(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160523
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20241107BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20241107BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241107BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H01L29/78 658J
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653C
H01L29/78 652K
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/44 Y
H01L29/78 652M
H01L29/78 652N
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075618
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 建太
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB01
4M104FF10
4M104GG09
4M104GG18
(57)【要約】
【課題】半導体装置において、モールド樹脂と半導体素子のパッシベーション層との間の剥離を抑制する。
【解決手段】半導体装置10は、半導体素子12と、半導体素子12を封止するモールド樹脂14とを含んでいる。半導体素子12は、半導体層18と、半導体層18上に形成された絶縁層20と、絶縁層20上に形成された第1電極22と、絶縁層20上に形成されるとともに、第1電極22から離隔された第2電極24と、絶縁層20、第1電極22、および第2電極24を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層26とを含んでいる。パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部66を含む第1アンカーパターン62を含んでいる。第1アンカーパターン62は、第1電極22と第2電極24との間に位置している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子を封止するモールド樹脂と
を備え、
前記半導体素子は、
半導体層と、
前記半導体層上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された第1電極と、
前記絶縁層上に形成されるとともに、前記第1電極から離隔された第2電極と、
前記絶縁層、前記第1電極、および前記第2電極を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層と
を含み、
前記パッシベーション層は、前記モールド樹脂を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第1アンカーパターンを含み、前記第1アンカーパターンは、前記第1電極と前記第2電極との間に位置している、半導体装置。
【請求項2】
前記パッシベーション層は、前記モールド樹脂を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第2アンカーパターンを含み、前記第2アンカーパターンは、平面視で前記第1電極を少なくとも部分的に囲むように配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1電極は、平面視で前記第1アンカーパターンと前記第2アンカーパターンとの間に位置している、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1アンカーパターンは、平面視で前記第2電極を少なくとも部分的に囲むように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記パッシベーション層は、前記モールド樹脂を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第3アンカーパターンを含み、前記第3アンカーパターンは、平面視で前記第1電極と重なるように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1電極は、ゲートパッド部を含み、前記パッシベーション層は、前記ゲートパッド部の一部を露出させる第1開口を有しており、前記第3アンカーパターンは、平面視で前記第1開口を少なくとも部分的に囲むように配置されている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記パッシベーション層は、前記第2電極の一部を露出させる第2開口を有しており、前記第1アンカーパターンは、平面視で前記第2開口を少なくとも部分的に囲むように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体素子は、平面視で外周領域および前記外周領域に囲まれた内側領域を含み、
前記第1電極は、前記外周領域に配置された外周ゲート電極部を含み、前記第2アンカーパターンは、前記外周領域に配置されている、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子は、平面視で外周領域および前記外周領域に囲まれた内側領域を含み、
前記第1電極は、前記外周領域に配置された外周ゲート電極部と、前記内側領域に配置された内側ゲート電極部とを含み、
前記内側ゲート電極部は、前記第1アンカーパターンによって平面視で少なくとも部分的に囲まれている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体素子は、平面視で外周領域および前記外周領域に囲まれた内側領域を含み、
前記第1電極は、前記外周領域に配置された外周ゲート電極部を含み、
前記第2電極は、前記外周ゲート電極部と前記第2アンカーパターンとの間に位置するソースフィンガー部を含み、
前記ソースフィンガー部および前記外周ゲート電極部は、前記第1アンカーパターンと前記第2アンカーパターンとの間に位置している、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記パッシベーション層は、前記第2電極の一部を露出させる第2開口を有しており、前記第1アンカーパターンは、平面視で前記第2開口を少なくとも部分的に囲むように配置されており、
前記パッシベーション層は、前記モールド樹脂を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第4アンカーパターンを含み、前記第4アンカーパターンは、平面視で前記第2電極と重なるように配置されるとともに、前記第2開口の一部に沿って配置されている、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1電極は、前記内側領域に配置された内側ゲート電極部をさらに含み、
前記内側ゲート電極部は、前記第1アンカーパターンによって平面視で少なくとも部分的に囲まれている、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記内側ゲート電極部は、平面視で第1方向に延びる第1ゲートフィンガー部と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2ゲートフィンガー部とを含む、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記内側ゲート電極部は、平面視で前記第2方向に延びる第3ゲートフィンガー部をさらに含む、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1アンカーパターンの各凹部の深さは、前記パッシベーション層の厚さよりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1アンカーパターンの各凹部の開口面積は、当該凹部の底面積よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1アンカーパターンの前記1つまたは複数の凹部は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1アンカーパターンの各凹部は、平面視でライン状に形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1アンカーパターンの前記1つまたは複数の凹部は、平面視で破線状に配置された複数の凹部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記半導体素子は、
前記半導体層に形成されたゲートトレンチと、
前記ゲートトレンチ内に配置されたゲート電極と
をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トレンチゲート型の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor,MOSFET)が広く実用化されている。トレンチゲート型のMOSFETでは、ゲート電極が配置される複数のゲートトレンチが半導体層に形成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレンチゲート型のMOSFETが形成された半導体素子の信頼性試験において、半導体素子を封止するモールド樹脂の剥離に起因する不良が発生する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を封止するモールド樹脂とを備えている。前記半導体素子は、半導体層と、前記半導体層上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された第1電極と、前記絶縁層上に形成されるとともに、前記第1電極から離隔された第2電極と、前記絶縁層、前記第1電極、および前記第2電極を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層とを含む。前記パッシベーション層は、前記モールド樹脂を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第1アンカーパターンを含んでいる。前記第1アンカーパターンは、前記第1電極と前記第2電極との間に位置している。
【発明の効果】
【0006】
本開示の半導体装置によれば、モールド樹脂と半導体素子のパッシベーション層との間の剥離を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図1のF3-F3線に沿った半導体素子の概略断面図である。
【
図4】
図4は、
図1のF4線により囲まれた領域の概略拡大図である。
【
図5】
図5は、
図4のF5-F5線に沿った半導体装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、
