(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015974
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】剛性海底電力ケーブルジョイント
(51)【国際特許分類】
H02G 15/14 20060101AFI20240130BHJP
H02G 1/10 20060101ALI20240130BHJP
H02G 9/12 20060101ALI20240130BHJP
H02G 9/00 20060101ALI20240130BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20240130BHJP
G02B 6/24 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H02G15/14
H02G1/10
H02G9/12
H02G9/00
H02G1/14
G02B6/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100515
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】22182293
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519099829
【氏名又は名称】エヌケーティー エイチブイ ケーブルズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン, エーリク
(72)【発明者】
【氏名】ティルバーグ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ゼッターヴァル, ビョルン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチコアDCダイナミック海底電力ケーブルを海底のスタティック海底電力ケーブルに接続する剛性海底電力ケーブルジョイントを提供する。
【解決手段】剛性海底電力ケーブルジョイント7は、外側ケーシング7aを備える。外側ケーシング7aは、第1の軸方向端面7bと、外側ケーシング7aの第1の軸方向端面7bの反対側の軸方向端部にある第2の軸方向端面とを有する。第1の軸方向端面7bが、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルを受け入れる単一の開口部7cを備え、第2の軸方向端面が、それぞれのシングルコア海底電力ケーブルを受け入れるようにそれぞれ構成された2つの開口部を備える。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ケーシング(7a)であって、第1の軸方向端面(7b)と、前記第1の軸方向端面(7b)に対して前記外側ケーシング(7a)の反対側の軸方向端部にある第2の軸方向端面(7e)とを有する、外側ケーシング(7a)を備える、剛性海底電力ケーブルジョイント(7)であって、
前記第1の軸方向端面(7b)が、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)を受け入れるように構成された単一の開口部(7c)を備え、
前記第2の軸方向端面(7e)が、それぞれのシングルコア海底電力ケーブル(5a、5b)を受け入れるようにそれぞれ構成された2つの開口部(7f、7g)を備える、剛性海底電力ケーブルジョイント(7)。
【請求項2】
前記第1の軸方向端面(7b)が、前記単一の開口部(7c)の周りに配置され、前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)の外装ワイヤを取り付けるように構成されたマルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7d)を備える、請求項1に記載の剛性海底電力ケーブルジョイント(7)。
【請求項3】
前記第2の軸方向端面(7e)が、2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7h、7i)であって、各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7h、7i)が、前記2つの開口部(7f、7g)のそれぞれの周りに配置される、2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7h、7i)を備え、各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7h、7i)が、前記シングルコア海底電力ケーブル(5a、5b)のそれぞれの外装ワイヤを取り付けるように構成される、請求項1又は2に記載の剛性海底電力ケーブルジョイント(7)。
【請求項4】
前記第2の軸方向端面(7e)が、外装海底光ファイバケーブルを受け入れるように構成された第3の開口部(7j)を備え、前記第2の軸方向端面(7e)が、前記第3の開口部(7j)の周りに配置され、前記外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤを取り付けるように構成された海底光ファイバ外装アタッチメント構造(7k)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の剛性海底電力ケーブルジョイント(7)。
【請求項5】
海底電力ケーブルシステム(1)であって、
請求項1から4のいずれか一項に記載の剛性海底電力ケーブルジョイント(7)と、
第1の電力コア(19a)及び第2の電力コア(19b)であって、前記第1の電力コア(19a)及び前記第2の電力コア(19b)の各々が、それぞれの導体と、前記導体の周りに配置されたそれぞれの絶縁システムと、前記絶縁層の周りに配置されたそれぞれの金属製止水層とを備える、第1の電力コア(19a)及び第2の電力コア(19b)を備えるマルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)であって、単一の開口部(7c)を貫通する、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)と、
