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  • 特開-箔転写装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000016
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】箔転写装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/188 20060101AFI20231225BHJP
   B44C 1/17 20060101ALI20231225BHJP
   B41J 2/325 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B65H23/188
B44C1/17 H
B41J2/325 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098518
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】山辺 勝利
(72)【発明者】
【氏名】篠原 貴仁
【テーマコード(参考)】
2C065
3B005
3F105
【Fターム(参考)】
2C065AF02
2C065DA33
2C065DA35
2C065DA38
3B005EA04
3B005EB05
3B005EB07
3B005FB42
3B005GA04
3B005GB03
3F105AA01
3F105AA04
3F105AB04
3F105BA02
3F105BA04
3F105CB01
3F105CB10
(57)【要約】
【課題】長尺の媒体に箔を転写するための箔転写装置において、媒体への箔の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能な箔転写装置を提供する。
【解決手段】箔転写装置1は、長尺の媒体2に接着剤を塗布する接着剤塗布機構5と、媒体2の長手方向に媒体2を搬送する媒体搬送機構6と、媒体2に転写される箔が基材上に形成された箔転写シート3を接着剤が塗布された後の媒体2に押圧して媒体2に箔を転写するための転写ローラ対7とを備えている。転写ローラ対7は、媒体2に接触する第1箔転写ローラ29と、箔転写シート3に接触する第2箔転写ローラ30とから構成されており、第1箔転写ローラ29および第2箔転写ローラ30の少なくともいずれか一方には、ヒータが内蔵されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の媒体に接着剤を塗布する接着剤塗布機構と、前記媒体の長手方向に前記媒体を搬送する媒体搬送機構と、前記媒体に転写される箔が基材上に形成された箔転写シートを前記接着剤が塗布された後の前記媒体に押圧して前記媒体に前記箔を転写するための転写ローラ対とを備え、
前記転写ローラ対は、前記媒体に接触する第1箔転写ローラと、前記箔転写シートに接触する第2箔転写ローラとから構成され、
前記第1箔転写ローラおよび前記第2箔転写ローラの少なくともいずれか一方には、ヒータが内蔵されていることを特徴とする箔転写装置。
【請求項2】
前記第1箔転写ローラに前記ヒータが内蔵されていることを特徴とする請求項1記載の箔転写装置。
【請求項3】
前記第1箔転写ローラの温度を検知するための温度検知機構と、前記温度検知機構の検知結果に基づいて前記ヒータを制御するヒータ制御部とを備えることを特徴とする請求項2記載の箔転写装置。
【請求項4】
前記箔が転写される前の前記媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷機構を備え、
前記転写ローラ対によって、前記媒体の、前記接着剤が塗布された部分に前記箔が転写可能となるときの前記第1箔転写ローラの最低温度を第1温度とし、前記転写ローラ対によって、前記媒体の、印刷が行われた部分に前記箔が転写可能となるときの前記第1箔転写ローラの最低温度を第2温度とすると、
前記第2温度は、前記第1温度よりも高くなっており、
前記ヒータ制御部は、前記第1温度以上の温度であって前記第2温度未満の温度である所定の第3温度と、前記温度検知機構で検知される検知温度との比較結果に基づいて、前記ヒータの出力を制御することを特徴とする請求項3記載の箔転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の媒体に箔を転写するための箔転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺の媒体(被記録媒体)に箔を転写するための箔転写装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の箔転写装置は、箔が転写される前の媒体を供給する供給ロールと、箔が転写された後の媒体を巻き取って回収する回収ロールと、媒体に箔が転写される前の箔転写シートを供給する箔送り出しスプールと、媒体に箔が転写された後の箔転写シートを巻き取る箔巻き取りスプールとを備えている。