図5のF6線により囲まれた領域の概略拡大図である。
【
図7】
図7は、アンカーパターンの変更例を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、アンカーパターンの変更例を示す概略平面図である。
【
図9】
図9は、アンカーパターンの変更例を示す概略平面図である。
【
図10】
図10は、アンカーパターンの変更例を示す概略平面図である。
【
図11】
図11は、アンカーパターンの変更例を示す概略平面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【
図18】
図18は、第3実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【
図22】
図22は、
図18のF22線により囲まれた領域のレイアウトの一例を示す概略拡大図である。
【
図23】
図23は、
図18のF22線により囲まれた領域のレイアウトの別の例を示す概略拡大図である。
【
図24】
図24は、第4実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図25】
図25は、第4実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【
図26】
図26は、第5実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図27】
図27は、第5実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【
図28】
図28は、第6実施形態による例示的な半導体装置の概略平面図である。
【
図29】
図29は、第6実施形態による第1電極および第2電極のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、図示および説明を簡潔かつ明瞭にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、図示を簡潔かつ明瞭にするために、断面図では、ハッチングが省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0010】
[第1実施形態]
図1~
図13を参照して、第1実施形態による例示的な半導体装置10について説明する。半導体装置10は、半導体素子12と、半導体素子12を封止するモールド樹脂14(
図5など参照)とを含む。
図1~
図4および
図7~
図12においては、図示および説明を簡潔かつ明瞭にするために、モールド樹脂14は省略されている。半導体素子12は、トランジスタ16(
図3参照)が形成された半導体チップであってよい。
【0011】
図1は、第1実施形態による例示的な半導体装置10の概略平面図である。
図1では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、
図5を参照して後述するように、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
【0012】
図1~
図3に示すように、半導体素子12は、半導体層18を含む。半導体層18は、シリコン(Si)から形成されていてよい。
図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ軸方向は、半導体層18の第1面18A(
図3参照)と実質的に直交する方向である。なお、本明細書において使用される「平面視」という用語は、明示的に別段の記載がない限り、Z軸方向に沿って上方から半導体装置10を視ることをいう。
【0013】
半導体素子12は、半導体層18上に形成された絶縁層20をさらに含む。絶縁層20は、酸化シリコン(SiO2)および窒化シリコン(SiN)のうちの少なくとも1つから形成されていてよい。
【0014】
半導体素子12は、絶縁層20上に形成された第1電極22と、絶縁層20上に形成されるとともに第1電極22から離隔された第2電極24とをさらに含む。第1電極22および第2電極24は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銅合金、およびアルミニウム合金のうちの少なくとも1つから形成されていてよい。
【0015】
半導体素子12は、絶縁層20、第1電極22、および第2電極24を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層26をさらに含む。パッシベーション層26は、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)のうちの少なくとも1つから形成されていてよい。パッシベーション層26の詳細については後述する。
【0016】
(第1電極および第2電極のレイアウト)
図2は、第1実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図2では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0017】
半導体素子12は、平面視で外周領域28および外周領域28に囲まれた内側領域30を含んでいてよい。外周領域28と内側領域30との例示的な境界は、
図2において二点鎖線で示されている。外周領域28は、平面視で、半導体層18の外縁と内側領域30との間に位置していてよい。
【0018】
第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32を含んでいてよい。外周ゲート電極部32は、外周領域28と内側領域30との境界に沿って延びていてよい。第1電極22は、ゲートパッド部34をさらに含んでいてよい。
図1および
図2の例においては、ゲートパッド部34は、外周ゲート電極部32の幅(外周ゲート電極部32の短手方向の寸法)よりもX軸方向および/またはY軸方向に大きな寸法を有していてよい。なお、本開示において、Y軸方向を第1方向と呼び、X軸方向を第2方向と呼ぶ場合がある。第2方向は、平面視で第1方向と交差する方向である。ゲートパッド部34は、外周ゲート電極部32と電気的に接続されていてよい。ゲートパッド部34は、外周ゲート電極部32と一体的に形成されていてよい。ゲートパッド部34は、内側領域30に配置されてもよく、外周領域28に配置されてもよく、あるいは、外周領域28および内側領域30の両方にまたがって配置されてもよい。
【0019】
第2電極24は、内側領域30に配置されていてよい。
図1および
図2の例においては、第2電極24は、平面視でループ状に形成された第1電極22に囲まれていてよい。第2電極24は、第1電極22から電気的に絶縁されるように、第1電極22から所定の距離だけ離隔されていてよい。
【0020】
上述のレイアウトは一例であり、第1電極22および第2電極24のレイアウトは、半導体装置10の所望の特性に応じて適宜定めることができる。
(トランジスタの断面構造)
図3は、
図1のF3-F3線に沿った半導体素子12の概略断面図である。
図3は、半導体素子12においてトランジスタ16が形成された領域の断面を示している。
図3の例では、トランジスタ16は、トレンチゲート型のMOSFETであってよい。
【0021】
図3に示すように、半導体層18は、第1面18Aおよび第1面18Aと反対側の第2面18Bを有している。絶縁層20は、半導体層18の第1面18A上に形成されている。
【0022】
半導体層18は、半導体基板36を含んでいてよい。半導体基板36は、半導体層18の第2面18Bを含む。半導体基板36は、n型のSi基板であってよい。一例では、半導体基板36の厚さは、10μm以上450μm以下であってよい。また、半導体基板36のn型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下であってよい。なお、本開示において、n型を第1導電型、およびp型を第2導電型ともいう。n型不純物は、例えば、リン(P)、ヒ素(As)などであってよい。また、p型不純物は、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)などであってよい。半導体基板36の抵抗率は、0.5mΩ・cm以上5mΩ・cm以下であってよい。半導体基板36は、トランジスタ16のドレイン領域に相当し得る。
【0023】
半導体層18は、半導体基板36上に形成されたエピタキシャル層38をさらに含んでいてよい。エピタキシャル層38は、半導体層18の第1面18Aを含んでいてよい。すなわち、絶縁層20は、エピタキシャル層38上に形成されていてよい。エピタキシャル層38は、Siから形成されていてよい。
【0024】
エピタキシャル層38は、半導体基板36上に形成されたドリフト領域40と、ドリフト領域40上に形成されたボディ領域42と、ボディ領域42上に形成されたソース領域44とを含んでいてよい。
【0025】
ドリフト領域40は、半導体基板36(ドレイン領域)よりも低い濃度のn型不純物を含むn型領域であってよい。ドリフト領域40のn型不純物濃度は、1×1013cm-3以上1×1019cm-3以下以下であってよい。ドリフト領域40は、1μm以上30μm以下の厚さを有していてよい。
【0026】
ボディ領域42は、p型不純物を含むp型領域であってよい。ボディ領域42のp型不純物濃度は、1×1015cm-3以上1×1018cm-3以下であってよい。ボディ領域42は、0.2μm以上1μm以下の厚さを有していてよい。
【0027】
ソース領域44は、ドリフト領域40よりも高い濃度のn型不純物を含むn型領域であってよい。ソース領域44のn型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下であってよい。ソース領域44は、0.1μm以上1μm以下の厚さを有していてよい。
【0028】
半導体素子12は、半導体層18に形成されたゲートトレンチ46をさらに含んでいてよい。ゲートトレンチ46は、半導体層18の第1面18Aに開口を有するとともに、Z軸方向に深さを有している。より詳細には、ゲートトレンチ46は、ソース領域44およびボディ領域42を貫通してドリフト領域40まで達していてよい。ゲートトレンチ46は、2μm以上10μm以下の深さを有していてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、半導体素子12は、平面視でストライプ状に配置された複数のゲートトレンチ46を含んでいてよい。複数のゲートトレンチ46は、Y軸方向に延びるとともに、X軸方向に並ぶ複数のトレンチ、および/またはX軸方向に延びるとともに、Y軸方向に並ぶ複数のトレンチを含んでいてもよい(図示略)。他の実施形態では、半導体素子12は、平面視で格子状に形成されたゲートトレンチ46を含んでいてもよい。
【0030】
ゲートトレンチ46の側壁46Aは、Z軸方向に延びていてもよいし、Z軸方向に対して傾斜していてもよい。例えば、側壁46Aは、ゲートトレンチ46の幅(
図3の例ではX軸方向の寸法)が、ゲートトレンチ46の底壁46Bに向かって小さくなるようにZ軸方向に対して傾斜していてもよい。ゲートトレンチ46の底壁46Bは、ドリフト領域40に形成されていてよい。ゲートトレンチ46の底壁46Bは、必ずしも平坦でなくてもよく、例えば、その一部または全体が湾曲していてもよい。
