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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160453
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】溶着性ビーズ玩具用作成台
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
A63H33/00 304C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075452
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境 亮
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150BA17
2C150FB30
2C150FB43
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し易い溶着性ビーズ玩具用作成台を提供する。
【解決手段】溶着性ビーズ玩具用作成台10は、複数の貫通孔36を有し、貫通孔36の上側に溶着性ビーズ玩具を載置可能に形成されている第1テーブルと、前記貫通孔の貫通方向の他方側から前記貫通孔に挿抜可能に形成されている複数のピンと、紙が保持される紙保持部と、を有する第2テーブルと、を備え、前記第1テーブルは、隣接する複数の前記貫通孔が該貫通孔の径方向に連通されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有し、前記貫通孔の貫通方向の一方側に溶着性ビーズ玩具を載置可能に形成されている第1テーブルと、
前記貫通孔の貫通方向の他方側から前記貫通孔に挿抜可能に形成されている複数のピンと、紙が保持される紙保持部と、を有する第2テーブルと、を備え、
前記第1テーブルは、隣接する複数の前記貫通孔が該貫通孔の径方向に連通されている、
溶着性ビーズ玩具用作成台。
【請求項2】
前記第1テーブルは、隣接する2つ又は3つの前記貫通孔が前記径方向の一方向に連通されている、請求項1に記載の溶着性ビーズ玩具用作成台。
【請求項3】
前記第1テーブルは、前記一方向における略中央側の領域にのみ3つの前記貫通孔が連通された前記貫通孔を含み、他の領域は2つの前記貫通孔が連通された前記貫通孔を含む、請求項2に記載の溶着性ビーズ玩具用作成台。
【請求項4】
複数の前記ピンが複数の前記貫通孔に挿通されるように前記第1テーブルを前記第2テーブルに重ね合わせ可能に接続するヒンジを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の溶着性ビーズ玩具用作成台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着性ビーズ玩具用作成台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、溶着性ビーズ玩具用作成台に載置された溶着性ビーズ玩具の集合体を、完全に乾燥する前に取り外して次の溶着性ビーズ玩具の集合体を作成することができる溶着性ビーズ玩具用作成台が開示されている。例えば、特許文献1には、溶着性ビーズ玩具を並べて載置するテーブルと、このテーブルと共に反転させて、並べた溶着性ビーズ玩具を受けて移動させ、乾燥させる受面を備えるレシーバとを有する溶着性ビーズ玩具用作成台が開示されている。テーブルには、溶着性ビーズ玩具を載置するための複数の貫通孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-191839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような溶着性ビーズ玩具用作成台では、使用者は、テーブル上に溶着性ビーズ玩具を載置して任意の図柄を作成する際、テーブルの下面側に図柄等が記載された紙を保持させ、テーブルを透過して見える紙の図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置することがある。しかしながら、上記特許文献1の溶着性ビーズ玩具用作成台は、テーブルに形成された各貫通孔が分離しているため、貫通孔が形成されていない部分では、上面側から下面側の紙が見難いことがあり、図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し難いことがあった。
