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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160029
(43)【公開日】2024-11-11
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/58 20060101AFI20241031BHJP
   E06B 3/66 20060101ALN20241031BHJP
   E06B 3/24 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
E06B3/58 C
E06B3/66 Z
E06B3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074424
(22)【出願日】2023-04-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月3日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11162820000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (2)刊行物による公開 刊行物 エピソードII防火窓 商品カタログ 第68頁 発行日 2023年2月6日 (3)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月3日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11162810000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (4)刊行物による公開 刊行物 エピソードII防火窓 積算・発注 設計資料 第140-141頁 発行日 2023年2月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (5)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月6日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11179320000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (6)刊行物による公開 刊行物 エピソードII 商品カタログ 第102頁 発行日 2023年2月20日 (7)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月7日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11174550000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (8)刊行物による公開 刊行物 エピソードII 業務用カタログ 第221-223頁 発行日 2023年2月20日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (9)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年1月27日 掲載アドレス http://potal.ykkap.co.jp/wps/myportal/ProductSearch/List/Detail/4xkfe8w8gpea/!ut/p/z1/hY_LDoIwFES_CC6I1rpsSAzBEhMToXRjqikPi21F4uvrrcatOLvJnMmdCxwYcC2ubS2G1mjROV9ytEtIiBK8CugaURyQLM-XKQmjLJpB8Q_gLg5-iASQfoCRvlsw6bM4q4FbMTReqysDbHpXlcQ3XFspoIihlGfaCseE7wLR-wg708tK9rL3G3MZgFkziM5_KCWsfzD-0brxfPQ8nf8BFugLjHxoT-xJ5bbw1Ia8AIcVcHw!/dz/d5/L2dBISEvZ0FBIS9nQSEh/ (10)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年3月24日 掲載アドレス