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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160496
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
G03G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075556
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】荒川 貴史
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA04
2H171FA22
2H171GA11
2H171HA05
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA34
2H171KA05
2H171KA25
2H171LA03
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA03
2H171QA08
2H171QB32
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA12
(57)【要約】
【課題】ジョイントシャフト及び第2ローラの取り外し作業の容易化を実現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、画像形成部3と、モータM1と、第1カップリング51を有する駆動ギヤ50と、第1ローラ41と、駆動ギヤ50と噛み合い、第1ローラ41と一体で回転する伝達ギヤ56と、第2ローラ42と、第2ローラ42を第1ローラ41に向けて付勢する付勢部材42Fと、軸方向の一端55W1が第1カップリング51と連結するジョイントシャフト55と、を備える。第2ローラ42は、駆動ギヤ50から第2ローラ42に駆動力を伝達する第2カップリング52であって、ジョイントシャフト55の軸方向の他端55W2と連結して第1カップリング51及びジョイントシャフト55と共に自在継手を構成する第2カップリング52を、第2ローラ42の回転軸42Sと同軸に有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
駆動力を発生するモータと、
第1カップリングを有し、前記モータの前記駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、
前記画像形成部に向けてシートを搬送する第1ローラと、
前記駆動ギヤと噛み合い、前記第1ローラと一体で回転する伝達ギヤと、
前記第1ローラとの間でシートを挟んで回転し、前記画像形成部に向けてシートを搬送する第2ローラと、
前記第2ローラを前記第1ローラに向けて付勢する付勢部材と、
軸方向の一端が前記第1カップリングと連結するジョイントシャフトと、
を備え、
前記第2ローラは、前記駆動ギヤから前記第2ローラに前記駆動力を伝達する第2カップリングであって、前記ジョイントシャフトの前記軸方向の他端と連結して前記第1カップリング及び前記ジョイントシャフトと共に自在継手を構成する第2カップリングを、前記第2ローラの回転軸と同軸に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2カップリングを回転可能に保持する軸受をさらに備え、
前記第2ローラは、シートを搬送するローラ本体と、前記ローラ本体と一体で回転する前記回転軸であって、一端が前記第2カップリングに嵌入する前記回転軸と、を有し、
前記軸受は、前記第2カップリングにおける前記回転軸が嵌入する部分を保持しており、前記第2ローラを前記第1ローラに対して接近及び離隔させるように移動可能であり、
前記付勢部材は、前記軸受を付勢している請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1カップリングに対する前記駆動力の伝達及び遮断を切り替える電磁クラッチと、
前記第1カップリングを回転可能に支持するフレームであって、前記軸方向における前記第1カップリングよりも前記ジョイントシャフトから離隔した位置で前記電磁クラッチを支持する前記フレームと、
をさらに備え、
前記第1カップリングは、前記電磁クラッチに嵌入するクラッチ軸と、前記軸方向における前記フレームに対して前記ジョイントシャフトとは反対側から前記フレームに当接するフランジと、を一体に有している請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、前記軸方向に延びる軸心を中心に回転する感光ドラムを有し、
前記第1ローラと前記第2ローラとは、前記感光ドラムに向かってシートを搬送する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光ドラム及び前記第1ローラを有するドロワと、
前記ドロワを第1位置で収容するとともに、前記ドロワを前記第1位置から移動可能に支持する装置本体と、
をさらに備え、
前記軸受は、前記ドロワが前記第1位置にある状態で前記第2ローラを前記第1ローラに対して位置決めするための位置決め凸部を有し、
前記ドロワは、前記ドロワが前記第1位置にある状態で前記位置決め凸部が嵌入する位置決め溝を有している請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ドロワは、トナーを収容するトナーカートリッジを装着可能であり、
前記ドロワは、前記第1位置と、前記第1位置から前記装置本体の外部に向かって引き出されて前記トナーカートリッジを交換可能な第2位置と、前記第2位置よりも引き出された位置であって前記装置本体から取り外された第3位置と、に移動可能であり、
