(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159662
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】レバーアセンブリ、レバー装置
(51)【国際特許分類】
B60T 11/18 20060101AFI20241031BHJP
B62L 3/00 20060101ALI20241031BHJP
B62L 3/02 20060101ALI20241031BHJP
B60T 7/08 20060101ALI20241031BHJP
G05G 1/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B60T11/18
B62L3/00 A
B62L3/02 D
B60T7/08 Z
G05G1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071743
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】102023000008247
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】コロンボ,マルチェッロ
(72)【発明者】
【氏名】ジルランダ,エンリコ
【テーマコード(参考)】
3D047
3D124
3J070
【Fターム(参考)】
3D047AA01
3D047BB33
3D047CC08
3D047DD01
3D047FF23
3D047JJ01
3D124AA13
3D124BB01
3D124BB17
3D124CC59
3D124DD69
3J070AA03
3J070BA74
3J070BA81
3J070BA85
3J070CA51
3J070CB02
3J070CB31
3J070CC64
3J070DA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組立及び保守作業を簡略化することができるレバーアセンブリを提供すること。
【解決手段】レバーアセンブリ1は、プライマリレバー2を静止位置に弾性バイアスする弾性復帰要素4を有する。弾性復帰要素4は、第1弾性復帰要素巻線32、第1弾性復帰要素の第1アーム30、及び第1弾性復帰要素巻線32から延在する第1弾性復帰要素の第2アーム31を含むねじりばねである。プライマリレバー2のプライマリレバー本体11は、第1プライマリレバー接続要素17を有する。第1プライマリレバー接続要素17は、第1弾性復帰要素の第2アーム31を連結するように構成された第1プライマリレバー接続要素連結部26aを有する。第1弾性復帰要素の第2アーム31が第1プライマリレバー接続要素17に連結されると、弾性復帰要素4が、プライマリレバー2のマスタシリンダボディ21への接続とは無関係に、プライマリレバー2に予め組み付けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル車両の第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置(101)を油圧で作動させるように構成されたレバー装置(100)用のレバーアセンブリ(1)であって、
前記レバー装置(100)はマスタシリンダ本体(21)を有し、
前記マスタシリンダ本体(21)は前記マスタシリンダ本体(21)を前記ハンドル車両のハンドルバーに拘束するための接続手段(20)を含み、
前記マスタシリンダ本体(21)はキャビティ又はシリンダ(23)を画定するシリンダ壁(55)を含み、
前記レバーアセンブリ(1)は、少なくとも1つのフロート又はピストン(22)を有し、
前記少なくとも1つのフロート又はピストン(22)は、スラスト方向(X-X)に沿って前記キャビティ又はシリンダ(23)内を摺動するように前記マスタシリンダ本体(21)と作動可能に関連付けられ、
前記フロート又はピストン(22)は前記マスタシリンダ本体(21)の前記シリンダ壁(55)とともに、前記第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置(101)の作動流体を収容するように構成された少なくとも1つの圧力室(57)を形成するピストン底部(56)を備え、
前記シリンダ壁(55)の少なくとも1つが、前記圧力室(57)を少なくとも1つの関連する流体タンク(24)と流体連通させるように構成された少なくとも1つの供給チャンネル(58)を形成するように構成され、
前記ピストン底部(56)は、前記シリンダ壁(55)に対して、前記圧力室(57)の容積が最大となる少なくとも1つのストローク終了位置と、前記ピストン底部が、前記圧力室(57)を前記供給チャンネル(58)から流体的に隔離して前記圧力室(57)内の作動流体を加圧する少なくとも第1作動位置の間を移動可能で、
前記レバー装置(100)が、前記キャビティ又はシリンダ内に配置され、前記ピストン底部(56)と前記シリンダ壁(55)によって形成された接続座部との間に介在され、前記ピストン又は前記フロート(22)を前記ストローク終了位置に弾性的にバイアスする弾性復帰要素(5)を備え、
前記レバーアセンブリ(1)は、少なくとも1つのピボット軸(Y-Y)を中心に回転するように、前記マスタシリンダ本体(21)に回転可能に接続されたプライマリレバー(2)を有し、
前記プライマリレバー(2)は、前記フロート又はピストン(22)に直接又は間接的に接続可能で、
前記プライマリレバー(2)は、前記少なくとも1つのピボット軸(Y-Y)を中心として、プライマリレバー静止位置と少なくとも1つのプライマリレバー作動位置との間を回転可能で、
前記少なくとも1つのプライマリレバー作動位置において、前記プライマリレバー(2)が前記フロート又はピストン(22)を直接的又は間接的にバイアスし、
前記レバーアセンブリ(1)が、前記プライマリレバー(2)を前記プライマリレバー静止位置に弾性的にバイアスするように構成された前記プライマリレバー(2)の弾性復帰要素(4)を備え、
前記プライマリレバー(2)の前記弾性復帰要素(4)が、少なくとも第1弾性復帰要素巻線(32)と、第1弾性復帰要素の第1アーム(30)と、前記第1弾性復帰要素巻線(32)から延びる前記第1弾性復帰要素の第2アーム(31)とからなるねじりばねであり、
前記プライマリレバー(2)がプライマリレバー本体(11)を備え、
前記プライマリレバー本体(11)が、前記プライマリレバー(2)の前記弾性復帰要素(4)を少なくとも部分的に収容するように適合されたプライマリレバー凹状ハウジング(16)又は座部を画定し、
前記プライマリレバー本体(11)が、少なくとも第1プライマリレバー接続要素(17)を備え、
前記第1プライマリレバー接続要素(17)が、第1弾性復帰要素の第2アーム(31)を結合するように構成された第1プライマリレバー接続要素結合部分(26a)を含んでおり、
前記第1弾性復帰要素の前記第2アーム(31)が前記第1プライマリレバー接続要素(17)に結合されると、前記プライマリレバー(2)の前記マスタシリンダ本体(21)への接続とは無関係に、前記プライマリレバー(2)の前記弾性復帰要素(4)が前記プライマリレバー(2)に予め組み付けられる、レバーアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記請求項に記載のレバーアセンブリ(1)、
前記プライマリレバー(2)が、前記プライマリレバー本体(11)から前記ハウジング(16)内に延びるプライマリレバーブッシング(14)を備え、
前記プライマリレバーブッシング(14)が、回転ピン(45)を直接的又は間接的に収容するように構成され、
前記回転ピン(45)が、前記レバーアセンブリ(1)を、前記ピボット回転軸(Y-Y)と平行な方向に沿って間隔をあけて配置された前記マスタシリンダ本体(21)の第1接続ブラケット(46)及び第2接続ブラケット(47)に接続し、
前記回転ピン(45)が、前記ピボット回転軸(Y-Y)と同軸の前記接続ブラケット(46、47)に作られた適切な穴あきシートに固定され、
前記少なくとも第1弾性復帰要素巻線(32)が、前記プライマリレバーブッシング(14)の前記外面に嵌め込まれ、前記プライマリレバーブッシング(14)の前記ベースの周りに延在する環状のプライマリレバー壁(51)に当接し、
少なくとも第1弾性復帰要素巻線(32)がプライマリレバーブッシング(14)上に嵌め込まれ、
前記第1弾性復帰要素の前記第2アーム(31)が前記第1プライマリレバー接続要素(17)及び/又は前記第2プライマリレバー接続要素(25)に接続されるとき、前記プライマリレバーの前記弾性復帰要素(4)は、前記回転ピン(45)による前記プライマリレバー(2)の前記マスタシリンダ本体(21)への接続とは無関係に、前記プライマリレバー(2)に予め組み付けられている、請求項1に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記プライマリレバー本体(11)が、第2プライマリレバー接続要素(25)を備えており、