http://potal.ykkap.co.jp/wps/myportal/ProductSearch/List/Detail/4ir3cyv3h65u/!ut/p/z1/hY_LDoIwEEW_CAasVFhWEyUIMSGRRzemkvIQpE1FEvx6q3ErzG4y52TuBQoZ0J6NTcWGRvSs03tO8cUnNvbdoxWecOhaJEqSfUBsFCEH0iWA6rP1Z4gFwReY8XWClYp2UQVUsqE2mr4UkK0bhYppRDV2npBuIY8PVeURoPZHIP0VuVpQvOSKK7MWjwEyKQbWmVPbMmkWwrxJHZ7Ovg83C4CHf8BMQ3nPXiE_p0Ybkzd-Mkbl/dz/d5/L2dBISEvZ0FBIS9nQSEh/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (11)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月22日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11217120000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (12)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年2月22日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11217170000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (13)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年3月9日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11248790000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg=
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (14)刊行物による公開 刊行物 エピソードII防火窓 GNEO FIX窓 スリムフレーム 組立説明書 発行日 2023年4月3日 (15)電気通信回線を通じた公開 掲載日 2023年3月9日 掲載アドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&catalogCategoryId=&catalogId=11248840000&pageGroupId=1&volumeID=YKKAPDC1&keyword=&categoryID=&sortKey=&sortOrder=&designID=pro&designConfirmFlg= (16)刊行物による公開 刊行物 エピソードII防火窓 GNEO FIX窓 スリムフレーム 施工説明書 発行日 2023年4月3日 (17)刊行物による公開 刊行物 エピソードII NEO/エピソードII防火窓 GNEO FIX窓 スリムフレーム 交換用障子ユニット 施工・調整説明書 発行日 2023年4月3日 (18)製品出荷による公開 2023年4月3日~2023年4月28日に取引先に製品を出荷
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健太
(72)【発明者】
【氏名】西塔 都志雄
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E016AA04
2E016BA06
2E016CB01
2E016CC02
2E016DA02
2E016DB03
2E016DC02
2E016DD03
(57)【要約】
【課題】横置きした際にセッティングブロックの潰れを抑制でき、かつ、製品コストを抑制できる建具を提供すること。
【解決手段】建具である固定窓1は、上枠、下枠、縦枠40からなる枠体である窓枠10の内周側にパネルである複層ガラス50が保持された建具である。縦枠40は、見込面部45と、見込面部45から窓枠10の内周側に突出する突出部451とを有する。縦枠40と複層ガラス50の側面との間には、見込面部45に当接する第1当接面81と、見込面部45に対向し、かつ、見込面部45から離間して設けられた離間面82と、突出部451に当接する第2当接面83と、複層ガラス50の側面に対向するパネル対向面84と、を有するセッティングブロック80が配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠、縦枠からなる枠体の内周側にパネルが保持された建具であって、
前記縦枠は、見込面部と、前記見込面部から前記枠体の内周側に突出する突出部とを有し、
前記縦枠と前記パネルの側面との間には、
前記見込面部に当接する第1当接面と、
前記見込面部に対向し、かつ、前記見込面部から離間して設けられた離間面と、
前記突出部に当接する第2当接面と、
前記パネルの側面に対向するパネル対向面と、を有し、前記縦枠に固定されるセッティングブロックが配置されている
ことを特徴とする建具。
【請求項2】
請求項1に記載の建具において、
前記見込面部と、前記離間面との間には、加熱発泡材が配置されている