前記第2ローラ、前記第2カップリング及び前記ジョイントシャフトは、前記ドロワが前記第1位置にある状態、及び、前記ドロワが前記第2位置にある状態において前記ドロワに覆われ、前記ドロワが前記第3位置にある状態において露出する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1ローラ及び前記第2ローラは、停止した状態で、前記第1ローラ及び前記第2ローラに向けて搬送されるシートの先端に当接し、所定時間の経過後に回転を開始して前記画像形成部に向けてシートを搬送するレジストローラ対である請求項1又は2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の画像形成装置の一例が開示されている。この画像形成装置は、画像形成部、モータ、第1ローラ、第2ローラ及び付勢部材を備えている。
【0003】
また、この画像形成装置は、特許文献1の図9に示すように、駆動ギヤ、第2アイドルギヤ、第1ギヤ、ジョイントシャフト、第1アイドルギヤ及び第2ギヤを備えている。
【0004】
駆動ギヤは、第1凹部を有しており、モータの駆動力を受けて回転する。第2アイドルギヤは、駆動ギヤと噛み合っている。第1ギヤは、第2アイドルギヤと噛み合い、第1ローラと一体で回転する。
【0005】
第1アイドルギヤは、第2凹部を有している。第2凹部は、ジョイントシャフトの軸方向において第1凹部と離隔している。ジョイントシャフトは、軸方向の一端と他端とが自在接手を構成している。ジョイントシャフトは、一端が第1凹部と連結し、他端が第2凹部と連結している。
【0006】
ジョイントシャフトは、第1凹部の回転軸に対する第2凹部の回転軸の位置がずれたとしても、第1凹部から第2凹部に駆動力を伝達する。第2ギヤは、第1アイドルギヤと噛み合い、第2ローラと一体で回転する。
【0007】
こうして、この画像形成装置は、モータの駆動力によって第1ローラ及び第2ローラを回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-21402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記従来の画像形成装置は、第1アイドルギヤ、第2アイドルギヤ及び第1ギヤを有することにより、ジョイントシャフトを第2ローラに対して下方の奥まった位置に配置せざるを得ない。
【0010】
このため、装置をメンテナンスする人の手がジョイントシャフトに届き難く、ジョイントシャフトの取り外し作業の容易化が難しい。そして、ジョイントシャフトを取り外していない状態では第2ローラを取り外すことが難しいので、第2ローラの取り外し作業の容易化が難しいという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ジョイントシャフト及び第2ローラの取り外し作業の容易化を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、
駆動力を発生するモータと、
第1カップリングを有し、前記モータの前記駆動力を受けて回転する駆動ギヤと、
前記画像形成部に向けてシートを搬送する第1ローラと、
前記駆動ギヤと噛み合い、前記第1ローラと一体で回転する伝達ギヤと、
前記第1ローラとの間でシートを挟んで回転し、前記画像形成部に向けてシートを搬送する第2ローラと、
前記第2ローラを前記第1ローラに向けて付勢する付勢部材と、
軸方向の一端が前記第1カップリングと連結するジョイントシャフトと、
を備え、
前記第2ローラは、前記駆動ギヤから前記第2ローラに前記駆動力を伝達する第2カップリングであって、前記ジョイントシャフトの前記軸方向の他端と連結して前記第1カップリング及び前記ジョイントシャフトと共に自在継手を構成する第2カップリングを、前記第2ローラの回転軸と同軸に有することを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成装置は、上記従来の画像形成装置に係る第1アイドルギヤ、第2アイドルギヤ及び第1ギヤを有しておらず、駆動ギヤと第1ローラとの間に伝達ギヤがあるだけであり、また、駆動ギヤと、第2ローラが有する第2カップリングと、の間に第1カップリング及びジョイントシャフトがあり、第1カップリング、ジョイントシャフト及び第2カップリングが自在接手を構成しているだけである。
【0014】
これにより、この画像形成装置は、第2ローラとジョイントシャフトとが、同軸の位置となる。したがって、第2ローラと同軸の位置にあるジョイントシャフトに、装置をメンテナンスする人の手が届き易い。
【0015】
したがって、本発明の画像形成装置は、ジョイントシャフト及び第2ローラの取り外し作業の容易化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例の画像形成装置の模式断面図であって、ドロワの第1位置及び第3位置を示す図である。
図2図2は、図1と同様の模式断面図であって、ドロワの第2位置を示す図である。
図3図3は、ドロワ、第1ローラ、伝達ギヤ、駆動ギヤ、第2ローラ、ジョイントシャフト、第2カップリング、軸受等を示す部分斜視図である。
図4図4は、第1ローラ、伝達ギヤ、駆動ギヤ、第2ローラ、ジョイントシャフト、第2カップリング、軸受等を示す部分斜視図である。
図5図5は、駆動ギヤ、第2ローラ、ジョイントシャフト、第2カップリング、軸受等を示す部分斜視図である。
図6図6は、第1ローラ、伝達ギヤ、駆動ギヤ、第2ローラ、ジョイントシャフト、第2カップリング、軸受、電磁クラッチ等を示す部分分解斜視図である。
図7図7は、図1のA-A断面を示す部分断面図であって、ドロワが第1位置にある状態を示す図である。
図8図8は、図7と同様の部分断面図であって、ドロワが第3位置に移動した状態を示す図である。
図9図9は、図8と同様の部分断面図であって、ジョイントシャフトを取り外す動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。画像形成装置1は、電子写真方式によりシートに画像を形成するカラープリンタである。
【0019】
<画像形成装置の概略構成>
画像形成装置1は、略箱状体である装置本体9と、装置本体9に収容された画像形成部3、シートトレイ9C、給送部20及び排出ローラ対29と、を備えている。
【0020】
シートトレイ9Cは、画像形成部3よりも下方に位置している。シートトレイ9Cは、画像が形成される前のシートSHを積層状態で収容している。シートSHは、用紙、OHPシート等である。
【0021】
