(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159964
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】固体撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241031BHJP
G02F 1/1368 20060101ALN20241031BHJP
G02F 1/133 20060101ALN20241031BHJP
G02F 1/1334 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
H01L27/146 C
G02F1/1368
G02F1/133 580
G02F1/1334
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150461
(22)【出願日】2024-09-02
(62)【分割の表示】P 2023069817の分割
【原出願日】2011-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2010198928
(32)【優先日】2010-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】青木 健
(72)【発明者】
【氏名】黒川 義元
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】田村 輝
(57)【要約】
【課題】フォトセンサを有する表示装置において、フォトセンサの出力が変化し、撮像品
質が低下することを防ぐ画素構成とすることを課題の一つとする。
【解決手段】FDの電位の変化を抑えるため、FDと信号線との寄生容量が小さくなる、
或いは、寄生容量がなくなるように、FDと撮像用信号線(PR配線や、TX配線や、S
E配線)との間、またはFDと表示用信号線との間にシールド配線を配置する画素レイア
ウト構成とする。シールド配線としては、撮像用電源線、表示用電源線、GND配線、ま
たはコモン電位配線などの電位が固定された共通配線を用いる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトダイオードと、
前記フォトダイオードのアノードが電気的に接続される第1の配線と、
前記第1の配線と電気的に接続される第2の配線と、
ゲートが第3の配線と電気的に接続され、且つソースまたはドレインの一方が前記フォトダイオードのカソードと電気的に接続され、且つソースまたはドレインの他方が第4の配線と電気的に接続される第1のトランジスタと、
ゲートが前記第4の配線と電気的に接続され、且つソースまたはドレインの一方が第5の配線と電気的に接続される第2のトランジスタと、
ゲートが第6の配線と電気的に接続され、且つソースまたはドレインの一方が前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、且つソースまたはドレインの他方が第7の配線と電気的に接続される第3のトランジスタと、
前記フォトダイオードの側面と接する領域を有する第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
を有する画素を複数含む、固体撮像装置であって、
前記第1の配線は、平面視において凸部を有し、
前記凸部は、平面視において前記アノードと重なり且つ前記カソードと重なる領域を有し、
前記第1の配線は、前記第2の絶縁層を介して前記第2の配線と重なる領域を有するように配置され、
前記第1の配線、前記第4の配線及び前記第5の配線は、前記第2の絶縁層の第1の面に接する領域を有するように配置され、
前記第2の配線、前記第3の配線及び前記第6の配線は、前記第2の絶縁層の第2の面に接する領域を有するように配置され、
前記第4の配線は、平面視において前記第1の配線と前記第5の配線との間に配置され、
前記第1の配線は、平面視において前記第2の配線と交差し、
前記第5の配線は、平面視において前記第2の配線、前記第3の配線及び前記第6の配線と交差し、
前記第1の絶縁層は、平面視において前記フォトダイオードの受光面と重なる第1の領域及び前記受光面と重ならない第2の領域を有し、
前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に接続するためのコンタクトホールは、平面視において前記第2の領域に重なるように配置され、
平面視において、一の画素における前記第4の配線と、前記一の画素に隣接する画素との間には、一定電位の配線が配置され、
前記第1の配線は、第1の方向に延伸する領域を有し、
前記第2の配線は、前記第1の方向と交差する第2の方向に延伸する領域を有し、