ことを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項1に記載の建具において、
前記セッティングブロックの前記第1当接面は、前記見込面部に接着されている
ことを特徴とする建具。
【請求項4】
請求項1に記載の建具において、
前記離間面は、見込方向において、前記第1当接面および前記第2当接面の間に設けられ、
前記離間面には、前記縦枠の長手方向に連続する凹溝が形成されている
ことを特徴とする建具。
【請求項5】
請求項1に記載の建具において、
前記パネル対向面には、前記縦枠の長手方向に連続する第2凹溝が形成されている
ことを特徴とする建具。
【請求項6】
請求項1に記載の建具において、
前記パネルは、前記枠体の室外側または室内側の一方であるパネル挿入側から前記枠体内に挿入されて設置され、
前記セッティングブロックの前記パネル対向面において、前記パネル挿入側の端部には斜面が形成されている
ことを特徴とする建具。
【請求項7】
請求項1に記載の建具において、
前記縦枠は、見付方向に沿って設けられた見付面部を備え、
前記セッティングブロックは、前記見付面部に当接されている
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のガラスを備えるガラスユニットと、ガラスユニットの周端部を収容するガラス収容部を備えた枠体とを有する建具において、ガラスユニットの面内方向の位置を規制するセッティングブロックをガラス収容部に設けた構造が開示されている。
セッティングブロックは、枠見込面部に当接される見込面当接部と、見込面当接部が枠見込面部に当接したときに、枠見込面部との間に空隙を形成する屋内側の部位とを有する。セッティングブロックと枠見込面部との空隙には加熱発泡材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-161607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記建具の完成品を施工現場などに輸送する場合に、輸送時の高さ制限を考慮して、左右の縦枠の一方を下側に配置し、他方を上側に配置して建具を横置きにして輸送する場合がある。この場合、下側に配置された縦枠のセッティングブロックにガラスの荷重が加わり、セッティングブロックが潰れ、ガラスの脱落を防止する金具などにガラスが衝突して割れてしまうことがある。
このセッティングブロックの潰れを抑制するために、ブロックのサイズを拡大したり、セッティングブロックの配置数を増やしたり、材質を変更することが考えられるが、いずれも製品のコストが増大する課題がある。
【0005】
本発明の目的は、横置きした際にセッティングブロックの潰れを抑制でき、かつ、製品コストを抑制できる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上枠、下枠、縦枠からなる枠体の内周側にパネルが保持された建具であって、前記縦枠は、見込面部と、前記見込面部から前記枠体の内周側に突出する突出部とを有し、前記縦枠と前記パネルの側面との間には、前記見込面部に当接する第1当接面と、前記見込面部に対向し、かつ、前記見込面部から離間して設けられた離間面と、前記突出部に当接する第2当接面と、前記パネルの側面に対向するパネル対向面と、を有し、前記縦枠に固定されるセッティングブロックが配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、横置きした際にセッティングブロックの潰れを抑制でき、かつ、製品コストを抑制できる建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る建具を示す内観姿図である。
図2】前記実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
図3】前記実施形態に係る建具を示す横断面図である。
図4】前記実施形態に係る建具の縦枠部分を示す横断面図である。
図5】前記実施形態に係るセッティングブロックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本実施形態に係る建具としての固定窓1(FIX窓、嵌め殺し窓)は、枠体としての窓枠10と、窓枠10内に配置されるパネルである複層ガラス50と、窓枠10に配置された加熱発泡材55と、窓枠10に取り付けられる外れ止め具60と、窓枠10および複層ガラス50間に配置されるセッティングブロック70、80とを備えている。複層ガラス50は、防火ガラス50Aと、非防火ガラス50Bと、これらの間に配置されるスペーサ50Cとを備え、防火性能を有するように構成されている。防火ガラス50Aは、網入りガラスや耐熱強化ガラス等である。非防火ガラス50Bは、例えばフロートガラスである。防火ガラス50Aおよび非防火ガラス50Bは、スペーサ50Cにシール材、封止材等で貼り付けられている。
