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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159773
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241031BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241031BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241031BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024135184
(22)【出願日】2024-08-14
(62)【分割の表示】P 2020058879の分割
【原出願日】2020-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】嶋崎 大樹
(72)【発明者】
【氏名】萩野谷 隼一
(72)【発明者】
【氏名】酒寄 一紀
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させつつ適切な運転支援を行うこと。
【解決手段】運転支援装置3は、車両の走行速度を取得する速度取得部321と、走行速度が第1の速度閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理を実行し、走行速度が第1の速度閾値以上であると判定した場合に警告を示す警告情報を提供する情報提供部322とを備える。情報提供部322は、警告情報の提供後、第1の条件を満たしたか否かを判定する第2の判定処理を実行し、第1の条件を満たしたと判定した場合に第1の判定処理を再度、実行する。第1の条件は、走行速度が第1の速度閾値以上であると判定してからの経過時間、または警告情報の提供を停止してからの経過時間が所定の時間となることである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行速度を取得する速度取得部と、
前記走行速度が第1の速度閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理を実行し、前記走行速度が前記第1の速度閾値以上であると判定した場合に警告を示す警告情報を提供する情報提供部とを備え、
前記情報提供部は、
前記警告情報の提供後、第1の条件を満たしたか否かを判定する第2の判定処理を実行し、前記第1の条件を満たしたと判定した場合に前記第1の判定処理を再度、実行し、
前記第1の条件は、
前記走行速度が前記第1の速度閾値以上であると判定してからの経過時間、または前記警告情報の提供を停止してからの経過時間が所定の時間となることである
ことを特徴とする運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドライバに対して運転支援を行うドライブレコーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、車両の走行速度が法定速度等の速度閾値を超過した場合にスピーカから警報を流すことで、当該車両のドライバに対して運転支援を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-42288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、車両の走行速度が速度閾値を超過すると警報を流すため、当該速度閾値を超過している時間が比較的に長くなると、頻繁に警報が流れることとなり、当該車両のドライバにとって煩わしいものとなる、という問題が一例として挙げられる。そこで、当該問題を解消するために、警報を1回流した後に、当該警報を止めるように構成することが考えられる。しかしながら、このように構成した場合には、車両の走行速度が速度閾値を超過している状態が継続しても再度の警報が流れないため、危険な運転を放置することになり、適切な運転支援を行うことができない、という問題が一例として挙げられる。
そこで、例えば利便性を向上させつつ適切な運転支援を行うことができる技術が要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えば利便性を向上させつつ適切な運転支援を行うことができる運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の運転支援装置は、車両の走行速度を取得する速度取得部と、前記走行速度が第1の速度閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理を実行し、前記走行速度が前記第1の速度閾値以上であると判定した場合に警告を示す警告情報を提供する情報提供部とを備え、前記情報提供部は、前記警告情報の提供後、第1の条件を満たしたか否