前記第3の配線は、前記第2の方向に延伸する領域を有し、
前記第5の配線は、前記第1の方向に延伸する領域を有し、
前記第6の配線は、前記第2の方向に延伸する領域を有する、固体撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
フォトセンサとトランジスタで構成された回路を有する電子機器に関する。例えば、タッ
チパネルを利用した液晶表示パネルに代表される電気光学装置を部品として搭載した電子
機器に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSセンサは、デジタルカメラや携帯電話を中心に搭載されており、重要な撮像機能
を持つ。CMOSセンサは、MOSトランジスタの増幅機能を用いたフォトセンサであり
、汎用のCMOSプロセスを用いて製造できる。また、CCDセンサに比べて駆動電圧が
低いため、固体撮像装置の消費電力を低く抑えることができる。
【0003】
また、タッチセンサを搭載した表示装置が注目されている。タッチセンサを搭載した表示
装置は、タッチパネル又はタッチスクリーンなどと呼ばれている(以下、これを単に「タ
ッチパネル」とも呼ぶ)。タッチパネルは、パーソナルコンピュータや携帯電話を中心に
搭載されており、表示と操作を同一パネル上で行うことができる機能を持つ。また、光方
式のタッチセンサを搭載した表示装置が、特許文献1に開示されている。
【0004】
CMOSセンサは、フォトダイオードによる電荷の蓄積動作と、上記電荷の読み出し動作
と上記電荷のリセット動作の3つを行う。上記3つの動作の際、フォトダイオードで生成
した光電流により電荷を蓄積するノード(以下、FDと記す)と制御信号を供給する配線
を用いる。この電荷の蓄積を行うFDの電位が信号線の電位の変動の影響を受けにくいレ
イアウトにする固体撮像装置の構成が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-292276号公報
【特許文献2】特開2006-148513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記3つの動作の際、フォトダイオードで生成した光電流により電荷を蓄積するFDと制
御信号を供給する配線や、その他の信号線との間に寄生容量が存在する場合、上記信号の
変化により、FDの電位が変化する。その結果、フォトセンサの出力が変化し、撮像品質
が低下する。
【0007】
また、CMOSセンサを用いた表示装置では、各画素内にFDが配置されている。その
ため、撮像素子の配線同様に、表示素子の信号線と、FDとの間に寄生容量が存在する場
合、上記信号の変化により、FDの電位が変化する。その結果、フォトセンサの出力が変
化し、撮像品質が低下する。
【0008】
フォトセンサの出力が変化し、撮像品質が低下することを防ぐ画素構成とすることを課題
の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
FDの電位の変化を抑えるため、FDと信号線との寄生容量が小さくなる、或いは、寄生
容量がなくなるように、FDと撮像用信号線(PR配線や、TX配線や、SE配線)との
間、またはFDと表示用信号線との間にシールド配線を配置する画素レイアウト構成とす
る。シールド配線としては、撮像用電源線、表示用電源線、GND配線、またはコモン電
位配線などの電位が固定された共通配線を用いる。
【0010】
本明細書で開示する本発明の一態様は、隣り合う画素の2本の容量線を第1のシールド配
線及び第2のシールド配線として用い、FD(ノード)と表示用信号線との間にそれぞれ
配置することでFDの電位の変化を抑える。具体的には、第1の画素電極及び第1の信号
線に電気的に接続された第1のトランジスタと、フォトダイオードに電気的に接続された
第2のトランジスタと、第2の画素電極及び第2の信号線に電気的に接続された第3のト
ランジスタとを有し、第2のトランジスタは、電荷を蓄積するノードと電気的に接続し、
ノードは、第1のトランジスタと電気的に接続された第1の信号線との間に第1のシール
ド配線を有し、ノードは、第3のトランジスタと電気的に接続された第2の信号線との間
に第2のシールド配線を有する画素構成を有することを特徴の一つとする電子機器である
。ただし、ノードは、第1のトランジスタと電気的に接続された信号線との間にシールド
配線を有するとは、画素平面図においてノードと信号線との間にシールド配線が配置され
た画素レイアウトを指している。
【0011】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0012】
また、本発明の他の一態様は、画素の容量線をシールド配線として用い、FD(ノード)
