(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160357
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】自己制御可能な荷重ばね座金
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20241106BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20241106BHJP
A61M 5/24 20060101ALI20241106BHJP
F16B 43/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/315 550P
A61M5/24 500
F16B43/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024136988
(22)【出願日】2024-08-16
(62)【分割の表示】P 2022501183の分割
【原出願日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】62/872,017
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/922,137
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネスター ロドリゲス サン ファン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン レイボウィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ケイラ カスパー
(57)【要約】
【課題】より大きな負荷回復を可能にするより堅牢な荷重ばね座金を提供することを目的とする。
【解決手段】近位表面と遠位表面とを有する主本体と、主本体の近位表面から離れて近位に延在する1つまたは複数の突起とを有する医療用注射デバイスとの使用のために構成された荷重ばね座金が、本明細書で提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注射デバイスと共に使用するように構成された荷重ばね座金であって、
近位面及び遠位面を有する円形の主本体を備え、
前記荷重ばね座金のショアA硬度は、20~40である、
荷重ばね座金。
【請求項2】
前記主本体の前記近位面から近位側に離れるように延在する1つ以上の突起を更に備え、
前記荷重ばね座金に力が加えられたとき、前記1つ以上の突起は、座屈することによって、圧縮に対する抵抗を提供する、
請求項1に記載の荷重ばね座金。
【請求項3】
前記1つ以上の突起の形状は、平行四辺形である、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項4】
前記1つ以上の突起の形状は、円筒形である、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項5】
前記円筒形は、中空内部を画定する、
請求項4に記載の荷重ばね座金。
【請求項6】
前記中空内部は、気体で満たされる、
請求項5に記載の荷重ばね座金。
【請求項7】
前記中空内部は、真空である、
請求項5に記載の荷重ばね座金。
【請求項8】
前記1つ以上の突起の形状は、偏菱形である、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項9】
前記1つ以上の突起の形状は、S字形である、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項10】
前記1つ以上の突起の形状は、L字形である、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項11】
前記主本体は、複数のリングを備える、
請求項1に記載の荷重ばね座金。
【請求項12】
1つ以上の突起の形状は、U字形であり、
前記U字形は、
前記主本体の前記複数のリングのうちの第1のリングに接続された第1のアームと、
前記主本体の前記複数のリングのうちの第2のリングに接続された第2のアームと、
前記第1のアーム及び前記第2のアームに接続された横断部材と、
を備える、
請求項11に記載の荷重ばね座金。
【請求項13】
1つ以上の突起の形状は、
前記主本体の前記複数のリングのうちの第1のリングに接続された第1のアームと、
前記主本体の前記複数のリングのうちの第2のリングに接続された第2のアームと、
前記第1のアーム及び前記第2のアームに接続された湾曲部と、
を備えるアーチである、
請求項11に記載の荷重ばね座金。
【請求項14】
前記1つ以上の突起は、円錐台形部分を備える、
請求項2に記載の荷重ばね座金。
【請求項15】
前記荷重ばね座金は、エラストマー材料を備える、
請求項1に記載の荷重ばね座金。
【請求項16】
前記荷重ばね座金は、ゴムを備える、
請求項1に記載の荷重ばね座金。
【請求項17】
前記荷重ばね座金は、エチレンプロピレンジエンモノマーゴムから形成される、
請求項1に記載の荷重ばね座金。
【請求項18】
医療用注射デバイスであって、
近位端、遠位端、及び、側壁の間に内部を画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記内部に受容されたブレーキ部材と、
前記ハウジングの前記内部、前記ブレーキ部材の遠位側に受容されたカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダ内に受容され、その中に組成物を保持するカートリッジと、
