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特開2024-160205軸方向-半径方向排気ディフューザを有するシステム及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160205
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】軸方向-半径方向排気ディフューザを有するシステム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/30 20060101AFI20241106BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
F01D25/30 B
F02C7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061946
(22)【出願日】2024-04-08
(31)【優先権主張番号】202311030098
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マドゥカクジ、フェリックス アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジョシー
(72)【発明者】
【氏名】バハドゥール、バラ ムラリダール シン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン、サンジーヴ クマール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】軸方向-半径方向排気ディフューザを有するシステム及びその使用方法を提供する。
【解決手段】システムは、軸方向-半径方向ディフューザ(24)と移行ダクト(26)とを有する排気ディフューザシステム(22)を含む。軸方向-半径方向ディフューザは、直列流れ順に、入口(284)、軸方向ディフューザ部分(240)、半径方向ディフューザ部分(242)、及び出口(286)を含み、入口は、ガスタービン装置に結合するように構成されている。軸方向-半径方向ディフューザに結合される移行ダクトは、軸方向-半径方向ディフューザから排熱回収蒸気発生器(HRSG)への流れ方向に拡大する断面積を有する。移行ダクトは、断面積の膨張率が異なる複数の膨張段(360、362、364)を含む。出口は、移行ダクトの吸気部分(360)の内側に配置され、移行ダクトは、HRSGに結合するように構成された排出部分(364)を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(10)であって、
排気ディフューザシステム(22)を含み、
排気ディフューザシステム(22)は、
入口(284)と、出口(286)と、入口(284)と出口(286)との間の軸方向ディフューザ部分(240)と、軸方向ディフューザ部分(240)と出口(286)との間の半径方向ディフューザ部分(242)と、中心軸(270)とを備え、入口(284)がガスタービンシステム(12)に結合するように構成されている、軸方向-半径方向ディフューザ(24)と、
軸方向-半径方向ディフューザ(24)に結合された移行ダクト(26)と、
を含み、
移行ダクト(26)は、軸方向-半径方向ディフューザ(24)からHRSG(16)への流れ方向に拡大する断面積を有し、
移行ダクト(26)は、断面積の拡大率が異なる複数の拡大段(360、362、364)を備え、
軸方向-半径方向ディフューザ(24)の出口(286)は、移行ダクト(26)の吸気部分(360)の内側に配置され、
移行ダクト(26)は、排熱回収蒸気発生器(HRSG)(16)に結合するように構成された排出部分(364)を備える、システム(10)。
【請求項2】
排気ディフューザシステム(22)に結合されたガスタービンシステム(12)、排気ディフューザシステム(22)に結合されたHRSG(16)、HRSG(16)の下流にガス捕捉システム(20)を有するガス処理システム(18)、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
半径方向ディフューザ部分(242)が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)の中心軸(270)に対して非対称である、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項4】
移行ダクト(26)が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)からHRSG(16)のダクト(252)まで上向きに傾斜している、請求項1記載のシステム(10)。
【請求項5】
吸気部(360)が、複数の膨張段(360、362、364)のうちの第1の膨張段を構成し、第1の膨張段が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)からHRSG(16)に向かう流れ方向において中心軸(270)から離れる方向に発散する、第1の頂部壁(378)、第1の底部壁(380)、及び第1の対向側壁(382、384)を構成する、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項6】
複数の膨張段(360、362、364)のうちの第2の膨張段(362)が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)の中心軸(270)から離れるように広がる第2の対向側壁(390、392)を含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項7】
排出部(364)が、複数の膨張段(360、362、364)のうちの第3の膨張段を構成し、第3の膨張段(364)が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)の中心軸(270)から離れるように広がる第3の対向側壁(398、400)を構成する、請求項6に記載のシステム(10)。
【請求項8】
第2の膨張段(362)が、中心軸(270)に対して上向きに傾斜している第2の上下壁(386、388)を含み、第3の膨張段(364)が、中心軸(270)に対して上向きに傾斜している第3の上下壁(394、396)を含む、請求項7に記載のシステム(10)。
【請求項9】
移行ダクト(26)が、移行ダクト(26)の側壁(374、376)から中心軸(24)に向かって半径方向距離(446)延びる複数の多孔バッフル(438、440)を備え、複数の多孔バッフル(438、440)の各々が、軸方向-半径方向ディフューザ(24)の中心軸(270)に対して鋭角(444)に配向され、半径方向距離(446)が、複数の多孔バッフル(438、440)の軸方向位置における側壁(374、376)と中心軸(270)との間の半径方向距離(448)の5~60パーセントである、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項10】
軸方向ディフューザ部分(240)が、中心軸(270)に関して配置された第1の内壁(290)と、第1の内壁(290)に関して配置された第1の外壁(292)と、第1の内壁と外壁(290、292)との間の第1の流路(294)とを有する第1の中心ハブ(288)を備え、
半径方向ディフューザ部分(242)は、中心軸(270)に関して配置された第2の内壁(304)と、第2の内壁(304)に関して配置された第2の外壁(306)と、第2の内壁と外壁(304、306)との間であって、第1の流路(294)に流体結合された第2の流路(308)と、を有する第2の中心ハブ(302)を備え、
半径方向ディフューザ部分(242)は、軸方向ディフューザ部分(240)から出口(286)に向かって中心軸(270)から離れるように外向きに回転する、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項11】
軸方向-半径方向ディフューザ(24)が、中心軸(270)に沿った第1の軸方向位置における第1の内壁と外壁(290、292)との間の第1の複数の半径方向支持体(280、296)と、中心軸(270)に沿った第2の軸方向位置における第2の内壁と外壁(304、306)との間の第2の複数の半径方向支持体(280、298、300)と、中心軸(270)に沿った第2の軸方向位置における第2の内壁と外壁(304、306)との間の第2の複数の半径方向支持体(280、298、300)とを備え、第2の複数の半径方向支持体(280、298、300)は、マンウェイを有する1つ又は複数の半径方向支持体(300)と、マンウェイを有しない1つ又は複数の半径方向支持体(298)とを備える、請求項10に記載のシステム(10)。
【請求項12】
第2の中央ハブ(302)の第2の内壁(304)が、多孔壁部分(460)を含む、請求項10に記載のシステム(10)。
【請求項13】
第2の中央ハブ(302)が、流路面積調整システム(260)の駆動部(262)に結合され、駆動部(262)が、第2の中央ハブ(302)を動かして、第2の内壁と外壁(304、306)との間の流れを調整するように構成されている、請求項10に記載のシステム(10)。
【請求項14】
半径方向ディフューザ部分(242)からベース(254)まで延びる第1及び第2の支持体(258)を有する支持構造(244)を備える、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項15】
ガスタービンシステム(12)からの排気ガスを、排気ディフューザシステム(22)の軸方向-半径方向ディフューザ(24)を通して拡散させるステップであって、軸方向-半径方向ディフューザ(24)が、入口(284)と、出口(286)と、入口(284)と出口(286)との間の軸方向ディフューザ部分(240)と、軸方向ディフューザ部分(240)と出口(286)との間の半径方向ディフューザ部分(242)とを備え、入口(284)がガスタービンシステム(12)に結合されている、前記ステップと、
排気ガスを半径方向ディフューザ部分(242)から排気ディフューザシステム(22)の移行ダクト(26)を介して排熱回収蒸気発生器(HRSG)(16)に移行させるステップと、
を含み、
移行ダクト(26)は、軸方向-半径方向ディフューザ(24)に結合され、
移行ダクト(26)は、軸方向-半径方向ディフューザ(24)からHRSG(16)への流れ方向に拡大する断面積を有し、
移行ダクト(26)は、断面積の膨張率が異なる複数の膨張段(360、362、364)を備え、
複数の膨張段(360、362、364)は、吸気部(360)と排出部(364)とを含み、
軸方向-半径方向ディフューザ(24)の出口(286)は、移行ダクト(26)の吸気部分(360)の内側に配置され、
移行ダクト(26)の排出部(364)は、HRSG(16)に連結される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年4月26日に出願されたインド出願第202311030098号(発明の名称は「SYSTEM HAVING AXIAL-RADIAL EXHAUST DIFFUSER AND METHOD OF USE」)の優先権及び利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般に、排熱回収蒸気発生器(HRSG:heat recovery steam generator)に供給するためにガスタービンシステムからの排ガスを拡散(diffuse:放散)するためのシステム及び方法に関する。
【0003】
コンバインドサイクル発電プラント(combined cycle power plant)は、ガスタービンシステムからの排ガスをHRSGに通し、HRSGが蒸気を生成して蒸気タービンシステムを駆動する。残念なことに、HRSGは、HRSGの上流での排気の拡散(exhaust diffusion)のために、ガスタービンシステムからかなり離れた場所に設置されることがあり、それにより、複合サイクル発電所の敷地内の貴重なスペースが消費される。地球温暖化に関する様々な規制や環境問題に伴い、排気ガス中に存在する望ましくないガスの出力を低減するためのガス処理装置を追加するための追加スペースが必要となる。例えば、望ましくないガスには、二酸化炭素(CO2)や一酸化炭素(CO)などの炭素酸化物(COX)、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物(NOX)、及び/又は二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOX)が含まれる。したがって、排気拡散のための空間消費を低減し、それによってガス処理のための利用可能な空間を増大させる必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本来請求される主題の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求される実施形態の範囲を限定することを意図したものではなく、むしろこれらの実施形態は、主題の可能な形態の簡単な要約を提供することのみを意図したものである。実際、現在特許請求される実施形態は、以下に記載される実施形態に類似するか又は異なる可能性のある様々な形態を包含し得る。
【0005】
システムは、軸方向-半径方向ディフューザ及び移行ダクトを有する排気ディフューザシステム(an axial-radial diffuser and a transition duct)を含む。軸方向-半径方向ディフューザは、入口と、出口と、入口と出口との間の軸方向ディフューザ部分と、軸方向ディフューザ部分と出口との間の半径方向ディフューザ部分とを含み、入口は、ガスタービンシステムに結合するように構成される。移行ダクト(transition duct)は、軸方向-半径方向ディフューザに結合され、出口は、移行ダクトの吸気部分の内側に配置され、移行ダクトは、排熱回収蒸気発生器(HRSG)に結合するように構成された排出部分を含む。
【0006】
方法は、排気ディフューザシステムの軸方向-半径方向ディフューザを通してガスタービンシステムからの排気ガスを拡散させる(diffusing an exhaust gas)ことを含む。軸方向-半径方向ディフューザは、入口と、出口と、入口と出口との間の軸方向ディフューザ部分と、軸方向ディフューザ部分と出口との間の半径方向ディフューザ部分とを含み、入口がガスタービンシステムに結合される。この方法はまた、排気ガスを半径方向ディフューザ部分から排気ディフューザシステムの移行ダクトを通して排熱回収蒸気発生器(HRSG)に移行させることを含む。移行ダクトは、軸方向-半径方向ディフューザに結合され、出口は、移行ダクトの吸気部分の内側に配置され、移行ダクトは、HRSGに結合された排出部分を含む。
【0007】
システムは、ガスタービンシステムと排熱回収蒸気発生器(HRSG)との間に取り付けられるように構成された排気ディフューザシステムを含む。排気ディフューザシステムは、中心軸の周りに配置された内壁と、内壁の周りに配置された外壁と、内壁と外壁との間の排気通路とを有する中心ハブを有する半径方向ディフューザ部分を含む。排気ディフューザシステムは、半径方向ディフューザ部分の中央ハブに結合された駆動部(drive:ドライブ)を有する流路面積調整システム(flow passage area adjustment system)を含む。排気ディフューザシステムはまた、駆動部に結合された制御装置を含み、制御装置は、半径方向ディフューザ部分を通る流れを調整するために半径方向ディフューザ部分の中央ハブを動かすように駆動部を制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
