(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160526
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】申請審査システム、審査システムサーバ、申請審査方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241107BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075623
(22)【出願日】2023-05-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月2日に地方自治情報化推進フェア2022にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】522226063
【氏名又は名称】株式会社ガバメイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【弁理士】
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】塚野俊樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】紙申請と電子申請の併存下で行政手続きの申請に係る自治体の事務処理を効率化する申請システム等を提供する。
【解決手段】データ送信サーバ20は所定の自治体の所定の行政手続きに関する紙申請書類の読取データに基づく紙申請データを取得してこれを第1の識別情報と紐づけて申請受付サーバ10に送信し、申請受付サーバは第1の識別情報に紐づいた紙申請データを取得する機能、第2の識別情報と紐づいた所定の自治体の所定の行政手続きに関する電子申請データを取得する機能、第1の識別情報と紐づいた紙申請データ及び第2の識別情報と紐づいた電子申請データを審査システムサーバに提供する機能を備え、審査システムサーバ41は第1の識別情報と紐づいた紙申請データ及び第2の識別情報と紐づいた電子申請データを申請受付サーバから取得し、これらを第1の識別情報と第2の識別情報に基いて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行政手続きに関する申請を受け付けて審査するための申請審査システムであって、
データ送信サーバと、申請受付サーバと、審査システムサーバとを備え、
前記データ送信サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得する機能、取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて前記申請受付サーバに送信する機能を備え、
前記申請受付サーバは、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする申請審査システム。
【請求項2】
行政手続きの申請に係るデータを申請受付サーバから取得して審査するための審査システムサーバであって、
前記申請受付サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする審査システムサーバ。
【請求項3】
前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項4】
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項5】
前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項6】
前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項7】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項8】
前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項9】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項10】
前記審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項11】
行政手続きに関する申請を受け付けて審査する申請審査方法であって、
データ送信サーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得するステップと、
前記データ送信サーバが、前記取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて申請受付サーバに送信するステップと、
前記申請受付サーバが、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを審査システムサーバに提供するステップと、
前記審査システムサーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【請求項12】
審査システムサーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記審査システムサーバが、前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【請求項13】
審査システムサーバによって実行されるプログラムであって、
所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
申前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済みに、設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項16】
前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能および前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項17】
前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項18】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項19】
前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項20】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項21】
前記審査画面で行われる審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自治体が住民から各種行政手続きに関する申請を受け付ける業務の効率化を図るための申請審査システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、行政手続きにおいては、住民が役所に出向いて届出用紙(紙帳票)に必要事項を記入し、自治体職員が窓口でそれを受理した後、その紙帳票に基づいて役所内での事務処理が行われていた。具体的には、自治体職員は、紙帳票を読んで手続きの要件を満たすかどうかを判断し、要件を満した場合、紙帳票に記載された住民情報を行政システムに手入力で登録する対応を行っていた。
【0003】
一方で、近年、全国の地方公共団体では、デジタル・ガバメント実行計画に基づいて、ぴったりサービスを前提とした行政手続きのオンライン化が進められており、例えば、新型コロナウィルスの特別定額給付金において、紙帳票による申請(紙申請)に加え、インターネット上のぴったりサービスを使った電子申請(オンライン申請)の受け付けが行われた。
【0004】
オンライン申請をより効率的に行う技術として、例えば、下記特許文献1には、ぴったりサービスサイトなどのオンライン申請サイトにおいて、給付金受取のための登録申請を行うときに容易に口座を登録するための発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
