(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160351
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】照射のための装置、装置の動作方法及び照射のためのパラメータ化された動作環境を作成するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
A61L2/08
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024135004
(22)【出願日】2024-08-13
(62)【分割の表示】P 2021558767の分割
【原出願日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】00454/19
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(71)【出願人】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置(30)に関する。
【解決手段】装置(30)は、データを送信するための第1のインターフェース(20)と、送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するための分析モジュール(22)と、作成されたパラメータ化された動作環境に基づいてデバイス設定を適合させるための制御ユニット(24)と、作成されたパラメータ化された動作環境(23)に従って制御ユニット(24)から信号(25)を受信する照射ユニット(26)とを備える。本発明はさらに、システム、方法、および方法を実施するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体または前記人体の一部に光放射を照射するための装置(30)であって、
a.データを送信するための第1のインターフェース(20)と、
b.前記送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するための分析モジュール(22)と、
c.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニット(24)と、
d.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に応じた信号(25)を前記制御ユニット(24)から受信する照射ユニット(26)と
を備え、
前記送信されたデータが、匿名化された方法で使用データベース(40、40’)に記憶され、
暗号化接続を介してアクセス可能な使用データベースのデータと、前記送信されたデータとを使用してユーザのプロファイルが作成され、前記ユーザのプロファイルがユーザデバイス(10)に記憶される、装置。
【請求項2】
前記第1のインターフェース(20)が、ユーザデバイス(10)とのブルートゥース接続を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のインターフェース(20)が、ユーザデバイス(10)との有線接続を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
使用データベース(40、40’)との間でデータを伝送するための第2のインターフェース(28)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記分析モジュール(22)が、前記使用データベース(40、40’)のデータを受信し、前記データを前記パラメータ化された動作環境(23)の基礎として使用する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記分析モジュール(22)が、前記装置(30)の外側に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記パラメータ化された動作環境(23)が、照射計画を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御ユニット(24)が、ユーザのデータに基づいて、前記パラメータ化された動作環境(23)の前記調整を実行する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御ユニット(24)が、使用データベース(40、40’)のデータに基づいて、前記パラメータ化された動作環境(23)の前記調整を実行する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
人体または前記人体の一部に光放射を照射するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置の動作方法であって、
a.前記装置の第1のインターフェース(20)が、インターフェース(20)を介してユーザのデータを送信するステップと、
b.前記装置の分析モジュール(22)が、前記送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するステップと、
