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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159653
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】半導体モジュール装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241031BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071495
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】10 2023 110 754.2
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレッサ コルヴェロ シットラー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ミュラー
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770QA01
5H770QA05
5H770QA08
5H770QA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】横型半導体デバイスを備えるパワー半導体モジュールのチップ製造コストの増加、複雑な設計及び生産ラインの柔軟性の低下を抑制する。
【解決手段】半導体モジュール装置において、誘電絶縁層11の表面に配置される第1のメタライゼーション層は、第1のセクション111と、第2のセクション111と、第3のセクション111と、を備える。第1の半導体本体201及び同一の第2の半導体本体202が、第1のメタライゼーション層に配置されており、第1の半導体本体201及び第2の半導体本体202の各々は、基板とは反対側の夫々の半導体本体201,202の上面に配置される、第1の接触パッド21,22、第2の接触パッド21、22及び第3の接触パッド21、22を有する。また、接触パッド21、22、21、22、21、22は、第1の半導体201及び第2の半導体本体202の上面側に同一に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)、第1の半導体本体(201)および同一の第2の半導体本体(202)を備える半導体モジュール装置であって、
前記基板(10)は、誘電絶縁層(11)および前記誘電絶縁層(11)の表面に配置される第1のメタライゼーション層(111)を備え、前記第1のメタライゼーション層(111)は、第1のセクション(111)、第2のセクション(111)および第3のセクション(111,11131)を備え、
前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)は、前記第1のメタライゼーション層(111)に配置され、前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)の各々は、前記基板(10)とは反対側のそれぞれの半導体本体(201,202)の上面に配置される第1の接触パッド(21,22)、第2の接触パッド(21,22)および第3の接触パッド(21,22)を有し、
前記第1の半導体本体(201)の前記第3の接触パッド(21)は、第1の電気接続要素(321)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第3のセクション(111,11131)に電気的に結合され、
前記第2の半導体本体(202)の前記第3の接触パッド(22)は、第2の電気接続要素(322)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第3のセクション(111,11131)に電気的に結合され、
前記半導体モジュール装置は、前記第3のセクション(111,11131)に配置される少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)をさらに備え、
前記第1の半導体本体(201)の前記第3の接触パッド(21)と前記少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)との間の第1の電流経路(8021)は、前記第2の半導体本体(202)の前記第3の接触パッド(22)と前記少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)との間の第2の電流経路(8022)に同一の電圧および電流伝達特性を提供し、
前記第1および第2の電気接続要素(321,322)の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される前記基板(10)の追加のメタライゼーション層のセクションを備える、
半導体モジュール装置。
【請求項2】
前記第1の電流経路(8021)および前記第2の電流経路(8022)は、同一のオーミック挙動、同一の誘導挙動および同一の容量挙動のうちの少なくとも1つ呈する、
請求項1に記載の半導体モジュール装置。
【請求項3】
前記第1の電流経路(8021)は、前記第1の電気接続要素(321)と、第1の接続点と前記少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)との間に配置される前記第3のセクション(111,11131)の第1のセグメント(111321)と、によって形成され、前記第1の接続点は、前記第1の電気接続要素(321)が前記第3のセクション(111,11131)に接続される点であり、
前記第2の電流経路(8022)は、前記第2の電気接続要素(322)と、第2の接続点と前記少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)との間に配置される前記第3のセクション(111,11131)の第2のセグメント(111322)と、によって形成され、前記第2の接続点は、前記第2の電気接続要素(322)が前記第3のセクション(111,11131)に接続される点である、
請求項1または2に記載の半導体モジュール装置。
【請求項4】
前記第1の半導体本体(201)の前記第1の接触パッド(21)および前記第2の半導体本体(202)の前記第1の接触パッド(22)は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第1のセクション(111)に電気的に結合され、
前記第1の半導体本体(201)の前記第2の接触パッド(21)および前記第2の半導体本体(202)の前記第2の接触パッド(22)は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に電気的に結合される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項5】
前記第3のセクション(111,11131)は、前記第1の半導体本体(201)と前記第2の半導体本体(202)との間に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項6】
前記第1の半導体本体(201)は、対称中心(P1)を中心に前記第2の半導体本体(202)と点対称に配置される、
請求項5に記載の半導体モジュール装置。
【請求項7】
前記半導体モジュール装置は、前記対称中心(P1)に配置される厳密に1つの第3の端子要素(40)を備え、前記第1の電気接続要素(321)の寸法および材料は、前記第2の電気接続要素(322)の寸法および材料と同一であり、前記第3のセクション(111,11131)の前記第1のセグメント(111321)の長さは、前記第3のセクション(111,11131)の前記第2のセグメント(111322)の長さと同一である、
請求項6に記載の半導体モジュール装置。
【請求項8】
前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)は、第2の水平方向(z)において前記第3のセクション(111,11131)に対して同じ側に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項9】
前記第1の半導体本体(201)の方向は、前記第2の半導体本体(202)の方向に一致する、
請求項8に記載の半導体モジュール装置。
【請求項10】
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第3のセクション(111,11131)およびその上に配置される前記少なくとも1つの第3の端子要素(40,4031)は、前記第2の水平方向(z)において、前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)から離れて配置される、
請求項8または9に記載の半導体モジュール装置。
【請求項11】
前記第3のセクション(111,11131)は、前記第2の水平方向(z)に垂直な第1の水平方向(x)の長さ(l111)を有し、前記第3のセクション(111,11131)の前記長さ(l111)は、前記第1の半導体本体(201)の長さ(l201)と、前記第2の半導体本体(202)の長さ(l202)と、前記第1の半導体本体(201)と前記第2の半導体本体(202)との間の前記第1の水平方向(x)の距離(d20)と、の合計以上である、
請求項10に記載の半導体モジュール装置。
【請求項12】
前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に配置される、
請求項8から11のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項13】
前記第1の半導体本体(201)の前記第1の接触パッド(21)および前記第2の半導体本体(202)の前記第1の接触パッド(22)の各々は、電気接続要素(3)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第1のセクション(111)に電気的に結合され、