【0031】
半導体素子12は、ゲートトレンチ46内に配置されたゲート電極48をさらに含んでいてよい。ゲート電極48は、ゲートトレンチ46に絶縁層20を介して埋め込まれていてよい。ゲート電極48は、第1電極22に電気的に接続されていてよい。ゲート電極48は、1つまたは複数のコンタクトプラグ(図示略)を介して第1電極22に接続することができる。これにより、第1電極22を介してゲート電極48に所望のゲート電圧を印加することができる。
【0032】
半導体素子12は、ゲートトレンチ46内に配置されたフィールドプレート電極50をさらに含んでいてよい。フィールドプレート電極50は、ゲートトレンチ46に絶縁層20を介して埋め込まれていてよい。フィールドプレート電極50は、第2電極24に電気的に接続されていてよい。フィールドプレート電極50は、1つまたは複数のコンタクトプラグ(図示略)を介して第2電極24に接続することができる。これにより、第2電極24を介してフィールドプレート電極50に所望のソース電圧(または基準電圧)を印加することができる。
【0033】
フィールドプレート電極50は、ゲート電極48とゲートトレンチ46の底壁46Bとの間に配置することができる。ゲート電極48とフィールドプレート電極50とは、絶縁層20によって離隔されている。
図3に示すように、フィールドプレート電極50は、ゲート電極48よりもZ軸方向に大きい寸法を有していてよい。また、フィールドプレート電極50は、ゲート電極48よりもX軸方向に小さい寸法を有していてよい。これにより、フィールドプレート電極50とゲートトレンチ46の側壁46Aとの間の絶縁層20は、比較的大きな厚さを有することができる。
【0034】
ゲート電極48およびフィールドプレート電極50は、導電性のポリシリコンから形成されていてよい。別の例では、ゲート電極48および/またはフィールドプレート電極50は、他の任意の金属材料から形成されていてもよい。
【0035】
半導体素子12は、第2電極24に接続されたソースコンタクトプラグ52をさらに含んでいてよい。ソースコンタクトプラグ52は、絶縁層20を貫通して、半導体層18に接するように延びている。エピタキシャル層38は、ソースコンタクトプラグ52の底部に隣接するコンタクト領域54を含んでいてよい。コンタクト領域54は、p型不純物を含むp型領域であってよい。コンタクト領域54のp型不純物濃度は、ボディ領域42よりも高い。コンタクト領域54のp型不純物濃度は、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下であってよい。
【0036】
半導体素子12は、半導体層18の第2面18Bに形成されたドレイン電極56をさらに含んでいてよい。ドレイン電極56は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銅合金、およびアルミニウム合金のうちの少なくとも1つから形成されていてよい。
【0037】
ゲート電極48に所定のゲート電圧を印加することにより、ボディ領域42のゲート電極48に近い部分にチャネルを形成することができる。トランジスタ16は、このチャネルを介した電子の流れの制御を可能とするように構成されている。
【0038】
(パッシベーション層の詳細)
再び
図1に戻って、パッシベーション層26の配置について説明する。前述のように、パッシベーション層26は、絶縁層20、第1電極22、および第2電極24を少なくとも部分的に覆っている。
【0039】
パッシベーション層26は、第1電極22のゲートパッド部34の一部を露出させる第1開口58を有していてよい。第1開口58は、平面視でゲートパッド部34内に位置していてよい。第1電極22は、第1開口58により露出される部分を除き、パッシベーション層26により覆われていてよい。
【0040】
パッシベーション層26は、第2電極24の一部を露出させる第2開口60を有していてよい。第2開口60は、平面視で第2電極24内に位置していてよい。
図1の例では、第2電極24は、第2開口60により露出される部分を除き、パッシベーション層26により覆われていてよい。
【0041】
パッシベーション層26は、第1電極22と第2電極24との間の絶縁層20を覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、平面視で第1電極22よりも外側にある絶縁層20を覆っていてよい。しかしながら、半導体素子12のスクライブ領域となり得る半導体素子12の外縁部に位置する絶縁層20は、パッシベーション層26によって覆われていなくてよい。
【0042】
次に、
図1および
図4~
図6を参照して、パッシベーション層26に形成される第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64について説明する。
図4は、
図1のF4線により囲まれた領域の概略拡大図である。
図5は、
図4のF5-F5線に沿った半導体装置10の概略断面図である。
図6は、
図5のF6線により囲まれた領域の概略拡大図である。
【0043】
図1、
図4、および
図5に示すように、パッシベーション層26は、第1電極22と第2電極24との間に位置する第1アンカーパターン62を含んでいる。
図1に示すように、第1アンカーパターン62は、平面視で第2電極24を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。また、第1アンカーパターン62は、平面視で第2開口60を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。
図5および
図6に示すように、第1アンカーパターン62は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部66を含んでいる。
【0044】
図5に示すように、パッシベーション層26は、第2電極24の上面24Aの一部と、第2電極24の側面24Bとを覆うとともに、第2電極24と第1電極22との間に位置する絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、第1電極22(
図5においては、外周ゲート電極部32)の側面22Bおよび上面22Aを覆うとともに、平面視で第1電極22よりも外側にある絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。一方、半導体素子12の外縁部に位置する絶縁層20の上面20Aは、露出されていてよい。第1アンカーパターン62は、パッシベーション層26のうち、第1電極22と第2電極24との間の絶縁層20の上面20Aを覆う部分に形成されていてよい。
【0045】
図6に示すように、第1アンカーパターン62の各凹部66の深さDは、パッシベーション層26の厚さTよりも小さくてよい。したがって、第1アンカーパターン62の下方に位置する絶縁層20は露出されない。すなわち、第1アンカーパターン62の下方に位置する絶縁層20は、パッシベーション層26によって覆われている。
【0046】
また、第1アンカーパターン62の各凹部66の開口面積は、当該凹部66の底面積よりも小さくてよい。例えば、
図6に示すように、第1アンカーパターン62の各凹部66の側面66Aは、パッシベーション層26の上面26Aに対して垂直でなくてよい。
図6の例では、各凹部66の側面66Aは、各凹部66のX軸方向における開口寸法D1が、当該凹部66の底面66BのX軸方向における寸法D2よりも小さくなるように、パッシベーション層26の上面26Aに対して傾いている。これにより、第1アンカーパターン62の各凹部66の開口面積を、当該凹部66の底面積よりも小さくすることができる。なお、
図6に示す凹部66の形状は一例である。凹部66は、その開口面積が底面積よりも小さくなるような任意の形状を有していてよい。
【0047】
さらに、パッシベーション層26は、平面視で第1電極22を少なくとも部分的に囲むように配置された第2アンカーパターン64を含んでいてよい。第2アンカーパターン64は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部68を含んでいてよい。
【0048】
図5に示すように、第2アンカーパターン64の各凹部68は、第1アンカーパターン62の各凹部66と同様の断面形状を有していてよい。したがって、第2アンカーパターン64の各凹部68の開口面積は、当該凹部68の底面積よりも小さくてよい。第2アンカーパターン64は、パッシベーション層26のうち、平面視で第1電極22よりも外側にある絶縁層20の上面20Aを覆う部分に形成されていてよい。
【0049】
図1に示すように、第1電極22は、平面視で第1アンカーパターン62と第2アンカーパターン64との間に位置していてよい。第2アンカーパターン64は、外周領域28(
図2参照)に配置されていてよい。
【0050】
(アンカーパターンの例)
次に、
図4および
図7~
図11を参照して、第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64のいくつかの例を説明する。
図7~
図11も、
図4と同様の領域の概略拡大図に対応している。
【0051】
図4に示すように、第1アンカーパターン62の1つまたは複数の凹部66は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部66を含んでいてよい。
図4の例では、第1アンカーパターン62の各凹部66は、平面視でライン状に形成されている。第1アンカーパターン62の各凹部66が、平面視でライン状に形成されている場合、複数の凹部66は、相互に平行に配置されていてよい。
図4の例では、第1アンカーパターン62は、3本のライン状に形成された凹部66を含んでいるが、第1アンカーパターン62は、異なる本数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)のライン状に形成された凹部66を含んでいてもよい。
【0052】
同様に、
図4に示すように、第2アンカーパターン64の1つまたは複数の凹部68は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部68を含んでいてよい。
図4の例では、第2アンカーパターン64の各凹部68は、平面視でライン状に形成されている。第2アンカーパターン64の各凹部68が、平面視でライン状に形成されている場合、複数の凹部68は、互いに平行に配置されていてよい。
図4の例では、第2アンカーパターン64は、3本のライン状に形成された凹部68を含んでいるが、第2アンカーパターン64は、異なる数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)のライン状に形成された凹部68を含んでいてもよい。
【0053】
本実施形態において、凹部66がライン状に形成されている場合、第1アンカーパターン62は、平面視で第2電極24を完全に囲むように配置されていてもよい。また、本実施形態において、凹部68がライン状に形成されている場合、第2アンカーパターン64は、平面視で第1電極22を完全に囲むように配置されていてもよい。
【0054】