近位表面並びに遠位表面を有する主本体、及び、前記主本体の前記近位表面から近位側に延在し加えられる力に応じて座屈するように構成された1つ以上の突起を備える荷重ばね座金と、
前記カートリッジと流体連通し、前記ハウジングの遠位端に配置された注射針と、
前記ハウジングの近位端に配置され、前記注射針を通して前記組成物を送達するように前記医療用注射デバイスを作動させるように構成された作動部材と、
を備え、
前記医療用注射デバイスが組み立てられるとき、前記1つ以上の突起が前記ブレーキ部材に突き当たり、前記遠位表面が前記カートリッジ及び/又は前記カートリッジホルダに突き当たり、前記カートリッジ及び/又は前記カートリッジホルダを遠位方向に付勢し、注射中における前記カートリッジの全ての移動を防止する、
医療用注射デバイス。
【請求項19】
前記主本体は、前記荷重ばね座金に加えられる力に応じて座屈するように構成される、
請求項18に記載の医療用注射デバイス。
【請求項20】
前記荷重ばね座金に力が加えられるとき、前記1つ以上の突起が座屈し、それによって前記1つ以上の突起の高さが減少する、
請求項18に記載の医療用注射デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療用デバイスのためのヘリカルコイルばねの代替物として有用なばね座金に関し、特定の実施形態または態様では、エラストマーばね座金を含む、ばね座金を含む注射デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年7月9日に出願された米国特許仮出願第62/872,017号および2020年7月7日に出願されたU.S. Utility Patent Application No. 16/922,137の利益を主張するものであり、これら出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
医療用注射デバイスは、多くの場合、さまざまな構成要素間に置かれたばねなどの弾性部材を利用して、より正確な薬物送達を保証するために構成要素を付勢する。しかしながら、制御および負荷回復の欠如などの、医療用注射デバイスにおいて使用される現在の弾性部材の使用に対する欠点がある。したがって、当技術分野では、より大きな負荷回復を可能にするより堅牢な構成要素が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,421,334号明細書
【発明の概要】
【0005】
近位表面と遠位表面とを有する主本体と、主本体の近位表面から離れて近位に延在する1つまたは複数の突起とを有する、医療用注射デバイスとの使用のために構成された荷重ばね座金が、本明細書で提供される。
【0006】
近位表面と遠位表面とを有する円形の主本体を有し、医療用注射デバイスとの使用のために構成された荷重ばね座金も、本明細書で提供され、近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った主本体の断面外形は、正弦波形を有する。
【0007】
円錐台形形状を有する円形の主本体を有する医療用注射デバイスとの使用のために構成される荷重ばね座金も、本明細書で提供される。
【0008】
近位表面と遠位表面とを有するリングを備える主本体を有する、医療用注射デバイスとの使用のために構成された荷重ばね座金も、本明細書で提供され、この荷重ばね座金は、主本体の近位表面および遠位表面によって画定された長手方向軸と平行に突き出す少なくとも1つのアームおよび/または1つのフランジを備える。
【0009】
ハウジングと、このハウジング内で受けられるブレーキ部材と、ハウジング内で受けられ、その中に組成物を保持するカートリッジと、ハウジング内で受けられ、ブレーキ部材とハウジングとの間で位置決めされる、本明細書に記載される荷重ばね座金と、カートリッジと流体連通する注射針と、ハウジングの近位端にある作動部材であって、注射針を通して組成物を送達するように医療用注射デバイスを作動するように構成された作動部材とを有する医療用注射デバイスも、本明細書で提供される。
【0010】
さらなる実施形態または態様は、以下の番号付きの条項に説明される。
【0011】
1.医療用注射デバイスとの使用のために構成された荷重ばね座金であって、近位表面と遠位表面とを有する主本体と、主本体の近位表面から離れて近位に延在する1つまたは複数の突起とを備える荷重ばね座金。
【0012】
2.主本体は実質的に円形である、条項1の荷重ばね座金。
【0013】
3.主本体は、主本体がリング形であるように開口を画定する、条項1または条項2の荷重ばね座金。
【0014】
4.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形は平行四辺形を含む、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0015】
5.1つまたは複数の突起は円筒形を有する、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0016】
6.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形は円筒形を含む、条項5の荷重ばね座金。
【0017】
7.円筒形は中空内部を画定する、条項5または条項6の荷重ばね座金。
【0018】
8.中空内部は気体で満たされる、条項7の荷重ばね座金。
【0019】
9.中空内部は真空を含む、条項7の荷重ばね座金。
【0020】
10.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形は偏菱形を含む、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0021】
