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特開2024-160538情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160538
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241107BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241107BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075648
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】397073201
【氏名又は名称】株式会社電通総研
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 洋介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】画像の活用を効率的に促進し、撮影者となるユーザに対する画像の提供意欲を高め、さらには、画像を利用するユーザとの連携を図る。
【解決手段】ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習による学習済みモデルの生成と、学習済みモデルによる情報処理を実行する情報システムにおける、情報処理装置が例示される。情報処理装置は、第1のラベルが付与された第1の入力データを含む第1の教師データを取得することと、第1の教師データに含まれる第1の入力データを変化させて第2の入力データとするとともに、第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて第1のラベルまたは第1のラベルとは異なる第2のラベルを第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することと、を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習による学習済みモデルの生成と、前記学習済みモデルによる情報処理を実行する情報処理装置であって、
第1のラベルが付与された第1の入力データを含む第1の教師データを取得すること、
前記第1の教師データに含まれる前記第1の入力データを変化させて第2の入力データとするとともに、前記第1の入力データから前記第2の入力データへの変化の度合いに応じて前記第1のラベルまたは前記第1のラベルとは異なる第2のラベルを前記第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することと、
を実行する制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理は、公衆ネットワーク上で閲覧可能に掲載された画像が広告に適する程度を判定する判定処理であり、
前記第1の入力データは、前記判定処理により判定される画像であり、
前記第1のラベルおよび第2のラベルは、前記画像が前記広告に適する程度を示す情報である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定処理によって判定された前記画像が前記広告に適する程度、前記画像に対する前記公衆ネットワーク上での閲覧者からの反応、および、すでに前記広告に適する程度が判定された画像の取引実績の少なくとも1つに基づいて前記画像に対する報酬として期待できる期待報酬または広告としての価値情報を算出する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記画像が前記公衆ネットワーク上に投稿されたときに投稿元の装置または前記投稿元を示す識別情報によって特定される投稿者に前記期待報酬または価値情報を提示する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記判定処理による評価の高い画像の投稿者を優先して前記画像の投稿者に前記画像を広告として用いることの許諾を得るための打診を送信する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記期待報酬または価値情報、前記広告に適する程度または取引実績価格に基づいて前記掲載された画像の評価値を設定し、前記評価値が基準以上の前記画像が撮影された地点を特定し、
前記特定される地点近隣に位置する装置に、前記公衆ネットワーク上での閲覧可能な画像の投稿を促す情報を送信する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、撮影された前記地点のうち、さらに、前記画像が撮影された季節、日時、および前記季節と日時における過去の気象データを含む撮影条件を基にいずれかの前記地点を選択し、選択された前記地点近隣に位置する装置に、前記公衆ネットワーク上での閲覧可能な画像の投稿を促す情報を送信する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
