(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160520
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】荷役車両
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
B66F9/24 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075614
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 学
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB15
3F333AE25
3F333FA17
3F333FA23
3F333FA25
3F333FD14
(57)【要約】
【課題】クランプ装置によりワークをクランプする際の作業効率を向上できる荷役車両を提供する。
【解決手段】荷役車両は、クランプ装置に設けられ、車両本体の前方に向かって第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2からなるレーザ光Lを照射するレーザ光照射部と、クランプ装置に設けられ、レーザ光照射部によるレーザ光Lの照射中に車両本体の前方を撮影する撮影部とを備えている。制御装置は、撮影部による撮影画像Pから、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量、及びワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量を算出する。制御装置は、算出したずれ量に基づいて、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致するように、走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を制御することにより、ワークWに対するクランプ装置の位置及び回転角度を調整する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置が設けられた車両本体と、
前記車両本体の前方に設けられ、上下方向に昇降可能なマストを有するマスト装置と、
前記マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプするクランプ装置と、
前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する制御装置と、
を備える荷役車両であって、
前記クランプ装置に設けられ、前記車両本体の前方に向かってレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記クランプ装置に設けられ、前記レーザ光照射部による前記レーザ光の照射中に前記車両本体の前方を撮影する撮影部と、
を備え、
前記レーザ光は、前記一対のアームの対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光、及び前記第1レーザ光と直交する直線状の第2レーザ光からなり、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光との交点は前記回転軸線上に位置し、
前記制御装置は、
前記撮影部による撮影画像から、前記ワークの径方向に沿って延びるとともに前記ワークの軸方向の中心に位置する第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量、及び前記ワークの軸方向に沿って延びるとともに前記ワークの径方向の中心に位置する第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、
算出した前記ずれ量に基づいて、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置及び回転角度を調整することを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
前記制御装置は、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、前記2つ以上の装置を同時に制御する請求項1に記載の荷役車両。
【請求項3】
前記第1レーザ光の長さと前記第2レーザ光の長さは異なる請求項1に記載の荷役車両。
【請求項4】
前記制御装置は、路面が平坦面である場合に設定される簡易調整モードが選択された場合、前記走行装置及び前記マスト装置のみを制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置のみを調整する請求項1に記載の荷役車両。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するときの前記撮影画像を教師画像として記憶しており、
前記教師画像における前記第1レーザ光に対する前記撮影画像における前記第1レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量を算出し、
前記教師画像における前記第2レーザ光に対する前記撮影画像における前記第2レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、
算出した前記ずれ量に基づいて、前記撮影画像における前記第1レーザ光が前記教師画像における前記第1レーザ光と一致し、かつ前記撮影画像における前記第2レーザ光が前記教師画像における前記第2レーザ光と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する請求項1に記載の荷役車両。
【請求項6】
走行装置が設けられた車両本体と、
前記車両本体の前方に設けられ、上下方向に昇降可能なマストを有するマスト装置と、
前記マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプするクランプ装置と、
前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する制御装置と、
を備える荷役車両であって、
前記クランプ装置に設けられ、前記車両本体の前方に向かってレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記クランプ装置に設けられ、前記レーザ光照射部による前記レーザ光の照射中に前記車両本体の前方を撮影する撮影部と、
を備え、
前記レーザ光は、前記一対のアームの対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光、及び前記第1レーザ光と直交する直線状の第2レーザ光からなり、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光との交点は前記回転軸線上に位置し、
前記制御装置は、
前記ワークの径方向に沿って延びるとともに前記ワークの軸方向の中心に位置する第1中心線と前記第1レーザ光が一致し、かつ前記ワークの軸方向に沿って延びるとともに前記ワークの径方向の中心に位置する第2中心線と前記第2レーザ光が一致するときの撮影画像を教師画像として記憶しており、
前記教師画像における前記第1レーザ光に対する前記撮影画像における前記第1レーザ光のずれ量、及び前記教師画像における前記第2レーザ光に対する前記撮影画像における前記第2レーザ光のずれ量を算出し、
算出した前記ずれ量に基づいて、前記撮影画像における前記第1レーザ光が前記教師画像における前記第1レーザ光と一致し、かつ前記撮影画像における前記第2レーザ光が前記教師画像における前記第2レーザ光と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置及び回転角度を調整することを特徴とする荷役車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
荷役車両は、車両本体と、マスト装置と、クランプ装置と、制御装置とを備えている。車両本体には、荷役車両を走行させるための走行装置が設けられている。マスト装置は、車両本体の前方に設けられている。マスト装置は、上下方向に昇降可能なマストを有している。クランプ装置は、マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられている。クランプ装置は、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプする。制御装置は、走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を制御する。