現在開示されているシステム及び技術のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、よりよく理解されるであろう。
図1】ガスタービンシステム、蒸気タービンシステム、排熱回収蒸気発生器(HRSG)、1つ又は複数のガス捕捉システム(gas capture systems)を有するガス処理システム、及び排気ディフューザシステムを有する複合サイクルシステムの一実施形態のブロック図である。
図2図1のHRSGに結合された排気ディフューザシステムの一実施形態の概略側面図である。
図3図1及び図2の排気ディフューザシステムの実施形態の概略側面図であり、排気ディフューザシステムの軸方向-半径方向ディフューザ及び移行ダクトの詳細をさらに示している。
図4図1~3の排気ディフューザシステムの一実施形態の概略上面図であり、排気ディフューザシステムの軸方向-半径方向ディフューザ及び移行ダクトの詳細をさらに示している。
図5図1~4の排気ディフューザシステムの一実施形態の部分概略側面図であり、排気ディフューザシステムの軸方向-半径方向ディフューザの半径方向ディフューザ部分及び移行ダクトの詳細をさらに示しており、半径方向ディフューザ部分は、中央ハブ内の穴あき壁部分を含む。
図6図1~4の排気ディフューザシステムの実施形態の部分概略側面図であり、軸方向-半径方向ディフューザの半径方向ディフューザ部分と排気ディフューザシステムの移行ダクトの詳細をさらに示しており、半径方向ディフューザ部分の中央ハブは、流路面積調整システム(flow passage area adjustment system)を介して移動可能である。
図7図1~6の排気ディフューザシステムの一実施形態の概略側面図であり、非対称構成(asymmetric configuration)を有する軸方向-半径方向ディフューザの半径方向ディフューザ部分の詳細をさらに示している。
図8図1図6の排気ディフューザシステムの一実施形態の概略側面図であり、S字湾曲プロファイルを有する軸方向-半径方向ディフューザの半径方向ディフューザ部分の詳細をさらに示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在開示されているシステム及び方法の1つ又は複数の具体的な実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するための努力において、実際の実装のすべての特徴は、本明細書には記載されない場合がある。このような実際の実装の開発においては、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトと同様に、システム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実装ごとに異なる多数の実装固有の決定を行わなければならないことが理解されるべきである。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとっては、設計、製造、及び製造の日常的な事業であることが理解されるべきである。
【0010】
現在開示されている様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又は複数が存在することを意味することを意図している。「含む:comprising」、「備える:including」、及び「有する:having」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0011】
開示される実施形態は、ガスタービンシステムと排熱回収蒸気発生器(HRSG)との間の軸方向-半径方向ディフューザを介した排気拡散のための空間消費を低減するシステム及び方法を含む。軸方向-半径方向ディフューザは、軸方向ディフューザに比べて相対的に長さが短いため、HRSGをガスタービンシステムに対してより近くに配置することができる。軸方向-半径方向ディフューザのスペース消費量が減ることで、ガス処理システムのためのスペースが増える。さらに、軸方向-半径方向ディフューザは、HRSGのチューブ(管、例えば、チューブバンドル:tube bundles)に向けられた排ガスの流れの均一性を実質的に改善することができ、それによりHRSGの効率を改善することができる。
【0012】
軸方向-半径方向ディフューザによって達成されるスペースの節約を利用して、開示される実施形態は、1つ又は複数のガス捕捉システムを介してガス処理システムを改善又は拡張することができる。ガス捕捉システムは、燃焼システムの吸気及び/又は排気ガスから望ましくないガス(例えば、CO2)を除去するように構成される。ガス捕捉システムは、吸着剤ベースのガス捕捉システム、溶媒ベースのガス捕捉システム、極低温ガス捕捉システム、又はそれらの組み合わせ(sorbent-based gas capture systems, solvent-based gas capture systems, cryogenic gas capture systems, or a combination thereof)を含むことができる。
【0013】
例えば、ガス捕捉システム(例えば、吸着剤ベースのガス捕捉システム)は、第1の温度(例えば、低温)で望ましくないガスを吸着し、第2の温度(例えば、高温)で望ましくないガスを脱着するための温度スイングに依存する1つ以上の温度スイング吸着(TSA:temperature swing adsorption)ユニット又は吸着器を含むことができる。例えば、吸着剤ベースのガス捕捉システムは、望ましくないガスを吸着剤材料に吸着させ、その後、熱源(例えば、HRSGからの蒸気、蒸気タービンシステムからの蒸気、又は他の蒸気源)を使用して吸着剤材料から望ましくないガスを脱着させるように構成される。吸着プロセスは発熱性であり、脱着プロセスは吸熱性である(The adsorption process is exothermic, while the desorption process is endothermic)。
【0014】
さらなる例では、溶媒ベースのガス捕捉システムは、望ましくないガスを溶媒に吸収するように構成された吸収器と、蒸気(例えば、HRSGからの蒸気、蒸気タービンシステムからの蒸気、又は他の蒸気源)を使用して溶媒から望ましくないガスを剥離するように構成された剥離器(stripper)とを含み得る。溶媒ベースのガス捕捉システムは、吸収流体として溶媒を使用するものとして議論されるが、開示される実施形態は、望ましくないガスを捕捉するための任意の適切な吸収流体を使用することができる。従って、溶媒ベースのガス捕捉システムはまた、流体吸収剤ベースのガス捕捉システムとして記載され得る。
【0015】
以下で議論されるように、軸方向-半径方向ディフューザは、スペースを節約する(例えば、排気拡散のためのフットプリントを低減する)ために使用され得、それによって、ガス処理システム(例えば、ガス捕捉システム)のための追加のスペースを提供する。具体例を以下に示すが、これに限定されないが、吸着剤ベースのガス捕捉システム、溶媒ベースのガス捕捉システム、及び極低温ガス捕捉システムを含むガス捕捉システムは、本発明の軸方向-半径方向ディフューザで達成されるスペースの節約を使用して、追加、拡張、及び/又は一般的に改良することができる。しかしながら、軸方向-半径方向ディフューザは、他の理由によっても省スペース化を提供することができる。
【0016】
図1は、ガスタービンシステム12、蒸気タービンシステム14、排熱回収蒸気発生器(HRSG)16、1つ又は複数のガス捕捉システム20を有するガス処理システム18、及び排気ディフューザシステム22を有する複合サイクルシステム10の一実施形態のブロック図である。ガス捕捉システム20は、排気ガス及び/又は空気などのガスから望ましくないガス(例えば、CO2)を捕捉するように構成される。後述するように、ガス捕捉システム20は、吸着剤ベースのガス捕捉システム、溶媒ベースのガス捕捉システム、極低温ガス捕捉システム(sorbent-based gas capture systems, solvent-based gas capture systems, and cryogenic gas capture systems)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。排気ディフューザシステム22は、移行ダクト26に結合された軸方向-半径方向ディフューザ24を含み、軸方向-半径方向ディフューザ24は、ガスタービンシステム12に結合され、移行ダクト26は、HRSG16に結合される。軸方向-半径方向ディフューザ24は、軸方向拡散及び半径方向拡散を介してガスタービンシステム12からの排気ガス152を拡散するように構成され、それにより、軸方向のみのディフューザに比べて、排気ディフューザシステム22の軸方向の長さ及び設置面積を低減する。さらに、移行ダクト26は、HRSG16への排気ガス152のより均一な流れを提供するのに役立つように、流量調整を通じて軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16へ排気ガス152を移行させるように構成される。
【0017】
ガス処理システム18及び排気ディフューザシステム22の詳細を論じる前に、複合サイクルシステム10の様々な態様をさらに詳細に論じる。図面における方向付けの目的で、軸方向又は軸30(an axial direction or axis 30)と、軸方向又は軸30から半径方向に離れて延びる半径方向又は軸32(a radial direction or axis 32)と、軸方向又は軸30の周りに円周方向に延びる円周方向又は軸34(a circumferential direction or axis 34)とを参照することができる。方向又は軸30、32、及び34は、例えば、ガスタービンシステム12の回転軸36を基準としてもよい。さらに、方向又は軸30、32、及び34は、排気ディフューザシステム22の中心軸(例えば、図3に示す軸270)を基準としてもよい。
【0018】
ガスタービンシステム12は、吸気部40、圧縮機又は圧縮機部42、燃焼器部44、ガス(膨張)タービン又はタービン部46、及び排気部48(an intake section 40, a compressor or compressor section 42, a combustor section 44, a gas (expansion) turbine or turbine section 46, and an exhaust section 48)を含むことができる。圧縮機部42は、回転軸36に沿って配置された少なくとも1つのシャフト50と、少なくとも1つのシャフト50に対して円周方向に配置されたケーシング52(例えば、環状ケーシング:annular casing)と、少なくとも1つのシャフト50から半径方向外側に延びる複数の回転圧縮機ブレード54と、ケーシング52から少なくとも1つのシャフト50に向かって半径方向内側に延びる複数の静止圧縮機ベーン56とを含むことができる。図示の実施形態では、圧縮機部42は、それぞれが、軸方向位置において少なくとも1つのシャフト50に対して周方向に間隔を空けて配置された複数の圧縮機ベーン56と、圧縮機ベーン56の軸方向位置にすぐ隣接する異なる軸方向位置において少なくとも1つのシャフト50に対して周方向に間隔を空けて配置された複数の圧縮機ブレード54とを有する(すなわち、圧縮機ベーン56と圧縮機ブレード58とは軸方向に間隔を空けて配置されている)複数の圧縮機ステージ58を含むことができる。従って、圧縮機部42は、吸気部40から吸気ガス60の流れを受け、複数の圧縮機ステージ58を介して吸気ガス60を漸進的に圧縮するように構成される。以下でさらに詳細に説明するように、吸気ガス60は、吸気、排気ガス再循環(EGR)流又は再循環排気ガス、又はそれらの組み合わせ(an intake air, an exhaust gas recirculation (EGR) flow or recirculated exhaust gas, or a combination thereof)を含むことができる。
【0019】
燃焼器部44は、回転軸36を中心として円周方向に配置された単一の環状燃焼器、又は回転軸36を中心として円周方向に間隔をおいて配置された複数の燃焼器62のような、1つ又は複数の燃焼器62を含むことができる。図示の実施形態では、各燃焼器62は、燃焼部66に結合されたヘッド端部64を含む。例示的な配置では、燃焼部66は、燃焼室68と、燃焼室68の周方向に配置された燃焼器ライナ70と、燃焼器ライナ70の周方向に配置されたフロースリーブ72と、燃焼器ライナ70とフロースリーブ72との間に延びる通路74とを含む。通路74は、ヘッド端部64に配置されたヘッド端部チャンバ(head end chamber)78に向かって上流方向76の圧縮ガス流を流すように構成されている。ヘッド端部チャンバ78と燃焼器62の燃焼チャンバ68とは、中間プレート80によって互いに分離又は分割されている。ヘッド端部チャンバ78では、複数の燃料ノズル82が中間プレート80とヘッド端部64の端部プレート84とに結合されている。作動時、各燃焼器62は、圧縮機部42から圧縮ガス86(例えば、空気、EGRなど)を受け取り、圧縮ガス86を通路74に沿って矢印76で示すようにヘッド端部チャンバ78の方へ導き、圧縮ガスを燃料ノズル82を通して燃焼室68に導く。
【0020】
特定の実施形態では、各燃焼器62は、燃料ノズル82に結合された燃料システム88から1つ又は複数の燃料流を受け取ることができ、燃料システム88は、1つ又は複数の燃料回路92に結合された燃料供給システム90を含む。例えば、燃料回路92は、燃料ノズル82の異なるセットに結合された燃料回路94、96、及び98を含むことができる。燃料回路92(例えば、94、96、及び98)は、燃料導管、燃料マニホールド、燃料弁、圧力調整器、及び他の流量制御器を含むことができる。燃料システム88は、液体燃料及び/又はガス燃料などの1つ又は複数の燃料を、燃焼室68に噴射するために燃料ノズル82のそれぞれに供給するように構成されている。燃料は、天然ガス、ガス化炉から生成された合成ガス、メタン、水素、バイオ燃料、燃料油、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。燃料供給システム90は、燃焼器62への様々な流体の流れを制御するための複数の構成要素を含むことができる。例えば、燃料供給システム90は、1つ以上の構成要素100を含むことができる。特定の実施形態では、構成要素100は、1つ以上の燃料タンク、燃料ポンプ、バルブ、圧力レギュレータ、流量レギュレータ、フィルタ、水除去ユニット、微粒子除去ユニット、マニホールド、流量コントローラ、又はそれらの任意の組み合わせ(one or more fuel tanks, fuel pumps, valves, pressure regulators, flow regulators, filters, water removal units, particulate removal units, manifolds, flow controllers, or any combination thereof)を含むことができる。
