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特開2024-160345誘導加熱エアロゾル送達装置のためのサセプタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160345
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】誘導加熱エアロゾル送達装置のためのサセプタ装置
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241106BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20241106BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/465
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024134799
(22)【出願日】2024-08-13
(62)【分割の表示】P 2021544186の分割
【原出願日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】16/260,712
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エアロゾル送達装置と、エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材とが提供される。
【解決手段】エアロゾル源部材104は、複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分110を備える。一実装形態では、各サセプタ帯は、基材部分の長手方向軸線の周りに半径方向に離隔された複数のサセプタコイルを備え、サセプタコイルの各々は、その長手方向軸線を画定し、複数のサセプタコイルの各々の長手方向軸線は、基材部分の長手方向軸線と実質的に平行である。別の実装形態では、各サセプタ帯は、基材部分の中心を通ってその直径にわたって延在し、各サセプタ帯は、複数の離隔されたサセプタ粒子を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、前記エアロゾル源部材が、
長手方向軸線を画定し且つ複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分を備え、各サセプタ帯が、基材部分の長手方向軸線の周りに半径方向に離隔された複数のサセプタコイルを備え、サセプタコイルの各々が、長手方向軸線を画定し、複数のサセプタコイルの各々の長手方向軸線が、基材部分の長手方向軸線と実質的に平行である、エアロゾル源部材。
【請求項2】
複数のサセプタ帯が、実質的に均等に離隔されている、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項3】
各サセプタ帯内の複数のサセプタコイルが、実質的に均等に離隔されている、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項4】
複数のサセプタコイルが、コバルト、鉄、ニッケルおよびそれらの組合せを含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項5】
共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、前記エアロゾル源部材が、
複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分を備え、各サセプタ帯が、基材部分の中心を通ってその直径にわたって延在し、各サセプタ帯が、複数の離隔されたサセプタ粒子を含む、エアロゾル源部材。
【請求項6】
複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内に実質的に整列されている、請求項5に記載のエアロゾル源部材。
【請求項7】
複数のサセプタ帯が、実質的に均等に離隔されている、請求項5に記載のエアロゾル源部材。
【請求項8】
複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内で実質的に均等に離隔されている、請求項5に記載のエアロゾル源部材。
【請求項9】
基材部分の周りに配置されたカバー層をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材。
【請求項10】
共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、前記エアロゾル源部材が、
コア部分と、
コア部分の周りに配置された周囲部分と、
周囲部分の周りに配置されたカバー層と、
を備える基材部分を備え、
コア部分が、その中に実質的に均等に分布され且つ第1の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、周囲層が、その中に実質的に均等に分布され且つ第2の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、第1の分布密度が、第2の分布密度よりも大きい、エアロゾル源部材。
【請求項11】
コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する同じ基材材料を含む、請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項12】
コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する別個の基材層を備える、請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項13】
カバー層が、箔サブ層と、箔サブ層の周りに配置された紙サブ層とを備える、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項14】
複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、薄片状形状、球形、六角形、立方体形状および不規則形状から選択される形状を有する、請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項15】
複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料およびそれらの組合せから選択される材料を含む、請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項16】
基材部分が、押出タバコ材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項17】
基材部分が、再構成タバコシート材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項18】
基材部分が、タバコビーズおよびタバコ粉末のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【請求項19】
エアロゾル源部材が、円筒形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項10に記載のエアロゾル源部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Susceptor Arrangement for Induction-Heated Aerosol Delivery Device」と題され、2019年1月29日に出願された、米国特許出願第16/260,712号明細書の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、エアロゾル源部材、エアロゾル送達装置、およびタバコ成分または他の材料を吸入可能な形態で生成するためのその使用に関する。さらに具体的には、本開示は、人間が消費するためのエアロゾルの形態で吸入可能な物質を提供するために、好ましくは著しく燃焼することなく、電気的発熱を利用してタバコまたはタバコ由来材料を加熱する喫煙品などのエアロゾル源部材ならびにエアロゾル送達装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。例示的な代替品には、固体燃料または液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達するか、そのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれる。例には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品が挙げられる。
【0004】
喫煙品の改良品または代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電力発熱源を参照されたい。商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電力発熱源は、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許公開第2006/0196518号明細書、米国特許公開第2009/0126745号明細書および米国特許公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許公開第2009/0260641号明細書および米国特許公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許公開第2008/0149118号明細書および米国特許公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号に記載されているものが含まれる。
【0005】
従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol製品、およびCN Creative LtdによるVype製品、Philip Morris InternationalによるIQOS(TM)、およびBritish American TobaccoによるGLO(TM)として市販されている。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【特許文献7】米国特許第4,735,217号明細書
【特許文献8】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献9】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献10】米国特許第4,947,875号明細書
【特許文献11】米国特許第5,060,671号明細書
【特許文献12】米国特許第5,249,586号明細書
【特許文献13】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献14】米国特許第5,666,977号明細書
【特許文献15】米国特許第6,053,176号明細書
【特許文献16】米国特許第6,164,287号明細書
【特許文献17】米国特許第6,196,218号明細書
【特許文献18】米国特許第6,810,883号明細書
【特許文献19】米国特許第6,854,461号明細書
【特許文献20】米国特許第7,832,410号明細書
【特許文献21】米国特許第7,513,253号明細書
【特許文献22】米国特許第7,896,006号明細書
【特許文献23】米国特許第6,772,756号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【特許文献34】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タバコまたはタバコ由来材料を電気加熱することによって喫煙の味覚および感覚を生み出す物品は、一貫性のない性能特性を抱えてきた。したがって、実質的に燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供することができ、有利な性能特性を伴ってそうする喫煙品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実装形態では、本開示は、エアロゾル送達装置と、共振送信部(resonant transmitter)を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材とを提供する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実装形態を含む。
【0009】
例示的な実装形態1:共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、エアロゾル源部材が、長手方向軸線を画定し且つ複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分を備え、各サセプタ帯が、基材部分の長手方向軸線の周りに半径方向に離隔された複数のサセプタコイルを備え、サセプタコイルの各々が、長手方向軸線を画定し、複数のサセプタコイルの各々の長手方向軸線が、基材部分の長手方向軸線と実質的に平行である、エアロゾル源部材。
【0010】
例示的な実装形態2:複数のサセプタ帯が、実質的に均等に離隔されている、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0011】
例示的な実装形態3:各サセプタ帯内の複数のサセプタコイルが、実質的に均等に離隔されている、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0012】
例示的な実装形態4:基材部分の周りに配置されたカバー層をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0013】
例示的な実装形態5:カバー層が、箔サブ層と、箔サブ層の周りに配置された紙サブ層とを備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0014】
例示的な実装形態6:複数のサセプタコイルが、コバルト、鉄、ニッケルおよびそれらの組合せを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0015】
例示的な実装形態7:基材部分が、押出タバコ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0016】
例示的な実装形態8:基材部分が、再構成タバコシート材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0017】
例示的な実装形態9:基材部分が、タバコビーズおよびタバコ粉末のうちの少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0018】
例示的な実装形態10:エアロゾル源部材が、実質的に円筒形状を有する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0019】
例示的な実装形態11:共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、エアロゾル源部材が、複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分を備え、各サセプタ帯が、基材部分の中心を通ってその直径にわたって延在し、各サセプタ帯が、複数の離隔されたサセプタ粒子を含む、エアロゾル源部材。
【0020】
例示的な実装形態12:複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内に実質的に整列されている、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0021】
例示的な実装形態13:複数のサセプタ帯が、実質的に均等に離隔されている、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0022】
例示的な実装形態14:複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内で実質的に均等に離隔されている、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0023】
例示的な実装形態15:基材部分の周りに配置されたカバー層をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0024】
例示的な実装形態16:カバー層が、箔サブ層と、箔サブ層の周りに配置された紙サブ層とを備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0025】
例示的な実装形態17:複数のサセプタ粒子が、薄片状形状、球形、六角形、立方体形状および不規則形状から選択される形状を有する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0026】
例示的な実装形態18:複数のサセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料およびそれらの組合せから選択される材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0027】
例示的な実装形態19:基材部分が、押出タバコ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0028】
例示的な実装形態20:基材部分が、再構成タバコシート材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0029】
例示的な実装形態21:基材部分が、タバコビーズおよびタバコ粉末のうちの少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0030】
例示的な実装形態22:エアロゾル源部材が、実質的に円筒形状を有する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0031】
例示的な実装形態23:共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、エアロゾル源部材が、コア部分と、コア部分の周りに配置された周囲部分と、周囲部分の周りに配置されたカバー層とを備える基材部分を備え、コア部分が、その中に実質的に均等に分布され且つ第1の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、周囲層が、その中に実質的に均等に分布され且つ第2の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、第1の分布密度が、第2の分布密度よりも大きい、エアロゾル源部材。
【0032】
例示的な実装形態24:コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する同じ基材材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0033】
例示的な実装形態25:コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する別個の基材層を備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0034】
例示的な実装形態26:カバー層が、箔サブ層と、箔サブ層の周りに配置された紙サブ層とを備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0035】
例示的な実装形態27:複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、薄片状形状、球形、六角形、立方体形状および不規則形状から選択される形状を有する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0036】
例示的な実装形態28:複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料およびそれらの組合せから選択される材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0037】
例示的な実装形態29:基材部分が、押出タバコ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0038】
例示的な実装形態30:基材部分が、再構成タバコシート材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0039】
例示的な実装形態31:基材部分が、タバコビーズおよびタバコ粉末のうちの少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0040】