以下の説明において、固定窓1の左右方向をX軸方向とし、固定窓1の上下方向をY軸方向とし、固定窓1の見込み方向(面外方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
窓枠10は、上枠20および下枠30と、左右の縦枠40とが枠組みされることにより構成されている。上枠20、下枠30および左右の縦枠40は、矩形状の複層ガラス50の四周縁部に沿って配置されており、左右の縦枠40は図3に示すように互いに断面形状に形成されており、左右対象に配置されている。上枠20、下枠30および左右の縦枠40は、室外側の金属製枠材21,31,41と、金属製枠材21,31,41に取り付けられた室内側の樹脂枠材22,32,42と、金属製枠材21,31,41に取り付けられた押縁23,33,43とを備えている。本実施形態では、金属製枠材21,31,41はアルミ製であり、樹脂枠材22,32,42は合成樹脂製である。
樹脂枠材22,32,42は、複層ガラス50の室内側に配置されており、複層ガラス50の室内面51に当接する枠側当接部221,321,421を備えている。枠側当接部221,321,421は、樹脂枠材22,32,42の見付け面に設けられた変形可能なヒレおよび突起によりそれぞれ構成されている。
押縁23,33,43は、複層ガラス50の室外側に配置されており、金属製枠材21,31,41に係合されて複層ガラス50の室外面52に向けて延びる金属製の押縁本体231,331,431と、押縁本体231,331,431の先端に設けられて室外面52に当接する合成樹脂製のガスケット232,332,432とを備えている。
金属製枠材21、樹脂枠材22および押縁23は、複層ガラス50の上縁部が納まる凹部24を形成している。金属製枠材31、樹脂枠材32および押縁33は、複層ガラス50の下縁部が納まる凹部34を形成している。金属製枠材41、樹脂枠材42および押縁43は、複層ガラス50の縦縁部が納まる凹部44を形成している。
【0011】
縦枠40の金属製枠材41は、図3および図4に示すように、Z軸方向に沿った見込面部45と、見込面部45の室内端から内周側に向かってX軸方向に延出された室内面部46と、室内面部46の内周端から室外側に向かってZ軸方向に延出した延出片部47と、延出片部47から外周側に向かってX軸方向つまり縦枠40の見付方向に延出した見付面部48と、見込面部45からX軸方向における外周側に延出した取付片部49とを有している。
見込面部45には、内周側に向かって突出する突出部451と、突出部451よりも室外側の位置から内周側に向かって突出する第2突出部452とが形成されている。
第2突出部452の先端には、押縁43の押縁本体431が当接し、突出部451には押縁本体431の先端が係合する係合突起453が形成されている。これにより、押縁本体431は、第2突出部452に当接し、かつ、先端が係合突起453に係合することで、金属製枠材41に対して着脱可能に取り付けられている。
延出片部47には、X軸方向における内周側に延出し、樹脂枠材42が係合する係合片471、472が形成されている。
【0012】
見付面部48の上端および下端には、図3に示すように、複層ガラス50の脱落を防止する外れ止め具60が取り付けられている。外れ止め具60は、金属製の金具で構成されており、外れ止め本体61と、外れ止め本体61から切り起こされた係止片65とを有している。なお、外れ止め具60は、難燃性の金属以外の材料により構成されても良い。
外れ止め具60は、見付面部48にネジ止めしてもよいが、本実施形態では、見付面部48に形成したスリットに係止片65を係合させている。すなわち、見付面部48の上下両端部には、幅広部と幅狭部とが上下方向に連続するスリットが形成されており、見付面部48のスリットに近接する位置には、予めねじ495が取り付けられている。そして、幅狭部に係止片65を弾性変形させながら挿入すると、予め取り付けたねじ495が外れ止め具60の下端や上端に当接するため、係止片65がスリットの幅広部側に移動しないように規制され、外れ止め具60は見付面部48に係合される。なお、外れ止め具60は、ねじ495を取り外し、係止片65をスリットの幅広部に移動してスリットから引き抜くことで、見付面部48から取り外すことができる。
外れ止め本体61は、複層ガラス50の側面に対向する本体片部611と、複層ガラス50の室外面52に対向する外れ止め部613と、突出部451に当接する当接片部615とを備え、外れ止め部613には複層ガラス50の室外面52に当接する樹脂部材620が取り付けられている。なお、複層ガラス50の側面とは、複層ガラス50において見込方向に沿った上下および左右の各面のうち、縦枠40に沿った左右の側面である。すなわち、複層ガラス50の側面は、防火ガラス50Aおよび非防火ガラス50Bの小口と、スペーサ50Cの露出面とで構成される。
【0013】