装置本体9の上面には、排出トレイ9Tが形成されている。排出トレイ9Tは、画像形成を終えたシートSHを支持する。
【0022】
装置本体9は、開口9H及びフロントカバー9Fを有している。開口9Hは、装置本体9の前面の上部分において開口している。フロントカバー9Fは、下端側を揺動中心軸としており、起立した状態で開口9Hを閉鎖している。フロントカバー9Fは、図1に二点鎖線で示すように、上端が前方かつ下方に移動するように揺動して前向きに略水平に突出する状態になることで、開口9Hを開放する。
【0023】
画像形成装置1の幅方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向である。装置本体9の開口9H及びフロントカバー9Fに向かった場合に左に来る側、すなわち図1の紙面手前側を幅方向の一方とする。図2以降の各図に示す前後方向、上下方向及び幅方向は、図1に対応させて表示する。画像形成装置1の幅方向は、後述するジョイントシャフト55の軸方向と平行である。
【0024】
図1に示すように、給送部20は、画像形成部3よりも前方に位置している。給送部20は、給送経路P1に沿って配置された給送ローラ21、分離ローラ22、分離パッド22A、搬送ローラ対23及びレジストローラ対24を有している。
【0025】
給送経路P1は、シートトレイ9Cの前端部から前向きかつ上向きに進んだ後にUターンし、後向きに略水平に進んで画像形成部3を通過する経路である。
【0026】
給送ローラ21は、シートトレイ9Cに収容されたシートSHを給送経路P1に送り出す。分離ローラ22及び分離パッド22Aは、給送ローラ21が送り出したシートSHが複数枚重なっている場合に1枚ずつに分離する。
【0027】
搬送ローラ対23は、分離ローラ22及び分離パッド22Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップしてレジストローラ対24に向けて搬送する。
【0028】
レジストローラ対24は、給送経路P1におけるUターンする部分の頂部に位置している。レジストローラ対24は、第1ローラ41及び第2ローラ42を有している。第2ローラ42は、第1ローラ41との間でシートSHを挟んで回転する。
【0029】
第1ローラ41及び第2ローラ42の具体的構成については後述するが、第1ローラ41及び第2ローラ42は、停止した状態で、第1ローラ41及び第2ローラ42に向けて搬送されるシートSHの先端に当接し、所定時間の経過後に回転を開始して画像形成部3に向けてシートSHを搬送する。これにより、シートSHの斜行が抑制される。
【0030】
なお、第1ローラ41及び第2ローラ42の回転開始の制御は、給送経路P1における搬送ローラ対23とレジストローラ対24との間に位置する図示しないシートセンサがシートSHの先端を検知したタイミングに基づいて実施される。
【0031】
こうして、給送部20によって画像形成部3に向けて給送されるシートSHは、給送経路P1の略水平に延びる部分において画像形成部3を通過する。
【0032】
画像形成部3は、直接転写型のカラー電子写真方式である。画像形成部3は、ドロワ80、転写ベルト6、スキャナ部8及び定着器7を有している。
【0033】
ドロワ80は、周知の構成であるので図示は簡略するが、図1の紙面の手前側と奥側とに位置して前後方向に延びる一対の側壁と、幅方向に延びて両側壁を連結する複数の連結部材とが組み合わされた枠状体である。
【0034】
装置本体9は、ドロワ80を収容している。図1に実線で示すドロワ80の位置は、装置本体9に収容された第1位置であって、画像形成部3が画像形成動作を実行するための位置である。
【0035】
ドロワ80は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーに対応する4つの感光ドラム5を有している。各感光ドラム5は、幅方向に延びる軸心X5を中心としている。ドロワ80は、各感光ドラム5を軸心X5周りに回転可能に支持している。各感光ドラム5は、給送経路P1の略水平に延びる部分に沿って前後方向に直列している。
【0036】
図2に示すように、ドロワ80は、4つのトナーカートリッジ3Cを装着可能である。図1に示すように、各トナーカートリッジ3Cは、各感光ドラム5に一対一で対応し、給送経路P1の略水平に延びる部分に沿って前後方向に直列している。各トナーカートリッジ3Cは、対応する色のトナーを収容している。
【0037】
各トナーカートリッジ3Cは、現像ローラ3E、帯電器3F及びトナー収容部3Gを有しており、それらが各感光ドラム5の周辺に位置している。
【0038】
装置本体9は、図示しないガイドレールによって、ドロワ80を第1位置から前方に移動可能に支持している。
【0039】
ドロワ80は、フロントカバー9Fが図1に二点鎖線に示す位置に揺動して開口9Hを開放する状態で、図1に実線で示す第1位置と、図2に示す第2位置と、図1に二点鎖線で示す第3位置と、に移動可能である。
【0040】
図2に示すように、ドロワ80の第2位置は、ドロワ80が第1位置から装置本体9の外部に向かって前方に引き出された位置であって、各トナーカートリッジ3Cを交換可能な位置である。図示しないガイドレールは、第2位置にあるドロワ80の前端側が垂れ下がらないように、そのドロワ80の後端側を支持している。すなわち、第2位置にあるドロワ80は、装置本体9から取り外されておらず、装置本体9と連結した状態である。
【0041】
図1に示すように、ドロワ80の第3位置は、ドロワ80が第2位置よりも前方に引き出された位置であって、装置本体9から取り外された位置である。ドロワ80を装置本体9から取り外すことにより、給送経路P1の途中で詰まったシートSHの除去作業や、各トナーカートリッジ3Cとは異なる消耗品の交換等の保守作業を実施できる。
【0042】
転写ベルト6は、各感光ドラム5に対して、給送経路P1の略水平に延びる部分を挟んで下方に位置している。転写ベルト6は、搬送されるシートSHを各感光ドラム5と共に挟持しながら循環する。
【0043】
スキャナ部8は、各感光ドラム5及び各トナーカートリッジ3Cよりも上方に位置している。スキャナ部8は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等を有している。スキャナ部8は、上方からレーザビームを各感光ドラム5に照射する。
