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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160195
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】導電性フィルム、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/14 20060101AFI20241106BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
H01B5/14 B
H01B5/14 A
H01Q1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161773
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】手塚 謙一
(72)【発明者】
【氏名】深谷 芽衣
【テーマコード(参考)】
5G307
5J046
【Fターム(参考)】
5G307FA02
5G307FB02
5G307FC09
5G307FC10
5J046AB15
5J046AB17
5J046PA07
(57)【要約】
【課題】導電線の視認性を低くすることができる導電性フィルム、及び表示装置を提供する。
【解決手段】ピッチP1、及びピッチP2は、いずれも幅狭ピッチPxよりも大きい。すなわち、第1の導電性パターン60Aは、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62において、狭い幅狭ピッチPxよりも大きいピッチを確保することができる。これにより、第1の導電性パターン60Aの端部60Aaにおいて、第1の導電線50A,50Bの潰れなどによって視認性が上がってしまうことを抑制することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状の基材と、前記基材の主面上に配置されるメッシュ状の第1の導電性パターンと、を備える導電性フィルムであって、
前記第1の導電性パターンは、前記主面に沿った第1の方向に延びる複数の第1の導電線、及び前記主面沿って前記第1の方向と直交する第2の方向に延びる複数の第2の導電線を含み、
前記第1の導電性パターンは、
前記第1の導電性パターンの前記第2の方向における端部に配置される第1のメッシュ部と、
前記第1のメッシュ部に前記第2の方向に隣り合う第2のメッシュ部と、
前記第1のメッシュ部及び前記第2のメッシュ部以外の第3のメッシュ部と、を少なくとも有し、
前記第2の方向において、前記第1のメッシュ部の第1のピッチ、及び前記第2のメッシュ部の第2のピッチは、前記第3のメッシュ部の第3のピッチよりも小さく、
前記第1のピッチ及び前記第2のピッチの和は、前記第3のピッチよりも大きく、前記和と、前記第3のピッチとの差を第4のピッチと仮定した場合、前記第1のピッチ、及び前記第2のピッチは、いずれも前記第4のピッチよりも大きく、
前記第1のメッシュ部、及び前記第2のメッシュ部は、前記第3のメッシュ部と非相似形状である、導電性フィルム。
【請求項2】
前記第1のメッシュ部、及び前記第2のメッシュ部は、長方形である、請求項1に記載の導電性フィルム。
【請求項3】
前記第1のピッチは、前記第2のピッチと等しい、請求項1又は2に記載の導電性フィルム。
【請求項4】
前記第1のメッシュ部の開口面積、及び前記第2のメッシュ部の開口面積は、それぞれ前記第3のメッシュ部の開口面積の二分の一以上である、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性フィルム。
【請求項5】
前記第1の導電性パターンに対して、前記第2の方向に離間して対向するように配置され、前記第1の導電線及び前記第2の導電線を含む第2の導電性パターンを備え、
前記第2の導電性パターンは、前記第1の導電性パターンと対向する端部に配置される第4のメッシュ部を有し、
前記第4のメッシュ部の開口面積と前記第1のメッシュ部の開口面積の合計は、前記第3のメッシュ部の開口面積以上である、請求項1~4の何れか一項に記載の導電性フィルム。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の導電性フィルムを備える、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導電性フィルム、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明基板と、透明基板の主面上に配置されるメッシュ状の導電性パターンと、を備える導電性フィルムが知られている(例えば特許文献1)。この導電性フィルムにおいて、導電性パターンは、導電線を二軸方向に一定ピッチで配列することで形成される複数のメッシュ部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-138512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のような導電性フィルムでは、導電性パターンの端部に、他のメッシュ部よりも小さいピッチのメッシュ部が形成される場合がある。このとき、端部のメッシュ部のピッチが小さくなりすぎると、メッシュ部において対向する一対の導電線同士の距離が近くなりすぎる。この場合、製造時などにおいて、一対の導電線同士が潰れなどによって接続されてしまう可能性がある。当該潰れが発生した場合、太い導電線が形成されてしまい、視認性が上がってしまう。導電性フィルムを表示装置に組み込んだ場合、導電線の視認性は低く抑制されることが求められる。
