(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160369
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】機器および取付具等
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20241106BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20241106BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
G03B17/56 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139381
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2022126802の分割
【原出願日】2018-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 良彦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】庄司 孝平
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機器が取り付けられることによる違和感等を軽減する。
【解決手段】透明部材の一方側に取り付けられ、透明部材を介して他方側をセンシングする機器1であって、利用者が一方側から他方側を見たときに、機器1を取り付けたことにより生じる違和感を軽減する違和感軽減手段(例えば、取付具20)を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部に球面形状を有するカメラを収納する収納部と、
前記収納部の球面形状に装着される調整部材と前記調整部材を前記球面形状に固定する固定部材とを有する取付具とを備えることを特徴とする機器。
【請求項2】
前記収容部は、前記球面形状の中央部分に凸部が形成され、前記凸部と前記調整部材との間に間隔が形成され、その間隔の幅は、前記調整部材が球面形状上を移動可能な間隔であり、かつ、前記固定部材によって前記調整部材を固定可能な間隔に設定していること
を特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記調整部材には、前記凸部の外径より大きく、前記調整部材と前記凸部との間に空間ができるように設定した穴を形成したこと
を特徴とする請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記収容部は、前記球面形状の中央部分に凸部が形成され、前記凸部に雄ねじが形成されており、
前記固定部材は、前記凸部と相互に嵌め合わせ可能な形状を有し、前記凸部に形成された雄ねじと符合する雌ねじが形成されていること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の機器。
【請求項5】
前記凸部の長さは、前記調整部材の幅と、前記凸部の前記雄ねじの長さとを加算した長さに基づいて決定され、前記固定部材によって前記球面形状に前記調整部材を固定できる長さとしたこと
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば機器および取付具等に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダ等の車載機器を、車両のフロントガラス等に取り付ける技術が知られている(特許文献1)。
また、近年、衝突防止の機器などをフロントガラスに取り付けた車両が存在している。このように、安全性向上のため、フロントガラスに取り付ける機器などが増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば上述した事情などがあり、例えばドライブレコーダ等の車載機器は、他の機器と競合しない位置に取り付け可能に構成することなどが要望されている。
また、例えば車両のフロントガラスに取り付けられる機器などは、利用者に視認され、違和感を生じさせることなどがある。
【0005】
本発明は、例えば、機器が取り付けられることによる違和感等を軽減等することなどを目的とする。
【0006】
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために、本発明の一態様は、透明部材の一方側に取り付けられ、前記透明部材を介して他方側をセンシングする機器であって、利用者が前記一方側から前記他方側を見たときに、前記機器を取り付けたことにより生じる違和感を軽減する違和感軽減手段を備える機器とするとよい。
【0008】
このようにすれば、機器が取り付けられることにより生じる違和感を軽減することができる。
【0009】
「透明部材」は、例えば、透明部材を介して一方側から他方側を見たときに、他方側にあるものを視認可能な部材とするとよい。透明部材は、例えば、可視光に対して透過性を有する部材とするとよい。透明部材は、例えば、ガラス、樹脂などの材料からなる部材とよい。透明部材は、例えば、板状の部材とするとよい。透明部材は、例えば、平面または曲面とするとよい。透明部材は、例えば、傾斜した部材(例えば地表に対して傾斜した面を有する部材など)とするとよい。透明部材は、例えば、傾斜した曲面の部材とするとよい。透明部材は、特に、車などの移動手段が備える前方または後方のガラス(フロントガ
ラスまたはリアガラス)とするとよい。
【0010】
「透明部材の一方側」は、例えば、透明部材により仕切られた一方側の空間とするとよい。透明部材の一方側は、例えば、利用者が、透明部材により仕切られた一方側から、他方側に存在するものを見ることができる空間とするとよい。透明部材の一方側は、例えば、透明部材および透明部材と連結する他の部材により囲まれた空間とするとよい。透明部材の一方側は、特に、車両の車室内とするとよい。
【0011】
「透明部材の他方側」は、例えば、透明部材により仕切られた、上述した透明部材の一方側とは異なる空間とするとよい。透明部材の他方側は、特に、車両の車室外とするとよい。
【0012】
「透明部材の一方側に取り付けられ」は、例えば、機器が透明部材に接触して取り付けられているか否かにかかわらず、透明部材の一方側に取り付けられているとよい。透明部材の一方側に機器を取り付けることは、例えば、機器を透明部材に直接取り付け(貼り付け)ること、機器を透明部材と機器との間に他の物が存在する状態で取り付けること、または、機器を透明部材の一方側に設置された他の部材(透明部材に隣接する面や壁、車室内に取り付ける構成において例えば透明部材を車両の窓等(例えばフロントガラス等)の透明部材としたときの車のルームミラーを構成する部材など)に取り付けること、とするとよい。特に透明部材に直接取り付ける構成とするとよい。
【0013】
「センシング」は、例えば、必要な情報を用意された手法や装置を使用して収集することとするとよい。センシングは、例えば、感知器などを介して、物理量や音・電磁波(光・電波など)・圧力・温度などを計測・判別することとするとよい。センシングは、例えば、撮像装置などを使用して、画像などの情報を収集することとするとよい。特に、機器は車載機器とするとよい。センシングは、特に、車両状況情報(前方映像、車両速度、急加減速など)を収集することとするとよい。以降、例えばセンシングに用いる装置などを、適宜「センシング手段」と称する。車載機器は特にドライブレコーダとするとよい。センシングは、例えば車載機器が備えるデータ収集のための装置を使用して、行なう構成とするとよい。
「機器」は、特に、車両などに搭載する車載機器とするとよい。特に、車両メーカの工場出荷時には搭載されておらず、後から車両に搭載する車載機器とするとよい。
【0014】
「違和感」は、例えば、利用者が透明部材を通して(挟んで)一方側から他方側を見て、透明部材の一方側に取り付けた機器が利用者の視野に入ったときに、機器の存在、機器の形状などが不自然に感じる様(状態)とするとよい。違和感は、例えば、視界を妨げる、周囲のデザインと調和していない(例えば、平行性を乱す)などを生じさせる様とするとよい。違和感は、特に、利用者が車両の車室内から透明部材を通して他方側(車室外の景色など)を見たときに、機器を不自然に感じる様とするとよい。違和感は、例えば、屋根がない車または屋根開放が可能な車(オープンカー、オートバイなど)において、利用者が透明部材および透明部材がない上方から他方側を見たときに、機器を不自然に感じる様としてもよいが、特に屋根が開放されていない車とするとよく利用者が透明部材の一方側である車室内から透明部材を介して他方側を見たときに、機器を不自然に感じる様とするとよい
【0015】
「違和感を軽減する」ことは、例えば、機器を見えないようにまたは見えにくくする構成を有するとよい。違和感を軽減することは、例えば、周囲のデザインと調和するように機器を取り付ける構成を有するとよい。違和感を軽減することは、例えば、周囲の部材との平行性を保つ、突起形状を少なくする、配置されている物の背後に取り付け可能な構成を有する、機器の大きさを小さくするなどのうちの一つまたはこれらの組み合わせる構成
を有するとよい。違和感を軽減することは、例えば、利用者、特に運転者に、機器の存在がストレスとならないようにするとよい。このようにすると、例えば、安全性向上につながる。「違和感を軽減する」ことは、特に「機器」以外の物と「機器」との間の見た目の関係の違和感を軽減する構成とするとよい。
【0016】
(2)前記違和感軽減手段は、前記機器の第一の方向および前記第一の方向とは異なる第二の方向を調整可能な構成を有するとよい。
【0017】
このようにすれば、機器を所望の向きまたは位置(例えば、センシングに適した向きまたは位置、取り付けるスペースに応じた向きまたは位置)に調整することが可能になる。これにより、例えば、機器を取り付ける範囲(場所)を拡げることが可能になり、機器を取り付ける位置を柔軟に選択して違和感を軽減することができる。例えば、機器を取り付ける位置が、透明部材が曲面を有する部材または傾斜した部材であるときに有効であり、特に、透明部材が傾斜した曲面の部材(車両のフロントガラスの端近くの湾曲した位置など)であるときに、有利な効果を奏する。
【0018】
「第一の方向」は、例えば、第一の軸に基づいて決まる方向とするとよい。第一の方向は、例えば、第一の軸を中心に回転する方向(第一の回転方向)、および、第一の軸に沿った方向(第一の軸方向)のうちのいずれかとするとよい。
「第二の方向」は、例えば、第二の軸に基づいて決まる方向とするとよい。第二の方向は、例えば、第二の軸を中心に回転する方向(第二の回転方向)、および、第二の軸に沿った方向(第二の軸方向)のうちのいずれかとするとよい。
【0019】