と表示用信号線との間に配置し、且つ、FD(ノード)とTX配線との間に同じシールド
配線を配置することでFDの電位の変化を抑える。具体的には、画素電極及び第1の信号
線に電気的に接続された第1のトランジスタと、フォトダイオードに電気的に接続された
第2のトランジスタと、第2のトランジスタは、電荷を蓄積するノードと電気的に接続し
、ノードは、第1のトランジスタと電気的に接続された第1の信号線との間にシールド配
線を有し、ノードは、第2のトランジスタのゲートと電気的に接続された第2の信号線と
の間にシールド配線を有することを特徴の一つとする電子機器である。
【0013】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0014】
また、本発明の他の一態様は、画素の容量線をシールド配線として用い、FD(ノード)
と表示用信号線との間に配置し、且つ、FD(ノード)とPR配線との間に同じシールド
配線を配置することでFDの電位の変化を抑える。具体的には、画素電極及び第1の信号
線に電気的に接続された第1のトランジスタと、フォトダイオードに電気的に接続された
第2のトランジスタと、第2のトランジスタは、電荷を蓄積するノードと電気的に接続し
、ノードは、第1のトランジスタと電気的に接続された第1の信号線との間にシールド配
線を有し、ノードは、フォトダイオードと電気的に接続された第2の信号線との間に前記
シールド配線を有することを特徴の一つとする電子機器である。
【0015】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0016】
また、本発明の他の一態様は、画素の容量線をシールド配線として用い、FD(ノード)
と表示用信号線との間に配置し、且つ、FD(ノード)とSE配線との間に同じシールド
配線を配置することでFDの電位の変化を抑える。具体的には、画素電極及び第1の信号
線に電気的に接続された第1のトランジスタと、フォトダイオードに電気的に接続された
第2のトランジスタと、電荷を蓄積するノードをゲートとする第3のトランジスタと、第
3のトランジスタと電気的に接続された第4のトランジスタとを有し、第2のトランジス
タは、前記ノードと電気的に接続し、ノードは、第1のトランジスタと電気的に接続され
た前記第1の信号線との間にシールド配線を有し、ノードは、第4のトランジスタのゲー
トと電気的に接続された第2の信号線との間に前記シールド配線を有することを特徴の一
つとする電子機器である。
【0017】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【発明の効果】
【0018】
ノードの電位に影響を与える恐れのある信号線との寄生容量を低減することで、フォトセ
ンサの出力の変動を抑え、撮像品質が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本発明の一態様を示す画素の等価回路図である。
【
図4】本発明の一態様を示すフォトセンサの駆動回路の概略図である。
【
図5】本発明の一態様を示す画素の等価回路図である。
【
図6】本発明の一態様を示すタイミングチャートを示す図である。
【
図7】本発明の一態様を示す画素のレイアウト図である。
【
図8】本発明の一態様を示すフォトセンサに接続するトランジスタ周辺の上面図および断面図である。
【
図9】本発明の一態様を示す電子機器を示す図及びブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態では、画像表示を行う表示部1032を有する電子機器1030の一例を図
1(A)及び
図1(B)に示す。
【0022】
電子機器1030の表示部1032はフォトセンサを用いるタッチ入力機能を有し、
図1
(A)に示すように表示部の領域1033にキーボードのボタン1031が複数表示され
る。表示部1032は表示領域全体を指しており、表示部の領域1033を含む。そして
、使用者が所望のキーボードのボタンをタッチして情報を入力し、表示部1032に入力
された情報の表示を行う。
【0023】
電子機器1030を使用している様子の一例を示す。例えば、表示部の領域1033に表
示されているキーボードボタンを使用者の指を用いて順次触れる、または非接触で文字入
力を行い、その結果表示される文章を表示部の領域1033以外の領域に表示する。使用
者が画面のキーボードから指をはずし、フォトセンサの出力信号の検出されない期間が一
定時間経つと自動的に表示部の領域1033に表示されていたキーボード表示が消され、
表示部の領域1033にも入力された文章の表示が行われ、画面全体で入力された文章を
使用者は確認することができる。再度入力する場合には、表示部1032に使用者の指を