【0021】
燃料ノズル82は、燃料システム88から1つ以上の燃料を噴射し、圧縮機部42から圧縮ガス86を噴射するように構成されている。特定の実施形態では、燃料ノズル82は、電気モータ、燃焼エンジン、ガスタービンシステム12に結合されたシャフト、又は他の適切な駆動部(an electric motor, a combustion engine, a shaft coupled to the gas turbine system 12, or another suitable drive)などの駆動部110に結合された空気圧縮機108を有する圧縮機システム106から圧縮空気104を噴射するように構成される。圧縮機システム106は、周囲から及び/又は吸気部40から空気を受け取るように構成することができる。さらに、圧縮機システム106は、EGRモード又は非EGRモードなどの複数の動作モードを可能にするように構成されてもよい。
【0022】
例えば、排気ガス再循環(EGR)を有するガスタービンシステム12の特定の実施形態では、圧縮機部42は、圧縮ガス86(例えば、圧縮排気ガス)を各燃焼器62に供給し、圧縮機システム106は、圧縮空気104を各燃焼器62に供給する。さらなる例によって、排気ガス再循環(EGR)を伴わないガスタービンシステム12の特定の実施形態では、圧縮機部42は、追加の空気供給を必要とすることなく、圧縮ガス86(例えば、圧縮空気)を各燃焼器62に供給する。したがって、圧縮機システム106は、任意に、圧縮空気104を各燃焼器62に供給することができる。運転中、燃料は、各燃焼器62の燃焼室68で空気と共に燃焼され、それにより、燃焼室68からタービン部46に供給するための高温燃焼ガス112を生成することができる。
【0023】
タービン部46は、回転軸36に沿って配置された少なくとも1つのシャフト114と、少なくとも1つのシャフト114について周方向に配置されたケーシング116(例えば、環状ケーシング)と、少なくとも1つのシャフト114から半径方向外側に延びる複数の回転タービンブレード118と、ケーシング116から少なくとも1つのシャフト114に向かって半径方向内側に延びる複数の静止タービンベーン120とを含む。タービン部46は、複数のタービンステージ122を含むことができ、各タービンステージ122は、軸方向位置において少なくとも1つのシャフト114に対して周方向に間隔をあけて配置された複数のタービンベーン120と、タービンブレード118の軸方向位置にすぐ隣接する異なる軸方向位置において少なくとも1つのシャフト114に対して周方向に間隔をあけて配置された複数のタービンブレード118とを有する(すなわち、タービンベーン120とタービンブレード118とは軸方向に間隔をあけて配置されている)。少なくとも1つのシャフト114はまた、少なくとも1つの中間シャフト124を介して圧縮機部42の少なくとも1つのシャフト50に結合されてもよい。
【0024】
さらに、少なくとも1つのシャフト114は、シャフト128を介して負荷126に結合されてもよい。特定の実施形態では、負荷126は、発電機、機械、車両の推進システム、又は任意の他の適切な負荷を含むことができる。図示の実施形態では、負荷126は、複合サイクルシステム10が複合サイクル発電所であるように、発電機であってもよい。運転中、燃焼ガス112は燃焼器62からタービン部46に流入し、燃焼ガス112は徐々に膨張し、タービンステージ122の各々において少なくとも1つのシャフト114に結合されたタービンブレード118の回転を駆動する。したがって、燃焼ガス112はタービン部46を駆動し、タービン部46は、相互に連結されたシャフト50、124、114、128を介して圧縮機部42及び負荷126を駆動する。
【0025】
特定の実施形態では、ガスタービンシステム12は、シャフト50、114、124、及び128、並びに連結された圧縮機ブレード54及びタービンブレード118の共通の回転方向を有するように構成され得る。シャフト50、114、124、及び128は、フランジ付きジョイントなどのシャフト接続部によって取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、シャフトの数を減らすために、シャフトのいくつかを組み合わせることができる。例えば、図示されたシャフト50、114及び124のすべてが、時計回り又は反時計回りの回転方向などの共通の回転方向に回転する共通のシャフトを表してもよい。
【0026】
ガスタービンシステム12は、圧縮機システム106及び排気ガス再循環(EGR)システム150と共に構成することができ、又は圧縮機システム106及び排気ガス再循環(EGR)システム150を伴わずに構成することができる。EGRシステム150は、タービン部46によって出力された排気ガス152を、圧縮して燃焼器部44に供給するために(例えば、吸気部40を介して)圧縮機部42に再循環させるように構成される。しかしながら、ガスタービンシステム12は、EGRシステム150を除外し、圧縮機部42による圧縮のために空気流のみを吸気部40に吸入してもよい。
【0027】
EGRシステム150を有するガスタービンシステム12の特定の実施形態では、再循環排気ガス152は、吸気部40及び圧縮機部42の圧縮機ステージ58の各々を通って流れ、それにより、再循環排気ガスは、燃焼器部44に送達するための圧縮ガス86として圧縮される。さらに、燃焼器部44は、燃料ノズル82を介して圧縮機システム106の空気圧縮機108から圧縮空気104を受け取ることができる。燃焼器部44はまた、燃料ノズル82などを通じて燃料システム88から燃料を受け取る。燃料システム88からの燃料は、圧縮機システム106からの空気と燃焼して燃焼ガス112を生成し、この燃焼ガスはタービン部46を通って流れ、各タービンステージ122のタービンブレード118の回転を駆動する。再循環された排気ガスは、温度を下げ、燃焼器部44での燃焼に関連する特定の排出物(例えば、窒素酸化物(NOX))の形成を抑制するのに役立つ。
【0028】
EGRシステム150のないガスタービンシステム12の特定の実施形態では、圧縮機部42は、吸気部40から空気流を受け取り、圧縮機ステージ58を介して空気流を漸進的に圧縮し、圧縮された空気流を圧縮ガス86として燃焼器部44に送達する。圧縮された空気流は、燃料システム88からの燃料の燃焼を促進し、それによってタービン部46に供給するための高温燃焼ガス112を生成する。このような実施形態では、圧縮機システム106は、燃焼器部44に追加の圧縮空気104を供給するために除外されてもよく、含まれてもよい。構成にかかわらず(Regardless of the configuration)、燃焼ガス112は、タービンステージ122のタービンブレード118の回転を駆動し、それにより、圧縮機部42の少なくとも1つのシャフト50に結合された少なくとも1つのシャフト114と、負荷126を駆動するシャフト128とを回転させる。
【0029】
タービン部46によって出力された排気ガス152は、次いで、排気ディフューザシステム22を通過して、蒸気タービンシステム14のための蒸気を生成するために排気ガスから水への熱伝達のためにHRSG16に入ることができる。排気ディフューザシステム22の様々な態様については、以下で詳細に説明する。図示された実施形態では、HRSG16は、直列に配置された高圧セクション160、中間圧セクション162、及び低圧セクション164を含むことができ、それによって高圧蒸気166、中間圧蒸気168、及び低圧蒸気170を生成する。HRSG16は、セクション160、162、164のそれぞれに、エコノマイザ、蒸発器、過熱器、又はそれらの任意の組合せ(economizers, evaporators, superheaters, or any combination thereof)などの複数の構成要素を含むことができる。HRSG16の構成部品はまた、セクション160、162、164の各々に対して、熱交換器チューブバンドルなどのチューブバンドルを形成してもよい。HRSG16の構成部品は様々な導管やヘッダを介して結合されてもよい。特定の実施形態では、HRSG16の構成要素は、仕上げ高圧過熱器、二次再加熱器、一次再加熱器、一次高圧過熱器、段間アテネータ、高圧蒸発器、高圧エコノマイザ、中圧蒸発器、中圧エコノマイザ、低圧蒸発器、及び低圧エコノマイザ(a finishing high-pressure superheater, a secondary re-heater, a primary re-heater, a primary high-pressure superheater, an inter-stage attemperator, a high-pressure evaporator, a high-pressure economizer, an intermediate-pressure evaporator, an intermediate-pressure economizer, a low-pressure evaporator, and a low-pressure economizer)を含む。
【0030】
排熱回収蒸気発生器16は、高圧蒸気166を高圧蒸気タービン172に、中間圧蒸気168を中間圧蒸気タービン174に、及び低圧蒸気170を蒸気タービンシステム14の低圧蒸気タービン176に導くことができる。蒸気は、各蒸気タービン172、174、176内のブレードの回転を駆動し、それによって発電機などの負荷180に連結されたシャフト178を駆動する。低圧蒸気タービン176は復水(condensate)182をHRSG16の低圧セクション164に戻すこともできる。HRSG16は、排ガス152を部分的に冷却された排ガス184として出力し、この排ガスはガス処理システム18を通過する。
【0031】
上述したように、ガス処理システム18は、1つ又は複数のガス捕捉システム20を含む。例えば、ガス捕捉システム20は、それぞれが複数の構成要素(例えば、構成要素196、198、200、及び202)を有するガス捕捉システム190、192、及び194のいずれか1つ又は任意の組み合わせを含み得る。ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、吸気ガス60及び/又は排気ガス152、184から捕捉ガス204を得るように構成される。図示の実施形態では、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、二酸化炭素(CO2)を捕捉して捕捉ガス204として出力してもよく、この二酸化炭素(CO2)は、圧縮システム206にさらに向けられてもよい。例えば、圧縮システム206は、捕捉されたガス204(例えば、CO2)を圧縮し、捕捉されたガスを貯蔵及び/又はパイプライン208に供給するように構成された1つ以上の圧縮機を含むことができる。
【0032】
ガス捕捉システム190は、吸気から望ましくないガスを捕捉するために、吸気部40に、吸気部40内に、又は吸気部40の上流に配置(disposed at, in, or upstream of the intake section 40)される。したがって、ガス捕捉システム190は、直接空気捕捉(DAC:direct air capture)システムとして記載され得る。ガス捕捉システム192及び194は、排気ガス152、184から望ましくないガスを捕捉するために、ガスタービンシステム12及び/又はHRSG16の下流に配置される。ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、吸着剤ベースのガス捕捉システム、溶媒ベースのガス捕捉システム、低温ガス捕捉システム、又はそれらの任意の組合せを含むことができ、望ましくないガスを除去及び捕捉するように構成される。
【0033】
特定の実施形態では、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、炭素酸化物(COX)(例えば、二酸化炭素(CO2)及び一酸化炭素(CO))などの望ましくないガスを除去及び捕捉するように構成され得、したがって、ガス捕捉システム20は、炭素捕捉システムとして記載され得る。特定の実施形態では、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、窒素酸化物(NOX)(例えば、二酸化窒素(NO2))などの望ましくないガスを除去及び捕捉するように構成されてもよく、したがって、ガス捕捉システム20は、NOX捕捉システムとして記載されてもよい。特定の実施形態では、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、硫黄酸化物(SOX)(例えば、二酸化硫黄(SO2))などの望ましくないガスを除去及び捕捉するように構成されてもよく、したがって、ガス捕捉システム20は、SOX捕捉システムとして記載されてもよい。以下の議論では、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)は、一例として吸着材を使用する吸着材ベースの炭素捕捉システム、及び/又は一例として液体吸着材(例えば、溶媒)を使用する溶媒ベースの炭素捕捉システムとして説明される場合がある。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、上述のように、任意のタイプ又は構成の気体捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)を使用することができる。
【0034】
ガス捕捉システム20の各々(例えば、190、192、及び194)は、吸着剤ベースのガス捕捉システム、溶媒ベースのガス捕捉システム、極低温ガス捕捉システム、又はそれらの任意の組合せをサポートする構成要素など、ガス捕捉システム20のタイプ及び構成をサポートするのに適した構成要素196、198、200、及び202を含み得る。例えば、構成要素196、198、200、及び202は、吸着剤材料を有する吸着器、溶媒ベースの吸着器及びストリッパー、熱交換器、極低温システム、又はそれらの任意の組み合わせ(adsorbers having sorbent materials, solvent-based absorbers and strippers, heat exchangers, cryogenic systems, or any combination thereof)を含むことができる。さらに、1つ又は複数の構成要素210、212、及び214が、ガス捕捉システム192及び194の上流に配置されてもよく、例えば、ドライヤ又は水除去システム(例えば、水ガス分離器:water gas separator)、微粒子除去システム(例えば、フィルタ及び/又は固体ガス分離器:filter and/or solid gas separator)、1つ又は複数のブースターファン、1つ又は複数の冷却器(例えば、直接接触冷却器(DCC:direct contact cooler))、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0035】
