(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016007
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】患者重大通知の統合および優先順位付け
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20240130BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120125
(22)【出願日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】22382709.8
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロエ デ マガリャエス
(72)【発明者】
【氏名】ヤーセル イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ホセ ペレス ペレス
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検査室10において患者についての重大情報を統合するコンピュータ実装方法を提供する。
【解決手段】方法は、検査室10に関連付けられた患者の集団から監視する患者を選択することと、検査室10内の複数の検査室ソース15から患者についての情報を抽出することと、抽出された患者情報が患者のケアにとって重大であるかどうかを決定することと、抽出された患者重大情報を検査室オペレータに表示するために単一のディスプレイダッシュボード30に出力することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室(10)内の患者についての重大情報を統合して優先順位付けするコンピュータ実装方法であって、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から監視する患者を選択することであって、前記患者からの少なくとも1つのサンプルが、前記検査室に含まれる検査室ソースによって処理されるように要求された、監視する患者を選択することと、
検査室制御ユニット(25)によって、前記検査室(10)内の複数の検査室ソース(15)から前記患者についての情報を抽出することであって、前記検査室制御ユニット(25)が、前記複数の検査室ソース(15)に通信可能に接続され、前記患者についての前記情報が、前記サンプルを処理することによって得られた検査結果、および/または重大に関連する追加の情報を含む、前記患者についての情報を抽出することと、
抽出された患者情報が前記患者のケアにとって重大であるかどうかを前記検査室制御ユニット(25)によって決定することであって、前記決定することが、前記検査結果が、前記サンプル、検査室ソース、もしくは検査がエラーを含んだことを示すかどうか、または前記検査結果が、正常な検査結果の範囲内もしくは範囲外であったかどうかを決定すること、またはクリティカルケアに関連する追加情報から、前記抽出された患者情報が前記患者のケアにとって重大であると決定することを含み、抽出された患者重大情報は、前記患者の救命処置のために検査結果が緊急に必要とされる場合にケアにとって重大である、前記検査室制御ユニット(25)によって決定することと、
前記抽出された患者重大情報を、検査室オペレータまたは医師に表示するために、前記検査室制御ユニット(25)によって単一のディスプレイダッシュボード(30)に出力することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
検査結果が前記患者が重大な状況にあることを示す場合、または、前記検査室制御ユニットによって受信された前記患者に関する情報が前記患者が重大な状況にあることを示す場合、前記検査室制御ユニットは、前記検査結果が緊急に必要であると決定する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記患者重大情報が、前記検査室制御ユニット(25)によって検査室データベース(20)から抽出され、前記検査室制御ユニット(25)が前記検査室データベース(20)に通信可能に接続される、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記患者重大情報が検査室ワークフローを妨げている場合に、前記検査室制御ユニット(25)から検査室ワークフローイベント情報を受信することと、
前記検査室ワークフローイベント情報を、前記抽出された患者重大情報とともに前記ディスプレイダッシュボード(30)上に表示することと
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
検査室ワークフローイベントが患者重大結果である場合に、前記検査室制御ユニット(25)から検査室ワークフローイベント情報を受信することと、
前記検査室ワークフローイベント情報を、前記抽出された患者重大情報とともに前記ディスプレイダッシュボード上に表示することと
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記患者重大情報の緊急度に基づいて前記患者重大情報の表示を優先させることをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記患者重大情報の前記緊急度が、検査室の類型、サンプルの種類、患者背景の種類、および/またはそれらの組み合わせに基づく、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記抽出された患者重大情報が、患者重大通知および患者重大エラーを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
患者重大エラーが、サンプルエラー、品質管理エラー、機器警報、検査室ハードウェア警報、およびそれらの組み合わせに関する通知を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ディスプレイダッシュボード(30)上の患者重大情報エントリの前記表示のソースである患者重大エラーを解決するためのアクションを遠隔で実行することをさらに含む、請求項8および9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
