特開 2024-159666 バックレスト板調節構造及びベビーカー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024159666

(43)【公開日】2024-11-08

(54)【発明の名称】バックレスト板調節構造及びベビーカー

(51)【国際特許分類】

   B62B 9/12 20060101AFI20241031BHJP

【ＦＩ】

B62B9/12 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】12

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2024071919

(22)【出願日】2024-04-25

(31)【優先権主張番号】202310464499.0

(32)【優先日】2023-04-26

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(71)【出願人】

【識別番号】520093322

【氏名又は名称】東莞康貝童車玩具有限公司

【氏名又は名称原語表記】ＤＯＮＧＧＵＡＮ ＣＯＭＢＩ ＳＴＲＯＬＬＥＲ ＆ ＴＯＹ ＣＯ．， ＬＴＤ．

(74)【代理人】

【識別番号】100120031

【弁理士】

【氏名又は名称】宮嶋 学

(74)【代理人】

【識別番号】100127465

【弁理士】

【氏名又は名称】堀田 幸裕

(72)【発明者】

【氏名】チェン、シュイワン

(72)【発明者】

【氏名】チアン、チーシオン

(72)【発明者】

【氏名】オウヤン、チーヨン

【テーマコード（参考）】

3D051

【Ｆターム（参考）】

3D051BB03

3D051BB18

3D051CA12

3D051DD04

(57)【要約】      （修正有）

【課題】調整が容易なバックレスト板調節構造及びベビーカーを提供する。
【解決手段】バックレスト板６の傾斜角度を上向きに調整するときは、片手で第１調節ベルト８の第１移動部分及び第２調節ベルト９の第２移動部分を同時に把持して引き上げるだけで、第１調節ベルトと第２調節ベルトの固定点からアジャスターベース７までの距離が減少し、バックレスト板がシートレバー５を中心に上向きに回転する。バックレスト板の傾斜角度を下向きに調整するときは、片手で調節スイッチ１０をオンにし、地面方向へ押し付けるだけで、調節スイッチにより第１調節ベルト及び第２調節ベルトが同時にロック解除され、第１移動部分及び第２移動部分が下向きに移動し、これによって、第１調節ベルトと第２調節ベルトの固定点からアジャスターベースまでの距離が増大し、バックレスト板がシートレバーを中心に下向きに回転する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

対向配置される第１支持レバーと第２支持レバーと、
前記第１支持レバーの上端に設けられる第１ハンドルと、
前記第２支持レバーの上端に設けられる第２ハンドルと、
一端が前記第１支持レバーに接続され、他端が前記第２支持レバーに接続されるシートレバーと、
前記シートレバーに回転可能に接続されるバックレスト板と、
前記バックレスト板の背面に設けられ、内部にはロック・ロック解除チャンネルが設けられるアジャスターベースと、
前記第１ハンドルに接続される第１固定部分と、前記ロック・ロック解除チャンネルを貫通して露出する第１移動部分とを含む第１調節ベルトと、
前記第２ハンドルに接続される第２固定部分と、前記ロック・ロック解除チャンネルを貫通して露出する第２移動部分とを含む第２調節ベルトと、
前記ロック・ロック解除チャンネルの一側に設けられる調節スイッチと、を含み、
前記調節スイッチを操作することにより、前記調節スイッチと前記第１調節ベルト及び前記第２調節ベルトとを互いにロックまたはロック解除することを特徴とする、バックレスト板調節構造。

【請求項2】

前記第１移動部分と前記第２移動部分が同期して動くように、前記第１移動部分と前記第２移動部分が固定的に接続されることを特徴とする、請求項１に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項3】

前記調節スイッチは、前記アジャスターベースに回転可能に設けられる調節レバーを含み、
前記調節レバーは、前記調節レバーの前記ロック・ロック解除チャンネルに近い側に設けられる第１係合歯を含むことを特徴とする、請求項１に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項4】

前記調節スイッチは、前記調節レバーと前記アジャスターベースの接続箇所に設けられる弾性部材を更に含むことを特徴とする、請求項３に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項5】

