(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160209
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】スクリードプレートキャリアの高さ調節装置と、スクリードプレートキャリアに取り付けられた副スクリードプレートの傾斜装置との機能的連結を備えたスクリードアセンブリ
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024066723
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】23168434
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール リッジウェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】道路舗装機用のスクリードアセンブリを提供する。
【解決手段】スクリードアセンブリ(7)は、主スクリード(15)及び副スクリード(17)を備える。主スクリード(15)は、舗装材料と接触する主スクリードプレートを備える。副スクリード(17)は、スクリードプレートキャリア(27)及び舗装材料と接触する副スクリードプレート(21)を備える。副スクリードプレート(21)は、傾斜軸を中心として傾斜可能であるよう、スクリードプレートキャリア(27)に取り付けられている。スクリードアセンブリ(7)は、スクリードプレートキャリア(27)を主スクリード(15)に対して下降又は上昇させるよう構成された高さ調節装置(31)を備える。スクリードアセンブリ(7)は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレート(21)の傾斜角度を変化させるよう構成された傾斜装置(45)を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装材料と接触する主スクリードプレート(23)を有する主スクリード(15);並びに
スクリードプレートキャリア(27)及び前記舗装材料と接触する副スクリードプレート(21)を有する副スクリード(17)
を備える道路舗装機(1)用のスクリードアセンブリ(7)であって;
前記副スクリードプレート(21)は、傾斜軸(41)を中心として傾斜可能であるよう、前記スクリードプレートキャリア(27)に取り付けられており;
前記スクリードアセンブリ(7)は、前記スクリードプレートキャリア(27)を前記主スクリード(15)に対して下降又は上昇させるよう構成された高さ調節装置(31)を備え;
前記スクリードアセンブリ(7)は、前記傾斜軸(41)を中心とする前記副スクリードプレート(21)の傾斜角度を変化させるよう構成された傾斜装置(45)を備え;並びに
前記高さ調節装置(31)及び前記傾斜装置(45)は
a)前記スクリードプレートキャリア(27)が前記高さ調節装置(31)によって前記主スクリード(15)に対して下降又は上昇される際に、前記傾斜装置(45)が自動的に作動されて前記傾斜軸(41)を中心とする前記副スクリードプレート(21)の前記傾斜角度を変化させるよう機能的に連結されており、及び/又は
b)前記傾斜軸(41)を中心とする前記副スクリードプレート(21)の前記傾斜角度が前記傾斜装置(45)によって変更される際に、前記高さ調節装置(31)が自動的に作動されて前記スクリードプレートキャリア(27)を前記主スクリード(15)に対して下降又は上昇させるよう機能的に連結されている、道路舗装機(1)用のスクリードアセンブリ(7)。
【請求項2】
前記傾斜軸(41)は舗装方向(9)に対して横方向に延伸する、請求項1に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項3】
前記高さ調節装置(31)により前記スクリードプレートキャリア(27)を下降させることで、前記傾斜軸(41)を中心として前記副スクリードプレート(21)を傾斜させる前記傾斜装置(45)を作動させて、路床(47)に対する前記副スクリードプレート(21)の迎え角が増加され、及び/又は、前記高さ調節装置(31)により前記スクリードプレートキャリア(27)を上昇させることで、前記傾斜軸(41)を中心として前記副スクリードプレート(21)を傾斜させる前記傾斜装置(45)を作動させて、路床(47)に対する前記副スクリードプレート(21)の迎え角が低減される、請求項1又は2に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項4】
前記高さ調節装置(31)により前記スクリードプレートキャリア(27)を下降させることで、前記傾斜軸(41)を中心として前記副スクリードプレート(21)を傾斜させる前記傾斜装置(45)を作動させて、路床(47)に対する前記副スクリードプレート(21)の迎え角が低減され、及び/又は、前記高さ調節装置(31)により前記スクリードプレートキャリア(27)を上昇させることで、前記傾斜軸(41)を中心として前記副スクリードプレート(21)を傾斜させる前記傾斜装置(45)を作動させて、路床(47)に対する前記副スクリードプレート(21)の迎え角が増加される、請求項1又は2に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項5】
前記舗装方向(9)後方に位置する前記副スクリードプレート(21)の領域が前記傾斜軸(41)に取り付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項6】
前記傾斜装置(45)は、前記傾斜軸(41)と反対側の前記副スクリードプレート(21)の端部を上昇又は下降させて、前記スクリードプレートキャリア(27)に対する前記副スクリードプレート(21)の前記傾斜角度を変化させるよう構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項7】
前記傾斜装置(45)は前記副スクリードプレート(21)に接続された作動接続部(43)を備え、前記作動接続部(43)は、前記スクリードプレートキャリア(27)が前記高さ調節装置(31)により下降又は上昇される際に、前記傾斜軸(41)を中心として前記副スクリードプレート(21)を自動的に回転させるよう構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項8】
前記作動接続部(43)は、前記舗装方向(9)に対して、前記副スクリードプレート(21)の前方領域、特に前端に接続されている、請求項7に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項9】
前記主スクリード(15)に対して前記スクリードプレートキャリア(27)をキャリア調節長さだけ下降又は上昇させることで、前記傾斜装置(45)を作動させて、前記スクリードプレートキャリア(27)に対して前記副スクリードプレート(21)の前端をスクリードプレート調節長さだけ下降又は上昇させ、前記スクリードプレート調節長さは前記キャリア調節長さに比例する、請求項1~8のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項10】