【0005】
そこで、本開示は、導電線の視認性を低くすることができる導電性フィルム、及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る導電性フィルムは、フィルム状の基材と、基材の主面上に配置されるメッシュ状の第1の導電性パターンと、を備える導電性フィルムであって、第1の導電性パターンは、主面に沿った第1の方向に延びる複数の第1の導電線、及び主面沿って第1の方向と直交する第2の方向に延びる複数の第2の導電線を含み、第1の導電性パターンは、第1の導電性パターンの第2の方向における端部に配置される第1のメッシュ部と、第1のメッシュ部に第2の方向に隣り合う第2のメッシュ部と、第1のメッシュ部及び第2のメッシュ部以外の第3のメッシュ部と、を少なくとも有し、第2の方向において、第1のメッシュ部の第1のピッチ、及び第2のメッシュ部の第2のピッチは、第3のメッシュ部の第3のピッチよりも小さく、第1のピッチ及び第2のピッチの和は、第3のピッチよりも大きく、和と、第3のピッチとの差を第4のピッチと仮定した場合、第1のピッチ、及び第2のピッチは、いずれも第4のピッチよりも大きく、第1のメッシュ部、及び第2のメッシュ部は、第3のメッシュ部と非相似形状である。
【0007】
本開示の一側面に係る表示装置は、上述の導電性フィルムを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、導電線の視認性を低くすることができる導電性フィルム、及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】導電性フィルムの一実施形態を示す平面図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】表示装置の一実施形態を示す断面図である。
図4】導電性層の平面図である。
図5図4の「E」で示す部分の拡大図である。
図6】変形例に係る導電性フィルムの導電性層の拡大図である。
図7】変形例に係る導電性フィルムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図1は導電性フィルムの一実施形態を示す平面図であり、図2図1のII-II線に沿う断面図である。図1及び図2に示される導電性フィルム20は、フィルム状の光透過性基材1(基材)と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた導電性層5と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた光透過性樹脂層7Bとを備える。導電性層5は、光透過性基材1の主面1Sに沿った方向に延在し複数の開口3aを含むパターンを有する部分を含む導体部3と、導体部3の開口3a内を埋める絶縁樹脂部7Aとを有する。図2では、導電性層5がデフォルメされた状態で示されており、導体部3の幅が強調された状態で示されている。また、図1に示す例では、導電性フィルム20の一方の短辺付近に導電性層5が形成されているが、導電性層5が形成される位置は特に限定されず、長辺付近に導電性層5が形成されてもよい。
【0012】
光透過性基材1は、導電性フィルム20が表示装置に組み込まれたときに必要とされる程度の光透過性を有する。具体的には、光透過性基材1の全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性基材1のヘイズが0~5%であってもよい。
【0013】
光透過性基材1は、例えば透明樹脂フィルムであってもよく、その例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、又はポリイミド(PI)のフィルムが挙げられる。あるいは、光透過性基材1がガラス基板であってもよい。
【0014】
例えば図7に示すように、光透過性基材1は、光透過性の支持フィルム11と、支持フィルム11上に順に設けられた中間樹脂層12及び下地層13とを有する積層体であってもよい。支持フィルム11は上記透明樹脂フィルムであることができる。下地層13は無電解めっき等によって導体部3を形成するために設けられる層である。他の方法によって導体部3を形成する場合、下地層13は必ずしも設けられなくてもよい。支持フィルム11と下地層13との間に中間樹脂層12が設けられていなくてもよい。
【0015】
光透過性基材1又はこれを構成する支持フィルム11の厚みは、10μm以上、20μm以上、又は35μm以上であってよく、500μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。
【0016】
中間樹脂層12が設けられることにより、支持フィルム11と下地層13との間の密着性が向上し得る。下地層13が設けられない場合、中間樹脂層12が支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間に設けられることにより、支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間の密着性が向上し得る。