ここで、第一の軸または第二の軸は、任意の軸を設定することができるが、例えば、センシング手段を回転させるときの軸とするとよい。
第一の軸および第二の軸は、例えば、平行でないことがよく、特に、ねじれの関係(交差する関係)にあるとよい。このとき、第一の方向および第二の方向は、例えば、(a)第一の回転方向と第二の回転方向、(b)第一の回転方向と第二の軸方向、(c)第一の軸方向と第二の回転方向、(d)第一の軸方向と第二の軸方向のうちのいずれかとするとよい。
一方、第一の軸および第二の軸は、例えば、一直線上の軸(同じ軸)としてもよいし、平行する軸としてもよい。このとき、第一の方向および第二の方向は、例えば、上述した(b)第一の回転方向と第二の軸方向と、(c)第一の軸方向と第二の回転方向とのいずれかとするとよい。
【0020】
上述した機器は、例えば、センシング手段、およびセンシング手段を収納する収納部を(ケース部とも称する)少なくとも備える機器本体と、違和感軽減手段を備える構成とするとよい。機器は、例えば、以下の(イ)から(ハ)のように構成されるとよい。このとき、(イ)から(ハ)の各機器において、第一の軸の取り方は、異なるものとするとよく、第二の軸の取り方も、異なるものとするとよい。
【0021】
(イ)機器は、例えば、機器本体を備える第一本体部と、違和感軽減手段として働く第一取付具とを備える構成とするとよい。第一取付具は、例えば、貼付面と保持面とを備えるとよい。ここで、貼付面は、例えば、透明部材の一方側に貼り付ける面とするとよい。保持面は、例えば、第一本体部を保持する面とするとよい。貼付面および保持面は、例えば、二つの面のなす角を形成する構成とするとよい。第一本体部と第一取付具とを有する機器は、特に後述する(3)の機器についてこのようにするとよい。
【0022】
このとき、第一本体部と第一取付具とを備える機器は、例えば、第一の方向を、貼付面と保持面との一方の面の法線を第一の軸とする第一の回転方向とし、第二の方向を、貼付
面と保持面との交線を第二の軸とする第二の回転方向とするとよい。ここで、貼付面と保持面との交線は、例えば、二つの面を延長して形成される交線とするとよい。
【0023】
加えて、機器は、例えば、貼付面と保持面との他方の面の法線を第三の軸とする第三の回転方向を第三の方向として調整可能な構成とするとよい。さらに、機器は、例えば、保持面上の任意の点を結ぶ線を軸とする保持面の軸方向を、調整可能な方向としてさらに設定してもよい。貼付面についても同様に、貼付面の軸方向を調整可能な方向としてさらに設定してもよい。また、機器は、例えば、第一の方向または第三の方向に、貼付面の軸方向または保持面の軸方向を用いるようにしてもよい。
【0024】
(ロ)機器は、例えば、機器本体を備える第二本体部と、違和感軽減手段として働く第二取付具とを備える構成とするとよい。ここで、第二取付具は、例えば、保持部および調整部を備えるとよい。保持部は、例えば、第一の軸を中心に回転可能に第二本体部を保持する構成を有するとよい。調整部は、例えば、機器本体および保持部を、第二の軸を中心に回転可能にする構成を有するとよい。第二取付具は、例えば、保持部および調整部と接続し、第二本体部を透明部材の一方側に取り付ける取付部をさらに備えるとよい。第二本体部と第二取付具とを有する機器は、特に後述する(8)の機器についてこのようにするとよい。
【0025】
このとき、第二本体部と第二取付具とを備える機器は、例えば、第一の方向を、保持部により第二本体部を回転可能にする軸を第一の軸とする第一の回転方向とし、第二の方向を、第一の軸と交差する軸を第二の軸とする第二の回転方向とするとよい。
加えて、調整部にねじ機構を用い、ねじを通す穴を楕円形状にする場合には、機器は、例えば、楕円の長軸を第三の軸とする第三の軸方向を第三の方向として調整可能な構成としてもよい。
【0026】
(ハ)機器は、例えば、機器本体を備える第三本体部と、違和感軽減手段として働く第三取付具とを備える構成とするとよい。ここで、第三取付具は、例えば、調整部材と固定部材とを備えるとよい。調整部材は、例えば、第三本体部の球面形状と接触して回転可能に保持する構造を有するとよい。固定部材は、例えば、調整部材を第三本体部に固定する構造を有するとよい。第三本体部と第三取付具とを有する機器は、特に後述する(13)の機器についてこのようにするとよい。
【0027】
このとき、第三本体部と第三取付具とを備える機器は、例えば、第一の方向および第二の方向として、調整部材により第三本体部を回転可能にする異なる二つの軸のうち、一方を第一の軸とする第一の回転方向と、他方を第二の軸とする第二の回転方向とを用いるとよい。
加えて、機器は、例えば、調整部材により第三本体部を回転可能にする、第一の軸および第二の軸とは異なる軸を第三の軸とする第三の回転方向を第三の方向として調整可能な構成とするとよい。例えば、x、y、zの三次元の軸で表すと、機器は、第一の軸をx軸方向、第二の軸をy軸方向、第三の軸をz軸方向として異なる三つの軸を設定してもよい。なお、x、y、zの三次元の軸は、説明を容易にするための一例であり、これ以外の任意の回転軸を用いることができる。
【0028】
ここで、第一本体部、第二本体部および第三本体部は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
第一本体部、第二本体部および第三本体部は、例えば、機器本体により構成され、センシング手段の向きや位置などを調整するための構成を備えない場合には、同じ構成となり得る。
【0029】
一方、第一本体部、第二本体部および第三本体部は、以下のような異なる構成とすることもできる。
第一本体部は、例えば、機器本体に第二取付具による違和感軽減手段を付加した構成、機器本体に第三取付具による違和感軽減手段を付加した構成、機器本体に第二取付具および第三取付具による違和感軽減手段を付加した構成、または、機器本体に、例えば、特許文献1に記載の機器本体の向きを調整可能な部材を付加した構成、とすることも可能である。
第二本体部は、例えば、機器本体に、第三取付具による違和感軽減手段を付加した構成とすることも可能である。
【0030】
(3)前記機器は、前記センシングするセンシング手段を少なくとも備える第一本体部と、前記違和感軽減手段として働く第一取付具と、を備え、前記第一取付具は、前記透明部材の一方側に貼り付ける貼付面と、前記第一本体部を保持する保持面と、を備え、前記貼付面は、前記保持面に対して傾斜しているとよい。
【0031】
このようにすれば、簡易な構造により機器の位置または向きを容易に調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0032】
第一本体部は、上述したように、例えば、センシング手段を有する機器本体に加え、違和感軽減手段として働く第二取付具または第三取付具を備えていてもよい。
貼付面は、例えば、平面とするとよい。保持面は、例えば、平面とするとよい。貼付面および保持面は、例えば、双方を平面とするとよい。
第一本体部は、例えば、保持面に貼り付けるとよい。第一取付具の貼付面は、例えば、車両のフロントガラスに貼り付けるとよい。
【0033】
貼付面および保持面は、例えば、所定の角度をなす構成とするとよい。
第一取付具は、例えば、貼付面と保持面とがなす所定の角度により、上述した第二の方向を調整可能に構成するとよい。
【0034】
利用者は、例えば、第一本体部を第一取付具の保持面に貼り付ける第一の方向を決めて、第一本体部を貼付面に貼り付ける。次に、第一取付具の貼付面と保持面とのなす角を調整して第二の方向を決める。その後、第一取付具の貼付面を透明部材(例えばフロントガラス)に貼り付ける。なお、第二の方向を決定した後、第一本体部を保持面に貼り付けてもよいし、第二の方向を決定した後、第一取付具をフロントガラスに貼り付けた後、保持面に第一本体部を貼り付けてもよい。このとき、フロントガラスに機器を貼り付ける位置によっては、第一の方向および第二の方向に加え、例えば、貼付面の軸方向または保持面の軸方向を調整することにより、機器をより目立たない場所に貼り付けることが可能になり、違和感の軽減に寄与することが期待できる。
【0035】
(4)前記第一取付具は、前記貼付面と前記保持面とを有する部材を曲げたものであり、前記貼付面と前記保持面とのなす角を調整可能な構造を有する連結部をさらに備えるとよい。
このようにすれば、貼付面と保持面とのなす角を容易に調整することができる。これにより、例えば、第二の方向の調整が容易になり、違和感を軽減することができる。
【0036】
連結部は、例えば、穴を有するとよい。これにより、例えば、貼付面と保持面とのなす角の調整が容易になる。連結部は、例えば、中央部分に穴が形成されているとよい。
第一取付具は、例えば、一つの部材を曲げて形成するとよい。第一取付具は、例えば、貼付面と保持面とを端部に有する部材が曲げられた状態であるとよい。これにより、例えば、製造工程が容易になり、コストを削減することができる。第一取付具は、例えば、一
枚の板をくりぬいて穴を形成した構造とするとよい。第一取付具は、例えば、一枚の板に穴を形成した部分の周囲を連結部とし、板を折り曲げて連結部の両側に貼付面と保持面とを有する構造とするとよい。連結部は、例えば、貼付面と保持面との間の部分とするとよい。
【0037】
貼付面と保持面とのなす角は、例えば、5度から20度の範囲であることが好ましく、5度から10度の範囲であることがより好ましい。角度を小さくすると、第一取付具の大きさ小さくなり、機器全体の大きさを小さくすることができる。
【0038】
第一取付具は、例えば、第一本体部の自重により、貼付面と保持面とのなす角が変化しない強度を有するとよい。第一取付具は、例えば、利用者が貼付面と保持面とのなす角を調整できるような強度とするとよい。第一取付具は、例えば、連結部に形成された穴が強度を調整する機能を有する構造とするとよい。
【0039】
(5)前記保持面と前記貼付面との少なくとも一方は、外周が曲線であるとよい。
このようにすれば、平行性を乱すことを防止または抑制し、違和感を軽減することができる。
保持面または貼付面の外周は、例えば、円弧とするとよい。これにより、例えば、製造工程が容易になる。また、平行性を乱すことが抑制され、車内の他の部材等の周囲のデザインとの調和を図ることが容易になる。
【0040】
(6)前記第一本体部は、前記保持面と貼り合わせる被保持面を備え、前記保持面は、前記被保持面より大きい面積であるとよい。
このようにすれば、被保持面が保持面に隠れるように貼り付けることが可能になり、違和感を軽減することができる。
(7)前記貼付面は、前記保持面より小さい面積であるとよい。
このようにすれば、機器を透明部材に取り付けたときに貼付面が占める面積を小さくすることが可能になり、違和感を軽減することができる。また、利用者の視界を妨げることを軽減し、違和感を軽減することができる。
【0041】
(8)前記違和感軽減手段は、第一の軸を中心に回転可能な部材を、前記第一の軸とは異なる第二の軸に基づいて調整可能な構造を有するとよい。
