(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016048
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】排気システム用の流体処理装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20240130BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20240130BHJP
G01N 22/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
F01N3/08 C
B01D53/92 220
B01D53/92 240
B01D53/92 242
B01D53/92 280
G01N22/00 N
G01N22/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177609
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2020526071の分割
【原出願日】2018-12-14
(31)【優先権主張番号】1722035.1
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】517221387
【氏名又は名称】アークス エナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー アーチャー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】排気煙道ガスをクリーンアップし、かつ、エミッションを低減する装置及び方法を提供する。
【解決手段】流体物質を処理するため、動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備え、複数の流体処理装置は、周壁に画定される反応器チャンバと、外部供給源から連通し得る流体入口と、反応器チャンバから連通し得る流体出口と、反応器チャンバ内で動作可能に接続される導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有し、また、少なくとも1つの所定波長の電磁放射を、反応器チャンバに通過する流体物質に結合させ得る少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路とを備え、反応器チャンバの周壁は、流体入口から受容しかつ反応器チャンバを通過する流体物質を強制的に流体出口に向かう連続旋回流にさせ得る排気システム。更に、各々、少なくとも1つの排気入口と排気出口を有し、動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを収容し得るハウジング備える。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体物質を処理するために動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備える排
気システムにおいて、
前記複数の流体処理装置の各々が、
周壁によって画定される反応器チャンバと、
処理すべき流体物質の外部供給源から前記反応器チャンバに流体連通を提供するよう
に適合される流体入口であって、これにより前記流体物質が前記反応器チャンバに対して
流入及び通過する、流体入口と、
前記反応器チャンバから流体連通を提供するように適合される流体出口であって、こ
れにより前記流体物質が前記反応器チャンバから通過する、流体出口と、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR
)導波路であって、前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し、また前記反応器チャンバ
を通過する流体物質に対して少なくとも1つの所定波長の電磁放射を結合するように適合
される、少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路と
を有し、
前記反応器チャンバの周壁は、前記流体入口から受容されて前記反応器チャンバを通過
している前記流体物質を、強制的に前記流体出口に向かう連続的旋回フローにするように
適合される、排気システム。
【請求項2】
請求項1記載の排気システムにおいて、前記導波路入力ポート及び導波路出力ポートは
、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って動作可能に接続されるよう前記
周壁における離間した場所に動作可能に接続されている、排気システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)導波路は、前記
反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って動作可能に接続されるよう前記周壁に
おける離間した場所にそれぞれ設けた第1EMRカプラー及び第2EMRカプラーを有す
る、排気システム。
【請求項4】
請求項2~3のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記導波路入力ポート
及び前記導波路出力ポートは、前記反応器チャンバ内に画定される前記反応器容積の全幅
に渡って動作可能に接続されるよう前記周壁における直径方向に対向する場所に設けられ
ている、排気システム。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記少なくとも1つの
電磁放射(EMR)導波路は、前記所定波長の電磁放射を前記反応器チャンバ内に結合し
得る光インタフェースを有する、排気システム。
【請求項6】
請求項5記載の排気システムにおいて、前記光インタフェースは、前記導波路入力ポー
トに動作可能に接続した第1インタフェース部材、及び前記導波路出力ポートに動作可能
に接続した第2インタフェース部材を有する、排気システム。
【請求項7】
請求項2~6のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記第1インタフェー
ス部材及び前記第2インタフェース部材は、所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的
に透過性であるように適合される前記周壁の部分を有する、排気システム。
【請求項8】
請求項7記載の排気システムにおいて、前記第1インタフェース部材及び前記第2イン
タフェース部材の各々は、所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性である材
料から作製した閉止プラグを有する前記周壁の開孔部分を含む、排気システム。
【請求項9】
請求項8記載の排気システムにおいて、インタフェース部材の各々は、ガラス製の閉止
プラグを設けた前記周壁の開孔部分を含む、排気システム。
【請求項10】
請求項7~9のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記少なくとも1つの
電磁放射(EMR)導波路は、前記導波路入力ポート及び前記第1インタフェース部材に
動作可能に結合した第1EMRカプラー、並びに前記導波路出力ポート及び前記第2イン
タフェース部材に動作可能に結合した第2EMRカプラーを有する、排気システム。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、使用にあたり定在波
を生ずるよう、前記反応器チャンバが構成され、かつ前記所定波長が選択される、排気シ
ステム。
【請求項12】
請求項1~11のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記所定波長は30
0GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの
間におけるものである、排気システム。
【請求項13】
請求項12記載の排気システムにおいて、前記所定波長は100GHz~500MHz
のそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間におけるものである、排気システ
ム。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、処理すべき
流体物質の前記反応器チャンバへの供給を可能にするよう前記流体入口に流体的に接続し
た流体物質供給源を備える、排気システム。
【請求項15】
請求項14記載の排気システムにおいて、さらに、流体物質の前記反応器チャンバから
の通過及び前記反応器チャンバからの搬出を可能にするよう前記流体出口に流体的に接続
した流体物質排出導管を備える、排気システム。
【請求項16】
請求項14又は15記載の排気システムにおいて、さらに、所定温度の前記流体物質を
前記反応器チャンバに供給するよう、前記流体物質供給源と前記反応器チャンバとの間に
流体的に接続され、かつエネルギーを前記流体物質に伝達するように適合される、ヒータ
ーアセンブリを備える、排気システム。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、前記導波路
入力ポートに動作可能に接続され、所定波長の電磁放射(EMR)を発生する電磁放射(
EMR)発生器を備える、排気システム。
【請求項18】
請求項17記載の排気システムにおいて、前記EMR発生器は、さらに、前記少なくと
も1つの電磁放射(EMR)導波路の前記導波路入力ポートに動作可能に接続可能な入力
伝送ライン、及び前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路の前記導波路出力ポー
トに動作可能に接続可能な出力伝送ラインを有し、マイクロ波発生器、前記入力伝送ライ
ン及び前記出力伝送ラインは、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を有する
閉ループEMR回路を形成するように適合される、排気システム。
【請求項19】
請求項17又は18記載の排気システムにおいて、前記EMR発生器はマイクロ波発生
器であり、また発生した前記電磁放射は、300GHz~300MHz(マイクロ波)の
それぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの間における波長を有する、排気システム。
【請求項20】
請求項19記載の排気システムにおいて、発生した前記電磁放射は、100GHz~5
00MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間における波長を有する
、排気システム。
【請求項21】
請求項17~20のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(E
MR)発生器は、マグネトロン、クライストロン、ジャイロトロン及び固体電子源のうち
任意な1つである、排気システム。
【請求項22】
請求項17~21のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(E
MR)発生器は、前記電磁放射(EMR)と前記流体物質との間の結合を最適化するよう
に適合される、排気システム。
【請求項23】
請求項22記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)と前記流体物質との
間の前記結合は、所定制御アルゴリズムを利用して自動的に最適化される、排気システム
。
【請求項24】
請求項1~23のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記流体入口は、前
記流体入口を通過するときに前記流体物質の初期流体圧力を所定第1流体圧力に変化させ
得るものである、排気システム。
【請求項25】
請求項24記載の排気システムにおいて、前記所定第1流体圧力は前記初期流体圧力よ
り大きい、排気システム。
【請求項26】
請求項24又は25記載の排気システムにおいて、前記流体出口は、前記流体出口を通
過するときに前記流体物質のチャンバ流体圧力を所定第2流体圧力に変化させ得るもので
ある、排気システム。
【請求項27】
請求項26記載の排気システムにおいて、前記所定第2流体圧力は前記チャンバ流体圧
力より大きい、排気システム。
【請求項28】
請求項26又は27記載の排気システムにおいて、前記所定第1流体圧力は前記所定第
2流体圧力より大きい、排気システム。
【請求項29】
