(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160201
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】車両及び障害物間の衝突の影響の軽減
(51)【国際特許分類】
B60W 30/09 20120101AFI20241106BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20241106BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241106BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241106BHJP
B60W 30/085 20120101ALI20241106BHJP
B60W 10/20 20060101ALI20241106BHJP
B60W 10/184 20120101ALI20241106BHJP
B60W 10/04 20060101ALI20241106BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
B60W30/09
B60W40/08
B60W40/02
G08G1/16 C
B60W30/085
B60W10/20
B60W10/184
B60W10/04
B60W60/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024055481
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】18/129,246
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル ルートビヒ キューナー
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】ユリア イー.プラレ
(57)【要約】
【課題】車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステムを提供すること。
【解決手段】車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステムは、プロセッサとメモリとを含み得る。メモリは、座席占有決定モジュール、並びに候補応答決定モジュール、候補応答評価モジュール、及びコントローラモジュールを含むモジュールのセットを記憶し得る。座席占有決定モジュールは、生物による占有に関する座席の状態を決定し得、座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある。モジュールのセットは、(1)占有されている状態に応じて第1のセットの動作を実装させ得、(2)占有されていない状態に応じて第2のセットの動作を実装させ得る。第1のセット及び第2のセットの各々は、車両の現在の軌道とは異なり得、衝突の影響を軽減し得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
プロセッサと、
メモリと、
を備え、前記メモリは、
前記プロセッサによって実行されると、生物による占有に関する座席の状態を前記プロセッサに決定させる命令を含む座席占有決定モジュールであって、前記座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある、座席占有決定モジュールと、
モジュールのセットであって、前記モジュールのセットは、候補応答決定モジュールと、候補応答評価モジュールと、コントローラモジュールと、を含み、前記モジュールのセットは、前記プロセッサによって実行されると、
占有されている前記状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、
占有されていない前記状態に応じて第2のセットの動作を実装させる命令を含み、
前記第1のセット及び前記第2のセットの各々は、
車両の現在の軌道とは異なっており、
前記車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する、モジュールのセットと、
を記憶する、システム。
【請求項2】
前記第1のセットの動作は、前記車両の緊急ブレーキの動作を備え、
前記第2のセットの動作は、前記車両の1次ブレーキの動作、又は前記車両に方向転換を行わせる前記車両のステアリング機構の動作のうちの少なくとも1つを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のセットの動作は、前記車両の前記1次ブレーキの前記動作、及び前記車両に前記方向転換を行わせる前記車両の前記ステアリング機構の前記動作の両方を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記モジュールのセットは、前記車両の前記第1の側における衝突に関連付けられる前記車両内の少なくとも1つの生物に対する傷害の重症度が、前記車両の前記第2の側における衝突に関連付けられる前記車両内の前記少なくとも1つの生物に対する前記傷害の重症度よりも小さいことを示す、前記車両の前記第1の側に関する情報を取得するための命令を更に含み、
前記方向転換の方向は、前記衝突を前記車両の前記第1の側で生じさせる方向である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記モジュールのセットは、前記車両の前記第1の側の経済的値が前記車両の前記第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、前記車両の前記第1の側に関する情報を取得するための命令を更に含み、
前記方向転換の方向は、前記衝突を前記車両の前記第1の側で生じさせる方向である、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記モジュールのセットは、前記障害物の前記第1の側の経済的値が前記障害物の前記第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、前記障害物の第1の側に関する情報を取得するための命令を更に含み、
前記方向転換の方向は、前記衝突を前記障害物の前記第1の側で生じさせる方向である、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記モジュールのセットは、
前記第1のセットの動作、及び
前記第2のセットの動作を決定するための命令を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記モジュールのセットは、前記第1のセットの動作又は前記第2のセットの動作のどちらが前記衝突の前記影響をより充分に軽減するかを決定するための命令を更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のセットの動作又は前記第2のセットの動作のどちらが前記衝突の前記影響をより充分に軽減するかを決定するための前記命令は、
前記第1のセットの動作が、前記車両のタイヤによって生成される力を前記タイヤの最大限の力よりも大きくするという第1の可能性、及び
前記第2のセットの動作が、前記車両の前記タイヤによって生成される前記力を前記タイヤの前記最大限の力よりも大きくするという第2の可能性を決定するための命令を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の可能性を決定するための前記命令は、第1の過去のプロキシ情報から前記第1の可能性を決定するための命令を含み、前記第1の過去のプロキシ情報は、前記現在の軌道と同様の軌道から前記第1のセットの動作を開始することに関するものであって、
前記第2の可能性を決定するための前記命令は、第2の過去のプロキシ情報から前記第2の可能性を決定するための命令を含み、前記第2の過去のプロキシ情報は、前記現在の軌道と同様の前記軌道から前記第2のセットの動作を開始することに関するものである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のセットの動作及び前記第2のセットの動作を決定するための前記命令を実行する前に、前記第1の過去のプロキシ情報及び前記第2の過去のプロキシ情報を受信するように構成された通信デバイスを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の過去のプロキシ情報は、前記車両から取得される第1の過去のセンサ情報を備え、前記第1の過去のセンサ情報は、前記タイヤのサイドスリップの度合い又は前記車両のヨーレートの度合いのうちの少なくとも1つを備え、
前記第2の過去のプロキシ情報は、前記車両から取得される第2の過去のセンサ情報を備え、前記第2の過去のセンサ情報は、前記タイヤの前記サイドスリップの前記度合い又は前記車両の前記ヨーレートの前記度合いのうちの前記少なくとも1つを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記サイドスリップの前記度合いは、前記車両に配置された加速度計からの信号、及び前記車両に配置されたジャイロスコープからの信号から推定され、
前記ヨーレートの前記度合いは、前記ジャイロスコープからの前記信号から推定される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のセットの動作を実装させる前記命令は、先進運転支援システムにより前記第1のセットの動作を実装させる命令を含み、
前記第2のセットの動作を実装させる前記命令は、前記先進運転支援システムにより前記第2のセットの動作を実装させる命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
生物による占有に関する座席の状態をプロセッサによって決定することであって、前記座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある、ということと、
前記プロセッサによって、
占有されている前記状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、
占有されていない前記状態に応じて第2のセットの動作を実装させることであって、
前記第1のセット及び前記第2のセットの各々は、
車両の現在の軌道とは異なっており、
前記車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する、ということと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記車両及び前記障害物間の前記衝突を回避する能力の制約を前記プロセッサによって決定することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記車両及び前記障害物間の前記衝突を回避する前記能力の前記制約に関する前記決定は、前記車両の停止距離が前記車両及び前記障害物間の距離よりも大きいことを決定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記障害物は移動しており、
