つの光学材料を含む、物品。
【請求項5】
請求項1に記載の物品であって、さらに、結合ポリマーを備え、
前記結合ポリマーは拡散ポリマーの表面に合致し、また前記光学材料薄層は屈折率を有するナノ粒子層である、物品。
【請求項6】
請求項5に記載の物品であって、前記結合ポリマーは2つ以上の結合ポリマー層であり、前記光学材料薄層は2つ以上の光学材料層であり、また前記2つ以上の結合ポリマー層は前記2つ以上の光学材料層と交互にされている、物品。
【請求項7】
請求項6に記載の物品であって、前記2つ以上の結合ポリマー層のそれぞれにおける前記結合ポリマーが異なっており、また前記2つ以上の光学材料層のそれぞれにおける前記光学材料が異なっている、物品。
【請求項8】
請求項5に記載の物品であって、さらに、前記光学材料薄層の上面に存在する低屈折率を備える、物品。
【請求項9】
請求項1に記載の物品であって、前記拡散ポリマーの物理的厚み対前記光学材料薄層の物理的厚みが、約5:1以上である、物品。
【請求項10】
請求項1に記載の物品であって、前記光学材料薄層は着色剤を含む、物品。
【請求項11】
請求項1に記載の物品であって、前記光学材料薄層は前記拡散ポリマーの屈折率よりも低い屈折率を有する、物品。
【請求項12】
請求項5に記載の物品であって、前記結合ポリマーは帯電材料であり、また前記光学材料薄層は前記結合ポリマーと逆の電荷を有する、物品。
【請求項13】
請求項2に記載の物品であって、前記2つ以上の光学材料薄層のうちの最も外側の薄層は、低屈折率を有する、物品。
【請求項14】
請求項2に記載の物品であって、前記2つ以上の光学材料薄層の各薄層は、均一な厚みを有する、物品。
【請求項15】
物品を製造する方法であって、
基板を準備するステップと、
前記基板上に拡散ポリマーを堆積するステップと、及び
光学材料薄層を堆積するステップと、
を備え、
前記光学材料薄層は前記拡散ポリマーの表面に合致する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記光学材料薄層は前記拡散ポリマーの屈折率よりも低い屈折率を有し、それにより、前記物品によって反射される光が低減される、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記光学材料薄層は、光学材料の2つ以上の薄層であり、前記2つ以上の光学材料薄層の各薄層はすぐ下方の前記薄層よりも低い屈折率を有する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、前記光学材料薄層を堆積するステップは、さらに、前記拡散ポリマーの表面に結合ポリマーを溶液堆積するステップと、及び前記結合ポリマーの表面に前記光学材料薄層を堆積するステップと、を備える、方法。
【請求項19】
物品を製造する方法であって、
金型の負に帯電した表面プロファイルに低屈折率ポリマーを堆積するステップと、
堆積された前記低屈折率ポリマー上に光学材料薄層を堆積するステップと、及び
堆積された前記光学材料薄層に拡散ポリマーを堆積するステップと、
を備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記低屈折率ポリマーを堆積するステップは、真空蒸着又は溶液堆積である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本開示は、基板と、拡散ポリマーと、及び拡散ポリマーの表面に合致(コンフォーム:conform)する光学材料薄層と、を含む物品に関する。また、物品の製造方法も開示される。
【背景技術】
【0002】
レーザ及び発光ダイオード(LED)等の光学デバイスであって、デバイスから遠く離れた位置における発光エネルギーの含有量を均質化又は再分配することを目的として、発光エネルギーの伝搬に影響を及ぼし且つ伝搬を変更するデバイスは、一般に、ディフューザ又はビーム整形器と呼ばれる。概して、このようなデバイスは、高さの変化を含む表面パターンを有し、この変化により、入射光の伝播方向を、典型的には一定範囲内のランダムな方向に変えることを特徴とし、この変化は、表面パターンの特徴に依存する。ディフューザの一般的な例として、すりガラス、ホログラフィックディフューザ、ガウシアンディフューザ、回折ディフューザ、周期的マイクロレンズアレイ、及びランダムマイクロレンズアレイが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