患者重大通知が、タイムラプス、警報、機器警報、機器マスキング、およびそれらの組み合わせに関する通知を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
出力された前記ディスプレイダッシュボード(30)が、前記検査室(10)内で前記検査室オペレータに表示される、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記出力されたディスプレイダッシュボード(30)が、前記検査室(10)の外部の前記検査室オペレータに遠隔に表示される、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピュータプロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するようにコンピュータシステムを制御する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
検査室(10)内の患者についての重大情報を統合および優先順位付けするための検査室システムであって、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から特定の患者に関する患者重大情報を含む複数の検査室ソース(15)と、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から特定の患者に関する患者重大情報を含む検査室データベース(20)と、
前記複数の検査室ソース(15)および前記検査室データベース(20)に通信可能に接続され、前記複数の検査室ソース(15)および前記検査室データベース(20)から前記特定の患者に関する前記患者重大情報を抽出するように構成された、検査室制御ユニット(25)と、
前記検査室制御ユニット(25)に通信可能に接続され、前記検査室制御ユニット(25)から前記特定の患者に関する前記抽出された患者重大情報を受信し、前記特定の患者に関する抽出された前記患者重大情報を患者重大情報の緊急度の順に単一のダッシュボードディスプレイ(30)上で検査室オペレータに表示するように構成されたダッシュボードディスプレイ(30)と
を備える、検査室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、単一のダッシュボードディスプレイ上の検査室環境における患者重大通知の統合および優先順位付けに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の検査室ダッシュボードディスプレイソリューションは、典型的な検査室において発生する大量のデータ生成イベントのために、典型的にはデータに圧倒される。この状況は、例えば患者重大情報などの重要情報の優先順位付けに関する問題を引き起こす可能性がある。重要な患者重大情報は、典型的な検査室において作成および表示される大量のデータの中で、検査室オペレータにとって失われる可能性がある。
【0003】
例えば、典型的には、特定の患者に関する患者重大警報は、検査室内のいくつかの異なるディスプレイで見られる必要があり得る。典型的には、検査室オペレータは、特定の患者についての患者重大情報を追跡するために、2から4つ以上の検査室ディスプレイを見ることがある。さらに、検査室オペレータが患者重大警報を追跡する必要がある場合、検査室オペレータは、患者重大警報のソースを検出し、患者の重大警報に関する詳細を受信し、患者重大警報をトラブルシューティングするために、追加の3から4つ以上の検査室ディスプレイを見る必要があり得る。患者重大情報を見つけて解決するために、これらの異なる検査室ディスプレイを全て見る必要があることは、貴重な時間とリソースを要する可能性がある。
【0004】
欧州特許出願公開第2416267号明細書は、類型にしたがって集約され、かつ緊急度に応じて順序付けされたタスクを有し得る検査室におけるタスク集約システムを開示している。しかしながら、このシステムにおけるタスクは、患者固有の通知ではなく、検査サンプルに関する。
【0005】
米国特許出願公開第2011/0106565号明細書は、タスクを完了するための権限および利用可能性を有する臨床医の位置およびタスク基準に基づいて臨床医に近接ベースのタスクリストを提供することを開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2013/0110535号明細書は、臨床医の位置およびヘルスケアコードを経験している患者の位置に基づいて臨床情報を臨床医に提供することを開示しており、その結果、患者に最も近い臨床医は、コード化患者に迅速に応答することができる。
【発明の概要】
【0007】
本開示の目的は、患者重大度および患者影響にしたがって検査室データを統合および優先順位付けし、検査室データを迅速に、明確に、且つ効率的に検査室オペレータに提示することである。
【0008】
本開示の一態様によれば、検査室において患者についての重大情報を統合するコンピュータ実装方法が提示される。
【0009】
本方法は、検査室に関連付けられた患者の集団から監視する患者を選択することであって、前記患者からの少なくとも1つのサンプルが、前記検査室に含まれる検査室ソースによって処理されるように要求された、監視する患者を選択することを含む。検査室内の複数の検査室ソースからの患者についての情報は、検査室制御ユニットによって抽出される。検査室制御ユニットは、複数の検査室ソースに通信可能に接続される。患者についての情報は、前記サンプルの処理から取得された検査結果を含む。
【0010】
検査室制御ユニットは、抽出された患者情報が患者のケアにとって重要であるかどうかを決定し、前記決定することは、検査結果が、サンプル、検査室ソースもしくは検査がエラーを含んだことを示すかどうかを決定すること、または検査結果が、正常な検査結果の範囲内もしくは範囲外であったかどうかを決定すること、またはクリティカルケアに関する追加情報から、抽出された患者情報が患者のケアにとって重大であると決定することを含み、抽出された患者重大情報は、患者の救命処置のために検査結果が緊急に必要とされる場合にケアにとって重大である。抽出された患者重大情報は、その後、検査室オペレータまたは医師に表示するために、検査室制御ユニットによって単一のディスプレイダッシュボードに出力される。
【0011】
患者にとって重大であり得る情報は、例えば、その患者の検査結果をタイムリーに受信することを妨げる可能性がある任意の検査室ワークフローのステップの問題、または患者の診断もしくは健康に影響を及ぼし得る患者検査結果を含むことができる。