前記第2プライマリレバー接続要素(25)は、前記第1弾性復帰要素の第2アーム(31)が前記第1プライマリレバー接続要素(17)及び前記第2プライマリレバー接続要素(25)に接続されるとき、前記プライマリレバーの弾性復帰要素(4)が、前記プライマリレバー(2)の前記マスタシリンダ本体(21)への接続とは無関係に、前記プライマリレバー(2)に予め組み付けられるように、前記第1弾性復帰要素の第2アーム(31)を接続するように構成された第2プライマリレバー接続要素接続部(26b)を有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記プライマリレバー本体(11)が、前記ハウジング(16)を区画する内側ハウジング側壁(19)を備えており、
前記内側ハウジング側壁(19)は、前記ハウジング(16)を対向する側から区画する第1内側壁部(36)と第2内側壁部(39)を有し、
前記第1内壁部(36)と前記第2内壁部(39)とが実質的に対向しており、
前記第1内壁部(36)が前記第1プライマリレバー接続要素(17)を有し、
前記第2内壁部(39)が前記第2プライマリレバー接続要素(25)を有し、
前記第1弾性復帰要素の前記第2アーム(31)が、前記第1弾性復帰要素巻線(32)から離れる方向に移動する弾性相対負荷要素(6)を有し、
前記弾性相対負荷要素(6)が、前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)と前記弾性相対負荷要素の前記第2アーム(34)とを備えており、
前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)と前記弾性相対負荷要素の第2アーム(34)とが、相互に接近するように弾性的に対向しており、
前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)が前記第1プライマリレバー接続要素接続部(26a)に接続されており、
前記弾性相対負荷要素の第2アーム(34)が、前記第2プライマリレバー接続要素接続部(26b)に接続され、
前記プライマリレバー弾性復帰要素(4)が、前記プライマリレバー(2)の前記マスタシリンダボディ(21)への接続に関係なく、前記プライマリレバー(2)に予め組み付けられている、請求項1-4のいずれか一項に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも第1弾性復帰要素巻線(32)が前記プライマリレバーブッシング(14)に嵌め込まれると、前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)及び前記弾性相対負荷要素の前記第2アーム(34)が前記第1プライマリレバー接続要素(17)及び/又は前記第2プライマリレバー接続要素(25)に接続され、
前記プライマリレバーの前記弾性復帰要素(4)は、前記回転ピン(45)によって、前記プライマリレバー(2)の前記マスタシリンダ本体(21)への接続に関係なく、前記プライマリレバー(2)に予め組み付けられる、請求項3及び4に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記プライマリレバー接続要素(17、25)のそれぞれがスタッドであって、前記ハウジング(16)を区画する前記内側ハウジング側壁(19)及び/又は前記ハウジング底壁(59)に対して浮き彫りになっており、
前記スタッドは、前記ピボット軸(Y-Y)に平行な方向に沿って前記プライマリレバーの前記弾性復帰要素(4)の動きを制限するように適合され、
前記プライマリレバー接続要素接続部(26a、26b)がそれぞれ、前記ピボット軸(Y-Y)に平行な方向に沿って前記弾性相対負荷要素(6)の動きを制限するように適合されたアンダーカット部分である、請求項1-5のいずれか1項に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記レバーアセンブリ(1)は、前記マスタシリンダ本体(21)及び前記プライマリレバー(2)と回転可能に結合されたセカンダリレバー又はハブ(3)を備えており、
前記セカンダリレバー又はハブ(3)が前記セカンダリレバーブッシュ(15)を有し、
前記プライマリレバーブッシング(14)と前記セカンダリレバーブッシュ(15)とが前記ピボット軸(Y-Y)に対して同軸上にあり、
前記プライマリレバーブッシング(14)と前記セカンダリレバーブッシュ(15)とが相互に結合されたときに、前記ピボット軸(Y-Y)を中心とした前記セカンダリレバー(3)に対する前記プライマリレバー(2)の回転を可能にするように、前記プライマリレバーブッシング(14)が前記セカンダリレバーブッシュ(15)又は前記セカンダリレバーブッシュ(15)が前記プライマリレバーブッシング(14)を収容するように構成されており、
前記回転ピン(45)は、前記ピボット回転軸(Y-Y)に平行な方向に沿って間隔をあけて配置された前記マスタシリンダ本体(21)の第1接続ブラケット(46)及び第2接続ブラケット(47)に前記レバーアセンブリ(1)を接続するように構成され、前記回転ピン(45)を前記接続ブラケット(46、47)に形成された適切な孔あきシートに対して前記ピボット回転軸(Y-Y)と同軸に固定し、
前記第1弾性復帰要素の前記第2アーム(31)が、前記第1弾性復帰要素巻線(32)から離れる前記弾性相対負荷要素(6)を有し、
前記弾性相対負荷要素(6)は、前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)と前記弾性相対負荷要素の第2アーム(34)を有し、
前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)と前記弾性相対負荷要素の前記第2アーム(34)とが、相互に接近するように弾性的に対向し、
前記セカンダリ(3)が、前記セカンダリ接続要素(18)を有し、
前記セカンダリ接続要素(18)が、前記弾性相対負荷要素の遠位第2アーム部(54)を接続するように構成されたセカンダリ接続要素接続部(27)を有し、
前記プライマリレバーブッシング(14)と前記セカンダリブッシュ(15)とが相互に結合されており、
前記弾性相対負荷要素の前記第1アーム(33)及び前記弾性相対負荷要素の前記第2アーム(34)は、
前記ピボット軸(Y-Y)に平行な方向に沿って前記プライマリレバー(2)と前記セカンダリレバー(3)との間の分離を防止することによって、前記ピボット軸(Y-Y)を横断する方向に沿って前記プライマリレバー(2)と前記セカンダリレバー(3)とをバイアスすることによって、前記第1プライマリレバー接続部(26a)及び前記セカンダリレバー接続要素接続部(27)にそれぞれ接続される、請求項2に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記プライマリレバーはプライマリレバースラスト部(7)を備え、
前記セカンダリレバー(3)はセカンダリレバーカウンタバットメント部(9)を備え、
前記プライマリレバー(2)は、前記少なくとも1つのピボット軸(Y-Y)を中心として、プライマリレバー静止位置と少なくとも1つのプライマリレバーの作動位置との間を回転可能で、
前記少なくとも1つのプライマリレバーの作動位置において、前記プライマリレバースラスト部(7)が前記セカンダリレバーカウンタアバットメント部(9)に直接又は間接的に接触し、
前記セカンダリレバー(3)は、前記少なくとも1つのピボット軸(Y-Y)又はそれに平行な軸を中心に、セカンダリレバー静止位置と、セカンダリレバー作動位置との間で回転可能であり、
前記弾性相対負荷要素(6)は、前記プライマリレバースラスト部(7)に対する前記セカンダリレバーカウンタアバットメント部(9)の接近又はその逆の接近に対抗する弾性離間作用を加えるように構成され、
前記プライマリレバー(2)及び前記セカンダリレバー又はハブ(3)がそれぞれの静止位置にあるとき、前記弾性相対負荷要素(6)が、前記セカンダリレバーカウンタアバットメント部(9)と前記プライマリレバースラスト部(7)との間の擦れによる直接的又は間接的な接触を回避し、
前記プライマリレバー(2)が、前記プライマリレバー静止位置と前記少なくとも1つのプライマリレバー作動位置との間で、前記少なくとも1つのピボット軸(Y-Y)を中心に回転可能であり、前記セカンダリレバーカウンタアバットメント(9)と前記プライマリレバースラスト部(7)との間の直接的又は間接的な接触を避ける、請求項1-8のいずれか1項に記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記プライマリレバー(2)がプライマリレバー停止壁(42)を有し、
前記セカンダリレバー(3)がセカンダリレバー停止対向壁(43)を有し、
前記プライマリレバー(2)及び前記セカンダリレバー(3)が前記マスタシリンダ本体(21)から切り離され、前記プライマリレバーブッシング(14)及び前記セカンダリレバーブッシュ(15)が相互に結合されているとき、前記セカンダリレバーカウンタアバットメント(9)を前記ピボット軸(Y-Y)を中心に前記プライマリレバースラスト部(7)から離れる方向に回転バイアスし、かつ前記プライマリレバー停止壁(42)を前記ピボット軸(Y-Y)を中心に前記セカンダリレバー逆支持部壁(43)に対して回転バイアスすることによって、又はその逆に回転バイアスすることによって、前記弾性相対負荷要素(6)が前記プライマリレバー(2)の前記第1プライマリレバー接続要素(17)と前記セカンダリレバー接続要素(18)との間に介在され、