【0044】
ドロワ80において、各感光ドラム5の表面は、その回転に伴って、帯電器3Fにより一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光ドラム5の表面には、シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0045】
次に、現像ローラ3Eは、トナー収容部3Gに収容されたトナーを静電潜像に対応して各感光ドラム5の表面に供給し、トナー像を形成する。そして、第1ローラ41及び第2ローラ42が各感光ドラム5に向けてシートSHを搬送し、そのシートSHが各感光ドラム5と転写ベルト6との間を通過する際、シートSHの上を向く面が各感光ドラム5と対面する。各感光ドラム5の表面上に担持されたトナー像は、シートSHの上を向く面に転写される。
【0046】
定着器7は、ドロワ80よりも後方に位置している。定着器7は、加熱ローラ7Aと加圧ローラ7Bとによって、シートSHを挟んで搬送しながら加熱及び加圧し、シートSH上にトナー像を熱定着させる。
【0047】
排出ローラ対29は、排出経路P2の下流端に配置されている。排出経路P2は、定着器7を通過したシートSHを上方に導き、かつ画像が形成された面が下を向くようにUターンさせて排出トレイ9Tに排出する経路である。排出ローラ対29は、排出経路P2に沿って搬送されるシートSHをニップして排出トレイ9Tに排出する。
【0048】
<第1ローラ軸受及び第1ローラ>
図3に示すように、ドロワ80は、第1ローラ軸受81、81M及び第1ローラ41を有している。
【0049】
図3に示すドロワ80は、第2位置又は第3位置にある。第1ローラ軸受81は、ドロワ80の前側かつ下側における幅方向の一方の角部に位置している。第1ローラ軸受81Mは、ドロワ80の前側かつ下側における幅方向の他方の角部に位置している。
【0050】
図4ではドロワ80の図示を省略しているが、図4に示す第1ローラ軸受81、81Mの位置は、第1位置にあるドロワ80に対応している。
【0051】
図3及び図4に示すように、第1ローラ41は、第1ローラ本体41A及び第1ローラ回転軸41Sを有している。
【0052】
第1ローラ本体41Aは、円筒状の表面をシートSHに接触させて回転することによりにシートSHを各感光ドラム5に向けて搬送する。第1ローラ回転軸41Sは、第1ローラ本体41Aに駆動力を伝達する金属製の円柱であり、第1ローラ本体41Aと一体で回転する。
【0053】
第1ローラ軸受81、81Mは、第1ローラ回転軸41Sを支持することにより、第1ローラ41を回転可能に支持している。
【0054】
第1ローラ回転軸41Sにおける第1ローラ軸受81よりも幅方向の一方に突出する部分には、伝達ギヤ56が固定されている。伝達ギヤ56は、第1ローラ41と一体で回転する。
【0055】
第1ローラ軸受81、81Mは、位置決め溝88を有している。位置決め溝88は、第1ローラ軸受81、81Mにおける第1ローラ回転軸41Sよりも下方かつ後方に位置する部分に形成され、第1ローラ回転軸41Sに接近するように上向きかつ前向きに凹んでいる。
【0056】
<給送側フレーム及びフレーム>
装置本体9は、複数の内部フレームとして、図3図9に示す給送側フレーム96や、図7図9に示すフレーム90等を有している。
【0057】
図3に示すように、給送側フレーム96は、幅方向に延びており、その下部分において給送部20の分離ローラ22等を支持している。
【0058】
図7に示すように、フレーム90は、装置本体9の幅方向の一方の側面に沿って前後方向及び上下方向に延びている。図示は省略するが、給送側フレーム96における幅方向の一方の端部は、フレーム90に連結している。
【0059】
図7に示すドロワ80は、第1位置にある。ドロワ80が第1位置にある状態で、第1ローラ軸受81は、フレーム90に幅方向の他方から対向している。
【0060】
図8はドロワ80が第3位置にある状態を示している。この状態では、給送側フレーム96及び第2ローラ42よりも上方が開放されている。
【0061】
<軸受、第2ローラ、圧縮コイルバネ及び第2カップリング>
図6及び図7に示すように、給送側フレーム96は、その上部分であって幅方向の一方の端部側に位置する部分において、軸受60を支持している。軸受60は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0062】
軸受60は、その下部分に形成された長穴67が給送側フレーム96側の案内凸部97を挿通させることにより、上向きかつ前向きに移動可能、かつその逆向きに移動可能である。
【0063】
図7に示すように、軸受60は、その上部分において幅方向に貫通する軸穴60Hを有している。また、軸受60は、位置決め凸部68を有している。位置決め凸部68は、軸穴60Hにおけるローラ本体42Sから幅方向に遠く離れた部分を囲む円筒形状である。
【0064】
軸受60と給送側フレーム96との間には、圧縮コイルバネ42Fが位置している。圧縮コイルバネ42Fは、軸受60を上向きかつ前向きに移動させるように付勢している。圧縮コイルバネ42Fは、本発明の「付勢部材」の一例である。
【0065】
図3及び図4に示すように、給送側フレーム96は、その上部分であって幅方向の他方の端部側に位置する部分において、軸受60Mを支持している。軸受60Mは、軸受60と勝手違いの略同一構成であって、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0066】
軸受60Mは、軸受60と同様に、上向きかつ前向きに移動可能、かつその逆向きに移動可能である。
【0067】
図4に示すように、軸受60Mも、その上部分において軸穴60H及び位置決め凸部68を有している。
【0068】
軸受60Mと給送側フレーム96との間にも、圧縮コイルバネ42Fが位置している。圧縮コイルバネ42Fは、軸受60Mを上向きかつ前向きに移動させるように付勢している。
【0069】
図4及び図7に示すように、第2ローラ42は、ローラ本体42A及び回転軸42Sを有している。
【0070】
