(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160450
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】画像処理装置及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241107BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20241107BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241107BHJP
B60R 1/24 20220101ALI20241107BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20241107BHJP
【FI】
H04N7/18 J
G06T1/00 330A
H04N7/18 N
G08G1/16 C
B60R1/24
B60R1/20 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075441
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】小林 侑太
【テーマコード(参考)】
5B057
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057BA02
5B057BA08
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE08
5B057DA08
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC22
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE09
5C054FE13
5C054HA30
5H181AA01
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC24
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL11
(57)【要約】
【課題】車両が走行する道路の視認性を向上させることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】熱源領域抽出部306は、サーモカメラ2が車両の前方を撮影することによって生成した赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出する。特定熱源領域判定部308は、熱源領域抽出部306によって抽出された熱源領域の移動速度が所定の速度未満である場合に、熱源領域を特定熱源領域と判定する。補助画像生成部310は、特定熱源領域であると判定された複数の熱源領域の各下端の位置から所定の距離だけ下方の位置を互いに連結する補助画像を生成する。補助画像重畳部311は、可視光カメラ1が車両の前方を撮影することによって生成した可視光画像の各フレームに補助画像を重畳する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーモカメラが車両の前方を撮影することによって生成した赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出する熱源領域抽出部と、
前記熱源領域抽出部によって抽出された熱源領域の移動速度が所定の速度未満である場合に、前記熱源領域を特定熱源領域と判定する特定熱源領域判定部と、
前記赤外線画像の各フレームに含まれている熱源領域のうち、前記特定熱源領域判定部によって特定熱源領域であると判定された複数の熱源領域の各下端の位置から所定の距離だけ下方の位置を互いに連結する第1の補助画像を生成する補助画像生成部と、
可視光カメラが前記車両の前方を撮影することによって生成した可視光画像の各フレームに前記第1の補助画像を重畳する補助画像重畳部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記補助画像生成部は、前記特定熱源領域であると判定された前記複数の熱源領域の各下端の位置から前記所定の距離だけ下方に伸びる第2の補助画像を生成し、
前記補助画像重畳部は、前記可視光画像の各フレームに前記第2の補助画像を重畳する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補助画像生成部は、1フレーム内に前記特定熱源領域であると判定された熱源領域が所定の数以上あるとき、前記第1の補助画像で囲まれた領域を所定の色で塗りつぶした第3の補助画像を生成し、
前記補助画像重畳部は、前記特定熱源領域であると判定された熱源領域が前記所定の数以上ある前記可視光画像のフレームに前記第3の補助画像を重畳する
