(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160504
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】箱状体積載装置及び箱状体積載方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/14 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
B65B43/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075572
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】506100990
【氏名又は名称】日本トーカンパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 政人
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA03
3E030BA02
3E030DA00
3E030EA01
3E030EB04
3E030GA04
(57)【要約】
【課題】上端が開放された箱状体をスムーズに積載することが可能な箱状体積載装置及び箱状体積載方法を提供する。
【解決手段】箱状体積載装置は、上下方向と交差する第1方向における第1箱状体の両端部を支持する一対の支持部と、一対の支持部の少なくとも一方を第1方向に移動させて一対の支持部間の間隔を変更する間隔変更部と、一対の支持部の少なくとも一方の支持部に対して下方に配置され且つ少なくとも一方の支持部に接続されており、第2箱状体のフラップを押圧可能な押圧部と、第1箱状体が一対の支持部によって支持された状態において、第1箱状体の下方位置に第2箱状体を搬送する搬送部と、を備え、第1箱状体の下方位置に搬送された第2箱状体が搬送後の位置に配置されている状態で間隔変更部が一対の支持部間の間隔を広げることにより、一対の支持部が第1箱状体の支持を解除し、且つ押圧部が第2箱状体のフラップを外側に押圧する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開放された箱状をなすようにブランクを折り曲げてなる第1箱状体及び第2箱状体を重ねる際に、前記第2箱状体の上に前記第1箱状体を積載する箱状体積載装置であって、
上下方向と交差する第1方向における前記第1箱状体の両端部を支持する一対の支持部と、
前記一対の支持部の少なくとも一方を前記第1方向に移動させて前記一対の支持部間の間隔を変更する間隔変更部と、
前記一対の支持部の少なくとも一方の前記支持部に対して下方に配置され且つ前記少なくとも一方の前記支持部に接続されており、前記第2箱状体の底板部の前記第1方向における端部から立ち上がった側板部の先端に設けられたフラップを押圧可能な押圧部と、
前記第1箱状体が前記一対の支持部によって支持された状態において、前記第1箱状体の下方位置に前記第2箱状体を搬送する搬送部と、を備え、
前記第1箱状体の下方位置に搬送された前記第2箱状体が搬送後の位置に配置されている状態で前記間隔変更部が前記一対の支持部間の間隔を広げることにより、前記一対の支持部が前記第1箱状体の支持を解除し、且つ前記押圧部が前記第2箱状体の前記フラップを外側に押圧する、箱状体積載装置。
【請求項2】
前記押圧部は、前記第1方向において、前記第2箱状体における前記フラップの先端が前記第1箱状体における前記底板部よりも外側に位置するように、前記第2箱状体の前記フラップを押圧する、請求項1に記載の箱状体積載装置。
【請求項3】
前記押圧部は、前記一対の支持部の各々に接続されており、
一対の前記押圧部の各々は、前記第1方向において、前記第2箱状体における一対の前記フラップの先端同士の間隔を前記第1箱状体における前記底板部の幅よりも広げるために、前記第2箱状体における前記一対のフラップの各々を押圧する、請求項1に記載の箱状体積載装置。
【請求項4】
前記支持部と、前記支持部の下方に位置する前記押圧部と、を接続する接続部をさらに備える、請求項1に記載の箱状体積載装置。
【請求項5】
前記接続部は、前記上下方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向を回転軸として、前記支持部に対する前記押圧部の角度を調整する角度調整部を含む、請求項4に記載の箱状体積載装置。
【請求項6】
前記接続部は、前記上下方向及び前記第1方向の少なくとも1つの方向において、前記支持部に対する前記押圧部の相対位置を調整する位置調整部を含む、請求項4に記載の箱状体積載装置。
【請求項7】
前記押圧部は、前記上下方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向において、前記第2箱状体の前記フラップの少なくとも中央部を押圧する、請求項1に記載の箱状体積載装置。
【請求項8】
前記支持部は、前記第1方向における前記第1箱状体の端部に位置する角に沿って前記第1方向に延出する第1支持部分と、前記角に沿って前記上下方向に延出する第2支持部分と、を含み、
前記接続部は、前記第1支持部分及び前記第2支持部分のうちの一方から下方に延出する第1接続部分と、前記第1接続部分の下端部から前記第1方向における前記第1箱状体側に向かって延出する第2接続部分と、を含み、
前記押圧部は、前記第2接続部分における前記第1接続部分とは反対側の端部に取り付けられている、請求項4に記載の箱状体積載装置。
【請求項9】
上端が開放された箱状をなすようにブランクを折り曲げてなる第1箱状体及び第2箱状体を重ねる際に、前記第2箱状体の上に前記第1箱状体を積載する箱状体積載方法であって、
上下方向と交差する第1方向における前記第1箱状体の両端部を一対の支持部で支持する支持工程と、
前記第1箱状体の下方位置に、前記第2箱状体を搬送する搬送工程と、
前記第1箱状体の下方位置に搬送された前記第2箱状体が搬送後の位置に配置されている状態で前記第1方向における前記一対の支持部の間隔を広げる間隔変更工程と、を備え、
前記間隔変更工程では、前記一対の支持部が前記第1箱状体の支持を解除し、且つ押圧部が前記第2箱状体のうちの底板部から立ち上がった側板部の先端に設けられたフラップを外側に押圧する、箱状体積載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱状体積載装置及び箱状体積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物流センターの作業ラインでは、通常、商品を出荷箱の中に収納して封函する封函システムが導入されている。
このような封函システムでは、一対の内フラップと一対の外フラップとが開いた箱状の箱状体の中に商品を収納し、一対の内フラップを折り畳んでから、一対の外フラップを折り込み、一対の外フラップ同士を突き合わせて梱包テープを貼り付ける封函工程が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客から商品の注文があった後に上記の封函工程を実施する場合、注文から出荷までを速やかに行うために、上端が開放された複数の箱状体をあらかじめ組み立ててストックしておくことが好ましい。
