(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160433
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】家畜の呼気測定装置及び測定システム
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20241107BHJP
G01N 33/497 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A01K29/00 D
G01N33/497 C
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075401
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 尚彦
(72)【発明者】
【氏名】瀧 小緒里
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB23
(57)【要約】
【課題】簡易な装置構成で、家畜が自然でストレスのない状態で呼気の測定を常時行うことができる家畜の呼気測定装置及び測定システムを提供する。
【解決手段】家畜(牛C等)に装着される鼻輪1と、鼻輪に着脱自在に装着されるセンサ支持手段、センサ支持手段に支持されるガスセンサ5とを備える呼気測定装置10。センサ支持手段は鼻輪に連結される支持部材4を備え、支持部材の鼻輪の近傍にガスセンサを位置させるこができる。センサ支持手段には、家畜の鼻を覆うマスク状のカバー部材22を取り付けることができ、カバー部材は、家畜の鼻背に沿って延設される仕切り部材23を備えることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜に装着される鼻輪と、
該鼻輪に着脱自在に装着されるセンサ支持手段と、
該センサ支持手段に支持されるガスセンサとを備えることを特徴とする家畜の呼気測定装置。
【請求項2】
前記センサ支持手段は前記鼻輪に連結される支持部材を備え、該支持部材の前記鼻輪の近傍に前記ガスセンサが位置することを特徴とする請求項1に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項3】
前記センサ支持手段には、前記家畜の鼻を覆うマスク状のカバー部材が取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、家畜の鼻背に沿って延設される仕切り部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項5】
前記ガスセンサは、前記仕切り部材を挟んで前記カバー部材の両側に位置することを特徴とする請求項4に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項6】
前記カバー部材には、温度センサが設置されていることを特徴とする請求項3に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項7】
前記カバー部材には、呼気回収部材が設置されていることを特徴とする請求項3に記載の家畜の呼気測定装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の呼気測定装置と、
該呼気測定装置による測定値を記憶して管理するクラウドサーバと、
前記呼気測定装置から出力される測定データを受信して前記サーバへ送信する中継装置とを備えることを特徴とする家畜の呼気測定システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記呼気測定装置の前記ガスセンサの測定値が異常か否かを判断する異常判断手段を備え、該異常判断手段の判定結果が異常の場合に異常信号を出力することを特徴とする請求項8に記載の家畜の呼気測定システム。
【請求項10】
前記サーバは、前記呼気測定装置の前記温度センサの測定値が異常か否かを判断する異常判断手段を備え、該異常判断手段の判定結果が異常の場合に異常信号を出力することを特徴とする請求項8に記載の家畜の呼気測定システム。
【請求項11】
前記請求項1乃至7のいずれかに記載の呼気測定装置は、前記中継装置を介して前記サーバから異常信号を受信すると、異常報知手段により異常を報知することを特徴とする請求項9又は10に記載の家畜の呼気測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛等の家畜の呼気に含まれるメタンガスの濃度等を測定する呼気測定装置及び測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
牛や羊等の反芻動物の胃の中では餌が発酵し、メタンガスが発生しているため、動物たちは絶えずゲップをして体外に放出している。牛の体内で発生したメタンガスは9割以上がゲップとして排出されていると考えられており、このメタンガスは二酸化炭素の25倍もの温室効果があると言われている。
【0003】
世界の温室効果ガスの4%が牛のゲップによるものと言われていることから、地球温暖化への影響度が大きい牛のゲップを削減することが世界中で望まれている。例えば、ニュージーランドでは2022年10月11日、気候変動に取り組むために家畜のゲップや排尿に課税する法案を提出した。