【0012】
クリティカルケアに関する追加情報は、結果が緊急に必要であることを示す患者に関するデータであり得る。そのようなデータは、例えば、患者が集中治療室にいるという情報、または患者が心臓の症状などの重度の症状に罹患している可能性があることを示す以前の検査結果、または妊婦の場合、子癇前症の徴候としての高血圧、または敗血症を示す可能性がある症状を含み得る。
【0013】
そのような追加情報は、任意の1つまたは複数の検査室ソースから取得され得る。
【0014】
制御ユニットは、一実施形態では、検査結果が、患者が重大な状況にあることを示すかどうか、または追加情報が、検査結果が緊急に必要であることを示すかどうかを決定するように構成されるであろう。
【0015】
特定の実施形態では、検査室制御ユニットは、検査結果が、患者が重大な状況にあることを示す場合、または検査室制御ユニットによって受信された患者に関する情報が、患者が重大な状況にあることを示す場合、検査結果が緊急に必要であると決定する。本明細書でさらに記載されるように、検査結果は、検査結果が特定の閾値を上回るかまたは下回る場合、患者が重大な状況にあることを示し得る。患者に関する情報は、本明細書でさらに記載されるような情報であってもよく、一例として、患者の位置特定の情報(例えば、ICU)であってもよい。
【0016】
一実施形態では、検査結果が緊急に必要であると制御ユニットが決定すると、制御ユニットは、検査室オペレータがログインしている装置のディスプレイに送信される警告を作成するように構成され、警告は、ディスプレイ上の任意の他のメッセージに優先する。
【0017】
患者にとって重大であり得る情報は、例えば、その患者の検査結果をタイムリーに受信することを妨げる可能性がある任意の検査室ワークフローステップの問題、ならびに患者の診断または健康に影響を及ぼし得る任意の患者検査結果を含むことができる。そのような問題が決定された場合、制御ユニットは、検査を自動的に並べ替えるか、または異なる接続された検査室ソースから取得された情報から、サンプルを処理し、サンプルを処理および検査結果を生成するために前記検査室ソースに送るように動作可能であり得る検査室ソースを決定し得る。
【0018】
複数の検査室ソースは、例えば、HCA(Host Connectivity Agent)、検査室データベース、監視および検証プロセス、および/またはICA(Instrument Connectivity Agent)を含むことができる。
【0019】
検査室に関連付けられた患者の集団は、検査室制御ユニットに通信可能に接続された検査室データベースに記憶され得る。一実施形態では、患者の集団は、検査室制御ユニットによって検査室データベースから抽出され、検査室オペレータに表示され得る。一実施形態では、検査室オペレータは、検査室制御ユニットに接続された入力装置を使用することによって、表示されている患者の集団から患者を選択することができる。入力装置は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチスクリーンなどとすることができる。
【0020】
一実施形態では、患者重大情報は、検査室制御ユニットに通信可能に接続された検査室データベースに記憶され得る。次いで、この患者重大情報は、検査室制御ユニットによって検査室データベースから抽出され得る。検査室制御ユニットはまた、発生時に複数の検査室ソースから患者の重大情報を受信するために、複数の検査室ソースに通信可能に接続され得る。
【0021】
コンピュータ実装方法は、患者重大情報が検査室ワークフローに関する問題の結果である場合に、検査室制御ユニットから検査室ワークフローイベント情報を受信することをさらに含む。この実施形態では、検査室ワークフローのイベント情報はまた、患者重大情報とともに単一のディスプレイダッシュボードに表示されることもできる。
【0022】
検査室ワークフローイベントは、一実施形態では、分析前装置、サンプル輸送装置(例えば、他の物理的な検査室ソースに接続されたコンベヤ)、または分析装置などの検査室ソースで発生するエラーであり得る。制御ユニットは、この実施形態では、そのような検査室ソースからエラー情報を受信し、エラー情報をデータベース内の患者と接続し、患者重大情報に基づいてとるべきアクションを推測し、患者重大情報およびアクションをオペレータの画面に表示するように構成されている。
【0023】
そのようなアクションの例は、現在の重大警報に基づいてサンプルを処理するための新たな検査を自動的に指示すること、結果の確認を取得するために検査を繰り返すこと、または患者を集中治療室に連れて行くべきであることを医師に警告することであり得る。
【0024】
コンピュータ実装方法は、検査室ワークフローイベントが、例えば、患者の重大検査結果などの患者重大情報を含む場合に、検査室制御ユニットから検査室ワークフローイベント情報を受信することをさらに含む。この実施形態では、検査室ワークフローイベント情報は、患者重大情報とともにディスプレイダッシュボードに表示され得る。
【0025】
患者重大検査結果は、正常な検査結果の定義された閾値の外側にある検査結果であり得る。所与の検査について、正常な検査結果の閾値が知られており、例えば検査試薬の添付文書においてユーザに伝達される。例えば所与の検査を実行することができる検査室ソースの制御ユニット、または検査室制御ユニットは、検査のための閾値を有するデータベースを備える。検査室制御ユニットは、検査結果を所与の検査の記憶された閾値と比較することによって、検査結果が正常な検査結果の閾値外であるかどうかを決定することができる。
【0026】
検査結果が正常な検査結果の閾値外である場合、検査結果は、患者重大情報としてフラグが立てられ得る。検査結果が時間に敏感な情報または患者の健康および幸福に差し迫った影響を及ぼし得る情報である場合、検査結果は、緊急として制御ユニットによってフラグが立てられ、検査室オペレータに最も高い優先度で表示される。検査結果は、LISを介して臨床医に自動的に転送され、緊急検査結果として表示されて、直ちにアクションをとることを推奨し得る。
【0027】
一実施形態では、検査室制御ユニットは、医師から、所定の閾値に関係なく直ちに必要とされる特定の患者重大結果を指定する情報を受信し得る。制御ユニットは、医師から取得された特定の患者重大結果を指定する情報を記憶し、選択された患者について取得された全ての結果を特定の患者重大結果を指定する情報にマッピングする。結果が特定の患者重大結果を指定する記憶された情報にマッピングされる場合、結果はフラグが立てられ、医師に直ちに表示される。