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記特定熱源領域判定部は、前記熱源領域抽出部によって抽出された熱源領域が、特定形状を有すると判定した場合に、前記熱源領域を前記特定熱源領域と判定する請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
可視光カメラが車両の前方を撮影して可視光画像を生成し、
サーモカメラが前記車両の前方を撮影して赤外線画像を生成し、
画像処理部が、前記赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出し、
前記画像処理部が、抽出された熱源領域の移動速度が所定の速度未満である場合に、前記熱源領域を特定熱源領域と判定し、
前記画像処理部が、前記赤外線画像の各フレームに含まれている熱源領域のうち、前記特定熱源領域であると判定された複数の熱源領域の各下端の位置から所定の距離だけ下方の位置を互いに連結する連結補助画像を生成し、
前記画像処理部が、前記可視光画像の各フレームに前記連結補助画像を重畳して重畳可視光画像を生成し、
表示部が前記重畳可視光画像を表示する
撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、視界不良時の車両の運転を補助するため、可視光カメラが撮影した可視光画像と、赤外線カメラが撮影した赤外線画像とを合成して表示部に表示する画像処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夜間、または昼間でも霧の発生時または降雪時には、車両が走行する道路を認識することができないことがある。特許文献1に記載の画像処理装置によれば、赤外線画像における歩行者の領域を切り出して可視光画像に合成することができるものの、車両が走行する道路の視認性を向上させることはできない。
【0005】
本発明は、車両が走行する道路の視認性を向上させることができる画像処理装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、サーモカメラが車両の前方を撮影することによって生成した赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出する熱源領域抽出部と、前記熱源領域抽出部によって抽出された熱源領域の移動速度が所定の速度未満である場合に、前記熱源領域を特定熱源領域と判定する特定熱源領域判定部と、前記赤外線画像の各フレームに含まれている熱源領域のうち、前記特定熱源領域判定部によって特定熱源領域であると判定された複数の熱源領域の各下端の位置から所定の距離だけ下方の位置を互いに連結する第1の補助画像を生成する補助画像生成部と、可視光カメラが前記車両の前方を撮影することによって生成した可視光画像の各フレームに前記第1の補助画像を重畳する補助画像重畳部とを備える画像処理装置を提供する。
【0007】
本発明は、可視光カメラが車両の前方を撮影して可視光画像を生成し、サーモカメラが前記車両の前方を撮影して赤外線画像を生成し、画像処理部が、前記赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出し、前記画像処理部が、抽出された熱源領域の移動速度が所定の速度未満である場合に、前記熱源領域を特定熱源領域と判定し、前記画像処理部が、前記赤外線画像の各フレームに含まれている熱源領域のうち、前記特定熱源領域であると判定された複数の熱源領域の各下端の位置から所定の距離だけ下方の位置を互いに連結する連結補助画像を生成し、前記画像処理部が、前記可視光画像の各フレームに前記連結補助画像を重畳して重畳可視光画像を生成し、表示部が前記重畳可視光画像を表示する撮像方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像処理装置及び撮像方法によれば、車両が走行する道路の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る画像処理装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る画像処理装置を備える車両用撮像装置の取り付け位置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る画像処理装置がキャリブレーションを実行するときに用いる熱源マーカの配置例を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る画像処理装置がキャリブレーションを実行するときに可視光カメラが生成する可視光画像を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る画像処理装置がキャリブレーションを実行するときにサーモカメラが生成する赤外線画像を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す可視光画像と
図5に示す赤外線画像とを合成した合成画像を示す図である。