例示的な実装形態32:エアロゾル源部材が、円筒形状を有する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル源部材または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル源部材。
【0041】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0042】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本開示の例示的な実装形態による、制御本体およびエアロゾル源部材を備えるエアロゾル送達装置の斜視概略図を示し、ここでエアロゾル源部材と制御本体とは互いに連結されている。
図2】本開示の例示的な実装形態による、図1のエアロゾル送達装置の斜視概略図を示し、ここでエアロゾル源部材と制御本体とは互いに分離されている。
図3】本開示の例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置の正面概略図を示す。
図4】本開示の例示的な実装形態による、エアロゾル源部材の基材部分の一部の横断面概略図を示す。
図5】本開示の例示的な実装形態による、エアロゾル源部材の基材部分の一部の横断面概略図を示す。
図6】本開示の例示的な実装形態による、エアロゾル源部材の基材部分の一部の横断面概略図を示す。
図7】本開示の例示的な実装形態による、図6のエアロゾル源部材の基材部分の一部の長手方向断面概略図を示す。
図8】本開示の例示的な実装形態による、エアロゾル源部材の基材部分の一部の斜視概略図を示す。
図9】本開示の例示的な実装形態による、図8のエアロゾル源部材の基材部分の一部の横断面概略図を示す。
図10】本開示の例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置の正面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、以下、その例示的な実装形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実装形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実装形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実装形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、形状的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変形例を説明するように絶対的または近似的であり得る。
【0045】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実装形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示によるエアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実装形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0046】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その構成要素を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0047】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」または「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置に関連する実装形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実装形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実装形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0048】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分または栄養有効成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、視認可能であるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかにかかわりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能な物質の物理的形態は、本発明の装置の性質によって必ずしも限定されないが、媒体の性質、および吸入可能な物質が蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するかどうかに関して吸入可能な物質自体に応じて決まり得る。いくつかの実装形態では、用語「蒸気」および「エアロゾル」は交換可能であり得る。したがって、簡単にするために、本開示の態様を説明するために使用される用語「蒸気」および「エアロゾル」は、別段の指定がない限り交換可能であると理解される。
【0049】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的動作を受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0050】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であってもよく、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備えることができる。別の例では、エアロゾル送達装置は、実質的に長方形であってよいか、実質的に長方形の直方体形状(例えば、USBフラッシュドライブに類似した)を有してもよい。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、エアロゾル前駆体材料、香料などを含む使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを他端に取り外し可能に連結可能に有することができる。単一ハウジングタイプのユニット内または複数部品の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解することができる。
【0051】
以下にさらに詳細に説明されるように、本開示のエアロゾル送達装置は、電力源電力源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電力源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素および/または誘導コイルまたは他の関連する構成要素および/または1つ以上の輻射加熱要素)、および十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる基材部分を含むか備えるエアロゾル源部材のいくつかの組合せを備える。いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材は、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするように構成された吸い口端または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引時にそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)を含み得る。他の実装形態では、制御本体は、エアロゾル吸入のために吸引することを可能にするように構成されたマウスピースを含んでもよい。
【0052】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は様々なものとすることができる。特定の実装形態では、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分は、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするように加熱部材に近接して配置されてもよい。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱部材は、加熱部材からの熱がエアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分(ならびに、いくつかの実装形態では、同様にユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香料、薬剤など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分の十分に近くに配置されてもよい。加熱部材がエアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分を加熱すると、エアロゾルは、消費者による吸入に適した物理的形態で形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では交換可能に使用される。
【0053】
上述したように、様々な実装形態のエアロゾル送達装置は、電力源(例えば、電池または他の電源)を組み込んで、加熱部材の電力供給、誘導コイルの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流の流れを提供してもよい。電力源は様々な実装形態をとることができる。好ましくは、電力源は、熱源を急速に作動させるのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。電力源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい電力源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0054】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解することもできる。
【0055】
上述のように、エアロゾル送達装置は、エアロゾルを生成するために、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分を加熱するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、エアロゾル送達装置は、固体または液体の形態(例えば、ビーズ、細断片、ラップ、繊維シートまたは紙)の押出構造および/または基材、エアロゾル前駆体組成物と結合された基材材料、タバコおよび/またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接分離された、タバコに自然に見出される材料、または合成的に調製された材料)などを加熱するように構成された加熱式装置を備えてもよい。そのようなエアロゾル送達装置には、いわゆる電子タバコが含まれ得る。
【0056】
加熱される基材材料の種類にかかわらず、いくつかのエアロゾル送達装置は、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分を加熱するように構成された加熱部材を含んでもよい。いくつかの装置では、加熱部材は、抵抗加熱部材を備え得る。抵抗加熱部材は、それを通って電流が導かれた際に熱を生成するように構成されてもよい。そのような加熱部材は金属材料を含むことが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱部材は、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分に近接して配置されてもよい。あるいは、加熱部材は、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と接触して配置されてもよい。そのような構成は、エアロゾルを生成するために、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分を加熱してもよい。代表的な種類の固体および半固体のエアロゾル前駆体組成物および製剤は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願第14/755,205号明細書に開示されている。
【0057】
図示される実装形態では、誘導加熱装置が使用される。様々な実装形態では、誘導加熱装置は、共振送信部および共振受信部(resonant receiver)(例えば、1つ以上のサセプタまたは複数のサセプタ粒子)を備えてもよい。このように、エアロゾル送達装置の動作は、共振送信部に交流を導いて振動磁場を生成して、共振受信部に渦電流を誘導することを必要とし得る。様々な実装形態では、共振受信部は、エアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分の一部であってよく、および/またはエアロゾル源部材、またはエアロゾル源部材の基材部分に近接して配置されてもよい。この交流により、共振受信部が熱を生成し、それによってエアロゾル源部材からエアロゾルが生成される。様々な誘導加熱方法および構成のいくつかの例は、2017年10月31日に出願され、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/799,365号明細書、および2017年12月8日に出願され、「Quasi-Resonant Flyback Converter for an Induction-Based Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/836,086号明細書に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な誘導ベースの制御構成要素および関連する回路の追加の例は、2016年11月15日に出願され、「Induction-Based Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/352,153号明細書、およびSurらの米国特許出願公開第2017/0202266号明細書に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。図示される実装形態は単一の共振送信部を説明しているが、例えば、セグメント化された誘導加熱装置を有する実装形態など、他の実装形態では、複数の独立した共振送信部が存在してもよいことに留意されたい。
【0058】
図1は、本開示の例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置100を示す。エアロゾル送達装置100は、制御本体102およびエアロゾル源部材104を含み得る。様々な実装形態では、エアロゾル源部材104および制御本体102は、機能する関係で恒久的または取り外し可能に整列されることができる。これに関して、図1は連結構成のエアロゾル送達装置100を示し、図2は分離構成のエアロゾル送達装置100を示す。様々な機構が制御本体102にエアロゾル源部材104を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライド嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。様々な実装形態では、エアロゾル送達装置100の制御本体102は、実質的に棒状、実質的に管状、実質的に長方形、もしくは長方形の直方体形状(例えば、USBフラッシュドライブに類似した)、または実質的に円筒形状であってよい。本開示の目的のために、用語「実質的に」は、当業者によって理解されるように、ほぼ製造公差および/またはある程度の製造公差内を意味すると理解されるべきであることに留意されたい。他の実装形態では、制御本体は、小さい箱形状、様々なポッドモッド(例えば、オールインワン)形状またはフォブ形状(fob-shape)などの別の手持ち式形状をとってもよい。
【0059】
特定の実装形態では、制御本体102およびエアロゾル源部材104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体102は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(例えば、シガーソケット、USBポートなど)への接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、USBコネクタへの接続(例えば、壁コンセント、電子装置、乗り物などに実装され得るUSB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器、およびUSBコネクタまたは無線充電器を介して装置を充電するためのモバイル電池などの外部セルのアレイへの接続を含むあらゆる種類の再充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材104は、使い捨て装置を備え得る。制御本体とともに使用するための使い捨て構成要素が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。いくつかの実装形態では、制御本体102は、装置100の充電式電池を充電するための別個の充電ステーションに挿入および/または連結されてもよい。いくつかの実装形態では、充電ステーション自体が、装置100の充電式電池を再充電する充電式電力源を含んでもよい。
【0060】
図1のエアロゾル送達装置100の斜視図を示す図2を参照すると、エアロゾル源部材104と制御本体102とは互いに分離されており、いくつかの実装形態のエアロゾル源部材104は、制御本体102に挿入されるように構成された被加熱端106と、ユーザが吸引してエアロゾルを生成する吸い口端108とを備えてもよい。様々な実装形態では、被加熱端106の少なくとも一部は、基材部分110を含んでもよい。他の実装形態では、エアロゾル源部材104は、被加熱端および/または吸い口端を含む必要はないことに留意されたい。
【0061】
上述したように、図示される実装形態の加熱部材は、誘導加熱装置を備える。図3は、本開示の例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置100の正面概略図を示す。一般に、図示される実装形態の制御本体102は、共振送信部を含み、エアロゾル源部材104は、エアロゾル源部材104の少なくとも一部(例えば、基材部分110)の加熱をともに容易にする共振受信部(例えば、1つ以上のサセプタまたは複数のサセプタ)を含む。様々な実装形態では、共振送信部および/または共振受信部は様々な形態をとり得るが、図3に図示される特定の実装形態では、共振送信部は、いくつかの実装形態では支持筒129を囲み得る螺旋コイル128を備えるが、他の実装形態では支持筒が存在する必要はない。様々な実装形態では、共振送信部は、例えば、銀、金、アルミニウム、真鍮、亜鉛、鉄、ニッケルおよびそれらの合金、導電性セラミック、例えば、イットリウムドープジルコニア、インジウムスズ酸化物、イットリウムドープチタン酸など、ならびに上記の任意の組合せを含む1つ以上の導電性材料から作製されてもよい。図示される実装形態では、螺旋コイル128は、銅などの導電性金属材料から作製されている。さらなる実装形態では、螺旋コイルは、非導電性絶縁カバー/ラップ材料を含んでもよい。そのような材料は、例えば、低温用途に有用であり得るエポキシ、シリコンゴムなどの1つ以上のポリマー材料、または高温用途に有用であり得るガラス繊維、セラミック、耐火材料などを含み得る。
【0062】
図示されるように、共振送信部128は、ハウジング118の係合端に近接して延在してもよく、基材部分110を含むエアロゾル源部材104の被加熱端106の部分を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、図示される実装形態の螺旋コイル128は、ほぼ管状の構成を画定してもよい。いくつかの実装形態では、支持筒129はまた、管状構成を画定してもよく、螺旋コイル128が基材部分110に近接するが接触しないように螺旋コイル128を支持するように構成されてもよい。したがって、支持筒129は、螺旋コイル128によって生成される振動磁場に対して実質的に透過性であり得る非導電性材料を含んでもよい。様々な実装形態では、螺旋コイル128は、支持筒129内に埋め込まれるか、そうでなければ連結されてもよい。図示される実装形態では、螺旋コイル128は、支持筒129の外面に係合されている。ただし、他の実装形態では、コイルは、支持筒の内面に配置されるか、支持筒内に完全に埋め込まれるか、何らかの他の構成を有してもよい。
【0063】
