(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160473
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】車両荷台用収納ユニット
(51)【国際特許分類】
B60R 7/02 20060101AFI20241107BHJP
B65D 25/24 20060101ALI20241107BHJP
B65D 25/54 20060101ALI20241107BHJP
B65D 25/28 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B60R7/02
B65D25/24
B65D25/54
B65D25/28 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075500
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】523101730
【氏名又は名称】株式会社SD-LAB
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英夫
【テーマコード(参考)】
3D022
3E062
【Fターム(参考)】
3D022CA01
3D022CB05
3D022CC26
3D022CD09
3D022CD18
3E062AA01
3E062CA02
3E062CA08
3E062HA01
3E062HB02
3E062HB07
3E062HC11
3E062HD24
3E062MA02
(57)【要約】
【課題】車両の荷台に対して積込取出作業を容易に行うことができ、しかも、車両の開口部を介した収容取出作業時において被収容物を出し入れし易い使い勝手の良い車両荷台用収容ユニットを提供する。
【解決手段】車両荷台用収容ユニット1は、高さが同じ直方体形状をなす収容ボックス2A、2B、…、2Iを有し、収容ボックス2A、2B、…、2Iは、平面視における長方形状が9種類存在する。収容ボックス2A、2B、…、2Iは、車両10の荷台11aにパズル状に組み合わせて敷き詰め配置可能に構成される。荷台11aの乗降口11cに対応する領域には、荷台11aに収容ボックス2A、2B、…、2Iを敷き詰めて配置させた状態において、乗降口11cの幅方向に並ぶ収容ボックス2A、2Iのうちの収容ボックス2Iの幅寸法が収容ボックス2Aの幅寸法よりも小さく設定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内後部の荷台に繋がる開口部を有する車両の前記荷台に対し前記開口部を介して積込取出可能な車両荷台用収容ユニットであって、
高さが同じ直方体形状をなすとともに前記荷台にパズル状に組み合わせて敷き詰め配置可能な複数の収容ボックスを有し、該各収容ボックスは、平面視における長方形状が2種類以上存在しており、
前記荷台の前記開口部に対応する領域には、前記荷台に前記各収容ボックスを敷き詰めて配置させた状態において、前記開口部の幅方向に並ぶ前記各収容ボックスの少なくとも1つの前記開口部の幅方向における幅寸法がその他よりも小さく設定されていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記開口部は、前記車両のボディ側方に設けられた乗降口であり、
前記荷台の前記乗降口に対応する領域には、前記各収容ボックスのうちの2つが前記乗降口の幅方向に並ぶように配置されていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記荷台の前記乗降口に対応する2つの前記収容ボックスの一方の前記開口部の幅方向における幅寸法は、他方の幅寸法に比べて1/4以下に設定されていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記収容ボックスの下面には、ゴム材又は樹脂材からなる少なくとも1つの滑止部材が取り付けられていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記滑止部材は、前記収容ユニット下面の互いに平行に延びる2つの縁部に沿って延びる突条形状をなしていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記収容ボックスの側壁には、当該収容ボックスの内側に連通する少なくとも1つの連通孔が形成されていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1つに記載の車両荷台用収容ユニットにおいて、