【0003】
例えば、クランプ装置の回転軸線上にワークの軸方向及び径方向の中心が位置していない場合など、ワークに対するクランプ装置の位置が適切でない場合、クランプ装置はワークを適切にクランプできないおそれがある。また、例えば、一対のアームがワークの周面に対して平行になっていない場合など、ワークに対するクランプ装置の回転角度が適切でない場合にも、クランプ装置はワークを適切にクランプできないおそれがある。特に、ワークがロール紙である場合、アームによってロール紙を傷つけるおそれがある。このため、荷役車両の運転者は、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度を適切な位置及び角度に調整する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載の荷役車両は、荷役車両の前方に向けてレーザ光を照射するレーザ発光器を備えている。運転者は、ワークに照射されたレーザ光により、ワークに対するクランプ装置の回転角度を確認しながら、ワークに対するクランプ装置の回転角度を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、運転者が荷役車両を操作することにより、ワークに対するクランプ装置の回転角度を調整する必要があるため、作業効率が良くない。また、特許文献1では、ワークに対するクランプ装置の位置を調整することは想定されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するための荷役車両は、走行装置が設けられた車両本体と、前記車両本体の前方に設けられ、上下方向に昇降可能なマストを有するマスト装置と、前記マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプするクランプ装置と、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する制御装置と、を備える荷役車両であって、前記クランプ装置に設けられ、前記車両本体の前方に向かってレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記クランプ装置に設けられ、前記レーザ光照射部による前記レーザ光の照射中に前記車両本体の前方を撮影する撮影部と、を備え、前記レーザ光は、前記一対のアームの対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光、及び前記第1レーザ光と直交する直線状の第2レーザ光からなり、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光との交点は前記回転軸線上に位置し、前記制御装置は、前記撮影部による撮影画像から、前記ワークの径方向に沿って延びるとともに前記ワークの軸方向の中心に位置する第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量、及び前記ワークの軸方向に沿って延びるとともに前記ワークの径方向の中心に位置する第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、算出した前記ずれ量に基づいて、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置及び回転角度を調整することを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、レーザ光照射部は、ワークに対して、第1レーザ光及び第2レーザ光からなるレーザ光を照射する。撮影部は、レーザ光が照射されたワークを撮影する。制御装置は、撮影画像から、ワークの第1中心線に対する第1レーザ光のずれ量、及びワークの第2中心線に対する第2レーザ光のずれ量を算出する。制御装置は、算出したずれ量からワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度を把握することができる。
【0009】
ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度が適切な位置及び角度であるとき、第1レーザ光は第1中心線と一致するとともに第2レーザ光は第2中心線と一致する。このため、制御装置は、算出したずれ量に基づいて、第1レーザ光が第1中心線と一致し、かつ第2レーザ光が第2中心線と一致するように走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を制御する。これにより、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度は、適切な位置及び角度に調整される。
【0010】
この場合、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度は、荷役車両の運転者が走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を操作しなくても、適切な位置及び角度となるように自動で調整される。したがって、クランプ装置によりワークをクランプする際の作業効率を向上できる。
【0011】
上記荷役車両において、前記制御装置は、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、前記2つ以上の装置を同時に制御してもよい。
【0012】
上記構成によれば、例えば、制御装置が2つ以上の装置を順に制御する場合と比較して、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度の調整にかかる時間を短縮することができる。
【0013】
また、荷役車両からワークまでの距離が近い状況において、制御装置が2つ以上の装置を順に制御する場合、制御の順番によっては、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度の調整中にアームがワークに接触するおそれがある。これに対し、制御装置が2つ以上の装置を同時に制御する場合には、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度の調整中にアームがワークに接触することを回避しやすい。
【0014】
上記荷役車両において、前記第1レーザ光の長さと前記第2レーザ光の長さは異なっていてもよい。
上記構成によれば、制御装置は、撮影画像における第1レーザ光と第2レーザ光とを区別しやすくなる。
【0015】
上記荷役車両において、前記制御装置は、路面が平坦面である場合に設定される簡易調整モードが選択された場合、前記走行装置及び前記マスト装置のみを制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置のみを調整してもよい。
【0016】
上記構成によれば、制御装置は、簡易調整モードが選択された場合、走行装置及びマスト装置のみを制御することにより、ワークに対するクランプ装置の位置のみを調整する。この場合、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度の両方を調整する場合と比較して、調整時間を短縮することができる。
【0017】
上記荷役車両において、前記制御装置は、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するときの前記撮影画像を教師画像として記憶しており、前記教師画像における前記第1レーザ光に対する前記撮影画像における前記第1レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量を算出し、前記教師画像における前記第2レーザ光に対する前記撮影画像における前記第2レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、算出した前記ずれ量に基づいて、前記撮影画像における前記第1レーザ光が前記教師画像における前記第1レーザ光と一致し、かつ前記撮影画像における前記第2レーザ光が前記教師画像における前記第2レーザ光と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御してもよい。
