(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159969
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241031BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241031BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/00 311E
G07G1/12 321M
G07G1/01 301E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150523
(22)【出願日】2024-09-02
(62)【分割の表示】P 2020087848の分割
【原出願日】2020-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悠里
(72)【発明者】
【氏名】沖 裕之
(57)【要約】
【課題】所定の商品の登録時、当該所定の商品に代わる商品を推奨する。
【解決手段】POS端末1は、商品を登録する登録処理部と、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する入出力部11とを備える。また、入出力部11は、所定の登録商品から推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力してもよい。また、所定の登録商品から推奨商品への変更登録を受け付けた後、推奨商品の商品情報として所定の商品の商品情報の入力を受け付ける受付処理部と、入力を受け付けた商品情報が推奨商品の商品情報と異なる場合に、その旨を報知する報知処理部を備えるものとしてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を登録する登録処理手段と、
所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する第一の出力手段と、を備える、
商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記所定の登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力する第二の出力手段、をさらに備える、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記所定の登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付けた後、前記推奨商品の商品情報として所定の商品の商品情報の入力を受け付ける受付処理手段と、
前記入力を受け付けた商品情報が前記推奨商品の商品情報と異なる場合に、その旨を報知する報知処理手段と、をさらに備える、
請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記商品の登録明細において、前記所定の登録商品に代えて登録された前記推奨商品を、変更された前記所定の登録商品に関連付けて出力する第三の出力手段、をさらに備える、
請求項2又は3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記所定の登録商品と前記推奨商品とに差額がある場合、当該差額を出力する第四の出力手段、をさらに備える、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記所定の登録商品と前記推奨商品各々の特典情報を出力する第五の出力手段、をさらに有する、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
前記所定の登録商品に代えて前記推奨商品が登録されなかった場合、前記推奨商品のクーポン券を発行する発行処理手段、をさらに備える、
請求項1乃至6いずれかの項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項8】
コンピュータにより、
商品を登録する登録処理と、
所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する処理と、を実行する、
商品販売データ処理方法。
【請求項9】
コンピュータに対し、
商品を登録する登録処理と、
所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の商品の登録時、当該所定の商品に代わる商品を推奨する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な商品を取り扱うスーパーマーケットやドラッグストア等の店舗では、顧客に所定の商品の購入を推奨したいときがある。
【0003】
この点、特許文献1では、商品の識別情報を読み取ると共に商品の精算完了時に当該取引に関するレシートを発行するPOSターミナル及びPOSターミナルで読み取った識別情報を含む問合せメッセージを受け取り当該識別情報に対応する価格を含む商品情報を応答するコントローラを有するPOSシステムと、このPOSシステムのネットワーク上に接続されるクーポンサーバとから構成されるクーポン発券システムにおいて、クーポンサーバは、POSターミナルからコントローラに送信される問合せメッセージを解析しその解析結果に応じてPOSターミナルにクーポンを発券させるクーポン発券システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、顧客が商品を購入した後にクーポン券を発行し、これにより所定の商品の購入を顧客に促す。
しかしながら、そのようなシステムでは、店舗がお奨めする所定の商品の購入は、顧客が次に来店した時になってしまう。
【0006】
