(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160002
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/18 20060101AFI20241031BHJP
H01H 50/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01H50/18 Y
H01H50/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151130
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2021029801の分割
【原出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】大塚 航平
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 亮太
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 博之
(72)【発明者】
【氏名】小川 真一
(72)【発明者】
【氏名】堀江 彩太
(57)【要約】
【課題】駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれた状態であっても、電磁継電器の動作を可能とする。
【解決手段】可動鉄心は、可動接点が固定接点に近づく接触方向と、可動接点が固定接点から離れる開離方向とを含む移動方向に移動可能である。可動鉄心は、移動方向に延びる軸孔を含む。駆動軸は、可動接触片に接続される。駆動軸は、軸孔に通される。駆動軸は、可動鉄心に固定される。コイルは、可動鉄心を移動方向に移動させる磁力を発生させる。ストッパは、駆動軸に接続される。ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点と、
前記固定接点に向かい合う可動接点と、
前記可動接点に接続された可動接触片と、
前記可動接点が前記固定接点に近づく接触方向と、前記可動接点が前記固定接点から離れる開離方向とを含む移動方向に移動可能であり、前記移動方向に延びる軸孔を含む可動鉄心と、
前記可動接触片に接続され、前記軸孔に通され、前記可動鉄心に固定された駆動軸と、
前記可動鉄心を前記移動方向に移動させる磁力を発生させるコイルと、
前記駆動軸に接続され、前記駆動軸に対する前記可動鉄心の前記移動方向への移動を規制するストッパと、
前記ストッパと別体であり、前記ストッパと前記可動鉄心との間に挟み込まれる中間部品と、
を備える電磁継電器。
【請求項2】
前記ストッパは、前記軸孔よりも大きい、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記軸孔は、
前記移動方向に延びる第1孔と、
前記移動方向に延び、前記第1孔と連通し、前記第1孔よりも大きな第2孔と、
を含み、
前記駆動軸は、前記第1孔に通されており、
前記ストッパは、前記第2孔内に配置され、
前記ストッパは、前記第1孔よりも大きい、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記中間部品は、前記ストッパと異なる材料で形成される、
請求項1から3のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記ストッパは、前記駆動軸と一体的に形成される、
請求項1から4のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記ストッパは、前記駆動軸と別体である、
請求項1から4のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記ストッパは、前記可動鉄心に接触している、
請求項1から6のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記ストッパは、前記可動鉄心から前記移動方向に離れており、
前記移動方向における前記ストッパと前記可動鉄心との間の距離は、前記可動接点が前記固定接点に接触してからの前記可動鉄心の前記接触方向への可動範囲よりも小さい、
請求項1から7のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項9】
前記ストッパは、前記可動鉄心に対して前記接触方向に位置する、
請求項1から8のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項10】
前記ストッパは、前記可動鉄心に対して前記開離方向に位置する、
請求項1から8のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項11】
前記ストッパは、前記可動鉄心内に位置する、
請求項1から8のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項12】
前記ストッパは、
前記可動鉄心に対して前記開離方向に位置する第1ストッパと、
前記可動鉄心に対して前記接触方向に位置する第2ストッパと、
を含む、
請求項1から8のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項13】
