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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160003
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151157
(22)【出願日】2024-09-03
(62)【分割の表示】P 2021561281の分割
【原出願日】2020-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2019215043
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】河本 弘和
(72)【発明者】
【氏名】浦部 弘章
(57)【要約】
【課題】配送車両以外の車両を配送に利用することができる情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、コンピュータにより実行される方法であって、配送物の配送元の位置及び配送先の位置を取得し(S116)、配送情報に適合する、移動体が規則的に移動する移動ルート上の2地点があるか否かを判定し(S117)、配送情報に適合する2地点を含む移動ルートを用いて配送物の配送ルートを生成し、配送ルートを出力する(S119)処理を含み、移動体は、配送以外の目的で移動する車両である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される方法であって、
配送物の配送元の位置及び配送先の位置を含む配送情報を取得し、
前記配送情報に適合する、移動体が規則的に移動する移動ルート上の2地点があるか否かを判定し、
前記配送情報に適合する2地点を含む前記移動ルートを用いて前記配送物の配送ルートを生成し、
前記配送ルートを出力し、
前記移動体は、配送以外の目的で移動する車両である
情報処理方法。
【請求項2】
前記2地点は、一方が前記配送元の位置から所定の距離の範囲内にある地点であり、他方が前記配送先の位置から所定の距離の範囲内にある地点である
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記2地点は、一方が前記配送元となる配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であり、他方が前記配送拠点とは別の配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点である
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記2地点は、それぞれ前記移動体の滞在時間が、(a)前記移動体が規則的に移動する移動ルートであって、前記2地点を含む移動ルート上の他の地点よりも長い、又は、(b)所定時間以上である地点である
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記2地点は、それぞれ前記移動体が規則的に移動する移動ルートであって、前記2地点を含む移動ルートの両端の地点である
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
さらに前記配送物の前記配送先への配送時間を取得し、
前記配送ルートの生成では、さらに前記2地点における前記移動体の移動開始又は移動終了の時間帯及び前記配送時間にも基づいて前記配送ルートを生成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
さらに前記移動体の管理者に前記配送物の配送時の前記移動体の移動予定を問合せ、
前記配送ルートの生成では、前記問合せに対する応答にも基づいて前記配送ルートを生成する
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
さらに前記配送ルートに基づいた前記配送物の配送が完了した後、前記移動体の管理者に利得を付与する
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
さらに前記2地点での前記配送物の授受を前記移動体の管理者に通知する
請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
さらに前記2地点での前記移動体の荷台の開錠を前記移動体へ要求する
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
配送物の配送元の位置及び配送先の位置を含む配送情報を取得する配送情報取得部と、
前記配送情報に適合する、移動体が規則的に移動する移動ルート上の2地点があるか否かを判定し、前記配送情報に適合する2地点を含む前記移動ルートを用いて前記配送物の配送ルートを生成する生成部と、
前記配送ルートを出力する出力部と、を備え、
前記移動体は、配送以外の目的で移動する車両である
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送物の配送ルートを生成する情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、EC(Electronic Commerce)の発展により物流業界において扱われる荷量が増加している。そこで、配送業務を効率化して荷量の増加に対応する必要がある。例えば、配送車両が巡回する固定ルートをベースにして変動ルートを組み合わせることで配送車両の配送ルートを生成し、配送業務を効率化する物流方法が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-300625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示された物流方法では、予め用意されている配送物の配送の目的で用いられる配送車両を利用することが前提となっている。
【0005】
そこで、本開示は、配送車両以外の車両を配送に利用することができる情報処理方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される方法であって、配送物の配送元の位置及び配送先の位置を含む配送情報を取得し、前記配送情報に適合する、移動体が規則的に移動する移動ルート上の2地点があるか否かを判定し、前記配送情報に適合する2地点を含む前記移動ルートを用いて前記配送物の配送ルートを生成し、前記配送ルートを出力し、前記移動体は、配送以外の目的で移動する車両である。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理方法等によれば、配送車両以外の車両を配送に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理方法により配送業務が効率化されることを説明するための図である。