かを判定する第2の判定処理を実行し、前記第1の条件を満たしたと判定した場合に前記第1の判定処理を再度、実行し、前記第1の条件は、前記走行速度が前記第1の速度閾値以上であると判定してからの経過時間、または前記警告情報の提供を停止してからの経過時間が所定の時間となることであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態1に係る運転支援システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、車載端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、運転支援装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、閾値DBに記憶されたデータを示す図である。
図5図5は、運転支援方法を示すフローチャートである。
図6図6は、運転支援方法を説明する図である。
図7図7は、実施の形態2に係る運転支援方法を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態3に係る閾値DBに記憶されたデータを示す図である。
図9図9は、実施の形態4に係る運転支援方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0009】
(実施の形態1)
〔運転支援システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る運転支援システム1の構成を示すブロック図である。
運転支援システム1は、車両VE(図1)のドライバに対して運転支援を行うシステムである。この運転支援システム1は、図1に示すように、車載端末2と、運転支援装置3とを備える。そして、これら車載端末2及び運転支援装置3は、無線通信網であるネットワークNE(図1)を介して、通信を行う。
なお、運転支援装置3と通信を行う車載端末2の台数は、図1に示したような1台に限らず、複数の車両にそれぞれ搭載された複数台としても構わない。以下では、説明の便宜上、運転支援装置3と通信を行う車載端末2の台数が1台であるものとして説明を行う。
【0010】
〔車載端末の構成〕
図2は、車載端末2の構成を示すブロック図である。
車載端末2は、例えば、車両VEに設置される据え置き型のナビゲーション装置またはドライブレコーダである。なお、車載端末2としては、ナビゲーション装置またはドライブレコーダに限らず、車両VEの乗員が利用するスマートフォン等の携帯型端末を採用しても構わない。この車載端末2は、図2に示すように、操作入力部21と、表示部22と、音声出力部23と、センサ部24と、端末本体25とを備える。
【0011】
操作入力部21は、ユーザ操作を受け付けるボタン、スイッチ、タッチパネル等で構成され、当該ユーザ操作に応じた操作信号を端末本体25に出力する。
表示部22は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、端末本体25による制御の下、各種の画像を表示する。
音声出力部23は、スピーカ231(図6参照)を含み、端末本体25から取得したデジタルの音声信号をD/A(Digital/Analog)変換によってアナログの音声信号に変換し、当該スピーカ231から当該アナログの音声信号に応じた音声を出力する。
【0012】
センサ部24は、図2に示すように、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ241と、車速センサ242とを備える。
GNSSセンサ241は、GNSSを利用して、航法衛星から送信された測位用データを含む電波を受信する。当該測位用データは、緯度及び経度情報等から車両VEの絶対的な位置を検出するために用いられる。なお、利用されるGNSSは、例えば、GPS(Global Positioning System)であってもよいし、他のシステムであっても構わない。
車速センサ242は、車両VEの走行速度を検出し、当該走行速度に応じた車速データを生成する。
そして、センサ部24は、上述した測位用データ及び車速データ等の出力データを端末本体25に出力する。
【0013】
端末本体25は、図2に示すように、通信部251と、制御部252と、記憶部253とを備える。
通信部251は、制御部252による制御の下、ネットワークNEを介して運転支援装置3との間で情報の送受信を行う。
制御部252は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部253に記憶された各種のプログラムが実行されることにより実現され、車載端末2全体の動作を制御する。なお、制御部252は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されても構わない。
記憶部253は、制御部252が実行する各種のプログラム、及び当該制御部252が処理を行う時に必要なデータ等を記憶する。