必要とされるのは、物理的、機械的及び光学的特性のうちの少なくとも1つが向上した、ディフューザ等の物品である。この物品は、物品による光の反射を最小限に抑えるように整合させる屈折率を与えることができる。この物品は、拡散ポリマーの厚みを低くしつつ、大視野用の設計を可能にすることができる。
【0004】
本開示の特徴は、例として示されるが、以下の図に限定されず、図中では、同様の数字は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一態様による物品を示す。
図2】本発明の別の態様による物品を示す。
図3】本発明の別の態様による物品を示す。
図4】本発明の別の態様による物品を示す。
図5】本発明の別の態様による物品を示す。
図6】本発明の一態様による物品の製造方法のフローチャートである。
図7】本発明の別の態様による物品の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一態様では、基板と、拡散ポリマーと、拡散ポリマーの表面に合致する光学材料薄層と、を含む物品が開示される。
【0007】
別の態様では、物品を製造する方法が開示され、この方法は、基板を準備するステップと、基板上に拡散ポリマーを堆積するステップと、光学材料薄層が拡散ポリマーの表面に合致するように光学材料薄層を堆積するステップと、を備える。
【0008】
様々な実施形態の付加的な特徴及び利点は、以下の説明中に部分的に記載されており、また、説明から部分的に明らかになり、若しくは、様々な実施形態の実施によって学習できるであろう。様々な実施形態の目的及び他の利点は、本明細書の説明中で特に指摘されている要素及び組合せの手段によって実現され、達成されるであろう。
【0009】
簡略化及び例示のために、本開示は、主に実施例を参照して説明される。以下の説明では、本開示を完全に理解させるために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、これらの特定の詳細に限定せずとも本開示を実施できることが、容易に明らかになるであろう。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にしないように、いくつかの方法及び構造は詳細に説明されていない。
【0010】
そのうえ、添付の図面に示される要素は、付加的な構成要素を含む場合もあり、また、図面に記載される構成要素のうちのいくつかは、本開示の範囲から逸脱することなく、除去及び/又は変更される場合もある。さらに、図面に示される要素は、縮尺通りに描かれていないこともあり、したがって、要素は、図に示される要素とは異なるサイズ及び/又は構成を有する場合もある。
【0011】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明はどちらも、例示的かつ解釈にすぎず、本教示の様々な実施形態を説明するためのものであることを理解されたい。その広範かつ多様な実施形態の中で、本明細書に開示されているのは、基板20と、拡散ポリマー12と、及び拡散ポリマー12の表面に合致できる光学材料薄層14と、を含む物品10である。以下でより詳細に説明するように、光学材料薄層14は、1つ以上の光学材料薄層14であってもよい。物品10に2つ以上の薄層が存在する場合、薄層を、第1薄層14a、第2薄層14b等と称する場合がある。「第1」、「第2」等、及び「a」、「b」等は、単に物品10の要素を互いに区別するために使用され、任意の物理又は位置情報を限定又は提供するためのものではないことを理解されたい。
【0012】
物品10は、光学素子、例えば、ディフューザであってもよい。拡散ポリマー12上に存在する各層は、拡散ポリマー12の表面、及びもし存在するならば、任意の及び全ての介在層(例えば、結合ポリマー16、光学材料薄層14、低屈折率ポリマー18)に合致することができる。これらのコンフォーマル(共形)層は、以下の特性、すなわち、
・(設計された屈折率及び厚みを有する)選択的反射、
・(拡散ポリマー12よりも低い屈折率を有する)屈折防止、
・(所望のUV及び可視光吸収能力を有する)吸収制御、
・(液晶ポリマー又はナノ粒子を使用する)偏光制御、
・(導電性ポリマー又はナノ粒子を使用する)導電性、
・(色吸収ポリマー又はナノ粒子を使用する)美的制御、
・(シリコーン又はフルオロカーボンポリマー等の、疎水性機能ももたらす光学材料を使用する)汚れ防止機能、及び
・(可撓性、硬度、耐引掻性、靭性等も向上させる光学材料を使用する)機械的特性