【0004】
さらに、ゲップによるメタンガスの発生を最小限に抑えるため、近年多くの研究が行われている。例えば、餌の改良によりメタンの生成が99%近く減少することが判っており、また、同じ餌を同量食べても発生するメタンガスの量に個体差があることから、メタンガスの発生量が少ない牛の胃の中にある微生物を取り出し、サプリメントのようにメタンガスの発生量の多い牛の胃に送り込み、メタンガスの発生量の多い牛を減らしたり、メタンガスの発生量が少なくなるタイミングでの餌やりの研究等が行われている。
【0005】
上記いずれの研究においても、牛から排出されるメタンガスの測定データが必要である。そこで、家畜をできるだけ自然な状態においてその呼気成分測定の信頼性及び再現性を高める呼気測定装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の呼気成分(メタンガス)の測定は、呼気回収室に家畜の頭部を挿入して行われ、家畜が呼気回収室に頭を挿入していないタイミングでの測定、つまり常時測定はできないため、正確な呼気の測定は不可能であった。また、呼気回収室に頭を挿入するため、家畜が自然な状態ではなく、ストレスのある状態で測定が行われるため、測定データの正確性や再現性が劣るという問題もあった。さらに、呼気回収室を設ける必要があるなど、設備が大掛かりとなるという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な装置構成で、家畜が自然でストレスのない状態で呼気の測定を常時行うことができる呼気測定装置及び測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は家畜の呼気測定装置であって、家畜に装着される鼻輪と、該鼻輪に着脱自在に装着されるセンサ支持手段と、該センサ支持手段に支持されるガスセンサとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、簡易な装置構成で、鼻輪を利用して家畜が自然でストレスのない状態で呼気の測定を行うことができ、測定データの正確性や再現性に優れる呼気測定装置を提供することができる。
【0011】
前記家畜の呼気測定装置において、前記センサ支持手段は前記鼻輪に連結される支持部材を備え、該支持部材の前記鼻輪の近傍に前記ガスセンサが位置することで、正確な呼気の測定が可能となる。
【0012】
また、前記センサ支持手段に前記家畜の鼻を覆うマスク状のカバー部材が取り付けられることで、家畜の呼気が空気中に漏れることを防止することができ、より正確な呼気の測定が可能となる。
【0013】
さらに、前記カバー部材が家畜の鼻背に沿って延設される仕切り部材を備えることで、カバー部材の位置決めの補助となり、取り付けが容易となる。
【0014】
また、前記ガスセンサを前記仕切り部材を挟んで前記カバー部材の両側に位置させることで、仕切り部材によってカバー部材内が2つの部屋に分かれ、ガスセンサがカバー部材の両側に設置されることとなる。これにより、家畜の鼻孔毎に呼気の測定が可能となり、例えば片方の鼻孔からの呼気しか測定できない場合には、他方の鼻孔が詰まっていることが判り、より詳細な健康管理を行うことができる。
【0015】
さらに、前記カバー部材に温度センサを設置し、家畜の体温を測定することで家畜の健康状態を把握することができる。
【0016】
また、カバー部材に呼気回収部材を設置し、呼気を回収することで、温室効果ガス削減に貢献することができる。
【0017】
さらに、本発明は家畜の呼気測定システムであって、上記いずれかの呼気測定装置と、呼気測定装置による測定値を記憶して管理するクラウドサーバと、前記呼気測定装置から出力される測定データを受信して前記サーバへ送信する中継装置とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、簡易な設備によって、家畜が自然でストレスのない状態で呼気の測定を行うことができ、正確な測定データを記憶して管理することができる。
【0019】
前記サーバは、前記呼気測定装置の前記ガスセンサの測定値が異常か否かを判断する異常判断手段を備え、該異常判断手段の判定結果が異常の場合に異常信号を出力することで、目視や触診による知識や経験に左右される異常判断ではなく、測定値に基づいた科学的な異常判断が可能となる。
【0020】
前記サーバは、前記呼気測定装置の前記温度センサの測定値が異常か否かを判断する異常判断手段を備え、該異常判断手段の判定結果が異常の場合に異常信号を出力することで、目視や触診による知識や経験に左右される異常判断ではなく、測定値に基づいた科学的な異常判断が可能となる。
【0021】
また、上記いずれかの呼気測定装置は、前記中継装置を介して前記サーバから異常信号を受信すると、異常報知手段により異常を報知することで、顧客が家畜のそばにいる場合、多くの家畜の中でどの個体が異常であるかがをすぐに把握することができ、より迅速な対処が可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、簡易な装置構成で、測定データの正確性や再現性に優れる呼気測定装置及び測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来使用されている牛の鼻輪を示す斜視図である。