行政手続きのオンライン化が進められてはいるものの、自治体の内部では紙を使って多くの事務処理が行われており、前述の新型コロナウィルスの特別定額給付金のケースでは、オンライン申請を受け付けたとき、自治体側で職員が申請内容を一旦紙に印刷し、印刷された紙に基づいて事務処理を行ってから行政システムに手入力する対応が行われた。その結果、紙申請した住民よりもオンライン申請を行った住民の方が給付金を受け取るまでに時間がかかってしまうという問題が発生した。
【0007】
このように自治体側でオンライン申請を処理するための内部プロセスが整備されていないため、単に行政手続きのオンライン化を進めるだけでは、最終的に住民がサービスを受けるまでに要する時間を考えたときに、住民の満足度は上がらない。
【0008】
また、スマートフォンやパソコンを使い慣れていない高齢者にはオンライン申請への対応が難しいため、行政手続きのオンライン化を進めたとしても当面は同じ種類の行政手続きについて紙申請とオンライン申請が併存する状態が続くと考えられる。仮に、自治体においてオンライン申請を紙に打ち出さずに事務処理できるプロセスが準備できたとしても、オンライン申請を受理したときのプロセスと紙申請を受理したときのプロセスとが併存してしまうと、オンライン申請か紙申請かに応じて事務処理のやり方を切り替える必要があり、自治体職員の事務処理の負担が高まる。その結果、住民がサービスを受けるまでに時間がかかってしまい、住民の満足度が高まらないことが予想される。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、紙帳票による申請と電子申請とが併存する状態において、行政手続きの申請に係る自治体の事務処理の効率化を図ることのできる申請審査システム、データ送信サーバ、申請処理方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]行政手続きに関する申請を受け付けて審査するための申請審査システムであって、
データ送信サーバと、申請受付サーバと、審査システムサーバとを備え、
前記データ送信サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得する機能、取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて前記申請受付サーバに送信する機能を備え、
前記申請受付サーバは、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする申請審査システム。
【0012】
上記発明および[2]、[11]、[12]、[13]に記載の発明では、電子申請に基づく電子申請データと紙申請に基づく紙申請データの双方が申請受付サーバから提供されるので自治体においては、電子申請に係る申請データと紙申請に係る申請データの入口が一本化される。さらに、同一の行政手続きであれば電子申請データと紙申請データとが同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示されるので、自治体の職員は紙申請と電子申請とを共通の審査画面で審査することができる。
【0013】
[2]行政手続きの申請に係るデータを申請受付サーバから取得して審査するための審査システムサーバであって、
前記申請受付サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする審査システムサーバ。
【0014】
[3]前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0015】
[4]前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0016】
上記発明および下記[15]に記載の発明では、申請受付サーバから紙申請データを取得したときは、その紙申請データのステータスが自動的に審査済みに設定され、申請受付サーバから電子申請データを取得したときは、その電子申請データのステータスが自動的に審査待ちに設定される。
【0017】
[5]前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0018】
上記発明および下記[16]に記載の発明では、第1の識別情報と紐づいた所定の行政手続きに係る紙申請の場合は、ステータスを審査済みとし、第2の識別情報と紐づいた他の行政手続きに係る紙申請の場合は、ステータスを審査待ちとする。すなわち、紙申請であっても、行政手続きの種類に応じて、審査待ちとするか審査済みとするかを切り替える。
【0019】
[6]前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0020】
上記発明および下記[17]に記載の発明では、紙審査データについては、これに含まれる判定情報に基づいて、ステータスを、審査待ちに設定するか、審査済みに設定するかを切り替える。
【0021】
[7]前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0022】
上記発明および下記[18]に記載の発明では、審査画面には、紙帳票の画像と、この画像から抽出されて文字データ化された記載事項とが並べて表示される。これにより、自治体の職員は、抽出された記載事項が紙帳票に記載された内容と一致しているか(文字データ化に誤りが無いか)を容易に確認することができる。
【0023】
[8]前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0024】
[9]前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0025】
上記発明および下記[20]に記載の発明では、自治体の職員は、紙帳票から抽出された記載事項について、これと共に表示された審査基準を参照することで、審査を的確・迅速に行うことができる。
【0026】
[10]前記審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする[2]に記載の審査システムサーバ。
【0027】
上記発明および下記[21]に記載の発明では、複数の自治体の調査結果に基づくことで、適正化・共通化された審査基準を提供することができる。
【0028】
[11]行政手続きに関する申請を受け付けて審査する申請審査方法であって、
データ送信サーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得するステップと、
前記データ送信サーバが、前記取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて申請受付サーバに送信するステップと、
前記申請受付サーバが、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを審査システムサーバに提供するステップと、
前記審査システムサーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【0029】
[12]審査システムサーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記審査システムサーバが、前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【0030】
[13]審査システムサーバによって実行されるプログラムであって、
所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とするプログラム。
【0031】
[14]前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0032】
[15]前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0033】
[16]前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能および前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0034】