前記可動鉄心は、前記軸孔に連通し、前記移動方向と、前記移動方向に垂直な横方向とに延びるスリットを含む、
請求項1から12のいずれかに記載の電磁継電器。
【請求項14】
前記可動鉄心は、前記軸孔を通る分割面において分割された複数の分割体を含む、
請求項1から13のいずれかに記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁継電器には、可動接触片と可動鉄心とが、駆動軸を介して接続されたものがある(例えば、特許文献1参照)。コイルによって発生する磁力によって、可動鉄心が移動する。駆動軸と可動接触片とは、可動鉄心と共に移動する。それにより、接点が開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電磁継電器では、駆動軸は、溶接、ねじ、或いはカシメなどの固定手段によって、可動鉄心に固定されている。熱、或いは衝撃などの要因により、固定手段が破壊されたときには、可動鉄心の動きが、駆動軸に伝わらなくなる。そのため、接点の開閉ができなくなる。本発明の課題は、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれた状態であっても、電磁継電器の動作を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、固定接点と、可動接点と、可動接触片と、可動鉄心と、駆動軸と、コイルと、ストッパとを備える。可動接点は、固定接点に向かい合う。可動接触片は、可動接点に接続される。可動鉄心は、可動接点が固定接点に近づく接触方向と、可動接点が固定接点から離れる開離方向とを含む移動方向に移動可能である。可動鉄心は、移動方向に延びる軸孔を含む。駆動軸は、可動接触片に接続される。駆動軸は、軸孔に通される。駆動軸は、可動鉄心に固定される。コイルは、可動鉄心を移動方向に移動させる磁力を発生させる。ストッパは、駆動軸に接続される。ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。
【0006】
本態様に係る電磁継電器では、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれたときに、ストッパが、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。そのため、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれても、駆動軸は、可動鉄心と共に移動することができる。それにより、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれた状態であっても、電磁継電器の動作が可能である。
【0007】
ストッパは、軸孔よりも大きくてもよい。この場合、ストッパが軸孔に対して抜け止めされる。それにより、ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。
【0008】
軸孔は、第1孔と第2孔とを含んでもよい。第1孔は、移動方向に延びてもよい。第2孔は、移動方向に延びてもよい。第2孔は、第1孔と連通してもよい。第2孔は、第1孔よりも大きくてもよい。駆動軸は、第1孔に通されてもよい。ストッパは、第2孔内に配置されてもよい。ストッパは、第1孔よりも大きくてもよい。この場合、ストッパが第1孔に対して抜け止めされる。それにより、ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。また、ストッパが第2孔内に配置されるため、ストッパの配置スペースを省略化できる。
【0009】
電磁継電器は、中間部品をさらに備えてもよい。中間部品は、ストッパと別体であってもよい。中間部品は、ストッパと可動鉄心との間に挟み込まれてもよい。この場合、ストッパ、或いは可動鉄心の損傷を抑えることができる。
【0010】
中間部品は、ストッパと異なる材料で形成されてもよい。この場合、例えば中間部品をストッパ及び可動鉄心よりも柔らかい材料で形成することで、ストッパ、或いは可動鉄心の損傷を抑えることができる。
【0011】
ストッパは、駆動軸と一体的に形成されてもよい。この場合、組立工数が削減される。ストッパは、駆動軸と別体であってもよい。この場合、駆動軸及びストッパの製造が容易である。
【0012】
ストッパは、可動鉄心に接触していてもよい。この場合、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれたときに、ストッパによって、駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動が、直ちに規制される。
【0013】
ストッパは、可動鉄心から移動方向に離れていてもよい。移動方向におけるストッパと可動鉄心との間の距離は、可動接点が固定接点に接触してからの可動鉄心の接触方向への可動範囲よりも小さくてもよい。この場合、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれたときに、ストッパは可動鉄心に接触する位置まで移動し、当該位置において駆動軸に対する可動鉄心の移動方向への移動を規制する。それにより、駆動軸が、可動鉄心と共に移動する。そして、可動接点が固定接点に接触した状態から、さらに駆動軸を接触方向に移動させることができる。それにより、接点の接触力を確保することができる。
【0014】
