(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159815
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】レンタル管理システム及びレンタル管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20241031BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241031BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20241031BHJP
E05B 71/02 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G08G1/09 F
E05B49/00 J
E05B71/02 K
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024137553
(22)【出願日】2024-08-19
(62)【分割の表示】P 2021012425の分割
【原出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加茂 広之
(72)【発明者】
【氏名】米田 優也
(57)【要約】
【課題】移動体のレンタルに対して課金を行う。
【解決手段】レンタル管理システムは、取得部111と、通信部12と、錠制御部113と、課金部と、を備える。取得部111は、移動体を起動する起動信号、又は移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する。通信部12は、取得部111が取得した起動信号又は開錠信号に基づいて、錠装置の開錠を要求する要求信号を特定装置に送信する。錠制御部113は、通信部12が要求信号に対する応答信号として開錠許可信号を特定装置から受信すると錠装置を開錠する。課金部は、錠装置の開錠、又は特定装置による要求信号の受信をもって、移動体の利用者に対して移動体のレンタルに対する課金を開始する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理システムであって、
前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する通信部と、
前記通信部が前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する錠制御部と、
前記錠装置の前記開錠、又は前記特定装置による前記要求信号の受信をもって、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を開始する課金部と、を備える、
レンタル管理システム。
【請求項2】
前記課金部は、前記特定装置による、前記移動体が返却されたことを示す返却情報の受信をもって前記課金を終了する、
請求項1に記載のレンタル管理システム。
【請求項3】
前記課金部は、前記移動体の返却、及び前記錠装置の施錠をもって前記課金を終了する、
請求項1に記載のレンタル管理システム。
【請求項4】
前記課金部は、
前記移動体が駐輪場に返却されたことを示す返却情報を前記通信部から取得し、
前記返却情報に基づいて前記移動体が前記駐輪場に返却されたか否かを判断する、
請求項3に記載のレンタル管理システム。
【請求項5】
前記返却情報は、前記駐輪場に設置されている発信機から定期的に発信されるビーコンを前記移動体が受信したことを示す情報を含む、
請求項4に記載のレンタル管理システム。
【請求項6】
前記課金部は、
前記錠装置が開錠状態又は施錠状態であることを示す状態情報を前記通信部から取得し、
前記状態情報に基づいて前記錠装置が開錠されたか否かを判断する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のレンタル管理システム。
【請求項7】
前記利用者が前記レンタルを行う予定の前記移動体である特定移動体の識別子は、前記端末から前記特定装置に送信される、
請求項1~6のいずれか1項に記載のレンタル管理システム。
【請求項8】
前記特定装置を更に備え、
前記特定装置は、前記特定移動体の前記識別子に基づいて前記特定移動体を特定する、
請求項7に記載のレンタル管理システム。
【請求項9】
前記特定装置を更に備え、
前記特定装置は、前記要求信号を送信してきた前記移動体が前記特定移動体である場合に前記開錠許可信号を生成する、
請求項7に記載のレンタル管理システム。
【請求項10】
利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理システムであって、
前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する通信部と、
前記通信部が前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する錠制御部と、
少なくとも前記錠装置の前記開錠から前記錠装置の施錠までの間、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を行う課金部と、を備える、
レンタル管理システム。
【請求項11】
利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理方法であって、
前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する通信ステップと、
前記通信ステップで前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する錠制御ステップと、
前記錠装置の前記開錠、又は前記特定装置による前記要求信号の受信をもって、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を開始する課金ステップと、を有する、
レンタル管理方法。
【請求項12】
利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理方法であって、
前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する通信ステップと、
前記通信ステップで前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する錠制御ステップと、
少なくとも前記錠装置の前記開錠から前記錠装置の施錠までの間、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を行う課金ステップと、を有する、
レンタル管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にレンタル管理システム及びレンタル管理方法に関し、より詳細には、移動体のレンタルを管理するレンタル管理システム及びレンタル管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自転車(移動体)に設置される電子錠(錠装置)が記載されている。特許文献1に記載の電子錠は、駆動部と、マイコン部と、を備えている。マイコン部は、携帯電話と無線通信を行い、携帯電話からの電気信号を解析して駆動部に開錠信号を送信する。駆動部は、マイコン部からの開錠信号を受信すると、リングロックの施錠部位を動作させて電気錠を開錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、移動体のレンタルに対して課金を行うことが可能なレンタル管理システム及びレンタル管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るレンタル管理システムは、利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理システムである。前記レンタル管理システムは、取得部と、通信部と、錠制御部と、課金部と、を備える。前記取得部は、前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する。前記通信部は、前記取得部が取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する。前記錠制御部は、前記通信部が前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する。前記課金部は、前記錠装置の前記開錠、又は前記特定装置による前記要求信号の受信をもって、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を開始する。
【0006】
本開示の一態様に係るレンタル管理システムは、利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理システムである。前記レンタル管理システムは、取得部と、通信部と、錠制御部と、課金部と、を備える。前記取得部は、前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する。前記通信部は、前記取得部が取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する。前記錠制御部は、前記通信部が前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する。前記課金部は、少なくとも前記錠装置の前記開錠から前記錠装置の施錠までの間、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を行う。
【0007】
本開示の一態様に係るレンタル管理方法は、利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理方法である。前記レンタル管理方法は、取得ステップと、通信ステップと、錠制御ステップと、課金ステップと、を有する。前記取得ステップでは、前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する。前記通信ステップでは、前記取得ステップで取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する。前記錠制御ステップでは、前記通信ステップで前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する。前記課金ステップでは、前記錠装置の前記開錠、又は前記特定装置による前記要求信号の受信をもって、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を開始する。
【0008】