図2図2は、実施の形態に係る情報処理システム、移動体、配送車両及び配送情報管理システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図3図3は、実施の形態に係る情報処理システムの一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される方法であって、移動体の移動履歴を取得し、前記移動履歴に基づいて前記移動体が規則的に移動する少なくとも2地点を判定し、配送物の配送元の位置及び配送先の位置を取得し、前記配送元の位置及び前記配送先の位置並びに前記2地点に基づいて前記配送物の配送ルートを生成し、前記配送ルートを出力する処理を含む。
【0011】
例えば、通勤、通学、通院又は買い物等のために移動する移動体は、自宅と勤務先、自宅と学校、自宅と病院又は自宅と店舗といった2地点を規則的に移動する。本開示では、このような移動体の移動履歴に基づいて移動体が規則的に移動する少なくとも2地点を判定し、配送物の配送元と配送先との間に当該2地点が存在する場合には、配送元から当該2地点を経由して配送先へ配送物を配送する配送ルートを生成する。これにより、配送以外の目的で用いられる車両(以下、他目的車両とも称する。)を配送に利用することができる。さらに、他目的車両が配送車両としての適性があるか否かが自動的に判断されるため、ユーザが他目的車両を配送車両として予め登録する必要がない。また、物流業界では経営的な観点から設備投資を抑制しつつ、配送業務を効率化するという要望がある。具体的には、配送車両の保有台数を抑制しつつ、輸送力を維持又は増強するという要望がある。これに対し、上記情報処理方法によれば、当該2地点間については当該2地点を規則的に移動する移動体に配送物を代理輸送させることで、配送業者は配送車両の保有台数を抑制しつつ、当該移動体によって輸送力を増強することができる。また、配送車両の使用を抑制できることから、配送業者のドライバーの労働時間も削減可能となる。以上のようにして、設備投資を抑制しつつ配送業務を効率化できる。
【0012】
また、前記移動体は、前記配送物の配送以外の目的で移動する移動体であってもよい。
【0013】
これによれば、配送車両の代わりに配送物の配送以外の目的で移動する移動体に配送物を代理輸送させることで、配送車両の保有台数を抑制できる。
【0014】
また、前記2地点は、一方が前記配送元の位置から所定の距離の範囲内にある地点であり、他方が前記配送先の位置から所定の距離の範囲内にある地点であってもよい。
【0015】
これによれば、配送ルートにおいて2地点を規則的に移動する移動体が代理輸送を行う距離を長くすることができ、言い換えると、配送ルートにおいて配送業者の配送車両が輸送を行う距離を短くすることができるため、配送業者の配送業務を効率化できる。
【0016】
また、前記2地点は、一方が前記配送元となる配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であり、他方が前記配送拠点とは別の配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であってもよい。
【0017】
これによれば、各配送拠点から2地点のそれぞれへ配送車両を移動させることで、2地点を規則的に移動する移動体へ配送物を輸送したり、移動体によって2地点間において代理輸送された配送物を回収したりすることができる。
【0018】
また、前記2地点は、それぞれ前記移動体の滞在時間が、(a)前記移動履歴に基づいて判定される前記移動体が規則的に移動する移動ルートであって、前記2地点を含む移動ルート上の他の地点よりも長い、又は、(b)所定時間以上である地点であってもよい。
【0019】
これによれば、2地点は、2地点を規則的に移動する移動体が長時間滞在する地点であり、移動体が2地点において滞在している間に、配送物を移動体に載せやすくなり、また、移動体によって2地点間を代理輸送された配送物を移動体から回収しやすくなる。
【0020】
また、前記2地点は、それぞれ前記移動履歴に基づいて判定される前記移動体が規則的に移動する移動ルートであって、前記2地点を含む移動ルートの両端の地点であってもよい。
【0021】
これによれば、2地点が、移動体が規則的に移動する移動ルートの両端の地点であることで、配送ルートにおいて2地点を規則的に移動する移動体が代理輸送を行う距離を長くすることができる。
【0022】
また、前記移動履歴に基づいてさらに前記2地点における前記移動体の移動開始又は移動終了の時間帯を判定し、さらに前記配送物の前記配送先への配送時間を取得し、前記配送ルートの生成では、さらに前記時間帯及び前記配送時間にも基づいて前記配送ルートを生成してもよい。
【0023】
これによれば、移動体の移動開始までの時間帯に移動体へ配送物を載せ、移動体の移動終了後の時間帯であって配送時間前までに配送物を移動体から回収して、配送物を配送先へ配送時間に配送できる配送ルートを生成できる。また、移動体が2地点に滞在している時間帯に移動体に配送物を搭載できることから、当該時間帯では移動体が一時的に配送物の倉庫となっているともいえる。したがって、配送物を配送業者の倉庫で保管する時間を削減できるため配送業者の倉庫のスペースを削減できる。
【0024】
また、さらに前記移動履歴に基づいて前記2地点の前記移動体の移動の規則性に対する信頼度を算出し、前記2地点の判定では、前記信頼度にも基づいて前記2地点を判定してもよい。
【0025】
これによれば、移動の規則性に対する信頼度が高い移動体についての2地点を判定できる。すなわち、信頼度にも基づいて判定された2地点は配送物の配送時に移動体がより確実に規則通りに移動しやすい2地点となり、配送物の配送時に移動体が2地点を規則的に移動せずに配送物の配送に支障が出てしまうことを抑制できる。
【0026】
また、さらに前記移動体の管理者に前記配送物の配送時の前記移動体の移動予定を問合せ、前記配送ルートの生成では、前記問合せに対する応答にも基づいて前記配送ルートを生成してもよい。
【0027】