2つの開口部のうちの第1の開口部(7f)を貫通する第1のスタティック海底電力ケーブルの形態の第1のシングルコア海底電力ケーブル(5a)と、
前記2つの開口部のうちの第2の開口部(7g)を貫通する第2のスタティック海底電力ケーブルの形態の第2のシングルコア海底電力ケーブル(5b)と、を備え、
前記第1のスタティック海底電力ケーブル及び前記第2のスタティック海底電力ケーブルの各々が、それぞれの導体、それぞれの絶縁システム、及び前記絶縁システムの周りに配置されたそれぞれの金属製止水層を備え、
前記第1の電力コア(19a)が、外側ケーシング(7b)の内側の前記第1のスタティック海底電力ケーブルと接合され、前記第2の電力コア(19b)が、前記外側ケーシング(7b)の内側の前記第2のスタティック海底電力ケーブルと接合される、海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項6】
前記剛性海底電力ケーブルジョイント(7)が、前記第1の電力コア(19a)を前記第1のスタティック海底電力ケーブルに接続する第1の予め製造されたジョイントと、前記第2の電力コア(19b)を前記第2のスタティック海底電力ケーブルに接続する第2の予め製造されたジョイントとを備える、請求項5に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項7】
前記第1の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第1の内側ケース(25a)を備え、前記第1の電力コア(19a)の前記金属製止水層が、前記第1の内側ケース(25a)の第1の端部(29a)にはんだ付け又は溶接され、前記第1のスタティック海底電力ケーブルの前記金属製止水層が、前記第1の内側ケース(25a)の第2の端部にはんだ付け又は溶接される、請求項6に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項8】
前記第2の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第2の内側ケース(25b)を備え、前記第2の電力コア(19b)の前記金属製止水層が、前記第2の内側ケース(25b)の第1の端部(29b)にはんだ付け又は溶接され、前記第2のスタティック海底電力ケーブルの前記金属製止水層が、前記第2の内側ケース(25b)の第2の端部にはんだ付け又は溶接される、請求項7に記載の海底電力ケーブルシステム。
【請求項9】
前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)が、前記第1の電力コア(19a)及び前記第2の電力コア(19b)と撚り合わされる細長い要素(19c)を備え、前記剛性海底電力ケーブルジョイント(7)が、細長い要素の端部キャップを備え、前記細長い要素(19c)の端面が、前記細長い要素の端部キャップによって前記外側ケーシング(7b)の内側に封止される、請求項5から8のいずれか一項に記載の海底電力ケーブルシステム。
【請求項10】
前記細長い要素(19c)が、導体と、前記導体の周りに配置された絶縁システムと、前記絶縁層の周りに配置された金属製止水層とを備える第3の電力コアである、請求項9に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項11】
前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)、前記第1のスタティック海底電力ケーブル、及び前記第2のスタティック海底電力ケーブルがDC電力ケーブルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項12】
前記剛性海底電力ケーブルジョイント(7)が、請求項2に従属する請求項3に記載され、前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)が、前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7d)に溶接された外装ワイヤを備え、前記第1のスタティック海底電力ケーブルが、前記単一の海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7h)の一方に取り付けられた外装ワイヤを備え、前記第2のスタティック海底電力ケーブルが、前記単一の海底電力ケーブル外装アタッチメント構造(7i)の他方に取り付けられた外装ワイヤを備える、請求項5から11のいずれか一項に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項13】
前記剛性海底電力ケーブルジョイント(7)が、請求項4に記載され、前記海底電力ケーブルシステム(1)が、前記海底光ファイバ外装アタッチメント構造(7j)に取り付けられた外装ワイヤを備える外装海底光ファイバケーブルを備え、前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)が、光ファイバケーブル(21)を備え、前記剛性海底電力ケーブルジョイント(7)が、前記光ファイバケーブル(21)を前記外側ケーシング(7a)の内側の前記海底光ファイバケーブルと接合する光ファイバケーブルジョイント(27)を備える、請求項5から12のいずれか一項に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項14】