11.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形はS字形を含む、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0022】
12.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形はL字形を含む、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0023】
13.主本体は複数のリングを備える、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0024】
14.複数のリングは同心円を備え、間隙が同心円の各々の間にある、条項13の荷重ばね座金。
【0025】
15.前記同心円のうちの少なくとも1つが、前記同心円の別のものの幅よりも大きい幅を有する、条項14の荷重ばね座金。
【0026】
16.近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った1つまたは複数の突起の断面外形はU字形を含み、このU字形は、主本体の複数のリングの第1のものに接続された第1のアームおよび主本体の複数のリングの第2のものに接続された第2のアームであって、第1のアームおよび第2のアームの両方は、主本体の近位表面および遠位表面によって画定された長手方向軸と平行に延在する、第1のアームおよび第2のアームと、第1のアームおよび第2のアームに接続され、主本体の近位表面および遠位表面によって画定された長手方向軸に垂直に延在する横断部材とを備える、条項13~15のいずれかの荷重ばね座金。
【0027】
17.1つまたは複数の突起は、主本体の複数のリングの第1のものに接続された第1のアームおよび主本体の複数のリングの第2のものに接続された第2のアームであって、第1のアームおよび第2のアームの両方が、主本体の近位表面および遠位表面によって画定された長手方向軸と平行に延在する、第1のアームおよび第2のアームと、第1のアームおよび第2のアームに接続された湾曲部分とを備えるアーチを備える、条項13~15のいずれかの荷重ばね座金。
【0028】
18.突起は円錐台形部分を備える、条項1~3のいずれかの荷重ばね座金。
【0029】
19.荷重ばね座金はエラストマー材料を含む、条項1~18のいずれかの荷重ばね座金。
【0030】
20.荷重ばね座金はゴムを含む、条項1~19のいずれかの荷重ばね座金。
【0031】
21.荷重ばね座金はエチレンプロピレンジエンモノマーゴムから形成される、条項1~20のいずれかの荷重ばね座金。
【0032】
22.荷重ばね座金のショアA硬度は20~40、好ましくは30~40である、条項1~21のいずれかの荷重ばね座金。
【0033】
23.近位表面と遠位表面とを有する円形の主本体を備え、近位表面と遠位表面との間に延在する平面に沿った主本体の断面外形は正弦波形を備える、荷重ばね座金。
【0034】
24.円錐台形形を有する円形の主本体を備える荷重ばね座金。
【0035】
25.近位表面と遠位表面とを有するリングを備える主本体を備える荷重ばね座金であって、主本体の近位表面および遠位表面によって画定された長手方向軸と平行に突き出す少なくとも1つのアームおよび/または1つのフランジを備える荷重ばね座金。
【0036】
26.荷重ばね座金はエラストマー材料を含む、条項23~25のいずれかの荷重ばね座金。
【0037】
27.荷重ばね座金はゴムを含む、条項23~26のいずれかの荷重ばね座金。
【0038】
28.荷重ばね座金はエチレンプロピレンジエンモノマーゴムから形成される、条項23~27のいずれかの荷重ばね座金。
【0039】
29.荷重ばね座金のショアA硬度は20~40、好ましくは30~40である、条項23~28のいずれかの荷重ばね座金。
【0040】
30.ハウジングと、このハウジング内で受けられるブレーキ部材と、ハウジング内で受けられ、その中に組成物を保持するカートリッジと、ハウジング内で受けられ、ブレーキ部材とハウジングとの間で位置決めされる、条項1~29のいずれかによる荷重ばね座金と、カートリッジと流体連通する注射針と、ハウジングの近位端にある作動部材であって、注射針を通して組成物を送達するように医療用注射デバイスを作動するように構成された作動部材とを備える医療用注射デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1A】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図1B】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図1C】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図2】1つの非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図3A】1つの非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図3B】荷重ばね座金のピラーの屈曲を示す示力図である。
【
