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特開2024-160042デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー
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  • 特開-デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー 図1
  • 特開-デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー 図2A
  • 特開-デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー 図2B
  • 特開-デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー 図2C
  • 特開-デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160042
(43)【公開日】2024-11-11
(54)【発明の名称】デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバー
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
G06F11/36 164
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016332
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】18/141,367
(32)【優先日】2023-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507033211
【氏名又は名称】奇景光電股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】歐育年
(72)【発明者】
【氏名】莊竣凱
(72)【発明者】
【氏名】洪培元
(72)【発明者】
【氏名】林▲イク▼享
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GA35
5B042GB08
5B042GC05
5B042HH04
(57)【要約】
【課題】デバッグシステム及びデバッグシステムに適用するドライバーを提供する。
【解決手段】本発明に係るデバッグシステムに適用するドライバーは、ドライブコントローラー、及びドライブコントローラーにより制御されるドライブ汎用型入/出力を備えている。ドライブ汎用型入/出力は、タッチスクリーンの状態メッセージのデバッグログをホストのホスト汎用型入/出力に直接伝送し、ドライバーとホストとの間でハンドシェイク信号を交換する必要がない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンを制御するためのドライバーであって、前記ドライバーはドライブ汎用型入/出力を含むドライバーと、
前記ドライバーから状態メッセージのデバッグログを受信するホストであって、前記ホストはホスト汎用型入/出力を含むホストと、を備え、
前記ドライブ汎用型入/出力は前記デバッグログを前記ホスト汎用型入/出力に直接伝送し、前記ドライバーと前記ホストとの間でハンドシェイク信号を交換する必要がないことを特徴とするデバッグシステム。
【請求項2】
前記ドライバーは、
前記ドライブ汎用型入/出力を制御するためのドライブコントローラーと、
前記ドライブコントローラーから受信したデータまたは前記ドライブコントローラーに伝送したデータを保存するためのドライブメモリデバイスと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデバッグシステム。
【請求項3】
前記ホストは、
前記ホスト汎用型入/出力を制御するためのホストコントローラーと、
前記ホストコントローラーから受信したデータまたは前記ホストコントローラーに伝送したデータを保存するためのホストメモリデバイスと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のデバッグシステム。
【請求項4】
前記状態メッセージは、ASCIIにより符号化を行うことを特徴とする請求項1に記載のデバッグシステム。
【請求項5】
前記ドライブ汎用型入/出力及び前記ホスト汎用型入/出力は、汎用型非同期送受信機(UART)プロトコルを採用していることを特徴とする請求項1に記載のデバッグシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバッグシステム(debugging system)に関し、特に、車載タッチスクリーンに適用するデバッグシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載タッチスクリーンは普及が進んでおり、車両にある従来の物理ボタンを徐々に代替するようになっており、ユーザーがナビゲーション、ラジオ、天気予報、並びに各種設定等の車両の各種機能をより弾力的且つ柔軟に制御可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電子システムは物理ボタンに比べてエラーや故障が起こり易いため、正常な動作を確保すると共にユーザーの需要を満たすために、デバッグを行う必要があった(すなわち、正確な操作を妨害するエラーや問題を検索すると共に解決する)。残念ながら、従来のデバッグ技術では、特に、TDDI(touch and display driver integration)回路に対しては、問題を即時に、或いは、遠隔から解決できなかった。TDDI回路は、ディスプレードライバーとタッチコントロールドライバーを単一のチップに統合する技術である。TDDI回路以外、他の技術にも新たなデバッグ方法が必要であった。一例として、システム・オン・チップ(system-on-chip, SoC)装置は複雑化しており、従来のデバッグ方法ではデバッグを行うことが困難であった。
【0004】
そこで、本発明者は従来のデバッグシステムの欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明は、状態メッセージのデバッグログを遠隔から即時取得すると共に、遠隔からデバッグを行うデバッグシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様であるデバッグシステムは、ドライバー及びホストを備えている。ドライバーはタッチスクリーンを制御し、且つドライブ汎用型入/出力を含む。ホストはドライバーから状態メッセージのデバッグログを受信し、且つホスト汎用型入/出力を含む。ドライブ汎用型入/出力はデバッグログをホスト汎用型入/出力に直接伝送し、ドライバーとホストとの間でハンドシェイク信号を交換する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例に係るデバッグシステムを示すブロック図である。
図2A】本発明の一実施例に係る汎用非同期送受信機(UART)プロトコルのデータフォーマットを示す。
図2B】本発明の一実施例に係る汎用型非同期送受信機(UART)プロトコルを使用してアルファベットの「A」を送信する波形である。