【0028】
コンピュータ実装方法は、患者重大情報の緊急度に基づいて患者重大情報の表示に優先順位を付けることをさらに含む。緊急度は、検査室オペレータが患者重大情報、例えば時間に敏感な情報をどれだけ迅速に認識すべきか、および/または患者重大情報が患者の健康および幸福にとってどれだけ重要であるかに基づくことができる。一実施形態では、緊急度の順に患者重大情報を表示することによって、表示に優先順位を付けることができる。例えば、最も緊急度の高い患者重大情報は、患者重大情報のリストの最上部に表示され、最も緊急度の低い患者重大情報は、リストの最下部に表示され得る。
【0029】
患者重大情報が別の患者重大情報よりも重大であるかどうかの決定は、検査室制御ユニットに記憶された情報、例えば患者の位置(ICU内であるか否か)に関する情報、または差し迫ったリスクを既に示している既存の検査結果に関する情報に基づくことができる。さらにまた、システムは、重大度のレベルの解釈および決定に使用することができるそのような背景情報を取得し得る。重大度にフラグを立てる別の例は、例えば、患者が妊娠している場合である。例えば、患者が重度の心臓症状を有する場合、何らかのマーカーは、「正常」患者と比較してより重大であると考えられる。別の例は、高血圧の妊婦が、おそらく、子癇前症の可能性の問題のために最初に分類されるいくつかの重大データを有することであろう。
【0030】
いくつかの実施形態では、患者重大情報の緊急度は、検査室の類型、患者検査サンプルの種類、患者背景の種類、および/またはそれらの組み合わせによって決定/優先順位付けされ得る。
【0031】
検査室オペレータに表示される抽出された患者重大情報は、患者重大通知と患者重大エラーとの双方を含むことができる。
【0032】
患者重大通知は、患者検査サンプルの時間経過(すなわち、患者検査サンプルが検査される前に患者検査サンプルが期限切れになっている)、システム警報、検査機器警報、検査機器マスキング、すなわち特定の検査機器への/からの検査サンプルの受け入れの取り止めまたは停止、およびそれらの組み合わせに関する患者通知を含むことができる。
【0033】
検査サンプルが検査される前に期限切れになっている場合、患者重大通知は、必要な検査結果を取得するために適切な検査室ソースによって処理され得る新たなサンプルを取得するように検査室オペレータに指示する。
【0034】
別の患者重大情報は、検査を処理することができる前に、較正が必要な、または品質管理が行われる必要がある検査室ソースの警報とすることができる。必要に応じて、検査室制御ユニットは、必要な検査結果を取得するためにサンプルの処理を繰り返す。
【0035】
患者重大エラーは、患者の検査サンプルエラー、品質管理エラー、検査機器警報、検査ハードウェア警報、およびそれらの組み合わせに関する患者通知を含むことができる。
【0036】
コンピュータ実装方法は、検査室オペレータによって遠隔で、すなわち、検査室オペレータが検査室に物理的に存在しないときに、検査室アクションを実行することをさらに含むことができる。そのような検査室アクションは、例えば、ディスプレイダッシュボード上の患者重大情報入力の表示の原因である患者重大エラーの解決とすることができる。
【0037】
一実施形態では、検査室制御ユニットは、検査室または病院のログイン、認証および証明プロセスから更新されたログイン情報を保持するメモリからのログイン情報を要求する。したがって、検査室制御ユニットは、そのようなメモリに接続される。ログイン情報は、検査室オペレータまたは医師がログインしている装置を指定する。検査制御ユニットはまた、検査室オペレータまたは医師の事前に登録された有効時間枠を受信し得る。この情報に基づいて、検査室制御ユニットは、警告が送信される装置ダッシュボードを識別する。
【0038】
これは、検査室オペレータまたは医師が、患者重大情報に関する警告を受信し、必要なアクションを講じることを可能にする。
【0039】
1つの具体的な実施形態では、検査室制御ユニットは、警報が解決されたかどうかを監視する。警告は、警告によって必要とされるアクションがとられたことをダッシュボード上で確認する検査室オペレータまたは医師によって解決され得る。検査室制御ユニットが警告の解決策を検出しない場合、第1の検査室オペレータまたは医師と同じ許可でログインしていると決定された追加の検査室オペレータまたは医師に警告を送信する。
【0040】
一実施形態では、患者重大情報を検査室オペレータに表示するディスプレイダッシュボードは、例えば、検査室内に物理的に配置された検査室装置のモニタまたは専用の検査室システムコンピュータのモニタなどの出力ディスプレイ上にあることができる。
【0041】
一実施形態では、患者重大情報を検査室オペレータに表示するディスプレイダッシュボードは、検査室から離れて位置する、すなわち、例えば、検査室オペレータのポータブルコンピューティング装置または検査室の外側に位置する検査室オペレータのパーソナルコンピュータなど、検査室内に物理的に位置しない出力ディスプレイ上にあることができる。
【0042】
本開示の第2の態様によれば、検査室内の患者についての重大情報を統合および優先順位付けするための検査室システムが提示される。検査室システムは、検査室内の複数の検査室ソースと、検査室データベースとを備えることができ、双方とも、検査室に関する患者の集団からの特定の患者に関する患者重大情報を含む。検査室システムはまた、複数の検査室ソースおよび検査室データベースに通信可能に接続され、複数の検査室ソースおよび検査室データベースから特定の患者に関する患者重大情報を抽出するように構成された、検査室制御ユニットを備えることができる。検査室システムはまた、検査室制御ユニットに通信可能に接続され、検査室制御ユニットから特定の患者に関する抽出された患者重大情報を受信し、特定の患者に関する抽出された患者重大情報を患者重大情報の緊急度の順に単一のダッシュボードディスプレイ上で検査オペレータに表示するように構成されたダッシュボードディスプレイを備えることができる。
【0043】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータプロセッサによって実行されると、上記の方法のステップを実行するようにコンピュータシステムを制御する、非一時的コンピュータ可読媒体も提示される。
【0044】