そこで本発明は、所定の商品の登録時、当該所定の商品に代わる商品を推奨することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品販売データ処理装置は、商品を登録する登録処理手段と、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する第一の出力手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るPOSシステムのネットワーク構成を示した図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るPOS端末が備える機能を示した機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るPOS端末において、レコメンドマスタに記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図4】本実施形態に係るPOS端末において、商品マスタに記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図5】本実施形態に係るPOS端末により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図6】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図7】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図8】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図9】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図10】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図11】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図12】本実施形態に係るPOS端末により発行されるレシートの一例を示した図である。
【
図13】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図14】本実施形態に係るPOS端末により実行される処理の流れの他の例を示した処理フロー図である。
【
図15】本実施形態に係るPOS端末の入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
●商品販売データ処理装置の機能構成
以下、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。
図1に示すPOSシステムは、3台の第1POS端末1-1、第2POS端末1-2、第3POS端末1-3と、ストアコントローラSC(ストアコンピュータ、管理装置とも称される)を備え、夫々はLANを介して通信可能に接続されている。
なお、以下において、第1POS端末1-1、第2POS端末1-2、第3POS端末1-3は、特に区別しない場合には、POS端末1と総称する。
【0010】
ここで、POSシステム又はPOS端末1は、本発明に係る商品販売データ処理装置を構成する。即ち、POSシステムは、本発明に係る商品販売データ処理装置の機能実行に必要な機能部をストアコントローラSCやPOS端末1に分散保持させたシステムとして実現した商品販売データ処理装置であり、POS端末1は、本発明に係る商品販売データ処理装置の機能実行に必要な機能部あるいはストアコントローラSCの機能をPOS端末に集約させた装置として実現した商品販売データ処理装置である。
【0011】
なお、POSシステムとしてストアコントローラSCを有する場合には例えば、ストアコントローラSCで後述する商品マスタやレコメンドマスタなどを管理しておき、POS端末1は、ストアコントローラSCのマスタを参照して、売上データを送信する。また、ストアコントローラSCは在庫管理や発注管理、等の基幹業務を担う。また、ストアコントローラSCは各業務に応じて複数のサーバ装置で構成されていてもよい。
また、ストアコントローラSCがない場合には例えば、一のPOS端末1-1にストアコントローラSCの機能を備えさせると共に、ストアコントローラSCの機能を兼任するPOS端末1-1にマスタ管理を実行させ、他のPOS端末1-2、1-3とデータ連携させる。また他の例では、各POS端末1が個々にマスタ管理を行うように運用してもよい。
【0012】
図2に示されるPOS端末1は、顧客が購入する商品の登録処理と会計処理を実行する装置であって、本発明に係る商品販売データ処理装置を構成する。このPOS端末1は、所定の商品を顧客の購入商品として登録した際(以下、登録した商品を「登録商品」と称することがある)、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合に、当該推奨商品への変更登録を推奨する装置である。
なお、推奨商品は必ずしも、所定の商品に代わるものとして扱われる商品ではなく、店舗において他の商品と同列に販売されているものであり、店舗側の任意の設定により、推奨商品としても扱われることになる。
【0013】
POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)101などの演算装置、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置を有しており、インターフェース回路104を介して、入出力部11、読取部12、釣銭釣札部13、決済部14、及び印刷部15が接続されている。
【0014】
また、POS端末1は、制御部100によって実行されるソフトウェア資源として、少なくとも、レコメンドマスタ、会員マスタ、商品マスタ、抽出処理部、登録処理部、判別処理部、算出処理部、受付処理部、判断処理部、報知処理部、会計処理部、及び発行処理部からなる機能ブロックを構成する。
なお、制御部100によって実行されるコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
また、本実施形態では、本発明に係る商品販売データ処理装置をPOS端末1として実現した場合の機能構成を示しているが、POSシステムとして実現する場合には、POSシステムを構成する複数のハードウェア資源に各機能部が分散して備えられる。
【0015】
入出力部11はタッチパネル式ディスプレイ等であり、各種の情報を入力する入力手段、及び各種の情報を出力する出力手段を構成している。
なお、本実施形態において、この入出力部11は、店員が参照及び操作するためのものであるが、これにかかわらず、顧客が所定の情報を入出力するための入出力部を別途、設けてもよい。
また、本実施形態にかかわらず、入出力部11は、物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力部と出力部が別々に構成されていてもよい。
【0016】
なお、タッチパネルやメカキーによって設けられるキーは、一般的なPOS端末に設けられるのと同様に、80~90個程度、少なくとも20~40個程度である。このようなキーによって直感的な操作が可能であり、操作者が操作に困った場合であっても滞りがでないような構成となっている。詳細には、数字キー(1キー、2キー、…、9キー、0キー、00キー)、小計キー、現計キー、クリアキー、個キー、商品登録キー、ファンクションキー、プリセットキーなどのキーがある。数字キーは、同時に2つのキーを押下する可能性を下げるため、キートップの面積が比較的小さく、その他のファンクションキーは、キートップに機能名などの文字情報が表示されるため、キートップの面積が比較的大きく、形成されていてもよい。