また、この箔転写装置は、供給ロールから供給された媒体に接着用液を吐出するインクジェットヘッドと、接着用液が塗布された媒体に箔転写シートを密着させて押し付ける箔転写ニップローラ対とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-226880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載の箔転写装置のように長尺の媒体に箔を転写するための箔転写装置を開発している。本願発明者の検討によると、開発中の箔転写装置において、媒体への箔の転写性にばらつきが生じることが明らかになった。媒体への箔の転写性にばらつきが生じると、箔が転写された後の媒体の品質が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、長尺の媒体に箔を転写するための箔転写装置において、媒体への箔の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能な箔転写装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本願発明者は、種々の検討を行った。その結果、本願発明者は、まず、箔転写装置の周辺温度の変動によって、媒体への箔の転写性がばらつくことを知見するに至った。具体的には、本願発明者は、箔転写装置の周辺温度が低下するにしたがって、媒体への箔の転写性が低下して、媒体に箔が転写されにくくなることを知見するに至った。また、本願発明者は、さらなる検討によって、箔転写装置の周辺温度が低下しても、媒体と箔転写シートとが密着する部分を温めることで、媒体への箔の転写性の低下を効果的に抑制することが可能になり、その結果、媒体への箔の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能になることを知見するに至った。
【0007】
本発明の箔転写装置は、かかる新たな知見に基づくものであり、長尺の媒体に接着剤を塗布する接着剤塗布機構と、媒体の長手方向に媒体を搬送する媒体搬送機構と、媒体に転写される箔が基材上に形成された箔転写シートを接着剤が塗布された後の媒体に押圧して媒体に箔を転写するための転写ローラ対とを備え、転写ローラ対は、媒体に接触する第1箔転写ローラと、箔転写シートに接触する第2箔転写ローラとから構成され、第1箔転写ローラおよび第2箔転写ローラの少なくともいずれか一方には、ヒータが内蔵されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の箔転写装置では、接着剤が塗布された後の媒体に箔転写シートを押圧して媒体に箔を転写するための転写ローラ対は、媒体に接触する第1箔転写ローラと、箔転写シートに接触する第2箔転写ローラとから構成されている。また、本発明では、第1箔転写ローラおよび第2箔転写ローラの少なくともいずれか一方にヒータが内蔵されている。そのため、本発明では、箔転写装置の周辺温度が低下しても、媒体と箔転写シートとが密着する部分を温めることが可能になる。したがって、本発明では、箔転写装置の周辺温度が低下しても、媒体への箔の転写性の低下を効果的に抑制することが可能になり、その結果、媒体への箔の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能になる。
【0009】
本発明において、たとえば、第1箔転写ローラにヒータが内蔵されている。この場合には、第1箔転写ローラと第2箔転写ローラとの両方にヒータが内蔵されている場合と比較して、箔転写装置の構成を簡素化することが可能になる。
【0010】
本発明において、箔転写装置は、第1箔転写ローラの温度を検知するための温度検知機構と、温度検知機構の検知結果に基づいてヒータを制御するヒータ制御部とを備えることが好ましい。このように構成すると、媒体と箔転写シートとが密着する部分の温度を適温にすることが可能になり、その結果、媒体への箔の転写性のばらつきをより効果的に抑制することが可能になる。
【0011】
本発明において、箔転写装置は、たとえば、箔が転写される前の媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷機構を備え、転写ローラ対によって、媒体の、接着剤が塗布された部分に箔が転写可能となるときの第1箔転写ローラの最低温度を第1温度とし、転写ローラ対によって、媒体の、印刷が行われた部分に箔が転写可能となるときの第1箔転写ローラの最低温度を第2温度とすると、第2温度は、第1温度よりも高くなっており、ヒータ制御部は、第1温度以上の温度であって第2温度未満の温度である所定の第3温度と、温度検知機構で検知される検知温度との比較結果に基づいて、ヒータの出力を制御する。この場合には、媒体の、印刷が行われた部分に箔が転写されるのを防止しつつ、媒体の、接着剤が塗布された部分に箔を転写することが可能になる。すなわち、媒体の、接着剤が塗布された部分のみに箔を転写することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明では、長尺の媒体に箔を転写するための箔転写装置において、媒体への箔の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態にかかる箔転写装置の構成を説明するための側面図である。