本開示の利点は、コンピュータ実装方法および検査システムが、患者ワークフローの閉塞/エラーおよび/または重大な患者ワークフロー結果を検査室オペレータに迅速且つ効率的に通知するために、多くの異なる検査室ソースおよびデータベースから単一のディスプレイダッシュボードへの既存の患者結果関連通知の統合および優先順位付けを可能にすることである。したがって、検査室オペレータには、1つのディスプレイダッシュボード上の特定の患者に焦点を合わせた全てのデータを収集するように設計された患者中心システムが提示され、その結果、検査室オペレータは、その特定の患者に影響を及ぼす状況のみに通知され、対処する(またはフラグを立てる)ことができる。
【0045】
本開示の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている以下の図面と併せて読むと最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本開示の実施形態にかかる、患者についての重大情報を統合および優先順位付けする検査室システムを示している。
【
図2】本開示の実施形態にかかる、患者についての重大情報を統合および優先順位付けするコンピュータ実装方法のフローチャートを示している。
【
図3】本開示の実施形態にかかる、患者についての統合および優先順位付けされた重大情報の例示的な表示を示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、限定ではなく例示として開示が実施され得る特定の実施形態が示されている添付の図面を参照する。他の実施形態が利用されてもよく、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、論理的、機械的および電気的変更が行われてもよいことが理解されたい。
【0048】
以下において使用される場合、用語「有する(have)」、「備える(comprise)」もしくは「含む(include)」またはこれらの任意の文法的変化形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つまたは複数の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で、且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つまたは複数のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0049】
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在してもよいことを示す「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または複数回存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」という表現は繰り返されない。
【0050】
「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために使用され得る。これは、単に便宜上、および本発明の概念の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つおよび単数形を含むように読まれるべきである。
【0051】
本明細書で使用される「検査室ミドルウェア」という用語は、ワークフローおよびワークフローステップが検査室機器/システムによって実行され得るように、検査室機器/装置または1つまたは複数の検査室機器/装置を備えるシステムを制御するように構成可能な任意の物理的または仮想的処理装置を指すことができる。検査室ミドルウェアは、例えば、検査室機器/システムに、分析前、分析後、および分析ワークフロー/ワークフローステップを実行するように指示し得る。検査室ミドルウェアは、特定の検査サンプルにどのステップが実行される必要があるかに関してデータ管理ユニットから情報を受信し得る。いくつかの実施形態では、検査室ミドルウェアは、データ管理ユニットと一体とすることができ、サーバコンピュータによって構成され得、および/または1つの検査室機器/装置の一部とすることができ、または検査室自動化システムの複数の機器/装置にわたって分散され得る。検査室ミドルウェアは、例えば、操作を実行するための命令を備えたコンピュータ可読プログラムを実行するプログラム可能論理コントローラとして具体化されてもよい。
【0052】
本明細書で使用される「制御ユニット」または「ワークフロー制御ユニット」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、検査室ミドルウェア内のサンプル処理システムの機能を制御するために、特に、ハードウェアおよび/またはソフトウェアプログラミングによって構成された電子装置を指し得る。ワークフロー制御ユニットは、少なくとも1つの監視システムおよび/または少なくとも1つのクラウドサーバとのデータ交換のためにさらに構成されてもよい。具体的には、ワークフロー制御ユニットは、少なくとも1つの監視システムおよび/または少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つの情報項目などの電子信号を受信し、受信した信号をさらに評価するように構成された、少なくとも1つのプロセッサなどの検査室ミドルウェア内のコンピューティング装置であってもよく、またはコンピューティング装置を備えてもよい。さらに、ワークフロー制御ユニットは、例えば、少なくとも1つの情報に基づいて、受信されて評価された信号に基づいて機能を制御するように構成されてもよい。
【0053】
「データ記憶ユニット」または「データベース」は、メモリ、ハードディスクまたはクラウドストレージなどのデータを記憶および管理するためのコンピューティングユニットとすることができる。これは、自動化システムによって処理される生物学的/医学的検査サンプルに関するデータを含んでもよい。データ管理ユニットは、LIS(検査室情報システム)および/またはHIS(病院情報システム)に接続されてもよい。データ管理ユニットは、検査室機器/装置内のユニットとすることができるか、または検査室機器/装置と同じ場所に配置され得る。それは、検査室ミドルウェアの一部であってもよい。あるいは、データベースは、遠隔に配置されたユニットであってもよい。例えば、データベースは、通信ネットワークを介して接続されたコンピュータで具現化されてもよい。
【0054】