のうちの少なくとも1つをもたらすことができる。
【0013】
光学材料薄層14は、物品10による光の反射を低減するために、拡散ポリマー又は空気等と整合する屈折率を与えてもよい。別の態様では、光学材料薄層14は、大視野を可能にするために、高屈折率光学材料のナノ粒子等のナノ粒子を含んでもよい。さらなる態様では、光学材料薄層14は、色、導電性等の付加的な光学特性を物品10に付与してもよい。さらなる態様では、光学材料薄層14は、硬度、耐引掻性等の物理的及び/又は機械的特性を物品10に付与してもよい。
【0014】
物品10は基板20を含んでもよい。基板20は、任意の透明な材料から形成してもよい。適切な基板の材料の非限定的な例として、ガラス; ダイヤモンド、溶融シリカ;アモルファスシリコン、ソーダ石灰;ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アモルファスコポリエステル、ポリ塩化ビニル;シロキサン系組成物、環状オレフィンコポリマー、アイオノマー樹脂、透明ポリプロピレン、フッ素化ポリマー系、スチレンメチルメタクリレート、スチレンアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン、及びメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、基板20はガラスであってもよい。
【0015】
基板20は、約0.05mm~約6.35mm、例えば、約0.1mm~約5mm、さらなる例として、約0.15mm~約1.0mmの厚みで存在してもよい。
【0016】
基板20は、上面、底面等の1つ以上の平坦な表面を含んでもよい。「上(top)」、「底(bottom」」等の用語は、表面における差異を意図しており、限定することは意図していないことを理解されたい。一態様では、拡散ポリマー12は、基板20の上面上の少なくとも一部に存在してもよい。例えば、拡散ポリマー12は、基板20の上面の中央部分に存在し、基板20の各端部(例えば、第1及び第2端部)に拡散ポリマー12が存在しなくてもよい。別の態様では、光学材料薄層14は、基板20の上面上の少なくとも一部に存在してもよい。例えば、光学材料薄層14は、基板20の上面の第1端部(例えば、左)及び/又は第2端部(例えば、右)に存在してもよい。基板20の上面の第1端部及び/又は第2端部には、光学材料薄層が存在しなくてもよい。
【0017】
拡散ポリマー12は、基板20の表面上に堆積することができる任意の透明ポリマーであってもよい。拡散ポリマー12は、任意の硬化性ポリマーで形成されてもよい。好適な拡散ポリマー12の非限定的な例として、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、アクリレート、ポリビニルエステル、ポリエーテル、ポリチオール、シリコーン、フルオロカーボン等の熱可塑性プラスチック及びそれらの様々なコポリマー、エポキシ、ポリウレタン、アクリレート、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド及びフェノールホルムアルデヒド等の熱硬化性樹脂、アクリレート、エポキシ、ビニル、ビニルエステル、スチレン及びシラン等のエネルギー硬化性材料、並びに、これらの組み合わせが挙げられる。付加的な拡散ポリマー12として、シラン、シロキサン、チタネート、ジルコン酸塩、アルミネート、ケイ酸塩、ホスファザン、ポリボラジレン、及びポリチアジルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
拡散ポリマー12のポリマー鎖は、重合技術を利用して架橋し、次いで硬化させることができる。重合技術の非限定的な例として、フリーラジカル重合、分光増感光誘起フリーラジカル重合、光誘起カチオン重合、分光増感光誘起カチオン重合及び光誘起環化付加等の光誘起重合、電子ビーム誘起フリーラジカル重合、電子ビーム誘起カチオン重合及び電子ビーム誘起環化付加等の電子ビーム誘起重合、並びに、熱誘起カチオン重合等の熱誘導重合が挙げられる。一態様では、拡散ポリマー12は、基板上に堆積してもよく、また、非ラジカル硬化系、紫外線、可視光線、赤外線及び/又は電子ビーム等の技術を使用して、架橋及び/又は硬化させてもよい。
【0019】
拡散ポリマー12は、基板の上面と接合する底面を有してもよい。拡散ポリマー12は、ランダムな表面プロファイル、周期的な表面プロファイル、及び/又はパターン化した表面プロファイル等の表面プロファイルを有する上面を有してもよい。表面プロファイルは、エンボス加工、成型、又は反応性イオンエッチング等の方法によって作成してもよい。