図2図1に示す第1箔転写ローラの構成を説明するための断面図である。
図3図2に示す第1箔転写ローラの温度を検知する温度検知機構の構成を説明するための概略図である。
図4図2に示すヒータの制御に関連する構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
(箔転写装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる箔転写装置1の構成を説明するための側面図である。
【0016】
本形態の箔転写装置1は、長尺の媒体2に箔(金属箔)を転写するための装置である。箔転写装置1は、媒体2に転写される箔が基材(台紙)上に形成された長尺の箔転写シート3を、接着剤が塗布された後の媒体2に押圧して媒体2に箔を転写する。また、箔転写装置1は、媒体2に連続的に接着剤を塗布するとともに媒体2に連続的に箔を転写する。接着剤が塗布される前の媒体2、および、箔が転写された後の媒体2は、ロール状に巻回されている。また、媒体2に箔が転写される前の箔転写シート3、および、媒体2に箔が転写された後の箔転写シート3は、ロール状に巻回されている。
【0017】
媒体2は、合成樹脂または紙で形成された長尺のシート状媒体である。媒体2の引張弾性率が低くなっていると、媒体2に張力が作用したときに媒体2が伸びやすくなる。箔が転写された後の媒体2に張力が作用して媒体2が所定量以上伸びると、箔にひび割れが生じるおそれがある。また、箔を転写するときの媒体2に張力が作用して媒体2が所定量以上に伸びていると、箔が転写された後、媒体2の張力が取り除かれたときに、媒体2に転写された箔にしわが生じるおそれがある。そのため、媒体2の引張弾性率は、所定の値以上となっていることが好ましい。
【0018】
具体的には、媒体2の引張弾性率は、0.1×10kg/cm以上となっていることが好ましく、0.2×10kg/cm以上となっていることがより好ましい。したがって、本形態の媒体2は、たとえば、ポリ塩化ビニリデン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの中から選択される1つの合成樹脂によって形成されている。あるいは、媒体2は、これらの合成樹脂の中から任意に選択される2つ以上の合成樹脂を混合した合成樹脂によって形成されている。また、媒体2は、引張弾性率が比較的高い、繊維と合成樹脂との複合材料によって形成されていても良い。たとえば、媒体2は、ターポリン等で形成されていても良い。
【0019】
箔転写装置1は、長尺の媒体2に接着剤を塗布する接着剤塗布機構5と、長尺の媒体2の長手方向に媒体2を搬送する媒体搬送機構6と、接着剤が塗布された後の媒体2に箔転写シート3を押圧して媒体2に箔を転写するための転写ローラ対7と、接着剤が塗布された後の媒体2を加熱するための第1ヒータ8と、箔が転写される前の媒体2を加熱して媒体2に塗布された接着剤の粘着力を高めるための(すなわち、接着剤を賦活させるための)第2ヒータ9とを備えている。
【0020】
また、箔転写装置1は、接着剤が塗布される前のロール状に巻回された媒体2が取り付けられる媒体繰出し部12と、箔が転写された後のロール状に巻回された媒体2が取り付けられる媒体巻取り部13と、箔が転写される前のロール状に巻回された箔転写シート3が取り付けられる転写シート繰出し部14と、箔が転写された後のロール状に巻回された箔転写シート3が取り付けられる転写シート巻取り部15とを備えている。さらに、箔転写装置1は、接着剤塗布機構5と媒体搬送機構6と第1ヒータ8と媒体繰出し部12が取り付けられる本体フレーム16と、転写ローラ対7と第2ヒータ9と媒体巻取り部13と転写シート繰出し部14と転写シート巻取り部15とが取り付けられる転写ユニットフレーム17とを備えている。
【0021】
接着剤塗布機構5は、媒体2の搬送方向(媒体2の送り方向)において転写ローラ対7よりも上流側に配置されている。接着剤塗布機構5は、媒体2に接着剤を吐出するインクジェットヘッド20(以下、「ヘッド20」とする。)を備えている。すなわち、接着剤塗布機構5は、インクジェット方式で媒体2に接着剤を塗布する。接着剤塗布機構5は、ヘッド20が搭載されるキャリッジ21と、媒体2の幅方向となる主走査方向(図1等のY方向)にキャリッジ21を移動させるキャリッジ駆動機構22と、主走査方向への移動が可能となるようにキャリッジ21を支持する支持部材23と、ヘッド20の下側に配置されるプラテン24とを備えている。
【0022】
キャリッジ21に搭載されるヘッド20は、プラテン24に載置される媒体2の上面に向かって接着剤を吐出する。すなわち、ヘッド20は、下側に向かって接着剤を吐出する。ヘッド20の下面には、接着剤を吐出する複数のノズルが形成されている。また、ヘッド20は、たとえば、ノズルから接着剤を吐出させるための圧電素子(ピエゾ素子)を備えている。媒体2の一方の面は、接着剤が塗布される接着剤塗布面となっている。具体的には、プラテン24に載置されたときの媒体2の上面が接着剤塗布面となっている。
【0023】