ストッパは、可動鉄心に対して接触方向に位置してもよい。この場合、ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の接触方向への移動を規制する。そのため、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれても、可動接点を固定接点に接触させることができる。
【0015】
ストッパは、可動鉄心に対して開離方向に位置してもよい。この場合、ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の開離方向への移動を規制する。そのため、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれても、可動接点を固定接点から開離させることができる。
【0016】
ストッパは、可動鉄心内に位置してもよい。この場合、ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の接触方向への移動と開離方向への移動との両方を規制する。そのため、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれても、可動接点を固定接点に接触させることができ、また、可動接点を固定接点から開離させることができる。
【0017】
ストッパは、第1ストッパと第2ストッパとを含んでもよい。第1ストッパは、可動鉄心に対して開離方向に位置してもよい。第2ストッパは、可動鉄心に対して接触方向に位置してもよい。この場合、第1ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の開離方向への移動を規制する。第2ストッパは、駆動軸に対する可動鉄心の接触方向への移動を規制する。そのため、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれても、可動接点を固定接点に接触させることができ、また、可動接点を固定接点から開離させることができる。
【0018】
可動鉄心は、スリットを含んでもよい。スリットは、軸孔に連通していてもよい。スリットは、移動方向と、移動方向に垂直な横方向とに延びていてもよい。この場合、スリットを通して、駆動軸を可動鉄心に容易に取り付けることができる。
【0019】
可動鉄心は、軸孔を通る分割面において分割された複数の分割体を含んでもよい。この場合、複数の分割体の間に駆動軸を挟んで複数の分割体を互いに固定することで、駆動軸を可動鉄心に容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれた状態であっても、電磁継電器の動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係る電磁継電器の断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る電磁継電器の断面図である。
【
図3】第1実施形態に係る電磁継電器の断面図である。
【
図4】第1実施形態の第1変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図5】第1実施形態の第2変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図6】第1実施形態の第3変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図7】第1実施形態の第4変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図8】第1実施形態の第5変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図9A】第1実施形態の第6変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図9B】第1実施形態の第6変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図10A】第1実施形態の第7変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図10B】第1実施形態の第7変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図11】第2実施形態に係るストッパを示す断面図である。
【
図12】第2実施形態の第1変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図13】第2実施形態の第2変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図14】第2実施形態の第3変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図15】第2実施形態の第4変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図16】第2実施形態の第5変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図17】第2実施形態の第6変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図18A】第