前記アジャスターベースは、前記ロック・ロック解除チャンネルに面し前記第１係合歯に対向配置される第２係合歯を含むことを特徴とする、請求項４に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項6】

前記第１係合歯と前記第２係合歯との間の隙間は、前記第１調節ベルトと前記第２調節ベルトの合計の厚さよりも小さいことを特徴とする、請求項５に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項7】

前記弾性部材は、ねじりばね、引張ばね、圧縮ばね、弾性プラスチックのいずれかであることを特徴とする、請求項４に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項8】

前記バックレスト板と前記シートレバーを接続する一対のバックレストジョイントを更に含むことを特徴とする、請求項１に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項9】

前記アジャスターベースは、対向配置される第１ガイド部と第２ガイド部を有し、
前記第１ガイド部は第１方向に対して傾斜しており、前記第２ガイド部は第２方向に対して傾斜しており、第１方向と第２方向とは逆方向であり、
前記第１移動部分は、前記第１ガイド部によってガイドされて前記ロック・ロック解除チャンネルに入って通過し、
前記第２移動部分は、前記第２ガイド部によってガイドされて前記ロック・ロック解除チャンネルに入って通過することを特徴とする、請求項１に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項10】

前記第１ガイド部と前記第２ガイド部が同一平面上に位置しないことを特徴とする、請求項９に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項11】

前記第１ガイド部の前記第１方向に対する傾斜角度は４５度であり、
および／または、前記第２ガイド部の前記第２方向に対する傾斜角度は４５度であることを特徴とする、請求項９に記載のバックレスト板調節構造。

【請求項12】

請求項１～１１のいずれか１項に記載のバックレスト板調節構造を含むことを特徴とする、ベビーカー。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、手押し車の技術領域に関し、特にバックレスト板調節構造及びベビーカーに関する。

【背景技術】

【0002】

従来技術のベビーカーでは、バックレスト板を調整するときに、図６に示すように、ベビーカーのバックレスト板の角度を調整するには、使用者が必ず両手で２本の紐を同時に引っ張る必要があり、ベビーカーの進行中でベビーカーを押しながらバックレスト板の角度を調整することができないため、使用時に非常に不便である。

【0003】

そこで、従来技術の不具合に鑑みて改良されたバックレスト板調節構造及びベビーカーを提供することは、当該技術分野の技術的課題となっている。

【発明の概要】

【0004】

本発明は、従来技術におけるバックレスト板の調節に不便である欠陥を解決するために、バックレスト板調節構造及びベビーカーを提供する。

【0005】

本発明は、以下の技術手段を通じて上記技術的課題を解決する。

【0006】

対向配置される第１支持レバーと第２支持レバーと、
前記第１支持レバーの上端に設けられる第１ハンドルと、
前記第２支持レバーの上端に設けられる第２ハンドルと、
一端が前記第１支持レバーに接続され、他端が前記第２支持レバーに接続されるシートレバーと、
前記シートレバーに回転可能に接続されるバックレスト板と、
前記バックレスト板の背面に設けられ、内部にはロック・ロック解除チャンネルが設けられるアジャスターベースと、
前記第１ハンドルに接続される第１固定部分と、前記ロック・ロック解除チャンネルを貫通して露出する第１移動部分とを含む第１調節ベルトと、
前記第２ハンドルに接続される第２固定部分と、前記ロック・ロック解除チャンネルを貫通して露出する第２移動部分とを含む第２調節ベルトと、
前記ロック・ロック解除チャンネルの一側に設けられる調節スイッチと、を含み、
前記調節スイッチを操作することにより、前記調節スイッチと前記第１調節ベルト及び前記第２調節ベルトとを互いにロックまたはロック解除するバックレスト板調節構造。

【0007】

好ましくは、前記第１移動部分と前記第２移動部分が同期して動くように、前記第１移動部分と前記第２移動部分が固定的に接続される。

【0008】

好ましくは、前記調節スイッチは、前記アジャスターベースに回転可能に設けられる調節レバーを含み、
前記調節レバーは、前記調節レバーの前記ロック・ロック解除チャンネルに近い側に設けられる第１係合歯を含む。