用いて順次触れる、または非接触でフォトセンサの出力信号を検出させることで再び表示
部の領域1033にキーボードボタンを表示し、文字入力を行うこともできる。
【0024】
また、自動的ではなく、使用者が切り換えスイッチ1034を押すことによって、
図1(
B)に示すように表示部1032にキーボード表示をなくした画像表示することもできる
。また、キーボード表示スイッチ1036を押すことによってキーボードを表示し、タッ
チ入力可能な状態とすることもできる。
【0025】
また、切り換えスイッチ1034、電源スイッチ1035、及びキーボード表示スイッチ
1036は、表示部1032にそれぞれスイッチボタンとして表示し、表示されたスイッ
チボタンに触れることで、各操作を行ってもよい。
【0026】
また、電子機器1030は少なくともバッテリーを有し、データ情報を保存するためのメ
モリ(Flash Memory回路、SRAM回路、DRAM回路など)、CPU(中
央演算処理回路)やLogic回路を備えた構成とすることが好ましい。CPUやメモリ
を備えることにより、様々なソフトウェアのインストールが行え、パーソナルコンピュー
タの機能の一部または全部の機能を持たせることができる。
【0027】
また、電子機器1030に対して、ジャイロスコープ、または3軸加速度センサなどの傾
き検出部を設け、傾き検出部からの信号に応じて、電子機器1030で使用する機能、特
に表示面での表示及び入力に係る機能を、演算回路により切り替えることができる。その
ため、備え付けの操作キーのように入力キーの種類、大きさ、または配置が予め定まった
ものとは異なり、使用者の利便性を向上させることができる。
【0028】
次に表示部1032を構成する表示パネルの一例について、
図2を参照して説明する。表
示パネル100は、画素回路101、表示素子制御回路、及びフォトセンサ制御回路を有
する。画素回路101は、行列方向にマトリクス状に配置された複数の画素103、10
4、113、114、及びフォトセンサ106を有する。画素103、104、113、
114は、1つの表示素子をそれぞれ有する。本実施の形態では、画素103と画素10
4の間、且つ、画素113と画素114の間に1つのフォトセンサ106を配置する。即
ち、4つの画素に一つのフォトセンサを配置する画素レイアウト構造とする。
【0029】
画素103、104、113、114は、トランジスタ、保持容量、及び液晶層を有する
液晶素子などを有する。トランジスタは、画素電極105、115、125、135と電
気的に接続する。トランジスタは、保持容量への電荷の注入もしくは保持容量からの電荷
の排出を制御する機能を有する。保持容量は、液晶層に印加する電圧に相当する電荷を保
持する機能を有する。液晶層に電圧を印加することで偏光方向が変化することを利用して
、液晶層を透過する光の明暗(階調)を作ることで、画像表示が実現される。液晶層を透
過する光には、外光(太陽光または照明光)を利用して液晶表示装置の外から照射される
光を用いる。液晶層としては、特に限定されず、公知の液晶材料(代表的には、ネマチッ
ク液晶材料やコレステリック液晶材料)を用いれば良い。例えば、高分子分散型液晶(P
DLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分
子分散液晶、ポリマー分散型液晶ともいう)又は高分子ネットワーク型液晶(PNLC(
Polymer Network Liquid Crystal))を液晶層に用いて
、液晶による光の散乱光を利用して白表示(明表示)を行ってもよい。
【0030】
また、表示素子制御回路は、画素103、104、113、114を制御するための回路
であり、ビデオデータ信号線などの信号線(「ソース信号線」ともいう。)からトランジ
スタを介して画素電極105、115、125、135に信号を入力する表示素子駆動回
路107と、走査線(「ゲート信号線」ともいう。)を介して各画素に配置されたトラン
ジスタのゲート電極に信号を入力する表示素子駆動回路108を有する。
【0031】
例えば、走査線に接続された表示素子駆動回路108は、特定の行に配置された画素が有
する表示素子を選択する機能を有する。また、信号線に接続された表示素子駆動回路10
7は、選択された行の画素が有する表示素子に任意の電位を与える機能を有する。なお、
走査線に接続された表示素子駆動回路108により高電位を印加された表示素子では、ト
ランジスタが導通状態となり、信号線に接続された表示素子駆動回路107により与えら
れる電荷が供給される。
【0032】
また、フォトセンサ106は、フォトダイオードなど、受光することで電気信号を発する
機能を有する受光素子と、トランジスタとを有する。
【0033】