前記停止距離の前記決定は、前記障害物の動きの推定に基づいて前記停止距離を決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記車両及び前記障害物間の前記衝突を回避する前記能力の前記制約を決定することは、別の衝突をもたらすことなく前記衝突を回避するように前記車両を操縦する能力の制約を決定することを含み、前記別の衝突は、前記車両及び別の障害物間のものである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を含み、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに対して、
生物による占有に関する座席の状態を決定することであって、前記座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある、ということと、
占有されている前記状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、
占有されていない前記状態に応じて第2のセットの動作を実装させることであって、
前記第1のセット及び前記第2のセットの各々は、
前記車両の現在の軌道とは異なっており、
前記車両及び前記障害物間の前記衝突の前記影響を軽減する、ということと、
を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減することを対象とする。
【背景技術】
【0002】
先進運転支援システム(ADAS)は、衝突の可能性を低減するために、車両の動作を向上させるように使用され得る。ADASは、例えば、LiDARデバイス、レーダデバイス、画像処理システム、コンピュータビジョンシステム、車載ネットワークシステム、又は同種のものから車両の環境に関するデータを受信し得る。ADASは、当該データを受信し、データから導出される情報を優先し、車両の車両システムを制御するようにリアルタイムで機能して、衝突の可能性を低減するように構成され得る。ADASは、例えば、電子安定制御システム、アンチロックブレーキシステム、自動緊急ブレーキ(AEB)システム、車線逸脱警報システム、車線維持支援システム、アダプティブクルーズコントロールシステム、衝突回避システム、トラクションコントロールシステム、又は同種のものを含み得る。
【発明の概要】
【0003】
実施形態では、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステムは、プロセッサとメモリとを含み得る。メモリは、座席占有決定モジュール及びモジュールのセットを記憶し得る。モジュールのセットは、候補応答決定モジュールと、候補応答評価モジュールと、コントローラモジュールと、を含み得る。座席占有決定モジュールは、プロセッサによって実行されると、生物による占有に関する座席の状態をプロセッサに決定させる命令を含み得、座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある。モジュールのセットは、命令を含み得、当該命令は、プロセッサによって実行されると、(1)占有されている状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、(2)占有されていない状態に応じて第2のセットの動作を実装させる。第1のセット及び第2のセットの各々は、車両の現在の軌道とは異なり得、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減し得る。
【0004】
別の実施形態では、方法は、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する。方法は、生物による占有に関する座席の状態をプロセッサによって決定することを含み得、座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある。方法は、プロセッサによって、(1)占有されている状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、(2)占有されていない状態に応じて第2のセットの動作を実装させることを含み得る。第1のセット及び第2のセットの各々は、車両の現在の軌道とは異なり得、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減し得る。
【0005】
別の実施形態では、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を含み得、当該命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、生物による占有に関する座席の状態を1つ以上のプロセッサに決定させ、座席は、操作者が位置する第2の側の反対側である第1の側にある。非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を含み得、当該命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、(1)占有されている状態に応じて第1のセットの動作を実装させ、(2)占有されていない状態に応じて第2のセットの動作を実装させる。第1のセット及び第2のセットの各々は、車両の現在の軌道とは異なり得、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書において援用され本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の様々なシステム、方法、及び他の実施形態を示す。図において示される要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されるであろう。一部の実施形態では、1つの要素は、複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素は、1つの要素として設計されてもよい。一部の実施形態では、別の要素の内部構成要素として示される要素は、外部構成要素として実装されてもよく、逆もまた同様である。更に、要素は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0007】
【
図1】開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する環境の例を示す図を含む図である。
【
図2】本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するように構成され得る車両の例を示す図を含む図である。
【
図3】本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステムの例を示すブロック図を含む図である。
【
図4】本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突に関する影響の軽減に関連付けられる方法の例を示すフロー図を含む図である。
【
図5】本開示の技術に係る、車両に配置された要素の例を示すブロック図を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の技術は、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減することを対象とする。衝突を回避する能力の制約が決定され得る。例えば、車両の停止距離は、車両及び障害物間の距離よりも大きくなるように決定され得る。障害物が移動している場合、停止距離は、障害物の動きの推定に基づいて決定され得る。更に又は代替的に、例えば、別の衝突をもたらすことなく衝突を回避するように車両を操縦する能力の制約が決定され得る。例えば、当該別の衝突は、車両及び別の障害物間のものであり得る。衝突の影響を軽減するために、車両についての第1の候補応答が決定され得、車両についての第2の候補応答が決定され得る。第1の候補応答及び第2の候補応答の各々は、車両の現在の軌道とは異なり得る。例えば、(1)第1の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(2)第2の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(3)第2の候補応答は、第1の候補応答とは異なり得る。例えば、第1のセットの動作は、車両の緊急ブレーキの動作を含み得る。例えば、第2のセットの動作は、車両の1次ブレーキの動作、又は車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作のうちの1つ以上を含み得る。例えば、第2のセットの動作は、車両の1次ブレーキの動作、及び車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作の両方を含み得る。第1の候補応答は、衝突の影響をより充分に軽減するように決定され得る。例えば、生物による占有に関する車両の座席の状態が決定され得る。当該座席は、車両の第1の側(例えば、右側)に配置され得る。第1の側は、車両の第2の側(例えば、左側)の反対側であり得る。第2の側は、車両の操作者が位置する側であり得る。当該座席が占有されている状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第1のセットの動作を含み得る。当該座席が占有されていない状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第2のセットの動作を含み得、方向転換の方向は、衝突が第1の側(例えば、右側)で生じるような方向であり得る。第1の候補応答を実装させ得る。
【0009】
図1は、本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減する環境100の例を示す図を含む。例えば、環境100は、西から東へ、第1の山101、第2の山102、及び第3の山103を含み得る。例えば、道路104は、第1の山101、第2の山102、及び第3の山103を曲がりくねり得る。道路104は、例えば、第1の方向における交通の車線105と、第2の方向における交通の車線106と、を含み得る。道路104は、例えば、第1の区間107と、第2の区間108と、第3の区間109と、第4の区間110と、第5の区間111と、第6の区間112と、第7の区間113と、第8の区間114と、第9の区間115と、を含み得る。例えば、第1の区間107は、北から南への線に沿って第1の山101の南に位置し得、第2の区間108は、北西から南東への線に沿って第1の山101の隣に位置し得、第3の区間109は、西から東への線に沿って第1の山101の隣に位置し得、第4の区間110は、北東から南西への線に沿って第1の山101と第2の山102との間に位置し得、第5の区間111は、西から東への線に沿って第2の山102の隣に位置し得、第6の区間112は、北西から南東への線に沿って第2の山102と第3の山103との間に位置し得、第7の区間113は、西から東への線に沿って第3の山103の隣に位置し得、第8の区間114は、北東から南西への線に沿って第3の山103の隣に位置し得、第9の区間115は、北から南への線に沿って第3の山103の南に位置し得る。例えば、第1の湾曲116は、第1の区間107を第2の区間108に接続し得、第2の湾曲117は、第2の区間108を第3の区間109に接続し得、第3の湾曲118は、第3の区間109を第4の区間110に接続し得、第4の湾曲119は、第4の区間110を第5の区間111に接続し得、第5の湾曲120は、第5の区間111を第6の区間112に接続し得、第6の湾曲121は、第6の区間112を第7の区間113に接続し得、第7の湾曲122は、第7の区間113を第8の区間114に接続し得、第8の湾曲123は、第8の区間114を第9の区間115に接続し得る。