前記第1の半導体本体(201)の前記第2の接触パッド(21)および前記第2の半導体本体(202)の前記第2の接触パッド(22)の各々は、電気接続要素(3)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に電気的に結合され、
前記電気接続要素(3)の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される前記基板(10)の追加のメタライゼーション層のセクションを備える、
請求項8から12のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項14】
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)は、前記第3のセクション(111,11131)を水平に囲む、
請求項8から13のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項15】
前記半導体モジュール装置は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に配置される1つまたは複数の第2の端子要素(40)をさらに備え、前記第3のセクション(111,11131)は、前記第2の水平方向(z)において、前記1つまたは複数の第2の端子要素(40)と、前記第1および第2の半導体本体(201,202)と、の間に配置される、
請求項8から14のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項16】
前記半導体モジュール装置は、
前記第1のメタライゼーション層(111)の第4のセクション(11132)と、
前記第1のメタライゼーション層(111)に配置される第3の半導体本体(203)および同一の第4の半導体本体(204)と、
をさらに備え、
前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)の各々は、それぞれの半導体本体(203,204)の上面に配置される第1の接触パッド、第2の接触パッドおよび第3の接触パッドを有し、前記上面は、前記基板(10)とは反対側であり、
前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)の方向は、前記第1および第2の半導体本体(201,202)の方向に一致し、
前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)は、前記第3のセクション(11131)および前記第4のセクション(11132)に対して、前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)と同じ側に配置され、
前記第3の半導体本体(203)の前記第3の接触パッドは、第3の電気接続要素(323)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記第4の半導体本体(204)の前記第3の接触パッドは、第4の電気接続要素(324)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記半導体モジュール装置は、前記第4のセクション(11132)に配置される少なくとも1つの第4の端子要素(4032)をさらに備え、
前記第3の半導体本体(203)の前記第3の接触パッドと前記少なくとも1つの第4の端子要素(4032)との間の第3の電流経路は、前記第4の半導体本体(204)の前記第3の接触パッドと前記少なくとも1つの第4の端子要素(4032)との間の第4の電流経路に同一の電圧および電流伝達特性を提供し、
前記第3および第4の電気接続要素(323,324)の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される前記基板(10)の追加のメタライゼーション層のセクションを備える、
請求項8から15のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項17】
前記第3の半導体本体(203)の前記第1の接触パッドおよび前記第4の半導体本体(204)の前記第1の接触パッドは、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第1のセクション(111)に電気的に結合され、
前記第3の半導体本体(203)の前記第2の接触パッドおよび前記第4の半導体本体(204)の前記第2の接触パッドは、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に電気的に結合される、
請求項16に記載の半導体モジュール装置。
【請求項18】
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)は、前記第4のセクション(11132)を水平に囲む、
請求項16または17に記載の半導体モジュール装置。
【請求項19】
前記半導体モジュール装置は、前記第1のメタライゼーション層(111)の第5のセクション(11133)をさらに備え、
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)は、前記第5のセクション(11133)を水平に囲み、
前記第3のセクション(11131)は、前記第2の水平方向(z)において、前記第5のセクション(11133)と、前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)と、の間に配置され、
前記第4のセクション(11132)は、前記第2の水平方向(z)において、前記第5のセクション(11133)と、前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)と、の間に配置される、
請求項16から18のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項20】
第1の水平方向(x)における前記第5のセクション(11133)の長さ(l11133)は、前記第1の水平方向(x)における前記第3のセクション(11131)と前記第4のセクション(11132)との間の距離(d111)以上である、
請求項19に記載の半導体モジュール装置。
【請求項21】
前記第5のセクション(11133)は、電気接続要素(3)によって前記第3のセクション(11131)に電気的に結合され、
前記第5のセクション(11133)は、電気接続要素(3)によって前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記電気接続要素(3)の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される前記基板(10)の追加のメタライゼーション層のセクションを備える、
請求項19または20に記載の半導体モジュール装置。
【請求項22】
前記半導体モジュール装置は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第5のセクション(11133)に配置される少なくとも1つの第5の端子要素(4033)をさらに備え、
前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記少なくとも1つの第4の端子要素(4032)との間の第5の電流経路は、前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記少なくとも1つの第3の端子要素(4031)との間の第6の電流経路に同一の電圧および電流伝達特性を提供する、
請求項21に記載の半導体モジュール装置。
【請求項23】
前記半導体モジュール装置は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)に配置される、第2の端子要素(4021)の第1のグループおよび第2の端子要素(4022)の第2のグループをさらに備え、
前記第3のセクション(11131)は、前記第2の水平方向(z)において、前記第2の端子要素(4021)の第1のグループと、前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)と、の間に配置され、
前記第4のセクション(11132)は、前記第2の水平方向(z)において、前記第2の端子要素(4022)の第2のグループと、前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)と、の間に配置される、
請求項16から22のいずれか一項に記載の半導体モジュール装置。
【請求項24】
前記半導体モジュール装置は、
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)を通って延在し、前記第2の端子要素(4021)の第1のグループと前記第1の半導体本体(201)および前記第2の半導体本体(202)との間の第1のトレンチ(60)と、
前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第2のセクション(111)を通って延在し、前記第2の端子要素(4022)の第2のグループと前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)との間の第2のトレンチ(60)と、
をさらに備える、
請求項23に記載の半導体モジュール装置。
【請求項25】
基板(10)ならびに同一の第1、第2、第3および第4の半導体本体(201,202,203,204)を備える半導体モジュール装置であって、
前記基板(10)は、誘電絶縁層(11)および前記誘電絶縁層(11)の表面に配置される第1のメタライゼーション層(111)を備え、前記第1のメタライゼーション層(111)は、第1のセクション(111)、第2のセクション(111)、第3のセクション(111,11131)、第4のセクション(11132)および第5のセクション(11133)を備え、前記第2のセクション(111)は、前記第3のセクション(111,11131)、前記第4のセクション(11132)および前記第5のセクション(11133)の各々を水平に囲み、