前記キャリア調節長さと前記スクリードプレート調節長さとの比例係数は、前記舗装方向(9)における前記主スクリードスクリードプレート(23)の長さと、前記舗装方向(9)における前記副スクリードプレート(21)の長さとの比に少なくとも実質的に対応する、請求項9に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項11】
前記スクリードアセンブリ(7)は、前記主スクリード(15)に対して前記スクリードプレートキャリア(27)を下降又は上昇させるよう構成された駆動装置(33)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項12】
前記駆動装置(33)は、前記傾斜装置(45)に連結されていると共に、前記傾斜装置(45)を駆動する、請求項11に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項13】
前記駆動装置(33)は前記高さ調節装置(31)を第1の伝達比で駆動し、及び、前記傾斜装置(45)を、前記第1の伝達比とは異なる第2の伝達比で駆動する、請求項12に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項14】
前記高さ調節装置(31)を作動させることなく、前記傾斜軸(41)を中心とする前記副スクリードプレート(21)の前記傾斜角度を変化可能とする傾斜調節装置(71)をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ。
【請求項15】
舗装方向(9)の前方に位置された、舗装材料を収容するためのホッパー(11)を有する牽引車両(3)、及び
前記舗装方向(9)における前記牽引車両(3)の後方に取り付けられた、請求項1~14のいずれか一項に記載のスクリードアセンブリ(7)
を備える、道路舗装機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装機用のスクリードアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2 199 467 A1号明細書から、ベーススクリード及び延伸スクリードを備える道路舗装機用の舗装スクリードが公知である。延伸スクリードは、作業幅を変化させるために、ベーススクリードに対して移動方向に移動可能である。延伸スクリードは各々、ベーススクリードに固定されたガイド上で延伸ガイド構造により支持されている。スクリードプレートは、ベーススクリード及び延伸スクリードの底に配置されている。延伸スクリードは、延伸スクリード用のスクリードプレートを備えるフレームを有する。延伸ガイド構造と延伸スクリードのフレームとの間に、駆動装置により作動可能である垂直調節デバイスが、延伸ガイド構造に対するフレームの高度を調節するために設けられている。
【0003】
ベーススクリードと、ベーススクリードと相対的に変位可能である延伸スクリードとを備える他の舗装スクリードが、例えば欧州特許第1 031 660 A1号明細書、欧州特許第2 199 466 A1号明細書、及び、欧州特許第2 218 824 A1号明細書から公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様によれば、道路舗装機用のスクリードアセンブリが提供されている。スクリードアセンブリは主スクリード及び副スクリードを備える。主スクリードは舗装材料と接触する主スクリードプレートを備える。副スクリードは、スクリードプレートキャリア及び副スクリードプレートを備える。副スクリードプレートは舗装材料と接触するよう構成されている。副スクリードプレートは、傾斜軸を中心として傾斜可能であるよう、スクリードプレートキャリアに取り付けられている。スクリードアセンブリは、高さ調節装置及び傾斜装置を備える。高さ調節装置は、スクリードプレートキャリアを主スクリードに対して下降又は上昇させるよう構成されている。傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変化させるよう構成されている。第1の変形例によれば、高さ調節装置及び傾斜装置は、スクリードプレートキャリアが高さ調節装置によって主スクリードに対して下降又は上昇される際に、傾斜装置が自動的に作動されて傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変化させるよう機能的に連結されている。第2の変形例によれば、高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度が傾斜装置によって変更される際に、高さ調節装置が自動的に作動されてスクリードプレートキャリアを主スクリードに対して下降又は上昇させるよう機能的に連結されている。高さ調節装置及び傾斜装置の機能的連結は、第1の変形例及び/又は第2の変形例に従って構成されることが可能である。
【0005】
スクリードアセンブリは、牽引車両と共に道路舗装機を形成するよう構成され得る。スクリードアセンブリは、牽引車両により牽引されるように牽引車両に取り付け可能であり得る。スクリードアセンブリは、舗装方向において牽引車両の後方で牽引されるよう構成され得る。
【0006】
スクリードアセンブリは、舗装材料、特にビチューメン舗装材料を路床上で締固めるよう構成されていることが可能である。スクリードアセンブリは、舗装材料、特にビチューメン舗装材料を路床上で平滑化するよう構成されていることが可能である。
【0007】
交差方向は、水平面内に延びると共に舗装方向に対して垂直である方向として定義される。横方向又は幅方向は交差方向に平行な方向であることが可能である。
【0008】
傾斜軸は、舗装方向に対して横方向に延在可能である。傾斜軸は交差方向と平行に延在可能である。
【0009】
副スクリードプレートは、少なくとも部分的に、主スクリードプレートの横方向外側に延伸可能である。副スクリードは、主スクリードの舗装幅と比して広い舗装幅を提供するよう構成されていることが可能である。
【0010】
副スクリードは、主スクリードと相対的に交差方向に変位可能に構成されていることが可能である。副スクリードは、主スクリードから交差方向外側に延伸してスクリードアセンブリの舗装全幅を広くすることが可能である延伸部として構成されていることが可能である。スクリードアセンブリは、副スクリードを主スクリードと相対的に交差方向に移動させるよう構成されたスクリード幅調節部を備えることが可能である。
【0011】
主スクリードと相対的に交差方向に移動可能である副スクリードの代替として、副スクリードは、交差方向に移動不可能であるよう主スクリードに取り付けられることが可能である。副スクリードの少なくとも一部は主スクリードに固定的に接続されていることが可能である。
【0012】
副スクリードは、舗装方向に対して主スクリードの前方に、完全又は部分的に配置可能である。副スクリードは、舗装方向に対して主スクリードの後方に、完全又は部分的に配置可能である。副スクリードは、舗装方向に沿って主スクリードを超えて延伸可能である。副スクリードは、舗装方向と反対方向に主スクリードを超えて延伸可能である。