この場合、封函工程が開始されるまでの間、箱状体は在庫スペース等に置かれることとなる。在庫スペース等を効率的に使うためには、箱状体を積載してストックしておくことが望ましい。一方で、箱状体を積載する場合には各箱状体をスムーズに積載することが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上端が開放された箱状体をスムーズに積載することが可能な箱状体積載装置及び箱状体積載方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、本発明の箱状体積載装置によれば、上端が開放された箱状をなすようにブランクを折り曲げてなる第1箱状体及び第2箱状体を重ねる際に、第2箱状体の上に第1箱状体を積載する箱状体積載装置であって、上下方向と交差する第1方向における第1箱状体の両端部を支持する一対の支持部と、一対の支持部の少なくとも一方を第1方向に移動させて一対の支持部間の間隔を変更する間隔変更部と、一対の支持部の少なくとも一方の支持部に対して下方に配置され且つ少なくとも一方の支持部に接続されており、第2箱状体の底板部の第1方向における端部から立ち上がった側板部の先端に設けられたフラップを押圧可能な押圧部と、第1箱状体が一対の支持部によって支持された状態において、第1箱状体の下方位置に第2箱状体を搬送する搬送部と、を備え、第1箱状体の下方位置に搬送された第2箱状体が搬送後の位置に配置されている状態で間隔変更部が一対の支持部間の間隔を広げることにより、一対の支持部が第1箱状体の支持を解除し、且つ押圧部が第2箱状体のフラップを外側に押圧することにより解決される。
【0007】
また、押圧部は、第1方向において、第2箱状体におけるフラップの先端が第1箱状体における底板部よりも外側に位置するように、第2箱状体のフラップを押圧してもよい。
【0008】
また、押圧部は、一対の支持部の各々に接続されており、一対の押圧部の各々は、第1方向において、第2箱状体における一対のフラップの先端同士の間隔を第1箱状体における底板部の幅よりも広げるために、第2箱状体における一対のフラップの各々を押圧してもよい。
【0009】
また、支持部と、支持部の下方に位置する押圧部と、を接続する接続部をさらに備えてもよい。
【0010】
また、接続部は、上下方向及び第1方向の双方と交差する第2方向を回転軸として、支持部に対する押圧部の角度を調整する角度調整部を含んでもよい。
【0011】
また、接続部は、上下方向及び第1方向の少なくとも1つの方向において、支持部に対する押圧部の相対位置を調整する位置調整部を含んでもよい。
【0012】
また、押圧部は、上下方向及び第1方向の双方と交差する第2方向において、第2箱状体のフラップの少なくとも中央部を押圧してもよい。
【0013】
また、支持部は、第1方向における第1箱状体の端部に位置する角に沿って第1方向に延出する第1支持部分と、角に沿って上下方向に延出する第2支持部分と、を含み、接続部は、第1支持部分及び第2支持部分のうちの一方から下方に延出する第1接続部分と、第1接続部分の下端部から第1方向における第1箱状体側に向かって延出する第2接続部分と、を含み、押圧部は、第2接続部分における第1接続部分とは反対側の端部に取り付けられてもよい。
【0014】
また、前述の課題は、本発明の箱状体積載方法によれば、上端が開放された箱状をなすようにブランクを折り曲げてなる第1箱状体及び第2箱状体を重ねる際に、第2箱状体の上に第1箱状体を積載する箱状体積載方法であって、上下方向と交差する第1方向における第1箱状体の両端部を一対の支持部で支持する支持工程と、第1箱状体の下方位置に、第2箱状体を搬送する搬送工程と、第1箱状体の下方位置に搬送された第2箱状体が搬送後の位置に配置されている状態で第1方向における一対の支持部の間隔を広げる間隔変更工程と、を備え、間隔変更工程では、一対の支持部が第1箱状体の支持を解除し、且つ押圧部が第2箱状体のうちの底板部から立ち上がった側板部の先端に設けられたフラップを外側に押圧することで解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上端が開放された箱状体をスムーズに積載することが可能な箱状体積載装置及び箱状体積載方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る上端が開放された箱状体の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一つの実施形態に係る箱状体の積載工程の概略を説明するための図である。
【
図3】本発明の一つの実施形態に係る箱状体積載装置の全体構成を示す図である。
【
図6】本積載工程を説明するための図である(その1)。
【
図7】本積載工程を説明するための図である(その2)。
【
図8】本発明の一つの実施形態に係る箱状体積載装置の変形例を示す図である。
【
図9】本発明の一つの実施形態に係る箱状体積載装置の変形例を示す図である。
【
図10】
図9に示す第2接続部分を拡大した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明の構成は、その趣旨を逸脱しない限り、下記の実施形態から変更又は改良され得る。
また、本発明を実施するために用いられる各部材の材質及び形状等は、特に断る場合を除き、本発明の用途及び本発明の実施時点での技術水準等に応じて任意に設定できる。また、本発明には、その等価物が含まれる。
また、本明細書において、「直交」及び「垂直」は、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、本明細書の「直交」及び「垂直」は、厳密な直交又は垂直に対して±10°未満の範囲内であること等を意味する。なお、厳密な直交又は垂直からの誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
【0018】
<<本積載工程の概要について>>
本実施形態に係る箱状体積載装置及び箱状体積載方法を用いて実施される箱状体の積載工程(以下、本積載工程という)の概要について、
図1及び2を参照しながら説明する。
箱状体1は、
図1に示すように、上端が開放された箱状をなしている。箱状体1は、1枚のシートから所定の形状に切断された平坦なブランクを、折り曲げ線に沿って折り曲げることにより得られる。より詳しくは、箱状体1は、
図1に示すように、矩形状の底板部2と、底板部2の4辺のうちの2つの短辺の各々から互いに連なった状態で立ち上がった側板部3及び内フラップ4と、底面部A1の4辺のうちの2つの長辺の各々から互いに連なった状態で立ち上がった側板部5及び外フラップ6と、で構成されている。内フラップ4は、側板部3の上側に位置しており、側板部3に対して折り曲がらずに同一線上に延びていてもよいし、封函工程において支障がなければ、外側に折り曲げられていてもよい。外フラップ6は、側板部5の上側に位置しており、側板部5に対して折り曲がらずに同一線上に延びていてもよいし、封函工程において支障がなければ、外側に折り曲げられていてもよい。