図に示すように、いくつかの実装形態のエアロゾル源部材104の吸い口端108は、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ114を含んでもよい。様々な実装形態では、フィルタ114は、エアロゾル源部材100の吸い口端108の構造的完全性を高め、および/または所望であれば濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。例えば、本発明による物品は、17.5cc/秒の空気流で約50~約250mmの水圧降下を示すことができる。さらなる実装形態では、圧力降下は、約60mm~約180mmまたは約70mm~約150mmであり得る。圧力降下値は、Filtrona Instruments and Automation Ltdから入手可能なFiltrona Filter Test Station(CTSシリーズ)、またはCerulean Division of Molins,PLCから入手可能なQuality Test Module(QTM)を使用して測定され得る。エアロゾル源部材の吸い口端の長さに沿ったフィルタの厚さは、約2mm~約20mm、約5mm~約20mmまたは約10mm~約15mmのように様々であり得る。いくつかの実装形態では、フィルタは個別のセグメントを備え得る。例えば、いくつかの実装形態は、濾過を提供するセグメント、引き込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、構造的完全性を高めるセグメント、他のフィルタセグメント、または上記のいずれか1つもしくは任意の組合せを含み得る。
【0064】
様々な実装形態では、基材部分110とエアロゾル源部材104の吸い口端108との間に他の構成要素が存在してもよく、吸い口端108はフィルタ114を含んでもよい。例えば、いくつかの実装形態では、基材部分と吸い口端との間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料のうちの1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0065】
上述したように、本開示の様々な実装形態は、誘導加熱装置を使用して、例えば、エアロゾル源部材の基材部分など、エアロゾル源部材の一部を加熱する。誘導加熱装置は、少なくとも1つの共振送信部および少なくとも1つの共振受信部(以下、サセプタ、またはさらに具体的には複数のサセプタ粒子とも呼ばれる)を備えてもよい。様々な実装形態では、共振送信部は制御本体に配置されてもよく、複数のサセプタ粒子はエアロゾル源部材に配置されてもよい。含まれ得る追加の可能な構成要素の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願され、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/799,365号明細書に記載されている。
【0066】
図3に戻って参照すると、図示される実装形態102の制御本体は、その係合端に画定された開口部119を含むハウジング118と、流量センサ120(例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素122(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電力源124(例えば、充電式であり得る電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)と、インジケータ126(例えば、発光ダイオード(LED))を含み得る端部キャップと、を備えてもよい。
【0067】
可能な電力源の例は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されている。流量センサ120に関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に記載された制御方式も参照される。一実装形態では、インジケータ126は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを備えてもよい。いくつかの実装形態では、インジケータ126は、制御構成要素122と通信し、例えば、制御本体102に連結された際に、ユーザがエアロゾル源部材104を吸引すると、流量センサ120によって検出されるのに従って点灯されてもよい。
【0068】
いくつかの実装形態では、エアロゾル送達装置には、入力要素が含まれてもよい(気流センサまたは圧力センサを置き換えるか、補完してもよい)。様々な実装形態では、入力は、ユーザが装置の機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれてもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上のプッシュボタンが使用されてもよい。同様に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2016/0262454号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHenryらの米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達装置に実装されて、静電容量センサが実装されている装置の表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにしてもよい。
【0069】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引き込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、FlickによるPCT国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】
他の好適な電流作動/作動解除機構は、温度作動式オン/オフスイッチもしくは口唇圧作動式スイッチ、またはユーザ(例えば、ユーザの口または指)と、エアロゾル送達装置の1つ以上の表面との間の接触を感知するように構成されたタッチセンサ(例えば、静電容量式タッチセンサ)を含み得る。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。そのようなセンサを用いると、消費者が装置を吸引する際の圧力の変化により、加熱部材が迅速に作動され得る。さらに、空気流の変化を感知した後、加熱アセンブリを十分迅速に通電するために、熱線風速測定法の原理を使用するものなどの流れ感知装置が使用されてもよい。使用され得る追加の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォートローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、範囲Aなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力を検出するための比較器に連結された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。さらに別の好適な吸煙作動式機構は、気流によって偏向されるベーンであり、そのベーンの動きは、運動感知手段によって検出される。さらに別の好適な作動機構は、圧電スイッチである。また、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門製の好適に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge Airflow Sensor、部品番号AWM 2100Vも有用である。本開示による加熱回路に使用され得るデマンド操作型(demand-operated)電気スイッチのまた別の例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。他の好適な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどが、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。いくつかの実装形態では、吸引中の圧力変化がスイッチによって容易に識別されるように、ハウジングには、吸煙作動式スイッチとエアロゾル源部材との間に流体接続を提供する圧力感知管または他の通路が含まれてもよい。本開示に従って有用であり得る他の例示的な吸煙作動装置が、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に開示されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
本物品で使用され得る電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、HonのPCT国際公開第2010/091593号ならびにFooのPCT国際公開第2013/089551号が挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達装置およびエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれ得るカプセルを開示しており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。様々な実装形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0072】
図4は、本開示の例示的な実装形態による、エアロゾル源部材104の基材部分110の一部の断面概略図を示す。図示される実装形態では、エアロゾル源部材104の基材部分110は、コア部分150と、周囲部分152と、カバー層154とを備える基材材料148を含み、複数のサセプタ粒子160は、基材材料148内に分散されている。図示される実装形態では、基材材料148は、コア部分150と周囲部分152とを含む単一層を備える。ただし、他の実装形態では(以下にさらに詳細に説明するように)、基材部分110は、コア部分を備える一層と、周囲部分を備える別個の層とを備えてもよい。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子は、誘導加熱装置の共振受信部を備える。様々な実装形態では、図示される実装形態の基材材料148は、タバコ材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実装形態では、タバコ材料は、タバコ含有ビーズ、タバコ粉末、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料、キャストタバコシートもしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、米粉、トウモロコシ粉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アルジネート、任意の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体もしくは成形可能な(例えば、押し出し可能な)基材を形成する他のタバコ形態を含み得る。
【0073】
図示される実装形態では、コア部分150は、基材部分110のほぼ半径方向中心に配置され、周囲部分152は、コア部分150の周りに配置される。様々な実装形態では、コア部分150は、基材部分110の全径よりも小さい直径を有し、基材部分の全径の関数として表され得る。例えば、いくつかの実装形態では、コア部分の直径は、基材部分の全径の約1/8~3/4であってよく、いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材の基材部分の全径の約1/4~1/2であってよい。同様に、周囲部分152は、基材部分の全径よりも小さい直径を有し、コア部分の直径の関数として表され得る。例えば、いくつかの実装形態では、周囲部分の直径は、コア部分の直径の約1と1/2~8倍であってよく、いくつかの実装形態では、コア部分の直径の約2~4倍であってよい。一例では、コア部分の直径は約2mmであってよく、周囲部分の直径は約6.5mm~約12mmの包括的な範囲内であってよい。
【0074】
様々な実装形態では、基材部分110のコア部分150は、第1のサセプタ粒子分布密度を規定してもよく、第1のサセプタ粒子分布密度は、一般に、コア部分150内のサセプタ粒子160の相対濃度を有し得る。同様に、基材部分110の周囲部分152は、第2のサセプタ粒子分布密度を規定してもよく、第2のサセプタ粒子分布密度は、一般に、周囲部分152内のサセプタ粒子160の相対濃度を有し得る。様々な実装形態では、サセプタ粒子の分布密度は、様々な異なる方法で規定され得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1の分布密度は、コア部分の総体積の関数としてのコア部分内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、周囲部分の総体積の関数としての周囲部分内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。他の実装形態では、第1の分布密度は、基材部分の総体積の関数としてのコア部分内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、基材部分の総体積の関数としての周囲部分内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。他の実装形態では、第1の分布密度は、基材部分の断面にわたるコア部分の総面積の関数としてのコア部分内のサセプタ粒子の面積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、基材部分の同じ断面にわたる周囲部分の総面積の関数としての周囲部分内のサセプタ粒子の面積として規定され得る。サセプタ粒子が実質的に同じ大きさを有するか、同じ粒径範囲内にあるさらに他の実装形態では、第1の分布密度は、コア部分の体積の関数としてのコア部分内のサセプタ粒子の数として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、周囲部分の体積の関数としての周囲部分内のサセプタ粒子の数として規定され得る。
【0075】
分布密度がどのように計算されるかにかかわらず、本開示は、第1の分布密度(コア部分内のサセプタ粒子の分布密度)が第2の分布密度(周囲部分内のサセプタ粒子の分布密度)よりも大きいことを提供する。このように、コア部分内のサセプタ粒子の濃度は周囲部分内よりも高くなる。いくつかの実装形態では、周囲部分の分布密度は実質的に0であってよく、したがって、コア部分は複数のサセプタ粒子を含んでもよいが、周囲部分は複数のサセプタ粒子を含む必要はないことに留意されたい。一実装形態では、例えば、コア部分内のサセプタ粒子の体積は、基材部分(カバー部分を含むか除く)の総体積の約4%~約8%の包括的な範囲内であってよく、周囲部分内のサセプタ粒子の体積は、基材部分(カバー部分を含むか除く)の総体積の0%~4%未満の範囲内であってよい。
【0076】
いくつかの実装形態では、基材材料は、押出タバコ構造を備えてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、押出構造は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水、結合剤材料、および/または例えば炭酸カルシウム、米粉、トウモロコシ粉などのような充填剤および硬化剤のうちの1つ以上を含み得るか、それらから本質的に構成され得る。様々な実装形態では、好適な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用され得る。他の好適な結合剤材料には、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMC製のAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;ならびにHercules Inc.製のCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。さらに他の可能な結合剤材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せまたはブレンドが使用され得る。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。いくつかの実装形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実装形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。
【0077】
いくつかの実装形態では、基材材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料を含み得る。さらに別の実装形態では、基材材料は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含み得る。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書から知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香料と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。様々な実装形態では、押出材料は、1つ以上の長手方向の開口部を有し得る。他の実装形態では、押出材料は、例えば、ワゴンホイール状の断面を有する押出成形物などの2つ以上のセクタを有し得る。
【0078】
追加的または代替的に、基材材料は、タバコ、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材を含んでもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持するように構成され得る(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。そのような例示的な基材材料は、液体および/またはいくらかの含水量を含み得るが、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであってもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持し得る。実質的に固体の基材材料に好適であり得る例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0079】
他の実装形態では、基材材料は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含み得る。別の実装形態では、基材材料は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載の種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を含み得る。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含み得る。したがって、いくつかの実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成され得る。別の実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成され得る。別の実装形態では、タバコシートが、再構成されたタバコ材料の圧着シートを備え得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、熱伝導性構成要素を含んでも含まなくてもよい重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を備え得る。繊維状充填剤材料、エアロゾル形成材料および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を含む基材材料の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年2月26日に出願され、「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/905,320号明細書に記載されている。
【0080】
いくつかの実装形態では、基材材料は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒および/または同様のものを含み得る。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。いくつかの実装形態では、基材材料は、各々が中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含み得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含み得る。
【0081】
基材材料のうちの1つ以上に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドなどのタバコを含み得るか、それらに由来し得るものである。様々な代表的なタバコの種類、タバコの加工種類、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT国際公開第02/37990号およびBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0082】