前記第1、第2、第3および第4の半導体本体(201,202,203,204)は、前記第1のメタライゼーション層(111)に配置され、前記第1の半導体本体(201)、前記第2の半導体本体(202)、前記第3の半導体本体(203)および前記第4の半導体本体(204)の各々は、前記基板(10)とは反対側のそれぞれの半導体本体(201,202,203,204)の上面に配置される、第1の接触パッド(21,22)、第2の接触パッド(21,22)および第3の接触パッド(21,22)を有し、
前記第1の半導体本体(201)の前記第3の接触パッド(21)は、第1の電気接続要素(321)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第3のセクション(111,11131)に電気的に結合され、
前記第2の半導体本体(202)の前記第3の接触パッド(22)は、第2の電気接続要素(322)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第3のセクション(111,11131)に電気的に結合され、
前記第3の半導体本体(203)の前記第3の接触パッドは、第3の電気接続要素(323)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記第4の半導体本体(204)の前記第3の接触パッドは、第4の電気接続要素(324)によって前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記第5のセクション(11133)は、電気接続要素(3)によって前記第3のセクション(11131)に電気的に結合され、
前記第5のセクション(11133)は、電気接続要素(3)によって前記第4のセクション(11132)に電気的に結合され、
前記電気接続要素(3,321,322,323,324)の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される前記基板(10)の追加のメタライゼーション層のセクションを備え、
前記半導体モジュール装置は、前記第1のメタライゼーション層(111)の前記第5のセクション(11133)に配置される少なくとも1つの第5の端子要素(4033)をさらに備え、
前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記第1の半導体本体(201)の前記第3の接触パッド(21)との間の電流経路は、
前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記第2の半導体本体(202)の前記第3の接触パッド(22)との間の電流経路、前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記第3の半導体本体(203)の前記第3の接触パッドとの間の電流経路、および、前記少なくとも1つの第5の端子要素(4033)と前記第4の半導体本体(204)の前記第3の接触パッドとの間の電流経路、の各々に同一の電圧および電流伝達特性を提供する、
半導体モジュール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体モジュール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体モジュール装置は、ハウジング内に配置された少なくとも1つの半導体基板を含むことが多い。複数の制御可能な半導体要素(例えば、IGBT、MOSFET、HEMTなど)を含む半導体配置が、少なくとも1つの基板の各々に配置される。各基板は、基板層(例えば、セラミック層)と、基板層の第1の面に堆積された第1のメタライゼーション層と、任意選択で、基板層の第2の面に堆積された第2のメタライゼーション層と、を通常備える。制御可能な半導体要素は、例えば、第1のメタライゼーション層に実装される。第2のメタライゼーション層は、ベースプレートに、任意選択で取り付けられてもよい。半導体配置のレイアウトは、少なくとも1つの基板の必要なサイズを最小化する一方で同時に、電流密度、電気損失および熱応力の不均等な分布を防止するように選択されるべきである。対称性は、ゲート駆動および寄生インダクタンスに関して必須であることが多い。例えばGaN HEMTなどの横型半導体デバイスは、それらの上面にすべての接触パッド(例えば、ゲート、ソースおよびドレイン接触パッド)が配置され、それらの底面には、接触パッドが配置されていないが、一般に、特に並列に動作するデバイスの場合、デバイスの対称的な配置に関して問題を引き起こす。横型デバイスの対称配置は、チップ製造コストの増加、複雑な設計および生産ラインの柔軟性の低下に多くの場合つながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上述の欠点を克服する横型半導体デバイスを備えるパワー半導体モジュールが一般的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
半導体モジュール装置は、誘電絶縁層および誘電絶縁層の表面に配置される第1のメタライゼーション層を含む基板であって、第1のメタライゼーション層が、第1のセクション、第2のセクションおよび第3のセクションを備える、基板と、第1のメタライゼーション層に配置される第1の半導体本体および同一の第2の半導体本体であって、第1の半導体本体および第2の半導体本体の各々が、基板とは反対側のそれぞれの半導体本体の上面に配置される、第1の接触パッド、第2の接触パッドおよび第3の接触パッドを有する、第1の半導体本体および同一の第2の半導体本体と、を備え、第1の半導体本体の第3の接触パッドが、第1の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第3のセクションに電気的に結合され、第2の半導体本体の第3の接触パッドが、第2の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第3のセクションに電気的に結合され、半導体モジュール装置が、第3のセクションに配置される少なくとも1つの第3の端子要素をさらに備え、第1の半導体本体の第3の接触パッドと少なくとも1つの第3の端子要素との間の第1の電流経路が、第2の半導体本体の第3の接触パッドと少なくとも1つの第3の端子要素との間の第2の電流経路に同一の電圧および電流伝達特性を提供し、第1および第2の電気接続要素の各々が、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板の追加のメタライゼーション層のセクションを含む。
【0005】
別の半導体モジュール装置は、誘電絶縁層および誘電絶縁層の表面に配置される第1のメタライゼーション層を含む基板であって、第1のメタライゼーション層が、第1のセクション、第2のセクション、第3のセクション、第4のセクションおよび第5のセクションを備え、第2のセクションが、第3のセクション、第4のセクションおよび第5のセクションの各々を水平に囲む、基板と、第1のメタライゼーション層に配置される同一の第1、第2、第3および第4の半導体本体であって、第1の半導体本体、第2の半導体本体、第3の半導体本体および第4の半導体本体の各々が、基板とは反対側のそれぞれの半導体本体の上面に配置される、第1の接触パッド、第2の接触パッドおよび第3の接触パッドを有する、同一の第1、第2、第3および第4の半導体本体と、を備え、第1の半導体本体の第3の接触パッドが、第1の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第3のセクションに電気的に結合され、第2の半導体本体の第3の接触パッドが、第2の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第3のセクションに電気的に結合され、第3の半導体本体の第3の接触パッドが、第3の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第4のセクションに電気的に結合され、第4の半導体本体の第3の接触パッドが、第4の電気接続要素によって第1のメタライゼーション層の第4のセクションに電気的に結合され、第5のセクションが、電気接続要素によって第3のセクションに電気的に結合され、第5のセクションが、電気接続要素によって第4のセクションに電気的に結合され、電気接続要素の各々が、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板の追加のメタライゼーション層のセクションを含み、パワー半導体モジュール装置が、第1のメタライゼーション層の第5のセクションに配置される少なくとも1つの第5の端子要素をさらに含み、少なくとも1つの第5の端子要素と第1の半導体本体の第3の接触パッドとの間の電流経路が、少なくとも1つの第5の端子要素と第2の半導体本体の第3の接触パッドとの間の電流経路、少なくとも1つの第5の端子要素と第3の半導体本体の第3の接触パッドとの間の電流経路、および少なくとも1つの第5の端子要素と第4の半導体本体の第3の接触パッドとの間の電流経路、の各々に同一の電圧および電流伝達特性を提供する。
【0006】
本発明は、以下の図面および説明を参照すると好適に理解され得る。図面の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。図面において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】半導体モジュール装置の断面図である。
図2】本開示の実施形態による、半導体モジュール装置の上面図である。
図3】本開示のさらなる実施形態による、半導体モジュール装置の上面図である。
図4】本開示のさらなる実施形態による、半導体モジュール装置の上面図である。
図5】本開示の実施形態による、半導体配置における電流経路を概略的に示す図である。
図6】本開示のさらなる実施形態による、半導体配置における電流経路を概略的に示す図である。
図7】本開示のさらなる実施形態による、半導体配置における電流経路を概略的に示す図である。
図8】本開示のさらなる実施形態による、半導体配置における電流経路を概略的に示す図である。