特定の実施形態では、排気ガス184は、部分的又は全体的にガス処理システム18をバイパスしてEGRシステム150に流れてもよく、及び/又は排気ガス184は、EGRシステム150に流れる前に、部分的又は全体的にガス処理システム18を通って流れてもよい。EGRシステム150は、排気ガス152、184(例えば、EGR流)の少なくとも一部を、圧縮機部42を通る再循環のために吸気部40に供給するように構成された、1つ以上の導管、弁、流量制御器、冷却器、送風機、又はそれらの任意の組み合わせ(one or more conduits, valves, flow controls, coolers, blowers, or any combination thereof)を含むことができる。冷却器は、圧縮機部42に再循環する前に、排気ガス152、184をより低い温度(例えば、ほぼ周囲温度)まで冷却するように構成されてもよい。送風機は、排気ガス152、184の圧力及び流量を増加させて、EGRシステム150における圧力損失を克服するのを助ける(help overcome pressure losses)ように構成され得る。
【0036】
図示された実施形態では、複合サイクルシステム10は、ガスタービンシステム12、蒸気タービンシステム14、HRSG16、ガス処理システム18、燃料システム88、EGRシステム150、圧縮システム106、及び複合サイクルシステム10全体に分散された様々なセンサ222に結合されたコントローラ(制御装置)220も含む。図示の実施形態では、コントローラ220は、1つ又は複数のプロセッサ224と、メモリ226と、メモリ226上に記憶され、プロセッサ224によって実行可能な命令228と、センサ222及び複合サイクルシステム10全体の様々な機器と通信するように構成された通信回路230とを含む。例えば、コントローラ220は、燃料システム88から燃焼器部44内の燃料ノズル82への燃料供給及び分配を制御するように構成される。特定の実施形態では、コントローラ220は、動作モード(例えば、吸着モード及び脱着モード)を制御すること、ガス捕捉システム20を通る様々な流体の流れを制御すること、又はそれらの任意の組み合わせによって、ガス捕捉システム20(例えば、190、192、及び194)の動作を制御するように構成される。
【0037】
センサ222(「S」で指定される)は、複合サイクルシステム10の様々な動作パラメータを監視するように構成される。特定の実施形態では、センサ222は、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、流体組成センサ(例えば、ガス組成センサ)、振動センサ、クリアランスセンサ、速度センサ、湿度及び/又は水分センサ、又はそれらの任意の組合せ(temperature sensors, pressure sensors, flow rate sensors, fluid composition sensors (e.g. gas composition sensors), vibration sensors, clearance sensors, speed sensors, humidity and/or moisture sensors, or any combination thereof)を含む。センサ222は、圧縮機部42、燃焼器部44、タービン部46、ガス処理システム18、又はそれらの任意の組み合わせの1つ以上の位置におけるパラメータ(例えば、温度、圧力、流量、及び流体組成)を監視することができる。
【0038】
例えば、センサ222は、圧縮機パラメータ(例えば、圧縮機部42の入口と出口との間の圧力比)、燃焼ガスパラメータ(例えば、発射温度及び燃焼ダイナミクス)、タービンパラメータ(例えば、各タービンステージ、タービン入口、及びタービン排気における温度及び圧力)、及び排気ガス排出を監視することができる。さらなる例として、センサ222によって監視される排気ガス排出物は、二酸化炭素(CO2)及び一酸化炭素(CO)などの炭素酸化物(COX)、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物(NOX)、二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOX)、未燃炭化水素、粒子状物質、及び他の望ましくない排気ガス排出物を 含むことができる。さらなる例として、センサ222は、吸着剤ベースのガス捕捉システムにおける吸着剤の温度、溶媒ベースのガス捕捉システムにおける溶媒の温度、又はそれらの組み合わせを監視することができる。センサ222からのフィードバックに応答して、コントローラ220は、ガス捕捉システム20の動作モード、流体の流れ、加熱、冷却、又はそれらの任意の組み合わせを調整することができる。
【0039】
上述したように、複合サイクルシステム10は、ガスタービンシステム12とHRSG16との間に配置された排気ディフューザシステム22を含む。軸方向-半径方向ディフューザ24は、ガスタービンシステム12から分離されて概略的に示されているが、軸方向-半径方向ディフューザ24は、タービン部46においてガスタービンシステム12に取り付けられてもよい。例えば、軸方向-半径方向ディフューザ24は、タービン部46の回転軸と同軸のガスタービンシステム12の後部フレームに直接的又は間接的に取り付けることができる。軸方向-半径方向ディフューザ24は、半径方向ディフューザ部分(radial diffuser portion)242に結合された軸方向ディフューザ部分(axial diffuser portion)240を含む。軸方向-半径方向ディフューザ24は、移行ダクト26内にも部分的に延びている。例えば、半径方向ディフューザ部分242と、いくつかの実施形態では軸方向ディフューザ部分240の一部は、移行ダクト26内に延びている。軸方向-半径方向ディフューザ24はまた、支持構造244によって支持されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、半径方向ディフューザ部分242は、半径方向ディフューザ部分242を通って移行ダクト26に流入する流れを調整する(例えば、増減する)ように構成された流路面積調整システム、半径方向ディフューザ部分242の中心領域を通る排気ガス152の一部をバイパスするように構成された1つ以上の多孔壁(one or more perforated walls)、又はそれらの組み合わせを備える。さらに、いくつかの実施形態では、半径方向ディフューザ部分242は、軸方向-半径方向ディフューザ24の中心軸に対して対称又は非対称であってもよい。例えば、半径方向ディフューザ部分242は、移行ダクト26内への、及び移行ダクト26を通る排気ガス152の分配を制御するのを助けるために非対称であってもよく、それによって、HRSG16内のチューブバンドルへの排気ガス152のより均一な流れを提供するのを助ける。さらに、移行ダクト26は、HRSG16に入る前に排気ガス152を調整するための様々な流れ調整機能を含むことができる。排気ディフューザシステム22の様々な態様及び実施形態は、以下でさらに詳細に議論される。
【0041】
図2は、図1のHRSG16に結合された排気ディフューザシステム22の実施形態の概略側面図である。図示されるように、軸方向-半径方向ディフューザ24は、半径方向ディフューザ部分242に結合された軸方向ディフューザ部分240を含み、軸方向-半径方向ディフューザ24は、移行ダクト26内に部分的に延在する。軸方向ディフューザ部分240は、軸方向-半径方向ディフューザ24をガスタービンシステム12のタービン部46に結合するように構成されたタービン結合部又はマウント246を含む。例えば、タービンマウント246は、軸方向ディフューザ部分240とタービン部46との間の取り外し可能なマウント(例えば、ボルトで固定された重なり合う壁又はフランジ:overlapping walls or flanges bolted together)を含むことができる。半径方向ディフューザ部分242は、軸方向-半径方向ディフューザ24を移行ダクト26に結合するように構成されたダクト結合部又はマウント248を含む。例えば、ダクトマウント248は、半径方向ディフューザ部分242と移行ダクト26との間の固定マウント(例えば、溶接コネクタ:welded connector)又は取り外し可能マウント(例えば、ボルトで固定された重なり合う壁又はフランジ)を含むことができる。移行ダクト26は、移行ダクト26をHRSG16のダクト252に結合するように構成されたダクト結合部又はマウント250を含むことができる。例えば、ダクトマウント250は、移行ダクト26とHRSG16のダクト252との間に、固定マウント(例えば、溶接コネクタ)又は取り外し可能マウント(例えば、ボルト止めされた重なり合う壁又はフランジ)を含むことができる。図示された実施形態では、HRSG16のダクト252は高圧セクション160、中間圧セクション162、及び低圧セクション164を収容し、これらは上述したように様々なチューブバンドル及び構成要素を含むことができる。
【0042】
排気ディフューザシステム22は、マウント246、248、250及び支持構造244で支持される。マウント246、248、及び250はまた、タービン部46からHRSG16への排気ガス152の密閉された流路を提供するための密閉された接続部を提供し、一方、軸方向-半径方向ディフューザ24は、排気ガス152及び移行ダクト26の状態を拡散し、排気ガス152をHRSG16のダクト252内により均一に分配する。支持構造244は、軸方向-半径方向ディフューザ24と、周囲の構造体及び/又は基部254とに結合される。例えば、支持構造244は、複数の支持体258を有するフレームワーク256を介して、軸方向ディフューザ部分240、半径方向ディフューザ部分242、又はそれらの組合せに結合されてもよい。図示の実施形態では、枠組み256は、半径方向ディフューザ部分242に結合された1つ以上の支持体258を有する。支持体258は、支柱、ロッド、アーム、脚、又はそれらの任意の組み合わせ(struts, rods, arms, legs, or any combination thereof)を含むことができる。支持体258は、基部254に対して外向きに及び/又は下向きに延びることがあり、したがって、脚部として記載されることがある。特定の実施形態では、支持体258は、垂直支持体、水平支持体、鋭角支持体、又はそれらの任意の組み合わせ(vertical supports, horizontal supports, acutely angled supports, or any combination thereof)を含むことができる。基部254は、地面に沿ったコンクリート支持パッドのような地面ベースを含んでもよい。支持体258は、軸方向ディフューザ部分240及び/又は半径方向ディフューザ部分242などの軸方向-半径方向ディフューザ24の支持及び/又は位置決めを調整するように構成された固定支持部及び/又は調整可能支持部を含んでよい。
【0043】
図示された実施形態では、排気ディフューザシステム22は、トランスミッション(transmission)264に結合されたアクチュエータ又は駆動部262(an actuator or drive 262)を有する流路面積調整システム260を含み、この流路面積調整システム262は、排気ガス152の流路面積を調整し、したがって排気ガス152の分布を調整するために半径方向ディフューザ部分242の一部を移動させるように構成されている。図示の実施形態では、トランスミッション264は、支持構造244の支持体258に結合されている。しかしながら、トランスミッション264は、半径方向ディフューザ部分242に直接及び/又は間接的に結合されてもよい。駆動部262は、電気駆動部(例えば、電気モータ)、流体駆動部(例えば、液圧駆動部及び/又は空気圧駆動部)、手動駆動部、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。駆動部262はまた、コントローラ220に結合されてもよく、このコントローラ220は、駆動部262を調整して、半径方向ディフューザ部242を通る排気ガス152の流れを変更(例えば、増減)するように構成されてもよい。流路面積調整システム260については、以下でさらに詳細に説明する。
【0044】
図3は、図1及び図2の排気ディフューザシステム22の実施形態の概略側面図であり、排気ディフューザシステム22の軸方向-半径方向ディフューザ24及び移行ダクト26の詳細をさらに示している。排気ディフューザシステム22は、図1及び図2を参照して上述したものと同じであり、したがって、図3では、同様の要素番号が使用されている。軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270に沿って軸方向に延びており、この中心軸270は、ガスタービンシステム12の回転軸36と軸方向に整列していてもよい。例えば、軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270と同軸又は同心であってもよい。特定の実施形態では、軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270に関して完全に対称であってもよいし、中心軸270に関して完全に非対称であってもよいし、中心軸270に関して対称及び非対称の組み合わせであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、軸方向ディフューザ部分240は中心軸270に関して対称であり、半径方向ディフューザ部分242は中心軸270に関して非対称である。
【0045】
図3に示されるように、軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270を中心として円周方向に配置された内壁274と、中心軸270及び内壁274を中心として円周方向に配置された外壁276と、内壁274と外壁276との間に配置された流路278と、内壁274と外壁276との間に延在する複数の半径方向支持体280とを有する中心ハブ272を含む。特定の実施形態では、内壁274及び外壁276は、入口284から出口286まで軸方向-半径方向ディフューザ24の流路278を通る排気ガス152の流れ方向282において直径が徐々に変化する環状壁である。流路278は、入口284から出口286までの流れ方向282において断面積(例えば、中心軸270に垂直な断面積)が徐々に大きくなる環状の流路であってもよい。さらに、流路278は、軸方向ディフューザ部分240では、中心軸270に沿って実質的に直線状又は軸方向に向いている場合があり、一方、流路278は、半径方向ディフューザ部分242では、中心軸270から離れて半径方向外側に曲がっている場合がある。入口284は、内壁274と外壁276との間に形成された環状の入口又は開口であってもよい。例えば、入口284は、ガスタービンシステム12のタービン部46の環状出口と位置合わせされ、流体的に結合されてもよい。同様に、出口286は、内壁274と外壁276との間に形成された環状の出口又は開口であってもよい。しかしながら、出口286は、中心軸270から移行ダクト26内へ半径方向外側に向いていてもよい。
【0046】