なお、メカキーは、POS端末1の本体部に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。
【0017】
本実施形態において、この入出力部11は、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品に係る情報、所定の登録商品と前記推奨商品の売価の差額や各々の特典情報といった情報を出力したり、所定の登録商品から推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力したりする。また、所定の登録商品に代えて登録された推奨商品を商品の登録明細に出力する。
【0018】
読取部12は、各種のデータを読み取るための機能部であって、スキャナ等によって実現される。
この読取部12により、商品に付されたバーコードあるいは二次元コードなどが読み取られ、コード化されていた商品情報を取得することができる。
【0019】
釣銭釣札部13は、現金支払いによる商品の会計処理を可能にするための機能部である。この釣銭釣札部13は、物理的な機構として硬貨投入口、硬貨払出口、紙幣投入口、紙幣払出口等を備え、金銭の入金を受け付けると共に、入金された金銭を計数したり、会計額に応じて釣銭を払い出したりする。
【0020】
決済部14は、所定の決済媒体を利用した決済を可能とする機能部である。
ここで、決済媒体とは例えば、クレジットカードや電子マネーカード、デビットカード等であり、外部のサーバと与信等の照会処理を適宜に実行し、所定の決済媒体を利用した決済を実行する。なお、これらの例に限らず、決済部14は現金支払い以外の決済処理に対応するための機能部として、コード決済などのサービスにも対応する。
【0021】
印刷部15は、顧客による商品の会計処理後にレシートを印刷したり、所定の商品について使用可能なクーポン券などを印刷したりする機能部である。この印刷部15は、レシートプリンタ等によって実現され、この場合には、会計の処理内容やクーポン情報を感熱紙等の所定の紙媒体に印刷し、レシート発行口より排出する。
なお、レシートとクーポン券は、物理的に別体として設けられた複数の印刷部15によってそれぞれ印刷してもよいし、一の印刷部15によってレシートとクーポン券を一体的に印刷してもよい。
【0022】
レコメンドマスタは、所定の商品に代えて推奨される推奨商品を記憶した記憶部である。
このレコメンドマスタには少なくとも、
図3に示されるように、所定の商品ごとに、当該所定の商品に代えて推奨される推奨商品が関連付けて記憶されている。
なお、所定の商品に代わる推奨商品の数は特に限られず、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、全ての商品について設定する必要はなく、任意の商品について設定する。
また、レコメンドマスタに店舗を識別する店舗コードを設定し、店舗ごとに異なる推奨商品を推奨するようにしたり、所定の店舗のみで推奨を行うようにしたりしてもよい。
【0023】
会員マスタは、会員顧客等の情報を記憶した記憶部である。
この会員マスタには、会員顧客の氏名や属性情報のほか、会員顧客の購入履歴や来店回数、月単位や年単位での購入金額などが記憶されるほか、商品の購入に応じて付与されるポイントが管理されている。また、会員顧客ごとに推奨商品の推奨の要否に係る設定情報を記憶してもよい。さらに、この会員マスタに記憶されている情報に応じて、あるいは会員のランク別の推奨商品を設定し推奨を行うようにしてもよい。
【0024】
商品マスタは、推奨商品の情報を入出力部11上に展開して、店員に推奨商品の情報を提供する場合に、当該推奨商品の情報として提供する商品固有の情報を記憶した記憶部である。
この商品マスタには例えば、
図4に示されるように、推奨商品を識別可能な商品コードに関連付けて、推奨商品を推奨する対象となる商品を識別可能な情報たる対象商品コード、当該推奨商品のキャッチコピーなどの情報が記憶されている。このほかには例えば、登録商品を推奨商品に変更した際に付与される特典、例えば、所定のポイントの付与、ポイント付与率のアップ、販促品等の提供等に係る情報を記憶させてもよい。
なお、商品の情報としては、商品の名称や価格、ポイント付与率等のデータも保持されるところ、このような情報は別途、商品情報記憶部に記憶しておき、推奨商品の情報を店員等に提供する際に適宜、当該商品情報記憶部を参照するようにしてもよいし、商品情報記憶部に商品マスタに記憶される情報をもたせてもよい。
【0025】
抽出処理部は、各機能部における処理に応じて、商品マスタやレコメンドマスタ等の記憶部から必要な情報を抽出する。
本実施形態では例えば、レコメンドマスタを参照して、所定の商品に対する推奨商品に係る情報を抽出したり、商品マスタを参照して、推奨商品の詳細な情報を抽出したりする。
【0026】
登録処理部は、顧客が購入する商品を会計処理の対象商品として登録する。登録処理は、読取部12によって購入対象商品の情報を読み取ったり、入出力部11から購入対象商品の情報を受け付けたりして商品を特定し、登録する。
また、所定の登録商品に代えて推奨商品が登録される場合には、当該所定の登録商品の登録を取り消し、これに代えて推奨商品を登録する。
【0027】
判別処理部は、所定の登録商品に代わる推奨商品があるか否かを判別する。即ち、所定の登録商品の情報に基づき、レコメンドマスタを参照して、当該所定の登録商品に代わる推奨商品として登録されている商品があるか否かを判別する。
【0028】
算出処理部は、所定の登録商品と、当該所定の登録商品に対する推奨商品の売価の差額や、特典としてのポイントやポイント付与率の差を算出する。
売価の差額や特典としてのポイント等の差を算出し、かかる情報を提供することにより、所定の登録商品を推奨商品に変更した場合のメリットがはっきりし、推奨商品への変更登録を顧客に強く促すことができる。
【0029】
受付処理部は、入出力部11や読取部12により、購入商品として登録される商品の商品情報や、登録商品に代えて登録される推奨商品の商品情報の入力を受け付ける。
なお、推奨商品は、レジコーナーやカウンター内等に事前に準備しておくとよく、これにより、所定の登録商品を推奨商品に変更する場合に、店員が素早く当該推奨商品を手にして変更登録を行うことができる。レジコーナーやカウンター内の推奨商品の数量を管理しても良く、所定の数量になると補充指示等の報知をしてもよい。