【0013】
副スクリードプレートは、舗装方向に対して主スクリードプレートの前方に、完全又は部分的に配置可能である。副スクリードプレートは、舗装方向に対して主スクリードプレートの後方に、完全又は部分的に配置可能である。主スクリードプレート及び副スクリードプレートは、厳密に互いに後ろに(重なることなく)、又は、舗装方向に沿って重なって配置されることが可能である。副スクリードプレートは、舗装方向に沿って、又は、その逆方向に、主スクリードプレートに直接接続されていることが可能である。舗装方向に沿った主スクリードプレートと副スクリードプレートとの間の距離は、例えば、50cm未満、又は、20cm未満、又は、10cm未満、又は、5cm未満、又は、15cm~90cmであり得る。特に、舗装方向に沿った主スクリードプレートと副スクリードプレートとの間の距離は、例えば、20cm又は40cm又は55cm又は85cmを含み得る。
【0014】
舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さとは異なり得る。舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さよりも短くすることが可能である。舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さの最大で80%、又は、最大で70%、又は、最大で60%、又は、最大で50%であることが可能である。舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さの少なくとも20%、又は、少なくとも30%、又は、少なくとも40%、又は、少なくとも50%であることが可能である。舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さの30%~70%、又は、40%~60%、又は、45%~55%であることが可能である。舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さの少なくとも実質的に50%であることが可能である。
【0015】
舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さに少なくとも実質的に対応することが可能である。
【0016】
舗装方向に沿った主スクリードプレートの長さは、舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さよりも短くすることが可能である。
【0017】
副スクリードは、舗装方向と平行に延びる軸を中心として全体的に傾けられるよう構成されていることが可能である。副スクリードは、舗装方向と平行に延びる軸を中心として主スクリードに対して傾けられるよう構成されていることが可能である。副スクリードを舗装方向と平行に延びる軸を中心として傾けることで、例えば、屋根プロファイルの施工又は傾斜した路面の施工を簡素化することが可能である。
【0018】
スクリードアセンブリは、交差方向と平行に延びる全体軸を中心として、全体として傾斜可能に構成され得る。全体軸を中心とした全体としてのスクリードアセンブリの傾斜位置は、水平面に対する主スクリードプレートの迎え角を定義し得る。主スクリードプレートの迎え角は、主スクリードによる締固めの程度に影響を及ぼす可能性がある。主スクリードプレートの迎え角がより大きいと、締固めの程度がより大きくなる可能性がある。
【0019】
スクリードアセンブリが全体軸を中心として傾斜している場合、高さオフセットが、主スクリードプレートの後方縁部と副スクリードプレートの後方縁部との間で生じる可能性がある。このような高さオフセットにより、舗装作業中に、施工された舗装における望ましくないオフセットがもたらされる可能性がある。高さ調節装置を用いて副スクリードのスクリードプレートキャリアを主スクリードに対して下降又は上昇させることにより、主スクリードプレートの後方縁部と副スクリードプレートの後方縁部との間の高さオフセットを補償することが可能である。
【0020】
スクリードプレートキャリアが高さ調節装置により下降又は上昇されると、傾斜軸もまた下降又は上昇可能である。スクリードプレートキャリアが高さ調節装置によって下降又は上昇されると、副スクリードプレートもまた下降又は上昇可能である。高さ調節装置は、スクリードプレートキャリア、副スクリードプレート及び傾斜軸を一緒に、主スクリードに対して下降又は上昇させるよう構成されていることが可能である。高さ調節装置は、スクリードプレートキャリア、副スクリードプレート及び傾斜軸を一緒にユニットとして、主スクリードに対して、下降又は上昇させるよう構成されていることが可能である。
【0021】
主スクリードプレートの前方縁部と主スクリードプレートの後方縁部との間の高さの差は、主スクリードの引込み高さと称することが可能である。副スクリードプレートの前方縁部と副スクリードプレートの後方縁部との間の高さの差は、副スクリードの引込み高さと称することが可能である。
【0022】
例えば、全体軸を中心としてスクリードアセンブリを全体として傾斜させることにより、及び/又は、高さ調節装置により、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを上昇若しくは下降させることにより、主スクリードプレートの引込み高さとは異なる副スクリードプレートの引込み高さとなってしまう可能性がある。これにより、望ましくないことに、主スクリードの領域及び副スクリードの領域において、舗装材料の締固めの程度が異なる結果となってしまう可能性がある。
【0023】
傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変えることにより、副スクリードプレートの迎え角を変化させるよう構成されていることが可能である。傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変えることにより、副スクリードプレートの引込み高さを変えて、特に、主スクリードプレートの引込み高さに適合させるよう構成されていることが可能である。傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変えることにより、副スクリードプレートの迎え角を変え、従って、副スクリードプレートの引込み高さをも変えるよう構成されていることが可能である。
【0024】
高さ調節装置と傾斜装置とが連結されていることにより、操作中における副スクリードの調節プロセスを簡素化することが可能である。高さ調節装置と傾斜装置とを連結することで、操作エラーを回避又は低減することが可能である。
【0025】