【
図7】
図7は、赤外線画像を補正して可視光画像と赤外線画像との位置を一致させた状態を示す図である。
【
図8】
図8は、車両が走行する道路の実風景の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す実風景において吹雪となった状態を示す図である。
【
図10】
図10は、車両が
図9に示す状態の道路を走行しているときに可視光カメラが生成する可視光画像を示す図である。
【
図11】
図11は、車両が
図9に示す状態の道路を走行しているときにサーモカメラが生成する赤外線画像における所定の温度以上の熱源領域を抽出した状態を示す図である。
【
図12】
図12は、
図11に示す熱源領域のうちの特定熱源領域の下端の位置を基準として生成した垂直補助画像及び連結補助画像を示す図である。
【
図13】
図13は、
図10に示す可視光画像に
図12に示す垂直補助画像及び連結補助画像を重畳した重畳可視光画像を示す図である。
【
図14】
図14は、フレーム内に6個の特定熱源領域が存在する場合に、各特定熱源領域の下端の位置を基準として生成した垂直補助画像及び連結補助画像を示す図である。
【
図15】
図15は、
図14における連結補助画像で囲まれた領域を塗りつぶし補助画像で塗りつぶした状態を示す図である。
【
図16】
図16は、フレーム内に4個の特定熱源領域が存在する場合に、各特定熱源領域の下端の位置を基準として生成した垂直補助画像及び連結補助画像を示す図である。
【
図17】
図17は、
図64における連結補助画像で囲まれた領域を塗りつぶし補助画像で塗りつぶした状態を示す図である。
【
図18A】
図18Aは、一実施形態に係る画像処理装置の動作、及び一実施形態に係る撮像方法の処理を示す部分的なフローチャートである。
【
図18B】
図18Bは、
図18Aに続く、一実施形態に係る画像処理装置の動作、及び一実施形態に係る撮像方法の処理を示す部分的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係る画像処理装置及び撮像方法について、添付図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る画像処理装置を備える車両用撮像装置100の構成例を示している。
図1において、車両用撮像装置100は、可視光カメラ1、サーモカメラ2、画像処理部3、操作部4、表示部5を備える。画像処理部3は、一実施形態に係る画像処理装置を構成する。表示部5は、車両用撮像装置100の外部の構成であってもよい。操作部4は、車両用撮像装置100の筐体に設けられている操作ボタンであってもよいし、リモートコントローラであってもよい。
【0011】
図2に示すように、車両用撮像装置100は、一例として、車両200(
図3参照)のフロントガラス20wの内面の、ルームミラー20mの近傍に装着されている。
図2に示す車両用撮像装置100は、筐体内に、可視光カメラ1、サーモカメラ2、及び画像処理部3(
図2では図示せず)を備え、筐体の車内側の面に表示部5を備える構成を示している。可視光カメラ1及びサーモカメラ2は、筐体に対して外付けされていてもよい。表示部5は筐体に対して外付けされていてもよいし、外部の構成とされていてもよい。車両用撮像装置100は、車両200のフロントグリル内に装着されていてもよい。
【0012】
図1に戻り、画像処理部3は、制御部301、スイッチ302、熱源画像補正部303、補正量記憶部304、画像合成部305を備える。また、画像処理部3は、熱源領域抽出部306、熱源領域補正部307、特定熱源領域判定部308、特定形状記憶部309、補助画像生成部310、補助画像重畳部311、スイッチ312を備える。画像処理部3は、集積回路、PLC(Programmable Logic Controller)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロコンピュータのいずれで構成されていてもよい。
【0013】
制御部301は、運転者による操作部4の操作に応答して、画像処理部3をキャリブレーションモードと撮影モードとに選択的に設定することができる。運転者は、まず、操作部4を操作して、画像処理部3をキャリブレーションモードに設定する。
【0014】
キャリブレーションモード時の画像処理部3の動作を説明する。
図3において、車両200は、駐車場または空き地等の道路以外の場所に止められている。運転者は、地上の車両200の前方に熱源マーカ6a~6gを配置する。熱源マーカ6は、例えば円柱状のケース内に所定の熱源を収納して発熱している。
【0015】
具体的には、運転者は、車両200の先端の左右端部から距離D1だけ左右方向に離れ、前方に距離D2だけ離れた位置に熱源マーカ6a及び6eを配置する。運転者は、熱源マーカ6a及び6eから前方に距離D3だけ離れた位置にそれぞれ熱源マーカ6b及び6fを配置する。運転者は、熱源マーカ6b及び6fから前方に距離D3だけ離れた位置にそれぞれ熱源マーカ6c及び6gを配置する。運転者は、熱源マーカ6b及び6fの中央の位置に熱源マーカ6dを配置する。