半径方向支持体280は、円筒形支持体又は環状支持体、翼形支持体、又はそれらの任意の組合せ(cylindrical or annular supports, airfoil shaped supports, or any combination thereof)を含むことができる。さらに、半径方向支持体280は、中実の支持体(すなわち、非中空の支持体)、中空の支持体、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。半径方向支持体280は、内壁274と外壁276との間の中心軸270に関する異なる周方向位置、中心軸270に沿った異なる軸方向位置、又はそれらの任意の組み合わせに配置されてもよい。さらに、半径方向支持体280は、中心軸270に関する異なる周方向位置において、均一又は不均一に間隔を空けて配置されてもよい。集合的に、中央ハブ272、内壁274、外壁276、流路278、及び半径方向支持部280は、軸方向ディフューザ24の軸方向ディフューザ部分240及び半径方向ディフューザ部分242の両方を画定する。
【0047】
図示された実施形態では、軸方向ディフューザ部分240及び半径方向ディフューザ部分242の各々は、中央ハブ272、内壁274、外壁276、流路278、及び半径方向支持部280の部分を含む。例えば、軸方向ディフューザ部分240は、中心軸270を中心として円周方向に配置された内壁290(例えば、内壁274の内壁部分)を有する中心ハブ288(例えば、中心ハブ272の中心ハブ部分)と、外壁292(例えば、外壁276の外壁部分)と、中心軸270及び内壁290の周方向に配置された外壁292(例えば、外壁276の外壁部分)と、内壁290及び外壁292の間に配置された流路294(例えば、流路278の流路部分)と、内壁290及び外壁292の間に延びる複数の半径方向支持体296、298、及び300(例えば、各々が半径方向支持体280の一部分)とを有する。
【0048】
さらなる例によって、半径方向ディフューザ部分242は、中心軸270を中心として円周方向に配置された内壁304(例えば、内壁274の内壁部分)を有する中心ハブ302(例えば、中心ハブ272の中心ハブ部分)と、中心軸270及び内壁304を中心として円周方向に配置された外壁306(例えば、外壁276の外壁部分)と、中心軸270及び内壁304の周方向に配置された外壁306(例えば、外壁276の外壁部分)と、内壁304と外壁306との間に配置された流路308(例えば、流路278の流路部分)とを有する。図示の実施形態では、半径方向ディフューザ部分242は、内壁304と外壁306との間に延びる半径方向支持部280を除外している。しかしながら、いくつかの実施形態では、半径方向ディフューザ部分242は、内壁304と外壁306との間に延びる1つ以上の半径方向支持部280を含む。
【0049】
特定の実施形態では、軸方向ディフューザ部分240及び半径方向ディフューザ部分242は、単一の連続構造として一体的に形成されるか、固定的に結合されるか、又は取り外し可能に結合される。例えば、中央ハブ272の中央ハブ288及び302は、中央ハブインターフェース310において互いに隣接して配置されてもよく、内壁274の内壁290及び304は、内壁インターフェース312において互いに隣接して配置されてもよく、外壁276の外壁292及び306は、外壁インターフェース314において互いに隣接して配置されてもよい。特定の実施形態では、中央ハブインターフェース310は、中央ハブ302の中央フランジ又はプレート318に軸方向に対向する中央ハブ288の中央フランジ又はプレート316を有する。中央プレート316及び318は、固定的に結合(例えば、溶接接合:welded joint)及び/又は取り外し可能に結合(例えば、ねじ込み式ファスナ:threaded fasteners)され得る。
【0050】
内壁インターフェース312は、内壁290及び304が中心軸270を中心として周方向に結合されている(例えば、環状結合:annular coupling)。特定の実施形態では、内壁290及び304は、内壁274として1つの連続片として一体的に形成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、内壁290及び304は、固定的に結合され(例えば、溶接継手:welded joint)、及び/又は取り外し可能に結合され(例えば、ねじ留め、支持構造244及び流路面積調整システム260による支持など)、内壁290及び304は、内壁インターフェース312において、直接隣接し、軸方向に重なり、及び/又はフランジ状継手(flanged joints)によって支持されてもよい。
【0051】
外壁インターフェース314は、外壁292及び306が中心軸270を中心として周方向に結合されている(例えば、環状結合)。特定の実施形態では、外壁292及び306は、外壁276として1つの連続片として一体的に形成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、外壁292及び306は、固定的に結合されてもよく(例えば、溶接継手)、及び/又は取り外し可能に結合されてもよく(例えば、ねじ込み式ファスナ:threaded fasteners)、ここで、外壁292及び306は、外壁インターフェース314において、直接的に隣接してもよく、軸方向に重なってもよく、及び/又はフランジ状継手によって支持されてもよい。
【0052】
軸方向ディフューザ部分240において、内壁290及び外壁292(例えば、環状壁)は、概して、入口284から半径方向ディフューザ部分242に向かう流れ方向282において互いに相対的に発散する(generally diverge relative to one another)。内壁290及び外壁292の発散は、流れ方向282における流路294の断面積の漸増を引き起こし、それにより、軸方向30における排気ガス152の流れを拡大及び拡散するのに役立つ。図示された実施形態では、内壁290(例えば、環状壁)は、流れ方向282において内壁320に続いて内壁322を含み(includes an inner wall 320 followed by an inner wall 322)、内壁320は、一定の直径又は円筒状の壁であり、内壁322は、可変直径又はテーパ状の環状壁である。例えば、内壁322は、フラストコニカル壁、湾曲環状壁(例えば、流れ方向282の湾曲プロファイルに沿って可変直径)、又はそれらの組み合わせ(a frustoconical wall, a curved annular wall (e.g., variable diameter along a curved profile in the flow direction 282), or a combination thereof)を含むことができる。さらなる例では、内壁322は、流れ方向282において直径が徐々に減少し(例えば、中心軸270に向かって収束し)、それによって、流路278の断面積を増大させるのに役立つ。
【0053】
さらに、軸方向ディフューザ部分240において、外壁292(例えば、環状壁)は、流れ方向282において外壁324に続いて外壁326を含み、外壁324及び326の各々は、可変直径又はテーパ環状壁(a variable diameter or tapered annular wall)である。例えば、外壁324及び326の各々は、フラストコニカル壁、湾曲環状壁(例えば、流れ方向282の湾曲プロファイルに沿った可変直径)、又はそれらの組み合わせ(a frustoconical wall, a curved annular wall (e.g., variable diameter along a curved profile in the flow direction 282), or a combination thereof)を含むことができる。外壁324及び326はまた、中心軸270に対して異なる角度をなすことができる。例えば、外壁324と中心軸270との間の第1の角度328は、外壁326と中心軸270との間の第2の角度330よりも大きくてもよい。図示の実施形態では、外壁324は内壁320に沿って延び、外壁326は内壁320と内壁322の両方に沿って延びている。集合的に、内壁290及び外壁292は、軸方向ディフューザ部分240を通る流路278(例えば、拡大する環状流路)の徐々に増加する断面積を規定する。図示の実施形態では、内壁290及び外壁292は、中心軸270に関して対称(例えば、同心:concentric)である。
【0054】
さらに、軸方向ディフューザ部分240において、半径方向支持体280は、様々な構成を含み得る。特定の実施形態では、半径方向支持体296は、中心軸270に沿った第1の軸方向位置332において内壁290と外壁292との間に延在する複数の翼形状の支持体(airfoil shaped supports)を含み、半径方向支持体296は、中実及び/又は中空であってもよく、半径方向支持体296は、中心軸270に関して周方向に一様又は非一様に間隔を空けて配置されてもよい。特定の実施形態において、半径方向支持体296の断面積は、半径方向32において、内壁290から外壁292に向かって増大し得る。加えて、特定の実施形態において、上流縁又は前縁(upstream or leading edge)295は、内壁290から外壁292への半径方向32において、各放射状支持体296の下流縁又は後縁(downstream or trailing edge)297から乖離(diverge)していてもよい。例えば、前縁295は、中心軸270に対して垂直であってもよく、一方、後縁297は、内壁290から外壁292に向かう下流方向において鋭角(例えば、60~80度)に傾斜していてもよい。
【0055】
半径方向支持体298及び300は、中心軸270に沿った第2の軸方向位置334(例えば、第1の軸方向位置の下流)に配置されてもよく、半径方向支持体298及び300は、中心軸270を中心とする異なる周方向位置に配置される。例えば、半径方向支持体298は、流路278の上側部分(upper portion)336において半径方向支持体300の鉛直上方に配置されてもよく、一方、半径方向支持体300は、流路278の下側部分(lower portion)338において半径方向支持体298の鉛直下方に配置されてもよい。しかしながら、半径方向支持体298及び300には、任意の周方向間隔を使用することができる。図示された実施形態では、半径方向支持体298は、半径方向支持体300よりも小さいサイズであってもよく、及び/又は、半径方向支持体300とは異なる構造であってもよい。例えば、半径方向支持体298の幅、直径、又は断面積340は、半径方向支持体300の対応する幅、直径、又は断面積342の10、20、30、40、又は50パーセント未満であってもよい。
【0056】
さらなる例によって、放射状支持体298は、中実の支持体(すなわち、中実の内部、非中空の、マンウェイなしの:solid interior, non-hollow, without manway)であってもよく、一方、放射状支持体300は、中空の支持体(すなわち、マンウェイ付きの中空の内部344:hollow interior 344 with manway)であってもよい。放射状支持体300(例えば、中空内部344)は、マンウェイ支持体としても機能し得、このマンウェイ支持体は、点検、保守、及び修理のために、中空内部344(例えば、貫通通路:through passage)を通してユーザがアクセスすることを可能にする。特定の実施形態において、半径方向支持体298及び300の断面積は、内壁290から外壁292まで半径方向32において一定又は可変(例えば、増加又は減少)であってもよい。さらに、特定の実施形態では、半径方向支持体298及び300は、中心軸270に対して垂直及び/又は鋭角(例えば、60~80度)であってもよい。しかしながら、図示された実施形態において、半径方向支持体298及び300は、一定の断面積及び鋭角を有し、この鋭角は、内壁290から外壁292への下流方向に向いている。
【0057】
半径方向ディフューザ部分242において、内壁304及び外壁306(例えば、環状壁)は、概して、軸方向ディフューザ部分240から出口286に向かって流れ方向282において互いに相対的に発散し、一方、内壁304及び外壁306はまた、軸方向30から半径方向32に向かって徐々に旋回(gradually turn)する。内壁304及び外壁306の発散は、流れ方向282における流路308の断面積の漸増を引き起こし、それにより、排気ガス152の流れの拡大及び拡散を助ける。図示された実施形態において、内壁304は、可変直径又はテーパ状内側環状壁であり、外壁306は、可変直径又はテーパ状外側環状壁である。特定の実施形態において、内壁304及び外壁306の各々は、フラストコニカル壁、湾曲環状壁(例えば、流れ方向282の湾曲プロファイルに沿って可変直径)、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0058】
例えば、内壁304は、湾曲した内側環状壁を画定する第1の曲率半径を含むことができ、一方、外壁306は、湾曲した外側環状壁を画定する第2の曲率半径を含むことができる。第1及び第2の半径は、流路308の拡大断面積を規定するために互いに異なっていてもよい。例えば、第1の半径は第2の半径よりも大きくてもよい。さらに、第1及び第2の曲率半径は、流れ方向282において一定又は可変であってもよく、第1及び第2の曲率半径は、中心軸270を中心とする円周方向において一定又は可変であってもよい。
【0059】
図示された実施形態では、内壁304及び外壁306の各々は、軸方向ディフューザ部分240から出口286まで連続的に旋回又は湾曲し、それにより、排気ガス152の流れを軸方向30から半径方向32に向かって徐々に旋回させて、移行ダクト26内への排気ガス152の半径方向拡散を促進する。図示された内壁304及び外壁306は、半径方向ディフューザ部分242が、中心軸270と内壁304及び外壁306の間の軸348との間の角度346で配向された出口286に達するまで回転する。特定の実施形態では、角度346は、30~90度、40~70度、又は50~60度、又は50~60度の範囲など、少なくとも30度、40度、50度、60度、70度、又は80度に等しいか、又はそれより大きくてもよい。
【0060】
半径方向ディフューザ部分242は、固定形状又は可変形状を含むことができる。例えば、半径方向ディフューザ部分242は、流路面積調整システム260を介して実現される可変形状及び流路面積を含み得る。上述したように、流路面積調整システム260は、トランスミッション264に結合された駆動部262を含み、トランスミッション264は、半径方向ディフューザ部分242の中央ハブ302に直接的又は間接的に結合されている。例えば、トランスミッション264は、支持構造244を介して中央ハブ302に間接的に結合されてもよい。特定の連結にかかわらず、トランスミッション264は、駆動部262によって駆動され、半径方向ディフューザ部分242の中央ハブ302を中心軸270に沿って矢印350で示すように軸方向30に移動させる。
【0061】
動作において(In operation:運転時に)、コントローラ220による制御に応答して、流路面積調整システム260は、中央ハブ302(内壁304を含む)を軸方向30に軸方向ディフューザ部分240から離れる方向(すなわち、流れ方向282に対して下流側)に移動させて、内壁304と外壁306との間の離間距離及び断面積を増大させ、それによって、半径方向ディフューザ部分242を通る排気ガス152の流路面積を増大させるように構成される。さらに、コントローラ220による制御に応答して、流路面積調整システム260は、中央ハブ302(内壁304を含む)を軸方向30に軸方向ディフューザ部240に向かって(すなわち、流れ方向282に対して上流に向かって)移動させて、内壁304と外壁306との間の離間距離及び断面積を減少させ、それによって、半径方向ディフューザ部242を通る排気ガス152の流路面積を減少させるように構成される。例えば、流路面積調整システム260は、半径方向ディフューザ部分242を通る流路面積を調整して、移行ダクト26内への排気分配を変化させるのを助け、移行ダクト26を通る拡散及び/又は流動調整を変化させるのを助けるように構成され得る。