前記プライマリレバー(3)と前記セカンダリレバー(2)の静止位置を規定し、前記マスタシリンダ本体(21)に接続されずに予め組み立てられた状態で、前記プライマリレバー(2)と前記セカンダリレバー又はハブ(3)を相互に接続する、請求項1-8のいずれかに記載のレバーアセンブリ(1)。
【請求項10】
ハンドル式車両の第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置(101)を油圧で作動させるためのレバー装置(100)において、前記レバー装置(100)は、
マスタシリンダ本体(21)であって、前記マスタシリンダ本体(21)を前記ハンドル車両のハンドルバーに拘束するための接続手段(20)を含み、キャビティ又はシリンダ(23)を画定するシリンダ壁(55)を含むマスタシリンダ本体(21)と、
前記マスタシリンダ本体(21)と作動可能に関連付けられ、スラスト方向(X-X)に沿って前記キャビティ又はシリンダ(23)の内側をスライドするように適合された、少なくとも一つのフロート又はピストン(22)とを備え、
前記少なくとも一つのフロート又はピストン(22)は、前記マスタシリンダ本体(21)の前記シリンダ壁(55)と共に、前記第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置(101)の作動流体を収容するように構成された少なくとも一つの圧力チャンバ(57)を画定するピストン底部(56)を備え、
前記シリンダ壁(55)の少なくとも一つは、少なくとも一つの関連する流体タンク(24)と流体連通させるように構成された少なくとも一つの供給路(58)を画定するように形成されており、
前記ピストン底部(56)は、前記シリンダ壁(55)に対して、
前記圧力室(57)の容積が最大となる、少なくとも1つのストローク終了位置と、
前記ピストン底部が、前記圧力室(57)を前記供給路(58)から流体的に隔離し、前記圧力室(57)内の作動流体を加圧する、少なくとも第1作動位置との間を移動可能で、
前記レバー装置(100)が、前記キャビティ又は前記シリンダ内に配置され、前記ピストン底部(56)と前記シリンダ壁(55)によって画定されたシリンダ座部との間に介在され、前記ピストン又は前記フロート(22)をストローク終端位置に向けて常に弾性的に付勢する弾性復帰要素(5)を備えており、
前記レバー装置(100)が、請求項1-9のいずれか1項に記載のレバーアセンブリ(1)を備え、
前記レバーアセンブリ(1)が、ピボット軸(Y-Y)を中心に回転するように前記マスタシリンダ本体(21)に回転可能に関連付けられ、
前記レバーアセンブリ(1)が、前記フロート又はピストン(22)に直接的又は間接的に接続されている、レバー装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
【0002】
本発明は、ハンドル車両用レバー装置のためのレバーアセンブリ及びレバー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
ハンドル車両のハンドルバーに拘束可能な支持体に回転可能に接続された把持可能なレバー又はプライマリレバーを備え、把持可能なレバーを回転させることによって作動装置を作動させることができるように、ブレーキ又はクラッチの作動装置を作動させるハンドル車両用のレバーアセンブリが知られている。
【0005】
把持可能レバーに外力又はブレーキ作用が加えられていない条件下では、把持可能レバーは、プライマリレバーの弾性復帰要素の弾性作用によってプライマリレバーの静止位置に保持される。例えば、プライマリレバーの弾性復帰要素は、ハンドルバーに拘束可能な支持体の一部、例えばブラケット又はマスタシリンダボディの外側部分とプライマリレバーとの間に作用するねじりばねであり、プライマリレバーのハンドルバー側への回転に常時弾性的に対抗する。
【0006】
公知のタイプのレバーアセンブリの幾つかの解決策では、プライマリレバーの弾性復帰要素は、弾性復帰作用を適用するために巻線部分から延びる、巻線部分、第1接続アーム、及び第2接続アームからなるねじりばねである。
【0007】
ねじりばねは、プライマリレバーの回転軸に沿って、例えば、プライマリレバーが回転ピンを中心に回転できるように、ハンドルバーに拘束可能な支持体に接続可能な回転ピンによって画定されるように、その巻線部分とともに配置され、第1接続アームはプライマリレバー停止部に突き当たり、第2接続アームはハンドルバーに拘束可能な本体に突き当たる。JP3754514B2の解決策のようないくつかの解決策では、巻取り部分は、ハンドルバーに拘束可能な本体のブラケットと回転ピンの頭部との間で軸方向にクランプされる。EP2367716B1の解決策のような他の解決策では、巻取り部分は、プライマリレバーとセカンダリレバーとの間に画定されたハウジング内に封入され、このハウジング内で、プライマリレバーとセカンダリレバーは、回転ピンによってハンドルバーに拘束可能な支持体に回転可能に拘束される。
【0008】
組立のステップにおいて、プライマリレバーの弾性復帰要素は、その場で組立位置に位置決めされなければならず、使用者は、正しい位置決めを達成する前に複数の位置決め試行を行う危険性があり、位置決め試行中に弾性復帰要素を重力で落下させる危険性があり、その結果、弾性復帰要素を紛失する可能性がある。
【0009】
レバーアセンブリのメンテナンスのステップでは、ハンドルバーに拘束可能なボディからプライマリレバーを分解する際に、プライマリレバーの弾性復帰要素をフィールド上の組立位置から分離しなければならず、そのため、弾性復帰要素が重力によって落下し、弾性復帰要素が偶発的に紛失する可能性があり、弾性復帰要素を交換するまでレバーアセンブリの再組立を遅らせたり、損なったりする。
【0010】
したがって、当業界では、レバーアセンブリの組立及び保守作業を簡略化することができ、重力によって落下し、把持可能なレバーを常に静止位置にバイアスするように構成された弾性復帰要素を紛失する危険性を低減することができるレバーアセンブリに対する必要性が強く感じられる。
【発明の概要】
【0011】
解決手段
【0012】
本発明の目的は、レバーアセンブリ及びレバー装置を提供することである。
【0013】
この目的及び他の目的及び利点は、独立請求項によるレバー装置、ブレーキシステム、及びばねアセンブリによって達成される。
【0014】
いくつかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0015】
提案された解決手段により、レバー装置の組立は、プライマリレバーとプライマリレバーの弾性復帰要素とを予め組み立てることによって簡略化することができ、これにより、予め組み立てられた構成要素間の重力による離脱を回避することができ、メンテナンス作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面
【0017】
レバーアセンブリ及びレバー装置の更なる特徴及び利点は、添付図面を参照して非限定的に示される、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0018】
【
図1】
図1は、本発明によるレバー装置を第1方向から見た軸幾何学図であり、この図において、本発明によるレバーアセンブリを見ることができる;
【0019】
【
図2】
図2は、
図1のレバー装置を第2方向から見た軸幾何学図である。
【0020】
【0021】
【
図4】
図4は、
図1のレバー装置を分解図で示す軸幾何学図である。
【0022】
【
図5】
図5は、
図2に示す断面平面A-Aに沿ってとられたレバー装置の断面図である。
【0023】
【
図6】
図6は、
図5の断面平面B-Bに沿ってとられたレバー装置の断面図である。
【0024】
【0025】
【
図8】
図8は、レバー装置のマスタシリンダ本体の断面図であり、マスタシリンダ本体のキャビティに移動可能に挿入されたピストン又はフロートを見ることができ、マスタシリンダ本体のキャビティは、供給チャネルによって関連タンクと流体連通している。
【0026】
【
図9】
図9は、フロントブレーキに操作可能に接続された
図1のレバー装置と、リアブレーキに操作可能に接続された第2レバーと、レバー装置とからなる前後複合タイプのブレーキシステムを図式的に示しており、第2レバーの作動により、リアブレーキ(好ましくはドラムブレーキ)とフロントブレーキ(好ましくはディスクブレーキ)の両方が作動する。
【0027】
【
図10】
図10は、
図1のレバー装置に使用されるスプリングアセンブリの軸方向図である。
【0028】
【
図11】
図11は、プライマリレバーとセカンダリレバーとがそれぞれの静止位置にあり、プライマリレバーのスラスト部とセカンダリレバーのカウンタアバットメント部とが弾性相対荷重要素によって互いに間隔を保たれている、
図2のレバー装置を示す。
【0029】
【
図12】
図12は、