[17]前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに有する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0035】
[18]前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0036】
[19]前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0037】
[20]前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【0038】
[21]前記審査画面で行われる審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る申請システム、データ送信サーバ、申請処理方法およびプログラムによれば、紙帳票による申請と電子申請とが併存する状態において、行政手続きの申請に係る自治体内部の事務処理、特に審査に係る事務処理、を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施の形態に係る申請システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る申請システムに含まれる各サーバの基本的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る申請システムにおける申請処理全体の流れを示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る申請システムにおける申請データの受け取り処理の流れの他の一例を示す図である。
【
図5】データ送信サーバにおけるデータの変遷を示す図である。
【
図6】データ送信サーバが行う処理を示す流れ図である。
【
図7】紙申請書類、読取データ、紙申請データの各概略構成を示す図である。
【
図8】電子申請データの構成と紙申請データの構成を対比して示す図である。
【
図9】役所職員が読取データをデータ送信サーバに送信する際に行う操作の一例を示す図である。
【
図10】データ送信サーバの申請データ化処理における識別情報およびフォームの選択方法の一例を示す図である。
【
図11】審査システムサーバが行う処理の概要を示す流れ図である。
【
図12】審査システムサーバが内部に記憶している対照表の一例を示す図である。
【
図13】審査システムサーバが行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の一例を示す流れ図である。
【
図14】審査システムサーバが行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の他の例を示す流れ図である。
【
図15】審査システムサーバが取得した申請データの一覧の一例を示す図である。
【
図16】審査システムサーバが行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の他の例を示す流れ図である。
【
図17】審査済みか否かを示すためのマーク欄を備えた紙帳票の一例を示す図である。
【
図18】審査システムサーバが表示する審査画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0042】
図1は、本発明の実施の形態に係る申請システム5の構成例を示している。申請システム5は、行政手続きの申請方法として、住民が役所の窓口で紙帳票により申請する方法(紙申請)と、住民がスマートフィンなどの端末からオンライン申請する方法(電子申請)とが併存する状態において、申請を受ける側の自治体における事務処理の効率化を図るものである。
【0043】
申請システム5は、住民から所定の行政手続きに関する電子申請を受け付ける機能を備えた申請受付サーバ10と、所定の行政手続きに関する紙帳票による紙申請の申請書類を電子化した申請データを申請受付サーバ10に送信する機能を果たすデータ送信サーバ20と、申請受付サーバ10からこれに登録されている申請データを取得して審査画面に表示し、自治体の職員による申請内容の審査の作業を補助する審査システムサーバ41とを有する。
【0044】
本実施の形態では、申請受付サーバ10として、日本の内閣府が運営するぴったりサービスサーバを利用するが、他のサーバであってもよい。
【0045】
申請受付サーバ(ぴったりサービスサーバ)10には、インターネットを介して住民のスマートフォンやPCなどのブラウザ端末7が接続される。
【0046】
自治体(役所)には、事務処理等を行うための情報処理システム30が設けてある。自治体の情報処理システム30は、データ送信サーバ20や審査システムサーバ41と通信可能なPC等の情報処理装置31、住民が役所の窓口に提出した紙帳票などの申請書類を光学的に読み取るための読取装置32等を備える。審査システムサーバ41は、自治体別の情報処理システム30に含まれる構成としてもよいし、複数の自治体に共通に設けられてもよい。
【0047】
自治体の情報処理システム30は、さらに、申請管理サーバ43と基幹システムサーバ45を備えている。申請管理サーバ43は、審査システムサーバ41から申請データを取得し、その管理を行う。申請データは、審査システムサーバ41から申請管理サーバ43を介して基幹システムサーバ45に登録される、もしくは、審査システムサーバ41から基幹システムサーバ45へ直接登録されてもよい。
【0048】
なお、自治体のネットワーク構成は、三層分離が基本原理となっており、高度のセキュリティを確保した個人番号(マイナンバー)利用事務系、総合行政ネットワーク(LGWAN)接続系、インターネット接続系に分離されている。個人番号利用事務系は他のネットワークと完全に分離されている。総合行政ネットワーク接続系は、地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続して情報共有を図るためのネットワークであり、インターネット接続系と完全に分離された行政専用のネットワークである。インターネット接続系は広く開放されたインターネットに接続されるネットワークである。
【0049】
申請受付サーバ10とデータ送信サーバ20の間の通信、申請受付サーバ10と審査システムサーバ41の間の通信、各役所内の情報処理装置31とデータ送信サーバ20との間の通信は、総合行政ネットワーク(LGWAN)を介して行われる。審査システムサーバ41を複数の自治体で共用する構成とする場合には、各自治体の情報処理装置31や申請管理サーバ43と審査システムサーバ41との間についても、総合行政ネットワーク(LGWAN)で接続される。
【0050】
図2は、申請システム5に含まれる各サーバ10、20、41、43、45の基本的構成を示している。なお、ブラウザ端末7、情報処理装置31についても基本的構成は同一である。
【0051】
各サーバは、CPU(中央処理装置)51、メモリ52、通信部53、U/I部54などを備えている。メモリ52には、プログラム52aやプログラムの実行に必要な各種のデータ52bが記憶される。CPU51は、メモリ52に格納されているプログラム52aを実行する。通信部53はネットワークを通じて他のサーバや外部機器と通信する。U/I部54は、ユーザに各種情報を表示する表示装置やユーザから各種の指示や操作を受ける入力装置等で構成される。サーバは、CPU51がメモリ52に格納されているプログラム52aを実行することによってサービス提供等の各種機能を実現する。
【0052】
申請システム5における各サーバは、個別のハードウェアとして独立に設けられてもよいし、単体のハードウェアの中に複数のサーバを、所謂、仮想サーバとして設ける構成でもよい。
【0053】
図3は、申請システム5における申請処理全体の流れを示している。ITリテラシーの高い住民は、スマートフォンやPCなどのブラウザ端末7を使用してインターネット上の電子申請用ポータルサイト(たとえば、マイナポータル)にアクセスし、申請受付サーバ10が提供する申請受付サービス(たとえば、ぴったりサービス)を利用して所定の自治体の所定の行政手続きに係る電子申請を行う(S1)。