広告に関するテーマまたはキーワードを含む条件を取得することと、
前記画像の中から前記条件を満たす画像を収集することと、
前記期待報酬または価値情報に基づいて前記条件を満たす画像が提供されるときのコストを算出し、前記コストとともに前記画像を広告制作者に推奨する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
広告制作者の属性情報または前記広告制作者が過去に画像を検索したときのログ情報を
取得することと、
前記公衆ネットワーク上で閲覧可能に掲載されている画像の中から、前記広告制作者の前記属性情報または前記ログ情報に適合する画像を取得することで、前記掲載されている画像と適合する前記広告制作者を決定することと、
前記掲載されている画像の撮影者を取得することと、
前記掲載されている画像と前記掲載されている画像の撮影者を前記広告制作者に提示するとともに、適合する前記広告制作者を前記掲載されている画像の撮影者に提示することと、を実行する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
少なくとも前記第1の教師データを用いて学習した学習済みモデルを作成することと、
前記学習済みモデルにより、前記第1の入力データを判定した結果に対する評価を受け付けることと、
前記受け付けた評価を基に、前記第1の入力データに更新された前記第1のラベルを再設定して更新された前記第1の教師データを作成することと、をさらに実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の教師データに含まれる前記第1の入力データを変化させる方向性を示す自然言語を受け付けることと、
前記自然言語にしたがって前記第1の教師データに含まれる前記第1の入力データを変化させて、変化した前記第1の入力データを作成すること、
変化した前記第1の入力データに対する評価を受け付けることと、
をさらに実行し、
更新された前記第1の教師データを作成することは、変化した前記第1の入力データに対する評価に基づき前記第1のラベルの設定することを含む請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習による学習済みモデルの生成と、前記学習済みモデルによる情報処理を実行する情報システムにおいて、コンピュータが、
第1のラベルが付与された第1の入力データを含む第1の教師データを取得すること、
前記第1の教師データに含まれる前記第1の入力データを変化させて第2の入力データとするとともに、前記第1の入力データから前記第2の入力データへの変化の度合いに応じて前記第1のラベルまたは前記第1のラベルとは異なる第2のラベルを前記第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項13】
ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習による学習済みモデルの生成と、前記学習済みモデルによる情報処理を実行する情報システムにおいて、コンピュータに、
第1のラベルが付与された第1の入力データを含む第1の教師データを取得すること、
前記第1の教師データに含まれる前記第1の入力データを変化させて第2の入力データとするとともに、前記第1の入力データから前記第2の入力データへの変化の度合いに応じて前記第1のラベルまたは前記第1のラベルとは異なる第2のラベルを前記第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、User Generated Contents(UGC)を活用したマーケティングが活発化している。従来は、ストック写真のデータベースなどから人が広告として優れた画像を選択して、WEB広告、テレビジョン広告、ポスター広告などを作成していた。ここで、ストック写真は、ライセンスが供与された既存の写真である。また、Social Networking Service(SNS)などにユーザが投稿した画像を人が選択し、投稿者から許諾を得て、広告に活用するケースも見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-193564号公報
【特許文献2】国際公開第2022/097709号
【特許文献3】特開2021-068238号公報
【特許文献4】特開2019-149171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のケースにおいては、人が手作業でSNSに投稿された画像などから広告に適した画像を抽出することが多い。また、撮影者であるユーザは、自身が撮影した画像がそもそも広告に活用できる可能性の高い写真であると認識できることが少ない。このため、撮影者であるユーザが撮影した画像の中には、投稿されていない画像、または、ストック写真のデータベースに登録されていない写真も存在する。このため、UGCの市場規模の拡大の障壁となる潜在的な問題が存在する。このような問題は画像あるいは写真にどれほどの広告価値があるかを事前に把握することが一般的に困難であることが原因として考えられる。そのため、SNSで高い評価を受ける、いわゆるSNS映えする画像あるいは写真、SNS映えする商品、風景、そのような画像の取得場所、写真の撮影場所などの情報を収集し広告に活用するのは困難な現状にある。