2実施形態の第7変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図18B】第2実施形態の第7変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図19A】第2実施形態の第8変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図19B】第2実施形態の第8変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図20】第2実施形態の第9変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図21】第3実施形態に係るストッパを示す断面図である。
【
図22】第3実施形態の第1変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図23】第3実施形態の第2変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図24】第3実施形態の第3変形例に係る可動鉄心を示す断面図である。
【
図25】第3実施形態の第4変形例に係るストッパを示す断面図である。
【
図26】第3実施形態の第5変形例に係る可動鉄心を示す断面図である。
【
図27】第4実施形態に係るストッパを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る電磁継電器1の断面図である。
図1に示すように、電磁継電器1は、ケース2と、接点装置3と、駆動装置4とを備えている。ケース2は、樹脂などの絶縁性を有する材料で形成されている。ただし、ケース2は、セラミックなどの他の材料製であってもよい。ケース2内には、接点装置3が収容されている。
【0023】
接点装置3は、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8と、可動機構9と、第1固定接点10と、第2固定接点11と、第1可動接点12と、第2可動接点13とを含む。
【0024】
なお、以下の説明において、第1可動接点12から第1固定接点10へ向かう方向が「接触方向(Z1)」と定義される。接触方向は、可動接点12,13が固定接点10,11に近づく方向である。第1固定接点10から第1可動接点12へ向かう方向が「開離方向(Z2)」と定義される。開離方向は、可動接点12,13が固定接点10,11から離れる方向である。移動方向(Z1,Z2)は、接触方向(Z1)と開離方向(Z2)とを含む。
【0025】
第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8と、第1固定接点10と、第2固定接点11と、第1可動接点12と、第2可動接点13とは、導電性を有する材料で形成されている。例えば、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8とは、リン青銅、ベリリウム銅、黄銅、或いはタフピッチ銅などの端子材として公知の金属材料製である。ただし、第1固定端子6と、第2固定端子7と、可動接触片8とは、これらと異なる材料製であってもよい。第1固定接点10と、第2固定接点11と、第1可動接点12と、第2可動接点13とは、銅系金属、或いは銀系金属などの接点材として公知の金属材料製である。
【0026】
第1固定端子6と第2固定端子7とは、横方向(X1,X2)に互いに間隔を隔てて配置されている。横方向(X1,X2)は、移動方向(Z1,Z2)に垂直な方向である。第1固定端子6には、第1固定接点10が接続されている。第2固定端子7には、第2固定接点11が接続されている。第1固定接点10と第2固定接点11とは、ケース2内に配置されている。
【0027】
可動接触片8と第1可動接点12と第2可動接点13とは、ケース2内に配置されている。第1可動接点12と第2可動接点13とは、可動接触片8に接続されている。第1可動接点12は、第1固定接点10に向かい合っている。第1可動接点12は、第1固定接点10に接触及び開離可能である。第2可動接点13は、第2固定接点11に向かい合っている。第2可動接点13は、第2固定接点11に接触及び開離可能である。第1可動接点12は、第2可動接点13と横方向(X1,X2)に間隔を隔てて配置されている。
【0028】
可動接触片8は、移動方向(Z1,Z2)に移動可能である。すなわち、可動接触片8は、接触方向(Z1)と開離方向(Z2)とに移動可能である。可動接触片8は、閉位置と開位置とに移動可能である。
図1に示すように、可動接触片8が開位置で、可動接点12,13は、固定接点10,11から離れている。
図2に示すように、可動接触片8が閉位置で、可動接点12,13は、固定接点10,11に接触している。
【0029】
可動機構9は、可動接触片8を支持する。可動機構9は、駆動軸15と接点バネ16とを含む。駆動軸15は、可動接触片8に連結される。駆動軸15は、移動方向(Z1,Z2)に延びており、可動接触片8を移動方向(Z1,Z2)に貫通している。可動接触片8は、孔17を含む。孔17は、可動接触片8において移動方向(Z1,Z2)に延びている。駆動軸15は、孔17に通されている。駆動軸15は、可動接触片8と共に、移動方向(Z1,Z2)に移動可能である。また、駆動軸15は、可動接触片8に対して、移動方向(Z1,Z2)に移動可能である。