前記外装海底光ファイバケーブル、前記第1のスタティック海底電力ケーブル、及び前記第2のスタティック海底電力ケーブルが、テープ、コード、ワイヤ、又はヤーンによってそれらの延長の長さに沿って一緒に束ねられる、請求項13に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【請求項15】
前記外側ケーシング(7a)の前記第1の軸方向端面(7b)に接続され、前記外側ケーシング(7a)の外側の前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)の一部の周り及び前記マルチコアダイナミック海底電力ケーブル(3)の一部に沿って延在する第1の曲げ制限部(29)と、それぞれが前記外側ケーシング(7a)の前記第2の軸方向端面(7e)に接続され、前記外側ケーシング(7a)の外側の前記第1のスタティック海底電力ケーブル及び前記第2のスタティック海底電力ケーブルのそれぞれの一部の周り及び前記第1のスタティック海底電力ケーブル及び前記第2のスタティック海底電力ケーブルのそれぞれの一部に沿って延在する2つの第2の曲げ制限部(31)とを備える、請求項5から14のいずれか一項に記載の海底電力ケーブルシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、海底電力ケーブルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
浮体式風力タービンなどの海洋構造物は、典型的には、電力輸送のためのダイナミック海底電力ケーブルに接続される。ダイナミック海底電力ケーブルは、波動によって生じる応力に耐えるように設計されている。
【0003】
ダイナミック海底電力ケーブルは、浮体式海洋構造物から海底まで延び、海底に敷設されたスタティック海底電力ケーブルと接合することができる。
【発明の概要】
【0004】
既存の海洋設備では、ダイナミック海底電力ケーブルは一般にAC電力ケーブルである。しかしながら、ダイナミックDC海底電力ケーブルに対する関心が高まっている。
【0005】
海洋構造物から海底に吊り下げられたダイナミックDC海底ケーブルシステムは、各電極に1つずつ、2つのダイナミックDC海底電力ケーブルを含む必要がある。これには、2組の浮力ユニット、固定、曲げ補強材などが、各電力ケーブルに1つずつ必要である。さらに、2つのダイナミックDC海底電力ケーブルは、単一のダイナミックAC海底ケーブルよりも大きな水柱を占有する。
【0006】
したがって、単一のマルチコア、好ましくはトリプルコアのダイナミック海底電力ケーブルに2つのDCケーブルコアを組み込むことが望ましい。しかしながら、現在、マルチコアDCダイナミック海底電力ケーブルを海底のスタティック海底電力ケーブルに接続することができるコネクタ又はジョイントは市場に存在しない。
【0007】
本開示の一般的な目的は、先行技術の問題を解決又は少なくとも緩和する剛性海底電力ケーブルジョイントを提供することである。
【0008】
したがって、本開示の第1の態様によれば、外側ケーシングであって、第1の軸方向端面と、第1の軸方向端面に対して外側ケーシングの反対側の軸方向端部にある第2の軸方向端面とを有する、外側ケーシングを備える、剛性海底電力ケーブルジョイントであって、第1の軸方向端面は、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルを受け入れるように構成された単一の開口部を備え、第2の軸方向端面は、それぞれのシングルコア海底電力ケーブルを受け入れるようにそれぞれ構成された2つの開口部を備える、剛性海底電力ケーブルジョイントが提供される。
【0009】
したがって、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルと2つのシングルコア海底電力ケーブルとの間の接合が達成され得る。
【0010】
単一の開口部は、円形の断面形状を有してもよい。
【0011】
2つの開口部のそれぞれは、円形の断面形状を有してもよい。
【0012】
単一の開口部は貫通開口部である。
【0013】
2つの開口部は、貫通開口部である。
【0014】
単一の開口部は、第1の軸方向端面においてマルチコアダイナミック海底電力ケーブルを受け入れるように構成された唯一の開口部であってもよい。したがって、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルを受け入れるように構成された、第1の軸方向端面に設けられたただ1つの開口部、すなわち単一の開口部が存在する。
【0015】
2つの開口部は、第2の軸方向端面にそれぞれのシングルコア海底電力ケーブルを受け入れるように構成された唯一の開口部であってもよい。したがって、それぞれのシングルコア海底電力ケーブルを受け入れるように構成された、第2の軸方向端面に設けられた2つだけの開口部、すなわち2つの開口部が存在する。
【0016】
一実施形態によれば、第1の軸方向端面は、単一の開口部の周りに配置され、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの外装ワイヤを取り付けるように構成されたマルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造を含む。
【0017】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造は、例えば、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの外装ワイヤを溶接スリーブに溶接するための溶接スリーブであってもよい。したがって、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの外装ワイヤは、終端されるときに外側ケーシングに溶接することができる。
【0018】
代替で、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造は、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの外装ワイヤを外側ケーシングにクランプするための、クランプフランジなどのクランプ部材であってもよい。