【0054】
申請受付サーバ10は、住民から受け付けた電子申請に対応する申請データ(電子申請データとする)を生成し、これを所定の自治体の所定の行政手続きに対応する識別情報と紐づけて内部の記憶領域に保存して登録する(S30)。ここでは、第1の自治体における第1の行政手続きに関する電子申請を受けたものとし、これに対応する識別情報を、ID=1とする。
【0055】
ITリテラシーの低い住民は、役所を訪問し、紙帳票に必要事項を記入して窓口に提出することで行政手続きに関する紙申請を行う(S2)。紙申請では、役所の職員によりその場で申請内容の審査が行われる場合があり、必要な条件が満たされていればこの段階で審査済みとして受理される。その場で審査を完了できないものについては審査待ちとして受理される(S10)。
【0056】
役所の職員は、読取装置32を使用して紙申請に係る申請書類をスキャンして読み取り(S11)、その読取データを情報処理装置31からネットワーク経由でデータ送信サーバ20に、当該読取データがどの行政手続き(あるいはどの自治体のどの行政手続き)に関する申請書類の読取データであるかを示す識別情報を紐づけて送信する(S12)。
【0057】
データ送信サーバ20は、情報処理装置31から受信した読取データに対してAI-OCR(人工知能を利用した光学的文字認識技術)等の文字認識処理を施して読取データを文字データに変換し、該読取データに基づく申請データ(紙申請データとする)を生成する(S20)。
【0058】
データ送信サーバに接続可能な情報処理装置21が設けられており、データ送信装置を操作可能なオペレータ(2)は、情報処理装置21からデータ送信サーバ20にアクセスし、データ送信サーバ20による文字認識の結果(紙申請データの内容)を情報処理装置21の表示画面で目視確認し、必要な修正を施す(S13)。
【0059】
この例では、自治体は文字認識の結果(紙申請データの内容)の目視確認及び修正を外部に委託しており、委託先事業者に属するオペレータ(2)がその委託先事業者の情報処理装置21を使用してデータ送信サーバ20にアクセスする。なお、オペレータ(2)が情報処理装置21を使って目視確認及び修正を行うのに代えて、自治体の職員等のオペレータ(1)が自治体の情報処理装置31を使って目視確認及び修正を行う構成にしてもよい。
【0060】
データ送信サーバ20は、修正・確認の完了した紙申請データを、当該紙申請に係る行政手続きの識別情報と紐づけて申請受付サーバ10へ送信する(S21)。ここでは、第1の自治体の第1の行政手続きに関する紙申請とし、これに対応する識別情報をID=1’とする。
【0061】
申請受付サーバ10は、データ送信サーバ20から受信した紙申請データと識別情報(この例では、ID=1’)とを紐づけて内部の記憶領域に保存し登録する(S31)。
【0062】
データ送信サーバ20から申請受付サーバ10への紙申請データの送信には、申請受付サーバ10の運営側から提供される電子申請等API(Application Programming Interface)を利用する。電子申請等APIを利用することで、データ送信サーバ20は、外部の電子申請受付用のポータルサイトが電子申請データを電子申請等APIを使用して申請受付サーバ10に送信する場合と同様にして、紙申請データを申請受付サーバ10に送信することができる。
【0063】
なお、申請受付サーバ10には、処理対象とするサービス(住民から電子申請を受け付けるサービスやデータ送信サーバ20から紙申請データを受け付けるサービス等)を、各自治体が予め登録するようになっている。申請受付サーバ10は、登録時に各サービスに対して固有の識別情報を割り当て、これを登録依頼者に通知する。
【0064】
申請受付サーバ10は、各サービスとそれに割り当てた識別情報との対応情報を内部に登録してあり、自治体の情報処理システム30や審査システムサーバ41等は、その情報を申請受付サーバ10から入手することが可能となっている。
【0065】
データ送信サーバ20は、申請受付サーバ10が割り当てた識別情報を、申請受付サーバ10に送信する紙申請データに紐づける識別情報として使用する。たとえば、第1の自治体の第1の行政手続きに関する紙申請データに関するサービスを申請受付サーバ10に登録した際に割り当てられた識別情報を、第1の自治体の第1の行政手続きに関する紙申請データを申請受付サーバ10へ送信する際にその紙申請データに紐づける識別情報として使用する。
【0066】
自治体は、以下のようにして、申請受付サーバ10から電子申請に係る電子申請データと紙申請に係る紙申請データを受け取って審査する。
【0067】
審査システムサーバ41は、所定のタイミングで申請受付サーバ10に対して申請データの取得要求を送信する(S41)。申請受付サーバ10は、手続きの種類を区別せず、取得要求を受けた時点で登録されているその自治体に係るすべての申請データ(紙申請データおよび電子申請データ)をそれぞれの識別情報と紐付けて審査システムサーバ41に送信する(S32)。
【0068】
審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10から受信した申請データに紐付けされている識別情報に基づいて、その申請データがどの行政手続きに係る申請データであるかを判別し、各申請データをその手続きの種類がわかる形で自治体の情報処理装置31に表示して、自治体の職員による審査を受ける等の審査処理を実行する(S42)。
【0069】
たとえば、行政手続きの種類の一覧が表示され、その一覧から一の行政手続きを選択すると、その選択された種類の行政手続きに係る申請データの一覧が表示され、その一覧の中から一の申請データを選択すると、その選択された申請データに係る審査画面(手続きの種類に対応した審査画面)が表示される。
【0070】
自治体職員は、情報処理装置31の表示装置に表示された審査画面を通じて、各申請データが申請の要件を満たすか否かを判断し審査する(S14)。
【0071】
審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである。すなわち、複数の自治体における審査基準を調査することで、必須事項と冗長な事項を見極め、審査の基準を合理化・最適化している。これにより、複数の自治体で共通の審査基準を使用して申請の審査を効率よく適正に行うことができる。
【0072】
審査システムサーバ41は、申請データを基幹システムサーバ45に登録する(S43)。ここでは、審査システムサーバ41と基幹システムサーバ45がAPI連携し、申請データを自動的に基幹システムサーバ45に登録する。審査システムサーバ41から申請管理サーバ43を介して基幹システムサーバ45に登録する構成、あるいは、自治体職員が審査システムサーバ41から受け取った申請データを基幹システムサーバ45に手入力する構成としてもよい。
【0073】
自治体が、申請受付サーバ10から電子申請に係る電子申請データと紙申請に係る紙申請データを受け取って審査する他の方法を
図4に示す。この例では、手続きの種類を識別情報で指定した取得要求を送信する。
【0074】
自治体の職員は、審査システムサーバ41が提供する所定のサイトに情報処理装置31からアクセスし、所望の行政手続きの識別情報を指定した申請データの取得要求を申請受付サーバ10に送信するように、審査システムサーバ41に指示する(S14b)。
【0075】
上記の指示を受けた審査システムサーバ41は、該指示で指定された行政手続きの種類に対応する識別情報を含む申請データの取得要求を申請受付サーバ10に送信する(S41b)。
【0076】
申請受付サーバ10は、受信した取得要求に含まれる識別情報に紐づけて記憶されている申請データを要求元の審査システムサーバ41へ送信する(S32b)。この例では、識別情報としてID=1を含む取得要求を申請受付サーバ10へ送信すると、第1の自治体の第1の行政手続きに関する電子申請データが申請受付サーバ10から提供され、識別情報としてID=1’を含む取得要求を申請受付サーバ10へ送信すると、第1の自治体の第1の行政手続きに関する紙申請データが申請受付サーバ10から提供される。