キャリッジ駆動機構22は、たとえば、キャリッジ21に一部分が固定されるベルトと、ベルトが掛け渡されるプーリと、プーリを回転させるためのモータとを備えている。支持部材23は、本体フレーム16に固定されている。プラテン24は、本体フレーム16に下側から支持されている。
【0024】
キャリッジ21には、媒体2にインクを吐出して印刷を行うためのインクジェットヘッド18(以下、「ヘッド18」とする。)も搭載されている。すなわち、本形態の箔転写装置1は、インクジェットプリンタである。ヘッド18は、たとえば、カラーインクを吐出する。また、ヘッド18は、プラテン24に載置される媒体2の上面に向かってインクを吐出する。ヘッド18の下面には、インクを吐出する複数のノズルが形成されている。また、ヘッド18は、たとえば、ノズルからインクを吐出させるための圧電素子(ピエゾ素子)を備えている。
【0025】
ヘッド18は、プラテン24に載置されたときの媒体2の上面にインクを吐出する。すなわち、ヘッド18は、媒体2の接着剤塗布面にインクを吐出する。また、ヘッド18は、媒体2の接着剤塗布面の、接着剤が塗布されていない部分の一部または全体にインクを吐出する。すなわち、ヘッド20は、媒体2の接着剤塗布面の、印刷が行われていない部分の一部または全体に接着剤を塗布する。このように、プラテン24に載置された媒体2には、接着剤の塗布と印刷とが行われる。本形態では、ヘッド18、キャリッジ21、キャリッジ駆動機構22、支持部材23、および、プラテン24等によって、箔が転写される前の媒体2にインクを吐出して印刷を行う印刷機構19が構成されている。
【0026】
以下の説明では、媒体2の幅方向である主走査方向(Y方向)を「左右方向」とし、上下方向(鉛直方向、図1のZ方向)と左右方向とに直交する方向を「前後方向」とする。また、前後方向の一方側である図1のX1方向側を「前」側とし、その反対側である図1のX2方向側を「後ろ」側とする。本形態では、接着剤の塗布および印刷が行われる前の媒体2は、後ろ側からプラテン24の上面に搬送され、接着剤の塗布および印刷が行われた後の媒体2は、プラテン24の上面から前側に搬送される。
【0027】
媒体搬送機構6は、媒体2の搬送方向において転写ローラ対7よりも上流側に配置されている。媒体搬送機構6は、媒体2に接触して媒体2を搬送する搬送ローラ26と、搬送ローラ26に対向配置されるとともに搬送ローラ26に向かって付勢されるパッドローラ27とを備えている。搬送ローラ26およびパッドローラ27は、媒体2の搬送方向においてプラテン24よりも上流側に配置されており、プラテン24よりも後ろ側に配置されている。搬送ローラ26は、搬送ローラ26を回転させる駆動機構に連結されている。媒体2は、搬送ローラ26とパッドローラ27との間に挟まれており、媒体2は、搬送ローラ26とパッドローラ27との間に挟まれた状態で搬送される。
【0028】
プラテン24の前側には、アフタープラテン28が配置されている。アフタープラテン28の表面には、プラテン24から転写ローラ対7に向かって搬送される媒体2を案内するためのガイド面28aが形成されている。ガイド面28aは、凸曲面状に形成されている。プラテン24から転写ローラ対7に向かって搬送される媒体2は、ガイド面28aに接触する。第1ヒータ8は、ガイド面28aに沿うようにアフタープラテン28の内部に配置されている。
【0029】
転写ローラ対7は、アフタープラテン28よりも下側に配置されている。また、転写ローラ対7は、アフタープラテン28よりも前側に配置されている。第2ヒータ9は、媒体2の搬送方向において第1ヒータ8と転写ローラ対7との間に配置されている。すなわち、第2ヒータ9は、媒体2の搬送方向において第1ヒータ8よりも下流側に配置されている。転写ローラ対7は、第2ヒータ9の斜め前下側に配置されている。第2ヒータ9には、媒体2が接触する接触面が形成されており、この接触面は、前側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜する平面状の傾斜面となっている。
【0030】
媒体繰出し部12は、プラテン24よりも下側に配置されている。また、媒体繰出し部12は、プラテン24よりも後ろ側に配置されている。媒体巻取り部13は、転写ローラ対7よりも下側に配置されている。また、媒体巻取り部13は、転写ローラ対7よりも前側に配置されている。転写シート繰出し部14は、転写ローラ対7よりも若干上側に配置されている。また、転写シート繰出し部14は、転写ローラ対7よりも前側に配置されている。転写シート巻取り部15は、転写ローラ対7よりも下側に配置されている。また、転写シート巻取り部15は、転写ローラ対7よりも前側に配置されている。また、転写シート巻取り部15は、媒体巻取り部13の上側に配置され、転写シート繰出し部14は、転写シート巻取り部15の上側に配置されている。
【0031】