本開示の一態様に係るレンタル管理方法は、利用者が端末を用いて特定装置にアクセスすることによって移動体のレンタルが可能なレンタル管理方法である。前記レンタル管理方法は、取得ステップと、通信ステップと、錠制御ステップと、課金ステップと、を有する。前記取得ステップでは、前記移動体を起動する起動信号、又は前記移動体の錠装置を開錠する開錠信号を取得する。前記通信ステップでは、前記取得ステップで取得した前記起動信号又は前記開錠信号に基づいて、前記錠装置の開錠を要求する要求信号を前記特定装置に送信する。前記錠制御ステップでは、前記通信ステップで前記要求信号に対する応答信号として前記錠装置の前記開錠を許可する開錠許可信号を前記特定装置から受信すると前記錠装置を開錠する。前記課金ステップでは、少なくとも前記錠装置の前記開錠から前記錠装置の施錠までの間、前記移動体の前記利用者に対して前記移動体の前記レンタルに対する課金を行う。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係るレンタル管理システム及びレンタル管理方法によれば、移動体のレンタルに対して課金を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る制御システムを備えた電動自転車及び管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係る制御システムを備えた電動自転車及び管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、同上の管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る制御システムを備えた電動自転車及び管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、同上の管理システムの動作例1を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、同上の管理システムの動作例2を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、同上の管理システムの動作例3を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る制御システム1、管理システム10及び移動体2について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0012】
(1)概要
まず、実施形態1に係る制御システム1、管理システム10及び移動体2の概要について、
図1を参照して説明する。
【0013】
実施形態1では、移動体2は、自転車である。より具体的には、実施形態1では、移動体2は、電動自転車である。したがって、以下では、特に断りのない限り、「移動体2」を「電動自転車2」として説明する。
【0014】
実施形態1に係る制御システム1及び管理システム10は、例えば、利用者が電動自転車2をレンタルする際に用いられる。すなわち、実施形態1では、電動自転車2は、レンタルサービス事業者により管理されており、事業者との間で契約を結んだ利用者に対して一時的に貸し出される。電動自転車2は、不使用状態においては、原則として事業者が用意した駐輪場(駐輪ポート)に駐輪されている。
【0015】
管理システム10は、
図1に示すように、制御システム1と、外部装置3と、を備えている。外部装置3は、電動自転車2に取り付けられておらず、電動自転車2から離れた場所に設置されている。外部装置3は、例えば、レンタルサービス事業者が運用するサーバである。
【0016】
実施形態1では、制御システム1は、電動自転車2に取り付けられている。より具体的には、制御システム1は、電動自転車2に取り付けられているサークル錠6に設けられている。制御システム1は、
図1に示すように、取得部111と、生成部112と、通信部12と、錠制御部113と、を備えている。
【0017】
取得部111は、電動自転車2を起動するための操作を受け付ける操作部230を有する操作装置23から信号を取得する。操作部230は、例えば、操作装置23に設けられている電源スイッチである。実施形態1では、取得部111は、上記信号として、操作部230が操作を受け付けた際に操作装置23から出力される起動信号を取得する。起動信号は、電動自転車2を起動するための信号であって、この起動信号によって後述のモータユニット5の制御部52に電力が供給されてモータユニット5が動作可能な状態になる。
【0018】
生成部112は、取得部111が取得した信号(ここでは起動信号)に基づいて、問い合わせ信号を生成する。問い合わせ信号は、電動自転車2に取り付けられているサークル錠(錠装置)6の開錠を外部装置3に問い合わせるための信号である。
【0019】
通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3に送信する。また、通信部12は、外部装置3から開錠許可信号を受信する。外部装置3は、上述したように、電動自転車2から離れた場所に設置されているサーバである。通信部12は、例えば、インターネット等のネットワークN1を介して、外部装置3との間で双方向に通信可能である。実施形態1に係る制御システム1では、外部装置3が特定装置である。
【0020】
錠制御部113は、通信部12が外部装置3から開錠許可信号を受信すると、この開錠許可信号に従ってサークル錠6を開錠する。開錠許可信号は、通信部12からの問い合わせ信号に対する応答信号であって、サークル錠6の開錠を許可するための信号である。
【0021】
実施形態1に係る制御システム1では、上述したように、電動自転車2を起動するための操作部230を操作することにより、電動自転車2の起動に加えてサークル錠6の開錠を行うことが可能となる。これにより、実施形態1に係る制御システム1では、電動自転車2の起動とサークル錠6の開錠とを別々の操作で行う場合に比べて、利便性を向上させることが可能となる。
【0022】
(2)詳細
次に、実施形態1に係る制御システム1、管理システム10及び電動自転車2の詳細について、
図1を参照して説明する。
【0023】
実施形態1に係る電動自転車2は、制御システム1と、制御システム1と通信可能なモータユニット5と、を備えている。実施形態1に係る管理システム10は、電動自転車2に取り付けられている制御システム1と、電動自転車2とは別に設けられており、制御システム1と通信可能な外部装置3と、を備えている。
【0024】
実施形態1では、利用者は、端末(外部端末)8を用いて外部装置3にアクセスすることにより、外部装置3で管理している電動自転車2をレンタルすることが可能である。端末8は、利用者が携帯する機器であって、例えば、スマートフォン又はタブレット型のコンピュータである。端末8は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して外部装置3の通信部32と通信する。無線通信は、一例として、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0025】
電動自転車2は、
図1に示すように、操作装置23と、バッテリユニット4と、モータユニット5と、サークル錠(錠装置)6と、を備えている。モータユニット5については、後述の「(3)電動自転車」にて詳細に説明する。
【0026】
サークル錠6は、後述のフレーム7(
図2参照)に取り付けられており、施錠状態又は開錠状態となり得る。施錠状態は、後輪89の回転を規制することにより電動自転車2の走行を禁止する状態である。開錠状態は、後輪89の回転を規制せずに電動自転車2の走行を許容する状態である。実施形態1では、電動自転車2の不使用状態においては、サークル錠6は、原則として施錠状態にある。実施形態1では、制御システム1は、サークル錠6に設けられている。なお、サークル錠6は、例えば、フレーム7のうちのシートステー74に取り付けられている。
【0027】
制御システム1は、
図1に示すように、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備えている。実施形態1では、サークル錠6(つまり、制御システム1)とモータユニット5とは、例えば、ワイヤハーネスにより接続されており、このワイヤハーネスを介して互いに通信可能である。また、実施形態1では、制御システム1は、バッテリ41からの電力供給を受けることにより、バッテリ41の残量が十分であれば、原則、常時動作する。
【0028】
制御部11は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部11(後述の取得部111、生成部112及び錠制御部113を含む)としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0029】
制御部11は、
図1に示すように、取得部111と、生成部112と、錠制御部113と、を有している。
【0030】
取得部111は、後述の取得ステップS3(
図3参照)として、モータユニット5と通信することにより、操作装置23からの信号を取得する処理を実行する。実施形態1では、取得部111は、上記信号として、電動自転車2を起動するための操作を操作部230が受け付けた際に操作装置23から出力される起動信号を取得する。具体的には、モータユニット5の制御部52は、操作部230が上記操作を受け付けた際に操作装置23から起動信号を取得し、取得した起動信号を制御システム1に向けて送信する。これにより、取得部111は、操作装置23からの起動信号を取得する。
【0031】
生成部112は、後述の生成ステップS4(
図3参照)として、取得部111が取得した起動信号に基づいて、問い合わせ信号を生成する処理を実行する。問い合わせ信号は、上述したように、サークル錠6の開錠を外部装置3に問い合わせるための信号である。問い合わせ信号には、当該問い合わせ信号の送信元である電動自転車2の識別情報(例えば、アドレス)が含まれている。したがって、外部装置3は、問い合わせ信号に対する応答信号として、問い合わせ信号に含まれている識別情報が割り当てられた電動自転車2(制御システム1)に向けて開錠許可信号を送信する。
【0032】
錠制御部113は、後述の錠制御ステップS8(
図3参照)として、通信部12を介して外部装置3から取得した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する処理を実行する。開錠許可信号は、上述したように、サークル錠6の開錠を許可するための信号である。外部装置3は、問い合わせ信号の送信元である電動自転車2が、後述の特定処理において特定されている電動自転車2である場合に、送信元の電動自転車2(制御システム1)に対して開錠許可信号を送信する。したがって、開錠許可信号には、送信先の電動自転車2に割り当てられた識別情報が含まれている。
【0033】
通信部12は、外部装置3との間で通信を行うための通信インタフェースである。通信部12は、無線通信モジュールを有している。通信部12は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して外部装置3の通信部32(後述する)と通信する。無線通信は、一例として、LTE等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0034】
通信部12は、後述の通信ステップS5(