請求項1~28のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、
少なくとも1つの排気入口ポート及び少なくとも1つの排気出口ポートを有するハウジ
ングであって、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイを動作可能に収容か
つ包囲するように適合される、ハウジングと、及び
前記ハウジングの内面、及び動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイにお
ける少なくとも1つの外面の間に流体密シールを生ずるよう、動作可能に接続した複数の
流体処理装置の前記アレイにおける少なくとも外面に係合するように適合される少なくと
も1つの流体密シール部材と、
を備える、排気システム。
【請求項30】
請求項1~29のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、少なくとも1つのシ
ール部材はポリマーで作成する、排気システム。
【請求項31】
請求項1~30のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、動作可能に接続した
複数の流体処理装置の前記アレイは、単一のピースから形成する、排気システム。
【請求項32】
請求項1~30のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、動作可能に接続した
複数の流体処理装置の前記アレイは、複数の相互連結可能なモジュール式流体処理装置か
ら形成する、排気システム。
【請求項33】
動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備え、動作可能に接続した前記複数
の流体処理装置の各々が前記流体物質の供給を流入及び通過させるよう構成した該反応器
チャンバを生ずるものである請求項1~32のうちいずれか1項記載の排気システムを準
備するステップと、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR)
導波路を準備するステップであって、前記導波路入力ポート及び前記導波路出力ポートは
動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し
、また動作可能に接続した複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバを通過
する流体物質に対して所定波長の電磁放射を結合するように適合される、少なくとも1つ
の電磁放射(EMR)導波路を準備するステップと、
動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバに流体
物質を流入及び通過させるステップと、
前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を介して電磁放射を通過させ、かつこ
れにより動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバ
にわたり結合させるステップと
を含む、流体物質を処理する方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡っ
て互いに動作可能に接続されるよう前記反応器チャンバの周壁における離間した場所に前
記導波路入力ポート及び導波路出力ポートを動作可能に接続することによって、前記導波
路入力ポート及び前記導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接続するス
テップを含む、方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、例えば、前記第1インタフェース部材及び前記第2イ
ンタフェース部材が前記所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性であるよう
に適合される前記周壁の部分を有する光インタフェースによって、前記導波路入力ポート
及び前記導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接続するステップを含む
、方法。
【請求項36】
請求項34又は35記載の方法において、前記反応器チャンバに渡り定在波を発生させ
るステップを含む、方法。
【請求項37】
請求項34~36のうちいずれか1項記載の方法において、前記所定波長は300GH
z~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの間にお
けるものである、方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、前記所定波長は100GHz~500MHzのそれぞ
れの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間におけるものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体流処理の分野、及び流体流における特定成分物質のレベルを制
御する装置及び方法に関する。本発明は、さらに、物理的及び化学的プロセスの流体生成
物、とくに、燃焼プロセスの燃焼生成物における有害成分物質のレベルを低減することに
関する。加えて、本発明は、燃焼プロセスの排気ガスからの望ましくないエミッション(
放出物)のレベル低減を向上させるための排気管装置(exhaust)のような装置に関する
。
【背景技術】
【0002】
望ましくない成分物質を含む一次生成物であるか又は副生成物であるかに係わらず、一
次生成物に対して潜在的に有害であるか又は人体の健康若しくは環境に対して潜在的に有
害であるかに係わらず、流体出力を生産する、広範囲にわたる物理的及び化学的工業プロ
セスがある。とくに、健康若しくは生物圏に対して潜在的に有害な望ましくない物質を高
レベルに依然として含む副生成物を環境に放出する害悪性に対する認知が高まっている。
【0003】
とくに、燃焼煙道ガス流のような大気に放出されるべき副生成物ガス流におけるこのよ
うな有害成分物質のレベルを低減するのが望ましいのが一般的である。このような有害成
分物質は、しばしば「エミッション(放出物)」と称される。本明細書記載におけるこの
及び他の文脈でガス流に対する言及は、主に気体の流れであるが、蒸気滴、粒子等々が同
伴及び搬送される流れの言及を含むものと、理解されたい。本明細書における「エミッシ
ョン(放出物)」に対する言及は、ガス流の気相成分、並びに流体的に同伴される蒸気滴
、粒子等々を含むことがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、とくに、発熱装置、内燃機関等々のような燃焼装置からの排気煙道ガスにお
ける「エミッション」の低減、及び「クリーンアップ」に関連する。工業化社会は、極め
て多様な環境で仕事をする機械的エネルギーを生み出すことができる主に燃焼機関の周り
で進化してきた。しかし、燃焼機関の進化は工業生産高を大幅に増大させてきたものの、
有害物なしでないことは確かである。例えば、燃焼機関は大部分が主に原油の精製によっ
て派生し、また移動用機関(自動車、船舶、航空機等)のための容易に輸送可能なエネル
ギー貯留を行うガソリン及びジーゼル燃料(すなわち炭化水素)のような化石燃料で稼働
する。しかし、このような機関における燃料燃焼は決して完全に効率的ではなく、この結
果として、通常ガス及びジーゼル燃料を採用する機関は、過剰な燃料消費及び悪いエンジ
ン効率を被る。さらに、排気燃焼煙道ガスにおける潜在的有害エミッションは、NOx(
窒素酸化物)、燃焼されないHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NO2(二酸化窒
素)、NO(酸化窒素)のような、汚染物質及び温室効果ガスを大気に放出に寄与するこ
とになり得る。
【0005】
したがって、これらエミッションを低減できる装置又は方法は極めて望ましいものであ
る。
【0006】
よって、本発明の目的は、排気煙道ガスを「クリーンアップ」しかつ「エミッション」
を低減する装置及び方法を得るにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な実施形態は、従来技術の上述した欠点のうち1つ又はそれ以上を克服す
ることの達成を目指す。
【0008】
本発明の第1実施形態によれば、排気システムを提供し、この排気システムは、
流体物質を処理するため、動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイであり、前
記複数の流体処理装置の各々が、
周壁によって画定される反応器チャンバと、
処理すべき流体物質の外部供給源から前記反応器チャンバに流体連通を生じ得る流体
入口であって、これにより前記流体物質が前記反応器チャンバに対して流入及び流出する
ようになる、該流体入口と、
前記反応器チャンバから流体連通を生じ得る流体出口であって、これにより前記流体
物質が前記反応器チャンバから通過するようになる、該流体出口と、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR
)導波路であって、前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し、また前記反応器チャンバ
を通過する流体物質に対して少なくとも1つの所定波長の電磁放射を結合し得る、該少な
くとも1つの電磁放射(EMR)導波路と
を有するものである、前記複数の流体処理装置のアレイを備え、
前記反応器チャンバの周壁は、前記流体入口から受容されて前記反応器チャンバを通過
している前記流体物質を、強制的に前記流体出口に向かう連続的旋回フローにし得るもの
である。
【0009】
好適には、流体物質を処理するために動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記ア
レイは共通ハウジング内に設ける。この場合、本発明排気システムは、さらに、
少なくとも1つの排気入口ポート及び少なくとも1つの排気出口ポートを有するハウジ
ングであって、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイを動作可能に収容か
つ包囲し得る、該ハウジングと、及び
前記ハウジングの内面と動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイにおける
少なくとも1つの外面との間に流体密シールを生ずるよう、動作可能に接続した複数の流
体処理装置の前記アレイにおける少なくとも外面に係合し得る少なくとも1つの流体密シ
ール部材と、
を備える。
【0010】
この排気システムは、1つ又はそれ以上の特定成分物質のレベルを制御するよう多成分
物質を有する流体物質を処理するための流体処理装置の原理及び実施形態に基づくもので
あり、
反応器チャンバと、
処理すべき流体物質の外部供給源から前記反応器チャンバに流体連通を生じ得る流体入
口であって、これにより前記流体物質が前記反応器チャンバに対して流入及び通過するよ
うになる、該流体入口と、
前記反応器チャンバから流体連通を生じ得る流体出口であって、これにより前記流体物
質が前記反応器チャンバから通過するようになる、該流体出口と、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR)
導波路であって、前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し、また前記反応器チャンバを
通過する流体物質に対して少なくとも1つの所定第1波長の電磁放射を結合し得る、該少
なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路と
を備える。
【0011】
この装置は、反応器容積部に渡る電磁放射の所定波長電磁放射「結合」が反応器容積部
を通過する流体流を処理するためのエネルギー源となり得る利点をもたらす。電磁放射波
長並びに反応器チャンバの寸法及び構成、またとくに、その第1導波路入力ポート及び第
1導波路出力ポートの関連位置に対する適正な選択を受けて、エネルギーは反応器チャン
バ内に画定される反応ゾーンを通過する流体物質の成分に与えられ、有害成分物質のレベ
ルを制御、変更及び望ましい減少が得られるようにすることができる。本発明のこの態様
は装置に関連し、いかなる物理的理論によっても限定されるものではないが、条件を適正
に選択することによって、「結合」電磁放射は、流体流から成分物質を遊離及び除去する
に必要なものに適合させることができる。
【0012】