【0019】
一実施形態によれば、第2の軸方向端面は、2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造を備え、各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造は、2つの開口部のそれぞれの1つの周りに配置され、各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造は、シングルコア海底電力ケーブルのそれぞれの1つの外装ワイヤを取り付けるように構成される。
【0020】
2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造は、例えば、シングルコア海底電力ケーブルの外装ワイヤをそれぞれの溶接スリーブに溶接するための溶接スリーブであってもよい。したがって、シングルコア海底電力ケーブルの外装ワイヤは、終端されるときに外側ケーシングに溶接することができる。
【0021】
代替で、2つのシングルコア海底電力ケーブルの外装ワイヤを外側ケーシングにクランプするために、2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造のそれぞれは、クランプフランジなどのクランプ部材であってもよい。
【0022】
一実施形態によれば、第2の軸方向端面は、外装海底光ファイバケーブルを受け入れるように構成された第3の開口部を備え、第2の軸方向端面は、第3の開口部の周りに配置され、外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤを取り付けるように構成された海底光ファイバ外装アタッチメント構造を備える。
【0023】
海底光ファイバ外装アタッチメント構造は、例えば、外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤを溶接スリーブに溶接するための溶接スリーブであってもよい。したがって、外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤは、それらが終端されるときに外側ケーシングに溶接することができる。
【0024】
代替で、海底光ファイバ外装アタッチメント構造は、外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤを外側ケーシングにクランプするためのクランプフランジなどのクランプ部材であってもよい。
【0025】
本開示の第2の態様によれば、海底電力ケーブルシステムであって、海底電力ケーブルシステムは、先行請求項のいずれかに記載の剛性海底電力ケーブルジョイントと、第1の電力コア及び第2の電力コアを備えるマルチコアダイナミック海底電力ケーブルであって、第1の電力コア及び第2の電力コアの各々は、それぞれの導体と、導体の周りに配置されたそれぞれの絶縁システムと、絶縁層の周りに配置されたそれぞれの金属製止水層とを備え、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは、単一の開口部を貫通する、ダイナミック海底電力ケーブルと、2つの開口部のうちの第1の開口部を貫通する第1のスタティック海底電力ケーブルの形態の第1のシングルコア海底電力ケーブルと、2つの開口部のうちの第2の開口部を貫通する第2のスタティック海底電力ケーブルの形態の第2のシングルコア海底電力ケーブルと、を備え、第1のスタティック海底電力ケーブル及び第2のスタティック海底電力ケーブルのそれぞれは、それぞれの導体、それぞれの絶縁システム、及び絶縁システムの周りに配置されたそれぞれの金属製止水層を備え、第1の電力コアは、外側ケーシングの内側で第1のスタティック海底電力ケーブルと接合され、第2の電力コアは、外側ケーシングの内側で第2のスタティック海底電力ケーブルと接合される、海底電力ケーブルシステムが提供される。
【0026】
一実施形態によれば、剛性海底電力ケーブルジョイントは、第1の電力コアを第1のスタティック海底電力ケーブルに接続する第1の予め製造されたジョイントと、第2の電力コアを第2のスタティック海底電力ケーブルに接続する第2の予め製造されたジョイントとを備える。
【0027】
一実施形態は、第1の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第1の内側ケースを備え、第1の電力コアの金属製止水層は、第1の内側ケースの第1の端部にはんだ付け又は溶接され、第1のスタティック海底電力ケーブルの金属製止水層は、第1の内側ケースの第2の端部にはんだ付け又は溶接される。
【0028】
一実施形態は、第2の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第2の内側ケースを備え、第2の電力コアの金属製止水層は、第2の内側ケースの第1の端部にはんだ付け又は溶接され、第2のスタティック海底電力ケーブルの金属製止水層は、第2の内側ケースの第2の端部にはんだ付け又は溶接される。
【0029】
一実施形態によれば、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは、第1の電力コア及び第2の電力コアと撚り合わされた細長い要素を備え、剛性海底電力ケーブルジョイントは、細長い要素の端部キャップを備え、細長い要素の端面は、細長い要素の端部キャップによって外側ケーシングの内側に封止される。
【0030】
一実施形態によれば、細長い要素は、導体と、導体の周りに配置された絶縁システムと、絶縁層の周りに配置された金属製止水層とを備える第3の電力コアである。
【0031】