また、バーコードが付されておらず、プリセットキーが割り当てられた推奨商品について商品情報の入力を受け付ける場合には、変更する推奨商品の選択画面を表示し、選択に応じて入力を受け付けるようにしてもよい。このとき、当該選択画面においては、複数ある推奨商品の選択領域を都度、変更し、推奨商品の選択を店員に意識させ、適切な推奨商品を選択するように注意を促してもよい。
【0030】
判断処理部は、入出力部11上で選択された推奨商品と、受付処理部により受け付けた商品情報に係る商品とが一致するか否かを判断する。即ち、所定の登録商品に代わる推奨商品として、所定の推奨商品が指定された場合に、実際に店員が手にして変更登録しようとする商品が、当該指定された所定の推奨商品であるか否かを判断する。判断においては、当該変更登録しようとする商品の商品情報を受付処理部により受け付けた上、当該商品情報と、指定された所定の推奨商品の商品情報とを対比する。その結果、商品情報が一致した場合には、店員が手にし、変更登録しようとしている商品が、指定された推奨商品であると判断され、商品情報が一致しなかった場合には、店員が手にし、商品登録しようとしている商品が、指定された推奨商品ではないと判断される。
これにより、誤って、指定された推奨商品とは異なる商品が所定の登録商品に代わる推奨商品として登録されてしまうのを防ぐことができる。特に、所定の登録商品について、推奨商品が複数ある場合には有効である。
【0031】
報知処理部は、所定のデータ処理の実行やエラーの発生など、所定の状況を店員等に報知するための機能部であり、例えば、入出力部11によりエラーが発生していることやエラーの内容等を出力することによって報知する。
この報知処理部は本実施形態において、所定の登録商品から推奨商品への変更登録を受け付けた後、当該推奨商品の商品情報として受け付けた商品情報が当該推奨商品の商品情報と異なる場合に、その旨を報知する。
【0032】
会計処理部は、登録された商品の会計処理を実行する。即ち、登録された商品の合計額を算出すると共に、釣銭釣札部13により現金による会計処理を実行したり、決済部14により決済媒体による会計処理を実行したりする。
【0033】
発行処理部は、商品の会計時、印刷部15にレシートや商品の購入時に使用可能なクーポン券などを発行させる。
特に本実施形態において、発行部は、顧客に対して所定の登録商品に代わる推奨商品が提示されたにもかかわらず、当該所定の登録商品に代えて当該推奨商品が登録されなかった場合、当該推奨商品のクーポン券を印刷部15に発行させる。これにより、次回の来店時以降に、顧客が推奨商品を購入するよう促すことができる。
【0034】
なお、POS端末1はこれらの機能部のほか、商品の登録処理や会計処理、あるいはこれらの処理の管理のための機能部として、商品の価格やポイント付与率等のデータを記憶した商品情報記憶部、店員の識別情報等の店員情報を記憶した店員情報記憶部、処理の履歴を記憶した履歴記憶部、登録された商品の会計処理を実行する会計処理部などを適宜に備える。
また、これらの機能部を外部あるいは上位のサーバ等に備えさせ、これらの機能部に記憶されているデータや処理結果をPOS端末1が参照、表示するように構成してもよい。
【0035】
●POS端末1による処理の流れ
次に、本実施形態に係るPOS端末1によって実行される処理の流れについて、
図5を参照して説明する。
なお、
図5は、一の商品を登録した際に実行される処理を示しており、購入商品が複数ある場合には、商品ごとに当該処理が実行される。
【0036】
POS端末1の登録処理部により、会計処理対象商品として所定の商品が登録されると、判別処理部はレコメンドマスタを読み込み(S101)、当該所定の登録商品に代わる推奨商品があるか否かを判別する(S102)。この結果、推奨商品がなかった場合には、当該所定の登録商品に対する処理は終了し、次の商品がある場合には当該次の商品の登録処理に移行し、次の商品がない場合には会計部による会計処理に移行する。
【0037】
一方、当該所定の登録商品に代わる推奨商品があった場合には、登録明細に表示されている当該所定の登録商品に、推奨商品がある旨を示すマークが表示される(S103)。
そして、推奨商品を示すレコメンド画面を表示する設定がなされていた場合には(S104)、入出力部11上にレコメンド画面がポップアップで展開され(S105)、店員はレコメンド画面を参照して適宜、顧客に推奨商品を奨める。
【0038】
なお、推奨商品を示すレコメンド画面を表示する設定は、システム初期設定で行ったり、レジ待機列の状況に応じて、レコメンド有効、無効にするタッチキーやメカキーなどで切り替えたり、営業時間帯でスケジュールして行ったりすることができる。また、切り替え可能とする場合には、
図5~
図9の登録画面例に示すように、レコメンド機能実行中であることを視認できる表示G14を設けたり、画面の特定領域の態様変更などを行ったりしてもよい。また、店員がログインする場合に、レコメンド機能が有効か無効かを報知するようにしてもよい 。
【0039】
ここで、
図6により、入出力部11上に展開されるレコメンド画面の一例を示す。
レコメンド画面G10は、ポップアップウィンドウによって商品の登録画面上に重畳的に表示され、所定の登録商品に代わる推奨商品をリスト化した推奨商品リストG11を表示している。推奨商品リストG11には、推奨商品ごとに、商品名称、キャッチコピー、売価、ポイント倍率などの情報が表示されている。売価と共に示される差額は、所定の登録商品との差額であって、算出処理部により算出されている。なお、ポイント倍率についても、所定の登録商品との差を算出し、表示するようにしてもよい。
【0040】
また、レコメンド画面G10には、推奨商品リストG11上の推奨商品を指定し、所定の登録商品との変更登録を要求する「商品変更登録する」ボタンG12と、変更登録をせずに終了する「商品変更しない」ボタンG13が設けられている。
【0041】
また、レコメンド画面G10上の推奨商品リストG11から、一の推奨商品を指定して当該一の推奨商品の詳細を確認することができるようになっていてもよい。
図7は、そのような推奨商品の詳細情報を提供する画面の一例を示している。
詳細画面G20には、推奨商品の詳細情報として、推奨商品のイメージ画像、容量や商品内容などの情報が展開されている。
なお、詳細画面G20にはこのほか、詳細を表示している推奨商品への変更登録を要求する「変更する」ボタンG21、推奨商品への変更をせずに終了する「変更しない」ボタンG22、推奨商品リストG11に戻るための「戻る」ボタンG23が設けられている。
【0042】