特別な利点は、燃焼プロセスの排気ガスから望ましくないエミッションのレベル減少を
向上させて燃焼からいかなる潜在的エミッション排気をも最小化するための排気ガス流に
その装置を適用することで予期される。本発明装置は、既存燃焼機関に、例えば、排気エ
ミッションを減少するためにコンポーネント又はその変更物として既存排気システム内に
利用することができる。
【0013】
代表的実施形態において、反応器チャンバは周壁によって画定することができ、また第
1導波路入力ポート及び第1導波路出力ポートは、前記反応器チャンバ内に画定される反
応器容積を渡って動作可能に接続されるよう前記周壁における離間した場所に動作可能に
接続される。好適には、反応器チャンバは、前記反応器チャンバを通過している前記流体
物質を、強制的に流体入口から前記流体出口に向かう連続的旋回フローにするよう構成す
ることができる。より一層好適には、反応器チャンバの前記周壁は、前記流体入口から受
容されて前記反応器チャンバを通過している前記流体物質を、強制的に前記流体出口に向
かう連続的旋回フローにし得るものとすることができる。このことは、流体物質が延長し
た期間にわたり反応器チャンバ内に留まり、EMRからより多くのエネルギーを流体物質
に結合させるという利点をもたらす。
【0014】
この実施形態において、第1電磁放射(EMR)導波路は、前記反応器チャンバ内に画
定される反応器容積に渡って離間する第1部分及び第2部分を有し、第1部分は前記第1
導波路入力ポートを含み、第2部分は第1導波路出力ポートを含む。例えば、前記第1電
磁放射(EMR)導波路は、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って動作
可能に接続されるよう前記周壁における離間した場所にそれぞれ設けた第1EMRカプラ
ー及び第2EMRカプラーを有する。
【0015】
有利には、前記第1導波路入力ポート及び前記第1導波路出力ポートは、前記反応器チ
ャンバ内に画定される前記反応器容積の全幅に渡って動作可能に接続されるよう前記周壁
における直径方向に対向する場所に設けられる。したがって、例えば前記第1及び第2の
EMRカプラーは、前記周壁の直径方向に対向する場所に配置する。
【0016】
有利には、前記少なくとも1つの第1電磁放射(EMR)導波路は、前記所定波長の第
1電磁放射を前記反応器チャンバ内に結合し得る光インタフェースを有する。
【0017】
有利には、前記光インタフェースは、前記導波路入力ポートに動作可能に接続した第1
インタフェース部材、及び前記導波路出力ポートに動作可能に接続した第2インタフェー
ス部材を有する。
【0018】
有利には、反応器チャンバは周壁によって画定し、また前記第1インタフェース部材及
び前記第2インタフェース部材は、所定第1波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透
過性であり得る前記周壁の部分を有する。
【0019】
前記第1インタフェース部材及び前記第2インタフェース部材の各々は、例えば、所定
第1波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性である材料から作製した閉止プラグ
を有する前記周壁の開孔部分を含む。例えば、前記インタフェース部材の各々は、ガラス
製の閉止プラグを設けた前記周壁の開孔部分を含む。
【0020】
有利には、前記少なくとも1つの第1電磁放射(EMR)導波路は、前記第1導波路入
力ポート及び前記第1インタフェース部材に動作可能に結合した第1EMRカプラー、並
びに前記第1導波路出力ポート及び前記第2インタフェース部材に動作可能に結合した第
2EMRカプラーを有する。
【0021】
電磁放射波長並びに反応器チャンバの構成を含むパラメータの適正な選択を受けて、電
磁放射は、使用にあたり、反応器チャンバ内に画定される反応ゾーンを通過する流体物質
の成分に結合することができ、有害成分物質のレベルを制御、変更及び望ましい減少が得
られるようにすることができる。
【0022】
好適な事例において、例えば、前記第1導波路入力ポート及び前記第1導波路出力ポー
トにおける対応する場所間で画定される反応ゾーンに渡って定在波を生ずるよう、前記反
応器チャンバが構成され、かつ前記所定第1電磁放射波長が選択される。
【0023】
例えば、使用にあたり、定在波がそのように画定される反応ゾーンに渡って発生するよ
う、反応器チャンバが構成され、第1導波路入力ポート及び第1導波路出力ポートが位置
決めされ、また所定第1電磁放射波長が選択される。
【0024】
好適には、前記所定第1波長は300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれ
の周波数スペクトルで1mm~1mの間におけるものである。より一層好適には、前記所
定第1波長は100GHz~500MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.
6mの間におけるものである
【0025】
使用にあたり、処理すべき流体物質は前記流体入口に供給する。
【0026】
より完璧には、装置は、処理すべき流体物質の前記反応器チャンバへの供給を可能にす
るよう前記流体入口に流体的に接続した流体物質供給源を備える。
【0027】
装置は、さらに、流体物質の前記反応器チャンバからの通過及び前記反応器チャンバか
らの搬出を可能にするよう前記流体出口に流体的に接続した流体物質排出導管を備える。
【0028】
本発明の燃焼排気流処理に対する好適な適用において、流体物質供給源は燃焼煙道ガス
導管とすることができ、また流体物質排気導管は燃焼煙道ガス排気管とすることができ、
したがって、反応器チャンバは、コンポーネント又はその変更物として燃焼煙道ガスフロ
ー内に配置して、1つ又はそれ以上の成分物質のレベルを変更又は制御することができる
。
【0029】
例えば、燃焼機関からの排気ガスを処理してエミッションを減少する本発明の特別な適
用において、反応器チャンバは、コンポーネント又はその変更物として燃焼機関の排気シ
ステム内に配置して、排気エミッションを減少することができる。本発明の原理を燃焼機
関の排気システムの既存設計に具体化する反応器チャンバを設けることは、エミッション
減少の利点をもたらし、また潜在的な複雑さ及び/又はコストの低減をもたらすよう他の
コンポーネントを変更若しくは省略することができる。
【0030】
有利には、処理すべき流体物質は上昇した温度にすることができる。多くの用途におい
て都合よくは、流体物質は、燃焼プロセスでこれによりすでに上昇した温度である工業プ
ロセスの生成物であり得る。付加的又は代案的に加熱装置を設けることができる。
【0031】
この事例において、本発明排気システムに組み込まれる装置は、さらに、
処理すべき流体物質を前記反応器チャンバに供給できるよう前記流体入口に流体的に接
続した流体物質供給源と、
所定温度の前記流体物質を前記反応器チャンバに供給するよう、前記流体物質供給源と
前記反応器チャンバとの間に流体的に接続し、かつエネルギーを前記流体物質に伝達し得
る、ヒーターアセンブリと
を備える。
【0032】
有利には、前記所定温度は摂氏300℃より高いものとすることができる。より一層好
適には、前記所定温度は摂氏500℃より高いものとすることができる。さらに好適には
、前記所定温度は摂氏600℃より高いものとすることができる。
【0033】
有利には、前記少なくとも1つの第1電磁放射(EMR)導波路は、低バルク抵抗率を
有する材料で作成することができる。有利には、前記少なくとも1つの第1電磁放射(E
MR)導波路は、金属材料で作成することができる。好適には、金属材料は、アルミニウ
ム、銅、銀、及び金、並びにそれらと他の金属元素との合金から選択することができる。
あり得る材料は真ちゅうである。
【0034】
有利には、流体処理装置は、さらに、前記導波路入力ポートに動作可能に接続した所定
第1波長の電磁放射(EMR)を発生する電磁放射(EMR)発生器を備える。
【0035】
有利には、EMR発生器は、さらに、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路
の前記第1導波路入力ポートに動作可能に接続可能な入力伝送ライン、及び前記少なくと
も1つの電磁放射(EMR)導波路の前記第1導波路出力ポートに動作可能に接続可能な
出力伝送ラインを有し、前記マイクロ波発生器、前記入力伝送ライン及び前記出力伝送ラ
インは、前記少なくとも1つの第1電磁放射(EMR)導波路を有する閉ループEMR回
路を形成し得るものとすることができる。
【0036】
有利には、前記EMR発生器はマイクロ波発生器とすることができ、また前記発生した
電磁放射は、300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトル
で1mm~1mの間における波長を有し、またより好適には、前記発生した電磁放射は、
100GHz~500MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間にお
ける波長を有する。
【0037】
好適には、前記電磁放射発生器は、クライストロン、ジャイロトロン、マグネトロン及
び固体電子源のうち任意な1つとすることができる。
【0038】
有利には、前記電磁放射(EMR)発生器は、前記電磁放射(EMR)と前記流体物質
との間の結合を最適化し得るものとすることができる。好適には、前記電磁放射(EMR
)と前記流体物質との間の前記結合は、所定制御アルゴリズムを利用して自動的に最適化
することができる。有利には、前記流体入口は、前記流体入口を通過するときに前記流体
物質の初期流体圧力を所定第1流体圧力に変化させ得るものとすることができる。好適に
は、前記所定第1流体圧力は前記初期流体圧力より大きいものとすることができる。
【0039】
有利には、前記流体出口は、前記流体出口を通過するときに前記流体物質のチャンバ流
体圧力を所定第2流体圧力に変化させ得るものとすることができる。好適には、前記所定
第2流体圧力は前記チャンバ流体圧力より大きいものとすることができる。より一層好適
には、前記所定第1流体圧力は前記所定第2流体圧力より大きいものとすることができる
。
【0040】
したがって、減縮ポートである入口は加圧フローを生じ、またやはり減縮ポートである
出口はマイクロ波場近傍の圧力及びスピン効果を維持するよう支援し、ガス膨張効果のジ
ュール・トムソン効果で支援する。反応器チャンバ内での流体の圧力及びスピンは最も臨
界的である。さらに、場強度は持続させ、またフロー、量、圧力及び温度に対するよう測
定することができ、これらパラメータの各々は所望ARCS効果を達成する役割を演ずる
。
【0041】
本発明の好適な実施形態は、上述した従来技術の欠点のうち1つ又はそれ以上を克服し
ようとするものである。
【0042】
本発明の他の実施形態によれば、流体物質を処理する方法であって、
動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備え、前記複数の流体処理装置の各
々が前記流体物質の供給を反応器チャンバに流入及び通過させるよう構成した該反応器チ
ャンバを生ずるものである上述した本発明実施形態による排気システムを準備するステッ
プと、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR)
導波路であって、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記反応器チャンバ内で動作
可能に接続し、また動作可能に接続した複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チ
ャンバを通過する流体物質に対して所定波長の電磁放射を結合し得る、該少なくとも1つ
の電磁放射(EMR)導波路を準備するステップと、
前記動作可能に接続した複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバに流体
物質を流入及び通過させるステップと、
前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を介して電磁放射を通過させ、かつこ
れにより前記動作可能に接続した複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバ
にわたり電磁放射を結合させるステップと
を備える、方法を提供する。
【0043】
したがって、この方法は、処理すべき流体物質が反応器チャンバを通過するときに反応
器チャンバに画定される反応ゾーンに渡ってEMR放射を結合する。装置につき説明した
ように、この方法は、通過する流体流処理のためのエネルギー源を提供することができる