図2のレバー装置を示しており、プライマリレバーは、使用者によって静止位置から少なくとも1つのプライマリレバー作動位置まで回転駆動され、セカンダリレバーは、ブレーキ装置及び/又はブレーキマスタシリンダを作動させることによって、セカンダリレバーのカウンタアバットメント部に対するスラスト部のスラスト作用によって、少なくとも1つのセカンダリレバー作動位置まで回転させられる。
【0030】
【
図13】
図13は、プライマリレバーがプライマリレバー静止位置にあり、セカンダリレバー静止位置から回転させられたセカンダリレバーが、セカンダリレバーの複合制動接続部40を、例えば成形金属シート64によって引っ張る複合制動機構の引っ張り作用によって、少なくとも1つのセカンダリレバー作動位置にある、
図2のレバー装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
いくつかの好ましい実施形態の説明
【0032】
一般的な実施形態によれば、ハンドル車両の第1制動装置又は前部制動装置101を油圧で作動させるように構成されたレバー装置100用のレバーアセンブリが参照数字1で示されている。
【0033】
レバー装置100は、マスタシリンダ本体21をハンドル車両のハンドルバーに拘束する接続手段20を構成するマスタシリンダ本体21を備える。前記マスタシリンダ本体21は、キャビティ又はシリンダ23を区画するシリンダ壁55を備える。
【0034】
レバー装置100は、スラスト方向X-Xに沿ってキャビティ又はシリンダ23内を摺動するように適合されるように、マスタシリンダ本体21と作動可能に関連付けられた少なくとも1つのフロート又はピストン22を備える。フロート又はピストン22は、マスタシリンダ本体21のシリンダ壁55とともに、第1制動装置又は前部制動装置101の作動流体を収容するように構成された少なくとも1つの圧力室57を画定するピストン底部56を備える。シリンダ壁55の少なくとも1つは、圧力室57を関連可能な流体タンク24と流体連通させるように構成された少なくとも1つの供給チャンネル58を画定するように構成されている。
【0035】
ピストン底部56は、前記シリンダ壁55に対して、前記圧力室57の容積が最大となる少なくとも1つのストローク終了位置と、少なくとも第1作動位置との間で移動可能であり、少なくとも第1作動位置において、前記ピストン底部は、前記圧力室57を前記供給チャンネル58から流体的に隔離し、前記圧力室57内の作動流体を加圧する。
【0036】
レバー装置100は、前記キャビティ又はシリンダ内に配置され、前記ピストン底部56とシリンダ壁55によって画定されたシリンダ座部又は肩部との間に介在され、ピストン又はフロート22をストローク終了位置に向かって常に弾性的にバイアスする弾性復帰要素5を備える。言い換えれば、弾性復帰要素5は、使用者によるレバー装置100の作動の停止時、ピストン又はフロート22がストローク終了位置まで戻ることを可能にする。
【0037】
レバーアセンブリ1は、少なくとも1つのピボット軸Y-Yを中心に回転するように、マスタシリンダ本体21と回転可能に接続されたプライマリレバー2を備える。前記プライマリレバーは、前記フロート又はピストン22に直接又は間接的に接続可能及び/又は接続されている。
【0038】
プライマリレバー2は、プライマリレバー静止位置と、少なくとも1つのプライマリレバー作動位置との間で、少なくとも1つのピボット軸Y-Yを中心として回転可能であり、少なくとも1つのプライマリレバー作動位置において、プライマリレバー2は、前記フロート又はピストン22を直接的又は間接的にバイアスする。一実施形態では、少なくとも1つのプライマリレバー作動位置において、プライマリレバースラスト部7は、セカンダリレバーカウンタアバットメント部9と直接的又は間接的に接触しており、少なくとも第1作動位置にあるときに、セカンダリレバー又はハブ3によって、フロート又はピストン22を少なくともバイアスするようになっている。
【0039】
レバーアセンブリ1は、プライマリレバー2をプライマリレバーの静止位置に弾性的にバイアスするように構成されたプライマリレバーの弾性復帰要素4を備える。
【0040】
プライマリレバーの弾性復帰要素4は、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32と、第1弾性復帰要素の第1アーム30と、前記第1弾性復帰要素巻線32から延びる第1弾性復帰要素の第2アーム31とを備えるねじりばねである。
【0041】
プライマリレバー2は、プライマリレバー本体11からなる。プライマリレバー本体11は、プライマリレバーの弾性復帰要素4を少なくとも部分的に収容するように適合されたプライマリレバー凹状ハウジング又はシート16を画定する。プライマリレバー本体11は、少なくとも第1プライマリレバー接続要素17を備える。
【0042】
有利には、第1プライマリレバー接続要素17は、第1弾性復帰要素の第2アーム31が第1プライマリレバー接続要素17に接続されると、プライマリレバー2のマスタシリンダボディ21への接続とは無関係に、プライマリレバーの弾性復帰要素4がプライマリレバー2に予め組み付けられるように、第1弾性復帰要素の第2アーム31を接続するように構成された第1プライマリレバー接続要素の接続部26aを含んでいる。
【0043】
一実施形態では、プライマリレバー2は、プライマリレバー本体11からハウジング16内に延びるプライマリレバーブッシング14から構成される。実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、回転ピン45を直接的又は間接的に収容するように構成されている。実施形態において、回転ピン45は、レバーアセンブリ1を、ピボット回転軸線Y-Yに平行な方向に沿って間隔をあけて配置されたマスタシリンダ本体21の第1接続ブラケット46及び第2接続ブラケット47に接続するように構成され、回転ピン45を、ピボット回転軸線Y-Yと同軸の接続ブラケット46、47に形成された適切な孔あきシートに固定する。
【0044】
一実施形態では、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32は、プライマリレバーブッシング14の外面に嵌め込まれ、プライマリレバーブッシング14の基部について延びる環状のプライマリレバー壁51に突き当たる。
【0045】
実施形態において、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32がプライマリレバーブッシング14に嵌め込まれ、第1弾性復帰要素の第2アーム31が第1プライマリレバー接続要素17及び/又は第2プライマリレバー接続要素25に接続されると、プライマリレバーの弾性復帰要素4は、回転ピン45によってプライマリレバー2とマスタシリンダ本体21との接続に関係なく、プライマリレバー2に予め組み付けられる。
【0046】
一実施形態では、プライマリレバー本体11は、第2プライマリレバー接続要素25から構成される。
【0047】
実施形態において、第2プライマリレバー接続要素25は、第1弾性復帰要素の第2アーム31を接続するように構成された第2プライマリレバー接続要素接続部26bを備える。これにより、第1弾性復帰要素の第2アーム31が第1プライマリレバー接続要素17及び第2プライマリレバー接続要素25に接続されると、プライマリレバー2とマスタシリンダ本体21との接続に関係なく、プライマリレバーの弾性復帰要素4がプライマリレバー2に予め組み付けられる。
【0048】
実施形態において、プライマリレバー本体11は、ハウジング16を区画する内側ハウジング側壁19を備える。実施形態において、プライマリレバー本体11は、ハウジング側壁19に接続され、ピボット軸Y-Yの方向に対して実質的に直交する底部ハウジング壁59を備える。実施形態において、内側ハウジング側壁19は、ピボット軸線Y-Yの方向に直交する半径方向に関して、横方向又は周方向のいずれかで、ハウジング16を区画する。一実施形態では、内側ハウジング側壁19は、好ましくはピボット軸Y-Yに面する凹部を形成して延びている。実施形態では、内側ハウジング側壁19は、第1内側壁部36と第2内側壁部39とからなる。実施形態では、第1内壁部36と第2内壁部39は、ハウジング16を対向する側で区画する。実施形態において、第1内壁部36及び第2内壁部39は、ハウジングの凹状部分を対向する側で区画する。実施形態において、第1内壁部36と第2内壁部39とは実質的に対向する。実施形態において、ピボット軸Y-Yの方向に直交するプライマリレバー本体の断面において、内側ハウジング側壁19は、少なくとも1つのU字形状又はV字形状の部分を形成し、第1内壁部36及び第2内壁部39は、U字形状又はV字形状の部分の反対側にあり、好ましくは湾曲した内壁接続部によって接続される。
【0049】
実施形態において、第1内壁部36は、第1プライマリレバー接続要素17を構成する。実施形態において、第2内壁部39は、第2プライマリレバー接続要素25を構成する。
【0050】
実施形態において、第1弾性復帰要素の第2アーム31は、第1弾性復帰要素巻線32から離れるように移動する、弾性相対負荷要素6を構成する。
【0051】