図8は、推奨商品の詳細情報を提供する画面の他の例を示している。
詳細画面G30には、推奨商品の詳細情報として、推奨商品のイメージ画像、商品名称、容量、売価、獲得ポイント、商品内容、店内在庫などの情報が展開されている。
このうち、容量、売価、獲得ポイントについては、所定の登録商品との差が算出処理部によって算出され、対比可能に表示されている。また、店内在庫は、所定の商品情報記憶部に記憶されている情報を参照して表示されており、現在在庫の数量を反映している。
【0043】
また、詳細画面G30には、推奨商品リストG11に戻るための「一覧に戻る」ボタンG31、詳細を表示している推奨商品への変更登録を要求する「この商品と変更」ボタンG32、推奨商品への変更をせずに終了する「変更しない」ボタンG33が設けられている。
【0044】
なお、
図6~
図8の例にかかわらず、推奨商品をレコメンドする画面や推奨商品の詳細を表す画面は、所定の登録商品に代わる推奨商品を把握することのできるものであれば、各種の態様で構成することができる。
また、所定の登録商品に対する推奨商品が一つしかない場合には、推奨商品をリスト表示せず、一つの推奨商品の詳細情報を表示するようにしてもよいし、推奨商品が複数ある場合でも、予め設定した優先度に基づき、優先度の高い推奨商品の詳細情報をまず表示し、適宜の操作によって優先度の低い他の推奨商品の情報を表示するようにしてもよい。
【0045】
所定の登録商品に代わる推奨商品への変更が受け付けられなかった場合には(S106)、レコメンド画面が閉じられ(S107)、当該所定の登録商品に対する処理は終了する。
一方、所定の登録商品に代わる推奨商品への変更を受け付けた場合には(S106)、当該所定の登録商品に代えて推奨商品を登録するための登録画面を表示する(S108)
【0046】
ここで、
図9により、入出力部11上に展開される推奨商品の登録画面の一例を示す。
登録画面G40上には、店員によって入力された推奨商品の商品情報表示欄G41、商品情報表示欄G41に表示された商品への変更登録を実行する「実行」ボタンG42、変更登録を中止する「中止」ボタンG43が設けられている。
商品情報表示欄G41への商品情報の入力は、推奨商品に付されたバーコード等の読み取り、店員による直接入力等によって行うことができる。
【0047】
これに応じて、店員は予めPOSカウンターなどの会計コーナーの近くの陳列棚に置いておくなどした推奨商品を手に取り、読取部12により当該推奨商品のバーコード等から商品情報を読み取ったり、直接入力したりして入力する(S109)。このように、推奨商品の商品情報として読取部12や入出力部11を介して入力された情報は、受付処理部により受け付けられる。
判断処理部は、レコメンド画面上で選択された推奨商品と、受付処理部により受け付けた商品情報に係る商品とが一致するか否かを判断する(S110)。
【0048】
その結果、商品が一致しない場合には、報知処理部がその旨を示すエラー表示を入出力部11上に展開させるなどして、正しい推奨商品の再入力を求める(S111)。
一方、商品が一致した場合には、レコメンド画面を消去し(S112)、登録処理部により、登録商品が推奨商品に変更して登録される(S113)。つまり、一度登録した商品を登録データから自動的に削除して推奨商品が登録される。これにより、削除処理を省略できる。
【0049】
ここで、
図10により、登録商品を変更した場合の商品の登録明細の一例を示す。
商品の登録を行う登録画面G50上には、登録された商品の明細を示す登録明細G51が表示されている。
この
図10の例における登録明細G51は、所定の登録商品に代えて推奨商品が登録された場合を示している。一旦、登録された所定の登録商品を表示する個別商品表示G511には、これに代えて推奨商品が登録されたことにより、登録が取り消されたことを示す表示がなされている。本実施形態では、当該取り消された所定の登録商品の情報に取り消し線が引かれている。
また、変更登録された推奨商品は、直前の登録商品を表示する登録商品表示G52に表示されると共に、登録明細G51上では、個別商品表示G512により、変更登録された登録商品に関連付けて表示されている。なお、個別商品表示G512には、推奨商品であることを把握可能な表示、
図10の例であれば<推奨商品>の表示が設けられている。
【0050】
なお、他の実施形態においては、登録が取り消された所定の登録商品の情報を登録明細G51から削除してしまうこともできる。一方で、
図9のように、当該所定の登録商品を推奨商品に変更した履歴が分かるようにすることで、店舗側では、推奨商品の推奨が成功しているかどうかを把握できるし、顧客側としても、商品の購入後に、どの商品に代えてどの商品を購入したのかを把握できる。
【0051】
以上の処理により、一の商品に対する処理が終了する。即ち、所定の登録商品について、推奨商品がなかったか、推奨商品に変更されなかった場合には当該所定の登録商品がそのまま登録された状態を維持し、所定の登録商品から推奨商品への変更登録が実行された場合には、当該所定の登録商品に代えて推奨商品が登録される。
顧客が購入する商品について順次、上述の処理が実行され、全ての商品について処理が完了すると、会計額の算出と精算、レシートやクーポン券の発行等が行われ、購入商品の登録から精算までの一連の処理が終了する。
【0052】
尚、登録した商品を購入し、推奨商品も併せて購入する場合がある。その場合は、一旦、変更しないでレコメンド画面を終了し、改めて、推奨商品を登録することで、いずれの商品も登録データに登録することができる。尚、操作を簡便化するために、
図11の例に示されるように、「追加」ボタンG14をさらに設けて、当該「追加」ボタンG15をタッチすることで、追加登録を行ってもよいし、
図9の画面に遷移して商品間違いをチェックするようにしてもよい。この結果、さらに売り上げをアップすることができる。なお、
図11は、
図6を例にとって、「追加」ボタンG15を設けたが、
図7及び
図8の例にも同様の「追加」ボタンを設けることができる。
【0053】
また、
図6乃至
図8、
図11の画面の「商品変更しない」ボタンG13、G22、G33や「戻る」ボタンG23、G31による操作に代えて、他の商品のバーコードを読み取ることで登録画面に戻り、かつ当該商品を登録するようにしてもよい。同じ商品の場合は複数登録の報知等を行えばよい。また、商品を複数、購入する場合は一般的に、数量を入力してから商品のバーコード等をスキャンして登録する方法と、単にバーコードを数量分、スキャンして登録する方法があるところ、
図6の例であれば、レコメンド画面G10上に商品のカウンター数量を表示してもよい。
【0054】