図4A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図4B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図5】1つの非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図6A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図6B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図6C】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図6D】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図7A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図7B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図7C】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図8A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図8B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図8C】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図8D】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図9A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図9B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図10A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図10B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図11A】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図11B】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図11C】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図11D】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図11E】本明細書で説明される荷重ばね座金のさまざまな実施形態または態様を示す図である。
【
図12A】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図12B】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図13A】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図13B】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図14A】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図14B】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図15A】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図15B】非限定的な実施形態または態様による、荷重ばね座金および薬物送達デバイスのハウジング内でのその留置を示す図である。
【
図16】本明細書で説明される荷重ばね座金を含む医療用注射デバイスの分解組立図である。
【
図17】本明細書で説明される荷重ばね座金の1つの非限定的な実施形態または態様に関する、引張に対する負荷を示すグラフである。
【
図18A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図18B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図19A】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【
図19B】非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金の概略像である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本出願で指定されるさまざまな範囲における数値の使用は、別段に明確に規定されていない限り、述べられた範囲内の最小値と最大値は両方とも「約」という単語によって先行されるかのように、近似値として述べられる。本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、述べられた値±10%を意味する。このように、述べられた範囲の上下でのわずかな変動は、範囲内の値と同じ結果を実質的に達成するために使用可能である。また、別段に規定されていない限り、これらの範囲の開示は、最小値と最大値との間のあらゆる値を含む連続した範囲として意図される。本明細書で提供される定義に関して、それらの定義は、それらの単語または句の語形、同語族、および文法的な変形を指す。
【0043】
本出願に付随する図は、本質的に代表的なものであり、別段に規定されていない限り、任意の特定のスケールまたは方向性を暗示すると解釈されるべきでない。以下における説明の目的で、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「側方」、「長手方向」という用語、およびそれらの派生語は、図面において方向づけられるように本発明に関係するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明確に指定される場合を除いて、さまざまな代替変形形態およびステップシーケンスを仮定してよいことが理解されるべきである。したがって、本明細書で開示される実施形態に関係する具体的な寸法および他の物理的特性は、限定的と考えられるべきでない。