【0010】
例えば、環境100は、第6の湾曲121のすぐ東側にある、第7の区間113を横切る横断歩道124を含み得る。例えば、環境100は、第2の湾曲117のすぐ東側にある、車線106内の第3の区間109における第1の巨石125と、第4の湾曲119のすぐ東側にある、車線106内の第5の区間111における第2の巨石126と、車線106内の第8の区間114における第3の巨石127と、を含み得る。例えば、環境100は、第2の湾曲117における車線106内の第1の車両128と、第1の車両128のすぐ前方にある、車線105内の第3の区間109における第2の車両129と、を含み得る。例えば、第1の車両128は、操作者130と乗客131とを有し得る。例えば、乗客131は、前方右側の助手席を占有し得る。例えば、環境100は、第3の湾曲118における車線106内の第3の車両132と、第3の車両132のすぐ前方にある、車線105内の第4の区間110における第4の車両133と、車線106内の第4の区間110における第5の車両134と、を含み得る。例えば、第3の車両132は、操作者135を有し得るが、乗客はいない。例えば、第3の車両132は、前方右側のフェンダに既存の損傷136を有し得る。例えば、第5の車両134は、トレーラ137を牽引している場合があって、トレーラ137は、第5の車両134から分離された状態となっており、第3の車両132に向かう方向に移動している。例えば、環境100は、第4の湾曲119における車線106内の第6の車両138と、第6の車両138のすぐ前方にある、車線105内の第5の区間111における第7の車両139と、第2の巨石126のすぐ後方にある、車線106内の第5の区間111における第8の車両140と、を含み得る。例えば、第8の車両140は、高級スポーツカーであり得る。例えば、環境100は、第5の湾曲120における車線106内の第9の車両141と、第9の車両141のすぐ前方にある、車線105内の第6の区間112における第10の車両142と、を含み得る。例えば、犬143は、第9の車両141のすぐ前方に車線105内で第6の区間112にいる場合がある。例えば、環境100は、第6の湾曲121における車線106内の第11の車両144を含み得る。例えば、第11の車両144は、操作者145と、第1の乗客146と、第2の乗客147と、第3の乗客148と、を有し得る。例えば、横断歩道124内には、第1の人149、第2の人150、及び第3の人151が存在し得る。例えば、環境100は、第7の湾曲122における車線106内の第12の車両152と、第12の車両152のすぐ前方にある、車線105内の第8の区間114における第13の車両153と、第3の巨石127のすぐ後方にある、車線106内の第8の区間114における第14の車両154と、を含み得る。例えば、第14の車両154は、馬トレーラ155を牽引している場合があって、馬トレーラ155は、2頭の馬を搬送することができるが、馬トレーラ155の左側に1頭の馬156のみを搬送している。
【0011】
図2は、本開示の技術に係る、車両200及び障害物間の衝突の影響を軽減するように構成され得る車両200の例を示す図を含む。
図2の視野(a)は、車両200の長手方向の軸線202及び車両200の横方向の軸線204によって定められる平面の視点による車両200の図である。
図2の視野(b)は、車両200の長手方向の軸線202及び車両200の垂直方向の軸線206によって定められる平面の視点による車両200の図である。車両200は、例えば、プロセッサ208とメモリ210とを含み得る。
【0012】
更に、例えば、車両200は、レーダデバイス212又はLiDARデバイス214のうちの1つ以上を更に含み得る。レーダデバイス212又はLiDARデバイス214のうちの1つ以上は、プロセッサ208に対して通信可能に接続され得る。
【0013】
更に、例えば、車両200は、前向きカメラ216を更に含み得る。前向きカメラ216は、プロセッサ208に対して通信可能に接続され得る。
【0014】
更に、例えば、車両200は、通信デバイス218を更に含み得る。通信デバイス218は、プロセッサ208に対して通信可能に接続され得る。
【0015】
更に、例えば、車両200は、加速度計220とジャイロスコープ222とを更に含み得る。例えば、加速度計220及びジャイロスコープ222は、プロセッサ208に対して通信可能に接続され得る。
【0016】
更に、例えば、車両200は、緊急ブレーキオペレータインターフェース224と、1次ブレーキオペレータインターフェース226と、ステアリング機構228と、を更に含み得る。ステアリング機構228は、ステアリングオペレータインターフェース230と、1つ以上の車輪234が接続された1つ以上の車軸232との間に接続され得る。
【0017】
更に、例えば、車両200は、キャビン内カメラ236又はマイク238のうちの1つ以上を更に含み得る。キャビン内カメラ236又はマイク238のうちの1つ以上は、プロセッサ208に対して通信可能に接続され得る。
【0018】
更に、例えば、車両200は、先進運転支援システム(ADAS)240を更に含み得る。先進運転支援システム(ADAS)240は、プロセッサ208、緊急ブレーキオペレータインターフェース224、1次ブレーキオペレータインターフェース226、及びステアリング機構228に対して通信可能に接続され得る。先進運転支援システム(ADAS)240は、車両200及び障害物間の衝突の可能性が閾値よりも高いという決定に応じて、緊急ブレーキオペレータインターフェース224、1次ブレーキオペレータインターフェース226、又はステアリング機構228のうちの1つ以上を制御して、衝突を回避するか又は衝突の影響を軽減するための応答を実装するように構成され得る。例えば、先進運転支援システム(ADAS)240は、自動緊急ブレーキ(AEB)システム242を含み得る。
【0019】
図3は、本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステム300の例を示すブロック図を含む。システム300は、例えば、プロセッサ302とメモリ304とを含み得る。メモリ304は、プロセッサ302に対して通信可能に接続され得る。例えば、メモリ304は、衝突検出モジュール306、候補応答決定モジュール308、候補応答評価モジュール310、及びコントローラモジュール312を記憶し得る。
【0020】
例えば、衝突検出モジュール306は、プロセッサ302を制御して衝突を回避する能力の制約を決定するように機能する命令を含み得る。
【0021】
例えば、車両及び障害物間の衝突を回避する能力の制約を決定するための命令は、車両の停止距離が車両及び障害物間の距離よりも大きいことを決定するための命令を含み得る。すなわち、車両は、車両及び障害物間の距離未満の距離以内で停止することができない。
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第1の車両128(例えば、車両200)であり得る。例えば、レーダデバイス212又はLiDARデバイス214のうちの1つ以上は、第1の車両128の停止距離が第1の車両128及び第1の巨石125間の距離よりも大きいことを決定するために使用され得る。
【0022】
更に、例えば、障害物は、移動している場合があり、停止距離を決定するための命令は、障害物の動きの推定に基づいて停止距離を決定するための命令を含み得る。
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第3の車両132(例えば、車両200)であり得る。例えば、レーダデバイス212又はLiDARデバイス214のうちの1つ以上は、トレーラ137の動きの推定に基づいて、第3の車両132の停止距離が第3の車両132及びトレーラ137間の距離よりも大きいことを決定するために使用され得る。
【0023】
更に又は代替的に、例えば、車両及び障害物間の衝突を回避する能力の制約を決定するための命令は、別の衝突をもたらすことなく衝突を回避するように車両を操縦する能力の制約を決定するための命令を含み得る。当該別の衝突は、車両及び別の障害物間のものであり得る。
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第3の車両132(例えば、車両200)であり得る。例えば、トレーラ137との衝突を回避するように第3の車両132を操縦する能力の制約は、そのような第3の車両132の操縦が第4の車両133又は第1の山101との別の衝突をもたらし得るため、前向きカメラ216からの情報を使用して決定され得る。
【0024】
図3に戻って、例えば、候補応答決定モジュール308は、プロセッサ302を制御して、衝突の影響を軽減するために車両についての第1の候補応答及び車両についての第2の候補応答を決定するように機能する命令を含み得る。第1の候補応答及び第2の候補応答の各々は、車両の現在の軌道とは異なり得る。
【0025】
例えば、候補応答評価モジュール310は、プロセッサ302を制御して、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するように機能する命令を含み得る。
【0026】
例えば、第1の候補応答及び第2の候補応答を決定するための命令は、第1の可能性及び第2の可能性を決定するための命令を含み得る。第1の可能性は、第1の候補応答が、車両のタイヤによって生成される力をタイヤの最大限の力(saturation force)よりも大きくするということであり得る。第2の可能性は、第2の候補応答が、車両のタイヤによって生成される力をタイヤの最大限の力よりも大きくするということであり得る。すなわち、車両のタイヤによって生成される力の値がタイヤの最大限の力よりも大きい場合、タイヤと、タイヤに接触する面との間に存在する関係は、スキッドとして特徴付けられ得る。第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するための命令は、第1の可能性及び第2の可能性に基づいて、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するための命令を含み得る。
【0027】
例えば、第1の可能性を決定するための命令は、第1の過去のプロキシ情報から第1の可能性を決定するための命令を含み得、第2の可能性を決定するための命令は、第2の過去のプロキシ情報から決定するための命令を含み得る。第1の過去のプロキシ情報は、現在の軌道と同様の軌道から第1の候補応答を開始することに関するものであり得、第2の過去のプロキシ情報は、現在の軌道と同様の軌道から第2の候補応答を開始することに関するものであり得る。
【0028】
例えば、システム300は、通信デバイス314を更に含み得る。通信デバイス314は、プロセッサ302に対して通信可能に接続され得る。通信デバイス314は、第1の候補応答及び第2の候補応答を決定するための命令を実行する前に、第1の過去のプロキシ情報及び第2の過去のプロキシ情報を受信するように構成され得る。