加熱発泡材55は、図2に示すように、金属製枠材21,31における複層ガラス50の上下の見込面に対向する見込面部211,311と、図3および図4に示すように、左右の金属製枠材41における見込面部45とにそれぞれ設けられている。加熱発泡材55は、金属製枠材21、31、41の長手方向の略全長に渡って配置されている。
金属製枠材21の加熱発泡材55は、見込面部211に設けられた挿入部211A内にスライド挿入されている。金属製枠材31の加熱発泡材55は、見込面部311に設けられたビスホールに当接させてZ軸方向に位置決めされ、見込面部311に例えば両面テープにより貼り付けられている。金属製枠材41の加熱発泡材55は、突出部451の室内面に当接させてZ軸方向に位置決めされ、例えば両面テープにより貼り付けられている。
これらの加熱発泡材55は、それぞれの発泡方向が複層ガラス50の見込面に向かう方向になるように、見込面部211、311、45に設けられている。
【0014】
[セッティングブロック]
セッティングブロック70は、図1および図2に示すように、下枠30の左右両端部近傍に配置され、凹部34の底面である見込面部311上に載置されている。
セッティングブロック80は、図1に示すように、左右の縦枠40の上端部近傍、下端部近傍、中間部の3箇所において、凹部44内にそれぞれ配置されている。なお、縦枠40用のセッティングブロック80の数は、固定窓1の上下寸法つまり複層ガラス50の上下寸法に応じて左右にそれぞれ1~3個配置される。また、本実施形態では、縦枠40の上端および下端には外れ止め具60が取り付けられるため、縦枠40の上端部近傍に設けられるセッティングブロック80は、上側の外れ止め具60の下方に配置され、縦枠40の下端部近傍に設けられるセッティングブロック80は、下側の外れ止め具60の上方に配置されている。
【0015】
セッティングブロック80は、図4および図5に示すように、PVC等の合成樹脂製のブロック材であり、第1当接面81、離間面82、第2当接面83、パネル対向面84、室外面85、室内面86を備えている。
第1当接面81は、見込面部45に対向する見込面であり、第1当接面81に貼られた両面テープ90によって見込面部45に貼り付けられて固定されている。
第1当接面81の室外側端部からX軸方向の内周側に向かって、第1見付面811が延出されている。第1見付面811の内周側端部は、凹溝821を介して離間面82に連続している。
離間面82は、縦枠40の見付方向であるX軸方向において、第1当接面81よりも内周側に形成されている。このため、離間面82は、第1当接面81が見込面部45に固定されている状態では、見込面部45から離間して配置され、見込面部45との間に空間が形成されている。この空間には、前述した加熱発泡材55が配置されている。
凹溝821は、断面略V字状に形成され、縦枠40の長手方向である上下方向に連続して形成されている。この凹溝821は、離間面82の室内側端部、つまり第1見付面811に連続する部分に形成されている。
【0016】
離間面82の室外側端部からX軸方向内周側には、第2見付面822が延出されている。第2見付面822の内周側端部は、第2当接面83に連続している。第2見付面822および第2当接面83で区画される段差空間には、突出部451が配置され、突出部451の先端は第2当接面83に当接している。
第2当接面83の室外側端部は、室外面85に連続している。室外面85は、縦枠40の見付方向であるX軸方向に沿った平面であり、押縁本体431の室内面に対向して設けられている。
【0017】
パネル対向面84は、縦枠40の見込方向であるZ軸方向に沿った見込面であり、複層ガラス50の側面(小口)に対向して配置されている。パネル対向面84は、図3に示すように、外れ止め具60の外れ止め本体61よりも複層ガラス50の側面側の位置に配置されている。このため、固定窓1の一方の縦枠40を下側、他方の縦枠40を上側として、固定窓1を輸送用パレットに横置きに設置し、トラック等で輸送する場合に、複層ガラス50が見込面部45側に移動するとパネル対向面84に当接して支持され、複層ガラス50が外れ止め具60に衝突することを防止できる。
また、パネル対向面84には、上下方向に連続する断面略半円状の第2凹溝841が形成されている。第2凹溝841の見込方向の形成位置は、凹溝821の見込方向の位置よりも僅かに室内側とされ、凹溝821および第2凹溝841を結ぶ線は、X軸方向に対して5~10度程度傾いている。
パネル対向面84の室外側端部と室外面85の内周側端部とは、斜面851で連結されている。斜面851は、室外側に向かうにしたがって、窓枠10の外周側に向かう方向に傾斜しており、X軸方向およびZ軸方向に対して45度傾斜した角度で形成されている。
【0018】
室内面86は、第1当接面81の室内側端部からX軸方向に延出された平面であり、縦枠40の見付面部48に当接されている。