前記収容ボックスは、上方に開口するボックス本体と、該ボックス本体の開口周縁に回動可能に軸支された蓋板と、該蓋板に設けられた把手と、を備え、
前記把手は、前記蓋板の板厚方向にスライド可能に構成され、一方にスライドさせると、使用者が把持可能となる一方、他方にスライドさせると、前記蓋板の表面から飛び出ない位置まで移動するようになっていることを特徴とする車両荷台用収容ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両後部の荷台に積込取出可能な車両荷台用収容ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両後部の荷台に積込取出可能に構成され、内側に被収容物を収容可能な複数の収容ボックスを有する車両荷台用収容ユニットが一般的に知られている。例えば、特許文献1に開示されている車両荷台用収容ユニットは、高さが同じ略直方体形状をなす複数の収容ボックスを備え、荷台の車幅方向右側においては、各収容ボックスが上下二段で車両前後方向に一列に並べられる一方、荷台の車幅方向左側においては、各収容ボックスが上下一段で車両前後方向に一列に並べられている。右側の下段ボックス群と左側のボックス群との間には、平面視で矩形状をなす複数の板材が左側のボックス群の各蓋板と面一となるように着脱可能に掛け渡されていて、面一になっている各蓋板と各板材との領域がベッドとして使用可能になっている。一方、一部の板材を取り外すと、取り外さずに掛け渡された状態のままの板材に使用者が跨るように着座することで、右側の上段ボックス群を机替わりに使用可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の如き車両荷台用収容ユニットは、車両の荷台においてベッドとして使用可能であるので、使用時において使用者の体重に耐えうるように各収容ボックスを剛性の高い構造にする必要がある。そうすると、1つ当たりの収容ボックスの重量が自ずと重くなるので、荷台に対して各収容ボックスを積込取出する際に使用者が大きな労力を要することになってしまう。特に、各収容ボックスを荷台に敷き詰めて配置させた状態にすると、隣り合う2つの収容ボックス間に手を入れるスペースがほとんど無くなってしまい、荷台から各収容ボックスを取り出し難くなり、使い勝手が悪くなるという課題がある。
一方、使用者は、特許文献1の如き車両荷台用収容ユニットにおいて被収容物の収容取出作業を行う際には、荷台に上がらずに車両の開口部を介して収容取出作業を行うことが多くあり、開口部を介して収容取出作業を行う際において被収容物を出し入れし易くして欲しいという要求もあった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の荷台に対して積込取出作業を容易に行うことができ、しかも、車両の開口部を介した収容取出作業時において被収容物を出し入れし易い使い勝手の良い車両荷台用収容ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明では、荷台に敷き詰め配置された各収容ボックスのうちの車両の開口部に対応する領域に配置される収容ボックスの外形に工夫を凝らしたことを特徴とする。
具体的には、車室内後部の荷台に繋がる開口部を有する車両の前記荷台に対し前記開口部を介して積込取出可能な車両荷台用収容ユニットを対象とし、次のような対策を講じた。
【0006】
すなわち、第1の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、高さが同じ直方体形状をなすとともに前記荷台にパズル状に組み合わせて敷き詰め配置可能な複数の収容ボックスを有し、該各収容ボックスは、平面視における長方形状が2種類以上存在しており、前記荷台の前記開口部に対応する領域には、前記荷台に前記各収容ボックスを敷き詰めて配置させた状態において、前記開口部の幅方向に並ぶ前記各収容ボックスの少なくとも1つの前記開口部の幅方向における幅寸法がその他よりも小さく設定されていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、使用者が車両の外側の開口部に対応する位置に立って当該開口部を介して幅寸法の小さい収容ボックスを持ち上げると、当該収容ボックスが小さな力で上方へと持ち上がるように作用する。また、比較的大きな被収容物を使用者が荷台に入ることなく楽な姿勢で収容ボックスに出し入れ可能となるように作用する。
【0007】