c.前記装置の制御ユニット(24)が、前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するステップと、
d.前記装置の照射ユニット(26)が、前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に従って照射のためのデバイス設定を適用するステップと
を含む、動作方法。
【請求項11】
前記送信されたデータが、次の情報すなわち、事前設定、プロファイル、部分プロファイル、以前の照射の履歴のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載の動作方法。
【請求項12】
前記装置の使用データベース(40、40’)が、使用データベース(40、40’)からデータを送信するステップであって、前記データが、次の値すなわち、使用時間、使用頻度、肌タイプ、およびデバイス設定のうちの1つまたは複数を含む、送信するステップをさらに含む、請求項10または11に記載の動作方法。
【請求項13】
前記使用データベース(40、40’)からの前記データの送信が、他のユーザの履歴データを含む、請求項12に記載の動作方法。
【請求項14】
前記パラメータ化された動作環境(23)の作成が、前記ユーザの前記プロファイルの分析を含み、それによって前記ユーザの前記肌タイプが判定される、請求項11を引用する請求項12に記載の動作方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
人体または人体の一部に光放射を照射するためのパラメータ化された動作環境(23)を作成するためのシステム(1)であって、
a.ユーザの第1のデータを送信するためのインターフェース(20)と、
b.第2のデータを提供する使用データベース(40、40’)と、
c.前記送信された第1のデータおよび前記提供された第2のデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するための分析モジュール(22)と、
d.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニット(24)と、
e.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に応じた信号(25)を前記制御ユニット(24)から受信する照射ユニット(26)と
を備え、
前記送信された第1のデータが、匿名化された方法で前記使用データベース(40、40’)に記憶され、
暗号化接続を介してアクセス可能な使用データベースのデータと、前記送信された第1のデータとを使用してユーザのプロファイルが作成され、前記ユーザのプロファイルがユーザデバイス(10)に記憶される、システム(1)。
【請求項17】
前記使用データベース(40、40’)が、次の値すなわち、使用期間、使用頻度、肌タイプ、およびデバイス設定のうちの1つまたは複数を有する第2のデータを含む、請求項16に記載のシステム(1)。
【請求項18】
前記使用データベース(40)が、クラウドサービス(40’)として実装される、請求項16又は17に記載のシステム(1)。
【請求項19】
複数の装置(30、50、60、70、80)が、接続(4、6)を介して前記使用データベース(40、40’)に接続される、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項20】
前記分析モジュール(22)が、前記パラメータ化された動作環境(23)に対するユーザ固有の推奨情報を照射計画と共に出力する、請求項16~19のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項21】
ユーザデバイス(10)が、ネットワーク接続(8)を介して前記使用データベース(40、40’)にアクセスする、請求項16~20のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項22】
前記ユーザデバイス(10)が、前記使用データベース(40、40’)から使用データベースデータを受信し、その結果、前記使用データベースデータを個人に合わせることに続いて、1つまたは複数の装置(30、50、60、70、80)において前記パラメータ化された動作環境(23)を作成する、請求項21に記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置に関する。本発明はまた、すべて独立請求項の一般用語による、方法、この方法を実行するためのコンピュータプログラム製品、およびシステムに関する。
【技術的背景】
【0002】