実施形態において、弾性相対負荷要素6は、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とからなり、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とは弾性的に相互接近に対抗する。
【0052】
実施形態において、弾性相対負荷要素の第1アーム33は、第1プライマリレバー接続要素接続部26aに接続される。実施形態において、弾性相対負荷要素の第2アーム34は、第2プライマリレバー接続要素接続部26bに接続される。第1弾性相対負荷要素の第1アーム33と第2弾性相対負荷要素の第2アーム34とが弾性的に相互接近に対向するように、第1弾性復帰要素の第2アーム31が構成され、及び/又は折り畳まれる。ことにより、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とを、第1プライマリレバー接続要素接続部26aと第2プライマリレバー接続要素接続部26bとに弾性的に隣接するように接続しておくことが可能である。そのため、プライマリレバー2のマスタシリンダ本体21への接続とは無関係に、プライマリレバーの弾性復帰要素4がプライマリレバー2に予め組み付けられる。
【0053】
実施形態において、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32がプライマリレバーブッシング14に嵌め込まれ、弾性相対負荷要素の第1アーム33及び弾性相対負荷要素の第2アーム34が第1プライマリレバー接続要素17及び/又は第2プライマリレバー接続要素25に接続されると、プライマリレバーの弾性復帰要素4は、回転ピン45によって、プライマリレバー2のマスタシリンダ本体21への接続に関係なく、プライマリレバー2に予め組み付けられる。
【0054】
一実施形態では、各プライマリレバー接続要素17、25は、ハウジング16を画成する内側ハウジング側壁19に対して浮き彫りになっているスタッドである。
【0055】
実施形態において、各プライマリレバー接続要素17、25は、ハウジング16を画成するハウジング底部側壁59に対して浮き彫りになっているスタッドである。
【0056】
実施形態において、各スタッドは、ピボット軸Y-Yに平行な方向に沿ってプライマリレバーの弾性復帰要素4の動きを制限するように適合されている。
【0057】
実施形態において、各プライマリレバー接続要素結合部分26a、26bは、ピボット軸Y-Yに平行な方向に沿って弾性相対負荷要素6の動きを制限するように適合されたアンダーカット部分である。
【0058】
一実施形態において、前記レバーアセンブリ1は、マスタシリンダ本体21と回転可能に関連付けられたセカンダリ又はハブ3を具備し、該セカンダリレバー3は、セカンダリカウンタアバットメント部9を具備する。セカンダリレバー又はハブ3は、直接又は間接的に、前記フロート又はピストン22に接続可能及び/又は接続されている。
【0059】
実施形態において、セカンダリレバー3は、少なくとも1つのピボット軸Y-Y、又はそれに平行な軸を中心として、セカンダリレバー静止位置と、少なくとも1つのセカンダリレバー作動位置との間で回転可能であり、少なくとも1つのセカンダリレバー作動位置において、セカンダリレバー3は、少なくとも1つの作動位置に向かってフロート又はピストン22の前進をバイアスする。一実施形態では、セカンダリレバー3は、弾性復帰要素5によって静止位置に弾性的にバイアスされる。実施形態において、セカンダリレバー3は、プライマリレバー2が回転可能であるのと同じピボット軸Y-Yを中心に回転することができ、又は、少なくとも1つのピボット軸Y-Yに平行であるセカンダリピボット軸を中心に回転することができる。
【0060】
実施形態において、セカンダリレバー3は、プライマリレバー2の作動とは無関係に第1ブレーキ装置101と第2ブレーキ装置102とを複合的に作動させるために、第2ブレーキ装置又はリアブレーキ装置102に接続された複合作動レバー104を作動させることによって、セカンダリレバー3もセカンダリレバー静止位置から少なくとも1つのセカンダリレバー作動位置まで回転駆動可能であるように、複合作動レバー104によって作動可能な複合ブレーキ機構103に作動可能に接続されている。実施形態によれば、セカンダリレバー3は、例えば形状の金属シート64によって、複合ブレーキ機構103に作動可能に接続された複合ブレーキ接続部40を備える。実施形態では、所定形状の金属シート64は、セカンダリレバー3がプライマリレバー2によって回転駆動されるときに、複合ブレーキ接続部40の摺動ピン66が摺動可能に案内されるリニアガイド65を画定する。実施形態において、所定形状の金属シート64は、複合ブレーキ機構103の作動ケーブルに接続可能であり、作動ケーブルを作動させることにより、形状のある金属シート64は、作動ケーブルからの作動力を複合ブレーキ接続部40に伝達し、プライマリレバー2の作動とは無関係にセカンダリレバー3の回転を可能にする。
【0061】
実施形態において、セカンダリレバー3は、セカンダリレバー接続要素18から構成される。実施形態において、セカンダリレバー接続要素18は、弾性相対負荷要素の第2アームの遠位部分54を接続するように構成されたセカンダリレバー接続要素接続部27を備える。
【0062】
実施形態において、セカンダリレバー又はハブ3は、セカンダリブッシュ15から構成される。
【0063】
実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、実質的に円筒形のブッシュ本体と、ピボット軸Y-Yと同軸の貫通孔とからなる。実施形態において、セカンダリレバーブッシュ15は、それぞれの実質的に円筒形の本体と、ピボット軸Y-Yと同軸の貫通孔とからなる。実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、プライマリレバー本体11と一体に作られている。実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、プライマリレバー本体11上に円筒状のプライマリレバー結合面を画定する。実施形態において、セカンダリレバーブッシュ15は、セカンダリレバー本体12と一体に作られている。実施形態において、セカンダリレバーブッシュ15は、セカンダリレバー本体12上に円筒形のセカンダリレバー結合面を画定する。
【0064】
実施形態において、プライマリレバーブッシング14とセカンダリレバーブッシュ15は、ピボット軸Y-Yに対して同軸である。実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、プライマリレバーブッシング14とセカンダリレバーブッシュ15とが相互に結合されたときに、ピボット軸Y-Yを中心とするセカンダリレバー3に対するプライマリレバー2の回転を可能にするように、セカンダリレバーブッシュ15を収容するように、又はその逆に、セカンダリレバーブッシュ15がプライマリレバーブッシング14を収容するように構成される。
【0065】
一実施形態では、プライマリレバーブッシング14又はセカンダリレバーブッシュ15のいずれか一方は、回転ピン45を収容するように構成されている。
【0066】
実施形態において、レバー装置100は、回転ピン45によってマスタシリンダ本体とレバーアセンブリとの間の回転可能な接続を可能にするために、マスタシリンダ本体21に拘束されるか、又はマスタシリンダ本体と一体に作られた少なくとも1つの接続ブラケット46、47を備える。
【0067】
実施形態において、レバー装置100は、第1接続ブラケット46と第2接続ブラケット47とを備え、接続ブラケット46,47は、マスタシリンダ本体21に拘束されるか、マスタシリンダ本体と一体に作られる。実施形態では、接続ブラケット46,47は、ピボット回転軸線Y-Yと平行な方向に沿って間隔をあけて配置され、回転ピン45をマスタシリンダ本体21に固定するために、ピボット回転軸線Y-Yと同軸に接続ブラケット46,47に形成された適切なピアス座(貫通座)を有する。
【0068】
実施形態において、レバー装置100は、第1接続ブラケット46及び第2接続ブラケット47に固定されたレバーアセンブリ1を接続するための前記回転ピン45を備える。実施形態において、弾性相対負荷要素の第1アーム33及び弾性相対負荷要素の第2アーム34は、それぞれ、第1プライマリレバー接続部26a及びセカンダリレバー接続要素接続部27に接続され、ピボット軸線Y-Yに直交する方向に沿ってプライマリレバー2及びセカンダリレバー3をバイアスすることにより、ピボット軸線Y-Yに平行な方向に沿ってプライマリレバー2及びセカンダリレバー3の間の分離を防止する。
【0069】
一実施形態において、プライマリレバーは、プライマリレバースラスト部7から構成される。
【0070】