様々な実装形態では、基材材料は、その中で利用される様々な量の材料に基づいて様々な構造をとり得る。例えば、サンプル基材材料は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含み得る。サンプル基材材料はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含み得る。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を構成し得る。
【0083】
いくつかの実装形態では、難燃性/燃焼遅延性材料および他の添加物が、基材材料内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、黒鉛、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。基材材料および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。他の例には、熱源による基材材料の発火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成されたリン酸二アンモニウムおよび/または別の塩が挙げられる。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0084】
本開示の他の実装形態によれば、基材材料はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいてもよい。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの風味および香りを高めるために使用される種類の材料を含み得る。例えば、これらの添加物は、様々な紙巻タバコ加香成分および/または最上層成分を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。好ましい加香材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)ならびに香料(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれ得る。これらの添加成分はまた、最上層材料(例えば、メントールなどの香料材)を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加され得る追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0085】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または感覚刺激的な特性または性質を変化させる多種多様な種類の香料または材料が、使用されるのに適している可能性がある。いくつかの実装形態では、そのような香料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または人工の性質であってよい。例えば、いくつかの香料は、基材材料および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、その中に組み込まれてもよい。いくつかの実装形態では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティまたは領域に直接供給されるか、基材材料とともに提供されてもよい。例示的な香料には、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特性の香味料および香味パッケージが含まれ得る。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している場合がある。
【0086】
香料はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸)を含み得る。いくつかの実装形態では、香料は、所望であれば、基材材料の要素と組み合わせられ得る。好適であり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用であり得る香味料、加香などのような材料のいずれかが、基材材料と組み合わせられてもよい。特に、基材材料に有機酸を組み込んで、基材材料と組み合わせることが可能であり得るニコチンなどの薬剤の香味特性、感覚特性または感覚刺激特性に影響を与えることが可能であり得る。例えば、レブリン酸、乳酸およびピルビン酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともに基材材料に含まれてもよい。任意の組合せの有機酸が好適であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、基材材料は、存在する有機酸の総量が基材材料中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含み得る。基材材料を生成するために使用され得る有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0087】
そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であってもよく、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである、任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0088】
いくつかの実装形態では、基材材料は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含み得る。例えば、基材材料は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含み得る。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が好適であり得る。一部の炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含み得る。同様に、綿などの天然セルロース繊維が好適であり得るものであり、綿などの天然セルロース繊維にシリカ、炭素または金属粒子が注入されるか、シリカ、炭素または金属粒子により綿などの天然セルロース繊維が処理されて、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくないあらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑えてもよい(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)。浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するために、例えば、ホウ酸または様々なオルガノホスフェート化合物を用いて綿を処理することが可能であり得る。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子を用いて処理することが可能であり得る(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入またはその両方)。
【0089】
上述のように、基材材料はまた、エアロゾル前駆体組成物などのエアロゾル形成材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのような1つ以上の保湿剤を含んでもよい。様々な実装形態では、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚特性および感覚刺激特性ならびに望ましい性能特性を示すような量であってよい。例えば、いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供し得る。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲であってよい。ただし、他の実装形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0090】
代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、エアロゾル源部材は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成し得るものであり、エアロゾル源部材は「煙状の」エアロゾルを生成し得る。他の態様では、エアロゾル源部材は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成し得る。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて可変であり得る。様々な実装形態では、エアロゾル源部材は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純であり得る。
【0091】
いくつかの実装形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤が、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。
【0092】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれ得る。
【0093】
図4に戻って参照すると、上述したように、コア部分150および周囲部分152は、図示される実装形態の誘導加熱装置の共振受信部を備える複数のサセプタ粒子160を含む。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子160は、いくつかの実装形態では同じ基材部分内で組み合わせられ得る様々な形状、大きさ、および材料を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子160のうちの1つ以上が、実質的に球形、薄片状形状、実質的に立方体形状、不規則形状(例えば、異なる寸法を有する1つ以上の(例えば、複数の)側面を有する形状など)またはそれらの任意の組合せを有し得る。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子160は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびそれらの任意の組合せを含む強磁性材料を含んでもよい。追加の実装形態では、複数のサセプタ粒子160は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の多孔質金属材料、ならびに炭化ケイ素などのセラミック材料、炭素材料、および上記の材料のいずれかの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。さらに他の実装形態では、複数のサセプタ粒子は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含んでもよい。様々な実装形態では、多孔質サセプタ粒子の大きさは様々であり得るが、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約100ミクロン(0.1mm)~約2mmの包括的な範囲の直径を有してもよく、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約0.5mm~約1.5mmの包括的な範囲の直径を有してもよい。
【0094】
図示される実装形態では、制御構成要素122によって(例えば、ドライバ回路を介して)電力源124から誘導される、螺旋コイル128(すなわち、共振送信部)内の電流の変化は、複数のサセプタ粒子160(すなわち、共振受信部)を貫通する交流電磁場を生成し、それによって複数のサセプタ粒子160内に電気渦電流(electrical eddy current)を生成し得る。交流電磁場は、螺旋コイル128に交流を導くことによって生成され得る。上述したように、いくつかの実装形態では、制御構成要素122は、電力源によって供給される直流を共振送信部に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
【0095】
複数のサセプタ粒子160を流れる渦電流は、ジュール効果によって熱を生成し得るものであり、生成される熱の量は、電流の二乗×複数のサセプタ粒子160の材料の電気抵抗に比例する。複数のサセプタ粒子160が強磁性材料を含む実装形態では、磁気ヒステリシス損失によって熱が生成されてもよい。限定するものではないが、螺旋コイル128への近接、磁場の分布、複数のサセプタ粒子160の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含むいくつかの要因が、複数のサセプタ粒子160の温度上昇に寄与する。
【0096】
これに関して、かつ上述したように、複数のサセプタ粒子160および螺旋コイル128はともに、導電性材料を含んでもよい。例として、螺旋コイル128および/または複数のサセプタ粒子160は、銅もしくはアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性または強磁性材料)、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料を含む様々な導電性材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子は、熱伝導性不動態化層(例えば、ガラスの薄層)によってコーティングされるか、そうでなければそれを含んでもよい。
【0097】
いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材104に含まれる複数の多孔質サセプタ粒子160は、追加の/代替の共振受信部によって補完されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、装置100の制御本体102は、例えば、1つ以上の受信部プロングなどの別個の共振受信部を含んでもよい。好適な構成要素のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願され、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/799,365号明細書に記載されている。
【0098】
図4に戻って参照すると、いくつかの実装形態の基材部分110はまた、周囲部分152の周りに配置されたカバー層154を含んでもよい。図示される実装形態では、カバー層154は、箔サブ層156および紙サブ層158を備え、紙サブ層158は、箔サブ層156の周りに配置されている。いくつかの実装形態では、箔サブ層および紙サブ層は、単一の積層体を備え得る。いくつかの実装形態では、紙サブ層は、紙または他の繊維材料、例えば、セルロース材料を含んでもよい。紙サブ層材料はまた、繊維材料内に埋め込まれるか分散された少なくとも1つの充填剤材料を含み得る。様々な実装形態では、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、充填剤材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実装形態では、紙サブ層は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。様々な種類の紙材料が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWhiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらの米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらの米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらの米国特許第7,195,019号明細書、Holmesの米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらの米国特許第7,275,548号明細書、FournierらのPCT国際公開第01/08514号およびHajaligolらのPCT国際公開第03/043450号に記載されている。いくつかの実装形態では、紙材料は、Schweitzer-Maudit International製のR.J.Reynolds Tobacco Companyグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680などの市販材料を含んでもよい。図示される実装形態では、箔サブ層152は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。ただし、他の実装形態では、箔サブ層は、限定するものではないが、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、黒鉛材料または他の熱伝導性炭素系材料および/またはそれらの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。様々な厚さが可能であるが、いくつかの実装形態では、カバー層は、約1mm~約3mmの包括的な範囲の厚さを有し得る。
【0099】
本開示の代替の実装形態を図5に示す。特に、図5は、本開示の別の例示的な実装形態によるエアロゾル源部材の基材部分210の一部の断面概略図を示す。様々な実装形態では、図5の基材部分210を有するエアロゾル源部材は、例えば、図1図3および図10の制御本体などの様々な制御本体とともに使用可能であり得る。図示される実装形態では、エアロゾル源部材の基材部分210は、複数の層を備える。例えば、図示される実装形態では、基材部分210は、コア部分250を備える第1の層235と、周囲部分252を備える第2の層245とを含む。図示される実装形態では、第1の層235は基材部分210のほぼ半径方向中心に配置され、第2の層245は第1の層235の周りに配置される。いくつかの実装形態では、第1の層235は、基材部分210の全径よりも小さい直径を有し、この直径は基材部分の全径の関数として表され得る。例えば、いくつかの実装形態では、コア部分の直径は、基材部分の全径の約1/8~3/4であってよく、いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材の基材部分の全径の約1/4~1/2であってよい。同様に、周囲部分152は、基材部分の全径よりも小さい直径を有し、この直径はコア部分の直径の関数として表され得る。例えば、いくつかの実装形態では、周囲部分の直径は、コア部分の直径の約1と1/2~8倍であってよく、いくつかの実装形態では、コア部分の直径の約2~4倍であってよい。一例では、コア部分の直径は約2mmであってよく、周囲部分の直径は約6.5mm~約12mmの包括的な範囲内であってよい。
【0100】
様々な実装形態では、コア部分250を備える第1の層235は、第1のサセプタ粒子分布密度を規定してもよく、第1のサセプタ粒子分布密度は、一般に、第1の層235内のサセプタ粒子の相対濃度を有し得る。同様に、周囲部分252を備える第2の層245は、第2のサセプタ粒子分布密度を規定してもよく、第2のサセプタ粒子分布密度は、一般に、第2の層245内のサセプタ粒子の相対濃度を有し得る。様々な実装形態では、サセプタ粒子の分布密度は、様々な異なる方法で規定され得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1の分布密度は、第1の層の総体積の関数としての第1の層内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、第2の層内の総体積の関数としての第2の層内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。他の実装形態では、第1の分布密度は、基材部分の総体積の関数としての第1の層内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、基材部分の総体積の関数としての第2の層内のサセプタ粒子の体積として規定され得る。他の実装形態では、第1の分布密度は、基材部分の断面にわたる第1の層の総面積の関数としての第1の層内のサセプタ粒子の面積として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、基材部分の同じ断面にわたる第2の層の総面積の関数としての第2の層内のサセプタ粒子の面積として規定され得る。サセプタ粒子が実質的に同じ大きさを有するか、同じ粒径範囲内にあるさらに他の実装形態では、第1の分布密度は、第1の層の体積の関数としての第1の層内のサセプタ粒子の数として規定され得る。同様に、第2の分布密度は、第2の層の体積の関数としての第2の層内のサセプタ粒子の数として規定され得る。
【0101】
分布密度がどのように計算されるかにかかわらず、本開示は、第1の分布密度(コア部分を備える第1の層内のサセプタ粒子の分布密度)が第2の分布密度(周囲部分を備える第2の層内のサセプタ粒子の分布密度)よりも大きいことを提供する。このように、コア部分内のサセプタ粒子の濃度は周囲部分内よりも高くなる。図示される実装形態では、第1の層235のサセプタ粒子260および第2の層245のサセプタ粒子262は、実質的に同じ種類の粒子(例えば、実質的に同じ材料)を含むことに留意されたい。ただし、他の実装形態では、第1の層のサセプタ粒子の種類は、第2の層のサセプタ粒子の種類とは異なっていてもよい。さらに他の実装形態では、第1の層は複数のサセプタ粒子を含んでもよいが、第2の層は複数のサセプタ粒子を含む必要はない。一実装形態では、例えば、第1の層内のサセプタ粒子の体積は、基材部分(カバー部分を含むか除く)の総体積の約4%~約8%の包括的な範囲内であってよく、第2の層内のサセプタ粒子の体積は、基材部分(カバー部分を含むか除く)の総体積の0%~4%未満の範囲内であってよい。