なお、本実施形態において、所定の登録商品について、推奨商品があったにもかかわらず、当該推奨商品への変更登録が行われなかった場合、発行処理部は会計時、印刷部15により当該推奨商品の適用可能なクーポン券等を発行させる。
このようなクーポン券は、顧客が購入した登録商品に関する推奨商品全てについて発行してもよいし、要否設定をしてもよい。また、優先順位の一番高い推奨商品のクーポン券のみを発行してもよい。また、クーポン券について、所謂アプリ会員には電子クーポンで提供してもよい。
これにより、次回来店時等に推奨商品を購入させるインセンティブを顧客に与えることができる。
【0055】
また、会計時に発行されるレシート又は電子レシート等には、所定の登録商品を推奨商品に変更したことを示す情報を記載又は表示し、後からでも確認できるようになっていてもよい。また、所定の登録商品を推奨商品に変更したことによってお得になった金額や得られた特典、追加ポイントなどの情報も合わせて記載又は表示してもよい。
図12は、このようなレシートの一例を示している。レシート上では、商品Cが推奨商品であること(「推奨商品」を示す「推」の文字を付している)、商品Cが商品Zから変更されたこと、商品Cへの変更によりポイントが3倍になったことが把握可能に示されている。
【0056】
また、一旦、所定の商品の登録において、推奨商品に変更せず、他の商品の登録に進んだ場合であっても、小計操作前までは登録明細から所定の登録商品を選択し、推奨商品へ変更できるようになっていてもよい。
この場合、
図13に示すように、登録明細上の登録商品のうち、推奨商品への変更が可能な登録商品については、推奨商品への変更が可能であることを示す「推奨商品あり」表示511aを表示すると共に、推奨商品への変更登録の処理に進むための指示を受付可能にする。例えば、「推奨商品あり」表示511aが付された個別商品表示511は押下可能となっており、押下に応じて推奨商品への変更登録の指示を受け付ける。推奨商品への変更登録の指示を受け付けた場合には例えば、上述したS105の処理のようにポップアップでレコメンド画面を展開して推奨商品の指定を受け付けたり、推奨商品を指定する短縮ボタンG53-1、G53-2、G53-3の押下によって推奨商品の指定を受け付けたりする。推奨商品の指定を受け付けると、上述したのと同様にS113までの処理が実行され、所定の登録商品は推奨商品に変更登録される。
また、小計操作に進んだ場合でも、所定の操作によって登録画面に復帰することにより、登録明細から所定の登録商品を選択し、推奨商品へ変更できるようになっていてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、所定の登録商品を推奨商品に変更する際、変更する商品の商品情報を取得し、変更する推奨商品であるか否かを判断するようにしたが、これにかかわらず、変更する推奨商品であるか否かを判断することなく登録することもできる。
【0058】
なお、以上の本実施形態では、所定の商品の登録の都度、当該所定の商品に代わる推奨商品の有無を判別し、推奨商品があった場合には、当該推奨商品を推奨するようにしたが、商品の登録後、商品の登録明細から所定の商品について推奨商品を推奨するようにしてもよい。
このような処理の流れを
図14に示す。なお、
図14において、
図5を参照して説明したのと同様の処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
この処理では例えば、店員が登録明細から所定の商品を選択し、予め設けられたレコメンドキーを押下する(S201)。これに応じてPOS端末1は、操作が登録画面上で行われているかどうか(S202)、商品の変更が行われているかどうか(S203)、さらには推奨商品があるかどうか(S204)を判別する。
その結果、登録画面上で操作が行われており、推奨商品への変更が行われておらず、推奨商品がある場合には、店員によって選択された所定の商品について、
図5を参照して説明したS105の処理のレコメンド画面の表示以降の処理を実行する。
一方、店員によって選択された所定の商品について、既に推奨商品に変更されている場合や、変更できる推奨商品がなかった場合には、エラーを表示し(S205)、処理を終了する。
【0060】
なお、上述したS201の処理において、登録明細書上、変更可能な推奨商品のある商品についてはその旨を示すアイコン等を設けてもよい。また、レコメンドキーの押下に応じて、そのようなアイコン等を表示し、所定の消費が選択されると、推奨商品への変更操作に移行するようになっていてもよく、登録明細上から、商品を推奨商品への変更を受け付けるための画面構成は各種の態様を採用することができる。
【0061】
また、この例においても、所定の登録商品を推奨商品に変更する際、変更する推奨商品であるか否かを判断することなく登録することもできる。
【0062】
また、小計操作後においても、商品の登録画面に復帰し、登録明細上から所定の商品について推奨商品に変更できるようになっていてもよい。この場合、登録明細中の登録商品について、変更可能な推奨商品がない場合には、その旨のメッセージを出力して精算処理へ移行を促したり、自動的に精算処理へ移行したりするようになっていてもよい。
また、変更可能な推奨商品がある場合には、変更可能な推奨商品のある商品の一覧を表示し、商品ごとに推奨商品への変更を受け付けるようになっていてもよい。
【0063】
なお、
図5を参照して説明した処理、
図14を参照して説明した処理、及び小計操作後の登録画面への復帰など、上述した各処理は、その一部またはすべてを単独または適宜に組み合わせて実行させることができる。
【0064】
また、以上の本実施形態において、所定の登録商品から推奨商品への変更登録の履歴を店員毎に管理し、店員を評価できるようにしてもよい。この場合には例えば、店員による推奨によって顧客が推奨商品を購入したことを取引データに記録すべく、推奨商品の商品情報を取得する前後等において、推奨商品への変更をフラグ管理するための操作を行うとよい。これにより、どの店員が、どの商品について推奨商品を推奨し、顧客にご購入頂いたかを記録できる。
また、店員による推奨商品の推奨にインセンティブを付与するようにしてもよい。例えば、推奨商品の推奨が成功したか否か、成功した回数などに応じて店員に評価ポイントを付与する。より具体的には、新発売の推奨商品の推奨に成功した場合や、より高額な推奨商品の推奨に成功したか否かによって、加点を変更してもよいし、一定期間、推奨できない場合には減点するなどしてもよい。例えば、勤務時間で36時間連続推奨していないなら評価ポイントを減点するなどする。
【0065】
このような店員に対するインセンティブや評価に係る情報は、店員がPOS端末1にログインした時など、所定のタイミングで提供してもよい。