。電磁放射波長並びに反応器チャンバの寸法及び構成を適正に選択することを受けて、有
害成分物質のレベルを制御、変更及び所望レベルに減少するよう、反応器チャンバに画定
される反応ゾーンを通過する流体物質の成分にエネルギーを付与することができる。
【0044】
流体物質は、例えば、1つ又はそれ以上の特定成分物質のレベルを制御する複数成分物
質を有する。特別な利点は、燃焼プロセスの排気ガスから望ましくないエミッションのレ
ベル減少を向上させて燃焼からいかなる潜在的エミッション排気をも最小化するための排
気ガス流にその方法を適用することで予期される。本発明方法は、既存燃焼機関に、例え
ば、排気エミッションを減少するために既存排気システム内に利用することができる。
【0045】
この方法は、とくに、本発明の第1実施形態の原理を具現化する装置を動作させる方法
であり、また好適な方法ステップは類似として理解されるであろう。
【0046】
とくに、本発明方法は、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って互いに
動作可能に接続されるよう前記反応器チャンバの周壁における離間した場所に前記第1導
波路入力ポート及び第1導波路出力ポートを動作可能に接続することによって、前記第1
導波路入力ポート及び前記第1導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接
続するステップを備えることができる。
【0047】
とくに、本発明方法は、例えば、前記第1インタフェース部材及び前記第2インタフェ
ース部材が前記所定第1波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性であり得る前記
周壁の部分を有する光インタフェースによって、前記第1導波路入力ポート及び前記第1
導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接続するステップを備える。好適
には、本発明方法は、前記反応器チャンバに渡り定在波を発生させるステップを備える。
【0048】
好適には、前記所定第1波長は300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれ
の周波数スペクトルで1mm~1mの間におけるものである。
【0049】
本発明の好適な実施形態を、以下に添付図面につき単に例としてまた何ら限定する意味
はなく、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】内燃機関の排気システムに使用するのに適する本発明実施形態による装置の断面図を示す。
【
図2】車両排気エミッション(放出物)を制御するのに適用するときの本発明原理を試験する試験システムの概略図を示す。
【
図11】排気管装置内のマイクロ波性能における試験セットアップの説明図である。
【
図12】本発明の(a)導波路(直径15mm)及びARCSデバイスを備える排気管装置内のエネルギー場分布の説明図である。
【
図13】例示的排気管装置の異なる斜視図(a)、(b)及び(c)を示す。
【
図14】ARCS反応器チャンバを対応の導波路に結合するのにマイカディスクを使用するモジュール式ARCSデバイスの例示的実施形態の説明図であり、(a)前面図、(b)側面図、及び(c)半透過的斜視図である。
【
図15】排気管装置内に設置するのに適したブロック部材に設置される導波路に動作可能に結合したARCS反応器チャンバの説明図であり、(a)半透過的頂面図、(b)半透過的側面図、及び(c)半透過的斜視図である。
【
図16】
図15に示すブロック部材を有する例示的排気管装置の斜視図である。
【
図17】10個の動作可能に結合できるARCSモジュール、2個の端部プレート及び中心ロッドを備えるARCSモジュールチャンバ組立体の説明図である。
【
図18】
図17に示すARCSモジュールチャンバ組立体の分解したARCSモジュール及び2個の端部プレートの説明図である。
【
図19】単独材料ブロックから製造される、
図17に示すARCSモジュールの代案的実施形態の説明図である。
【
図20】
図19のARCSモジュールを分解して、例示的プラグ及び例示的マイカディスク、並びに中心ロッドを示す説明図である。
【
図21】排気管装置の中間部分にフランジが溶接される本発明の代案的実施形態(導波路出力ポートがない)の説明図であり、(a)断面化した斜視図、(b)頂面図、及び(c)分解図である。
【
図22】使用中に直接T字状送給を行う排気管装置内の電場分布の説明図である。
【
図23】ARCSの実施形態を含む例示的排気管装置の反応器チャンバにおける、入口ポートと出口ポートとの間の流体フローを示す簡素化した概略図である。
【
図24】排気システムに組み込むのに適した流体処理装置の例示的実施形態及びその特定寸法を示す。
【
図25】11個のチャンバを有する例示的ARCSブロックを示す。
【
図26】所定長さのアレイ内に組み込むのに適した例示的モジュール式セグメントの概略図及び画像を示す。
【
図27】2つの異なるARCSアレイ、10個のチャンバを含む単独ブロック、及び10個のモジュール式セグメントから組み合わせたブロックの画像を示す。
【
図28】排気システム(ARCSブロックは示さない)内に設けた導波路(いわゆる拡張ランチャー)を示す。
【
図30】マイクロ波発生器の例示的実施形態の画像を示す。
【
図31】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図32】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図33】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図34】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図35】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図36】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図37】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図38】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図39】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図40】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図41】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図42】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図43】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図44】ARCSブロックを組み込む排気システムの組立て中の個別ステップの画像を示す。
【
図45】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図46】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図47】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図48】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図49】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図50】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【
図51】ARCSブロック設計の組立てに必要とされる個別部品の特別な例示的実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明原理の特別な好適な適用は、例えば、燃焼機関の排気流における排気燃焼生成物
の「クリーニング(浄化)」に関連する。
図1は、内燃機関の排気システムに使用するの
に適する本発明実施形態による装置の断面図を示す。
【0052】
本発明の例示的用途によれば、排気煙道ガスが「浄化済み(cleaned)」(すなわち、
NOX、CO等のような有害排ガスを低減)にされることであり、この浄化は、排ガス出
力経路内に装置100を設けることにより行うことができる。例えば、装置100は、排
気ガスからの有害成分を低減又は除去すらもするよう、車両の燃焼機関の排気管装置に設
けることができる。
【0053】
装置100は、開放した反応器(リアクター)チャンバ104を画定する凸状中心部分
103を有する細チューブ102の形態である主本体を備える。チューブの2つの端部は
、それぞれ入口及び出口を画定し、これら入口及び出口は好適な用途では燃焼機関の排気
管に流体連通し、また例えば、この排気管に組み込む。処理すべき排気ガスのフローは、
これにより使用にあたり連続的に反応器チャンバ104に流入及び通過するよう維持され
得る。概して、本発明が効果的に機能する上で望ましいのは、排気ガスが上昇した温度に
あり、また入口端部が排気マニホールドの直ぐ下流に位置することである。付加的又は代
案的に、ヒーター(図示せず)を入口の上流に設けることができる。
【0054】
EMR導波路システムを設け、所定波長のマイクロ波電磁放射を反応器チャンバ104
に結合させる。このシステムは、反応器チャンバ104を画定する凸状壁103の最も幅
が広い部分の直径方向に対向する側面に第1EMRカプラー120及び第2EMRカプラ
ー122をそれぞれ配置して設ける。第1及び第2のEMRカプラー120、122は、
それぞれ導波路入力ポート及び導波路出力ポートを画定し、これらポートは、包囲する発
生器アセンブリ110として全体的にコンパクトに一緒に関連させて示した、マイクロ波
発生器(例えば、2.45GHzの0~100W入力)及び電源に入力伝送ライン及び出
力伝送ラインを介して接続する。第1及び第2のEMRカプラー120、122は、凸状
壁103の封止開孔に導入及び密封したガラスプラグの形態とした対応する第1及び第2
の光インタフェース124、126に接続する。
【0055】
この構成は、したがって、入力伝送ライン及び出力伝送ラインを介して対応のEMRカ
プラー120、122に接続したマイクロ波発生器を有する閉ループEMR回路を形成し
、EMR導波路を画定しかつEMR放射を反応器チャンバ104のキャビティにわたり結
合し、したがって、反応器チャンバを通過する排気ガスにEMR放射を結合させる。第1
及び第2の光インタフェース間で反応器チャンバ104内に定在波Wを発生することがで
きる。
【0056】
使用にあたり、したがって、処理すべき排ガスが通過するとき反応器チャンバ104内
に画定される反応ゾーンにわたるEMR放射を結合することができる。エネルギーは、エ
ミッションレベルを低減するよう反応ゾーンを通過する排気ガス流の成分に付与すること
ができる。
【0057】
装置100によって「クリーンアップ」した後、排気ガスはより高い酸素パーセンテー
ジを有することができ、これにより「浄化済み(cleaned)」ガスを燃焼機関内に再循環
させて、機関のエネルギー効率を向上することができる。代案的に、従来のように大気に
排気することができる。
【0058】
試験は、車両エミッション低減用デバイスとしての頭字語であるARCSによって以下
に言及される試作デバイスで実施した。
【0059】
この試験は、要約すると、十分暖まったジーゼル車両からの排気ガスをARCSデバイ
スに通過させるステップと、独占所有権のある試験場(ワークショップ)用5ガス排気エ
ミッション分析器を用いて機関アイドリング中のデータをログ付けするステップとを含む
。ARCSデバイスがアクティブ及びパッシブであることを含むデータログが取得された
。ARCSデバイスは、1~100Wの間における調整可能な入力電力レンジを有する。
電流研究のために入力電力は45Wに限定された。
【0060】
排気ガスエミッションは、サイクス・ピッカヴァント社製5ガス排気エミッション分析
器を用いて分析した。分析された5つのガスは、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、酸素(O2)、炭化水素(HC)、及び一酸化窒素(NO)である。
【0061】
デュアル車両排気管装置からの排気ガスは、約3.3m長さの2つの排気ホースに通過
させ、その後単一のプラスチックY字ピースを用いて単一ホースに組み合わせた。約1.