【0030】
駆動軸15には、第1ホルダ18と第2ホルダ19とが固定されている。可動接触片8は、第1ホルダ18と第2ホルダ19との間に配置されている。第1ホルダ18と第2ホルダ19とは、孔17より大きい。第1ホルダ18は、開離方向(Z2)への駆動軸15の移動を規制する。接点バネ16は、可動接触片8と第2ホルダ19との間に配置されている。接点バネ16は、可動接触片8を接触方向(Z1)へ向けて付勢する。
【0031】
駆動装置4は、コイル21と、スプール22と、可動鉄心23と、固定鉄心24と、ヨーク25と、復帰バネ26とを含む。駆動装置4は、電磁力によって、可動機構9を介して可動接触片8を開位置と閉位置とに移動させる。コイル21は、スプール22に巻回されている。可動鉄心23と、固定鉄心24とは、スプール22内に配置されている。コイル21は、可動鉄心23を移動方向に移動させる磁力を発生させる。
【0032】
可動鉄心23は、駆動軸15に接続されている。可動鉄心23は、移動方向(Z1,Z2)に移動可能である。固定鉄心24は、可動鉄心23と向かい合って配置されている。復帰バネ26は、可動鉄心23を開離方向(Z2)に付勢している。
【0033】
可動鉄心23は、移動方向(Z1,Z2)に延びる軸孔27を含む。軸孔27は、移動方向(Z1,Z2)に可動鉄心23を貫通している。軸孔27には、駆動軸15が通されている。駆動軸15は、可動鉄心23に固定されている。駆動軸15は、例えば溶接によって可動鉄心23に固定されている。ただし、駆動軸15は、ネジ、或いはカシメなどの他の固定手段によって、可動鉄心23に固定されてもよい。
【0034】
駆動軸15には、ストッパ28が接続されている。ストッパ28は、駆動軸15の端部に接続されている。ストッパ28は、可動鉄心23に対して開離方向(Z2)に位置する。ストッパ28は、駆動軸15から駆動軸15の外径方向に突出している。ストッパ28は、駆動軸15と一体的に形成されている。ストッパ28は、可動鉄心23に接触している。ストッパ28の外形は、軸孔27の内径よりも大きい。ストッパ28は、駆動軸15に対する可動鉄心23の開離方向(Z2)への移動を規制する。
【0035】
電磁継電器1では、コイル21が通電されると、コイル21から発生する磁界による磁力によって、可動鉄心23が固定鉄心24に吸引される。それにより、可動鉄心23と駆動軸15とが、復帰バネ26の付勢力に抗して、接触方向(Z1)に移動する。それにより、可動接触片8が接触方向(Z1)に移動し、
図3に示すように、第1可動接点12が第1固定接点10に接触し、第2可動接点13が第2固定接点11に接触する。その後、可動鉄心23がさらに接触方向(Z1)に移動することで、
図2に示すように、駆動軸15が可動接触片8に対して接触方向(Z1)に移動する。それにより、接点バネ16が圧縮されることで、可動接点12,13と固定接点10,11との間に高い接触力が確保される。
【0036】
コイル21への通電がオフにされると、可動鉄心23と駆動軸15とが、復帰バネ26の付勢力によって、開離方向(Z2)へ移動する。それにより、可動接触片8が
図1に示す開位置へ移動し、可動接点12,13が固定接点10,11から離れる。
【0037】
上述した第1実施形態に係る電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、ストッパ28が、駆動軸15に対する可動鉄心23の開離方向(Z2)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、開離方向(Z2)へ移動することができる。それにより、電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれた状態であっても、可動接点12,13を固定接点10,11から開離させることができる。
【0038】
なお、ストッパ28は、上述した形状に限らず、変更されてもよい。例えば、
図4は、第1実施形態の第1変形例に係るストッパ28を示す図である。
図4に示すように、ストッパ28は、接触方向(Z1)に向かってストッパ28の外形が大きくなる形状を有してもよい。
【0039】
図5は、第1実施形態の第2変形例に係るストッパ28を示す図である。
図5に示すように、軸孔27は、第1孔31と第2孔32を含んでもよい。第1孔31は、移動方向(Z1,Z2)に延びていてもよい。第2孔32は、第1孔31に対して開離方向(Z2)に位置してもよい。第2孔32は、移動方向(Z1,Z2)に延び、第1孔31と連通していてもよい。第2孔32の内径は、第1孔31の内径よりも大きくてもよい。駆動軸15は、第1孔31に通されていてもよい。ストッパ28の外形は、第1孔31の内径よりも大きいが、第2孔32の内径よりも小さくてもよい。ストッパ28は、第2孔32内に配置されてもよい。
【0040】
図6は、第1実施形態の第3変形例に係るストッパ28を示す図である。
図6に示すように、第2孔32の内径は、開離方向(Z2)に向かって拡大してもよい。ストッパ28は、第2孔32の内面に沿った形状を有してもよい。すなわち、ストッパ28の外形は、開離方向(Z2)に向かって拡大してもよい。
【0041】
図7は、第1実施形態の第4変形例に係るストッパ28を示す図である。可動接触片8が開位置で、可動鉄心23はヨーク25に接触する。