[0002]人体または人体の一部に光放射を照射するための装置が、知られている。これらは、医療、美容および/または治療分野で使用される。肌を照射する分野では、発光装置が使用され、その放射は、例えば、前記放射に曝露された人に光生物学的効果を生み出す。放射は、人の肌に当たるが、特定の波長に応じて身体のより深い領域に浸透することができる。効果は、例えば、肌の日焼けを含むが、他の生理学的および心理学的効果も照射から生じる。放射は、紫外線(UV)放射、可視(VIS)放射および近赤外(nIR)放射のスペクトルをカバーする。UV放射は、100nm~約380nmの間のスペクトルの波長を有し、VIS放射は、約380nm~約780nmの間のスペクトルの波長を有し、nIR放射は、約780nm~約1400nmの間のスペクトルの波長を有する。上述のスペクトルは互いに融合する。処置に応じて、照射は、前述のスペクトルのサブスペクトルに焦点を合わせることができる。この目的のために、医療用-化粧用放射発光装置はまた、専用の個々の波長、例えば5つの光管によって生成されたUV放射に関連付けることができる。
【0003】
[0003]この分野では、ユーザの肌に影響を与えるための装置が知られており、例えば、それらは、日焼けサロンにおいて使用され、ここでは、色素沈着によって自分の肌を日焼けさせる目的で照射される人が、横たわる表面または境界表面を形成するカバー上に横たわることができ、この場合、通常複数の光管、特に蛍光管を有するUV放射発光装置が、カバーの下方に配置されている。ほとんどの場合、そのような日焼けデバイスはまた、さらなる光管および第2のカバーを有する別のアセンブリを有し、これらは一緒になって、2つの側面から人を日焼けさせることができるように、照射される人に向かって枢動させることができる。ここでの問題は、ユーザが装置に任意の動作パラメータを入力することができるが、これらはユーザに適合せず、したがって欠点をもたらす可能性があることである。
【0004】
[0004]本発明の目的は、装置が最適化された照射結果を達成するように、ユーザが、特に事前にまたは場所に関係なく、装置を自分の必要に合わせて調整することができる、人体または人体の一部に紫外線および/または光放射を照射するための装置を明示することである。
【発明の説明】
【0005】
[0005]本発明によれば、この問題は、独立請求項の特徴を有する装置によって解決される。
【0006】
[0006]本発明の1つの態様によれば、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置が設計され、装置は、データを転送するための第1のインターフェースと、送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境を作成するための分析モジュールと、作成されたパラメータ化された動作環境に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニットと、作成されたパラメータ化された動作環境に応じた信号を制御ユニットから受信する照射ユニットとを備える。
【0007】
[0007]これにより、ユーザ固有の要望および設定を考慮し、最適な照射を提供することが可能になることが、有効である。例えば、ユーザは、特定の動作パラメータの事前設定を事前に生成することができる。パラメータ化された動作環境が装置によって完全に自動的に決定され実施されることが特に有効である。パラメータ化された動作環境は、ユーザに個別に適用することができる、日焼け計画としても知られる照射計画を含む。したがって、ユーザは、パラメータを治療の開始時にデバイスに設定する必要がないため、治療または照射のための時間をより多く有する。デバイス設定および例えば最適な日焼け時間は、記憶された履歴によって決定され、アプリケーションによってインポートされ得る。当然ながら、ユーザは、再調整を行うか、またはさらなる設定を指定するオプションを有する。
【0008】
[0008]好ましくは、第1のインターフェースは、ユーザデバイスとのブルートゥース(登録商標)接続を可能にする。これにより、装置をユーザデバイス、例えばスマートフォン、タブレット、またはユーザコンピュータに接続して、プロファイルまたは好ましい事前設定などのユーザデータを転送することが容易になる。ユーザの位置に応じて、すなわち、ユーザがユーザデバイスと共に装置に近接している場合、装置は直ちに開始し、ユーザデータの読み取りおよびパラメータ化された動作環境の作成を開始することができる。装置は、いわば完全に自動的に開始する。ユーザは、装置をさらに調整する必要はない。第1のインターフェースはまた、装置との明確な関連付けおよび装置との即時接続を確立することができるように、ユーザデバイスとの有線接続を有することができる。装置は、構成、日焼けデバイス、または略してタナーとも呼ばれ、好ましくは、その外部にユーザデバイス用の接続部、すなわちインターフェースを有する。ユーザデバイスを接続した後、ユーザデータは、送信またはインポートされ、ユーザデバイスは、装置の使用中に充電するように、同じ接続を介してエネルギーを供給されることが可能である。
【0009】
[0009]さらなる実施形態では、第1のインターフェースは、近距離無線通信(NFC)を可能にする。これは、数センチメートルの短い距離にわたって緩く結合されたコイルによる電磁誘導によるデータの非接触交換のためのRFID技術に基づく伝送規格である。RFID(無線周波数識別)は、電磁波による物体の自動的かつ非接触の識別および位置特定のための送受信機システムのための技術を指す。