【0102】
図示される実装形態では、第1の層235および/または第2の層245は基材材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、基材材料は、押出タバコ構造を備えてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、押出構造は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水、結合剤材料、および/または例えば炭酸カルシウム、米粉、トウモロコシ粉などのような充填剤および硬化剤のうちの1つ以上を含み得るか、それらから本質的に構成され得るものである。様々な実装形態では、好適な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用され得る。他の好適な結合剤材料には、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMC製のAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;ならびにHercules Inc.製のCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。さらに他の可能な結合剤材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せまたはブレンドが使用され得る。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。いくつかの実装形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実装形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。
【0103】
いくつかの実装形態では、基材材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料を含み得る。さらに別の実装形態では、基材材料は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含み得る。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書から知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香料と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。様々な実装形態では、押出材料は、1つ以上の長手方向の開口部を有し得る。他の実装形態では、押出材料は、例えば、ワゴンホイール状の断面を有する押出成形物などの2つ以上のセクタを有し得る。
【0104】
追加的または代替的に、基材材料は、タバコ、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材を含んでもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持するように構成され得る(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。そのような例示的な基材材料は、液体および/またはいくらかの含水量を含み得るが、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであってもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持し得る。実質的に固体の基材材料に好適であり得る例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0105】
他の実装形態では、基材材料は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含み得る。別の実装形態では、基材材料は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載の種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を含み得る。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含み得る。したがって、いくつかの実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成され得る。別の実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成され得る。別の実装形態では、タバコシートは、再構成されたタバコ材料の圧着シートを備え得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、熱伝導性構成要素を含んでも含まなくてもよい重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を備え得る。繊維状充填剤材料、エアロゾル形成材料および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を含む基材材料の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年2月26日に出願され、「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/905,320号明細書に記載されている。
【0106】
いくつかの実装形態では、基材材料は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒および/または同様のものを含み得る。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。いくつかの実装形態では、基材材料は、各々が中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含み得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含み得る。
【0107】
基材材料のうちの1つ以上に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドなどのタバコを含み得るか、それらに由来し得るものである。様々な代表的なタバコの種類、タバコの加工種類、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT国際公開第02/37990号およびBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0108】
様々な実装形態では、基材材料は、その中で利用される様々な量の材料に基づいて様々な構造をとり得る。例えば、サンプル基材材料は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含み得る。サンプル基材材料はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含み得る。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を構成し得る。
【0109】
いくつかの実装形態では、難燃性/燃焼遅延性材料および他の添加物が、基材材料内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、黒鉛、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。基材材料および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。他の例には、熱源による基材材料の発火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成されたリン酸二アンモニウムおよび/または別の塩が挙げられる。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0110】
本開示の他の実装形態によれば、基材材料はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいてもよい。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの風味および香りを高めるために使用される種類の材料を含み得る。例えば、これらの添加物は、様々な紙巻タバコ加香成分および/または最上層成分を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。好ましい加香材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)ならびに香料(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれ得る。これらの添加成分はまた、最上層材料(例えば、メントールなどの香味料材料)を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加され得る追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0111】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または感覚刺激的な特性または性質を変化させる多種多様な種類の香料または材料が、使用されるのに適している可能性がある。いくつかの実装形態では、そのような香料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または人工の性質であってよい。例えば、いくつかの香料は、基材材料および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、その中に組み込まれてもよい。いくつかの実装形態では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティまたは領域に直接供給されるか、基材材料とともに提供されてもよい。例示的な香料には、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特性の香味料および香味パッケージが含まれ得る。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している場合がある。
【0112】
香料はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸)を含み得る。いくつかの実装形態では、香料は、所望であれば、基材材料の要素と組み合わせられ得る。好適であり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用であり得る香味料、加香などのような材料のいずれかが、基材材料と組み合わせられてもよい。特に、基材材料に有機酸を組み込んで、基材材料と組み合わせることが可能であり得るニコチンなどの薬剤の香味特性、感覚特性または感覚刺激特性に影響を与えることが可能であり得る。例えば、レブリン酸、乳酸およびピルビン酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともに基材材料に含まれてもよい。任意の組合せの有機酸が好適であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、基材材料は、存在する有機酸の総量が基材材料中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含み得る。基材材料を生成するために使用され得る有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0113】
そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり得、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである、任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0114】
いくつかの実装形態では、基材材料は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含み得る。例えば、基材材料は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含み得る。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が好適であり得る。一部の炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含み得る。同様に、綿などの天然セルロース繊維が好適であり得、綿などの天然セルロース繊維にシリカ、炭素または金属粒子が注入されるか、シリカ、炭素または金属粒子により綿などの天然セルロース繊維が処理されて、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくないあらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑えてもよい(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)。浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するために、例えば、ホウ酸または様々なオルガノホスフェート化合物を用いて綿を処理することが可能であり得る。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子を用いて処理することが可能であり得る(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入またはその両方)。
【0115】
図示される実装形態では、第1の層および/または第2の層はまた、エアロゾル前駆体組成物などのエアロゾル形成材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのような1つ以上の保湿剤を含んでもよい。様々な実装形態では、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚特性および感覚刺激特性ならびに望ましい性能特性を示すような量であってよい。例えば、いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供し得る。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲であってよい。ただし、他の実装形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0116】
代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、エアロゾル源部材は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成することができ、エアロゾル源部材は「煙状の」エアロゾルを生成し得る。他の態様では、エアロゾル源部材は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成し得る。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて可変であり得る。様々な実装形態では、エアロゾル源部材は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純であり得る。
【0117】
いくつかの実装形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤が、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。
【0118】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれ得る。
【0119】
図5に戻って参照すると、上述したように、第1の層235は複数のサセプタ粒子260を含み、第2の層252は複数のサセプタ粒子262を含み、サセプタ粒子260、262は共振受信部を備える。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子260、262は、いくつかの実装形態では同じ層内で組み合わせられ得る様々な形状、大きさ、および材料を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子260、262のうちの1つ以上が、実質的に球形、薄片状形状、実質的に立方体形状、不規則形状(例えば、異なる寸法を有する1つ以上の(例えば、複数の)側面を有する形状など)またはそれらの任意の組合せを有し得る。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子260、262は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびそれらの任意の組合せを含む強磁性材料を含んでもよい。追加の実装形態では、複数のサセプタ粒子260、262は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の多孔質金属材料、ならびに炭化ケイ素などのセラミック材料、炭素材料、および上記の材料のいずれかの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。さらに他の実装形態では、複数のサセプタ粒子は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含んでもよい。様々な実装形態では、多孔質サセプタ粒子の大きさは様々であり得るが、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約100ミクロン(0.1mm)~約2mmの包括的な範囲の直径を有してもよく、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約0.5mm~約1.5mmの包括的な範囲の直径を有してもよい。
【0120】
図示される実装形態では、制御構成要素によって(例えば、ドライバ回路を介して)電力源から誘導される、制御本体の螺旋コイル(すなわち、共振送信部)内の電流の変化は、複数のサセプタ粒子260、262(すなわち、共振受信部)を貫通する交流電磁場を生成し、それによって複数のサセプタ粒子260、262内に電気渦電流を生成し得る。交流電磁場は、螺旋コイルに交流を導くことによって生成され得る。上述したように、いくつかの実装形態では、制御構成要素は、電力源によって供給される直流を共振送信部に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
【0121】
複数のサセプタ粒子260、262を流れる渦電流は、ジュール効果によって熱を生成することができ、生成される熱の量は、電流の二乗×複数のサセプタ粒子260、262の材料の電気抵抗に比例する。複数のサセプタ粒子260、262が強磁性材料を含む実装形態では、磁気ヒステリシス損失によって熱が生成されてもよい。限定するものではないが、螺旋コイルへの近接、磁場の分布、複数のサセプタ粒子260、262の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含むいくつかの要因が、複数のサセプタ粒子260、262の温度上昇に寄与する。
【0122】
これに関して、かつ上述したように、複数のサセプタ粒子260、262および螺旋コイルはともに、導電性材料を含んでもよい。例として、螺旋コイルおよび/または複数のサセプタ粒子260、262は、銅もしくはアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性もしくは強磁性材料)、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料を含む様々な導電性材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子は、熱伝導性不動態化層(例えば、ガラスの薄層)によってコーティングされるか、そうでなければそれを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材に含まれる複数の多孔質サセプタ粒子260、262は、追加の/代替の共振受信部によって補完されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、装置の制御本体は、例えば、1つ以上の受信部プロングなどの別個の共振受信部を含んでもよい。好適な構成要素の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願番号第15/799,365号明細書に記載されている。