図3参照)として、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3へ送信する処理を実行する。また、通信部12は、後述の通信ステップS7(
図3参照)として、開錠許可信号を外部装置3から受信する処理を実行する。開錠許可信号は、上述したように、問い合わせ信号に対する応答信号であって、サークル錠(錠装置)6の開錠を許可するための信号である。通信部12は、上述したように、外部装置3との間で双方向に通信可能である。
【0035】
記憶部13は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを備えている。記憶部13は、例えば、サークル錠6の状態(施錠状態、開錠状態)を記憶している。また、記憶部13は、例えば、電動自転車2に割り当てられている識別子及び識別情報を記憶している。
【0036】
操作装置23は、電動自転車2のハンドル83(後述する)に取り付けられている。操作装置23は、操作部230を有している。操作部230は、例えば、利用者に押操作される電源スイッチである。操作装置23は、操作部230が押操作されると、起動信号をモータユニット5の制御部52へ送信する。また、操作装置23は、モータ51による利用者の踏む力(踏力)を補助する度合いを変更するための入力を受け付けるスイッチ、及びバッテリ41の残量等のパラメータを表示するディスプレイを更に有している。実施形態1では、電動自転車2のハンドル83により電動自転車2の特定部分20(
図2参照)が構成されている。すなわち、実施形態1では、操作装置23は、電動自転車2の特定部分20に設けられており、特定部分20は、ハンドル83である。
【0037】
バッテリユニット4は、
図1に示すように、バッテリ41と、バッテリ制御部42と、を備えている。
【0038】
バッテリ41は、モータユニット5のモータ51及び制御部52、並びに制御システム1に電力を供給する。また、バッテリ41は、モータ51に加えて、例えば、ヘッドライト及び操作装置23に電力を供給する。バッテリ41は、後述のシートチューブ73(
図2参照)に対して取外し可能に取り付けられている。すなわち、電動自転車2は、電動自転車2の制御用電源として用いられるバッテリ41を有している。
【0039】
バッテリ制御部42は、電動自転車2が使用されるごとに、電動自転車2の走行時(使用時)にバッテリ41で消費された電力量(バッテリ消費電力量)を求める。バッテリ消費電力量を表す消費電力量情報は、バッテリ制御部42からモータユニット5の制御部52に出力される。また、バッテリ制御部42は、バッテリ41の残量を管理する。より詳細には、バッテリ制御部42は、使用前のバッテリ41の残量とバッテリ消費電力量との差分を新たなバッテリ41の残量として求める。バッテリ41の残量を表す残量情報は、バッテリ制御部42からモータユニット5の制御部52に出力される。
【0040】
なお、バッテリ41の残量は、バッテリ41の劣化を考慮して補正される。バッテリ41の劣化は、バッテリ41の充放電を表す充放電履歴により求めることができる。充放電履歴は、バッテリ41のID(Identification)と共に保存される。充放電履歴は、例えば、制御システム1の通信部12を介して、外部装置3に保存されてもよい。
【0041】
外部装置3は、上述したように、電動自転車2から離れた場所に設置されているサーバである。外部装置3は、
図1に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備えている。
【0042】
制御部31は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部31としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0043】
制御部31は、認証処理と、特定処理と、開錠処理と、を実行する機能を有している。
【0044】
認証処理は、通信部32にて端末8から送信される認証情報を取得した場合に、記憶部33に記憶されている第1データベースに認証情報が含まれているか否か、つまり、認証情報に基づく利用者が登録されているか否かを判定する処理である。
【0045】
特定処理は、通信部32にて端末8から送信される識別子を取得した場合に、記憶部33に記憶されている第2データベースを参照して、識別子に対応する電動自転車2を特定する処理である。識別子は、例えば、電動自転車2に貼り付けられたシール931(
図2参照)に記されている。利用者は、端末8に内蔵されている撮像装置(読取装置)を用いて、シール931に記された識別子を読み取ることで、電動自転車2の識別子を取得することが可能である。
【0046】
開錠処理は、特定処理にて特定された電動自転車2と外部装置3の間で通信することにより、この電動自転車2のサークル錠6を遠隔制御することで、電動自転車2を施錠状態から開錠状態へと移行させるための開錠許可信号を生成する処理である。制御部31は、開錠処理において、電動自転車2(制御システム1)から受け取った問い合わせ信号に基づいて開錠許可信号を生成し、生成した開錠許可信号を通信部32から電動自転車2へ送信させる。
【0047】
通信部32は、電動自転車2(制御システム1)又は端末8との間で通信を行うための通信インタフェースである。通信部32は、無線通信モジュールを有している。通信部32は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して制御システム1の通信部12又は端末8と通信する。無線通信は、一例として、LTE等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0048】
通信部32は、制御システム1から送信される問い合わせ信号を受信する。また、通信部32は、問い合わせ信号に基づいて制御部31が生成した開錠許可信号を制御システム1へ送信する。また、通信部32は、端末8から送信される認証情報及び識別子情報を受信する。
【0049】
記憶部33は、例えば、EEPROM等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM等の揮発性メモリを備えている。記憶部33は、電動自転車2のレンタルサービス事業者と契約している1以上の利用者の各々の認証情報を含む第1データベースを記憶している。また、記憶部33は、電動自転車2のレンタルサービス事業者により管理されている1以上の電動自転車2の識別子を含む第2データベースを記憶している。さらに、記憶部33は、電動自転車2のレンタルサービス事業者により管理されている電動自転車2の利用状況を記憶している。
【0050】
(3)電動自転車
次に、電動自転車2の構造について、
図2を参照して説明する。実施形態1等において参照する
図2は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法を反映しているとは限らない。
【0051】
また、以下では、特に断りのない限り、走行面100は水平面であるとして説明する。ただし、実際は、走行面100は水平面である必要はなく、水平面に対して傾斜していてもよいし、凹凸のある面であってもよい。
【0052】
さらに、以下では、電動自転車2が進む方向を「前方向」とし、前方向の反対方向を「後方向」とし、前方向及び後方向を併せて「前後方向」として定義する。また、前後方向に直交し、かつ水平面に沿う互いに反対向きの2方向を「左右方向」として定義する。さらに、前後方向及び左右方向の両方に直交する方向を「上下方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、電動自転車2の使用態様を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は、説明のために表記しているにすぎず、実体を伴わない。
【0053】
電動自転車2は、電気的な動力によって、走行面100を走行可能な自転車である。実施形態1では、電動自転車2は、電動自転車2の利用者の踏む力(踏力)をモータ51(
図1参照)によって補助する電動アシスト自転車である。
【0054】
電動自転車2は、
図2に示すように、モータユニット5と、フレーム7と、を備えている。また、電動自転車2は、複数(
図2では2つ)の車輪81と、フロントフォーク82と、ハンドル83と、サドル84と、一対(
図2では片方のみ図示)のクランクアーム85と、一対(
図2では片方のみ図示)のペダル86と、動力伝達体87と、バッテリ41と、を備えている。さらに、電動自転車2は、サークル錠6と、バスケット91と、フロントフェンダー92と、リアフェンダー93と、を備えている。実施形態1では、フレーム7により移動体本体(以下、「移動体本体7」ともいう)が構成されている。すなわち、移動体(電動自転車)2は、上述の制御システム1と、制御システム1が取り付けられている移動体本体7と、を備えている。
【0055】
(3.1)車輪
複数の車輪81は、フレーム7を走行面100の上に支える部材である。実施形態1では、電動自転車2は、複数の車輪81として、前輪88と、後輪89と、を備えている。前輪88は、中心にハブ881を有し、後輪89は、中心にハブ891を有している。複数の車輪81は、フレーム7に取り付けられており、電動自転車2の利用者の踏力及びモータ51(
図1参照)から出力された動力により回転する。
【0056】
前輪88は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの前側の車輪である。前輪88は、一対(
図2では片方のみ図示)のレッグ821によって、左右方向に沿った軸回りに回転し得るように支持されている。実施形態1では、前輪88は、モータユニット5から動力の伝達を受けない車輪である。
【0057】
前輪88の上方には、前輪88の周方向に沿って湾曲したフロントフェンダー92が設けられている。フロントフェンダー92は、電動自転車2の走行中において、前輪88により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が、電動自転車2の利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。
【0058】
後輪89は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの後側の車輪である。後輪89は、2つのチェーンステー75によって、左右方向に沿った軸回りに回転可能に支持されている。後輪89は、ハブ891と同心状で、かつハブ891に対して一体的に取り付けられたリアスプロケット892を備えている。リアスプロケット892は、モータユニット5の駆動スプロケット(後述する)に対し、動力伝達体87を介して連結されている。これにより、モータユニット5から出力された動力は、後輪89に伝達される。
【0059】
後輪89の上方には、後輪89の周方向に沿って湾曲したリアフェンダー93が設けられている。リアフェンダー93は、電動自転車2の走行中において、後輪89により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が、電動自転車2の利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。実施形態1では、リアフェンダー93には、
