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特開2024-160234平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部
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  • 特開-平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部 図1
  • 特開-平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部 図2
  • 特開-平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部 図3
  • 特開-平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160234
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】平行電動アクスルギアアセンブリのための軸受支持部
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/14 20060101AFI20241106BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B60K17/14
B60K1/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024113089
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2022516025の分割
【原出願日】2019-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】518392026
【氏名又は名称】リナマー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ラベル,チャド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】軸受の疲労寿命のバランスをとると共に、コンパクトなパッケージを可能にする。
【解決手段】駆動ユニットは、一対の軸受および減速ギアアセンブリ12を含み、第1の駆動ギアは、モータのメインシャフトに装着されるとともに同軸であり、第1の被駆動ギア52は、第1の駆動ギア50に回転可能に結合され、中間シャフト42に装着されるとともに同軸であり、それによって中間シャフトアセンブリを形成する。減速ギアアセンブリは、中間シャフトに装着されるとともに同軸である第2の駆動ギア58と、第2の駆動ギアと回転可能に結合される第2の被駆動ギア60とを含む。一対の軸受の第1の軸受72は、バルクヘッド62に装着されるとともに、第1の被駆動ギアと第2の駆動ギアの間の中間シャフトアセンブリに装着され、それによって第1の軸受と第2の軸受の間の距離を減少させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電動アクスルのための駆動ユニットであって、車輪アセンブリに駆動力を供給する電動モータを有し、
バルクヘッド部を有するハウジングと、
前記モータによって駆動されるメインシャフトと、
前記メインシャフトに結合され、第1段ギアアセンブリ、中間シャフト、および第2段ギアアセンブリを有する減速ギアアセンブリと、
一対の軸受と、を備え、
前記第1段ギアアセンブリは、
前記メインシャフトに装着されるとともに同軸である第1の駆動ギア、および
前記第1の駆動ギアに回転可能に結合される第1の被駆動ギアであって、前記中間シャフトに装着されるとともに同軸である第1の被駆動ギアを有し、
前記第2段ギアアセンブリは、
前記中間シャフトに装着されるとともに同軸である第2の駆動ギア、および
前記第2の駆動ギアと回転可能に結合される第2の被駆動ギアを有し、前記第1の被駆動ギア、第2の駆動ギア、および中間シャフトは中間シャフトアセンブリを形成し、
前記一対の軸受のうちの第1の軸受は、前記ハウジングの前記バルクヘッド部に装着されるとともに、前記第1の被駆動ギアと第2の駆動ギアの間の前記中間シャフトアセンブリに装着される、駆動ユニット。
【請求項2】
前記第1の軸受は、前記ハウジングの前記バルクヘッド部と前記第1の被駆動ギアの間に装着される、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記第1の被駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、請求項1または2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記第1の被駆動ギアおよび前記第1の軸受は、前記モータに軸方向に隣接して前記中間シャフトの近位端に装着され、前記一対の軸受の第2の軸受は、前記ハウジングと前記中間シャフトの遠位端との間に装着される、請求項1から3のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記第1の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の一方を備え、前記第2の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の他方を備える、請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記第1の軸受は、前記中間シャフトの前記