転写ローラ対7は、2個の箔転写ローラ29、30によって構成されている。箔転写ローラ29、30は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。すなわち、転写ローラ対7は、左右方向を回転の軸方向として転写ユニットフレーム17に対して回転可能になっている。箔転写ローラ30は、箔転写ローラ29の斜め上側に配置されている。具体的には、箔転写ローラ30は、箔転写ローラ29の前斜め上側に配置されており、斜め前上側から箔転写ローラ29に対向している。箔転写ローラ29の外径(直径)は、2インチ以上となっている。本形態では、箔転写ローラ29の外径は、3インチとなっている。箔転写ローラ30の外径は、箔転写ローラ29の外径と等しくなっている。
【0032】
媒体2と箔転写シート3とは、転写ローラ対7において合流し、箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間で密着する。具体的には、箔転写シート3の、箔が形成されている面と、媒体2の接着剤塗布面とが箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間で密着する。すなわち、媒体2および箔転写シート3は、箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間に挟まれている。媒体2および箔転写シート3は、斜め後ろ上側から箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間に入る。箔転写ローラ30の上側には、転写シート繰出し部14から繰り出される箔転写シート3を転写ローラ対7に案内するためのガイドローラ31が配置されている。ガイドローラ31は、下側から箔転写シート3に接触している。
【0033】
箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間では、箔転写シート3が前上側に配置され、媒体2が後ろ下側に配置されている。箔転写ローラ30は、箔転写シート3に前上側から接触し、箔転写ローラ29は、媒体2に後ろ下側から接触している。箔転写ローラ29、30は、媒体搬送機構6によって搬送される媒体2に追従して回転する従動ローラである。すなわち、箔転写装置1は、箔転写ローラ29を回転させる駆動源および箔転写ローラ30を回転させる駆動源を備えていない。箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間では、箔転写シート3から媒体2に箔が転写される。具体的には、媒体2の、接着剤が塗布された部分に箔転写シート3から箔が転写される。媒体2は、転写ローラ対7に到達する前に第2ヒータ9によって加熱される。
【0034】
本形態の箔転写ローラ29は、媒体2に接触する第1箔転写ローラとなっており、箔転写ローラ30は、箔転写シート3に接触する第2箔転写ローラとなっている。箔転写ローラ29の具体的な構成については後述する。
【0035】
媒体繰出し部12は、接着剤の塗布および印刷が行われる前のロール状に巻回された媒体2であるロール状媒体32を保持している。ロール状媒体32は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。媒体繰出し部12は、ロール状媒体32が取り付けられる回転軸を備えている。媒体繰出し部12は、ロール状媒体32を回転させる駆動源を備えておらず、ロール状媒体32は、媒体搬送機構6による媒体2の搬送に応じて従動的に回転する。
【0036】
媒体巻取り部13は、箔が転写された後のロール状に巻回された媒体2であるロール状媒体33を保持している。ロール状媒体33は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。媒体巻取り部13は、箔が転写された後の媒体2を巻き取る媒体巻取り機構34を備えている。媒体巻取り機構34は、ロール状媒体33が取り付けられる回転軸と、ロール状媒体33を回転させるためのモータと、モータの動力をロール状媒体33に伝達する動力伝達機構と、モータからロール状媒体33への動力伝達経路に配置されるトルクリミッタとを備えている。
【0037】
媒体巻取り機構34では、モータは、媒体2に箔を転写するときに媒体搬送機構6が媒体2を搬送しているのか否かにかかわらず駆動している。すなわち、モータは、媒体2に箔を転写するときには、媒体搬送機構6が媒体2を搬送しているのか否かにかかわらず、常時回転している。モータの回転速度は、媒体搬送機構6とロール状媒体33との間で媒体2に弛みが生じないように設定されている。すなわち、モータの回転速度は、媒体巻取り機構34による媒体2の巻取り速度が媒体搬送機構6による媒体2の搬送速度よりも速くなるように設定されている。トルクリミッタは、モータからロール状媒体33に伝達されるトルクが所定の値を超えると、ロール状媒体33に対してモータを空転させる。そのため、モータからロール状媒体33に伝達されるトルクが所定の値を超えると、モータの出力軸は回転しているが、ロール状媒体33は回転しない。
【0038】
転写シート巻取り部15は、箔が転写された後のロール状に巻回された箔転写シート3であるロール状シート35を保持している。ロール状シート35は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。転写シート巻取り部15は、箔が転写された後の箔転写シート3を巻き取る転写シート巻取り機構36を備えている。転写シート巻取り機構36は、ロール状シート35が取り付けられる回転軸と、ロール状シート35を回転させるためのモータと、モータの動力をロール状シート35に伝達する動力伝達機構と、モータからロール状シート35への動力伝達経路に配置されるトルクリミッタとを備えている。