【0062】
移行ダクト26は、複数の膨張段(expansion stages)360、362、及び364を含み、それぞれが断面積を膨張させ、排気ガス152の流れを軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16のダクト252に移行させる。例えば、膨張段360、362、及び364は、断面積の膨張率が異なって(different rates of expansion of the cross-sectional area)いてもよい。特定の実施形態では、移行ダクト26は、膨張段360、362、及び364を通じて徐々に増大する矩形の断面積を有する矩形ダクト(rectangular duct)である。特定の実施形態では、膨張段360は、吸気部分(例えば、ディフューザ出力受入部分)として記載されることがあり、膨張段364は、排出部分(例えば、移行ダクト出力部分又はHRSG接続部分)として記載されることがあり、膨張段362は、吸気部分と排出部分との間の中間ダクト部分として記載されることがある。
【0063】
図示されているように、移行ダクト26は、開口部368(例えば、環状開口部)を有する上流側又は前壁366を含み、軸方向-半径方向ディフューザ24は、開口部368を通って移行ダクト26内に延びており、軸方向-半径方向ディフューザ24の外壁276(例えば、半径方向ディフューザ部分242の外壁306)は、ダクトマウント248において前壁366に結合されている。移行ダクト26は、移行ダクト26の前壁366に結合され、移行ダクト26の前壁366からHRSG16のダクト252の前壁まで延びる頂部壁370、底部壁372、及び対向側壁374、376(図4参照)を含む。頂部壁370、底部壁372、及び対向する側壁374、376は、移行ダクト26の矩形の周囲を画定するように結合される。図示された実施形態では、頂部壁370、底部壁372、及び対向側壁374、376は、一般に、軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16に向かって分岐し、旋回する(the top wall 370, the bottom wall 372, and the opposite side walls 374 and 376 generally diverge and turn from the axial-radial diffuser 24 to the HRSG 16)。
【0064】
図示された実施形態では、膨張段360、362、及び364の各々は、頂部壁370、底部壁372、及び対向側壁374及び376の部分を含む。例えば、膨張段360は、頂部壁378(例えば、頂部壁370の上壁部分:top wall portion of top wall 370)、底部壁380(例えば、底部壁372の底部壁部分:bottom wall portion of bottom wall 372)、及び軸方向30に第1の軸方向距離385にわたって延びる対向側壁382及び384(例えば、側壁374及び376の側壁部分、図4参照)を含む第1の段壁を含む。膨張段362は、頂部壁386(例えば、頂部壁370の上壁部分:top wall portion of top wall 370)と、底部壁388(例えば、底部壁372の底部壁部分:bottom wall portion of bottom wall 372)と、軸方向30に第2の軸方向距離393にわたって延びる対向側壁390及び392(例えば、側壁374及び376の側壁部分:side wall portions of side walls 374 and 376、図4参照)とを含む第2の段壁を含む。膨張段(expansion stage)364は、頂部壁394(例えば、頂部壁370の頂部壁部分)、底部壁396(例えば、底部壁372の底部壁部分)、及び軸方向30に第3の軸方向距離401にわたって延びる対向側壁398及び400(例えば、側壁374及び376の側壁部分、図4参照)を含む第3の段壁を含む。側壁374及び376(例えば、側壁382、384、390、392、398、及び400)は、一般に、図4を参照してさらに詳細に後述するように、軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16に向かう流れ方向において中心軸270から離れて発散する。さらに、頂部壁370及び底部壁372は、一般に、軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16に向かう上向き方向に回転する。
【0065】
膨張段360において、頂部壁378は、中心軸270に対して角度402で配向され、底部壁380は、中心軸270に対して角度406で配向された底部壁部分404を含み、底部壁380は、中心軸270に平行な底部壁部分408を含む。角度402及び406は、互いに同じであっても異なっていてもよく、角度402は、中心軸270から離れるように上向きに配向され、角度406は、HRSG16に向かう軸方向30において中心軸270から離れるように下向きに配向される。換言すれば、頂部壁部378及び底部壁部分404は、一般に、HRSG16に向かう軸方向30において、中心軸270から離れるように、かつ互いに離れるように発散する。特定の実施形態において、角度402は、角度406よりも大きくてもよいし、角度406よりも小さくてもよい。例えば、角度402は約20~50度の間であってもよく、角度406は約10~40度の間であってもよい。
【0066】
頂部壁378は、膨張段360の第1の軸方向距離385にわたって延在し、底部壁部分404及び408は、集合的に膨張段360の第1の軸方向距離385にわたって延在する。さらに、移行ダクト26の膨張段360は、出口286を含む半径方向ディフューザ部分242と重なる第1の軸方向距離385にわたって延びている。図示された実施形態では、出口286は、概して、頂部壁370及び底部壁372に向かって斜めに向けられる。頂部壁378及び底部壁部分404は、排気ガス152を移行ダクト26内に拡散させるのを助けるために、出口286の近傍で概して発散し、一方、底部壁部分408は、膨張段362及び364において上方傾斜への頂部壁370及び底部壁372の移行を開始するために平行である。図4に示されるように、側壁382及び384も膨張段360において分岐する。集合的に、頂部壁378、底部壁部分404、及び側壁382及び384(図4参照)は、排気ガス152を移行ダクト26内に拡散させ均一に分配するのを助けるために、拡大する断面積を提供する。
【0067】
膨張段362において、頂部壁386は、中心軸270に対して角度410で方向付けられ、底部壁388は、中心軸270に対して角度412で方向付けられる。角度410及び412は、互いに同じであっても異なっていてもよく、角度410は、中心軸270から離れるように上向きに配向され、角度412は、HRSG16に向かう軸方向30において中心軸270に向かって上向きに配向される。したがって、膨張段362に沿った移行ダクト26は、中心軸270に対して傾斜又は角度が付けられている(例えば、上方に傾斜又は角度が付けられている)と表現することができる。換言すれば、頂部壁386及び底部壁388は、概して、移行ダクト26を上方に角度を付けた方向(例えば、角度410及び412)に回して、排気ガス152の流れを半径方向ディフューザ部分242からHRSG16に向かって上方に角度を付けた方向(例えば、排気ガス152の上方に角度を付けた流路)に回す。
【0068】
特定の実施形態では、角度410は、角度412よりも大きくてもよいし、角度412よりも小さくてもよい。例えば、角度410は約25~65度の間であってもよく、角度412は約20~60度の間であってもよい。さらに、頂部壁386の角度410は、頂部壁378の角度402よりも大きくてもよく、例えば、角度402よりも少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15度大きくてもよい。同様に、底部壁388の角度412は、頂部壁378の角度402よりも大きくてもよく、例えば、角度402よりも少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15度大きい。
【0069】
図4に図示されているように、側壁390及び392も膨張段362において発散する。集合的に、膨張段362は、頂部壁386及び底部壁388によって上向きに角度を付けられ、反対側の側壁390及び392によって発散する流路を提供し、それによって、半径方向ディフューザ部242の出口286から排気ガス152を受け入れる膨張段360から下流の排気ガス152の流れをさらに拡散させ、均一に分散させるのに役立つ。
【0070】
膨張段364では、頂部壁394は、中心軸270に対して角度414で方向付けられ、底部壁396は、中心軸270に対して角度416で方向付けられる。角度414及び416は、互いに同じであっても異なっていてもよく、角度414は、中心軸270から離れるように上向きに配向され、角度416は、HRSG16に向かう軸方向30において中心軸270に向かって上向きに配向される。したがって、膨張段364に沿った移行ダクト26は、中心軸270に対して傾斜又は角度がつけられている(例えば、上方に傾斜又は角度がつけられている)と表現することができる。換言すれば、頂部壁394及び底部壁396は、一般に、移行ダクト26を上方に角度を付けた方向(例えば、角度414及び416)に回して、排気ガス152の流れを半径方向ディフューザ部分242からHRSG16に向かって上方に角度を付けた方向(例えば、排気ガス152の上方に角度を付けた流路)に回す。
【0071】
特定の実施形態では、角度414は、角度416よりも大きくてもよいし、角度416よりも小さくてもよい。例えば、角度414は、約35度から75度の間であってよく、角度416は、約20度から60度の間であってよく、角度414は、角度416よりも少なくとも1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、又は15度大きくてもよい。さらに、頂部壁394の角度414は、頂部壁378の角度402及び頂部壁386の角度410よりも大きくてもよい。例えば、頂部壁394の角度414は、角度410よりも少なくとも1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、又は15度大きくてもよい。底部壁396の角度416は、底部壁388の角度412に等しいか、それより小さいか、又はそれより大きくてもよい。
【0072】
図4に図示されているように、側壁398及び400はまた、膨張段364において発散する。集合的に、膨張段364は、上壁394及び底部壁396によって上方に角度を付けられ、反対側の側壁398及び400によって発散する流路を提供し、それによって、膨張段364から下流に、HRSG16のダクト252内に排気ガス152の流れをさらに拡散させ、均一に分配するのに役立つ。軸方向-半径方向ディフューザ24及び移行ダクト26の追加の態様については、図4を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0073】
図4は、図1~3の排気ディフューザシステム22の実施形態の概略上面図であり、排気ディフューザシステム22の軸方向-半径方向ディフューザ24及び移行ダクト26の詳細をさらに示している。排気ディフューザシステム22は、図1~3を参照して上述したものと同じであり、したがって、図4では、同様の要素番号が使用される。軸方向-半径方向ディフューザ24の半径方向支持体280、支持構造244、移行ダクト26の側壁374及び376、ならびに移行ダクト26内の内部特徴の追加の態様については、以下で詳細に説明する。
【0074】
図4に図示されているように、半径方向支持体280(例えば、296、298、及び300)は、内壁290から外壁292に向かって反対側の半径方向32(例えば、反対側の横方向)に延びている。上述したように、半径方向支持体280は、半径方向支持体296、298、及び300の任意の数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上)及び構成(例えば、対称又は非対称)を含み得る。図示された実施形態では、放射状支持体298及び300は、中心軸270と放射状支持体298及び300の中心軸422との間の角度420で配向されてもよい。例えば、角度420は、60~80度の鋭角であってもよい。さらに、放射状支持体298及び300は、同じ又は異なる角度420、中心軸270に沿った軸方向30における同じ又は異なる軸方向位置、中心軸34を中心とする周方向34における同じ又は異なる周方向位置、又はそれらの任意の組み合わせで配向されてもよい。特定の実施形態では、半径方向支持体298及び300の少なくとも一部は、半径方向支持体298が半径方向支持体300を通って内部に延在する入れ子構成で配置されてもよく、及び/又は、半径方向支持体298及び300の少なくとも一部は、軸方向-半径方向ディフューザ24内で独立して(例えば、周方向に間隔を空けて)配置されてもよい。
【0075】
支持構造244は、移行ダクト26の側壁374及び376に向かって及び/又は側壁374及び376を越えて反対方向に横方向に延びる複数の支持体258を有するフレームワーク256を含む。例えば、複数の支持体258は、半径方向ディフューザ部分242の中央ハブ302と基部254との間で、移行ダクト26の内部を通って及び/又は外部に向かって延びることができる(図2及び図3参照)。複数の支持体258は、基部254に対して水平な支持体、垂直な支持体、及び/又は角度の付いた支持体(例えば、鋭角な支持体)を含むことができる。図4に示されるように、複数の支持体258は、半径方向ディフューザ部分242の内壁304から、出口286を通って、移行ダクト26を通って(例えば、1つ以上の壁を通って)、基部254まで延びてよい。特定の実施形態では、上記で詳細に説明したように、支持構造244は、半径方向ディフューザ部分242を固定位置に保持し、かつ/又は、半径方向ディフューザ部分242を通る排気ガス152の流路面積を調整するために、流路面積調整システム260(図2及び図3を参照)を介して中央ハブ302の移動を可能にするように構成されてもよい。
【0076】
移行ダクト26の側壁374及び376は、一般に、移行ダクト26の出口424(例えば、矩形出口)に向かって、軸方向-半径方向ディフューザ24からの排気ガス152の流れの下流方向において中心軸270から離れて発散する。図示された実施形態では、側壁382及び384は、中心軸270に対して角度426で配向され、側壁390及び392は、中心軸270に対して角度428で配向され、側壁398及び400は、中心軸270に対して角度430で配向される。角度426、428、及び430は、互いに同じであっても異なっていてもよい(例えば、より大きくても小さくてもよい)。図示された実施形態では、角度426は、角度428及び430よりも大きく、それによって、半径方向ディフューザ部分242の出口286の周りに配置された膨張段360における排気ガス152のより急速な膨張を提供する。例えば、角度426は、角度428及び430よりも少なくとも5度、10度、15度、20度、25度、又は30度大きくてもよい。角度428は、角度430と同じでも異なっていてもよい(例えば、角度430より大きくても小さくてもよい)。特定の実施形態では、角度426は、約20~60度、25~50度、又は30~40度であってよく、角度428及び430は、約5~40度、10~30度、又は15~25度であってよい。