【0005】
本発明は、図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し易い溶着性ビーズ玩具用作成台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の溶着性ビーズ玩具用作成台は、複数の貫通孔を有し、前記貫通孔の貫通方向の一方側に溶着性ビーズ玩具を載置可能に形成されている第1テーブルと、前記貫通孔の貫通方向の他方側から前記貫通孔に挿抜可能に形成されている複数のピンと、紙が保持される紙保持部と、を有する第2テーブルと、を備え、前記第1テーブルは、隣接する複数の前記貫通孔が該貫通孔の径方向に連通されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し易い溶着性ビーズ玩具用作成台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用作成台を上方側から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用作成台において、第1テーブルを開いた状態を上方側から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用作成台において、第1テーブルを開いた状態を下方側から見た斜視図である。
図4】第1テーブルを上方側から見た拡大斜視図である。
図5】本体部を上方側から見た拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用作成台10は、本体部20と、第1テーブル30と、第2テーブル40と、を備えている。第1テーブル30は、一対のヒンジHを介して第2テーブル40と接続されている。第2テーブル40は、本体部20上に設けられている。溶着性ビーズ玩具用作成台10は、透明な樹脂材料(例えばポリプロピレン)の射出成形により一体成形されており、本体部20及び第1テーブル30は略板状に形成されている。第1テーブル30及び第2テーブル40は、いずれも略正方形状かつ略等しいサイズで形成されている。第1テーブル30は、一対のヒンジHを折り曲げることにより第2テーブル40上に重ね合わせ可能とされる。
【0010】
以下では、一対のヒンジHを折り曲げて第2テーブル40上に第1テーブル30を重ね合わせた(近接させた)状態を「第1テーブル30を閉じた状態」といい、一対のヒンジHを折り曲げずに第1テーブル30を第2テーブル40から離間させた状態を「第1テーブル30を開いた状態」という。また、以下では、第2テーブル40に対して第1テーブル30が重なり合う側を上側、その反対側を下側とし、溶着性ビーズ玩具用作成台10を上方側から見たときにヒンジHが設けられている側を前側、その反対側を後側とし、溶着性ビーズ玩具用作成台10を前側から見たときの右側を右側、その反対側を左側とする。
【0011】
第1テーブル30の上面30aには、溶着性ビーズ玩具を複数載置することができる。溶着性ビーズ玩具用作成台10は、複数の溶着性ビーズ玩具を、種々の図柄等に合わせて配置して、霧吹き等で水を噴霧することで溶着性ビーズ玩具同士を結合して遊ぶ玩具である。第2テーブル40の下面40bには、後述する紙保持板(紙保持部)48A及び紙保持リブ(紙保持部)48Bが設けられており(図3参照)、図柄等が記載された紙を保持することができる。紙保持板48A及び紙保持リブ48Bに保持された紙の図柄は、第2テーブル40及び第1テーブル30を透過して第1テーブル30の上方から見ることができる。従って、使用者は、紙保持板48A及び紙保持リブ48Bに保持された紙の図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を配置することができる。
【0012】
第1テーブル30に載置される溶着性ビーズ玩具は、水溶性材料の樹脂により形成されている。具体的には、ポリビニルアルコールを樹脂に配合して混錬して形成されている。また、溶着性ビーズ玩具を形成する樹脂は、透明材料や透光性を有する材料又は不透明材料を適宜選択して形成することができる。また、溶着性ビーズ玩具は、球形や、多面体等の種々の形態のものを用いることができる。
【0013】