8mの他のホースによって、Y字ピースをARCSデバイスに接続した。ARCSハード
ウェアは主に燃料改質装置用途で使用するのに設計されたために、排気ホースをARCS
デバイスに整合させるのに多数のアダプタが必要であった。ARCSデバイスに通過させ
た後、排気ガスは直角に備え付けた約0.88m長さの透明プラスチック積層パイプに排
出させ、このパイプ内に排ガス分析器プローブを挿入した。分析器プローブは、約5mの
透明ホースで分析器に接続した。ARCSデバイスまでのホース概略図を
図2に示す。
【0062】
試験シーケンスの開始時において、処理システムが通常走行温度まで上昇した後エンジ
ンに排気ガスを排出させるよう車両を始動及びアイドリングさせた。ARCSオン状態及
びARCSオフ状態双方を1回の車両アイドリング中に順次に実施した。
【0063】
2回の試験を実施し、1回はARCSデバイスをアクティブ状態にし、また1回はAR
CSデバイスをパッシブ状態で実施した。各試験の前に、排気ガス分析器のゼロチェック
手順を実施した。この手順は、プローブを試験設置状態から外すステップと、試験場環境
外部の新鮮空気をサンプリングするステップとを含む。60秒にわたる新鮮空気サンプリ
ング後、CO、HC、CO2、及びNOの示度数をゼロにし、酸素示度数を20.9%に
セットする。
【0064】
試験におけるARCSのセットアップ中、車両の排気管装置を離脱させ、車両をアイド
リング状態に維持したまま試験場外部にダクト通気した。試験の開始時に分析器データロ
グを開始し、また排気管装置を再接続した。分析器が排気ガスエミッションを記録できる
適当な遅延時間後にARCSデバイスをスイッチオンした。試験終了近くでARCSデバ
イスをスイッチオフし、また排気ガスエミッションにおける変化をログ付けした。ARC
Sオフ試験のため、分析器の排ガスサンプリングプローブはYピース後の排気管ダクト内
に配置し、また排気ガスを試験場外部にダクト通気した。すべてのエミッションデータは
1秒のサンプリングレートで取得した。
【0065】
ARCSオフ試験結果は、以下の図に要約される。すなわち、
図3:CO2エミッションARCSオフ
図4:O2エミッションARCSオフ
図5:COエミッションARCSオフ
図6:NOエミッションARCSオフ
【0066】
分析器はサンプル3で排気管装置内に導入した。20秒にわたる分析器応答遅延後に、
各エミッション構成成分の平均値をサンプル23~サンプル418間で計算することがで
きる。これらは表1で提示される。
【0067】
構成成分平均(サンプル23~418)
CO2% 1.72
O2% 18.26
CO% 0.018
NOppm 126.53
表1:ARCSオフ平均エミッション
【0068】
ARCSオン試験結果は以下の図に要約される
図7:CO2エミッションARCSオン
図8:O2エミッションARCSオン
図9:COエミッションARCSオン
図10:NOエミッションARCSオン
【0069】
ARCSデバイスはサンプル65でスイッチオンされ、サンプル311でスイッチオフ
された。20秒にわたる分析器応答遅延後に、各エミッション構成成分の平均値をサンプ
ル85~サンプル310間で計算することができる。これらは表2で提示される。
【0070】
構成成分平均(サンプル85~310)
CO2% 0.65
O2% 18.35
CO% 0.040
NOppm 124.15
表2:ARCSオン平均エミッション
【0071】
平均エミッションにおけるARCSオフ及びARCSオフの比較は、ARCSオンでC
O2エミッションは減少し、またCOエミッションは増加する。CO2エミッション減少
は約62%であり、またCOエミッション増加は約222%である。O2及びNOエミッ
ションはARCSオフ試験とARCSオン試験との間で類似している。
【0072】
CO2エミッションのプロット、
図4:CO2エミッションARCSオフ及び
図8:C
O2エミッションARCSオンに関する点検は、ARCSオンでの平均エミッションにお
ける減少は変動性の増加に関連付けられる。
【0073】
COエミッションのプロット、
図6:COエミッションARCSオフ及び
図10:CO
エミッションARCSオンに関する点検は、ARCSオンでの平均エミッションにおける
増加は変動性の増加に関連付けられる。
【0074】
試験は、45Wの適度な電力レベルで稼働しているARCSデバイスは、独占所有権の
ある試験場用5ガス排気エミッション分析器によって検出される車両排気エミッションの
組成を変更させる能力を有することを示した。CO2エミッションの62%減少及びCO
エミッションの222%増加が観測された。この文脈において、CO2エミッション増加
を認識するため、ガソリンエンジン車両にUK MOT試験中にアイドリングCOエミッション
試験を課する。通常アイドリングにおいて、COエミッションは0.3%未満でなければ
ならない。アイドリングCOエミッションが本来的に低いジーゼルエンジン車両で試験作
業を実施したとき、増加したCOエミッションであっても図は依然としてガソリン限界よ
りも十分低い。
【0075】
他の実施例において、装置100の原理を具体化している装置のアレイアセンブリは、
煙道ガスを「クリーンアップ(浄化)」する発電所の煙道ガススタックに設けることがで
きる。とくに、アレイアセンブリは、本発明装置100の反応器(リアクター)ユニット
を複数個で作成することができ、これら反応器ユニットは、煙道ガススタックの煙突内に
装着し得るアセンブリを形成するよう配列し、この場合平行に配列される複数の反応器ユ
ニットは、1つの単独EMR源又は複数個のEMR源のいずれかに動作可能に結合する。
【0076】
<ARCSの実施形態を排気管設計に実装する実施例>
本発明による装置100の実施形態を使用するとき、電力密度、電界強度、ガス膨張、
ガス再循環(スピン効果)圧力、及び温度は、所定仕様(ARCS反応器チャンバ104
を通過する流体物質、及びこの流体物質に結合されるマイクロ波エネルギーに適合する)
に従って維持されることは重要である。さらに、装置100の反応器チャンバ104は、
必要な流体フロー及び圧力が得られるよう設計すべきである。反応器チャンバ、並びに流
体入口ポート及び流体出口ポートの内壁は、流体入口ポートに進入する流体物質は、反応
器チャンバ104を通過するとき強制的に連続するスピン又はループにされ、したがって
、流体物質が流体出口ポートから反応器チャンバ104を退出する前に流体物質のエネル
ギー場内での時間を最大化する形状にする。流体入口ポート及び流体出口ポート双方は、
流体物質が通過するとき流体圧力を増大するのに適合し、入口ポートによって付与される
流体圧力は出口ポートによって付与される流体圧力よりも高くし、これにより流体入口ポ
ートから流体出口ポートに向かう陽圧ガスフローを維持し得るようにする。さらにまた、
加圧流体物質が反応器チャンバ104に進入するとき、流体の急激膨張が流体物質を冷却
させることができる(ジュール・トムソン効果)。
【0077】
反応器チャンバの例示的実施形態を
図23に示す。ここで、あり得る流体フローは、導
波路(すなわち、ランチャー)を循環(旋回)する矢印によって示す。しかし、当業者に
は、進入する流体をチャンバから退出する前に強制的にスピン又は旋回するフローにする
のに適した任意な他の反応器チャンバ(すなわち、内壁の設計)を使用できることを理解
できるであろう。
【0078】
1つの例示的実施形態において、本発明の装置100は排気管装置200内に動作可能
に実装する。装置100により得られる利点を実証できるようにするため、水分がマイク
ロ波性能にどのように影響するかを示すよう、排気管装置自体を先ず試験する。
図11に
示す例示的試験において、ガス測定示度数変化は観測されなかった。送給された電力は1
00Wであった。
【0079】
次に
図12につき説明すると、(a)排気管装置導波路202(15mm)及び(b)ARC
S導波路におけるエネルギー場分布を比較する。図示された実施例においてARCS導波
路の電力対流量比は、排気管装置に比べると50~100倍大きい。
【0080】
(i) モジュール式ARCSアセンブリ
装置300のモジュール式設計を使用する場合、マイカプラグ302が相互連結プラグ
となり、またさらに、1つの導波路304をすべてのモジュールを連結するのに使用する
ことができる。このことは、製造コストを軽減するのに役立ち、またさらに、低いエネル
ギー消費単位を維持することができる。
【0081】
図15は、排気管装置200内に装着するのに適したブロック306に設置する導波路
304に、単独モジュール式装置300(反応器チャンバユニットのみ)を動作可能に結
合する実施形態を示す。排気管装置200内におけるアセンブリを
図16に示す。
【0082】
10個を相互連結したモジュール式装置402のアセンブリ400を
図17に示す。2
つの端部プレート404をアセンブリ400のそれぞれ対応する端部に設ける。好適な導
波路406は、相互連結したモジュール式装置402の対応する孔に挿入するよう設ける
。対応するプラグ408を使用して流体入口ポート及び流体出口ポートとして作用させる
。
図18は、相互連結可能モジュール式装置402及び各端部プレート404の単一ユニ
ットの例示的実施例を示す。使用にあたり、アセンブリ400はブロック306内に設け
、このブロック306は、後に排気管装置200内に設置する。
【0083】
(ii) 単一ピースARCSモジュール
図19及び20は、複数の装置502を備えるモジュール500の例示的実施形態を示
す。このモジュールは、アセンブリ全体強度及び使用容易性を向上するよう材料(例えば