このようにすれば、従来より容易に機器を所望の向きまたは位置に調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0042】
第一の軸を中心に回転可能な部材は、例えば、機器本体とするとよい。
違和感軽減手段は、例えば、機器本体を回転可能に保持する保持部を有するとよい。違和感軽減手段は、例えば、機器本体および保持部を、第二の軸を中心に回転させて固定可能な調整部を有するとよい。
【0043】
機器は、例えば、上述した第二本体部および第二取付具を備えるとよい。
第一の軸と第二の軸とは、例えば、直交する関係とするとよい。このようにすると、例えば、センシング手段を情報が収集しやすい向きに調整しやすくなる。
【0044】
利用者は、例えば、保持部により、機器本体を第一の軸を中心に回転させて調整し、次に、調整部により、保持部を第二の軸を中心に回転させて調整することができる。
【0045】
(9)前記機器は、前記センシングするセンシング手段を少なくとも備える第二本体部と、前記違和感軽減手段として働く第二取付具と、を備え、前記第二取付具は、前記第一の軸を中心に回転可能に前記第二本体部を保持する保持部と、前記第二本体部を前記透明部
材の一方側に取り付ける取付部と、前記保持部と前記取付部とを接続し、前記保持部を、前記第二の軸を中心に回転可能にする構成を有する調整部と、を備えるとよい。
このようにすれば、機器を所望の向きに調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0046】
第二本体部は、上述したように、例えば、センシング手段を有する機器本体に加え、違和感軽減手段として働く第三取付具を備えていてもよい。
【0047】
保持部は、例えば、第二本体部から取り外し可能な構成であってもよい。例えば、リング形状の内周面が第二本体部の円筒形状を支える構造としてもよい。
保持部は、例えば、第二本体部から取り外しできない構成であってもよい。
【0048】
(10)前記調整部は、ねじ機構を用いて前記保持部を回転可能に保持し、前記取付部は、前記ねじ機構のねじを通す穴と、前記ねじを覆うカバー部とを有し、前記カバー部の一つの面を前記透明部材の一方側に取り付けるとよい。
【0049】
このようにすれば、簡易な構成で、保持部を、第2の軸を中心に回転可能にするとともに、固定することができる。また、簡易な構成で、第二本体部を保持した保持部および調整部を連結させることができる。さらに、取付部のカバー部がねじ機構を覆うことにより、例えば、ねじ機構が利用者から見えなくなり、違和感を軽減することができる。
【0050】
調整部は、例えば、ねじ機構により、保持部を所望の位置に回転させて固定した状態に維持することが容易になる。
取付部は、例えば、ねじを通す穴を、楕円形状とするとよい。これにより、例えば、楕円の長軸の軸方向に沿って、調整部が保持部を固定する位置を変更することができる。
【0051】
取付部は、例えば、カバー部の一つの面を、透明部材の一方側に貼り付けるとよい。このとき、取付部は、例えば、カバー部を貼り付けるスペースに応じて保持部を回転させ、カバー部と保持部との位置関係を変更可能に構成するとよい。これにより、例えば、機器の取り付け位置を柔軟に選択することができる。また、例えば、他の部材に隠れる位置に機器を取り付け、機器を利用者から見えにくくすることができる。
【0052】
取付部は、例えば、上述した第二本体部の保持面に貼り付けてもよい。このようにすると、第二取付具による調整機能と第一取付具による調整機能とを用いることができるため、例えば、4つ以上の軸に基づいて方向を調整することができる。
カバー部は、例えば、透明部材または第一取付具の保持面に貼り付ける面が、平面であるとよい。
【0053】
(11)前記保持部は、前記第二本体部を保持して固定する保持固定部と、前記保持固定部と前記取付部と間に配置され、前記調整部によって前記取付部と接続する支持部とを備え、前記支持部は、前記取付部と前記保持部が保持する前記第二本体部とが接触しない形状を有するとよい。
【0054】
このようにすれば、取付部が第二本体部に接触しないように機器を透明部材の一方側に取り付けることができる。
【0055】
支持部は、例えば、取付部と第二本体部とが接触しないような長さを有する形状とするとよい。
支持部は、例えば、保持部が第二本体部を保持したときに、第二本体部の外周と接触しないような形状を有するとよい。
【0056】
(12)前記センシング手段は、撮像手段を有し、前記支持部は、前記取付部が前記撮像手段のレンズ画角を妨げない形状を有するとよい。
このようにすれば、撮像手段を精度よく動作させることができる。
【0057】
支持部は、例えば、取付部がレンズ画角に重ならない形状を有するとよい。これは、取付部が調整部を覆う形状とすると、調整部の大きさに応じた幅を要し、例えば、レンズ画角を妨げる状態が生じるためである。支持部は、例えば、取付部と第二本体部の撮像手段との距離を、レンズ画角と重ならない長さとするとよい。
【0058】
(13)前記機器は、球面形状をさらに有し、前記違和感軽減手段は、前記球面形状を、少なくとも異なる二つの方向に、回転可能に保持する構造を有するとよい。
このようにすれば、従来より容易に機器を所望の向きまたは位置に調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0059】
機器は、例えば、センシング手段を少なくとも備える第三本体部を有するとよい。
第三本体部は、例えば、球面形状を有するとよい。
【0060】
機器は、違和感軽減手段として働く、第三本体部の球面形状と接触して回転可能な調整部材を備える第三取付具を有するとよい。
第三取付具は、例えば、調整部材に加え、調整部材を第三本体部に固定する固定部材をさらに備えるとよい。
調整部材は、例えば、球面形状を用いて、第三本体部を、異なる二つの軸(例えば、上述したx軸、y軸)を中心に回転可能とするとよい。
第三取付具は、例えば、調整部材と上述した第二取付具の調整部とを組み合わせた構成としてもよい。
【0061】
利用者は、例えば、調整部材を第三本体部の球面形状に接触させ、第三本体部を第一の軸および第二の軸を中心に回転させて調整し、固定部材により固定させる。これにより、調整した状態を維持することができる。
【0062】
(14)前記違和感軽減手段は、前記球面形状を、さらに異なる方向に回転可能に保持する構造を有するとよい。
このようにすれば、機器を所望の向きまたは位置にさらに精度よく調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
上述した調整部材は、例えば、球面形状を用いて、第三本体部を、さらに異なる軸(例えば、上述したz軸)を中心に回転可能にするとよい。
【0063】
(15)前記機器は、前記センシングするセンシング手段を少なくとも備え、前記球面形状が形成された第三本体部と、前記違和感軽減手段として働く第三取付具と、を備え、前記第三取付具は、前記第三本体部を、前記少なくとも異なる二つの方向に、回転可能に保持する調整部材と、前記調整部材を前記第三本体部に固定する固定部材と、を備えるとよい。
このようにすれば、機器の向きまたは位置を調整しやすくなる。また、機器の向きまたは位置を調整した状態を維持することが容易になり、違和感を軽減することができる。
【0064】
調整部材は、例えば、球面形状の表面を移動して第三本体部の向きを調整する物とするとよい。調整部材は、例えば、第三本体部を、異なる二つ以上の軸(例えば、上述したx軸、y軸、z軸のうちのいずれか二つ以上)を中心に回転可能とするとよい。調整部材は、例えば、リング形状を有する物とするとよい。調整部材は、例えば、第三本体部から取
り外し可能な物としてもよいし、第三本体部から取り外しできない物としてもよい。
固定部材は、例えば、機器と相互に嵌め合わせ可能な形状を有するとよい。
【0065】
(16)前記調整部材は、前記第三本体部を前記透明部材の一方側に取り付ける取付面を備えるとよい。
このようにすれば、調整部材による調整を取付面に容易に反映させることができる。これにより、例えば、調整部材は、取付面を透明部材の一方側に取り付けたときの状態に応じて、第三本体部の向きまたは位置を調整することが容易になり、違和感を軽減することができる。
【0066】
第三取付具は、例えば、取付面を、透明部材に貼り付ける構成とするとよい。第三取付具は、例えば、取付面を、上述した第一取付具の保持面に貼り付けてもよい。このようにすると、第三取付具による調整機能と第一取付具による調整機能とを用いることができるため、少なくとも4つの軸に基づいて方向を調整することができる。
取付面は、例えば、平面とするとよい。
【0067】
(17)前記第三本体部は、前記球面形状の中央部分に、前記固定部材と嵌め合わせる形状を有し、前記固定部材は、前記嵌め合わせる形状に符合し、前記第三本体部を固定可能な形状を有するとよい。
このようにすれば、球面形状と固定部材とを嵌め合わせて調整部材を固定することができる。
第三本体部と固定部材とは、例えば、ねじ機構を用いて嵌め合わせる形状を構成するとよい。
【0068】
(18)前記調整部材は、前記球面形状の中央部分を通す穴を有し、前記球面形状に前記固定部材が嵌め合わされることにより固定されるとよい。
このようにすれば、球面形状の中央部分に調整部材を通し、球面形状と固定部材とを嵌め合わせることにより、調整部材を固定することが可能になる。これにより、例えば、機器を所望の向きや位置に調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0069】
調整部材は、例えば、リング形状であるとよい。調整部材は、例えば、リング形状の内周を球面形状の曲面に沿った形状とするとよい。調整部材は、例えば、リング形状の外周を、第三本体部の外周と同様の形状とするとよい。これにより、調整部材と第三本体部とのデザインの統一を図ることが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0070】
(19)前記違和感軽減手段を形成する部材は、外周の少なくとも一部分が曲線であるとよい。
このようにすれば、平行性を乱すことを防止または抑制することが可能になり、違和感を軽減することができる。
違和感軽減手段は、例えば、一つ以上の部材の外周を曲線とするとよい。違和感軽減手段は、例えば、一つの部材のうち、外周の少なくとも一部分を曲線とすることが好ましく、特に、利用者から見える範囲の外周を曲線とすることがより好ましい。
【0071】
(20)上記課題を解決するために、本発明の他の一態様は、上記(1)から(19)のいずれか一項に記載の機器が備える違和感軽減手段を形成した取付具とするとよい。
このようにすれば、機器が取り付けられることによる違和感を軽減する取付具を提供することができる。
【0072】