室内面86のX軸方向の内周側端部から室外側に向かって内周側見込面861が延出され、内周側見込面861の室外側端部からX軸方向の内周側端部に向かって室内側見付面862が延出されている。室内側見付面862はパネル対向面84の室内側端部に連続している。これにより、セッティングブロック80の室内面86の内周側は、内周側見込面861、室内側見付面862で区画される凹部が形成される。この凹部があるため、セッティングブロック80を見込面部45に接着する際に、延出片部47の室外側端部がセッティングブロック80に緩衝することがないため、セッティングブロック80を縦枠40の室外側から見込面部45に向かって斜め方向に移動させて取り付けることができる。このため、セッティングブロック80を見込面部45に向かって移動させながら、延出片部47と緩衝しないように途中で回転させる必要がなく、セッティングブロック80の取付作業性を向上できる。
【0019】
以上の固定窓1を組み立てる場合、押縁23、33、43を取り外した状態で枠組みした窓枠10にセッティングブロック70、80を配置し、窓枠10の室外側から複層ガラス50を挿入し、セッティングブロック70上に載置する。この際、上枠20側にはセッティングブロックが設けられていないため、上枠20およびセッティングブロック70間の高さ寸法は複層ガラス50の高さ寸法よりも大きいため、複層ガラス50を容易に挿入配置することができる。
左右のセッティングブロック80のパネル対向面84間の幅寸法は、複層ガラス50の左右方向(X軸方向)の幅寸法と同程度であるが、左右のセッティングブロック80のパネル対向面84の室外側つまりパネル挿入側には、室外側に向かうにしたがって窓枠10の外周側に傾斜する斜面851が形成されているので、左右のセッティングブロック80間の寸法は、斜面851の室外側端部が最も大きく、室内側に向かって徐々に小さくなる。このため、複層ガラス50を挿入する際に斜面851によって複層ガラス50をガイドでき、複層ガラス50を容易に窓枠10内に挿入して配置できる。その後、外れ止め具60を見付面部48に取り付け、金属製枠材21,31,41に押縁23、33、43を取り付けることで、固定窓1が完成する。
【0020】
以上の固定窓1によれば、複層ガラス50がセッティングブロック80のパネル対向面84に当接して荷重を加えると、セッティングブロック80には離間面82や第2当接面83が見込面部45に近づく方向に力が加わる。このため、突出部451が設けられていない場合は、パネル対向面84の室外側端部はX軸方向で外周側つまり見込面部45側に変位し、外れ止め具60の外れ止め本体61よりも外周側に配置される恐れがある。この場合、複層ガラス50の小口が外れ止め本体61に衝突し、複層ガラス50が破損する恐れがある。
一方、本実施形態では、セッティングブロック80の第2当接面83に突出部451を当接させて支持しているので、複層ガラス50がセッティングブロック80に当接することで加わる荷重を突出部451で支持することができ、セッティングブロック80の変形を抑制できる。このため、パネル対向面84を外れ止め本体61よりも複層ガラス50側に配置した状態を維持でき、複層ガラス50が外れ止め本体61に衝突して破損することを防止できる。
セッティングブロック80は、突出部451で支持されるので、セッティングブロック80のサイズを拡大したり、配置数を増やしたり、アルミ材料と合成樹脂とでセッティングブロックを構成する必要が無く、コストを抑制できる。
【0021】
縦枠40の見込面部45とセッティングブロック80の離間面82との間に加熱発泡材55を配置することで、加熱発泡材55を複層ガラス50の側面に対向配置でき、火災時に加熱発泡材55を複層ガラス50の側面に向かって発泡させて縦枠40と複層ガラス50の側面との間を短時間で塞ぐことができる。加熱発泡材55を配置可能なセッティングブロック80は、加熱発泡材を配置する防火窓用だけでなく、加熱発泡材の配置が不要な非防火窓用にも利用できるため、防火窓および非防火窓でセッティングブロック80を兼用でき、セッティングブロック80のコストを低減できる。
【0022】
セッティングブロック80は、両面テープ90を用いて第1当接面81を縦枠40の見込面部45に接着しているので、セッティングブロック80を縦枠40の任意の高さ位置に容易に配置することができる。
セッティングブロック80は、室内面86を縦枠40の見付面部48に当接させているので、セッティングブロック80を見込方向に精度良くかつ簡単に位置決めすることができる。このため、パネル対向面84を精度良く、複層ガラス50の側面(小口)に対向させることができる。
【0023】