【0018】
上記構成によれば、制御装置は、教師画像における第1レーザ光により、ワークの第1中心線を把握できるとともに、教師画像における第2レーザ光により、ワークの第2中心線を把握することができる。したがって、制御装置は、撮影画像からワークの第1中心線及び第2中心線を検出しなくても、ずれ量を算出することができる。
【0019】
上記問題点を解決するための荷役車両は、走行装置が設けられた車両本体と、前記車両本体の前方に設けられ、上下方向に昇降可能なマストを有するマスト装置と、前記マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプするクランプ装置と、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する制御装置と、を備える荷役車両であって、前記クランプ装置に設けられ、前記車両本体の前方に向かってレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記クランプ装置に設けられ、前記レーザ光照射部による前記レーザ光の照射中に前記車両本体の前方を撮影する撮影部と、を備え、前記レーザ光は、前記一対のアームの対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光、及び前記第1レーザ光と直交する直線状の第2レーザ光からなり、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光との交点は前記回転軸線上に位置し、前記制御装置は、前記ワークの径方向に沿って延びるとともに前記ワークの軸方向の中心に位置する第1中心線と前記第1レーザ光が一致し、かつ前記ワークの軸方向に沿って延びるとともに前記ワークの径方向の中心に位置する第2中心線と前記第2レーザ光が一致するときの撮影画像を教師画像として記憶しており、前記教師画像における前記第1レーザ光に対する前記撮影画像における前記第1レーザ光のずれ量、及び前記教師画像における前記第2レーザ光に対する前記撮影画像における前記第2レーザ光のずれ量を算出し、算出した前記ずれ量に基づいて、前記撮影画像における前記第1レーザ光が前記教師画像における前記第1レーザ光と一致し、かつ前記撮影画像における前記第2レーザ光が前記教師画像における前記第2レーザ光と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置及び回転角度を調整することを要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、レーザ光照射部は、ワークに対して、第1レーザ光及び第2レーザ光からなるレーザ光を照射する。撮影部は、レーザ光が照射されたワークを撮影する。制御装置は、ワークの第1中心線と第1レーザ光が一致し、かつワークの第2中心線と第2レーザ光が一致するときの撮影画像を教師画像として記憶している。ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度が適切な位置及び角度であるとき、第1レーザ光は第1中心線と一致するとともに第2レーザ光は第2中心線と一致する。つまり、制御装置は、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度が適切な位置及び角度であるときの撮影画像を教師画像として記憶している。
【0021】
制御装置は、教師画像における第1レーザ光に対する撮影画像における第1レーザ光のずれ量、及び教師画像における第2レーザ光に対する撮影画像における第2レーザ光のずれ量を算出する。制御装置は、算出したずれ量に基づいて、撮影画像における第1レーザ光が教師画像における第1レーザ光と一致し、かつ撮影画像における第2レーザ光が教師画像における第2レーザ光と一致するように走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を制御する。これにより、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度は、適切な位置及び角度に調整される。
【0022】
この場合、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度は、荷役車両の運転者が走行装置、マスト装置、及びクランプ装置を操作しなくても、適切な位置及び角度となるように自動で調整される。したがって、クランプ装置によりワークをクランプする際の作業効率を向上できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、クランプ装置によりワークをクランプする際の作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施形態における荷役車両を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態におけるクランプ装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態におけるクランプ装置を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態における荷役車両の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、クランプ動作前の荷役車両を示す平面図である。
【
図6】
図6は、ワークに対するクランプ装置の位置及び回転角度が適切であるときの撮影画像を示す模式図である。
【
図7】
図7は、クランプ調整処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ワークに対するクランプ装置の回転角度が適切でないときの荷役車両を示す平面図である。
【
図9】
図9は、ワークに対するクランプ装置の回転角度が適切でないときの撮影画像を示す模式図である。
【
図10】
図10は、ワークに対するクランプ装置の位置が適切でないときの荷役車両を示す平面図である。
【
図11】
図11は、ワークに対するクランプ装置の位置が適切でないときの撮影画像を示す模式図である。
【
図12】
図12は、変更例における荷役車両の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、変更例における荷役装置を示す側面図である。
【
図14】
図14は、変更例におけるクランプ装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、荷役車両を具体化した一実施形態を
図1~
図11にしたがって説明する。
<荷役車両>
図1に示すように、荷役車両10は、車両本体11を備えている。車両本体11の前下部には、前輪12が設けられている。前輪12は、駆動輪である。車両本体11の後下部には、後輪13が設けられている。後輪13は、操舵輪である。前輪12及び後輪13は、荷役車両10を走行させるための走行装置の一部を構成している。
【0026】
車両本体11には、操作部14が設けられている。操作部14は、荷役車両10の運転者が荷役車両10を操作するために用いられる。操作部14は、例えば、ハンドルやレバーである。また、車両本体11には、後述するクランプ調整処理を開始するための調整開始スイッチ15(
図4参照)が設けられている。
【0027】
荷役車両10は、荷役装置16を備えている。荷役装置16は、マスト装置17と、クランプ装置18とを備えている。マスト装置17は、車両本体11の前方に設けられている。マスト装置17は、荷役車両10の前後方向に傾動可能である。マスト装置17は、アウタマスト17a及びインナマスト17bを有している。インナマスト17bは、アウタマスト17aに対して荷役車両10の上下方向に昇降可能に設けられている。つまり、インナマスト17bは、上下方向に昇降可能なマストである。
【0028】
<クランプ装置>
クランプ装置18は、円筒状の周面Waを有するワークWをクランプするためのアタッチメントである。本実施形態のワークWは、帯状の紙が巻回されたロール紙である。本実施形態のクランプ装置18は、ロールクランプである。クランプ装置18は、マスト装置17の前方に位置している。クランプ装置18は、図示しないリフトブラケットを介してインナマスト17bに取り付けられている。したがって、クランプ装置18は、マスト装置17とともに傾動可能である。また、クランプ装置18は、インナマスト17bとともに昇降可能である。