、金属)の単一ピースで作成する。
図20で示すように、モジュール500に機械加工し
た対応する溝孔506に、マイカディスク504を導入する。対応するプラグ508を各
反応器チャンバの流体入口及び流体出口内にねじ込み、また中心導波路510をモジュー
ル500の全長にわたり挿通する。
【0084】
さらに他の実施形態において、導波路は、好適なフランジ部分600(
図21参照)に
よって得られるT字状送給路(
図22参照)を介して設ける。フランジ部分600は排気
管装置200に溶接することができる。排気管装置200内のT字状送給路によって得ら
れる典型的なエネルギー場分布を
図22に示す。
【0085】
(iii) 排気システム(自動車排気管装置)の組立て及び調整の特別な実施例
2.45GHzマイクロ波発生器は、試験用に10W~100Wの間にセットする。試
験中に使用される共通セッティングは25W~45Wの間とすることができるが、100
Wとすることもできる。50オームマイクロ波同軸ケーブルにより排気管装置の外側ケー
シング内でマイクロ波発生器をARCSユニットに接続する。幾分のエネルギー(例えば
、1.3dB)はマイクロ波ケーブル内で損失されることがあり得る。このことは、試験
において予期されまた考慮される。
【0086】
組立て中及び試験中、マイクロ波ケーブルは、ケーブルの損傷、又は過剰な曲げ、ねじ
れを回避するよう注意深く経路付けしなければならない。これらは最小曲げ半径に特定し
てケーブル固定する。ケーブルが適切に取り扱われない場合、ケーブル長さの不適合を生
ずることがあり、この結果として、ケーブルの局所的ポイントでエネルギーが消散する。
このことは、ケーブル損傷、ARCSユニットに対する減少した電力供給を招き、ARC
Sユニットが適正に動作することに影響を与える又はARCSユニットを停止させること
になる。
【0087】
ケーブル損傷は、発生器に現れる反射マイクロ波電力の値を使用して決定することがで
きる。低い反射電力(例えば、10W未満)はエネルギーがARCSユニット内に適正に
進入していることを示す。高い反射電力はケーブルが損傷しているおそれがあることを意
味する。
【0088】
上述したように、ARCSユニットは複数のARCSチャンバから構成することができ
る。本発明のこの実施形態におけるARCSチャンバの特別な寸法は以下に示す。さらに
、拡張ランチャー(導波路)及びマイカディスクのサイズ及び形状を提示する。マイカデ
ィスクの目的は、ARCSユニット内における隣接ARCSチャンバ間で流体が通過する
のを阻止することにある。拡張ランチャー(すなわち、導波路)は、本発明においてマイ
クロ波エネルギーをARCSチャンバ内に導入する手段として記載する。
【0089】
ARCSチャンバの特別な寸法を
図24に示し、すなわち、
・チャンバ半径は5mm
・チャンバ長さは30mm
・ガス入口及び出口の半径は0.5mm
である。
【0090】
ガス入口及び出口は、ガスが各ARCSチャンバに対して流入しかつ流出できる手段で
ある。チャンバ半径対入口/出口半径の好適な比は10:1とすることができる。
【0091】
図25は11個のARCSチャンバよりなるARCSブロックの例示的実施形態を示す
。この例示的実施形態において、ARCSブロックは単一の金属ブロックから機械加工す
る。
【0092】
上述したように、ARCSブロックの他の実施形態は、個別の相互ロック可能なセグメ
ントから構成し、組み付けたとき機械加工した単一ブロックの設計と同一の全体形状及び
機能を与えるよう構成することができる。これら相互ロックセグメントの1つを
図26に
示す。セグメント700は内部構造及び外部からの透視図を示す骨格図として提示する。
頂部及び底部の開孔706を設ける。異なる設計の端部キャップを頂部及び底部にねじ付
けることができる。側面開孔は、マイカディスク702を保持するためのインサートを画
定する。ガスフローは2つの開孔706の頂部を通過する下向き矢印の方向であり、また
マイクロ波CAV方向は側方矢印で示す。溝孔704は隣接モジュールを固定するために
設ける。
【0093】
図27は、セグメント組立体(上側)と中実ブロック設計(下側)との間の直接的比較
を示す。
【0094】
図28は、排気管装置(ARCSユニットなし)内に実装した導波路(すなわち、拡張
ランチャー)を示す。この拡張ランチャーの目的は、マイクロ波エネルギーを単一ARC
Sチャンバ内又は複数ARCSチャンバ(すなわち、ARCSブロック設計)における各
チャンバ内に送給することにある。
【0095】
図29はマイカディスクの実施例を示す。マイカディスクの目的は、相互連結した隣接
ARCSチャンバ間に流体が通過するのを阻止することにある。マイカディスクは、した
がって、流体又は液体に対する物理的バリアをなすが、その材料特性としては、マイカデ
ィスクがマイクロ波場に対して比較的「不可視」(非反応性)であるものとする。これに
より、単一のマイクロ波源及び拡張ランチャーはマイクロ波エネルギーを複数ARCSチ
ャンバに供給することができる。
【0096】
図30は、マイクロ波発生器の例示的実施形態を示す。マイクロ波発生器は、一般的に
、ARCSユニットへのマイクロ波エネルギーが適正であるのを確実にするように試験前
にセットアップする。セットアップは、発生器の暖機状態にできる数分間にわたる初期給
電稼働を含む。発生器は、必要電力レベルにセットし、また次に電力をスタート/停止ス
イッチで作動させる。反射電力が低い場合、ARCSユニットへのマイクロ波エネルギー
が適正であり、また動作パラメータ範囲内にあることをディスプレイが示す。しかし、反
射電力が高い場合、あり得るエラーの点検及び排除を必要とする。高反射電力の一般的根
本原因は、損傷マイクロ波同軸ケーブル又はARCSユニット組立体の故障のいずれかで
ある。
【0097】
正常動作中、マイクロ波発生器は電力をARCSユニットに安定レートで送給し、また
反射電力に変動又は変化を有する。
【0098】
本発明の一実施形態において、
図30に示す研究室用マイクロ波発生器をより低コスト
で特注設計した、最終消費者向け製品として適したバージョンに置換することができる。
【0099】
次に
図31~44につき、個別組立てステップを説明する。
【0100】
ステップ1-コンポーネント準備(
図31)
ブロックから開始して、油グリース又は塵埃又はランチャーから発生するマイクロ波場
に干渉し、いかなる極性(マイクロ波エネルギーを吸収する物質)もARCSユニット動
作を停止するおそれのある任意な物質が望まれない表面を清浄に維持する。
【0101】
ステップ2-マイカディスク追加(
図32)
マイカディスクを先ずマイカディスクホルダーに配置し、次にホルダーを所定位置に挿
入する。密着嵌合を望む場合、マイカディスクは反射性表面とせず、シール性のあるもの
とする。
【0102】
ステップ3-拡張ランチャー挿入(
図33)
すべてのマイカディスクを所定位置に配置した後、拡張ランチャー(導波路)をマイカ
ディスクの中心孔に押し込むことができる。このことは緊密嵌合とすべきである。ランチ
ャーをマイカディスクの所定位置に押し込むとき、ランチャーを注視することができる。
ARCSが効果的に動作するのを阻害するおそれがあるためマイカディスクの損傷を望ま
ないとき、整列を注視することができる。さらに、拡張ランチャー(導波路)は完全に中
心にまたブロックに貫通するよう着座させるべきである。
【0103】
ステップ4-端部キャップ追加(
図34、35)
次にARCSモジュールプラグ(端部キャップ)を入口及び出口の所定位置に嵌合する
ことができる。高さを均一に維持しかつ取り付けるのに指の締め付けで十分であることが
分かっている。中心の1mm孔のチェックはいかなる障害物又は閉塞物がないようにする
。いかなる閉塞物も排気ガスを制限するときARCSが効果的に作動するのを阻害する。
【0104】
各端部キャップの簡単な目視チェックにより1mm孔が塞がれていないことを確実にす
る。
【0105】
ステップ5-マイクロ波コネクタ追加(
図36)
次にコネクタを両側端部の所定位置に配置することができ、また拡張ランチャーをこれ
らコネクタ間に配置する。このことは、両側端部におけるユニットで1mmだけ露出した
状態に残してコネクタにおける絶縁体を剥ぎ戻すのに役立ち、このことにより、短絡(A
RCSユニットが適正に作動するのを阻害する)を防止する。
図36(b)は、ブロック
を取り付けた状態にすることなく、どのようにしてランチャー(導波路)をユニットに着
座させるかを示す。このことは、ARCSユニットのセットアップ及び調整を支援する。
とくに、好適には、0.5mmより大きい空隙がないようにすべきである。空隙は、AR
CSユニットの本体とブロックとの間のギャップである。
【0106】
ステップ6-マイクロ波コネクタ絶縁体のトリミング(
図37)
コネクタ間にランチャーを配置するとき、白色絶縁体を本体上に1mmだけ剥ぎ戻すの
は容易である。このことは、さらに、
図37に示すように、小さい空隙を生ずる(白色矢
印)。
【0107】
ステップ7-ブロックから本体までのガスシール追加(
図38)
次のステップはブロック及び本体に緊密シールを形成する。実施形態において、このこ
とは、PTFEテープを2重端部パターンにして巻き付けることによって行う(
図38参
照)。このことは、ガス密シールを生ずること及びマイカホルダーを所定位置に固定する
別方法を追加することの2重の機能を有する。ランチャーはホルダーが抜け出ることがで
きないよう阻止するが、この方法はホルダーをブロックの中心に維持する。しかし、当業
者であれば、任意な他の適当なシール及び固定手段を使用できることは理解できるであろ