【0020】
拡散ポリマー12の表面プロファイルは、0nmよりも大きい物理的厚みを有してもよい、すなわち、拡散ポリマー12の単なる平坦な上面ではない。例えば、拡散ポリマー12の表面プロファイルは、微細構造の深さを有するのに十分な物理的厚みを有してもよい。拡散ポリマー12の表面プロファイルは、約5ミクロン~約500ミクロン、例えば、約10ミクロン~約200ミクロン、さらなる例として、約40ミクロン~約100ミクロンの物理的厚みを有してもよく、これら範囲の間の全ての範囲及びサブ範囲を含んでもよい。拡散ポリマー12は、基板20の上面に沿って厚みが異なるように存在してもよい。
【0021】
図1及び3に示すように、物品10は、拡散ポリマー12の表面及び/又は結合ポリマー16の表面に合致する光学材料薄層14を含んでもよい。例えば、光学材料薄層14は、拡散ポリマー12及び/又は結合ポリマー16の表面プロファイル等の表面と同じ形状、外形又は輪郭を有してもよい。各光学材料薄層14は、単一層(14a)であろうと、2つ以上の層(14a、14b)であろうと、拡散ポリマー12の表面、及び、結合ポリマー16又は光学材料14の任意の介在層に合致することができる。「薄層」とは、約0.01ミクロン~約20ミクロン、例えば、約0.1ミクロン~約5ミクロン、さらなる例として、約0.5ミクロン~約2ミクロンの物理的厚みを有することを意味すると理解される。
【0022】
光学材料薄層14の物理的厚みに対する拡散ポリマー12の物理的厚みは、約5:1以上であってもよい。この比は、物品10の光散乱プロファイルに弊害をもたらさない限り、調整してもよい。光学材料薄層14に対する拡散ポリマー12の厚みの比は、拡散ポリマー12の屈折率の比、及び任意の合致層(例えば、結合ポリマー16、光学材料14、及び/又は、光屈折率を有するポリマー18)による影響を受ける場合があることに留意されたい。さらに、この比は、拡散ポリマー12の表面プロファイルによって決定することができる。視野を規定する拡散ポリマー12の最小表面プロファイルと、全てのコンフォーマル層との物理的厚みの比は、約5:1以上にすべきである。
【0023】
光学材料薄層14は、図1に示されるように単一層であってもよく、又は図2に示されるように2つ以上の光学材料薄層14a、14bであってもよい。一態様では、2つ以上の光学材料薄層14のうち、最も外側の(空気に最も近い)光学材料薄層14が、低屈折率を有してもよい。一態様では、2つ以上の光学材料薄層14a、14b等の各薄層は、別個の各層にわたって均一な厚みを有してもよい。
【0024】
光学材料薄層14は、少なくとも1つの光学材料層であってもよい。適切な光学材料の非限定的な例として、屈折率を有するナノ粒子、選択吸収性ナノ粒子、液晶ポリマー、導電性ポリマー、着色剤、シリコーン、フルオロカーボンポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。光学材料14における屈折率を有するナノ粒子は、高屈折率光学材料のナノ粒子であってもよい。高屈折率光学材料14は、水素化物、窒化物、炭化物、又は金属酸化物であってもよい。高屈折率材料の非限定的な例として、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、二酸化チタン(C)、酸化インジウム(In2O3)、酸化インジウムスズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ユーロピウム(EU2O3)、酸化第二鉄(III)鉄(II) (Fe3O4)及び酸化第二鉄(Fe2O3)等の酸化鉄、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化サマリウム(Sm2O3)、三酸化アンチモン(Sb2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、一酸化ケイ素(SiO)、水素化ケイ素(SiH)、三酸化セレン(Se2O3)、酸化スズ(SnO2)、又は三酸化タングステン等が挙げられる。
【0025】