図15は、そのような情報提供画面の一例を示している。この画面上には、ログインした店員について、所定の期間における推奨商品の推奨の成功回数やポイントを表示している。また、この画面上において、現時点における推奨商品の情報を確認できるようになっていてもよく、推奨商品が複数ある場合には、注文商品順で表示してもよいし、新しく設定された商品順で表示してもよい。
【0066】
また、所定の登録商品を推奨商品に変更させる処理を要求する短縮ボタンを設けておき、当該短縮ボタンを押下することで、即時に所定の登録商品に代えて推奨商品に変更できるようにしてもよい。具体的には、レコメンド1・2・3などのタッチキーやメカキーを設けておき、登録画面などで商品明細から所定の登録商品を選択したときに短縮キーを押すと、登録商品に代えて、短縮キーに割り当てられていた推奨商品が登録される。
【0067】
また、所定の登録商品から推奨商品への変更登録を要求する操作は、店員が行ってもよいし、別途、顧客用に設けたタッチパネル等の入出力部を介して、顧客に実行させてもよい。また、別途、顧客用に設けたタッチパネル等の入出力部を介して、変更登録を確定する意思確認のための操作を顧客に要求するようになっていてもよい。
【0068】
また、推奨商品の店内在庫を管理すると共に、店内の推奨品の最低在庫数を設定しておき、リアルタイムで在庫を自動的にチェックしたり、「在庫更新」キーなどの押下に応じて在庫をチェックしたりし、所定の設定数量に達した推奨商品を推奨しないようにしてもよい。また、在庫数を表示したり、残り商品が少ないことを報知するように、推奨商品の表示態様を変えてもよい。また、レコメンド画面における推奨商品の表示順や優先順を在庫の多い順に変更するなどしてもよい。
また、推奨商品の在庫数に応じて推奨可能な回数を設定したり、一日あたりの推奨回数を設定したりしてもよい。
【0069】
また、所定の商品について、在庫数の減少あるいは売れ行き状況に応じて推奨商品の推奨を一時停止したり、画面上は推奨商品を非表示としたりしてもよい。この場合には、在庫の追加によって在庫数が所定の閾値を超えたり、在庫が減少した推奨商品に代替する推奨商品が設定されたりしたときに、再度、開当該所定の商品について推奨商品の推奨を行うようにしてもよい。実際の店舗では、店内の陳列棚等の陳列場所に推奨商品がない状態を店員が把握できるので、推奨用に確保した商品を所定の陳列場所へ戻すように報知するなどすれば、条件による対応も店員がすばやく実行することができる。
【0070】
また、会員登録等により顧客を識別し、顧客ごとに推奨商品の推奨回数や推奨の履歴等を管理してもよい。
これにより例えば、顧客に対する推奨商品の推奨に回数制限を設け、推奨商品の推奨が執拗になり、顧客に不快な思いをさせるのを防ぐことができる。回数制限は、登録商品ごと、あるいは推奨商品ごとに設定することもできる。
また、顧客ごとに推奨商品の購入回数や、推奨に応じて推奨商品に変更したかどうかなど、顧客の購入傾向を分析することも可能である。
【0071】
また、以上の本実施形態では、店員が商品の登録から精算までを行う方式を前提としたが、これに限らず、店員が顧客の購入する商品の登録処理を登録機で行い、顧客が精算機で精算処理を行う方式、所謂セミセルフ方式のPOSレジスタにも本発明は適用可能である。この場合には、登録機において商品の登録が完了し、送信キーの押下に応じて、登録機から精算機に商品の登録情報が送信されるまでは、登録商品を推奨商品に変更することが可能である。各商品を登録するタイミングで推奨商品を推奨する場合には、上述した
図5の処理の流れに即して処理が実行され、商品を登録したタイミングで推奨商品を推奨する場合には、商品の登録情報を精算機に送信する操作に応じて、上述した
図14の処理の流れに即して処理が実行される。
さらに、フルセルフ式POSレジスタにも適用可能であり、この場合にはPOSレジスタで顧客自ら商品を登録した際に、店員が監視モニタで確認したり、サインライトの点滅、点灯などで報知することにより、推奨商品を勧めても良い。
【0072】
また、以上により説明した本発明の実施形態に係るPOS端末1について、ソフトウェア資源は適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置又は別体をなす装置、あるいはシステムとして構成することもできる。これにより例えば、中央集権的な上位の装置やシステムが一元的に処理するように構成することもできる。また、POS端末1を登録装置と精算装置という別体の装置で構成し、所定の通信網を介して接続されて協働するように構成することもできる。
【0073】
●実施形態総括
本発明は、所定の商品の登録時、当該所定の商品に代わる商品を推奨する技術に関する。
【0074】
様々な商品を取り扱うスーパーマーケットやドラッグストア等の店舗では、顧客に所定の商品の購入を推奨したいときがある。
【0075】
この点、商品の識別情報を読み取ると共に商品の精算完了時に当該取引に関するレシートを発行するPOSターミナル及びPOSターミナルで読み取った識別情報を含む問合せメッセージを受け取り当該識別情報に対応する価格を含む商品情報を応答するコントローラを有するPOSシステムと、このPOSシステムのネットワーク上に接続されるクーポンサーバとから構成されるクーポン発券システムにおいて、クーポンサーバは、POSターミナルからコントローラに送信される問合せメッセージを解析しその解析結果に応じてPOSターミナルにクーポンを発券させるクーポン発券システムが提案されている(特許文献1:特開2007-0108142号公報参照)。
【0076】
上記特許文献1では、顧客が商品を購入した後にクーポン券を発行し、これにより所定の商品の購入を顧客に促す。
しかしながら、そのようなシステムでは、店舗がお奨めする所定の商品の購入は、顧客が次に来店した時になってしまう。また、次回来店時までに顧客がクーポン券のことを忘れ去ってしまうかもしれないし、とりあえず購入した商品で間に合ってしまうこともある。
【0077】
そこで本発明は、所定の商品の登録時、当該所定の商品に代わる商品を推奨することを目的の一つとする。
【0078】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る商品販売データ処理装置は、商品を登録する登録処理手段と、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する第一の出力手段と、を備える。
【0079】
また、前記所定の登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力する第二の出力手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0080】