【
図2】従来使用されている牛の鼻輪と引綱補助具を示す斜視図であって、(a)は鼻輪と引綱補助具のみを示し、(b)はこれらを牛に装着した状態を示す。
【
図3】本発明に係る家畜の呼気測定装置の第1の実施形態を示す斜視図であって、(a)は装置のみを示し、(b)は装置を牛に装着した状態を示す。
【
図4】本発明に係る家畜の呼気測定システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【
図5】本発明に係る家畜の呼気測定装置の第2の実施形態を示す斜視図であって、(a)は装置のみを示し、(b)は装置を牛に装着した状態を示す。
【
図6】本発明に係る家畜の呼気測定装置の第3の実施形態を示す斜視図であって、(a)は装置のみを示し、(b)は装置を牛に装着した状態を示す。
【
図7】本発明に係る家畜の呼気測定装置の第4の実施形態を示す斜視図であって、(a)は装置のみを示し、(b)は装置を牛に装着した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、特公昭56-31083号公報に記載されている従来の牛の鼻輪を示し、この鼻輪1は、C字環1aを牛Cの鼻腔C1に挿通した後、両端を突き合わせて結合し(結合部1b)、牛Cに装着する。鼻輪1を用いる目的は、牛Cの動きを規制するためである。
【0026】
本発明は上記鼻輪1を利用したものであり、以下本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図3は本発明にかかる呼気測定装置の第1の実施形態を示し、この呼気測定装置10は、鼻輪1と、引綱補助具2と、支持部材4と、ガスセンサ5と、中継装置6と、信号線7等を備える。鼻輪1と、引綱補助具2は、上記
図1及び
図2に示したものと同じものである。
【0028】
図3(a)に示すように、支持部材4の各々は、鼻輪1のC字環1aに着脱自在に取り付けられ、外側にガスセンサ5を支持している。ガスセンサ5は、牛Cの呼気に含まれるメタンガスの濃度を測定するために設けられる。ガスセンサ5でメタンガスに加え、CO
2の濃度を測定してもよい。
【0029】
尚、ガスセンサ5を鼻輪1に内蔵させると、ガスセンサ5が鼻腔に触れて汚れの影響を受け易く、また、ガスセンサ5が故障した場合には鼻輪1自体を交換する必要があり、さらに、牛Cを食肉として出荷した際には鼻輪1も牛Cと共に出荷されるが、ガスセンサ5に含まれる物質が食品衛生法上許容されない場合にはガスセンサ5を事前に取り外す必要があるなどの問題がある。
【0030】
中継装置6は、ガスセンサ5からの測定データを後述するクラウドサーバに送信するために設けられ、牛Cの頭に載置、固定される。信号線7は、ガスセンサ5と中継装置6の間に介在し、測定データを伝送する。また、各々の信号線7の一端は2つの支持部材4に接続されると共に、引綱補助具2とクリップ8、9で結合されている。尚、引綱補助具2及び信号線7の経路は図示の例に限定されない。
【0031】
上記構成を有する呼気測定装置10を、
図3(b)に示すように牛Cに装着する。鼻輪1と引綱補助具2は、
図2と同様に装着し、中継装置6を牛Cの頭の上に載せた状態で信号線7も牛Cの首に掛けて牛Cの前方方向に導出する。
【0032】
次に、本発明にかかる家畜の呼気測定システムの一実施の形態について、
図4を参照しながら説明する。この呼気測定システム11は、上記呼気測定装置10(10A、10B・・・)及び中継装置6(6A、6B・・・)に加え、クラウドを構成するサーバ12と、顧客(牧場主等)の携帯端末13を備える。
【0033】
呼気測定装置10(10A、10B・・・)は、家畜毎(家畜A、B・・・)に設けられ、各々の呼気測定装置10は、中継装置6を介してサーバ12と通信するためのデータ通信手段10aと、GPSを利用した位置情報取得手段10bと、ガスセンサ5及び温度センサ32を含む測定手段10cと、測定手段10cの測定データに異常があった場合等に報知するための異常報知手段10dとで構成される。
【0034】
中継装置6(6A、6B・・・)は、呼気測定装置10毎に設けられ、呼気測定装置10のガスセンサ5等から出力される測定値を受信してサーバ12に送信する。
【0035】
クラウドを構成するサーバ12は、測定データを記憶するための測定データ記憶手段12aと、家畜の個体情報記憶手段12bからなるサーバ記憶手段12cと、中継装置6から入力されたガスセンサ5等の測定値が異常か否かを判断する異常判断手段12dと、現在の日付を記憶すると共に計時機能により現在の日付を日毎に更新するカレンダー手段12eと、中継装置6及び携帯端末13と通信するための通信手段12fとを備える。
【0036】
顧客の携帯端末13は、スマートフォン、タブレット、PC等であり、家畜の個体No.等を登録し、個体No.毎に測定結果が表示され、測定値等に異常があった場合には、その旨が報知される。
【0037】
表1は、サーバ12に保存されるデータを示し、サーバ12には、測定を行った日時と、農場名と、牛舎のNo.と、家畜の個体No.と、メタンガス及び体温の測定値と、異常の有無が保存される。メタンガスの濃度は、左右の鼻孔毎に記録される。