代替で、細長い要素は、重量、寸法、及び曲げ剛性に関して、第1の電力コア及び第2の電力コアと同様の機械的特性を有する構造であってもよい。例えば、細長い要素の重量は、第1及び第2の電力コアの一方の重量の90~100%以内とすることができ、細長い要素の直径は、第1及び第2の電力コアの一方の直径の90~100%以内とすることができる。例えば、細長い要素の曲げ剛性は、第1及び第2の電力コアの一方の曲げ剛性の90~100%以内とすることができる。第1及び第2の電力コアは、概して、同じ重量、直径及び曲げ剛性を有する。
【0032】
第1の電力コア、第2の電力コア、及び第3の電力コアは、互いに撚り合わされてもよい。したがって、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは、円形断面形状を有することができ、これにより、製造、輸送、及び設置中のマルチコアダイナミック海底電力ケーブルの取り扱いが簡単になる。
【0033】
第3の電力コアは、第1の電力コア及び第2の電力コアの外径と同じ又は本質的に同じ外径を有することができる。例えば、第3の電力コアの外径は、第1の電力コア及び第2の電力コアのそれぞれの外径の95~105%の範囲内とすることができる。
【0034】
第3の電力コアは、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの両端で電気的に接続されていない、第1及び第2の電力コアと同一のダミー電力コアであってもよい。したがって、第3の電力コアは、形状及びトポロジ/構造、したがってその機械的挙動に関して、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルに対称性を提供する。
【0035】
一実施形態によれば、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル、第1のスタティック海底電力ケーブル、及び第2のスタティック海底電力ケーブルは、DC電力ケーブルである。
【0036】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル、第1のスタティック海底電力ケーブル、及び第2のスタティック海底電力ケーブルは、DC電力ケーブルである。
【0037】
一実施形態によれば、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造に取り付けられた外装ワイヤを備え、第1のスタティック海底電力ケーブルは、単一の海底電力ケーブル外装アタッチメント構造の一方に取り付けられた外装ワイヤを備え、第2のスタティック海底電力ケーブルは、単一の海底電力ケーブル外装アタッチメント構造の他方に取り付けられた外装ワイヤを備える。
【0038】
一実施形態によれば、海底電力ケーブルシステムは、海底光ファイバ外装アタッチメント構造に取り付けられた外装ワイヤを備える外装海底光ファイバケーブルを備え、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは光ファイバケーブルを備え、剛性海底電力ケーブルジョイントは、光ファイバケーブルを外側ケーシングの内側で海底光ファイバケーブルと接合する光ファイバケーブルジョイントを備える。
【0039】
一実施形態によれば、外装海底光ファイバケーブル、第1のスタティック海底電力ケーブル、及び第2のスタティック海底電力ケーブルは、テープ、コード、ワイヤ、又はヤーンによってそれらの延長の長さに沿って一緒に束ねられる。
【0040】
一実施形態は、外側ケーシングの第1の軸方向端面に接続され、外側ケーシングの外側のマルチコアダイナミック海底電力ケーブルの一部の周り及びそれに沿って延在する第1の曲げ制限部と、各々が外側ケーシングの第2の軸方向端面に接続され、外側ケーシングの外側の第1のスタティック海底電力ケーブル及び第2のスタティック海底電力ケーブルのそれぞれ1つの一部の周り及びそれに沿って延在する2つの第2の曲げ制限部とを備える。
【0041】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で特に明示的に定義されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a)/1つの(an)/その(the)要素(element)、装置(apparatus)、構成要素(component)、手段(means)」 などへのすべての言及は、特に明記しない限り、要素、装置、構成要素、手段などの少なくとも1つの例を指すものとして非限定的に解釈されるべきである。
【0042】
ここで、添付の図面を参照して、例として、本発明の概念の具体的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】海底電力ケーブルシステムの一例を概略的に示す。
【
図2】マルチコアダイナミック海底電力ケーブルの一例の断面を概略的に示す。
【
図3a】剛性海底電力ケーブルジョイントの斜視図の一例を概略的に示し、その一方の軸方向端部を示す。
【
図3b】
図3aの剛性海底電力ケーブルジョイントの斜視図を概略的に示し、その他方の軸方向端部を示す。
【
図4】部分的に開けられた剛性海底電力ケーブルジョイントの斜視図を示す。
【
図5】剛性海底電力ケーブルジョイントを備える海底電力ケーブルシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
ここで、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明の概念を以下により完全に説明する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。説明全体を通して、同様の符号は同様の要素を指す。
【0045】
図1は、海底電力ケーブルシステム1の一例を概略的に示す。例示的な海底電力ケーブルシステムは、DC海底電力ケーブルシステム1である。
【0046】