【0029】
図2及び
図3に示すように、クランプ装置18は、基台21と、回転装置22と、支持部23と、一対のアーム24,25とを有している。以下の説明では、一対のアーム24,25のうち、一方のアーム24を第1アーム24といい、他方のアーム25を第2アーム25ということもある。
【0030】
基台21は、インナマスト17bに対して回転可能に設けられている。回転装置22は、基台21の中心に設けられている。回転装置22は、インナマスト17bに対して、前後方向に延びる回転軸線Aを中心に基台21を回転させる。これにより、クランプ装置18は、インナマスト17bに対して、前後方向に延びる回転軸線Aを中心に回転する。本実施形態のクランプ装置18は、360度回転することができる。
【0031】
クランプ装置18は、回転軸線Aを中心に回転することにより、縦置きされたワークWだけでなく、横置きされたワークWもクランプすることができる。
図1及び
図3に示すワークWは、縦置きされたワークWである。ワークWが縦置きされているとき、ワークWの軸方向は上下方向と一致している。ワークWが横置きされているとき、ワークWの軸方向は水平方向と一致している。
【0032】
支持部23は、基台21の前面に取り付けられている。本実施形態では、支持部23は、回転装置22の両側に取り付けられている。支持部23は、一対のアーム24,25を支持している。第2アーム25は、支持部23を挟んで第1アーム24とは反対側に位置している。
【0033】
一対のアーム24,25は、支持部23から互いに離れる方向に湾曲しながら、車両本体11の前方に向かって延びている。一対のアーム24,25は、互いに対向している。一対のアーム24,25の間には、ワークWが入り込むスペースが形成されている。一対のアーム24,25は、一対のアーム24,25のうち少なくとも一方が可動することによって、開閉する。すなわち、第1アーム24及び第2アーム25のうち、第1アーム24が可動してもよいし、第2アーム25が可動してもよいし、第1アーム24及び第2アーム25の双方が可動してもよい。
【0034】
第1アーム24及び第2アーム25が開閉することによって、第1アーム24の先端と第2アーム25の先端との間隔が変化する。これにより、第1アーム24及び第2アーム25は、ワークWをクランプすることができる。つまり、クランプ装置18は、一対のアーム24,25の間隔を変化させることで、ワークWをクランプする。このとき、第1アーム24の先端及び第2アーム25の先端は、ワークWの周面Waに接触する。
【0035】
例えば、ワークWが縦置きされている場合、一対のアーム24,25は、ワークWを左右方向にクランプする。このときの一対のアーム24,25の対向方向は、左右方向である。例えば、ワークWが横置きされている場合、一対のアーム24,25は、ワークWを上下方向にクランプする。このときの一対のアーム24,25の対向方向は、上下方向である。
【0036】
各アーム24,25は、アーム部材31と、軸32と、パッド33と、ヒンジ34とを有している。本実施形態の各アーム24,25は、アーム部材31、軸32、及びヒンジ34を2つずつ有している。各アーム24,25は、アーム部材31、軸32、及びヒンジ34を1つずつ有していてもよい。2つのアーム部材31、2つの軸32、及び2つのヒンジ34はそれぞれ、一対のアーム24,25の対向方向と直交する方向において間隔を空けて設けられている。
【0037】
本実施形態では、第2アーム25のアーム部材31は、第1アーム24のアーム部材31よりも長いロングアームである。第2アーム25のアーム部材31は、第1アーム24のアーム部材31よりも短いショートアームでもよい。
【0038】
アーム部材31は、軸32を介して支持部23に取り付けられる。詳しくは、アーム部材31の基端が軸32を介して支持部23に取り付けられている。アーム部材31の先端には、ヒンジ34を介してパッド33が取り付けられる。パッド33は、ヒンジ34を中心に回動可能である。パッド33は、アーム24,25の先端に位置している。つまり、パッド33は、アーム24,25の先端を構成している。クランプ装置18がワークWをクランプする際に、パッド33はワークWの周面Waに接触する。このとき、パッド33は、ワークWの周面Waの形状に合わせて回動する。
【0039】
本実施形態では、第1アーム24は、支持部23に対して固定された固定アームである。一方、第2アーム25は、軸32を中心に支持部23に対して回動可能な可動アームである。第2アーム25のアーム部材31が軸32を中心に回動することによって、第2アーム25は、第1アーム24に対して近づいたり離れたりする。これにより、第1アーム24の先端と第2アーム25の先端との間隔が変化する。
【0040】
<制御装置>
図4に示すように、荷役車両10は、制御装置19を備えている。制御装置19は、プロセッサ19aと記憶部19bとを有している。プロセッサ19aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)である。記憶部19bは、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部19bは、処理をプロセッサ19aに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部19b、すなわち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置19は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置19は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0041】
制御装置19は、荷役車両10を制御する。制御装置19は、荷役車両10の走行動作を制御する。制御装置19は、走行装置を制御する。詳しくは、制御装置19は、前輪12の駆動及び後輪13の操舵を制御する。制御装置19は、荷役装置16の荷役動作を制御する。制御装置19は、マスト装置17を制御する。詳しくは、制御装置19は、インナマスト17bの昇降やマスト装置17の傾動を制御する。制御装置19は、クランプ装置18を制御する。詳しくは、制御装置19は、クランプ装置18の回転及び第2アーム25の回動を制御する。制御装置19は、後述するクランプ調整処理を行っていないときは、運転者による操作部14の操作に基づいて荷役車両10を制御する。
【0042】
クランプ装置18によりワークWをクランプする場合、運転者は、操作部14を用いて次のように荷役車両10を操作する。
図5に示すように、運転者は、ワークWの正面に荷役車両10を移動させる。次に、運転者は、荷役車両10を前進させることによって、第1アーム24の先端をワークWの周面Waに接触させる。次に、運転者は、第2アーム25を第1アーム24に近づくように回動させることによって、第2アーム25の先端をワークWの周面Waに接触させる。これにより、第1アーム24の先端と第2アーム25の先端との間隔が狭くなることで、ワークWは、クランプ装置18によってクランプされる。
【0043】
クランプ装置18がワークWを適切にクランプするためには、ワークWの周面Waに第1アーム24を接触させる前の状態において、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度が適切な位置及び角度である必要がある。
【0044】
図1に示すように、ワークWの径方向に延びるとともにワークWの軸方向の中心に位置する線を第1中心線W1とする。ワークWの軸方向に延びるとともにワークWの径方向の中心に位置する線を第2中心線W2とする。ワークWの軸方向及び径方向の中心をワークWの中心Wcとする。クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置しているとき、ワークWに対するクランプ装置18の位置は適切である。一対のアーム24,25、より詳しくは各パッド33がワークWの周面Waに対して平行であるとき、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度は適切である。
【0045】
制御装置19は、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御することによって、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を適切な位置及び角度になるように調整するクランプ調整処理を行う。クランプ調整処理の詳細については後述する。