(21)前記違和感軽減手段として黒色ではない部材を備えるとよい。このようにすれば、透明部材を介して利用者が一方側から他方側を見たときに、機器が黒色であることの違
和感を軽減できる。特に機器は、窓ガラスに取り付けられる機器とするとよい。特に機器は車両に取り付けられる機器とするとよい。窓ガラスは特にフロントガラスとするとよい。機器は特にフロントガラスに取り付けられる機器とするとよい。
【0073】
フロントガラスは透明である。また、車室内の天井面は黒色ではなく、クリームやグレーなど白色系が多く用いられている。したがって、昼間のよく視認できる状態ではドライブレコーダの主たる設置位置であるこのようなフロントガラスの上面位置には黒のプラスチックの筐体は根本的に合わないという問題がある。
【0074】
そこで、できるだけ透明感があり、視界の邪魔になりにくいドライブレコーダ等の車載機器として構成するとよい。特に、車載機器(例えばドライブレコーダ)本体の少なくとも一部、ブラケット等の車載機器の取付部の少なくとも一部を黒色ではない素材とするとよい。特にブラケット等の車載機器の取付部の少なくとも一部を黒色でない素材とするとともに、車載機器をフロントガラスに貼り付ける貼付部材も黒色ではない素材とするとよい。特に車載機器(例えばドライブレコーダ)本体のケースの外装部分の全体を黒色ではない色とするとよい。色は、特に透明、白、空色がよい。ガラスは透明であるから透明がもっともよい。白は雲の色でありフロントガラスに隣接する天井位置等の白系の色ともなじむので次によい。空色は空の色であるから晴れた日で特に視界が開けているときに空になじむのでその次によい。
【0075】
黒色の従来のドライブレコーダは、直射日光を熱として吸収しやすく、内部が高温になってしまったが、黒色でない素材とすることで、熱としての吸収を抑制でき、内部温度の上昇を抑えることができる。透明、白の明度は、明るいものとしてもよいが、グレーかかった色が良い。完全に透明なクリアはエッジ部分などがダイヤモンドやスワロフスキーのように輝いて目立つ可能性があるからである。ただし、店頭での見栄えは透明度が高い方がよいと思われる。そこで後述(25)のようにするのもよい。
【0076】
(22)前記違和感軽減手段として機器の外装のエッジ部分を緩やかな曲面とするとよい。エッジ部分が反射してキラキラ目障りになるので、エッジを立てない緩やかな曲線で構成するとよい。特に(26)の構成とともに(22)の構成を備えると優れた効果を発揮する。
【0077】
(23)前記違和感軽減手段の材質は熱を吸収しにくい素材を用いて構成するとよい。特に素材はプラスチックとし、熱を吸収しにくいプラスチックを用いるとよい。
【0078】
(24)機器の外面には赤外線を反射する遮熱コート剤を塗布するとよい。
【0079】
(25)機器の電源コードの外装も透明素材とするとよい。このようにすれば、機器とともに配線の違和感も軽減できる。
【0080】
(26)機器は基板を内蔵する透明の筺体を備え、前記基板を視認できないようにする前記透明の筐体の内側に遮蔽手段を備えるとよい。遮蔽手段は例えばシート等とするとよい。遮蔽手段の色は、艶消しの透明か、白か、薄いグレーにするとよい。遮蔽手段を設けることで、電子部品への熱と光の照射を抑えることができる。基板に実装されるデバイスの中には、外部より閃光を受けるにより誤動作するものもあるがこれも防止できる。
【0081】
(27)機器は基板を内蔵する透明の筺体を備え、基板が、筺体の透明部分を介して透けて見えるようにしてもよい。この場合、特に基板のレジストは緑ではなく、白か黒とするとよい。
【0082】
(28)機器はレンズを備える機器であって、前記レンズの鏡筒は通常黒色であるが、外面を白または灰色とし、内面を黒とするとよい。外面を白とすることで、透明部材を介して入射する外部からの直射日光等を熱として吸収することを抑えることができるとともに、内面を黒色とすることでレンズ内の光の散乱を防止できる。レンズを介して撮像する映像等をクリアに撮影できる。機器はカメラを備える機器とするとよい。
【0083】
(29)機器は、カメラ及び表示パネルを備え、前記表示パネルに前記カメラで撮影した映像を表示する機能を備え、撮影した映像中に含まれる空に相当部分で特に左右方向の中央部を拡大して表示する機能を備えるとよい。特に前記表示パネルは、液晶パネルとするとよい。表示パネルの非表示時には黒色に視認できるものとするとよい。表示パネルへの表示時にはカメラ映像に各種の画像を重ねて表示するとよい。例えば機器は車両に設置される機器とするとよく、カメラが車両の走行中に撮影した映像中の空に相当する部分で特に左右方向中央部分の映像を拡大して表示する機能を備えるとよい。またこの拡大を行わないモードと行なうモードのモードに切り替える機能を備えるとよい。表示パネルには空が拡大して表示されるので、遠目には、あたかもその部分は透明のように見える。トンネルなどでは映像の左右位置にはライトがあるのでその位置に対応する部分は入らない程度の位置を拡大するとよい。
【0084】
(30)機器の前記透明部材に対向する側は黒色とするとともに、反対側は黒色ではない色とするとよい。例えば透明部材はフロントガラスとするとよい。機器は例えばドライブレコーダとするとよい。フロントガラスへのドライブレコーダの映り込みを防止することができる。
【0085】
(31)機器は操作ボタンを備え、前記操作ボタンは透明な素材とするとよい。
【0086】
(32)機器は表示ランプを備え、前記表示ランプは水色とするとよい。空の色に同化しやすいからである。輝度は明るくなりすぎないよう調整するとよい。表示ランプは例えばLED(Light Emitting Diode)とするとよい。
【0087】
(33)前記機器はカメラを備える車載機器であって、前記違和感軽減手段として、前記カメラをスマートフォン用のレンズを用いて構成するとよい。
このようにすれば、車載機器を従来よりも大幅に小型化して目立ちにくくできる。特に車載機器はドライブレコーダとするとよい。
【0088】
(34)前記機器はカメラを備える車載機器であって、前記カメラを複数個並べて配置するとよい。小型レンズは、画角が狭いが、複数個を並べて、画角を確保すれば、小型・薄型の広角カメラが作れる。特に(33)の構成を備えると優れた効果を発揮する。特にレンズが樹脂だと温度特性など問題になるので、ガラスレンズで小型のものとするとよい。
【0089】
上述した(1)から(34)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(34)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思
を有する。
【発明の効果】
【0090】
本発明によれば、機器が取り付けられることによる違和感を軽減すること等ができる。
【0091】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1】車両のフロントガラスの一例を説明する図である。
【
図2】実施形態1の機器の一例を説明する斜視図であり、(A)は本体部を取付具に貼り付けた状態例を示す図、(B)は本体部を取付具に貼り付ける前の状態例を示す図である。
【
図3】実施形態1の取付具の一例を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図である。
【
図4】取付具が調整可能な方向を説明する図であり、(A)は貼付面と保持面とのなす角を説明する図、(B)は取付具が調整可能な軸方向を説明する図、(C)は連結部の穴を説明する図である。
【
図6】実施形態2の機器の一例を説明する外観斜視図であり、(A)はレンズを配置した側の外観斜視図、(B)は(A)と反対側の外観斜視図である。
【
図7】実施形態2の機器の一例を説明する分解斜視図である。
【
図8】実施形態2の取付具の一例を説明する斜視図であり、(A)は本体部と噛み合わせる側から見た斜視図、(B)は(A)と反対側から見た斜視図である。
【
図9】実施形態2の取付具の一例を説明する図であり、(A)は取付具の一つの面を示す図、(B)は(A)に示すA-A線に沿った断面図である。
【
図10】実施形態2の取付具の一例を説明する図であり、(A)は
図9(A)に示す取付具の右側面図、(B)は(A)に示すB-B線に沿った断面図である。
【
図11】実施形態2の取付具の調整部の一例を説明する図である。
【
図12】実施形態2の取付具とレンズ画角との関係を説明する図であり、(A)は、レンズ画角を正面から見た図、(B)は、レンズ画角を側面から見た図である。
【
図13】実施形態2の取付具の他の形状を説明する図である。
【
図14】実施形態3の機器の一例を説明する模式図であり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は底面図である。
【
図15】実施形態3の機器の一例を説明する他の模式図であり、(A)は本体部に取付具を取り付けた状態例を示す図、(B)取付具の断面を示す図である。
【
図16】実施形態3の取付具の調整機能の一例を説明する模式図である。
【
図17】実施形態3の取付具の調整機能の他の例を説明する模式図であり、(A)は第二および第三の軸を説明する図、(B)は第三の軸を中心に回転した一態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下、本発明の一態様について図面を参照して説明する。
以下の各実施形態では、機器の一例として、車両に取り付けるドライブレコーダを用いて説明する。また、透明部材の一例として、車両のフロントガラスを用い各実施形態の機器を車両のフロントガラスに貼り付ける場合を一例として説明する。まず、車両のフロン
トガラスについて説明した後、各実施形態の機器について説明する。
【0094】
図1は、車両のフロントガラスの一例を説明する図である。ドライブレコーダ等の機器は、法的にフロントガラスFの上部20パーセント以内への取り付けが義務付けられている。
図1では、例えば、フロントガラスFの中央付近、ルームミラーの近くの位置P1、または、フロントガラスの端付近の位置P2にドライブレコーダを貼り付けることができる。
最近では、衝突防止などの装置がフロントガラスFの中央付近に取り付けられる車両が増えている。そのため、ドライブレコーダを後から車両に取り付けるときに、フロントガラスの中央付近には十分なスペースが確保できなくなり、フロントガラスFの端付近に取り付けたいという要望が生じている。
【0095】
しかし、フロントガラスFは中央から左右方向それぞれの端のAピラーに向けて、車両の前方方向に突出するよう湾曲している。このため、例えば、位置P2にドライブレコーダを取り付けると、カメラレンズの向きが傾いてしまうという問題があった。
また、フロントガラスFにドライブレコーダを取り付けることは、利用者に違和感を生じさせる一要因となり得ることから、これを緩和することが望まれる。
以下に、各実施形態の機器について図面を参照して説明する。
【0096】
実施形態1.