図2に示すように、電動自転車2の識別子としての二次元コードが記されたシール931が貼付されている。また、後輪89には、サークル錠6が取り付けられている。
【0060】
(3.2)フロントフォーク
フロントフォーク82は、前輪88を支える部材である。フロントフォーク82は、一対(
図2では片方のみ図示)のレッグ821と、クラウン822と、ステアリングコラム823と、を備えている。クラウン822は、一対のレッグ821の上端をつないでいる。ステアリングコラム823は、クラウン822から突出している。一対のレッグ821には、ハブ881に通されたシャフトを介して、前輪88が回転可能に取り付けられている。前輪88の回転軸は、走行面100に対して平行である。ステアリングコラム823の突出方向(長手方向)は、クラウン822から、上方向に行くに従って後方向に行くように延びており、走行面100に対して傾いている。
【0061】
(3.3)ハンドル
ハンドル83は、ステアリングコラム823の上端に取り付けられており、フロントフォーク82に対して固定されている。ステアリングコラム823は、後述のフレーム7のヘッドチューブ71に通されており、フレーム7に回転可能に取り付けられている。ステアリングコラム823の回転軸は、ステアリングコラム823の長手方向に略平行である。したがって、ハンドル83は、ステアリングコラム823の長手方向に沿う軸を回転軸として、前輪88を回転させることができる。
【0062】
ハンドル83とステアリングコラム823との接続部分の上方には、電動自転車2の利用者の所持物等を収容するバスケット91が取り付けられている。また、ハンドル83には、操作装置23が取り付けられている。実施形態1では、電動自転車2の特定部分20は、操作装置23が取り付けられているハンドル83である。
【0063】
(3.4)フレーム
フレーム7は、複数の車輪81、フロントフォーク82、ハンドル83、サドル84、バッテリ41及びモータユニット5が取り付けられる骨組みである。実施形態1では、上述したように、フレーム7が移動体本体7を構成している。フレーム7の材料は、例えば、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金である。ただし、フレーム7の材料は、アルミニウム合金に限らず、例えば、鉄、クロムモリブデン鋼、ハイテンスチール、チタン、又はマグネシウムであってもよい。また、フレーム7の材料は、金属に限らず、例えば、カーボン、木材、竹、又は繊維強化合成樹脂(例えば、CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。
【0064】
実施形態1では、フレーム7は、複数のパイプとして、ヘッドチューブ71と、ダウンチューブ72と、シートチューブ73と、一対(
図2では片方のみ図示)のシートステー74と、一対(
図2では片方のみ図示)のチェーンステー75と、を備えている。また、フレーム7は、ブラケット76を更に備えている。本開示でいう「パイプ」とは、細長くて中空な部材を意味する。パイプの断面形状は、例えば、円形状(正円、長円及び楕円を含む)、長方形状(正方形を含む)、六角形状、又は八角形状であってもよい。フレーム7には、モータ51(
図1参照)及びバッテリ41が取り付けられている。
【0065】
(3.4.1)ヘッドチューブ
ヘッドチューブ71は、フロントフォーク82を支えるパイプである。ヘッドチューブ71の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。ヘッドチューブ71には、ヘッドチューブ71の中心軸とステアリングコラム823の中心軸とが沿うように、ステアリングコラム823が通されている。これによって、ヘッドチューブ71は、ステアリングコラム823を回転可能に支えている。実施形態1では、ステアリングコラム823の回転軸は、ヘッドチューブ71の中心軸と同じである。
【0066】
(3.4.2)ダウンチューブ
ダウンチューブ72は、ヘッドチューブ71とシートチューブ73とをつなぐパイプである。ダウンチューブ72の長手方向の前端は、ヘッドチューブ71に接続されている。ダウンチューブ72の長手方向の後端は、ブラケット76に接続されている。実施形態1では、ダウンチューブ72の長手方向は、後方向に行くに従って下方向に行くように、走行面100に対して傾いている。
【0067】
(3.4.3)シートチューブ
シートチューブ73は、サドル84を保持するパイプである。シートチューブ73の長手方向の下端は、ブラケット76に接続されている。シートチューブ73の長手方向の上端には、サドル84が移動可能に取り付けられている。シートチューブ73の中心軸は、下端から上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。シートチューブ73の下端には、ブラケット76を介してダウンチューブ72の長手方向の後端が接続されている。実施形態1では、シートチューブ73には、バッテリ41が取外し可能に取り付けられている。
【0068】
(3.4.4)チェーンステー
一対のチェーンステー75は、後輪89のシャフトを支えるパイプである。各チェーンステー75の長手方向の前端は、ブラケット76に接続されている。各チェーンステー75の長手方向の後端は、シートステー74の後端に接続されている。一対のチェーンステー75は、左右方向に離れており、一対のチェーンステー75の後端部には、ハブ891に通されたシャフトを介して、後輪89が回転可能に取り付けられている。後輪89の回転軸は、走行面100に対して略平行であり、後輪89を支えるシャフトの中心軸と同じである。
【0069】
(3.4.5)シートステー
一対のシートステー74は、一対のチェーンステー75とシートチューブ73とをつなぐパイプである。実施形態1では、各シートステー74の長手方向の後端は、各チェーンステー75の長手方向の後端に接続されている。各シートステー74の長手方向の前端は、シートチューブ73に接続されている。
【0070】
(3.4.6)ブラケット
ブラケット76は、モータユニット5が取り付けられている部分である。ブラケット76には、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端が接続されている。これによって、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端は、互いに固定されている。
【0071】
(3.5)サドル
サドル84は、シートピラー841を有している。シートピラー841は、シートチューブ73の中心軸に沿うようにして、シートチューブ73に通されている。シートピラー841は、サドル84においてユーザが座る部分から下側に突出している。実施形態1では、シートピラー841は、下方向に行くに従って前方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。シートピラー841は、シートチューブ73に対し、シートチューブ73の中心軸に沿って移動可能に取り付けられている。
【0072】
(3.6)ペダル
各ペダル86は、各クランクアーム85の長手方向の端部のうち、クランク軸(後述する)側とは反対側の端部に取り付けられている。ペダル86は、クランクアーム85に対して、回転可能に取り付けられている。ペダル86の回転軸は、クランク軸の回転軸に対して略平行である。
【0073】
(3.7)動力伝達体
動力伝達体87は、モータユニット5から出力された動力を、複数の車輪81のうちの少なくとも1つに伝達する。実施形態1では、動力伝達体87は、モータユニット5の駆動スプロケットと後輪89のリアスプロケット892との間で動力伝達可能に架けられるチェーンである。動力伝達体87は、例えば、ベルト、シャフト、ワイヤ、又はギヤであってもよい。
【0074】
(3.8)モータユニット
モータユニット5は、
図1に示すように、モータ51と、制御部52と、記憶部53と、クランク軸と、駆動スプロケットと、を備えている。クランク軸及び駆動スプロケットについては、図示を省略している。モータユニット5は、駆動補助出力を出力可能な装置である。実施形態1では、モータユニット5は、人力駆動力である踏力に駆動補助出力を加えて、動力伝達体87を介して後輪89に伝達する。
【0075】
制御部52は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部52としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0076】
制御部52は、モータ51を制御する処理を実行する。より詳細には、制御部52は、所定の回転速度でモータ51が回転するように、モータ51に駆動制御信号を出力して、モータ51を制御する。例えば、制御部52は、所定の速度で利用者の踏力を補助するようにモータ51を制御する。
【0077】
記憶部53は、例えば、EEPROM等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM等の揮発性メモリを備えている。記憶部53は、ユニット情報を記憶している。ユニット情報は、一例として、バッテリ41の残量を表す残量情報、又は電動自転車2の走行時(使用時)にバッテリ41で消費されたバッテリ消費電力量を表す消費電力量情報を含み得る。また、ユニット情報は、一例として、バッテリユニット4に接続されている機器(例えば、操作装置23又はヘッドライト)の状態を表す機器状態情報を含み得る。また、ユニット情報は、モータユニット5の異常に関する異常情報を含み得る。
【0078】
モータユニット5のクランク軸には、
図2に示すように、一対のクランクアーム85が取り付けられている。クランクアーム85の長手方向は、クランク軸の回転軸に対して交差する(ここでは、直交する)。一対のクランクアーム85は、クランク軸の回転軸方向に見て一直線上に並ぶ。
【0079】
駆動スプロケットは、例えば、複数のスプロケットで構成されており、リアスプロケット892と共に変速機を構成する。この変速機の変速位置を変えることにより、電動自転車2の変速が可能となる。
【0080】
モータ51は、電動自転車2の車輪81に回転動力を与えるように構成されている。モータ51は、電動自転車2のクランク軸の近傍に設けられており、バッテリ41からの電力によって駆動し、クランク軸に動力を伝達する。
【0081】
(4)動作
次に、実施形態1に係る管理システム10の動作について、
図3を参照して説明する。
【0082】
まず、利用者が携帯する端末8は、内蔵されている撮像装置を用いて、電動自転車2に貼り付けられたシール931に記されている識別子を読み取ることで、電動自転車2の識別子を取得する(ステップS1)。その後、利用者が端末8を操作することにより、端末8は、取得した電動自転車2の識別子を外部装置3へ送信する(ステップS2)。外部装置3の制御部31は、記憶部33に記憶している第2データベースを基に、端末8から受け取った識別子に対応付けられている電動自転車2を特定する。