【0017】
中間樹脂層12は、樹脂及び無機フィラーを含有する層であってもよい。中間樹脂層12を構成する樹脂の例としては、アクリル樹脂が挙げられる。無機フィラーの例としては、シリカが挙げられる。
【0018】
中間樹脂層12の厚みは、例えば5nm以上、100nm以上、又は200nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
【0019】
下地層13は、触媒及び樹脂を含有する層であってもよい。樹脂は、硬化性樹脂組成物の硬化物であってもよい。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂の例としては、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、並びに、不飽和二重結合、環状エーテル、及びビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
【0020】
下地層13に含まれる触媒は、無電解めっき触媒であってもよい。無電解めっき触媒は、Pd、Cu、Ni、Co、Au、Ag、Pd、Rh、Pt、In、及びSnから選ばれる金属であってもよく、Pdであってもよい。触媒は、1種類単独若しくは2種類以上の組合せであってもよい。通常、触媒は触媒粒子として樹脂中に分散している。
【0021】
下地層13における触媒の含有量は、下地層13全量を基準として、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下、又は25質量%以下であってもよい。
【0022】
下地層13の厚みは、10nm以上、20nm以上、又は30nm以上であってもよく、500nm以下、300nm以下、又は150nm以下であってもよい。
【0023】
光透過性基材1は、支持フィルム11の光透過性樹脂層7B及び導体部3とは反対側の主面上に設けられた保護層を更に有していてもよい。保護層が設けられることにより、支持フィルム11の傷付きが抑制される。保護層は、中間樹脂層12と同様の層であることができる。保護層の厚みは、5nm以上、50nm以上、又は500nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
【0024】
導電性層5を構成する導体部3は、開口3aを含むパターンを有する部分を含む。開口3aを含むパターンは、互いに交差する複数の線状部によって形成された、規則的に配置された複数の開口3aを含むメッシュ状のパターンである。メッシュ状のパターンを有する導体部3は、例えばアンテナの放射素子、給電部、グラウンド部として良好に機能することができる。なお、導電性層5における導電性層5のパターンの構成の詳細については後述する。また、導体部3は、開口3aを含むパターンを有する部分の他に、グランド端子、給電端子等の導電部材に相当する部分を有していてもよい。
【0025】
導体部3は、金属を含んでいてもよい。導体部3は、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズから選ばれる少なくとも1種の金属を含んでいてもよく、銅を含んでいてもよい。導体部3は、めっき法によって形成された金属めっきであってもよい。導体部3は、適切な導電性が維持される範囲で、リン等の非金属元素を更に含んでいてもよい。
【0026】
導体部3は、複数の層から構成される積層体であってもよい。また、導体部3は、光透過性基材1とは反対側の表層部として、黒化層を有していてもよい。黒化層は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の視認性向上に寄与し得る。
【0027】
絶縁樹脂部7Aは、光透過性を有する樹脂によって形成されており、導体部3の開口3aを埋めるように設けられており、通常、絶縁樹脂部7Aと導体部3とで平坦な表面が形成されている。
【0028】
光透過性樹脂層7Bは、光透過性を有する樹脂によって形成されている。光透過性樹脂層7Bの全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性樹脂層7Bのヘイズが0~5%であってもよい。
【0029】
光透過性基材1(又は光透過性基材1を構成する支持フィルムの屈折率)と、光透過性樹脂層7Bの屈折率との差が0.1以下であってもよい。これにより、表示画像の良好な視認性がより一層確保され易い。光透過性樹脂層7Bの屈折率(nd25)は、例えば、1.0以上であってもよく、1.7以下、1.6以下、又は1.5以下であってよい。屈折率は、反射分光膜厚計により測定することができる。光路長の均一性の観点から、導体部3、絶縁樹脂部7A、及び光透過性樹脂層7Bが実質的に同じ厚みを有していてもよい。
【0030】
絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂は、硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物)の硬化物であってもよい。絶縁樹脂部7A及び/又は光透過性樹脂層7Bを形成する硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含み、その例としては、アクリル樹脂、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、及び不飽和二重結合、並びに、環状エーテル、ビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