【0039】
転写シート巻取り機構36では、モータは、媒体2に箔を転写するときに常時駆動している。すなわち、モータは、媒体2に箔を転写するときに常時回転している。トルクリミッタは、モータからロール状シート35に伝達されるトルクが所定の値を超えると、ロール状シート35に対してモータを空転させる。そのため、モータからロール状シート35に伝達されるトルクが所定の値を超えると、モータの出力軸は回転しているが、ロール状シート35は回転しない。本形態では、トルクリミッタのトルク設定値を調整することで、箔転写シート3の張力を調整することが可能になっている。
【0040】
転写シート繰出し部14は、箔が転写される前のロール状に巻回された箔転写シート3であるロール状シート37を保持している。ロール状シート37は、左右方向を回転の軸方向として回転可能になっている。転写シート繰出し部14は、ロール状シート37が取り付けられる回転軸を備えている。転写シート繰出し部14は、ロール状シート37を回転させる駆動源を備えておらず、ロール状シート37は、転写シート巻取り機構36によって巻き取られる箔転写シート3の動きに応じて従動的に回転する。なお、転写シート繰出し部14は、トルクリミッタを備えており、ロール状シート37に作用するトルクが所定の値になると、ロール状シート37が回転して箔転写シート3が繰り出される。そのため、本形態では、ロール状シート35とロール状シート37との間で箔転写シート3が弛まないようになっている。
【0041】
媒体2の搬送方向において転写ローラ対7と媒体巻取り部13との間には、媒体2および箔転写シート3を所定方向に案内するためのガイドローラ38が配置されている。ガイドローラ38は、転写ユニットフレーム17に回転可能に取り付けられている。ガイドローラ38は、左右方向を回転の軸方向として転写ユニットフレーム17に対して回転可能になっている。ガイドローラ38は、転写ローラ対7よりも下側であって、かつ、媒体巻取り部13よりも上側に配置されている。また、ガイドローラ38は、転写ローラ対7よりも前側であって、かつ、媒体巻取り部13および転写シート巻取り部15よりも後ろ側に配置されている。
【0042】
転写ローラ対7を通過した直後の媒体2は、箔転写シート3と重なっている。転写ローラ対7を通過した後の媒体2と箔転写シート3とは、互いに重なっている状態でガイドローラ38まで搬送され、ガイドローラ38を通過すると分離する。媒体2と箔転写シート3とは、ガイドローラ38において一定の位置で分離する。ガイドローラ38は、媒体2と重なっている箔転写シート3に斜め前上側から接触している。ガイドローラ38を通過した媒体2は、斜め前下側に向かって搬送されて媒体巻取り部13で巻き取られる。ガイドローラ38を通過した箔転写シート3は、前側に向かって搬送されて転写シート巻取り部15で巻き取られる。
【0043】
転写ユニットフレーム17は、本体フレーム16と別体で形成されている。転写ユニットフレーム17は、箔転写ローラ29を回転可能に保持する第1フレーム43と、箔転写ローラ30を回転可能に保持する第2フレーム44とを備えている。第1フレーム43と第2フレーム44とは別体で形成されている。第2フレーム44は、左右方向を回動の軸方向として第1フレーム43に対して回動可能となっている。転写ユニットフレーム17は、本体フレーム16の前側に配置されている。図1に示すように、本体フレーム16は、転写ユニットフレーム17が固定される連結部材45を備えている。転写ユニットフレーム17は、ネジによって連結部材45に固定されている。
【0044】
本体フレーム16に転写ユニットフレーム17を固定するためのネジを取り外すと、本体フレーム16から転写ユニットフレーム17を取り外すことが可能になる。すなわち、転写ユニットフレーム17は、本体フレーム16に対して着脱可能となっている。本体フレーム16および転写ユニットフレーム17の下端には、車輪46が取り付けられている。本形態では、転写ユニットフレーム17と、転写ユニットフレーム17に取り付けられる転写ローラ対7等とによって箔転写用ユニット47が構成されている。箔転写用ユニット47は、本体フレーム16に着脱可能に固定されている。
【0045】
第1フレーム43は、転写ユニットフレーム17の大半部分を構成している。第1フレーム43には、第2ヒータ9と媒体巻取り部13と転写シート繰出し部14と転写シート巻取り部15と箔転写ローラ29とガイドローラ38とが取り付けられている。第2フレーム44は、転写ユニットフレーム17の上端部を構成しており、第1フレーム43の上端部に回動可能に連結されている。第2フレーム44には、箔転写ローラ30とガイドローラ31とが取り付けられている。上述のように、第2フレーム44は、左右方向を回動の軸方向として第1フレーム43に対して回動可能となっている。
【0046】