【0010】
[0010]さらなる有利な実施形態では、装置は、ネットワークインターフェースとして設計された第2のインターフェースを有する。この第2のインターフェースは、使用データベースとデータを転送または交換するために使用することができる。使用データベースは、リレーショナルまたは半構造データベースとして、またはデータベースシステムとして実装することができる。
【0011】
[0011]使用データベースのデータは、好ましくは、使用時間、使用頻度、肌タイプ、およびデバイス設定などの値を含む。これらの値は、ユーザに関し、それに応じて呼び出すことができる。値はまた、複数のユーザに関することができ、他のユーザまたはユーザグループの値、例えば平均または基準値を決定するために使用することができる。さらに、他のユーザの履歴データを使用して、最適化された動作環境を決定し、それを適用することができる。ユーザのプロファイルを分析することによって、ユーザの肌タイプを判定することができ、これは、パラメータ化された動作環境に組み込まれ、最適な値を作成する。例えば、ユーザが顔画像または腕もしくは手の写真を提供する場合、分析モジュールは、肌タイプを直接判定し、それに応じてこの肌タイプを最適な動作環境に対して考慮することができる。
【0012】
[0012]送信されたデータを匿名化された方法で使用データベースに記憶することが、特に有効である。したがって、プライバシーおよびデータ保護を保証することができる。
【0013】
[0013]分析モジュールは、送信されたデータおよび/または提供されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境を作成する。分析は、確率的に実行することができるが、比較分析も可能である。分析結果は、パラメータ化された動作環境に全体的または部分的に組み込まれる。
【0014】
[0014]分析モジュールが使用データベースからデータを受信する場合、前記データは、パラメータ化された動作環境の基礎として使用することができ、したがって最適な動作環境のための堅固な基礎を形成することができる。分析モジュールは、好ましくは、パラメータ化された動作環境に関連するユーザの肌タイプを決定することができる。ユーザに与えることができる日焼け予後を決定することも可能である。これにより、適切な再調整を実行することができる。
【0015】
[0015]さらなる実施形態では、分析モジュールは、光線療法治療に関する送信データに基づいて、パラメータ化された動作環境を作成する。次いで、制御ユニットは、弛緩または生体刺激のための適切な適用ルーチンを制御する。生体刺激光線療法の良い効果は、ユーザに高く評価されている。生体刺激光線療法のための、特に治療デバイスと組み合わせた補助的な生体刺激光線療法のためのこのような装置、およびその実施形態は、2019年4月3日の出願日の、参照番号P100429CHおよび出願番号....................を有する、同一出願人による「Apparatus for biostimulating phototherapy」と題するスイス特許出願に記載されている。
【0016】
[0016]さらに好ましい実施形態によれば、分析モジュールは、装置の外側に配置される。このようにして、計算集約的なタスクをアウトソースすることができ、任意の場所で実施することができる。結果は、ネットワークを用いて任意の装置によって使用およびインポートすることができる。
【0017】
[0017]好ましくは、パラメータ化された動作環境は、照射計画を含む。これにより、例えば、定義された身体領域、異なる強度および波長、ならびに時間によるユーザの個人に合わせた照射が可能になる。多くの場合、日焼けサロンには複数の装置またはタンナーがある。パラメータ化された動作環境はまた、適切な装置をそれぞれのユーザに割り当てるために好都合に使用することができる。これにより、装置の均一な使用および利用を達成することが可能になる。結果として、エネルギー負荷をより良好に分散させることもできる。
【0018】
[0018]特に好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、ユーザのデータに基づいて、パラメータ化された動作環境の調整を実行する。これにより、ユーザの個々のニーズに対処することができる。ユーザは自分の所望の照射を指定することができるが、これは、その後、望ましくない副作用が回避されるように、装置上のユーザに正確に適合される。
【0019】
[0019]さらに特に好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、使用データベースからのデータに基づいて、パラメータ化された動作環境の調整を実行する。使用データベースは、個々のユーザの値だけでなく、特定の肌タイプまたはユーザグループにとって有効である基準値も記憶する。ユーザが処置または日焼けのために異なるスタジオに行く場合、使用データベースからの値は特に有用であり、様々な場所の各装置に読み込むことができる。例えば、ユーザが自分のユーザデバイスを持っていない場合、ユーザの識別は、装置上のマイクロフォンを介して、音声コマンド、例えば、使用データベースからのデータにリンクされた個々のコードによって実施することもできる。装置は、音声認識デバイスおよび音声制御装置を備える。そのような音声制御およびその実施形態は、2019年4月3日の出願日の、参照番号P100446CHおよび出願番号..............を有する、「Apparatus for affecting at least parts of a body」と題する同一出願人によるスイス特許出願に記載されている。