【0009】

好ましくは、前記調節スイッチは、前記調節レバーと前記アジャスターベースの接続箇所に設けられる弾性部材を更に含む。

【0010】

好ましくは、前記アジャスターベースは、前記ロック・ロック解除チャンネルに面し前記第１係合歯に対向配置される第２係合歯を含む。

【0011】

好ましくは、前記第１係合歯と前記第２係合歯との間の隙間は、前記第１調節ベルトと前記第２調節ベルトの合計の厚さよりも小さい。

【0012】

好ましくは、前記弾性部材は、ねじりばね、引張ばね、圧縮ばね、弾性プラスチックのいずれかである。

【0013】

好ましくは、前記バックレスト板と前記シートレバーを接続する一対のバックレストジョイントを更に含む。

【0014】

好ましくは、前記アジャスターベースは、対向配置される第１ガイド部と第２ガイド部を有し、
前記第１ガイド部は第１方向に対して傾斜しており、前記第２ガイド部は第２方向に対して傾斜しており、第１方向と第２方向とは逆方向であり、
前記第１移動部分は、前記第１ガイド部によってガイドされて前記ロック・ロック解除チャンネルに入って通過し、
前記第２移動部分は、前記第２ガイド部によってガイドされて前記ロック・ロック解除チャンネルに入って通過する。

【0015】

好ましくは、前記第１ガイド部と前記第２ガイド部が同一平面上に位置しない。

【0016】

好ましくは、前記第１ガイド部の前記第１方向に対する傾斜角度は４５度であり、および／または、前記第２ガイド部の前記第２方向に対する傾斜角度は４５度である。

【0017】

前記バックレスト板調節構造を含むベビーカー。

【0018】

当該分野における技術常識に基づいて、上記の好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい例を得ることができる。

【0019】

本発明の積極的な効果は以下である。
本発明のバックレスト板調節構造は、バックレスト板の傾斜角度を調整する必要があるときに、まず、調節スイッチをオンにすることにより、調節スイッチは第１調節ベルト及び第２調節ベルトを同時にロック解除し、そして、使用者は、片手で第１移動部分と第２移動部分を同時に把持して引き上げることで第１調節ベルトと第２調節ベルトの固定点からアジャスターベースまでの距離が減少し、バックレスト板がシートレバーを中心に上向きに回転する。第１移動部分及び第２移動部分が下に移動することもでき、この場合、第１調節ベルトと第２調節ベルトの固定点からアジャスターベースまでの距離が増大し、バックレスト板がシートレバーを中心に下向きに回転する。また、バックレスト板がシートレバー、第１ハンドル、第２ハンドルに組み立てることにより、使用時にバックレスト板は左右に振れることがない。

【図面の簡単な説明】

【0020】

【図1】本発明の好ましい実施例に係るバックレスト板調節の構造を示す概略図である。

【図2】本発明の好ましい実施例に係る調節スイッチがロックされた場合の状態を示す概略図である。

【図3】本発明の好ましい実施例に係る調節スイッチがロックされていない場合の状態を示す概略図である。

【図4】本発明の好ましい実施例に係るバックレスト板調節構造の局所構造を示す概略図である。

【図5】本発明の好ましい実施例に係るアジャスターベースの構造を示す概略図である。

【図6】従来技術のベビーカーのバックレスト板を調節する方法の概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0021】

以下は本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。下記実施形態は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全部ではない。少なくとも１つの例示的な実施例に関する以下の説明は、単に例示的なものに過ぎず、本発明及びその応用、用途を限定するものではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲内に含まれる。