実施形態において、レバーアセンブリ1は、プライマリレバー2及び/又はセカンダリレバー3に接続される弾性相対荷重要素6を備える。弾性相対負荷要素6は、プライマリレバー2の第1プライマリレバー接続要素17とセカンダリレバー接続要素18との間に介在される。実施形態において、弾性相対負荷要素6は、セカンダリレバーカウンタアバットメント9のプライマリレバースラスト部7への接近、又はその逆の接近に対抗する弾性離間作用を加えるように構成されている。そのため、プライマリレバー2及びセカンダリレバー又はハブ3がそれぞれの静止位置にあるとき、弾性相対負荷要素6がセカンダリレバーカウンタアバットメント部9とプライマリレバースラスト部7との間の直接的又は間接的な摩擦接触を回避する。
一実施形態では、弾性相対負荷要素6は、プライマリレバースラスト部7に対するセカンダリレバーカウンタバットメント部9の接近、又はその逆の接近に対抗する弾性離間作用を加えるように構成されている。これにより、プライマリレバー2は、プライマリレバー静止位置と少なくとも一つのプライマリレバー作動位置との間で、弾性相対荷重要素6の弾性離間作用に打ち勝って、少なくとも一つの枢軸Y-Yを中心として回転可能で、少なくとも一つの枢軸Y-Yを中心として回転可能である。換言すれば、ユーザのバイアス下でプライマリレバー2をハンドルバーに近づけることによって、少なくともプライマリレバー作動位置においてプライマリレバースラスト部7をセカンダリレバーカウンタアバットメント部9に接触させることによって、プライマリレバー2の回転による弾性離間作用が完全に克服されるまで、弾性相対荷重要素6がセカンダリレバーカウンタアバットメント部9とプライマリレバースラスト部7との間の直接的又は間接的な接触を回避することを可能にする。
【0071】
一実施形態では、少なくとも1つのプライマリレバー作動位置において、プライマリレバースラスト部7は、セカンダリレバーカウンタバットメント部9と直接接触しており、セカンダリレバーカウンタバットメント部9とプライマリレバースラスト部7との間に、摩擦による摩耗を受ける非金属要素が介在することを回避している。
【0072】
いくつかの提案された解決策により、プライマリレバー及び/又はセカンダリレバーがブレーキシステムを作動させるためにユーザによって作動させられていないときに、プライマリレバーのスラスト部とセカンダリレバーのカウンタアバットメント部とを、弾性相対荷重要素から直接又は間接的に接触させることなく離間させておくことが可能である。従って、プライマリレバー及びセカンダリレバーに伝達される、例えばハンドルバーの車両の動きに起因する振動は、弾性相対負荷要素によって減衰され、プライマリレバーのスラスト部とセカンダリレバーのカウンタアバットメント部との間の擦れを回避することができ、その結果、2つの対向面及び/又は2つの対向面の一方に拘束されたゴム又は同様の部品の摩耗を加速させるだけでなく、耳障りな騒音を発生させる可能性がある。
【0073】
幾つかの提案された解決手段により、弾性相対荷重要素により発生される弾性離間作用に打ち勝つことにより、第1制動装置等の制動装置を作動させるためにプライマリレバーが使用者により作動される場合にのみ、プライマリレバースラスト部とセカンダリレバーカウンタアバットメント部との間の直接的又は間接的な接触を達成し、使用者によるプライマリレバーの解放条件下では、プライマリレバースラスト部とセカンダリレバーカウンタアバットメント部との間の直接的又は間接的な接触を回避することが可能である。
【0074】
いくつかの提案された解決策により、プライマリレバーがブレーキシステムを操作するために使用者によって作動されるときにのみ、プライマリレバースラスト部とセカンダリレバーカウンタアバットメント部との間の、金属表面と金属表面との直接的な接触を達成することが可能である。
【0075】
実施形態において、プライマリレバー接続要素17及びセカンダリレバー接続要素18は、それぞれ、プライマリレバースラスト部7及びセカンダリレバーカウンタバットメント部9とは異なる。
【0076】
実施形態において、プライマリレバー2及びセカンダリレバー又はハブ3がそれぞれの静止位置にあるとき、弾性相対負荷要素6は、プライマリレバースラスト部7とセカンダリレバーカウンタアバットメント部9との間の間隔クリアランスDを0.05mmと5mmとの間、好ましくは0.1mmと1mmとの間に保ちながら、第1プライマリレバー接続要素17及びセカンダリレバー接続要素18にバイアスをかける。
【0077】
実施形態において、前記レバー装置100は、ピストン又はフロート22とレバーアセンブリ1、特にセカンダリレバー3との間に介在され、レバーアセンブリ1とピストン又はフロート22との間でスラスト作用を伝達するように適合された少なくとも1つのスラスト伝達要素又は作動ピン29を備える。一実施形態では、前記スラスト伝達要素29は、シャフト10とプッシュロッド13とからなる。実施形態によれば、前記スラスト伝達要素29は、マスタシリンダ本体21のキャビティ23への不純物の侵入を防止するダストカフ28と関連している。
【0078】
実施形態において、回転ピン45は、プライマリレバーブッシング14及びセカンダリレバーブッシュ15がピンガイド部48の全長にわたって案内されるように、少なくとも第1接続ブラケット46と第2接続ブラケット47との間に肩部なしで延びる円筒部分であるピンガイド部48を含んでいる。
【0079】
一実施形態において、弾性相対負荷要素6は、前記回転ピン45によって、プライマリレバー2及びセカンダリレバー3のマスタシリンダ本体21との接続とは無関係に、プライマリレバー2及びセカンダリレバー又はハブ3を相互に接続するように構成されている。
【0080】
一実施形態では、プライマリレバー2はプライマリレバー停止壁42からなり、セカンダリレバー3はセカンダリレバー停止対向壁43からなる。
【0081】
実施形態において、プライマリレバー2とセカンダリレバー3とがマスタシリンダ本体21から切り離され、プライマリレバーブッシング14とセカンダリレバーブッシュ15とが相互に結合されているとき、弾性相対負荷要素6は、プライマリレバー2の第1プライマリレバー接続要素17とセカンダリレバー接続要素18との間に介在され、 セカンダリレバーカウンタアバットメント部9をプライマリレバースラスト部7から離れるように枢軸Y-Y回りに回転バイアスし、プライマリレバー停止壁42をセカンダリレバーカウンタアバットメント部43に対して枢軸Y-Y回りに回転バイアスすることによって、又はその逆によって プライマリレバー3とセカンダリレバー2の静止位置を規定し、マスタシリンダボディ21に接続されることなく予め組み立てられた状態で、プライマリレバー2とセカンダリレバー又はハブ3とを相互に接続し、プライマリレバー2とセカンダリレバー3が回転ピン45によってマスタシリンダ本体21と接続されていても、プライマリレバー停止壁42とセカンダリレバー停止対向壁43との間の摩擦によって、プライマリレバー2とセカンダリレバー3とがピボット軸Y-Yに平行な方向に沿って分離するのを回避する。
【0082】
実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、セカンダリレバーブッシュ15を収容する。実施形態において、プライマリレバーブッシング14は、セカンダリレバーブッシュ15の基部又は付け根の外側に画定された環状シート50に突き当たるように構成されたブッシュ端部49を備える。
【0083】
実施形態において、プライマリレバー本体11は、弾性相対負荷要素6を収容するように適合されたプライマリレバー凹状ハウジング又は座部16を画定する。
【0084】
実施形態において、第1弾性復帰要素の第1アーム30は、マスタシリンダ本体21の一部に対して突き当たるように構成されている。
【0085】
実施形態において、第1弾性復帰要素の第2アーム31は、プライマリレバー2の一部に対して、好ましくは内側ハウジング側壁19に対して突き当たるように構成されている。
【0086】
実施形態において、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32は、プライマリレバーブッシング14の外面に嵌め込まれ、セカンダリレバーブッシュ15の基部について延在する環状のセカンダリレバー壁52と、プライマリレバーブッシング14の基部について延在する環状のプライマリレバー壁51との間に当接する。
【0087】
実施形態において、弾性相対負荷要素6、第1弾性復帰要素の第2アーム31、及び少なくとも第1弾性復帰要素巻線32は、耐候性シェルを形成するハウジング16の内部に配置される。
【0088】
実施形態において、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32は、ピボットY-Yと同軸の複数の巻線からなる。実施形態において、複数の巻線は、レバーアセンブリ1とマスタシリンダ本体21との間のピボット軸Y-Yに平行な方向に沿ったクリアランスを修正するように、プライマリレバー2とセカンダリレバー3との間に軸方向の推力を提供するように構成される。
【0089】
実施形態において、弾性相対負荷要素6は、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とが弾性的に相互接近に対向するように曲げられた弾性要素本体、例えば金属線体又は金属板からなる。
【0090】
実施形態において、プライマリレバー2は、第2プライマリレバー接続要素25を備える。実施形態において、第2プライマリレバー接続要素25は、第2内壁部39上に作られる。実施形態において、第1プライマリレバー接続要素17は、第1内壁部36上に作られる。