図2を参照して、例えば、通信デバイス314は、通信デバイス218であり得る。
【0029】
更に又は代替的に、例えば、第1の過去のプロキシ情報は、車両から取得される第1の過去のセンサ情報を含み得、第2の過去のプロキシ情報は、車両から取得される第2の過去のセンサ情報を含み得る。第1の過去のセンサ情報は、タイヤのサイドスリップの度合い(measure of a sideslip)又は車両のヨーレートの度合い(measure of a yaw rate)のうちの1つ以上を含み得る。第2の過去のセンサ情報は、タイヤのサイドスリップの度合い又は車両のヨーレートの度合いのうちの1つ以上を含み得る。
【0030】
例えば、サイドスリップの度合いは、車両に配置された加速度計からの信号、及び車両に配置されたジャイロスコープからの信号から推定され得る。例えば、ヨーレートの度合いは、ジャイロスコープからの信号から推定され得る。
図2を参照して、例えば、加速度計は、加速度計220であり得、ジャイロスコープは、ジャイロスコープ222であり得る。
【0031】
図3に戻って、例えば、(1)第1の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(2)第2の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(3)第2の候補応答は、第1の候補応答とは異なり得る。
【0032】
例えば、第1のセットの動作は、車両の緊急ブレーキの動作を含み得る。例えば、第2のセットの動作は、車両の1次ブレーキの動作、又は車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作のうちの1つ以上を含み得る。例えば、第2のセットの動作は、車両の1次ブレーキの動作、及び車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作の両方を含み得る。
図2を参照して、例えば、緊急ブレーキの動作は、緊急ブレーキオペレータインターフェース224によるものであり得、1次ブレーキの動作は、1次ブレーキオペレータインターフェース226によるものであり得、ステアリング機構の動作は、ステアリング機構228によるものであり得る。
【0033】
図3に戻って、更に、例えば、メモリ304は、座席占有決定モジュール316を更に記憶し得る。座席占有決定モジュール316は、プロセッサ302を制御して、生物による占有に関する車両の座席の状態を決定するように機能する命令を含み得る。当該座席は、車両の第1の側(例えば、右側)に配置され得る。第1の側は、車両の第2の側(例えば、左側の反対側であり得る。第2の側は、車両の操作者が位置する側であり得る。当該座席が占有されている状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第1のセットの動作を含み得る。当該座席が占有されていない状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第2のセットの動作を含み得、方向転換の方向は、衝突が第1の側(例えば、右側)で生じるような方向であり得る。
【0034】
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、車両200であり得る。例えば、キャビン内カメラ236又はマイク238のうちの1つ以上は、生物による占有に関する車両200の座席の状態を決定するために使用され得る。例えば、車両は、第1の車両128(例えば、車両200)であり得る。第1の車両128は、操作者130と乗客131とを有し、乗客131は、前方右側の助手席を占有しているため、第1の車両128の第1の候補応答は、第1のセットの動作、すなわち、緊急ブレーキオペレータインターフェース224による緊急ブレーキの動作であり得る。代替的に、車両は、第3の車両132(例えば、車両200)であり得る。第3の車両132は、操作者135を有するが、乗客はいないため、第3の車両132の第1の候補応答は、第2のセットの動作、すなわち、1次ブレーキオペレータインターフェース226による1次ブレーキの動作、又は衝突が右側で生じるように第3の車両132に方向転換を左側に行わせるステアリング機構228の動作のうちの1つ以上であり得る。第2のセットの動作は、衝突が操作者135に対する傷害をもたらす可能性、又は当該傷害の重症度をより充分に低減し得るため、第2のセットの動作は、衝突をより充分に軽減し得る。
【0035】
例えば、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するための命令は、(1)第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物に対する傷害の重症度、又は(2)車両若しくは障害物のうちの1つ以上に対する、第1の候補応答に関連付けられる経済的損害の値のうちの1つ以上が、(1)第2の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物に対する傷害の重症度、又は(2)車両若しくは障害物のうちの1つ以上に対する、第2の候補応答に関連付けられる経済的損害の値のうちの1つ以上よりも小さいことを決定するための命令を含み得る。
【0036】
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第6の車両138(例えば、車両200)であり得る。例えば、第6の車両138は、前向きカメラ216からの情報を使用して、第8の車両140(例えば、高級スポーツカー)との衝突が経済的損害の高い値をもたらし得ることを決定し得る。第6の車両138に対する、第1の候補応答に関連付けられる経済的損害の値は、第6の車両138に対する、第2の候補応答に関連付けられる経済的損害の値よりも小さいため、第6の車両138は、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定し得る。
【0037】
例えば、第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物は、障害物であり得る。
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第9の車両141(例えば、車両200)であり得る。例えば、第9の車両138は、前向きカメラ216からの情報を使用して、犬143との衝突が犬143に対する傷害をもたらし得ることを決定し得る。犬143に対する、第1の候補応答に関連付けられる傷害の重症度は、犬143に対する、第2の候補応答に関連付けられる傷害の重症度よりも小さいため、第9の車両141は、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定し得る。
【0038】
図3に戻って、例えば、第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物は、第1のセットの1つ以上の生物と、第2のセットの1つ以上の生物と、を含み得る。第1のセットの1つ以上の生物は、障害物であり得る。第2のセットの1つ以上の生物は、車両内にあり得る。候補応答決定モジュール308は、第1のカウント及び第2のカウントを決定するための命令を更に含み得る。第1のカウントは、第1のセットの1つ以上の生物に関するものであり得る。第2のカウントは、第2のセットの1つ以上の生物に関するものであり得る。第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するための命令は、第1のカウント及び第2のカウントに基づいて、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定するための命令を含み得る。
【0039】
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第11の車両144(例えば、車両200)であり得る。例えば、第11の車両144は、前向きカメラ216からの情報を使用して、第1のカウントが3(すなわち、第1の人149、第2の人150、及び第3の人151)であることを決定し得る。例えば、第11の車両144は、キャビン内カメラ236又はマイク238のうちの1つ以上からの情報を使用して、第2のカウントが4(例えば、操作者145、第1の乗客146、第2の乗客147、及び第3の乗客148)であることを決定し得る。第11の車両144は、第1のカウント及び第2のカウントに基づいて、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定し得る。
【0040】
図3に戻って、例えば、候補応答決定モジュール308は、第1の側の経済的値が車両の第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、車両の第1の側に関する情報を取得するための命令を更に含み得る。車両の第1の側の経済的値が車両の第2の側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が車両の第1の側で生じるような方向であり得る。
【0041】
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第3の車両132(例えば、車両200)であり得る。例えば、第3の車両132は、前方右側のフェンダに既存の損傷136を有するため、第3の車両132は、第3の車両132の右側の経済的値が第3の車両132の左側の経済的値よりも小さいことを示す、第3の車両132の右側に関する情報を取得し得る。第3の車両132の右側の経済的値が第3の車両132の左側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、第3の車両132に方向転換を行わせる第3の車両132のステアリング機構228の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が第3の車両132の右側で生じるような方向であり得、これにより、第3の車両132に対する経済的損害の値が、第3の車両132の前方右側のフェンダに対する既存の損傷136が原因で他の場合の経済的損害の値よりも小さいため、衝突の影響が軽減され得る。
【0042】
図3に戻って、例えば、候補応答決定モジュール308は、障害物の第1の側の経済的値が障害物の第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、障害物の第1の側に関する情報を取得するための命令を更に含み得る。障害物の第1の側の経済的値が障害物の第2の側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が障害物の第1の側で生じるような方向であり得る。
【0043】
図1及び