【0083】
利用者が操作装置23の操作部230を押操作すると、制御システム1の取得部111は、モータユニット5と通信することにより、起動信号を取得する(取得ステップS3)。すなわち、取得部111は、モータユニット5を介して操作装置23から起動信号を取得する。その後、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した起動信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する(生成ステップS4)。制御システム1の通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3へ送信する(通信ステップS5)。このとき、モータユニット5の制御部52は、操作装置23からの起動信号に基づいて、モータ51の制御を開始する。これにより、電動自転車2が起動する。
【0084】
外部装置3の制御部31は、問い合わせ信号を送信してきた電動自転車2が、識別子により特定されている電動自転車2である場合には、サークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を作成する(ステップS6)。その後、外部装置3の通信部32は、制御部31が作成した開錠許可信号を制御システム1へ送信する(通信ステップS7)。制御システム1の錠制御部113は、外部装置3から受信した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する(錠制御ステップS8)。これにより、利用者は、電動自転車2を利用することが可能となる。
【0085】
一方、外部装置3は、端末8から電動自転車2の識別子を取得していない場合には、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきても、制御システム1に対して開錠許可信号を送信しない。すなわち、実施形態1に係る管理システム10では、外部装置3は、端末(外部端末)8から移動体(電動自転車)2の識別子を受け取っている場合に、制御システム1の通信部12から問い合わせ信号を受信すると、制御システム1の通信部12に対して開錠許可信号を送信する。なお、端末8から電動自転車2の識別子を取得していない場合に、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきたとき、外部装置3は、制御システム1に対して、開錠許可信号とは異なる信号(例えば、開錠不許可信号)を送信してもよい。
【0086】
ところで、実施形態1に係る外部装置3は、以下の手順に従って、電動自転車2のレンタルに対する課金を行う。まず、外部装置3の制御部31は、サークル錠6が開錠されたことをもって課金を開始する。制御部31は、例えば、制御システム1と外部装置3との通信を介して、制御システム1からサークル錠6の状態情報(開錠状態又は施錠状態の情報)を取得し、この状態情報に基づいてサークル錠6が開錠されたか否かを判断する。そして、制御部31は、サークル錠6が開錠されていると判断した場合に、課金を開始する。この場合において、制御部31は、上述の問い合わせ信号を受信したことをもって、サークル錠6が開錠されていると判断し、課金を開始してもよい。
【0087】
一方、制御部31は、電動自転車2が駐輪場に返却されており、かつサークル錠6が施錠されたことをもって課金を終了する。制御部31は、例えば、制御システム1と外部装置3との通信を介して、制御システム1からサークル錠6の状態情報を取得し、この状態情報に基づいてサークル錠6が施錠されたか否かを判断する。また、制御部31は、例えば、制御システム1と外部装置3との通信を介して、制御システム1から返却情報を取得し、この返却情報に基づいて電動自転車2が駐輪場に返却されたか否かを判断する。返却情報は、電動自転車2が駐輪場に返却されたことを示す情報である。例えば、電動自転車2に取り付けられている制御システム1の制御部11は、駐輪場に設置されている発信機から定期的に発信されるビーコンを受信したことをもって電動自転車2が駐輪場に返却されたと判断し、その旨を示す返却情報を作成する。そして、外部装置3は、電動自転車2が駐輪場に返却されており、かつサークル錠6が施錠されていると判断した場合に、課金を終了する。
【0088】
なお、ここでは、外部装置3が課金を行う場合について説明しているが、例えば、制御システム1が課金を行ってもよい。さらに、制御システム1及び外部装置3の各々が、課金における少なくとも1つの処理を行ってもよい。
【0089】
(5)効果
実施形態1に係る制御システム1は、上述したように、取得部111と、生成部112と、通信部12と、錠制御部113と、を備える。取得部111は、電動自転車(移動体)2を起動するための操作を受け付ける操作部230を有する操作装置23から信号(例えば、起動信号)を取得する。生成部112は、取得部111が取得した信号に基づいて、電動自転車2に取り付けられているサークル錠(錠装置)6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置(特定装置)3に送信する。錠制御部113は、通信部12が問い合わせ信号に対する応答信号としてサークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を外部装置3から受信すると、サークル錠6を開錠する。
【0090】
実施形態1に係る管理システム10は、上述の制御システム1と、外部装置3と、を備えている。
【0091】
実施形態1に係る制御システム1及び管理システム10では、上述したように、利用者が操作装置23の操作部230を操作することにより、電動自転車2の起動とサークル錠6の開錠との両方を行うことが可能となる。これにより、電動自転車2の起動とサークル錠6の開錠とを別々の操作により行う場合に比べて、利便性を向上させることが可能となる。
【0092】
また、実施形態1に係る電動自転車2では、操作装置23が電動自転車2のハンドル83(特定部分20)に設けられているので、例えば、操作装置23がバッテリ41又はサークル錠6に設けられている場合に比べて、利用者が操作しやすいという利点もある。
【0093】
(6)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、制御システム1と同様の機能は、制御方法の他に、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0094】
一態様に係る制御方法は、取得ステップS3と、生成ステップS4と、通信ステップS5,S7と、錠制御ステップS8と、を有する。取得ステップS3は、電動自転車(移動体)2を起動するための操作を受け付ける操作部230を有する操作装置23から信号(例えば、起動信号)を取得するステップである。生成ステップS4は、取得ステップS3で取得した信号に基づいて、電動自転車2に取り付けられているサークル錠(錠装置)6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成するステップである。通信ステップS5は、生成ステップS4で生成した問い合わせ信号を外部装置(特定装置)3に送信するステップである。錠制御ステップS8は、通信ステップS7で問い合わせ信号に対する応答信号としてサークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を外部装置3から受信すると、サークル錠6を開錠するステップである。また、一態様に係るプログラムは、上述の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるプログラムである。
【0095】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0096】
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0097】
また、制御システム1における複数の機能が、1つの筐体に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではない。制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、実施形態1のように、制御システム1の全ての機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。
【0098】
実施形態1では、電動自転車2の特定部分20が電動自転車2のハンドル83であるが、これに限らない。電動自転車2の特定部分20は、例えば、バッテリ41であってもよい。すなわち、操作部230を有する操作装置23は、バッテリ41を含むバッテリユニット4に設けられていてもよい。また、電動自転車2の特定部分20は、例えば、サークル錠(錠装置)6であってもよい。すなわち、操作部230を有する操作装置23は、サークル錠6に設けられていてもよい。
【0099】
実施形態1では、制御システム1の全てがサークル錠6に設けられているが、例えば、制御システム1の少なくとも一部の機能(例えば、取得部111)はモータユニット5に設けられていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能は、例えば、バッテリユニット4に設けられていてもよいし、操作装置23に設けられていてもよい。要するに、制御システム1の少なくとも一部の機能がサークル錠6以外の部品に設けられていてもよい。
【0100】
実施形態1では、制御システム1の取得部111は、操作装置23からの信号として、操作部230が操作された際に出力される起動信号を取得しているが、これに限らない。取得部111は、操作装置23からの信号として、起動信号とは異なる信号(例えば、開錠信号)を取得してもよい。この場合、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した開錠信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。
【0101】
実施形態1では、制御システム1の通信部12は、インターネットを介して外部装置3に問い合わせ信号を送信しているが、これに限らない。例えば、通信部12は、LAN(Local Area Network)を介して、LANが構築されているエリア内にある外部装置に向けて問い合わせ信号を送信してもよい。
【0102】
実施形態1において、錠装置6は、サークル錠6に限らない。つまり、錠装置6は、電動自転車2を施錠可能な装置であればよい。
【0103】
実施形態1では、モータユニット5は、二軸式のモータユニットであるが、一軸式のモータユニットであってもよい。また、実施形態1では、モータユニット5はセンタユニット方式のモータユニットであるが、これに限らない。例えば、モータユニット5は、前輪88のハブ881にモータが取り付けられたフロントハブユニット方式のモータユニットであってもよい。また、例えば、モータユニット5は、後輪89のハブ891にモータが取り付けられたリアハブユニット方式のモータユニットであってもよい。