図7に示すように、別の例では、第1アンカーパターン62の1つまたは複数の凹部66は、平面視で破線状に配置された複数の凹部66を含んでいてもよい。
図7の例では、第1アンカーパターン62は、3本の破線状に配置された複数の凹部66を含んでいるが、第1アンカーパターン62は、異なる本数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)の破線状に配置された複数の凹部66を含んでいてもよい。同様に、第2アンカーパターン64の1つまたは複数の凹部68は、平面視で破線状に配置された複数の凹部68を含んでいてもよい。
図7の例では、第2アンカーパターン64は、3本の破線状に配置された複数の凹部68を含んでいるが、第2アンカーパターン64は、異なる本数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)の破線状に配置された複数の凹部68を含んでいてもよい。また、
図7の例では、各凹部66,68は、平面視で矩形状であるが、各凹部66,68は、平面視で、正方形状、円状、または楕円状であってもよい。
【0055】
図8に示すように、さらに別の例では、第1アンカーパターン62の1つまたは複数の凹部66は、平面視で千鳥状に配置された複数の凹部66を含んでいてもよい。同様に、第2アンカーパターン64の1つまたは複数の凹部68は、平面視で千鳥状に配置された複数の凹部68を含んでいてもよい。
図8の例では、各凹部66,68は、平面視で楕円状であるが、各凹部66,68は、平面視で、正方形状、矩形状、または円状であってもよい。
【0056】
図9に示すように、さらに別の例では、第1アンカーパターン62に含まれるライン状に形成された凹部66の数は、第2アンカーパターン64に含まれるライン状に形成された凹部68の数と異なっていてよい。例えば、第2アンカーパターン64に含まれるライン状に形成された凹部68の数は、第1アンカーパターン62に含まれるライン状に形成された凹部66の数よりも多くてもよい。
【0057】
図10に示すように、さらに別の例では、第1アンカーパターン62の1つまたは複数の凹部66は、平面視でX軸方向に延びる複数の凹部66Xと、平面視でY軸方向に延びる複数の凹部66Yとを含んでいてよい。凹部66Xと凹部66Yとは、間隔を空けて交互に配置されていてよい。同様に、第2アンカーパターン64の1つまたは複数の凹部68は、平面視でX軸方向に延びる複数の凹部68Xと、平面視でY軸方向に延びる複数の凹部68Yとを含んでいてよい。凹部68Xと凹部68Yとは、間隔を空けて交互に配置されていてよい。
【0058】
図11に示すように、さらに別の例では、第1アンカーパターン62の1つまたは複数の凹部66は、平面視で十字状に形成された複数の凹部66を含んでいてよい。同様に、第2アンカーパターン64の1つまたは複数の凹部68は、平面視で十字状に形成された複数の凹部68を含んでいてよい。平面視で十字状に形成された各凹部66,68は、X軸方向およびY軸方向と交差する方向に延びる部分を含んでいてよい。
【0059】
(ゲートパッド部におけるアンカーパターン)
次に、
図12および
図13を参照して、ゲートパッド部34に設けられる第3アンカーパターン70について説明する。
図12は、
図1のF12線により囲まれた領域の概略拡大図である。また、
図13は、
図12のF13-F13線に沿った半導体装置の概略断面図である。
【0060】
前述のように、パッシベーション層26は、ゲートパッド部34の一部を露出させる第1開口58を有していてよい。そして、パッシベーション層26は、平面視で第1開口58を少なくとも部分的に囲むように配置された第3アンカーパターン70を含んでいてよい。第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64が第1電極22および第2電極24が存在しない領域に配置されていたのとは対照的に、第3アンカーパターン70は、平面視で第1電極22と重なるように配置されていてよい。第3アンカーパターン70は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部72を含んでいてよい。第3アンカーパターン70の各凹部72は、第1アンカーパターン62の各凹部66と同様の断面形状を有していてよい。したがって、第3アンカーパターン70の各凹部72の開口面積は、当該凹部72の底面積よりも小さくてよい。
【0061】
図13に示すように、パッシベーション層26は、第2電極24の上面24Aの一部と、第2電極24の側面24Bとを覆うとともに、第2電極24とゲートパッド部34との間に位置する絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、ゲートパッド部34の側面34Bと、ゲートパッド部34の上面34Aの一部とを覆っていてよい。第3アンカーパターン70は、パッシベーション層26のうち、ゲートパッド部34の上面34Aの一部を覆う部分に形成されていてよい。
【0062】
図12および
図13に示すように、第3アンカーパターン70の1つまたは複数の凹部72は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部72を含んでいてよい。
図12の例では、第3アンカーパターン70の各凹部72は、平面視でライン状に形成されていてよい。第3アンカーパターン70の各凹部72が、平面視でライン状に形成されている場合、複数の凹部72は、相互に平行に配置されていてよい。第3アンカーパターン70に含まれるライン状に形成された凹部72の数は、第1アンカーパターン62に含まれるライン状に形成された凹部66の数と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
代替的に、第3アンカーパターン70の1つまたは複数の凹部72は、
図7に示す第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64のように、平面視で破線状に配置された複数の凹部72を含んでいてもよく、あるいは、
図8に示す第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64のように、平面視で千鳥状に配置された複数の凹部72を含んでいてもよい(図示略)。
【0064】
代替的に、第3アンカーパターン70の1つまたは複数の凹部72は、
図10に示す第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64のように、平面視でX軸方向に延びる複数の凹部と、平面視でY軸方向に延びる複数の凹部とを含んでいてもよい(図示略)。あるいは、第3アンカーパターン70の1つまたは複数の凹部72は、
図11に示す第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64のように、平面視で十字状に形成された複数の凹部を含んでいてもよい(図示略)。
【0065】
(半導体装置の作用)
以下、本実施形態の半導体装置10の作用について説明する。半導体装置10は、半導体素子12と、半導体素子12を封止するモールド樹脂14とを含んでいる。半導体素子12は、半導体層18と、半導体層18上に形成された絶縁層20と、絶縁層20上に形成された第1電極22と、絶縁層20上に形成されるとともに、第1電極22から離隔された第2電極24と、絶縁層20、第1電極22、および第2電極24を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層26とを含んでいる。パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部66を含む第1アンカーパターン62を含んでいる。第1アンカーパターン62は、第1電極22と第2電極24との間に位置している。
【0066】
パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部66を含む第1アンカーパターン62を含んでいるため、第1アンカーパターン62が存在しない場合と比較して、モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の接着を強固なものとすることができる。したがって、本実施形態の半導体装置10によれば、モールド樹脂14と半導体素子12のパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0067】
本実施形態の半導体装置10は、以下の利点を有する。
(1)半導体装置10は、半導体素子12と、半導体素子12を封止するモールド樹脂14とを含んでいる。半導体素子12は、半導体層18と、半導体層18上に形成された絶縁層20と、絶縁層20上に形成された第1電極22と、絶縁層20上に形成されるとともに、第1電極22から離隔された第2電極24と、絶縁層20、第1電極22、および第2電極24を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層26とを含んでいる。パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部66を含む第1アンカーパターン62を含んでいる。第1アンカーパターン62は、第1電極22と第2電極24との間に位置している。
【0068】
この構成によれば、(特に、第1電極22と第2電極24との間における)モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(2)パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部68を含む第2アンカーパターン64を含んでいてよい。第2アンカーパターン64は、平面視で第1電極22を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。
【0069】
この構成によれば、第2アンカーパターン64の存在により、第1電極22の外側におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(3)第1電極22は、平面視で第1アンカーパターン62と第2アンカーパターン64との間に位置していてよい。この構成によれば、第1電極22の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0070】
(4)第1アンカーパターン62は、平面視で第2電極24を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。この構成によれば、第2電極24の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0071】
(5)パッシベーション層は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部を含む第3アンカーパターン70を含んでいてよい。第3アンカーパターン70は、平面視で第1電極22と重なるように配置されていてよい。
【0072】