【0046】
図4に示すように、制御装置19は、調整開始スイッチ15と接続されている。運転者は、ワークWの正面まで荷役車両10を移動させた後、調整開始スイッチ15を押す。運転者によって調整開始スイッチ15が押されると、制御装置19は、クランプ調整処理を行う。
【0047】
<レーザ光照射部>
図2に示すように、回転装置22の前面には、レーザ光照射部41が取り付けられている。レーザ光照射部41は、車両本体11の前方に向けてレーザ光Lを照射する。したがって、荷役車両10の正面にワークWが位置しているとき、レーザ光照射部41は、ワークWに対してレーザ光Lを照射する。レーザ光Lは、可視光レーザである。レーザ光照射部41は、制御装置19と接続されている。レーザ光照射部41は、制御装置19によって制御される。
【0048】
レーザ光Lは、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2からなる。第1レーザ光L1は、一対のアーム24,25の対向方向に沿って直線状に延びている。第2レーザ光L2は、一対のアーム24,25の対向方向と直交する方向に沿って直線状に延びている。第2レーザ光L2は、第1レーザ光L1と直交している。第1レーザ光L1と第2レーザ光L2との交点Qは、クランプ装置18の回転軸線A上に位置している。
【0049】
第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別可能にするため、本実施形態では、第1レーザ光L1の長さは、第2レーザ光L2の長さよりも長く設定されている。本実施形態では、第1レーザ光L1の幅と第2レーザ光L2の幅は同じである。また、第1レーザ光L1の色と第2レーザ光L2の色は同じである。
【0050】
<撮影部>
回転装置22の前面には、撮影部42が取り付けられている。本実施形態では、撮影部42は、レーザ光照射部41の上側に位置している。撮影部42は、カメラである。撮影部42は、撮像素子を有している。撮像素子は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。撮影部42は、車両本体11の前方を撮影する。詳しくは、撮影部42は、車両本体11の前方に向けて照射されたレーザ光Lの照射範囲を撮影する。したがって、荷役車両10の正面にワークWが位置しているとき、撮影部42は、レーザ光Lが照射されたワークWを撮影する。撮影部42は、制御装置19と接続されている。撮影部42は、制御装置19によって制御される。撮影部42は、撮影画像を制御装置19に出力する。
【0051】
図6は、撮影部42による撮影画像Pの一例を示す。
図6に示すように、撮影画像Pには、レーザ光Lが照射されたワークWが含まれている。
図6に示す撮影画像Pは、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度が適切な位置及び角度であるときに撮影された画像である。すなわち、
図6に示す撮影画像Pは、クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置するとともに、一対のアーム24,25がワークWの周面Waと平行であるときに撮影された画像である。
【0052】
このとき、撮影画像Pにおける第1レーザ光L1は、撮影画像PにおけるワークWの第1中心線W1と一致している。また、撮影画像Pにおける第2レーザ光L2は、撮影画像PにおけるワークWの第2中心線W2と一致している。第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致しているとき、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2との交点Qは、ワークWの中心Wcと一致している。
【0053】
本実施形態の制御装置19の記憶部19bは、
図6に示す撮影画像Pを教師画像Ptとして予め記憶している。つまり、制御装置19は、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致しているときの撮影画像Pを教師画像Ptとして予め記憶している。
【0054】
<クランプ調整処理>
クランプ調整処理について詳述する。
図7に示すように、制御装置19は、ステップS11において、レーザ光照射部41にレーザ光Lを照射させる。レーザ光照射部41が車両本体11の前方に向かってレーザ光Lを照射することにより、ワークWには、レーザ光Lが照射される。
【0055】
制御装置19は、ステップS12において、レーザ光照射部41によるレーザ光Lの照射中に撮影部42に撮影を行わせる。撮影部42は、車両本体11の前方を撮影することによって、レーザ光Lが照射されたワークWを撮影する。
【0056】
制御装置19は、ステップS13において、撮影画像Pから、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量、及びワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量を算出する。
【0057】
上述したように、本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptを記憶している。教師画像Ptにおいて、第1レーザ光L1は、ワークWの第1中心線W1と一致している。また、第2レーザ光L2は、ワークWの第2中心線W2と一致している。したがって、本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptにおける第1レーザ光L1に対する撮影画像Pにおける第1レーザ光L1のずれ量を、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量として算出する。制御装置19は、教師画像Ptにおける第2レーザ光L2に対する撮影画像Pにおける第2レーザ光L2のずれ量を、ワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量として算出する。
【0058】
制御装置19は、ステップS13で算出したずれ量に基づいて、第1レーザ光L1がワークWの第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2がワークWの第2中心線W2と一致するように、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御する。本実施形態では、制御装置19は、撮影画像Pにおける第1レーザ光L1が教師画像Ptにおける第1レーザ光L1と一致し、かつ撮影画像Pにおける第2レーザ光L2が教師画像Ptにおける第2レーザ光L2と一致するように、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御する。これにより、第1レーザ光L1がワークWの第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2がワークWの第2中心線W2と一致するように、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18が制御される。
【0059】
詳しくは、制御装置19は、ステップS14において、ステップS13で算出したずれ量に基づいて駆動制御値を設定する。駆動制御値は、第1レーザ光L1がワークWの第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2がワークWの第2中心線W2と一致するように、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を駆動させるための値である。駆動制御値は、例えば、前輪12の回転量、後輪13の操舵角、インナマスト17bの昇降量、クランプ装置18の回転角度である。
【0060】
制御装置19は、ステップS15において、ステップS14で設定した駆動制御値にしたがって荷役車両10を制御する。詳しくは、制御装置19は、ステップS14で設定した駆動制御値にしたがって、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御する。
【0061】