図9】本開示のさらなる実施形態による、半導体モジュール装置の上面図である。
図10】本開示のさらなる実施形態による、半導体モジュール装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照する。図面は、本発明を実施し得る特定の例を示している。特に明記しない限り、さまざまな例に関して説明した特徴および原理は、互いに組み合わせ得ることを理解されたい。特許請求の範囲と同様に、特定の要素の「第1の要素」、「第2の要素」、「第3の要素」などの呼称は、列挙的なものとして理解されるべきではない。代わりに、そのような指定は、異なる「要素」に対処するためだけに役立つ。すなわち、例えば、「第3の要素」の存在は、「第1の要素」および「第2の要素」の存在を必要としない。本明細書に記載の電線は、単一の導電性要素であってもよく、あるいは直列および/または並列に接続された少なくとも2つの個々の導電性要素を含んでもよい。電線は、金属および/または半導体材料を含んでもよく、恒久的に導電性であってもよい(すなわち、切替え不可能である)。電線は、流れる電流の方向とは無関係の電気抵抗率を有してもよい。本明細書に記載の半導体本体は、(ドープされた)半導体材料で作られてもよく、半導体チップであってもよく、または半導体チップに含まれてもよい。半導体本体は、電気接続パッドを有し、電極を有する少なくとも1つの半導体要素を含む。パッドは、パッドが電極であることを含む電極に電気的に接続され、逆もまた同様である。
【0009】
図1を参照すると、パワー半導体モジュール装置100の断面図を概略的に示している。パワー半導体モジュール装置100は、ハウジング7と、基板10と、を含む。基板10は、誘電絶縁層11と、誘電絶縁層11に取り付けられた構造化された第1のメタライゼーション層111と、誘電絶縁層11に取り付けられた(構造化された)第2のメタライゼーション層112と、を含む。誘電絶縁層11は、第1および第2のメタライゼーション層111,112間に配置される。
【0010】
第1および第2のメタライゼーション層111,112の各々は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、パワー半導体モジュール装置の動作中に固体のままである任意の他の金属または合金、のうちの1つからなるか、またはそれらの1つを含んでもよい。基板10は、セラミック基板、すなわち誘電絶縁層11がセラミック、例えば、薄いセラミック層である基板であってもよい。セラミックは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、または任意の他の誘電体セラミック、のうちの1つからなるか、またはそれらの1つを含んでもよい。例えば、誘電絶縁層11は、Al、AlN、SiC、BeOまたはSiのうちの1つからなるか、またはそれらの1つを含んでもよい。例えば、基板10は、例えば、直接銅接合(DCB:Direct Copper Bonding)基板、直接アルミニウム接合(DAB:Direct Aluminum Bonding)基板、または活性金属ろう付け(AMB:Active Metal Brazing)基板であってもよい。また、基板10は、絶縁金属基板(IMS:Insulated Metal Substrate)であってもよい。絶縁金属基板は、一般に、例えばエポキシ樹脂またはポリイミドなどの(充填された)材料を含む誘電絶縁層11を備える。誘電絶縁層11の材料には、例えば、セラミック粒子が充填されてもよい。そのような粒子は、例えば、SiO、Al、AlNまたはBNを含んでもよく、約1μm~約50μmの直径を有してもよい。基板10はまた、非セラミック誘電絶縁層11を有する従来のプリント回路基板(PCB:printed circuit board)であってもよい。例えば、非セラミック誘電絶縁層11は、硬化樹脂からなるか、または硬化樹脂を含んでもよい。
【0011】
基板10は、ハウジング7内に配置される。図1に示す例では、基板10は、ハウジング7のグランド面を形成するベースプレート12に配置され、ハウジング7自体は、側壁およびカバーのみを備える。しかしながら、これは一例に過ぎない。ハウジング7がグランド面をさらに備え、基板10およびベースプレート12がハウジング7の内側に配置されることも可能である。いくつかのパワー半導体モジュール装置100では、2つ以上の基板10が、単一のベースプレート12にまたはハウジング7のグランド面に配置される。基板10自体が、ハウジング7のグランド面を形成するようにしてもよい。
【0012】
1つまたは複数の半導体本体20が、少なくとも1つの基板10に配置されていてもよい。少なくとも1つの基板10に配置される半導体本体20の各々は、ダイオード、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、JFET(接合電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、および/または任意の他の適切な半導体要素を含んでもよい。
【0013】
1つまたは複数の半導体本体20は、基板10に半導体配置を形成してもよい。図1では、2つの半導体本体20のみを例示的に示している。図1の基板10の第2のメタライゼーション層112は連続層である。第1のメタライゼーション層111は、図1に示す例では構造化層である。「構造化層」は、第1のメタライゼーション層111が連続層ではないが、層の異なるセクション間に凹部を含むことを意味する。そのような凹部を、図1に概略的に示している。この例の第1のメタライゼーション層111は、3つの異なるセクションを含む。しかしながら、これは一例に過ぎない。任意の他の数のセクションが可能である。異なる半導体本体20は、第1のメタライゼーション層111の同じまたは異なるセクションに実装されてもよい。第1のメタライゼーション層111の異なるセクションは、電気接続がなくてもよく、あるいは例えばボンディングワイヤまたはボンディングリボンなどの電気接続要素3を使用して1つまたは複数の他のセクションに電気的に接続されてもよい。電気接続3はまた、例えば、ほんの数例を挙げると、接続プレート、導体レールまたは接続クリップを含んでもよい。1つまたは複数の半導体本体20は、導電性接続層30によって基板10に電気的および機械的に接続されてもよい。そのような導電性接続層30は、例えば、はんだ層、導電性接着剤の層、または焼結金属粉末、例えば焼結銀粉末の層であってもよい。他の例によれば、第2のメタライゼーション層112が構造化層であることも可能である。第2のメタライゼーション層112を完全に省略することもさらに可能である。基板10はまた、2つ以上の誘電絶縁層11と、「埋め込みメタライゼーション層」と呼ばれ得る2つのそれぞれの誘電絶縁層間に配置される少なくとも1つのメタライゼーション層と、を有する多層基板(具体的には図示せず)として実装されてもよい。例えば、第2のメタライゼーション層112とベースプレート12との間に追加の誘電絶縁層を設けることによって、第2のメタライゼーション層112は、この意味で埋め込みメタライゼーションになる。少なくとも1つの埋め込みメタライゼーション層はまた、第1のメタライゼーション層111に関して説明したように、構造化されてもよい。それぞれの埋め込みメタライゼーション層(多層基板の異なるメタライゼーション層間)への電気的接触は、それぞれの埋め込みメタライゼーション層に隣接して配置された誘電絶縁層を通って、第1、第2、またはさらなる埋め込みメタライゼーション層となり得る別のメタライゼーション層まで、延在する導電性接続である1つまたは複数のいわゆる「ビア」によって確立されてもよい。それぞれの埋め込みメタライゼーション層、または埋め込みメタライゼーション層の少なくとも1つのセクションは、電流または信号を伝達するために使用されてもよい。例えば、それぞれの埋め込みメタライゼーション層は、基板に配置された異なるノードおよび/または回路要素を接続するためのボンディングワイヤと同様の方法で使用されてもよい。言い換えれば、接続要素3はまた、対応するビアによって接触された多層基板の埋め込みメタライゼーション層のセクション(追加のメタライゼーション層のセクション)によって形成されてもよく、またはそれを含んでもよい。したがって、多層基板は、一部もしくは全部の表面的な接続要素を置換するために使用されてもよく、および/または回路ノード間の高い相互接続の複雑さを達成するために使用されてもよい。
【0014】
図1に示すパワー半導体モジュール装置100は、端子要素40をさらに含む。端子要素40は、第1のメタライゼーション層111に電気的に接続され、ハウジング7の内側と外側との間に電気接続を設ける。端子要素40は、第1の端部41で第1のメタライゼーション層111に電気的に接続される一方で、端子要素40の各々の第2の端部42は、ハウジング7から突出する。端子要素40は、それぞれの第2の端部42で外部から電気的に接触されてもよい。端子要素40の第1の部分は、ハウジング7の内部を垂直方向yに貫通してもよい。垂直方向yは、基板10の上面に垂直な方向であり、基板10の上面は、少なくとも1つの半導体本体20が実装される面である。しかしながら、図1に示す端子要素40は単なる例である。端子要素40は、他の方法で実装されてもよく、ハウジング7内のどこに配置されてもよい。例えば、1つまたは複数の端子要素40は、ハウジング7の側壁に近接してまたは隣接して配置されてもよい。端子要素40はまた、カバーを通る代わりに、ハウジング7の側壁を通って突出することができる。端子要素40の第1の端部41は、任意の適切な方法で、例えば溶接継手によってまたは導電性接続層によって、基板10に電気的および機械的に接続されてもよい(図1には明示的に図示せず)。そのような導電性接続層は、はんだ層、導電性接着剤の層、または焼結金属粉末、例えば、焼結銀(Ag)粉末の層であってもよい。端子要素40の第1の端部41はまた、例えば、1つまたは複数の電気接続3を介して基板10に電気的に結合されてもよい。
【0015】