【0124】
図5に戻って参照すると、いくつかの実装形態の基材部分210はまた、周囲部分252の周りに配置されたカバー層254を含んでもよい。図示される実装形態では、カバー層254は、箔サブ層256および紙サブ層258を備え、紙サブ層258は、箔サブ層256の周りに配置されている。いくつかの実装形態では、箔サブ層および紙サブ層は、単一の積層体を備え得る。いくつかの実装形態では、紙サブ層は、紙または他の繊維材料、例えば、セルロース材料を含んでもよい。紙サブ層材料はまた、繊維材料内に埋め込まれるか分散された少なくとも1つの充填剤材料を含み得る。様々な実装形態では、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、充填剤材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実装形態では、紙サブ層は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。様々な種類の紙材料が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWhiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらの米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらの米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらの米国特許第7,195,019号明細書、Holmesの米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらの米国特許第7,275,548号明細書、FournierらのPCT国際公開第01/08514号およびHajaligolらのPCT国際公開第03/043450号に記載されている。いくつかの実装形態では、紙材料は、Schweitzer-Maudit International製のR.J.Reynolds Tobacco Companyグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680などの市販材料を含んでもよい。図示される実装形態では、箔サブ層252は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。ただし、他の実装形態では、箔サブ層は、限定するものではないが、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、黒鉛材料または他の熱伝導性炭素系材料および/またはそれらの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。様々な厚さが可能であるが、いくつかの実装形態では、カバー層は、約1mm~約3mmの包括的な範囲の厚さを有し得る。
【0125】
本開示の代替の実装形態を図6および図7に示す。特に、図6は、エアロゾル源部材の基材部分310の一部の横断面概略図を示し、図7は、図6のエアロゾル源部材の基材部分310の一部の長手方向断面概略図を示す。様々な実装形態では、図6および図7の基材部分310を有するエアロゾル源部材は、例えば、図1図3および図10の制御本体などの様々な制御本体とともに使用可能であり得る。図示される実装形態では、エアロゾル源部材の基材部分310は、基材部分310の少なくとも一部を通って延在する複数の複数のサセプタ帯370(図7を参照)を含む。様々な実装形態では、基材部分310内のサセプタ帯の数は様々であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、わずか2個のサセプタ帯が存在してもよく、他の実装形態では、12個以上ものサセプタ帯が存在してもよい。他の構成も可能であるが、図示される実装形態では、複数のサセプタ帯370は、基材部分310の長さに沿って離隔されている。特に、図示される実装形態の複数のサセプタ帯370は、基材部分310の長さに沿って実質的に均等に離隔されている。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子360が、各サセプタ帯370内に配置される。他の構成も可能であるが、図示される実装形態では、複数のサセプタ粒子360は、各サセプタ帯370内で実質的に整列され、実質的に均等に離隔されている。
【0126】
図示される実装形態では、複数のサセプタ帯370は、基材部分310の中心を通ってその直径にわたって延在し、図示される実装形態の基材部分310は、基材材料348を含み、複数のサセプタ粒子360は、基材材料348内に埋め込まれるか分散される。いくつかの実装形態では、基材材料は、押出タバコ構造を備えてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、押出構造は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水、結合剤材料、および/または例えば炭酸カルシウム、米粉、トウモロコシ粉などのような充填剤および硬化剤のうちの1つ以上を含み得るか、それらから本質的に構成され得る。様々な実装形態では、好適な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用され得る。他の好適な結合剤材料には、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMC製のAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;ならびにHercules Inc.製のCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。さらに他の可能な結合剤材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せまたはブレンドが使用され得る。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。いくつかの実装形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実装形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。
【0127】
いくつかの実装形態では、基材材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料を含み得る。さらに別の実装形態では、基材材料は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含み得る。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書から知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香料と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。様々な実装形態では、押出材料は、1つ以上の長手方向の開口部を有し得る。他の実装形態では、押出材料は、例えば、ワゴンホイール状の断面を有する押出成形物などの2つ以上のセクタを有し得る。
【0128】
追加的または代替的に、基材材料は、タバコ、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材を含んでもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持するように構成され得る(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。そのような例示的な基材材料は、液体および/またはいくらかの含水量を含み得るが、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであってもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持し得る。実質的に固体の基材材料に好適であり得る例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0129】
他の実装形態では、基材材料は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含み得る。別の実装形態では、基材材料は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載の種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を含み得る。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含み得る。したがって、いくつかの実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成され得る。別の実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成され得る。別の実装形態では、タバコシートは、再構成されたタバコ材料の圧着シートを備え得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、熱伝導性構成要素を含んでも含まなくてもよい重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を備え得る。繊維状充填剤材料、エアロゾル形成材料および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を含む基材材料の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年2月26日に出願され、「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/905,320号明細書に記載されている。
【0130】
いくつかの実装形態では、基材材料は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含み得る。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。いくつかの実装形態では、基材材料は、各々が中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含み得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含み得る。
【0131】
基材材料のうちの1つ以上に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドなどのタバコを含み得るか、それらに由来し得る。様々な代表的なタバコの種類、タバコの加工種類、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT国際公開第02/37990号およびBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0132】
様々な実装形態では、基材材料は、その中で利用される様々な量の材料に基づいて様々な構造をとり得る。例えば、サンプル基材材料は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含み得る。サンプル基材材料はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含み得る。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を構成し得る。
【0133】
いくつかの実装形態では、難燃性/燃焼遅延性材料および他の添加物が、基材材料内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、黒鉛、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。基材材料および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。他の例には、熱源による基材材料の発火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成されたリン酸二アンモニウムおよび/または別の塩が挙げられる。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0134】
本開示の他の実装形態によれば、基材材料はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいてもよい。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの香味および香りを高めるために使用される種類の材料を含み得る。例えば、これらの添加物は、様々な紙巻タバコ加香成分および/または最上層成分を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。好ましい加香材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)ならびに香料(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれ得る。これらの添加成分はまた、最上層材料(例えば、メントールなどの香味料材料)を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加され得る追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0135】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または感覚刺激的な特性または性質を変化させる多種多様な種類の香料または材料が、使用されるのに適している可能性がある。いくつかの実装形態では、そのような香料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または人工の性質であってよい。例えば、いくつかの香料は、基材材料および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、その中に組み込まれてもよい。いくつかの実装形態では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティまたは領域に直接供給されるか、基材材料とともに提供されてもよい。例示的な香料には、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特性の香味料および香味パッケージが含まれ得る。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している場合がある。
【0136】
香料はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸)を含み得る。いくつかの実装形態では、香料は、所望であれば、基材材料の要素と組み合わせられ得る。好適であり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用であり得る香味料、加香などのような材料のいずれかが、基材材料と組み合わせられてもよい。特に、基材材料に有機酸を組み込んで、基材材料と組み合わせることが可能であり得るニコチンなどの薬剤の香味特性、感覚特性または感覚刺激特性に影響を与えることが可能であり得る。例えば、レブリン酸、乳酸およびピルビン酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともに基材材料に含まれてもよい。任意の組合せの有機酸が好適であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、基材材料は、存在する有機酸の総量が基材材料中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含み得る。基材材料を生成するために使用され得る有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0137】
そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であってもよく、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0138】
いくつかの実装形態では、基材材料は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含み得る。例えば、基材材料は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含み得る。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が好適であり得る。一部の炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含み得る。同様に、綿などの天然セルロース繊維が好適なり得るものであり、綿などの天然セルロース繊維にシリカ、炭素または金属粒子が注入されるか、シリカ、炭素または金属粒子により綿などの天然セルロース繊維が処理されて、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくないあらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑えてもよい(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)。浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するために、例えば、ホウ酸または様々なオルガノホスフェート化合物を用いて綿を処理することが可能であり得る。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子を用いて処理することが可能となり得る(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入またはその両方)。
【0139】
図示される実装形態では、基材材料はまた、エアロゾル前駆体組成物などのエアロゾル形成材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのような1つ以上の保湿剤を含んでもよい。様々な実装形態では、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚特性および感覚刺激特性ならびに望ましい性能特性を示すような量であってよい。例えば、いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供し得る。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲であってよい。ただし、他の実装形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0140】
代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、エアロゾル源部材は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成することができ、エアロゾル源部材は「煙状の」エアロゾルを生成し得る。他の態様では、エアロゾル源部材は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成し得る。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて可変であり得る。様々な実装形態では、エアロゾル源部材は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純であり得る。
【0141】
いくつかの実装形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤が、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。
【0142】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれ得る。
【0143】