以上により、クランプ調整処理が完了する。運転者は、クランプ調整処理が完了した後、クランプ装置18によってワークWをクランプするために荷役車両10を前進させる。このとき、クランプ調整処理により、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度は、適切な位置及び角度に調整されている。すなわち、クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置しているとともに、クランプ装置18の一対のアーム24,25は、ワークWの周面Waに対して平行になっている。したがって、クランプ装置18は、ワークWを適切にクランプすることができる。
【0062】
<具体例>
ステップS13~S15について、例1,2とともに詳述する。
図8に示すように、例1では、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度が適切でない。具体的には、例1では、クランプ装置18の一対のアーム24,25は、ワークWの周面Waに対して平行になっていない。なお、例1では、ワークWに対するクランプ装置18の位置は適切である。すなわち、クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置している。
【0063】
この場合、
図9に示すように、撮影画像Pにおいて、レーザ光Lの交点Qは、ワークWの中心Wcと一致している。撮影画像Pにおいて、第1レーザ光L1は、交点Q及び中心Wcを軸にワークWの第1中心線W1に対して反時計回りに回転角度θで回転している。撮影画像Pにおいて、第2レーザ光L2は、交点Q及び中心Wcを軸にワークWの第2中心線W2に対して反時計回りに回転角度θで回転している。ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1の回転角度θは、ワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2の回転角度θと同じである。この場合、クランプ装置18が回転角度θだけ時計回りに回転すると、一対のアーム24,25はワークWの周面Waに対して平行になる。
【0064】
制御装置19は、ステップS13において、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量として、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1の回転角度θを算出する。本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptにおける第1レーザ光L1tに対する撮影画像Pにおける第1レーザ光L1の回転角度θを算出することにより、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1の回転角度θを算出する。なお、制御装置19は、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1の回転角度θを算出する代わりに、ワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2の回転角度θを算出してもよい。
【0065】
制御装置19は、ステップS14において、駆動制御値として、クランプ装置18の回転角度θcを設定する。制御装置19は、ステップS14で算出した回転角度θをクランプ装置18の回転角度θcとして設定する。
【0066】
制御装置19は、ステップS15において、クランプ装置18を時計回りに回転角度θcだけ回転させる。これにより、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度が適切な角度になる。すなわち、クランプ装置18の一対のアーム24,25は、ワークWの周面Waに対して平行になる。
【0067】
図10に示すように、例2では、ワークWに対するクランプ装置18の位置が適切でない。具体的には、例2では、クランプ装置18の回転軸線AがワークWの中心Wcに対して右下に位置している。なお、例2では、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度は適切である。すなわち、クランプ装置18の一対のアーム24,25は、ワークWの周面Waに対して平行である。
【0068】
この場合、
図11に示すように、撮影画像Pにおいて、レーザ光Lの交点Qは、ワークWの中心Wcに対して右下に位置している。撮影画像Pにおいて、第1レーザ光L1は、ワークWの第1中心線W1よりも下側に位置している。撮影画像Pにおいて、第2レーザ光L2は、ワークWの第2中心線W2よりも右側に位置している。この場合、インナマスト17bが上昇するとともに荷役車両10が左方に移動すると、クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置する。
【0069】
制御装置19は、ステップS13において、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量として、第1中心線W1に対する第1レーザ光L1の上下方向のずれ量Yを算出する。本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptにおける第1レーザ光L1tに対する撮影画像Pにおける第1レーザ光L1のずれ量Yを算出することにより、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量Yを算出する。
【0070】
また、制御装置19は、ステップS13において、ワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量として、第2中心線W2に対する第2レーザ光L2の左右方向のずれ量Xを算出する。本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptにおける第2レーザ光L2tに対する撮影画像Pにおける第2レーザ光L2のずれ量Xを算出することにより、ワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量Xを算出する。
【0071】
制御装置19は、ステップS14において、駆動制御値として、インナマスト17bの上昇量Z、前輪12の回転量N、及び後輪13の操舵角θsを設定する。制御装置19は、ステップS14で算出したずれ量Yに基づいて、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致するように、インナマスト17bの上昇量Zを設定する。制御装置19は、ステップS14で算出したずれ量Xに基づいて、第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致するように、前輪12の回転量N及び後輪13の操舵角θsを設定する。
【0072】
制御装置19は、ステップS15において、インナマスト17bを上昇量Zだけ上昇させる。また、制御装置19は、設定した回転量Nだけ前輪12を回転駆動させるとともに後輪13を操舵角θsで操舵することにより、荷役車両10を左方に移動させる。本実施形態では、制御装置19は、インナマスト17bの制御及び走行装置の制御を同時に行う。つまり、制御装置19は、インナマスト17bを上昇量Zだけ上昇させるのと同時に荷役車両10を左方に移動させる。これにより、ワークWに対するクランプ装置18の位置が適切な位置になる。すなわち、クランプ装置18の回転軸線A上にワークWの中心Wcが位置する。
【0073】
なお、説明の簡便化のため、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度が適切でない場合、及びワークWに対するクランプ装置18の位置が適切でない場合について、個別に説明した。しかしながら、実際には、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度及び位置の両方が適切でない場合もある。この場合、制御装置19は、上述した例1の処理及び例2の処理を両方とも行う。本実施形態では、制御装置19は、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、2つ以上の装置を同時に制御する。