光学材料14における屈折率を有するナノ粒子は、低屈折率光学材料のナノ粒子であってもよい。適切な低屈折率光学材料14の非限定的な例として、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(例えば、Na3AlF6,Na5Al3F14)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、これらの組合せ、又は、約1.65以下の屈折率を有する任意の他の低屈折率材料が挙げられる。例えば、アクリレート(例えば、メタクリレート)、パーフルオロアルケン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、これらの組み合わせ等のジエン又はアルケンを含む低屈折率材料として、有機モノマー及びポリマーを利用してもよい。
【0026】
選択吸収性ナノ粒子は、光を選択的に吸収する光学材料のナノ粒子であってもよい。光学材料14として使用するための選択吸収性ナノ粒子の非限定的な例として、銅、金、クロム、アルミニウム、銀、ニッケル、パラジウム、白金、チタン、バナジウム、コバルト、鉄、スズ、タングステン、モリブデン、ロジウム、ニオブ、炭素、黒鉛、ケイ素、ゲルマニウム 、サーメット、並びに、上記の選択吸収性光学材料、散乱粒子、若しくは有機顔料のナノ粒子の様々な組み合わせ、混合物、化合物又は合金が挙げられる。
【0027】
光学材料14として使用するための液晶ポリマー(LCP)は、1つ以上の凝固ポリマー液晶成分であってもよい。LCPは、視野角に依存する色を有してもよく、キラル相を有する液晶構造の、配向された三次元架橋物質から構成されてもよい。LCP構造は、キラル相を有する1種以上の三次元架橋性液晶物質を配向し、次いで三次元架橋し、続いて所望の粒径に粉砕することによって獲得することができる。得られるLCP構造は、液晶構造の架橋物質を含む小板状粒子である(すなわち、架橋前のポリマー又はモノマー流体は、液晶タイプにおける秩序状態にあった)。代替的に、LCP構造は、小板状粒子を液晶材料でコーティングすることによって形成してもよい。LCP構造は、少なくとも1つのネマチック化合物及び少なくとも1つのキラルドーパント化合物を含む前駆体組成物から作成してもよい。
【0028】
光学材料薄層14は、導電性ポリマーであってもよい。導電性ポリマーの非限定的な例として、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリインドール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド、これらのコポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。導電性ポリマーは、物品10に導電特性をもたらすことができる。
【0029】
光学材料薄層14は、顔料又は染料等の着色剤であってもよい。ソサイエティ・オブ・ダイヤーズ・アンド・カラリスツ(Society of Dyers and Colourists)によって公開されているColour Index(商標)で認識されている任意の染料又は顔料、例えば、「C.I. pigment」という名称の顔料を使用してもよい。また、着色剤の非限定的な例として、炭素、黒鉛、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、ピロール、キナクリドンキノン、アントラピリミジン、アントラキノン、アンタントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合顔料、アゾ、キノロン、キサンテン、アゾメチン、キノフタロン、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、イソインドリン、ジケトピロロピロール、チオインジコ、チアジンジゴ、イソインドリノン、ピラントロン、イソビオラントロン、ミヨシメタン、トリアリールメタン、及びこれらの混合物も挙げられる。また、有機着色剤は、コバルトグリーン、コバルトブルー、プルシアンブルー、及びマンガンバイオレットであってもよい。着色剤は、物品10に美的特性をもたらすことができる。
【0030】
光学材料は、フルオロカーボンポリマーであってもよい。フルオロカーボンポリマーの非限定的な例として、フルオロアルカン、パーフルオロアルケン(例えば、パーフルオロイソブテン)、フルオロアルケン(例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン)、フルオロアルキン(例えば、ヘキサフルオロ-2-ブチン)、パーフルオロ芳香族化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。フルオロカーボンポリマーは、物品10に疎水性及び低屈折率をもたらすことができる。
