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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160305
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】肺炎連鎖球菌の精製された莢膜多糖
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/00 20060101AFI20241106BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20241106BHJP
   A61K 39/09 20060101ALI20241106BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20241106BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241106BHJP
【FI】
C08B37/00 P
A61K47/64
A61K39/09
A61P31/04
A61K47/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024130732
(22)【出願日】2024-08-07
(62)【分割の表示】P 2021516582の分割
【原出願日】2019-09-23
(31)【優先権主張番号】201841031653
(32)【優先日】2018-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201841031654
(32)【優先日】2018-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】517176375
【氏名又は名称】バイオロジカル イー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ブルキ,ラジェンダー
(72)【発明者】
【氏名】カンディマラ,ヴィヴェーク・バブ
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン,ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】マトゥール,ラメシュ・ベンカト
(72)【発明者】
【氏名】マンテナ,ナレンダー・デーブ
(72)【発明者】
【氏名】ダトラ,マヒマ
(72)【発明者】
【氏名】サンガレッディ,ベーラパンドゥ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単純で且つ効率的な方法で精製及びサイジングされた多糖を含む多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【解決手段】平均分子量(Mw)50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖が提供される。さらに、肺炎連鎖球菌血清型の精製及びサイジングされた莢膜多糖を調製する方法、及び担体タンパク質にコンジュゲートした、前記莢膜多糖を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンが提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均分子量(Mw)50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖。
【請求項2】
平均分子量(Mw)50kDa~750kDa、50kDa~500kDa、100kDa~1,000kDa、100kDa~750kDa、100kDa~500kDaを有する、請求項1に記載の肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製された莢膜多糖。
【請求項3】
5~18%の範囲内のグリセロール含有量を有する、請求項1に記載の肺炎連鎖球菌血清型15A又は15Cの精製された莢膜多糖。
【請求項4】
5~10%のグリセロール含有量を有する、請求項3に記載の肺炎連鎖球菌血清型15Aの精製された莢膜多糖。
【請求項5】
5~10%のグリセロール含有量を有する、請求項3に記載の肺炎連鎖球菌血清型15Cの精製された莢膜多糖。
【請求項6】
2~10%の範囲内、好ましくは2~8%の範囲内のアセテート含有量を有する、請求項1に記載の肺炎連鎖球菌血清型35Bの精製された莢膜多糖。
【請求項7】
肺炎連鎖球菌血清型の精製及びサイジングされた莢膜多糖を調製する方法であって、
a.肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bを適切な培養培地で培養するステップ;
b.肺炎連鎖球菌の培養ブロスを不活性化するステップ;
c.肺炎連鎖球菌の培養ブロスを遠心分離にかけるステップ;
d.培養ブロスから前記肺炎連鎖球菌の莢膜多糖を精製するステップ;
及び
e.精製された肺炎連鎖球菌の莢膜多糖を高圧均質化にかけて、平均分子量(MW)50~1000kDaを有するサイジングされた莢膜多糖を得るステップ
を含む方法。
【請求項8】
均質化が、50~200MPa(500~2000bar)の範囲の圧力で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法により得られた、平均分子量(Mw)50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製された莢膜多糖。
【請求項10】
担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の精製及びサイジングされた莢膜多糖を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、この組成物は、約0.5~約2.0のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項11】
担体タンパク質が、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はこれらの組合せから選択される、請求項10に記載のコンジュゲートワクチン。
【請求項12】
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型2からの多糖を含み、この組成
物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項13】
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型15Aからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項14】
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型15Cからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項15】
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型35Bからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項16】
コンジュゲートが、下記範囲の平均分子量:500kDa~5000kDa、1,000kDa~10,000kDa、1,500kDa~15,000kDa、2,000kDa~20,000kDa、2,500kDa~25,000kDa、又は3,000kDa~30,000kDaを有する、請求項10~15のいずれか一項に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項17】
肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、糖コンジュゲート中の多糖は、請求項1に記載の精製された莢膜多糖である、免疫原性組成物。
【請求項18】
PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質、又は担体タンパク質の組合せにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fからの糖コンジュゲートをさらに含む、請求項17に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
組成物が、多価の免疫原性組成物であり、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、25、又はそれより高い原子価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、請求項17又は18に記載の組成物。
【請求項20】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも3種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、血清型は、担体タンパク質にコンジュゲートしており、担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される、請求項19に記載の免疫原性組成物。
【請求項21】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲートであり、血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、請求項19に記載の免疫原性組成物。
【請求項22】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、33Fから選択される1種又は複数の追加の血清型からの多糖を含む多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、請求項19に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
組成物が、担体タンパク質にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌の血清型からの多糖を含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、2、15A、15C、及び35B、並びに追加の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fを含み、担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される、請求項19に記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
多糖が、ワクチン又は免疫原性組成物の調製に有用である、請求項1に記載の精製された莢膜多糖。
【請求項25】
ワクチン又は免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌感染の予防に有用である、請求項10~16のいずれか一項に記載のワクチン、又は請求項17~23のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月23日に出願された印国特許出願第201841031653号明細書及び同第201841031654号明細書に対する優先権の利益を主張し、これらの明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の分野
本発明は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の精製された莢膜多糖に関する。より具体的には、本発明は、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖、並びにその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肺炎連鎖球菌は、敗血症、髄膜炎、中耳炎、及び大葉性肺炎等の動物及びヒトでの侵襲性感染における主な原因病原体であるグラム陽性菌である。感染プロセスの一環として、肺炎球菌は、真核生物炭水化物にレクチン様で結合することにより、上下気道の炎症を起こしていないヒト上皮細胞に容易に結合する。
【0003】
肺炎球菌は、血清型特異性を付与する化学的に連結された多糖でカプセル化されている。肺炎球菌には90種超の既知の血清型が存在しており、このカプセルは、肺炎球菌の主要な病原性決定基であり、なぜならば、このカプセルは、補体から細菌の内面を保護するだけでなく、それ自体が免疫原性に乏しいからである。抗多糖抗体レベルは、侵襲性肺炎球菌疾患に対する保護を予測するものと考えられている。ワクチンとして、肺炎球菌多糖被膜は、免疫系が発達しているか又は損なわれてない個体では、肺炎連鎖球菌に対する適度な免疫を付与し得るが、適切な担体タンパク質にコンジュゲートした莢膜多糖は、肺炎球菌感染のリスクも最も高い乳児及び年長者における免疫反応を可能にする。
【0004】
肺炎球菌ワクチンとして、肺炎球菌多糖ワクチン及び肺炎球菌コンジュゲートワクチンが挙げられる。商品化されている肺炎球菌多糖ワクチンの予防効果は、ワクチン接種時に誘導される抗体の濃度に多かれ少なかれ関連していることが一般に認められている。現在のワクチンとして、多価肺炎球菌多糖ワクチン(2種以上の血清型からの肺炎球菌多糖を含む)、及び肺炎球菌コンジュゲートワクチンが挙げられる。
【0005】
Pneumovax(登録商標)23は、多価肺炎球菌多糖ワクチンであり、血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19F、19A、20、22F、23F、及び33Fを含む23種の肺炎球菌血清型からの非コンジュゲート莢膜多糖を含む。認可されているPneumovax(登録商標)23は、成人(特に年長者及び高リスク者)での肺炎球菌疾患の予防で有用であることが証明された。しかしながら、乳児及び幼児は、この非コンジュゲート肺炎球菌多糖ワクチンに反応しにくい。
【0006】