第2の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第1の発明において、前記開口部は、前記車両のボディ側方に設けられた乗降口であり、前記荷台の前記乗降口に対応する領域には、前記各収容ボックスのうちの2つが前記乗降口の幅方向に並ぶように配置されていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、車両側部の乗降口を利用して荷台に配置された収容ボックスの積込取出作業やレイアウト変更作業を行えるように作用する。また、車両側部の乗降口を介して被収容物の収容ボックスへの収容取出作業が可能となるように作用する。
第3の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第2の発明において、前記荷台の前記乗降口に対応する2つの前記収容ボックスの一方の前記開口部の幅方向における幅寸法は、他方の幅寸法に比べて1/4以下に設定されていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、乗降口を通過させることが可能な外形である被収容物なら大抵のものは他方の収容ボックスに対して収容取出可能となるように作用する。
【0008】
第4の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第1から第3のいずれか1つの発明において、前記収容ボックスの下面には、ゴム材又は樹脂材からなる少なくとも1つの滑止部材が取り付けられていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、所定の収容ボックスを他の収容ボックスの上側に積み上げた際に下段の収容ボックスに対して上段の収容ボックスが滑って移動しなくなるように作用する。
第5の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第4の発明において、前記滑止部材は、前記収容ユニット下面の互いに平行に延びる2つの縁部に沿って延びる突条形状をなしていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、各滑止部材が長尺な形状をなしているので、広い領域において収容ボックスと結合するように作用する。
【0009】
第6の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第1から第3のいずれか1つの発明において、前記収容ボックスの側壁には、当該収容ボックスの内側に連通する少なくとも1つの連通孔が形成されていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、各収容ボックスの外観の意匠性が高まるだけでなく、重量も軽くなるように作用する。
第7の発明に係る車両荷台用収容ユニットは、第1から第3のいずれか1つの発明において、前記収容ボックスは、上方に開口するボックス本体と、該ボックス本体の開口周縁に回動可能に軸支された蓋板と、該蓋板に設けられた把手と、を備え、前記把手は、前記蓋板の板厚方向にスライド可能に構成され、一方にスライドさせると、使用者が把持可能となる一方、他方にスライドさせると、前記蓋板の表面から飛び出ない位置まで移動するようになっていることを特徴とする。
このように構成される車両荷台用収容ユニットでは、使用者が各収容ボックスの蓋板から把手を引き出すことで蓋板の開閉を容易に行えるように作用する。また、不使用時の把手は、収容ユニットをベッドとして使用する際の使用者に当たらない位置まで移動可能となるように作用する。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明の車両荷台用収容ユニットでは、使用者が車両の外側の開口部に対応する位置に立って当該開口部を介して幅寸法の小さい収容ボックスを持ち上げると、幅寸法が小さい分だけ収容ボックスが比較的軽く構成されているので、当該収容ボックスが小さな力で上方へと持ち上がるようになる。したがって、幅寸法の小さい収容ボックスを容易に荷台から取り出せるようになり、その取り出した収容ボックスが配置されていた空間を利用して順次その他の収容ボックスを持ち上げることができるようになるので、開口部を介した各収容ボックスの取出作業や、レイアウト変更作業等を容易に行うことができる。また、車両の開口部に対応する荷台の位置には、上述の如き幅寸法の小さい収容ボックスよりも大きな幅寸法の収容ボックスも配置されているので、比較的大きな被収容物を使用者が荷台に上がることなく楽な姿勢で収容ボックスに出し入れ可能になり、使い勝手の良い車両荷台用収容ユニットにすることができる。