フォトセンサ制御回路は、フォトセンサ106を制御するための回路であり、フォトセ
ンサ出力信号線、フォトセンサ基準信号線等の信号線に接続されたフォトセンサ読み出し
回路109と、走査線に接続されたフォトセンサ駆動回路110を有する。走査線に接続
されたフォトセンサ駆動回路110は、特定の行に配置された画素が有するフォトセンサ
106に対して、後述するリセット動作と選択動作とを行う機能を有する。また、信号線
に接続されたフォトセンサ読み出し回路109は、選択された行の画素が有するフォトセ
ンサ106の出力信号を取り出す機能を有する。
【0034】
本実施の形態では、画素103と、フォトセンサ106の回路図について、
図3を用いて
説明する。
【0035】
画素301は、トランジスタ330、保持容量331及び液晶素子332を有する。また
、フォトセンサ302は、フォトダイオード351、トランジスタ352、トランジスタ
353、及びトランジスタ354を有する。
【0036】
トランジスタ330は、ゲートがゲート信号線310に、ソース又はドレインの一方が
ビデオデータ信号線311に、ソース又はドレインの他方が保持容量331の一方の電極
と液晶素子332の一方の電極に電気的に接続されている。保持容量331の他方の電極
は、容量配線312に電気的に接続され、一定の電位に保たれている。また、液晶素子3
32の他方の電極は一定の電位に保たれている。液晶素子332は、一対の電極と、該一
対の電極の間の液晶層を含む素子である。
【0037】
トランジスタ330は、ゲート信号線310に”H”が印加されると、ビデオデータ信
号線311の電位を保持容量331と液晶素子332に印加する。保持容量331は、印
加された電位を保持する。液晶素子332は、印加された電位により、光の透過率を変更
する。
【0038】
フォトダイオード351は、一方の電極がフォトダイオードリセット信号線341(P
R配線とも呼ぶ)に、他方の電極がトランジスタ352のソース又はドレインの一方に電
気的に接続されている。また、トランジスタ352のソース又はドレインの他方がFD(
ノード)である。
【0039】
トランジスタ352は、FD(ノード)の電圧の制御及び、電圧を保持する役割を持ち、
ゲートはフォトセンサ電荷転送用信号線342(TX配線とも呼ぶ)に接続される。上記
信号線342は、上記トランジスタ352のスイッチングを制御する役割を担う。
【0040】
また、トランジスタ354は、ゲートがFD(ノード)であり、ソース又はドレインの一
方に電源配線344が電気的に接続されている。また、トランジスタ354のソース又は
ドレインの一方にトランジスタ353のソース又はドレインの一方が電気的に接続されて
いる。
【0041】
トランジスタ353のゲートはフォトセンサ基準信号線345(SE配線)に電気的に接
続されている。また、トランジスタ353のソース又はドレインの他方は、フォトセンサ
出力信号線343(OUT配線とも呼ぶ)に電気的に接続されている。
【0042】
次に、フォトセンサ読み出し回路109の構成の一例について、
図4を用いて説明する
。一例として、表示部は、1024行768列の画素で構成され、表示素子は各行各列の
画素に1個、フォトセンサは2行2列の画素に1個、を有する構成とする。すなわち、表
示素子は1024行768列、フォトセンサは512行384列で構成される。また、フ
ォトセンサ出力信号線は2列を1組として表示装置外部に出力する例を示す。すなわち、
2行4列の画素8個に挟まれるフォトセンサ計2個から出力を1個取得する。
【0043】
図3は、画素の回路構成で、2行2列分の4つの画素と、1つのフォトセンサを示してい
る。表示素子を1画素に1個、フォトセンサを4画素に1個、有する。
図4は、フォトセ
ンサ読み出し回路109の回路構成で、説明のため、一部のフォトセンサも示している。
なお、
図3に示すトランジスタにはチャネル形成領域に酸化物半導体を含むトランジスタ
を用いることができる。
【0044】
図4に示すように、フォトセンサの走査線駆動回路は、同時に画素4行分(すなわちフォ
トセンサ2行分)を駆動し、選択行を画素2行分に相当するフォトセンサ1行分ずつシフ
トさせていく駆動方法を行う例を考える。ここで、各行のフォトセンサは、走査線駆動回
路が選択行のシフトを2回行う期間、連続して選択されることになる。このような駆動方
法を用いることで、フォトセンサによる撮像のフレーム周波数を向上させることが容易に
なる。特に、大型の表示装置の場合に有利である。なお、フォトセンサの出力信号線34
3には、同時に2行分のフォトセンサの出力が重畳されることになる。また、選択行のシ
フトを512回繰り返すことで、全フォトセンサを駆動することができる。
【0045】
フォトセンサ読み出し回路109は、
図4に示すように、画素24列に1個ずつセレクタ