パワー半導体モジュール装置100は、封止材5をさらに含んでもよい。封止材5は、例えば、シリコーンゲルからなってもよく、またはそれを含んでもよく、あるいは剛性成形コンパウンドであってもよい。封止材5は、ハウジング7の内部を少なくとも部分的に充填し、それによって、基板10に配置された構成要素および電気接続を覆ってもよい。端子要素40は、封止材5に部分的に埋め込まれていてもよい。しかしながら、少なくともそれらの第2の端部42は、封止材5によって覆われておらず、封止材5からハウジング7を通ってハウジング7の外側に突出する。封止材5は、パワー半導体モジュール100の構成要素および電気接続、特にハウジング7内の基板10に配置された構成要素を、特定の環境条件および機械的損傷から保護するように構成される。
【0016】
半導体配置(例えば、半導体本体20、電気接続3、端子要素40など)のレイアウトは、一般に、少なくとも1つの基板の必要なサイズを最小化する一方で、同時に、電流密度、電気損失および熱応力の不均等な分布も最小化するように、選択されてもよい。対称性は、ゲート駆動および寄生インダクタンスに関して必須であることが多い。例えばGaN HEMTなどの横型半導体デバイスは、それらの上面にすべての接触パッド(例えば、ゲート、ソースおよびドレイン接触パッド)が配置され、それらの底面には、接触パッドが配置されていないが、一般に、特に並列に動作するデバイスの場合、デバイスの対称的な配置に関して問題を引き起こす。横型デバイスの対称的な配置は、多くの場合、チップ製造コストの増加、複雑な設計および生産ラインの柔軟性の低下をもたらす。
【0017】
上述の欠点を回避するために、本開示の実施形態による半導体モジュール装置は、誘電絶縁層11と、誘電絶縁層11の表面に配置される第1のメタライゼーション層111と、を備える基板10を備える。第1のメタライゼーション層111は、第1のセクション111と、第2のセクション111と、第3のセクション111と、を備える。第1の半導体本体201および同一の第2の半導体本体202が、第1のメタライゼーション層111に配置されており、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202の各々は、基板10とは反対側のそれぞれの半導体本体201,202の上面に配置される、第1の接触パッド21,22、第2の接触パッド21,22および第3の接触パッド21,22を有する。すなわち、第1および第2の半導体本体201,202は、横型半導体デバイスである。第1の半導体本体201は、第2の半導体本体202と同一であるため、半導体本体201,202は同種(例えば、GaN HEMT)であり、同一のスイッチング特性および透過特性を有する。また、接触パッド21,22,21,22,21,22は、第1および第2の半導体本体201,202の上面側に同一に配置される(同一の接触パッドレイアウト)。言い換えれば、第1の半導体本体201は、半導体モジュール装置の電気的特性および機能に影響を与えることなく、同一の第2の半導体本体202によって容易に置換されてもよく、逆もまた同様である。第1の半導体本体201の第3の接触パッド21は、第1の電気接続要素321によって第1のメタライゼーション層111の第3のセクション111に電気的に結合され、第2の半導体本体202の第3の接触パッド22は、第2の電気接続要素322によって第1のメタライゼーション層111の第3のセクション111に電気的に結合される。半導体モジュール装置は、第3のセクション111に配置される少なくとも1つの第3の端子要素40をさらに備える。このようにして、制御信号が、第3のセクション111に、そしてそこから、第1の電気接続要素321を介して第1の半導体本体201に、そして第2の電気接続要素322を介して第2の半導体本体202に、(例えば、半導体モジュール装置が配置され得るハウジングの外側から)供給されてもよい。
【0018】
第1の半導体本体201の第3の接触パッド21と少なくとも1つの第3の端子要素40との間の第1の電流経路8021(例えば、第1の電気接続要素321に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)は、第2の半導体本体202の第3の接触パッド22と少なくとも1つの第3の端子要素40との間の第2の電流経路8022(例えば、第2の電気接続要素322に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)に同一の電圧および電流伝達特性を提供する。第1および第2の電気接続要素321,322の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板10の追加のメタライゼーション層のセクションを備える。このようにして、第3の端子要素40を介して供給される制御信号は、第1の半導体本体201の第3の接触パッド21および第2の半導体本体202の第3の接触パッド22に同様の信号特性で、同時に到達する。すなわち、例えば、第3の接触パッド21,22は、第3の端子要素40に制御信号が印加されたとき、実質的に同一の電位(または電圧)を有することになる。これにより、第1の半導体本体201と第2の半導体本体202とを高対称に動作させることができる。すなわち、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、実質的に同時にオンまたはオフに切り替わる。さらに、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、切替え動作中に同一の電流および電圧過渡、ならびに、例えば、動作中に同一の電流密度を有することになる。これを達成するために、第1の電流経路8021および第2の電流経路8022は、例えば、実質的に同一または同一のオーミック挙動、実質的に同一または同一の誘導挙動、および、実質的に同一または同一の容量挙動のうちの少なくとも1つを呈してもよい。電流経路8021、8022の(実質的に)同一のオーミック挙動、(実質的に)同一の誘導挙動および(実質的に)同一の容量挙動は、一般に、第1および第2の半導体本体201,202の(入力)インピーダンス差よりも著しく小さい、2つの電流経路8021、8022のインピーダンス差をもたらす。第1および第2の半導体本体201,202の(入力)インピーダンスの差は、例えば、通常、製造ばらつきに起因する場合がある。言い換えれば、第1の電流経路8021の異なる要素のインピーダンスの合計は、第2の電流経路8022の異なる要素のインピーダンスの合計と(実質的に)同一であり得る。本明細書で使用する「同一」という用語は、例えば、第1および第2の電流経路8021、8022のオーミック挙動などの異なる実体の関連する特性が極めて類似するものと、解釈されるべきである。関連する特性が厳密に同じであるが、製造公差に基づいて僅かな偏差が生じてもよいように、異なるエンティティは、設計されてよいとも言える。製造公差は、異なる用途と異なる実体を製造するために使用される異なる製造プロセスとの間で変動してもよい。
【0019】
第3の接触パッド21,22は、それぞれ第1および第2の半導体本体201,202の制御電極(例えば、ゲート電極)を形成してもよく、またはそれに結合されてもよい。特に、第1および第2の半導体本体201,202の各々は、制御電極と、第1の負荷電極と第2の負荷電極との間の制御可能な負荷経路と、を備えてもよい。第1の接触パッド21,22は、例えば、それぞれの第1の負荷電極(例えば、ドレイン電極)を形成しても、またはそれに結合されてもよく、第2の接触パッド21,22は、第1および第2の半導体本体201,202のそれぞれの第2の負荷電極(例えば、ソース電極)を形成しても、またはそれに結合されてもよい。
【0020】
ここで図2を参照すると、本開示の1つの例示的な実施形態を概略的に示している。この構成では、単一の(例えば、厳密に1つの)第3の端子要素40が、第3のセクション111に配置される。単一の第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間に配置され、第1の接続点は、第1の電気接続要素321が第3のセクション111に接続される点であり、第2の接続点は、第2の電気接続要素322が第3のセクション111に接続される点である。図2に示す例では、第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間の中央に配置される。言い換えれば、第3の端子要素40と第1の接続点との間の距離d1は、第3の端子要素40と第2の接続点との間の距離d1に等しい。この例示の第3のセクション111は、水平方向xにおいて第1の半導体本体201と第2の半導体本体202との間に配置される。第1の半導体本体201は、対称中心P1を中心に第2の半導体本体202と点対称に配置される。この例示の対称中心P1は、第3の端子要素40の位置と一致している。すなわち、図2の半導体モジュール装置の異なる要素は、第1の電流経路および第2の電流経路が同一になる(すなわち、同一の電圧および電流伝達特性を提供する)ように、高度に(点)対称的に配置される。
【0021】
第1の電流経路8021は、第1の電気接続要素321と、第1の接続点と第3の端子要素40との間に配置される第3のセクション111の第1のセグメント111321と、によって形成され、第2の電流経路8022は、第2の電気接続要素322と、第2の接続点と第3の端子要素40との間に配置される第3のセクション111の第2のセグメント111322と、によって形成される。これは、図8にさらに詳細に概略的に示しており、電流経路の定義に必要ではないすべての特徴は、明確にするために省略している。この例では、第1の電気接続要素321の寸法および材料は、第2の電気接続要素322の寸法および材料と同一であり、第3のセクション111の第1のセグメント111321の長さは、第3のセクション111の第2のセグメント111322の長さと同一である。すなわち、第1の電気接続要素321が、例えば、第1の材料を含み、第1の直径および第1の長さを有する厳密に1つのボンディングワイヤを備える場合、第2の電気接続要素322も、同じ第1の材料を含み、同じ第1の直径および第1の長さを有する厳密に1つのボンディングワイヤを備える。
【0022】