Prevnar(登録商標)-7は、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンであり、7種の最も高い頻度で単離された多糖血清型(例えば、CRM197にコンジュゲートした4、6B、9V、14、18C、19F、及び23F)を含む。Prevnar(登録商標)-7が2000年に米国で使用され始めてから、子供での侵襲性肺炎球菌疾患(IPD)は大幅に減少している。CRM197にコンジュゲートした13種の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、及び23Fを含む13価のコンジュゲートワクチンPrevenar-13(登録商標)が開発され、世界のある特定の領域では、Prevnar(登録商標)-7による血清型適用範
囲の限界に起因して承認された。
【0007】
Synflorix(登録商標)は、10種の、タンパク質Dにコンジュゲートした多糖血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、23F(PD)、破傷風トキソイド(TT)にコンジュゲートした血清型18C、及びジフテリアトキソイド(DT)にコンジュゲートした血清型19Fを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンである。血清型多糖のそれぞれは、制御されたpH下で1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)を使用して結合されている。
【0008】
米国特許第9,492,559B2号明細書では、肺炎連鎖球菌血清型15Bからの糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型22Fからの糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型33Fからの糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型12Fからの糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型10Aからの糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型11Aからの糖コンジュゲート、及び肺炎連鎖球菌血清型8からの糖コンジュゲートからなる群から選択される少なくとも1種の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物が開示されている。国際公開第2019/050813A1号パンフレットでは、肺炎連鎖球菌血清型16Fからの精製された莢膜多糖、及びその多糖タンパク質コンジュゲートが開示されている。
【0009】
国際公開第2019/050814A1号パンフレットでは、肺炎連鎖球菌血清型23A及び23Bからの精製された莢膜多糖、並びにその多糖-タンパク質コンジュゲートが開示されている。
【0010】
国際公開第2019/050815A1号パンフレットでは、肺炎連鎖球菌血清型24Fからの精製された莢膜多糖、及びその多糖-タンパク質コンジュゲートが開示されている。
【0011】
国際公開第2019/050816A1号パンフレットでは、肺炎連鎖球菌血清型31からの精製された莢膜多糖、及びその多糖-タンパク質コンジュゲートが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらのワクチンにもかかわらず、単純で且つ効率的な方法で精製及びサイジングされた多糖を含むさらなる多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチンの開発が必要とされている。従って、本発明の発明者らは、単純で且つ効率的な方法で肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの莢膜多糖を精製及びサイジングした。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、平均分子量が約50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型2の精製及びサイジングされた莢膜多糖に関する。
本発明はまた、平均分子量が約50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型15Aの精製及びサイジングされた莢膜多糖にも関する。
【0014】
本発明はまた、平均分子量が約50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型15Cの精製及びサイジングされた莢膜多糖にも関する。
本発明はまた、平均分子量が約50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1A:50℃でのDO中における血清型2の莢膜多糖の400MHz一次元(1D)H HMRスペクトル。図1B:血清型2の識別に使用される一次元(1D)H HMR識別領域。
図2図2A:50℃でのDO中における血清型15Aの莢膜多糖の400MHz一次元(1D)H HMRスペクトル。図2B:血清型15Aの識別に使用される一次元(1D)H HMR識別領域。
図3図3A:50℃でのDO中における血清型15Cの莢膜多糖の400MHz一次元(1D)H HMRスペクトル。図3B:血清型15Cの識別に使用される一次元(1D)H HMR識別領域。
図4図4A:50℃でのDO中における血清型35Bの莢膜多糖の400MHz一次元(1D)H HMRスペクトル。図4B:35Bの血清型識別に使用される一次元(1D)H HMR識別領域。
図5図5A:血清型2-CRM197のコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。図5B:血清型2-PsaAのコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。
図6図6A:(A)血清型15A-CRM197のコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。図6B:血清型15A-PsaAのコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。
図7図7A:(A)血清型15C-CRM197のコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。図7B:血清型15C-PsaAのコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。
図8図8A:(A)血清型35B-CRM197のコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。図8B:血清型35B-PsaAのコンジュゲーション反応速度論を示すSEC-HPLCクロマトグラム。
図9】PCV製剤で免疫化されたウサギにおける血清抗体力価。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
本発明全体を通して、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に示さない限り、複数の参照対象を含む。同様に、単語「又は」が、2つ以上の項目のリストに関して他の項目を除外する単一の項目のみを意味するように明確に限定されない限り、そのようなリストにおける「又は」の使用は、(a)このリスト中の任意の単一の項目、(b)このリスト中の全ての項目、又は(c)このリスト中の項目の任意の組合せを含むと解釈すべきである。加えて、「含む」という用語、及び同類のものは、本発明全体を通して、同一の特徴の任意のより多くの数、及び/又は1種若しくは複数の追加の種類の特徴が除外されないように、列挙された特徴を少なくとも含むことを意味するために使用される。さらに、様々な特定の特徴、方法、又は特性を、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせ得る。
【0017】
本発明は、網羅的であることが意図されておらず、本技術を本明細書で開示されている詳細な形態に限定することも意図されていない。本明細書では、説明を目的として具体的な実施形態が開示されているが、関連分野の当業者が認識するように、本技術から逸脱することなく様々な等価の改変が可能である。いくつかの場合では、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、公知の構造及び機能は示されておらず、及び/又は詳細には説明されてない。本明細書では、方法のステップを特定の順序で示す場合があるが、代替実施形態では、このステップは別の適切な順序を有し得る。同様に、特定の実施形態の文脈で開示されている本技術のある特定の実施形態を、他の実施家形態で組み合わせてもよいし、他の実施形態において除外してもよい。さらに、ある特定の実施形態と関連する利点が、この実施形態の文脈で開示され得るが、他の実施形態もそのような利点を示し得、全ての実施形態は、本技術の範囲に含まれるために、本明細書で開示されているそのような利点又は他の利点を示す必要はない。従って、この開示及び関連技
術は、本明細書で明示的に示されていない及び/又は説明されていない他の実施形態を包含し得る。
【0018】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本方法が属する分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
値の範囲が記載されている場合には、この範囲の上限と下限との間の各介在値、並びにこの規定の範囲内の任意の他の規定の又は介在する値は、本方法及び本組成物に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、これらのより小さい範囲に含まれ得、この規定の範囲中で任意の特に除外された限界を条件として、本方法及び本組成物にも包含される。この規定の範囲が限界の一方又は両方を含む場合には、これらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、本方法、本組成物、及び本組合せに含まれる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「莢膜多糖」という用語は、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの細胞壁の外側でこの細胞壁と連続する多糖の層を指す。
本明細書で使用される場合、「担体タンパク質」という用語は、典型的には免疫系による抗原の検出を強化するか又は促進する目的で、多糖が結合するか、付着するか、又はコンジュゲートするあらゆるタンパク質を指す。担体タンパク質の例として、CRM197、PsaA、及び破傷風トキソイド(TT)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
「コンジュゲート」又は「コンジュゲートした」という用語は、本明細書で使用される場合、肺炎連鎖球菌莢膜多糖が担体タンパク質に共有結合することを意味するために使用される。
【0021】
「多糖」という用語は、本明細書で使用される場合、グリコシド結合により互いに連結されたサッカライド鎖で構成された複合炭水化物を指す。この多糖は、少なくとも10個、20個、30個、40個、若しくは50個、又はより多くのサッカライドを含み得る。
【0022】
「サイジングされた」又は「サイジング」という用語は、本明細書で使用される場合、様々な方法により天然多糖のサイズを減少させることを指す。この方法として、均質化等の機械的方法が挙げられ得る。天然多糖のサイズを減少させること、又はサイジングにより、下記を含む様々な利点が得られる:(1)天然多糖と比較して、より均質性を付与する、(2)コンジュゲート中における多糖対タンパク質の比を制御し得る、(3)サイジングされた多糖は、組成物により高い安定性を付与し得る。本発明の目的のために、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの天然莢膜多糖は、50~1000kDaの平均分子量(Mw)までサイジングされている。
【0023】
多糖の「分子量」、又は「分子サイズ」、又は「平均分子サイズ」、又は「平均分子量」という用語は、本明細書で使用される場合、MALIS(多角度レーザー光散乱)で測定した多糖の重量平均分子量(Mw)を指す。
本発明の詳細な説明
本発明は、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖、並びにこの調製方法に関する。
【0024】
本発明に係る多糖を、発酵槽内において最適化された栄養素中で肺炎連鎖球菌を培養し、発酵の終了時に、デオキシコール酸ナトリウム(DOC)又は任意の従来の溶解剤の添加により細胞を溶解させることによって調製する。回収された溶解物ブロスを下流の精製に供して、タンパク質、核酸、細胞壁成分等の不純物を除去する。
【0025】
発酵後、DOC細胞溶解物を、バッチ式又は連続式の遠心分離機で遠心分離し、細胞残
屑を除去する。細胞フリーブロスのpHを酸性条件に調整し、温度を上昇させた後に遠心分離する。遠心分離後、上清を深層フィルターに通し、濃縮し、限外ろ過(UF)膜を使用して透析ろ過する。界面活性剤を添加し、続いて遠心分離することにより、多糖調製物(保持液)からさらなる不純物を除去する。続いて、界面活性剤処理上清を、チャコールフィルターに通すか、又は活性炭カラムに通し、続いて、ろ過された多糖をSiO粒子にさらし、次いで遠心分離する。上清を深層フィルターに通し、深層ろ液を炭素フィルターに通し、続いて0.22~0.6μmフィルターに通す。ろ液を濃縮し、UF膜で透析ろ過し、0.5~2%のNaCl溶液又は水若しくは緩衝液で透析ろ過して、実質的に純粋な形態で多糖を得る。
【0026】
精製された多糖を、高いpHで化学的にサイジングするか、又は高圧ホモジナイザーを使用して機械的にサイジングする。サイジングされた多糖調製物を、UF膜で5~25mg/mLに濃縮する。保持液を0.22μmフィルターに通し、-20℃未満で凍結させる。
【0027】
一実施形態では、本発明は、平均分子量(Mw)が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖を提供する。好ましくは、100~1000kDa、200~800kDa、250~600kDa、又は300~400kDa、70~150kDa、又は75~125kDa。