図2は、実施形態1の機器の一例を説明する斜視図であり、(A)は、本体部を取付具に貼り付けた状態例を示す図であり、(B)は、本体部を取付具に貼り付ける前の状態例である。
機器1は、第一本体部としての本体部10と、第一取付具としての取付具20とを有する。
本体部10は、センシング手段としてのカメラ、カメラを収納する収納部12、取付ブラケット13、およびナット部材14を有する。
図2では、カメラを表していないが、例えば、後述する
図6の本体部30が有するカメラ31と同様であり、カメラは本体部10に配置されている。
取付具20は、貼付面21、保持面22、および連結部23を有する。
【0097】
収納部12は、略円筒形状に形成され、カメラのレンズを外周面上に配置する。
取付ブラケット13は、取付具20の保持面22と接着する接着面を有する。接着面は平面とするとよい。
本体部10は、収納部12の円筒形状の軸方向の一方の端部に取付ブラケット13を装着し、収納部12とナット部材14とにより取付ブラケット13を挟んで固定するように構成される。
【0098】
図3は、実施形態1の取付具の一例を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図である。
取付具20は、連結部23の一方側に貼付面21、他方側に保持面22を有する構造を有する。取付具20は、例えば、一枚の板の中央付近に穴を形成した部分の周囲を連結部23とし、板を折り曲げて、板の一方の端部を貼付面21、他の端部を保持面22として形成する。
【0099】
貼付面21は、両面テープなどを用いて取付具20をフロントガラスに貼り付ける平面とする。
保持面22は、両面テープなどを用いて本体部10の被保持面に貼り付け、本体部10を保持する平面とする。
連結部23は、貼付面21と保持面22とのなす角を調整可能な構造を有する。連結部
23は、貼付面21と保持面22との間の部分であり、曲面を有する。連結部23は、中央付近に穴231が形成されている。
【0100】
なお、
図2、3および5では、説明を容易にするため、連結部23と、貼付面21または保持面22との境界を実線で表している。しかしながら、上述したように、取付具20が一枚の板を折り曲げて形成する場合には、境界が存在するものではなく、例えば、
図4に示すように見えるものとする。
連結部23と、貼付面21または保持面22との境界は、例えば、取付具20の両端部の平面領域を貼付面21または保持面22とし、平面から曲面に変化する位置を、連結部23と、貼付面21および保持面22との境界としてもよい。
【0101】
[違和感軽減手段の説明]
図4は、取付具が調整可能な方向を説明する図である。(A)は貼付面21と保持面22とのなす角を説明する図であり、(B)は取付具が調整可能な軸方向を説明する図であり、(C)は連結部23の穴231を説明する図である。
貼付面21と保持面22とは、連結部23により、二つの面のなす角αを調整可能に形成される。
図4(A)に示すように、なす角αは、貼付面21と保持面22との二つの平面のなす角である。なす角αは、貼付面21と保持面22との間を開く大きさ変えることにより変更可能である。具体的には、図中、両方向の矢印で示す大きさを変えることにより、なす角αを変更できる。なす角αによる方向の調整は、貼付面21と保持面22との交線を軸ax13とする回転方向(矢印の方向)を調整する。
【0102】
図4(B)に示すように、取付具20は、機器1をフロントガラスに貼り付けるときに、少なくとも三つの方向を調整することができる。具体的には、貼付面21の法線を軸ax11とする回転方向、保持面22の法線を軸ax12とする回転方向、および、貼付面21と保持面22との交線を軸ax13とする回転方向である。これら三つの方向を用いる順番または用いるか否かは任意であり、利用者が使用する方向を選択することができる。
【0103】
保持面22の軸ax12は、保持面22の中央付近とすることが好ましい。これは、保持面22と被保持面とを接着するときに、被保持面を保持面22に隠れるようにし易いからである。
【0104】
一方で、機器1は、例えば、本体部10を保持面22の中央付近から外周に近い位置に移動させることもできる。機器1は、例えば、本体部10を、保持面22の中央付近の任意の点と他の点とを結ぶ線上を移動させることができる。このように、取付具20は、保持面22上に設定する任意の線を軸ax14とする軸方向において、本体部10を貼り付ける位置を調整することができる構成を有する。
【0105】
本体部10の被保持面を、保持面22上を移動させて接着することができると、例えば、フロントガラスの湾曲により貼付面21を貼る位置が限定されるときに、本体部10の位置を柔軟に調整することができる。あるいは、他の機器が既に存在するときに、本体部10の被保持面の位置を、保持面22上の任意の位置に調整することにより、例えば、隙間をうまく利用すること、または、機器1を利用者から目立たない位置に取り付けることが可能になり得る。
【0106】
貼付面21は、保持面22と同様に、軸方向への移動が可能である。例えば、利用者は、貼付面21をフロントガラスに貼り付けるときに、フロントガラスの湾曲に応じて、貼付面21を回転方向および/または軸方向に移動させて位置を選択することが可能である
。利用者は、例えば、フロントガラスの湾曲に応じて、貼付面21を回転方向および/または軸方向に移動させたときに、保持面22に本体部10の被保持面を接着する段階で、本体部10のカメラを撮影に適切な位置に調整できる。このように、貼付面21を貼り付ける位置を柔軟に選択することが可能になる。
【0107】
貼付面21と保持面22とのなす角αは、例えば、5度から20度の範囲であることが好ましく、5度から10度の範囲であることがより好ましい。
なす角αを小さくすると、貼付面21と保持面22と間の距離を小さくできるため、機器1全体の大きさを小さくすること、機器1をフロントガラスに近い位置に取り付けることが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0108】
取付具20は、本体部10の自重により、貼付面21と保持面22とのなす角αが変化しない強度を有するように形成される。その一方で、連結部23は、利用者が貼付面21と保持面22とのなす角αを調整できるような強度とすることが好ましい。
【0109】
取付具20は、例えば、連結部23に形成する穴231により、強度を調整することができる。
図4(C)を参照して、連結部23に形成する楕円形状の穴231について説明する。ここで、楕円形状の長軸の長さをL11、楕円形状の長軸に沿った直線のうち、連結部23の一方の端部から楕円形状までの長さをL12、連結部23の他方の端部から楕円形状までの長さをL13とする。長さL12と長さL13を長くすると、穴231の長軸の長さL11は短くなり、取付具20の強度は増す一方でなす角αの調整のし易さが減る。これに対して、長さL12とL13の長さを短くすると、穴231の長軸の長さL11は長くなり、取付具20の強度は減る一方でなす角αの調整のし易さが増す。両者のバランスをとって穴231の大きさを設計することが好ましい。
また、長さL12とL13の長さとを同じにすると、取付具20において連結部23の強度のバランスをとることができる。
【0110】
保持面22は、本体部10の被保持面(例えば、取付ブラケット13の接着面)より大きい面積であることが好ましい。被保持面が保持面22に隠れるように貼り付けることが容易になり、被保持面が保持面22の縁から見えないようにすることが可能になり、違和感の軽減となる。
また、貼付面21は、保持面22より小さい面積であることが好ましい。これにより、機器1をフロントガラスに取り付けたときに貼付面21が占める面積を小さくすることが可能になる。
【0111】
取付具20の形状は、外周が曲線であることが好ましい。より詳細には、貼付面21または保持面22の外周は、曲線であることが好ましく、円弧とするとより好ましい。これは、違和感を軽減することや、製造工程が容易にすることを可能にするからである。加えて、平行性を乱すことが抑制され、車内の他の部材等の周囲のデザインとの調和を図ることが容易になる。
【0112】
例えば、利用者に対して、取付具20が横向きになり、本体部10が正面になる場合にも、取付具20の外周を曲線にすることにより、違和感を緩和することができる。特に、保持面22の外周を曲線にすることが好ましい。これは、フロントガラスに貼り付ける貼付面21に比べて、保持面22がフロントガラスから離れた位置に存在することから、利用者の視野に入りやすいことなどが想定されるからである。
【0113】
また、利用者が、例えば、角や突起形状などに対して、周囲のデザインとの違和感や平衡感覚のずれを感じたり、鋭利な印象を受けたりすることを防止できる。また、取付具20は、上述したように、複数の軸を中心に回転させて設置することを前提としているため
、どの位置から見ても曲線で形成されることが好ましい。
例えば、本体部10の被保持面と保持面22とを接着させるときに、保持面22の法線を回転軸として被保持面を回転させるときにも、被保持面を保持面22で覆って利用者から見えないようにし易くなる。
【0114】
[取り付け方法]
上述した機器1は、取付具20の貼付面21をフロントガラスにあわせ、貼り付ける位置を選択し、貼付面21をフロントガラスに貼り付けたときに、保持面22が道路と平行になるように、貼付面21と保持面22とのなす角αを仮調整する。また、保持面22に本体部10の被保持面を貼り付ける位置を、軸ax12の回転方向を用いて仮調整する。
利用者は、上述した仮調整を行った後、両面テープなどの接着部材を用いて、取付具20の貼付面21をフントガラスに貼り付け、保持面22に本体部10の被保持面を貼り付ける。
【0115】
[変形例]
図5は、取付具の他の形状を説明する図である。
図5に示す取付具20aは、貼付面21aが矩形である例を示す。
図5に示す貼付面21aと
図2に示す貼付面21とは、外接円の直径が同じ場合には、貼付面21aは貼付面21より面積を小さくすることができる。一方、取付具20全体の外形が曲線であると、平行性を乱すことを防止または抑制し、違和感を軽減する点で優れる。
【0116】
本実施形態において、本体部10は、取付具20の保持面22に接着可能な接着面としての被保持面を有する構成であればよい。例えば、本体部が直方体、円筒形などの形状に、被保持面が形成された構成であってもよい。また、後述する各実施形態の機器や、特許文献1に記載の車載機器(例えば、特許文献1の
図1)であってもよい。本体部10の被保持面は、平面であることが好ましい。
本体部10は、例えば、収納部12に取付具20の保持面22に接着する平面を有し、取付ブラケットを備えていない構成であってもよい。
【0117】
取付具20は、例えば、後述する各実施形態で説明する機器を保持面22に貼り付けることもできる。また、本体部10は、後述する各実施形態の第二取付具と第三取付具との実現可能な組み合わせを備える構成としてもよい。
【0118】
取付具20と本体部10とは、保持面22と接着面とを両面テープで貼って接着するほか、保持面22に穴をあけてねじ止めすることもできる。
連結部23は、板金折り曲げにより作製してもよいし、折り曲げ部分に回転軸を持った機構を加えることもできる。連結部23は、例えば、蝶番を用いて貼付面21と保持面22とのなす角を調整可能に構成してもよい。
【0119】
上述したように、本実施形態の取付具20を用いると、少なくとも二つの異なる軸に基づいて、本体部10の位置や向きを調整できる。例えば、従来のブラケット(一例として、特許文献1に記載の取付用ブラケット30)は、上下の一軸方向にしか動かないので、Aピラーに近い付近に取り付けると本体が傾いていた。そのため、ドライブレコーダをフロントガラスの中央付近に取り付けることが多かった。本実施形態の取付具20を用いると、Aピラーに近い付近に取り付けることが可能になる。
また、本実施形態の取付具20は、従来のブラケットや車載機器本体を保持面22に貼り付けることができる。加えて、取付具20は、小型で構成できるため、機器本体に対して取付具20が離れていない構成を実現できる。従って、取付具20を用いることにより、例えば、機器本体が垂れ下がった様でなく、フロントガラスに張り付いた様に取り付けることが可能であり、違和感などを軽減する効果が期待できる。
【0120】
実施形態2.