ローラ本体42Aは、円筒状の表面をシートSHに接触させて回転することによりにシートSHを各感光ドラム5に向けて搬送する。回転軸42Sは、ローラ本体42Aに駆動力を伝達する金属製の円柱であり、ローラ本体42Aと一体で回転する。
【0071】
図7に示すように、回転軸42Sにおける幅方向の一方の端部である一端42S1は、第2カップリング52に嵌入している。つまり、第2ローラ42は、第2カップリング52を、第2ローラ42の回転軸42Sと同軸に有している。
【0072】
第2カップリング52は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。第2カップリング52は、嵌合部52S及び連結部52Jを有している。
【0073】
嵌合部52Sは、第2カップリング52における回転軸42Sが嵌入する円筒部分である。嵌合部52Sの内周には、凸部52Tが形成されている。凸部52Tが回転軸42Sの一端42S1における外周面の一部が切り欠かれた部分に係合することにより、回転軸42Sが第2カップリング52に対して回り止めされている。
【0074】
軸受60は、嵌合部52Sを軸穴60Hに内挿させた状態で、嵌合部52Sを回転可能に保持している。つまり、軸受60は、第2カップリング52の嵌合部52Sを介在させた状態で、回転軸42Sの一端42S1を回転可能に支持している。
【0075】
図5及び図7に示すように、連結部52Jは、軸受60の位置決め凸部68よりも幅方向の一方に突出している。連結部52Jは、第2カップリング52における幅方向の一方の端面から幅方向の他方に凹む凹部の内周面に、一対の溝52J1が幅方向に延びるように形成されてなる。
【0076】
図4に示すように、軸受60Mは、回転軸42Sにおける幅方向の他方の端部を回転可能に支持している。
【0077】
ドロワ80が第1位置にある状態で、軸受60、60Mは、第2ローラ42を第1ローラ41に対して接近及び離隔させるように移動可能である。圧縮コイルバネ42Fは、軸受60、60Mを押圧することにより、第2ローラ42を第1ローラ41に向けて付勢する。
【0078】
この際、軸受60、60Mの位置決め凸部68が第1ローラ軸受81、81Mの位置決め溝88に嵌入することにより、第2ローラ42が第1ローラ41に対して位置決めされる。
【0079】
なお、ドロワ80が第1位置から第2位置又は第3位置に移動する場合、軸受60、60Mの位置決め凸部68が第1ローラ軸受81、81Mの位置決め溝88の傾斜する端縁に押されることにより、軸受60、60Mが第2ローラ42を第1ローラ41に対して離隔させるように移動する。その結果、位置決め凸部68が位置決め溝88から外れる。
【0080】
<モータ、電磁クラッチ、駆動ギヤ及びジョイントシャフト>
図6及び図7に示すように、画像形成装置1は、モータM1、電磁クラッチCL1、駆動ギヤ50及びジョイントシャフト55を備えている。
【0081】
モータM1は、図示しない制御部に制御されて作動することにより、駆動力を発生する。モータM1の駆動力は、図示しない複数の伝達機構を経由して、給送ローラ21、分離ローラ22、搬送ローラ対23、排出ローラ対29及び画像形成部3に伝達される。
【0082】
また、モータM1の駆動力は、以下に説明するように、第1ローラ41及び第2ローラ42に伝達される。
【0083】
電磁クラッチCL1は、クラッチハウジングCL1H、入力ギヤCL1G及び出力部CL1Aを有している。
【0084】
図7に示すように、フレーム90は、幅方向の一方に突出するボス90Bを有している。クラッチハウジングCL1Hは、取り付け部CL1Bがボス90Bにネジ止めされることにより、フレーム90に取り付けられている。
【0085】
入力ギヤCL1Gは、クラッチハウジングCL1Hに回転可能に支持されている。モータM1の駆動力は、入力ギヤCL1Gに伝達される。
【0086】
出力部CL1Aは、入力ギヤCL1Gと同軸でクラッチハウジングCL1Hに回転可能に支持されている。図6に示すように、出力部CL1Aは、断面D字形状の貫通穴を有している。
【0087】
図示は省略するが、電磁クラッチCL1は、クラッチハウジングCL1H内にコイル、アマチュア及びロータを有する摩擦式電磁クラッチである。アマチュアは、入力ギヤCL1Gに一体回転に固定されている。ロータは、出力部CL1Aに一体回転に固定されている。
【0088】
電磁クラッチCL1は、図示しない制御部が通電を開始することによってコイルが磁場を発生させ、アマチュアとロータとに磁気吸着力が作用することで、入力ギヤCL1Gと出力部CL1Aとを連結する。
【0089】
その一方、電磁クラッチCL1は、図示しない制御部が通電を終了することによってコイルが磁場を発生させなくなり、ロータとアマチュアとに磁気吸着力が作用しなくなることで、入力ギヤCL1Gと出力部CL1Aとの連結を解除する。
【0090】
駆動ギヤ50は、被支持部50A、フランジ51F、クラッチ軸51S及び第1カップリング51を一体に有している。駆動ギヤ50、被支持部50A、フランジ51F、クラッチ軸51S及び第1カップリング51は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0091】
被支持部50Aは、駆動ギヤ50よりも幅方向の他方に位置している。被支持部50Aは、駆動ギヤ50よりも小径の円柱である。
【0092】
フランジ51Fは、駆動ギヤ50よりも幅方向の一方に位置している。フランジ51Fは、駆動ギヤ50よりも大径の円盤である。
【0093】
クラッチ軸51Sは、フランジ51Fよりも幅方向の一方に位置している。クラッチ軸51Sは、被支持部50Aよりも小径の円柱であり、幅方向の一方に向けて延びている。
【0094】
図7に示すように、クラッチ軸51Sにおける幅方向の他方に位置する部分は、断面D字形状である。クラッチ軸51Sは、電磁クラッチCL1の入力ギヤCL1Gに挿通され、さらに断面D字形状部分が出力部CL1Aの貫通穴に嵌入している。
【0095】
第1カップリング51は、被支持部50Aにおける幅方向の他方の端面から幅方向の一方に凹む凹部の内周面に、一対の溝51J1が幅方向に延びるように形成されてなる。
【0096】