本開示は、患者重大情報が検査室オペレータに常に最初に現れるように、階層的な患者情報を効率的に統合および優先順位付けするためのシステムおよび方法論を提供する。
【0055】
最初に
図1を参照すると、
図1は、患者についての重大情報を統合および優先順位付けする検査室システムを示している。検査室システム10は、検査室内の複数の検査室ソース15と、検査室データベース20とを備える。複数の検査室ソース15および検査室データベース20の双方は、検査室に関する患者の集団からの特定の患者に関する患者重大情報を含む。一実施形態では、複数の検査室ソース15は、例えば、HCA、検査室データベース、監視および検証プロセス、および/またはICAを含み得る。別の実施形態では、複数の検査室ソースは、例えば、分析前装置、分析装置、および/または分析後装置などの検査室装置または機器、検査室ミドルウェア、および/または検査室情報システム(LIS)/病院情報システム(HIS)とすることができる。検査室データベース20は、検査室オペレータに表示されてもされなくてもよい患者データを含むことができる。
【0056】
検査室システム10はまた、複数の検査室ソース15および検査室データベース20に通信可能に接続され、複数の検査室ソース15および検査室データベース20から特定の患者に関する患者重大情報を抽出するように構成された、検査室制御ユニット25を備える。
【0057】
検査室システム10はまた、検査室制御ユニット25から特定の患者に関する抽出された患者重大情報を受信するように構成された、検査室制御ユニット25に通信可能に接続されたダッシュボードディスプレイ30を備える。ダッシュボードディスプレイ30は、複数の検査室ソース15および検査室データベース20から抽出された特定の患者に関する患者重大情報を、患者重大情報の緊急度の順に単一のダッシュボードディスプレイ30上で検査オペレータに表示するように構成されている。一実施形態では、ダッシュボードディスプレイ30は、検査室内の検査室モニタに表示されるグラフィックユーザインターフェース(GUI)とすることができ、または別の実施形態では、ダッシュボードディスプレイ30は、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどの検査室オペレータのパーソナルコンピューティング装置、および/または検査室オペレータのデスクトップコンピュータに表示され得る。
【0058】
図2を参照すると、
図2は、ディスプレイダッシュボード上で患者についての重大情報を統合および優先順位付けするコンピュータ実装方法のフローチャートを示している。方法105の第1のステップでは、検査室に関する患者の集団から患者が、その患者に関する重要な情報について監視されるように選択され、その患者に関する入力110が受信される。一実施形態では、受信した入力は、検査室制御ユニットを介したHIS/LISからの患者オーダー115とすることができる。さらに、ステップ105において、コンピュータ実装方法は、検査室オペレータのために患者についての重大情報を統合および優先順位付けするプロセスを開始するかどうかを決定することができる(105)。
【0059】
ステップ105においてプロセスを開始すべきであると決定された場合、処理120は、検査室内の複数の検査室ソースから患者に関する情報を抽出し始める。複数の検査室ソースは、例えば、HCA、検査室データベース、監視および検証プロセス、および/またはICAを含むことができる。患者情報は、例えば、患者重大情報が検査室ワークフローまたは患者重大検査結果の妨げとなる場合など、患者の検査結果を損なう可能性がある検査室ワークフローイベント情報125を含み得る。
【0060】
患者重大情報はまた、患者の検査サンプルの検査のための予め設定された時間が経過したかどうかを決定すること(135)を含むことができる。一実施形態では、予め設定された時間は、患者検査サンプルが検査室に配置され、タイマーが始動された(130)後に経過した時間とすることができる。例えば、予め設定された時間は、患者の検査サンプルが期限切れになり、これを使用することができなくなる前に、患者の検査サンプルが検査に使用され得る許容可能な時間量を表すことができる。
【0061】
次いで、ステップ140において、抽出された患者情報は、通知情報とエラー情報とに分類され得る。患者情報が分類されると、ステップ145において、患者情報が正常であるかどうか(150)、または患者情報が患者重大であるかどうか(155)が、制御ユニットによって決定され得る。
【0062】
患者重大エラーは、例えば、患者の検査サンプルエラー、品質管理エラー、機器警報、検査室ハードウェア警報、およびそれらの組み合わせに関する通知を含むことができる。患者重大通知は、例えば、患者検査サンプルの時間経過に関する通知、警報、機器警報、機器マスキング、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0063】
患者情報が正常であると決定される(150)か、または患者にとって重要であると決定される(155)と、患者情報は、ダッシュボードディスプレイ上に出力/表示される(160)ように送信され得る。一実施形態では、制御ユニットはまた、抽出された患者重大情報の緊急度に基づいて抽出された患者重大情報を分類することができ、例えば、最も緊急の患者重大情報が最初に検査室オペレータに表示され得る。
【0064】
次いで、ステップ165において、患者重大情報155の全てが単一のディスプレイダッシュボード上に検査室オペレータに表示され得る。一実施形態では、出力されたディスプレイダッシュボードは、例えば、検査室のモニタおよび/または検査室オペレータのパーソナルコンピューティング装置上で、検査室オペレータに表示され得る。別の実施形態では、出力されたディスプレイダッシュボードは、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、および/またはデスクトップコンピュータなどのパーソナルコンピューティング装置上で、検査室の外部の検査室オペレータに遠隔表示され得る。
【0065】
最後に、
図3を参照すると、
図3は、患者についての統合および優先順位付けされた重大情報の例示的な検査室ディスプレイダッシュボードを示している。一実施形態では、検査室ディスプレイダッシュボード200は、1つのディスプレイダッシュボード上に、一連の列で患者重大情報を提供する。例えば、列210には、患者の重大な出来事が発生した検査室ワークフローのステップが列挙されている。一実施形態では、列210において、ステップは、例えば患者に対する緊急度の順に優先順位付けまたはランク付けされ得る。ステップのランキングは、例えば、検査室の類型、検査室の検査サンプルの種類、患者背景(patient demographics)、および/またはそれらの組み合わせに基づくことができる。列215において、ワークフローステップに関連付けられた患者重大情報の種類が提供される。