近位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成され、前記第2の軸受は、前記中間シャフトの前記遠位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成される、請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記第2の駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、請求項1から6のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記中間シャフトは、前記第1の被駆動ギアから前記第2の駆動ギアへ連続的に延びる、請求項7に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記一対の軸受は、前記ハウジング内で前記中間シャフトアセンブリを単独で支持するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記中間シャフトは、前記メインシャフトに平行であり、前記メインシャフトから軸方向に離間して配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記ハウジングの前記バルクヘッド部は、前記車輪アセンブリに駆動力を伝達するために前記第2の被駆動ギアに結合されたディファレンシャルユニットの一端を回転可能に支持するように構成される、請求項10に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記第2の被駆動ギアの回転速度は、前記第1の被駆動ギアの回転速度未満である、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
前記第1の駆動ギアは、前記メインシャフトと一体である、請求項1から12のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項14】
前記第1の被駆動ギアを駆動するために前記メインシャフトおよび第1の被駆動ギアに動作可能に接続されるスプラインをさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項15】
前記メインシャフトは、前記モータに直接動作可能に接続されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、車両の電動アクスルのためのギアアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車の電動アクスルのための駆動ユニットは、典型的には、減速機ギアボックスを含み、またはより一般的には、モータの速度または回転運動を減少させる減速ギアアセンブリまたはギアの配置を含む。減少した速度は、車両の車輪に送り届けられる増加したトルクに変換される。典型的には、ギアアセンブリは、複数の軸受によって支持され、車両の駆動ユニットのための制約された空間内に収められなければならない。電動アクスルは、電気自動車またはハイブリッド電気車両(HEV)の一部であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]一実施形態によれば、車両の電動アクスルのための駆動ユニットであって、車輪アセンブリに駆動力を供給する電動モータを有する駆動ユニットが開示される。駆動ユニットは、バルクヘッド部を有するハウジングと、モータによって駆動されるメインシャフトと、メインシャフトに結合され、第1段ギアアセンブリ、中間シャフト、および第2段ギアアセンブリを有する減速ギアアセンブリとを含む。第1段ギアアセンブリは、メインシャフトに装着されるとともに同軸である第1の駆動ギア、および第1の駆動ギアに回転可能に結合される第1の被駆動ギアであって、中間シャフトに装着されるとともに同軸である第1の被駆動ギアを有する。第2段ギアアセンブリは、中間シャフトに装着されるとともに同軸である第2の駆動ギア、および第2の駆動ギアと回転可能に結合される第2の被駆動ギアを有する。第1の被駆動ギア、第2の駆動ギア、および中間シャフトは、中間シャフトアセンブリを形成する。中間シャフトアセンブリは、一対の軸受を含む。上記一対の軸受の第1の軸受は、ハウジングのバルクヘッド部に装着されるとともに、第1の被駆動ギアと第2の駆動ギアの間の中間シャフトアセンブリに装着される。
【0004】
[0004]いくつかの実施形態では、第1の軸受は、ハウジングのバルクヘッド部と第1の被駆動ギアの間に装着される。第1の被駆動ギアおよび第2の駆動ギアは、中間シャフトと一体であることもできる。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、第1の被駆動ギアおよび第1の軸受は、モータに軸方向に隣接して中間シャフトの近位端に装着され、一対の軸受の第2の軸受は、ハウジングと中間シャフトの遠位端との間に装着される。軸受は、固定、フローティング、または調整済み軸受の対の様々な組合せのいずれかであり得る。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、第1の軸受は、中間シャフトの近位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成され、第2の軸受は、中間シャフトの遠位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成される。中間シャフトは、第1の被駆動ギアから第2の駆動ギアへ連続的に延びることができ、メインシャフトに平行であり、メインシャフトから軸方向に離間して配置され得る。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、ハウジングのバルクヘッド部は、車輪アセンブリに駆動力を伝達するために第2の被駆動ギアに結合されたディファレンシャルユニットの一端を、軸受を介して回転可能に支持するように構成される。第2の被駆動ギアの回転速度は、第1の被駆動ギアの回転速度未満であり得る。メインシャフトは、モータに直接または間接的に接続され得る。