【0077】
申請受付サーバ10から申請データを受け取った審査システムサーバ41は、その申請データに対して、審査画面を表示して自治体の職員による審査を受ける等の審査処理を実行する(S42b)。審査画面は、審査システムサーバ41にアクセスしている自治体の情報処理装置31の表示装置に表示され、自治体の職員は、その審査画面で申請データの内容を確認し、申請の要件を満たすか否かを判断して審査する(S15b)。
【0078】
審査システムサーバ41は、申請データを基幹システムサーバ45に登録する(S43b)。ここでは、審査システムサーバ41と基幹システムサーバ45がAPI連携し、申請データを自動的に基幹システムサーバ45に登録する。審査システムサーバ41から申請管理サーバ43を介して基幹システムサーバ45に登録する構成、あるいは、自治体職員が審査システムサーバ41から受け取った申請データを基幹システムサーバ45に手入力する構成としてもよい。
【0079】
以上のように、本実施の形態に係る申請システム5では、自治体の情報処理システム30は、紙申請か電子申請かにかかわらず、申請データを申請受付サーバ10から受け取ることができ、申請データの入り口を一本化することができる。
【0080】
すなわち、本来、申請受付サーバ10は、自治体が住民から新たな電子申請を受け付けるためのシステムであるところ、本実施の形態に係る申請システム5では、申請受付サーバ10を、自治体が紙申請書類によって住民から受け付けた紙申請に係る申請データを自治体内部に取り込むためにも利用するので、紙申請に係る申請データと電子申請に係る申請データの双方を申請受付サーバ10から取得して自治体内部の情報処理システムに取り込むことができる。これにより、紙帳票による申請と電子申請とが併存する環境においても、行政手続きの申請に係る自治体内部の事務処理を統一して効率化を図ることができる。
【0081】
次に、データ送信サーバ20が行う処理についてより詳細に説明する。
【0082】
図5は、データ送信サーバ20におけるデータの変遷を示し、
図6はデータ送信サーバ20が行う処理の流れを示している。
【0083】
役所では、書類トレーに、同一の行政手続きに係る複数申請分の紙申請書類を溜めておき、これら複数申請分の申請書類を一度に読取装置32の原稿台にセットし、これらを纏めて読取装置32で読み取ることが行われる。
【0084】
図5の読取データ60は、このようにして生成された読取データであり、1つのファイルに複数申請分の申請書類の読取データが含まれている。
【0085】
データ送信サーバ20は、役所の情報処理装置31から
図5のような読取データを取得すると(
図6、ステップ101)、読取データ60に対して申請毎分割処理を施し、該読取データ60を一申請毎の読取データ61(
図5では61(1)~61(6))に分割する(ステップS102)。
【0086】
分割方法としては、たとえば、次のようなものがある。1つの申請に係る申請書類は複数枚に及ぶので、その中の1枚目となる紙帳票のみに所定の識別マークを印刷しておき、読取データにおいてその識別マークを検出したとき、申請の区切りと判定して分割する。
【0087】
データ送信サーバ20は、分割後の各読取データ61(1)~61(6)のそれぞれに対して、AI-OCR等の光学的文字認識処理を含む申請データ化処理を施して、画像内の文字を文字データに変換等した紙申請データ71(
図5では71(1)、71(2)、71(3)…)を生成する(ステップS103)。
【0088】
データ送信サーバ20は、文字認識の結果(紙申請データの内容)を当該データ送信サーバ20にアクセスしている自治体の情報処理装置31の表示画面に表示させ、自治体の職員から文字認識の結果(紙申請データの内容)に対する確認および修正を受ける(ステップ104)。その後、データ送信サーバ20は、各紙申請データ71(1)、71(2)、71(3)…をその紙申請に係る行政手続きの種類を示す識別情報と紐づけて申請受付サーバ10へ送信する(ステップS105)。
【0089】
図7に示すように、紙申請書類80は、紙帳票81と一又は複数の添付資料82を含み、申請単位の読取データ61は、紙帳票81の読取データ611と、各添付資料82の読取データ612で構成される。データ送信サーバ20は、前述の申請データ化処理において、紙帳票81の読取データ611を文字認識して得た文字データを、当該申請の行政手続きに対応する所定のフォームの該当フィールドに埋め込んだフォームデータ711を生成し、該フォームデータ711と、添付資料の読取データ612に対応する添付ファイル712と、紙帳票の読取データ713(紙帳票の読取データ611と同じもの)とを含む紙申請データ71を生成する。
【0090】
一の申請に含まれる紙帳票の枚数は、行政手続きの種類に応じて決まっているので、申請データ化処理は、行政手続きの種類に基づいて紙帳票の枚数を特定し、読取データにおける紙帳票と添付資料との区切りを認識する。なお、
図2のS12において説明したように、データ送信サーバ20が情報処理装置31から取得する読取データには、その読取データがどの行政手続き(あるいはどの自治体のどの行政手続き)に係る申請であるかを示す識別情報が紐付けされている。
【0091】
図8に示すように、申請受付サーバ10が電子申請を受けた際に生成する電子申請データ91は、フォームデータ911と添付ファイル912を含む。そして、同一種類の行政手続きについては、電子申請データ91のフォームデータ911が有する各データフィールドと、紙申請データ71のフォームデータ711が有する各データフィールドは対応している。
【0092】
これにより、自治体の情報処理システム30や審査システムサーバ41では、同じ行政手続きの申請に係る電子申請データ91のフォームデータ911と紙申請データ71のフォームデータ711とを同様に扱うことができ(たとえば、フォームの表示画面や審査画面などを共通にでき)、管理や事務処理を効率的に行うことができる。
【0093】
次に、役所の職員が読取データをデータ送信サーバ20に送信する際の操作の一例について
図9を参照して説明する。
【0094】
役所において、自治体職員がLGWAN上でブラウザを使ってポータルサイト100を開く。このポータルサイト100はデータ送信サーバ20が提供するものであり、データ送信サーバ20への読取データの送信、AI-OCR結果の確認・修正などを行うことができる。
【0095】
ポータルサイト100には、行政手続きの種類毎にフォルダ(記憶領域)101が設けてあり、自治体職員は、所定の行政手続きの紙申請に係る読取データ61をデータ送信サーバ20へ送信する際に、その行政手続きに対応するフォルダ101に読取データ61をドラッグ&ドロップする。
【0096】
各フォルダ101は所謂、ホットフォルダ(データが格納されると予め登録された処理を自動的に実行するフォルダ)となっている。たとえば、行政手続き1の紙申請に係る読取データ61(1)を、行政手続き1に対応するホットフォルダ101(1)に格納すると、その読取データ61(1)を、行政手続き1を示す識別情報に紐づけてデータ送信サーバ20へ送信する処理が自動的に実行される。
【0097】
これによりデータ送信サーバ20は、取得した読取データがどの行政手続きに対応するものであるかを、その読取データに紐づけされた識別情報に基づいて判定することができる。
【0098】
なお、上述の例では、ポータルサイトやホットフォルダの機能をデータ送信サーバ20が提供する構成としたが、これらの機能をデータ送信サーバ以外の別のサーバが提供する構成としてもよい。
【0099】
図10は、データ送信サーバ20の申請データ化処理において各行政手続きに対応する識別情報およびフォームの選択方法の一例を示している。前述したように、ポータルサイト100からデータ送信サーバ20へ送られてくる読取データには、その読取データに係る行政手続きに対応する識別情報が紐づけられている。データ送信サーバ20はこの識別情報に基づいて、受信した読取データがどの行政手続きに係るものであるかを認識する。
【0100】