【0020】
[0020]音声制御のさらなる設計では、例えば治療中に電子メールもしくはメッセージ、天気予報または同様のオンライン情報を読み出すために、または電話をかけるために音声コマンドを使用することが、ネットワーキングによって可能にされる。装置はまた、1つまたは複数のスピーカを有する。ユーザはまた、処置の前または後にマイクロフォン、すなわち音声制御装置を使用することができる。また、オペレータが、通信、保守作業、指示、情報検索などに音声制御装置を使用することも可能である。
【0021】
[0021]本発明の1つの態様は、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置の動作方法に関する。
【0022】
[0022]本発明の別の態様は、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置を制御するためにコンピュータ上で本発明による方法を実施するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【0023】
[0023]本発明のさらに別の態様は、人体または人体の一部に光放射を照射するためのパラメータ化された動作環境を作成するためのシステムまたは構成要素に関する。システムは、ユーザの第1のデータを送信するためのインターフェースと、第2のデータを受信、記憶、または提供する使用データベースと、前記送信された第1のデータおよび前記提供された第2のデータに基づいて、パラメータ化された動作環境を作成するための分析モジュールと、作成されたパラメータ化された動作環境に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニットと、作成されたパラメータ化された動作環境に応じた信号を制御ユニットから受信する照射ユニットとを備える。
【0024】
[0024]使用データベースは、日焼けサロン、または略してサロンにおいてローカルに提供することができる。好ましくは、使用データベースは、クラウドサービスとして実装される。これにより、データの容易な保存、メンテナンス、およびバックアップが可能になり、ユーザによる時間に依存しないアクセスが可能になる。
【0025】
[0025]特に好ましい実施形態によれば、複数の装置が、接続を介して使用データベースに接続されるか、または結合される。その結果、多種多様なデバイスおよびユーザからのデータを合体させることができ、その結果、評価および分析を通じて最適化された動作環境が得られる。
【0026】
[0026]好都合には、分析モジュールは、パラメータ化された動作環境に対するユーザ固有の推奨情報を照射計画と共に出力する。これらの推奨は、使用データベースに記憶され、ユーザによって呼び出され得る。あるいは、推奨はユーザデバイスに転送され、そこで編集され、プロファイルまたは使用データベースに記憶され得る。
【0027】
[0027]好ましくは、ユーザデバイスは、インターネット接続を介して使用データベースにアクセスする。データセキュリティ上の理由から、例えばhttpsを介した暗号化接続が、好ましい。使用データベースがローカルである場合、例えばサロンに位置する場合、ユーザデバイスはローカルにアクセスすることもできる。
【0028】
[0028]1つの実施形態によれば、ユーザデバイスは、使用データベースから使用データベースデータを受信し、このデータは、ユーザによって適宜個人に合わされることができる。次いで、これらのデータを使用して、パラメータ化された動作環境を作成することができる。ユーザはまた、ユーザデバイスを介してフィードバックを提供することができ、これはその後、将来考慮されるか、またはさらなる分析に組み込まれる。
【0029】
[0029]ユーザが、例えば所望の持続時間、強度、温度、音楽などを含むプロファイルを作成および保存すると、記憶されたプロファイルを装置に送信して、最適な動作環境およびデバイス設定を作成することができる。最適な日焼け時間のために、記憶された履歴を使用することもできる。好ましい実施形態では、所望のデータならびに動作環境およびデバイス設定は、使用データベースに記憶される。最適な動作環境の決定は、スマートタニングとも呼ばれるコンピュータ制御された日焼けを可能にする。
【0030】
[0030]ユーザのプロファイルは、好ましくは、アプリケーション、例えばユーザのスマートフォン上のアプリに記憶することができる。機密性の高いユーザデータは、その後、複雑なセキュリティ対策を必要とする装置またはサロンではなく、ユーザのデバイスに記憶される。
【0031】