図7図9では、一対の溝51J1の一方のみを図示し、一対の溝51J1の他方については図示を省略しているが、一対の溝51J1の他方は、一対の溝51J1の一方に対して図7図9の紙面手前側に位置している。
【0097】
図9に示すように、フレーム90は、第2カップリング52の連結部52Jから幅方向の一方に離隔した位置において、支持部90Aを有している。支持部90Aは、被支持部50Aの外周面よりも僅かに大きく、かつ上方の一部が切り欠かれた円筒状の内周面を有している。
【0098】
フレーム90は、支持部90Aから幅方向の一方に離隔した位置において、フランジ受け部90Fを有している。フランジ受け部90Fは、駆動ギヤ50の外径よりも大きく、かつフランジ51Fの外径よりも小さい丸穴の周縁部である。
【0099】
図7に示すように、支持部90Aが被支持部50Aを回転可能に支持し、フランジ51Fがフランジ受け部90Fに幅方向の一方から当接することにより、フレーム90は、駆動ギヤ50及び第1カップリング51を回転可能に支持している。
【0100】
図4及び図7に示すように、ドロワ80が第1位置にある状態で、伝達ギヤ56は、駆動ギヤ50と噛み合っている。その一方、図3及び図8に示すように、ドロワ80が第2位置又は第3位置にある状態で、伝達ギヤ56は、駆動ギヤ50から離隔する。
【0101】
図6及び図7に示すように、ジョイントシャフト55の軸方向は、幅方向と平行である。ジョイントシャフト55は、軸方向の一端55W1及び他端55W2が球状であり、一端55W1と他端55W2とを幅方向に延びる多段円柱によって接続してなる。ジョイントシャフト55は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって製造される樹脂成形品である。
【0102】
ジョイントシャフト55の一端55W1は、一対の円柱凸部55Bを有している。図6図9では、一対の円柱凸部55Bの一方のみを図示し、一対の円柱凸部55Bの他方については図示を省略しているが、一対の円柱凸部55Bの他方は、一対の円柱凸部55Bの一方に対して図7図9の紙面奥側に位置している。
【0103】
ジョイントシャフト55の他端55W2は、一対の円柱凸部55Cを有している。図6図9では、一対の円柱凸部55Cの一方のみを図示し、一対の円柱凸部55Cの他方については図示を省略しているが、一対の円柱凸部55Cの他方は、一対の円柱凸部55Cの一方に対して図7図9の紙面奥側に位置している。
【0104】
図7に示すように、ジョイントシャフト55は、軸方向の一端55W1が第1カップリング51に進入し、一対の円柱凸部55Bが一対の溝51J1に係合することにより、第1カップリング51と連結している。
【0105】
また、ジョイントシャフト55は、軸方向の他端55W2が第2カップリング52の連結部52Jに進入し、一対の円柱凸部55Cが一対の溝52J1に係合することにより、第2カップリング52の連結部52Jと連結している。
【0106】
こうして、第1カップリング51とジョイントシャフト55と第2カップリング52とは、自在継手を構成している。ジョイントシャフト55は、軸受60の移動により、第1カップリング51の回転軸心に対する第2カップリング52の回転軸心の位置がずれたとしても、第1カップリング51から第2カップリング52に駆動力を伝達する。
【0107】
フレーム90は、幅方向(ジョイントシャフト55の軸方向)における第1カップリング51よりもジョイントシャフト55から離隔した位置で電磁クラッチCL1を支持している。
【0108】
フランジ51Fは、幅方向(ジョイントシャフト55の軸方向)におけるフレーム90に対してジョイントシャフト55とは反対側からフレーム90のフランジ受け部90Fに当接している。
【0109】
<モータの駆動力の第1ローラ及び第2ローラへの伝達>
電磁クラッチCL1は、図示しない制御部に通電制御されることにより、駆動ギヤ50及び第1カップリング51に対する駆動力の伝達及び遮断を切り替える。
【0110】
電磁クラッチCL1に通電していない状態では、電磁クラッチCL1は、モータM1が作動したとしても、駆動ギヤ50及び第1カップリング51に対する駆動力の伝達を遮断する。
【0111】
モータM1が作動する状態で、電磁クラッチCL1への通電が開始されると、電磁クラッチCL1は、入力ギヤCL1G、出力部CL1A及びクラッチ軸51Sを経由して、駆動ギヤ50及び第1カップリング51に対して駆動力を伝達する。その結果、駆動ギヤ50及び第1カップリング51は、モータM1の駆動力を受けて回転する。
【0112】
これにより、駆動ギヤ50と噛み合う伝達ギヤ56は、第1ローラ41に駆動力を伝達する。第2カップリング52は、駆動ギヤ50及び第1カップリング51からジョイントシャフト55を経由して連結部52Jに駆動力が伝達され、嵌合部52Sによって第2ローラ42に駆動力を伝達する。その結果、第1ローラ41及び第2ローラ42が回転する。
【0113】
電磁クラッチCL1への通電が終了すると、電磁クラッチCL1は、駆動ギヤ50及び第1カップリング51に対する駆動力の伝達を遮断する状態に戻る。
【0114】
<ジョイントシャフト及び第2ローラの取り外し作業>
長期の使用による消耗等により第2ローラ42を交換する場合、以下の手順で、ジョイントシャフト55及び第2ローラ42を取り外す。
【0115】
第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55は、ドロワ80が図7に示す第1位置にある状態、及び、ドロワ80が図2に示す第2位置にある状態においてドロワ80に覆われている。
【0116】