図7に示すように、ヨーク25は、凹部33を含んでもよい。可動接触片8が開位置で、ストッパ28は、凹部33内に位置してもよい。なお、可動接触片8が開位置で、可動鉄心23は、ヨーク25ではなく、ケースに接触してもよい。その場合、凹部33は、ケースに設けられてもよい。
【0042】
図8は、第1実施形態の第5変形例に係るストッパ28を示す図である。
図8に示すように、電磁継電器1は、中間部品34をさらに備えてもよい。中間部品34は、ストッパ28と別体であり、ストッパ28と可動鉄心23との間に挟み込まれてもよい。中間部品34は、ストッパ28と異なる材料で形成されてもよい。例えば、ストッパは金属製であり、中間部品34は樹脂製であってもよい。或いは、ストッパは金属製であり、中間部品34はストッパよりも柔らかい金属製であってもよい。
【0043】
図9A及び
図9Bは、第1実施形態の第6変形例に係るストッパ28を示す図である。
図9Bは、
図9AにおけるA-A断面図である。
図9Aに示すように、ストッパ28は、駆動軸15と別体であってもよい。駆動軸15は、凹溝35を含んでもよい。ストッパ28は、凹溝35に係止することで、駆動軸15に取り付けられてもよい。
図9Bに示すように、ストッパ28は、孔36と、孔36に連通するスリット37とを含んでもよい。スリット37は、横方向(X1,X2)に延びていてもよい。ストッパ28は、スリット37を通して、横方向(X1,X2)に駆動軸15に取り付けられてもよい。
【0044】
図10A及び
図10Bは、第1実施形態の第7変形例に係るストッパ28を示す図である。
図10Bは、
図10AにおけるB-B断面図である。
図10A及び
図10Bに示すように、駆動軸15は、横方向(X1,X2)に延びる孔38を含んでもよい。ストッパ28は、孔38に挿入されていてもよい。
【0045】
次に、第2実施形態に係る電磁継電器1について説明する。
図11は、第2実施形態に係る電磁継電器1のストッパ28を示す断面図である。
図11に示すように、第2実施形態に係る電磁継電器1では、ストッパ28は、可動鉄心23に対して接触方向(Z1)に位置する。第2実施形態に係る電磁継電器1の他の構成は、第1実施形態に係る電磁継電器1と同様である。
【0046】
第2実施形態に係る電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、ストッパ28が、駆動軸15に対する可動鉄心23の接触方向(Z1)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、接触方向(Z1)へ移動することができる。それにより、電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれた状態であっても、可動接点12,13を固定接点10,11に接触させることができる。
【0047】
なお、ストッパ28は、上述した形状に限らず、変更されてもよい。例えば、
図12は、第2実施形態の第1変形例に係るストッパ28を示す図である。
図12に示すように、ストッパ28は、開離方向(Z2)に向かってストッパ28の外形が大きくなる形状を有してもよい。
【0048】
図13は、第2実施形態の第2変形例に係るストッパ28を示す図である。
図13に示すように、駆動軸15は、第1軸41と第2軸42とを含んでもよい。第1軸41の外径は、第2軸42の外径よりも大きくてもよい。第2軸42は、軸孔27内に配置されてもよい。第1軸41の外径は、軸孔27の内径よりも大きくてもよい。ストッパ28は、第1軸41と第2軸42との間の段部であってもよい。
【0049】
図14は、第2実施形態の第3変形例に係るストッパ28を示す図である。
図14に示すように、軸孔27は、第1孔43と第2孔44を含んでもよい。第1孔43は、移動方向(Z1,Z2)に延びていてもよい。第2孔44は、第1孔43に対して接触方向(Z1)に位置してもよい。第2孔44は、移動方向(Z1,Z2)に延び、第1孔43と連通していてもよい。第2孔44の内径は、第1孔43の内径よりも大きくてもよい。駆動軸15は、第1孔43に通されていてもよい。ストッパ28の外形は、第1孔43の内径よりも大きいが、第2孔44の内径よりも小さくてもよい。ストッパ28は、第2孔44内に配置されてもよい。
【0050】
図15は、第2実施形態の第4変形例に係るストッパ28を示す図である。
図15に示すように、第2孔44の内径は、接触方向(Z1)に向かって拡大してもよい。ストッパ28は、第2孔44の内面に沿った形状を有してもよい。すなわち、ストッパ28の外形は、接触方向(Z1)に向かって拡大してもよい。
【0051】
図16は、第2実施形態の第5変形例に係るストッパ28を示す図である。可動接触片8が閉位置で、可動鉄心23は固定鉄心24に接触する。
図16に示すように、固定鉄心24は、凹部45を含んでもよい。可動接触片8が閉位置で、ストッパ28は、凹部45内に位置してもよい。
【0052】
図17は、第2実施形態の第6変形例に係るストッパ28を示す図である。
図17に示すように、電磁継電器1は、中間部品46をさらに備えてもよい。中間部品46は、ストッパ28と別体であり、ストッパ28と可動鉄心23との間に挟み込まれてもよい。中間部品46は、ストッパ28と異なる材料で形成されてもよい。例えば、ストッパは金属製であり、中間部品46は樹脂製であってもよい。或いは、ストッパは金属製であり、中間部品46はストッパよりも柔らかい金属製であってもよい。
【0053】
図18A及び
図18Bは、第2実施形態の第7変形例に係るストッパ28を示す図である。