【0005】
本開示の実施形態の課題は、画像の活用を促進し、撮影者となるユーザに対する画像の提供意欲を高め、さらには、画像を利用するユーザとの連携を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の実施形態は、ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習による学習済みモデルの生成と、前記学習済みモデルによる情報処理を実行する情報システムにおける、情報処理装置によって例示される。情報処理装置は、第1のラベルが付与された第1の入力データを含む第1の教師データを取得することと、前記第1の教師データに含まれる第1の入力データを変化させて第2の入力データとするとともに、前記第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて前記第1のラベルまたは前記第1のラベルとは異なる第2のラベルを前記第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本情報処理装置によれば、ユーザが撮影した画像の活用を促進し、撮影したユーザに対する画像の提供意欲を高め、画像を利用するユーザとの連携を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報システムの構成を例示する図である。
図2図2は、情報システムにおける各要素間のデータの流れを例示する図である。
図3図3は、情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
図4図4は、情報処理装置の機能の構成を例示するブロック図である。
図5図5は、教師データ拡張部に設定される設定パラメータの一例である。
図6図6は、SNSデータに含まれる掲載済み画像テーブルを例示する図である。
図7図7は、SNSデータに含まれる画像関連情報テーブルを例示する図である。
図8図8は、SNSデータの投稿者属性テーブルを例示する図である。
図9図9は、広告実績データの広告制作者属性テーブルを例示する図である。
図10図10は、AIマシンが広告に適する程度を学習するときの手順を例示する図である。
図11図11は、情報処理装置による機械学習の処理手順を例示する図である。
図12図12は、データ拡張処理の詳細を例示する図である。
図13図13は、画像判定処理E1の手順を例示する図である。
図14図14は、画像判定処理E2の手順を例示する図である。
図15図15は、教師データの作成処理の詳細を例示する図である。
図16図16は、情報処理装置が実行する撮影推奨処理を例示する図である。
図17図17は、情報処理装置が実行する広告制作者への画像推奨処理R1を例示する図である。
図18図18は、情報処理装置が実行する広告制作者への画像推奨処理R2を例示する図である。
図19図19は、広告制作者が検索クエリを入力したときに、当該クエリに適合する撮影済み画像を取得する画像推奨処理R3を例示する図である。
図20図20は、第2の実施形態の情報システムの構成を例示する図である。
図21図21は、第2の実施形態の情報システムにおける処理手順を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本実施形態の情報処理装置、情報処理方法、および、プログラムを説明する。
【0010】
<第1の実施形態>(システム構成)
以下、図1から図19を参照し、第1の実施形態に係る情報システム10が説明される。図1は、情報システム10の構成を例示する図である。また、図2は、情報システム10における各要素間のデータの流れを例示する図である。
【0011】
情報システム10は、情報処理装置1と、AIマシン2と、SNSサーバ3と、投稿者のユーザ装置4-1と、広告制作者のユーザ装置4-2と、対象地点のユーザ装置4-3を有している。情報システム10に含まれる各装置およびサーバは、ネットワークN1によって接続される。投稿者のユーザ装置4-1、広告制作者のユーザ装置4-2、対象地点のユーザ装置4-3が総称される場合には、単にユーザ装置4と呼ばれる。また、ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆ネットワークである。
【0012】
情報処理装置1は、素材データサーバとも呼ぶことができる。情報処理装置1は、ネットワークN1を介して、AIマシン2と連携し、ユーザ装置4に画像、写真等の素材デー
タに関する各種サービスを提供する。例えば、情報処理装置1は、AIマシン2を用いて、SNSサーバ3に投稿された画像、写真等を評価し、評価結果に基づく情報をユーザ装置4に提供する。SNSサーバ3に投稿された画像、写真等は、公衆ネットワーク上で閲覧可能に掲載された画像の一例である。なお、本実施形態で「画像」は、「写真」を含み、コンピュータのディスプレイ上に表示できる絵または像である。「画像」は、画像ファイル、または、画像データというものも含む。
【0013】