[0031]手順を記録し、および/または曝露時間を測定し、最大値を表示することにより、ユーザの安全性が向上する。値は、使用データベースおよび/またはユーザデバイスに記憶され、将来の治療に利用可能にすることができる。表示は、装置上で、または前記アプリケーションを介して行うことができる。
【0032】
[0032]当業者にとって、本明細書で説明するすべての実施形態は、明示的に相互排他的でない限り、本発明による設計で実現することができることは自明である。
【0033】
[0033]以下では、本発明を具体的な実施形態および図面に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
[0034]これらの特定の実施形態および図面を検討した後、本発明のさらなる有利な実施形態が、当業者に明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
[0035]以下の図に基づいて本発明の実施形態を説明し、ここでは、同一の参照符号は、同一または類似の部分を示す。
【
図1】
図1は、複数の装置、使用データベース、およびユーザデバイスを有する構成の概略図である。
【
図2】
図2は、使用データベースおよびユーザデバイスと結合された、本発明による装置の構成の概略図である。
【
図3】
図3は、使用データベースと結合された、本発明による装置の構成、およびユーザデバイスと前記使用データベースとの間の接続の概略図である。
【
図4】
図4は、ステップの概略シーケンスを示す図である。
【発明の実施】
【0036】
[0036]
図1は、複数の構成要素を有するシステム1を示す。装置30は、人体または人体の一部に光放射を照射するように設計されている。装置30は、ユーザデバイス10との第1の接続2を確立することができるインターフェース20を備える。スマートフォン、タブレット、または別のアプリケーション実行デバイスであり得るユーザデバイス10は、第1の有線接続2を介してインターフェース20を介して装置30に接続され、前記接続2を介してデータを交換することができる。装置30は、第2の接続4を介して使用データベース40に接続されている。使用データベース40は、第3の接続6を介してさらなる装置50、60、70、80に接続されている。さらなる装置を使用データベース40に接続することができる。各装置30、50、60、70、80は、同じまたは異なる照射または日焼け装置であり得る。第2の接続4および第3の接続6を介したデータ伝送は、好ましくは、LANまたはWLANを介して実施される。
【0037】
[0037]
図2は、例えばBluetooth(登録商標)、WLAN(Wireless Local Area Network)、または近距離無線通信を介して、ユーザデバイス10に無線接続された装置30を示す。ユーザデバイス10は、情報を表示するためのディスプレイ12と、入力ユニット14とを有する。ディスプレイ12および入力ユニット14を合体して1つに組み合わせることができる。ユーザは、自分のプロファイルまたは所望の設定をディスプレイ12に記録し、これらは、次に、これ以後、第1のインターフェース20とも呼ぶインターフェース20に送信される。
【0038】
[0038]装置30は、パラメータ化された動作環境23を作成するための分析モジュール22と、制御ユニット24と、照射ユニット26とをさらに備える。分析モジュール22は、データを処理するための計算ユニットを備える。装置30は、分析モジュール22に接続された第2のインターフェース28を備える。第2のインターフェース28は、第2の接続4を介して、ここに示す例ではクラウドサービスとして実行される使用データベース40’に接続されている。分析モジュール22は、制御ユニット24に接続されている。制御ユニット24は、作成されたパラメータ化された動作環境に基づいてデバイス設定を調整する。制御ユニット24は、作成されたパラメータ化された動作環境に従って照射ユニット26に信号25を送る。パラメータ化された動作環境は、ユーザデバイス10および/または使用データベース40’から送信されたデータに基づいて分析モジュール22によって決定される。制御ユニット24は、次いで、デバイス設定の調整または設定を行う。最適な動作環境の決定には、多種多様な値が組み込まれる。一方では、プロファイルに記憶されたものなどの仕様がユーザによって与えられ、他方では、使用データベース40’からの値が、最適な動作環境を決定するために使用される。一般に、パラメータ化された動作環境は、好ましい強度、温度などの値だけでなく、最適な曝露持続時間も設定することができるため、ユーザの快適さに寄与する。複数の日焼け装置の場合、パラメータ化された動作環境は、個々の装置の利用および使用の改善された制御を可能にする。
【0039】
[0039]制御ユニット24は、例えば、作成されたパラメータ化された動作環境23に応じた信号25を介して、化学線を放射する照射ユニット26を制御する。これは、最適な結果を達成するために、特定の身体領域を規定の強度および持続時間で処置することができるという利点を有する。
【0040】
[0040]