【0014】
〔運転支援装置の構成〕
図3は、運転支援装置3の構成を示すブロック図である。
運転支援装置3は、例えば、サーバ装置である。この運転支援装置3は、図3に示すように、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。
【0015】
通信部31は、制御部32による制御の下、ネットワークNEを介して車載端末2(通信部251)との間で情報の送受信を行う。
制御部32は、CPUやMPU等のコントローラによって、記憶部33に記憶された各種のプログラム(本実施の形態に係る運転支援プログラムを含む)が実行されることにより実現され、運転支援装置3全体の動作を制御する。なお、制御部32は、CPUやMPUに限らず、ASICやFPGA等の集積回路によって構成されても構わない。この制御部32は、図3に示すように、情報取得部321と、情報提供部322とを備える。
【0016】
情報取得部321は、通信部31を介して車載端末2から各種の情報を取得する。当該各種の情報は、センサ部24からの出力データ(測位用データ及び車速データ)である。すなわち、情報取得部321は、本実施の形態に係る速度取得部に相当する。
情報提供部322は、運転支援を行う情報(本実施の形態では以下に示す警告情報)を車両VEのドライバに対して提供する。この情報提供部322は、図3に示すように、閾値取得部3221と、第1の判定処理実行部3222と、警告情報生成部3223と、第2の判定処理実行部3224とを備える。
【0017】
閾値取得部3221は、車両VEが走行している道路(以下、対象道路と記載)に関連付けられた第1,第2の速度閾値及び時間閾値を記憶部33(閾値DB(データベース)332)から取得する。
ここで、第1の速度閾値は、当該対象道路を安全に走行する際の基準となる速度である。当該第1の速度閾値としては、当該対象道路の法定速度を採用してもよく、あるいは、運転支援システム1の管理者が任意に設定した値(例えば、法定速度に対して所定の係数(例えば0.8)を乗じた値)を採用しても構わない。
また、第2の速度閾値は、対応する第1の速度閾値以下の値(例えば、第1の速度閾値に対して1以下の係数(例えば0.8)を乗じた値)である。
さらに、時間閾値は、後述する第2の判定処理で用いられる閾値であり、本実施の形態に係る「所定の時間」に相当する。
【0018】
第1の判定処理実行部3222は、対象道路を走行している車両VEの走行速度が当該対象道路に関連付けられた第1の速度閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理を実行する。
警告情報生成部3223は、第1の判定処理において「YES(車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上である)」と判定された場合に、警告を示す警告情報を生成する。そして、警告情報生成部3223は、通信部31を介して、車載端末2に対して当該警告情報を送信する。当該警告情報を受信した車載端末2は、表示部22や音声出力部23から当該警告情報を報知する。これにより、車両VEのドライバに対して、当該警告情報が提供される。
【0019】
第2の判定処理実行部3224は、当該警告情報の提供後、第1の条件と第2の条件との一方を満たしたか否かを判定する第2の判定処理を実行する。
ここで、第1の条件は、第1の判定処理において「YES(車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上である)」と判定されてからの経過時間が対象道路に関連付けられた時間閾値に到達することである。
また、第2の条件は、対象道路を走行している車両VEの走行速度が当該対象道路に関連付けられた第2の速度閾値未満となることである。
そして、第1の判定処理実行部3222は、第1の判定処理において1度、「YES(車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上である」と判定した後、第2の判定処理において「YES(第1,第2の条件の一方を満たした)」と判定された場合に、当該第1の判定処理を再度、実行する。
【0020】
記憶部33は、制御部32が実行する各種のプログラム(本実施の形態に係る運転支援プログラムを含む)の他、制御部32が処理を行う時に必要なデータ等を記憶する。この記憶部33は、図3に示すように、地図DB331と、閾値DB332とを備える。
図DB331は、地図データを記憶する。当該地図データは、道路に相当するリンクと道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データを含む。
【0021】
図4は、閾値DB332に記憶されたデータを示す図である。
閾値DB332には、道路毎に、上述した第1の速度閾値、上述した第2の速度閾値、及び上述した時間閾値が関連付けられたデータが記憶される。