これによれば、配送物の配送時における移動体の移動予定が規則通りに移動する旨の応答があった場合には、配送物の配送時に移動体がより確実に2地点を移動しやすくなる。一方で、配送物の配送時における移動体の移動予定が規則通りに移動しない旨の応答があった場合には、当該移動体を配送に使用しないようにすることができる。したがって、配送物の配送時に移動体が2地点を規則的に移動せずに配送物の配送に支障が出てしまうことを抑制できる。
【0028】
また、さらに前記配送ルートに基づいた前記配送物の配送が完了した後、前記移動体の管理者に利得を付与してもよい。
【0029】
これによれば、2地点間における配送物の代理輸送を行った移動体の管理者に利得を付与することで、今後も積極的に配送物の代理輸送を移動体に行ってもらうことができるようになり、配送業務の効率化をさらに進めることができるようになる。
【0030】
また、さらに前記2地点での前記配送物の授受を前記移動体の管理者に通知してもよい。
【0031】
これによれば、配送物を移動体に載せる予定であること、配送物を移動体に載せたこと、配送物を移動体から回収する予定であること又は配送物を移動体から回収したことを移動体の管理者に認識させることができる。
【0032】
また、さらに前記2地点での前記移動体の荷台の開錠を前記移動体へ要求してもよい。
【0033】
これによれば、配送物を移動体の荷台に載せるとき又は配送物を移動体の荷台から回収するときに移動体の荷台を移動体に開錠させることができ、移動体の管理者及び配送業者の手間を減らすことができる。
【0034】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、移動体の移動履歴を取得する移動履歴取得部と、前記移動履歴に基づいて前記移動体が規則的に移動する少なくとも2地点を判定する判定部と、配送物の配送元の位置及び配送先の位置を取得する配送情報取得部と、前記配送元の位置及び前記配送先の位置並びに前記2地点に基づいて前記配送物の配送ルートを生成する生成部と、前記配送ルートを出力する出力部と、を備える。
【0035】
これによれば、配送車両以外の車両を配送に利用することができる情報処理システムを提供できる。
【0036】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0038】
(実施の形態)
図1から図4を用いて実施の形態について説明する。
【0039】
図1は、実施の形態に係る情報処理方法により配送車両以外の車両を配送に利用することができることを説明するための図である。具体的な情報処理方法の内容については後述し、まずは、本開示の情報処理方法によって配送車両以外の車両を配送に利用することができることを図1を用いて説明する。
【0040】
移動体10a、10bは、少なくとも2地点を規則的に移動する移動体であり、例えば自家用車又はタクシー等の配送物の配送以外の目的で移動する移動体である。このような移動体は、例えば、通勤、通学、通院又は買い物等のために少なくとも2地点を規則的に往復する。例えば、移動体10aには、平日に家P1(具体的には移動体10aの管理者の自宅)と会社P2(具体的には移動体10aの管理者の勤務先)との2地点を移動ルートR1を通って移動し、休日に家P1と店舗P3との2地点を移動ルートR2を通って移動するという移動の規則性がある。また、例えば、移動体10bは、毎日家P4(具体的には移動体10bの管理者の自宅)と店舗P3との2地点を移動ルートR3を通って移動するという移動の規則性がある。
【0041】
以下では、本開示の情報処理方法を用いて、配送元(例えば拠点B1)にある配送物を配送先(例えば家T1)に配送するときの例について説明する。
【0042】
まず、配送車両20aは、拠点B1から移動体10aが規則的に移動する2地点の一方である会社P2へ配送物を輸送する。移動体10aは会社P2への通勤のために用いられて会社P2に滞在しており、移動体10aが会社P2に滞在している間(例えば昼)に配送物が配送車両20aから移動体10aへ搭載される。
【0043】
次に、移動体10aの管理者の会社P2での勤務が終了し移動体10aの管理者が移動体10aを使って家P1に帰宅することで、配送物が搭載された移動体10aは、会社P2から家P1へ移動する。
【0044】
そして、配送車両20bは、拠点B2から、移動体10aが規則的に移動する2地点の他方である家P1へ移動し、移動体10aが家P1に滞在している間(例えば夜)に、移動体10aに搭載された配送物を回収し、家T1へ回収した配送物を配送する。
【0045】
このように、配送元(例えば拠点B1)から配送先(例えば家T1)への配送物の配送における全区間について配送業者の配送車両に配送を行わせずに、一部の区間については、当該区間を規則的に移動する移動体に、規則的な移動のついでに代理輸送を行わせることで、配送車両以外の車両を配送に利用することができる。また、これにより、配送業者は配送車両の保有台数を抑制しつつ、当該移動体によって輸送力を増強することができる。なお、当該移動体については、配送物の配送と関係なく規則的に当該区間を移動するため、配送物の配送をしても大きな負担とはならない。
【0046】
次に、2地点を規則的に移動する移動体を用いた配送ルートを生成する情報処理システム、移動体、配送車両、並びに、配送物の配送元、配送先及び配送時間等の配送情報を管理する配送情報管理システムにおける処理の流れの概要について図2を用いて説明する。
【0047】
図2は、実施の形態に係る情報処理システム100、移動体10、配送車両20及び配送情報管理システム30における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、移動体10を、移動体10の管理者(具体的には当該管理者が有するPC(Personal Computer)又は携帯端末等)に置き換えてもよく、配送車両20を、配送車両20の管理者(具体的には当該管理者が有するPC又は携帯端末等)に置き換えてもよい。なお、移動体10の管理者は、移動体10のドライバーであってもよいし、移動体10が自動運転車の場合には、移動体10の乗員であってよいし移動体10に乗らないで移動体10を管理する管理者であってもよい。同じように、配送車両20の管理者は、配送車両20のドライバーであってもよいし、配送車両20が自動運転車の場合には、配送車両20の乗員であってよいし配送車両20に乗らないで配送車両20を管理する管理者であってもよい。以下では、配送車両20の管理者を配送車両20のドライバーとして説明する。