高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置による、主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの下降又は上昇と、これに付随する傾斜装置による副スクリードプレートの傾斜角度の変更とが、同時に行われるように連結することが可能である。高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜装置による副スクリードプレートの傾斜角度の変更と、これに付随する主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの下降又は上昇とが、高さ調節装置によって同時に行われるよう連結することが可能である。主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの下降又は上昇と、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度の変更とが同時に行われる場合、副スクリードプレートの調節プロセスにかかる時間の短縮が可能であり、これにより、特に、向上した舗装結果を達成することが可能である。
【0026】
高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置による主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの下降又は上昇が、傾斜装置による傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度の変更に対して一定の比であるように連結することが可能である。一定の比は、主スクリード及び副スクリードの幾何学的形状並びに主スクリード及び副スクリードの相互の配置に基づいて好適に選択することが可能である。
【0027】
高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置によって主スクリードに対してスクリードプレートキャリアが下降又は上昇される際に、傾斜装置が自動的に作動して、主スクリードプレートの引込み高さと副スクリードプレートの引込み高さとの差が部分的又は完全に補償されるように傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変化させるよう連結することが可能である。
【0028】
主スクリードに対してスクリードプレートキャリアが下降又は上昇される際の傾斜装置の自動作動により、操作中における副スクリードの調節プロセスを簡素化することが可能である。高さ調節装置が傾斜装置と連結されていることにより、主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの下降又は上昇は常に、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変化させることが可能である。傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度の個別の設定を省略又は簡素化することが可能である。
【0029】
特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの前方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置によりスクリードプレートキャリアを下降させることで、傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させる傾斜装置を作動させて、路床に対する副スクリードプレートの迎え角が増加されるよう連結することが可能である。特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの前方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置によりスクリードプレートキャリアを上昇させることで、傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させる傾斜装置を作動させて、路床に対する副スクリードプレートの迎え角が低減されるよう連結することが可能である。
【0030】
特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの後方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置によりスクリードプレートキャリアを下降させることで、傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させる傾斜装置を作動させて、路床に対する副スクリードプレートの迎え角が低減されるよう連結することが可能である。特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの後方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、高さ調節装置によりスクリードプレートキャリアを上昇させることで、傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させる傾斜装置を作動させて、路床に対する副スクリードプレートの迎え角が増加されるよう連結することが可能である。
【0031】
高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度が傾斜装置により変更される際、高さ調節装置は自動的に作動されて、主スクリードプレートの後方縁部と副スクリードプレートの後方縁部との間の高さの差が部分的又は完全に補償されるよう、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを下降又は上昇させるよう連結することが可能である。
【0032】
傾斜軸を中心としたスクリードプレートの傾斜角度を変える際における高さ調節装置の自動作動により、操作中におけるスクリードプレートの調節プロセスを簡素化することが可能である。高さ調節装置が傾斜装置と連結されていることにより、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変化させることで常に、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを直ぐに下降又は上昇させることが可能である。主スクリードに対するスクリードプレートキャリアの個別の下降又は上昇は省略又は簡素化することが可能である。
【0033】
特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの前方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜装置により路床に対する副スクリードプレートの迎え角が増加されるよう傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させることで、高さ調節装置が作動されてスクリードプレートキャリアが下降されるよう、連結することが可能である。特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの前方に、敷設方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜装置により路床に対する副スクリードプレートの迎え角が低減されるよう傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させることで、高さ調節装置が作動されてスクリードプレートキャリアが上昇されるよう、連結することが可能である。