【0074】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)荷役車両10は、レーザ光照射部41と、撮影部42とを備えている。レーザ光照射部41は、クランプ装置18に設けられている。レーザ光照射部41は、車両本体11の前方に向かってレーザ光Lを照射する。撮影部42は、クランプ装置18に設けられている。撮影部42は、レーザ光照射部41によるレーザ光Lの照射中に車両本体11の前方を撮影する。レーザ光Lは、一対のアーム24,25の対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光L1、及び第1レーザ光L1と直交する直線状の第2レーザ光L2からなる。第1レーザ光L1と第2レーザ光L2との交点Qは、クランプ装置18の回転軸線A上に位置している。
【0075】
制御装置19は、撮影部42による撮影画像Pから、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量、及びワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量を算出する。制御装置19は、算出したずれ量に基づいて、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致するように走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御することにより、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を調整する。
【0076】
この構成によれば、レーザ光照射部41は、ワークWに対して、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2からなるレーザ光Lを照射する。撮影部42は、レーザ光Lが照射されたワークWを撮影する。制御装置19は、撮影部42による撮影画像Pから、ワークWの第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量、及びワークWの第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量を算出する。制御装置19は、算出したずれ量からワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を把握することができる。
【0077】
ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度が適切な位置及び角度であるとき、第1レーザ光L1は第1中心線W1と一致するとともに第2レーザ光L2は第2中心線W2と一致する。このため、制御装置19は、算出したずれ量に基づいて、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致するように走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を制御することにより、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を調整する。これにより、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度は、適切な位置及び角度になる。
【0078】
この場合、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度は、荷役車両10の運転者が走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18を操作しなくても、適切な位置及び角度となるように自動で調整される。したがって、クランプ装置18によりワークWをクランプする際の作業効率を向上できる。
【0079】
(2)制御装置19は、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、2つ以上の装置を同時に制御する。このため、例えば、制御装置19が2つ以上の装置を順に制御する場合と比較して、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度の調整にかかる時間を短縮することができる。
【0080】
また、荷役車両10からワークWまでの距離が近い状況において、制御装置19が2つ以上の装置を順に制御する場合、制御の順番によっては、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度の調整中にアーム24,25がワークWに接触するおそれがある。これに対し、制御装置19が2つ以上の装置を同時に制御する場合には、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度の調整中にアーム24,25がワークWに接触することを回避しやすい。
【0081】
(3)第1レーザ光L1の長さと第2レーザ光L2の長さは異なっている。これにより、制御装置19は、撮影画像Pにおける第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別しやすくなる。
【0082】
(4)制御装置19は、第1レーザ光L1が第1中心線W1と一致し、かつ第2レーザ光L2が第2中心線W2と一致するときの撮影画像Pを教師画像Ptとして記憶している。このため、制御装置19は、教師画像Ptにおける第1レーザ光L1により、ワークWの第1中心線W1を把握できるとともに、教師画像Ptにおける第2レーザ光L2により、ワークWの第2中心線W2を把握することができる。本実施形態の制御装置19は、教師画像Ptにおける第1レーザ光L1tに対する撮影画像Pにおける第1レーザ光L1のずれ量を算出することにより、第1中心線W1に対する第1レーザ光L1のずれ量を算出する。制御装置19は、教師画像Ptにおける第2レーザ光L2tに対する撮影画像Pにおける第2レーザ光L2のずれ量を算出することにより、第2中心線W2に対する第2レーザ光L2のずれ量を算出する。したがって、制御装置19は、撮影画像PからワークWの第1中心線W1及び第2中心線W2を検出しなくても、ずれ量を算出することができる。
【0083】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0084】
○ 上記実施形態では、制御装置19は、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度の両方を調整していたが、これに限定されない。路面が平坦面である場合には、制御装置19は、ワークWに対するクランプ装置18の位置のみを調整してもよい。
【0085】
具体的には、制御装置19が行うクランプ調整処理のモードとして、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を調整する通常調整モードと、ワークWに対するクランプ装置18の位置のみを調整する簡易調整モードとが用意されていてもよい。簡易調整モードは、路面が平坦面である場合に設定されるモードである。
【0086】
図12に示すように、車両本体11には、クランプ調整処理のモードを切り替えるためのモード切替スイッチ20が設けられていてもよい。路面が平坦面である場合、運転者は、調整開始スイッチ15を押した後、モード切替スイッチ20によって簡易調整モードを選択する。
【0087】
制御装置19は、簡易調整モードが選択された場合、一対のアーム24,25の対向方向が路面と平行になるようにクランプ装置18の回転動作を制御する。
図13及び
図14に示すように、例えば、第1アーム24が左側、第2アーム25が右側に位置した状態での支持部23の下面には、2つの測距センサ50が取り付けられている。2つの測距センサ50は、一対のアーム24,25の対向方向において間隔を空けて配置されている。各測距センサ50は、路面までの距離を検出する。2つの測距センサ50が検出した距離が同じである場合、一対のアーム24,25の対向方向は路面と平行になっているといえる。したがって、制御装置19は、2つの測距センサ50が検出した距離が同じ距離となるようにクランプ装置18を制御する。路面が平坦面である場合、一対のアーム24,25の対向方向が路面と平行になっていれば、ワークWに対するクランプ装置18の回転角度を調整しなくても、一対のアーム24,25は、縦置きされたワークWの周面Waに対して平行になる。
【0088】
制御装置19は、簡易調整モードが選択された場合、走行装置及びマスト装置17のみを制御することにより、ワークWに対するクランプ装置18の位置のみを調整する。この場合、ワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度の両方を調整する場合と比較して、調整時間を短縮することができる。