【0031】
光学材料薄層14が2つ以上の薄層14a、14bである場合、各光学材料薄層14a、14b等は、互いに異なる屈折率、拡散ポリマー12と異なる屈折率、及び/又は空気と異なる屈折率を有してもよい。一態様では、物品10は、2つ以上の光学材料薄層14a、14bを含み、各薄層は、異なる屈折率を有し、また、低屈折率から高屈折率へ、又はその逆等の屈折率勾配を形成するように物理的に配置されてもよい。基板20と、拡散ポリマー12と、2つ以上の光学材料薄層14a、14bと、を含む物品10が、選択的反射材を形成してもよく、2つ以上の薄層14a、14bがそれぞれ、拡散ポリマー12と異なる、互いに異なる、及び/又は空気と異なる、勾配付きの屈折率を有してもよい。一態様では、光学材料薄層14は、拡散ポリマー12の屈折率よりも低い屈折率を有してもよい。
【0032】
光学材料薄層14は、光学材料14に基づく屈折率を有してもよい。低屈折率を有する光学材料薄層14は、低屈折率(すなわち、約1.1~約1.65)を有する光学材料14を含んでもよく、高屈折率を有する光学材料薄層14は、高屈折率(すなわち、1.65超~約2.5)を有する光学材料14を含んでもよい。
【0033】
光学材料薄層14は、単一の光学材料14の連続シート、光学材料14のナノ粒子層、又はこれらの組み合わせであってもよい。一態様では、光学材料薄層14は、光学材料14のナノ粒子層であってもよい。
【0034】
また、物品10は、図3~5に示されるように、結合ポリマー16を含んでもよい。結合ポリマー16は、拡散ポリマー12の表面上に存在してもよく、また、光学材料薄層14と同じように又は同様に、拡散ポリマー12の表面に合致してもよい。光学材料薄層14は、結合ポリマー16上に存在してもよく、また、結合ポリマー16の表面に合致してもよい。このように、物品10は、結合ポリマー16及び光学材料薄層14を含んでもよく、どちらも拡散ポリマー12の表面に合致し、また、拡散ポリマー12の表面プロファイルに合致する。
【0035】
一態様では、結合ポリマー16は、単一層であってもよく、又は、図4に示すように、第1結合ポリマー16a、第2結合ポリマー16b等の2つ以上の層であってもよい。第1結合ポリマー16aは、第2結合ポリマー16bと同じでもよいし、異なってもよい。
【0036】
結合ポリマー16は、相互作用する結合部位を発現させるポリマー電解質又は他の分子であってもよい。結合ポリマー16は、ポリカチオン又はポリアニオン等の1つ以上のポリマー電解質を含んでもよい。ポリマー電解質の非限定的な例として、ポリアリルアミン塩酸塩、4-スチレンスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ポリリン酸塩、ポリアクリルアミド、ゼラチン、キトサン、カラギーナン、ペクチン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、ポリマー電解質は、ポリアリルアミン塩酸塩、4-スチレンスルホン酸ポリナトリウム、及びこれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0037】
結合ポリマー16は帯電材料を有してもよく、帯電材料は、光学材料14等の反対に帯電した材料に対する親和性を有することができる。例えば、結合ポリマー16は、正電荷を有するポリアリルアミン塩酸塩であってもよく、このポリアリルアミン塩酸塩は、光学材料14の負電荷に対して親和性を有する。物品10は、層間及び物品10内により強固な界面を作り出すことができる、結合ポリマー16及び光学材料薄層14の交互層を含んでもよい。
【0038】
結合ポリマー16は、2つ以上の結合ポリマー層16(16a、16b)等の1つ以上の層であってもよい。2つ以上の結合ポリマー層(16a、16b)は、互いに隣接してもよく、又は、1つ以上の(例えば、2つ以上の)光学材料薄層14(14a、14b)と交互であってもよい。一態様では、物品10は、同じでも異なってもよい2つ以上の結合ポリマー層16(16a、16b)を含んでもよく、この結合ポリマー層16は、同じでも異なってもよい1つ以上(例えば、2つ以上)の光学材料薄層14(14a、14b)と交互になっていてもよい。
【0039】