【0048】
まず、配送ルートの生成の前に事前に行われる処理であるステップS101からステップS104での処理について説明する。
【0049】
まず、移動体10の管理者は、移動体10を配送物の代理輸送に使用することの登録申請を情報処理システム100に対して行う(ステップS101)。後述するように、移動体10を用いて配送物の代理輸送が行われることで移動体10の管理者に利得が付与されるため、例えば、移動体10の管理者は利得の付与を動機として移動体10の登録申請を行う。例えば、様々な移動体10について登録申請が行われる。なお、登録申請時又は登録された後に、移動体10の管理者が認識している、移動体10が規則的に移動する移動ルートが移動体10又は管理者から情報処理システム100へ送信されてもよい。
【0050】
次に、情報処理システム100に登録された移動体10は、移動体10の移動履歴を情報処理システム100に送信する(ステップS102)。例えば、移動体10aは、平日の朝に家P1から会社P2へ移動ルートR1を通って移動し、平日の夜に会社P2から家P1へ移動ルートR1を通って移動し、その際の移動履歴を情報処理システム100に送信する。
【0051】
次に、情報処理システム100は、移動体10から送信される移動履歴に基づいて移動体10が規則的に移動する移動ルートを判定する(ステップS103)。例えば、情報処理システム100は、移動体10aから送信される移動履歴に基づいて移動体10aが規則的に移動する移動ルートR1を判定する。なお、移動ルートの判定の詳細については後述する。
【0052】
また、情報処理システム100は、移動体10から送信される移動履歴に基づいて移動体10が規則的に移動する移動ルートの移動体10の移動の規則性に対する信頼度を算出する(ステップS104)。例えば、情報処理システム100は、移動体10aから送信される移動履歴に基づいて移動体10aが規則的に移動する移動ルートR1の移動体10aの移動の規則性に対する信頼度を算出する。
【0053】
なお、情報処理システム100は、移動体10aについて、その他の移動ルート(例えば移動ルートR2)を判定してもよいし、その他の移動ルートについての信頼度を算出してもよい。また、移動体10aに着目して説明したが、情報処理システム100は、その他の移動体10(例えば移動体10b)についても移動ルートを判定し、当該移動ルートについての信頼度を算出する。
【0054】
このように、ステップS101からステップS104での処理が、配送ルートの生成の前に行われる。なお、配送ルートの生成の処理が行われた後も、移動履歴の送信、移動ルートの判定、及び、信頼度の算出が行われて、移動ルート及び信頼度が更新されてもよい。
【0055】
次に、配送情報管理システム30は、情報処理システム100に配送情報を送信する(ステップS105)。配送情報は、例えば、配送物の配送元の位置及び配送先の位置である。例えば、配送情報管理システム30は、拠点B1から家T1へ配送する必要がある配送物がある場合、情報処理システム100に配送物の配送元の位置として拠点B1の位置と、配送物の配送先の位置として家T1の位置とを送信する。
【0056】
次に、情報処理システム100は、受信した配送情報に適合する移動ルートを、判定した複数の移動ルート(例えば、移動体10aについての移動ルートR1及びR2、並びに、移動体10bについての移動ルートR3等を含む様々な移動ルート)から選択する(ステップS106)。例えば、情報処理システム100は、配送物を配送元から配送先へ配送する際に、配送車両20を使って配送物を配送する距離がなるべく短くなるような移動ルート、言い換えると、移動体10を使って配送物を代理輸送する距離がなるべく長くなるような移動ルートを選択する。例えば、情報処理システム100は、移動ルートR1、R2及びR3のうち移動ルートR1を選択する。なお、詳細は後述するが、移動体10が移動ルートを移動する時間帯及び配送物の配送先への配送時間も考慮して移動ルートが選択されてもよい。
【0057】
次に、情報処理システム100は、選択された移動ルートを移動する移動体10の管理者に配送物の配送時の移動体10の移動予定を問い合わせる(ステップS107)。情報処理システム100は、配送物の配送時の移動体10の移動予定が選択した移動ルートを移動しない予定であるという応答を受信した場合には、当該移動ルートを除いて再度、判定した複数の移動ルートの中から移動ルートを選択する。例えば、情報処理システム100は、配送物の配送時の移動体10aの移動予定が選択した移動ルートR1を移動しない予定であるという応答を受信した場合には、移動ルートR1を除く移動ルートの中から移動ルートを選択する。
【0058】
次に、情報処理システム100は、配送物の配送時の移動体10の移動予定が選択した移動ルートを移動する予定であるという応答を受信した場合には、当該移動ルートを用いた配送ルートを生成する(ステップS108)。例えば、情報処理システム100は、配送物の配送時の移動体10aの移動予定が選択した移動ルートR1を移動する予定であるという応答を受信した場合には、移動ルートR1を用いた配送ルートを生成する。具体的には、情報処理システム100は、配送物を拠点B1から会社P2及び家P1を通って家T1へ配送するための配送ルートを生成する。
【0059】
次に、情報処理システム100は、生成した配送ルートを配送車両20のドライバーへ出力(具体的には送信)する(ステップS109)。例えば、情報処理システム100は、配送車両20aのドライバー及び配送車両20bのドライバーへ生成した配送ルートを送信する。
【0060】
配送車両20aのドライバーは、受信した配送ルートを確認して、配送物を拠点B1から会社P2へ輸送し、会社P2にある移動体10aに配送物を載せる。移動体10aの管理者は、会社P2での勤務が終了した後、移動体10aに乗って家P1に帰宅する。このとき、配送物は移動体10aに搭載されているため、配送物も同時に家P1へ代理輸送されることになる。配送車両20bのドライバーは、受信した配送ルートを確認して、拠点B2から家P1へ移動し、家P1にある移動体10aに搭載された配送物を回収し、家T1へ配送物を配送する。
【0061】
そして、情報処理システム100は、配送ルートに基づいた配送物の配送が完了した後、移動体10の管理者に利得を付与する(ステップS110)。例えば、移動体10aの管理者は、通常通り家P1と会社P2との往復をするついでに、配送物の配送を手伝ったため、利得が付与される。
【0062】