図3は、さらなる好ましい実施形態におけるシステム1を示す。装置30は、人体に医療用美容放射を照射するように設計されている。ここでは、第1のインターフェース20は、WLAN(Wireless Local Area Network)によって第1の接続2を介してユーザデバイス10に接続されている。特に好ましくは、インターフェース20は、2.4 GHz 802.11 b/g/n WLAN容量を有するマイクロチップを有するモジュールを備える。有線接続と同様に、他の無線接続タイプも完全に可能である。ユーザデバイス10は、ユーザデバイス10に記憶されたデータを送信する。装置30は、このデータを第1のインターフェース20を介して受信し、さらなる処理のために分析モジュール22に転送する。
【0041】
[0041]装置30は、第2の接続4を介してインターネットなどのネットワーク90に接続されている。ネットワーク90は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、WLAN(Wireless Local Area Network)、または専用ネットワークとして動作することができる。ユーザデバイス10は、第4の接続8を介してネットワーク90に接続されている。使用データベース40は、第3の接続6を介してネットワーク90に接続されている。これにより、ユーザデバイス10からのユーザのデータを、直接、使用データベース40に記憶することが可能になる。ユーザは、使用データベース40から情報を受信することもできる。そのような情報は、評価、好ましい無料予約または期間だけでなく、広告も含むことができる。これは、
図2で説明したように、使用データベース40がクラウドサービスとして機能する場合に特に効果的である。したがって、使用データベース40’は純粋なデータベースではなく、データを分析するためのモジュールを備えることができ、それによって付加価値を生み出す。
【0042】
[0042]
図4は、人体または人体の一部に光放射を照射するための装置30を動作させるための概略的なステップシーケンス100を示す。
【0043】
[0043]ステップ102において、ユーザのデータがインターフェース20を介して送信される。ここでは、インターフェース20は、送信および受信のために設計することができ、すなわち双方向性とすることができる。さらなる実施形態では、インターフェース20は、データを受信するためだけに設けられる。この一方向接続は、データが装置30にインポートされることのみを可能にする。最適な動作環境は、前述の使用データベース40、40’からのデータなどの他のデータと組み合わせて作成することができる。
【0044】
[0044]ステップ104において、パラメータ化された動作環境23が、送信または受信されたデータに基づいて作成される。送信または受信されたデータは、ユーザ固有の値および情報を含むので、ユーザに最適な動作環境23を提供するために分析され、使用データベース40、40’と照合または相関させることができる。このプロセスは、好ましくは装置30内に位置する分析モジュール22によって実行される。
【0045】
[0045]ステップ106において、デバイス設定が、作成されたパラメータ化された動作環境23に基づいて調整される。したがって、ユーザの個々の希望および好みだけでなく、システムおよび装置に関連する条件も考慮に入れることができる。制御ユニット24は、これらの調整を実行する。
【0046】
[0046]ステップ108において、照射のためのデバイス設定が、適用される。1つの実施形態では、照射ユニット26は、作成されたパラメータ化された動作環境23に応じた信号25を制御ユニット(24)から受信する。これにより、作成されたパラメータ化された動作環境23に応じて最適な照射が可能になる。
【0047】
[0047]本発明により、装置、システム、方法、および方法を動作させるためのコンピュータプログラム製品が、提供され、それによって知られている従来技術の少なくとも1つの欠点を改善する。
[発明の項目]
[項目1]
人体または前記人体の一部に光放射を照射するための装置(30)であって、
a.データを送信するための第1のインターフェース(20)と、
b.前記送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するための分析モジュール(22)と、
c.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニット(24)と、
d.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に応じた信号(25)を前記制御ユニット(24)から受信する照射ユニット(26)と
を備える、装置。
[項目2]
前記第1のインターフェース(20)が、ユーザデバイス(10)とのブルートゥース接続を可能にする、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記第1のインターフェース(20)が、ユーザデバイス(10)との有線接続を有する、項目1に記載の装置。
[項目4]
使用データベース(40、40’)との間でデータを伝送するための第2のインターフェース(28)、特にネットワークインターフェースをさらに備える、項目1~3のいずれか一項に記載の装置。