【0019】
なお、以下の説明では、底板部2、側板部3、内フラップ4、側板部5、及び外フラップ6の各々の表面のうち、「内表面」とは、箱状体1で囲まれた空間(後述する収納空間S)と対向する表面を意味し、「外表面」とは、内表面と反対側の面であって、箱状体1の外側の空間と対向する表面を意味する。
また、本実施形態では、底板部2の端は、箱状体1の端(の一部)をなしている。つまり、
図2を参照して説明すると、底板部2Aの長手方向(一対の内フラップ4Aが互いに対向する方向)における端は、第1箱状体1Aの長手方向における端(の一部)をなしている。すなわち、底板部2Aの上面(内表面)に側板部3Aが配置されており、底板部2Aの下面(外表面)側から第1箱状体1Aを見たときに、側板部3Aが見えない状態となっている。
【0020】
本積載工程は、封函工程の前工程として実施される。封函工程とは、箱状体1の中に商品を収納し、一対の内フラップ4を内側へ折り曲げた後、一対の外フラップ6を内側に折り曲げ、一対の外フラップ6の先端同士を突き合わせて梱包テープで貼り付ける工程である。本積載工程は、封函工程で用いられる予定の複数の箱状体1を在庫スペース等に積載してストックしておくために、複数の箱状体1の積載を実施する。
【0021】
図2は、本積載工程において、複数の箱状体1のうちの第1箱状体1A及び第2箱状体1Bを重ねる際に、第2箱状体1Bの上から第1箱状体1Aを落下させて積載する様子を示している。
図2の二点鎖線で示す第1箱状体1Aは、第2箱状体1Bの上に積載される前の状態を示し、後述する一対の支持部20(
図3参照)によって第2箱状体1Bの上方位置で支持されている状態を示している。一方で、
図2の実線で示す第1箱状体1Aは、後述する一対の支持部20による支持が解除されて落下した後の状態を示し、第2箱状体1Bの上に積載された状態を示している。
より詳しくは、先ず、第1箱状体1Aを不図示の支持部20により支持しながら所定の位置まで上昇させて、不図示の搬送部51(
図3参照)により第1箱状体1Aの下方位置に第2箱状体1Bを配置する。その後、不図示の支持部20による第1箱状体1Aの支持を解除することにより、第1箱状体1Aを自重で落下させる。このとき、不図示の一対の押圧部41により第2箱状体1Bの内フラップ4Bを外側に押圧し、内フラップ4Bを外側に開くことにより、第2箱状体1B内に第1箱状体1Aを収納する。これにより、第2箱状体1Bの上に第1箱状体1Aが積載されることとなる。その後、積載された箱状体1のうちの最下段の箱状体1を第1箱状体1Aとして取り扱って、上記の手順が繰り返し実施され、所定数の箱状体1が積載された時点で、本積載工程が終了する。
【0022】
<<本実施形態に係る箱状体積載装置の構成について>>
次に、
図3~5を参照しながら、本実施形態に係る箱状体積載装置10について説明する。箱状体積載装置10は、前述した本積載工程において、第1箱状体1A及び第2箱状体1Bを重ねる際に、第2箱状体1Bの上に第1箱状体1Aを積載するための装置である。
箱状体積載装置10は、
図3に示すように、一対の支持部20と、間隔変更部30と、一対の押圧部41と、搬送部51と、一対の接続部60と、昇降部70と、を備えている。
なお、以下の説明において、第1箱状体1A及び第2箱状体1Bを積載する方向を上下方向とし、上下方向と直交する2方向のうちの、一対の内フラップ4が互いに対向する方向を第1方向とし、一対の外フラップ6が互いに対向する方向を第2方向とする。また、第1方向のうちの箱状体1の中心に向かう側を、箱状体1側、あるいは第1方向内側とする。また、第1方向のうちの箱状体1の中心から離れる側を、箱状体1から離れる側、あるいは第1方向外側とする。
【0023】
一対の支持部20は、第1方向における第1箱状体1Aの両端部、より具体的には、第1方向における底板部2Aの両端部を支持する。支持部20は、例えば、L字形状の板部材である。より詳しくは、支持部20は、
図3に示すように、第1支持部分21と、第2支持部分22と、を有する。
第1支持部分21は、第1方向における第1箱状体1Aの端部に位置する角Cに沿って第1方向に延出している。第1支持部分21は、例えば、水平面に沿う平板をなしており、上面として支持面21aを有する。支持面21aは、第1箱状体1Aの底板部2Aを支持する。第1支持部分21は、第1方向のうちの第1箱状体1A側(第1方向内側)の端に先端面21bを有し、この先端面21bが、一対の支持部20の一方が他方に対して、第1方向において最も近づいている箇所となる。
第2支持部分22は、角Cに沿って上下方向に延出している。第2支持部分22は、例えば、鉛直面に沿う平板をなしている。
支持部20は、第2方向における第1箱状体1Aの少なくとも中央部を支持する。なお、支持部20は、第2方向における第1箱状体1Aの一端から他端までの範囲の全域を支持してもよい。
【0024】
間隔変更部30は、一対の支持部20を第1方向に移動させて一対の支持部20間の間隔Fを変更する。なお、間隔Fとは、一対の支持部20のうちの第1方向において最も近い部分同士の第1方向における長さ(距離)、すなわち、一対の支持部20の一方が他方に第1方向において最も近づいている箇所での一対の支持部20間の第1方向における長さを意味する。より詳しくは、一対の支持部20の各々に含まれる第1支持部分21は、前述したように第1方向内側の端に先端面21bをそれぞれ有しており、間隔Fは、先端面21b同士の第1方向における長さを意味する。
【0025】
より詳しくは、間隔変更部30は、
図3に示すように、一対の支持部20の各々に接続された間隔変更機構31を有する。間隔変更機構31は、後述する接続部60を介して、支持部20に接続されている。なお、
図3に示す例では、
図3の右側の支持部20に接続された間隔変更機構31のみを図示しているが、
図3の左側の支持部20に接続された間隔変更機構31も同様に存在するものとする。間隔変更機構31としては、支持部20を第1方向に直動させるための公知の直動機構が用いられる。公知の直動機構としては、いずれの直動機構であってもよく、例えば、シリンダ(エアシリンダ又は電動シリンダ等)を利用した直動機構、ロータリモータによる回転運動を直線運動に変換した直動機構、又は、リニアモータを利用した直動機構が挙げられる。
【0026】
一対の押圧部41は、第2箱状体1Bにおける一対のフラップ、具体的には、一対の内フラップ4Bを押圧する。押圧部41は、一対の支持部20の各々に接続されており、支持部20とともに第1方向に移動する。より詳しくは、押圧部41は、後述する接続部60を介して、支持部20に接続されている。
押圧部41は、一対の支持部20の各々の下方に配置されている。より詳しくは、押圧部41は、後述する接続部60を介して、支持部20の下方に接続されている。押圧部41は、第2方向に延出する延出部材であって、第2方向に垂直な断面形状が、例えば方形をなしている。