物品10は、さらに、光学材料薄層14の上面に存在する低屈折率ポリマー18を含んでもよい。低屈折率ポリマーの非限定的な例として、アクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、プロピオナート、フッ素化ポリマー、アセテート、シロキサン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
図1は、基板20と、拡散ポリマー12と、及び拡散ポリマー12の表面に合致する光学材料薄層14と、を含む物品10を示す。一態様では、光学材料薄層14は、拡散ポリマー12の屈折率よりも低い屈折率を有してもよい。このような構造を有する物品は、光学材料薄層14を有さない物品10よりも、光の反射を低減することができる。拡散ポリマー12は屈折率nを有し、光学物質の薄層14は屈折率nを有するものとし、このとき物品10がn>nを満たす屈折率を有するようにすることができる。
【0041】
図2は、基板20と、拡散ポリマー12と、及び光学材料薄層14と、を含む物品10を示しており、光学材料薄層14は、2つ以上の光学材料薄層14a、14bであってもよい。拡散ポリマー12の平坦な底面が、基板20の平坦な上面の一部と接合してもよい。拡散ポリマー12は、表面プロファイルを有する上面を含んでもよい。第1光学材料薄層14aが、拡散ポリマー12の上面の表面プロファイルと接合してもよい。第2光学材料薄層14bが、第1光学材料薄層14aと接合してもよい。第1薄層14aは、第2薄層14bと異なってもよい。端部等の第1薄層の一部が、基板20の上面の一部と接合してもよい。第2薄層14bの一部が、基板20の上面の一部と接合してもよい。
【0042】
2つ以上の光学材料薄層14a、14bは、拡散ポリマー12及び/又は空気との屈折率の整合を改善することができ、これにより、物品10からの光の反射を低減することができる。例えば、光学材料薄層14 、14bはそれぞれ、その下方の層よりも小さい屈折率を有してもよい。物品は、拡散ポリマー12が屈折率nを有し、第1光学材料薄層14aが屈折率nを有し、光学材料14bの第2薄層が屈折率nを有するものとし、このとき、n>n>nの屈折率nとなる構造を有するようにすることができる。
【0043】
図3は、基板20と、拡散ポリマー12と、結合ポリマー16と、及び光学材料薄層14と、を含む物品10を示す。拡散ポリマー12の平坦な底面が、基板20の平坦な上面の一部と接合してもよい。拡散ポリマー12は、表面プロファイルを有する上面を含んでもよい。結合ポリマー16は、拡散ポリマー12の上面プロファイル上に存在してもよく、上面プロファイルに合致してもよい。光学材料薄層14は、屈折率を有するナノ粒子層であってもよく、結合ポリマー16の表面に合致してもよい。このように、結合ポリマー16及び光学材料薄層14はどちらも、拡散ポリマー12の表面プロファイルに似ている。一態様では、拡散ポリマーが屈折率nを有し、ナノ粒子が屈折率nnpを有するものとし、このときnnp>nの関係となるようにすることができる。結合ポリマー16は電荷を有してもよく、また光学材料薄層14、例えば屈折率を有するナノ粒子は、逆の電荷に帯電されてもよい。このようにして、拡散ポリマーの表面の屈折率を高めることができる。
【0044】
図4は、基板20と、拡散ポリマー12と、第1結合ポリマー16aと、第1光学材料薄層14aと、第2結合ポリマー16bと、及び第2光学材料薄層14bと、を含む物品10を示す。拡散ポリマー12は、表面プロファイルを有する上面を含んでもよい。2つ以上の結合ポリマー16a、16b、及び、2つ以上の光学材料薄層(14a、14b)は、拡散ポリマー12の上面プロファイルに合致してもよい。第1光学材料薄層14a及び第2光学材料薄層14bはそれぞれ、屈折率を有するナノ粒子層であってもよく、第1結合ポリマー16a及び第2結合ポリマー16bと交互になって、隣接する層の積層体を形成してもよい。このように、隣接する層の積層体の各層(例えば、16a/14a/16b/14b)は、拡散ポリマー12の表面プロファイルに似ていてもよい。
【0045】
図5は、基板20と、拡散ポリマー12と、結合ポリマー16と、光学材料薄層14と、及び低屈折率ポリマー18と、を含む物品10を示す。光学材料薄層14は、高屈折率ナノ粒子層であってもよい。一態様では、拡散ポリマーは屈折率nを有し、高屈折率ナノ粒子層14は屈折率nnpを有し、低屈折率ポリマー18は屈折率nを有するものとし、このときnnp>n≧nの関係となるようにすることができる。低屈折率ポリマー18は、物品の最も外側の表面(空気の隣)に配置してもよい。このようにして、物品10の反射防止特性を高めることができる。