を有する。セレクタは、表示部におけるフォトセンサの出力信号線343について2列分
を1組とする12組から1組を選択して出力を取得する。すなわち、フォトセンサ読み出
し回路109全体で、セレクタを32個有し、同時に32個の出力を取得する。各々のセ
レクタによる選択を12組全てに対して行うことで、フォトセンサ1行分に相当する合計
384個の出力を取得することができる。セレクタによる12組の選択を、フォトセンサ
の走査線駆動回路が選択行をシフトさせる都度行うことで、全フォトセンサの出力を得る
ことができる。
【0046】
本実施の形態では、
図4に示すように、信号線に接続されたフォトセンサ読み出し回路1
09は、アナログ信号であるフォトセンサの出力を表示装置外部に取り出し、表示装置外
部に設けたアンプを用いて増幅した後にAD変換器を用いてデジタル信号に変換する構成
を考える。勿論、表示装置と同一基板上にAD変換器を搭載し、フォトセンサの出力をデ
ジタル信号に変換した後、表示装置外部に取り出す構成とすることも可能である。
【0047】
図6のタイミングチャートを用いて、
図3のフォトセンサ回路の駆動方法について説明す
る。
【0048】
図6では簡易に説明するため、TX910、PR911、SE912は、二値変化する信
号として与え、以下、TX910は、高電位を”High-TX”、低電位側を”Low
-TX”、PR911は、高電位を”High-PR”、低電位側を”Low-PR”、
SE912は、高電位を”High-SE”、低電位側を”Low-SE”、と表現する
。ただし、各電位は実際にはアナログ信号であるため、各電位は状況に応じて二値に限ら
ず種々の値を取り得る。
【0049】
まず時刻901にTX910を”High-TX”にする。次に時刻902にPR911
を”High-PR”にすると、FDの電位913はPR911と同じ”High-PR
”になる。以上をリセット動作と呼ぶ。
【0050】
時刻903にPR911を”Low-PR”にすると、FDの電位913は”High-
PR”を保持し、pinフォトダイオードに逆バイアスがかかる状態になる(蓄積動作開
始)。このとき、pinフォトダイオードのi層に光が入射することで逆電流が流れるた
め、光の量に応じてFDに蓄積される電荷量が変化する。
【0051】
時刻904にTX910を”Low-TX”にすると、FDからpinフォトダイオード
への電荷の移動が止まり、FDに蓄積される電荷量が決定する(蓄積動作終了)。
【0052】
時刻905にSE912を”High-SE”にすると、FDの電位913に応じて電源
配線からOUT配線へと電荷が供給される(読出動作開始)。
【0053】
時刻906にSE912を”Low-SE”にすると、電源配線からOUT配線への電荷
供給が停止され、OUT914が決定する(読出動作終了)。OUT914を用いること
で撮像画像を生成することができる。
【0054】
以降は、時刻901の動作に戻り、同じ動作を繰り返す。
【0055】
本実施の形態においては、全フォトセンサのリセット動作、蓄積動作、及び読み出し動作
を実行することで、外光の局所的陰影を検出することができる。また、検出した陰影につ
いて適宜画像処理など行うことにより、指やペンなどが表示装置に接触した位置を知るこ
とができる。あらかじめ、接触した位置に対応する操作、例えば文字入力であれば文字の
種類を規定しておくことで、所望の文字の入力を行うことができる。
【0056】
なお、本実施の形態における表示装置では、フォトセンサにより外光の局所的陰影を検出
する。そのため、指やペンなどが表示装置に物理的に接触しなくても、非接触で近接する
ことにより陰影が形成されれば検出が可能である。以下、指やペンなどが表示装置に接触
するとは、非接触で近接することも含むものとする。
【0057】
上記構成により、表示部1032にタッチ入力機能を持たせることができる。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態では、
図3と一部異なる回路配置を
図5とし、画素レイアウトの一例を
図7
に示す。
【0059】
画素回路は表示回路3501及びセンサ回路3502で構成されている。
【0060】
表示回路は、トランジスタ3530、液晶素子3532および容量3531で構成される
。トランジスタ3530のゲートは、信号線3510に接続され、ソースまたは、ドレイ
ンの一方が信号線3511に接続され、他方は、容量3531の一方の電極及び、液晶素
子3532の一方の電極に接続される。容量3531の他方の電極は、信号線3512に
接続される。液晶素子3532の他方の電極は、共通電極に対応する。
【0061】
また、センサ回路は、pinフォトダイオード3551、FET-T3552、FET-