図10に示すように、データ送信サーバ20には、予め行政手続きの種類とフォームと紙申請データに紐づける識別情報とが対応付けて登録されている。データ送信サーバ20は申請データ化処理において、上記登録を参照して、フォームおよび識別情報を選択し、その選択したフォームに従ってフォームデータを作成して紙申請データを生成し、この紙申請データを、先ほど選択した識別情報と紐づけて申請受付サーバ10に送信する。
【0101】
ここで、同一の行政手続きについて、ポータルサイト100から受信する読取データに紐づけされた識別情報と、データ送信サーバ20が申請受付サーバ10への送信時に紙申請データに紐づける識別情報は、同じであってもよいし、別々の識別情報であってもよい。別々の場合、読取データに紐づけされた識別情報と紙申請データに紐づける識別情報との対応関係の分かる情報がデータ送信サーバ20に登録されていればよい。
【0102】
図11は、審査システムサーバ41が行う処理の概要を示す流れ図である。審査システムサーバ41は、自治体の情報処理装置31から、取得すべき行政手続きの種類を指定した申請データの取得指示を受けると(S201)、その指定された行政手続きの種類に対応する識別情報を含む申請データの取得要求を申請受付サーバ10に送信し(S202)、その識別情報に対応する申請データを申請受付サーバ10から取得する(S203)。
【0103】
審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10から申請データを取得したことに応じて、その申請データのステータス(審査済みか否かを示すステータス)を初期設定する(ステップ204)。
【0104】
次に、審査システムサーバ41は、自治体の情報処理装置31の表示装置に申請データを審査するための審査画面を表示し(ステップ205)、該審査画面を通じて自治体職員による審査を受ける。
【0105】
審査システムサーバ41は、審査対象の申請データが電子申請データであっても紙申請データであっても同一の行政手続きについては同一または対応する審査画面を表示する。手続きに対応した審査画面の選択は次のようにして行う。審査システムサーバ41は、たとえば、
図12に示すような対照表110を内部に記憶しており、識別情報の値でこの対照表を参照することでその識別情報に対応する行政手続きの種類を認識し、その行政手続きの種類に応じた審査画面を選択する。
【0106】
図12の対照表110によれば、識別情報が「003」であれば、行政手続き1の紙申請であり、識別情報が「005」であれば、行政手続き1の電子申請であることが分かるので、審査システムサーバ41は識別情報が「003」と「005」のいずれであっても行政手続き1に対応する審査画面を表示する。
【0107】
図11に戻って説明を続ける。審査システムサーバ41は、審査完了となった申請データについて、そのステータスを審査済みに変更する(ステップ206)。さらに、審査システムサーバ41は、申請データを自治体の基幹システムサーバ45に登録する(ステップ206)。
【0108】
図13は、審査システムサーバ41が行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の一例を示す流れ図である。審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データあるか電子申請データであるかを判別する(ステップ301)。この判別は、たとえば、
図11のステップ202で申請受付サーバ10に送信した取得要求に含めた識別情報で、
図12の対照表110を参照して行う。すなわち、審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10に送信した取得要求に含めた識別情報で
図12の対照表110を参照することで、その識別情報に対応する申請データの属性(行政手続きの種類と電子申請であるか紙申請であるか)を認識する。
【0109】
申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データであれば(ステップS301;Yes)、その申請データのステータスを審査済みに初期設定する(ステップS302)。一方、申請受付サーバ10から取得した申請データが電子申請データであれば(ステップS301;No)、その申請データのステータスを審査待ちに初期設定する(ステップS302)。
【0110】
この例は、すべての紙申請に関する審査が役所の窓口で完了する場合に対応する。
【0111】
図14は、審査システムサーバ41が行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の他の例を示す流れ図である。審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データあるか電子申請データであるかを判別する(ステップ401)。判別方法は
図13の場合と同様でよい。
【0112】
申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データであれば(ステップS401;Yes)、その紙申請データに係る行政手続きが所定の行政手続きであるか否かを判別する(ステップ402)。先ほどと同様に、審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10に送信した取得要求に含めた識別情報で
図12の対照表110を参照することで、その取得要求で取得した申請データがどの行政手続きに係るものであるかを認識する。
【0113】
申請受付サーバ10から取得した紙申請データに係る行政手続きが所定の行政手続きであれば(ステップ402;Y)、その申請データのステータスを審査済みに初期設定し(ステップS403)、所定の行政手続きでなければ(ステップ402;No)、その申請データのステータスを審査待ちに初期設定する(ステップS404)。
【0114】
また、申請受付サーバ10から取得した申請データが電子申請データであれば(ステップS401;No)、その申請データのステータスを審査待ちに初期設定する(ステップS404)。
【0115】
図15は、審査システムサーバ41が取得した申請データの一覧であり、各申請データのステータスは
図14の処理によって初期設定されている。すべての手続きについて自治体の職員による審査システムサーバ41での審査はまだ行われていないが、紙申請の中の特定の行政手続きについては、ステータスが審査済みにされている。具体的には、「手続き1」については、電子申請か紙申請かにかかわらず、ステータスは審査待ちに初期設定される(図中の番号001~005)。一方、「手続き2」については、紙申請であればステータスは審査済みに初期設定される(図中の番号008~010)。一方、電子申請であればステータスは審査待ちに初期設定される(図中の番号006~007)。
【0116】
これは、行政手続きの種類によって、役所の窓口で紙申請書類を受け取った際に審査が完了するものがあり、その手続きについては審査システムサーバ41が取得した後の審査は不要であることによる。このように審査システムサーバ41が取得したことに応じてステータスが審査済みに初期設定された申請データについては、審査画面での審査を経ずに、自治体の基幹システムサーバ45に自動的に登録されるようにしてもよい。
【0117】
図16は、審査システムサーバ41が行うステータス初期設定処理(
図11のステップ204)の他の例を示す流れ図である。審査システムサーバ41は、申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データあるか電子申請データであるかを判別する(ステップ501)。判別方法は
図13の場合と同様でよい。
【0118】
申請受付サーバ10から取得した申請データが紙申請データであれば(ステップS501;Yes)、その紙申請データに含まれる判定情報に基づいて審査済みか否かを示す判定する。ここでは、紙帳票の読取データを解析し、紙帳票に設けられている所定のマーク欄に審査済みのチェックが入っているか否かを判別する(ステップS502)。なお、データ送信サーバ20が紙申請データを生成する際のAI-OCR処理等において、紙帳票の所定のマーク欄に審査済みのチェックが入っているか否かを判別し、その判別結果を紙申請データに含めて申請受付サーバ10に送信し、審査システムサーバ41は、紙申請データに含まれるその判別結果の情報に基づいて審査済みか否かを確認するようにしてもよい。