【0044】
医療用デバイスにおいてばねの代替物として使用するための荷重ばね座金が本明細書で提供される。ばね座金は、当業者に知られているように、軸方向の柔軟性を有する座金である。本明細書で使用されるとき、医療用デバイスにおいて使用するためのばね座金の「ばね」態様は、座金が形成される材料によって(たとえば、材料のエラストマー性から得られる圧縮性/拡張性)、座金の形状または形態、およびそれらの組み合わせによって、軸方向の柔軟性を有する座金である。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、エラストマー材料から形成される。非限定的な実施形態または態様では、エラストマー材料は、非常に弾性の高いエラストマー材料である。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、ゴムから形成される。非限定的な実施形態または態様では、ゴムは、ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、および/またはブチルゴムである。非限定的な実施形態または態様では、ゴムは、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、スチレン-イソプレンゴム(SIR)、熱可塑性エラストマー、および/または天然ゴムである。
【0045】
非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、スチレン-ブタジエン(SBRまたはSBS)コポリマー、スチレン-イソプレン(SIS)ブロックポリマーまたはスチレン-イソプレン/ブタジエン(SIBS)などのスチレンコポリマーを含むエラストマーコポリマーから形成され、これらにおいて、スチレンブロックコポリマー内のスチレンの含有率が約10%から約70%、および好ましくは約20%から約50%である。エラストマー組成物は、限定するものではないが、ゴム材料の物理的性質および熱抵抗を維持および改善するために、エラストマー組成物の安定性を保つ酸化防止剤および/または無機補強剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫活性剤、加工助剤、充填剤などを含むことができる。
【0046】
非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、20~40、任意選択で30~40のショアA値を有し、それらの間のすべての値および部分範囲を含む材料から形成される。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムを含む材料から形成される。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、EPDMゴムを含む材料と、さまざまな充填剤/添加剤から形成される。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、超高分子量EPDMゴム(たとえば、KELTAN9565Q)、さまざまな充填剤(たとえば、MISTRON Vapor)、鉱油、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤(たとえば、SONGNOX1076)、硬化促進剤(たとえば、TBzTD)、加硫剤(たとえば、VULTAC710)、および硫黄(水和性硫黄など)から形成される。
【0047】
非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、フォームから形成される。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金は、材料の混合物、たとえば、限定するものではないが、ゴムおよび/またはフォームとともに金属および/またはポリマーから形成される。たとえば、限定するものではないが、以下で説明される荷重ばね座金は、ゴム、フォーム、またはエラストマーポリマーなどのエラストマー材料から形成される突起とともに、金属、ポリマー、または混合物である主本体を含むことができる。
【0048】
図1A~
図1Cを参照すると、本明細書で説明されるさまざまな荷重ばね座金100が示されている。
図1A~
図1Cに示される荷重ばね座金は、実質的に円形である。しかしながら、当業者は、意図された使用/適用例に応じて任意の適切な形状が使用可能であることを諒解するであろう。
図11A~
図11Eは、円形、リング形、星形、およびh字形を含む、本明細書で説明される荷重ばね座金100に利用可能である形状のさまざまな非限定的な実施形態または態様を示す。図示される形状は例示にすぎず、本開示はそのように限定されないことが理解されるべきである。
【0049】
図2を参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略図が示されている。非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金100は、主本体105と、主本体105から延在する、ピラーなどの1つまたは複数の突起110とを含むことができる。主本体は、それらの間に長手方向軸を画定する、近位表面101と遠位表面102とを含む。理論に拘束されることを望むものではないが、ピラー110は、圧縮への抵抗を提供することによって、荷重ばね座金の圧縮力の修正を可能にすると思われる。