AMP3554、FET-S3553で構成される。FET-T3552のゲートはTX
配線3542、及び3547の2本に接続され、ソースまたは、ドレインの一方がpin
フォトダイオード3551のカソードに接続され、他方がFET-AMP3554のゲー
トに接続される。
【0062】
FET-AMP3554のソースは電源配線3544に接続され、ドレインはFET-S
3553のソースに接続される。FET-S3553のゲートはSE配線3545に接続
され、ソースはOUT配線3543に接続される。pinフォトダイオード3551のア
ノードはPR配線3541及び3546に接続される。 なお、
図5に示すトランジス
タにはチャネル形成領域に酸化物半導体を含むトランジスタを用いることができる。
【0063】
図7は、
図5の回路図に対応する画素レイアウトの平面図の一例である。
【0064】
画素レイアウトには、4つの表示回路のレイアウト3610a、3610b、3610c
、3610dとセンサ回路のレイアウト3620が1つから構成される。表示回路のレイ
アウト3610a、3610b、3610c、3610dは、それぞれ選択FET360
3、Cs線3601、ビデオデータ配線3602、選択配線3600、COM配線360
4から構成される。
【0065】
また、センサ回路のレイアウト3620は、pinフォトダイオード3630、半導体層
3637を有するFET-T、半導体層3638を有するFET-AMP、半導体層36
36を有するFET-T、FD3641、垂直TX配線3632、水平TX配線3640
、垂直PR配線3631、水平PR配線3639、SE配線3635、OUT配線363
3、VDD配線3634で構成される。半導体層3636、3637、3638の材料は
特に限定されないが、多結晶半導体膜(ポリシリコン膜など)や、微結晶半導体膜や、化
学式InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される酸化物半導体膜を用いることができ
る。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を
示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどが
ある。また、上記酸化物半導体膜にSiO2を含んでもよい。
【0066】
画素レイアウトの各層は、半導体層3636、3637、3638、ゲート配線層365
1、SD配線層3652、Si層3653、ITO電極層3654から形成される。また
、垂直TX配線3632、垂直PR配線3631はSD配線層3652を、水平TX配線
3640、水平PR配線3639はゲート配線層3651を利用して形成している。また
、水平配線と垂直配線はコンタクトを取ることで、メッシュ状のレイアウトを形成してい
る。
【0067】
画素レイアウトは、FD3641と、ビデオデータ線3602や隣接画素の信号線との間
に、シールド配線として機能するCs線3601が存在する。そのため、FD3641と
上記複数の信号線との間に形成する寄生容量が低減し、または、上記信号線の電圧変化に
伴った周辺電位の変化をブロックし、FDの電位変化を抑える。
【0068】
また、画素レイアウトの特徴の一つは、FD3641が、FD3641が設けられている
画素及び隣接画素に配置されているPR配線、SE配線及び、OUT配線とは十分な距離
を設けて配置されていることである。したがって、FD3641の電位変化を抑制し、フ
ォトセンサの出力信号にノイズが少ない撮像機能を有する表示装置を提供することができ
る。
【0069】
また、
図7の一部拡大図を
図8(A)に示し、その断面構造の一例を
図8(B)に示す。
【0070】
なお、
図8(A)及び
図8(B)において、
図7と共通の部分には同じ符号を用いる。
【0071】
図8(B)において、基板500上にフォトダイオードと電気的に接続するトランジスタ
のゲート配線層3651と、水平PR配線3639が同一材料、同一工程で形成される。
また、ゲート配線層3651と、水平PR配線3639を覆うゲート絶縁層502が形成
され、ゲート絶縁層502上に、ゲート配線層3651と重なる位置に半導体層3637
が形成される。
【0072】
また、半導体層3637に一部重なるSD配線3652が形成され、SD配線3652を
覆う第1の層間絶縁層505が形成されている。また、pinフォトダイオード3630
は、p型の不純物元素を含有するシリコン層3653pと、i型のアモルファスシリコン
層3653iと、n型の不純物元素を含有するシリコン層3653nとを積層して光電変
換層を形成する。
【0073】
また、pinフォトダイオード3630及び第1の層間絶縁層505を覆う第2の層間絶