【0034】
特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの後方に、舗装方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜装置により路床に対する副スクリードプレートの迎え角が低減されるよう傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させることで、高さ調節装置が作動されてスクリードプレートキャリアが下降されるよう、連結することが可能である。特に、副スクリードプレートが、主スクリードプレートの後方に、敷設方向に沿って完全又は部分的に位置する場合、高さ調節装置及び傾斜装置は、傾斜装置により路床に対する副スクリードプレートの迎え角が増加されるよう傾斜軸を中心として副スクリードプレートを傾斜させることで、高さ調節装置が作動されてスクリードプレートキャリアが上昇されるよう、連結することが可能である。
【0035】
好ましくは、舗装方向後方に位置する副スクリードプレートの領域が傾斜軸に取り付けられている。例えば、傾斜軸と副スクリードプレートとの接続は、舗装方向において、副スクリードプレートの長さの後方20%、又は、後方10%、又は、後方5%に設けられていることが可能である。副スクリードプレートが傾斜軸に後方に取り付けられているほど、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度が変更された際における副スクリードプレートの後方縁部の高さの変化が小さくなる。
【0036】
傾斜装置は、傾斜軸と反対側の副スクリードプレートの端部を上昇又は下降させて、スクリードプレートキャリアに対する副スクリードプレートの傾斜角度を変化させるよう構成されていることが可能である。傾斜軸とは反対側の副スクリードプレートの端部は、敷設方向に対して副スクリードプレートの前端であることが可能である。副スクリードプレートの前端を上昇又は下降させることにより、副スクリードにより達成される締固めの程度を変えることが可能である。
【0037】
傾斜装置は作動接続部を備えていることが可能である。作動接続部は、副スクリードプレートに接続されていることが可能である。作動接続部は、スクリードプレートキャリアが高さ調節装置により下降又は上昇される際に、傾斜軸を中心として副スクリードプレートを自動的に回転させるよう構成されていることが可能である。
【0038】
作動接続部は、舗装方向に対して、副スクリードプレートの前方領域、特に前端に接続可能である。
【0039】
副スクリードプレートと作動接続部との接続位置は、副スクリードプレートと傾斜軸との接続位置から、舗装方向に沿って、又は、その逆方向に、特に、舗装方向に沿った副スクリードプレートの長さの少なくとも80%、又は、少なくとも70%、又は、少なくとも50%、又は、少なくとも40%、又は、少なくとも30%だけ離間していることが可能である。てこの効果のために、離間した接続位置によって、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度を変えるための作動接続部を介した副スクリードプレートへの力の伝達を有利とすることが可能である。
【0040】
高さ調節装置及び傾斜装置は、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアをキャリア調節長さだけ下降又は上昇させることで、傾斜装置を作動させて、スクリードプレートキャリアに対して副スクリードプレートの前端をスクリードプレート調節長さだけ下降又は上昇させるよう、連結することが可能である。
【0041】
高さ調節装置及び傾斜装置は、スクリードプレートキャリアに対して副スクリードプレートの前端をスクリードプレート調節長さだけ下降又は上昇させることで、高さ調節装置を作動させて、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアをキャリア調節長さだけ下降又は上昇させるよう、連結することが可能である。
【0042】
スクリードプレート調節長さはキャリア調節長さに比例できる。
【0043】
スクリードプレート調節長さとキャリア調節長さとの比例係数は、高さ調節装置によってスクリードプレートキャリアがキャリア調節長さだけ下降又は上昇される際に、副スクリードプレートの前端を下降又は上昇させることにより、副スクリードプレートの引込み高さが主スクリードプレートの引込み高さに調節されるよう選択されることが可能である。
【0044】
スクリードプレート調節長さとキャリア調節長さとの比例係数は、副スクリードプレートの前端が下降又は上昇される際に、スクリードプレートキャリアを下降又は上昇させることにより、副スクリードプレートの後方縁部の高さが主スクリードプレートの後方縁部の高さに調節されるよう選択されることが可能である。
【0045】
キャリア調節長さとスクリードプレート調節長さとの比例係数は、舗装方向における主スクリードプレートの長さと、舗装方向における副スクリードプレートの長さとの比に少なくとも実質的に対応していることが可能である。例えば、舗装方向における主スクリードプレートの長さが舗装方向における副スクリードプレートの長さの2倍に相当する場合、キャリア調節長さは、スクリードプレート調節長さの2倍に相当していることが可能である。特に、副スクリードプレートは、舗装方向に沿って、主スクリードプレートに直接接続していることが可能である。
【0046】
スクリードアセンブリは駆動装置を備えていてもよい。駆動装置は、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを下降又は上昇させるよう構成され得る。駆動装置は、例えば、スピンドル駆動装置を備えていてもよい。
【0047】
駆動装置は傾斜装置に連結されていることが可能である。駆動装置は傾斜装置を駆動可能である。駆動装置が高さ調節装置及び傾斜装置の両方を駆動する場合、高さ調節装置は、特に費用対効果が高く、効率的で信頼製の高い方法で傾斜装置に連結可能である。
【0048】
駆動装置は、第1の伝達比で高さ調節装置を駆動するよう構成されていることが可能である。駆動装置は、第2の伝達比で傾斜装置を駆動するよう構成されていることが可能である。第1の伝達比は第2の伝達比とは異なり得る。第1の伝達比及び/又は第2の伝達比は、適応可能、特に調節であり得る。第1の伝達比及び/又は第2の伝達比は、敷設条件又はデフォルト値に従って調節可能であることが可能である。
【0049】
高さ調節装置と傾斜装置との機能的連結は機械的連結を含むことが可能である。或いは、又は、追加で、高さ調節装置と傾斜装置との機能的連結は非機械的連結を含み得る。
【0050】
高さ調節装置と傾斜装置との機能的連結は、制御システムに実装された連結を含むことが可能である。制御技術に関して実装される連結は、例えば、高さ調節装置を制御するためのユーザ入力に基づいて、高さ調節装置、及び、追加的に傾斜装置を作動させることが可能である。制御技術に関して実装される連結は、例えば、傾斜装置を制御するためのユーザ入力に基づいて、傾斜装置、及び、追加的に高さ調節装置を作動させることが可能である。制御システムに実装される連結は、例えば、ユーザ入力、特に単一のユーザ入力に基づいて高さ調節装置及び傾斜装置の両方を作動させること、並びに、特に、これらを協調的に作動させることが可能である。個別のユーザ入力による高さ調節装置及び傾斜装置の個別の作動を省略することが可能である。