【0022】

説明を容易にするために、ここでは空間相対的な用語が用いられる場合がある。例えば、「上に」、「上方に」、「上面に」、「上面の」等は、図に示される１つのデバイスまたは特徴と他のデバイスまたは特徴の空間的な位置関係を表すための用語である。なお、空間的相対的な用語は、図に示された方向に加えて、デバイスの使用中または動作中における異なる方向を表すときも用いられる。例えば、図面中のデバイスを上下逆にすると、「他のデバイスまたは構造の上方に」または「他のデバイスまたは構造の上に」として説明されたデバイスが「他のデバイスまたは構造の下方に」または「他のデバイスまたは構造の下に」と定義される。従って、例示的な用語「上に」には「上に」と「下に」とを含む。デバイスの方向を他の方法によって（例えば、９０度回転または他の方向）定義してもよく、本明細書で使用される空間的相対的な記載を解釈する。

【0023】

図１～図５に示すように、本実施例は、バックレスト板調節構造及びこのバックレスト板調節構造を用いたベビーカーを開示する。バックレスト板調節構造は、第１支持レバー１と、第２支持レバー２と、第１ハンドル３と、第２ハンドル４と、シートレバー５と、バックレスト板６と、アジャスターベース７と、第１調節ベルト８と、第２調節ベルト９と、調節スイッチ１０とを含む。

【0024】

図１に示すように、具体的には、第１支持レバー１及び第２支持レバー２は、いずれもベビーカーの後脚組上に対向して配置される（図１に示すように、第１支持レバー１と第２支持レバー２が左右対称である）とともにハンドル組（第１ハンドル３と第２ハンドル４を含む）に接続される１対の支持レバーである。第１ハンドル３は、第１支持レバー１の上端に設けられ、第２ハンドル４は、第２支持レバー２の上端に設けられかつ第１ハンドル３に対称に設けられる（図１に示すように、第１ハンドル３と第２ハンドル４が左右対称である）。シートレバー５の一端（図１に示される左端）は、第１支持レバー１に固定的に接続される。シートレバー５の他端（図１に示される右端）は、第２支持レバー２に固定的に接続される。バックレスト板６は、左右対称な１対のバックレストジョイント１３を介してシートレバー５にヒンジ接続される。これによって、バックレスト板６は、シートレバー５を中心に回転して傾斜角度を変更することができる。バックレストジョイント１３を設けることにより、バックレスト板６の取付が容易になり、バックレスト板６の安定性が保証される。

【0025】

図１に示すように、アジャスターベース７は、バックレスト板６の背面、即ち、バックレスト板６の座席中の乗客（乳幼児）に接触しない面に設けられる。図２に示すように、アジャスターベース７の内部には、ロック・ロック解除チャンネル１２が開設される。第１調節ベルト８は右方向に湾曲し、第２調節ベルト９は左方向に湾曲し、両者は同時にロック・ロック解除チャンネル１２を貫通する。

【0026】

図２及び図３に示すように、第１調節ベルト８は、第１ハンドル３に接続される第１固定段と、ロック・ロック解除チャンネル１２を貫通して露出する第１移動部分とを含む。同様に、第２調節ベルト９は、第２ハンドル４に接続される第２固定段と、ロック・ロック解除チャンネル１２を貫通して露出する第２移動部分とを含む。

【0027】

図２及び図３に示すように、調節スイッチ１０は、ロック・ロック解除チャンネル１２の一側に設けられる。調節スイッチ１０を操作することで、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９を前後に重ねる。そのため、調節スイッチ１０は、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９に対応する任意の位置で両者を同時にロックすることができる。同様に、両者をロック位置で解放することもでき、これによって、ロック解除が実現され、バックレスト板の傾斜角度に対する無段階調整が実現される。

【0028】

本実施例に係るバックレスト板調節構造について、バックレスト板６の傾斜角度を調整する必要があるときに、まず、調節スイッチ１０をオンにして、調節スイッチ１０により第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９のロックが同時に解除され、そして、使用者が片手で第１移動部分と第２移動部分を同時に把持して引き上げることで、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の固定点からアジャスターベース７までの距離が減少し、バックレスト板６がシートレバー５を中心に上向きに回転する。第１移動部分及び第２移動部分は下方に移動することもでき、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の固定点からアジャスターベース７までの距離が増大し、バックレスト板６がシートレバー５を中心に下向きに回転する。