図2を参照して、例えば、車両は、第12の車両152(例えば、車両200)であり得る。例えば、第12の車両152は、前向きカメラ216からの情報を使用して、馬トレーラ155の右側の経済的値が馬トレーラ155の左側の(すなわち、馬156が搬送されている)経済的値よりも小さいことを示す、馬トレーラ155の右側に関する(すなわち、馬がいない)情報を取得し得る。馬トレーラ155の右側の経済的値が馬トレーラ155の左側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、第12の車両152に方向転換を行わせる第12の車両152のステアリング機構228の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が馬トレーラ155の右側で生じるような方向であり得、これにより、馬トレーラ155及び馬156に対する経済的損害の値が、馬トレーラ155の左側に馬がいることが原因で他の場合の経済的損害の値よりも小さいため、衝突の影響が軽減され得る。
【0044】
図3に戻って、例えば、コントローラモジュール312は、プロセッサ302を制御して第1の候補応答を実装させるように機能する命令を含み得る。例えば、第1の候補応答を実装させる命令は、先進運転支援システム(ADAS)により第1の候補応答を実装させる命令を含む。例えば、先進運転支援システム(ADAS)は、自動緊急ブレーキ(AEB)システムを含み得る。
図2を参照して、例えば、先進運転支援システム(ADAS)は、先進運転支援システム(ADAS)240であり得、自動緊急ブレーキ(AEB)システムは、自動緊急ブレーキ(AEB)システム242であり得る。
【0045】
図4は、本開示の技術に係る、車両及び障害物間の衝突に関する影響の軽減に関連付けられる方法400の例を示すフロー図を含む。方法400は、
図3に示されるシステム300と組み合わされて記載されているが、本明細書の説明を考慮して、方法400は、
図3に示されるシステム300による実装に限定されないことが当業者により理解される。むしろ、
図3に示されるシステム300は、方法400を実装するために使用され得るシステムの一例である。更に、方法400は、概して連続的なプロセスとして示されているが、方法400の様々な態様は、並列で実行可能であり得る。
【0046】
方法400では、動作402で、例えば、衝突検出モジュール306は、衝突を回避する能力の制約を決定し得る。
【0047】
例えば、動作402は、車両の停止距離が車両及び障害物間の距離よりも大きいことを決定することを含み得る。すなわち、車両は、車両及び障害物間の距離未満の距離以内で停止することができない。
【0048】
更に、例えば、障害物は、移動している場合があり、動作402は、障害物の動きの推定に基づいて停止距離を決定することを含み得る。
【0049】
更に又は代替的に、例えば、動作402は、別の衝突をもたらすことなく衝突を回避するように車両を操縦する能力の制約を決定することを含み得る。当該別の衝突は、車両及び別の障害物間のものであり得る。
【0050】
動作404で、例えば、候補応答決定モジュール308は、衝突の影響を軽減するために車両についての第1の候補応答及び車両についての第2の候補応答を決定し得る。第1の候補応答及び第2の候補応答の各々は、車両の現在の軌道とは異なり得る。
【0051】
動作406で、例えば、候補応答評価モジュール310は、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定し得る。
【0052】
例えば、動作404は、第1の可能性及び第2の可能性を決定することを含み得る。第1の可能性は、第1の候補応答が、車両のタイヤによって生成される力をタイヤの最大限の力よりも大きくするということであり得る。第2の可能性は、第2の候補応答が、車両のタイヤによって生成される力をタイヤの最大限の力よりも大きくするということであり得る。すなわち、車両のタイヤによって生成される力の値がタイヤの最大限の力よりも大きい場合、タイヤと、タイヤに接触する面との間に存在する関係は、スキッドとして特徴付けられ得る。動作406は、第1の可能性及び第2の可能性に基づいて、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定することを含み得る。
【0053】
例えば、動作404は、第1の過去のプロキシ情報から第1の可能性を決定することを含み得、第2の可能性を決定するための命令は、第2の過去のプロキシ情報から決定するための命令を含み得る。第1の過去のプロキシ情報は、現在の軌道と同様の軌道から第1の候補応答を開始することに関するものであり得、第2の過去のプロキシ情報は、現在の軌道と同様の軌道から第2の候補応答を開始することに関するものであり得る。
【0054】
動作408で、例えば、通信デバイス314は、動作404の前に、第1の過去のプロキシ情報及び第2の過去のプロキシ情報を受信し得る。
【0055】
更に又は代替的に、例えば、第1の過去のプロキシ情報は、車両から取得される第1の過去のセンサ情報を含み得、第2の過去のプロキシ情報は、車両から取得される第2の過去のセンサ情報を含み得る。第1の過去のセンサ情報は、タイヤのサイドスリップの度合い又は車両のヨーレートの度合いのうちの1つ以上を含み得る。第2の過去のセンサ情報は、タイヤのサイドスリップの度合い又は車両のヨーレートの度合いのうちの1つ以上を含み得る。
【0056】
例えば、サイドスリップの度合いは、車両に配置された加速度計からの信号、及び車両に配置されたジャイロスコープからの信号から推定され得る。例えば、ヨーレートの度合いは、ジャイロスコープからの信号から推定され得る。
【0057】
例えば、(1)第1の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(2)第2の候補応答は、第1のセットの動作及び第2のセットの動作のうちの1つを含み得、(3)第2の候補応答は、第1の候補応答とは異なり得る。
【0058】
例えば、第1のセットの動作は、車両の緊急ブレーキの動作を含み得る。例えば、第2のセットの動作は、車両の1次ブレーキの動作、又は車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作のうちの1つ以上を含み得る。
【0059】
動作410で、例えば、座席占有決定モジュール316は、生物による占有に関する車両の座席の状態を決定し得る。当該座席は、車両の第1の側(例えば、右側)に配置され得る。第1の側は、車両の第2の側(例えば、左側の反対側であり得る。第2の側は、車両の操作者が位置する側であり得る。当該座席が占有されている状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第1のセットの動作を含み得る。当該座席が占有されていない状態の決定に応じて、第1の候補応答は、第2のセットの動作を含み得、方向転換の方向は、衝突が第1の側(例えば、右側)で生じるような方向であり得る。
【0060】
例えば、動作406は、(1)第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物に対する傷害の重症度、又は(2)車両若しくは障害物のうちの1つ以上に対する、第1の候補応答に関連付けられる経済的損害の値のうちの1つ以上が、(1)第2の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物に対する傷害の重症度、又は(2)車両若しくは障害物のうちの1つ以上に対する、第2の候補応答に関連付けられる経済的損害の値のうちの1つ以上よりも小さいことを決定することを含み得る。
【0061】
例えば、第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物は、障害物であり得る。
【0062】
例えば、第1の候補応答に関連付けられる1つ以上の生物は、第1のセットの1つ以上の生物と、第2のセットの1つ以上の生物と、を含み得る。第1のセットの1つ以上の生物は、障害物であり得る。第2のセットの1つ以上の生物は、車両内にあり得る。動作412で、例えば、候補応答決定モジュール308は、第1のカウント及び第2のカウントを決定し得る。第1のカウントは、第1のセットの1つ以上の生物に関するものであり得る。第2のカウントは、第2のセットの1つ以上の生物に関するものであり得る。動作406は、第1のカウント及び第2のカウントに基づいて、第1の候補応答が衝突の影響をより充分に軽減することを決定することを含み得る。
【0063】
動作414で、例えば、候補応答決定モジュール308は、第1の側の経済的値が車両の第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、車両の第1の側に関する情報を取得し得る。車両の第1の側の経済的値が車両の第2の側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が車両の第1の側で生じるような方向であり得る。
【0064】
動作416で、例えば、候補応答決定モジュール308は、障害物の第1の側の経済的値が障害物の第2の側の経済的値よりも小さいことを示す、障害物の第1の側に関する情報を取得し得る。障害物の第1の側の経済的値が障害物の第2の側の経済的値よりも小さいという決定に応じて、第1の候補応答は、車両に方向転換を行わせる車両のステアリング機構の動作を含み得る。方向転換の方向は、衝突が障害物の第1の側で生じるような方向であり得る。
【0065】
動作418で、例えば、コントローラモジュール312は、第1の候補応答を実装させ得る。例えば、動作418は、先進運転支援システム(ADAS)により第1の候補応答を実装させることを含み得る。例えば、先進運転支援システム(ADAS)は、自動緊急ブレーキ(AEB)システムを含み得る。
【0066】
図5は、本開示の技術に係る、車両500に配置された要素の例を示すブロック図を含む。本明細書で使用される「車両」は、任意の形態の動力付き輸送手段であり得る。1つ以上の実装態様では、車両500は、自動車であり得る。本明細書に記載される機構は、自動車に関するものであるが、本明細書の説明を考慮して、実施形態は、自動車に限定されないことが当業者により理解される。例えば、(
図1に示される)第1の車両128、(
図1に示される)第3の車両132、(
図1に示される)第6の車両138、(
図1に示される)第9の車両141、(
図1に示される)第11の車両144、(
図1に示される)第12の車両152、又は(
図2に示される)車両200のうちの1つ以上の機能及び/又は動作は、車両500によって実現され得る。
【0067】
一部の実施形態では、車両500は、自動モード、1つ以上の半自動動作モード、及び/又はマニュアルモードを選択的に切り替えるように構成され得る。このような切り替えは、現在既知であるか又は今後開発される好適な方法で実装され得る。本明細書で使用される「マニュアルモード」は、全て又は大部分の車両500のナビゲーション及び/又は操作が、ユーザ(例えば、人間の運転者)から受信される入力に従って行われることを指し得る。1つ以上の機構では、車両500は、マニュアルモードのみで動作するように構成された従来の車両であり得る。
【0068】
1つ以上の実施形態では、車両500は、自動車両であり得る。本明細書で使用される「自動車両」は、自動モードで動作する車両を指し得る。本明細書で使用される「自動モード」は、1つ以上の計算システムを使用して人間の運転者から最小限の入力又は入力無しで車両500を制御し、走行ルートに沿って車両500をナビゲート及び/又は操作することを指し得る。1つ以上の実施形態では、車両500は、高度に自動化され得るか、又は完全に自動化され得る。一実施形態では、車両500は、1つ以上の半自動動作モードで構成され得、当該半自動動作モードでは、1つ以上の計算システムは、走行ルートに沿った車両のナビゲーション及び/又は操作の一部を行い、車両操作者(すなわち、運転者)は、走行ルートに沿った車両500のナビゲーション及び/又は操作の一部を行うように入力を車両500に提供する。