【0028】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの精製された莢膜多糖は、平均分子量が50kDa~1,000kDaである。他のそのような実施形態では、この多糖は、平均分子量50kDa~750kDa、50kDa~500kDa、100kDa~1,000kDa、100kDa~750kDa、100kDa~500kDaを有する。
【0029】
本発明の莢膜多糖のサイズを、精製手順後に、様々なサイジング技術を使用して所望のサイズまで減少させる。本発明者らは、本発明に従って調製された担体タンパク質とコンジュゲートした血清型2、15A、15C、及び35Bからの精製された莢膜多糖は免疫原性が高いことを発見している。
【0030】
ある実施形態では、本発明の莢膜多糖は、平均分子量が約80kDa、100kDa、200kDa、300kDa、400kDa、500kDa、700kDa、又は1000kDaである、血清型2からの肺炎連鎖球菌多糖を含む。
【0031】
ある実施形態では、本発明の莢膜多糖は、平均分子量が約80kDa、100kDa、200kDa、300kDa、400kDa、500kDa、700kDa、又は1000kDaである、血清型15Aからの肺炎連鎖球菌多糖を含む。
【0032】
ある実施形態では、本発明の莢膜多糖は、平均分子量が約80kDa、100kDa、200kDa、300kDa、400kDa、500kDa、700kDa、又は1000kDaである、血清型15Cからの肺炎連鎖球菌多糖を含む。
【0033】
ある実施形態では、本発明の莢膜多糖は、平均分子量が約80kDa、100kDa、200kDa、300kDa、400kDa、500kDa、700kDa、又は1000kDaである、血清型35Bからの肺炎連鎖球菌多糖を含む。
【0034】
さらなる態様では、本開示は、グリセロール含有量が5~18%の範囲であり、好ましくは5~10%の範囲であるサイジングされた肺炎連鎖球菌血清型15A莢膜多糖を提供する。
【0035】
さらなる態様では、本開示は、グリセロール含有量が5~18%の範囲であり、好ましくは5~10%の範囲であるサイジングされた肺炎連鎖球菌血清型15C莢膜多糖を提供する。
【0036】
さらなる態様では、本開示は、アセテート(acetate)含有量が2~10%の範囲であり
、好ましくは2~8%の範囲であるサイジングされた肺炎連鎖球菌血清型35B莢膜多糖を提供する。
【0037】
さらなる態様では、本開示は、平均分子量が50~1000kDaであり、グリセロール含有量が5~18%の範囲であるサイジングされた肺炎連鎖球菌血清型15Aを提供する。
【0038】
さらなる態様では、本開示は、平均分子量が50~1000kDaであり、グリセロール含有量が5~18%の範囲であるサイジングされた肺炎連鎖球菌血清型15Cを提供する。
【0039】
さらなる態様では、本開示は、平均分子量が50~1000kDaであり、アセテート含有量が2~10%の範囲である単離された肺炎連鎖球菌血清型35Bを提供する。
フッ化水素酸(HF)による多糖の処理によるグリセロールの放出後のパルスアンペロメトリック検出付きの高性能陰イオン交換クロマトグラフイー(HPAEC-PAD)を使用するグリセロールの測定により、グリセロールリン酸側鎖の存在を決定し得る。
【0040】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、平均分子量が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型2からの精製された多糖は、PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしており、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0041】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、平均分子量が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型15Aからの精製された多糖は、PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしており、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0042】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、平均分子量が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型15Cからの精製された多糖は、PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしており、この組成物は、約0.5~約2.0タンパク質/PS、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0043】
ある実施形態では、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、平均分子量が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型35Bからの精製された多糖は、PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしており、この組成物は、約0.5~約2.0タンパク質/PS、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0044】
ある実施形態では、本発明は、肺炎連鎖球菌血清型2からの少なくとも1種の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型15Aからの少なくとも1種の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌血清型15Cからの少なくとも1種の糖コンジュゲート、及び35Bからの少なくとも1種の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物を提供する。
【0045】
一態様では、本発明の免疫原性組成物は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はCRM197及びPspAの組合せ、又はCRM197及び破傷風トキソイドの組合せ、又はPsaA及び破傷風トキソイドの組合せ、又はCRM197、PspA、及び破傷風トキソイドの組合せから選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fからの糖コンジュゲートをさらに含む。
【0046】
別の態様では、免疫原性組成物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、25、又はそれより高い原子価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【0047】
別の態様では、免疫原性組成物は多価であり、8個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(8価)、9個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(9価)、10個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(10価)、11個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(11価)、12個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(12価)、13個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(13価)、14個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(14価)、15個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(15価)、16個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(16価)、17個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(17価)、18個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(18価)、19個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(19価)、20個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(20価)、21個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(21価)、22個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(22価)、23個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(23価)、24個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(24価)、25個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(25価)、26個の肺炎球菌多糖コンジュゲート(26価)を含む。
【0048】
さらに別の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量が約50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bの精製された莢膜多糖を含む免疫原性組成物を提供する。
【0049】
本発明の一態様では、免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌多糖を含み、この多糖血清型は、最大2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の係数でサイジングされている。「最大2の係数でサイジングされている」という用語は、糖を、この糖のサイズを減少させるが天然多糖のサイズの半分超のサイズを保持することが意図されたプロセスにかけることを意味する。
【0050】
サイジング技術のプロセスにかけられていない多糖は、天然多糖と称される。多糖は、通常の精製手順中に、又はコンジュゲーション中の分解により、サイズがわずかに減少する場合があるが、この多糖は、依然として天然多糖と称され得る。
【0051】
本莢膜多糖のサイズを、当分野で既知の様々な機械的手段(例えば、高圧技術、例えば、顕微溶液化、Emulsiflex(商標)、高圧均質化、超音波処理、又はGaulin均質化)により減少させ得る。
【0052】
高圧均質化では、十分に小さい寸法の流路に通してプロセス流をポンプで流すことによ
り、高いせん断速度が達成される。このせん断速度を、より高い均質化圧を印加することにより増加させ、露出時間を、ホモジナイザーを通る供給流を再循環させることにより増加させ得る。
【0053】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型2からの莢膜多糖を含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約10000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0054】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Aからの莢膜多糖を含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約10000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0055】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Cからの莢膜多糖を含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約10000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0056】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型35Bからの莢膜多糖を含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約10000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0057】
本発明の多糖タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約5000kDa、1,000kDa~約10,000kDa、約1,500kDa~約15,000kDa、約2,000kDa~約20,000kDa、約2,500kDa~約25,000kDa、又は約3,000kDa~約30,000kDaの範囲である。
【0058】
別の実施形態では、本発明は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)のパーセント比を有する、精製された肺炎球菌多糖及び担体タンパク質を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はCRM197及びPspAの組合せ、又はCRM197及び破傷風トキソイドの組合せ、又はPsaA及び破傷風トキソイドの組合せ、又はCRM197、PspA、及び破傷風トキソイドの組合せから選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量が50~1000kDdである、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bからの精製された多糖を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/多糖)のパーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0060】