なお、「第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55がドロワ80に覆われている」とは、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55の上方にドロワ80が位置している状態だけでなく、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55に触ることができない状態を含む。より詳細には、第1位置にあるドロワ80は、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55の上方に位置している。このため、装置をメンテナンスする人は、画像形成装置1の前方に位置していても、第1位置にあるドロワ80に遮られて第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55を目視できず、触ることもできない。また、第2位置にあるドロワ80は、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55の前方かつ上方に位置している。このため、装置をメンテナンスする人は、画像形成装置1の前方に位置していても、第2位置にあるドロワ80に遮られて第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55を目視できず、触ることもできない。
【0117】
その一方、図8に示すように、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55は、ドロワ80が第3位置にある状態において露出する。すなわち、ドロワ80が装置本体9の外に取り外されているため、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55の上方に空間ができる。このため、装置をメンテナンスする人は、画像形成装置1の前方に位置していれば、開口9Hを通じて、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55にアクセスできる。
【0118】
この状態において、装置本体9におけるフレーム90を幅方向の一方から覆う図示しない外装カバーを外した後、図9に示すように、クラッチハウジングCL1Hの取り付け部CL1Bをフレーム90のボス90Bに止めるネジを外す。
【0119】
次に、電磁クラッチCL1を幅方向の一方に移動させて、入力ギヤCL1G及び出力部CL1Aをクラッチ軸51Sから外す。
【0120】
次に、駆動ギヤ50、被支持部50A、フランジ51F、クラッチ軸51S及び第1カップリング51を幅方向の一方に移動させて、フレーム90の支持部90Aから被支持部50Aを離隔させ、また、フランジ受け部90Fからフランジ51Fを離隔させる。
【0121】
これにより、第1カップリング51がジョイントシャフト55の一端55W1が外れる。その後、開口9Hから装置本体9内に手を差し入れてジョイントシャフト55をつまみ、幅方向の一方に移動させる。これにより、ジョイントシャフト55の他端55W2が第2カップリング52の連結部52Jから外れるので、ジョイントシャフト55を装置本体9から取り出すことができる。その結果、軸受60は、幅方向の一方に移動可能となる。
【0122】
最後に、軸受60を幅方向の一方に移動させて給送側フレーム96から外し、回転軸42Sを軸受60、60Mの軸穴60Hから抜くことにより、第2ローラ42を取り外すことができる。
【0123】
<作用効果>
実施例の画像形成装置1は、図7に示すように、上記従来の画像形成装置に係る第1アイドルギヤ、第2アイドルギヤ及び第1ギヤを有しておらず、駆動ギヤ50と第1ローラ41との間に伝達ギヤ56があるだけであり、また、駆動ギヤ50と、第2ローラ42が有する第2カップリング52と、の間に第1カップリング51及びジョイントシャフト55があり、第1カップリング51、ジョイントシャフト55及び第2カップリング52が自在接手を構成しているだけである。
【0124】
これにより、この画像形成装置1は、第2ローラ42とジョイントシャフト55とが、同軸の位置となる。したがって、第2ローラ42と同軸の位置にあるジョイントシャフト55に、装置をメンテナンスする人の手が届き易い。
【0125】
より詳細には、第2ローラ42は、シートを搬送するローラであるため、シートが詰まった時などにアクセスし易い場所にある。このような第2ローラ42と同軸にジョイントシャフト55が位置できるため、ジョイントシャフト55も人の手が届き易い位置となる。したがって、実施例の画像形成装置1は、上記従来の画像形成装置に係る第1アイドルギヤ、第2アイドルギヤ及び第1ギヤを有しておらず、駆動ギヤ50と第1ローラ41との間に伝達ギヤ56があるだけであり、また、駆動ギヤ50と、第2ローラ42が有する第2カップリング52と、の間に第1カップリング51及びジョイントシャフト55があり、第1カップリング51、ジョイントシャフト55及び第2カップリング52が自在接手を構成しているだけである。つまり、従来の画像形成装置に比べて、アイドルギヤを少なくすることができ、ローラに対して下方の奥まった位置にジョイントシャフトを配置させる従来の技術に比べてジョイントシャフトをユーザに近い側に配置することができるようになった。これにより、この画像形成装置1は、第2ローラ42と同軸の位置にあるジョイントシャフト55に、装置をメンテナンスする人の手が届き易い。
【0126】
なお、上述した通り、ジョイントシャフト55は、軸受60の移動により、第1カップリング51の回転軸心に対する第2カップリング52の回転軸心の位置がずれる。したがって、ジョイントシャフト55と第2ローラ42とが同軸というのは、第2ローラ42の回転中心とジョイントシャフト55の回転中心とが完全に一致する構成のみでなく、軸受60の移動により、第1カップリング51の回転軸心に対する第2カップリング52の回転軸心の位置がずれる構成も含んでいる。
【0127】
したがって、実施例の画像形成装置1は、ジョイントシャフト55及び第2ローラ42の取り外し作業の容易化を実現できる。
【0128】
さらに、この画像形成装置1は、上記従来の画像形成装置に係る第1アイドルギヤ、第2アイドルギヤ及び第1ギヤを有していないことにより、部品点数を削減できる。
【0129】
また、この画像形成装置1において、軸受60は、第2カップリング52における回転軸42Sが嵌入する部分、すなわち嵌合部52Sを保持している。この構成により、仮に軸受60が第2ローラ42の回転軸42Sを支持し、第2カップリング52が軸受60から幅方向の一方に離隔した位置で回転軸42Sに固定される構成と比較し、幅方向の小型を実現できる。また、回転軸42Sは金属によって構成されている一方、第2カップリング52及び軸受60は樹脂によって構成されているので、第2カップリング52と軸受60との磨耗を抑制し易い。