【0016】
熱源マーカ6a、6b、及び6cを結ぶ第1の線は一直線であり、熱源マーカ6e、6f、及び6gを結ぶ第2の線は一直線で第1の線と平行である。第1及び第2の線は、車両200の前後方向と平行である。距離D2及びD3は、10mから20m程度である。距離D2と距離D3は同じである必要はない。
【0017】
熱源マーカ6aと熱源マーカ6bとの間、熱源マーカ6bと熱源マーカ6cとの間を、それぞれ、連結線7a及び7bで結ぶことが好ましい。熱源マーカ6eと熱源マーカ6fとの間、熱源マーカ6fと熱源マーカ6gとの間を、それぞれ、連結線7c及び7dで結ぶことが好ましい。連結線7a~7dは、熱源マーカ6a~6c、6e~6gの発熱によって加熱されているか、熱源を有して発熱している。
図3に示す熱源マーカの数及び配置の仕方は単なる一例である。熱源マーカの形状は円柱状に限定されない。
【0018】
図3に示す状態で、可視光カメラ1及びサーモカメラ2は車両200の前方を撮影する。画像処理部3がキャリブレーションモードであるとき、スイッチ302及び312は、制御部301による制御に従って端子Taへと接続される。可視光カメラ1が車両200の前方を撮影することによって生成した
図4に示すような可視光画像は、画像合成部305に供給される。
【0019】
図4は、可視光画像のフレームF1を示している。フレームF1は、車両200の先端、熱源マーカ6a~6g、連結線7a~7dを含む。なお、車両200の先端が可視光カメラ1で撮影されず、フレームF1内に存在していなくてもよい。フレームF1の画像は時間が進行しても変化しないので、可視光画像のフレームが進行してもフレームF1と称することとする。
【0020】
サーモカメラ2が車両200の前方を撮影することによって生成した
図5に示すような赤外線画像(遠赤外線画像)は、スイッチ302を介して熱源画像補正部303に供給される。
図5は、赤外線画像のフレームF2を示している。フレームF2において、破線で示す部分、または破線で囲んでハッチングを付している領域は、周囲より温度が高く熱源が存在する箇所(熱源領域)である。熱源画像補正部303は、入力された赤外線画像を画像合成部305に供給する。同様に、フレームF2の画像は時間が進行しても変化しないので、赤外線画像のフレームが進行してもフレームF2と称することとする。
【0021】
フレームF2は、車両200の先端に相当する熱源領域200ir、熱源マーカ6a~6gに相当する熱源領域6air~6gir、連結線7a~7dに相当する熱源領域7air~7dirを含む。同様に、車両200の先端がサーモカメラ2で撮影されず、フレームF2内に存在していなくてもよい。
【0022】
画像合成部305は、入力された可視光画像と赤外線画像とを合成した合成画像を、スイッチ312を介して表示部5に供給する。画像合成部305は、可視光画像と赤外線画像との同じタイミングのフレームを合成するよう、必要に応じて可視光画像のフレームを遅延させる。
【0023】
表示部5は入力された合成画像を表示する。
図6は、可視光画像のフレームF1と赤外線画像のフレームF2とを合成したフレームF12を示している。同様に、合成画像のフレームが進行してもフレームF12と称することとする。可視光カメラ1が被写体を撮影するときの縮尺率と、サーモカメラ2が被写体を撮影するときの縮尺率とが同じではないことがあり、フレームF12においては、可視光画像と赤外線画像とがずれている。
【0024】
運転者は、表示部5に表示されているフレームF12の合成画像を見ながら、操作部4を操作してサーモカメラ2による赤外線画像を拡大または縮小するよう制御部301に指示する。制御部301は、赤外線画像を拡大または縮小するよう熱源画像補正部303を制御する。
図6は、サーモカメラ2の縮尺率が可視光カメラ1の縮尺率より大きく、赤外線画像の方が小さく表示されている状態を示している。
【0025】
制御部301が赤外線画像を拡大するよう熱源画像補正部303を制御することによって、
図7に示すように、車両200の先端、熱源マーカ6a~6g、連結線7a~7dと、熱源領域200ir、6air~6gir、7air~7dirとの互いに位置がほぼ一致する。
【0026】
可視光カメラ1が被写体を撮影するときの縮尺率とサーモカメラ2が被写体を撮影するときの縮尺率とが同じであっても、可視光画像と赤外線画像とが水平方向または垂直方向に位置がずれていることがある。この場合には、運転者は、表示部5に表示されているフレームF12の合成画像を見ながら、操作部4を操作してサーモカメラ2による赤外線画像を水平方向または垂直方向にずらせばよい。
【0027】
補正量記憶部304は、熱源画像補正部303が可視光画像と赤外線画像との位置を一致させるように赤外線画像を補正した補正量を記憶する。補正量は、可視光カメラ1とサーモカメラ2の縮尺率が同じではない場合には、赤外線画像を拡大または縮小する拡大縮小率を含む。補正量は、可視光画像と赤外線画像とが水平方向または垂直方向に位置がずれている場合には、赤外線画像を水平方向または垂直方向にずらす変位量を含む。