【0046】
物品10を製造する方法は、基板20を準備するステップと、基板20上に拡散ポリマー12を堆積するステップと、及び光学材料薄層14が拡散ポリマー12の表面に合致するように光学材料薄層14を堆積するステップと、を含むことができる。光学材料薄層14が、拡散ポリマー12の屈折率よりも低い屈折率を有することができるので、物品によって反射される光を低減することができる。光学材料薄層14は、2つ以上の光学材料薄層14a、14bであってもよく、2つ以上の光学材料薄層の各薄層は、すぐ下の薄層よりも低い屈折率を有してもよい。
【0047】
一態様では、光学材料薄層14を堆積するステップは、拡散ポリマー12の表面に結合ポリマー16を溶液堆積するステップと、及び結合ポリマー16の表面に光学材料薄層14を堆積するステップと、を含むことができる。拡散ポリマーの表面に結合ポリマー16を溶液堆積することは、pH、イオン活性、溶媒組成等の変数を調整することによって達成することができる。光学材料薄層14は、帯電ナノ粒子の分散液であってもよく、ナノ粒子と反対の電荷を有する結合ポリマー層16の上に堆積されてもよい。交互層の積層体を形成すると説明されるレイヤ・バイ・レイヤ(layer-by-layer)技術を使用して、複数の結合ポリマー層16及び光学材料薄層14を堆積してもよい。
【0048】
別の態様では、図6に示すように、物品を製造する方法は、金型の使用を含んでもよい。この方法は、金型の負に帯電した表面プロファイルに低屈折率ポリマー18を溶液堆積するステップと、堆積された低屈折率ポリマー18上に光学材料薄層14を堆積するステップと、及び堆積された光学材料薄層14上に拡散ポリマー12を堆積するステップと、を含むことができる。光学材料薄層14は、低屈折率ポリマー18の電荷と逆の電荷を有してもよい。光学材料薄層14は、分散液中のナノ粒子であってもよい。低屈折率ポリマー18を堆積するステップ、及び、光学材料薄層14を堆積するステップを1回以上繰り返すことで、交互層を形成することができる。拡散ポリマー12は、液体として堆積することができ、平坦な表面を形成するように自己平坦化させることができる。金型の使用によって、加工表面を有するポリマーディフューザの複製が可能になる。この方法は、拡散ポリマーを硬化させるステップと、金型を除去するステップと、を含むことができる。拡散ポリマー12は、光学材料14及び低屈折率ポリマーのコンフォーマル層を有する加工表面(表面プロファイル)の反対側に、平坦な表面を有することになる。
【0049】
別の態様では、図7に示すように、物品を製造する方法は、金型の使用を含んでもよい。金型は、高屈折率又は低屈折率材料18と弱い相互作用をする材料から作製してもよい。一態様では、金型の負に帯電した表面プロファイル上に、離型層が存在してもよい。金型は、負に帯電した表面プロファイルを有してもよい。高屈折率又は低屈折率ポリマー18を、金型の負に帯電した表面プロファイル上に真空蒸着してもよい。この方法は、堆積された高屈折率又は低屈折率材料18上に拡散ポリマー12を堆積するステップを含むことができる。拡散ポリマー12は、硬化してもよい。金型は取り外すことができる。
【0050】
上記の説明から、当業者は、本教示を様々な形態で実施できることを理解することができる。したがって、これらの教示は、特定の実施形態及びその実施例に関連して説明されているが、本教示の真の範囲は、そのように限定されるべきではない。本明細書の教示の範囲から逸脱することなく、様々な改変及び変更を行うことができる。
【0051】
この範囲の開示は広く解釈されるべきである。本開示は、本明細書に開示されているデバイス、行為及び機械的動作を達成するための等価物、手段、システム及び方法を開示するように意図される。また、開示されている各デバイス、物品、方法、手段、機械的要素又は機構について、本開示は、本開示に包含し、また、本明細書に開示されている多くの態様、機構及びデバイスを実施するための均等物、手段、システム、及び方法を教示するようにも意図される。本出願の特許請求の範囲も、同様に広く解釈されるべきである。本明細書における多くの実施態様における本発明の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本発明の要旨から逸脱しない変形は、本発明の範囲内であることが意図される。そのような変形は、本発明の本質及び範囲から外れていないものと見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】