【0008】
[0008]次に、例として、本出願の例示的実施形態を示す添付図面の参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本開示の一実施形態による車両の電動アクスルのための駆動ユニットの断面図である。
図2】[0010]図1の一部の拡大断面図である。
図3】[0011]本開示の一実施形態についての軸受損傷対第1の軸受から第1の被駆動ギアの軸方向距離のグラフである。
図4】[0012]本開示の別の実施形態についての軸受損傷対第1の軸受から第1の被駆動ギアの軸方向距離のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013]同様の参照番号は、同様の構成要素を示すために異なる図においても使用されている場合がある。
【0011】
[0014]本開示は、バッテリー式電気自動車(BEV)およびハイブリッド車(HEV)を含む自動車の電動アクスルのための駆動ユニットに向けられている。具体的には、本開示は、駆動ユニットにおける減速ギアアセンブリを支持する軸受の構成に向けられている。
【0012】
[0015]いくつかの電動アクスルまたはイーアクスル(eAxle)は、車両の車輪に送り届けられるトルクを増大させ、速度を減少させるために、電動モータに結合される減速ギアボックスまたはギアアセンブリを含む。ギアボックスは、平行軸に配置された2つのヘリカルギアまたは平歯ギア段でしばしば構成される。第1段の被駆動ギアおよび第2段の駆動ギアは、2つの軸受によって支持された中間シャフトに取り付けることができる。従来の構成は、互いに隣接したギアと、中間シャフトの外側端をそれぞれ支持する1つの軸受とを有さなければならない。この構成は、固定/フローティング、フローティング、または調整済み軸受の構成に対して軸方向に固定され得る。
【0013】
[0016]本開示の実施形態によれば、減速ギアアセンブリのための軸受構成は、第1段の被駆動ギアの近くで中間シャフトを支持する軸受の位置を移動させることによって改善される。具体的には、この軸受は、ハウジングのバルクヘッド部に装着されるとともに、第1段の被駆動ギアと第2段の駆動ギアとの間に置かれた中間シャフトアセンブリに装着される。一実施形態では、軸受は、ハウジングに装着されるとともに、第1段の被駆動ギアに装着される。したがって、中間シャフトは、軸受を介してハウジングによって支持される。第2の軸受は、中間シャフトの遠位端に位置する。第1の軸受と第2の駆動ギアの間の距離を減少させることによって、各軸受の疲労寿命は、よりバランスがとられる。小さいギア(第2段の駆動ギア)の荷重は、通常、より大きいギア(第1段の被駆動ギア)の荷重よりもずっと高い。軸受間の距離を減少させることによっても、よりコンパクトなパッケージを可能にすることによって駆動ユニットを改善することができる。公差は積み重なり、したがって、軸受のノイズも減少させられ得る。
【0014】
[0017]図1は、本開示の一実施形態による駆動ユニット10および減速ギアアセンブリ12の断面図である。駆動ユニット10は、ハウジング14を有する。ハウジング14は、ハウジングセグメントのアセンブリで構成され得る。ハウジング14は、電動モータ16および減速ギアアセンブリ12を含む。図1は、モータ16の左に位置する減速ギアアセンブリ12を示すが、減速ギアアセンブリ12は、基準系に応じてモータ16の右に位置してもよいことが理解されよう。したがって、左、右、上、下、上側、下側など本明細書または特許請求の範囲に用いられる方向の参照は、説明を容易にするために用いられ、あらゆる面で本発明の範囲を限定することが意図されていない。
【0015】
[0018]左および右出力シャフト20、22は、ハウジング14から延び、それぞれの左および右車輪アセンブリ(図示せず)と接続し、これにトルクを伝達するための左および右ハブ24、26を支持する。左および右出力シャフト20、22は、減速ギアアセンブリ12に接続されるとともに、ディファレンシャルユニット30などのアセンブリを介してモータ16に接続される。図示されるように、右出力シャフト22は、駆動ユニット10のメインシャフト32と同軸であるとともに、メインシャフト32内で回転可能に支持される。メインシャフト32は、駆動ユニット10のモータまたは駆動シャフトと呼ばれる場合もあり、モータまたは駆動シャフトに均等であり得る。
【0016】
[0019]減速ギアアセンブリ12は、回転速度を減少させるとともに、モータ16によってディファレンシャルユニットへ与えられるトルクを増大させるように動作する。減速ギアアセンブリ12は、中間シャフト42のまわりに配置された第1段ギアアセンブリ38および第2段ギアアセンブリ40を含む。具体的には、第1段ギアアセンブリ38は、第1の駆動ギア50、および第1の被駆動ギア52を含む。第1の被駆動ギア52および中間シャフト42は、中間シャフトアセンブリを形成する。第1の駆動ギア50は、メインまたはモータシャフト32に装着されるとともに同軸である。一実施形態では、第1の駆動ギア50は、メインまたはモータシャフト32に一体であり、メインまたはモータシャフト32の一部として形成される。第1の被駆動ギア52は、中間シャフト42に装着されるとともに同軸であり、第1の駆動ギア50と回転可能に結合される。いくつかの実施形態では、第1の被駆動ギア52は、中間シャフト42に一体であり、中間シャフト42の一部として形成される。図示されるように、第1の被駆動ギア52は、中間シャフト42の近位端54、すなわち、モータ16に軸方向に隣接しているシャフトの端に装着される。