【0028】
以上のようにして、補正量記憶部304に、熱源マーカ6a~6g及び連結線7a~7dの位置と熱源領域6air~6gir及び7air~7dirとの位置を一致させる補正量が記憶されると、画像処理部3のキャリブレーションが完了する。以上説明した可視光画像と赤外線画像との位置を一致させるキャリブレーションは単なる一例であり、他の公知の技術を用いてもよい。さらには、可視光カメラ1とサーモカメラ2の縮尺率が同じであり、可視光画像と赤外線画像とが水平方向または垂直方向に位置がずれていない場合には、キャリブレーションを省略してよい。
【0029】
必要に応じて実行されるキャリブレーションが完了すれば、運転者は、操作部4を操作して、画像処理部3を撮影モードに設定する。制御部301は、運転者による操作部4の操作に応答して、画像処理部3を撮影モードに設定する。画像処理部3が撮影モードに設定されると、スイッチ302及び312は、制御部301による制御に従って端子Tbへと接続される。
【0030】
図8は、車両200が走行する道路の実風景の一例を示している。
図8に示す例において、車両200は降雪地の道路10の左側車線を走行している。車両200の前方には、先行車両11が走行している。道路10の両側端には、矢羽根付きポール12Pa~12Pcが設置されている。矢羽根付きポールとは、固定式視線誘導柱を正式名称とする標識である。矢羽根付きポール12Pa~12Pcの先端には、それぞれ、下向き矢印の形状を有する矢羽根12a~12cが取り付けられている。
【0031】
矢羽根12a~12cの先端の道路10と直交する方向の位置は、道路10の端部に引かれている車道外側線(外側の白線)の位置を示している。
図8においては、車道外側線は雪で覆われて見えていない。矢羽根12a~12cの先端は、地上から5メートルの位置にあるとする。
【0032】
矢羽根付きポール12Pa~12Pcのうちのいずれかを特定しない矢羽根付きポール、または矢羽根付きポール12Pa~12Pc以外のその他の任意の矢羽根付きポールを矢羽根付きポール12Pと称することとする。矢羽根12a~12cのうちのいずれかを特定しない矢羽根、または矢羽根12a~12c以外のその他の任意の矢羽根を矢羽根12と称することとする。矢羽根12は、発光ダイオード等の光源を内蔵しており、熱源となる。
【0033】
図8に示す実風景において例えば吹雪となると、
図9に示すように、視界不良となり、道路10、先行車両11、及び矢羽根12a~12cの視認性が大幅に悪化する。
【0034】
車両用撮像装置100は、画像処理部3を備えることにより、
図9に示すような視界不良の状態でも、運転者が道路10をより安全に走行することを実現している。
図10は、車両200が
図9に示す状態の道路10を走行しているときに可視光カメラ1が生成する可視光画像のフレームF10を示している。車両200の先端が可視光カメラ1で撮影されず、フレームF10内に存在していなくてもよい。可視光カメラ1が生成する可視光画像は動画像であるので、可視光画像のフレームは順次変化する。
図10に示すフレームF10は、順次変化するフレームのうちの1フレームを示している。
【0035】
サーモカメラ2が生成する赤外線画像は、スイッチ302を介して熱源領域抽出部306に供給される。熱源領域抽出部306は、赤外線画像の各フレームに含まれている所定の温度以上の領域である熱源領域を抽出する。
図11は、赤外線画像のフレームF20において抽出された熱源領域を示している。同様に、
図11に示すフレームF20は、順次変化するフレームのうちの1フレームを示している。フレームF10とフレームF20とは同じタイミングのフレームである。
【0036】
フレームF20は、車両200の先端に相当する熱源領域200ir、先行車両11に相当する熱源領域11ir、矢羽根12a~12cに相当する熱源領域12air~12cirを含む。車両200の先端がサーモカメラ2で撮影されず、フレームF20内に存在していなくてもよい。
【0037】
熱源領域抽出部306は、抽出した熱源領域を含む赤外線画像の各フレームを熱源領域補正部307に供給する。熱源領域補正部307は、補正量記憶部304に記憶されている補正量だけ赤外線画像の各フレームを補正する。熱源領域補正部307は、補正した各フレームを特定熱源領域判定部308及び補助画像生成部310に供給する。
【0038】
熱源領域補正部307が赤外線画像の各フレームを補正せず、熱源領域抽出部306より出力される赤外線画像の各フレームがそのまま特定熱源領域判定部308及び補助画像生成部310に供給されることがある。
【0039】