押圧部41は、第1方向のうちの第2箱状体1Bから離れる側(第1方向外側)の端に押圧面41aを有する。押圧面41aは、内フラップ4Bの内表面を押圧する。押圧面41aは、第1支持部分21における第1方向内側の端、すなわち、先端面21bに対して、第1方向において同程度の位置に配置されるか、もしくは、先端面21bよりも第1方向内側の位置に配置されるのが好ましい。本実施形態では、押圧面41aは、先端面21bよりも第1方向内側の位置に配置されているものとする。
【0027】
押圧部41は、第1方向のうちの第2箱状体1B側(第1方向内側)の端に端面41bを有する。換言すると、押圧部41は、第1方向における押圧面41aとは反対側の端に端面41bを有する。端面41bは、一対の押圧部41の一方が他方に対して、第1方向において最も近づいている箇所となる。
押圧部41は、第2箱状体1Bの上に第1箱状体1Aを積み上げる時点で、第2方向において、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの少なくとも中央部に位置している。なお、内フラップ4Bは、前述したように、第2箱状体1Bの底板部2Bの第1方向における端部から立ち上がった側板部3Bの先端(上端)に連なった状態で設けられている。
【0028】
搬送部51は、箱状体1が積載される位置に向けて、複数の箱状体1を順次搬送する。より詳しくは、搬送部51は、第1箱状体1Aが一対の支持部20によって支持された状態において、第1箱状体1Aの下方位置に第2箱状体1Bを搬送する。搬送部51は、第2箱状体1Bが載置される搬送面51aを有する。搬送部51は、搬送面51a上に載置された第2箱状体1Bを第2方向に移動させる。搬送部51としては、公知の搬送機構が用いられる。公知の搬送機構としては、例えば、ベルトコンベア等が挙げられ、この場合、ベルトの上面が搬送面51aとなる。
なお、搬送部51が、箱状体積載装置10に最初に投入された箱状体1を搬送する際は、一対の支持部20によって支持される箱状体1(第1箱状体1A)は存在しない。この場合、搬送部51は、第1箱状体1Aが一対の支持部20によって支持される予定の下方位置に、最初に投入される箱状体1を搬送する。その後、最初に投入された箱状体1を第1箱状体1Aとして取り扱って、当該第1箱状体1Aが一対の支持部20によって支持された状態となる。その状態において、搬送部51は、箱状体積載装置10に2番目に投入された箱状体1(第2箱状体1B)を、第1箱状体1Aの下方位置に搬送することとなる。
【0029】
接続部60は、支持部20と、支持部20の下方に位置する押圧部41と、を接続する。より詳しくは、接続部60は、
図3に示すように、支持部20の第2支持部分22から下方に延出する第1接続部61(第1接続部分に相当)と、第1接続部61の下端部から第1方向における第1箱状体1A側に向かって延出する第2接続部62(第2接続部分に相当)、とを有する。
第1接続部61は、例えば、L字形状の板部材をなしている。より詳しくは、第1接続部61は、
図3に示すように、延出部分61aと、延出部分61bと、を有する。延出部分61aは、第2支持部分22の第1方向における第1箱状体1Aから離れる側(第1方向外側)に位置し、
図3に示す状態においては、上下方向において第2支持部分22の上端と同程度の位置から第2支持部分22の下端よりも下方に延出している。延出部分61aは、例えば、鉛直面に沿う平板をなしている。延出部分61aは、第2支持部分22における第1方向外側の端(側面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。延出部分61bは、延出部分61aの下端から第1方向における第1箱状体1Aから離れる側(第1方向外側)に延出する。延出部分61bは、例えば、水平面に沿う平板をなしている。
【0030】
第2接続部62は、第1接続部61の下端に取り付けられた第1延出部63と、第1延出部63の下端に取り付けられた第2延出部64と、を有している。第1延出部63は、例えば水平面に沿う平板状をなしており、第1方向に延出している。第1延出部63は、第1接続部61の延出部分61bの下端(下面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。第1延出部63における第1方向の第1箱状体1Aから離れる側の端部には、間隔変更機構31が接続されている。第2延出部64は、例えば水平面に沿う平板をなしており、第1方向に延出している。第2延出部64は、第1延出部63の下端(下面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。第2延出部64における第1方向の第1箱状体1A側の端部には、押圧部41が取り付けられている。換言すると、第2接続部62における、第1接続部61と第1方向において反対側の端部に、押圧部41が取り付けられている。押圧部41は、第2延出部64の下端(下面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。
【0031】
接続部60は、
図3~5に示すように、上下方向及び第1方向において、支持部20に対する押圧部41の相対位置を調整する位置調整部65(
図4及び5を参照)を含んでいる。「相対位置を調整する」とは、支持部20を移動することにより支持部20及び押圧部41の位置関係を調整する場合、押圧部41を移動することにより支持部20及び押圧部41の位置関係を調整する場合、又は、支持部20と押圧部41との双方を移動することにより支持部20及び押圧部41の位置関係を調整する場合のいずれも含んでいる。
位置調整部65は、例えば、前述した締結具(ネジ等)を挿通するために接続部60に設けられた貫通穴であり、より詳しくは、上下方向又は第1方向に延出した長穴である。
図3~5に示す例では、位置調整部65は、例えば、4つの締結箇所に配置されている。具体的には、位置調整部65は、
図3及び4に示すように、第1接続部61(延出部分61a)における支持部20(第2支持部分22)との締結箇所に設けられており、第1接続部61に対する支持部20の上下方向の位置を調整する。また、位置調整部65は、
図3及び4に示すように、第1接続部61(延出部分61b)における第1延出部63との締結箇所に設けられており、第1延出部63に対する第1接続部61の第1方向の位置を調整する。また、位置調整部65は、
図3及び
図5に示すように、第2延出部64における第1延出部63との締結箇所に設けられており、第1延出部63に対する第2延出部64の第1方向の位置を調整する。また、位置調整部65は、
図3及び5に示すように、第2延出部64における押圧部41との締結箇所に設けられており、第2延出部64に対する押圧部41の第1方向の位置を調整する。
【0032】