図18Bは、
図18AにおけるC-C断面図である。
図18Aに示すように、ストッパ28は、駆動軸15と別体であってもよい。駆動軸15は、凹溝47を含んでもよい。ストッパ28は、凹溝47に係止することで、駆動軸15に取り付けられてもよい。
図18Bに示すように、ストッパ28は、孔48と、孔48に連通するスリット49とを含んでもよい。スリット49は、横方向(X1,X2)に延びていてもよい。ストッパ28は、スリット49を通して、横方向(X1,X2)に駆動軸15に取り付けられてもよい。
【0054】
図19A及び
図19Bは、第2実施形態の第8変形例に係るストッパ28を示す図である。
図19Bは、
図19AにおけるD-D断面図である。
図19A及び
図19Bに示すように、駆動軸15は、横方向(X1,X2)に延びる孔50を含んでもよい。ストッパ28は、孔50に挿入されていてもよい。
【0055】
図20は、第2実施形態の第9変形例に係るストッパ28を示す図である。
図20に示すように、ストッパ28は、可動鉄心23から接触方向(Z1)に離れていてもよい。
図20は、
図3と同様に、可動接点12,13が固定接点10,11に接触したときの駆動軸15及び可動鉄心23の位置を示している。
図20に示すように、移動方向(Z1,Z2)におけるストッパ28と可動鉄心23との間の距離D1は、可動接点12,13が固定接点10,11に接触してからの接触方向(Z1)への可動鉄心23の可動範囲D2よりも小さくてもよい。可動鉄心23の可動範囲D2は、移動方向(Z1,Z2)における可動鉄心23と固定鉄心24との間の距離である。
【0056】
この場合、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、ストッパ28が可動鉄心23の接触方向(Z1)への移動を規制する。そのため、駆動軸15は、可動鉄心23と共に接触方向(Z1)に移動する。その際、駆動軸15は、ストッパ28と可動鉄心23との間の距離D1と可動鉄心23の可動範囲D2との差分に相当する距離(D2-D1)だけ、接触方向(Z1)に移動することができる。それにより、接点バネ26が圧縮されることで、可動接点12,13と固定接点10,11との間に接触力を得ることができる。
【0057】
次に、第3実施形態に係る電磁継電器1について説明する。
図21は、第3実施形態に係る電磁継電器1の駆動軸15と可動鉄心23とを示す断面図である。
図21に示すように、第3実施形態に係る電磁継電器1は、第1ストッパ28Aと第2ストッパ28Bとを備えている。第1ストッパ28Aは、第1実施形態に係るストッパ28と同様に、可動鉄心23に対して開離方向(Z2)に位置する。第2ストッパ28Bは、第2実施形態に係るストッパ28と同様に、可動鉄心23に対して接触方向(Z1)に位置する。第3実施形態に係る電磁継電器1の他の構成は、第1実施形態に係る電磁継電器1と同様である。
【0058】
第3実施形態に係る電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、第1ストッパ28Aが、駆動軸15に対する可動鉄心23の開離方向(Z2)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、開離方向(Z2)へ移動することができる。また、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、第2ストッパ28Bが、駆動軸15に対する可動鉄心23の接触方向(Z1)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、接触方向(Z1)へ移動することができる。それにより、電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれた状態であっても、可動接点12,13と固定接点10,11とを開閉することができる。
【0059】
なお、ストッパ28A,28Bは、上述した形状に限らず、変更されてもよい。例えば、
図22は、第3実施形態の第1変形例に係るストッパ28A,28Bを示す図である。
図22に示すように、第1ストッパ28Aは、駆動軸15と別体であり、第2ストッパ28Bは駆動軸15と一体であってもよい。或いは、逆に、第1ストッパ28Aは、駆動軸15と一体であり、第2ストッパ28Bは駆動軸15と別体であってもよい。
図23は、第3実施形態の第2変形例に係るストッパ28A,28Bを示す図である。
図23に示すように、第1ストッパ28Aと第2ストッパ28Bとの両方が、駆動軸15と別体であってもよい。
【0060】
図24は、第3実施形態の第3変形例に係る可動鉄心23を示す図である。
図24は、移動方向(Z1,Z2)から見た可動鉄心23の断面を示している。
図24に示すように、可動鉄心23は、軸孔27に連通するスリット51を含んでもよい。スリット51は、移動方向(Z1,Z2)と横方向(X1,X2)とに延びていてもよい。スリット51は、移動方向(Z1,Z2)に可動鉄心23を貫通していてもよい。この場合、スリット51を通して、駆動軸15を可動鉄心23に取り付けることができる。従って、
図21のように、第1ストッパ28Aと第2ストッパ28Bとの両方が駆動軸15と一体であっても、駆動軸15を容易に可動鉄心23に取り付けることができる。
【0061】
図25は、第3実施形態の第4変形例に係るストッパ28A,28Bを示す図である。上述のように可動鉄心23がスリット51を含む場合、