【0119】
図17は、判定情報となるマーク欄131を備えた紙帳票の一例を示している。紙帳票の右下部にマーク欄131が設けてある。同図(a)はチェックが入っていない状態を、同図(b)はチェックが入った状態を示している。役所の職員は、窓口で申請書類を受け取ったときに審査が完了した場合に、マーク欄131にチェックを入れる。
【0120】
図18は、審査システムサーバ41が表示する審査画面140の一例を示している。審査画面140は、審査システムサーバ41が自治体の情報処理装置31からのアクセスに応じてその情報処理装置31に提供することで、情報処理装置31の表示装置に表示される。審査画面140のうちの左半の領域には、紙帳票の画像と添付資料の画像を、タブ142(142a~142d)を使って切り替え表示することができる。
【0121】
審査画面140の右半の領域には、紙帳票から抽出された記載事項(抽出結果)と、それらの記載事項に関する審査基準が表示される。紙帳票から抽出された記載事項は、項目毎に設けられた抽出結果表示欄144に表示される。
【0122】
紙帳票から抽出される記載事項には、申請者の住所、氏名、年齢等のほか、申請する行政手続きの種類に応じたものがある。たとえば、介護保険の福祉用具購入費用補助の申請においては、福祉用具名、販売事業者名、購入金額、購入年月日などの記載事項がある。添付資料には、購入した福祉用具のパンフレットや写真、領収書などがある。
【0123】
紙帳票から抽出された記載事項に関する審査基準は、その記載事項と並べて表示されることが好ましいが、並べて表示することに適さない等の審査基準については別途の箇所に表示されてもよい。たとえば、前述の福祉用具購入費用補助の申請の例では、抽出された記載事項としての購入金額、購入年月日と、添付資料として添付された領収書の金額、日付が一致しているか、といった審査がある。このような審査では、紙帳票の記載事項と添付資料の双方を参照する必要があるので、審査基準は抽出された記載事項と別の箇所に表示されてもよい。
【0124】
紙帳票から抽出された記載事項は、申請データ化処理(
図5~
図7参照)によって生成された紙申請データ71のフォームデータ711に既に登録されているので、審査システムサーバ41は、それを参照して各記載事項を対応する抽出結果表示欄144に表示すればよい。紙帳票の読取データからAI-OCR処理等で記載事項を抽出してもよい。なお、電子申請の場合は、紙帳票の各記載事項に対応するデータが、電子申請データ91のフォームデータ911(
図8参照)に登録されているので、審査システムサーバ41は、それを参照して審査画面140の抽出結果表示欄144に対応する記載事項を表示すればよい。
【0125】
審査画面140には、紙帳票の記載事項(抽出結果)に関する審査基準が表示されるので、自治体の職員は、各記載事項に対する審査基準を容易かつ的確に把握して審査を進めることができる。各抽出結果表示欄144の右隣りには、その項目に対する審査が合格の場合に自治体職員が押下するOKボタン146が設けてある。すべての審査項目について合格となった場合に、その申請は審査合格となる。
【0126】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0127】
審査システムサーバ41は自治体毎に設けても、複数の自治体に共通に設けてもよい。
【0128】
本システムで取り扱う自治体が複数の場合には、識別情報はどの自治体のどの行政手続きに係るものであるかを識別可能な情報にされる。本システムで取り扱う自治体が1つであれば、識別情報は行政手続きの種類を識別可能な情報であればよい。
【0129】
図12の対照表110に、ステータスの初期設定値や審査画面の特定情報等を予め登録しておき、それに従ってステータスを初期設定したり審査画面を選択するようにしてもよい。
【0130】
ステータスの初期設定は、
図14と
図16の処理を併用してもよい。たとえば、紙申請の所定の行政手続きであり(ステップ402;Yes)、かつ、マーク欄131にチェックが入っている場合(ステップS503;Yes)は審査済みとし、紙申請の所定の行政手続きであっても(ステップ402;Yes)、マーク欄131にチェックが入っていない場合(ステップ503;No)は審査待ちに設定するようにしてもよい。このようにすれば、窓口で審査されるべき行政手続きであっても、実際に窓口で審査されたか否か確認して、ステータスが初期設定されるので、信頼性が高まる。
【0131】
実施の形態では、紙帳票に対するAI-OCR処理等をデータ送信サーバ20で行うようにしたが、審査システムサーバ41で紙帳票の読取データに対してAI-ORC処理等を施して、記載事項を抽出するようにしてもよい。
【0132】
実施の形態では、データ送信サーバ20において読取データから紙申請データを生成したが、この処理は他の情報処理装置等で行い、データ送信サーバ20は、他で生成された紙申請データを取得するようにしてもよい。データ送信サーバ20は、少なくとも、紙申請データを取得し、これに所定の行政手続きを示す識別情報を付加して申請受付サーバ10に送信する機能を備えればよく、他の機能は別の装置に分散させてもよい。
【0133】
実施の形態の
図5では、役所において、同一の行政手続きに係る複数申請分の紙申請書類を纏めて読取装置32で読み取る例を示したが、異なる複数種類の行政手続きが混在する複数申請分の紙申請書類を纏めて読取装置32で読み取り、その読取データを申請毎に分割するようにしてもよい。この場合、分割後の読取データ毎に行政手続きの種類が異なるので、各読取データを役所の職員が、それぞれの行政手続きの種類に対応するホットフォルダにドラッグ&ドロップするという方法では、作業効率が良くない。そこで、たとえば、紙帳票に行政手続きの種類を示すバーコード等を印刷しておき、データ送信サーバ20の申請データ化処理において、そのバーコードを解析することで各読取データがどの種類の行政手続きに対応するものであるかを自動判別する仕組みを導入するとよい。
【符号の説明】
【0134】
5…申請システム
7…ブラウザ端末
10…申請受付サーバ
20…データ送信サーバ
21…情報処理装置
30…情報処理システム
31…情報処理装置
32…読取装置
41…審査システムサーバ
43…申請管理サーバ
45…基幹システムサーバ
51…CPU
52…メモリ
52a…プログラム
52b…データ
53…通信部
54…U/I部
60…読取データ
61…申請単位の読取データ
71…申請単位の紙申請データ
80…紙申請書類
81…紙帳票
82…添付資料
91…電子申請データ
100…紙申請用のポータルサイト
101…フォルダ(ホットフォルダ)
110…対照表
131…マーク欄
140…審査画面
142…タブ
144…抽出結果表示欄
146…OKボタン
611…紙帳票の読取データ
612…添付資料の読取データ
711…紙申請データに含まれるフォームデータ
712…紙申請データに含まれる添付ファイル
911…電子申請データに含まれるフォームデータ
912…電子申請データに含まれる添付ファイル
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行政手続きに関する申請を受け付けて審査するための申請審査システムであって、
データ送信サーバと、申請受付サーバと、審査システムサーバとを備え、
前記データ送信サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得する機能、取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて前記申請受付サーバに送信する機能を備え、
前記申請受付サーバは、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする申請審査システム。
【請求項2】
行政手続きの申請に係るデータを申請受付サーバから取得して審査するための審査システムサーバであって、