【0029】

さらに、本実施例に係る第１移動部分と第２移動部分が固定されることで、第１移動部分と第２移動部分が同期して動くことができる。これによって、使用者の使用がより便利になり、第１移動部分及び第２移動部分のいずれか一方を把持するだけで、バックレスト板６の角度を調整することができる。

【0030】

図２及び図３に示すように、本実施例に係る調節スイッチ１０は、調節レバー1０１を含む。調節レバー１０１は、リベットを介してアジャスターベース７にヒンジ接続される。調節レバー１０１は、第１係合歯１０１１を有する。第１係合歯１０１１は、調節レバー１０１のロック・ロック解除チャンネル１２に近い側に設けられる。調節レバー１０１が動作することによって、第１係合歯１０１１は、後述する第２係合歯１１と対面する位置（図３）と、第２係合歯１１以外の方向を向く位置とを、移動可能である。上記近い側は、調節レバー１０１の両端側におけるロック・ロック解除チャンネル１２に近接する端側である。

【0031】

本実施例において、ロック・ロック解除チャンネル１２に接近する方向へ調節レバー１０１を引くことにより、第１係合歯１０１１は、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９を係止することができる。構造が簡単で、信頼性が高く、操作に便利である。

【0032】

さらに、図４及び図５に示すように、アジャスターベース７は、対向配置される第１ガイド部７１と第２ガイド部７２とを有する。第１ガイド部７１は、第１方向（Ｘ方向）に対して傾斜し、第２ガイド部７２は、第２方向（Ｙ方向）に対して傾斜し、第１方向と第２方向とは逆方向である。第１移動部分は、第１ガイド部７１によってガイドされてロック・ロック解除チャンネル１２に入って通過し、第２移動部分は、第２ガイド部７２によってガイドされてロック・ロック解除チャンネル１２に入って通過する。

【0033】

本実施例において、上記の構造を有する第１ガイド部７１及び第２ガイド部７２を設けることにより、第１移動部分及び第２移動部分の移動方向を上下方向にスムーズかつ効率的に変換することができる。さらに、調節ベルトを引っ張ることがやすくなり、力を節約し、引っかかって止まることを防止することができる。

【0034】

より具体的には、第１ガイド部７１と第２ガイド部７２は同一平面に位置しない。図５に示すように、第１ガイド部７１と第２ガイド部７２は、前後の位置がずらしており、第１調節ベルトと第２調節ベルトも同一平面に位置しないため、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の相互干渉が回避され、ロック・ロック解除チャンネル１２の体積が減少し、アジャスターベース７の体積及び材料の用量が減少し、コストが低減する。図４に示された例において、第２ガイド部７２は、バックレスト板６と第１ガイド部７１との間に位置している。

【0035】

第１ガイド部７１の第１方向に対する傾斜角度は４５度であり、第２ガイド部７２の第２方向に対する傾斜角度は４５度である。本実施例において、第１ガイド部及び第２ガイド部の傾斜角度を４５度に設定することにより、調節ベルトを容易に引くことができる。当業者に理解できるように、他の代替的な実施例において、第１ガイド部及び第２ガイド部の傾斜角度は４４度、４３度、４６度、４７度などであってもよく、必要に応じて１－８９度の範囲内で適宜選択することができる。第１ガイド部７１は、鉛直方向に対して４５度の角度（傾斜角度）をなすように、鉛直方向から第１方向Ｘに傾斜している。第２ガイド部７２は、鉛直方向に対して４５度の角度（傾斜角度）をなすように、鉛直方向から第２方向Ｙに傾斜している。

【0036】

さらに、図２及び図３に示すように、本実施例の調節スイッチ１０は、弾性部材１０２を更に含む。弾性部材１０２は、調節レバー１０１とアジャスターベース７の接続箇所に設けられる。これによって、第１係合歯１０１１はアジャスターベース７に接近することが保持される。具体的には、本実施例において、弾性部材１０２は、ねじりばね、引張ばね、圧縮ばね、弾性プラスチックのいずれかである。

【0037】

アジャスターベースは、第２係合歯１１を有する。第２係合歯１１は、ロック・ロック解除チャンネル１２に面して第１係合歯１０１１に対向配置される。第２係合歯１１と第１係合歯１０１１との係合により、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９をより安定的で確実に係止することができる。