まず、本体部20の構成について説明する。図2に示すように、本体部20は、後端部が内側に向かって略凸円弧状とされた横長の略矩形板状の部材となっており、外縁部分には他の領域よりも大きな厚みで形成された略環状のフレーム部22が設けられている。フレーム部22によって囲まれる本体部20の内側には、第2テーブル40及び一対の乾燥テーブル24が設けられている。第2テーブル40は本体部20の左右方向中央部に略正方形状に設けられており、一対の乾燥テーブル24は第2テーブル40の左右両側に夫々設けられている。
【0014】
図2及び図5に示すように、第2テーブル40の上面40aにおいて左右方向に対向する一組の2辺には、夫々壁の高さが低い上面低壁部42が前後方向に沿って設けられている。上面低壁部42には、上面低壁部42に沿って板ガイド42Aが設けられている。板ガイド42Aは、2か所の上面低壁部42の各々に、上面低壁部42に沿って前後方向に所定間隔を空けて2つずつ、合計4個設けられている。板ガイド42Aの板厚は、上面低壁部42の厚みよりわずかに大きな厚みで形成されている。板ガイド42Aは、内側の壁面が上面低壁部42の内側の面と連続しており、面一となっている。
【0015】
各板ガイド42Aの外側には、板ガイド42Aと左右方向に所定間隔を空けてガイド板バネ42Bが設けられている。ガイド板バネ42Bは、板ガイド42Aと平行に設けられており、板厚が上面低壁部42の厚みと略等しく形成されている。ガイド板バネ42Bは、基端から上側に向かって漸次板厚が薄くなるテーパ状に形成されており、バネ性を有している。各ガイド板バネ42Bの外側の面の上部には、外側にわずかに突出する係合突起42B1が設けられている(図5参照)。
【0016】
第2テーブル40の上面40aにおいて前後方向に対向する一組の2辺の左右方向略中央部には、バネ性を有するように形成された略板状の規制板バネ44Bが夫々設けられている。各規制板バネ44Bは、両板面を前後方向に向けた姿勢で左右方向に沿って設けられている。各規制板バネ44Bの内側の面の上部には、内側に向けて鉤状にわずかに突出する規制突起44B1が設けられている。
【0017】
第2テーブル40の前側は、フレーム部22が切り欠かれて開放されており、そこに左右方向に所定間隔を空けて一対のヒンジHが設けられている。各ヒンジHは、薄肉部と厚肉部が接続方向に交互に設けられた蛇腹状の略矩形シート状に形成されており、可撓性を有している。各ヒンジHは、第1テーブル30を開いた状態では、両シート面を上下方向に向けた姿勢とされる。また、第2テーブル40の上面40aには、上方に立ち上がる複数のピン46が設けられている。複数のピン46は、行及び列が千鳥状の配置で設けられている。各ピン46は、上側が縮径された略円錐台状に形成されている。
【0018】
図3に示すように、第2テーブル40の下面40bの外縁部分には、略矩形環状の壁状に形成された壁の高さが低い下面低壁部48が設けられている。下面低壁部48において左右方向に対向する一組の2辺には、下面低壁部48の立ち上がり先端部から内側に板状に延びる上述した紙保持板48Aが設けられている。紙保持板48Aは、左右両側の下面低壁部48の各々に、両板面を上下方向に向けた姿勢で前後方向に所定間隔を空けて2つずつ、合計4個設けられている。
【0019】
また、下面低壁部48において前後方向に対向する一組の2辺には、下面低壁部48から内側にリブ状に延びる上述した紙保持リブ48Bが設けられている。紙保持リブ48Bは、前後両側の下面低壁部48の各々に、左右方向に所定間隔を空けて3つずつ、合計6個設けられている。各紙保持リブ48Bの先端部は、第2テーブル40の下面40bに向けて傾斜するテーパ状とされている。
【0020】
紙保持板48A及び紙保持リブ48Bに略正方形状の紙を保持させる場合、紙の前後両辺を各紙保持リブ48Bのテーパ状の部分に載せ、紙の左右両辺を第2テーブル40の下面40bと各紙保持板48Aとの間に挿し込む。これにより、第2テーブル40の下面40bに紙が係止され、保持されるようになっている。
【0021】
一対の乾燥テーブル24は、水が噴霧された溶着性ビーズ玩具を乾燥させるためのテーブルである。図5の拡大図E2に示すように、乾燥テーブル24の上面24aには、略円形状の複数の微小凸部24a1からなる水はけ加工が施されている(図5では、各乾燥テーブル24の縁部分のみ微小凸部24a1を図示している)。乾燥テーブル24上に載置された溶着性ビーズ玩具から生じた水分は、微小凸部24a1の間に落ちて蒸発するようになっている。また、各乾燥テーブル24の下面24bには、前後左右、及び斜め方向に延びる複数の補強リブ24b1が設けられている。これらの補強リブ24b1により、本体部20の補強がなされている。