【0031】
絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じであってもよい。同じ樹脂によって形成された絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bは屈折率が等しいことから、導電性フィルム20を透過する光路長の均一性がより一層向上することができる。絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じ
である場合、例えば1層の硬化性樹脂層からインプリント法等によってパターン形成することによって、絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを容易に一括して形成することができる。
【0032】
導電性フィルム20は、例えばインプリント法によるパターン形成を含む方法によって製造することができる。導電性フィルム20を製造する方法の一例は、支持フィルムと支持フィルムの一方の主面上に設けられた、中間樹脂層及び触媒を含有する下地層とを有する光透過性基材1を準備することと、光透過性基材1の下地層側の主面1S上に、硬化性樹脂層を形成させることと、凸部を有するモールドを用いたインプリント法により、下地層が露出するトレンチを形成させることと、トレンチを充填する導体部3を、下地層から金属めっきを成長させる無電解めっき法により形成することとを含む。硬化性樹脂層にモールドが押し込まれた状態で硬化性樹脂層を硬化させることにより、モールドの凸部の反転形状を有する開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aと光透過性樹脂層7Bとが一括して形成される。開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aを形成する方法は、インプリント法に限られず、フォトリソグラフィー等の任意の方法を適用できる。
【0033】
以上例示的に説明された導電性フィルムを、例えば平面状の透明アンテナとして表示装置に組み込むことができる。表示装置は、例えば、液晶表示装置、又は有機EL表示装置であってもよい。図3は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の一実施形態を示す断面図である。図3に示される表示装置100は、画像表示領域10Sを有する画像表示部10と、導電性フィルム20と、偏光板30と、カバーガラス40とを備える。導電性フィルム20、偏光板30、及びカバーガラス40は、画像表示部10の画像表示領域10S側において、画像表示部10側からこの順に積層されている。表示装置の構成は図3の形態に限られず、必要により適宜変更が可能である。例えば、偏光板30が画像表示部10と導電性フィルム20との間に設けられてもよい。画像表示部10は、例えば液晶表示部であってもよい。偏光板30及びカバーガラス40として、表示装置において通常用いられているものを用いることができる。偏光板30及びカバーガラス40は、必ずしも設けられなくてもよい。画像表示部10の画像表示領域10Sから出射される画像表示のための光が、導電性フィルム20を含む均一性の高い光路長の経路を通過する。これにより、モワレが抑制された均一性の高い良好な画像表示が可能である。
【0034】
次に、図4を参照して、導電性層5の構成について更に詳細に説明する。図4は、導電性層5の平面図である。図4は、導電性層5の一部を拡大して示している。なお、以降の説明においては、主面1Sと平行な平面に対してXY座標を設定して、説明を行うものとする。Y軸方向(第1の方向)は、主面1Sに沿った方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部と直交する方向に対応する。導電性フィルム20の中央側をY軸方向の正側とし、導電性フィルム20の外周側をY軸方向の負側とする。X軸方向(第2の方向)は、主面S1に沿ってY軸方向と直交する方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部が延びる方向に対応する。導電性フィルム20の辺部が延びる一方側をX軸方向の正側とし、他方側をX軸方向の負側とする。
【0035】
図4に示すように、導電性層5のメッシュのパターンは、複数の第1の導電線50、及び複数の第2の導電線51を含む。第1の導電線50は、Y軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第1の導電線50は、X軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第1の導電線50は、後述の図5で説明する箇所を除き、等ピッチで離間するように配置される。第2の導電線51は、X軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第2の導電線51は、Y軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第2の導電線51は、等ピッチで離間するように配置される。導電線50,51の太さは特に限定されないが、例えば1~3μmに設定されてよい。また、導電線50,51のピッチも特に限定されないが、例えば100~300μmに設定されてよい。なお、第1の導電線50は、Y軸方向に延びていれば、Y軸方向と平行でなくても構わず、第2の導電線51は、X軸方向に延びていれば、X軸方向と平行でなくても構わない。