図6は、実施形態2の機器の一例を説明する斜視図であり、(A)はレンズを配置した側の外観斜視図、(B)は(A)と反対側の外観斜視図である。
図7は、実施形態2の機器の一例を説明する分解斜視図である。
機器2は、第二本体部としての本体部30と、第二取付具としての取付具40とを備える。
【0121】
図8から10は、実施形態2の取付具の一例を説明する図である。
図8において、(A)は本体部と噛み合わせる側から見た斜視図、(B)は(A)と反対側から見た斜視図である。
図9において、(A)は取付具の一つの面を示す図、(B)は(A)に示すA-A線に沿った断面図である。
図10において、(A)は
図9(A)に示す取付具の右側面図、(B)は(A)に示すB-B線に沿った断面図である。
図11は、実施形態2の取付具の調整部の一例を説明する図である。
【0122】
本体部30は、センシング手段としてのカメラ31、カメラ31などを収納する収納部32を有する。
収納部32は、略円筒形に形成され、カメラ31のレンズを外周面上に配置する。収納部32は、円筒形状の軸方向の一方の端部に装着部321を有する。装着部321は、取付具40の保持部41を装着する形状を有する。
【0123】
収納部32は、取付具40(詳細には後述する保持部41のリング部411)を本体部30に固定するナット部材325、本体部30から電源コードを引き出す取り出し口324を覆う電源カバー部326、および、電源カバー部326を本体部30に固定する雄ねじ327を有する。
【0124】
取付具40は、保持部41、調整部42、および取付部43を有する。
図6、7では、取付部43に両面テープ44を貼り付けた状態を示している。
保持部41は、リング部(保持固定部とも称する)411と支持部412とを有する。
リング部411は、装着部321の外周に取り付けられ、第一の軸としての円筒形状の軸方向を中心に回転可能に本体部30を保持する。
支持部412は、リング部411を支持する。支持部412は、リング部411の外周面に起立された形状を有する。支持部412は、調整部42のねじ機構によって取付部43と接続する。
【0125】
調整部42は、本体部30および保持部41を、第一の軸とは異なる第二の軸を中心に回転可能にする。本実施形態では、調整部42の一例として、ボルトとナットからなるねじ機構を用いる一態様を説明する。第二の軸は、例えば、ボルトが回転するときの中心とする。取付具40は、ねじ機構により保持部41と取付部43とを接続するときに、ボルトを中心軸として保持部41を回転させることを可能にする。詳細については後述する。
【0126】
取付部43は、調整部42のねじ機構により保持部41と接続され、保持部41が保持する本体部30をフロントガラスに貼り付ける。取付部43は、接続部431とカバー部432とを有する。
接続部431は、ねじを通す穴423を有する。
カバー部432は、ねじを覆い、両面テープ44などの接着部材を接着する平面を有する。カバー部432は、両面テープ44などの接着部材が接着された面を車両のフロントガラスに貼り付けて、機器2をフロントガラスに取り付ける。
接続部431とカバー部432とは、取り外し可能に構成される。例えば、接続部431とカバー部432とは、嵌め合わせる構造を有する。カバー部432を接続部431か
ら取り外すと、調整部42のねじ機構を操作できるように構成される。
【0127】
[違和感軽減手段の説明]
・第一の軸による回転
保持部41のリング部411による、本体部30の向きや位置の調整について説明する。
収納部32の装着部321は、保持部41を装着したときに、保持部41のリング部411の外周面と収納部32の外周面とが同一平面上に位置するように、収納部32の他の部分より一回り小さく形成される。例えば、装着部321は、収納部32の円筒形状の外周面より、リング部411の厚さ分小さく形成される。また、装着部321の外径は、リング部411が回転可能になるように、リング部411の内径よりも僅かに小さくなるように形成されている。
【0128】
上述したように装着部321の外周面と収納部32の円筒形状の外周面との大きさが異なるため、境界に段差が形成され、円筒形状の軸方向と直交する壁面となる。壁面は、一部に三角波状(鋸刃状)の歯部322が形成され、リング部411を装着部321に装着したときに、リング部411の側面が接する。歯部322は、互いに隣接した複数の凹部及び凸部から構成されている。
【0129】
さらに、装着部321の先端側の外周面には、ナット部材325がねじ込み可能な雄ねじ323が形成されている。ナット部材325は、扁平な円盤状のキャップ形態からなり、その内周面に雄ねじ323に符合する雌ねじが形成されている。
【0130】
取付具40の保持部41において、リング部411は、装着部321の外径に略一致(若干大きい)する内径を有するリング形状とするとよい。
取付部43は、調整部42によって、支持部412の先端に連結している。
図6に示すように、取付部43は、リング部411の直径方向に対して、所定角度に斜め傾斜状に配置されている。
【0131】
また、
図8(A)等に示すように、リング部411の片面(収納部32に対向する面)には、その全周に渡って歯部413が形成されている。この歯部413は、収納部32に形成した歯部322と符合し合うように、同一寸法形状に設定される。
ここで、円筒形状の軸方向における装着部321のうち、雄ねじ323が形成されていない平坦部分の長さは、リング部411を装着部321に装着したときの、リング部の幅(円筒形状の軸方向の長さ)とほぼ同じにしている。リング部411の幅を長くする場合には、ナット部材325と雄ねじとによりリング部411が固定される長さに設定すればよい。
【0132】
リング部411は、ナット部材325と歯部322が一部に形成された壁面とに挟持され、リング部411の歯部413と壁面の歯部322とが噛み合い、固定可能になる。一方、ナット部材325のねじ込み量を減らすと、リング部411の歯部413と壁面の歯部322とが噛み合わなくなり、リング部411が装着部321上で回転可能になる。
【0133】
また、ナット部材325の中央部には円形の貫通孔が形成されている。この貫通孔から収納部32の装着部321が外部に露出する。装着部321は、雄ねじ327と符合する雌ねじが形成されている。
電源カバー部326は、取り出し口324を含む露出した装着部321を覆い、装着部321に形成されている雌ねじと雄ねじ327とにより、電源カバー部326と装着部321とが固定され、ナット部材325が緩むのを防止するとともに、電源コードが装着部321から露出することを防ぐ。
このとき、電源カバー部326は、上面切り欠き部がフロントガラスと平行になる位置で固定させる。このようにすることで、上面切り欠き部から電源コードを出し、フロントガラスに沿って電源コードを配線することができる。
【0134】
これにより、リング部411を収納部32の装着部321に装着すると、リング部411はその中心軸(
図11に示す軸ax21)を回転中心として装着部321に対して相対的に正逆回転させることができる。そして、収納部32に設けた歯部322と、リング部411に設けた歯部413とを噛み合わせることで、回転が抑止される。
【0135】
一方、リング部411を装着部321に装着した状態では、雄ねじ323は、リング部411よりも外側に突出する。そこで、その突出した雄ねじ323に対してナット部材325を装着する。そして、ナット部材325の雌ねじと、装着部321の雄ねじ323とをしっかりと締結することで、ナット部材325と、収納部32の歯部322を形成した段差部分までの間隔を狭くし、収納部32とナット部材325との間でリング部411を所定の力で挟み付けることができる。このようにしっかりと締結した状態では、歯部322、413同士が噛み合ってリング部411ひいてはリング部411の回転が抑止され、ナット部材325をゆるめた状態では、当該回転が許容される。よって、収納部32と取付具40の保持部41(リング部411)との相対角度位置関係を任意の位置に設定(調整)すると共に、その位置で固定することができる。
【0136】
上述したように、リング部411は、本体部30を、円筒形状の軸方向(
図11に示す軸ax21)を中心に回転可能に保持する。これにより、取付具40は、本体部30を円筒形状の軸方向を中心にして回転させ、カメラ31の向きを調整することができる。
【0137】
・第二の軸による回転
次に、調整部42による、本体部30の向きや位置の調整について説明する。
本実施形態では、
図9から
図11に示すように、調整部42は、ボルト421とナット422とを有するねじ機構を用いる構成例を示す。調整部42は、保持部41の支持部412と、取付部43の接続部431とを接続する。
支持部412および接続部431それぞれは、相互に接触する平らな接触面を有する。接続部431は、接触面の周囲の大きさを、支持部412の接触面より大きくし、接触面の周囲と取付部43の外周との間を斜面により形成している。このようにすると、ボルト421を中心に支持部412を回転させたときに、取付部43の外周と接触しないようにできる。
【0138】
支持部412は、
図9、10に示すように、ナット422を設置する穴414を有する。穴414は、支持部412の一方の端部から他方の端部を貫通する貫通孔とし、その内側で、ボルト421とナット422とを嵌め合わせることができるように形成される。穴414は、直線状とするとよい。
【0139】
穴414は、一方の端部からナット422を挿入可能であり、所定の位置にナット422を保持する構造を有する。例えば、穴414は、一方の端部からボルト421を設置する位置までの内径(以降、「ナット側内径」という)が、他方の端部からナット422を設置した他方の端部側の端部までの内径(以降、「ボルト側内径」という)より大きく形成される。
【0140】
ナット側内径は、ナット422の外径より僅かに大きく、ナット422を設置位置で固定可能な大きさおよび形状とする。ボルト側内径は、ボルト421の雄ねじが穴414を通る大きさであり、ナット422の外径より小さくする。このようにして、ナット422が穴414の一方の端部から他方の端部へ通り抜けないようにする。また、穴414は、
一方の端部からナット422の設置位置までの内周を、ナット422の回転を抑止する形状、例えば、ナット422の外周の形状と同様にすることが好ましい。
【0141】
接続部431は、
図11に示すように、ボルト421を通す穴423を有する。穴423は、上下方向よりも左右方向に大きく開口した穴とするとよく、例えば左右方向を長軸とした楕円形状であることが好ましい。このようにすると、ボルト421を設置する位置は、楕円形状の長軸に沿って移動させることができる。その結果、楕円形状の長軸に沿って支持部412を移動させて本体部30を保持する保持部41を移動させることになる。従って、本体部30の位置の微調整が可能になる。
【0142】
調整部42は、ボルト421の雄ねじを、接続部431の穴423と支持部412の穴414とに通し、ナット422と締結する。これにより、調整部42は、接続部431と支持部412とを接続する。調整部42は、ボルト421とナット422とをしっかり締結する前の接続部431と支持部412とを接続する段階において、ボルト421の中心を第二の軸(
図11に示すax22)として、支持部412を回転させる。支持部412の回転により、支持部412が保持する本体部30を回転させ、カメラ31を所望の向きに調整する。調整部42は、ボルト421と接続部431との間に、接続部を保護する補強板424を挟むとよい。補強板424は、前記楕円形状の長軸方向に曲率を持たせた構成とするとよい。
【0143】
[支持部について]
図11、12を参照して、カメラ31のレンズ画角と支持部412の形状について説明する。
図12は、取付具とレンズ画角との関係を説明する図であり、(A)は、レンズ画角を正面から見た図、(B)は、レンズ画角を側面から見た図である。
図12では、レンズ画角LAの範囲を二点破線で模式的に表している。
【0144】
取付部43は、調整部42のボルト421を覆うようにするため、長さL21の厚さを有する。取付部43の厚さ(長さL21)は、ボルト421のねじ頭より厚く長くし、カバー部432がねじ頭を覆うようにして、取付部43をフロントガラスに貼り付け可能にする。