[項目5]
前記分析モジュール(22)が、前記使用データベース(40、40’)のデータを受信し、前記データを前記パラメータ化された動作環境(23)の基礎として使用する、項目4に記載の装置。
[項目6]
前記分析モジュール(22)が、前記装置(30)の外側に配置される、項目1~5のいずれか一項に記載の装置。
[項目7]
前記パラメータ化された動作環境(23)が、照射計画を含む、項目1~6のいずれか一項に記載の装置。
[項目8]
前記制御ユニット(24)が、ユーザのデータに基づいて、前記パラメータ化された動作環境(23)の前記調整を実行する、項目1~7のいずれか一項に記載の装置。
[項目9]
前記制御ユニット(24)が、使用データベース(40、40’)のデータに基づいて、前記パラメータ化された動作環境(23)の前記調整を実行する、項目1~8のいずれか一項に記載の装置。
[項目10]
人体または前記人体の一部に光放射を照射するための装置の、特に項目1~9のいずれか一項に記載の装置の動作方法であって、
a.インターフェース(20)を介してユーザのデータを送信するステップと、
b.前記送信されたデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するステップと、
c.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するステップと、
d.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に従って照射のためのデバイス設定を適用するステップと
を含む、動作方法。
[項目11]
前記送信されたデータが、次の情報すなわち、事前設定、プロファイル、部分プロファイル、以前の照射の履歴のうちの1つまたは複数を含む、項目10に記載の動作方法。
[項目12]
使用データベース(40、40’)からデータを送信するステップであって、前記データが、好ましくは、次の値すなわち、使用時間、使用頻度、肌タイプ、およびデバイス設定のうちの1つまたは複数を含む、送信するステップをさらに含む、項目10または11に記載の動作方法。
[項目13]
前記使用データベース(40、40’)からの前記データの送信が、他のユーザの履歴データを含む、項目12に記載の動作方法。
[項目14]
前記パラメータ化された動作環境(23)の作成が、前記ユーザの前記プロファイルの分析を含み、それによって前記ユーザの前記肌タイプが判定される、項目10~13のいずれか一項に記載の動作方法。
[項目15]
項目10~14のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム製品。
[項目16]
人体または人体の一部に光放射を照射するためのパラメータ化された動作環境(23)を作成するためのシステム(1)であって、
a.ユーザの第1のデータを送信するためのインターフェース(20)と、
b.第2のデータを提供する使用データベース(40、40’)と、
c.前記送信された第1のデータおよび前記提供された第2のデータに基づいて、パラメータ化された動作環境(23)を作成するための分析モジュール(22)と、
d.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に基づいてデバイス設定を調整するための制御ユニット(24)と、
e.前記作成されたパラメータ化された動作環境(23)に応じた信号(25)を前記制御ユニット(24)から受信する照射ユニット(26)と
を備える、システム。
[項目17]
前記使用データベース(40、40’)が、次の値すなわち、使用期間、使用頻度、肌タイプ、およびデバイス設定のうちの1つまたは複数を有する第2のデータを含む、項目16に記載のシステム(1)。
[項目18]
前記送信された第1のデータが、匿名化された方法で前記使用データベース(40、40’)に記憶される、項目16または17に記載のシステム(1)。
[項目19]
前記使用データベース(40)が、クラウドサービス(40’)として実装される、項目16~18のいずれか一項に記載のシステム(1)。
[項目20]
複数の装置(30、50、60、70、80)が、接続(4、6)を介して前記使用データベース(40、40’)に接続される、項目16~19のいずれか一項に記載のシステム(1)。
[項目21]
前記分析モジュール(22)が、前記パラメータ化された動作環境(23)に対するユーザ固有の推奨情報を照射計画と共に出力する、項目16~20のいずれか一項に記載のシステム(1)。
[項目22]
ユーザデバイス(10)が、ネットワーク接続(8)を介して前記使用データベース(40、40’)にアクセスする、項目16~21のいずれか一項に記載のシステム(1)。
[項目23]
前記ユーザデバイス(10)が、前記使用データベース(40、40’)から使用データベースデータを受信し、その結果、前記データを個人に合わせることに続いて、1つまたは複数の装置(30、50、60、70、80)において前記パラメータ化された動作環境(23)を作成する、項目22に記載のシステム(1)。
【外国語明細書】