前記申請受付サーバは、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記審査システムサーバに提供する機能を備え、
前記審査システムサーバは、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示する
ことを特徴とする審査システムサーバ。
【請求項3】
前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項4】
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項5】
前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項6】
前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定し、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項7】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項8】
前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項9】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項10】
前記審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする請求項2に記載の審査システムサーバ。
【請求項11】
行政手続きに関する申請を受け付けて審査する申請審査方法であって、
データ送信サーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを取得するステップと、
前記データ送信サーバが、前記取得した前記紙申請データを、前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて申請受付サーバに送信するステップと、
前記申請受付サーバが、前記データ送信サーバから前記第1の識別情報に紐づいた前記紙申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを審査システムサーバに提供するステップと、
前記審査システムサーバが、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを前記申請受付サーバから取得し、これらを前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【請求項12】
審査システムサーバが、所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記審査システムサーバが、前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を有する
ことを特徴とする申請審査方法。
【請求項13】
審査システムサーバによって実行されるプログラムであって、
所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記紙申請データは、前記紙申請書類の読取データに対する光学的文字認識処理に基づいて生成されたものである
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記申請受付サーバから、前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済みに、設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項16】
前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能および前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項17】
前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項18】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記紙申請データは、紙帳票の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記紙帳票から抽出された記載事項とを並べて表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項19】
前記紙申請書類は紙帳票と添付資料を含み、
前記紙申請データは、前記紙帳票の読取データおよび前記添付資料の読取データを含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票の読取データに基づく画像と前記添付資料の読取データに基づく画像を切り替え表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項20】
前記紙申請書類は紙帳票を含み、
前記表示するステップにおいて、前記審査画面に、前記紙帳票から抽出された記載事項と、前記紙帳票から抽出された記載事項に関する審査の基準とを表示する
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項21】
前記審査画面で行われる審査の基準は、複数の自治体についてその自治体の審査基準を調査した結果に基づいて定めたものである
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
[13]審査システムサーバによって実行されるプログラムであって、
所定の行政手続きについて所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記所定の行政手続きに対応する第1の識別情報と紐づけて取得する機能および前記所定の自治体の前記所定の行政手続きに対する電子申請に基づく申請データであって前記所定の行政手続きに対応する第2の識別情報と紐づいた電子申請データを取得する機能を備えた申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた前記紙申請データおよび前記第2の識別情報と紐づいた前記電子申請データを取得するステップと、
前記申請受付サーバから取得した前記紙申請データおよび前記電子申請データを、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報に基づいて同一の行政手続きに係るデータとして審査画面に表示するステップと、
を審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
[15]前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
[16]前記申請受付サーバは、前記所定の行政手続きと異なる他の行政手続きについて前記所定の自治体が受理した紙申請書類の読取データに基づく申請データである紙申請データを前記他の行政手続きに対応する第3の識別情報と紐づけて取得する機能および前記第3の識別情報と紐づいた前記紙申請データを前記審査システムサーバに提供する機能をさらに備え、
前記申請受付サーバから、前記第1の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査済み、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記第3の識別情報と紐づいた紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
[17]前記紙申請データには、審査済みか否かを示す判定情報が含まれており、
前記紙申請データを取得したことに応じて、その紙申請データの審査済みに関するステータスを前記判定情報に従って設定するステップと、
前記申請受付サーバから、前記電子申請データを取得したことに応じて、その電子申請データのステータスを、審査待ち、に設定するステップと、
をさらに審査システムサーバに実行させる
ことを特徴とする[13]に記載のプログラム。