セッティングブロック80は、見込方向において室内側から室外側に向かって第1当接面81、離間面82、第2当接面83を順次配置し、離間面82の室内側端部、つまり第1見付面811と交差する角部に凹溝821を形成したので、セッティングブロック80に複層ガラス50の荷重が加わった際に、凹溝821によって、セッティングブロック80を、第2当接面83が縦枠40の見込面部45に近づく方向に変形させやすくできる。このため、第2当接面83に当接する突出部451に荷重が加わりやすくなり、複層ガラス50の荷重を縦枠40の突出部451で効果的に支持できる。さらに、セッティングブロック80のパネル対向面84にも第2凹溝841が形成されているため、セッティングブロック80は、凹溝821および第2凹溝841を結ぶ線よりも室外側の部分が見込面部45に近づく方向にさらに変形しやすくなり、複層ガラス50の荷重を縦枠40の突出部451で効果的に支持できる。
その上、縦枠40の公差により、突出部451の突出寸法が少し長い場合、突出部451が第2当接面83に当接することで、セッティングブロック80には室外側が見込面部45から離れる方向に力が加わるが、凹溝821よりも室外側が変形することで、第1当接面81が見込面部45から離れることを抑制でき、両面テープ90による接着状態を維持することができる。
【0024】
[変形例]
セッティングブロック80は、第1当接面81が室内側、第2当接面83が室外側となる向きに設置されていたが、縦枠40の形状によっては、第1当接面81を室外側、第2当接面83が室内側となるように逆向きに設置してもよい。例えば、縦枠として、パネルの室外面を保持する保持片が見込面部と一体に形成され、パネルの室内面を保持する押縁を見込面部に着脱可能に取り付け、パネルを枠体の室内側から枠体内に挿入して配置する場合は、セッティングブロック80を室内外逆向きに配置すればよい。この場合も、縦枠40の見込面部45に、第2当接面83に当接する突出部451を形成すればよい。
【0025】
セッティングブロック80を縦枠40に固定する方法としては、両面テープ90を用いて接着する方法に限定されず、接着剤を用いてもよい。また、見込面部45に係合孔を加工し、セッティングブロック80に係合突起を設け、この係合突起を係合孔に係合させることでセッティングブロック80を縦枠40に固定してもよい。
さらに、セッティングブロック80は、縦枠40の見込面部45に第1当接面81を固定するものに限定されず、縦枠40の見付面部48にセッティングブロック80の室内面86を両面テープなどで固定してもよい。すなわち、セッティングブロック80は、縦枠40に所定位置に固定されていればよく、その固定方法や固定部位は縦枠の形状などに応じて適宜設定すればよい。
【0026】
セッティングブロック80は、凹溝821、第2凹溝841の2つの凹溝を有するものに限定されず、凹溝821、第2凹溝841の一方のみを設けてもよいし、凹溝を設けないものでもよい。また、凹溝821、第2凹溝841の形成位置は前記実施形態に限定されないが、特に凹溝821は、第1見付面811と離間面82との接続部分に形成することが好ましい。
セッティングブロック80は、パネル対向面84の室外側端部に斜面851を形成していたが、斜面851を設けずに、パネル対向面84および室外面85を直接連続させてもよい。
セッティングブロック80は、室内面86を縦枠40の見付面部48に当接させずに配置してもよい。この場合、見込面部45に位置決め用のマークを設け、このマークに合わせてセッティングブロック80を固定してもよい。
【0027】
窓枠10に保持されるパネルは、前記実施形態の複層ガラス50に限定されず、単板のガラスでもよいし、3枚のガラスを有するトリプルガラスで構成してもよい。また、パネルとして用いるガラスの種類は、防火ガラス、非防火ガラスのいずれでもよい。さらに、パネルは、ガラスに限定されず、樹脂パネルや内装材などでもよく、板状の面材であればよい。
建具としては、固定窓1に限定されず、枠体にセッティングブロックを介してガラスを保持する障子と、この障子を開閉可能に支持する窓枠とを備える引き違い窓、開き窓等の様々な窓種が利用できる。すなわち、引き違い窓や開き窓では、パネルを保持する枠体は、上框、下框および左右の縦框からなる框体である。
さらに、加熱発泡材55は、防火仕様の建具の場合に設ければ良く、非防火仕様の建具では加熱発泡材55を設けなくてもよい。この場合も、セッティングブロック80をそのまま利用することができる。
【0028】
[本発明のまとめ]
本発明の建具は、上枠、下枠、縦枠からなる枠体の内周側にパネルが保持された建具であって、前記縦枠は、見込面部と、前記見込面部から前記枠体の内周側に突出する突出部とを有し、前記縦枠と前記パネルの側面との間には、前記見込面部に当接する第1当接面と、前記見込面部に対向し、かつ、前記見込面部から離間して設けられた離間面と、前記突出部に当接する第2当接面と、前記パネルの側面に対向するパネル対向面と、を有し、前記縦枠に固定されるセッティングブロックが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、縦枠に設けられるセッティングブロックの第1当接面を、縦枠の見込面部に当接させた際に、離間面は縦枠の見込面部から離間しているため、見込面部との間に空間が形成される。このため、火災時に発泡して縦枠とパネルとの間を塞ぐ加熱発泡材を前記空間に配置することができる。また、建具の輸送時などにセッティングブロックにパネルの荷重が加わった場合、離間面部分は見込面部から離間しているため、セッティングブロックが変形して潰れやすいが、縦枠に形成した突出部に第2当接面を当接させることでパネルの荷重を支持できるので、セッティングブロックの変形を抑制できる。したがって、セッティングブロックのサイズを拡大したり、配置数を増やしたり、アルミ材料と合成樹脂とでセッティングブロックを構成する必要が無く、コストを抑制できる。