【0038】

第１係合歯１０１１と第２係合歯１１との間の隙間は、前記第１調節ベルト８と前記第２調節ベルト９の合計厚さよりも小さい。

【0039】

本実施例において、弾性部材１０２の弾性作用下で、調節レバー１０１はアジャスターベース７に接近した状態に保持され、第１係合歯１０１１と第２係合歯１１の隙間は第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の合計厚さよりも小さい。そのため、バックレスト板６の角度を調整する必要がない場合（即ち、調節レバー１０１が引かれていない場合；図２）、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９は、圧力及び摩擦力の作用下で下に摺動することができず、ロック状態にある。

【0040】

図３に示すように、バックレスト板６の水平面に対する傾斜角度を大きくする必要があるときに、第１移動部分と第２移動部分を同時に引き上げるだけで、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９は調節レバー１０１を押しのけ、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９は上向きに移動することができ、バックレスト板６は上向きに回転することができる。

【0041】

バックレスト板６の水平面に対する傾斜角度を小さくする必要があるときに、調節レバー１０１を引き下げるだけで、第１係合歯１０１１と第２係合歯１１の間の隙間が第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の合計厚さよりも大きくなり、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９は下に移動することができ、バックレスト板６は下向きに回転することができる。

【0042】

本実施例において、バックレスト板６の傾斜角度を上向きに調整する必要があるときに、使用者は、片手で第１調節ベルト８の第１移動部分及び第２調節ベルト９の第２移動部分を同時に把持して引き上げるだけで、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の固定点からアジャスターベース７までの距離が減少し、バックレスト板６がシートレバー５を中心に上向きに回転する。バックレスト板６の傾斜角度を下向きに調整する必要があるときに、使用者は、片手で調節スイッチ１０をオンにし、地面方向へ押し付けるだけで、調節スイッチ１０は、第１調節ベルト８及び第２調節ベルト９を同時にロック解除し、第１移動部分及び第２移動部分が下向きに移動し、これによって、第１調節ベルト８と第２調節ベルト９の固定点からアジャスターベース７までの距離が増大し、バックレスト板６がシートレバー５を中心に下向きに回転する。

【0043】

本実施例のバックレスト板調節構造を用いたベビーカーでは、片手でバックレスト板６の角度を調整できるため、使用者の両手が解放されるとともに、無段階に調整できるためにバックレスト板６を任意の角度に調整することができる。バックレスト板６がバックレストジョイント１３によりシートレバー５にヒンジ接続され、第１調節ベルト８により第１ハンドル３に接続され、第２調節ベルト９により第２ハンドル４に接続される。それによって、バックレスト板６の安定性が向上し、使用時にバックレスト板が左右に振れることがなく、使用体験が向上し、安全性が高くなる。

【0044】

なお、本発明の特許請求の範囲及び明細書では、「第１」、「第２」などの用語は、ある部品または操作を他の部品または操作から区別するためにのみ用いられるものであり、これらの部品または操作を必ずしも必要または暗示するものではない。それらの部品または操作間にそのような実際の関係または順序があることを必ずしも要求または暗示するものではない。また、「含む」、「含有」という用語、またはその他の排他性を有する「包含」は、一連的な過程、方法、物品または装置を包含するだけでなく、明示的に列挙されていない他の過程、方法、物品または装置を包含することができることを意味する。さらなる制限がない限り、「一つ要素を含む」という記述は、その要素以外の要素の過程、方法、物品、または装置の存在を排除するものではない。

【符号の説明】

【0045】

第１支持レバー１
第２支持レバー２
第１ハンドル３
第２ハンドル４
シートレバー５
バックレスト板６
アジャスターベース７
第１ガイド部７１
第２ガイド部７２
第１調節ベルト８
第２調節ベルト９
調節スイッチ１０
調節レバー１０１
第１係合歯１０１１
弾性部材１０２
第２係合歯１１
ロック・ロック解除チャンネル１２
バックレストジョイント１３

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】