図25に示すように、電磁継電器1は、ガイド52を備えてもよい。ガイド52は、移動方向(Z1,Z2)に延びていてもよい。可動鉄心23は、ガイド52内に配置されてもよい。ガイド52は、移動方向(Z1,Z2)への可動鉄心23の移動を案内してもよい。
【0062】
図26は、第3実施形態の第5変形例に係る可動鉄心23を示す図である。
図26は、移動方向(Z1,Z2)から見た可動鉄心23の断面を示している。
図26に示すように、可動鉄心23は、軸孔27を通る分割面53において分割された複数の分割体23A,23Bを含んでもよい。分割面53は、可動鉄心23の中心を通ってもよい。分割面53は、移動方向(Z1,Z2)及び横方向(X1,X2)に延びていてもよい。可動鉄心23は、第1分割体23Aと第2分割体23Bとを含んでもよい。この場合、第1分割体23Aと第2分割体23Bとの間に駆動軸15を挟み込み、第1分割体23Aと第2分割体23Bとを互いに固定することで、駆動軸15が可動鉄心23に取り付けられる。従って、
図21のように、第1ストッパ28Aと第2ストッパ28Bとの両方が駆動軸15と一体であっても、駆動軸15を容易に可動鉄心23に取り付けることができる。なお、分割体の数は、2つに限らず、2つより多くてもよい。
【0063】
第1ストッパ28Aは、上述した形状に限らず、変更されてもよい。例えば、第1ストッパ28Aは、第1実施形態の第1~第7変形例の形状であってもよい。第2ストッパ28Bは、第2実施形態の第1~第9変形例の形状であってもよい。
【0064】
次に第4実施形態に係る電磁継電器1について説明する。
図27は、第4実施形態に係る電磁継電器1のストッパ28を示す断面図である。
図27に示すように、第3実施形態に係る電磁継電器1では、ストッパ28は、可動鉄心23内に位置する。可動鉄心23は、第3実施形態の第5変形例と同様に、軸孔27を通る分割面において分割された複数の分割体23A,23Bを含む。
【0065】
詳細には、可動鉄心23は、第1分割体23Aと第2分割体23Bとを含む。第1分割体23Aは、軸孔27内において第1凹部54Aを含む。第2分割体23Bは、軸孔27内において第2凹部54Bを含む。ストッパ28は、第1凹部54Aと第2凹部54B内に配置される。第1分割体23Aと第2分割体23Bとの間に駆動軸15を挟み込み、第1分割体23Aと第2分割体23Bとを互いに固定することで、駆動軸15が可動鉄心23に取り付けられる。なお、分割体の数は、2つに限らず、2つより多くてもよい。第4実施形態に係る電磁継電器1の他の構成は、第1実施形態に係る電磁継電器1と同様である。
【0066】
第4実施形態に係る電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、ストッパ28が、駆動軸15に対する可動鉄心23の開離方向(Z2)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、開離方向(Z2)へ移動することができる。また、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれたときに、ストッパ28が、駆動軸15に対する可動鉄心23の接触方向(Z1)への移動を規制する。そのため、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれても、駆動軸15は、可動鉄心23と共に、接触方向(Z1)へ移動することができる。それにより、電磁継電器1では、駆動軸15と可動鉄心23との固定が損なわれた状態であっても、可動接点12,13と固定接点10,11とを開閉することができる。
【0067】
なお、第4実施形態に係る電磁継電器1のストッパ28は、上述した形状に限らず、変更されてもよい。ストッパ28は、上述した第1~第3実施形態の変形例のいずれかと同様の形状であってもよい。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0069】
接点装置3及び駆動装置4の構造は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。例えば、固定接点と可動接点との数は2つに限らず、2つより多くてもよい。固定接点10,11は、固定端子6,7と一体であってもよい。可動接点12,13は可動接触片8と一体であってもよい。上記の実施形態では、駆動軸15が駆動装置4から押し出されることで、可動接点12,13が固定接点10,11に接触している。しかし、駆動軸15が駆動装置4に引き込まれることで、可動接点12,13が固定接点10,11に接触してもよい。横方向は、移動方向(Z1,Z2)に垂直な方向であればよく、上記の実施形態における横方向(X1,X2)と異なる方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、駆動軸と可動鉄心との固定が損なわれた状態であっても、電磁継電器の動作が可能となる。
【符号の説明】
【0071】
10:第1固定接点、 12:第1可動接点、 8:可動接触片、 15:駆動軸、 21:コイル、 23:可動鉄心、 23A:第1分割体、 23B:第2分割体、 27:軸孔、 28:ストッパ、 28A:第1ストッパ、 28B:第2ストッパ、 31:第1孔、 32:第2孔、 34:中間部品、 43:第1孔、 44:第2孔、 46:中間部品、 51:スリット