図6および図7に戻って参照すると、上述したように、基材部分310は複数のサセプタ帯370を含み、複数のサセプタ帯370の各々は複数のサセプタ粒子360を含み、サセプタ粒子360は共振受信部を備える。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子360は、いくつかの実装形態では同じサセプタ帯内で組み合わせられ得る様々な形状、大きさ、および材料を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子360のうちの1つ以上が、実質的に球形、薄片状形状、実質的に立方体形状、不規則形状(例えば、異なる寸法を有する1つ以上の(例えば、複数の)側面を有する形状など)またはそれらの任意の組合せを有し得る。様々な実装形態では、複数のサセプタ粒子360は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびそれらの任意の組合せを含む強磁性材料を含んでもよい。追加の実装形態では、複数のサセプタ粒子360は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の多孔質金属材料、ならびに炭化ケイ素などのセラミック材料、炭素材料、および上記の材料のいずれかの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。さらに他の実装形態では、複数のサセプタ粒子は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含んでもよい。様々な実装形態では、多孔質サセプタ粒子の大きさは様々であり得るが、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約100ミクロン(0.1mm)~約2mmの包括的な範囲の直径を有してもよく、いくつかの実装形態では、複数の多孔質サセプタ粒子のうちの1つ以上は、約0.5mm~約1.5mmの包括的な範囲の直径を有してもよい。
【0144】
図示される実装形態では、制御構成要素によって(例えば、ドライバ回路を介して)電力源から誘導される、制御本体の螺旋コイル(すなわち、共振送信部)内の電流の変化は、複数のサセプタ粒子360(すなわち、共振受信部)を貫通する交流電磁場を生成し、それによって複数のサセプタ粒子360内に電気渦電流を生成し得る。交流電磁場は、螺旋コイルに交流を導くことによって生成され得る。上述したように、いくつかの実装形態では、制御構成要素は、電力源によって供給される直流を共振送信部に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。
【0145】
複数のサセプタ粒子360を流れる渦電流は、ジュール効果によって熱を生成することができ、生成される熱の量は、電流の二乗×複数のサセプタ粒子360の材料の電気抵抗に比例する。複数のサセプタ粒子360が強磁性材料を含む実装形態では、磁気ヒステリシス損失によって熱が生成されてもよい。限定するものではないが、螺旋コイルへの近接、磁場の分布、複数のサセプタ粒子360の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含むいくつかの要因が、複数のサセプタ粒子360の温度上昇に寄与する。
【0146】
これに関して、かつ上述したように、複数のサセプタ粒子360および螺旋コイルはともに、導電性材料を含んでもよい。例として、螺旋コイルおよび/または複数のサセプタ粒子360は、銅もしくはアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性または強磁性材料)、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料を含む様々な導電性材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子は、熱伝導性不動態化層(例えば、ガラスの薄層)によってコーティングされるか、そうでなければそれを含んでもよい。
【0147】
いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材に含まれる複数の多孔質サセプタ粒子360は、追加の/代替の共振受信部によって補完されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、装置の制御本体は、例えば、1つ以上の受信部プロングなどの別個の共振受信部を含んでもよい。好適な構成要素の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願第15/799,365号明細書に記載されている。
【0148】
図6および図7に戻って参照すると、いくつかの実装形態の基材部分310はまた、基材材料348の周りに配置されたカバー層354を含んでもよい。図示される実装形態では、カバー層354は、箔サブ層356および紙サブ層358を備え、紙サブ層358は、箔サブ層356の周りに配置されている。いくつかの実装形態では、箔サブ層および紙サブ層は、単一の積層体を備え得る。いくつかの実装形態では、紙サブ層は、紙または他の繊維材料、例えば、セルロース材料を含んでもよい。紙サブ層材料はまた、繊維材料内に埋め込まれるか分散された少なくとも1つの充填剤材料を含み得る。様々な実装形態では、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、充填剤材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実装形態では、紙サブ層は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。様々な種類の紙材料が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWhiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらの米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらの米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらの米国特許第7,195,019号明細書、Holmesの米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらの米国特許第7,275,548号明細書、FournierらのPCT国際公開第01/08514号およびHajaligolらのPCT国際公開第03/043450号に記載されている。いくつかの実装形態では、紙材料は、Schweitzer-Maudit International製のR.J.Reynolds Tobacco Companyグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680などの市販材料を含んでもよい。図示される実装形態では、箔サブ層352は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。ただし、他の実装形態では、箔サブ層は、限定するものではないが、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、黒鉛材料または他の熱伝導性炭素系材料および/またはそれらの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。様々な厚さが可能であるが、いくつかの実装形態では、カバー層は、約1mm~約3mmの包括的な範囲の厚さを有し得る。
【0149】
本開示の代替の実装形態を図8および図9に示す。特に、図8は、エアロゾル源部材の基材部分410の一部の斜視概略図を示し、図9は、図8のエアロゾル源部材の基材部分410の一部の横断面概略図を示す。様々な実装形態では、図8および図9の基材部分410を有するエアロゾル源部材は、例えば、図1図3および図10の制御本体などの様々な制御本体とともに使用可能であり得る。図示される実装形態では、長手方向軸線450が基材部分410を貫通して画定され、基材部分410は、基材部分410の少なくとも一部を通って延在する複数のサセプタ帯470(図8を参照)を含む。様々な実装形態では、基材部分410内のサセプタ帯の数は様々であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、わずか2個のサセプタ帯が存在してもよく、他の実装形態では、12個以上ものサセプタ帯が存在してもよい。他の構成も可能であるが、図示される実装形態では、複数のサセプタ帯470は、基材部分410の長さに沿って離隔されている。特に、図示される実装形態の複数のサセプタ帯470は、基材部分410の長さに沿って実質的に均等に離隔されている。様々な実装形態では、複数のサセプタコイル472が、各サセプタ帯470内に配置される。他の構成も可能であるが、図示される実装形態では、複数のサセプタコイル472は、基材部分410の長手方向軸線450の周りに半径方向に離隔されている。様々な実装形態では、複数のサセプタコイル472は、基材部分410内の任意の半径方向位置に配置されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、複数のサセプタコイルは、基材部分410の長手方向軸線450に近接して配置されてもよい。他の実装形態では、複数のサセプタコイルは、基材部分410の外面に近接して配置されてもよい。さらに他の実装形態では、複数のサセプタコイルは、基材部分410の外面に、または外面上に配置されてもよい。様々な実装形態では、各サセプタ帯内に任意の数のサセプタコイルが存在してもよい。例えば、いくつかの実装形態では、各サセプタ帯内にわずか2個のサセプタコイルが存在してもよい。他の実装形態では、各サセプタ帯内に12個以上ものサセプタコイルが存在してもよい。図9を参照すると、図示される実装形態では、各サセプタ帯470内に8個のサセプタコイル472が存在する。
【0150】
他の構成も可能であるが、図示される実装形態では、サセプタコイル472は、基材部分410の長手方向軸線450の周りに半径方向に実質的に均等に離隔されている。他の実装形態も可能であるが、図示される実装形態のサセプタコイル472の各々は、長手方向軸線474を画定し、サセプタコイル472は、複数のサセプタコイル472の長手方向軸線474が基材部分410の長手方向軸線450と実質的に平行になるように配置される。
【0151】
図示される実装形態の基材部分410は、基材材料448を含み、複数のサセプタコイル472は、基材材料448内に埋め込まれるか分散される。いくつかの実装形態では、基材材料は、押出タバコ構造を備えてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、押出構造は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水、結合剤材料、および/または例えば炭酸カルシウム、米粉、トウモロコシ粉などのような充填剤および硬化剤のうちの1つ以上を含み得るか、それらから本質的に構成され得る。様々な実装形態では、好適な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウムおよびアルギン酸ナトリウムなどのアルジネートを含み得る。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用され得る。他の好適な結合剤材料には、Aqualon Co.製のKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース;Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース;FMC製のAvicelなどの微結晶セルロース;The Dow Chemical Co.製のMethocel A4Mなどのメチルセルロース;ならびにHercules Inc.製のCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースが含まれる。さらに他の可能な結合剤材料には、デンプン(例えば、コーンスターチ)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムが含まれる。いくつかの実装形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せまたはブレンドが使用され得る。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号明細書およびRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。いくつかの実装形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実装形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含み得る。
【0152】
いくつかの実装形態では、基材材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料を含み得る。さらに別の実装形態では、基材材料は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含み得る。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書から知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香料と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。様々な実装形態では、押出材料は、1つ以上の長手方向の開口部を有し得る。他の実装形態では、押出材料は、例えば、ワゴンホイール状の断面を有する押出成形物などの2つ以上のセクタを有し得る。
【0153】
追加的または代替的に、基材材料は、タバコ、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材を含んでもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持するように構成され得る(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。そのような例示的な基材材料は、液体および/またはいくらかの含水量を含み得るが、基材材料は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであってもよく、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持し得る。実質的に固体の基材材料に好適であり得る例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0154】
他の実装形態では、基材材料は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含み得る。別の実装形態では、基材材料は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載の種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を含み得る。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含み得る。したがって、いくつかの実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成され得る。別の実装形態では、基材材料は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成され得る。別の実装形態では、タバコシートは、再構成されたタバコ材料の圧着シートを備え得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、熱伝導性構成要素を含んでも含まなくてもよい重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を備え得る。繊維状充填剤材料、エアロゾル形成材料および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、ギャザーウェブ)を含む基材材料の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年2月26日に出願され、「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願第15/905,320号明細書に記載されている。
【0155】
いくつかの実装形態では、基材材料は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含み得る。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。いくつかの実装形態では、基材材料は、各々が中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含み得る。いくつかの実装形態では、基材材料は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含み得る。
【0156】
基材材料のうちの1つ以上に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドなどのタバコを含み得るか、それらに由来し得る。様々な代表的なタバコの種類、タバコの加工種類、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT国際公開第02/37990号およびBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0157】
様々な実装形態では、基材材料は、その中で利用される様々な量の材料に基づいて様々な構造をとり得る。例えば、サンプル基材材料は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含み得る。サンプル基材材料はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含み得る。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を構成し得る。
【0158】
いくつかの実装形態では、難燃性/燃焼遅延性材料および他の添加物が、基材材料内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、黒鉛、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。基材材料および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。他の例には、熱源による基材材料の発火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成されたリン酸二アンモニウムおよび/または別の塩が挙げられる。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0159】
本開示の他の実装形態によれば、基材材料はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいてもよい。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの香味および香りを高めるために使用される種類の材料を含み得る。例えば、これらの添加物は、様々な紙巻タバコ加香成分および/または最上層成分を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。好ましい加香材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)ならびに香料(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれ得る。これらの添加成分はまた、最上層材料(例えば、メントールなどの香味料材料)を含み得る。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加され得る追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0160】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または感覚刺激的な特性または性質を変化させる多種多様な種類の香料または材料が、使用されるのに適している可能性がある。いくつかの実装形態では、そのような香料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または人工の性質であってよい。例えば、いくつかの香料は、基材材料および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、その中に組み込まれてもよい。いくつかの実装形態では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティまたは領域に直接供給されるか、基材材料とともに提供されてもよい。例示的な香料には、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特性の香味料および香味パッケージが含まれ得る。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している場合がある。
【0161】