なお、図2での説明で、移動体10が規則的に移動する移動ルートとしているところを移動体10が規則的に移動する2地点と置き換えてもよい。
【0063】
また、上述の例は宅配であったが、集荷に適用されてもよい。例えば、配送元を拠点の代わりに家とし、配送先を家の代わりに拠点として、上述の処理が実行される。
【0064】
以上のように、本開示の情報処理方法によれば、設備投資を抑制しつつ配送業務を効率化できる。以下では、設備投資を抑制しつつ配送業務を効率化することを実現するための情報処理方法及び情報処理システム100の詳細について説明する。
【0065】
図3は、実施の形態に係る情報処理システム100の一例を示すブロック図である。
【0066】
情報処理システム100は、配送車両に加えて2地点を規則的に移動する移動体を用いた配送ルートを生成する装置であり、例えば、サーバである。情報処理システム100は、登録部101、移動履歴取得部102、判定部103、算出部104、配送情報取得部105、問合せ部106、生成部107、出力部108、付与部109、通知部110及び要求部111を備える。情報処理システム100は、プロセッサ、メモリ及び通信インタフェース等を含むコンピュータである。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であり、プロセッサにより実行されるプログラムを記憶することができる。登録部101、移動履歴取得部102、判定部103、算出部104、配送情報取得部105、問合せ部106、生成部107、出力部108、付与部109、通知部110及び要求部111は、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。なお、情報処理システム100を構成する構成要素は、複数のサーバに分散して配置されてもよい。
【0067】
プログラムを実行するプロセッサ等によって実現される登録部101、移動履歴取得部102、判定部103、算出部104、配送情報取得部105、問合せ部106、生成部107、出力部108、付与部109、通知部110及び要求部111の機能について、図4を用いて説明する。
【0068】
図4は、実施の形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャートである。例えば、実施の形態に係る情報処理方法は、情報処理システム100が備えるコンピュータ(具体的にはプロセッサ)により実行される方法である。つまり、図4は、登録部101、移動履歴取得部102、判定部103、算出部104、配送情報取得部105、問合せ部106、生成部107、出力部108、付与部109、通知部110及び要求部111の動作を示すフローチャートでもある。
【0069】
まず、配送ルートの生成の前に事前に行われる処理であるステップS111からステップS115での処理について説明する。
【0070】
まず、登録部101は、移動体10の管理者から申請された移動体10を登録する(ステップS111)。また、登録部101は、移動体10の管理者から、移動体10の管理者が認識している、移動体10が規則的に移動する少なくとも2地点が送信された場合、当該少なくとも2地点を登録してもよい。さらに、2地点における移動体10の移動開始又は移動終了の時間帯が登録されてもよい。なお、少なくとも2地点は、2地点であってもよいし、2地点以上の複数の地点であってもよく、2地点以上の複数の地点を繋いだ移動ルートであってもよい。
【0071】
次に、移動履歴取得部102は、登録されている移動体10の移動履歴を取得する(ステップS112)。移動履歴取得部102は、登録されている移動体10から逐次現在位置を取得することで移動履歴を取得してもよいし、移動体10が自身の現在位置の変化から算出した移動履歴を移動体10から取得してもよい。移動履歴取得部102は、移動体10の移動履歴を継続的に取得する。
【0072】
次に、判定部103は、移動履歴に基づいて移動体10が規則的に移動する少なくとも2地点を判定する(ステップS113)。判定部103は、移動履歴取得部102が継続的に取得する移動体10の移動履歴から、移動体10の移動の規則性を認識することができ、規則的に移動する少なくとも2地点を判定することができる。例えば、判定部103は、ある地点を出発しある地点に到着するという走行パターンが予め定められた回数繰り返されることで、少なくとも2地点を判定する。例えば、判定部103は、移動体10aについて、移動体10aが規則的に移動する2地点を家P1及び会社P2と判定する。なお、判定部103は、移動履歴に加えて、事前に移動体10の管理者によって登録された2地点も用いて移動体10が規則的に移動する2地点を判定してもよい。登録された2地点も用いることで、精度良く2地点を判定できるようになる。
【0073】
例えば、2地点は、一方が配送元の位置から所定の距離の範囲内にある地点であり、他方が配送先の位置から所定の距離の範囲内にある地点であってもよい。例えば、判定部103が判定する2地点の一方が会社P2の場合、会社P2は、配送元(例えば拠点B1)から所定の距離の範囲内にある地点であってもよく、判定部103が判定する2地点の他方が家P1の場合、家P1は、家T1から所定の距離の範囲内にある地点であってもよい。これにより、配送ルートにおいて2地点を規則的に移動する移動体10が代理輸送を行う距離を長くすることができ、言い換えると、配送ルートにおいて配送業者の配送車両20が輸送を行う距離を短くすることができるため、配送業者の配送業務を効率化できる。
【0074】
また、例えば、2地点は、一方が配送元となる配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であり、他方が前記配送拠点とは別の配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であってもよい。判定部103が判定する2地点の一方が会社P2の場合、会社P2は、拠点B1の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であってもよく、判定部103が判定する2地点の他方が家P1の場合、家P1は、拠点B1とは別の拠点B2の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であってもよい。これにより、各配送拠点から2地点のそれぞれへ配送車両20を移動させることで、2地点を規則的に移動する移動体10へ配送物を輸送したり、移動体10によって2地点間において代理輸送された配送物を回収したりすることができる。