【0104】
実施形態1では、電動自転車2は、利用者の踏力をモータ51によって補助する電動アシスト自転車であるが、これに限らない。例えば、電動自転車2は、踏力により車輪81に動力を与える駆動系(人力駆動系)と、モータ51により車輪81に動力を与える駆動系(モータ駆動系)とが独立している自転車(モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車)であってもよい。要するに、電動自転車2は、電動アシスト自転車であってもよいし、モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車であってもよい。
【0105】
実施形態1では、電動自転車2は、1つの前輪88及び1つの後輪89を備える二輪自転車であるが、これに限らない。例えば、電動自転車2は、1つの前輪88及び2つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。または、電動自転車2は、2つの前輪88及び1つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。また、電動自転車2は、2つの前輪88及び2つの後輪89を備える四輪自転車であってもよい。
【0106】
(実施形態2)
実施形態2に係る制御システム1、管理システム10及び電動自動車2Aについて、
図4及び
図5を参照して説明する。
【0107】
実施形態2に係る電動自転車2Aでは、操作装置23Aが第1操作部231及び第2操作部232を有している点で、実施形態1に係る電動自転車2と相違する。実施形態2に係る電動自転車2Aでは、それ以外の構成については実施形態1に係る電動自転車2と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
(1)詳細
実施形態2に係る電動自転車2Aでは、
図4に示すように、操作装置23Aは、第1操作部231及び第2操作部232を有している。第1操作部231は、例えば、電源スイッチであり、電動自転車2Aを起動するための第1操作を受け付ける。第2操作部232は、例えば、開錠スイッチであり、電動自転車2Aに取り付けられているサークル錠6を開錠するための第2操作を受け付ける。要するに、実施形態2に係る電動自転車2Aでは、電動自転車2Aを起動するための第1操作部231と、サークル錠6を開錠するための第2操作部232とが別々に設けられている。また、実施形態2に係る電動自転車2Aでは、第1操作部231と第2操作部232とが同一の操作装置23Aに設けられている。
【0109】
例えば、第1操作部231としての押しボタン(押し操作部)と、第2操作部232としての押しボタン(押し操作部)とが、隣接して設けられている。なお、第1操作部231の押しボタンは、例えば、丸状であるが、他の形状であってもよい。また、第2操作部232の押しボタンは、例えば、丸状であるが、他の形状であってもよい。
【0110】
操作装置23Aは、第1操作部231が操作されると起動信号を出力し、第2操作部232が操作されると開錠信号を出力する。操作装置23Aから出力される起動信号はモータユニット5に送信されて、モータユニット5が動作可能な状態になる。操作装置23Aから出力される開錠信号は、制御システム1とモータユニット5とが通信することにより、制御システム1へ送信される。
【0111】
制御システム1は、
図4に示すように、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備えている。また、制御部11は、取得部111と、生成部112と、錠制御部113と、を有している。
【0112】
取得部111は、モータユニット5と通信することにより、操作装置23から出力される開錠信号を取得する。より詳細には、取得部111は、モータユニット5と通信することにより、第2操作部232が第2操作を受け付けた際に操作装置23から出力される開錠信号を取得する。開錠信号は、サークル錠(錠装置)6の開錠を要求するための信号である。
【0113】
生成部112は、取得部111が取得した開錠信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。問い合わせ信号には、上述したように、当該問い合わせ信号の送信元である電動自転車2Aの識別情報(例えば、アドレス)が含まれている。
【0114】
錠制御部113は、通信部12が外部装置3から開錠許可信号を受信すると、サークル錠6を開錠する。開錠許可信号は、上述の問い合わせ信号に対する応答信号であって、サークル錠6の開錠を許可するための信号である。
【0115】
通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3に送信する。また、通信部12は、外部装置3から上述の開錠許可信号を受信する。すなわち、通信部12は、外部装置3との間で双方向に通信可能である。実施形態2に係る制御システム1では、外部装置3が特定装置である。
【0116】
(2)動作
次に、実施形態2に係る管理システム10の動作について、
図5を参照して説明する。
【0117】
まず、利用者が携帯する端末8は、内蔵されている撮像装置を用いて、電動自転車2Aに貼り付けられたシール931に記されている識別子を読み取ることで、電動自転車2Aの識別子を取得する(ステップS11)。その後、利用者が端末8を操作することにより、端末8は、取得した電動自転車2Aの識別子を外部装置3へ送信する(ステップS12)。外部装置3の制御部31は、記憶部33に記憶している第2データベースを基に、端末8から受け取った識別子に対応付けられている電動自転車2Aを特定する。
【0118】
利用者が操作装置23Aの第2操作部232を押操作すると、制御システム1の取得部111は、モータユニット5と通信することにより、開錠信号を取得する(取得ステップS13)。すなわち、取得部111は、モータユニット5を介して操作装置23から開錠信号を取得する。その後、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した開錠信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する(生成ステップS14)。制御システム1の通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3へ送信する(通信ステップS15)。
【0119】
外部装置3の制御部31は、問い合わせ信号を送信してきた電動自転車2Aが、識別子により特定されている電動自転車2Aである場合には、サークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を作成する(ステップS16)。その後、外部装置3の通信部32は、制御部31が生成した開錠許可信号を制御システム1へ送信する(通信ステップS17)。制御システム1の錠制御部113は、外部装置3から受信した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する(錠制御ステップS18)。これにより、利用者は、電動自転車2Aを利用することが可能となる。
【0120】
一方、外部装置3は、端末8から電動自転車2Aの識別子を取得していない場合には、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきても、制御システム1に対して開錠許可信号を送信しない。すなわち、実施形態2に係る管理システム10では、外部装置3は、端末(外部端末)8から移動体(電動自転車)2の識別子を受け取っている場合に、制御システム1の通信部12から問い合わせ信号を受信すると、制御システム1の通信部12に対して開錠許可信号を送信する。なお、端末8から電動自転車2の識別子を取得していない場合に、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきたとき、外部装置3は、制御システム1に対して、開錠許可信号とは異なる信号(例えば、開錠不許可信号)を送信してもよい。
【0121】
(3)効果
実施形態2に係る制御システム1は、上述したように、取得部111と、生成部112と、通信部12と、錠制御部113と、を備える。取得部111は、操作装置23Aから開錠信号を取得する。操作装置23Aは、第1操作部231及び第2操作部232を有する。第1操作部231は、移動体(電動自転車)2を起動するための第1操作を受け付ける。第2操作部232は、移動体2に取り付けられている錠装置(サークル錠)6を開錠するための第2操作を受け付ける。開錠信号は、第2操作部232が第2操作を受け付けた際に操作装置23A出力される信号である。生成部112は、取得部111が取得した開錠信号に基づいて、錠装置6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置(特定装置)3に送信する。錠制御部113は、通信部12が問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置6の開錠を許可する開錠許可信号を外部装置3から受信すると、錠装置6を開錠する。
【0122】
実施形態2に係る制御システム1では、上述したように、第1操作部231及び第2操作部232が同一(1つ)の操作装置23Aに設けられている。そのため、第1操作部と第2操作部とが別々の操作装置に設けられている場合に比べて、利便性を向上させることが可能となる。
【0123】
(4)変形例
実施形態2は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。実施形態2は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、制御システム1と同様の機能は、制御方法の他に、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0124】
一態様に係る制御方法は、取得ステップS13と、生成ステップS14と、通信ステップS15,S17と、錠制御ステップS18と、を有する。取得ステップS13は、操作装置23Aから開錠信号を取得するステップである。操作装置23Aは、第1操作部231及び第2操作部232を有する。第1操作部231は、移動体(電動自転車)2を起動するための第1操作を受け付ける。第2操作部232は、移動体2に取り付けられている錠装置(サークル錠)6を開錠するための第2操作を受け付ける。開錠信号は、第2操作部232が第2操作を受け付けた際に操作装置23Aから出力される信号である。生成ステップS14は、取得ステップS13で取得した開錠信号に基づいて、錠装置6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成するステップである。通信ステップS15は、生成ステップS14で生成した問い合わせ信号を外部装置(特定装置)3に送信するステップである。錠制御ステップS18は、通信ステップS17で問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置6の開錠を許可する開錠許可信号を外部装置3から受信すると、錠装置6を開錠するステップである。また、一態様に係るプログラムは、上述の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるプログラムである。