この構成によれば、第1電極22の上方におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(6)第1電極22は、ゲートパッド部34を含んでいてよい。パッシベーション層26は、ゲートパッド部34の一部を露出させる第1開口58を有していてよい。第3アンカーパターン70は、平面視で第1開口58を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。
【0073】
この構成によれば、第1開口58の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(7)パッシベーション層26は、第2電極24の一部を露出させる第2開口60を有していてよい。第1アンカーパターン62は、平面視で第2開口60を少なくとも部分的に囲むように配置されていてよい。
【0074】
この構成によれば、第2開口60の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(8)半導体素子12は、平面視で外周領域28および外周領域28に囲まれた内側領域30を含んでいてよい。第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32を含んでいてよい。第2アンカーパターン64は、外周領域28に配置されていてよい。
【0075】
この構成によれば、半導体素子12の外周領域28におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
(9)第1アンカーパターン62の各凹部66の深さDは、パッシベーション層26の厚さTよりも小さくてよい。この構成によれば、第1アンカーパターン62が存在する場合であっても、第1アンカーパターン62の下方の絶縁層20は、パッシベーション層26により覆われているため、第1アンカーパターン62の下方の絶縁層20を保護することができる。
【0076】
(10)第1アンカーパターン62の各凹部66の開口面積は、当該凹部66の底面積よりも小さくてよい。この構成によれば、モールド樹脂14が凹部66に受け入れられた際に、モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を効果的に抑制することができる。
【0077】
[第2実施形態]
図14~
図17を参照して、第2実施形態による例示的な半導体装置100について説明する。
図14~
図17において、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、第1実施形態と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0078】
図14は、第2実施形態による例示的な半導体装置100の概略平面図である。
図14では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
図15は、第2実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図15では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0079】
第2実施形態では、第1電極22は、内側領域30に配置された内側ゲート電極部102をさらに含んでいてよい。内側ゲート電極部102は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と電気的に接続されていてよい。内側ゲート電極部102は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と一体的に形成されていてよい。図示の例では、内側ゲート電極部102は、ゲートパッド部34に接続されるとともに、Y軸方向に延びている。内側ゲート電極部102の端部102Eは、外周ゲート電極部32からは離隔されていてよい。なお、内側ゲート電極部102のレイアウトはこれに限定されない。例えば、内側ゲート電極部102は、外周ゲート電極部32に接続されていてもよい。
【0080】
パッシベーション層26は、第2電極24の一部を露出させる第2開口104および第3開口106を有していてよい。第2開口104および第3開口106は、平面視で第2電極24内に位置していてよい。
図14の例では、第2電極24は、第2開口104および第3開口106により露出される部分を除き、パッシベーション層26により覆われていてよい。第1アンカーパターン62は、平面視で内側ゲート電極部102の側面102A(
図15および
図17参照)に沿って延びていてよい。したがって、第1アンカーパターン62は、平面視で第2開口104および第3開口106を少なくとも部分的に囲むように配置することができる。
【0081】
第2実施形態では、内側領域30において内側ゲート電極部102およびその周囲の領域には第2電極24が形成されない。パッシベーション層26は、そのような第2電極24の一部を露出させるために、2つの開口(すなわち、第2開口104および第3開口106)を有していてよい。内側ゲート電極部102は、平面視で第2開口104と第3開口106との間に位置することができる。
【0082】
(内側ゲート電極部の周囲のアンカーパターン)
次に、
図16および
図17を参照して、内側ゲート電極部102の周囲を囲む第1アンカーパターン62について説明する。
図16は、
図14のF16線により囲まれた領域の概略拡大図である。
図17は、
図16のF17-F17線に沿った半導体装置の概略断面図である。
【0083】
内側ゲート電極部102は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれていてよい。
図16に示すように、第1アンカーパターン62は、平面視で内側ゲート電極部102の端部102Eに沿って曲がっていてよい。
【0084】
図17に示すように、パッシベーション層26は、内側ゲート電極部102の側面102Aおよび上面102Bを覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、内側ゲート電極部102と第2電極24との間に位置する絶縁層20の上面20Aを覆うとともに、第2電極24の側面24Bと、第2電極24の上面24Aの一部とを覆っていてよい。
【0085】
第2実施形態の半導体装置100は、第1実施形態の半導体装置10の利点に加えて、以下の利点を有する。第2実施形態では、第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32と、内側領域30に配置された内側ゲート電極部102とを含んでいてよい。内側ゲート電極部102は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれているので、内側ゲート電極部102の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0086】
[第3実施形態]
図18~
図23を参照して、第3実施形態による例示的な半導体装置200について説明する。
図18~
図23において、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、第1実施形態と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0087】
図18は、第3実施形態による例示的な半導体装置200の概略平面図である。
図18では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
図19は、第3実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図19では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0088】
第3実施形態では、第2電極24は、外周ゲート電極部32と第2アンカーパターン64との間に位置するソースフィンガー部202を含んでいてよい。ソースフィンガー部202は、外周ゲート電極部32と同様、外周領域28に配置されている。
【0089】
第2電極24は、内側領域30に配置された内側ソース電極部204も含んでいる。ソースフィンガー部202は、内側ソース電極部204と電気的に接続されていてよい。第3実施形態における第1電極22の外周ゲート電極部32は、第1実施形態とは異なり、平面視で閉じたループを形成していない。第3実施形態では、外周ゲート電極部32の2つの端部206,208の間において、ソースフィンガー部202と内側ソース電極部204とが電気的に接続されていてよい。
【0090】
ソースフィンガー部202および外周ゲート電極部32は、第1アンカーパターン62と第2アンカーパターン64との間に位置している。第1アンカーパターン62は、平面視で、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34に沿って延びている。第3実施形態では、外周ゲート電極部32が途切れている領域があるため、その領域においては、第1アンカーパターン62は形成されていない。その代わり、パッシベーション層26は、平面視で第2開口60の一部に沿って配置された第4アンカーパターン210を含んでいてよい。第4アンカーパターン210は、平面視で第2電極24と重なるように配置されている。
【0091】
図20は、
図18のF20線により囲まれた領域の概略拡大図である。
図21は、
図20のF21-F21線に沿った半導体装置の概略断面図である。
図20に示すように、第1アンカーパターン62は、内側ソース電極部204と外周ゲート電極部32との間に配置されていてよい。第2アンカーパターン64は、ソースフィンガー部202よりも外側に配置されていてよい。
図20の例では、外周ゲート電極部32とソースフィンガー部202との間にアンカーパターンは配置されていない。別の例においては、外周ゲート電極部32とソースフィンガー部202との間にも第1アンカーパターン62および/または第2アンカーパターン64と同様のアンカーパターンが配置されていてもよい。
【0092】
図21に示すように、パッシベーション層26は、内側ソース電極部204の上面204Aの一部と、内側ソース電極部204の側面204Bとを覆うとともに、内側ソース電極部204と外周ゲート電極部32との間に位置する絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、外周ゲート電極部32の側面32Bおよび上面32Aを覆うとともに、外周ゲート電極部32とソースフィンガー部202との間に位置する絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。さらに、パッシベーション層26は、ソースフィンガー部202の側面202Bおよび上面202Aを覆うとともに、平面視でソースフィンガー部202よりも外側にある絶縁層20の上面20Aを覆っていてよい。一方、半導体素子12の外縁部に位置する絶縁層20の上面20Aは、露出されていてよい。第1アンカーパターン62は、パッシベーション層26のうち、内側ソース電極部204と外周ゲート電極部32との間の絶縁層20の上面20Aを覆う部分に形成されていてよい。第2アンカーパターン64は、パッシベーション層26のうち、平面視でソースフィンガー部202よりも外側にある絶縁層20の上面20Aを覆う部分に形成されていてよい。