【0022】
次に、図4を参照して、第1テーブル30の構成について説明する。第1テーブル30は、閉じた状態(図1参照)において上方に向けられた面が上面30aとされる。従って、第1テーブル30を開いた状態(図3参照)では、第1テーブル30の上面30aは下方に向けられ、下面30bは上方に向けられる。第1テーブル30では、略正方形状とされたテーブル面の左右両側が外側に張り出しており、その張り出した部分の四隅に前後方向に長い矩形状の貫通孔とされるガイド孔32が夫々設けられている。
【0023】
各ガイド孔32の外側には、上方に向けて壁状に立ち上がる立ち上がり部34Aが設けられている。各立ち上がり部34Aの先端には、外側に向けて略直角に折れ曲がり、略板状にわずかに張り出す張出部34Bが夫々設けられている。各張出部34Bの先端部は、略円弧状とされている。4つのガイド孔32のうち、前後方向に並んだ2つのガイド孔32の間には、夫々傾斜面35が設けられている。各傾斜面35は、外側に向かって第1テーブル30の上面30a側から下面30b側に傾斜するように形成されている。
【0024】
第1テーブル30には、円形状に開口し、上下方向を貫通方向とする複数の貫通孔36が設けられている。各貫通孔36は、第1テーブル30を閉じた状態において、第2テーブル40に設けられた各ピン46と上下方向において重なる位置に夫々設けられている。従って、各貫通孔36は、行及び列が千鳥状の配置で設けられている。各貫通孔36の開口は、各ピン46を挿通可能な大きさとされている。換言すれば、各ピン46は、各貫通孔36に挿抜可能に形成されている。また、各貫通孔36の開口径は、溶着性ビーズ玩具の直径よりも一回り小さい。このため、各貫通孔36の開口縁上に溶着性ビーズ玩具を載置可能となっている。
【0025】
図4の拡大図E1に示すように、各貫通孔36は、隣接する2つ又は3つの貫通孔36が連通溝36aによって左右方向(貫通孔36の径方向の一方向)に連通されている。詳しくは、第1テーブル30は、左右方向における略中央側の領域R1にのみ3つの貫通孔36が連通された貫通孔群36G3を含んでおり、他の領域は2つの貫通孔36が連通された貫通孔群36G2を含んでいる。略中央側の領域R1では、2つの貫通孔36が連通された貫通孔群36G2と3つの貫通孔36が連通された貫通孔群36G3が、前後方向に交互に千鳥状となるように配置されている。また、隣接する貫通孔36同士のうち、連通されていない貫通孔36同士の間には、貫通孔36同士を接続する浅い溝状の接続溝36bが設けられている。
【0026】
図2に示すように、第1テーブル30の下面30bには、第1テーブル30の外縁に沿って下方に向けて立設する壁状の縁壁38が設けられている。縁壁38のうち前後に対向する2辺の内壁面の左右方向略中央部には、第1テーブル30の下面30bとの間に段差をなして内側に突出する段状凸部38aが夫々設けられている。第1テーブル30の上面30aのうち各段状凸部38aと対応する部分には、段差をなして凹んでなる段状凹部38bが夫々設けられている(図4参照)。上述した一対のヒンジHは、一方の段状凹部38bの両側において、第1テーブル30の上面の外縁部分に夫々接続されている。
【0027】
図1に示すように、第1テーブル30と第2テーブル40は、一対のヒンジHを折り曲げて第2テーブル40の上面40aに第1テーブル30の下面30bを重ね合わせ、ガイド孔32にガイド板バネ42B及び板ガイド42Aを挿通させることにより組み合わせることができる。ガイド孔32の開口縁は、板ガイド42Aの内側面及びガイド板バネ42Bの外側面と近接又は接触してガイドされる。換言すれば、ガイド孔32、ガイド板バネ42B、及び板ガイド42Aは、第1テーブル30と第2テーブル40を接近・離間可能に上下方向にガイドする。
【0028】