【0077】
角度426、428、及び430に加えて、膨張段360、362、及び364の軸方向長さ385、393、及び401は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、より大きくてもよいし、より小さくてもよい)。例えば、膨張段360の軸方向長さ385は、膨張段362の軸方向長さ393、及び/又は膨張段364の軸方向長さ401と等しくてもよく、これよりも大きくてもよく、これよりも小さくてもよい。膨張段362の軸方向長さ393は、膨張段360の軸方向長さ385、及び/又は膨張段364の軸方向長さ401に等しいか、それより大きいか、又はそれより小さい。膨張段364の軸方向長さ401は、膨張段360の軸方向長さ385及び/又は膨張段364の軸方向長さ393に等しくてもよく、これよりも大きくてもよく、これよりも小さくてもよい。図示の実施形態では、膨張段360の軸方向長さ385は、膨張段360の軸方向長さ385及び膨張段364の軸方向長さ401のそれぞれよりも大きく、膨張段362の軸方向長さ393は、膨張段364の軸方向長さ401よりも大きい。
【0078】
移行ダクト26はまた、対向側壁374及び376に結合されたフローコンディショナ434及び436のような1つ以上の内部フローコンディショナ(internal flow conditioners)432を含むことができる。図示された実施形態では、内部フローコンディショナ432(例えば、フローコンディショナ434及び436)は、膨張段362の対向側壁398及び400に結合されている。しかしながら、内部フローコンディショナ432は、膨張段360、362、及び364の各々に配置され、壁(例えば、上部、底部、及び側壁)のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせに結合された1つ又は複数のフローコンディショナを含むことができる。内部フローコンディショナ432(例えば、フローコンディショナ434及び436)は、多孔バッフル(perforated baffles:穴あきバッフル)438及び440を通る排気ガス152の少なくともいくらかの流れを可能にするために、複数の開口部を有する多孔バッフル438及び440(例えば、多孔プレート:perforated plates)を含むことができる。開口部は、直径1~50mmの大きさの数百又は数千の開口部を含むことができる。
【0079】
多孔バッフル438及び440は、側壁374及び376(例えば、側壁398及び400)に対して、20~90度、30~85度、40~80度、又は50~75度の間などの角度442で配向され得る。例えば、角度442は、少なくとも20度、30度、40度、50度、60度、70度、又は80度に等しいか、又はそれより大きくてもよい。多孔バッフル438及び440はまた、中心軸270に対して角度444、例えば、10~70度、20~60度、又は30~50度の間の鋭角で配向されてもよい。角度444は、移行ダクト26の出口424に向かう下流方向に配向され得る。
【0080】
多孔バッフル438及び440はまた、側壁398及び400から中心軸270に向かって半径方向32に半径方向距離446を延びることができる。多孔バッフル438及び440の半径方向距離446は、多孔バッフル438及び440の位置における側壁398及び400と中心軸270との間の半径方向距離448の5~60パーセント、10~50パーセント、又は15~40パーセントの間であってよい。動作において、多孔バッフル438及び440は、排気ガス152の流れの少なくとも一部を側壁374及び376から移行ダクト26の中央領域450に向かって方向転換させるのを助けるように構成され、中央領域450は、中心軸270を含むか、又は中心軸270上を横切る。しかしながら、多孔バッフル438及び440の開口部は、排気ガス152の流れの一部が多孔バッフル438及び440を通過して側壁374及び376に沿って流れることを依然として許容する。したがって、多孔バッフル438及び440は、排出口424からHRSG16に排出される前に、排気ガス152のより均一な分散した流れを提供するのに役立つように構成される。
【0081】
図5は、図1~4の排気ディフューザシステム22の一実施形態の部分概略側面図であり、排気ディフューザシステム22の軸方向-半径方向ディフューザ24の半径方向ディフューザ部分242及び移行ダクト26の詳細をさらに示しており、半径方向ディフューザ部分242は、中央ハブ302の多孔壁部分460を含む。特定の実施形態では、図1~4の中央ハブ302は、多孔壁部分460を含んでも含まなくてもよい。図5に示されるように、多孔壁部分460は、中央ハブ302の内壁304に設けられた多孔壁部分462と、中央端板466に設けられた多孔壁部分464とを含む。
【0082】
多孔壁部分462は、内壁304の環状壁部分(例えば、湾曲した環状壁部分:curved annular wall portion)を含んでもよく、多孔壁部分462は、複数の穿孔又は開口(perforations or openings)468を含む。同様に、多孔壁部分464は、中央端板(central end plate)466の円板状部分を含むことができ、多孔壁部分464は、複数の穿孔又は開口470を含む。作動中、排気ガス152の流れの一部は、多孔壁部分462の開口468を通って、中央ハブ302の内部の中央キャビティ又は通路(central cavity or passage)472を通って、中央端板466の開口470を通って、移行ダクト26の中央領域450に向かって流れ出ることができる。従って、多孔壁部460(例えば、多孔壁部462及び464)は、排気ガス152の少なくとも一部を中央領域450に導き、それにより、中央ハブ302の下流の中央領域450における低速度領域を回避するのに役立つ。従って、多孔壁部460(例えば、多孔壁部462及び464)は、排気ガス152を移行ダクト26全体により均一に分配するのに役立つ。
【0083】
多孔壁部分460(例えば、多孔壁部分462及び464)は、開口部468及び470の任意の数、サイズ、及び形状を含み得る。例えば、開口部468及び470は、少なくとも10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、又はそれ以上の開口部を含むことができる。開口部468及び470は、1~10mmの間の大きさであってよい。開口部468及び470は、円形、楕円形、正方形、三角形、又は任意の他の形状の開口部を含んでよい。いくつかの実施形態では、中央ハブ302は、中央端板466の代わりに単一の大きな開口を有するように、中央端板466を除外することができる。
【0084】
図6は、図1~4の排気ディフューザシステム22の実施形態の部分概略側面図であり、排気ディフューザシステム22の軸方向-半径方向ディフューザ24の半径方向ディフューザ部分242及び移行ダクト26の詳細をさらに示しており、半径方向ディフューザ部分242の中央ハブ302は、流路面積調整システム260を介して移動可能(すなわち、軸方向に並進可能)である。図示の実施形態では、中央ハブ302は、流路面積調整装置260のトランスミッション264を介して駆動部262に(例えば、直接的又は間接的に)結合されている。上述したように、トランスミッション264は、中央ハブ302に直接結合されてもよいし、支持構造244を介して間接的に結合されてもよい。しかしながら、いずれの構成においても、駆動部262は、トランスミッション264を介して運動を中央ハブ302に伝達するようにコントローラ220によって制御され、それによって、軸方向オフセット距離484によって示されるように、軸方向ディフューザ部分240に隣接する第1の位置480と軸方向ディフューザ部分240から軸方向にオフセットされた第2の位置482との間での中央ハブ302の軸方向移動を可能にする。中央ハブ302が第1の位置480から第2の位置482に向かって軸方向に移動するにつれて、半径方向ディフューザ部242の内壁302と外壁306とによって画定される断面積486が増大し、半径方向ディフューザ部242を通る流路面積が増大する。中央ハブ302が第2の位置482から第1の位置480に向かって軸方向に移動すると、断面積486が減少して半径方向ディフューザ部分242を通る流路面積が減少する。従って、コントローラ220は、流路面積調整システム260の駆動部262を制御して、半径方向ディフューザ部分242を通って移行ダクト26内への流路面積を調整し、それによって、移行ダクト26内への排気ガスの分配を調整し、移行ダクト26を通る拡散及び/又は流れの調整を助けることができる。
【0085】
図7は、軸方向-半径方向ディフューザ24の半径方向ディフューザ部分242の詳細をさらに示す、図1~6の排気ディフューザシステムの実施形態の概略側面図である。別段の記載又は図示がない限り、軸方向-半径方向ディフューザ24は、図1図6を参照して上述したものと同じであり、したがって、図7では、同様の要素番号が使用されている。図7に示されるように、軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270を中心とする非対称構成490を有し、第1の部分492(例えば、上側部分)は、中心軸270の反対側で第2の部分494(例えば、下側部分)と異なる。例えば、流路278が、第1の部分492内の第1の通路部分496(例えば、上側通路部分)と第2の部分494内の第2の通路部分498(例えば、下側通路部分)とを含むように、第1の部分492と第2の部分494との間で異なっていてもよい。
【0086】
図示された実施形態では、半径方向ディフューザ部分242は、中心軸270を中心とする周方向34に、内壁304と外壁306との間の距離500、内壁304の曲率半径502、外壁の曲率半径504、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない複数の幾何学的変化(例えば、漸進的又は連続的に変化する:progressively or continuously changing)を含み得る。特定の実施形態では、距離500は、外壁306に垂直で内壁304まで延びる線に沿って測定され得る。しかしながら、出口286において、距離500は、外壁306の端部から内壁304の端部まで測定されてもよい。中心軸270に沿った任意の特定の軸方向位置において、内壁304と外壁306との間の距離500は、中心軸270を中心とする円周方向34において交互に増加及び減少してもよい。特定の実施形態では、距離500は、第1の部分492において最小に達し、第2の部分494において最大に達することがある。例えば、出口486において、距離500は、第2の部分494における最大値とは正反対に、第1の部分492における最小値であってもよい。
【0087】
距離500の変動は、内壁304の半径502の変動及び/又は外壁306の半径504の変動によって少なくとも部分的に達成され得る。いくつかの実施形態では、中心軸270に沿った任意の特定の軸方向位置において、内壁304の半径502は可変である一方で外壁306の半径504は中心軸270を中心とする周方向34において一定であってもよく、又は内壁304の半径502は一定である一方で外壁306の半径504は中心軸270を中心とする周方向34において可変であってもよい。図示の実施形態では、距離500は可変であり、内壁304の半径502は、中心軸270を中心とする円周方向34において可変であり、通路278及び出口286が第1の部分492及び第2の部分494(例えば、上部及び下部)の間で変化するようになっている。例えば、第1の部分492(例えば、上側部分)における通路278の出口286及び第1の通路部分496は、第2の部分494(例えば、下側部分494)における出口286及び第2の通路部分498と比較して、より小さいか、又は、より制限され得る。
【0088】
距離500及び内壁304の半径502の変動はまた、中央端部プレート466が中心軸270に対して角度506で配向されることをもたらす可能性がある。例えば、中央端部プレート466は、第1の部分492から第2の部分494に向かって下流方向に角度を付けられてもよく、角度506は、60度から85度の間、又は65度から75度の間の鋭角であってもよい。従って、中央端部プレート466は、傾斜した中央端部プレートとして記載され得る。
【0089】
全体として、図7の軸方向-半径方向ディフューザ24の非対称構成490は、排気ガス152の流れを移行ダクト26の下部に向かってより多く分配し、排気ガス152の流れを移行ダクト26の上部に向かってより少なく分配して、排気ガス152を移行ダクト26全体により均一に拡散及び分配するのを助けるように構成され得る。いくつかの実施形態では、軸方向-半径方向ディフューザ24は、図7の非対称構成490を、逆方向(例えば、中心軸270を中心に180度回転した方向)又は横方向(例えば、中心軸270を中心に90度回転した方向)で使用してもよい。図7の軸方向-半径方向ディフューザ24は、図1図8を参照して本明細書に図示及び説明される排気ディフューザシステム22のすべての態様と共に使用され得る。
【0090】
図8は、軸方向-半径方向ディフューザ24の半径方向ディフューザ部分242の詳細をさらに示す、図1~6の排気ディフューザシステムの実施形態の概略側面図である。別段の記載又は図示がない限り、軸方向-半径方向ディフューザ24は、図1図6を参照して上述したものと同じであり、したがって、図8では、同様の要素番号が使用されている。図8に示されるように、軸方向-半径方向ディフューザ24は、中心軸270を中心とするS字湾曲プロファイル520を有し、S字湾曲プロファイル520は、中心軸270を中心とする周方向34に延びる内壁304の内側S字湾曲プロファイル522及び外壁306の外側S字湾曲プロファイル524を含む。内側S字カーブ形状522は、中心軸270に沿った流れ方向282において、外側にカーブした又は凸状の形状528に移行する内側にカーブした又は凹状の形状526を含み、内側S字カーブ形状522(例えば、形状526及び528を有する)は、中心軸270を中心とする円周方向34に延びる。同様に、外側S字湾曲プロファイル524は、中心軸270に沿った流れ方向282において外側湾曲プロファイル又は凸状のプロファイル532に移行する内側湾曲プロファイル又は凹状のプロファイル530を含み、外側S字湾曲プロファイル524(例えば、プロファイル530及び532を有する)は、中心軸270を中心とする円周方向34に延びる。特定の実施形態では、内側及び外側S字湾曲プロファイル522及び524は、中心軸270に関して対称である。しかしながら、いくつかの実施形態では、内側及び外側のS字湾曲プロファイル522及び524は、図7の非対称構成490との組み合わせなど、中心軸270に関して非対称である。
【0091】