【0089】
なお、上記例では、制御装置19は、2つの測距センサ50が検出した距離が同じになるようにクランプ装置18を制御することにより、一対のアーム24,25の対向方向を路面と平行にしていたが、これに限定されない。測距センサ50以外の手段を用いることによって、一対のアーム24,25の対向方向が路面と平行になるようにクランプ装置18を制御してもよい。
【0090】
また、上記例では、路面が平坦面であると運転者が判断した場合に、運転者がモード切替スイッチ20を用いて簡易調整モードを選択していたが、これに限定されない。例えば、路面の平坦度を検出する検出部が荷役車両10に取り付けられていてもよい。制御装置19は、検出部による検出結果により、路面の平坦度が所定の平坦度よりも高いと判定した場合に、簡易調整モードを選択する。この場合、クランプ調整処理のモードは、自動的に簡易調整モードに切り替わるため、モード切替スイッチ20は不要である。
【0091】
○ 上記実施形態では、制御装置19は、教師画像Ptを用いてワークWに対するクランプ装置18の位置及び回転角度を調整していたが、これに限定されない。
制御装置19は、撮影画像PにおけるワークWの外形からワークWの第1中心線W1及び第2中心線W2を把握してもよい。具体的には、制御装置19は、撮影画像PにおけるワークWの軸方向の両端を検出する。また、制御装置19は、撮影画像PにおけるワークWの径方向の両端を検出する。制御装置19は、ワークWの径方向に延びるとともにワークWの軸方向の両端の中間に位置する線を第1中心線W1として把握する。また、制御装置19は、ワークWの軸方向に延びるとともにワークWの径方向の両端の中間に位置する線を第2中心線W2として把握する。この場合、制御装置19は、教師画像Ptを記憶していなくてもよい。
【0092】
○ 上記実施形態の例2では、制御装置19は、走行装置及びマスト装置17を同時に制御していたが、これに限定されない。制御装置19は、走行装置を制御してからマスト装置17を制御してもよいし、マスト装置17を制御してから走行装置を制御してもよい。
【0093】
制御装置19は、走行装置、マスト装置17、及びクランプ装置18のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、当該2つ以上の装置を同時に制御してもよいし、任意の順番で1つずつ制御してもよい。
【0094】
○ 上記実施形態では、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別するため、第1レーザ光L1の長さを第2レーザ光L2の長さよりも長くしていたが、これに限定されない。
【0095】
第1レーザ光L1の長さと第2レーザ光L2の長さとを異ならせることによって、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別可能とするのであれば、第1レーザ光L1の長さを第2レーザ光L2の長さよりも短くしてもよい。
【0096】
例えば、第1レーザ光L1の幅と第2レーザ光L2の幅とを異ならせることによって、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別可能にしてもよい。この場合、第1レーザ光L1の長さと第2レーザ光L2の長さは同じでもよい。また、第1レーザ光L1の色と第2レーザ光L2の色は同じでもよい。
【0097】
例えば、第1レーザ光L1の色と第2レーザ光L2の色とを異ならせることによって、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを区別可能にしてもよい。この場合、第1レーザ光L1の長さと第2レーザ光L2の長さは同じでもよい。また、第1レーザ光L1の幅と第2レーザ光L2の幅は同じでもよい。
【0098】
○ クランプ装置18は、ワークWとしてのロール紙をクランプするロールクランプに限定されない。クランプ装置18は、ワークWとしてのドラム缶をクランプするドラムクランプであってもよい。
【0099】
[付記]
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[1]走行装置が設けられた車両本体と、前記車両本体の前方に設けられ、上下方向に昇降可能なマストを有するマスト装置と、前記マストに対して前後方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、一対のアームの間隔を変化させることで、円筒状の周面を有するワークをクランプするクランプ装置と、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する制御装置と、を備える荷役車両であって、前記クランプ装置に設けられ、前記車両本体の前方に向かってレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記クランプ装置に設けられ、前記レーザ光照射部による前記レーザ光の照射中に前記車両本体の前方を撮影する撮影部と、を備え、前記レーザ光は、前記一対のアームの対向方向に沿って延びる直線状の第1レーザ光、及び前記第1レーザ光と直交する直線状の第2レーザ光からなり、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光との交点は前記回転軸線上に位置し、前記制御装置は、前記撮影部による撮影画像から、前記ワークの径方向に沿って延びるとともに前記ワークの軸方向の中心に位置する第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量、及び前記ワークの軸方向に沿って延びるとともに前記ワークの径方向の中心に位置する第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、算出した前記ずれ量に基づいて、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置及び回転角度を調整することを特徴とする荷役車両。
【0100】
[2]前記制御装置は、前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置のうち、2つ以上の装置を制御する場合には、前記2つ以上の装置を同時に制御する[1]に記載の荷役車両。
【0101】
[3]前記第1レーザ光の長さと前記第2レーザ光の長さは異なる[1]又は[2]に記載の荷役車両。
[4]前記制御装置は、路面が平坦面である場合に設定される簡易調整モードが選択された場合、前記走行装置及び前記マスト装置のみを制御することにより、前記ワークに対する前記クランプ装置の位置のみを調整する[1]~[3]の何れか1つに記載の荷役車両。
【0102】
[5]前記制御装置は、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するときの前記撮影画像を教師画像として記憶しており、前記教師画像における前記第1レーザ光に対する前記撮影画像における前記第1レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第1中心線に対する前記第1レーザ光のずれ量を算出し、前記教師画像における前記第2レーザ光に対する前記撮影画像における前記第2レーザ光のずれ量を算出することにより、前記第2中心線に対する前記第2レーザ光のずれ量を算出し、算出した前記ずれ量に基づいて、前記撮影画像における前記第1レーザ光が前記教師画像における前記第1レーザ光と一致し、かつ前記撮影画像における前記第2レーザ光が前記教師画像における前記第2レーザ光と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御することにより、前記第1レーザ光が前記第1中心線と一致し、かつ前記第2レーザ光が前記第2中心線と一致するように前記走行装置、前記マスト装置、及び前記クランプ装置を制御する[1]~[4]の何れか1つに記載の荷役車両。
【符号の説明】
【0103】
10…荷役車両、11…車両本体、17…マスト装置、17b…マストとしてのインナマスト、18…クランプ装置、19…制御装置、24…アーム、25…アーム、41…レーザ光照射部、42…撮影部、A…回転軸線、L…レーザ光、L1…第1レーザ光、L2…第2レーザ光、Q…交点、P…撮影画像、Pt…教師画像、W…ワーク、Wa…周面、W1…第1中心線、W2…第2中心線。