図2(および他の図)は、特定の数の、ピラーなどの突起を示すが、ピラー110などの突起の数は、意図された適用例のための圧縮力の適切な修正を提供するように修正可能であることが理解されるべきである。突起110は、荷重ばね座金主本体105上で任意の有用な形状および方位を仮定してよい。当業者は、主本体105の近位表面101および遠位表面102によって画定された長手方向軸と平行に力または圧力が加えられるとき、屈曲、または座屈に関して本明細書で説明される特性を荷重ばね座金が示す限り、主本体105の厚さ(奥行き)および周方向大きさ(幅)が調整可能であることを諒解するであろう。
【0050】
図3Aを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略図が示されている。荷重ばね座金100は、主本体105と、1つまたは複数のS字形突起110とを含み、S字形突起の近位(最上)部分と主本体105との間の間隙120は、所定の高さを有する。
図3における突起110の設計は、間隙120の高さが、力が荷重ばね座金100に加えられないときよりも小さいように、
図3Bに示されるように、突起が、主本体105に垂直な方向に力が加えられるとき、平らな方位に屈曲するまたは座屈することを可能にする。前述のように、その個々の部分を含めて、突起、ここではS字形突起は、任意の適切な大きさであってよく、間隙120は、同様に、任意の適切な大きさであってよい。
【0051】
図4A~
図4Bを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略図が示されている。荷重ばね座金100は、主本体105と、1つまたは複数のL字形突起110とを含み、L字形突起110の近位(最上)部分と主本体105との間に間隙120がある。前述のように、その個々の部分を含めて、突起、ここではL字形突起は、任意の適切な大きさであってよく、間隙120は、同様に、任意の適切な大きさであってよい。
【0052】
図5を参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略図が示されている。荷重ばね座金100は、内側部分107と外側部分109とを含む、複数の部品からなる主本体を含む。非限定的な実施形態または態様では、内側部分107および外側部分109は、少なくとも2つの同心円である。非限定的な実施形態または態様では、同心円のうちの少なくとも1つは、同心円の別のものの幅よりも大きい幅を有する。止めばね座金100は、1つまたは複数の突起110をさらに含む。図示の実施形態または態様では、突起は、近位(最上)端と遠位(最下)端とを含み、突起110は、主本体の内側部分107と外側部分109に橋をかけ、間隙120は、突起110の近位端と主本体の内側部分107と外側部分109との間にある。突起110は、
図5では方形形状を有する。しかしながら、本開示はそのように限定されず、突起100は、たとえば、限定するものではないが、アーチまたはアーチ形などの、任意の有用な形状または方位を仮定してよい。
【0053】
図6A~
図6Dを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略上面図(
図6A)、概略側面図(
図6B)、概略断面図(
図6C)、および概略斜視図(
図6D)が示されている。荷重ばね座金100は、主本体105と、突起110とを含む。図示の非限定的な実施形態または態様では、突起は、円筒形を有し、任意選択で近位(最上)端にドーム125を有する。非限定的な実施形態または態様では、円筒の内部は中空であり、チャンバ130を画定してよい。その中に空気が存在しないように製造中に真空にさらされることがあるチャンバ130の存在は、主本体105の近位表面101および遠位表面102によって画定された長手方向軸と平行に力が荷重ばね座金110に加えられるとき、ドーム(120)および/または突起110の壁が荷重ばね座金100の遠位(最下)端に向けて内側へ崩れるまたは座屈することを可能にする。非限定的な実施形態または態様では、主本体105の最も外側の円周は、主本体105の外径と荷重ばね座金100が導入され得る医療用デバイスハウジングの内径との間により大きな摩擦係合を提供する1つまたは複数の突起を含むことができる。
【0054】
図7A~
図7Cを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の概略上面図(
図7A)および概略側面図(
図7B~
図7C)が示されている。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金100は波形を有する。
図7B~
図7Cは、峰150と谷140とを含む正弦波を示しているが、本開示はそのように限定されず、波形が、本明細書で説明される所望の座屈特性を提供する限り、さまざまな波形、たとえば、限定するものではないが、矩形波、のこぎり波、および三角波が使用されてよいことが理解されるべきである。加えて、
図7A~
図7Cでは図示されていないが、非限定的な実施形態または態様では、波形荷重ばね座金100は、本明細書で説明される1つまたは複数の突起110をさらに含む。
【0055】
図8A~
図8Dを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の上面図(
図8A)、側面図(
図8B)、断面図(
図8C)、および斜視図(
図8D)が示されている。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金100は、主本体105と、主本体105の近位(最上)端にある円錐台形部分170とを含む。円錐台形部分170は、
図8B~