【0051】
高さ調節装置と傾斜装置との機能的連結は、電子的連結又は油圧的連結を含むことが可能である。
【0052】
高さ調節装置は、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを下降させるために、支持フレームと、主スクリードに対して固定の高さに設けられた支持構造との間の距離を第1の長さだけ増加させ、及び、特に、同時に、支持フレームとスクリードプレートキャリアとの間の距離を第2の長さだけ増加させるよう構成されていてもよい。高さ調節装置は、主スクリードに対してスクリードプレートキャリアを上昇させるために、支持フレームと支持構造との間の距離を第3の長さだけ短くし、及び、特に、同時に、支持フレームとスクリードプレートキャリアとの間の距離を第4の長さだけ短くするよう構成されていてもよい。第1の長さ対第2の長さの比は第3の長さ対第4の長さの比に対応し得る。
【0053】
傾斜装置は作動接続部を含んでいることが可能である。作動接続部は支持フレームを副スクリードプレートに接続可能である。
【0054】
作動接続部は、第1の結合点で支持フレームに接続されていることが可能である。作動接続部は、第2の結合点で副スクリードプレートに接続されていることが可能である。作動接続部は、第1の結合点と第2の結合点との間の距離が一定に維持されるよう、支持フレームを副スクリードプレートに接続することが可能である。
【0055】
高さ調節装置によってスクリードプレートキャリアが主スクリードに対して下降される際、第2の結合点は、第2の長さに相当する距離だけスクリードプレートキャリアに対して上げられることが可能である。高さ調節装置によってスクリードプレートキャリアが主スクリードに対して上昇される際、第2の結合点は第2の長さに相当する距離だけ下げられることが可能である。
【0056】
第1の長さ対第2の長さの比は1:1であることが可能である。
【0057】
スクリードアセンブリは傾斜調節装置を備えていることが可能である。傾斜調節装置により、高さ調節装置を作動させることなく、傾斜軸を中心とする副スクリードプレートの傾斜角度が変更可能とされる。傾斜調節装置により、例えば、路床に対する副スクリードプレートの傾斜角度を調節するために、副スクリードプレートの傾斜角度は傾斜軸を中心として再調節可能とされる。傾斜調節装置により、傾斜軸を中心として、副スクリードプレートの傾斜角度がオフセットして設定可能とされている。
【0058】
本発明のさらなる態様によれば、道路舗装機が提供されている。道路舗装機は、牽引車両と、既述のスクリードアセンブリとを備える。牽引車両は舗装材料を収容するためのホッパーを備えていてもよい。好ましくは、ホッパーは、舗装方向において牽引車両の前方に位置されている。好ましくは、スクリードアセンブリは舗装方向において牽引車両の後方に取り付けられている。
【0059】
道路舗装機は材料運搬装置を備えていることが可能である。材料運搬装置は、ホッパーからの舗装材料を舗装方向とは反対の後方に運搬し、及び、舗装材料を舗装スクリードに提供するよう構成されていることが可能である。道路舗装機は、横方向分配装置、特に分配オーガーを備えていることが可能である。横方向分配装置は、舗装材料を舗装スクリードの前方において交差方向に分配するよう構成されていることが可能である。
【0060】
以下、本発明を実施形態を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るスクリードアセンブリを備える道路舗装機の概略側面図を示す。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るスクリードアセンブリの概略上面図を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るスクリードアセンブリの概略斜視図を示す。
【
図4】
図4は、舗装方向と反対方向から見た、副スクリードの領域における
図3に示す実施形態のスクリードアセンブリの概略図を示す。
【
図5】
図5は、スクリードアセンブリに向かって横方向から見た、副スクリードの領域における
図3に示す実施形態のスクリードアセンブリの概略図を示す。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るスクリードアセンブリにおける調節プロセスを説明する概略図である。
【
図7】
図7は、舗装方向と反対方向から見た、代替的実施形態に係るスクリードアセンブリの概略図を示す。
【
図8】
図8は、舗装方向と反対方向から見た、さらなる代替的実施形態に係るスクリードアセンブリの概略図を示す。
【
図9】
図9は、舗装方向と反対方向から見た、さらなる代替的実施形態に係るスクリードアセンブリの概略図を示す。
【
図10】
図10は、さらなる代替的実施形態に係るスクリードアセンブリの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、一実施形態に係る道路舗装機1を示す。道路舗装機1は、牽引車両3と、牽引バー5を介して牽引車両3の後方で牽引されるスクリードアセンブリ7とを備える。スクリードアセンブリ7は
図1に概略的に示されており、記載の実施形態のすべてに従って構成されていることが可能である。
【0063】
牽引車両3は、舗装方向9の前方に位置する、舗装材料を収容するためのホッパー11を備える。舗装材料は牽引車両3の材料運搬装置により舗装方向9に逆方向に後方に運搬されて、スクリードアセンブリ7に提供される。分配オーガーの形態の横方向分配装置13が牽引車両3の後方に設けられており、これにより、スクリードアセンブリ7の前方で、水平面に平行で舗装方向9に垂直な交差方向14に沿って舗装材料が分配される。
【0064】
図2は、一実施形態に係るスクリードアセンブリ7の概略上面図を示す。スクリードアセンブリ7は、主スクリード15と2つの副スクリード17とを備える。図示の実施形態において、スクリードアセンブリ7は、延伸スクリードアセンブリとして構成されている。副スクリード17は、スクリードアセンブリ7のスクリードアセンブリ全幅を変化させるために、主スクリード15に対して交差方向14に沿って変位可能とされている。
図2において、舗装方向9に沿って見た右側の副スクリード17は、スクリードアセンブリ7のスクリードアセンブリ全幅を増大させない完全に後退した状態で示されている。舗装方向9に沿って見た左側の副スクリード17は、スクリードアセンブリ7のスクリードアセンブリ全幅を増大させる延伸状態で示されている。中間の状態も考えられる。
【0065】
図2に示す実施形態において、副スクリード17は、舗装方向9に対して主スクリード15の前方に位置されている。或いは、副スクリード17は、舗装方向9に対して主スクリード15の後方に、又は、主スクリード15に少なくとも部分的に隣接して位置されていることが可能である。
【0066】
図3は、舗装方向9と反対方向から見た、一実施形態に係るスクリードアセンブリ7の概略斜視図を示す。スクリードアセンブリ7は