図1に示すように、第1テーブル30は、各段状凹部38bが各規制板バネ44Bに係合されて規制突起44B1と当接することにより、上方への移動が規制される。第1テーブル30は、ガイド孔32にガイド板バネ42B及び板ガイド42Aを挿通させ、各段状凹部38bが規制突起44B1と当接する前の状態では、ガイド板バネ42Bの係合突起42B1の上側にガイド孔32が位置する。この状態で係合突起42B1とガイド孔32の縁部が当接することで、第1テーブル30と第2テーブル40が上下方向に所定の間隔を空けて離間し、かつ各ピン46が各貫通孔36から脱出した状態が維持される。
【0029】
次に、溶着性ビーズ玩具用作成台10を用いて溶着性ビーズ玩具の集合体を作成する方法について説明する。まず、第1テーブル30を第2テーブル40上に重ね合わせ、第1テーブル30と第2テーブル40が上下方向に所定の間隔を空けて離間し、かつ各ピン46が各貫通孔36から脱出した状態とする。この状態において、第2テーブル40の紙保持板48A及び紙保持リブ48Bに、任意の図柄が記載された紙を保持させる。次に、第1テーブル30の貫通孔36のうち、紙に記載された任意の図柄に対応する貫通孔36(図柄と重なる部分の貫通孔36)上に複数の溶着性ビーズ玩具を載置する。
【0030】
このとき、第1テーブル30における貫通孔36のうちピン46と重ならない部分及び連通溝36aが設けられた部分では、第2テーブル40の上面40aが露出するため、第1テーブル30における他の部分と比べて、第2テーブル40の下面40bに保持された紙を第1テーブル30の上方からより鮮明に視認することができる。このため、紙に記載された任意の図柄に沿って貫通孔36上に効果的に溶着性ビーズ玩具を載置することができる。
【0031】
貫通孔36上に溶着性ビーズ玩具を載置した状態では、ピン46の先端と溶着性ビーズ玩具は接触せず、離間している。複数の溶着性ビーズ玩具を載置し終わったら、霧吹き等で複数の溶着性ビーズ玩具に水を噴霧する。第1テーブル30に噴霧された水は、接続溝36b、連通溝36a、貫通孔36を介して第2テーブル40上に貯留されるため、第1テーブル30の表面から溶着性ビーズ玩具用作成台10の外側にこぼれて落ちることがほとんどない。濡れた不要な溶着性ビーズ玩具は、第1テーブル30の両側の傾斜面35上を転がして各乾燥テーブル24へと移動させることができ、乾燥テーブル24上で効果的に乾燥させることができる。
【0032】
次に、張出部34Bを両手で下方に押す等して第1テーブル30を第2テーブル40側に向けて押し込むと、第1テーブル30が第2テーブル40に接近する。このとき、ガイド板バネ42Bは、係合突起42B1と当接するガイド孔32の縁で板ガイド42A側に弾発して反る。すると、ガイド孔32は、係合突起42B1を乗り越えることができる。ガイド孔32が係合突起42B1を乗り越えると、縁壁38の先端部(下端部)が第2テーブル40の上面40aに当接し、第1テーブル30の下方への移動が規制される。
【0033】
また、縁壁38の先端部が第2テーブル40の上面40aに当接することにより、各ピン46の先端部が各貫通孔36を貫通して溶着性ビーズ玩具に下側から当接し、溶着性ビーズ玩具が各貫通孔36の上側の開口縁に対して相対的に押し上げられる。溶着性ビーズ玩具は、支持されていた各貫通孔36の上側の開口縁から離間し、各貫通孔36による支持が解除される。このときには、複数の溶着性ビーズ玩具は手で持てる程度に結合しているので、各貫通孔36による支持が解除されて各ピン46の先端部により支持されている複数の溶着性ビーズ玩具を手で持ち上げて溶着性ビーズ玩具用作成台10から取り外し、溶着性ビーズ玩具の集合体の作成が完了する。
【0034】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る溶着性ビーズ玩具用作成台10では、第1テーブル30の貫通孔36上に溶着性ビーズ玩具を載置する際、第1テーブル30の上方から、貫通孔36の空いている部分を通してのみならず連通溝36aを通しても第2テーブル40を直接見ることができる。このため、例えば貫通孔36が全て分離されて連通溝36aを有さないような構成と比べて連通溝36aが設けられた分だけ第2テーブル40が露出する面積が増えるため、第2テーブル40の下面40bに保持された図柄をより鮮明に視認することができ、その図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を効果的に載置することができる。このように本発明の実施形態では、図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し易い溶着性ビーズ玩具用作成台10を実現することができる。