【0091】
実施形態において、第1プライマリレバー接続要素17及び第2プライマリレバー接続要素25はそれぞれ、弾性相対負荷要素の第1アーム33及び弾性相対負荷要素の第2アームの近位部分53にそれぞれ接続されるように構成されたそれぞれのプライマリレバー接続要素接続部26a、26bからなり、セカンダリレバー又はハブ3の存在に関係なく、弾性相対負荷要素6をプライマリレバー2に接続する。
【0092】
一実施形態では、セカンダリ接続要素18は、弾性相対負荷要素の第2アームの遠位部分54を接続するように構成されたセカンダリ接続要素接続部27を含んでいる。
【0093】
実施形態において、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とが、レバーアセンブリ1のピボット軸線Y-Yに直交する方向に沿ってプライマリレバー2とセカンダリレバー3とをバイアスすることによってそれぞれの接続部26a、26b、27に接続されると、ピボット軸線Y-Yに平行な方向に沿ってプライマリレバー2とセカンダリレバー3との間の分離が、プライマリレバー2とセカンダリレバー3とを移動させることによって防止される。
【0094】
実施形態において、各プライマリレバー接続要素17、25は、内側ハウジング側壁19に対して浮き彫りになっているスタッドであり、各スタッドは、ピボット軸線Y-Yに平行な方向に沿って弾性相対負荷要素6の動きを制限するように適合されている。実施形態において、第1第1レバー接続要素17は、第1内壁部36に対してピボット軸線Y-Yに直交する方向に沿って浮き彫りになっている第1スタッド又は第1要素であり、弾性相対負荷要素の第1アーム33の少なくとも一部分を収容するように適合された溝を構成している。実施形態において、第2プライマリレバー接続要素25は、第2内壁部39に対してピボット軸線Y-Yに直交する方向に沿って浮き彫りにされた第2スタッド又は第2要素であり、この第2スタッド又は第2要素は、弾性相対負荷要素の第2アーム34の近位部分53を収容するように適合された溝を構成する。
【0095】
実施形態において、セカンダリレバー3は、セカンダリレバー本体12からなり、セカンダリレバー接続要素18は、主にピボット軸Y-Yに平行な方向に沿ってセカンダリレバー本体12から突出するタブである。
【0096】
実施形態において、セカンダリレバー接続要素18は、プライマリレバー2がセカンダリレバー3に接続されると、ハウジング16内に突出する。
【0097】
実施形態において、各プライマリレバー接続要素接続部27は、ピボット軸Y-Yに平行な方向に沿って弾性相対負荷要素6の動きを制限するように適合されたアンダーカット部分である。
【0098】
実施形態において、各プライマリレバー接続要素接続部26は、それぞれのプライマリレバー接続要素17、25に作られた溝からなり、溝は、ピボット軸Y-Yに直交する平面内にある。
【0099】
実施形態において、各セカンダリ接続要素接続部27は、それぞれのセカンダリ接続要素18に作られた溝からなる。実施形態において、溝は、ピボット軸Y-Yに対して横方向の平面内にある。
【0100】
実施形態において、弾性相対負荷要素6は、ねじり弾性要素である。
【0101】
実施形態では、弾性相対負荷要素6はワイヤスプリングである。
【0102】
実施形態において、弾性相対負荷要素6は、ピボット軸Y-Yに平行な方向について巻かれた少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35を備え、弾性相対負荷要素の第1アーム33及び弾性相対負荷要素の第2アーム34は、少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35から延びて、プライマリレバー2及びセカンダリレバー3を弾性的にバイアスする。
【0103】
実施形態では、プライマリレバーの弾性復帰要素4はワイヤスプリングである。
【0104】
一実施形態では、プライマリレバーの弾性復帰要素4と弾性相対負荷要素6は一体化されており、好ましくはワイヤから作られている。
【0105】
実施形態において、プライマリレバー2は、複数のプライマリレバー作動位置において、マスタシリンダ本体21に対してプライマリレバー2をハンドルバーに向かって回転させるために、ユーザによって把持されるように構成されたプライマリレバーの把持可能部分38を備える。
【0106】
一実施形態において、プライマリレバー2は、プライマリレバーの静止位置を規定するマスタシリンダボディ21の第1マスタシリンダボディアバットメント部分41に突き当たり、ハンドルバーからマスタシリンダボディ21に向かって離れるプライマリレバー2の回転を防止するように構成されたプライマリレバー回転防止部分8を備える。
【0107】
実施形態において、セカンダリレバー3は、セカンダリレバー3を複合ブレーキ機構103に作動的に接続するように構成された複合ブレーキ接続部40を含んでいる。
【0108】
実施形態において、セカンダリレバー3は、セカンダリレバーの静止位置を規定するマスタシリンダボディ21の第2マスタシリンダボディアバットメント部37に突き当たり、ハンドルバーからマスタシリンダボディ21に向かって離れるセカンダリレバー3の回転を防止するように構成されたセカンダリレバー回転防止部44を備える。実施形態では、マスタシリンダ本体の第2アバットメント部分37とマスタシリンダ本体の第1アバットメント部分41は、同じマスタシリンダ本体表面に属する。
【0109】
実施形態において、少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35は、ハウジング16の内部に収容される。
【0110】
実施形態において、弾性相対負荷要素の第1アーム33は、第1プライマリレバー接続要素17に結合される。弾性相対負荷要素の第2アーム34は、その一部53を少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35に接近させて、第2プライマリレバー接続要素25に結合される。これにより、弾性相対負荷要素6が、第1プライマリレバー接続要素17及び第2プライマリレバー接続要素25に結合されたプライマリレバー2のハウジング16に挿入されたとき、弾性相対荷重要素の第1アーム33が第1プライマリレバー接続要素17に対して弾性的に付勢し、弾性相対荷重要素の第2アーム34がプライマリレバーの第2接続要素25に対して弾性的に付勢して、弾性相対荷重要素6は、セカンダリレバー3の存在にかかわらず、及び/又はレバーアセンブリ1とマスタシリンダ本体21との接続にかかわらず、ハウジング16からの重力落下の可能性を回避してプライマリレバー2に接続される。
【0111】
本発明は又はンドル式車両の第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置101を油圧で作動させるように構成されたレバー装置100に関する。
【0112】
レバー装置は、先に説明した実施形態のいずれか1つによるレバーアセンブリ1を備える。
【0113】
レバー装置100は、マスタシリンダ本体21をハンドル車両のハンドルバーに拘束する接続手段20を備えるマスタシリンダ本体21を備え、前記マスタシリンダ本体21は、空洞又はシリンダ23を画定するシリンダ壁55を備える。レバー装置100は、スラスト方向X-Xに沿ってキャビティ又はシリンダ23内を摺動するように適合されるように、マスタシリンダ本体21と作動的に関連付けられる少なくとも1つのフロート又はピストン22を備える。前記フロート又はピストン22は、マスタシリンダ本体21のシリンダ壁55と画定するピストン底部56と、第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置101の作動流体を収容するように構成された少なくとも1つの圧力室57を備える。シリンダ壁55の少なくとも1つは、圧力室57を少なくとも1つの関連流体タンク24と流体連通させるように構成された少なくとも1つの供給チャンネル58を画定するように構成されている。ピストン底部56は、前記圧力室57の容積が最大となる少なくとも1つのストローク終了位置と、前記圧力室57内の作動流体を加圧する前記供給チャンネル58から前記圧力室57を流体的に隔離する少なくとも第1作動位置との間で、前記シリンダ壁55に対して移動可能である。レバー装置100は、前記キャビティ又はシリンダ内に配置され、前記ピストン底部56とシリンダ壁55によって画定されたシリンダ座部との間に介在され、ピストン又はフロート22をストローク終了位置に向けて常に弾性的にバイアスする弾性復帰要素5を備える。レバーアセンブリ1は、少なくとも1つのピボット軸Y-Yを中心に回転するように、マスタシリンダ本体21と回転可能に接続されている。レバーアセンブリ1は、前記フロート又はピストン22に直接的又は間接的に接続されている。
【0114】
本発明はまた、先に説明した実施形態のいずれか1つによるレバー装置100を含んで構成され、ハンドル車両のハンドルバーに接続されているか、又は接続可能である、ハンドル車両のためのブレーキシステムに関する。