【0011】
第2の発明の車両荷台用収容ユニットでは、車両側部の乗降口を利用して荷台に配置された収容ボックスの積込取出作業やレイアウト変更作業を行えるようになるとともに、車両側部の乗降口を介して被収容物の収容ボックスへの収容取出作業が可能になるので、取り扱い易い車両荷台用収容ユニットにすることができる。
第3の発明の車両荷台用収容ユニットでは、乗降口を通過させることが可能な外形である被収容物なら大抵のものは他方の収容ボックスに対して収容取出可能になる。したがって、さらに使い勝手の良い車両荷台用収容ユニットにすることができる。
第4の発明の車両荷台用収容ユニットでは、所定の収容ボックスを他の収容ボックスの上側に積み上げた際に下段の収容ボックスに対して上段の収容ボックスが滑って移動しなくなる。したがって、例えば、車両を移動させる際において収容ボックスが勢い余って荷台内で動いてしまうのを防ぐことができる。
【0012】
第5の発明の車両荷台用収容ユニットでは、各滑止部材が長尺な形状をなしているので、広い領域において収容ボックスと接続されるようになる。したがって、もし仮に収容ボックスに対して側方から不意に大きな力が作用したとしても、各滑止部材が収容ボックスから離脱して当該収容ボックスが使用不能な状態になるのを確実に防ぐことができる。
第6の発明の車両荷台用収容ユニットでは、各収容ボックスの外観の意匠性が高まるだけでなく、重量も軽くなるので、荷台に対する積込取出作業や、収容ユニットのレイアウト変更作業等をさらに行い易くすることができる。
第7の発明の車両荷台用収容ユニットでは、使用者は、各収容ボックスの蓋板から把手を引き出すことで蓋板の開閉を容易に行えるようになるので、荷台に各収容ボックスが敷き詰め配置された状態であっても各収容ボックスに対する被収容物の収容取出作業を簡単に行うことができる。また、不使用時の把手は、収容ユニットをベッドとして使用する際の使用者に当たらない位置まで移動可能であるので、使用者は収容ユニットをベッドとして快適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1に係る車両荷台用収容ユニットが荷台に敷き詰めて配置された車両を後側から見た車両後部内側の一部が見える斜視図である。
【
図2】車両荷台用収容ユニットの一部レイアウトを変更した
図1相当図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る車両荷台用収容ユニットが荷台に敷き詰めて配置された車両を上側から見た車両後部内側の一部が見える平面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る車両荷台用収容ユニットを構成する1つの収容ボックスの斜視図であり、蓋板を閉じた状態を示す。
【
図5】本発明の実施例1に係る車両荷台用収容ユニットを構成する1つの収容ボックスの斜視図であり、蓋板が開いた状態を示す。
【
図8】把手を蓋体から飛び出ない位置まで移動させた状態を示す
図6相当図である。
【
図11】本発明の実施例2に係る
図6相当図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施例の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0015】
図1~
図3は、本発明の実施例1に係る車両荷台用収容ユニット1が積み込まれた車両10を示す。この車両10は、車両本体11が略直方体形状をなす、所謂、ワンボックスカーと呼ばれる車種であり、車両本体11の後部内側には、略平坦な荷台11aが設けられている。尚、車両10の荷台11aは、後部座席12を座席足元に折り畳んで収納することにより収納スペースが広くなる構造になっている。
車両本体11の後端には、荷台11aの車両後側の領域に繋がる後部開口11b(開口部)が形成され、当該後部開口11bは、上下に回動可能なバックドア13により開閉できるようになっている。また、車両本体11の側方略中央には、荷台11aの車両前側の領域に連通する乗降口11c(開口部)が形成され、当該乗降口11cは、車両前後方向に移動可能なスライドドア14により開閉できるようになっている。
【0016】
車両荷台用収容ユニット1は、車両10の荷台11aに対して積込取出可能になっていて、高さが同じ直方体形状をなす複数の収容ボックス2と、カーテンを収納する収納棚7と、AC電源が配設された電源供給ボックス8と、上面が作業面になるテーブル9と、簡易梯子を収納する梯子収納部15と、を有している。