図2C】幾つかのボーレートで表示する転送速度と関連する継続期間を示す。
図3】本発明の一実施例に係るデバッグシステム(図1の機構を使用しない状態)を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0009】
図1は本発明の一実施例に係るデバッグシステム100を示すブロック図である。本実施例に係るデバッグシステム100は車載タッチスクリーンに適用可能であり、ユーザーがナビゲーション、ラジオ、天気予報、並びに車用アプリの設定等の車両用の各種機能を制御可能にしている。
【0010】
デバッグシステム100は、(車載)タッチスクリーン12を制御するためのドライバー11を備えている。本実施例では、ドライバー11は、タッチコントロールドライバー及びディスプレードライバーが単一のチップに結合されているTDDI(touch and display driver integration)回路を備え、本実施例に係る車載タッチスクリーンのようなタッチスクリーン12を制御するために用いられている。
【0011】
本実施例に係るドライバー11は、組み込み設計で応用されるマイコンユニット(MCU)のようなドライブコントローラー111を備えている。ドライバー11は、スタティックRAM(SRAM)のようなドライブメモリデバイス112を備え、ドライブコントローラー111から受信したデータまたはドライブコントローラー111に伝送したデータを保存するために用いられている。ドライバー11は、ドライブコントローラー111により制御されるドライブ汎用型入/出力(general-purpose input and output, GPIO)113を含む。汎用型入/出力は、制御可能な入力または出力とするドライブコントローラー111の(デジタル)信号ピンである。
【0012】
デバッグシステム100はホスト13(例えば、パソコン)を含み、(ドライバー11から)状態(またはエラー)メッセージを含むデバッグログを受信するために用いられ、開発者がエラーを識別及び修復するのを補助している。本実施例では、ホスト13は、車両用途とする車載システムまたはアプリケーションプロセッサ(application processor, AP)である。
【0013】
本実施例に係るホスト13は、組み込み設計で応用されるマイコンユニット(MCU)のようなホストコントローラー131を備えている。ホスト13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のようなホストメモリデバイス132を含み、ホストコントローラー131から受信したデータまたはホストコントローラー131に伝送したデータを保存するために用いられている。ホスト13は、ホストコントローラー131により制御されるホスト汎用型入/出力(GPIO)133を具備している。汎用型入/出力は、制御可能な入力または出力とするホストコントローラー131の(デジタル)信号ピンである。
【0014】
本実施例の一態様によれば、(ドライバー11の)ドライブ汎用型入/出力113は単方向バス(bus)により状態メッセージのデバッグログを(ホスト13の)ホスト汎用型入/出力133に直接伝送し、ドライバー11とホスト13との間で(事前に)ハンドシェイク(handshaking)信号を交換する必要がない。
【0015】
ある本実施例では、状態メッセージはASCII(American Standard Code for Information Interchange)により符号化を行う。前記符号化はでアルファベット、数字、及び記号を8ビット表示する。例えば、アルファベット「A」はASCII(American Standard Code for Information Interchange)により2進数で01000001(または16進数で41、または10進数で65)と表示する。
【0016】
本実施例では、ドライブ汎用型入/出力113及びホスト汎用型入/出力133には、汎用型非同期送受信機(universal asynchronous receiver-transmitter, UART)プロトコルのような非同期シリアル通信(asynchronous serial communication)を採用し、クロック周波数信号により同期する必要が無い。ドライブ汎用型入/出力113は状態メッセージをホスト汎用型入/出力133に1ビットずつ伝送し、且つスタートビット及びストップビットを含む。次に、状態メッセージがタッチスクリーン12に表示される。図2Aは本発明の一実施例に係る汎用非同期送受信機(UART)プロトコルのデータフォーマットを示す。図2Bは本発明の一実施例に係る汎用型非同期送受信機(UART)プロトコルを使用してアルファベットの「A」を送信する波形である。
【0017】
本実施例では、状態メッセージの伝送には、異なる伝送速度である汎用型非同期送受信機(UART)プロトコルを採用している。図2Cは、幾つかのボーレート(baud rateまたは毎秒のビット数)で表示する伝送速度と関連する継続期間を示す。
【0018】
図3は本発明の一実施例に係るデバッグシステム300(図1の機構を使用しない状態)を示すブロック図である。操作において、車載システム33の集積バス回路(inter-integrated circuit, I2C)331はアクセスコマンド(access command)をTDDI回路31の集積バス回路(I2C)311に送信する。次に、集積バス回路(I2C)311がアクセスコマンドを解析(parse)または分析し、TDDI回路31のマイコンユニット(MCU)312により実行し、状態メッセージを車載システム33の集積バス回路(I2C)331に伝送する。状態メッセージはタッチスクリーン32に表示される。よって、TDDI回路31及び車載システム33は状態メッセージのそれぞれを伝送する前に、ハンドシェイク(handshaking)信号(またはアクセスコマンド)を交換して通信接続を構築する。
【0019】
デバッグシステム300(図3参照)と比較すると、本実施例に係るデバッグシステム100(図1参照)は、状態メッセージのデバッグログを即時取得する。しかしながら、デバッグシステム300は、TDDI回路31と車載システム33との間でハンドシェイク(handshaking)信号を交換するため、状態メッセージを受動的にしか取得できない。また、本実施例に係るデバッグシステム100は、デバッグログを受信した後、エラーを遠隔から検知すると共に、必要に応じてドライバー11のファームウェア(firmware)を更新する。このようにすることで、遠隔デバッグを実現するが、デバッグシステム300は現場での(on-site)デバッグのみが実行可能である。
【0020】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0021】
100 デバッグシステム
11 ドライバー
111 ドライブコントローラー
112 ドライブメモリデバイス
113 ドライブ汎用型入/出力
12 タッチスクリーン
13 ホスト
131 ホストコントローラー
132 ホストメモリデバイス
133 ホスト汎用型入/出力
300 デバッグシステム
31 タッチディスプレイドライバー集積回路
311 集積バス回路
312 マイコンユニット
32 タッチスクリーン
33 車載システム
331 集積バス回路
図1
図2A
図2B
図2C
図3