【0069】
例えば、自動車技術者協会(SAE)インターナショナルによって2014年1月16日に発行され、2021年4月30日に最新の改訂が行われた規格J3016 202104の路上自動車の運転自動化システムに関連する用語の分類法及び定義は、6レベルの運転自動化を定めている。当該6レベルは、(1)レベル0、自動化無しであって、全ての態様の動的運転タスクが人間の運転者によって行われるレベル0と、(2)レベル1、運転者支援であって、運転者支援システムが、選択される場合、運転環境に関する情報を使用して操縦又は加速/減速のタスクのいずれかを実行し得るが、残りの全ての動的運転タスクが、人間の運転者によって行われるレベル1と、(3)レベル2、部分的な自動化であって、1つ以上の運転者支援システムが、選択される場合、運転環境に関する情報を使用して操縦及び加速/減速のタスクの両方を実行し得るが、残りの全ての運転動的タスクが、人間の運転者によって行われるレベル2と、(4)レベル3、条件付き自動化であって、自動運転システムが、選択される場合、人間の運転者が介入要求に適切に応答する可能性を伴って全ての態様の動的運転タスクを実行し得るレベル3と、(5)レベル4、高度な自動化であって、自動運転システムが、選択される場合、人間の運転者が介入要求に適切に応答しない場合であっても、全ての態様の動的運転タスクを実行し得るレベル4と、(6)レベル5、完全な自動化であって、自動運転システムが、人間の運転者によって管理され得る全ての車道状態及び環境状態の下で全ての態様の動的運転タスクを実行し得るレベル5と、を含む。
【0070】
車両500は、様々な要素を含み得る。車両500は、
図5に示される様々な要素の任意の組み合わせを有し得る。様々な実施形態では、車両500が、
図5に示される要素の全てを含む必要はなくてもよい。更に、車両500は、
図5に示されるものの他の要素を有し得る。様々な要素は、車両500内に位置しているものとして
図5に示されているが、当該要素のうちの1つ以上は、車両500の外部に位置し得る。更に、示される要素は、長い距離、物理的に分離され得る。例えば、記載されるように、本開示のシステムの1つ以上の構成要素は、車両500内で実装され得る一方、システムの他の構成要素は、以下に記載されるようにクラウド計算環境内で実装され得る。例えば、要素は、1つ以上のプロセッサ510と、1つ以上のデータストア515と、センサシステム520と、入力システム530と、出力システム535と、車両システム540と、1つ以上のアクチュエータ550と、1つ以上の自動運転モジュール560と、通信システム570と、車両及び障害物間の衝突の影響を軽減するシステム300と、を含み得る。
【0071】
1つ以上の機構では、1つ以上のプロセッサ510は、車両500のメインプロセッサであり得る。例えば、1つ以上のプロセッサ510は、電子制御ユニット(ECU)であり得る。例えば、(
図2に示される)プロセッサ208又は(
図3に示される)プロセッサ302のうちの1つ以上の機能及び/又は動作は、1つ以上のプロセッサ510によって実現され得る。
【0072】
1つ以上のデータストア515は、例えば、1つ以上のタイプのデータを記憶し得る。1つ以上のデータストア515は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。例えば、(
図2に示される)メモリ210又は(
図3に示される)メモリ304のうちの1つ以上の機能及び/又は動作は、1つ以上のデータストア515によって実現され得る。1つ以上のデータストア515についての好適なメモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、任意の他の好適な記憶媒体、又はこれらの任意の組み合わせが含まれる。1つ以上のデータストア515は、1つ以上のプロセッサ510の構成要素であり得る。更に又は代替的に、1つ以上のデータストア515は、1つ以上のプロセッサ510による使用のために1つ以上のプロセッサ510に対して動作可能に接続され得る。本明細書で使用される「動作可能に接続」は、直接的又は間接的な接続を含み、直接的な物理的接触がない接続を含み得る。本明細書で使用される、構成要素が動作を行う「ように構成され」得るという記述は、構成要素が、構造的変更を必要とするのではなく、単に、動作を行うために動作状態に置かれる(例えば、電力が提供される、基本的な動作システムを実行させる、など)必要があることを意味するように理解され得る。
【0073】
1つ以上の機構では、1つ以上のデータストア515は、マップデータ516を記憶し得る。マップデータ516は、1つ以上の地理的エリアのマップを含み得る。一部の例では、マップデータ516は、1つ以上の地理的エリア内の道路、交通制御デバイス、道路標識、構造物、特徴、及び/又は目印に関する情報又はデータを含み得る。マップデータ516は、任意の好適な形態であり得る。一部の例では、マップデータ516は、エリアの空中写真を含み得る。一部の例では、マップデータ516は、エリアの地上写真を含み、360度の地上写真を含み得る。マップデータ516は、マップデータ516に含まれる1つ以上の事項についての、及び/又はマップデータ516に含まれる他の事項に対する、測定値、寸法、距離、及び/又は情報を含み得る。マップデータ516は、道路形状に関する情報を有するデジタルマップを含み得る。マップデータ516は、高品質及び/又は高精細であり得る。
【0074】
1つ以上の機構では、マップデータ516は、1つ以上の地形マップ517を含み得る。1つ以上の地形マップ517は、1つ以上の地理的エリアの地面、地形、道路、地表、及び/又は他の特徴に関する情報を含み得る。1つ以上の地形マップ517は、1つ以上の地理的エリアの高度データを含み得る。マップデータ516は、高品質及び/又は高精細であり得る。1つ以上の地形マップ517は、舗装された道路、舗装されていない道路、土地、及び地上面を定める他のものを含み得る1つ以上の地上面を定め得る。
【0075】
1つ以上の機構では、マップデータ516は、1つ以上の静止障害物マップ518を含み得る。1つ以上の静止障害物マップ518は、1つ以上の地理的エリア内に位置している1つ以上の静止障害物に関する情報を含み得る。「静止障害物」は、物理オブジェクトであり得、その位置は、ある期間において変化しない(若しくは実質的に変化しない)、及び/又はそのサイズは、ある期間において変化しない(若しくは実質的に変化しない)。静止障害物の例には、木、建物、縁石、フェンス、手すり、中央線、電柱、像、モニュメント、標識、ベンチ、備品、郵便ポスト、大きい岩、及び丘が含まれ得る。静止障害物は、地面の高さよりも上に延びるオブジェクトであり得る。1つ以上の静止障害物マップ518に含まれる1つ以上の静止障害物は、場所データ、サイズデータ、寸法データ、材料データ、及び/又はそれらに関連付けられる他のデータを有し得る。1つ以上の静止障害物マップ518は、1つ以上の静止障害物についての測定値、寸法、距離、及び/又は情報を含み得る。1つ以上の静止障害物マップ518は、高品質及び/又は高精細であり得る。1つ以上の静止障害物マップ518は、マップエリア内の変化を反映させるように更新され得る。
【0076】
1つ以上の機構では、1つ以上のデータストア515は、センサデータ519を記憶し得る。本明細書で使用される「センサデータ」は、当該センサに関する能力及び他の情報を含む、車両500が備え得るセンサに関する任意の情報を指し得る。センサデータ519は、センサシステム520の1つ以上のセンサに関するものであり得る。例えば、1つ以上の機構では、センサデータ519は、センサシステム520の1つ以上のLiDARセンサ524に関する情報を含み得る。
【0077】
一部の機構では、マップデータ516及び/又はセンサデータ519の少なくとも一部は、車両500に搭載されて位置している1つ以上のデータストア515に位置し得る。更に又は代替的に、マップデータ516及び/又はセンサデータ519の少なくとも一部は、車両500から離れて位置している1つ以上のデータストア515に位置し得る。
【0078】
センサシステム520は、1つ以上のセンサを含み得る。本明細書で使用される「センサ」は、何かを検出及び/又は検知することができる、任意のデバイス、構成要素、及び/又はシステムを指し得る。1つ以上のセンサは、リアルタイムで検出及び/又は検知するように構成され得る。本明細書で使用される「リアルタイム」という用語は、行われる特定のプロセス若しくは決定についてユーザ若しくはシステムによって充分迅速に認識されるか、又はプロセッサが何らかの外部プロセスに追随することを可能にする、処理応答性のレベルを指し得る。
【0079】
センサシステム520が複数のセンサを含む機構では、センサは、互いに独立して機能し得る。代替的に、センサのうちの2つ以上は、互いに組み合わさって機能し得る。このような場合、2つ以上のセンサは、センサネットワークを形成し得る。センサシステム520及び/又は1つ以上のセンサは、車両500の1つ以上のプロセッサ510、1つ以上のデータストア515、及び/又は別の要素(
図5に示される要素のうちのいずれかを含む)に対して動作可能に接続され得る。センサシステム520は、車両500の外部環境(例えば、近くの車両)の少なくとも一部に関するデータを取得し得る。センサシステム520は、任意の好適なタイプのセンサを含み得る。様々なタイプのセンサの様々な例が本明細書に記載される。しかしながら、実施形態は、本明細書に記載される特定のセンサに限定されないことが当業者により理解される。
【0080】
センサシステム520は、1つ以上の車両センサ521を含み得る。1つ以上の車両センサ521は、車両500自体に関する情報を検出、決定、及び/又は検知し得る。1つ以上の機構では、1つ以上の車両センサ521は、例えば、慣性加速度などに基づいて、車両500の位置及び向きの変化を検出及び/又は検知するように構成され得る。1つ以上の機構では、1つ以上の車両センサ521は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープ、慣性計測ユニット(IMU)、推測航法システム、グローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)、グローバルポジショニングシステム(GPS)、ナビゲーションシステム547、及び/又は他の好適なセンサを含み得る。1つ以上の車両センサ521は、車両500の1つ以上の特徴を検出及び/又は検知するように構成され得る。1つ以上の機構では、1つ以上の車両センサ521は、車両500の現在の速度を決定するための速度計を含み得る。例えば、(
図2に示される)加速度計220、(
図2に示される)ジャイロスコープ222、(
図2に示される)キャビン内カメラ236、又は(
図2に示される)マイク238のうちの1つ以上の機能及び/又は動作は、1つ以上の車両センサ521によって実現され得る。
【0081】