【0017】
[0020]中間シャフト42は、メインまたはモータシャフト32から軸方向に離間して配置され、メインまたはモータシャフト32に平行である。第1段ギアアセンブリ38の第1の駆動ギア50は、モータ16に結合され、第1段アセンブリ38の第1の被駆動ギア52は、中間シャフト42に結合される。左および右出力シャフト20、22を駆動するために、第2段ギアアセンブリ40の第2の駆動ギア58は、中間シャフト42に結合され、第2段ギアアセンブリ40の第2の被駆動ギア60も、ディファレンシャルユニット30のケース44と結合される。第1および第2段ギアアセンブリ38、40におけるギア50、52、58、60は、ヘリカルギアまたは平歯ギアであり得る。
【0018】
[0021]図示されるように、第2段ギアアセンブリ40は、第2の駆動ギア58および第2の被駆動ギア60を含む。第2の駆動ギア58は、中間シャフト42に装着されるとともに同軸である。一実施形態では、第2の駆動ギア58は、中間シャフト42に一体であり、中間シャフト42の一部として形成される。したがって、第2の駆動ギア58および第1の被駆動ギア52は、同じ回転軸を有する。一実施形態では、中間シャフト42は、第1の被駆動ギア52から第2の駆動ギア58へ連続的に延びる。第2の被駆動ギア60は、第2の駆動ギア58と回転可能に結合される。第2の被駆動ギア60も、減速ギアアセンブリ12からディファレンシャルユニット30および左および右車輪へとトルクを伝達するために、ディファレンシャルユニット30のケース44に装着され、ディファレンシャルユニット30のケース44によって支持される。
【0019】
[0022]図1に示されるように、ディファレンシャルユニット30は、ハウジング14の一部であり得るハウジング壁バルクヘッド62によって支持され、メインシャフト32と同じ回転軸を有する。ディファレンシャルユニット30は、典型的には、円錐ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、または深溝および円筒ころ軸受の組合せであり得る2つの軸受64、66によって支持される。同様に、メインまたはモータシャフト32は、モータ16の反対側で軸方向に離間して配置される少なくとも2つの軸受68、70によって支持される。軸受64、66と同様にメインまたはモータシャフト32を支持する軸受68、70は、玉軸受、円錐ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、または深溝および円筒ころ軸受の組合せであり得る。
【0020】
[0023]中間シャフト42のための一対の軸受が、図1に示されており、図2の拡大図に示されている。対は、第1の軸受72および第2の軸受74を含む。第1および第2の軸受72、74は、深溝玉軸受、円筒ころ軸受、アンギュラ玉軸受、または円錐ころ軸受であり得る。第1の軸受72は、ハウジング14に装着されるとともに、中間シャフト42の近位端の近くで上記第1の被駆動ギア52に装着される。第2の軸受74は、ハウジング14と中間シャフト42の間で中間シャフト42の遠位端76に装着される。
【0021】
[0024]具体的には、一実施形態では、第1の軸受72の内側リング80は、第1の被駆動ギア52のシャフト部分82の外周面に装着される。内側リング80は、保持リング84と第1の被駆動ギア52によって定められる第1の肩86との間で中間シャフト42に対して軸方向に固定することができる。第1の軸受72の外側リング88は、ハウジング14、および具体的には、減速ギアアセンブリ12に向かって軸方向内側に延びるハウジング14の部分90に装着される。一実施形態では、図1に示されるように、ハウジング14のこの部分90は、ディファレンシャルユニット30を支持するハウジング壁バルクヘッド62を形成することもできる。一実施形態では、外側リング88は、ハウジング14のバルクヘッド部90によって定められた第1の肩92に対して右に(すなわち、中間シャフト42の近位端54に向かう方向に)軸方向に固定される。
【0022】
[0025]第2の軸受74は、図1および図2に示されるようにハウジング14と中間シャフト42の間で知られている構成で保持され得る。一実施形態では、第2の軸受74の内側リング98は、遠位端76に隣接して中間シャフト42に装着される。第2の軸受74の外側リング100は、ハウジング14の内面に装着される。第2の軸受74の外側リング100は、ハウジング14によって定められた第2の肩102に対して左(すなわち、中間シャフト42の遠位端に向かう方向に)軸方向に固定され得る。
【0023】
[0026]したがって、一実施形態では、第1および第2の軸受72、74の各々は、中間シャフト42のそれぞれの近位端および遠位端54、76に対して一方向に固定され得る。他の実施形態では、第1の軸受72は、固定軸受であってよく、第2の軸受74は、フローティング軸受で構成されてもよい。代替として、第2の軸受74は固定されてもよく、第1の軸受72はフローティングであってもよい。
【0024】
[0027]いくつかの実施形態では、第1および第2の軸受72、74は、下記の表1に示されたタイプおよび構成であってもよい。
【0025】
【表1】
【0026】