別の実施形態では、本発明は、担体タンパク質にそれぞれ独立してコンジュゲートした1種又は複数の精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、各多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が約1,500kDa~約15,000kDaである肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0061】
他の実施形態では、精製された肺炎球菌多糖を、1種又は複数の担体タンパク質へのコンジュゲーション前に(例えば化学的に)活性化し得る。各活性化された肺炎球菌多糖を、多糖-タンパク質コンジュゲート(例えば糖コンジュゲート)を形成する担体タンパク質に、それぞれ独立してコンジュゲートさせ得る。
【0062】
一部の実施形態では、既知の技術(例えば、米国特許第4,365,170号明細書、同第4,673,574号明細書、及び同第4,902,506号明細書で説明されているもの)に従って、本発明の精製された肺炎球菌多糖を、化学的に活性化してその後に担体タンパク質にコンジュゲートさせ得る。例えば、炭水化物の1つ又は複数の隣接ヒドロキシル基のランダム酸化開裂による、過ヨウ素酸塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、又は過ヨウ素酸)等の酸化剤を使用する末端ヒドロキシル基のアルデヒドへの酸化、及び1つ又は複数の反応性アルデヒド基の形成により、肺炎球菌多糖を活性化し得る。
【0063】
同様に、本発明の精製された肺炎球菌多糖を、CDAP(1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウムテトラフルオロボレート)により活性化し、その後に1種又は複数種の担体タンパク質(例えば、PsaA、CRM197、PspA、又はこれらの組合せ)にコンジュゲートさせ得る。他の実施形態では、CDAPにより活性化されてシアン酸エステルを形成する肺炎球菌多糖を、1種又は複数種の担体タンパク質に直接コンジュゲートさせてもよいし、スペーサー(例えばリンカー)を介してコンジュゲートさせてもよい。このスペーサーは、担体タンパク質上のアミノ基に結合し得る。一部の実施形態では、このスペーサーは、シスタミン又はシステアミンであり得、これらはチオール化多糖を生成し、このチオール化多糖は、マレイミド活性化タンパク質へのチオエーテル結合を介して(例えばGMBSを使用する)、又はハロアセチル化担体タンパク質へのチオエーテル結合を介して(例えば、ヨードアセチミド(iodoacetimide)、ヨードアセチミドエチル、HCl,SIAB、SIA、SBAP、及び/又はN-スクシンイミジルブロモアセテートを使用する)、担体タンパク質に結合し得る。他の実施形態では、ヘキサンジアミン又はアジピン酸ジヒドラジド(ADH)を使用してシアン酸エステルを結合させ、カルボジイミド(例えばEDAC又はEDC)化学を使用して、アミノ誘導体化糖を、担体タンパク質上のカルボキシル基を介してこの担体タンパク質にコンジュゲートさせる。そのようなコンジュゲートは、国際公開第93/15760号パンフレット、同第95/08348号パンフレット、同第96/29094号パンフレット、及びChu et al.,1983,Infect.Immunity 40:245-256で説明されている。
【0064】
本発明の多糖-タンパク質コンジュゲート及びワクチン組成物での使用に適した他の活性化及び/又は結合技術として、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTU、及び国際公開第98/42721号パンフレットで説明されている他の方法の使用が挙げられる。例えば、コンジュゲーションは、サッカライドの遊離ヒドロキシル基とCDIとの反応(Bethell et al.,1979,J.Biol.Chem.254:2572-4;Hearn et al.,1981,J.Chromatogr.218:509-18)、及びその後のタンパク質との結合によるカルバメート結合の形成により形成され得るカルボニルリンカーを伴い得る。一部の実施形態では、アノマー末
端を第1級ヒドロキシル基へと還元させ、この第1級ヒドロキシル基の任意選択的な保護/脱保護、この第1級ヒドロキシル基とCDIとの、CDIカルバメート中間体を形成する反応、及びCDIカルバメート中間体とタンパク質上のアミノ基との結合を行うことができる。
【0065】
例えば、本発明の多糖-タンパク質コンジュゲート及びワクチン組成物での使用に適した別の活性化及び/又は結合技術として、下記の方法が挙げられる:サイジングされた肺炎球菌多糖(例えば、約10mg/mLの濃度での約6mLのサイジングされた多糖)及びCDAP(例えば、アセトニトリル中に約100mg/mL(w/v))を、(例えば、約1分にわたり撹拌することにより)ガラスバイアル中において約1:約1の比で混合し得る。多糖溶液のpHを、必要に応じて調整し得る(例えば、約0.2Mのトリエチルアミンで約9.25Mに調整し、室温にて3分にわたり撹拌し得る)。加えて、活性化された肺炎球菌多糖に、PsaA(濃度が約15mg/mLである溶液 約4mL)を(例えば約1:約1(Ps:担体タンパク質)の比で)緩やかに添加し得る。この反応物のpHを(例えば、0.2Mのトリメチルアミンを使用して約9.05に)調製し得、この反応を(例えば、室温で5時間にわたり撹拌することにより)継続させ得る。この反応混合物を、(例えば、過剰な濃度のグリシンの添加により)クエンチし得る。
【0066】
一部の実施形態では、この反応混合物を、膜(例えば100 K MWCO膜)を使用して透析ろ過し得、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製し得る。透析ろ過及び精製された画分を、SEC-MALLS及びアントロン法を使用して分析し得る。コンジュゲートを含む分析画分を、プールして(例えば0.2μmフィルターを使用して)無菌ろ過し得る。
【0067】
1種又は複数種の担体タンパク質への肺炎球菌多糖のコンジュゲーション後に、様々な技術により多糖-タンパク質コンジュゲートを精製し得る(例えば、多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化させ得る)。この技術として、濃縮/透析ろ過操作、沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィー、及び深層ろ過が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、このコンジュゲートを精製した後、このコンジュゲートを配合して、ワクチンとして使用され得る本発明の肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲート組成物を製剤化し得る。
【0068】
一実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌の血清型からの多糖を含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この血清型は、2、15A、15C、及び35B、並びに追加の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fを含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0069】
一実施形態では、本発明は、担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌の血清型からの多糖を含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この血清型は、2、15A、15C、及び35B、並びに追加の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fを含み、この担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される、17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0070】
一実施形態では、本発明は、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも3種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この24種の血清型は、担体タンパク質にコンジュゲートしており、この
担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はCRM197及びPspAの組合せ、又はCRM197及び破傷風トキソイドの組合せ、又はPsaA及び破傷風トキソイドの組合せ、又はCRM197、PsaA、及び破傷風トキソイドの組合せから選択される、24価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0071】
一実施形態では、本発明は、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この24種の血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はCRM197及びPsaAの組合せ、又はCRM197及び破傷風トキソイドの組合せ、又はPsaA及び破傷風トキソイドの組合せ、又はCRM197、PsaA、及び破傷風トキソイドの組合せから選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、24価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、33Fから選択される1種又は複数種の追加の血清型からの多糖を含む多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であって、この血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はCRM197及びPsaAの組合せ、又はCRM197及び破傷風トキソイドの組合せ、又はPsaA及び破傷風トキソイドの組合せ、又はCRM197、PsaA、及び破傷風トキソイドの組合せから選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0073】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で説明されている肺炎球菌ワクチン組成物の多糖-タンパク質コンジュゲートを調製する方法であって、この多糖-タンパク質コンジュゲートを、アジュバント、賦形剤、及び緩衝剤を含む肺炎球菌ワクチン組成物に製剤化するステップをさらに含む方法を提供する。
【0074】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で説明されている肺炎球菌ワクチン組成物の多糖-タンパク質コンジュゲートを調製する方法であって、アジュバントは、リン酸アルミニウムである、方法を提供する。
【0075】
別の実施形態では、本発明のワクチン又は免疫原性組成物を、肺炎連鎖球菌株により引き起こされる感染の予防に使用する。
一部の実施形態では、本発明は、処置が必要な対象を処置する方法であって、この処置が必要な対象に、本明細書で説明されている肺炎球菌ワクチン組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0076】
一部の実施形態では、この対象は、肺炎連鎖球菌により媒介される疾患(例えば侵襲性肺炎球菌疾患(IPD))を有する。一実施形態では、この対象はヒトであり、例えば、乳児(約1歳未満)、幼児(約12カ月齢~約24カ月齢)、小児(約2歳~約5歳)、年長児(約5歳~約13歳)、青年(約13歳~約18歳)、成人(約18歳~約65歳)、又は年長者(約65歳超)である。
【0077】
一部の実施形態では、本発明は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖コンジュゲートに対する免疫反応を誘発する方法であって、対象に、本明細書で説明されている肺炎球菌コンジュゲート
ワクチン組成物の免疫学的に有効な量を投与するステップを含む方法を提供する。
【0078】
一実施形態では、肺炎連鎖球菌莢膜多糖コンジュゲートに対する免疫反応を誘発する方法であって、対象に、本明細書で説明されている肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を全身投与し、皮下投与し、及び/又は粘膜投与するステップを含む方法。
【0079】
一部の実施形態では、本発明のワクチン組成物の用量中における各コンジュゲートの量は、免疫保護反応(例えば、顕著な副作用を引き起こさない免疫保護反応)を誘発するのに十分な量である。各コンジュゲートの量は、肺炎球菌血清型に応じて異なり得るが、ワクチン組成物の各用量は、担体タンパク質 約1.5μg~約5μgを含む各担体タンパク質にコンジュゲートした、各肺炎球菌多糖 約0.1μg~約50μg、各肺炎球菌多糖 約0.1μg~約10μg又は約1μg~約5μgを含み得る。
【0080】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型2からの莢膜多糖 0.1μg~約10μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0081】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Aからの莢膜多糖 0.1μg~約10μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0082】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Cからの莢膜多糖 0.1μg~約10μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0083】