動作において(In operation:運転中において)、内側及び外側S字湾曲プロファイル522及び524の内側に湾曲したプロファイル526及び530は、軸方向ディフューザ部分240からの排気ガス152の最初の半径方向拡散を提供するように構成されることがあり、一方、内側及び外側S字湾曲プロファイル522及び524の外側に湾曲したプロファイル528及び532は、半径方向拡散を継続し、移行ダクト26の膨張段360への排出のために排気ガス152の流れの移行を開始するように構成されることがある。換言すれば、内側に湾曲したプロファイル526及び530は、軸方向30から半径方向32に向かって排気ガス152の流れを転向させるように構成されてもよく、外側に湾曲したプロファイル528及び532は、半径方向32から軸方向30に向かって排気ガス152の流れを転向させるように構成されてもよい。図示の実施形態では、内壁304の半径502は、内側に湾曲したプロファイル526に続いて外側に湾曲したプロファイル528に沿って流れ方向282に連続的に変化してもよく、外壁306の半径504は、内側に湾曲したプロファイル530に続いて外側に湾曲したプロファイル532に沿って流れ方向282に連続的に変化してもよい。図8の軸方向-半径方向ディフューザ24は、図1図7を参照して本明細書に図示及び説明される排気ディフューザシステム22のすべての態様と共に使用され得る。
【0092】
本発明の技術的効果は、移行ダクト26に結合された軸方向-半径方向ディフューザ24を有する排気ディフューザシステム22を含み、この排気ディフューザシステム22は、ガスタービン装置12とHRSG16との間の排気ガス152を、様々なガス処理装置のためのスペースを確保するために、縮小された設置面積で拡散させるのに役立つ。排気ディフューザシステム22の実施形態は、軸方向ディフューザのみではなく、軸方向-半径方向ディフューザ24を使用することにより、長さが短縮されている。軸方向-半径方向ディフューザ24は、半径方向ディフューザ部分242の中央ハブ302に結合された流路面積調整システム260を介するなどして、移行ダクト24内への流路面積及び排気ガス分布を調整するように調整可能であってもよい。半径方向ディフューザ部分242はまた、半径方向ディフューザ部分242から下流の低流速領域を回避するための多孔壁部分460、移行ダクト26内への排気ガス152の分配を助けるための非対称構成490、及び半径方向ディフューザ部分242から移行ダクト26内への排気ガス152の流れの移行を助けるように構成されたS字カーブ形状520を含むことができる。移行ダクト26はまた、軸方向-半径方向ディフューザ24からHRSG16への排気ガス152の流れを徐々に膨張させて旋回させるように構成された複数の膨張段360、362、及び364を含んでもよい。移行ダクト26はまた、排気ガス152の流れを移行ダクト26の壁から遠ざけ、排気ガス152の流れをHRSG16から上流により均一に分配するのを助けるように構成された内部フローコンディショナ432を含んでもよい。
【0093】
上記で詳細に説明した主題は、以下に示すように、1つ又は複数の条項によって定義することができる。
[実施形態1]
システムは、軸方向-半径方向ディフューザ及び移行ダクトを有する排気ディフューザシステムを含む。前記軸方向-半径方向ディフューザは、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間の軸方向ディフューザ部分と、前記軸方向ディフューザ部分と前記出口との間の半径方向ディフューザ部分とを含み、前記入口は、ガスタービンシステムに結合するように構成される。移行ダクトは、前記軸方向-半径方向ディフューザに結合され、前記出口は、前記移行ダクトの吸気部分の内側に配置され、前記移行ダクトは、排熱回収蒸気発生器(HRSG)に結合するように構成された排出部分を含む。
[実施形態2]
前記排気ディフューザシステムに結合された前記ガスタービンシステム、前記排気ディフューザシステムに結合された前記HRSG、前記HRSGの下流にガス捕捉システムを有するガス処理システム、又はそれらの組合せを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態3]
前記移行ダクトが、前記軸方向-半径方向ディフューザから前記HRSGのダクトまで上向きに傾斜している、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態4]
前記移行ダクトが、前記軸方向-半径方向ディフューザから前記HRSGへの流れ方向に拡大する断面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態5]
前記移行ダクトが、断面積の異なる膨張率を有する複数の膨張段を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態6]
前記吸気部が、前記複数の膨張段のうちの第1の膨張段を含み、前記第1の膨張段に沿った前記移行ダクトの第1の段の壁が、中心軸の周りで前記軸方向-半径方向ディフューザの中心軸から離れて発散する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態7]
前記第1の段の壁は、第1の頂部壁、第1の底部壁、及び中心軸から離れて発散する第1の対向する側壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態8]
前記複数の膨張段のうちの第2の膨張段が、中心軸から離れて発散する第2の対向側壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態9]
前記排出部は、前記複数の膨張段のうちの第3の膨張段を含み、前記第3の膨張段は、前記中心軸から離れて発散する第3の対向側壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態10]
前記第2の膨張段が、中心軸に対して上方に傾斜している第2の頂部及び底部壁を含み、前記第3の膨張段が、中心軸に対して上方に傾斜している第3の頂部及び底部壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態11]
前記移行ダクトが、前記軸方向-半径方向ディフューザの中心軸に対して鋭角に配向された複数の多孔バッフルを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態12]
前記軸方向ディフューザ部分が、中心軸の周りに配置された第1の内壁、第1の内壁の周りに配置された第1の外壁、及び、第1の内壁と外壁との間の第1の排気通路を有する第1の中心ハブを含み、前記半径方向ディフューザ部分が、中心軸の周りに配置された第2の内壁を有する第2の中心ハブを含み、第2の内壁の周りに配置された第2の外壁と、第2の内壁と外壁の間にあり、第1の排気通路に流体連通している第2の排気通路と、を有し、半径方向ディフューザ部分は、軸方向ディフューザ部分から出口まで、中心軸から離れる方向に外向きに回転する、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態13]
前記軸方向ディフューザ部分が、中心軸に沿った第1の軸方向位置における第1の内壁と外壁との間の第1の複数の半径方向支持体と、中心軸に沿った第2の軸方向位置における第2の内壁と外壁との間の第2の複数の半径方向支持体とを含み、前記第2の複数の半径方向支持体が、マンウェイを有する1つ又は複数の半径方向支持体と、マンウェイを有さない1つ又は複数の半径方向支持体とを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態14]
前記半径方向ディフューザ部分から基部まで延びる支持構造を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態15]
前記支持構造が、第2の中央ハブからベースまで延びる第1及び第2の支持体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態16]
前記第2の中央ハブの第2の内壁が多孔壁部分を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態17]
前記第2の中央ハブが、流路面積調整システムの駆動部に結合され、前記駆動部が、前記第2の中央ハブを動かして前記第2の内壁と外壁との間の流れを調整するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態18]
前記半径方向ディフューザ部分が、前記軸方向-半径方向ディフューザの中心軸に対して非対称である、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態19]
方法は、排気ディフューザシステムの軸方向-半径方向ディフューザを通してガスタービンシステムからの排気ガスを拡散させることを含む。前記軸方向-半径方向ディフューザは、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間の軸方向ディフューザ部分と、前記軸方向ディフューザ部分と前記出口との間の半径方向ディフューザ部分とを含み、前記入口がガスタービンシステムに結合される。この方法はまた、排気ガスを前記半径方向ディフューザ部分から排気ディフューザシステムの移行ダクトを通して排熱回収蒸気発生器(HRSG)に移行させることを含む。前記移行ダクトは、前記軸方向-半径方向ディフューザに結合され、前記出口は、前記移行ダクトの吸気部分の内側に配置され、前記移行ダクトは、前記HRSGに結合された排出部分を含む。
[実施形態20]
システムは、ガスタービンシステムと排熱回収蒸気発生器(HRSG)との間に取り付けられるように構成された排気ディフューザシステムを含む。前記排気ディフューザシステムは、中心軸の周りに配置された内壁と、内壁の周りに配置された外壁と、前記内壁と前記外壁との間の排気通路とを有する中心ハブを有する半径方向ディフューザ部分を含む。前記排気ディフューザシステムは、前記半径方向ディフューザ部分の中央ハブに結合された駆動部を有する流路面積調整システムを含む。前記排気ディフューザシステムはまた、前記駆動部に結合された制御装置を含み、前記制御装置は、前記半径方向ディフューザ部分を通る流れを調整するために前記半径方向ディフューザ部分の前記中央ハブを動かすように前記駆動部を制御するように構成される。
【0094】
本明細書では、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示し、また、当業者であれば誰でも、任意の装置又はシステムの製造及び使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含む本発明を実施できるようにする。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
10:複合サイクルシステム 12:ガスタービンシステム 14:蒸気タービンシステム 16:排熱回収蒸気発生器(HRSG) 18:ガス処理システム 20:ガス捕捉システム 22:排気ディフューザシステム 24:軸方向-半径方向ディフューザ 26:移行ダクト 30:軸方向/軸方向軸 32:半径方向/半径方向軸 34:円周方向/円周方向軸 36:回転軸 40:吸気部 42:圧縮機/コンプレッサ部 44:燃焼器部 46:タービン/タービン部 48:排気部 50、114、128:シャフト 52:ケーシング 54:回転圧縮機ブレード 56:静止圧縮機ベーン 58:圧縮機ステージ 60:吸気ガス 62:燃焼器 64:ヘッド端部 66:燃焼部 68:燃焼室 70:燃焼器ライナ 72:フロースリーブ 74:通路 76:上流方向 78:ヘッド端部チャンバ 80:中間プレート 82:燃料ノズル 84:端部プレート 86:圧縮ガス 88:燃料システム 90:燃料供給システム 92、94、96、98:燃料回路 100:構成要素 104:圧縮空気 106:圧縮機システム 108:空気圧縮機 110:駆動部 112:高温燃焼ガス 116:ケーシング 118:回転タービンブレード 120:静止タービンベーン 122:タービンステージ 124:中間シャフト 126、180:負荷 150:EGRシステム 152、184:排気ガス 160:高圧セクション 162:中間圧セクション 164:低圧セクション 166:高圧蒸気 168:中間圧蒸気 170:低圧蒸気 172:高圧蒸気タービン 174:中間圧蒸気タービン 176:低圧蒸気タービン 178:シャフト 182:復水 190、192、194:ガス捕捉システム/GCS 196、198、200、202:構成要素 204:捕捉ガス 206:圧縮システム 208:貯蔵/パイプライン 210、212、214:構成要素 220:コントローラ 222:センサ 224:プロセッサ 226:メモリ 228:実行可能な命令 240:軸方向ディフューザ部分 242:半径方向ディフューザ部分 244:支持構造 246、248、250:タービン結合部/タービンマウント 252:ダクト 254:基部 256:フレームワーク 258:支持体 260:流路面積調整システム 262:駆動部 264:トランスミッション 270:中心軸 272:中央ハブ 274:内壁 276:外壁 278、294、308:流路 280:半径方向支持体 282:流れ方向 284:入口 286:出口 288、302:中心ハブ 290:内壁 292:外壁 295:上流縁/前縁 296、298、300:半径方向支持体 297:下流縁/後縁 304:内壁 306:外壁 310:中央ハブインターフェース 312:内壁インターフェース 314:外壁インターフェース 316、318:中心フランジ/プレート 320、322:内壁 324、326:外壁 328:第1の角度 330:第2の角度 332:第1の軸方向位置 334:第2の軸方向位置 336:上側部分 338:下側部分 340、342:幅、直径、又は断面積 344:中空の内部 346:角度 348:軸 350:矢印 360、362、364:膨張段 366:上流側壁/前壁 368:開口部 370:頂部壁 372:底部壁 374、376:対向側壁 378:頂部壁 380:底部壁 382、384:対向側壁 385:第1の軸方向距離 386:頂部壁 388:底部壁 390、392:対向側壁 393:第2の軸方向距離 394:頂部壁 396:底部壁 398、400:側壁 401:第3の軸方向距離 402、406、410、412、414、416、420、426、428、430、442、444、506:角度 404、408:底部壁部分 422:中心軸 424:出口 432、434、436:内部フローコンディショナ 438、440:多孔バッフル 446、448:半径方向距離 450:中央領域 460、462、464:多孔壁部分 466:中央端板 468、470:穿孔/開口 472:中央キャビティ/通路 480:第1の位置 482:第2の位置 484:軸方向オフセット距離 486:断面積 490:非対称構成 492:第1の部分 494:第2の部分 496:第1の通路部分 498:第2の通路部分 500:距離 502、504:の曲率半径 520:S字湾曲プロファイル 522:内側S字湾曲プロファイル 524:外側S字湾曲プロファイル 526:内側に湾曲した形状/凹状の形状 528:外側に湾曲した形状/凸状の形状 530:内側に湾曲したプロファイル/凹状のプロファイル 532:外側に湾曲したプロファイル/凸状のプロファイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】