海底電力ケーブルシステム1は、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3と、第1のスタティック海底電力ケーブルの形態の第1のシングルコア海底電力ケーブル5aと、第2のスタティック海底電力ケーブルの形態の第2のシングルコア海底電力ケーブル5bと、剛性海底電力ケーブルジョイント7とを備える。
【0047】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、HVDC電力ケーブルなどのDC電力ケーブルである。
【0048】
第1のシングルコア海底電力ケーブル5aは、HVDC電力ケーブルなどのDC電力ケーブルである。
【0049】
第2のシングルコア海底電力ケーブル5bは、HVDC電力ケーブルなどのDC電力ケーブルである。
【0050】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3と、第1のシングルコア海底電力ケーブル5a及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5bのそれぞれとを接続する。
【0051】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、水域15の表面上に浮遊する浮体式プラットフォーム9と海底17との間に延在する。
【0052】
浮体式プラットフォーム9は、例えば、浮体式風力タービン、浮体式変電所、又は浮体式生産貯蔵積出ユニットであってもよい。
【0053】
第1のシングルコア海底電力ケーブル5a及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5bは、海底17に敷設される。
【0054】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、海底17に配置される。
【0055】
海底電力ケーブルシステム1は、外装海底光ファイバケーブルを備えることができる。外装海底光ファイバケーブルは、テープ、コード、ワイヤ、又はヤーンによって、剛性海底電力ケーブルジョイント7までの延長の長さに沿って、第1のシングルコア海底電力ケーブル5a及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5bの外部にあり、第1のシングルコア海底電力ケーブル5a及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5bと一緒に束ねられてもよい。
【0056】
曲げ補強材11は、浮体式プラットフォーム9に接続されている。マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、曲げ補強材11を通って延在し、浮体式プラットフォーム9で終端する。
【0057】
海底電力ケーブルシステム1は、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3の水中揚力を提供するために、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3に接続された1つ又は複数の浮力ユニット13を備えることができる。
【0058】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、第1の電力コア19a及び第2の電力コア19bを備える。
【0059】
第1の電力コア19aは第1の極であってもよい。第2の電力コア19bは第2の極であってもよい。
【0060】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、第1の電力コア19a及び第2の電力コア19bによって提供されるバイポーラ動作で使用することができる。
【0061】
第1の電力コア19aは、それぞれの導体と、導体の周りに配置されたそれぞれの絶縁システムと、絶縁層の周りに配置されたそれぞれの金属製止水層とを備える。
【0062】
絶縁システムは、例えば架橋ポリエチレン(XLPE)、ポリプロピレン(PP)、PPランダム共重合体をベースとする熱可塑性エラストマー(TPE)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、又はエチレンプロピレンゴム(EPR)を含むポリマー系であってもよい。
【0063】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、第1の電力コア19a及び第2の電力コア19bと撚り合わされた細長い要素19cを備える。細長い要素19cは、第1の電力コア19及び第2の電力コア19bと同じか、又は本質的に同じ外径を有してもよい。
【0064】
一例によれば、細長い要素19cは、導体と、導体の周りに配置された絶縁システムと、絶縁層の周りに配置された金属製止水層とを備える第3の電力コアである。第3の電力コアの絶縁システムは、第1の電力コア19a及び第2の電力コア19bと同じ材料であってもよい。
【0065】
細長い要素19cは、一例によれば、第1の電力コア19a及び第2の電力コア19bの一方又は両方と同一であってもよい。
【0066】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、光ファイバケーブル21を含むことができる。
【0067】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、それぞれが、2つの隣接する電力コア19a、19b及び/又は細長い要素19cの間に配置される充填材プロファイル22を備えることができる。光ファイバケーブル21は、充填材プロファイル22のうちの1つの開口部に配置されてもよい。
【0068】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3は、撚り合わされた第1の電力コア19a、第2の電力コア19b、及び細長い要素19cの周りに配置された外装層23を備える。外装層23は、第1の電力コア19a、第2の電力コア19b、及び細長い要素19cの周りに螺旋状に巻かれた外装ワイヤを備える。