【0145】
また、取付部43がボルト421を覆うようにするために、長さL21が厚くなったことを考慮し、支持部412の長さL22は、本体部30の外周と取付部43とが、接触しないように設定する。長さL22は、支持部412が接続部431と接続する面の法線方向の長さである。
【0146】
さらに、長さL21が厚くなった結果、レンズ画角LAに取付具40が映り込むようになる。これを防ぐため、支持部412の長さL23を長くし、機器2をフロントガラスに貼り付けたときに取付部43が本体部30の上部に配置されるように構成する。長さL23は、支持部412が接続部431と接続する面と平行する方向の長さである。
なお、長さL22および長さL23は、取付具40をフロントガラスに貼りつけたときに、垂れ下がった様でなく、フロントガラスに張り付いた様に取り付けることができるように設定するとよい。
【0147】
[取り付け方法]
本実施形態の機器2は、フロントガラスの角度や湾曲に合わせて調整可能である。機器2をフロントガラスに貼り付ける前に、本体部30の向きや位置を仮調整した後、機器2を車両のフロントガラスに貼り付ける。
【0148】
例えば、カバー部432はフロントガラスと平行になるが、上述のように、取付部43
(取付具40)に対する本体部10の相対角度を、第一の軸(ax21)の回転方向によって調整する。これにより、例えば、カバー部432(フロントガラス)の角度に関係なく、本体部30について基本の上下方向をたとえば垂直面(地面に対する)と平行にすることができる。
また、調整部42により、取付部43の接続部431と保持部41の支持部412との角度を、第二の軸(ax22)の回転方向によって調整する。
このように、本体部30を第一の軸(上下方向)と、第二の軸(左右方向)との二つの回転軸に基づいて調整することができる。
【0149】
利用者は、上述した仮調整を行った後、取付部43のカバー部432の上面に、両面テープ44または他の接着部材を貼り付け、両面テープ44を用いて車両のフロントガラスに接着して固定する。このような順で取り付けることで、フロントガラスの左右方向に湾曲がある場合には、カバー部432は、傾いてフロントガラスに貼り付けられることになるが、本体部30のカメラ31は、前方正面を撮影する向きに固定される。
【0150】
[変形例]
図13は、取付具の他の形状を説明する図である。
図13に示す取付具40aは、支持部412aの長さが上述した支持部412よりも長さL22および長さL23が短い一態様を示している。例えば、レンズ画角が
図12に示す領域より小さい場合には、支持部412aのような形状を用いることができる。
【0151】
保持部41は、本体部30から取り外し可能な構成であってもよい。例えば、リング形状の内周面が本体部30の円筒形状を支える構造としてもよい。保持部41は、本体部30から取り外しできない構成であってもよい。
保持部41のリング部411は、上述した歯部の噛み合わせに限られることなく、回転軸の回転を制御する歯車と歯止めからなるラチェット機構を用いてもよい。
【0152】
調整部42は、ボルトとナットを有するねじ機構を用いる例を説明したが、これに限られるわけではない。例えば、支持部412の穴414の内周に雌ねじを形成し、ボルト421と締結する構成であってもよい。
【0153】
取付部43は、例えば、上述した取付具20の保持面22に貼り付けてもよい。このようにすると、取付具40による調整機能と取付具20による調整機能とを用いることができるため、例えば、4つ以上の軸に基づいて方向を調整することができる。
機器2は、例えば、後述する実施形態3の取付具60の調整部材61と固定部材62とを実現可能な範囲で取り入れた構成としてもよい。例えば、本体部30に球面形状と固定部材62の機能とを取り入れ、取付具40は、保持部41に調整部材61の機能を取り入れ、調整部42および取付部43を組み合わせて構成してもよい。
【0154】
なお、上述した実施形態では、説明を容易にするため、ナット部材325および電源カバー部326等を収納部32が有するものとして説明したが、取付具40が有するものとしてもよい。
【0155】
上述したように、本実施形態の取付具40を用いると、少なくとも二つの異なる軸に基づいて、本体部30を回転させて、本体部30の位置や向きを調整できるので、Aピラーに近い付近に取り付けることができる。
【0156】
実施形態3.
図14、15は、実施形態3の機器の一例を説明する模式図である。
機器3は、第三本体部としての本体部50と、第三取付具としての取付具60とを備え
る。
図14は、本体部50に取付具60を取り付ける前の状態例を表した模式図であり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は底面図である。
図15は、本体部50に取付具60を取り付けた状態例を表した模式図であり、(A)は本体部50に取付具60を取り付けた状態例を示す図、(B)は(A)の左側面図と、左側面図のC-C線に沿った取付具60の断面と、本体部50の一部分とを示す部分断面図である。
【0157】
本体部50は、センシング手段としてのカメラ51、カメラ51などを収納する収納部52を有する。
収納部52は、略円筒形であり、一方の端部に球面形状521を有する。収納部52は、カメラ51のレンズを外周面上に配置する。
球面形状521は、半球状の球面であり、中央部分に凸部522が形成されている。凸部522には、雄ねじが形成されている。球面形状521および凸部522は、取付具60を取り付け、固定する。
【0158】
取付具60は、収納部52の球面形状521に装着される調整部材61と、調整部材61を球面形状521に固定する固定部材62とを有する。
調整部材61は、リング形状を有し、球面形状521と接する内側は、球面形状521に沿った形状を有する。調整部材61は、球面形状521の表面を回転可能に形成される。調整部材61は、例えば、リング形状の外周を、本体部50の外周と同様の形状とするとよい。これにより、調整部材61と本体部50とのデザインの統一を図ることができる。
調整部材61は、例えば、本体部50から取り外し可能な物としてもよいし、本体部50から取り外しできない物としてもよい。
図14、15は、収納部52の円筒形状の中心軸に、調整部材61および固定部材62の略円形の中心があうように配置した状態例を示している。
【0159】
調整部材61の中央に形成される穴611は、凸部522の外径より大きく、調整部材61と凸部522との間に空間ができるように設定する。
図15(B)の左側の図では、穴611と凸部522との位置を二点破線で示している。
図15(B)に示す幅D3は、凸部522と調整部材61との間に形成される間隔である。幅D3は、調整部材61が球面形状521上を自在に移動可能な間隔であり、かつ、固定部材62によって調整部材61を固定可能な間隔を設定することが好ましい。このようにすると、本体部50を所望の向きや位置に調整することができる。
【0160】
調整部材61の外周は、収納部52の円筒形状の直径と同じ、または僅かに大きい程度とするとよい。このようにすると、例えば、違和感を緩和することができる。また、調整部材61の外周は、収納部52の円筒形状の直径より僅かに大きくすることが好ましい。これは、例えば、調整部材61は、球面形状521の表面を自在に移動し固定部材62によって固定されるため、球面形状521と接触する面積を確保できるからである。
また、球面形状521と、調整部材61が球面形状521と接する内側とは、表面にしぼ加工を施すとよい。当該表面は、例えば、細かい凹凸を形成するとよい。このような加工をすることにより、例えば、調整部材61を球面形状521にしっかり固定することができる。
【0161】
固定部材62は、本体部50の凸部522と相互に嵌め合わせ可能な形状を有し、
図14、15の構成例では、凸部522に形成された雄ねじと符合する雌ねじが形成されている。固定部材62は、調整部材61を挟んで凸部522と締結するときに操作しやすい外周形状を有するとよい。加えて、外周形状は、曲線であることが好ましく、例えば、略円
形の外周を有することが好ましい。このようにすると、例えば、利用者の違和感を軽減することができる。
【0162】
凸部522の長さは、調整部材61の幅(収納部52の円筒形状の軸方向の長さ)と、凸部522の雄ねじの長さとを加算した長さに基づいて決定され、固定部材62によって球面形状521に調整部材61を固定できる長さとする。凸部522の長さが、長すぎると、球面形状521と調整部材61との間に隙間が生じ、調整部材61が固定部材62によって固定されなくなる。一方、凸部522の長さが短いと固定部材62の雌ねじと凸部522の雄ねじとが噛み合う長さが短くなり、調整部材61を十分固定できない。
【0163】
調整部材61は、機器3をフロントガラスに取り付ける取付面を有する取付部材63を有する。取付部材63により、調整部材による調整を取付面に容易に反映させることができる。例えば、調整部材は、取付部材63をフロントガラスに取り付けたときの状態に応じて、本体部50の向きまたは位置を調整することが容易になる。
取付部材63の取付面は、平面とするとよい。
【0164】
[違和感軽減手段の説明]
調整部材61が、収納部52の球面形状521上を移動可能に構成することにより、取付具60は、機器3を少なくとも三つの異なる軸を中心に回転させて、カメラ31のレンズの向きを調整することが可能になる。
図16は、実施形態3の取付具の調整機能の一例を説明する模式図である。
図17は、実施形態3の取付具の調整機能の他の例を説明する模式図であり、(A)は第二および第三の軸を説明する図、(B)は第三の軸を中心に回転した一態様を示す図である。
【0165】
図16、17は、機器3を、x、y、zの三次元の座標を用いて表している。
図16は、
図15(A)に示す機器3の状態をx、y軸を用いて示す。
図17(A)は、
図15(A)の左側側面を、y、z軸を用いて示す。
図16は、本体部50の中心軸を軸ax31(第一の軸)として、軸ax31を中心に本体部50を回転させた状態を示す。
図17(A)に、機器3が取り得る他の軸の一例として、y軸に沿った軸ax32、z軸に沿った軸ax33を示す。
図17(B)に、軸ax33を中心に本体部50を回転させた状態例を示す。なお、
図17(A)に示す軸ax32、ax33は一例であり、例えば、軸ax31と交差する他の軸を中心に本体部50を回転させることが可能である。他の軸は、例えば、y軸とz軸との間のz軸に対して任意の角度(ゼロ度より大きく90度より小さい)を有する軸とすることができる。これは、例えば、本体部50が球面形状を有し、調整部材61が球面形状を自在に移動可能に構成しているからである。
【0166】
本実施形態の機器3によれば、機器を所望の向きまたは位置にさらに精度よく調整することが可能になり、違和感を軽減することができる。
【0167】
[取り付け方法]
上述した機器3は、取付具60の取付部材63の取付面をフロントガラスにあわせ、貼り付ける位置を選択する。取付面をフロントガラスに貼り付けたときに、本体部50が道路と平行になるように、調整部材61は、球面形状521上を移動して固定部材62により固定して仮調整される。
利用者は、上述した仮調整を行った後、両面テープなどの接着部材を用いて、取付部材63の取付面をフントガラスに貼り付ける。
【0168】
[変形例]
取付部材63の取付面は、例えば、実施形態1で説明した取付具20の保持面22に貼
り付けてもよい。このようにすると、取付具60による調整機能と取付具20による調整機能とを用いることが可能になる。
取付部材63は、例えば、実施形態2で説明した調整部42の機能を取り入れた構成としてもよい。
【0169】
上述したように、本実施形態の取付具60を用いると、複数の異なる軸に基づいて、本体部50を回転させて、本体部50の位置や向きを調整できるので、Aピラーに近い付近に取り付けることができる。
また、本実施形態の取付具60を用いると、略円筒形の本体部50に対して取付具60の取付面が近い位置に存在する。従って、本体部10が垂れ下がった様でなく、フロントガラスに張り付いた様に取り付けることが可能であり、違和感などを軽減する効果が期待できる。
【0170】
実施形態4.