[0028]図3および図4は、第1の被駆動ギア52に対しての第1および第2の軸受72、74の異なる軸方向位置についての軸受損傷の減少を示すグラフ300、400を示す。第1の軸受72は、右手またはRH軸受として表され、第2の軸受74は、左手またはLH軸受として表される。距離「x」が減少し、負になるにつれて、すなわち、第1の軸受72が第1の被駆動ギア52に対して左に配置される場合、両軸受の損傷が減少することが分かる。RHまたは第1の軸受72の損傷が増加するのよりも、LHまたは第2の軸受74の損傷はかなり大きく減少し、このようにして第1の軸受72と第2の軸受74の間の損傷のバランスをとっている。図3は、第1の軸受72を固定として表し、第2の軸受74をフローティングとして表す。図4は、中間シャフト42のそれぞれの近位端および遠位端に対して一方向に固定であるとともに、予荷重を受けている(調整済み軸受構成として知られる)第1および第2の軸受72、74の各々を表す。
【0027】
[0029]説明された実施形態に関していくらかの適合および修正がなされてもよい。したがって、上述した実施形態は、例示であり、限定ではないとみなされる。本明細書中に説明される駆動ユニット構成要素および軸受の他の組合せおよび構成は、本開示の範囲内に含まれ得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電動アクスルのための駆動ユニット(10)であって、車輪アセンブリに駆動力を供給する電動モータ(16)を有し、
バルクヘッド部(90)を有するハウジング(14)と、
前記電動モータ(16)によって駆動されるメインシャフト(32)と、
前記メインシャフト(32)に結合され、第1段ギアアセンブリ(38)、中間シャフト(42)、および第2段ギアアセンブリ(40)を有する減速ギアアセンブリ(12)と、
前記中間シャフト(42)を支持するように構成された一対の軸受(72,74)と、を備え、
前記中間シャフト(42)は、前記電動モータ(16)に軸方向に隣接した近位端(54)及び当該近位端(54)から軸方向に離間した遠位端(76)を有し、
前記第1段ギアアセンブリ(38)は、
前記メインシャフト(32)に装着されるとともに同軸である第1の駆動ギア(50)、および
前記第1の駆動ギア(50)に回転可能に結合される第1の被駆動ギア(52)であって、前記中間シャフト(42)の前記近位端(54)に装着されるとともに同軸であるシャフト部分(82)を含む第1の被駆動ギア(52)を有し、
前記第2段ギアアセンブリ(40)は、
前記中間シャフト(42)に装着されるとともに同軸である第2の駆動ギア(58)、および
前記第2の駆動ギア(58)と回転可能に結合される第2の被駆動ギア(60)を有し、前記第1の被駆動ギア(52)、前記第2の駆動ギア(58)、および前記中間シャフト(42)は中間シャフトアセンブリを形成し、
前記一対の軸受(72,74)のうちの第1の軸受(72)は、前記ハウジング(14)の前記バルクヘッド部(90)に装着される外側リング(88)を含むとともに、前記第1の被駆動ギア(52)前記第2の駆動ギア(58)の間の前記中間シャフトアセンブリの前記近位端(54)の近くで前記第1の被駆動ギア(52)の前記シャフト部分(82)の外周面に装着される内側リング(80)を含み、前記中間シャフト(42)を前記近位端(54)で支持し、
前記一対の軸受(72,74)のうちの第2の軸受(74)は、前記ハウジング(14)と前記中間シャフト(42)の前記遠位端(76)との間に装着され、前記中間シャフト(42)を当該遠位端(76)で支持する、駆動ユニット。
【請求項2】
前記第1の被駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記第1の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の一方を備え、前記第2の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の他方を備える、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記第1の軸受は、前記中間シャフトの前記近位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成され、前記第2の軸受は、前記中間シャフトの前記遠位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成される、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記第2の駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記中間シャフトは、前記第1の被駆動ギアから前記第2の駆動ギアへ連続的に延びる、請求項5に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記一対の軸受は、前記ハウジング内で前記中間シャフトアセンブリを単独で支持するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記中間シャフトは、前記メインシャフトに平行であり、前記メインシャフトから軸方向に離間して配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記ハウジングの前記バルクヘッド部は、前記車輪アセンブリに駆動力を伝達するために前記第2の被駆動ギアに結合されたディファレンシャルユニットの一端を回転可能に支持するように構成される、請求項8に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記第2の被駆動ギアの回転速度は、前記第1の被駆動ギアの回転速度未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記第1の駆動ギアは、前記メインシャフトと一体である、請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記第1の被駆動ギアを駆動するために前記メインシャフトおよび第1の被駆動ギアに動作可能に接続されるスプラインをさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