第2フレーム44は、第2フレーム44の下端部を回動中心にして第1フレーム43に対して回動可能となっている。具体的には、第2フレーム44は、箔転写ローラ30の前側に配置される回動中心軸48を回動中心にして第1フレーム43に対して回動可能となっている。図1の反時計回りの方向に第1フレーム43に対して第2フレーム44を回動させると、第2フレーム44に保持される箔転写ローラ30が箔転写ローラ29から離れるため、箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との間に媒体2および箔転写シート3をセットすることが可能になる。
【0047】
(箔転写ローラの構成およびヒータに関連する構成)
図2は、図1に示す箔転写ローラ29の構成を説明するための断面図である。図3は、図2に示す箔転写ローラ29の温度を検知する温度検知機構54の構成を説明するための概略図である。図4は、図2に示すヒータ53の制御に関連する構成を説明するためのブロック図である。
【0048】
上述のように、箔転写ローラ29は、左右方向を回転の軸方向として転写ユニットフレーム17に対して回転可能になっている。図2に示すように、箔転写ローラ29は、ローラ本体50と、箔転写ローラ29の両端部を構成する2個のボス51とを備えている。ローラ本体50は、細長い薄肉の円筒状に形成されている。ローラ本体50は、金属材料で形成されている。たとえば、ローラ本体50は、アルミニウム合金で形成されている。ローラ本体50は、ローラ本体50の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。ボス51は、段付きの円筒状に形成されている。2個のボス51のうちの一方のボス51には、ローラ本体50の一端部が固定され、他方のボス51には、ローラ本体50の他端部が固定されている。ボス51は、軸受52を介して転写ユニットフレーム17に回転可能に保持されている。
【0049】
箔転写ローラ29には、ヒータ53が内蔵されている。すなわち、箔転写装置1は、箔転写ローラ29に内蔵されるヒータ53を備えている。本形態のヒータ53は、シーズヒータである。ヒータ53は、金属製のヒータパイプと、ヒータパイプに収容されるニクロム線と、ヒータパイプとニクロム線とを絶縁するための絶縁粉末とを備えている。ヒータ53は、ヒータパイプの軸方向と左右方向とが一致するように箔転写ローラ29の中に配置されている。ヒータ53の両端部は、転写ユニットフレーム17に固定されており、箔転写ローラ29が回転してもヒータ53は回転しない。
【0050】
また、箔転写装置1は、箔転写ローラ29の温度を検知するための温度検知機構54と、温度検知機構54の検知結果に基づいてヒータ53を制御するヒータ制御部55とを備えている。図3に示すように、温度検知機構54は、箔転写ローラ29の外周面に接触する金属製の板バネ56と、板バネ56に固定されるサーミスタ57とを備えている。ヒータ制御部55には、サーミスタ57が電気的に接続されている。また、ヒータ制御部55には、ヒータ53が電気的に接続されている。なお、図3では、箔転写ローラ29を簡略化して図示するとともに、ヒータ53の図示を省略している。
【0051】
板バネ56の一端部は、転写ユニットフレーム17に固定されている。サーミスタ57は、板バネ56の他端部に固定されている。たとえば、サーミスタ57は、ネジ(図示省略)によって、板バネ56の他端部に固定されている。板バネ56は、板バネ56の中間部分がローラ本体50の外周面に所定の接触圧で接触するように弾性変形している。サーミスタ57は、板バネ56を介してローラ本体50の外周面の温度を検知する。すなわち、サーミスタ57は、板バネ56を介して箔転写ローラ29の外周面の温度を検知する。
【0052】
ここで、箔転写ローラ29に接触する媒体2の温度が所定の温度に達すると、媒体2に塗布された接着剤の粘度が所定の粘度になって、転写ローラ対7によって、媒体2の、接着剤が塗布された部分に箔が転写可能になる。また、箔転写ローラ29に接触する媒体2の温度が所定の温度に達すると、媒体2に吐出されたインクの粘度が所定の粘度になって、転写ローラ対7によって、媒体2の、印刷が行われた部分に箔が転写可能になってしまう。転写ローラ対7によって、媒体2の、接着剤が塗布された部分に箔が転写可能となるときの箔転写ローラ29の最低温度(より具体的には、ローラ本体50の外周面の最低温度)を第1温度とし、転写ローラ対7によって、媒体2の、印刷が行われた部分に箔が転写可能となるときの箔転写ローラ29の最低温度(より具体的には、ローラ本体50の外周面の最低温度)を第2温度とすると、第2温度は、第1温度よりも高くなっている。
【0053】
ヒータ制御部55は、第1温度以上の温度であって第2温度未満の温度である所定の第3温度と、温度検知機構54で検知される検知温度との比較結果に基づいて、ヒータ53の出力を制御する。すなわち、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度と第3温度との比較結果に基づいて、ヒータ53の出力を制御する。本形態では、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度と第3温度との比較結果に基づいて、ヒータ53をオンオフ制御することでヒータ53の出力を制御する。具体的には、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度が第3温度未満であるときには、ヒータ53をオン状態にして箔転写ローラ29を温める。一方、サーミスタ57で検知される検知温度が第3温度以上であるときには、ヒータ制御部55は、ヒータ53をオフ状態にする。