なお、上記の説明では、接続部60は、4つの締結箇所に配置されるとしたが、少なくとも1つの締結箇所に配置されていてもよい。また、位置調整部65としての長穴が、接続部60に設けられているとしたが、これに限られず、例えば、位置調整部(例えば長穴)が、支持部20、押圧部41、又は、支持部20及び押圧部41の双方に設けられていてもよい。
【0033】
また、支持部20と押圧部41との上下方向における位置関係については、押圧部41が支持部20の下方に位置しており、双方の相対位置を調整した場合であっても、双方の位置関係が逆転することはない。すなわち、押圧部41が、支持部20の上方に位置することはない。一方で、支持部20と押圧部41との第1方向における位置関係については、双方の相対位置を調整することにより、双方の位置関係が逆転してもよい。すなわち、
図3に示す例の場合、第1方向において、一対の支持部20間の間隔Fは、一対の押圧部41間の間隔Gに比べて広くなっている。また、押圧面41aは、先端面21bよりも第1方向内側の位置に配置されている。
一方で、双方の相対位置を調整することにより、一対の支持部20間の間隔Fが、一対の押圧部41間の間隔Gに比べて狭くなってもよい(例えば、後述する
図8に示す例を参照)。また、押圧面41aは、先端面21bよりも第1方向外側の位置に配置されてもよい。
【0034】
なお、間隔Gとは、一対の押圧部41のうちの第1方向において最も近い部分同士の第1方向における長さ(距離)、すなわち、一対の押圧部41の一方が他方に第1方向において最も近づいている箇所での一対の押圧部41間の第1方向における長さを意味する。より詳しくは、一対の押圧部41の各々は、前述したように第1方向内側の端に端面41bをそれぞれ有しており、間隔Gは、端面41b同士の第1方向における長さを意味する。
【0035】
昇降部70は、
図3に示すように、一対の支持部20を上下方向に昇降させる。昇降部70は、一対の支持部20の各々に接続された昇降機構71を有している。昇降機構71は、間隔変更機構31に接続されており、支持部20、間隔変更機構31、押圧部41、及び、接続部60を一つのユニットとして昇降させる。昇降機構71としては、当該ユニットを上下方向に直動させるための公知の直動機構が用いられる。公知の直動機構としては、間隔変更機構31の説明にて挙げた様々な直動機構が適用可能であり、ここでは説明を省略する。なお、
図3に示す例では、
図3の右側の当該ユニットに接続された昇降機構71のみを図示しているが、
図3の左側の当該ユニットに接続された昇降機構71も同様に存在するものとする。
昇降機構71は、
図3に示すように、支持部20を、昇降位置P1と、昇降位置P1の直下に位置する下降位置P2と、の間において移動させる。支持部20は、昇降位置P1では第1箱状体1Aを支持し、下降位置P2では第1箱状体1Aから離れるため第1箱状体1Aを支持しない。なお、
図3では、下降位置P2に位置する支持部20を二点鎖線で示しており、下降位置P2において、支持面21aは、搬送面51aよりも低く位置する。
【0036】
<<本積載工程について>>
次に、
図6及び7を参照しながら、本積載工程について説明する。本積載工程は、箱状体積載装置10により箱状体1が積載される位置に、箱状体1が1つも積載されていない状態から、オペレーターが箱状体積載装置10の電源を入力し、所定の初期操作を行うことにより開始される。
なお、
図6は、本積載工程において、第1箱状体1Aが支持部20によって支持されており、第2箱状体1Bが第1箱状体1Aの下方位置に配置された時点の状態を示す。
図6の時点に至るまでの過程を説明すると、先ず、昇降部70によって一対の支持部20を下降位置P2(
図3を参照)に待機させ、支持面21aを搬送面51aよりも低く位置させる。次に、第1箱状体1Aを、開口を上側に向けた状態で搬送面51aに載置し、搬送部51によって第1箱状体1Aを第2方向に搬送し、支持面21aの上方位置に第1箱状体1Aが到達した時点で搬送を停止する。その後、昇降部70によって一対の支持部20を下降位置P2から昇降位置P1に上昇させる。この昇降過程において、第1箱状体1Aの底板部2Aに対して支持面21aが下方から当接し、一対の支持部20が第1方向における第1箱状体1Aの両端部、より具体的には、第1方向における底板部2Aの両端部を支持することとなる(支持工程に相当)。その後、一対の支持部20が第1箱状体1Aを持ち上げることで、第1箱状体1Aの直下に第2箱状体1Bを配置するスペースが形成されることとなる。次に、第1箱状体1Aが一対の支持部20によって支持された状態において、第1箱状体1Aの下方位置に、開口が上側に向けられた第2箱状体1Bを搬送部51によって第2方向に搬送する(搬送工程に相当)。この時点で、
図6に示す状態となる。
【0037】
図6の時点では、第1箱状体1Aを構成する底板部2Aの第1方向における幅Eに対して、第2箱状体1Bを構成する一対の内フラップ4Bの先端同士の第1方向における間隔Hが同程度の寸法となっている。
幅Eとは、第1方向における底板部2Aの端同士の第1方向における長さ(距離)を意味する。なお、前述したように、第1方向における底板部2Aの端は、第1方向における第1箱状体1Aの端(の一部)をなしている。
間隔Hは、一対の内フラップ4Bの先端同士の内表面間の第1方向における長さ(距離)を意味する。
【0038】
また、
図6の時点では、第1方向において、一対の支持部20間の間隔Fは、第1箱状体1Aにおける底板部2Aの幅Eに対して狭くなっている。なお、前述したように、間隔Fとは、一対の支持部20のうちの第1方向において最も近い部分同士の第1方向における長さを意味し、具体的には、一対の支持部20における先端面21b同士の第1方向における長さを意味する。
また、
図6の時点では、押圧部41の下端は、内フラップ4Bの上端よりも下方に位置している。すなわち、下端面を含む押圧部41の少なくとも一部は、第2箱状体1Bの内部(一対の内フラップ4Bにおける内表面間)に位置しており、換言すると、第2箱状体1Bで囲まれた収納空間S内に位置している。収納空間Sとは、第1方向に延出する底板部2B、底板部2Bの第1方向両端から立ち上がった側板部3B及び内フラップ4B、並びに、底板部2Bの第2方向両端から立ち上がった不図示の側板部5B及び不図示の外フラップ6B、で囲まれた空間を意味する。なお、収納空間Sのサイズは、側板部3Bに対する内フラップ4Bの外側への開き具合、すなわち、収納空間Sへの導入口となる第2箱状体1Bの上端の開口のサイズの変化に応じて変化する。具体的には、
図6に示すように、側板部3Bに対して内フラップ4Bが同一線上に延びている場合と、後述する
図7のように、内フラップ4Bが外側に開いている場合とでは、収納空間Sのサイズが異なってくる。
【0039】
次に、第1箱状体1Aの下方位置に搬送された第2箱状体1Bが搬送後の位置(すなわち、第1箱状体1Aの下方位置)に配置されている状態で、間隔変更部30が駆動することで、一対の支持部20間の間隔Fを広げる(間隔変更工程に相当)。これにより、一対の支持部20が、第1箱状体1Aの支持を解除する。すなわち、第1方向において、一対の支持部20間の間隔Fが、第1箱状体1Aにおける底板部2Aの幅Eよりも広くなることにより、第1箱状体1Aの支持が解除されて第1箱状体1Aが自重により落下する。