【0029】
本発明の建具において、前記見込面部と、前記離間面との間には、加熱発泡材が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、縦枠の見込面部と離間面との間に加熱発泡材を配置しているので、加熱発泡材をパネルの側面に対向する位置に配置でき、火災時には加熱発泡材をパネルの側面に向かって発泡させて縦枠の見込面部とパネルの側面との間を短時間で塞ぐことができる。また、縦枠用のセッティングブロックは、縦枠の見込面部との間に加熱発泡材を配置可能な離間面を備えるため、加熱発泡材を配置する防火窓用と、加熱発泡材の配置が不要な非防火窓用との両方に兼用できる。
【0030】
本発明の建具において、前記セッティングブロックの前記第1当接面は、前記見込面部に接着されていてもよい。
本発明によれば、セッティングブロックの第1当接面を、両面テープ等を用いて縦枠の見込面部に接着しているので、セッティングブロックを縦枠の任意の位置に容易に配置することができる。
【0031】
本発明の建具において、前記離間面は、見込方向において、前記第1当接面および前記第2当接面の間に設けられ、前記離間面には、前記縦枠の長手方向に連続する凹溝が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、セッティングブロックの見込方向において、第1当接面、離間面、第2当接面をこの順に設けており、さらに離間面に縦枠の長手方向つまり上下方向に連続する凹溝を形成しているので、セッティングブロックにガラスの荷重が加わった際に、凹溝部分でセッティングブロックが変形し、第2当接面が縦枠の見込面部に近づく方向に変形するため、第2当接面に当接する突出部に荷重が加わりやすくなり、ガラスの荷重を縦枠の突出部で効果的に支持することができる。
【0032】
本発明の建具において、前記パネル対向面には、前記縦枠の長手方向に連続する第2凹溝が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、セッティングブロックのパネル対向面に第2凹溝が形成されているため、セッティングブロックにパネルの荷重が加わった際に、第2凹溝部分でセッティングブロックが変形し、第2当接面が縦枠の見込面部に近づく方向に変形するため、第2当接面に当接する突出部に荷重が加わりやすくなり、パネルの荷重を縦枠の突出部で効果的に支持することができる。
【0033】
本発明の建具において、前記パネルは、前記枠体の室外側または室内側の一方であるパネル挿入側から前記枠体内に挿入されて設置され、前記セッティングブロックの前記パネル対向面において、前記パネル挿入側の端部には斜面が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、セッティングブロックは、パネル対向面のパネル挿入側の端部に斜面が形成されているので、枠体にセッティングブロックを取り付けた後に、パネル挿入側から枠体内にパネルを挿入する際に、斜面によってパネルをガイドできるので、パネルの挿入作業性を向上できる。
【0034】
本発明の建具において、前記縦枠は、見付方向に沿って設けられた見付面部を備え、前記セッティングブロックは、前記見付面部に当接されていてもよい。
本発明によれば、セッティングブロックを縦枠の見付面部に当接しているので、セッティングブロックの見込方向の位置を、見付面部を基準に容易に設定でき、パネルの側面に対向する位置に精度良く配置できる。また、セッティングブロックを見付面部に両面テープなどで固定することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1…固定窓、10…窓枠、20…上枠、30…下枠、40…縦枠、41…金属製枠材、42…樹脂枠材、43…押縁、44…凹部、45…見込面部、48…見付面部、50…複層ガラス、50A…防火ガラス、50B…非防火ガラス、50C…スペーサ、55…加熱発泡材、60…外れ止め具、61…外れ止め本体、70…セッティングブロック、80…セッティングブロック、81…第1当接面、82…離間面、83…第2当接面、84…パネル対向面、85…室外面、86…室内面、90…両面テープ、451…突出部、611…本体片部、811…第1見付面、821…凹溝、822…第2見付面、841…第2凹溝、851…斜面、861…内周側見込面、862…室内側見付面。
図1
図2
図3
図4
図5