特定熱源領域判定部308には車両速度が入力される。車両速度は、車両200の位置情報の変化に基づいて検出されてもよいし、ECU(Electronic Control Unit)から取得されてもよい。前者の場合、図示していないGNSS受信部は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System: GNSS)用の3つ以上の衛星から送信されるGNSS信号を受信する。図示していない位置算出部は、受信したGNSS信号に基づいて車両200の現在位置(位置情報)を算出する。図示していない車両速度検出部は、位置算出部より供給される位置情報の変化に基づいて車両速度を検出する。
【0040】
特定形状記憶部309には、車両200が走行する道路10を可視光画像上に示すために用いる道路10上の設置物の形状である特定形状を示すデータが記憶されている。下向き矢印の矢羽根12の形状が特定形状の一例である。特定熱源領域判定部308は、入力される車両速度に基づいて、抽出した熱源領域から移動体の熱源領域を除外し、特定形状記憶部309に記憶されている特定形状を示すデータに基づいて、特定熱源領域の有無を判定する。特定熱源領域とは、車両200が走行する道路10を可視光画像上に示すために用いる道路10上の設置物の熱源領域である。
【0041】
矢羽根付きポール12Pの先端に取り付けられている矢羽根12は、車両200が走行する道路10を可視光画像上に示すために用いる道路10上の設置物の好適な一例である。車両200が走行する道路10を可視光画像上に示すために用いる道路10上の設置物は、矢羽根12に限定されない。矢羽根12の他、特定の形状を有する街灯を、道路10を可視光画像上に示すために用いる道路10上の設置物とすることができる。特定熱源領域判定部308は、
図11に示す赤外線画像のフレームF20において、熱源領域12air~12cirを特定熱源領域であると判定する。
【0042】
特定熱源領域判定部308は、補助画像生成部310に、熱源領域12air~12cirが特定熱源領域であることを知らせる。一例として、特定熱源領域判定部308は、特定熱源領域である熱源領域12air~12cirの画素位置を示す位置情報を補助画像生成部310に供給すればよい。
【0043】
補助画像生成部310は、熱源領域補正部307から供給される赤外線画像のフレームに基づいて、可視光画像に重畳すべき補助画像を生成する。熱源領域補正部307から供給される赤外線画像のフレームが
図11に示す赤外線画像のフレームF20に含まれる熱源領域200ir、11ir、12air~12cirのうち、熱源領域12air~12cirが特定熱源領域である。
【0044】
そこで、補助画像生成部310は、
図12に示すように、熱源領域12air~12cirの各下端の位置から垂直方向の下方に伸びる垂直補助画像13a~13cと、垂直補助画像13a~13cの下端を互いに連結する連結補助画像14ab、14ac、14bcとを含むフレームF11を生成する。垂直補助画像13a~13c及び連結補助画像14ab~14bcは、可視光画像よりなる。フレームF11において、二点鎖線で示す熱源領域12air~12cirは、
図11に示すフレームF20における熱源領域12air~12cirの位置を示すために記載しており、フレームF11が熱源領域12air~12cirを示す画像を含むものではない。
【0045】
垂直補助画像13a~13cのうちのいずれかを特定しない垂直補助画像または垂直補助画像13a~13c以外のその他の任意の垂直補助画像を垂直補助画像13と称することとする。連結補助画像14ab~14bcのうちのいずれかを特定しない連結補助画像または連結補助画像14ab~14bc以外のその他の任意の連結補助画像を連結補助画像14と称することとする。
【0046】
上記のように矢羽根12の先端は、地上から5メートルの位置にあるから、補助画像生成部310は、フレームF11内の熱源領域12air~12cirの下端の各位置から5メートルに相当する垂直方向の画素数を有する垂直補助画像13a~13cを生成する。補助画像生成部310は、垂直補助画像13a~13cを生成せず、連結補助画像14ab~14bcのみを生成してもよい。この場合、補助画像生成部310は、フレームF11内の熱源領域12air~12cirの下端の各位置から5メートルに相当する垂直方向の画素数だけ下方の位置を互いに連結する連結補助画像14ab~14bcを生成すればよい。矢羽根12の先端が地上から5メートル以外の位置にあれば、補助画像生成部310は、矢羽根12の先端から地上までの距離に相当する垂直補助画像13を生成すればよい。矢羽根12の高さ方向の位置は任意である。
【0047】
連結補助画像14ab~14bcを第1の補助画像、垂直補助画像13a~13cを第2の補助画像とすれば、補助画像生成部310は、少なくとも第1の補助画像を生成し、第1の補助画像に加えて第2の補助画像を生成するのがよい。
【0048】
補助画像生成部310は、先行車両11の熱源領域11irのような移動体の熱源領域に基づいて補助画像を生成してもよい。補助画像生成部310は、移動体の熱源領域の輪郭線または移動体の熱源領域を塗りつぶした画像を補助画像とすればよい。可視光カメラ1及びサーモカメラ2によって歩行者が撮影されれば、補助画像生成部310は、歩行者熱源領域に基づいて補助画像を生成することができる。