前記メインシャフトは、前記モータに直接動作可能に接続されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
[0029]説明された実施形態に関していくらかの適合および修正がなされてもよい。したがって、上述した実施形態は、例示であり、限定ではないとみなされる。本明細書中に説明される駆動ユニット構成要素および軸受の他の組合せおよび構成は、本開示の範囲内に含まれ得る。
〔態様1〕
車両の電動アクスルのための駆動ユニットであって、車輪アセンブリに駆動力を供給する電動モータを有し、
バルクヘッド部を有するハウジングと、
前記モータによって駆動されるメインシャフトと、
前記メインシャフトに結合され、第1段ギアアセンブリ、中間シャフト、および第2段ギアアセンブリを有する減速ギアアセンブリと、
一対の軸受と、を備え、
前記第1段ギアアセンブリは、
前記メインシャフトに装着されるとともに同軸である第1の駆動ギア、および
前記第1の駆動ギアに回転可能に結合される第1の被駆動ギアであって、前記中間シャフトに装着されるとともに同軸である第1の被駆動ギアを有し、
前記第2段ギアアセンブリは、
前記中間シャフトに装着されるとともに同軸である第2の駆動ギア、および
前記第2の駆動ギアと回転可能に結合される第2の被駆動ギアを有し、前記第1の被駆動ギア、第2の駆動ギア、および中間シャフトは中間シャフトアセンブリを形成し、
前記一対の軸受のうちの第1の軸受は、前記ハウジングの前記バルクヘッド部に装着されるとともに、前記第1の被駆動ギアと第2の駆動ギアの間の前記中間シャフトアセンブリに装着される、駆動ユニット。
〔態様2〕
前記第1の軸受は、前記ハウジングの前記バルクヘッド部と前記第1の被駆動ギアの間に装着される、態様1に記載の駆動ユニット。
〔態様3〕
前記第1の被駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、態様1または2に記載の駆動ユニット。
〔態様4〕
前記第1の被駆動ギアおよび前記第1の軸受は、前記モータに軸方向に隣接して前記中間シャフトの近位端に装着され、前記一対の軸受の第2の軸受は、前記ハウジングと前記中間シャフトの遠位端との間に装着される、態様1から3のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様5〕
前記第1の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の一方を備え、前記第2の軸受は、固定軸受またはフローティング軸受の他方を備える、態様4に記載の駆動ユニット。
〔態様6〕
前記第1の軸受は、前記中間シャフトの前記近位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成され、前記第2の軸受は、前記中間シャフトの前記遠位端に向かう方向の軸方向荷重を支持するように構成される、態様4に記載の駆動ユニット。
〔態様7〕
前記第2の駆動ギアは、前記中間シャフトと一体である、態様1から6のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様8〕
前記中間シャフトは、前記第1の被駆動ギアから前記第2の駆動ギアへ連続的に延びる、態様7に記載の駆動ユニット。
〔態様9〕
前記一対の軸受は、前記ハウジング内で前記中間シャフトアセンブリを単独で支持するように構成される、態様1から8のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様10〕
前記中間シャフトは、前記メインシャフトに平行であり、前記メインシャフトから軸方向に離間して配置される、態様1から9のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様11〕
前記ハウジングの前記バルクヘッド部は、前記車輪アセンブリに駆動力を伝達するために前記第2の被駆動ギアに結合されたディファレンシャルユニットの一端を回転可能に支持するように構成される、態様10に記載の駆動ユニット。
〔態様12〕
前記第2の被駆動ギアの回転速度は、前記第1の被駆動ギアの回転速度未満である、態様1から11のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様13〕
前記第1の駆動ギアは、前記メインシャフトと一体である、態様1から12のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様14〕
前記第1の被駆動ギアを駆動するために前記メインシャフトおよび第1の被駆動ギアに動作可能に接続されるスプラインをさらに備える、態様1から13のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
〔態様15〕
前記メインシャフトは、前記モータに直接動作可能に接続されている、態様1から14のいずれか一項に記載の駆動ユニット。
【外国語明細書】