縁層509が形成され、第2の層間絶縁層509上に透明導電膜からなるITO電極36
54が形成される。ITO電極3654は、半導体層3637を有するトランジスタのS
D配線3652と、pinフォトダイオード3630とを接続する接続電極として機能す
る。なお、表示領域において、画素電極は、ITO電極3654と同一材料、同一工程で
形成される。
【0074】
なお、
図8(B)において、pinフォトダイオード3630と電気的に接続するトラン
ジスタは、ボトムゲート型のトランジスタの例を示したが特に限定されず、他のボトムゲ
ート構造や、トップゲート構造であってもよい。
【0075】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明したタッチ入力機能を有する表示部(タ
ッチパネル)を具備する電子機器の例について説明する。
【0076】
図9(A)は情報端末であり、筐体9630、表示部9631、操作キー9632、太陽
電池9633、充放電制御回路9634を有することができる。太陽電池9633と、タ
ッチパネルとを開閉自在に装着しており、太陽電池からの電力をタッチパネル、または映
像信号処理部に供給する情報端末である。
図9(A)に示した情報端末は、様々な情報(
静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表
示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機
能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することが
できる。なお。
図9(A)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635
、DCDCコンバータ(以下、コンバータ9636と略記)を有する情報端末の構成につ
いて示している。
【0077】
なお太陽電池9633は、筐体9630の表面及び裏面に効率的なバッテリー9635の
充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、
リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0078】
また
図9(A)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について
図9(B)にブ
ロック図を示し説明する。
図9(B)には、太陽電池9633、バッテリー9635、コ
ンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631に
ついて示しており、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637、ス
イッチSW1乃至SW3が充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
【0079】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようコンバ
ータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9
633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で
表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631
での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635
の充電を行う構成とすればよい。
【0080】
なお太陽電池9633については、充電手段の一例として示したが、他の手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。また他の充電手段を組み合わせて行う
構成としてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態で説明したタッチ入力機能を有する表示部(タッチパネル)を具備
していれば、
図9に示した電子機器に特に限定されないことは言うまでもない。
【0082】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0083】
100:表示パネル
101:画素回路
103:画素
104:画素
105:画素電極
106:フォトセンサ
107:信号線に接続された表示素子駆動回路
108:走査線に接続された表示素子駆動回路
109:フォトセンサ読み出し回路
110:フォトセンサ駆動回路
113:画素
114:画素
115:画素電極
125:画素電極
135:画素電極