また、間隔変更部30が一対の支持部20間の間隔Fを広げることにより、押圧部41が、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を、第2箱状体1Bの収納空間S内から第1方向外側へ向けて押圧し始める。より具体的には、押圧部41は、第1方向において、第2箱状体1Bにおける内フラップ4Bの先端の内表面が第1箱状体1Aにおける底板部2Aの端よりも第1方向外側に位置するように、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を第1方向外側に押圧する。押圧部41は、側板部3Bと内フラップ4Bとの境界位置を基点として第1方向外側に倒れるように、内フラップ4Bの内表面を第1方向外側に押圧する。換言すると、一対の押圧部41の各々は、一対の内フラップ4Bの先端同士の内表面間の第1方向における間隔Hを、底板部2Aにおける第1方向の端同士の幅Eよりも広げるために、第2箱状体1Bにおける一対の内フラップ4Bの各々の内表面を第1方向外側に押圧する。
【0040】
その後、第1方向において、一対の押圧部41間の間隔Gが、第1箱状体1Aにおける底板部2Aの幅Eよりも広くなった時点で、第1箱状体1Aが、第2箱状体1Bの収納空間S内に進入する。なお、前述したように、間隔Gとは、一対の押圧部41のうちの第1方向において最も近い部分同士の第1方向における長さを意味し、具体的には、一対の押圧部41における端面41b同士の第1方向における長さを意味する。
第2箱状体1Bの上端の開口(導入口)が広がることで、第1箱状体1Aが第2箱状体1Bの収納空間S内に誘導され、
図7に示すように、第1箱状体1Aの底板部2Aが、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの先端(上端)よりも下方に位置した状態となる。
押圧部41は、
図7の時点に至るまで、内フラップ4Bの内表面に対する第1方向外側への押圧を継続する。すなわち、押圧部41は、内フラップ4Bの内表面に対する押圧を開始してから一対の押圧部41間の間隔Gが第1箱状体1Aにおける底板部2Aの幅Eよりも広くなるまでの期間中、内フラップ4Bの内表面に対する第1方向外側への押圧を継続する。また、当該期間中、下端面を含む押圧部41の少なくとも一部は、内フラップ4Bの先端(上端)よりも下方に位置し続ける。
【0041】
その後、間隔変更部30が駆動し続けることで一対の押圧部41間の間隔Gがさらに広がり、押圧部41が内フラップ4Bの先端を乗り越える。これにより、押圧部41による内フラップ4Bの内表面に対する第1方向外側への押圧が解除される。内フラップ4Bへの押圧が解除されることにより、内フラップ4Bが反力により第1方向内側に戻る。第1箱状体1Aは、第2箱状体1Bの収納空間S内を、第2箱状体1Bの底板部2Bに向かって内フラップ4Bの内表面を滑りながら(スライドしながら)降下し、底板部2Aが上下方向における所定の位置に達した時点で停止する。上下方向における所定の位置は、上下方向において、内フラップ4Bの中央から下端までの区間、側板部3Bと内フラップ4Bとの境界をなす区間、及び、側板部3Bの上端から下端までの区間に含まれる。
【0042】
その後、昇降部70によって一対の支持部20を下降位置P2まで下降させて、支持面21aを搬送面51aよりも低く位置させる。次に、間隔変更部30によって第1方向における一対の支持部20間の間隔Fを狭めることにより、支持面21aを、第1箱状体1A(最下段の箱状体1)における底板部2Aの下方に、底板部2Aとの間に隙間を設けて位置させる。次に、昇降部70によって一対の支持部20を昇降位置P1に移動させる。この昇降過程において、第1箱状体1Aの底板部2Aに対して支持面21aが下方から当接し、一対の支持部20が第1方向における第1箱状体1Aの両端部を支持する。
その後、上記の手順が繰り返し実施され、所定数の箱状体1が積載された時点で、本積載工程が終了する。
【0043】
<<本実施形態の作用及び効果について>>
以上までに説明したように、箱状体積載装置10では、第1箱状体1Aの下方位置に搬送された第2箱状体1Bが搬送後の位置に配置されている状態で、間隔変更部30が駆動することで、一対の支持部20間の間隔Fが広げられる。より具体的には、一対の間隔変更機構31の各々が第1方向外側に駆動することで、一対の間隔変更機構31の各々に接続されている接続部60、接続部60に接続されている支持部20、及び、接続部60に接続されている押圧部41がそれぞれ第1方向外側に移動する。これにより、第1方向において間隔F及び間隔Gが広げられ、その結果、一対の支持部20が第1箱状体1Aの支持を解除し、且つ押圧部41が第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を第1方向外側に押圧する。
これにより、第2箱状体1Bの上端の開口、すなわち、第2箱状体1Bの収納空間Sへの導入口を広げることができる。この結果、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内に誘導し配置しやすくなるので、上端が開放された箱状体1をスムーズに積載することができる。
【0044】
また、第1箱状体1Aが第2箱状体1Bの収納空間S内に誘導されることにより、第2箱状体1Bに対して、第1方向又は第2方向、あるいは、その両方における第1箱状体1Aの位置が固定される。このため、第2箱状体1Bに対する第1箱状体1Aの横方向のズレが抑制され、積載した箱状体1が崩れるのを抑えることができる。
【0045】
また、押圧部41は、第1方向において、第2箱状体1Bにおける内フラップ4Bの先端が第1箱状体1Aにおける底板部2Aよりも第1方向外側に位置するように、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を押圧する。
これにより、第2箱状体1Bへの導入口をより広げることができ、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内により誘導し配置しやすくなる。この結果、上端が開放された箱状体1をよりスムーズに積載することができる。
【0046】
また、押圧部41は、一対の支持部20の各々に接続されており、一対の押圧部41の各々は、第1方向において、第2箱状体1Bにおける一対の内フラップ4Bの先端同士の間隔Hを第1箱状体1Aにおける底板部2Aの幅Eよりも広げるために、第2箱状体1Bにおける一対の内フラップ4Bの各々の内表面を押圧する。
これにより、第2箱状体1Bへの導入口を確実に広げることができ、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内にさらに誘導し配置しやすくなる。この結果、上端が開放された箱状体1をさらにスムーズに積載することができる。
【0047】
また、支持部20と、支持部20の下方に位置する押圧部41と、を接続する接続部60を備えている。