【0049】
補助画像重畳部311は、可視光カメラ1から供給される可視光画像に、補助画像生成部310が生成する補助画像を重畳する。補助画像重畳部311は、
図10に示す可視光画像のフレームF10に
図12に示すフレームF11における垂直補助画像13a~13c及び連結補助画像14ab~14bcを重畳する。補助画像重畳部311は、可視光画像のフレームに、可視光画像のフレームと同じタイミングの赤外線画像のフレームに含まれる特定熱源領域に基づく補助画像を重畳するよう、必要に応じて可視光画像のフレームを遅延させる。
【0050】
補助画像を重畳した可視光画像は、スイッチ312を介して表示部5に供給される。表示部5は、補助画像を重畳した可視光画像を表示する。可視光画像が
図10に示すフレームF10であり、補助画像生成部310が生成する補助画像が
図12に示すフレームF11であるとき、表示部5には
図13に示すようなフレームF111が表示される。
【0051】
図13に示すように、吹雪による視界不良で、先行車両11及び矢羽根12a~12cは可視光画像としてほとんど見えてない。運転者は、連結補助画像14ab~14bcで囲まれた領域を道路10の路面であると認識することができる。運転者は、垂直補助画像13a~13cによって、道路10の端部を認識することができる。可視光画像に垂直補助画像13を重畳すれば、道路10の端部が認識しやすくなるので、連結補助画像14に加えて垂直補助画像13を重畳することが好ましい。
【0052】
上記のように、補助画像生成部310が特定熱源領域以外の熱源領域に対応する補助画像を生成すれば、
図13に示す可視光画像のフレームF111には、特定熱源領域以外の熱源領域に対応する補助画像も重畳される。
【0053】
図14は、道路10の両側端に合計6個の矢羽根付きポール12Pが設置されている場合に、各矢羽根12に相当する熱源領域12irの下端に垂直補助画像13を付加し、各垂直補助画像13の下端を連結補助画像14で連結したフレームF11を示している。
図14に示すように多くの連結補助画像14が交差すると見づらくなる。
【0054】
そこで、補助画像生成部310は、
図15に示すように、第3の補助画像として、連結補助画像14で囲まれた領域を例えば単色で塗りつぶした塗りつぶし補助画像15としたフレームF11’を生成するのがよい。運転者は、塗りつぶし補助画像15を道路10の路面であると認識することができる。塗りつぶし補助画像15の色は、目立つ任意の色でよい。
【0055】
図16は、道路10の両側端に合計4個の矢羽根付きポール12Pが設置されている場合に、各矢羽根12に相当する熱源領域12irの下端に垂直補助画像13を付加し、各垂直補助画像13の下端を連結補助画像14で連結したフレームF11を示している。
図17は、連結補助画像14で囲まれた領域を例えば単色で塗りつぶした塗りつぶし補助画像15としたフレームF11’を示している。補助画像生成部310は、垂直補助画像13が4本以上であるときに、連結補助画像14で囲まれた領域を塗りつぶし補助画像15とするのがよい。
図12に示す垂直補助画像13が3本である場合に、連結補助画像14で囲まれた領域を塗りつぶし補助画像15としても構わない。
【0056】
補助画像生成部310は、垂直補助画像13が所定の本数以上であるとき、即ち、1フレーム内に特定熱源領域であると判定された熱源領域が所定の数以上あるとき、連結補助画像14で囲まれた領域を所定の色で塗りつぶした塗りつぶし補助画像15を生成すればよい。所定の本数は任意の複数の本数である。補助画像重畳部311は、特定熱源領域であると判定された熱源領域が所定の数以上あるフレームに塗りつぶし補助画像15を重畳する。
【0057】
図18A及び
図18Bに示すフローチャートを用いて、画像処理部3による撮影モードの動作である一実施形態に係る画像処理装置の動作、及び一実施形態に係る撮像方法を説明する。
図18Aに示す処理が開始される前にキャリブレーションモードによる上述したキャリブレーションが完了している。
【0058】
図18Aにおいて、画像処理部3が撮影モードの処理を開始すると、熱源領域抽出部306は、ステップS1にて、赤外線画像のフレーム内に所定の温度以上の領域である熱源領域があるか否かを判定する。熱源領域がなければ(NO)、熱源領域抽出部306はステップS1の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS1にて赤外線画像のフレーム内に熱源領域があれば(YES)、熱源領域抽出部306は、ステップS2にて、熱源領域のエッジを判断して熱源領域を抽出する。熱源領域抽出部306は、ステップS3にて、フレーム内の熱源領域の位置及び画素数を算出する。熱源領域補正部307は、ステップS4にて、熱源領域の位置及び画素数を補正する。ステップS4は省略されることがある。
【0060】