図8Cに図示される方位(その近位端における大きい方の円周)または逆方位(その遠位(最下)端における大きい方の円周、図示せず)を仮定してよい。図示の非限定的な実施形態または態様では、大きい方の円周を有する円錐台形部分170の部分は近位(最上)端に配置され、高さを有する間隙180は、円錐台形部分170の近位(最上)端と主本体105の近位表面101との間に画定される。図示の非限定的な実施形態または態様では、円錐台形部分170の最近位端は、間隙180の高さが、力が荷重ばね座金100に加えられないときよりも小さいように、主本体105の近位表面101および遠位表面102によって画定された長手方向軸と平行な方向に力が荷重ばね座金110に加えられたとき、荷重ばね座金100の遠位(最下)端に向けて座屈する。
【0056】
図9A~
図9Bを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の斜視図(
図9Aおよび断面図(
図9B)が示されている。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金100は、円錐台形形状を有し、近位表面101は、遠位表面102よりも狭い(小さい方の円周)が、対向する方位が用いられてもよい。図示の非限定的な実施形態または態様では、近位表面101は、近位表面101および遠位表面102によって画定された長手方向軸と平行な方向に力が荷重ばね座金110に加えられたとき、荷重ばね座金100の遠位表面102に向けて座屈する。
【0057】
図10A~
図10Bを参照すると、非限定的な実施形態または態様による荷重ばね座金100の斜視図(
図10Aおよび断面図(
図10B)が示されている。
図10A~
図10Bに図示される荷重ばね座金100は、突起110を含む。突起110は、
図10Bの断面図に最も良く図示されるように、突起が、主本体105とともに考えられるとき、荷重ばね座金100に円錐台形形状を提供するような様態で方位づけられる。図示の非限定的な実施形態または態様では、突起110は、主本体105の近位表面101および遠位表面102によって画定された長手方向軸と平行な方向に力が荷重ばね座金110に加えられたとき、荷重ばね座金100の遠位表面102に向けて座屈する。
【0058】
図12A~
図12Bを参照すると、主本体205、少なくとも1つのフランジ210、および/または少なくとも1つのアーム225を含む荷重ばね座金200の非限定的な実施形態または態様が示される。
図12Bは、医療用注射デバイスハウジング250内の荷重ばね座金200を示す。フランジ210は、主本体205の外径から外側へ延在する部分215と、部分215に実質的に垂直に延在する部分220によって画定可能である。部分215および220の長さは、荷重ばね座金200が導入される医療用デバイスに基づいて調整可能である。
【0059】
アーム225は、主本体205の外径から外側へ延在する部分215と、部分215に実質的に垂直に延在する部分220を含むことができる。アーム225は、部分220に実質的に垂直に延在する部分230をさらに含む。非限定的な実施形態または態様では、部分230は、部分215と実質的に平行である。
【0060】
図13A~
図13Bを参照すると、荷重ばね座金300の非限定的な実施形態または態様が示されている。
図13Bは、医療用注射デバイスハウジング350内の荷重ばね座金300を示す。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金300は、リング形フォーム部材である。
【0061】
図14A~
図14Bを参照すると、荷重ばね座金400の非限定的な実施形態または態様が示されている。
図14Bは、医療用注射デバイスハウジング450内の荷重ばね座金400を示す。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金400は、1つまたは複数の突起410および/または近位表面401に切り込まれたパターンを含む。図示の非限定的な実施形態または態様では、荷重ばね座金400は、リング形のゴムベース部材である。理論に拘束されることを望むものではないが、パターンは、本明細書で説明される荷重ばね座金400のさまざまな部分の座屈を可能にすると思われる。
【0062】
図15A~
図15Bを参照すると、荷重ばね座金が用いられない非限定的な実施形態が示されている。むしろ、医療用注射デバイスのブレーキタワー500(以下でより詳細に説明される)は、その近位表面上に1つまたは複数のエラストマー突起510を含む。理論に拘束されることを望むものではないが、エラストマー突起510が、本明細書で説明される座屈を可能にすると思われる。
図15Bは、医療用注射デバイスハウジング550内のブレーキタワー500を示す。
【0063】
上記で説明された荷重ばね座金を含む医療用注射デバイスも、本明細書で提供される。注射ペンなどのそのようなデバイスは、たとえば、限定するものではないが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献1に記載されている。
図16を参照すると、使用者への組成物の送達のための注射ペン51の分解組立図が示されている。図示のように、注射ペン51は、複数の用量設定および注射成分を収容するペン上方本体またはハウジング1を含む。ペン上方本体1は、カートリッジホルダ14に接続され、カートリッジホルダ14は、薬剤カートリッジ15を収容する。注射ペン51は、注射ペンが使用されていないときカートリッジ15およびカートリッジホルダ14を覆う下方ペンキャップ12も含んでよい。図示のように、注射ペン51は、所望の用量を設定するために使用者によって回転されるノブ様部分を含む用量設定ノブ2を含むことができる。用量設定ノブ2は、ペン上方本体1上に設けられた窓13を通して見える投与量単位の数に対応する複数の数字も含むことができる。使用者は、所望の用量が窓13の中に見えるまで、用量設定ノブ2を回転させる。ペン上方本体1は、設定された用量を正確に示す矢印または他のインジケータ53を含むことができる。所望の用量が設定されると、使用者は、設定された投薬量が完全に注射されるまで、ボタン3を押す。外側シールド69は、下方ペンキャップ12の除去時の偶発的な針刺しを防止するために、針56を覆うことができる。