【0075】
なお、上述したように、少なくとも2地点は、2地点であってもよいし2地点以上の複数の地点であってもよく、2地点以上の複数の地点を繋いだ移動ルートであってもよい。つまり、判定部103は、移動体10が規則的に移動する移動ルートを判定してもよい。例えば、判定部103は、移動体10aについて、移動体10aが規則的に移動する移動ルートR1を判定する。
【0076】
例えば、2地点は、それぞれ移動体10の滞在時間が、(a)移動履歴に基づいて判定される移動体10が規則的に移動する移動ルートであって、2地点を含む移動ルート上の他の地点よりも長い、又は、(b)所定時間以上である地点であってもよい。判定部103が判定する2地点が家P1及び会社P2の場合、家P1及び会社P2は、それぞれ移動体10aの滞在時間が、家P1及び会社P2を含む移動ルートR1上の他の地点よりも長い地点となる。家P1は移動体10aの管理者の自宅であり、会社P2は移動体10aの管理者の勤務先であることから、必然的に移動体10aの滞在時間が他の地点よりも長くなる。所定時間は特に限定されないが、例えば、数時間程度である。これにより、移動体10が2地点において滞在している間に、配送物を移動体10に載せやすくなり、また、移動体10によって2地点間を代理輸送された配送物を移動体10から回収しやすくなる。
【0077】
また、例えば、2地点は、それぞれ移動履歴に基づいて判定される移動体10が規則的に移動する移動ルートであって、2地点を含む移動ルートの両端の地点であってもよい。判定部103が判定する2地点が家P1及び会社P2の場合、家P1及び会社P2は、移動ルートR1の両端の地点である。これにより、配送ルートにおいて2地点を規則的に移動する移動体10が代理輸送を行う距離を長くすることができる。
【0078】
次に、判定部103は、移動履歴に基づいてさらに2地点における移動体10の移動開始又は移動終了の時間帯を判定する(ステップS114)。例えば、移動履歴には、時刻情報が含まれており、移動体10がいつどこを移動しており、いつどこに滞在していたかを移動履歴から判定することができる。したがって、判定部103は、移動体10が2地点からいつ移動を開始したか、また、移動体が2地点にいつ到着したか(つまり、いつ移動を終了したか)を判定できる。例えば、判定部103は、特定の曜日の特定の時間帯にある地点を出発しある地点に到着するという走行パターンが予め定められた回数繰り返されることで、2地点における移動体10の移動開始又は移動終了の時間帯を判定する。例えば、判定部103は、家P1における移動体10aの移動開始の時間帯、会社P2における移動体10aの移動終了の時間帯、会社P2における移動体10aの移動開始の時間帯、及び、家P1における移動体10aの移動終了の時間帯を判定する。例えば、判定部103は、家P1における移動体10aの移動開始の時間帯が平日の午前7時、会社P2における移動体10aの移動終了の時間帯が平日の午前8時、会社P2における移動体10aの移動開始の時間帯が平日の午後5時、家P1における移動体10aの移動終了の時間帯が平日の午後6時であることを判定する。
【0079】
なお、判定部103による判定には、機械学習が用いられてもよい。
【0080】
次に、算出部104は、移動履歴に基づいて、2地点の移動体10の移動の規則性に対する信頼度を算出する(ステップS115)。例えば、移動体10は、2地点を特定の時間帯に必ずしも移動しない場合がある。例えば、移動体10aは、平日の午前7時に家P1から移動を開始し、平日の午前8時に会社P2に到着するという移動の規則性があるが、月に数回当該規則性からずれた移動をする場合があるとする。この場合、移動履歴にも、この規則性からずれた移動の履歴が含まれることになる。算出部104は、このような移動履歴から、家P1及び会社P2における移動体10aの移動の規則性に対する信頼度として、例えば、家P1及び会社P2を規則通りに移動する確率を算出する。例えば、ある月の平日が20日あったときに、移動体10aが午前7時に家P1から移動を開始し、午前8時に会社P2に到着するという移動を平日の20日のうち2日行わなかった場合(言い換えると18日は規則的に移動した場合)、算出部104は、2地点の移動体10aの移動の規則性に対する信頼度を90%(18日/20日)と算出する。なお、判定部103は、算出された信頼度にも基づいて再度2地点を判定してもよい。例えば、判定部103は、信頼度が所定値以下の2地点については、判定した2地点から除外してもよい。これにより、移動の規則性に対する信頼度が高い移動体10についての2地点を判定できる。すなわち、信頼度にも基づいて判定された2地点は配送物の配送時に移動体10がより確実に規則通りに移動しやすい2地点となり、配送物の配送時に移動体10が2地点を規則的に移動せずに配送物の配送に支障が出てしまうことを抑制できる。
【0081】
なお、算出部104は、2地点だけでなく、移動ルート(つまり複数の地点の集合)の移動体10の移動の規則性に対する信頼度を算出してもよい。
【0082】
このように、ステップS111からステップS115での処理が、配送ルートの生成の前に行われる。なお、配送ルートの生成の処理が行われた後も、移動体10の登録、移動履歴の取得、2地点の判定、2地点における移動開始又は移動終了の時間帯の判定、及び、信頼度の算出が行われて、2地点、2地点における移動開始又は移動終了の時間帯及び信頼度が更新されてもよい。
【0083】
次に、配送情報取得部105は、配送情報を取得する(ステップS116)。具体的には、配送情報取得部105は、配送情報として、配送物の配送元の位置及び配送先の位置を取得する。また、配送情報取得部105は、配送情報として、配送物の配送先への配送時間を取得してもよい。例えば、配送情報取得部105は、配送物の配送元の位置として拠点B1の位置、及び、配送物の配送先の位置として家T1の位置を取得し、配送物の配送先への配送時間として午後7時から午後9時を取得する。
【0084】
判定部103は、様々な移動体10について、規則的に移動する2地点を判定しており、生成部107は、判定した様々な2地点のなかに、配送情報に適合する2地点があるか否かを判定する(ステップS117)。例えば、生成部107は、会社P2が拠点B1の近くにあり、家P1が家T1の近くにあり、かつ、拠点B2の近くにあり、配送物の配送時間に移動体10aが家P1に滞在していることから、配送情報に適合する2地点があると判定する。なお、生成部107は、配送情報に適合する2地点の組み合わせが複数ある場合には、算出部104により算出された信頼度が最も高い2地点を配送情報に適合する2地点としてもよい。また、生成部107は、算出部104により算出された信頼度がある程度高い2地点のなかから、配送情報に適合する2地点があるか否かを判定してもよい。