【0036】
導電性層5は、放射素子部5Aと、給電部5Bと、グラウンド部5Cと、を有する。放射素子部5Aは、アンテナとして信号を放射する領域である。放射素子部5Aは、Y軸方向に平行な二辺、及びX軸方向に平行は二辺を有する正方形状を有する。給電部5Bは、放射素子部5Aへ給電を行う領域である。給電部5Bは、Y軸方向に平行に延びる帯状の形状を有している。給電部5Bは、放射素子部5AのY軸方向の負側の辺部に接続される。給電部5Bは、図示されない給電端子部に接続されている。グラウンド部5Cは、電気的にグラウンド状態となる領域である。グラウンド部5Cは、図示されないグラウンド端子と接続される。グラウンド部5Cは、放射素子部5A及び給電部5Bの周囲を取り囲むように形成される。グラウンド部5Cと放射素子部5Aの各辺との間、及びグラウンド部5Cと給電部5Bの各辺との間には、メッシュが形成されていないスリット部6が形成される。スリット部6には絶縁樹脂部7が形成される。これにより、グラウンド部5Cと、放射素子部5A及び給電部5Bとは電気的に絶縁された状態となる。
【0037】
次に、図5を参照して、導電性層5のパターンについて更に詳細に説明する。図5は、図4の「E」で示す部分の拡大図である。図5は、給電部5BのX軸方向の負側の端部5Ba付近を拡大している。なお、グラウンド部5Cは、スリット部6を介して、給電部5Bの端部5Baと対向する端部5Caを有する。図5は、スリット部6の端部5Ca付近も拡大している。
【0038】
導電性フィルム20は、光透過性基材1の主面1S上に配置されるメッシュ状の第1の導電性パターン60A、及び第2の導電性パターン60Bを有する。第1の導電性パターン60A及び第2の導電性パターン60Bは、第1の導電線50及び第2の導電線51によって形成される。第1の導電性パターン60Aは、給電部5BのX軸方向の負側の端部5Ba付近に形成される。第2の導電性パターン60Bは、グラウンド部5Cの端部5Ca付近に形成される。従って、第2の導電性パターン60Bは、第1の導電性パターン60Aに対して、X軸の負側に離間して対向するように配置される。なお、第1の導電性パターン60AのX軸方向における端部60Aaは、給電部5Bの端部5Baに該当する。第2の導電性パターン60Bにおける第1の導電性パターン60Aと対向する端部60Baは、グラウンド部5Cの端部5Caに該当する。
【0039】
なお、第1の導電性パターン60Aの構成を説明するために、第1の導電性パターン60Aの第1の導電線50を「第1の導電線50A~50D」と識別する場合がある。第1の導電性パターン60Aの端部60Aaの第1の導電線50を「第1の導電線50A」とし、スリット部6から遠ざかる順(X軸方向の負側から正側の順)に「第1の導電線50B」「第1の導電線50C」「第1の導電線50D」とする。また、第2の導電性パターン60Bの構成を説明するために、第2の導電性パターン60Bの第1の導電線50を「第1の導電線50E~50H」と識別する場合がある。第2の導電性パターン60Bの端部60Baの第1の導電線50を「第1の導電線50E」とし、スリット部6から遠ざかる順(X軸方向の正側から負側の順)に「第1の導電線50F」「第1の導電線50G」「第1の導電線50H」とする。ただし、第1の導電線を識別しない場合は、単に「第1の導電線50」と称する。
【0040】
第1の導電性パターン60Aは、第1のメッシュ部61と、第2のメッシュ部62と、第3のメッシュ部63と、を有する。第2の導電性パターン60Bは、第4のメッシュ部64と、第5のメッシュ部65と、第3のメッシュ部63と、を有する。一つあたりのメッシュ部61~65は、X軸方向に隣り合って対向する一対の第1の導電線50と、Y軸方向に隣り合って対向する一対の第2の導電線51と、によって構成される。また、一対の第1の導電線50、及び一対の第2の導電線51に囲まれた領域の面積は、一つ当たりのメッシュ部61~65の「開口面積」に該当する。なお、各メッシュ部61~65は、X軸方向における各位置において、Y軸方向に複数個配列されるように形成される。
【0041】
第1の導電性パターン60Aの第1のメッシュ部61は、第1の導電性パターン60AのX軸方向における端部60Aaに配置されるメッシュ部である。第1のメッシュ部61は、第1の導電線50Aと、第1の導電線50Bと、一対の第2の導電線51と、を有する。第2のメッシュ部62は、第1のメッシュ部61にX軸方向の正側に隣り合うメッシュ部である。第2のメッシュ部62は、第1の導電線50Bと、第1の導電線50Cと、一対の第2の導電線51と、を有する。第3のメッシュ部63は、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62以外のメッシュ部である。なお、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62は、給電部5BのX軸方向の正側の端部にも形成されている。第3のメッシュ部63は、図5に図示されていない部分においても、給電部5B、及び放射素子部5A全体にわたって形成される。
【0042】