【0066】
列220において、患者重大情報は、正常または重要/STATのいずれかとして優先順位付け/格付けされる。格付け列220は、表示されている患者重大情報の種類にさらに分割され得る。情報の種類は、通知(列225)またはエラー(列227)とすることができる。上述したように、患者重大エラーは、例えば、患者の検査サンプルのエラー、品質管理エラー、機器の警報、検査室のハードウェアの警報、およびそれらの組み合わせに関する通知を含むことができ、患者重大通知は、例えば、患者の検査サンプルの時間経過に関する通知、警報、機器警報、機器マスキング、およびそれらの組み合わせを含むことができる。最後に、列230において、患者重大情報の説明が検査室オペレータに提供される。
【0067】
一実施形態では、検査オペレータは、例えば、スタイラス、マウス、キーボード、タッチスクリーンなどのユーザ入力装置を用いて、統合および優先順位付けされた患者重大情報に対して作用/解決する手順をディスプレイダッシュボード200上で直接実行することができる。検査室オペレータは、物理的に検査室にいるとき、または検査室から離れた環境にいるときに手順を実行することができる。
【0068】
例えば、緊急のサンプルについてサンプルの完全性(sample integrity)の何らかの種類の劣化があった場合、サンプルの完全性に関するデータが分析前分析中に検査室制御ユニットによって受信され、追加の静脈切開を行うために重大通知が送信される。
【0069】
別の例は、分析機器がオフラインになるか、または処理エラーを有する場合である。その前記機器に対して患者重大検査が実行されるべきである場合、検査技師は、基本的なトラブルシューティング、別の機器に対する処理、別の検査室へのサンプルの送信、または前記機器を修理するためにエンジニアに連絡することなどの適切なアクションをとるように通知される。
【0070】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されると、本明細書に包含される実施形態のうちの1つまたは複数において開示された方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品がさらに開示され、提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアまたはサーバコンピュータに記憶され得る。したがって、具体的には、上述したような方法ステップの1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行され得る。
【0071】
本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙形式などの任意の形式で、またはオンプレミスのもしくは遠隔地に位置するコンピュータ可読データキャリア上に存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク(クラウド環境など)を介して配布されてもよい。さらにまた、コンピュータプログラム製品だけでなく、実行ハードウェアも、オンプレミスまたはクラウド環境に配置され得る。
【0072】
さらに開示および提案されるのは、命令を含むコンピュータ可読媒体であって、命令が、コンピュータシステムによって実行されると、検査室自動化システムに本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態にかかる方法を実行させる、コンピュータ可読媒体である。
【0073】
さらに開示および提案されるのは、コンピュータシステムによって実行されると、検査室自動化システムに本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態にかかる方法を実行させる命令を含む変調されたデータ信号である。
【0074】
開示された方法のコンピュータ実装態様を参照すると、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたは複数にかかる方法の方法ステップのうちの1つもしくは複数または全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行され得る。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータまたはコンピュータネトワークを使用することによって実行され得る。一般に、これらの方法ステップは、サンプルの提供および/または実際の測定を実行する特定の態様などの手作業を必要とする方法ステップを通常除いて、任意の方法ステップを含み得る。
【0075】
「好ましくは」、「一般的に」、および「典型的に」のような用語は、特許請求される実施形態の範囲を限定するため、または特定の特徴が特許請求される実施形態の構造または機能にとって重要、必須、またはさらに重要であることを意味するために本明細書では使用されないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本開示の特定の実施形態において利用されても利用されなくてもよい代替のまたは追加の特徴を強調することが単に意図されている。
【0076】
本開示を詳細に説明し、その特定の実施形態を参照することにより、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲から逸脱することなく、変更および変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において好ましいまたは特に有利であると識別されるが、本開示は、必ずしも本開示のこれらの好ましい態様に限定されないことが企図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室(10)内の患者についての重大情報を統合して優先順位付けするコンピュータ実装方法であって、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から監視する患者を選択することであって、前記患者からの少なくとも1つのサンプルが、前記検査室に含まれる検査室ソースによって処理されるように要求された、監視する患者を選択することと、