他の実施形態では、本発明は、担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型35Bからの莢膜多糖 0.1μg~約10μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0084】
他の実施形態では、本発明は、CRM197担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型2からの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の
(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0085】
他の実施形態では、本発明は、CRM197担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Aからの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0086】
他の実施形態では、本発明は、CRM197担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Cからの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0087】
他の実施形態では、本発明は、PsaA担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型2からの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0088】
他の実施形態では、本発明は、PsaA担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Aからの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0089】
他の実施形態では、本発明は、PsaA担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型15Cからの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0090】
他の実施形態では、本発明は、PsaA担体タンパク質 1.5μg~約5μgにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型35Bからの莢膜多糖 0.5μg~約5μgを含む肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物であって、多糖-タンパク質コンジュゲートは、平均分子量が500kDa~約15000kDaの範囲であり、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を有する、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0091】
好ましい実施形態では、本発明は、多価のコンジュゲートワクチン組成物であって、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量が50~1000kDaである肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、及び35Bからの少なくとも2種の多糖であり、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)のパーセント比を含む、多糖と、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又は担体タンパク質の組合せから選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、16F、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fからの追加の多糖タンパク質コンジュゲートとを含む多価のコンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0092】
本発明の肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、既知の方法を使用して製造し得る。例えば、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を、医薬的に許容できる希釈剤又はビヒクル(例えば、水又は生理食塩水)により製剤化し得る。加えて、肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、下記の内の1つ又は複数をさらに含み得る:緩衝剤、保存剤若しくは安定剤、ポリソルベート、アジュバント、例えばアルミニウム化合物(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、若しくはヒドロキシリン酸アルミニウム)、及び/又は凍結乾燥用賦形剤。本発明の肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物中での上記化合物のいずれか1つの包含を、必要な対象への投与様式及び投与経路に応じて選択し得、さらには標準的な薬務に基づき得る。
【0093】
本発明の肺炎球菌多糖-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、対象に投与されると、標準的なELISAアッセイにより測定した場合に、肺炎連鎖球菌の血清型2、15A、15C、及び35Bに結合し得る抗体の形成を誘発する。このELISAを、WHO推奨プロトコルに従って実施した。簡潔に説明すると、Maxisorp(商標)ELISAプレートを、所与の血清型のPnCPSでコーティングした(PBSを使用して1μg/50μL/ウェル;無菌エンドトキシンフリー、0.02%アジ化ナトリウムを含む)。プレートを、加湿用の濡れたペーパータオルと一緒に箱に入れ、5時間にわたり37℃±2℃でインキュベートし、次いで、このプレートを、使用するまで5℃±3℃で保管した。
【実施例0094】
下記の実施例は、本発明を説明するために記載されており、単に説明目的のみにすぎず、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
実施例1:
a.肺炎球菌莢膜多糖血清型2、15A、15C、及び35Bの調製
肺炎連鎖球菌株(血清型2、15A、15C、及び35B)の細胞バンクを、Centre for Disease Control and Prevention,USAから得た。
播種前調製:
培養(肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)血清型2)単離物 0.4μlを、
完全Mueller Hinton(MH)培地 60mlに接種した。接種したフラスコを、35±1℃、5±0.5% COで2~8時間にわたりインキュベートした。サンプルを回収し、600nmで光学密度に関して調べた。所望のODが0.8±0.2に到達すると、サンプルを回収し、pH及びグラム染色に関して調べた。
播種調製:
播種前培養物の顕微鏡(グラム染色)による純度の確認後、播種前培養物 40mlを
、MH培地 760mLが入った1リットルフラスコに接種した。接種した播種物を、35±1℃、5±0.5%%COで3~11時間にわたりインキュベートした。サンプルを回収し、600nmで光学密度(OD)に関して調べた。所望のODが4±2に到達すると、グラム染色、pHのためにサンプルを回収した。血液寒天プレート上に蒔くことにより、純度を確認した。
発酵/培養:
播種物750mlを、MH培地 15リットルに接種し、7.1±0.3のpHでの1分当たり100~140回転(RPM)下で、35±1℃にて、600nmでのODが6±2に到達するまで、1分当たり3~5mlの速度で30~50%のグルコースを補充した。
不活性化:
この発酵槽ブロスに、培養ブロスを不活性化させるためにデオキシコール酸ナトリウム(DOC)の13%ストック溶液を添加し、10±2時間にわたりインキュベートした。遠心分離:
DOC処理培養物を回収し、20℃にて14000相対遠心量(RCF)で遠心分離した。遠心分離後、上清を回収し、精製ステップ用に処理した。
【0095】
b.肺炎球菌莢膜多糖血清型2の精製
肺炎連鎖球菌血清型2のDOC細胞溶解物を、バッチ式遠心分離機で遠心分離し、細胞残屑を除去した。次いで、細胞フリーブロスのpHを5.0に調整し、4時間にわたりインキュベートし、14000gで45分にわたり遠心分離した。遠心分離後、上清を深層フィルターに通した。次いで、ろ液を4.2倍に濃縮し、30~300kDaのUF膜を使用して透析ろ過(4~15倍の透析体積)した。界面活性剤(CTAB1%)を添加し、6℃で30~90分にわたりインキュベートし、続いて9000~14500gで15~60分にわたり遠心分離することにより、多糖調製物(保持液)からさらなる不純物を除去した。続いて、このCTAB処理上清を、活性炭カラム(30~300g/L多糖調製物)に通した。炭素ろ過多糖調製物を、SiO(二酸化ケイ素)粒子(3~10%、塩を含む)にさらし、2~40℃で15~120分にわたりインキュベートし、続いて9000~14500gで15~60分にわたり遠心分離した。上清を2~50μm深層フィルターに通し、深層ろ液を炭素フィルターに通し、続いて0.22~0.6μmフィルターに通した。次いで、ろ液(0.22~0.6μm)を濃縮し、30~300kDaのUF膜で透析ろ過し、0.5~2% NaCl溶液により、又は水若しくは緩衝液中の塩を使用することなく透析ろ過して、実質的に純粋な形態で莢膜多糖血清型2を得た。
血清型15A及び15Cからの肺炎球菌莢膜多糖の精製物を、血清型2に関して上記で説明した同様の手順で調製した。
【0096】
c.肺炎球菌莢膜多糖血清型35Bの精製
肺炎連鎖球菌血清型35B DOC細胞溶解物を、バッチ式遠心分離機で遠心分離し、細胞残屑を除去した。次いで、細胞フリーブロスのpHを5.0に調整し、4時間にわたりインキュベートし、14000gで45分にわたり遠心分離した。遠心分離後、上清を深層フィルターに通した。次いで、ろ液を7.5倍に濃縮し、30~300kDaのUF膜を使用して透析ろ過(4~15倍の透析体積)した。界面活性剤(CTAB1%)を添加し、6℃で30~90分にわたりインキュベートし、続いて9000~14500gで15~60分にわたり遠心分離することにより、多糖調製物(保持液)からさらなる不純物を除去した。続いて、このCTAB処理上清を、活性炭カラム(30~300g/L多糖調製物)に通した。炭素ろ過多糖調製物を、SiO(二酸化ケイ素)粒子(3~10%、塩を含む)にさらし、2~40℃で15~120分にわたりインキュベートし、続いて9000~14500gで15~60分にわたり遠心分離した。上清を2~50μm深層フィルターに通し、深層ろ液を炭素フィルターに通し、続いて0.22~0.6μmフィルターに通した。次いで、ろ液(0.22~0.6μm)を濃縮し、30~300kD
aのUF膜で透析ろ過し、0.5~2% NaCl溶液により、又は水若しくは緩衝液中の塩を使用することなく透析ろ過して、実質的に純粋な形態で莢膜多糖血清型35Bを得た。
【0097】
d.精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型2のサイジング
上記で得た精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型2を、1~20サイクルにわたり100MPa(1000bar)で高圧ホモジナイザーを使用して機械的にサイジングした。サイジングされた多糖調製物を、30kDaの限外ろ過(UF)膜で15mg/mLに再び濃縮した。保持液を0.22μmフィルターに通し、-20℃未満で凍結させた。
血清型35Bからの肺炎球菌莢膜多糖のサイジングを、血清型2に関して上記で説明した同様の手順を使用して実行した。
【0098】
e.精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型15Aのサイジング
精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型15Aを、1~20サイクルにわたり150MPa(1500bar)で高圧ホモジナイザーを使用して機械的にサイジングした。サイジングされた多糖肺炎球菌血清型15A調製物を、30kDaの限外ろ過(UF)膜で15mg/mLに再び濃縮した。保持液を0.22μmフィルターに通し、-20℃未満で凍結させた。
【0099】
f.精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型15Cのサイジング
精製された肺炎球菌莢膜多糖血清型15Cを、1~20サイクルにわたり120MPa(1200bar)で高圧ホモジナイザーを使用して機械的にサイジングした。サイジングされた多糖肺炎球菌血清型15A調製物を、30kDaの限外ろ過(UF)膜で15mg/mLに再び濃縮した。保持液を0.22μmフィルターに通し、-20℃未満で凍結させた。
【0100】
肺炎球菌莢膜多糖血清型2、15A、及び15CのNMR構造解析
血清型2、15A、及び15Cの多糖同一性の確認を、NMR解析により行った。この解析を、Abeygunawardana et.al.,Development and Validation of an NMR based Identity Assay for polysaccharides,Analytical Biochemistry,279,226-240(2000)により公開された方法論に基づいて実施した。図1~3のNMRデータに基づいて、NMRスペクトルのアノマー領域から多糖同一性を確認し、ピークから、各多糖血清型2、15A、及び15Cに含まれる糖を同定する。
【0101】
肺炎球菌莢膜多糖血清型35BのNMR構造解析
血清型35Bの多糖同一性の確認を、NMR解析により行った。この解析を、Abeygunawardana et.al.,Development and Validation of an NMR based Identity Assay for