特定熱源領域判定部308は、ステップS5にて、熱源領域の実際の大きさを算出する。特定熱源領域判定部308は、ステップS6にて、タイマを開始して、ステップS7にて、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していなければ(NO)、制御部301はステップS7の処理を繰り返す。所定時間が経過していれば(YES)、特定熱源領域判定部308は、ステップS8にて、熱源領域の見かけ上の移動速度から車両速度を減算して、熱源領域の実際の移動速度を算出する。
【0061】
特定熱源領域判定部308は、ステップS9にて、熱源領域の移動速度が時速2km未満であるか否かを判定する。熱源領域の移動速度が時速2km未満であれば(YES)、特定熱源領域判定部308は、ステップS10にて、熱源領域が特定形状を有するか否かを判定する。熱源領域の移動速度が時速2km未満であれば、熱源領域は移動体ではなく、標識等の固定物であると想定される。熱源領域が特定形状を有すれば(YES)、特定熱源領域判定部308は、ステップS11にて、熱源領域は特定熱源領域であると判定して、処理を
図18BのステップS12に移行させる。
【0062】
図18Aにおいては、熱源領域の移動速度と形状とに基づいて特定熱源領域を判定しているが、熱源領域の移動速度のみに基づいて特定熱源領域を判定してもよいし、熱源領域の形状のみに基づいて特定熱源領域を判定してもよい。熱源領域の移動速度と形状とに基づいて特定熱源領域を判定することが好ましい。なお、熱源領域は移動体ではなく固定物であると判断するための移動速度が時速2km未満であるか否かは一例であり、時速2km未満に限定されない。
【0063】
また、
図18Aにおいては、熱源領域の移動速度を判定した後に、熱源領域の形状を判定しているが、熱源領域の形状を判定した後に、熱源領域の移動速度を判定してもよい。より具体的には、特定熱源領域判定部308は、熱源領域が特定形状を有すれば(YES)、熱源領域の移動速度が時速2km未満であるか否かを判定し、熱源領域が特定形状を有しなければ(NO)、処理を
図18BのステップS19に移行させる。特定熱源領域判定部308は、熱源領域の移動速度が時速2km未満であれば(YES)、熱源領域は特定熱源領域であると判定し、熱源領域の移動速度が時速2km未満でなければ(NO)、熱源領域は特定熱源領域ではないと判定する。
【0064】
ステップS9にて熱源領域の移動速度が時速2km未満でなければ(NO)、特定熱源領域判定部308は、ステップS20にて、熱源領域は移動体であると判定して、処理を
図18BのステップS19に移行させる。ステップS10にて熱源領域が特定形状を有しなければ(NO)、特定熱源領域判定部308は、ステップS21にて、熱源領域は特定熱源領域ではないと判定して、処理を
図18BのステップS19に移行させる。
【0065】
図18Bにおいて、補助画像生成部310は、ステップS12にて、複数の特定熱源領域の各下端の位置から下方向に伸びる垂直補助画像13を生成し、ステップS13にて、垂直補助画像13の各下端の位置を連結した連結補助画像14を生成する。補助画像生成部310は、ステップS14にて、垂直補助画像13が4本以上であるか否かを判定する。垂直補助画像13が4本以上でなければ(NO)、補助画像重畳部311は、ステップS15にて、可視光画像に垂直補助画像13及び連結補助画像14を重畳して、重畳可視光画像を表示部5に供給する。
【0066】
ステップS14にて垂直補助画像13が4本以上であれば(YES)、補助画像生成部310は、ステップS16にて、連結補助画像14で囲まれた領域に塗りつぶし補助画像15を生成する。補助画像重畳部311は、ステップS17にて、可視光画像に垂直補助画像13及び塗りつぶし補助画像15を重畳して、重畳可視光画像を表示部5に供給する。
【0067】
ステップS15またはS17に続けて、表示部5は、ステップS18にて、重畳可視光画像を表示して、処理をステップS19に移行させる。制御部301は、ステップS19にて、車両用撮像装置100の電源オフ等によって動作を終了するか否かを判定する。動作を終了しなければ(NO)、画像処理部3は、処理を
図18AのステップS1に戻し、ステップS1以降の処理を繰り返す。動作を終了すれば(YES)、画像処理部3は処理を終了させる。
【0068】
以上のように、一実施形態に係る画像処理装置及び撮像方法によれば、夜間、または昼間でも霧の発生時または降雪時等で車両200が走行する道路10を認識しにくいときに、道路10の視認性を向上させることができる。
【0069】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 可視光カメラ
2 サーモカメラ
3 画像処理部
4 操作部
5 表示部
100 車両用撮像装置
200 車両
301 制御部
302,312 スイッチ
303 熱源画像補正部
304 補正量記憶部
305 画像合成部
306 熱源領域抽出部
307 熱源領域補正部
308 特定熱源領域判定部
309 特定形状記憶部
310 補助画像生成部
311 補助画像重畳部