【0085】
問合せ部106は、配送情報に適合する2地点があると判定された場合(ステップS117でYes)、当該2地点を規則的に移動する移動体10の管理者に配送物の配送時の移動体10の移動予定を問合せ、問合せに対する移動体10の管理者からの応答が規則通りの予定であるか否かを判定する(ステップS118)。例えば、配送物の配送時に、移動体10の管理者に通常の予定とは異なる予定が入り、配送時に移動体10が2地点を移動しない場合があるため、移動予定の問合せが行われる。なお、問合せに対する応答がない場合については、ステップS117に処理が戻されてもよい。あるいは、移動体10の移動予定が規則通りの予定であると仮定し、生成部107は配送ルートを生成してもよい。後者の場合、実際には移動体10の予定が規則通りの予定でなかったときには、配送業者は宅配時の受取人不在の場合と同様に配送物を持ち帰ってもよいし、生成部107は代替の配送ルートを再計画してもよい。
【0086】
問合せに対する移動体10の管理者からの応答が規則通りの予定でない場合(ステップS118でNo)、今回適合すると判定された2地点が除外された上で、再度ステップS117以降の処理が行われる。
【0087】
問合せに対する移動体10の管理者からの応答が規則通りの予定である場合(ステップS118でYes)、当該移動体10は規則通りに移動するため、生成部107は当該移動体10を用いた配送ルートを生成し、出力部108は生成された配送ルートを出力する(ステップS119)。例えば、生成部107は、配送物を拠点B1から会社P2へ平日の午前8時以降午後5時までに輸送して移動体10aに搭載し、平日の午後6時以降に配送物を家P1にある移動体10aから回収し、午後7時から午後9時に配送物を家T1に配送する配送ルートを生成し、出力部108は、生成された配送ルートを配送車両20a及び20bへ出力する。
【0088】
このように、生成部107は、配送元の位置及び配送先の位置並びに移動体10が規則的に移動する2地点に基づいて配送物の配送ルートを生成する。このとき、生成部107は、2地点における移動体10の移動開始又は移動終了の時間帯及び配送物の配送先への配送時間にも基づいて配送ルートを生成してもよい。これにより、移動体10の移動開始までの時間帯に移動体10へ配送物を載せ、移動体10の移動終了後の時間帯であって配送時間前までに配送物を移動体10から回収して、配送物を配送先へ配送時間に配送できる配送ルートを生成できる。また、移動体10が2地点に滞在している時間帯に移動体10に配送物を搭載できることから、当該時間帯では移動体10が一時的に配送物の倉庫となっているともいえる。したがって、配送物を配送業者の倉庫で保管する時間を削減できるため配送業者の倉庫のスペースを削減できる。
【0089】
また、生成部107は、配送物の配送時の移動体10の移動予定についての問合せに対する応答にも基づいて配送ルートを生成してもよい。これにより、配送物の配送時における移動体10の移動予定が規則通りに移動する旨の応答があった場合には、配送物の配送時に移動体10がより確実に2地点を移動しやすくなる。一方で、配送物の配送時における移動体10の移動予定が規則通りに移動しない旨の応答があった場合には、当該移動体10を配送に使用しないようにすることができる。したがって、配送物の配送時に移動体10が2地点を規則的に移動せずに配送物の配送に支障が出てしまうことを抑制できる。
【0090】
そして、出力された配送ルートに基づいた配送物の配送が完了した後、付与部109は、移動体10の管理者に利得を付与する(ステップS120)。利得は、例えば、金銭、金券又は物品若しくはサービスの購入の際に利用できるポイント等である。2地点間における配送物の代理輸送を行った移動体10の管理者に利得を付与することで、今後も積極的に配送物の代理輸送を移動体10に行ってもらうことができるようになり、配送業務の効率化をさらに進めることができるようになる。
【0091】
一方で、配送情報に適合する2地点がないと判定された場合(ステップS117でNo)、生成部107は移動体10を用いない配送ルートを生成し、出力部108は生成された配送ルートを出力する(ステップS121)。例えば、生成部107は、拠点B1から家T1へ配送物を直接配送する配送ルートを生成し、出力部108は、生成された配送ルートを配送車両20aへ出力する。
【0092】
なお、移動体10の管理者は、何の通知もなく移動体10に配送物が搭載されると不審に思うこともあるため、例えば、通知部110は、2地点での配送物の授受を移動体10の管理者に通知する。なお、通知部110は、配送物が移動体10に搭載される前に、配送物が移動体10に搭載される予定にあることを移動体10の管理者に通知してもよいし、配送物が移動体10に搭載された後に、配送物が移動体10に搭載されたことを移動体10の管理者に通知してもよい。また、通知部110は、配送物が移動体10から回収される前に、配送物が移動体10から回収される予定にあることを移動体10の管理者に通知してもよいし、配送物が移動体10から回収された後に、配送物が移動体10から回収されたことを移動体10の管理者に通知してもよい。これにより、配送物を移動体10に載せる予定であること、配送物を移動体10に載せたこと、配送物を移動体10から回収する予定であること又は配送物を移動体10から回収したことを移動体の管理者に認識させることができる。
【0093】
また、配送物を移動体10の荷台に搭載する際、また、配送物を移動体10の荷台から回収する際に荷台を開錠する必要がある。そこで、要求部111は、2地点での移動体10の荷台の開錠を移動体10へ要求する。例えば、配送車両20のドライバーから移動体10の荷台を開錠するように要求部111は指示を受け、要求部111は、当該指示に応じて、移動体10の荷台を開錠するように移動体10へ要求する。これにより、配送物を移動体10の荷台に載せるとき又は配送物を移動体の荷台から回収するときに移動体10の荷台を移動体10に開錠させることができ、移動体10の管理者及び配送業者の手間を減らすことができる。なお、荷台は、移動体10のトランク、助手席又は後部座席等であってもよく、移動体10のドアが開錠されてもよい。
【0094】