具体的に、図4に示した例では、道路である「道路♯1」に対して、第1の速度閾値である「第1の速度閾値♯1」と、第2の速度閾値である「第2の速度閾値♯2」と、時間閾値である「時間閾値♯0」とが関連づけられている。ここで、本実施の形態1では、時間閾値は、図4に示すように、どの道路に対しても同一の値(例えば5分等)である「時間閾値♯0」が関連付けられている。
なお、図4に示した例では、道路、第1の速度閾値、第2の速度閾値、及び時間閾値を「道路♯1」、「第1の速度閾値♯1」、「第2の速度閾値♯1」、及び「時間閾値♯0」等の抽象的な符号でそれぞれ表現したが、実際には、数値や文字列等が記憶されることとなる。
【0022】
〔運転支援方法〕
次に、運転支援装置3(制御部32)の動作(運転支援方法)について説明する。
図5は、運転支援方法を示すフローチャートである。図6は、運転支援方法を説明する図である。
先ず、情報取得部321は、通信部31を介して車載端末2からの各種の情報(センサ部24からの出力データ(測位用データ及び車速データ))の取得を開始する(ステップS1:速度取得ステップ)。以降、情報取得部321は、所定の周期で車載端末2からの当該各種の情報の取得を繰り返し、実行する。
【0023】
ステップS1の後、閾値取得部3221は、対象道路に関連付けられた第1,第2の速度閾値及び時間閾値を閾値DB332から取得する(ステップS2)。
具体的に、閾値取得部3221は、情報取得部321にて取得された測位用データに基づいて、車載端末2の現在位置、すなわち、当該車載端末2が搭載された車両VEの現在位置を推定する。また、閾値取得部3221は、地図DB331に記憶された地図データを参照し、当該車両VEの現在位置に対応した当該車両VEが走行している対象道路を特定する。そして、閾値取得部3221は、閾値DB332から当該対象道路に関連付けられた第1,第2の速度閾値及び時間閾値を取得する。
例えば、閾値取得部3221は、対象道路が「道路♯2」である場合には、当該「道路♯2」に関連付けられた「第1の速度閾値♯2」、「第2の速度閾値♯2」、及び「時間閾値♯2」を取得する。
【0024】
ステップS2の後、第1の判定処理実行部3222は、情報取得部321にて取得された車速データに基づく車両VEの走行速度がステップS2にて取得された第1の速度閾値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0025】
車両VEの走行速度が第1の速度閾値未満であると判定された場合(ステップS3:No)には、制御部32は、対象道路が変化したか否かを判定する(ステップS4)。
具体的に、制御部32は、情報取得部321にて取得された測位用データに基づいて、車両VEの現在位置を推定する。そして、制御部32は、地図DB331に記憶された地図データを参照し、当該車両VEの現在位置に対応した当該車両VEが走行している対象道路が変化したか否かを判定する。言い換えれば、制御部32は、車両VEがこれまで走行していた道路とは異なる道路を走行し始めたか否かを判定する。
対象道路が変化していないと判定した場合(ステップS4:No)には、制御部32は、ステップS3に戻る。
一方、対象道路が変化したと判定した場合(ステップS4:Yes)には、制御部32は、ステップS2に戻る。
【0026】
車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上であると判定された場合(ステップS3:Yes)には、第2の判定処理実行部3224は、当該ステップS3の第1の判定処理で「Yes」と判定された時点で、時間の計測を開始する(ステップS5)。
また、警告情報生成部3223は、警告を示す警告情報を生成し、通信部31を介して、当該警告情報を車載端末2に送信(提供)する(ステップS6)。これにより、例えば、図6に示すように、スピーカ231から当該警告情報に基づく「速度超過です」というメッセージが出力される。
なお、図5では、説明の便宜上、ステップS5の次にステップS6を記載しているが、実際には、ステップS5,S6は、略同時に実行されるものである。
【0027】
ステップS6の後、第2の判定処理実行部3224は、ステップS5にて計測を開始した時間がステップS2にて取得された時間閾値(例えば5分等)に到達したか否かを判定する(ステップS7)。
計測した時間が時間閾値に到達したと判定された場合(ステップS7:Yes)には、制御部32は、ステップS4に移行する。
一方、計測した時間が時間閾値に到達していないと判定した場合(ステップS7:No)には、第2の判定処理実行部3224は、情報取得部321にて取得された車速データに基づく車両VEの走行速度がステップS2にて取得された第2の速度閾値未満であるか否かを判定する(ステップS8)。当該ステップS8では、第1の速度閾値以上となった車両VEの走行速度が第2の速度閾値未満まで低下したか否かを判定している。
【0028】
車両VEの走行速度が第2の速度閾値未満であると判定された場合(ステップS8:Yes)には、制御部32は、ステップS4に移行する。