これにより、支持部20とともに、接続部60を介して押圧部41が第1方向外側に移動するので、押圧部41に第2箱状体1Bの内フラップ4Bを確実に押圧させることができる。この結果、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内により誘導し配置しやすくなる。
【0048】
また、接続部60は、上下方向及び第1方向の少なくとも1つの方向において、支持部20に対する押圧部41の相対位置を調整する位置調整部65を含んでいる。
これにより、例えば、箱状体1の種類に応じて、支持部20及び押圧部41の位置関係を適切に調整することができる。より具体的には、箱状体1の形状、箱状体1のサイズ、箱状体1の剛性、箱状体1をなすブランクの種類(板紙又は段ボール等)、当該ブランクの厚さ等に応じて、支持部20及び押圧部41の好適な位置関係は異なってくる。すなわち、第2箱状体1Bの押圧を開始するタイミング、第1箱状体1Aを誘導する際の第2箱状体1Bの内フラップ4Bの開き角度、及び、第2箱状体1Bの押圧を終了するタイミング等の好適な条件は、箱状体1の種類に応じて異なってくる。例えば、
図3に示す例では、第1方向において、一対の支持部20間の間隔Fを一対の押圧部41間の間隔Gに比べて広くしているが、箱状体1の種類によっては、後述する
図8に示す例のように、一対の支持部20間の間隔Fを一対の押圧部41間の間隔Gに比べて狭くなるように調整してもよい。
このように、箱状体積載装置10によれば、位置調整部65を含んでいる。このため、箱状体1の種類に応じて支持部20及び押圧部41の位置関係を好適な条件に調整することができることで、箱状体1をスムーズに積載することができる。
【0049】
また、押圧部41は、第2方向において、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの少なくとも中央部を押圧する。
これにより、内フラップ4Bを効率よく押圧することができるので、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内に効率よく誘導し配置することができる。
【0050】
また、支持部20は、第1方向における第1箱状体1Aの端部に位置する角Cに沿って第1方向に延出する第1支持部分21と、角Cに沿って上下方向に延出する第2支持部分22と、を含んでいる。また、接続部60は、第2支持部分22から下方に延出する第1接続部61と、第1接続部61の下端部から第1方向における第1箱状体1A側に向かって延出する第2接続部62と、を含んでいる。また、押圧部41は、第2接続部62における第1接続部61とは上下方向において反対側の端部に取り付けられている。
これにより、接続部60を介して支持部20と押圧部41とが第1方向外側に一体的に移動できる。このため、支持部20の移動によって押圧部41を第2箱状体1Bの内フラップ4Bを接近させて内フラップ4Bを押圧部41によって確実に押圧することができ、結果として第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内により誘導し配置しやすくなる。
【0051】
また、支持部20の支持面21aは、下降位置P2において、搬送面51aよりも低く位置する。これにより、支持部20が下降位置P2から昇降位置P1に上昇する際に、支持面21aが、第1箱状体1Aの底板部2Aに対して下方から当接するので、支持部20は、第1箱状体1Aを確実に支持することができる。
【0052】
また、押圧部41の押圧面41aは、第1支持部分21の先端面21bよりも第1方向内側の位置に配置されている。これにより、一対の支持部20が第1箱状体1Aの支持を解除した後も、押圧部41が、内フラップ4Bの内表面を第1方向外側に確実に押圧することができる。
【0053】
<<その他の実施形態について>>
上記の実施形態では、接続部として、
図3に示す接続部60を例示したが、これに限られず、例えば、
図8に示す接続部60Aであってもよい。なお、
図8は、第1箱状体1Aが第2箱状体1Bの収納空間S内に進入した時点の状態を示しており、上記の実施形態では
図7の時点に対応する。
接続部60Aは、例えば、U字を横向きとした形状の板部材である。より詳しくは、接続部60Aは、
図8に示すように、第1接続部61A(第1接続部分に相当)と、第2接続部62A(第2接続部分に相当)と、第3接続部63Aと、を有する。第1接続部61Aは、支持部20における第1支持部分21の下端(下面)から下方に延出しており、例えば、鉛直面に沿う平板をなしている。第2接続部62Aは、第1接続部61Aの下端部から第1方向における第1箱状体1A側に向かって延出しており、例えば、水平面に沿う平板をなしている。第3接続部63Aは、第1接続部61Aの上端部から第1方向における第1箱状体1A側に向かって延出しており、例えば、水平面に沿う平板をなしている。第3接続部63Aは、第1支持部分21の下端(下面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。
なお、接続部60Aを複数の部品に分割し、当該部品間の締結箇所に前述した位置調整部65を設けてもよい。
【0054】
また、接続部は、例えば、
図9に示す接続部60Bであってもよい。
図9は、第1箱状体1Aが第2箱状体1Bの収納空間S内に進入した時点の状態を示しており、上記の実施形態では
図7の時点に対応する。なお、
図9に示す例では、一対の支持部20のうちの一方の支持部20(
図9の右側の支持部20)に対してのみ、接続部60B及び押圧部41が接続されているが、これに限られず、上記の実施形態と同様、一対の支持部20の各々に対して、接続部60B及び押圧部41がそれぞれ接続されていてもよい。
【0055】
接続部60Bは、例えば、Z字形状の板部材である。より詳しくは、接続部60Bは、
図9に示すように、第1接続部61B(第1接続部分に相当)と、第2接続部62B(第2接続部分に相当)と、第3接続部63Bと、を有する。
第1接続部61Bは、支持部20における第1支持部分21の下端(下面)から下方に延出しており、例えば、鉛直面に沿う平板をなしている。第2接続部62Bは、第1接続部61Bの下端部から第1方向における第1箱状体1A側に向かって延出しており、例えば、水平面に沿う平板をなしている。第3接続部63Bは、第1接続部61Bの上端部から第1方向における第1箱状体1Aから離れる側に向かって延出しており、例えば、水平面に沿う平板をなしている。第3接続部63Bは、第1支持部分21の下端(下面)に対して、例えば、締結具(ネジ等)で固定される。
なお、接続部60Bを複数の部品に分割し、当該部品間の締結箇所に前述した位置調整部65を設けてもよい。
【0056】
接続部60Bを適用することで、押圧部41の押圧面41aは、第1支持部分21の先端面21bよりも第1方向内側の位置に配置されることとなる。これにより、第1方向における一対の支持部20間の間隔Fを第1設定値に調整しつつ、第1方向における一対の押圧部41間の間隔Gを第1設定値よりも小さい第2設定値に調整する場合、効率的に調整することができる。すなわち、支持部20及び押圧部41の位置関係を、少ない作業工数で好適な条件に調整することができる。