【0093】
(第4アンカーパターン)
図22は、
図18のF22線により囲まれた領域のレイアウトの一例を示す概略拡大図である。
図22に示すように、第4アンカーパターン210は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部212を含んでいてよい。第4アンカーパターン210の各凹部212は、第1アンカーパターン62の各凹部66と同様の断面形状を有していてよい。したがって、第4アンカーパターン210の各凹部212の開口面積は、当該凹部212の底面積よりも小さくてよい。第4アンカーパターン210は、平面視で第2開口60の一部に沿って延びていてよい。
【0094】
第4アンカーパターン210の1つまたは複数の凹部212は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部212を含んでいてよい。
図22の例では、第4アンカーパターン210の各凹部212は、平面視でライン状に形成されている。第4アンカーパターン210の各凹部212が、平面視でライン状に形成されている場合、複数の凹部212は、相互に平行に配置されていてよい。
図22の例では、第4アンカーパターン210は、3本のライン状に形成された凹部212を含んでいるが、第4アンカーパターン210は、異なる本数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)のライン状に形成された凹部212を含んでいてもよい。
【0095】
第4アンカーパターン210は、第2電極24の上面24Aよりも上方に位置している。一方、第1アンカーパターン62は、第2電極24の上面24A(
図21の内側ソース電極部204の上面204Aに対応)よりも下方に位置している。第1アンカーパターン62と第4アンカーパターン210との間には、第2電極24による段差があるため、第1アンカーパターン62と第4アンカーパターン210とは連続的に形成されていなくてよい(凹部66と凹部212とは連通していなくてよい)。
【0096】
図23は、
図18のF22線により囲まれた領域のレイアウトの別の例を示す概略拡大図である。
図23に示すように、第4アンカーパターン210の1つまたは複数の凹部212は、平面視で破線状に配置された複数の凹部212を含んでいてもよい。
図23の例では、第4アンカーパターン210は、3本の破線状に配置された複数の凹部66を含んでいるが、第4アンカーパターン210は、異なる本数(例えば、1、2、4、またはそれ以上)の破線状に配置された複数の凹部212を含んでいてもよい。なお、別の例では、第4アンカーパターン210は、
図8~
図11のいずれかに示される第1アンカーパターン62と同様であってもよい。
【0097】
図22および
図23の例では、第1アンカーパターン62と第4アンカーパターン210とは、それぞれの凹部66,212により形成されるパターンが延びる方向を除いて同様である。しかしながら、別の例では、第4アンカーパターン210の凹部212は、第1アンカーパターン62の凹部66とは異なる形状を有していてもよい。
【0098】
第3実施形態の半導体装置200は、第1実施形態の半導体装置10の利点に加えて、以下の利点を有する。
第3実施形態では、第2電極24は、外周ゲート電極部32と第2アンカーパターン64との間に位置するソースフィンガー部202を含んでいてよい。ソースフィンガー部202および外周ゲート電極部32は、第1アンカーパターン62と第2アンカーパターン64との間に位置しているので、ソースフィンガー部202および外周ゲート電極部32の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0099】
さらに、第3実施形態では、パッシベーション層26は、モールド樹脂14を受け入れる1つまたは複数の凹部212を含む第4アンカーパターン210を含んでいる。第4アンカーパターン210は、平面視で第2電極24と重なるように配置されるとともに、第2開口60の一部に沿って配置されているので、第2開口60の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0100】
[第4実施形態]
図24および
図25を参照して、第4実施形態による例示的な半導体装置300について説明する。
図24および
図25において、第1~第3実施形態と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、第1~第3実施形態と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0101】
図24は、第4実施形態による例示的な半導体装置300の概略平面図である。
図24では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
図25は、第4実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図25では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0102】
第2実施形態と同様、第4実施形態では、第1電極22は、内側領域30に配置された内側ゲート電極部102をさらに含んでいてよい。また、第3実施形態と同様、第4実施形態では、第2電極24は、外周ゲート電極部32と第2アンカーパターン64との間に位置するソースフィンガー部202を含んでいてよい。
【0103】
第4実施形態では、第4アンカーパターン210は、パッシベーション層26の第2開口104の一部および第3開口106の一部に沿って延びていてよい。内側ゲート電極部102は、平面視で第2開口104と第3開口106との間に位置しているとともに、第1アンカーパターン62によって囲まれている。したがって、第2開口104および第3開口106の各々は、平面視で第1アンカーパターン62および第4アンカーパターン210によって少なくとも部分的に囲まれている。
【0104】
第4実施形態の半導体装置300は、第1実施形態の半導体装置10の利点に加えて、以下の利点を有する。第4実施形態では、第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32と、内側領域30に配置された内側ゲート電極部102とを含んでいてよい。内側ゲート電極部102は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれているので、内側ゲート電極部102の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。また、第4実施形態では、第2電極24は、外周ゲート電極部32と第2アンカーパターン64との間に位置するソースフィンガー部202を含んでいてよい。ソースフィンガー部202および外周ゲート電極部32は、第1アンカーパターン62と第2アンカーパターン64との間に位置しているので、ソースフィンガー部202および外周ゲート電極部32の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0105】
[第5実施形態]
図26および
図27を参照して、第5実施形態による例示的な半導体装置400について説明する。
図26および
図27において、第1~第4実施形態と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、第1~第4実施形態と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0106】
図26は、第5実施形態による例示的な半導体装置400の概略平面図である。
図26では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
図27は、第5実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図27では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0107】
第5実施形態では、第1電極22は、内側領域30に配置された内側ゲート電極部402を含んでいてよい。内側ゲート電極部402は、平面視でY軸方向に延びる第1ゲートフィンガー部404と、Y軸方向に交差する方向(図示の例ではX軸方向)に延びる第2ゲートフィンガー部406とを含む。内側ゲート電極部402は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と電気的に接続されていてよい。内側ゲート電極部402は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と一体的に形成されていてよい。内側ゲート電極部402は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれていてよい。
【0108】
パッシベーション層26は、第2電極24の一部を露出させる第2開口408、第3開口410、第4開口412、および第5開口414を有していてよい。第2開口408、第3開口410、第4開口412、および第5開口414は、平面視で第2電極24内に位置していてよい。
図26の例では、第2電極24は、第2開口408、第3開口410、第4開口412、および第5開口414により露出される部分を除き、パッシベーション層26により覆われていてよい。第1アンカーパターン62は、平面視で内側ゲート電極部402の側面402A(
図27参照)に沿って延びていてよい。したがって、第1アンカーパターン62は、平面視で第2開口408、第3開口410、第4開口412、および第5開口414を少なくとも部分的に囲むように配置することができる。
【0109】
第5実施形態では、内側領域30において内側ゲート電極部402およびその周囲の領域には第2電極24が形成されない。パッシベーション層26は、そのような第2電極24の一部を露出させるために、4つの開口(すなわち、第2開口408、第3開口410、第4開口412、および第5開口414)を有していてよい。内側ゲート電極部402は、平面視で第2開口408と第3開口410との間、第3開口410と第4開口412との間、第4開口412と第5開口414との間、および第5開口414と第2開口408との間に位置することができる。
【0110】
第5実施形態の半導体装置400は、第4実施形態の半導体装置300の利点に加えて、以下の利点を有する。第5実施形態では、第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32と、内側領域30に配置された内側ゲート電極部402とを含んでいてよい。内側ゲート電極部402は、平面視で第1方向に延びる第1ゲートフィンガー部404と、第1方向と交差する第2方向に延びる第2ゲートフィンガー部406とを含んでいてよい。内側ゲート電極部402は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれているので、第1ゲートフィンガー部404および第2ゲートフィンガー部406を含む内側ゲート電極部402の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0111】