【0035】
また、溶着性ビーズ玩具用作成台10は、一つの金型を用いて一体成形により製造できるため、複数回の成形工程を経て製造される溶着性ビーズ玩具用作成台と比べて製造コストを削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0036】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の溶着性ビーズ玩具用収納ケースを提供することができる。
【0037】
第1の態様に係る溶着性ビーズ玩具用作成台は、複数の貫通孔を有し、前記貫通孔の貫通方向の一方側に溶着性ビーズ玩具を載置可能に形成されている第1テーブルと、前記貫通孔の貫通方向の他方側から前記貫通孔に挿抜可能に形成されている複数のピンと、紙が保持される紙保持部と、を有する第2テーブルと、を備え、前記第1テーブルは、隣接する複数の前記貫通孔が該貫通孔の径方向に連通されている。
【0038】
この構成によれば、第2テーブル上に第1テーブルを重ね合わせて第1テーブル30の貫通孔上に溶着性ビーズ玩具を載置する際、第1テーブルの上方から、貫通孔の空いている部分を通してだけでなく、隣接する貫通孔同士を連通する溝部を通しても第2テーブルを直接見ることができる。このため、隣接する貫通孔同士が連通しない構成と比べて第2テーブルの紙保持部に保持された図柄等が記載された紙をより鮮明に視認することができるため、図柄に倣って溶着性ビーズ玩具を載置し易い溶着性ビーズ玩具用作成台を実現することができる。
【0039】
第2の態様に係る溶着性ビーズ玩具用作成台は、前記第1テーブルは、隣接する2つ又は3つの前記貫通孔が前記径方向の一方向に連通されている。
【0040】
この構成によれば、第1テーブルの強度を確保しながら、第2テーブルの紙保持部に保持された紙等を視認し易くするための連通される貫通孔同士の数について具体的な構成を提供することができる。
【0041】
第3の態様に係る溶着性ビーズ玩具用作成台は、前記第1テーブルは、前記一方向における略中央側の領域にのみ3つの前記貫通孔が連通された前記貫通孔を含み、他の領域は2つの前記貫通孔が連通された前記貫通孔を含む。
【0042】
第1テーブルの強度を確保するためには、第1テーブルの略中央部よりも外縁部の強度を高める必要がある。この構成によれば、第1テーブルの強度を確保しながら、第2テーブルの紙保持部に保持された紙等を視認し易くするために2つ連通される貫通孔同士及び3つ連通される貫通孔同士の具体的な配置態様を提供することができる。
【0043】
第4の態様に係る溶着性ビーズ玩具用作成台は、複数の前記ピンが複数の前記貫通孔に挿通されるように前記第1テーブルを前記第2テーブルに重ね合わせ可能に接続するヒンジを有する。
【0044】
この構成によれば、第1テーブルと第2テーブルの間がヒンジで接続されて両者が離れることがないため、第2テーブルから離れて第1テーブルを紛失することを防止することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば上記の実施形態では、隣接する2つ又は3つの貫通孔同士が連通された構成を例示したが、連通される貫通孔の個数はこれに限定されない。第1テーブルの強度を維持できるのであれば、連通溝をより多く設けた方が第2テーブルの露出する面積がより増えるため、連通される貫通孔の個数が多いほど、保持部に保持される紙等を第1テーブルの上方からより鮮明に視認することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 溶着性ビーズ玩具用作成台 20 本体部
22 フレーム部 24 乾燥テーブル
24a 上面 24a1 微小凸部
24b 下面 24b1 補強リブ
30 第1テーブル 30a 上面
30b 下面 32 ガイド孔
34A 立ち上がり部 34B 張出部
35 傾斜面 36 貫通孔
36G2 貫通孔群 36G3 貫通孔群
36a 連通溝 36b 接続溝
38 縁壁 38a 段差凸部
38b 段差凹部 40 第2テーブル
40a 上面 40b 下面
42 上面低壁部 42A 板ガイド
42B ガイド板バネ 42B1 係合突起
44B 規制板バネ 44B1 規制突起
46 ピン 48 下面低壁部
48A 紙保持板 48B 紙保持リブ
H ヒンジ R1 領域
図1
図2
図3
図4
図5