polysaccharides,Analytical Biochemistry,279,226-240(2000)により公開された方法論に基づいて実施した。図4のNMRデータに基づく。血清型35BのH NMRスペクトルピークの割り当てを、L.M.Beynon.,J.C.Richards.,M.B.Perry.,P.J.Kniskern,Characterization of the capsular antigen of Streptococcus pneumoniae serotype 35B,Canadian Journal of Chemistry,73(1):41-48(1995)により公開されたデータに従って行った。
【0102】
上記で説明したように調製した肺炎球菌血清型2、15A、15C、及び35Bからの
精製及びサイジングされた多糖の顕著な特徴を、下記の表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
実施例2:担体タンパク質の調製
a.CRM197の調製
CRM197を、米国特許第5,614,382号明細書で説明されている方法に従う組み換え法により調製し得る。或いは、CRM197を、文献で既知の方法に従うか又は国際公開第2016/079755号パンフレット、同第2017/081700号パンフレット、及び同第2018/193475号パンフレットで開示されている方法に従って、組み換えにより調製する。CRM197を、当分野で公知の方法である限外ろ過、硫酸アンモニウム沈殿、及びイオン交換クロマトグラフィーにより精製し得る。
b.PsaAの調製
PsaA遺伝子を、疎水性リーダーペプチド配列を使用することなく、肺炎連鎖球菌血清型4からPCR増幅させた。この遺伝子配列を検証し、高発現用にインハウスで構築したベクター(pBE66)を使用して大腸菌(Escherichia coli)にクローニングした。
【0105】
PsaA遺伝子をコードするグリセロールストック培養物を、150mLの三角フラスコ中において、グリセロールストック 1mLを含むLB培地 20mLで回復させた。この培養物を、200rpm下で37℃にて約6時間にわたり3.5ODの最終OD600nmまでインキュベートした。この回復培養物を、5Lの三角フラスコ中の播種培養物1Lに移した。この培養物を、200rpm下で37℃にて約10時間にわたり3の最終OD600nmまで増殖させた。この播種培養物を、下記の培養成分が入った20Lの発酵槽に無菌的に移した:HyPeptone 6g/L、酵母抽出物 12/L、オルトリン酸水素二カリウム 13.5g/L、リン酸アンモニウム二塩基性 4g/L、クエン酸 1.7g/L、MgSO.7HO 1.2g/L、グルコース 4g/L、チアミン HCL 10mg/L、及び1mL/Lの微量元素(例えば、100mL組成物の場合の微量元素、FeCl 2.7g、ZnCl 0.2g、CoCl.6HO 0.2g、NaMoO.2HO 0.2g、CuSO 5HO 0.1g、ホウ酸 0.05g、CaCl 2HO 0.1g、濃HCL 10mL)。最初の発酵を、OD600nm 0.2ODで開始した。20%のオルトリン酸及び12.5%の水酸化アンモニウムを使用して、この発酵全体を通してpHを7±0.2で維持した。グルコースレベルが0.5g/Lを下回ると、3~4g/L/時間の安定した速度で供
給バッチを開始し、酸素富化により、この発酵全体を通してDO%を>20%に維持した。発酵槽中で細胞を増殖させ、遠心分離により細胞ペレットを回収した。細胞を、細胞破壊装置(Panda)を使用して溶解させた。溶解物を10000gで遠心分離し、清澄な上清を精製に供した。
【0106】
PsaAの精製を、Larentis他、2011(Protein expression and Purification 78(2011)38)で説明されている手順と同様に実施した。DEAE後に混合モードクロマトグラフィー(Ceramic Hydroxyapatite Type-II)を使用することにより精製をさらに最適化して、PsaAのより高い純度を達成した。
【0107】
陰イオン交換クロマトグラフィー:DEAEセファロース(GE)樹脂 30mLを、XK16/20カラムに充填した。この樹脂を、5カラム体積の無菌蒸留水で洗浄し、続いて10カラム体積の20mMのTris、1mMのEDTA、pH8.0(平衡緩衝液)で洗浄した。上清 30mLを平衡緩衝液で100mLまで希釈し、カラムにローディングし、フロースルーを回収した。このカラムを、5体積の平衡緩衝液で洗浄した。(0~100%B)の12体積の直線勾配でPsaAを溶出させた。(20mMのTris、1mMのEDTA pH8.0を含む緩衝液A;20mMのTris、1mMのEDTA、250mMのNaCl pH8.0を含む緩衝液B)。この後、20mMのTris、1mMのEDTA、1MのNaCl、pH8.0でカラムを洗浄した。
【0108】
混合モードクロマトグラフィー:Ceramic Hydroxyapatite Type II(CHT-II) 25mlを、カラムに充填した。この樹脂を、所定体積の無菌蒸留水で洗浄し、続いて10体積の20mMのTris pH6.8で洗浄した。SDA PAGEでPsaAの約37KDの良好な濃度の主要な可視バンドを明確に示す、DEAE樹脂からの溶出画分を、プールし、CHT-II樹脂にローディングした。フロースルーを回収し、このカラムを、5カラム体積の平衡緩衝液で洗浄した。(15%B、20%B、50%B、及び100%B)の5カラム体積の段階勾配でタンパク質を溶出させた。緩衝液Aは、20mMのTris pH6.8を含み、緩衝液Bは、250mMのリン酸緩衝液pH6.8を含む。
【0109】
PsaAの予想されるサイズで明確なバンドを示す溶出画分を全てプールし、10kDa MWCOカセットで濃縮し、20mMのリン酸緩衝液pH7.5で透析ろ過した。精製されたタンパク質をSDS-PAGEゲルにローディングして、純度を評価した。
【0110】
実施例3:肺炎球菌莢膜多糖血清型2、15A、15C、及び35Bのコンジュゲーション
a.肺炎球菌莢膜多糖血清型2とCRM197とのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型2 1000mg(5.0mg/mL濃度 200.0mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))5.0mLを、ガラス瓶中において1.0:0.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 12.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、CRM 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.7mL)を、1.0:1.0(PnP:CRM)の比で緩やかに添加した。
【0111】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 2.8mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図5A)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリ
ングした。
【0112】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、8168kDaであった。
b.肺炎球菌莢膜多糖血清型2とPsaAとのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型2 1000mg(5.0mg/mL濃度 200.0mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))5.0mLを、ガラス瓶中において1.0:0.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 16.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、PsaA
800mg(15.0mg/mL濃度 53.33mL)を、1.0:0.8(PnP:PsaA)の比で緩やかに添加した。
【0113】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 3.5mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図5B)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0114】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、6295kDaであった。
c.肺炎球菌莢膜多糖血清型15AとCRM197とのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型15A 1000mg(15.0mg/mL濃度
66.7mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))10.0mLを、ガラス瓶中において1.0:1.0(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 18.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、CRM197 1000mg(15.0mg/mL濃度 53.3mL)を、1.0:0.8(PnP:CRM)の比で緩やかに添加した。
【0115】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 1.0mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図6A)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0116】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、4272kDaであった。
d.肺炎球菌莢膜多糖血清型15AとPsaAとのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型15A 1000mg(14.0mg/mL濃度
71.4mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))10.0mLを、ガラス瓶中において1.0:1.0(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 20.5mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、P
saA 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.6mL)を、1.0:1.0(PnP:PsaA)の比で緩やかに添加した。
【0117】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 0.9mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図6B)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0118】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、9776kDaであった。
e.肺炎球菌莢膜多糖血清型15CとCRM197とのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型15C 1000mg(10.0mg/mL濃度
100.0mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))15.0mLを、ガラス瓶中において1.0:1.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 24.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、CRM197 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.6mL)を、1.0:1.0(PnP:CRM)の比で緩やかに添加した。
【0119】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 2.8mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図7A)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0120】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、10490kDaであった。f.肺炎球菌莢膜多糖血清型15CとPsaAとのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型15C 1000mg(10.0mg/mL濃度
100.0mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))15.0mLを、ガラス瓶中において1.0:1.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 24.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、PsaA 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.6mL)を、1.0:1.0(PnP:PsaA)の比で緩やかに添加した。
【0121】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 2.8mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図7B)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0122】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルター
で無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、8719kDaであった。
g.肺炎球菌莢膜多糖血清型35BとCRM197とのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型35B 1000mg(10.0mg/mL濃度
100.0mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))5.0mLを、ガラス瓶中において1.0:0.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 5.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、CRM197 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.7mL)を、1.0:1.0(PnP:CRM)の比で緩やかに添加した。
【0123】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 1.6mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図8A)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0124】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、8572kDaであった。
h.肺炎球菌莢膜多糖血清型35BとPsaAとのコンジュゲーション
機械的にサイズが減少した多糖血清型35B 1000mg(7.0mg/mL濃度 142.8mL)、及びCDAP(アセトニトリル中に100mg/mL(w/v))6.0mLを、ガラス瓶中において1.0:0.6(PS:CDAP)の比で混合し、1分にわたり撹拌した。この多糖溶液のpHを0.2Mのトリエチルアミン 7.0mLで9.0に調整し、室温(RT)で1分にわたり撹拌した。この活性化された多糖に、PsaA 1000mg(15.0mg/mL濃度 66.6mL)を、1.0:1.0(PnP:PsaA)の比で緩やかに添加した。
【0125】
この反応物のpHを0.2Mのトリエチルアミン 2.2mLで9.0に調整し、この反応を、室温での3~5時間にわたる撹拌下で継続させ、続いて、過剰な濃度のグリシン(100mM)を添加することにより、この反応をクエンチした。反応のコンジュゲーション反応速度論(図8B)を、この反応の各時間でSEC-HPLCを使用してモニタリングした。
【0126】
反応混合物を透析ろ過し、100kDa MWCO TFF膜を使用して濃縮した。濃縮液を、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。画分を、SEC-MALLS、アントロン法により分析し、コンジュゲートを含む画分をプールして、0.2pmフィルターで無菌ろ過した。得られたコンジュゲートの平均分子量は、6944kDaであった。
【0127】
実施例4:肺炎球菌莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンの製剤化
多価のコンジュゲートワクチンを、実施例3で調製した、CRN197タンパク質 約8~10μgにコンジュゲートした、血清型2、15A、15C、及び35Bからの各肺炎球菌多糖 2.2μgを含む0.5mL用量として製剤化した。全てのコンジュゲートを、0.5mLの用量当たりAl3+ 0.5mgに相当するリン酸アルミニウムゲル上に吸着させた。0.9W/V%の生理食塩水を、この製剤の希釈剤及びビヒクルとして使用し、最終的な製剤pHを、1Nの塩酸を使用してpH 6に調整した。pH調整後の効果的な吸着のために、この製剤を、一定した撹拌下で2時間にわたり混合した。ブレンドの2時間後、製剤化されたブレンドを、1つのバイアル当たり0.58mLの充填量で3mLの無菌非シリコン処理バイアルに無菌的に充填し、無菌の13mmゴム栓で閉じ、1
3mmの無菌のピンク色のフリップオフアルミニウムシールで密閉し、続いて光学的に検査し、充填されたバイアルにラベルを貼った。このロットから、いくつかのバイアルを無作為にピックアップし、外観、pH、重量オスモル濃度、全多及びタンパク質含有量(μg/SHD)、吸着%、アルミニウム含有量(mg/SHD)に関して分析した。
【0128】
実施例5:肺炎球菌莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンの製剤化
多価のコンジュゲートワクチンを、実施例3で調製した、PsaA担体タンパク質 約8~10μgにコンジュゲートした、血清型2、15A、15C、及び35Bからの各肺炎球菌多糖 2.2μgを含む0.5mL用量として製剤化した。全てのコンジュゲートを、アルミニウム上に吸着させた。全てのコンジュゲートを、0.5mLの用量当たりAl3+ 0.5mgに相当するリン酸アルミニウムゲル上に吸着させた。0.9W/V%の生理食塩水を、この製剤の希釈剤及びビヒクルとして使用し、最終的な製剤pHを、1Nの塩酸を使用してpH 6に調整した。pH調整後の効果的な吸着のために、この製剤を、一定した撹拌下で2時間にわたり混合した。ブレンドの2時間後、製剤化されたブレンドを、1つのバイアル当たり0.58mLの充填量で3mLの無菌非シリコン処理バイアルに無菌的に充填し、無菌の13mmゴム栓で閉じ、13mmの無菌のピンク色のフリップオフアルミニウムシールで密閉し、続いて光学的に検査し、充填されたバイアルにラベルを貼った。このロットから、いくつかのバイアルを無作為にピックアップし、外観、pH、重量オスモル濃度、全多及びタンパク質含有量(μg/SHD)、吸着%、アルミニウム含有量(mg/SHD)に関して分析した。
【0129】
実施例5:肺炎球菌莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンの製剤化
24価のコンジュゲートワクチンを、CRN197 25~40μgにコンジュゲートした、血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F、及び33Fからの各肺炎球菌多糖 2.2μg(但し、6Bは4.4μg)を含む0.5mL用量として製剤化し、血清型3、6A、8、10A、11A、12F、15A、23A、23B、24F、及び35Bからの各肺炎球菌多糖 2.2μgは、PsaA 25~40μgにコンジュゲートした。全てのコンジュゲートを、0.5mLの用量当たりAl3+ 0.5mgに相当するリン酸アルミニウムゲル上に吸着させた。0.9W/V%の生理食塩水を、この製剤の希釈剤及びビヒクルとして使用し、最終的な製剤pHを、1Nの塩酸を使用してpH 6に調整した。pH調整後の効果的な吸着のために、この製剤を、一定した撹拌下で2時間にわたり混合した。ブレンドの2時間後、製剤化されたブレンドを、1つのバイアル当たり0.58mLの充填量で3mLの無菌非シリコン処理バイアルに無菌的に充填し、無菌の13mmゴム栓で閉じ、13mmの無菌のピンク色のフリップオフアルミニウムシールで密閉し、続いて光学的に検査し、充填されたバイアルにラベルを貼った。このロットから、いくつかのバイアルを無作為にピックアップし、外観、pH、重量オスモル濃度、全多及びタンパク質含有量(μg/SHD)、吸着%、アルミニウム含有量(mg/SHD)に関する分析に送った。
【0130】
実施例6:0.5mL用量によるウサギの免疫化
A)免疫化及びELISA
それぞれ1.5~2kgの健康なウサギを、収容施設(contained facility)で飼育した。ウサギを、実施例4及び5で説明されている多価PCVの単回0.5mL用量で免疫化した。7匹のウサギからなる各群を、1日目、15日目、及び29日目に製剤で免疫化した。0日目(免疫化前)、15日目(試験血液)、及び36日目(最終血液)に血液サンプルを採取した。0日目(PD1)及び40日目(PD3)に採取したウサギ血清を、ELISAを使用して、血清型特異的免疫反応に関して分析した。このELISAを、WHO推奨プロトコルに従って実施した。このELISAを、WHO推奨プロトコルに従って実施した。簡潔に説明すると、Maxisorp(商標)ELISAプレートを、所与の血清型のPnCPSでコーティングした。このELISAを、WH
O推奨プロトコルに従って実施した。簡潔に説明すると、Maxisorp(商標)ELISAプレートを、所与の血清型のPnCPSでコーティングした(PBSを使用して1μg/50μL/ウェル;無菌エンドトキシンフリー、0.02%アジ化ナトリウムを含む)。プレートを、加湿用の濡れたペーパータオルと一緒に箱に入れ、5時間にわたり37℃±2℃でインキュベートし、次いで、このプレートを、使用するまで5℃±3℃で保管した。
【0131】
試験血清をCWPS Mlti(商標)に予め吸着させて、細胞壁多糖に由来するバックグラウンド反応性を排除した。これを達成するために、試験血清及び陽性対照血清 2μLを、吸着前溶液(1mL-PBST中の10%のSuperBlock(商標) 999μL中におけるCWPS Multi(商標) 1μL)998μLを使用して、1:500の最終希釈で希釈した。この希釈されたサンプルを、連続的に振盪させつつ1時間にわたり室温(25℃±5℃)でインキュベートした。プレートをはじくことにより非結合PnCPSを除去し、ブロッカー(PBS中における20%のSuperBlock(商標))200μlを添加することにより、ウェル中のフリーの場所をブロックした。プレートを、振盪させることなく1時間にわたり室温(25±5℃)でインキュベートした。
【0132】
B)試験サンプル及び対照の添加
A1~A12を除く全てのウェルに、希釈剤(PBST中における10%のSuperBlock(商標))50μLを添加した。この後、100μL/ウェルの予め吸着された試験血清サンプルを、A1~A10に添加し、対照血清サンプルを、A11及びA12に添加した。1回目から2回目等(即ち、A1~A10からH1~H10)で50μLを移すことにより、試験サンプルの2倍連続希釈を実施した。同様に、A11及び12からE11及びE12への対照サンプル(007SP)の連続希釈を実施した。希釈しないF11及びF12からH11及びH12を、ブランクと設定した。プレートを、振盪させることなく2時間にわたり室温(25℃±5℃)でインキュベートした。このインキュベーションステップの後、内容物を廃棄し、プレートを、手動で又はプレート洗浄機により、PBST(約250μL/ウェル)で3回洗浄した。
【0133】
C)一次抗体の添加
全てのウェルに、50μL/ウェルの組み換えタンパク質A/Gペルオキシダーゼ(PBST中における10%のSuperBlock(商標)を使用して1:20000に希釈した)を添加し、プレートを、振盪させることなく室温(25℃±5℃)で1時間にわたりインキュベートした。この後、プレートを、手動で又はプレート洗浄機により、PBST(250μL/ウェル)で3回洗浄した。
【0134】
D)発現及び読み取り
50μL/ウェルのTMB基質を添加することにより発色反応を発現させ、振盪させることなく室温(25℃±5℃)で15分にわたりインキュベートした。50μL/ウェルの1.25Mの硫酸を添加することにより、この反応を停止させた。450nmでのODを測定した。
【0135】
E)力価の推定
免疫化動物での抗体価を、希釈係数の逆数として割り当てた。免疫前の力価(約0.2)の2倍のOD450nmを示す最高希釈を、力価として報告した。各血清型に対する血清抗体価をプロットし、様々な処置群と比較した。
【0136】
F)ウサギにおける免疫反応
ウサギを、実施例5で説明されている製剤で免疫化した。この研究デザインは、それぞ
れ7匹のウサギの2つの群からなった。動物を、製剤化されたワクチンの3回の用量で免疫化した。
【0137】
この免疫化ウサギからの血清を、指定の間隔で採取した。血清型特異的IgG力価レベルをELISAで推定し、このELISAは、ヒト血清中での血清抗体価を評価するために、WHO推奨ELISAから適合されている。抗体価を、カットオフ限界を超えるOD450nm値が得られる血清の最大希釈として推定した。ワクチン接種前の動物のIgG力価値を使用して、血清IgG力価の幾何平均倍数上昇(GMFR)を算出した。上記で説明した24価のPCV製剤の投与後に、動物は、ワクチン中のコンジュゲートの多糖の各血清型に対する抗体を有することが見出されており、従って、このワクチンは免疫原性である。
【0138】
図9に)示すように、力価を、カットオフ値(免疫前血清で観察されるOD450nmの2倍;約0.1のOD値)を超えるELISA OD450nmを生じた最大血清希釈として推定する。各血清型に関する幾何平均倍数上昇(GMFR)をプロットした。免疫化の3回の用量後(用量3の後)に得られた血清を使用して、免疫原性を評価した。黒色の棒は、CRM197にコンジュゲートした肺炎球菌多糖を示し、内側が白色の棒は、PsaAにコンジュゲートした肺炎球菌多糖を示す。
【0139】
上述から、本発明の具体的な実施形態は説明を目的として本明細書で説明されているが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な改変を行うことができることが理解されるだろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~500kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の莢膜多糖を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、担体タンパク質が、PsaAであり、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含み、莢膜多糖が、1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)により活性化され、その後に担体タンパク質にコンジュゲートされている、肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項2】
担体タンパク質PsaAにコンジュゲートした、平均分子量50~500kDaを有する、血清型2からの多糖を含み、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項1に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項3】