図2に示す構成であり、すなわち、舗装方向9に沿って見た左側の副スクリード17が横方向に延伸しており、及び、舗装方向9に沿って見た右側の副スクリード17は延伸していない。
図3は、副スクリード17を交差方向14に沿って移動させることが可能である変位装置19を示す。
【0067】
副スクリード17は各々、舗装材料を締固めると共に滑らかにするために舗装材料と接触する副スクリードプレート21を備える。これに対応して、主スクリード15は、舗装材料を締固めると共に滑らかにするために舗装材料と接触する主スクリードプレート23を備える。図示の実施形態において、舗装方向9における主スクリードスクリードプレート23の長さは、舗装方向9における副スクリードプレート21の長さの2倍に相当する。
【0068】
図4は、舗装方向9と反対方向から見た、伸長した副スクリード17の領域におけるスクリードアセンブリ7の概略図を示す。副スクリード17は、主スクリード15に対して固定の高さに設けられた支持構造25を備える。加えて、副スクリード17はスクリードプレートキャリア27を備える。副スクリードプレート21はスクリードプレートキャリア27に取り付けられている。スクリードプレートキャリア27は、ガイド構造29を介して、支持構造25に対して、従って、主スクリード15に対して高さ調節可能に案内される。高さ調節装置31により、スクリードプレートキャリア27は、支持構造25に対して、従って、主スクリード15に対して上昇及び下降可能とされる。高さ調節装置31は、チェーンにより2つの同等のスピンドル装置35を同期して駆動する、モータの形態の駆動装置33を備える。駆動装置33は支持フレーム37に設けられている。スピンドル35は各々、スクリードプレートキャリア27と支持構造25とを互いに接続する、逆方向のねじ山を有するスピンドルとして構成されている。
【0069】
主スクリード15に対してスクリードプレートキャリア27を下降させるために、駆動装置33はスピンドル35を駆動して、スクリードプレートキャリア27と支持フレーム37との間の距離及び支持フレーム37と支持構造25との間の距離を増大させる。支持フレーム37と支持構造25との間の距離が第1の長さだけ増加すると、支持フレーム37とスクリードプレートキャリア27との間の距離が第2の長さだけ増加する。第1の長さと第2の長さとの間の比は、対応するスピンドル部分のねじ山比から生じ、図示の実施形態では1:1である。
【0070】
支持構造25に対して、従って、主スクリード15に対してスクリードプレートキャリア27を上昇させるために、駆動装置33はスピンドル35を駆動して、支持フレーム37と支持構造25との間の距離及び支持フレーム37とスクリードプレートキャリア27との間の距離を減少させる。支持フレーム37と支持構造25との間の距離が第3の長さだけ減少すると、支持フレーム37とスクリードプレートキャリア27との間の距離が第4の長さだけ減少する。第3の長さと第4の長さとの間の比は、対応するスピンドル部分のねじ山比から生じ、図示の実施形態では1:1である。
【0071】
図5は、交差方向14に沿って見たスクリードアセンブリ7の概略側面図を示す。
図5から分かるとおり、スクリードアセンブリ7は、傾き調節手段39によって、交差方向14と平行に延びる全体軸を中心としてその全体が傾くことが可能である。副スクリードプレート21は、傾斜軸41を中心として傾斜可能であるよう、スクリードプレートキャリア27に取り付けられている。副スクリードプレート21と傾斜軸41との接続は、舗装方向9に対して、副スクリードプレート21の後方領域に位置されている。
【0072】
図4に示されているとおり、支持フレーム37及び副スクリードプレート21は、同一構成の2つの作動接続部43で相互に接続されている。特に、舗装方向9に対してスクリードプレート21の前方領域が、作動接続部43を介して支持フレーム37に接続されている。作動接続部43は、副スクリードプレート21を傾斜軸41を中心として傾斜させることが可能である傾斜装置45を表す。
【0073】
作動接続部43が支持フレーム37に接続されていることにより、高さ調節装置31及び傾斜装置45が連結されている。
【0074】
スクリードプレートキャリア27が高さ調節装置31により下降させられると、支持フレーム37が支持構造25に対して第1の長さだけ下方に移動する。従って、作動接続部43を介して支持フレーム37に接続する副スクリードプレート21の前方領域も、支持構造25に対して第1の長さだけ下方に移動する。他方で、スクリードプレートキャリア21及び傾斜軸41、従って、副スクリードプレート21の後端も、舗装方向9に対して、第1の長さ及び第2の長さの合計だけ下方に移動する。これにより、副スクリードプレート21の前端は、副スクリードプレート21の後端に対して、第2の長さだけ上昇する。スクリードプレートキャリア27が下降されると、これにより、傾斜軸41を中心として副スクリードプレート21が同時に傾斜して、副スクリードプレート21と水平面又は路床との間の迎え角が増加する。
【0075】
スクリードプレートキャリア27が高さ調節装置31により上昇させられると、支持フレーム37が支持構造25に対して第3の長さだけ上方に移動する。従って、作動接続部43を介して支持フレーム37に接続する副スクリードプレート21の前方領域も、支持構造25に対して第3の長さだけ上方に移動する。他方で、スクリードプレートキャリア21及び傾斜軸41、従って、副スクリードプレート21の後端も、舗装方向9に対して、第3の長さ及び第4の長さの合計だけ上方に移動する。これにより、副スクリードプレート21の前端が、副スクリードプレート21の後端に対して、第4の長さだけ相対的に下降する。スクリードプレートキャリア27が上昇されると、これにより、傾斜軸41を中心として副スクリードプレート21が同時に傾斜して、副スクリードプレート21と水平面又は路床との間の迎え角が減少する。
【0076】
図6は、舗装プロセスにおける本発明の適用を示す概略図である。
図6のA部において、舗装プロセスは平衡状態で行われている。舗装材料が路床47に敷設され、ここで、施工された舗装は、スクリードアセンブリ7の後方で高さレベル49を有する。高さレベル49は、主スクリードプレート23の後方縁部51の高さ及び副スクリードプレート21の後方縁部53の高さにより定義される。
図6のA部に示されている平衡状態では、主スクリードプレート23の後方縁部51及び副スクリードプレート21の後方縁部53は同じ高さである。
図6のA部において、主スクリードプレート23の前方縁部55及び副スクリードプレート21の前方縁部57もまた共通の高さレベル、すなわち、高さレベル59であり、従って、少なくとも実質的に同じ締固めが主スクリード15の領域及び副スクリード17の領域で得られる。
【0077】
図6のB部は、スクリードアセンブリ7が交差方向14と平衡に延びる全体軸を中心として回転された後の状況を示す。これは、例えば、舗装材料の特性の変化又は舗装厚の変化により生じることが可能である。スクリードアセンブリ7の全体的な傾斜により、主スクリードプレート23の後方縁部51及び副スクリードプレート21の後方縁部53はもはや高さレベルが同じではない。図示の状況では、主スクリードプレート23の後方縁部51は、副スクリードプレート21の後方縁部53が位置する高さレベル63よりも高い高さレベル61に位置する。これにより舗装層に段階的変化が生じてしまう。