第2の導電性パターン60Bの第4のメッシュ部64は、第1の導電性パターン60Aと対向する端部60Baに配置されるメッシュ部である。第4のメッシュ部64は、第1の導電線50Eと、第1の導電線50Fと、一対の第2の導電線51と、を有する。第5のメッシュ部65は、第4のメッシュ部61にX軸方向の負側に隣り合うメッシュ部である。第5のメッシュ部65は、第1の導電線50Fと、第1の導電線50Gと、一対の第2の導電線51と、を有する。第3のメッシュ部63は、第4のメッシュ部64及び第5のメッシュ部65以外のメッシュ部である。第2の導電性パターン60Bの第3のメッシュ部63は、第1の導電性パターン60Aの第3のメッシュ部63と同様の構成を有している。なお、第4のメッシュ部64及び第5のメッシュ部65は、グラウンド部5Cのうち、給電部5BのX軸方向の正側の端部と対向する端部にも形成されている。第3のメッシュ部63は、図5に図示されていない部分においても、グラウンド部5C全体にわたって形成される。
【0043】
ここで、給電部5Bの第3のメッシュ部63の第1の導電線50Cと、グラウンド部5Cの第3のメッシュ部63の第1の導電線50Gとの間の寸法は、第3のメッシュ部63のピッチP3(第3のピッチ)の整数倍となる。本実施形態では、第1の導電線50Cと第1の導電線50Gとの間の寸法は、ピッチP3の5倍となる。図5には、第1の導電線50C,50G間に、ピッチP3で等ピッチに形成されたと仮定した場合の第1の導電線50が、仮想線VL1~VL4で示される。第1の導電線50Cから順に、仮想線VL1~VL4が設定される。なお、端部60Aaの第1の導電線50Aは、仮想線VL1よりもX軸方向の負側に配置される。端部60Baの第1の導電線50Eは、仮想線VL4よりもX軸方向の正側に配置される。なお、第2の導電線51のY軸方向のピッチは、ピッチP3と等しい。そのため、メッシュ部61~65のY軸方向のピッチは、ピッチP3と等しい。
【0044】
次に、第1の導電性パターン60Aの各メッシュ部61,62,63の大きさの関係、及び第2の導電性パターン60Bの各メッシュ部64,65,63の大きさの関係について説明する。
【0045】
X軸方向において、第1のメッシュ部61のピッチP1(第1のピッチ)、及び第2のメッシュ部62のピッチP2(第2のピッチ)は、第3のメッシュ部63のピッチP3よりも小さい。また、ピッチP1及びピッチP2の和と、ピッチP3との差を幅狭ピッチPx(第4のピッチ)と仮定する。このとき、ピッチP1及びピッチP2の和は、ピッチP3よりも大きく、ピッチP1、及びピッチP2は、いずれも幅狭ピッチPxよりも大きくなる。
【0046】
具体的に、本実施形態ではピッチP1は、ピッチP2と等しくなる。すなわち、第1のメッシュ部61と第2のメッシュ部62との境界の第1の導電線50Bは、端部60Aaの第1の導電線50Aと第3のメッシュ部63の第1の導電線50Cとの間のX軸方向における中央位置に配置される。
【0047】
ただし、第1の導電線50Bの位置、すなわちピッチP1,P2の関係は特に限定されない。例えば、第3のメッシュ部63の第1の導電線50Cから幅狭ピッチPxだけX軸方向の負側へ仮想線VL5を設定する。この場合、第1の導電線50Bは、仮想線VL1よりもX軸方向の正側であって、仮想線VL5よりもX軸方向の負側に配置されればよい。すなわち、ピッチP1は幅狭ピッチPxよりも大きく、且つ、ピッチP2は幅狭ピッチPxよりも大きい関係が成り立てばよい。
【0048】
また、第1のメッシュ部61の開口面積、及び第2のメッシュ部62の開口面積は、それぞれ第3のメッシュ部63の開口面積の二分の一以上であってよい。なお、第1のメッシュ部61の開口面積、及び第2のメッシュ部62の開口面積の一方が、第3のメッシュ部63の開口面積の二分の一以上であってもよい。
【0049】
各メッシュ部61~63の形状について説明する。第3のメッシュ部63は、Y軸方向及びX軸方向の両方のピッチがピッチP3で同一である。そのため、第3のメッシュ部63は、正方形の形状を有する。これに対し、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62は、第3のメッシュ部63と非相似形状である。具体的に、第1のメッシュ部61、及び第2のメッシュ部62は、長方形であり、正方形の第3のメッシュ部63と非相似形状である。
【0050】
X軸方向において、第4のメッシュ部61のピッチP4、及び第5のメッシュ部65のピッチP5は、第3のメッシュ部63のピッチP3よりも小さい。また、ピッチP4及びピッチP5の和と、ピッチP3との差を幅狭ピッチPyと仮定する。このとき、ピッチP4及びピッチP5の和は、ピッチP3よりも大きく、ピッチP4、及びピッチP5は、いずれも幅狭ピッチPyよりも大きくなる。本実施形態では、ピッチP4は、ピッチP5と等しくなる。ただし、ピッチP4は幅狭ピッチPyよりも大きく、且つ、ピッチP5は幅狭ピッチPyよりも大きい関係が成り立てばよい。第4のメッシュ部64及び第5のメッシュ部65は、第3のメッシュ部63と非相似形状である。具体的に、第4のメッシュ部64、及び第5のメッシュ部65は、長方形であり、正方形の第3のメッシュ部63と非相似形状である。なお、幅狭ピッチPyは、幅狭ピッチPxと同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0051】
また、第4のメッシュ部64の開口面積と第1のメッシュ部61の開口面積の合計は、第3のメッシュの開口面積以上であってよい。なお、第4のメッシュ部64の開口面積、及び第5のメッシュ部65の開口面積は、それぞれ第3のメッシュ部63の開口面積の二分の一以上であってよい。