【0038】
【0039】
次に、上記呼気測定システム11の動作について、
図3、
図4及び表1を参照しながら説明する。
【0040】
農場の牛舎において(例えば、表1の〇〇農場の牛舎No.1)において、牛(例えば、個体No.01234)に呼気測定装置10を装着し、ガスセンサ5で牛Cの呼気に含まれるメタンガスの濃度を測定する。
【0041】
ガスセンサ5による測定データは、ガスセンサ5から中継装置6を介してサーバ12に送信され、サーバ12の測定データ記憶手段12aに記憶されて管理される。また、ガスセンサ5による測定データは、サーバ12から顧客の携帯端末13に送信され、携帯端末13に表示される。
【0042】
サーバ12の異常判断手段12dによって、推測統計学や閾値を用いて、中継装置6から入力されたガスセンサ5の測定値が異常であると判断された場合には、携帯端末13にその旨通知され、携帯端末13が顧客に報知することで、顧客(飼育者等)が家畜のそばにいない場合であっても、異常があった際にすぐに対応することが可能となり、顧客が片時も家畜から離れずにいる必要がなくなる。
【0043】
次に、本発明に係る家畜の呼気測定装置の第2の実施形態について、
図5を参照しながら説明する。
【0044】
この呼気測定装置21は、
図3に示した第1の実施形態の呼気測定装置10の構成に、カバー部材22と仕切り部材23を加えたものであって、その他の構成要素は呼気測定装置10と同じである。呼気測定装置21において、呼気測定装置10の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してそれらの説明を省略する。
【0045】
カバー部材22は、牛Cの鼻を覆うマスク状に形成され、左右の支持部材4と、仕切り部材23の凹部と、鼻輪1の結合部1bの3点で安定した状態で支持される。カバー部材22で牛Cの鼻を覆うことで、牛Cの呼気が空気中に漏れることを防止することができる。カバー部材22は牛Cの鼻の上部のみを覆い、牛Cの口の付近には影響を及ぼさないため捕食の妨げにはならない。
【0046】
仕切り部材23は牛Cの鼻背に沿って延設され、仕切り部材23を牛Cの鼻の上に載せることで、カバー部材22の位置決めの補助となり、カバー部材22の取り付けが容易となる。
【0047】
また、仕切り部材23を設けることで、カバー部材22の内部が2つの部屋に分かれることになり、2つのガスセンサ5は、仕切り部材23を挟んでカバー部材22の両側に位置することになるため、牛Cの鼻孔毎に呼気の測定が可能となり、例えば片方の鼻孔からの呼気しか測定できない場合には、他方の鼻孔が詰まっている可能性があることなどが判り、より詳細な健康管理に役立つ。
【0048】
次に、本発明に係る家畜の呼気測定装置の第3の実施形態について、
図6を参照しながら説明する。
【0049】
この呼気測定装置31は、
図5に示した第2の実施形態の呼気測定装置21の構成に、温度センサ32を加えたものであって、その他の構成要素は呼気測定装置21と同じである。呼気測定装置31において、呼気測定装置21の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してそれらの説明を省略する。
【0050】
温度センサ32は、カバー部材22に着脱可能に設けられたクリップ34に取り付けられ、温度センサ32の感温部が牛Cの鼻の表面に接触して牛Cの体温を測定する。温度センサ32の測定データは、信号線33を介して中継装置6に送られ、さらにサーバ12へ送信されて管理される。牛Cの体温を測定することで牛Cの健康状態を把握することができる。
【0051】
次に、本発明に係る家畜の呼気測定装置の第4の実施形態について、
図7を参照しながら説明する。
【0052】
この呼気測定装置41は、
図6に示した第3の実施形態の呼気測定装置31の構成に、呼気回収部材42を加えたものであって、その他の構成要素は呼気測定装置31と同じである。呼気測定装置41において、呼気測定装置31の構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してそれらの説明を省略する。
【0053】
呼気回収部材42は、カバー部材22の上面に設けられ、底面が開口してカバーの内部と連通する回収部42aと、回収部42aに接続され、回収部42aの内部と連通する回収管42bとを備える。回収管42bは、回収ポンプ(不図示)等を備える回収装置に接続され、呼気回収部材42を用いて牛Cの呼気を回収することで、温室効果ガス削減に貢献することができる。回収した呼気は、呼気測定装置41が設置された牛舎の電力として活用することもできる。
【0054】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【符号の説明】
【0055】
1 鼻輪
2 引綱補助具
4 支持部材
5 ガスセンサ
6 中継装置
7 信号線
8 クリップ
9 クリップ
10 呼気測定装置
11 呼気測定システム
12 サーバ
13 携帯端末
21 呼気測定装置
22 カバー部材
23 仕切り部材
31 呼気測定装置
32 温度センサ
33 信号線
34 クリップ
41 呼気測定装置
42 呼気回収部材