以上説明したように、移動体10が規則的に移動する2地点を判定し、配送物の配送元と配送先との間に当該2地点が存在する場合には、配送元から当該2地点を経由して配送先へ配送物を配送する配送ルートを生成する。これにより、移動体10(すなわち配送以外の目的で用いられる車両)を配送に利用することができる。さらに、移動体10が配送車両としての適性があるか否かが自動的に判断されるため、ユーザが移動体10を配送車両として予め登録する必要がない。加えて、移動体10が規則的に移動する2地点間については移動体10に配送物を代理輸送させることで、配送業者は配送車両20の保有台数を抑制しつつ、移動体10によって輸送力を増強することができる。また、配送車両20の使用を抑制できることから、配送業者のドライバーの労働時間も削減可能となる。以上のようにして、設備投資を抑制しつつ配送業務を効率化できる。
【0095】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の一つ又は複数の態様に係る情報処理方法及び情報処理システム100について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0096】
例えば、上記実施の形態では、移動体10が規則的に移動する2地点は、一方が配送元の位置から所定の距離の範囲内にある地点であり、他方が配送先の位置から所定の距離の範囲内にある地点であると説明したが、これに限らない。当該2地点は、例えば、配送時間等の他の条件を満たしていれば、一方が配送元の位置から所定の距離の範囲内にない地点であってもよいし、他方が配送先の位置から所定の距離の範囲内でない地点であってもよい。
【0097】
また、例えば、上記実施の形態では、図1において、拠点B2の配送車両20bが家P1で移動体10aから配送物を回収して家T1へ配送する例について説明したが、家P1の近くの拠点B2の配送車両20bに限らず、偶然家P1の近くを移動中の別の拠点の配送車両20が家P1で移動体10aから配送物を回収して家T1へ配送してもよい。
【0098】
また、例えば、上記実施の形態では、移動体10が規則的に移動する2地点は、一方が配送元となる配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であり、他方が配送拠点とは別の配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にある地点であると説明したが、これに限らない。例えば、当該2地点は、一方が配送元となる配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にない地点であってもよいし、他方が配送拠点とは別の配送拠点の配送サービスの提供可能範囲内にない地点であってもよい。例えば、図1において、拠点B2の配送車両20bが家P1で移動体10aから配送物を回収して家T1へ配送する例について説明したが、配送車両20bが使用されなくてもよく、移動体10aの管理者が家T1へ配送物を配送してもよいし、配送物の受取人が移動体10aの管理者の家P1へ配送物を受け取りに行ってもよい。
【0099】
また、例えば、上記実施の形態では、判定部103は、移動履歴に基づいて2地点における移動体10の移動開始又は移動終了の時間帯を判定すると説明したが、当該時間帯を判定しなくてもよい。これに伴い、配送情報取得部105は、配送物の配送先への配送時間を取得しなくてもよいし、生成部107は、上記時間帯及び上記配送時間に基づいて配送ルートを生成しなくてもよい。
【0100】
また、例えば、上記実施の形態では、情報処理システム100は、算出部104を備えると説明したが、備えていなくてもよい。すなわち、2地点の移動体10の移動の規則性に対する信頼度が算出されなくてもよい。
【0101】
また、例えば、上記実施の形態では、情報処理システム100は、問合せ部106を備えると説明したが、備えていなくてもよい。すなわち、移動体の管理者に配送物の配送時の移動体10の移動予定が問合せられなくてもよい。これに伴い、生成部107は、問合せに対する応答に基づいて配送ルートを生成しなくてもよい。
【0102】
また、例えば、上記実施の形態では、情報処理システム100は、付与部109を備えると説明したが、備えていなくてもよい。すなわち、配送ルートに基づいた配送物の配送が完了した後、移動体10の管理者に利得が付与されなくてもよい。
【0103】
また、例えば、上記実施の形態では、情報処理システム100は、通知部110を備えると説明したが、備えていなくてもよい。すなわち、2地点での配送物の授受が移動体10の管理者に通知されなくてもよい。
【0104】
また、例えば、上記実施の形態では、情報処理システム100は、要求部111を備えると説明したが、備えていなくてもよい。すなわち、2地点での移動体10の荷台の開錠が移動体10へ要求されなくてもよい。
【0105】
本開示は、情報処理方法に含まれるステップを、プロセッサに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0106】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリ又は入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0107】
なお、上記実施の形態において、情報処理システム100に含まれる各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0108】
上記実施の形態に係る情報処理システム100の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0109】
さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示の情報処理方法等は、例えば、配送物の配送ルートを生成する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0111】
10、10a、10b 移動体
20、20a、20b 配送車両
30 配送情報管理システム
100 情報処理システム
101 登録部
102 移動履歴取得部
103 判定部
104 算出部
105 配送情報取得部
106 問合せ部
107 生成部
108 出力部
109 付与部
110 通知部
111 要求部
B1、B2 拠点
P1、P4、T1 家
P2 会社
P3 店舗
R1、R2、R3 移動ルート
図1
図2
図3
図4