香料はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸および安息香酸などの有機酸)を含み得る。いくつかの実装形態では、香料は、所望であれば、基材材料の要素と組み合わせられ得る。好適であり得る例示的な植物由来組成物が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用であり得る香味料、加香などのような材料のいずれかが、基材材料と組み合わせられてもよい。特に、基材材料に有機酸を組み込んで、基材材料と組み合わせることが可能であり得るニコチンなどの薬剤の香味特性、感覚特性または感覚刺激特性に影響を与えることが可能であり得る。例えば、レブリン酸、乳酸およびピルビン酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともに基材材料に含まれてもよい。任意の組合せの有機酸が好適であり得る。例えば、いくつかの実装形態では、基材材料は、存在する有機酸の総量が基材材料中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含み得る。基材材料を生成するために使用され得る有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0162】
そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であってもよく、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0163】
いくつかの実装形態では、基材材料は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含み得る。例えば、基材材料は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含み得る。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が好適であり得る。一部の炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含み得る。同様に、綿などの天然セルロース繊維が好適であってもよく、綿などの天然セルロース繊維にシリカ、炭素または金属粒子が注入されるか、シリカ、炭素または金属粒子により綿などの天然セルロース繊維が処理されて、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくないあらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑えてもよい(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)。浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するために、例えば、ホウ酸または様々なオルガノホスフェート化合物を用いて綿を処理することが可能であり得る。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子を用いて処理することが可能であり得る(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入またはその両方)。
【0164】
図示される実装形態では、基材材料はまた、エアロゾル前駆体組成物などのエアロゾル形成材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのような1つ以上の保湿剤を含んでもよい。様々な実装形態では、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚特性および感覚刺激特性ならびに望ましい性能特性を示すような量であってよい。例えば、いくつかの実装形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供し得る。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲であってよい。ただし、他の実装形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0165】
代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、エアロゾル源部材は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成することが可能であり、エアロゾル源部材は「煙状の」エアロゾルを生成し得る。他の態様では、エアロゾル源部材は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成し得る。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて可変であり得る。様々な実装形態では、エアロゾル源部材は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純であり得る。
【0166】
いくつかの実装形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤が、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許公開第2015/0020830号明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。
【0167】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれ得る。
【0168】
図8および図9に戻って参照すると、基材部分410は複数のサセプタ帯470を含み、複数のサセプタ帯470の各々は複数のサセプタコイル472を含み、サセプタコイル472は共振受信部を備える。様々な実装形態では、複数のサセプタコイル472は、いくつかの実装形態では同じサセプタ帯内で組み合わせられ得る様々なコイルの形状、大きさ、および材料を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、複数のサセプタコイル472は、ステンレス鋼材料(例えば、低グレードステンレス鋼)、アルミニウム材料またはアルミニウム箔材料などの金属材料を含んでもよい。他の例では、複数のサセプタコイル472は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびそれらの任意の組合せを含む強磁性材料を含んでもよい。追加の実装形態では、複数のサセプタコイル472は、例えば、炭化ケイ素などのセラミック材料、炭素材料、および上記の材料のいずれかの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。さらに他の実装形態では、複数のサセプタコイルは、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含んでもよい。サセプタコイルの寸法は様々であり得るが、いくつかの実装形態では、サセプタコイルの直径は、約8.5mm~約10mmの包括的な範囲内であってよい。様々なサセプタコイル長が可能である。
【0169】
図示される実装形態では、制御構成要素によって(例えば、ドライバ回路を介して)電力源から誘導される、制御本体の螺旋コイル(すなわち、共振送信部)内の電流の変化は、複数のサセプタコイル472(すなわち、共振受信部)に局所的な磁束およびヒステリシス効果を生み出し、これにより、複数のサセプタコイル472に近接して局所的な加熱を提供する。上述したように、いくつかの実装形態では、制御構成要素は、電力源によって供給される直流を共振送信部に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含んでもよい。このトポロジーでは、1つの回路がハーフブリッジ整流器を備え、別の回路がフルブリッジ整流器を備え、第3の回路が直流信号を交流信号に変換することができる変圧器を備える3つの回路構成が使用されてもよい。
【0170】
様々な実装形態では、複数のサセプタコイル472および送信部螺旋コイルはともに、導電性材料を含んでもよい。例として、螺旋コイルおよび/または複数のサセプタコイル472は、銅もしくはアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性または強磁性材料)、または1つ以上の導電性材料が内部に埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料を含む様々な導電性材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、複数のサセプタ粒子は、熱伝導性不動態化層(例えば、ガラスの薄層)によってコーティングされるか、そうでなければそれを含んでもよい。
【0171】
いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材に含まれる複数の多孔質サセプタコイル472は、追加の/代替の共振受信部によって補完されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、装置の制御本体は、例えば、1つ以上の受信部プロングなどの別個の共振受信部を含んでもよい。好適な構成要素の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願番号第15/799,365号明細書に記載されている。
【0172】
図9を参照すると、いくつかの実装形態の基材部分410はまた、基材材料448の周りに配置されたカバー層454を含んでもよい。図示される実装形態では、カバー層454は、箔サブ層456および紙サブ層458を備え、紙サブ層458は、箔サブ層456の周りに配置されている。いくつかの実装形態では、箔サブ層および紙サブ層は、単一の積層体を備え得る。いくつかの実装形態では、紙サブ層は、紙または他の繊維材料、例えば、セルロース材料を含んでもよい。紙サブ層材料はまた、繊維材料内に埋め込まれるか分散された少なくとも1つの充填剤材料を含み得る。様々な実装形態では、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、充填剤材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実装形態では、紙サブ層は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。様々な種類の紙材料が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWhiteらの米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらの米国特許第5,271,419号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらの米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらの米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらの米国特許第7,195,019号明細書、Holmesの米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらの米国特許第7,275,548号明細書、FournierらのPCT国際公開第01/08514号およびHajaligolらのPCT国際公開第03/043450号に記載されている。いくつかの実装形態では、紙材料は、Schweitzer-Maudit International製のR.J.Reynolds Tobacco Companyグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680などの市販材料を含んでもよい。図示される実装形態では、箔サブ層352は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。ただし、他の実装形態では、箔サブ層は、限定するものではないが、銅材料、スズ材料、金材料、グラフェン材料、黒鉛材料または他の熱伝導性炭素系材料および/またはそれらの任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。様々な厚さが可能であるが、いくつかの実装形態では、カバー層は、約1mm~約3mmの包括的な範囲の厚さを有し得る。
【0173】
図3の実装形態の制御ユニットは、実質的に円筒形であるように示されているが、本開示は、そのような形状を有するエアロゾル送達装置に限定されない。例えば、代替の実装形態が図10に示されている。図3に関して説明した実装形態と同様に、図10に示す実装形態は、エアロゾル源部材504を受容するように構成された制御本体502を備えるエアロゾル送達装置500を含む。様々な実装形態では、エアロゾル源部材504は、上記のエアロゾル源部材104、204と同様の構成を有してもよく、いくつかの同様の構成要素(ならびに同様の構成および構成要素の変形例)を含んでもよい。したがって、これらの構成および構成要素(ならびに構成および構成要素の変形例)の適切な説明が参照される。上述したように、エアロゾル源部材504は、制御本体502に挿入されるように構成された被加熱端506と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する吸い口端508とを備え得る。制御本体502は、ハウジング内に画定された開口部519と、流量センサ(図示せず、例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素522(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電力源524(例えば、充電式であってよい電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)とを含むハウジング518を備え得る。電力源、センサおよび様々な他の可能な電気部品の例は、上記の図3の例示的な実装形態に関して上述されている。
【0174】
図3の実装形態と同様に、図10に示す実装形態の制御本体502は、共振受信部とともに共振変圧器を形成する共振送信部を含む。本開示の様々な実装形態の共振変圧器は、共振送信部および共振受信部の一方または両方が制御本体および/またはエアロゾル送達装置内に配置される実装形態を含む様々な形態をとり得る。図6に示す特定の実装形態では、共振送信部は、螺旋コイル528を備える。様々な実装形態では、螺旋コイルは、導電性材料から構築されてもよい。さらなる実装形態では、螺旋コイルは、非導電性絶縁カバー/ラップ材料を含んでもよい。いくつかの実装形態では、共振送信部は送信部支持部材(送信部支持筒など)を囲んでもよいが、図示される実施形態では、コイル自体が円筒状構造を形成する。例えば、図示される実装形態では、螺旋コイル528の個々のコイルは、螺旋コイル528が円筒形状を効果的に形成するように互いに近接している。
【0175】
図示される実装形態には示されていないが、様々な他の実装形態では、制御本体は、その中に配置された1つ以上の位置決め機構を含んでもよく、1つ以上の位置決め機構は、ハウジングの開口部とともに、またはその代わりとして、エアロゾル源部材が制御本体に挿入される際にエアロゾル源部材の適切な位置決めを容易にし得る。例えば、さらなる実装形態では、図示される実装形態の制御本体は、位置決め筒の内径が、対応するエアロゾル源部材の外径よりもわずかに大きいかほぼ等しくなってもよく(例えば、スライド嵌合を形成するために)、その結果、位置決め筒がエアロゾル源部材を制御本体に対して適切な位置に案内し得るように、ハウジングの開口部から螺旋コイルを通って延在する位置決め筒を含んでもよい。
【0176】
別の態様では、本開示は、本明細書で説明される様々な構成要素を提供するキットを対象とし得る。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル源部材を有する制御本体を備え得る。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに備え得る。キットは、1つ以上の電池を有する制御本体をさらに備え得る。キットは、1つ以上のエアロゾル源部材および1つ以上の充電構成要素および/または1つ以上の電池を有する制御本体をさらに備え得る。さらなる実装形態では、キットは、複数のエアロゾル源部材を備え得る。キットは、複数のエアロゾル源部材および1つ以上の電池および/または1つ以上の充電構成要素をさらに備え得る。上記の実装形態では、エアロゾル源部材または制御本体は、それらに含まれる加熱部材を備えていてもよい。本発明のキットは、追加のキット構成要素のうちの1つ以上を収容するケース(または他の梱包、運搬もしくは保管構成要素)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能なハードコンテナまたはソフトコンテナであってよい。さらに、ケースは、単なる箱または他の梱包構造体であってよい。
【0177】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実装形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実装形態に限定されるものではなく、変更および他の実装形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、前記エアロゾル源部材が、
複数の離隔されたサセプタ帯を含む基材部分を備え、各サセプタ帯が、基材部分の中心を通ってその直径にわたって延在し、各サセプタ帯が、複数の離隔されたサセプタ粒子を含む、エアロゾル源部材。
【請求項2】
複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内に実質的に整列されている、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項3】
複数のサセプタ帯が、実質的に均等に離隔されている、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項4】
複数のサセプタ粒子が、各サセプタ帯内で実質的に均等に離隔されている、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項5】
基材部分の周りに配置されたカバー層をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル源部材。
【請求項6】
共振送信部を有する誘導加熱エアロゾル送達装置とともに使用するためのエアロゾル源部材であって、前記エアロゾル源部材が、
コア部分と、
コア部分の周りに配置された周囲部分と、
周囲部分の周りに配置されたカバー層と、
を備える基材部分を備え、
コア部分が、その中に均等に分布され且つ第1の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、周囲層が、その中に均等に分布され且つ第2の分布密度を有する複数のサセプタ粒子を含み、第1の分布密度が、第2の分布密度よりも大きい、エアロゾル源部材。
【請求項7】
コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する同じ基材材料を含む、請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項8】
コア部分および周囲部分が、異なるサセプタ粒子分布密度を有する別個の基材層を備える、請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項9】
カバー層が、箔サブ層と、箔サブ層の周りに配置された紙サブ層とを備える、請求項5に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項10】
複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、薄片状形状、球形、六角形、立方体形状および不規則形状から選択される形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項11】
複数のサセプタ粒子のうちの少なくとも1つのサセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料およびそれらの組合せから選択される材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項12】
基材部分が、押出タバコ材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項13】
基材部分が、再構成タバコシート材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項14】
基材部分が、タバコビーズおよびタバコ粉末のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。
【請求項15】
エアロゾル源部材が、円筒形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル源部材、または請求項6に記載のエアロゾル源部材。