車両荷台用収容ユニット1は、平面視における長方形状が同じ収容ボックス2と異なる収容ボックス2とを備えていて、収容ボックス2は、外形の異なるものが9種類存在している。尚、以下では、便宜上、種類の異なる各収容ボックス2を、収容ボックス2A、2B、2C、…、2Iとそれぞれ呼ぶことにする。車両荷台用収容ユニット1内には、収容ボックス2Aと収容ボックス2Bとがそれぞれ2つ設けられ、その他の収容ボックス2C、2D、…、2Iは、それぞれ1つずつ設けられている。
【0017】
収容ボックス2Aは、
図4及び
図5に示すように、上方に開口するボックス本体3と、平面視で正方形状をなす蓋板4と、当該蓋板4に取り付けられた略U字状をなす鉄製の把手5と、を備えている。
ボックス本体3は、矩形板状をなす複数の木材を組み立てて形成したものであり、上方の開口部分から被収容物X1を収容可能になっている。ボックス本体3の下面には、
図6乃至
図10に示すように、ゴム材からなる一対の滑止部材6が突設され、各滑止部材6は、ボックス本体3下面の互いに平行に延びる2つの縁部に沿って延びる突条形状をなしている。
【0018】
蓋板4は、木材で形成され、
図5に示すように、ボックス本体3の開口周縁に一対のヒンジ部4aにより上下に回動可能に軸支されている。蓋板4の表面におけるヒンジ部4aから遠い側の縁部寄りの位置には、
図6乃至
図9に示すように、平面視で長方形をなすとともに上方に開口する段差部4bが設けられ、この段差部4bには、蓋板4の板厚方向に貫通するガイド孔4cが段差部4bの長手方向に所定の間隔をあけて一対形成されている。
把手5は、蓋板4の表面に沿って延びる把持部5aと、該把持部5aの両端から同方向に平行に延びる一対の脚部5bと、を備えている。各脚部5bは、蓋板4の表面側から各ガイド孔4cにそれぞれスライド可能に挿通され、各脚部5bの先端には、外形がガイド孔4cよりも大きい円板形状をなすストッパ部5cが設けられている。すなわち、把手5は、蓋板4の板厚方向にスライド可能に構成され、一方にスライドさせると、
図6及び
図7に示すように、使用者が把持部5aを把持可能となるとともに、各ストッパ部5cが各ガイド孔4cの周縁部分に接触して蓋板4を上方に回動させることができるようになっている。一方、把手5を他方にスライドさせると、
図8及び
図9に示すように、把手5が蓋板4の表面から飛び出ない位置まで移動するようになっている。
【0019】
尚、収容ボックス2B、2C、…、2Iは、平面視における長方形状が異なる以外の構造は、収容ボックス2Aと同じであるので、収容ボックス2Aと同じ部分には同じ符号を付し、それ以外の部分を詳述する。
各収容ボックス2A、2B、…、2Iは、
図1~
図3に示すように、荷台11aにパズル状に組み合わせて敷き詰め配置可能になっている。具体的には、収容ボックス2Aは、荷台11aの車両左側における車両前側の乗降口11cに対応する領域と、荷台11aの車両左側における車両後側の後部開口11bに対応する領域とにそれぞれ配置されている。収容ボックス2Bは、荷台11aの車幅方向中央前側の領域と、荷台11aの車両右側における車両後側の後部開口11bに対応する領域とにそれぞれ配置されている。収容ボックス2Cは、荷台11aの車両後側において収容ボックス2Aと収容ボックス2Bとの間に配置されている。収容ボックス2D、2E、2Fは、荷台11aの車両前後方向中央後ろ寄りの位置において車両右側から左側にかけて順に配置されている。収容ボックス2G、2H、2Iは、荷台11aの車両前後方向中央前寄りの位置において車両右側から左側にかけて順に配置されている。
【0020】
すなわち、各収容ボックス2A、2B、…、2Iを荷台11aにパズル状に組み合わせて敷き詰め配置すると、荷台11aの後部開口11bに対応する領域には、当該後部開口11bの幅方向に収容ボックス2A、2B、2Cの3つが並ぶようになり、荷台11aの乗降口11cには、当該乗降口11cの幅方向に収容ボックス2A、2Iの2つが並ぶようになっている。
収容ボックス2Cの後部開口11bの幅方向における幅寸法HC1は、収容ボックス2Aの後部開口11bの幅方向における幅寸法HA1及び収容ボックス2Bの後部開口11bの幅方向における幅寸法HB1よりも小さく設定されている。
また、収容ボックス2Iの乗降口11cの幅方向における幅寸法HI2は、収容ボックス2Aの乗降口11cの幅方向における幅寸法HA2よりも小さく設定されている。具体的には、収容ボックス2Iの幅寸法HI2は、収容ボックス2Aの幅寸法HA2に比べて1/4以下に設定されている。
【0021】