う。例えば、代わりに、流体密シールをブロックと本体との間で実施し、この場合、圧縮
可能なガスケットを用いることによってブロックを収容する。
【0108】
ステップ8-マイクロ波コネクタ取り外し
マイクロ波コネクタを取り外す。
【0109】
ステップ9-ARCSブロックのユニットの本体内への配置(
図39)
マイクロ波コネクタを取り外した後、次のステップは、ブロックを所定位置に押し込む
ことである。このことは、ブロックを所定位置に僅かな圧力で滑り込ませる具合のよい密
着嵌合とすべきである。コネクタ用の孔にブロックが整列するようランチャーの位置を使
用することができ、また次にそっとブロックを所定位置に配置する。コネクタ用の孔を通
して見るとき、ランチャーを見ることができる。ランチャーは目視で中心に配置し、両側
端部に等しいギャップを形成する。ランチャーは小さいねじ回しにより移動(押し込む)
ことができる。
【0110】
ステップ10-ユニットの本体に対する拡張ランチャー位置確認(
図40)
ランチャーがARCS本体に対して着座する場所を決定することを可能にするよう孔を
通してランチャーを見ることができる。両側端部をチェックすることによって、ランチャ
ーを中心に位置決めし、この位置決めは、小さいねじ回しを使用して等しい空隙を生ずる
ようランチャーを押すことによって行う(
図40の白色矢印参照)。
【0111】
ステップ11-最終時間に関するマイクロ波コネクタ追加(
図41)
コネクタを所定位置にねじ込む前に先ず双方のコネクタを所定位置に押し込むことによ
って、ランチャー用の双方端部に等しいギャップを維持することができる。エミッション
低減が低下する場合、このことはランチャーの配置に依存し得る。最適低減のためにAR
CSシステムを調整するのが最良のやり方である。
【0112】
僅かに異なる長さ、例えば、218mm~220mmにわたり0.1mm毎に変化する
ランチャーを使用することはシステム(試験する自動車に依存するが)の調整に役立つこ
とも分かってきた。したがって、調整用の付加的方法としてこのことを使用することがで
きる。ランチャーが短絡する場合、オン状態にならないことが分かっている。
【0113】
さらに、ランチャーの中心位置決めを維持するため、双方のコネクタを同時にゆっくり
と締め込む。このことは、感覚によって最良に行われ、またコネクタを同時設置するとき
、ランチャーに進入するコネクタからピンを感じ取ることができる。しかし、バランスの
悪いセッティングで潜在的に効率を減少させるような、ランチャーを一方の端部から押し
込むことがないよう注意を払わなければならない。
【0114】
ステップ12-ガスシールチェック(
図42)
図42はブロックの密着嵌合(すなわち、PTFEが確実なシールのために完璧である
)を示す。蓋をねじ込んだ後、ブロックに対して押圧し、極めて緊密なシールを完了し、
かつブロックを確実に所定位置に保持する。
【0115】
ステップ13-連続性チェック及び短絡チェック(
図43)
各マイクロ波コネクタの中心ピン間の連続性を試験し、拡張ランチャーを介する電気的
接続が得られるのを確実にする。さらに、ユニット本体が拡張ランチャーに短絡していな
いのを確実にするよう任意な短絡回路をチェックする。点検蓋を装着する前にこのステッ
プを実施する。
【0116】
ステップ14-点検蓋の追(
図44)
排気システムの蓋を閉じる。このことは、ARCSユニット組立てにおける最終ステッ
プである。
【0117】
(iv)ARCSユニット(ブロック)部品の特別な実施形態(及び寸法)
図45~51は排気システム内側に装着するのに適した中実ブロック設計の例示的実施
形態の工学的図面である。セグメント化設計は、異なる本体サイズ決めに、すなわち、中
実ブロックの均等物を作成する融通性をもたらし、また新しい本体サイズ決めに関して拡
張ランチャー(導波路)をサイズ決めすることのみ必要とするようにするために使用する
ことができる。
【0118】
マイカディスク(セラミックディスク又はマイクロ波反射性であり、大量生産が容易な
材料を選択できる任意な材料とすることができる)。
【0119】
マイカディスクの内側寸法は、拡張ランチャー(導波路)と常に同一サイズにすべきで
ある。本明細書記載の実施形態において、これは、4.8mm中心孔及び15mm外径に
減少した。
【0120】
当業者には、上述の実施形態が単なる例として、また何ら限定的意味がないものとして
記載したものであり、種々の改変及び変更が特許請求の範囲に定義された本発明の範囲か
ら逸脱せずに可能であることは理解されるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体物質を処理するために動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備える排気システムにおいて、
前記複数の流体処理装置の各々が、
周壁によって画定される反応器チャンバと、
処理すべき流体物質の外部供給源から前記反応器チャンバに流体連通を提供するように適合される流体入口であって、これにより前記流体物質が前記反応器チャンバに対して流入及び通過する、流体入口と、
前記反応器チャンバから流体連通を提供するように適合される流体出口であって、これにより前記流体物質が前記反応器チャンバから通過する、流体出口と、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路であって、前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し、また前記反応器チャンバを通過する流体物質に対して少なくとも1つの所定波長の電磁放射を結合するように適合される、少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路とを有し、
前記反応器チャンバの周壁は、前記流体入口から受容されて前記反応器チャンバを通過している前記流体物質を、強制的に前記流体入口と前記流体出口との間で連続的循環フローにするように適合され、それにより前記流体物質が前記反応器チャンバ内部により長い期間留まることで、より多くのエネルギーが、前記少なくとも1つの電磁放射から前記流体物質へ結合することが可能となる、
排気システム。
【請求項2】
請求項1記載の排気システムにおいて、前記導波路入力ポート及び導波路出力ポートは、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って動作可能に接続されるよう前記周壁における離間した場所に動作可能に接続されている、排気システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)導波路は、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って動作可能に接続されるよう前記周壁における離間した場所にそれぞれ設けた第1EMRカプラー及び第2EMRカプラーを有する、排気システム。
【請求項4】
請求項2~3のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記導波路入力ポート及び前記導波路出力ポートは、前記反応器チャンバ内に画定される前記反応器容積の全幅に渡って動作可能に接続されるよう前記周壁における直径方向に対向する場所に設けられている、排気システム。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路は、前記所定波長の電磁放射を前記反応器チャンバ内に結合し得る光インタフェースを有する、排気システム。
【請求項6】
請求項5記載の排気システムにおいて、前記光インタフェースは、前記導波路入力ポートに動作可能に接続した第1インタフェース部材、及び前記導波路出力ポートに動作可能に接続した第2インタフェース部材を有する、排気システム。
【請求項7】
請求項2~6のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記第1インタフェース部材及び前記第2インタフェース部材は、所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性であるように適合される前記周壁の部分を有する、排気システム。
【請求項8】
請求項7記載の排気システムにおいて、前記第1インタフェース部材及び前記第2インタフェース部材の各々は、所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性である材料から作製した閉止プラグを有する前記周壁の開孔部分を含む、排気システム。
【請求項9】
請求項8記載の排気システムにおいて、インタフェース部材の各々は、ガラス製の閉止プラグを設けた前記周壁の開孔部分を含む、排気システム。
【請求項10】
請求項7~9のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路は、前記導波路入力ポート及び前記第1インタフェース部材に動作可能に結合した第1EMRカプラー、並びに前記導波路出力ポート及び前記第2インタフェース部材に動作可能に結合した第2EMRカプラーを有する、排気システム。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、使用にあたり定在波を生ずるよう、前記反応器チャンバが構成され、かつ前記所定波長が選択される、排気システム。
【請求項12】