検査室制御ユニット(25)によって、前記検査室(10)内の複数の検査室ソース(15)から前記患者についての情報を抽出することであって、前記検査室制御ユニット(25)が、前記複数の検査室ソース(15)に通信可能に接続され、前記患者についての前記情報が、前記サンプルを処理することによって得られた検査結果、および/または重大に関連する追加の情報を含む、前記患者についての情報を抽出することと、
抽出された患者情報が前記患者のケアにとって重大であるかどうかを前記検査室制御ユニット(25)によって決定することであって、前記決定することが、前記検査結果が、前記サンプル、検査室ソース、もしくは検査がエラーを含んだことを示すかどうか、または前記検査結果が、正常な検査結果の範囲内もしくは範囲外であったかどうかを決定すること、またはクリティカルケアに関連する追加情報から、前記抽出された患者情報が前記患者のケアにとって重大であると決定することを含み、抽出された患者重大情報は、前記患者の救命処置のために検査結果が緊急に必要とされる場合にケアにとって重大である、前記検査室制御ユニット(25)によって決定することと、
前記抽出された患者重大情報を、検査室オペレータまたは医師に表示するために、前記検査室制御ユニット(25)によって単一のディスプレイダッシュボード(30)に出力することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
検査結果が前記患者が重大な状況にあることを示す場合、または、前記検査室制御ユニットによって受信された前記患者に関する情報が前記患者が重大な状況にあることを示す場合、前記検査室制御ユニットは、前記検査結果が緊急に必要であると決定する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記患者重大情報が、前記検査室制御ユニット(25)によって検査室データベース(20)から抽出され、前記検査室制御ユニット(25)が前記検査室データベース(20)に通信可能に接続される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記患者重大情報が検査室ワークフローを妨げている場合に、前記検査室制御ユニット(25)から検査室ワークフローイベント情報を受信することと、
前記検査室ワークフローイベント情報を、前記抽出された患者重大情報とともに前記ディスプレイダッシュボード(30)上に表示することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
検査室ワークフローイベントが患者重大結果である場合に、前記検査室制御ユニット(25)から検査室ワークフローイベント情報を受信することと、
前記検査室ワークフローイベント情報を、前記抽出された患者重大情報とともに前記ディスプレイダッシュボード上に表示することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記患者重大情報の緊急度に基づいて前記患者重大情報の表示を優先させることをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記患者重大情報の前記緊急度が、検査室の類型、サンプルの種類、患者背景の種類、および/またはそれらの組み合わせに基づく、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記抽出された患者重大情報が、患者重大通知および患者重大エラーを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
患者重大エラーが、サンプルエラー、品質管理エラー、機器警報、検査室ハードウェア警報、およびそれらの組み合わせに関する通知を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ディスプレイダッシュボード(30)上の患者重大情報エントリの前記表示のソースである患者重大エラーを解決するためのアクションを遠隔で実行することをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
患者重大通知が、タイムラプス、警報、機器警報、機器マスキング、およびそれらの組み合わせに関する通知を含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
出力された前記ディスプレイダッシュボード(30)が、前記検査室(10)内で前記検査室オペレータに表示される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記出力されたディスプレイダッシュボード(30)が、前記検査室(10)の外部の前記検査室オペレータに遠隔に表示される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピュータプロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するようにコンピュータシステムを制御する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
検査室(10)内の患者についての重大情報を統合および優先順位付けするための検査室システムであって、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から特定の患者に関する患者重大情報を含む複数の検査室ソース(15)と、
前記検査室(10)に関連付けられた患者の集団から特定の患者に関する患者重大情報を含む検査室データベース(20)と、
前記複数の検査室ソース(15)および前記検査室データベース(20)に通信可能に接続され、前記複数の検査室ソース(15)および前記検査室データベース(20)から前記特定の患者に関する前記患者重大情報を抽出するように構成された、検査室制御ユニット(25)と、
前記検査室制御ユニット(25)に通信可能に接続され、前記検査室制御ユニット(25)から前記特定の患者に関する前記抽出された患者重大情報を受信し、前記特定の患者に関する抽出された前記患者重大情報を患者重大情報の緊急度の順に単一のダッシュボードディスプレイ(30)上で検査室オペレータに表示するように構成されたダッシュボードディスプレイ(30)と
を備える、検査室システム。
【外国語明細書】