【0069】
外装ワイヤは、鋼、例えば亜鉛めっき鋼又はステンレス鋼などの金属を含むことができる。
【0070】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブルは、代替的に、2つ、3つ、又は4つの外装層などの2つ以上の外装層を備えてもよい。
【0071】
第1及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5a、5bの各々は、導体と、導体を囲む絶縁システムと、絶縁システムの周りに配置された金属製止水層と、金属製止水層の周りに配置された外装層とを備える。
【0072】
第1及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5a、5bの絶縁システムは、例えば、XLPE、ポリプロピレンPP、PPランダム共重合体をベースとするTPE、EPDMゴム、又はEPRを含むポリマー系であってもよい。
【0073】
図3aは、剛性海底電力ケーブルジョイント7の一例を示す。
【0074】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、外側ケーシング7aを備える。外側ケーシング7aは、金属製、例えばステンレス鋼などの鋼製である。
【0075】
外側ケーシング7aは、それぞれが外側ケーシング7aのそれぞれの軸方向端部に設けられた、複数のループ8が設けられた上面を有してもよい。外側ケーシング7aをループ8に吊上装置のそれぞれのフックを接続することで、クレーンなどの吊上装置によって昇降移動することができる。
【0076】
外側ケーシング7aは、第1の軸方向端面7bを有する。第1の軸方向端面7bは、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3を受け入れるように構成された単一の開口部7cを備える。第1の電力コア19a、第2の電力コア19b及び細長い要素19cはすべて、単一の開口部7cを通って外側ケーシング7aの内部に延在する。
【0077】
第1の軸方向端面7bは、単一の開口部7cの周りに配置されたマルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7dを備える。マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7dは、この例では、外側ケーシング7aの長手方向軸と平行な長手方向延長部を有する溶接スリーブである。
【0078】
接合が完了すると、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3が外側ケーシング7aに入る領域では、マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3の外装ワイヤが切断され、端部がマルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7dに溶接されている。マルチコアダイナミック海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7dがクランプフランジなどのクランプ部材である場合、外装ワイヤはフランジ間にクランプされる。
【0079】
マルチコアダイナミック海底電力ケーブル3がいくつかの外装層を備える場合、マルチコアダイナミック海底電力ケーブルスリーブ7dは、いくつかの半径方向段又は平面で配置されてもよく、各段又は平面は、それぞれの外装層の外装ワイヤに溶接されるように構成される。
【0080】
図3bは、剛性海底電力ケーブルジョイント7をその他方の軸方向端部から示す。
【0081】
外側ケーシング7aは、第1の軸方向端面7bに対して外側ケーシング7aの反対側の軸方向端部に、第2の軸方向端面7eを有する。
【0082】
第2の軸方向端面7eは、2つの開口部7f及び7gを含む。2つの開口部7f、7gのそれぞれは、シングルコア海底電力ケーブル5a、5bのそれぞれ、すなわち第1及び第2のスタティック海底電力ケーブルを受け入れるように構成される。
【0083】
第2の軸方向端面7eは、2つのシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7h、7iを備える。各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7h、7iは、2つの開口部7f、7gのそれぞれの周りに配置される。各シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7h、7iは、外側ケーシング7aの長手方向軸と平行な長手方向延長部を有する。
【0084】
接合が完了すると、第1及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5a、5bが外側ケーシング7aに入る領域では、第1及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5a、5bの外装ワイヤが切断され、端部がシングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7h、7iのそれぞれに溶接されている。シングルコア海底電力ケーブル外装アタッチメント構造7h、7iがクランプフランジなどのクランプ部材である場合、外装ワイヤはフランジ間にクランプされる。
【0085】
第2の軸方向端面7eは、第3の開口部7jを備えることができる。第3の開口部7jは貫通開口部である。第3の開口部7jは、2つの開口部7f及び7gよりも小さい断面積又はサイズを有してもよい。
【0086】
第3の開口部7jは、外装海底光ファイバケーブルを受け入れるように構成される。
【0087】
第3の開口部7jは、例えば、2つの開口部7f及び7gの垂直上方に配置されてもよい。
【0088】