【0064】
注射ペン51は、近位端に、使用者の最も近くにおよびペン上方本体1の針56から最も遠くに設けられたプッシュボタン3を含む。プッシュボタン3は、用量設定ノブ2の内部表面上に設けられた対応する環状溝(図示せず)と係合する環状ビーズまたはリム57を含むことができる。環状リムおよび溝接続は、ボタンばね10の力を受けて用量設定ノブ2上の付勢位置でプッシュボタン3を維持する摩擦嵌合とすることができるが、設定された用量を注射するためにプッシュボタン3が用量設定ノブ2に押し込まれることを可能にする。プッシュボタン3の内部は、セットバック部材または駆動部9の近位端において内部表面上に載置するセットバックベアリングインサート8を収容することができる。プッシュボタン3は、セットバックベアリングインサート8上で自由に回転するように設計可能である。
【0065】
セットバック部材または駆動部9は、用量設定ノブ2と同軸であり、これによって囲まれる、円筒状部材とすることができる。セットバック部材9は、ペン上方本体1に軸方向におよび回転可能に固定されたブレーキタワー5の周りに同軸方向に設けられ得る。ブレーキタワー5は、ピストンロッド6を同軸方向に囲む。ピストンロッド6は、ピストンロッド6をブレーキタワー5に回転可能にロックするようにブレーキタワー5の内部にあるスロット(図示せず)に係合するキー62のセットを含む。ピストンロッド6は、その内部表面上に設けられた複数のねじ山(図示せず)を含むことができる。ピストンロッド6は、その遠位端に少なくとも一連のねじ山42を含む親ねじ4を同軸方向に囲むことができる。親ねじのねじ山42は、ピストンロッド6の内部上に設けられた雌ねじ(図示せず)と螺合するように構成可能である。親ねじ4とのその螺合により、ピストンロッド6は、薬剤の用量を排出するようにカートリッジ15の内部に設けられたストッパ16を押すために注射中にカートリッジ15へと移動可能である。
【0066】
本開示を参照すると、注射ペン51は、カートリッジ15を遠位方向に付勢し、それによって、カートリッジ15の移動を減少/防止するために、ブレーキタワー5の遠位端とカートリッジ15および/またはカートリッジホルダ14との間に設けられた荷重ばね座金11を含む。カートリッジ15の移動を減少および/または防止することは、装填前の針56のカートリッジ15への侵入を非常に減少させ、これを改善することができる。
【0067】
[例]
荷重ばね座金は、以下の成分を含む弾性の高いエラストマー材料から形成された。
【0068】
【0069】
上記の材料は、
図11に示されるように、さまざまな方位/形状の荷重ばね座金を製造するために利用された。データは、以下で表に提示されて示される。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
加えて、上記のサンプルからデータ(圧縮荷重対圧縮引張)が
図17に示されている。
【0074】
加えて、さらに19のサンプルが、シリコーンゴムリングが14mm外径打抜型を使用して切断され、その後で10mm(表4および表5のサンプル5、6、および7)または12mm(その他)の打抜型で内部直径が穿孔された、シリコーンベースのゴム材料デュロメータショアA35から生産された。リングは、ASTMゴムプレート6.5”(16.51cm)L×6.5”(16.51cm)Wおよび1.8~2.0mm厚さから切断された。表4および表5のすべてのサンプルは同じ試験であるが、力は、異なる圧縮距離で指定されている。最大圧縮引張は1.5mmであった。
【0075】
表6および表7は同じ試験であるが、力は、異なる圧縮距離で指定されている。最大圧縮引張は1.5mmであった。
【0076】
表4および表5、表6および表7に関するすべてのサンプルは、ゴムスラブからリングを穿孔することによって、同じやり方で作製され、寸法は
図18A~
図18B(
図18Aは上面図であり、
図18Bは断面図である)で提供され、データは以下に提示される。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
最後に、追加の14のサンプルが、
図19A~
図19B(
図19Aは上面図であり、
図19Bは断面図である)で提供される寸法を用いて生産され、データは以下に提示される。
【0081】
【0082】
【0083】
表4および表5および表6および表7の試験されたリングは、異なる桁の座屈を示し、圧縮引張に関する発現する力を、最大で1.5mmを下回るように限定すると予想して実行した。最大圧縮力に関する変動は、表4および表5におけるサンプル5、6、および7におけるリングの幅1.5mmまたはリング製造中の打ち型の穿孔および調心のどちらかによるものである。実際には、プロセスの変動性により、リングの非対称的な断面が生じ、これによって、座屈概念手法が容易にされた。
【0084】
デバイスは、何が最も実用的であると現在考えられているかおよび好ましい実施形態に基づいて図示の目的で詳細に説明されてきたが、そのような詳細は、その目的のためだけであり、システムおよび方法は、本開示の実施形態に限定されないが、逆に、添付の特許請求の趣旨および範囲内に含まれる修正形態および等価な配置を包含することを意図するものであることが理解されるべきである。たとえば、本システムおよび方法は、可能な範囲内で、任意の実施形態の1つまたは複数の特徴が他の任意の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であることを企図していることが理解されるべきである。