一方、車両VEの走行速度が第2の速度閾値以上であると判定された場合(ステップS8:No)には、制御部32は、ステップS4と同様に、対象道路が変化したか否かを判定する(ステップS9)。
【0029】
対象道路が変化していないと判定した場合(ステップS9:No)には、制御部32は、ステップS7に戻る。
一方、対象道路が変化したと判定した場合(ステップS9:Yes)には、制御部32は、ステップS2に戻る。
以上説明したステップS2,S3,S5~S8は、本実施の形態に係る情報提供ステップに相当する。
【0030】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態1に係る運転支援装置3は、第1の判定処理を実行し、当該第1の判定処理において車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上であると判定した場合に警告情報を提供する。そして、運転支援装置3は、警告情報の提供後、第2の判定処理を実行し、第1の条件を満たしたと判定した場合に、第1の判定処理を再度、実行する。すなわち、運転支援装置3は、車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上となっている状態が継続している場合には、当該走行速度が第1の速度閾値以上となった時点で1度、警告情報を提供し、当該時点からの経過時間が時間閾値に到達した時点で、再度、警告情報を提供する。
したがって、本実施の形態1に係る運転支援装置3によれば、上述した場合において、警告情報が頻繁に提供されることがないため、車両VEのドライバにとって煩わしいものとはならず、利便性を向上させることができる。また、上述した場合において、再度、警告情報を提供するため、危険な運転を放置することがなく、適切な運転支援を行うことができる。
【0031】
ここで、車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上となった後に低下し、当該第1の速度閾値と第2の速度閾値との間の速度となっている状態が継続している場合を想定する。この場合の運転も、車両VEの走行速度が比較的に高いため、危険である。
このような場合においても、本実施の形態1に係る運転支援装置3によれば、車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上となった時点からの経過時間が時間閾値に到達した時点で、再度、警告情報を提供するため、上述した危険な運転を放置することがない。すなわち、適切な運転支援を行うことができる。
【0032】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施の形態2では、上述した実施の形態1に対して、情報提供部322に以下の機能を追加している点が異なる。
具体的に、本実施の形態2に係る情報提供部322は、第1の条件を満たしたと判定することにより第1の判定処理を所定の回数以上、連続して実行しても、車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上である場合には、時間閾値を短くする。
【0033】
図7は、実施の形態2に係る運転支援方法を示すフローチャートである。
本実施の形態2に係る運転支援方法では、図7に示すように、上述した実施の形態1で説明した運転支援方法(図5)に対して、情報提供部322への上述した追加機能に応じて、ステップS10,S11が追加されている。このため、以下では、ステップS10,S11についてのみ説明する。
【0034】
ステップS10は、計測した時間が時間閾値に到達したと判定された場合(ステップS7:Yes)に実行される。
具体的に、情報提供部322は、同一の対象道路において、第1の判定処理(ステップS3)を連続して実行した回数が回数閾値に到達したか否かを判定する。当該「第1の判定処理(ステップS3)を連続して実行した回数」とは、ステップS3,S5~S7,S10,S4のループを繰り返し実行した回数である。なお、当該ループにステップS11が含まれていても構わない。当該回数閾値は、具体的な図示は省略したが、閾値DB332において、第1,第2の速度閾値及び時間閾値とともに道路に対して関連付けられている。なお、当該回数閾値としては、どの道路に対しても同一の値としてもよく、あるいは、道路毎に異なる値としても構わない。
【0035】
第1の判定処理を連続して実行した回数が回数閾値に到達していないと判定された場合(ステップS10:No)には、制御部32は、ステップS4に移行する。
一方、第1の判定処理を連続して実行した回数が回数閾値に到達したと判定した場合(ステップS10:Yes)には、情報提供部322は、ステップS2にて取得された時間閾値を短くする(ステップS11)。この後、制御部32は、ステップS4に戻る。すなわち、同一の対象道路において、次にステップS7を実行する際には、ステップS11にて短くされた時間閾値が用いられる。
【0036】