上述した実施形態1から3について次のように構成するとさらによい。
本体部10の収納部12、取付ブラケット13、およびナット部材14を黒色でない素材とするとよい。取付具20は黒色でない素材とするとよい。両面テープは黒色でない素材とするとよい。収納部32は黒色でない素材とするとよい。取付具40は黒色でない素材とするとよい。本体部50の収容部52は黒色でない素材とするとよい。取付具60は黒色でない素材とするとよい。
【0171】
このようにすれば、フロントガラスを介して利用者が車室内から前方車外を見たときに、従来のように機器が黒色で目障りとなることの違和感を軽減できる。
【0172】
フロントガラスは透明であり、車室内の天井面は黒色ではなく、クリームやグレーなど白色系が多く用いられている。したがって、昼間のよく車外が視認できる状態ではドライブレコーダの主たる設置位置であるこのようなフロントガラスの上面位置には黒のプラスチックの筐体は根本的に合わないという問題がある。
【0173】
そこで、できるだけ透明感があり、視界の邪魔になりにくいドライブレコーダとして構成するとよい。特に、ドライブレコーダ本体の少なくとも一部、ブラケット等のドライブレコーダの取付部の少なくとも一部を黒色ではない素材とするとよく、特に本体の外面となるプラスチック部分を黒色でない素材とするとともに、貼付部材の外面となるプラスチック部分も黒色ではない素材とするとよい。
【0174】
黒色でない色としては、特に透明、白、空色がよい。フロントガラスは透明部分が多いから透明がもっともよい。透明の色は、無色とするのがよいが、最近の車両のフロントガラスの上部には透明青色の部分があるため、色は透明の青色としてもよい。色は白としてもよい。白は雲の色でありフロントガラスに隣接する天井位置等の白系の色ともなじむので次によい。空色は空の色であるから晴れた日で特に視界が開けているときに空になじむのでその次によい。
【0175】
黒色の従来のドライブレコーダは、直射日光を熱として吸収しやすく、内部が高温になってしまったが、黒色でない素材とすることで、熱としての吸収を抑制でき、内部温度の上昇を抑えることができる。透明、白の明度は、明るいものとしてもよいが、グレーかかった色が良い。完全に透明なクリアはエッジ部分などがダイヤモンドやスワロフスキーのように輝いて目立つ可能性があるからである。ただし、店頭での見栄えは透明度が高い方がよいと思われる。そこで後述のようにするのもよい。
【0176】
ドライブレコーダの外装のエッジ部分を緩やかな曲面とするとよい。エッジ部分が反射
してキラキラ目障りになるので、エッジを立てない緩やかな曲線で構成するとよい。例えば
図2の符号22、符号21で示される部分や、
図14の符号62で示される部分のように曲面でその露出するエッジ部分を構成するとよい。
【0177】
本体部10の収納部12、取付ブラケット13、およびナット部材14、取付具20、収納部32、取付具40、本体部50、取付具60等の材質は熱を吸収しにくいプラスチック素材とするとよい。
本体部10の収納部12、取付ブラケット13、およびナット部材14、取付具20、収納部32、取付具40、本体部50、取付具60等の外面には赤外線を反射する遮熱コート剤を塗布するとよい。
【0178】
電源コードの外装も透明素材とするとよい。このようにすれば、機器とともに配線の違和感も軽減できる。
本体部10の収納部12、収納部32、本体部50等の筺体は基板を内蔵する透明の筺体とするとともに、透明の筐体の内側に基板を視認できないようにする遮蔽部材を備えるとよい。遮蔽部材は例えばシート等とするとよい。遮蔽部材の色は、白か、薄いグレーにするとよい。遮蔽部材を設けることで、筺体内部の電子部品への熱と光の照射による影響を抑えることができる。基板に実装されるデバイスの中には、外部より閃光を受けるにより誤動作するものもあるがこれも防止できる。
【0179】
本体部10の収納部12、収納部32、本体部50等の筺体は透明の筺体とし、筺体内部の基板が、筺体の透明部分を介して透けて見えるようにしてもよい。この場合、特に基板のレジストは緑ではなく、白か黒とするとよい。
【0180】
カメラ31、カメラ51等のカメラのレンズの鏡筒は一般的に黒色であるが、黒色とはせずに外面を白または灰色とし、内面を黒とするとよい。外面を白とすることで、フロントガラスを介して入射する外部からの直射日光等を熱として吸収することを抑えることができるとともに、内面を黒色とすることでレンズ内の光の散乱を防止できる。レンズを介して撮像する映像等をクリアに撮影できる。
【0181】
本体部10の
図2の示される中央の矩形部分、本体部50の
図14(b)の示される中央の矩形部分は液晶パネル部分であり、液晶パネルにカメラで撮影した映像を表示する制御部を備え、制御部はカメラで撮影した映像中に含まれる空に相当部分を拡大して表示する制御を行なう。制御部は映像中の上部の左右方向の中央部を拡大して表示する機能を備える。液晶パネルの非表示時には黒色に視認できるものとするとよい。液晶パネルへの表示時にはカメラ映像に各種の画像を重ねて表示するとよい。カメラが車両の走行中に撮影した映像中の空に相当する部分で特に左右方向中央部分の映像を拡大して表示する機能を備えるとよい。またこの拡大を行わないモードと行なうモードのモードに切り替える機能を備えるとよい。表示パネルには空が拡大して表示されるので、遠目には、あたかもその部分は透明のように見える。トンネルなどでは映像の左右位置にはライトがあるのでその位置に対応する部分は入らない程度の位置を拡大するとよい。
【0182】
ドライブレコーダのフロントガラスに対向する側である黒色とするとともに、反対側は黒色ではない色とするとよい。このようにすれば、フロントガラスへのドライブレコーダの映り込みを防止することができるとともに、車室内から見た違和感を軽減できる。
【0183】
本体部10の
図2の示される右側に縦に3つ並ぶ矩形部分、本体部50の
図14(b)の示される右側に縦に3つ並ぶ矩形部分は操作ボタンであり、操作ボタンは透明な素材とするとよい。
ドライブレコーダは表示ランプを備え、表示ランプは水色とするとよい。空の色に同化
しやすいからである。輝度は明るくなりすぎないよう調整するとよい。表示ランプは例えばLEDとするとよい。
【0184】
ドライブレコーダのカメラはスマートフォン用のレンズを用いて構成するとよい。
このようにすれば、車載機器を従来よりも大幅に小型化して目立ちにくくできる。
ドライブレコーダは、カメラを複数個並べて配置し、それぞれのカメラからの映像を、時間を同期して再生可能に記録する機能を備えるとよい。小型レンズは、画角が狭いが、複数個を並べて、画角を確保すれば、小型・薄型の広角カメラが作れる。
特にレンズが樹脂だと温度特性など問題になるので、ガラスレンズで小型のものとするとよい。
【0185】
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0186】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と,発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。た「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0187】
また,意匠出願への変更出願により,全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが,全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと,部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては,装置の一部の部材としても良いし,その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと,図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を,権利化する意思を有する。
【符号の説明】
【0188】
10、30,50 本体部
12、32、52 収納部
20、40、60 取付具
21 貼付面
22 保持面
23 連結部
231、414、423、611 穴
31、51 カメラ
41 保持部
411 リング部
412 支持部
42 調整部
43 取付部
431 接続部
432 カバー部
521 球面形状
522 凸部
61 調整部材
62 固定部材