第2の軸方向端面7eは、第3の開口部7jの周りに配置された海底光ファイバ外装アタッチメント構造7kを備えてもよい。海底光ファイバ外装アタッチメント構造7kは、外側ケーシング7aの長手方向軸と平行な長手方向延長部を有する。
【0089】
接合が完了したとき、第1及び第2のシングルコア海底電力ケーブル5a、5b及び端部が海底光ファイバ外装アタッチメント構造7kに溶接されている領域では、外装海底光ファイバケーブルの外装ワイヤが切断されている。海底光ファイバ外装アタッチメント構造7kがクランプフランジなどのクランプ部材である場合、外装ワイヤはフランジ間にクランプされる。
【0090】
図4は、その内部構成要素を露出させるために部分的に開いた剛性海底電力ケーブルジョイント7の斜視図を示す。
【0091】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、第1の電力コア19aを第1のスタティック海底電力ケーブル5aと接続する、代替的に予め成形されたジョイントと呼ばれる第1の予め製造されたジョイント(図示せず)を備える。
【0092】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、第2の電力コア19bを第2のスタティック海底電力ケーブル5bに接続する、代替的に予め成形されたジョイントと呼ばれる第2の予め製造されたジョイント(図示せず)を備える。
【0093】
第1の予め製造されたジョイントは、第1の電力コア19a及び第1のスタティック海底電力ケーブル5aの絶縁システムを接続するエラストマースリーブを備える。
【0094】
第2の予め製造されたジョイントは、第2の電力コア19b及び第2のスタティック海底電力ケーブル5bの絶縁システムを接続するエラストマースリーブを備える。
【0095】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、第1の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第1の内側ケース25aを備える。第1の内側ケース25aは、鋼、例えばステンレス鋼などの金属材料製であってよい。
【0096】
第1の電力コア19aの金属製止水層は、第1の内側ケース25aの第1の端部29aにはんだ付け又は溶接されている。これにより、第1の電力コア19aと第1の内側ケース25aとの間の防水接続が得られる。
【0097】
第1のシングルコア海底電力ケーブル5aの金属製止水層は、第1の内側ケース25aの第2の端部にはんだ付け又は溶接されている。これにより、第1のシングルコア海底電力ケーブル5aと第1の内側ケース25aとの間の防水接続が得られる。
【0098】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、第2の予め製造されたジョイントの周りに配置された細長い第2の内側ケース25bを備える。第2の内側ケース25bは、鋼、例えばステンレスなどの金属材料製であってよい。
【0099】
第2の電力コア19bの金属製止水層は、第2の内側ケース25bの第1の端部29bにはんだ付け又は溶接される。これにより、第2の電力コア19bと第2の内側ケース25bとの間の防水接続が得られる。
【0100】
第2のスタティック海底電力ケーブル5bの金属製止水層は、第2の内側ケース25bの第2の端部にはんだ付け又は溶接される。これにより、第2のスタティック海底電力ケーブル5bと第2の内側ケース25bとの間の防水接続が得られる。
【0101】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、外側ケーシングの内側の細長い要素19cの端面を受け入れて封止し、それによって細長い要素19cを水の浸入から封止する、細長い要素の端部キャップ(図示せず)を備えることができる。したがって、細長い要素19cは、外側ケーシング7aの内側のいずれの物体にも電気的に接続されない。細長い要素19cはまた、浮体式プラットフォーム9上のいずれの機器にも電気的に接続されなくてもよい。
【0102】
剛性海底電力ケーブルジョイント7は、光ファイバケーブル21を外側ケーシング7の内側の海底光ファイバケーブルと接合する光ファイバケーブルジョイント27を備えることができる。
【0103】
図5を参照すると、海底電力ケーブルシステム1は、ケーブル3、5a、及び5bが接続された剛性海底電力ケーブルジョイント7が移動されるとき、例えば、剛性海底電力ケーブルジョイント7が海底17に降下されるときに、ケーブル3、5a、及び5bの曲げを制限するように構成された複数の曲げ制限部29、31を備えることができる。
【0104】
曲げ制限部29、31は、外側ケーシング7aに接続され、ケーブル3、5a、及び5bのそれぞれの一部の周りに延在し、例えば、外側ケーシング7aからケーブル3、5a、5bの延長方向に、外側ケーシング7aから最大5メートル又は10メートルの領域でケーブル3、5a、及び5bの曲げを制限するように構成される。
【0105】
第1の曲げ制限部29は、外側ケーシング7aの第1の軸方向端面7bに接続されてもよい。第1の曲げ制限部29は、外側ケーシング7aの外側のマルチコアダイナミック海底電力ケーブル3の一部の周り及びマルチコアダイナミック海底電力ケーブル3の一部に沿って延在してもよい。一方が参照符号31で示されている2個の第2の曲げ制限部は、外側ケーシング7aの第2の軸方向端面7eに接続されている。各第2の曲げ制限部は、外側ケーシング7aの外側の第1のスタティック海底電力ケーブル5a及び第2のスタティック海底電力ケーブル5bのそれぞれの一部の周り及びそれに沿って延在することができる。
【0106】
本発明の概念は、主にいくつかの例を参照して上述されている。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、上記で開示されたもの以外の他の実施形態も本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【外国語明細書】