【0052】
次に、本実施形態に係る導電性フィルム20、及び表示装置100の作用・効果について説明する。
【0053】
導電性フィルム20によれば、第1の導電性パターン60AのX軸方向における端部60Aaの第1のメッシュ部61、及びそれに隣り合う第2のメッシュ部62は、第3のメッシュ部63と非相似形状である。また、X軸方向において、第1のメッシュ部61のピッチP1、及び第2のメッシュ部62のピッチP2は、第3のメッシュ部63のピッチP3よりも小さい。このような構造では、端部60Aaの第1のメッシュ部61のみならず、第2のメッシュ部62も、第3のメッシュ部63の一定なパターンとは異なる、ピッチの小さいパターンとなる。そのため、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62の両方にて、ピッチが狭くなりすぎることを抑制するための調整が可能となる。
【0054】
ここで、ピッチP1及びピッチP2の和と、ピッチP3との差を幅狭ピッチPxと仮定する。幅狭ピッチPxは、第2のメッシュ部62に対応する箇所を、ピッチP3にしたと仮定した場合における、端部60Aaのメッシュ部の狭いピッチと等しくなる。すなわち、図5において、第1の導電線50Bを仮想線VL1に配置した導電性フィルムを比較例とした場合、当該比較例の端部60Aaのメッシュ部のピッチは、幅狭ピッチPxと等しくなる。この場合、製造時などにおいて、一対の第1の導電線50A,50B同士が潰れなどによって接続されてしまう可能性がある。当該潰れが発生した場合、太い導電線が形成されてしまい、視認性が上がってしまう。
【0055】
これに対し、本実施形態に係る導電性フィルム20では、ピッチP1及びピッチP2の和は、ピッチP3よりも大きく、ピッチP1、及びピッチP2は、いずれも幅狭ピッチPxよりも大きい。すなわち、第1の導電性パターン60Aは、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62において、狭い幅狭ピッチPxよりも大きいピッチを確保することができる。これにより、第1の導電性パターン60Aの端部60Aaにおいて、第1の導電線50A,50Bの潰れなどによって視認性が上がってしまうことを抑制することができる。以上より、導電性フィルム20における導電線の視認性を低くすることができる。
【0056】
第1のメッシュ部61、及び第2のメッシュ部62は、長方形であってよい。これにより、第1の導電線50を特殊な形状とすることなく直線としたままの状態にて、第1のメッシュ部61、及び第2のメッシュ部62を第3のメッシュ部63とは非相似形な形状とすることができる。
【0057】
ピッチP1は、ピッチP2と等しくてよい。この場合、ピッチP1及びピッチP2の両方を同程度に広くすることができる。これにより、一方のピッチが狭くなることを抑制できる。
【0058】
第1のメッシュ部61の開口面積、及び第2のメッシュ部62の開口面積は、それぞれ第3のメッシュ部63の開口面積の二分の一以上であってよい。この場合、第1のメッシュ部61及び第2のメッシュ部62の両方を同程度に広くすることができる。これにより、一方のメッシュ部のピッチが狭くなることを抑制できる。
【0059】
導電性フィルム20は、第1の導電性パターン60Aに対して、X軸方向に離間して対向するように配置され、第1の導電線50及び第2の導電線51によって形成される第2の導電性パターン60Bを備え、第2の導電性パターン60Bは、第1の導電性パターン60Aと対向する端部60Baに配置される第4のメッシュ部64を有し、第4のメッシュ部64の開口面積と第1のメッシュ部61の開口面積の合計は、第3のメッシュ部63の開口面積以上であってよい。この場合、第1の導電性パターン60Aの端部60Aaである第1のメッシュ部61、及び第2の導電性パターン60Bの端部60Baである第4のメッシュ部64の両方において十分な開口面積を確保することができる。これにより、各メッシュ部61,64での導電線の潰れなどによって視認性が上がることを抑制できる。
【0060】
本実施形態に係る表示装置100は、上述の導電性フィルム20を備える。
【0061】
表示装置100によれば、上述の導電性フィルム20と同様な作用・効果を得ることができる。
【0062】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0063】
例えば、スリット部6の幅の大きさは特に限定されない。例えば、図6に示すような構成が採用されてもよい。図6では、仮想線VL1と第1の導電線50Fとの間の寸法が、第3のメッシュ部63の一つ分のピッチP3である。また、第2の導電性パターン60Bの端部60Baの第4のメッシュ部64の隣のメッシュ部は、第3のメッシュ部63となっている。
【0064】
なお、上述の実施形態では、給電部5Bの導電性パターンを請求項における「第1の導電性パターン」に対応し、グラウンド部5Cの導電性パターンを請求項における「第2の導電性パターン」に対応するものとして説明したが、導電性フィルムのどの導電性パターンが請求項における「第1の導電性パターン」「第2の導電性パターン」に対応するかは特に限定されるものではない。例えば、放射素子部5Aの導電性パターンを請求項における「第1の導電性パターン」に対応するものであってもよい。
【0065】