【0125】
実施形態2(変形例を含む)で説明した構成は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0126】
(実施形態3)
実施形態3に係る制御システム1、管理システム10及び電動自動車2Bについて、
図6~
図9を参照して説明する。
【0127】
実施形態3に係る電動自転車2Bでは、制御システム1の通信部12がネットワークN1に接続されておらず、端末8及びネットワークN1を介して外部装置3と通信可能である点で、実施形態1に係る電動自転車2と相違する。実施形態3に係る電動自転車2Bでは、それ以外の構成については実施形態1に係る電動自転車2と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0128】
(1)構成
実施形態3に係る電動自転車2Bでは、制御システム1の通信部12は、
図6に示すように、ネットワークN1に接続されておらず、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)に準拠した無線通信によって端末8と通信可能である。一方、端末8は、
図6に示すように、ネットワークN1に接続可能であり、ネットワークN1を介して外部装置3と通信可能である。すなわち、実施形態3に係る電動自転車2Bでは、制御システム1の通信部12は、端末8及びネットワークN1を介して外部装置3と通信可能である。なお、制御システム1の通信部12と端末8との無線通信は、BLEに準拠した無線通信に限らず、例えば、Wi-Fi(登録商標)に準拠した無線通信であってもよいし、ZigBee(登録商標)に準拠した無線通信であってもよい。
【0129】
(2)動作
(2.1)動作例1
次に、実施形態3に係る管理システム10の動作例1について、
図7を参照して説明する。
【0130】
まず、利用者が携帯する端末8は、内蔵されている撮像装置を用いて、電動自転車2Bに貼り付けられたシール931(
図2参照)に記されている識別子を読み取ることで、電動自転車2Bの識別子を取得する(ステップS21)。その後、利用者が端末8を操作することにより、端末8は、取得した電動自転車2Bの識別子を外部装置3へ送信する(ステップS22)。外部装置3の制御部31は、記憶部33に記憶している第2データベースを基に、端末8から受け取った識別子に対応付けられている電動自転車2Bを特定する。
【0131】
利用者が操作装置23の操作部230を押操作すると、制御システム1の取得部111は、モータユニット5と通信することにより、起動信号を取得する(取得ステップS23)。すなわち、取得部111は、モータユニット5を介して操作装置23から起動信号を取得する。その後、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した起動信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する(生成ステップS24)。制御システム1の通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3へ送信する(通信ステップS25,S26)。ここで、「制御システム1の通信部12が問い合わせ信号を外部装置3へ送信する」とは、制御システム1の通信部12が問い合わせ信号を直接外部装置3へ送信する場合と、制御システム1の通信部12が端末8を介して問い合わせ信号を外部装置3へ送信する場合と、を含む。動作例1では、制御システム1の通信部12は、端末8を介して問い合わせ信号を外部装置3へ送信する。このとき、モータユニット5の制御部52は、操作装置23からの起動信号に基づいて、モータ51の制御を開始する。これにより、電動自転車2が起動する。
【0132】
外部装置3の制御部31は、問い合わせ信号を送信してきた電動自転車2Bが、識別子により特定されている電動自転車2Bである場合には、サークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を作成する(ステップS27)。その後、外部装置3の通信部32は、制御部31が作成した開錠許可信号を制御システム1へ送信する(通信ステップS28,S29)。ここで、「外部装置3の通信部32が開錠許可信号を制御システム1へ送信する」とは、外部装置3の通信部32が開錠許可信号を直接制御システム1へ送信する場合と、外部装置3の通信部32が端末8を介して開錠許可信号を制御システム1へ送信する場合と、を含む。動作例1では、外部装置3の通信部32は、端末8を介して開錠許可信号を制御システム1へ送信する。制御システム1の錠制御部113は、端末8を介して外部装置3から受信した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する(錠制御ステップS30)。これにより、利用者は、電動自転車2Bを利用することが可能となる。
【0133】
一方、外部装置3は、端末8から電動自転車2Bの識別子を取得していない場合には、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきても、制御システム1に対して開錠許可信号を送信しない。すなわち、実施形態3に係る管理システム10では、外部装置3は、端末(外部端末)8から移動体(電動自転車)2Bの識別子を受け取っている場合に、制御システム1の通信部12から問い合わせ信号を受信すると、制御システム1の通信部12に対して開錠許可信号を送信する。なお、端末8から電動自転車2Bの識別子を取得していない場合に、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきたとき、外部装置3は、制御システム1に対して、開錠許可信号とは異なる信号(例えば、開錠不許可信号)を送信してもよい。動作例1では、外部装置3が特定装置である。
【0134】
(2.2)動作例2
次に、実施形態3に係る管理システム10の動作例2について、
図8を参照して説明する。
【0135】
まず、利用者が携帯する端末8は、内蔵されている撮像装置を用いて、電動自転車2Bに貼り付けられたシール931(
図2参照)に記されている識別子を読み取ることで、電動自転車2Bの識別子を取得する(ステップS31)。その後、利用者が端末8を操作することにより、端末8は、取得した電動自転車2Bの識別子を外部装置3へ送信する(ステップS32)。外部装置3の制御部31は、記憶部33に記憶している第2データベースを基に、端末8から受け取った識別子に対応付けられている電動自転車2Bを特定する。
【0136】
外部装置3の制御部31は、特定した電動自転車2Bのサークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を作成する(ステップS33)。その後、外部装置3の通信部32は、制御部31が作成した開錠許可信号を端末8へ送信する(ステップS34)。
【0137】
利用者が操作装置23の操作部230を押操作すると、制御システム1の取得部111は、モータユニット5と通信することにより、起動信号を取得する(取得ステップS35)。すなわち、取得部111は、モータユニット5を介して操作装置23から起動信号を取得する。その後、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した起動信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する(生成ステップS36)。制御システム1の通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を端末8へ送信する(通信ステップS37)。このとき、モータユニット5の制御部52は、操作装置23からの起動信号に基づいて、モータ51の制御を開始する。これにより、電動自転車2Bが起動する。
【0138】
端末8は、制御システム1からの問い合わせ信号に対し、開錠許可信号を制御システム1へ送信する(通信ステップS38)。制御システム1の錠制御部113は、端末8から受信した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する(錠制御ステップS39)。これにより、利用者は、電動自転車2Bを利用することが可能となる。
【0139】
一方、外部装置3は、端末8から電動自転車2Bの識別子を取得していない場合には、端末8に対して開錠許可信号を送信しない。したがって、この場合には、端末8は、制御システム1の通信部12から問い合わせ信号を受信しても、制御システム1に対して開錠許可信号を送信しない。なお、この場合において、端末8は、制御システム1に対して、開錠許可信号とは異なる信号(例えば、開錠不許可信号)を送信してもよい。動作例2では、端末8が特定装置である。
【0140】
(2.3)動作例3
次に、実施形態3に係る管理システム10の動作例3について、
図9を参照して説明する。
【0141】
まず、利用者が操作装置23の操作部230を押操作すると、制御システム1の取得部111は、モータユニット5と通信することにより、起動信号を取得する(取得ステップS41)。すなわち、取得部111は、モータユニット5を介して操作装置23から起動信号を取得する。その後、制御システム1の生成部112は、取得部111が取得した起動信号に基づいて、サークル錠6の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する(生成ステップS42)。制御システム1の通信部12は、生成部112が生成した問い合わせ信号を外部装置3へ送信する(通信ステップS43,S45)。動作例3では、制御システム1の通信部12は、端末8を介して問い合わせ信号を外部装置3へ送信する。また、制御システム1の通信部12は、電動自転車2Bの識別子を取得する旨の指示を含む指示信号を端末8へ送信する(通信ステップS43)。このとき、モータユニット5の制御部52は、操作装置23からの起動信号に基づいて、モータ51の制御を開始する。これにより、電動自転車2Bが起動する。
【0142】
利用者が携帯する端末8は、制御システム1からの指示信号に従って、内蔵されている撮像装置を用いて、電動自転車2Bに貼り付けられたシール931(
図2参照)に記されている識別子を読み取ることで、電動自転車2Bの識別子を取得する(ステップS44)。その後、利用者が端末8を操作することにより、端末8は、取得した電動自転車2Bの識別子を外部装置3へ送信する(通信ステップS45)。動作例3では、端末8は、通信ステップS45において、問い合わせ信号及び識別子情報を外部装置3へ送信する。外部装置3の制御部31は、記憶部33に記憶している第2データベースを基に、端末8から受け取った識別子に対応付けられている電動自転車2Bを特定する。
【0143】