また、前記所定の登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付けた後、前記推奨商品の商品情報として所定の商品の商品情報の入力を受け付ける受付処理手段と、前記入力を受け付けた商品情報が前記推奨商品の商品情報と異なる場合に、その旨を報知する報知処理手段と、をさらに備えるものとしてもよい。
【0081】
また、前記商品の登録明細において、前記所定の登録商品に代えて登録された前記推奨商品を、変更された前記所定の登録商品に関連付けて出力する第三の出力手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0082】
また、前記所定の登録商品と前記推奨商品とに差額がある場合、当該差額を出力する第四の出力手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0083】
また、前記所定の登録商品と前記推奨商品各々の特典情報を出力する第五の出力手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0084】
また、前記所定の登録商品に代えて前記推奨商品が登録されなかった場合、前記推奨商品のクーポン券を発行する発行処理手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0085】
また、本発明の別の観点に係る商品販売データ処理方法は、コンピュータにより、商品を登録する登録処理と、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する処理と、を実行する。
【0086】
また、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに対し、商品を登録する登録処理と、所定の登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する処理と、を実行させる。
【0087】
本発明によれば、所定の商品の登録時、即ち顧客が商品を購入しようとしているタイミングで、当該所定の商品に代わる商品を推奨できるので、推奨商品への変更が行われやすい。
また、店員は、推奨商品の詳細情報や、推奨商品の変更によるメリットなどをレコメンド画面上で即座に把握し、顧客に推奨商品を奨めることができる。推奨商品を奨めた結果、顧客が推奨商品を購入しなかった場合でも、推奨小商品の宣伝になる。
また、所定の登録商品に代えて推奨商品を変更登録する場合、実際に取り替える商品の情報を取得し、取り替えられるべき推奨商品であるかを判断するので、間違って異なる商品に変更されてしまうのを防ぐことができる。
また、より実際的な場面では、ナショナルブランドの商品に代わる推奨商品としてプライベートブランドの商品を顧客に推奨し、店舗運営に貢献することができる。
また、本発明は、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア等、様々な小売店に導入できる。
【符号の説明】
【0088】
1 :POS端末
11 :入出力部
12 :読取部
13 :釣銭釣札部
14 :決済部
15 :印刷部
100 :制御部
104 :インターフェース回路
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入予定の商品として登録された登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する第一の出力手段と、
前記登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力する第二の出力手段と、
前記登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付けた後、前記推奨商品の識別情報の入力を受け付ける受付処理手段と、を備える、
商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記受付処理手段にて入力を受け付けた識別情報が前記推奨商品の識別情報と異なる場合に、その旨を報知する報知処理手段、をさらに備える、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記第一の出力手段で出力された前記推奨商品と、前記第二の出力手段で出力された操作子を、登録明細に重畳させて表示する第一の表示手段、をさらに備え、
前記第一の表示手段において前記推奨商品を特定し、前記操作子の操作にて変更登録を受付けた場合に、前記受付処理手段にて前記推奨商品の識別情報の入力を行う画面を表示する、
請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記商品の登録明細において、前記登録商品に代えて登録された前記推奨商品を、変更された前記登録商品に関連付けて出力する第三の出力手段、をさらに備える、
請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
会員情報を取得する会員情報取得手段、をさらに備え、
前記推奨商品は前記会員情報により異なる設定が可能である、
請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
登録明細において表示された登録商品に付され、当該登録商品に前記推奨商品が設定されていることを示すとともに、指定することによって前記第一の出力手段により前記推奨商品を出力する操作子を表示する第二の表示手段、をさらに備える、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
前記登録商品に代えて前記推奨商品が登録されなかった場合、前記推奨商品のクーポン券を発行する発行処理手段、をさらに備える、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項8】
コンピュータに対し、
購入予定の商品として登録された登録商品に代わる推奨商品がある場合、当該推奨商品を出力する第一の出力処理と、
前記登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付ける操作子を出力する第二の出力処理と、
前記登録商品から前記推奨商品への変更登録を受け付けた後、前記推奨商品の識別情報の入力を受け付ける受付処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。