しかし、対称中心P1を中心として対称な点に第1の半導体本体201および第2の半導体本体202を配置することは、半導体本体201,202の対称な駆動を実現し得る一例に過ぎない。ここで図3を参照すると、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、第2の水平方向zにおいて第3のセクション111に対して同じ側に配置されることも可能である。この場合、第1の半導体本体201と第2の半導体本体202とは同一であり、したがって、接触パッド21,22,21,22,21,22は、第1および第2の半導体本体201,202との上面に同一に配置されるので、第1の半導体本体201の方向と第2の半導体本体202の方向とは一致する。すなわち、第1の半導体本体201と第2の半導体本体202とは互いに対称に配置されない。このようにして、第1の電流経路8021は、第2の電流経路8022に同一の電圧および電流伝達特性を提供し得る。図2に関して上述したものと同様に、第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間の(中央に)配置され、第1の接続点は、第1の電気接続要素321が第3のセクション111に接続される点であり、第2の接続点は、第2の電気接続要素322が第3のセクション111に接続される点である。言い換えれば、図3に示す例では、第3の端子要素40と第1の接続点との間の距離d1は、第3の端子要素40と第2の接続点との間の距離d1に等しい。これは、例えば、図5にさらに詳細に示している。
【0023】
図2図3図5および図8に示す例では、例えば、厳密に1つの第3の端子要素40が、第3のセクション111に、さらに第1の接続点と第2の接続点との間に、配置される。特に、厳密に1つの第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間の中央に配置される。しかしながら、単一の第3の端子要素40に対する接続点のこのような対称配置(点対称または軸対称)は、一例に過ぎない。例えば、図6に概略的に示されるように、第3のセクション111の第1のセグメント111321の長さが、第3のセクション111の第2のセグメント111322の長さと異なることも可能である。すなわち、第1のセグメント111321は、異なる長さに起因して、第2のセグメント111322と比較して異なる電圧および電流の伝達を提供する。第1の電流経路8021全体が第2の電流経路8022に同一の電圧および電流伝達特性を提供するために、第1の電気接続要素321はまた、第2の電気接続要素322と比較して異なる電圧および電流の伝達を提供する。図6に概略的に示すように、例えば、第2のセグメント111322が第1のセグメント111321よりも短いので、第2の電気接続要素322は、第1および第2のセグメント111321,111322との異なる長さを補償するために、第1の電気接続要素321よりも長くてもよい。異なる長さ321,322を有する電気接続要素を設ける代わりに、またはそれに加えて、例えば、異なる直径および/または異なる材料を有する電気接続要素321,322を設けることも可能である。しかしながら、いずれの場合も、第1の電流経路8021の異なる要素のインピーダンスの合計は、第2の電流経路8022の異なる要素のインピーダンスの合計と同一であってもよい。
【0024】
図5に示す例では、第3のセクション111は、第2の水平線A2に沿って配置された細長いセクションである。すなわち、第1および第2の半導体本体201,202側を向く第3のセクション111の第1の辺は、第2の水平線A2の少なくとも一部と一致する。第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、第2の水平線A2と平行な第1の水平線A1に沿って配置される。第3のセクション111と対向する第1の半導体本体201の第1の辺と第3のセクション111と対向する第2の半導体本体202の第1の辺とは、第1の水平線A1の異なるセクションで各々一致する。すなわち、第1の半導体本体201と第3のセクション111との間の距離は、第2の半導体本体202と第3のセクション111との間の距離に等しく、さらに、第1の水平線A1と第2の水平線A2との間の距離にさらに等しい。
【0025】
これに対して、図6に示す例では、第1の半導体本体201は、第3の水平線A3に沿って配置され、第2の半導体本体202は、第4の水平線A4に沿って配置され、第3の水平線A3および第4の水平線A4は、互いに平行であり、第2の水平線A2にも平行である。すなわち、第3のセクション111に対向する第1の半導体本体201の第1の辺は、第3の水平線A3のセクションに一致し、第3のセクション111に対向する第2の半導体本体202の第1の辺は、第4の水平線A4のセクションに一致する。言い換えれば、第1の半導体本体201と第3のセクション111との間の距離は、第2の半導体本体202と第3のセクション111との間の距離と異なる。
【0026】
ここで図7を参照すると、図5の配置と同様の配置を概略的に示している。しかしながら、図7に示す例では、2つの第3の端子要素40が、第3のセクション111に、さらに第1の接続点と第2の接続点との間に、配置される。同一の制御信号が、2つの第3の端子要素40を介して供給されてもよい。この例では、第1の電流経路8021は、第1の電気接続要素321と、第1の接続点と少なくとも1つの第3の端子要素40(例えば、第1の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)との間に配置される第3のセクション111の第1のセグメント111321と、によって形成される。同様に、第2の電流経路8022は、第2の電気接続要素322と、第2の接続点と少なくとも1つの第3の端子要素40(例えば、第2の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)との間に配置される第3のセクション111の第2のセグメント111322と、によって形成される。図7に示す例では、上記の図5に関して説明したものと同様に、第1のセグメント111321の長さは、第2のセグメント111322の長さに等しい。すなわち、第1の電流経路8021は、第2の電流経路8022と対称である。しかしながら、いくつの第3の端子要素40が第3のセクション111に配置されているかにかかわらず、図6に関して上述したものと同様に、第1のセグメント111321の長さが、第2のセグメント111322の長さと異なることも可能である。すなわち、第1の電流経路8021は、第2の電流経路8022と対称でなくてもよい一方で、それでもなお同一の電圧および電流伝達特性を提供する。
【0027】
3つ以上の第3の端子要素40が、第3のセクション111に、さらに第1の接続点と第2の接続点との間に、配置されることも一般的に可能性がある。第3のセクション111に配置された第3の端子要素40の数にかかわらず、第1の電流経路8021は、第1の電気接続要素321と、第1の接続点と少なくとも1つの第3の端子要素40(例えば、第1の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)との間に配置される第3のセクション111の第1のセグメント111321と、によって形成され、第2の電流経路8022は、第2の電気接続要素322と、第2の接続点と少なくとも1つの第3の端子要素40(例えば、第2の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素40の第3の端子要素40)との間に配置される第3のセクション111の第2のセグメント111322と、によって形成される。2つ以上の第3の端子要素40が、第3のセクション111に配置されている場合、2つ以上の第3の端子要素40のうちの1つまたは複数が、第1の接続点と第2の接続点との間に配置されない。
【0028】
第3のセクション111の同じ側に配置された第1の半導体本体201および第2の半導体本体202について上述した図5図6および図7に関して説明したことは、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202が第3のセクション111の異なる側(例えば、図2および図8)に配置される点対称配置にも同様に適用される。
【0029】
すべての例において、第3のセクション111およびその上に配置された少なくとも1つの第3の端子要素40は、第2の水平方向zにおいて、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202から離れて配置されてもよい。さらに、すべての例において、第1の半導体本体201の第1の接触パッド21および第2の半導体本体202の第1の接触パッド22は、第1のメタライゼーション層111の第1のセクション111に電気的に結合されてもよく、第1の半導体本体201の第2の接触パッド21および第2の半導体本体202の第2の接触パッド22は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に電気的に結合されてもよい。一例によれば、第1の半導体本体201の第2の接触パッド21および第2の半導体本体202の第2の接触パッド22は、ソースパッドであってもよく、第1の半導体本体201の第1の接触パッド21および第2の半導体本体202の第1の接触パッド22は、ドレインパッドであってもよい。第1の半導体本体201の第1の接触パッド21および第2の半導体本体202の第1の接触パッド22の各々は、電気接続要素3によって第1のメタライゼーション層111の第1のセクション111に電気的に結合されてもよく、第1の半導体本体201の第2の接触パッド21および第2の半導体本体202の第2の接触パッド22の各々は、電気接続要素3によって第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に電気的に結合されてもよい。電気接続要素3の各々は、例えば、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板10の追加のメタライゼーション層のセクションを備えてもよい。第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に配置されてもよい。すなわち、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202は、それらのそれぞれの第2の接触パッド21,22が電気的に結合される(例えば、ソース電位上に配置された半導体本体)第1のメタライゼーション層のそのセクションに配置されてもよい。