外部装置3の制御部31は、問い合わせ信号を送信してきた電動自転車2Bが、識別子により特定されている電動自転車2Bである場合には、サークル錠6の開錠を許可する開錠許可信号を作成する(ステップS46)。その後、外部装置3の通信部32は、制御部31が作成した開錠許可信号を制御システム1へ送信する(通信ステップS47,S48)。動作例3では、外部装置3の通信部32は、端末8を介して開錠許可信号を制御システム1へ送信する。制御システム1の錠制御部113は、端末8を介して外部装置3から受信した開錠許可信号に基づいて、サークル錠6を開錠する(錠制御ステップS49)。これにより、利用者は、電動自転車2Bを利用することが可能となる。
【0144】
一方、外部装置3は、端末8から電動自転車2Bの識別子を取得していない場合には、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきても、制御システム1に対して開錠許可信号を送信しない。すなわち、動作例3では、外部装置3は、端末(外部端末)8から移動体(電動自転車)2Bの識別子を受け取っている場合に、制御システム1の通信部12から問い合わせ信号を受信すると、制御システム1の通信部12に対して開錠許可信号を送信する。なお、端末8から電動自転車2Bの識別子を取得していない場合に、制御システム1から問い合わせ信号が送られてきたとき、外部装置3は、制御システム1に対して、開錠許可信号とは異なる信号(例えば、開錠不許可信号)を送信してもよい。動作例3では、外部装置3が特定装置である。
【0145】
実施形態3に係る制御システム1によれば、通信部12をネットワークN1に接続することなく、制御システム1と外部装置3との間で通信を行うことが可能となる。
【0146】
実施形態3(変形例を含む)で説明した構成は、実施形態1,2で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0147】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0148】
第1の態様に係る制御システム(1)は、取得部(111)と、生成部(112)と、通信部(12)と、錠制御部(113)と、を備える。取得部(111)は、移動体(2;2B)を起動するための操作を受け付ける操作部(230)を有する操作装置(23)から信号を取得する。生成部(112)は、取得部(111)が取得した信号に基づいて、移動体(2;2B)に取り付けられている錠装置(6)の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。通信部(12)は、生成部(112)が生成した問い合わせ信号を特定装置(3;8)に送信する。錠制御部(113)は、通信部(12)が問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置(6)の開錠を許可する開錠許可信号を特定装置(3;8)から受信すると、錠装置(6)を開錠する。
【0149】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0150】
第2の態様に係る制御システム(1)は、取得部(111)と、生成部(112)と、通信部(12)と、錠制御部(113)と、を備える。取得部(111)は、操作装置(23A)から開錠信号を取得する。操作装置(23A)は、第1操作部(231)及び第2操作部(232)を有する。第1操作部(231)は、移動体(2A)を起動するための第1操作を受け付ける。第2操作部(232)は、移動体(2A)に取り付けられている錠装置(6)を開錠するための第2操作を受け付ける。開錠信号は、第2操作部(232)が第2操作を受け付けた際に操作装置(23A)から出力される信号である。生成部(112)は、取得部(111)が取得した開錠信号に基づいて、錠装置(6)の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成する。通信部(12)は、生成部(112)が生成した問い合わせ信号を特定装置(3;8)に送信する。錠制御部(113)は、通信部(12)が問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置(6)の開錠を許可する開錠許可信号を特定装置(3;8)から受信すると、錠装置(6)を開錠する。
【0151】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0152】
第3の態様に係る制御システム(1)では、第1又は第2の態様において、操作装置(23;23A)は、移動体(2;2A;2B)の特定部分(20)に設けられている。
【0153】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0154】
第4の態様に係る制御システム(1)では、第3の態様において、移動体(2;2A;2B)は、移動体本体(7)と、移動体本体(7)に取り付けられるハンドル(83)と、を有する。特定部分(20)は、ハンドル(83)である。
【0155】
この態様によれば、利用者が操作しやすい。
【0156】
第5の態様に係る制御システム(1)では、第3の態様において、移動体(2;2A;2B)は、モータ(51)と、モータ(51)に電力を供給するバッテリ(41)と、を有する。特定部分(20)は、バッテリ(41)である。
【0157】
この態様によれば、第三者に操作されにくい。
【0158】
第6の態様に係る制御システム(1)では、第3の態様において、特定部分(20)は、錠装置(6)である。
【0159】
この態様によれば、第三者に操作されにくい。
【0160】
第7の態様に係る管理システム(10)は、第1~第6の態様のいずれか1つの制御システム(1)と、特定装置(3;8)と、を備える。
【0161】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0162】
第8の態様に係る管理システム(10)では、第7の態様において、特定装置(3)は、外部端末(8)から移動体(2;2A;2B)の識別子を受け取っている場合に、制御システム(1)の通信部(12)から問い合わせ信号を受信すると、制御システム(1)の通信部(12)に対して開錠許可信号を送信する。
【0163】
この態様によれば、利用者が選択した移動体(2;2A;2B)の錠装置(6)を開錠することが可能となる。
【0164】
第9の態様に係る制御方法は、取得ステップ(S3;S23;S35;S41)と、生成ステップ(S4;S24;S36;S42)と、通信ステップ(S5,S7;S25,S26,S28,S29;S37,S38;S43,S45,S47,S48)と、錠制御ステップ(S8;S30;S39;S49)と、を有する。取得ステップ(S3;S23;S35;S41)は、移動体(2;2B)を起動するための操作を受け付ける操作部(230)を有する操作装置(23)から信号を取得するステップである。生成ステップ(S4;S24;S36;S42)は、取得ステップ(S3;S23;S35;S41)で取得した信号に基づいて、移動体(2;2B)に取り付けられている錠装置(6)の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成するステップである。通信ステップ(S5;S25,S26;S37;S43,S45)は、生成ステップ(S4;S24;S36;S42)で生成した問い合わせ信号を特定装置(3;8)に送信するステップである。錠制御ステップ(S8;S30;S39;S49)は、通信ステップ(S7;S28,S29;S38;S47,S48)で問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置(6)の開錠を許可する開錠許可信号を特定装置(3;8)から受信すると、錠装置(6)を開錠するステップである。
【0165】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0166】
第10の態様に係る制御方法は、取得ステップ(S13)と、生成ステップ(S14)と、通信ステップ(S15,S17)と、錠制御ステップ(S18)と、を有する。取得ステップ(S13)は、操作装置(23A)から開錠信号を取得するステップである。操作装置(23A)は、第1操作部(231)及び第2操作部(232)を有する。第1操作部(231)は、移動体(2)を起動するための第1操作を受け付ける。第2操作部(232)は、移動体(2)に取り付けられている錠装置(6)を開錠するための第2操作を受け付ける。開錠信号は、第2操作部(232)が第2操作を受け付けた際に操作装置(23A)から出力される信号である。生成ステップ(S14)は、取得ステップ(S13)で取得した開錠信号に基づいて、錠装置(6)の開錠を問い合わせる問い合わせ信号を生成するステップである。通信ステップ(S15)は、生成ステップ(S14)で生成した問い合わせ信号を特定装置(3;8)に送信するステップである。錠制御ステップ(S18)は、通信ステップ(S17)で問い合わせ信号に対する応答信号として錠装置(6)の開錠を許可する開錠許可信号を特定装置(3;8)から受信すると、錠装置(6)を開錠するステップである。
【0167】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0168】
第11の態様に係るプログラムは、第9又は第10の態様に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0169】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0170】
第12の態様に係る移動体(2;2A;2B)は、第1~第6の態様のいずれか1つに係る制御システム(1)と、移動体本体(7)と、を備える。移動体本体(7)は、制御システム(1)が取り付けられている。
【0171】
この態様によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【0172】
第2~第6の態様に係る構成については、制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0173】
第8の態様に係る構成については、管理システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 制御システム
2,2A,2B 電動自転車(移動体)
3 外部装置(特定装置)
6 サークル錠(錠装置)
7 フレーム(移動体本体)
8 端末(特定装置)
10 管理システム
12 通信部
20 特定部分
23,23A 操作装置
41 バッテリ
83 ハンドル
111 取得部
112 生成部
113 錠制御部
230 操作部
231 第1操作部
232 第2操作部
S3,S13,S23,S35,S41 取得ステップ
S4,S14,S24,S36,S42 生成ステップ
S5,S7,S15,S17,S25,S26,S28,S29,S37,S38,S43,S45,S47,S48 通信ステップ
S8,S18,S30,S39,S49 錠制御ステップ