更に又は代替的に、センサシステム520は、運転環境データを取得及び/又は検知するように構成された1つ以上の環境センサ522を含み得る。本明細書で使用される「運転環境データ」は、車両が位置している外部環境又はその1つ以上の部分に関するデータ又は情報を含み得る。例えば、1つ以上の環境センサ522は、車両500の外部環境の少なくとも一部における障害物、及び/又は当該障害物に関する情報/データを検出、定量化、及び/又は検知するように構成され得る。当該障害物は、静止オブジェクト及び/又は動的オブジェクトであり得る。1つ以上の環境センサ522は、例えば、レーンマーク、標識、交通信号灯、交通標識、車線、横断歩道、車両500に近い縁石、路上外のオブジェクトなどの、車両500の外部環境における他のものを検出、測定、定量化、及び/又は検知するように構成され得る。
【0082】
センサシステム520のセンサの様々な例が本明細書に記載される。例示的なセンサは、1つ以上の車両センサ521及び/又は1つ以上の環境センサ522の一部であり得る。しかしながら、実施形態は、記載される特定のセンサに限定されないことが当業者により理解される。
【0083】
1つ以上の機構では、1つ以上の環境センサ522は、1つ以上のレーダセンサ523、1つ以上のLiDARセンサ524、1つ以上のソナーセンサ525、及び/又は1つ以上のカメラ526を含み得る。1つ以上の機構では、1つ以上のカメラ526は、1つ以上のハイダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は1つ以上の赤外線(IR)カメラであり得る。例えば、1つ以上のカメラ526は、デジタルマップに現れ得る情報の事項に関する現実の状態を記録するために使用され得る。例えば、(
図2に示される)レーダデバイス212の機能及び/又は動作は、1つ以上のレーダセンサ523によって実現され得る。例えば、(
図2に示される)LiDARデバイス214の機能及び/又は動作は、1つ以上のLiDARセンサ524によって実現され得る。例えば、(
図2に示される)前向きカメラ216の機能及び/又は動作は、1つ以上のカメラ526によって実現され得る。
【0084】
入力システム530は、情報/データを機械に入力することを可能にする、任意のデバイス、構成要素、システム、要素、機構、又はこれらのグループを含み得る。入力システム530は、車両乗客(例えば、運転者又は乗客)から入力を受信し得る。出力システム535は、情報/データを車両乗客(例えば、運転者又は乗客)に提示することを可能にする、任意のデバイス、構成要素、システム、要素、機構、又はこれらのグループを含む。
【0085】
1つ以上の車両システム540の様々な例が
図5に示されている。しかしながら、車両500は、より多くの車両システム、より少ない車両システム、又は異なる車両システムを含み得ることが当業者により理解される。特定の車両システムが別々に定められ得るが、システムの各々若しくはいずれか又はその一部は、車両500内でハードウェア及び/又はソフトウェアを介して他のように組み合わされ得るか又は分離され得る。例えば、1つ以上の車両システム540は、推進システム541、ブレーキシステム542、ステアリングシステム543、スロットルシステム544、トランスミッションシステム545、信号伝達システム546、及び/又はナビゲーションシステム547を含み得る。これらのシステムの各々は、現在既知であるか又は今後開発される、1つ以上のデバイス、構成要素、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、(
図2に示される)緊急ブレーキオペレータインターフェース224又は(
図2に示される)ブレーキオペレータインターフェース226のうちの1つ以上の機能及び/又は動作は、ブレーキシステム542によって実現され得る。例えば、(
図2に示される)ステアリングオペレータインターフェース230の機能及び/又は動作は、ステアリングシステム543によって実現され得る。
【0086】
ナビゲーションシステム547は、車両500の地理的場所を決定し、及び/又は車両500についての走行ルートを決定するように構成された、現在既知であるか又は今後開発される、1つ以上のデバイス、アプリケーション、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。ナビゲーションシステム547は、車両500についての走行ルートを決定するための1つ以上の地図アプリケーションを含み得る。ナビゲーションシステム547は、グローバルポジショニングシステム、ローカルポジショニングシステム、ジオロケーションシステム、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0087】
1つ以上のアクチュエータ550は、1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560からの信号又は他の入力の受信に応じて、車両システム540又はその構成要素のうちの1つ以上を修正、調整、及び/又は変更するように動作可能な任意の要素又は要素の組み合わせであり得る。任意の好適なアクチュエータが使用され得る。例えば、1つ以上のアクチュエータ550は、モータ、空気圧アクチュエータ、液圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は圧電アクチュエータを含み得る。
【0088】
1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、様々な車両システム540及び/又はその個々の構成要素と通信するように動作可能に接続され得る。例えば、1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、様々な車両システム540から情報を送信及び/又は受信して車両500の動き、速度、操作、進行方向、方向などを制御するように通信し得る。1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、これらの車両システム540の一部又は全てを制御し得、したがって、部分的に又は完全に自動であり得る。
【0089】
1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、車両システム540及び/又はその構成要素のうちの1つ以上を制御することによって、車両500のナビゲーション及び/又は操作を制御するように動作可能であり得る。例えば、自動モードで動作している場合、1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、車両500の方向及び/又は速度を制御し得る。1つ以上のプロセッサ510及び/又は1つ以上の自動運転モジュール560は、(例えば、エンジンに提供される燃料の供給を増加させることによって)車両500を加速させ、(例えば、エンジンへの燃料の供給を減少させること及び/若しくはブレーキをかけることによって)車両100を減速させ、並びに/又は(例えば、前方2輪を旋回させることによって)車両100の方向を変更させ得る。本明細書で使用される「させる」又は「させること」は、直接的又は間接的な方法のいずれかで、ある事象若しくは動作を、起こさせる(make)、起こさせる(force)、起こさせる(compel)、起こすように指図する、起こすように命令する、起こすように指示する、及び/若しくは当該事象若しくは動作が起こるのを可能にするか、又は当該事象若しくは動作を、少なくともこのような事象若しくは動作が起き得る状態になるように、させる(make)、させる(force)、させる(compel)、指図する、命令する、指示する、及び/若しくは当該事象若しくは動作が少なくとも当該状態になるのを可能にすることを意味し得る。
【0090】
通信システム570は、1つ以上の受信機571及び/又は1つ以上の送信機572を含み得る。通信システム570は、1つ以上の無線通信チャネルを通じて1つ以上のメッセージを受信及び送信し得る。例えば、1つ以上の無線通信チャネルは、車両環境内の無線アクセス(WAVE)を追加するための電気電子エンジニア学会(IEEE)802.11p規格(専用狭域通信(DSRC)のベース)、(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステムのモバイル通信デバイス及び発展型ノードB間のLTE Uuインターフェースを含む)第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))ロングタームエボリューション(LTE)ビークルツーエブリシング(V2X)(LTE-V2X)規格、(5G NR Uuインターフェースを含む)3GPP(登録商標)第5世代(5G)新無線(NR)ビークルツーエブリシング(V2X)規格、又は同種のものに従い得る。例えば、通信システム570は、「コネクテッド車両」技術を含み得る。「コネクテッド車両」技術は、例えば、パケット交換網において車両と他のデバイスとの間で通信を交換するためのデバイスを含み得る。当該他のデバイスは、例えば、別の車両(例えば、「車両対車両」(V2V)技術)、路側インフラストラクチャ(例えば、「車両対インフラストラクチャ」(V2I)技術)、クラウドプラットフォーム(例えば、「車両対クラウド」(V2C)技術)、歩行者(例えば、「車両対歩行者」(V2P)技術、又はネットワーク(例えば、「車両対ネットワーク」(V2N)技術)を含み得る。「ビークルツーエブリシング」(V2X)技術は、これらの個々の通信技術の態様を統合し得る。例えば、(
図2に示される)通信デバイス218の機能及び/又は動作は、通信システム570によって実現され得る。
【0091】
更に、1つ以上のプロセッサ510、1つ以上のデータストア515、及び通信システム570は、マイクロクラウドを形成すること、マイクロクラウドのメンバとして参加すること、又はモバイルマイクロクラウドのリーダの機能を行うことのうちの1つ以上を行うように構成され得る。マイクロクラウドは、動作の実行時に協働するために1つ以上の計算リソース又は1つ以上のデータ記憶リソースのうちの1つ以上をマイクロクラウドのメンバ間で分配することを特徴とし得る。メンバは、少なくともコネクテッド車両を含み得る。
【0092】
車両500は、1つ以上のモジュールを含み得、その少なくとも一部が本明細書に記載される。モジュールは、1つ以上のプロセッサ510によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスのうちの1つ以上を実装するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。モジュールのうちの1つ以上は、1つ以上のプロセッサ510の構成要素であり得る。更に又は代替的に、モジュールのうちの1つ以上は、1つ以上のプロセッサ510が動作可能に接続され得る他の処理システム上で実行され及び/又は当該他の処理システム間で分散され得る。モジュールは、1つ以上のプロセッサ510によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含み得る。更に又は代替的に、1つ以上のデータストア515は、当該命令を含み得る。
【0093】
1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュールのうちの1つ以上は、人工知能要素又は演算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジーロジック、又は他の機械学習アルゴリズムを含み得る。更に、1つ以上の機構では、モジュールのうちの1つ以上は、本明細書に記載される複数のモジュール間で分散され得る。1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュールのうちの2つ以上は、単一のモジュールに組み合わされ得る。