尚、各収容ボックス2A、2B、…、2Iは、荷台11aにパズル状に組み合わせて敷き詰め配置して使用するだけでなく、例えば、
図2に示すように、収容ボックス2Bの上側に収容ボックス2Cを積み上げたレイアウトにして使用することもできる。
収納棚7、電源供給ボックス8、及び、テーブル9は、荷台11aの車両前側において車両左側から右側にかけて順に配置可能になっており、それぞれ高さ寸法が収容ボックス2A、2B、…、2Iの高さ寸法と同じになっている。また、テーブル9の車両後側で、且つ、収容ボックス2Bの車両右側の位置には、梯子収納部15が配置可能になっていて、この梯子収納部15の高さ寸法も収容ボックス2A、2B、…、2Iの高さ寸法と同じになっている。したがって、収容ボックス2A、2B、…、2I、収納棚7、電源供給ボックス8、テーブル9、及び、梯子収納部15を荷台11aにパズル状に組み合わせて敷き詰め配置させると、使用者は、それらの上面全域をベッドとして使用できるようになっている。
【0022】
以上より、本発明の実施例1によると、使用者が車両10の外側の後部開口11bや乗降口11cに対応する位置に立って当該後部開口11bや乗降口11cを介して幅寸法の小さい収容ボックス2Cや収容ボックス2Iを持ち上げると、幅寸法が小さい分だけ収容ボックス2Cや収容ボックス2Iが比較的軽く構成されているので、当該収容ボックス2Cや収容ボックス2Iが小さな力で上方へと持ち上がるようになる。したがって、幅寸法の小さい収容ボックス2Cや収容ボックス2Iを容易に荷台11aから取り出せるようになり、その取り出した収容ボックス2Cや収容ボックス2Iが配置されていた空間を利用して順次その他の収容ボックス2A等を持ち上げることができるようになるので、後部開口11bや乗降口11cを介した収容ボックス2A、2B、…、2Iの取出作業や、レイアウト変更作業等を容易に行うことができる。また、車両の後部開口11bや乗降口11cに対応する荷台11aの位置には、上述の如き幅寸法の小さい収容ボックス2Cや収容ボックス2Iよりも大きな幅寸法の収容ボックス2A、収容ボックス2Bも配置されているので、比較的大きな被収容物X1(
図5参照)を使用者が荷台11aに上がることなく楽な姿勢で収容ボックス2A及び収容ボックス2Bに出し入れ可能になり、使い勝手の良い車両荷台用収容ユニット1にすることができる。
【0023】
特に、車両10側部の乗降口11cを利用して荷台11aに配置された収容ボックス2A、2B、…、2Iの積込取出作業やレイアウト変更作業を行えるようになるとともに、車両10側部の乗降口11cを介して被収容物X1の収容ボックス2A、2Iへの収容取出作業が可能になるので、取り扱い易い車両荷台用収容ユニット1にすることができる。
また、荷台11aの乗降口11cに対応する位置に配置されている収容ボックス2Iの幅寸法HI2は、荷台11aの乗降口11cに対応する位置に配置されている収容ボックス2Aの幅寸法HA2に比べて1/4に設定されているので、乗降口11cを通過させることが可能な外形である被収容物X1なら大抵のものは収容ボックス2Aに対して収容取出可能になる。したがって、さらに使い勝手の良い車両荷台用収容ユニット1にすることができる。
【0024】
また、収容ボックス2A、2B、…、2Iの下面には、滑止部材6が取り付けられているので、例えば、
図2に示すように、収容ボックス2Bを収容ボックス2Cの上側に積み上げた際に下段の収容ボックス2Cに対して上段の収容ボックス2Bが滑って移動しなくなる。したがって、例えば、車両10を移動させる際において収容ボックス2A、2B、…、2Iが勢い余って荷台11a内で動いてしまうのを防ぐことができる。
特に、各滑止部材6が長尺な形状をなしているので、広い領域において収容ボックス2A、2B、…、2Iと結合するようになる。したがって、もし仮に収容ボックス2A、2B、…、2Iに対して側方から不意に大きな力が作用したとしても、各滑止部材6が収容ボックス2A、2B、…、2Iから離脱して当該収容ボックス2A、2B、…、2Iが使用不能な状態になるのを確実に防ぐことができる。
【0025】
さらに、使用者は、収容ボックス2A、2B、…、2Iの蓋板4から把手5を引き出すことで蓋板4の開閉を容易に行えるようになるので、荷台11aに収容ボックス2A、2B、…、2Iが敷き詰め配置された状態であっても収容ボックス2A、2B、…、2Iに対する被収容物X1の収容取出作業を簡単に行うことができる。また、不使用時の把手5は、車両荷台用収容ユニット1をベッドとして使用する際の使用者に当たらない位置まで移動可能であるので、使用者は車両荷台用収容ユニット1をベッドとして快適に使用することができる。