請求項1~11のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記所定波長は300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの間におけるものである、排気システム。
【請求項13】
請求項12記載の排気システムにおいて、前記所定波長は100GHz~500MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間におけるものである、排気システム。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、処理すべき流体物質の前記反応器チャンバへの供給を可能にするよう前記流体入口に流体的に接続した流体物質供給源を備える、排気システム。
【請求項15】
請求項14記載の排気システムにおいて、さらに、流体物質の前記反応器チャンバからの通過及び前記反応器チャンバからの搬出を可能にするよう前記流体出口に流体的に接続した流体物質排出導管を備える、排気システム。
【請求項16】
請求項14又は15記載の排気システムにおいて、さらに、所定温度の前記流体物質を前記反応器チャンバに供給するよう、前記流体物質供給源と前記反応器チャンバとの間に流体的に接続され、かつエネルギーを前記流体物質に伝達するように適合される、ヒーターアセンブリを備える、排気システム。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、前記導波路入力ポートに動作可能に接続され、所定波長の電磁放射(EMR)を発生する電磁放射(EMR)発生器を備える、排気システム。
【請求項18】
請求項17記載の排気システムにおいて、前記EMR発生器は、さらに、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路の前記導波路入力ポートに動作可能に接続可能な入力伝送ライン、及び前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路の前記導波路出力ポートに動作可能に接続可能な出力伝送ラインを有し、マイクロ波発生器、前記入力伝送ライン及び前記出力伝送ラインは、前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を有する閉ループEMR回路を形成するように適合される、排気システム。
【請求項19】
請求項17又は18記載の排気システムにおいて、前記EMR発生器はマイクロ波発生器であり、また発生した前記電磁放射は、300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの間における波長を有する、排気システム。
【請求項20】
請求項19記載の排気システムにおいて、発生した前記電磁放射は、100GHz~500MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間における波長を有する、排気システム。
【請求項21】
請求項17~20のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)発生器は、マグネトロン、クライストロン、ジャイロトロン及び固体電子源のうち任意な1つである、排気システム。
【請求項22】
請求項17~21のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)発生器は、前記電磁放射(EMR)と前記流体物質との間の結合を調節することで前記流体物質の有害成分のレベルの制御、変更、及び/又は減少させるように適合される、排気システム。
【請求項23】
請求項22記載の排気システムにおいて、前記電磁放射(EMR)と前記流体物質との間の前記結合は、所定制御アルゴリズムを利用してことで前記流体物質の有害成分のレベルの制御、変更、及び/又は減少させるように自動的に調節される、排気システム。
【請求項24】
請求項1~23のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、前記流体入口は、前記流体入口を通過するときに前記流体物質の初期流体圧力を所定第1流体圧力に変化させ得るものである、排気システム。
【請求項25】
請求項24記載の排気システムにおいて、前記所定第1流体圧力は前記初期流体圧力より大きい、排気システム。
【請求項26】
請求項24又は25記載の排気システムにおいて、前記流体出口は、前記流体出口を通過するときに前記流体物質のチャンバ流体圧力を所定第2流体圧力に変化させ得るものである、排気システム。
【請求項27】
請求項26記載の排気システムにおいて、前記所定第2流体圧力は前記チャンバ流体圧力より大きい、排気システム。
【請求項28】
請求項26又は27記載の排気システムにおいて、前記所定第1流体圧力は前記所定第2流体圧力より大きい、排気システム。
【請求項29】
請求項1~28のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、さらに、
少なくとも1つの排気入口ポート及び少なくとも1つの排気出口ポートを有するハウジングであって、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイを動作可能に収容かつ包囲するように適合される、ハウジングと、及び
前記ハウジングの内面、及び動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイにおける少なくとも1つの外面の間に流体密シールを生ずるよう、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイにおける少なくとも外面に係合するように適合される少なくとも1つの流体密シール部材と、を備える、排気システム。
【請求項30】
請求項1~29のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、少なくとも1つのシール部材はポリマーで作成する、排気システム。
【請求項31】
請求項1~30のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイは、単一のピースから形成する、排気システム。
【請求項32】
請求項1~30のうちいずれか1項記載の排気システムにおいて、動作可能に接続した複数の流体処理装置の前記アレイは、複数の相互連結可能なモジュール式流体処理装置から形成する、排気システム。
【請求項33】
動作可能に接続した複数の流体処理装置のアレイを備え、動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の各々が前記流体物質の供給を流入及び通過させるよう構成した該反応器チャンバを生ずるものである請求項1~32のうちいずれか1項記載の排気システムを準備するステップと、
導波路入力ポート及び導波路出力ポートを有する少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を準備するステップであって、前記導波路入力ポート及び前記導波路出力ポートは動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の前記反応器チャンバ内で動作可能に接続し、また動作可能に接続した複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバを通過する流体物質に対して所定波長の電磁放射を結合するように適合される、少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を準備するステップと、
動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバに流体物質を流入及び通過させるステップと、
前記少なくとも1つの電磁放射(EMR)導波路を介して電磁放射を通過させ、かつこれにより動作可能に接続した前記複数の流体処理装置の任意な1つの前記反応器チャンバにわたり結合させるステップとを含む、流体物質を処理する方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、前記反応器チャンバ内に画定される反応器容積を渡って互いに動作可能に接続されるよう前記反応器チャンバの周壁における離間した場所に前記導波路入力ポート及び導波路出力ポートを動作可能に接続することによって、前記導波路入力ポート及び前記導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接続するステップを含む、方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、例えば、前記第1インタフェース部材及び前記第2インタフェース部材が前記所定波長の電磁放射に対し少なくとも部分的に透過性であるように適合される前記周壁の部分を有する光インタフェースによって、前記導波路入力ポート及び前記導波路出力ポートを前記反応器チャンバ内で動作可能に接続するステップを含む、方法。
【請求項36】
請求項34又は35記載の方法において、前記反応器チャンバに渡り定在波を発生させるステップを含む、方法。
【請求項37】
請求項34~36のうちいずれか1項記載の方法において、前記所定波長は300GHz~300MHz(マイクロ波)のそれぞれの周波数スペクトルで1mm~1mの間におけるものである、方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、前記所定波長は100GHz~500MHzのそれぞれの周波数スペクトルで3mm~0.6mの間におけるものである、方法。
【外国語明細書】