【0094】
車両500は、1つ以上の自動運転モジュール560を含み得る。1つ以上の自動運転モジュール560は、センサシステム520、並びに/又は車両500及び/若しくは車両500の外部環境に関する情報を取り込むことができる任意の他のタイプのシステムからデータを受信するように構成され得る。1つ以上の機構では、1つ以上の自動運転モジュール560は、当該データを使用して、1つ以上の運転シーンモデルを生成し得る。1つ以上の自動運転モジュール560は、車両500の位置及び速度を決定し得る。1つ以上の自動運転モジュール560は、障害物の場所、障害物、又は交通標識、木、低木、近隣車両、歩行者などを含む他の環境的特徴を決定し得る。
【0095】
1つ以上の自動運転モジュール560は、1つ以上のプロセッサ510及び/又は本明細書に記載されるモジュールのうちの1つ以上による使用のために車両500の外部環境内の障害物についての場所情報を受信及び/又は決定して、複数の衛星からの信号又は任意の他のデータ及び/又は信号に基づいて、車両500の位置及び向き、グローバル座標における車両位置を推定するように構成され得、当該任意の他のデータ及び/又は信号は、車両500の現在の状態を決定するために、又はマップを作成する際若しくはマップデータに対する車両500の位置を決定する際に使用される車両500の環境に対する車両500の位置を決定するために使用され得る。
【0096】
1つ以上の自動運転モジュール560は、センサシステム520によって取得されるデータ、運転シーンモデル、及び/又はセンサデータ519からの決定などの任意の他の好適なソースからのデータに基づいて、1つ以上の走行経路、車両500についての現在の自動運転操作、将来の自動運転操作、及び/又は現在の自動運転操作に対する修正を決定するように構成され得る。本明細書で使用される「運転操作」は、車両の動きに影響を与える1つ以上の動作を指し得る。運転操作の例には、単にいくつかの可能性を挙げれば、加速、減速、ブレーキ、旋回、車両500の横方向の移動、走行車線の変更、走行車線への合流、及び/又は後退が含まれる。1つ以上の自動運転モジュール560は、決定された運転操作を実装するように構成され得る。1つ以上の自動運転モジュール560は直接的又は間接的に、このような自動運転操作を実装させ得る。本明細書で使用される「させる」又は「させること」は、直接的又は間接的な方法のいずれかで、ある事象若しくは動作を、起こさせる、起こすように命令する、起こすように指示する、及び/若しくは当該事象若しくは動作が起こるのを可能にするか、又は当該事象若しくは動作を、少なくともこのような事象若しくは動作が起き得る状態になるように、させる、命令する、指示する、及び/若しくは当該事象若しくは動作が少なくとも当該状態になるのを可能にすることを意味する。1つ以上の自動運転モジュール560は、様々な車両機能を実行し、並びに/又は車両500若しくはその1つ以上のシステム(例えば、車両システム540のうちの1つ以上)にデータを送信し、そこからデータを受信し、それと相互作用し、及び/若しくはそれを制御するように構成され得る。例えば、自動車ナビゲーションシステムの機能及び/又は動作は、1つ以上の自動運転モジュール560によって実現され得る。
【0097】
詳細な実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、本明細書の説明を考慮して、本開示の実施形態は、単なる例として意図されることが当業者により理解される。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、特許請求の範囲に対する根拠として、及び実質的に任意の適切な詳細構造で本明細書の態様を種々に採用するように当業者に教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。更に、本明細書において使用される用語及びフレーズは、限定的であることを意図したものではなく、むしろ、可能性のある実装態様の理解可能な説明を提供することを意図したものである。様々な実施形態が
図1~
図5に示されているが、当該実施形態は、図示された構造又は用途に限定されない。
【0098】
図におけるフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能性のある実装態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能命令を備える、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表し得る。本明細書の説明を考慮して、一部の代替的な実装態様では、ブロックに記載される機能は、図によって描写される順序と関係なく生じ得ることが当業者により理解される。例えば、連続して描写される2つのブロックは実際、実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは、関連する機能に応じて、逆順で実行され得る。
【0099】
上述のシステム、構成要素、及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現でき、1つの処理システム内の中央集中方式、又は様々な要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたって広がっている分散方式で実現できる。本明細書に記載される方法を実行するように構成された任意の種類の処理システム又は別の装置が好適である。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、ロード及び実行されると、処理システムが本明細書に記載される方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ可読プログラムコードを有する処理システムであり得る。システム、構成要素、及び/又はプロセスはまた、本明細書に記載される方法及びプロセスを行うために機械によって実行可能な命令のプログラムを有体的に具現化した、機械によって読み取り可能な、コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスなどのコンピュータ可読ストレージに組み込まれ得る。これらの要素はまた、本明細書に記載される方法の実装態様を可能にし、且つ処理システムでロードされると当該方法を実行することができる全ての特徴を備えるアプリケーション製品に組み込まれ得る。
【0100】
更に、本明細書に記載される機構は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化、例えば記憶された1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」というフレーズは、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は以上の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例は、非網羅的なリストに、以下のもの、すなわち、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM若しくはフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は以上の任意の好適な組み合わせを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はこれらとの関連で使用されるプログラムを含み得るか又は記憶し得る任意の有体の媒体であり得る。
【0101】
概して、本明細書で使用されるモジュールは、特定のタスクを行うか、又は特定のデータタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。更なる態様では、メモリは概して、このようなモジュールを記憶する。モジュールに関連付けられるメモリは、バッファであり得るか、又はプロセッサ内に組み込まれたキャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、フラッシュメモリ、若しくは別の好適な電子記憶媒体であり得る。また更なる態様では、本明細書で使用されるモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)として、システムオンチップ(SoC)のハードウェア構成要素として、プログラマブルロジックアレイ(PLA)として、又は本開示の機能を行うために定められた構成セット(例えば、命令)が組み込まれた別の好適なハードウェア構成要素として実装され得る。
【0102】
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、無線周波数(RF)など、又は以上の任意の好適な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。本開示の技術の態様についての動作を実行するコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得、当該1つ以上のプログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、又は同種のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行され得るか、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に実行され得るか、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得るか、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータへの接続が行われ得る。
【0103】
本明細書で使用される「1つ(a)」及び「1つ(an)」という用語は、1つ又は複数として定義される。本明細書で使用される「複数」という用語は、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも第2の又はより多くのものとして定義される。本明細書で使用される「含む」及び/又は「有する」という用語は、備える(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「...又は...のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、関連付けられた列挙事項のうちの1つ以上に関する任意の全ての可能性のある組み合わせを指し、当該組み合わせを包含する。例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はこれらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC、若しくはABC)を含む。
【0104】
本明細書における態様は、趣旨又はその本質的属性から逸脱することなく他の形態で具現化され得る。したがって、ここでの範囲を示すものとして、以上の明細書ではなく以下の特許請求の範囲を参照すべきである。
【外国語明細書】