[第6実施形態]
図28および
図29を参照して、第6実施形態による例示的な半導体装置500について説明する。
図28および
図29において、第1~第4実施形態と同様の構成要素には同じ符号が付されている。また、第1~第4実施形態と同様な構成要素については詳細な説明を省略する。
【0112】
図28は、第6実施形態による例示的な半導体装置500の概略平面図である。
図28では半導体素子12を視ることができるようにモールド樹脂14が省略されているが、モールド樹脂14は半導体素子12を封止するために半導体素子12上に形成されていてよい。
図29は、第6実施形態による第1電極22および第2電極24のレイアウトの一例を示す概略平面図である。
図29では、モールド樹脂14およびパッシベーション層26が省略されている。
【0113】
第6実施形態では、第1電極22は、内側領域30に配置された内側ゲート電極部502を含んでいてよい。内側ゲート電極部502は、平面視でY軸方向に延びる第1ゲートフィンガー部504と、Y軸方向に交差する方向(図示の例ではX軸方向)に延びる第2ゲートフィンガー部506と、Y軸方向に交差する方向(図示の例ではX軸方向)に延びる第3ゲートフィンガー部508とを含む。内側ゲート電極部502は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と電気的に接続されていてよい。内側ゲート電極部502は、外周ゲート電極部32およびゲートパッド部34と一体的に形成されていてよい。内側ゲート電極部502は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれていてよい。
【0114】
パッシベーション層26は、第2電極24の一部を露出させる第2開口510、第3開口512、第4開口514、第5開口516、第6開口518、および第7開口520を有していてよい。第2開口510、第3開口512、第4開口514、第5開口516、第6開口518、および第7開口520は、平面視で第2電極24内に位置していてよい。
図28の例では、第2電極24は、第2開口510、第3開口512、第4開口514、第5開口516、第6開口518、および第7開口520により露出される部分を除き、パッシベーション層26により覆われていてよい。第1アンカーパターン62は、平面視で内側ゲート電極部502の側面502A(
図29参照)に沿って延びていてよい。したがって、第1アンカーパターン62は、平面視で第2開口510、第3開口512、第4開口514、第5開口516、第6開口518、および第7開口520を少なくとも部分的に囲むように配置することができる。
【0115】
第6実施形態では、内側領域30において内側ゲート電極部502およびその周囲の領域には第2電極24が形成されない。パッシベーション層26は、そのような第2電極24の一部を露出させるために、6つの開口(すなわち、第2開口510、第3開口512、第4開口514、第5開口516、第6開口518、および第7開口520)を有していてよい。内側ゲート電極部502は、平面視で第2開口510と第3開口512との間、第3開口512と第4開口514との間、第4開口514と第5開口516との間、第5開口516と第6開口518との間、第6開口518と第7開口520との間、および第7開口520と第2開口510との間に位置することができる。
【0116】
第6実施形態の半導体装置500は、第4実施形態の半導体装置300の利点に加えて、以下の利点を有する。第6実施形態では、第1電極22は、外周領域28に配置された外周ゲート電極部32と、内側領域30に配置された内側ゲート電極部502とを含んでいてよい。内側ゲート電極部502は、平面視で第1方向に延びる第1ゲートフィンガー部504と、第1方向と交差する第2方向に延びる第2ゲートフィンガー部506と、第2方向に延びる第3ゲートフィンガー部508とを含んでいてよい。内側ゲート電極部502は、第1アンカーパターン62によって平面視で少なくとも部分的に囲まれているので、第1ゲートフィンガー部504、第2ゲートフィンガー部506、および第3ゲートフィンガー部508を含む内側ゲート電極部502の周囲におけるモールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。
【0117】
[他の変更例]
上述した各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・パッシベーション層26は、第1アンカーパターン62、第2アンカーパターン64、第3アンカーパターン70、および第4アンカーパターン210のうちの少なくとも1つを含んでいてよい。例えば、
図1の例において、パッシベーション層26は、第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64を含むが、第3アンカーパターン70を含んでいなくてもよい。例えば、
図18の例において、パッシベーション層26は、第1アンカーパターン62および第2アンカーパターン64を含むが、第3アンカーパターン70および第4アンカーパターン210を含んでいなくてもよい。
【0118】
・
図4および
図7~
図11に示す例においては、同じ半導体素子12内の第1アンカーパターン62の凹部66と第2アンカーパターン64の凹部68は同じ形状を有している。しかしながら、同じ半導体素子12内の第1アンカーパターン62の凹部66と第2アンカーパターン64の凹部68とが異なる形状を有していてもよい。例えば、第1アンカーパターン62が、
図4に示すようなライン状に形成された凹部66を含むとともに、第2アンカーパターン64が、
図7に示すような破線状に配置された凹部68を含んでいてもよい。
【0119】
・第1アンカーパターン62の凹部66の開口面積は、当該凹部66の深さ方向(Z軸方向)の中央部における面積よりも小さくてよい。この場合、凹部66の開口面積は、必ずしも当該凹部66の底面積よりも小さくなくてもよい。この構成であっても、モールド樹脂14が凹部66に受け入れられた際に、モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を効果的に抑制することができる。他のアンカーパターン64,70,210の凹部68,72,212についても同様である。
【0120】
・トランジスタ16の断面構造は、
図3の例に限定されない。例えば、ゲート電極48がゲートトレンチ46に埋め込まれているが、フィールドプレート電極50がゲートトレンチ46に埋め込まれていなくてもよい。
【0121】
・第1アンカーパターン62の各凹部66は、モールド樹脂14を受け入れ可能に構成されている。本開示は、モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することが可能な半導体素子12を提供することも課題とし得る。本開示の半導体素子12によれば、第1アンカーパターン62は、モールド樹脂14を受け入れ可能に構成された1つまたは複数の凹部66を含む第1アンカーパターン62を含んでいるので、モールド樹脂14と共に用いられた場合に、モールド樹脂14とパッシベーション層26との間の剥離を抑制することができる。第2アンカーパターン64の各凹部68、第3アンカーパターン70の各凹部72、および第4アンカーパターン210の各凹部212も、同様にモールド樹脂14を受け入れ可能に構成されている。
【0122】
・半導体層18内の各領域の導電型が反転された構造が採用されてもよい。すなわち、p型の領域がn型の領域とされ、n型の領域がp型の領域とされてもよい。
本明細書に記載の様々な例のうちの1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0123】
本明細書において、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」との記載は、「Aのみ、または、Bのみ、または、AおよびBの両方」を意味するものとして理解されるべきである。
【0124】
本明細書で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0125】
本明細書で使用される「垂直」、「水平」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「前方」、「後方」、「縦」、「横」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向を示す用語は、説明および図示された装置の特定の向きに依存する。本開示においては、様々な代替的な向きを想定することができ、したがって、これらの方向を示す用語は、狭義に解釈されるべきではない。
【0126】
例えば、本明細書で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。例えば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0127】
[付記]
上記実施形態および変更例の各々から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、付記に記載された構成要素に対応する実施形態中の構成要素の符号が括弧内に示されている。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0128】
(付記1)
半導体素子(12)と、
前記半導体素子を封止するモールド樹脂(14)と
を備え、
前記半導体素子(12)は、
半導体層(18)と、
前記半導体層(18)上に形成された絶縁層(20)と、
前記絶縁層(20)上に形成された第1電極(22)と、
前記絶縁層(20)上に形成されるとともに、前記第1電極(22)から離隔された第2電極(24)と、
前記絶縁層(20)、前記第1電極(22)、および前記第2電極(24)を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層(26)と
を含み、
前記パッシベーション層(26)は、前記モールド樹脂(14)を受け入れる1つまたは複数の凹部(66)を含む第1アンカーパターン(62)を含み、前記第1アンカーパターン(62)は、前記第1電極(22)と前記第2電極(24)との間に位置している、半導体装置。
【0129】
(付記2)
前記パッシベーション層(26)は、前記モールド樹脂(14)を受け入れる1つまたは複数の凹部(68)を含む第2アンカーパターン(64)を含み、前記第2アンカーパターン(64)は、平面視で前記第1電極(22)を少なくとも部分的に囲むように配置されている、付記1に記載の半導体装置。
【0130】
(付記3)
前記第1電極(22)は、平面視で前記第1アンカーパターン(62)と前記第2アンカーパターン(64)との間に位置している、付記2に記載の半導体装置。
【0131】
(付記4)
前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記第2電極(24)を少なくとも部分的に囲むように配置されている、付記1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0132】
(付記5)