【0030】
例えば、図2および図3に概略的に示すように、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111は、第3のセクション111を水平に囲んでもよい。半導体モジュール装置は、第1および第2の半導体本体201,202の第2の接触パッド21,22と電気的に接触するために、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に配置される1つまたは複数の第2の端子要素40をさらに備えてもよい。第3のセクション111は、第2の水平方向zにおいて、1つまたは複数の第2の端子要素40と第1および第2の半導体本体201,202との間に配置されてもよい。このようにして、第2の接触パッド21,22と第2の端子要素40との間を流れる(負荷)電流は、第3のセクション111の周囲を流れなければならない。このようにして、例えば、(負荷)電流の高い対称性を達成することができる。第2の端子要素40と半導体本体201,202との間に直流電流が流れることが回避される。第2の端子要素40によって供給される電流は、第3のセクション111によって形成されたアイランドの周りを流れるように、対称的に分割されることを強いられる。
【0031】
図3に概略的に示す半導体モジュール装置では、第3のセクション111は、第1の水平方向xに最小長さを有する。すなわち、第3のセクション111は、第3のセクション111の第1のセグメント111321の長さと、第3のセクション111の第2のセグメント111322の長さと、の合計よりも僅かに長い第1の水平方向xの長さを有する。この最小長さは、上述したように、ゲート駆動対称性を達成するために概ね十分である。
【0032】
しかしながら、ここで図4を参照すると、第3のセクション111が最小長さよりも大幅に大きい長さを有することも可能である。上述したように、半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に配置される1つまたは複数の第2の端子要素40を備えてもよく、第2の水平方向zの第3のセクション111は、1つまたは複数の第2の端子要素40と第1および第2の半導体本体201,202との間に配置されてもよい。図4の配置における第3のセクション111は、第1の水平方向xに長さl111を有し、第3のセクション111の長さl111は、第1の半導体本体201の長さl201と、第2の半導体本体202の長さl202と、第1の半導体本体201と第2の半導体本体202との間の第1の水平方向xの距離d20と、の合計以上である。第3のセクション111は、例えば、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202に、第1の水平方向xで、さらに整列されてもよい。このようにして、第2の半導体本体202の第2の端子要素40と第2の接触パッド22との間に(負荷)電流が流れなければならない距離は、第3のセクション111が最小長さのみを有する、図3の半導体配置と比較して増加する。すなわち、図3の配置とは対照的に、図4の配置は、ゲート駆動対称性をもたらすことに加えて、負荷電流に関してもさらに対称的である。しかしながら、図4の配置における第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間のその位置(中央)に留まる。すなわち、第3のセクション111の第3の端子要素40の位置は、第1の水平方向xにおける第3のセクション111の長さの延長によって影響されないままであり得る。第3の端子要素40は、第1の接続点と第2の接続点との間に(中央に)配置されてもよいが、第3のセクション111の中央に配置されなくてもよい。第3の端子要素40と第3のセクション111の第1の端部との間の距離は、第3の端子要素40と、第1の水平方向xにおける第1の端部とは反対側の第3のセクション111の第2の端部と、の間の距離よりも、小さくても、大きくてもよい。
【0033】
例示的に上述した本開示の異なる実施形態による半導体モジュール装置は、横型半導体デバイスのゲート駆動対称性、および任意選択で負荷電流の対称性をもたらす。上述したような半導体モジュール装置は、複雑なトポロジにおけるサブ構造、少なくとも図3図5図6および図7に関して例示的に説明したような配置として使用されてもよく、図9および図10に関して以下で詳細に説明する。各サブ構造は、2つの並列駆動半導体を提供する。2つ以上のサブ構造が使用され得る複雑なトポロジには、ハーフブリッジトポロジまたは3レベルトポロジ、例えば、中性点クランプ方式(NPC:neutral point clamped)トポロジ、またはアクティブ中性点クランプ方式トポロジが含まれるが、これらに限定されない。例えば、複雑なトポロジでは、2つ以上のサブ構造を並列に動作させてもよい。
【0034】
ここで図9を参照すると、半導体モジュール装置は、2つの実質的に同一のサブ構造を備えてもよい。すなわち、第1のサブ構造に加えて、半導体モジュール装置は、同一の第2のサブ構造をさらに備えてもよい。したがって、半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111の第4のセクション11132と、第1のメタライゼーション層111に配置される第3の半導体本体203および同一の第4の半導体本体204と、をさらに備えてもよい。第3の半導体本体203および第4の半導体本体204の各々は、それぞれの半導体本体203,204の上面に配置される第1の接触パッドと、第2の接触パッドと、第3の接触パッドと、を有し、上面は、基板10とは反対側である。第3の半導体本体203および第4の半導体本体204の方向は、第1および第2の半導体本体201,202の方向に一致する。第3の半導体本体203および第4の半導体本体204は、第3のセクション11131および第4のセクション11132に対して、第1の半導体本体201および第2の半導体本体202と同じ側に配置される。第3の半導体本体203の第3の接触パッドは、第3の電気接続要素323によって第1のメタライゼーション層111の第4のセクション11132に電気的に結合され、第4の半導体本体204の第3の接触パッドは、第4の電気接続要素324によって第1のメタライゼーション層111の第4のセクション11132に電気的に結合される。
【0035】
半導体モジュール装置は、第4のセクション11132に配置される少なくとも1つの第4の端子要素4032をさらに備える。第4の端子要素4032の数は、2つのサブシステムが(電流経路に関して)互いに対称になるように、第3の端子要素4031の数に対応してもよい。第3の半導体本体203の第3の接触パッドと、少なくとも1つの第4の端子要素4032(例えば、第3の電気接続要素323に最も近く配置された少なくとも1つの第4の端子要素4032の第4の端子要素4032)と、の間の第3の電流経路は、第4の半導体本体204の第3の接触パッドと、少なくとも1つの第4の端子要素4032(第4の電気接続要素324に最も近く配置された少なくとも1つの第4の端子要素4032の第4の端子要素4032)と、の間の第4の電流経路に同一の電圧および電流伝達特性を提供する。第1のサブ構造に関して上述したものと同様に、第3および第4の電気接続要素323,324の各々は、例えば、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板10の追加のメタライゼーション層のセクションを備える。
【0036】
第2のサブ構造は、第1のサブ構造と同様に、ゲート駆動対称性、および任意選択で負荷電流の対称性をもたらす。第1のサブ構造および第2のサブ構造が、同一の電圧および電流伝達特性を提供することも可能である。すなわち、第1の電流経路8021は、第2の電流経路8022だけでなく、第3の電流経路および第4の電流経路としても、同一の電圧および電流伝達特性を提供し得る。
【0037】
第3の半導体本体203の第1の接触パッドおよび第4の半導体本体204の第1の接触パッドは、第1のメタライゼーション層111の第1のセクション111に電気的に結合されてもよく、第3の半導体本体203の第2の接触パッドおよび第4の半導体本体204の第2の接触パッドは、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に電気的に結合されてもよい。すなわち、第3および第4の半導体本体203,204の第1および第2の接触パッドは、それぞれ第1および第2の半導体本体201,202の第1および第2の接触パッド21,22,21,22と同じ第1のメタライゼーション層のセクションに電気的に結合されてもよい。第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111は、第3のセクション11131と第4のセクション11132との両方を水平に囲んでもよい。第3のセクション11131および第4のセクション11132は、両方とも同じ第2の水平線A2に沿って配置される細長いセクションであってもよい。第1、第2、第3および第4の半導体本体201,202,203,204は、図9に概略的に示すように、同じ第1の水平線A1に沿って配置されてもよい。例えば、図6および図7に関して説明したサブ構造と同様の2つの同一のサブ構造が、複雑なトポロジに含まれることも可能である。
【0038】
半導体モジュール装置は、任意選択で、第1のメタライゼーション層111の第5のセクション11133をさらに備えてもよく、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111も、第5のセクション11133を水平に囲む。第3のセクション11131は、第2の水平方向zにおいて、第5のセクション11133と第1の半導体本体201および第2の半導体本体202との間に配置され、同様に、第4のセクション11132は、第2の水平方向zにおいて、第5のセクション11133と第3の半導体本体203および第4の半導体本体204との間に配置される。第1の水平方向xにおける第5のセクション11133の長さl11133は、第1の水平方向xにおける、第3のセクション11131と第4のセクション11132との間の距離d111以上であってもよい。このようにして、上記の図4を参照して第3のセクション111の長さl111に関して説明したものと同様に、負荷電流の対称性が、半導体モジュール装置で達成されてもよい。