【0115】
一実施形態では、ブレーキシステムは、レバー装置100に作動可能に接続されたフロントブレーキ装置101、好ましくはディスクブレーキから構成される。
【0116】
実施形態において、制動システムは、組み合わされた作用レバー104と、組み合わされた作用レバー104によって作動可能な組み合わされた制動機構103とを含む組み合わされた作用レバー装置から構成される。
【0117】
実施形態において、制動システムは、好ましくはドラムブレーキである後方制動装置102を具備し、組合せ制動機構は、後方制動装置102に作動的に接続されるとともに、レバー装置100によって第1制動装置101にも作動的に接続され、これにより、組合せ作用レバー装置の作動は、プライマリレバー2の作動とは無関係に、組合せ態様で第1制動装置101及び第2制動装置102を作動させる。
【0118】
本発明はまた、レバー装置100のレバーアセンブリ1用のばねアセンブリに関する。実施形態によれば、レバー装置100は、先に説明した実施形態のうちの1つ以上によるものである。レバー装置100は、ハンドル車両の第1ブレーキ装置又はフロントブレーキ装置101を油圧で作動させるように構成されており、前記レバーアセンブリ1は、ピボット軸Y-Yを中心に回転するようにマスタシリンダ本体21に回転可能に関連付けられたプライマリレバー2及びセカンダリレバー3を備え、プライマリレバーは、プライマリレバースラスト部7を備え、セカンダリレバー又はハブ3は、マスタシリンダ本体21に関連付けられたフロート又はピストン22に直接的又は間接的に接続可能であり、セカンダリレバー3は、セカンダリレバーカウンタバットメント部9を備える。
【0119】
前記スプリングアセンブリは、マスタシリンダ本体21とプライマリレバーとの間に介在するように適合され、プライマリレバー2をプライマリレバーの静止位置に弾性的にバイアスするように構成されたプライマリレバーの弾性復帰要素4からなる。プライマリレバーの前記弾性復帰要素4は、第1弾性復帰要素の第1アーム30と、第1弾性復帰要素の第2アーム31とから構成され、第1弾性復帰要素の第1アーム30は、マスタシリンダ21の一部に突き当たるように構成され、第1弾性復帰要素の第2アーム31は、プライマリレバー2の一部に突き当たるように構成されている。
【0120】
前記ばねアセンブリは、プライマリレバー2の第1プライマリレバー接続要素17とセカンダリレバー接続要素18との間に介在するように適合された弾性相対負荷要素6を含んでおり、弾性相対負荷要素6は、セカンダリレバーのカウンタバットメント部9のプライマリレバースラスト部7への接近又はその逆への接近に対抗する弾性離間作用を加えるように構成されている。
【0121】
弾性相対負荷要素6は、第1プライマリレバー接続要素17に接続されるように適合された弾性相対負荷要素の第1アーム33と、セカンダリレバー接続要素18に接続されるように適合された弾性相対負荷要素の第2アーム34とを備える。
【0122】
有利には、弾性相対負荷要素の第1アーム33は、第1弾性復帰要素の第2アーム31に接続されている。
【0123】
実施形態において、弾性相対負荷要素の第1アーム33は、第1弾性復帰要素の第2アーム31と、好ましくは一体的に一体化されている。
【0124】
実施形態において、プライマリレバーの弾性相対負荷要素6と弾性復帰要素4は、好ましくは同じ金属ワイヤを曲げることによって作られた一体型である。
【0125】
実施形態において、弾性相対負荷要素6は、プライマリレバー2の第1プライマリレバー接続要素17とセカンダリレバー接続要素18との間に介在するように構成され、プライマリレバー2とセカンダリレバー又はハブ3とがそれぞれの静止位置にあるとき、弾性相対負荷要素6は、セカンダリレバーカウンタアバットメント部9とプライマリレバースラスト部7との間の摩擦による直接的又は間接的な接触を回避する。そして、プライマリレバー2が、プライマリレバー静止位置と少なくとも1つのプライマリレバー作動位置との間で少なくとも1つのピボット軸Y-Yを中心に回転可能であるように、セカンダリレバーカウンタアバットメント部9とプライマリレバースラスト部7との間の直接的又は間接的な接触を回避する。
【0126】
一実施形態において、プライマリレバーの弾性復帰要素4は、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32からなるねじりばねであり、第1弾性復帰要素の第1アーム30及び第1弾性復帰要素の第2アーム31は、前記第1弾性復帰要素巻線32から延びる。
【0127】
一実施形態では、弾性相対負荷要素6は、ピボット軸Y-Yに平行な方向について巻かれた少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35からなり、弾性相対負荷要素の第1アーム33と弾性相対負荷要素の第2アーム34とが、少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35から延びて、プライマリレバー2とセカンダリレバー3とを弾性的にバイアスする。
【0128】
一実施形態では、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32は、ピボットY-Yと同軸の複数の巻線からなり、複数の巻線は、レバーアセンブリ1とマスタシリンダ本体21との間のピボット軸Y-Yに平行な方向に沿ったクリアランスを修正するように、プライマリレバー2とセカンダリレバー3との間に軸方向の推力を与えるように構成されている。
【0129】
一実施形態では、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32及び少なくとも1つの弾性相対負荷要素巻線35は、互いに平行で且つピボット軸Y-Yの方向に平行な軸を中心として螺旋状に延びている。
【0130】
実施形態では、第1弾性復帰要素の第1アーム30は、少なくとも第1弾性復帰要素巻線32から、ピボット軸Y-Yの方向に垂直な第1平面における第1折り目60と、第1平面に垂直な第2平面における第2折り目61と、好ましくは半円周を形成し、第2折り目61とは反対側に凹み、スラスト方向X-Xに面する湾曲部62と、湾曲部62に対して反対側に曲げられた第1アームアバットメント部63とを備えて延びている。一実施形態では、第1弾性復帰要素の第1アーム30は、ばねアセンブリがレバー装置100に組み立てられたときに、スラスト方向X-Xに実質的に直交し、かつピボット軸Y-Yの方向と一致する方向又はピボット軸Y-Yの方向と平行な方向に実質的に平行に配置されるように適合された、U字状に曲げられた部分又は湾曲部分62を形成する。
【符号の説明】
【0131】
1 レバーアセンブリ
2 プライマリレバー
3 セカンダリレバー又はハブ
4 プライマリレバーの第1弾性復帰要素
5 セカンダリレバーの第2弾性復帰要素
6 弾性相対荷重要素
7 プライマリレバースラスト部
8 プライマリレバー回転防止部
9 セカンダリレバーカウンタバットメント部
10 シャフト
11 プライマリレバー本体
12 セカンダリレバー本体
13 プッシュロッド
14 プライマリレバーブッシング
15 セカンダリレバーブッシング
16 プライマリレバー
17 プライマリレバー接続要素
18 セカンダリレバー接続要素
19 インナーハウジング側壁
20 ボディ又はブラケット接続手段
21 マスタシリンダ本体
22 ピストン又はフロート
23 キャビティ又はシリンダ
24 液体タンク
25プライマリレバーの第2接続要素
26a プライマリレバーの第1接続要素接続部
26b プライマリレバーの第2接続要素接続部
27 セカンダリ接続要素接続部
28 ダストカフ
29 スラスト伝達要素又は作動ピン
30 第1弾性復帰要素の第1アーム
31 第1弾性復帰要素の第2アーム
32 第1弾性復帰要素巻線
33 弾性相対負荷要素の第1アーム
34 弾性相対負荷要素の第2アーム
35 弾性相対負荷要素巻線
36 第1内壁部
37 マスタシリンダ本体の第2アバットメント部
38 プライマリレバーの把持可能部分
39 第2内壁部
40 複合ブレーキ接続部
41 第1マスタシリンダボディアバットメント部
42 プライマリレバーストップ壁部
43 セカンダリレバーストップ反壁部
44 セカンダリレバー回り止め部
45 回転ピン
46 第1接続ブラケット
47 第2接続ブラケット
48 ピンガイド部
49 ブッシュエンド
50 環状シート
51 環状プライマリレバーウォール
52 環状の第2レバー壁
53 弾性相対荷重要素の第2アームの近位部分
54 弾性相対荷重要素の第2アームの遠位部分
55 シリンダ壁
56 ピストン底部
57 圧力室
58 供給路
59 ハウジング底壁
60 第1折り
61 第2折り目
62 カーブ部分又はU字型曲げ部分
63 アバットメント端部
64成形金属シート
65 リニアガイド
66スライディングピン
100レバー装置
101 第1制動装置又は前部制動装置
102 第2ブレーキ装置又はリアブレーキ装置
103 複合ブレーキ機構
104 複合アクションレバー
Y-Yピボット軸
X-Xスラスト方向
【外国語明細書】