【0130】
さらに、この画像形成装置1において、フレーム90は、第1カップリング51を回転可能に支持するともに、幅方向(ジョイントシャフト55の軸方向)における第1カップリング51よりもジョイントシャフト55から離隔した位置で電磁クラッチCL1を支持している。第1カップリング51は、電磁クラッチCL1の出力部CL1Aに嵌入するクラッチ軸51Sと、幅方向(ジョイントシャフト55の軸方向)におけるフレーム90に対してジョイントシャフト55とは反対側からフレーム90のフランジ受け部90Fに当接するフランジ51Fと、を一体に有している。この構成により、図9に示すように、電磁クラッチCL1をフレーム90から取り外し、電磁クラッチCL1の入力ギヤCL1G及び出力部CL1Aをクラッチ軸51Sから外し、第1カップリング51をジョイントシャフト55から幅方向の一方に離隔させることにより、ジョイントシャフト55及び第2ローラ42の取り外し作業の容易化を一層実現できる。
【0131】
また、この画像形成装置1において、図4に示すように、軸受60は位置決め凸部68を有し、ドロワ80は、ドロワ80が第1位置にある状態で位置決め凸部68が嵌入する位置決め溝88を有している。上記従来の画像形成装置では、特許文献1の図1及び図2に示すように、ドロワが感光ドラム及び第1ローラを有し、本体筐体がドロワを移動可能に収容している。特許文献1の図8に示すように、ギヤホルダに対して第2ローラとは反対側には、第2ギヤがある。ギヤホルダには、第2ギヤを覆う第2ギヤカバーが装着されている。第2ギヤカバーは、第2ギヤに対して第2ローラ42とは反対側に、円筒状の位置決め凸部を有している。特許文献1の図7に図示されているが、ドロワは、ドロワが本体筐体に収容された状態で位置決め凸部が嵌入する位置決め溝を有している。この点、実施例の画像形成装置1は、上記従来の画像形成装置と比較して、位置決め凸部68及びその周辺の簡素化及び小型化を実現できる。
【0132】
さらに、この画像形成装置1において、第2ローラ42、第2カップリング52及びジョイントシャフト55は、ドロワ80が図7に示す第1位置にある状態、及び、ドロワ80が図2に示す第2位置にある状態においてドロワ80に覆われ、ドロワ80が図8に示す第3位置にある状態において露出する。この構成により、ドロワ80を第3位置に移動させた状態で、ジョイントシャフト55及び第2ローラ42の取り外し作業の容易化を実現できる。
【0133】
また、この画像形成装置1において、第1ローラ41及び第2ローラ42は、停止した状態で、第1ローラ41及び第2ローラ42に向けて搬送されるシートSHの先端に当接し、所定時間の経過後に回転を開始して感光ドラム5に向けてシートSHを搬送するレジストローラ対24である。この点、この画像形成装置1は、上記構成により、シートSHの斜行を抑制するために第1ローラ41及び第2ローラ42を駆動する構成の簡素化及び小型化を実現できる。
【0134】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0135】
実施例では、本発明の画像形成装置について、画像形成装置1として具体化したが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、画像形成装置の上方に画像読取装置を備えた複合機に本発明の構成を適用してもよい。
【0136】
実施例では、駆動ギヤ50と第1カップリング51とが一体であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、別部材である第1カップリングが駆動ギヤに組み付けられた構成も本発明に含まれる。
【0137】
実施例では、軸受60が第2カップリング52における回転軸42Sが嵌入する部分、すなわち嵌合部52Sを回転可能に保持しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、軸受が第2ローラの回転軸を回転可能に保持し、第2カップリングが回転軸における軸受から突出する端部に固定された構成も本発明に含まれる。
【0138】
実施例では、画像形成装置1は、直接転写型のカラー電子写真方式で画像を形成するためのドロワ80、転写ベルト6、スキャナ部8、定着器7等を有する画像形成部3を備えているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、間接転写型のカラー電子写真方式で画像を形成するための中間転写ベルト、二次転写ローラ等を有する画像形成部を備えた画像形成装置に本発明の構成を適用してもよい。その場合、中間転写ベルトと二次転写ローラとのニップ点にシートを送るローラを第1ローラ及び第2ローラとして、本発明を適用してもよい。また、カラー電子写真方式でなくモノクロ電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に本発明を適用してもよい。さらに、画像形成部としてのインクジェットヘッドを有するプリンタ、すなわち、インクジェット方式で画像を形成する画像形成装置に本発明を適用してもよい。この場合、インクジェットヘッドと対向する位置にシートを搬送するローラを第1ローラ及び第2ローラとして、本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0139】
1…画像形成装置、3…画像形成部
5…感光ドラム、X5…感光ドラムの軸心
M1…モータ、51…第1カップリング、50…駆動ギヤ
SH…シート、41…第1ローラ、56…伝達ギヤ
42…第2ローラ、42F…付勢部材(圧縮コイルバネ)
55…ジョイントシャフト
55W1…ジョイントシャフトの軸方向の一端
52…第2カップリング
55W2…ジョイントシャフトの軸方向の他端
42S…第2ローラの回転軸、60…軸受
42A…ローラ本体、42S1…回転軸の一端
52S…第2カップリングにおける回転軸が嵌入する部分(嵌合部)
CL1…電磁クラッチ、90…フレーム
51S…クラッチ軸、51F…フランジ
80…ドロワ、9…装置本体、68…位置決め凸部
88…位置決め溝、3C…トナーカートリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9