【0054】
なお、第1温度は、媒体2の種類および接着剤の種類によって変動し、第2温度は、媒体2の種類およびインクの種類によって変動する。第3温度は、媒体2に対する接着剤の塗布および印刷が行われる前に予め算出されてヒータ制御部55に記憶されている。
【0055】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、箔転写ローラ29にヒータ53が内蔵されている。そのため、本形態では、箔転写装置1の周辺温度が低下しても、媒体2と箔転写シート3とが密着する部分を温めることが可能になる。したがって、本願発明者の検討によれば、本形態では、箔転写装置1の周辺温度が低下しても、媒体2への箔の転写性の低下を効果的に抑制することが可能になり、その結果、媒体2への箔3の転写性のばらつきを効果的に抑制することが可能になる。
【0056】
本形態では、ヒータ制御部55は、箔転写ローラ29の温度を検知するための温度検知機構54の検知結果に基づいてヒータ53を制御している。そのため、本形態では、媒体2と箔転写シート3とが密着する部分の温度を適温にすることが可能になり、その結果、媒体2への箔の転写性のばらつきをより効果的に抑制することが可能になる。
【0057】
また、本形態では、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度が第3温度未満であるときに、ヒータ53をオン状態にして箔転写ローラ29を温め、サーミスタ57で検知される検知温度が第3温度以上であるときに、ヒータ53をオフ状態にしている。そのため、本形態では、媒体2の、印刷が行われた部分に箔が転写されるのを防止しつつ、媒体2の、接着剤が塗布された部分に箔を転写することが可能になる。すなわち、本形態では、媒体2の、接着剤が塗布された部分のみに箔を転写することが可能になる。
【0058】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0059】
上述した形態において、箔転写ローラ29にシーズヒータ以外のヒータ53が内蔵されていても良い。また、上述した形態において、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度と第3温度との比較結果に基づいて、ヒータ53に印加される電圧を制御することで、あるいは、ヒータ53に供給される電流を制御することで、ヒータ53の出力を制御しても良い。また、上述した形態において、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度に基づいて、ヒータ53の強度を段階的にまたは連続的に変えても良い。
【0060】
上述した形態において、箔転写ローラ30にヒータ53が内蔵されていても良い。この場合には、箔転写装置1は、箔転写ローラ30の温度を検知するための温度検知機構を備えている。また、この場合には、箔転写ローラ29にヒータ53が内蔵されていなくても良いし、ヒータ53が内蔵されていても良い。ただし、箔転写ローラ29および箔転写ローラ30のいずれか一方のみにヒータ53が内蔵されている場合には、箔転写ローラ29と箔転写ローラ30との両方にヒータ53が内蔵されている場合と比較して、箔転写装置1の構成を簡素化することが可能になる。
【0061】
上述した形態において、ヘッド20が搭載されるキャリッジと、ヘッド18が搭載されるキャリッジとが別々に設けられていても良い。また、上述した形態において、温度検知機構54は、ローラ本体50の外周面の温度を非接触で検知する非接触式の温度計であっても良い。また、上述した形態において、箔転写ローラ29または箔転写ローラ30は、駆動源に連結された駆動ローラであっても良い。さらに、上述した形態において、接着剤塗布機構5は、インクジェット方式以外の方式で媒体2に接着剤を塗布しても良い。
【0062】
上述した形態において、箔転写装置1は、印刷機構19を備えていなくても良い。この場合、たとえば、第3温度を超える所定の温度を第4温度とすると、ヒータ制御部55は、サーミスタ57で検知される検知温度が第4温度未満であるときに、ヒータ53をオン状態にして箔転写ローラ29を温め、サーミスタ57で検知される検知温度が第4温度以上であるときにヒータ53をオフ状態にする。また、箔転写装置1が印刷機構19を備えていない場合には、箔転写装置1は温度検知機構54を備えていなくても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 箔転写装置
2 媒体
3 箔転写シート
5 接着剤塗布機構
6 媒体搬送機構
7 転写ローラ対
19 印刷機構
29 箔転写ローラ(第1箔転写ローラ)
30 箔転写ローラ(第2箔転写ローラ)
53 ヒータ
54 温度検知機構
55 ヒータ制御部
図1
図2
図3
図4