【0039】
第5のセクション11133は、負荷電流の対称性を達成するために、定められた経路に沿って電流を案内するという唯一の機能を有してもよい。すなわち、第5のセクション11133は、半導体モジュール装置(具体的には図示せず)の任意の他のセクション、または任意の要素に電気的に接続されなくてもよい。しかしながら、図9に概略的に示すように、第5のセクション11133が、電気接続要素3によって第3のセクション11131に電気的に結合され、第5のセクション11133が、電気接続要素3によって第4のセクション11132にさらに電気的に結合されることも可能である。電気接続要素3の各々は、例えば、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板10の追加のメタライゼーション層のセクションを備えてもよい。しかしながら、図9に示す配置では、第1のメタライゼーション層111の第5のセクション11133に端子要素は配置していない。この例における第5のセクション11133は、1つまたは複数の第3の端子要素4031および1つまたは複数の第4の端子要素4032を介して供給される信号の低誘導性および低オーミック接続をもたらすために使用される。そのような接続は、例えば、両方のサブシステムが同じゲートドライバによって動作される場合、外部(ゲート)駆動回路の非対称性の補償に有用であり得る。例えば、サブシステムがインターリーブ方式で動作する場合、第5のセクション11133を、半導体モジュール装置の任意の他のセクションまたは任意の要素に、電気的に接続しなくてもよい。
【0040】
別の例によれば、半導体モジュール装置は、図10に例示的に示すように、第1のメタライゼーション層111の第5のセクション11133に配置される少なくとも1つの第5の端子要素4033をさらに備えてもよい。この場合、少なくとも1つの第5の端子要素4033(例えば、電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、少なくとも1つの第4の端子要素4032(例えば、電気接続要素3と第4のセクション11132との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第4の端子要素4032のうちの第4の端子要素4032)と、の間の第5の電流経路は、少なくとも1つの第5の端子要素4033(電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、少なくとも1つの第3の端子要素4031(例えば、電気接続要素3と第3のセクション11131との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第3の端子要素4031の第3の端子要素4031)と、の間の第6の電流経路に同一の電圧および電流伝達特性を提供する。
【0041】
上述したように、半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に配置される複数の第2の端子要素40を備えてもよい。一例によれば、図9および図10に概略的に示すように、複数の第2の端子要素40は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111に配置される、第2の端子要素4021の第1のグループをおよび第2の端子要素4022の第2のグループを含んでもよい。第2の水平方向zにおける第3のセクション11131は、第2の端子要素4021の第1のグループと第1の半導体本体201および第2の半導体本体202との間に配置されてもよく、第2の水平方向zにおける第4のセクション11132は、第2の端子要素4022の第2のグループと第3の半導体本体203および第4の半導体本体204との間に配置されてもよい。これは、第1、第2、第3および第4の半導体本体201,202,203,204の各々と、複数の第2の端子要素4022のうちの最も近いものと、の間に電流が流れなければならない距離が実質的に同一であるため、半導体モジュール装置における負荷電流の対称性をさらに向上する。
【0042】
ここで図10を参照すると、負荷電流の対称性をさらに向上することができる。図10に概略的に示すように、半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111を通って延在し、第2の端子要素4021の第1のグループと第1の半導体本体201および第2の半導体本体202との間の第1のトレンチ60と、第1のメタライゼーション層111の第2のセクション111を通って延在し、第2の端子要素4022の第2のグループと、第3の半導体本体203および第4の半導体本体204との間の第2のトレンチ60と、をさらに備えてもよい。第2の端子要素40と半導体本体201,202,203,204との間に流れる電流の流れは、そのようなトレンチ60,60によって、ならびに第1のメタライゼーション層111の第3、第4および第5のセクション11131、11132、11133の長さを適切に選択することによって、正確に制御されてもよい。
【0043】
図9に示す例では、端子要素4031、4032は、第3のセクション11131および第4のセクション11132の各々に配置されているが、第5のセクション11133には配置されていない。図10に示す例では、端子要素4031、4032、4033は、第3のセクション11131、第4のセクション11132および第5のセクション11133の各々に配置される。しかしながら、端子要素4033が第5のセクション11133に配置されているが、第3のセクション11131および第4のセクション11132には配置されないことも可能である(具体的に図示せず)。すなわち、代替の半導体モジュール装置は、誘電絶縁層11と、誘電絶縁層11の表面に配置される第1のメタライゼーション層111と、を備える基板10を備えてもよく、第1のメタライゼーション層111は、第1のセクション111と、第2のセクション111と、第3のセクション11131と、第4のセクション11132と、第5のセクション11133と、を備え、第2のセクション111は、第3のセクション11131、第4のセクション11132および第5のセクション11133の各々を水平に囲む。
【0044】
半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111に配置される同一の第1、第2、第3および第4の半導体本体201,202,203,204をさらに備えてもよく、第1の半導体本体201、第2の半導体本体202、第3の半導体本体203および第4の半導体本体204の各々は、基板10とは反対側のそれぞれの半導体本体201,202,203,204の上面に配置される第1の接触パッド21,22、第2の接触パッド21,22および第3の接触パッド21,22を有する。第1の半導体本体201の第3の接触パッド21は、第1の電気接続要素321によって第1のメタライゼーション層111の第3のセクション11131に電気的に結合され、第2の半導体本体202の第3の接触パッド22は、第2の電気接続要素322によって第1のメタライゼーション層111の第3のセクション111、11131に電気的に結合され、第3の半導体本体203の第3の接触パッドは、第3の電気接続要素323によって第1のメタライゼーション層111の第4のセクション11132に電気的に結合され、第4の半導体本体204の第3の接触パッドは、第4の電気接続要素324によって第1のメタライゼーション層111の第4のセクション11132に電気的に結合される。第5のセクション11133は、電気接続要素3によって第3のセクション11131に電気的に結合され、第5のセクション11133は、電気接続要素3によって第4のセクション11132に電気的に結合される。電気接続要素3,321,322,323,324の各々は、1つまたは複数のボンディングワイヤ、1つまたは複数のボンディングリボン、接続レール、あるいは対応するビアによって接触される基板10の追加のメタライゼーション層のセクションを備える。
【0045】
パワー半導体モジュール装置は、第1のメタライゼーション層111の第5のセクション11133に配置される少なくとも1つの第5の端子要素4033をさらに備える。少なくとも1つの第5の端子要素4033(例えば、それぞれの電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、第1の半導体本体201の第3の接触パッド21と、の間の電流経路は、少なくとも1つの第5の端子要素4033(例えば、それぞれの電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、第2の半導体本体202の第3の接触パッド22と、の間の電流経路の、少なくとも1つの第5の端子要素4033(例えば、それぞれの電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、第3の半導体本体203の第3の接触パッドと、の間の電流経路の、さらに、少なくとも1つの第5の端子要素4033(例えば、それぞれの電気接続要素3と第5のセクション11133との間の接続点に最も近く配置された少なくとも1つの第5の端子要素4033の第5の端子要素4033)と、第4の半導体本体204の第3の接触パッドと、の間の電流経路の、各々に同一の電圧および電流伝達特性を提供する。
【0046】
図9および図10に概略的に示しているように、さらに複雑な配置は、(図9および図10の右側に見える)3つ以上のサブ構造をさらに備えてもよい。しかしながら、任意のさらなるサブ構造は、任意選択であり、省略することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】