【0078】
高さ調節装置31を動作させてスクリードプレートキャリア27を上昇させることで、副スクリードプレート21の後方縁部53を主スクリードプレート23の後方縁部51の高さレベル61として、再度平坦な表面を形成することが可能である。上記で説明したとおり、スクリードプレートキャリア27が上昇されると、両方の副スクリードプレート21が全体的に上昇し(
図6のB部中の矢印65)、副スクリードプレート21は、高さ調節装置31と傾斜装置45との間の連結により傾斜軸41を中心として傾斜し、これにより、路床47に対する副スクリードプレート21の迎え角が減少する(
図6のB部中の矢印67)。傾斜軸41は、実質的に、副スクリードプレートの後方縁部53の領域に位置されている。
【0079】
図6のC部は、スクリードプレートキャリア27が高さ調節装置31により上昇された後の状況を示す。副スクリードプレート21の後方縁部53は、主スクリードプレート23の後方縁部51の高さレベル61に上昇されている。同時に、副スクリードプレート21は、副スクリードプレート21の前方縁部57が主スクリードプレート23の前方縁部55と同じ高さレベル69となるよう、傾斜軸41を中心として傾斜させた。これにより、平坦な表面が再度得られると共に、少なくとも実質的に一定の締固めが得られる。
【0080】
図7は代替的実施形態を示す。
図7に示されている実施形態は、その機能及び構造が
図3~5に示されている実施形態に実質的に対応する。明確さのために、
図3~5に示されている実施形態との差異のみを説明する。
図7に示されている実施形態においては、傾斜調節装置71が作動接続部43と支持フレーム37との間に設けられている。傾斜調節装置71により、作動接続部43の高さが、ねじ付きロッド72及びロッカー74を介して、支持フレーム37に対して調節可能とされている。従って、傾斜調節装置71により、特に手動で、高さ調節装置31を作動させることなく、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度が変更可能とされる。傾斜調節装置71は、例えば、副スクリードプレート21の傾斜角度を補正するために用いることが可能である。
【0081】
図8はさらなる代替的実施形態を示す。
図8に示されている実施形態は、その機能及び構造に関して、
図7に示されている実施形態に実質的に対応する。明確さのために、
図7に示されている実施形態との差異のみを説明する。
図8に示されている実施形態においても、特に手動で、高さ調節装置31を作動させることなく、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度を変更可能とする傾斜調節装置71が設けられている。
図8に示されている実施形態においては、しかしながら、これは、支持フレーム37に対する作動接続部43の高さの調節によってではなく、垂直方向から作動接続部43を傾けることにより行われる。傾斜調節装置71は、交差方向14に沿った移動のためにベアリング76に設けられたねじ付きロッド72を備える。作動接続部43は、舗装方向9と平行に延びる軸を中心として回転可能であるよう、関節点78でねじ付きロッド72と関節部を介して接続されている。ねじ付きロッド72が交差方向14に沿って移動する際、関節点78が交差方向14に沿って変位し、これにより、作動接続部43が垂直方向に対して傾き、及び、作動接続部43が一定の長さを有しているために、副スクリードプレート21の前方領域が支持フレーム37に対して上昇又は下降される。
【0082】
図9はさらなる代替的実施形態を示す。
図9に示されている実施形態は、その機能及び構造が
図3~5に示されている実施形態に実質的に対応する。明確さのために、
図3~5に示されている実施形態との差異のみを説明する。
図9に示されている実施形態において、支持フレーム37と副スクリードプレート21の前方領域との間の作動接続部43は存在していない。代わりに、副スクリードプレート21の前方領域を支持構造25に接続する作動接続部81が設けられている。作動接続部81は傾斜装置45である。作動接続部81は、スクリードプレートキャリア27に関節部を介して接続されたレバー85を有するレバー装置83を備える。スクリードプレートキャリア27が高さ調節装置31によって下降又は上昇される際に、支持構造25とスクリードプレートキャリア27と間の距離が変化すると、副スクリードプレート21の前方領域が上昇又は下降するようにレバー装置83の位置が変化する。スクリードアセンブリ7の幾何学的形状に適合するレバー装置83の構成により、スクリードプレートキャリア27が高さ調節装置31により主スクリード15に対して下降又は上昇される際に、傾斜装置45が自動的に作動され、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度を変えて、主スクリードプレート23の引込み高さと副スクリードプレート21の引込み高さとの差が部分的又は完全に補償されることを確実とする。
【0083】
上記の実施形態において、高さ調節装置31と傾斜装置45との間の連結は機械的なものである。
図10は、主スクリード15に対するスクリードプレートキャリア27の高さ調節が、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度の調節と、非機械的に連結された代替的実施形態を概略的に示す。
【0084】
図10の実施形態において、傾斜装置45は、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度を変化させるための駆動装置80を備える。加えて、スクリードプレートキャリア27を主スクリード15に対して下降又は上昇させる駆動装置82を備える高さ調節装置31が設けられている。駆動装置80,82は、制御装置84により制御される。この制御は例えば電子的又は油圧的であることが可能である。
【0085】
図10に係る実施形態は、スクリードプレートキャリア27を主スクリード15に対して下降又は上昇させるためのオペレータによる入力を制御装置84が受け取るよう動作させることが可能である。オペレータによる入力に従って、制御装置84は高さ調節装置31を制御可能である。加えて、制御装置84は、同一のオペレータによる入力に基づいて、傾斜装置45を自動的に制御して、副スクリードプレート21を傾斜させることが可能である。
【0086】
他の変形例によれば、制御装置84は、傾斜軸41を中心とする副スクリードプレート21の傾斜角度を調節するためのオペレータによる入力を受け取ることができる。制御装置84は、オペレータによる入力に基づいて、傾斜角度が変化するよう傾斜装置45を制御し得る。加えて、制御装置84は、同一のオペレータによる入力に基づいて、スクリードプレートキャリア27を主スクリード15に対して上昇又は下降させるよう、高さ調節装置31を制御し得る。
【0087】
主スクリード15に対するスクリードプレートキャリア27の高さの変化と、傾斜角度の変化との比は、予め規定しておくこと、特に、可変的に予め規定しておくことが可能である。
【外国語明細書】