また、接続部60Bを適用することで、接続部の部品点数を削減することができる。
また、接続部60Bを適用することで、第1接続部61Bの第1方向外側且つ第3接続部63Bの下方に空間が形成され、当該空間に間隔変更機構31の少なくとも一部を配置することができる。これにより、第1方向における箱状体積載装置10の装置サイズをコンパクトにすることができる。
【0057】
また、
図9及び10に示すように、接続部60Bは、第2方向を回転軸として、支持部20に対する押圧部41の角度、詳しくは第1方向を基準とした押圧部41の傾き角度を調整する角度調整部66を含んでいてもよい。角度調整部66は、例えば、締結具(ネジ等)を挿通するために接続部60Bに設けられた貫通穴であり、より詳しくは、当該回転軸の周方向に沿って延出した円弧状の長穴である。角度調整部66は、第2接続部62B(接続部60B)における押圧部41との締結箇所に設けられている。
これにより、支持部20に対する角度が適切に調整された押圧部41によって第2箱状体1Bの内フラップ4Bが適切に押圧されるので、第1箱状体1Aを第2箱状体1Bの収納空間S内により誘導し配置しやすくなる。
なお、角度調整部(例えば長穴)は、接続部60Bに限られず、支持部20、押圧部41、又は、支持部20及び押圧部41の双方に設けられていてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、押圧部41は、一対の支持部20の各々に接続されているとした。ただし、これに限られず、
図9に示すように、一対の支持部20のうちの一方の支持部20(
図9に示す例では右側の支持部20)に対して接続されていてもよい。
【0059】
また、上記の実施形態では、間隔変更部30は、
図6及び7に示すように、一対の支持部20を第1方向に移動させて一対の支持部20間の間隔Fを変更するとした。ただし、これに限られず、間隔変更部は、一対の支持部のうちの一方の支持部を固定して移動させず、他方の支持部を第1方向に移動させて支持部間の間隔を変更してもよい。この場合、一対の支持部のうち、固定する側(移動させない側)の支持部、又は両方の支持部を、L字形状ではなく、例えば上下方向に延びるI字形状としてもよい。より具体的には、支持部は、例えば、本実施形態の支持部20において、第1支持部分21を有することなく、例えば、第2支持部分22で構成されたものであってもよい。この構成では、一対の支持部によって、第1箱状体1Aにおける一対の側板部3Aを第1方向両側から挟持することにより、第1箱状体1Aを支持することとなる。これにより、間隔変更部が第1方向における一対の支持部の間隔を広げることにより、一対の支持部による第1箱状体1Aの支持が解除される。
【0060】
また、上記の実施形態では、一対の支持部20を下降位置P2まで下降させて、支持面21aを搬送面51aよりも低く位置させるとした。ただし、これに限られず、一対の支持部20を下降させて、支持面21aを搬送面51aと同程度の高さ、あるいは搬送面51aよりもわずかに低く位置させてもよい。この場合、間隔変更部30によって第1方向における一対の支持部20間の間隔Fを狭めることにより、支持面21aを、底板部2Aの下方に、底板部2Aとの間に隙間を設けず、あるいはわずかな隙間を設けて位置させることとなる。
【0061】
また、上記の実施形態では、押圧部41は、支持部20に接続されており、支持部20とともに間隔変更部30によって第1方向に移動するものとした。ただし、これに限られず、押圧部41は、支持部20から分離して支持部20とは独立した状態にあり、間隔変更部30とは異なる直動機構によって第1方向に移動してもよい。すなわち、箱状体積載装置は、第1方向における一対の支持部の間隔を変更する第1間隔変更部と、第1方向における一対の押圧部の間隔を変更する第2間隔変更部と、をそれぞれ有していてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、押圧部41は、第2箱状体1Bの内フラップ4Bを押圧するとしたが、これに限られず、押圧部は、第2箱状体1Bの外フラップ6Bを押圧してもよい。
より具体的には、上記の実施形態では、一対の内フラップ4が互いに対向する方向を第1方向と定義し、押圧部41が、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を、第2箱状体1Bの収納空間S内から第1方向外側へ向けて押圧するとした。ただし、これに限られず、一対の外フラップ6が互いに対向する方向を第1方向と定義し、押圧部41が、第2箱状体1Bの不図示の外フラップ6Bの内表面を、第2箱状体1Bの収納空間S内から第1方向外側へ向けて押圧してもよい。すなわち、箱状体積載装置10に対して、箱状体1を、上下方向を回転軸として90度回転させた状態でセットし、本積載工程を実施してもよい。
この場合、幅Eは、第1方向(一対の外フラップ6が互いに対向する方向)における底板部2Aの端同士の第1方向における長さとし、間隔Hは、不図示の一対の外フラップ6Bの先端同士の内表面間の第1方向(一対の外フラップ6が互いに対向する方向)における長さとする。
【0063】
また、上記の実施形態では、押圧部41が、第2箱状体1Bの内フラップ4Bの内表面を、第2箱状体1Bの内方から外側に押圧するとした。ただし、これに限られず、例えば、押圧部の代わりに、内フラップ4Bの先端面(上端面)に当接する当接部を用いてもよい。この場合、当接部と内フラップ4Bの先端面との間で発生する摩擦力を利用して、当接部を第1方向外側に移動させることにより内フラップ4Bを外側に開いてもよい。
また、押圧部の代わりに、例えば、内フラップ4Bの外表面を吸着する吸着部を用いて、内フラップ4Bを外側に開いてもよい。吸着部は、例えば、エア吸着又は静電吸着等の公知の吸着技術を用いるものとする。また、押圧部の代わりに、例えば、内フラップ4Bの先端を挟持する挟持部を用いて、内フラップ4Bを外側に開いてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 箱状体
1A 第1箱状体
1B 第2箱状体
2,2A,2B 底板部
3,3A,3B,5,5B 側板部
4,4A,4B 内フラップ
6,6B 外フラップ
10,箱状体積載装置
20 支持部
21 第1支持部分
21a 支持面
21b 先端面
22 第2支持部分
30 間隔変更部
31 間隔変更機構
41 押圧部
41a 押圧面
41b 端面
51 搬送部
51a 搬送面
60,60A,60B 接続部
61,61A,61B 第1接続部(第1接続部分に相当)
61a,61b 延出部分
62,62A,62B 第2接続部(第2接続部分に相当)
63 第1延出部
63A,63B 第3接続部
64 第2延出部
65 位置調整部
66 角度調整部
70 昇降部
71 昇降機構
C 角
E 幅
F 間隔
G 間隔
H 間隔
P1 昇降位置
P2 下降位置
S 収納空間