担体タンパク質PsaAにコンジュゲートした、平均分子量50~500kDaを有する、血清型15Aからの多糖を含み、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項1に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項4】
担体タンパク質PsaAにコンジュゲートした、平均分子量50~500kDaを有する、血清型15Cからの多糖を含み、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項1に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項5】
担体タンパク質PsaAにコンジュゲートした、平均分子量50~500kDaを有する、血清型35Bからの多糖を含み、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、請求項1に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項6】
コンジュゲートが、下記範囲の平均分子量:500kDa~5000kDa、1,000kDa~10,000kDa、1,500kDa~15,000kDa、2,000kDa~20,000kDa、2,500kDa~25,000kDa、又は3,000kDa~30,000kDaを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
【請求項7】
肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの糖コンジュゲート中の莢膜多糖は、平均分子量50~500kDaを有し、担体タンパク質にコンジュゲートしており、担体タンパク質が、PsaAであり、この組成物は、約0.7~約1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含み、莢膜多糖が、1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)により活性化され、その後に担体タンパク質にコンジュゲートされている、免疫原性組成物。
【請求項8】
PsaA及びCRM197から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fからの糖コンジュゲートをさらに含む、請求項7に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
組成物が、多価の免疫原性組成物であり、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、25、又はそれより高い原子価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、請求項7又は8に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも3種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、血清型は、PsaA及びCRM197から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、血清型は、PsaA及びCRM197から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、33Fから選択される1種又は複数の追加の血清型からの多糖を含む多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、PsaA及びCRM197から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
組成物が、担体タンパク質にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌の血清型からの多糖を含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、2、15A、15C、及び35B、並びに追加の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fを含み、担体タンパク質は、PsaA及びCRM197から選択される、請求項9に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
ワクチン又は免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌感染の予防に有用である、請求項1~のいずれか一項に記載のワクチン、又は請求項7~13のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
糖コンジュゲートが、下記範囲の平均分子量:500kDa~5000kDa、1,000kDa~10,000kDa、1,500kDa~15,000kDa、2,000kDa~20,000kDa、2,500kDa~25,000kDa、又は3,000kDa~30,000kDaを有する、請求項7~13のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
本発明の態様には、下記も含まれる。
態様1
平均分子量(Mw)50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製及びサイジングされた莢膜多糖。
態様2
平均分子量(Mw)50kDa~750kDa、50kDa~500kDa、100kDa~1,000kDa、100kDa~750kDa、100kDa~500kDaを有する、態様1に記載の肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製された莢膜多糖。
態様3
5~18%の範囲内のグリセロール含有量を有する、態様1に記載の肺炎連鎖球菌血清型15A又は15Cの精製された莢膜多糖。
態様4
5~10%のグリセロール含有量を有する、態様3に記載の肺炎連鎖球菌血清型15Aの精製された莢膜多糖。
態様5
5~10%のグリセロール含有量を有する、態様3に記載の肺炎連鎖球菌血清型15Cの精製された莢膜多糖。
態様6
2~10%の範囲内、好ましくは2~8%の範囲内のアセテート含有量を有する、態様1に記載の肺炎連鎖球菌血清型35Bの精製された莢膜多糖。
態様7
肺炎連鎖球菌血清型の精製及びサイジングされた莢膜多糖を調製する方法であって、
a.肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bを適切な培養培地で培養するステップ;
b.肺炎連鎖球菌の培養ブロスを不活性化するステップ;
c.肺炎連鎖球菌の培養ブロスを遠心分離にかけるステップ;
d.培養ブロスから前記肺炎連鎖球菌の莢膜多糖を精製するステップ;
及び
e.精製された肺炎連鎖球菌の莢膜多糖を高圧均質化にかけて、平均分子量(MW)50~1000kDaを有するサイジングされた莢膜多糖を得るステップ
を含む方法。
態様8
均質化が、50~200MPa(500~2000bar)の範囲の圧力で行われる、態様7に記載の方法。
態様9
態様7に記載の方法により得られた、平均分子量(Mw)50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bの精製された莢膜多糖。
態様10
担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の精製及びサイジングされた莢膜多糖を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンであって、この組成物は、約0.5~約2.0のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様11
担体タンパク質が、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)、又はこれらの組合せから選択される、態様10に記載のコンジュゲートワクチン。
態様12
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型2からの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、態様10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様13
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型15Aからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、態様10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様14
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型15Cからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、態様10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様15
PsaA、CRM197、PspA、又は破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートした、平均分子量50~1000kDaを有する、血清型35Bからの多糖を含み、この組成物は、約0.5~約2.0、好ましくは0.7~1.2のタンパク質対多糖(タンパク質/PS)の(w/w)パーセント比を含む、態様10に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様16
コンジュゲートが、下記範囲の平均分子量:500kDa~5000kDa、1,000kDa~10,000kDa、1,500kDa~15,000kDa、2,000kDa~20,000kDa、2,500kDa~25,000kDa、又は3,000kDa~30,000kDaを有する、態様10~15のいずれか一項に記載の肺炎球菌コンジュゲートワクチン。
態様17
肺炎連鎖球菌血清型2、15A、15C、又は35Bからの少なくとも1種の糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、糖コンジュゲート中の多糖は、態様1に記載の精製された莢膜多糖である、免疫原性組成物。
態様18
PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質、又は担体タンパク質の組合せにコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、31、33Fからの糖コンジュゲートをさらに含む、態様17に記載の免疫原性組成物。
態様19
組成物が、多価の免疫原性組成物であり、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、25、又はそれより高い原子価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、態様17又は18に記載の組成物。
態様20
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも3種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、血清型は、担体タンパク質にコンジュゲートしており、担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される、態様19に記載の免疫原性組成物。
態様21
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、22F、23A、23B、23F、24F、33Fを含む追加の血清型からの多糖を含む24価の肺炎球菌コンジュゲートであり、血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、態様19に記載の免疫原性組成物。
態様22
組成物が、2、15A、15C、及び35Bから選択される少なくとも2種の肺炎球菌血清型、並びに1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、18C、19A、19F、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、33Fから選択される1種又は複数の追加の血清型からの多糖を含む多価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される担体タンパク質にコンジュゲートしている、態様19に記載の免疫原性組成物。
態様23
組成物が、担体タンパク質にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌の血清型からの多糖を含む17価の肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物であり、血清型は、2、15A、15C、及び35B、並びに追加の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fを含み、担体タンパク質は、PsaA、CRM197、PspA、破傷風トキソイド(TT)から選択される、態様19に記載の免疫原性組成物。
態様24
多糖が、ワクチン又は免疫原性組成物の調製に有用である、態様1に記載の精製された莢膜多糖。
態様25
ワクチン又は免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌感染の予防に有用である、態様10~16のいずれか一項に記載のワクチン、又は態様17~23のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
上述から、本発明の具体的な実施形態は説明を目的として本明細書で説明されているが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な改変を行うことができることが理解されるだろう。
【外国語明細書】