また、図4に示す構成は導電性層5の構成の一例に過ぎず、放射素子部5A、給電部5B、及びグラウンド部5Cの形状を適宜変更してもよい。
【0066】
図1は導電性フィルムの全体構成の一例に過ぎず、導電性フィルムの中で導電性層をどのような範囲、形状で形成してもよい。
【0067】
導電性フィルムの適用装置として表示装置を例示したが、他の装置に導電性フィルムを適用してもよい。例えば、建物や自動車等のガラスなどに導電性フィルムを適用してもよい。
【0068】
本開示に係る技術には、以下の構成例が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0069】
本開示の一側面に係る導電性フィルムは、フィルム状の基材と、基材の主面上に配置されるメッシュ状の第1の導電性パターンと、を備える導電性フィルムであって、第1の導電性パターンは、主面に沿った第1の方向に延びる複数の第1の導電線、及び主面沿って第1の方向と直交する第2の方向に延びる複数の第2の導電線を含み、第1の導電性パターンは、第1の導電性パターンの第2の方向における端部に配置される第1のメッシュ部と、第1のメッシュ部に第2の方向に隣り合う第2のメッシュ部と、第1のメッシュ部及び第2のメッシュ部以外の第3のメッシュ部と、を少なくとも有し、第2の方向において、第1のメッシュ部の第1のピッチ、及び第2のメッシュ部の第2のピッチは、第3のメッシュ部の第3のピッチよりも小さく、第1のピッチ及び第2のピッチの和は、第3のピッチよりも大きく、和と、第3のピッチとの差を第4のピッチと仮定した場合、第1のピッチ、及び第2のピッチは、いずれも第4のピッチよりも大きく、第1のメッシュ部、及び第2のメッシュ部は、第3のメッシュ部と非相似形状である。
【0070】
上述の導電性フィルムによれば、第1の導電性パターンの第2の方向における端部の第1のメッシュ部、及びそれに隣り合う第2のメッシュ部は、第3のメッシュ部と非相似形状である。また、第2の方向において、第1のメッシュ部の第1のピッチ、及び第2のメッシュ部の第2のピッチは、第3のメッシュ部の第3のピッチよりも小さい。このような構成では、端部の第1のメッシュ部のみならず、第2のメッシュ部も、第3のメッシュ部の一定なパターンとは異なる、ピッチの小さいパターンとなる。そのため、第1のメッシュ部及び第2のメッシュ部の両方にて、ピッチが狭くなりすぎることを抑制するための調整が可能となる。ここで、第1のピッチ及び第2のピッチの和と、第3のピッチとの差を第4のピッチと仮定する。第4のピッチは、第2のメッシュ部に対応する箇所を、第3のピッチにしたと仮定した場合における、端部のメッシュ部の狭いピッチと等しくなる。これに対し、第1のピッチ及び第2のピッチの和は、第3のピッチよりも大きく、第1のピッチ、及び第2のピッチは、いずれも第4のピッチよりも大きい。すなわち、第1の導電性パターンは、第1のメッシュ部及び第2のメッシュ部において、狭い第4のピッチよりも大きいピッチを確保することができる。これにより、第1の導電性パターンの端部において、導電線の潰れなどによって視認性が上がってしまうことを抑制することができる。以上より、導電性フィルムにおける導電線の視認性を低くすることができる。
【0071】
また、第1のメッシュ部、及び第2のメッシュ部は、長方形であってもよい。これにより、第1の導電線を特殊な形状とすることなく直線としたままの状態にて、第1のメッシュ部、及び第2のメッシュ部を第3のメッシュ部とは非相似形な形状とすることができる。
【0072】
また、第1のピッチは、第2のピッチと等しくてもよい。この場合、第1のピッチ及び第2のピッチの両方を同程度に広くすることができる。これにより、一方のピッチが狭くなることを抑制できる。
【0073】
また、第1のメッシュ部の開口面積、及び第2のメッシュ部の開口面積は、それぞれ第3のメッシュ部の開口面積の二分の一以上であってもよい。この場合、第1のメッシュ部及び第2のメッシュ部の両方を同程度に広くすることができる。これにより、一方のメッシュ部のピッチが狭くなることを抑制できる。
【0074】
また、導電性フィルムは、第1の導電性パターンに対して、第2の方向に離間して対向するように配置され、第1の導電線及び第2の導電線を含む第2の導電性パターンを備え、第2の導電性パターンは、第1の導電性パターンと対向する端部に配置される第4のメッシュ部を有し、第4のメッシュ部の開口面積と第1のメッシュ部の開口面積の合計は、第3のメッシュ部の開口面積以上であってもよい。この場合、第1の導電性パターンの端部である第1のメッシュ部、及び第2の導電性パターンの端部である第4のメッシュ部の両方において十分な開口面積を確保することができる。これにより、各メッシュ部での導電線の潰れなどによって視認性が上がることを抑制できる。
【0075】
本開示の一側面に係る表示装置は、上述の導電性フィルムを備える。
【0076】
上述の表示装置によれば、上述の導電性フィルムと同様な作用・効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…光透過性基材(基材)、1S…基材の主面、20…導電性フィルム、50…第1の導電線、51…第2の導電線、60A…第1の導電性パターン、60B…第2の導電性パターン、61…第1のメッシュ部、62…第2のメッシュ部、63…第3のメッシュ部、64…第4のメッシュ部、100…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7