前記パッシベーション層(26)は、前記モールド樹脂(14)を受け入れる1つまたは複数の凹部(72)を含む第3アンカーパターン(70)を含み、前記第3アンカーパターン(70)は、平面視で前記第1電極(22)と重なるように配置されている、付記1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0133】
(付記6)
前記第1電極(22)は、ゲートパッド部(34)を含み、前記パッシベーション層(26)は、前記ゲートパッド部(34)の一部を露出させる第1開口(58)を有しており、前記第3アンカーパターン(70)は、平面視で前記第1開口(58)を少なくとも部分的に囲むように配置されている、付記5に記載の半導体装置。
【0134】
(付記7)
前記パッシベーション層(26)は、前記第2電極(24)の一部を露出させる第2開口(60)を有しており、前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記第2開口(60)を少なくとも部分的に囲むように配置されている、付記1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0135】
(付記8)
前記半導体素子は、平面視で外周領域(28)および前記外周領域(28)に囲まれた内側領域(30)を含み、
前記第1電極(22)は、前記外周領域(28)に配置された外周ゲート電極部(32)を含み、前記第2アンカーパターン(64)は、前記外周領域(28)に配置されている、付記2または3に記載の半導体装置。
【0136】
(付記9)
前記半導体素子は、平面視で外周領域(28)および前記外周領域(28)に囲まれた内側領域(30)を含み、
前記第1電極(22)は、前記外周領域(28)に配置された外周ゲート電極部(32)と、前記内側領域(30)に配置された内側ゲート電極部(102)とを含み、
前記内側ゲート電極部(102)は、前記第1アンカーパターン(62)によって平面視で少なくとも部分的に囲まれている、付記1~8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0137】
(付記10)
前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記内側ゲート電極部(102)の側面(102A)に沿って延びている、付記9に記載の半導体装置。
【0138】
(付記11)
前記パッシベーション層(26)は、前記第2電極(24)の一部を露出させる第2開口(104)および第3開口(106)を有しており、
前記内側ゲート電極部(102)は、平面視で前記第2開口(104)と前記第3開口(106)との間に位置している、付記9または10に記載の半導体装置。
【0139】
(付記12)
前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記第2開口(104)および前記第3開口(106)を少なくとも部分的に囲むように配置されている、付記11に記載の半導体装置。
【0140】
(付記13)
前記半導体素子は、平面視で外周領域(28)および前記外周領域(28)に囲まれた内側領域(30)を含み、
前記第1電極(22)は、前記外周領域(28)に配置された外周ゲート電極部(32)を含み、
前記第2電極(24)は、前記外周ゲート電極部(32)と前記第2アンカーパターン(64)との間に位置するソースフィンガー部を含み、
前記ソースフィンガー部および前記外周ゲート電極部(32)は、前記第1アンカーパターン(62)と前記第2アンカーパターン(64)との間に位置している、付記2または3に記載の半導体装置。
【0141】
(付記14)
前記パッシベーション層(26)は、前記第2電極(24)の一部を露出させる第2開口(60)を有しており、前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記第2開口(60)を少なくとも部分的に囲むように配置されており、
前記パッシベーション層(26)は、前記モールド樹脂(14)を受け入れる1つまたは複数の凹部(212)を含む第4アンカーパターンを含み、前記第4アンカーパターンは、平面視で前記第2電極(24)と重なるように配置されるとともに、前記第2開口(60)の一部に沿って配置されている、付記13に記載の半導体装置。
【0142】
(付記15)
前記第1電極(22)は、前記内側領域(30)に配置された内側ゲート電極部(102,402,502)をさらに含み、
前記内側ゲート電極部(102,402,502)は、前記第1アンカーパターン(62)によって平面視で少なくとも部分的に囲まれている、付記13または14に記載の半導体装置。
【0143】
(付記16)
前記第1アンカーパターン(62)は、平面視で前記内側ゲート電極部(102,402,502)の側面(102A,402A,502A)に沿って延びている、付記15に記載の半導体装置。
【0144】
(付記17)
前記内側ゲート電極部(402,502)は、平面視で第1方向に延びる第1ゲートフィンガー部(404,504)と、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第2ゲートフィンガー部(406,506)とを含む、付記15または16に記載の半導体装置。
【0145】
(付記18)
前記内側ゲート電極部(502)は、平面視で前記第2方向に延びる第3ゲートフィンガー部(508)をさらに含む、付記17に記載の半導体装置。
【0146】
(付記19)
前記第1アンカーパターン(62)の各凹部(66)の深さ(D)は、前記パッシベーション層(26)の厚さ(T)よりも小さい、付記1~18のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0147】
(付記20)
前記第2アンカーパターン(64)の各凹部(68)の深さ(D)は、前記パッシベーション層(26)の厚さ(T)よりも小さい、付記2または3に記載の半導体装置。
【0148】
(付記21)
前記第1アンカーパターン(62)の各凹部(66)の開口面積は、当該凹部(66)の底面積よりも小さい、付記1~20のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0149】
(付記22)
前記第2アンカーパターン(64)の各凹部(68)の開口面積は、当該凹部(68)の底面積よりも小さい、付記2または3に記載の半導体装置。
【0150】
(付記23)
前記第1アンカーパターン(62)の前記1つまたは複数の凹部(66)は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部(66)を含む、付記1~22のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0151】
(付記24)
前記第2アンカーパターン(64)の前記1つまたは複数の凹部(68)は、平面視で間隔をあけて配置された複数の凹部(68)を含む、付記2または3に記載の半導体装置。
【0152】
(付記25)
前記第1アンカーパターン(62)の各凹部(66)は、平面視でライン状に形成されている、付記1~24のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0153】
(付記26)
前記第2アンカーパターン(64)の各凹部(68)は、平面視でライン状に形成されている、付記2または3に記載の半導体装置。
【0154】
(付記27)
前記第1アンカーパターン(62)の前記1つまたは複数の凹部(66)は、平面視で破線状に配置された複数の凹部(66)を含む、付記1~24のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0155】
(付記28)
前記第2アンカーパターン(64)の前記1つまたは複数の凹部(68)は、平面視で破線状に配置された複数の凹部(68)を含む、付記2または3に記載の半導体装置。
【0156】
(付記29)
前記第1アンカーパターン(62)の各凹部(66)は、平面視でライン状に形成され、
前記第2アンカーパターン(64)の各凹部(68)は、平面視でライン状に形成され、
前記第2アンカーパターン(64)に含まれるライン状に形成された凹部(68)の数は、前記第1アンカーパターン(62)に含まれるライン状に形成された凹部(66)の数よりも多い、付記2または3に記載の半導体装置。
【0157】
(付記30)
前記半導体素子(12)は、
前記半導体層(18)に形成されたゲートトレンチ(46)と、
前記ゲートトレンチ(46)内に配置されたゲート電極(48)と
をさらに含む、付記1~29のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0158】
(付記31)
前記半導体素子(12)は、前記ゲートトレンチ(46)内に配置されたフィールドプレート電極(50)をさらに含む、付記30に記載の半導体装置。
【0159】
(付記32)
半導体層(18)と、
前記半導体層(18)上に形成された絶縁層(20)と、
前記絶縁層(20)上に形成された第1電極(22)と、
前記絶縁層(20)上に形成されるとともに、前記第1電極(22)から離隔された第2電極(24)と、
前記絶縁層(20)、前記第1電極(22)、および前記第2電極(24)を少なくとも部分的に覆うパッシベーション層(26)と
を備え、
前記パッシベーション層(26)は、モールド樹脂(14)を受け入れ可能に構成された1つまたは複数の凹部(66)を含む第1アンカーパターン(62)を含み、前記第1アンカーパターン(62)は、前記第1電極(22)と前記第2電極(24)との間に位置している、半導体素子。
【0160】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0161】
10,100,200,300…半導体装置
12…半導体素子
14…モールド樹脂
16…トランジスタ
18…半導体層
18A…第1面
18B…第2面
20…絶縁層
20A…上面
22…第1電極
22A…上面
22B…側面
24…第2電極
24A…上面
24B…側面
26…パッシベーション層
28…外周領域
30…内側領域
32…外周ゲート電極部
32A…上面
32B…側面
34…ゲートパッド部
34A…上面
34B…側面
36…半導体基板
38…エピタキシャル層
40…ドリフト領域
42…ボディ領域
44…ソース領域
46…ゲートトレンチ
46A…側壁
46B…底壁
48…ゲート電極
50…フィールドプレート電極
52…ソースコンタクトプラグ
54…コンタクト領域
56…ドレイン電極
58…第1開口
60,104,408,510…第2開口
62…第1アンカーパターン
64…第2アンカーパターン
66,68,72,212…凹部
70…第3アンカーパターン
102,402,502…内側ゲート電極部
102A,402A,502A…側面
102B…上面
102E…端部
106,410,512…第3開口
202…ソースフィンガー部
204…内側ソース電極部
206,208…端部
210…第4アンカーパターン
404,504…第1ゲートフィンガー部
406,506…第2ゲートフィンガー部
412,514…第4開口
414,516…第5開口
508…第3ゲートフィンガー部
518…第6開口
520…第7開口