以上説明した本実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態2に係る運転支援装置3では、第1の条件を満たしたと判定することにより第1の判定処理を連続して実行した回数が回数閾値に到達しても車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上である場合には、時間閾値を短くする。すなわち、運転支援装置3は、ステップS3,S5~S7,S10,S11,S4のループを繰り返し実行した回数が増加するにしたがって、ステップS6で警告情報を提供する間隔を次第に短くする。
したがって、車両VEの走行速度が第1の速度閾値以上となっている状態が長時間、継続している場合には、警告情報を頻繁に提供し、当該走行速度を低くすることを当該車両VEのドライバに促す。すなわち、適切な運転支援を行うことができる。
【0037】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、実施の形態3に係る閾値DB332に記憶されたデータを示す図である。
上述した実施の形態1では、時間閾値は、どの道路に対しても同一の値とされていた。
これに対して本実施の形態3では、時間閾値は、道路毎に異なる値とされている。より具体的に、時間閾値は、第1の速度閾値が低いほど短く設定されている。
図8に示した例では、「第1の速度閾値♯1」、「第1の速度閾値♯2」、及び「第1の速度閾値♯3」の3つの間では、「第1の速度閾値♯1」が最も高く、「第1の速度閾値♯3」が最も低い値である。このため、「時間閾値♯1」、「時間閾値♯2」、及び「時間閾値♯3」の3つの間では、「時間閾値♯1」が最も長く、「時間閾値♯3」が最も短い値となっている。
【0038】
以上説明した本実施の形態3によれば、上述した実施の形態1と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施の形態3では、時間閾値は、第1の速度閾値が低いほど低く設定されている。例えば、第1の速度閾値が比較的に高い高速道路等において当該第1の速度閾値以上の走行速度で運転する場合と、第1の速度閾値が比較的に低い一般道等において当該第1の速度閾値以上の走行速度で運転する場合とでは、後者の場合の方が事故を起こす危険が高い場合がある。したがって、本実施の形態3によれば、上述した前者の場合よりも上述した後者の場合において、再度、警告情報を提供する間隔を短くし、危険な運転を止めることを車両VEのドライバに促し、適切な運転支援を行うことができる。
【0039】
(実施の形態4)
次に、本実施の形態4について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9は、実施の形態4に係る運転支援方法を示すフローチャートである。
本実施の形態4では、図9に示すように、上述した実施の形態1に対して、ステップS5で時間の計測を開始するタイミングが異なる。
より具体的に、本実施の形態4では、車載端末2は、スピーカ231から警告情報に基づく「速度超過です」というメッセージの出力を完了した後、通信部251を介して、当該完了した旨を示す信号を運転支援装置3に送信する。また、情報取得部321は、通信部31を介して車載端末2からの当該信号を取得する。そして、第2の判定処理実行部3224は、情報取得部321にて当該信号が取得された時点で、時間の計測を開始する(ステップS5)。この後、制御部32は、ステップS7に移行する。
すなわち、本実施の形態4に係る第1の条件は、警告情報の提供を停止してからの経過時間が対象道路に関連付けられた時間閾値に到達することである。
【0040】
以上説明した本実施の形態4のように構成した場合であっても、上述した実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0041】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1~4によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1~4において、運転支援装置3の全ての構成を車載端末2に設けても構わない。この場合には、当該車載端末2は、本実施の形態に係る運転支援装置に相当する。また、運転支援装置3における制御部32の一部の機能を車載端末2に設けても構わない。この場合には、運転支援システム1全体が本実施の形態に係る運転支援装置に相当する。
【0042】
上述した実施の形態1~4において、第1の速度閾値をどの道路に対しても同一の値としても構わない。第2の速度閾値も同様である。
上述した実施の形態1~4において、第2の判定処理で第2の条件を考慮しなくても構わない。すなわち、ステップS8を省略しても構わない。
【符号の説明】
【0043】
3 運転支援装置
321 情報取得部(速度取得部)
322 情報提供部
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9