図2に例示するように、AIマシン2は、学習システム21を有し、画像と、画像に付されたラベルを含む教師データにより学習を実行し、学習済みモデル22を生成する。ここで、ラベルは、例えば、画像を分類する文字列であり、例えば、“L1”、“L2”、・・・・、“LN”等で例示される評価値である。教師データのラベルは、例えば、人によって各画像に付与される。人は、例えば、SNSでの反応数等を基に、画像に、SNSで評価される程度(「映え度」と呼ばれる)をN段階で評価し、評価に応じて、上記文字列をラベルとして各画像に付与し、教師データを作成する。ただし、Nは、2以上の整数であれば、限定はない。
【0014】
学習システム21は、多数の教師データを学習することで、学習済みモデル22を生成する。そして、AIマシン2は、学習済みモデル22を用いて、例えば、SNSサーバ3に新たに投稿された画像を評価し、評価結果を情報処理装置1に提供する。上述のように、AIマシン2は、例えば、深層学習を実行する汎用の機械学習システムである。したがって、学習済みモデルは、単に、「映え度」を学習したものに限定されない。例えば、本実施形態では、学習システム21は、広告に適する程度での評価がラベル付けされた教師データを学習し、広告に適する程度を判定する学習済みモデル22を生成する。広告に適する程度は、ラベルを付与する人(例えば、広告業界の専門家)の主観の他、過去に高い評価を得た画像、または、取引実績価格が高い画像等との類似の程度から、人によって判定され、各画像に付与されることができる。
【0015】
なお、画像と、広告に適すると程度との相関は、例えば、以下のように理解できる。典型的には、広告の対象が「旅行」に関連するサービスまたは商品である場合、観光地の有名な施設、著名な景色、有名な山、島、河川、湖等、生息する動物等が画像の被写体に含まれる場合、画像が広告に適する可能性が高くことは客観的に理解される。また、広告の対象が車両、船舶等の乗り物の場合、その乗り物を利用する経路として望ましい景色、環境、そこに生息する動植物、乗車する人と人との関係等が画像の被写体に含まれる場合、画像が広告に適する可能性が高いと想定できる。広告業界の専門家であれば、当然に、適切な画像に、適切なラベルを付す能力が期待できる。
【0016】
SNSサーバ3は、いわゆるSNSのサービスを提供するシステムである。SNSサーバ3は、投稿者のユーザ装置4-1から、例えば、画像の投稿を受け、SNS上で、他のユーザ装置4に提供する。また、SNSサーバ3は、情報処理装置1に、API(Application Programing Interface)を提供し、情報処理装置1と連携する。
【0017】
情報処理装置1は、APIを用いて、SNSサーバ3に投稿されたデータ、例えば、画像の検索と取得、投稿したユーザに関する情報の取得、投稿された画像の反応数等の取得を可能である。ここで、反応数とは、例えば、投稿された画像が他のユーザ装置4からアクセスされたこと、アクセスされた日時、特定の期間にアクセスされた回数、高評価を示す評価指標が付与された日時、特定の期間に評価指標が付与された回数等である。また、アクセスされたことをクリックされたともいい、アクセスされた回数をクリック回数ともいう。また、高評価を示す評価指標は、例えば、「いいね」を示す指標ということもできる。さらに、投稿に対して「いいね」を示す指標が付与された回数は「いいね数」とも呼ばれる。なお、SNS等においては、投稿された画像には、特殊文字とともに付された文
字列、キーワードが付与され、文字列、キーワードが「ハッシュタグ」と呼ばれるタグとして利用される場合がある。したがって、情報処理装置1は、SNSに対して、「ハッシュタグ」による検索も可能である。
【0018】
ユーザ装置4は、ユーザが利用するコンピュータ、スマートフォン等の端末等である。このうち、投稿者のユーザ装置4-1は、SNSに画像等のデータを投稿するユーザが利用する装置である。投稿者のユーザ装置4-1は、さらに、情報処理装置1にアクセスし、または、情報処理装置1から情報の提供を受け、画像に関連する処理を実行する。例えば、投稿者のユーザ装置4-1は、SNSに投稿した画像に対して、情報処理装置1から問い合わせを受ける。問い合わせは、例えば、SNSに投稿した画像の広告の素材として提供することの可否に関するものである。投稿者のユーザ装置4-1は、ユーザ操作に応じて情報処理装置1からの問い合わせに対して、素材提供の可否を応答する。
【0019】
同様に、広告制作者のユーザ装置4-2は、情報処理装置1にアクセスし、または、情報処理装置1から情報の提供を受ける。例えば、広告制作者のユーザ装置4-2は、情報処理装置1から広告の素材としての画像の提案を受け、素材としての画像を取得する。また、ユーザ装置4-2は、取得した画像を利用し、広告を作成してもよい。
【0020】
対象地点のユーザ装置4-3は、情報処理装置1によって画像の取得が望ましいと判断された対象地点近隣に位置するユーザ装置4である。情報処理装置1は、SNSで高い評価を得た画像、過去に広告制作者のユーザ装置4-2に提供された実績または広告制作者と取引された取引価格の実績値等に基づき、望ましい画像が取得される可能性が高いと判断される対象地点を特定する。そして、情報処理装置1は、対象地点の近隣に所在するユーザ装置4、すなわち、対象地点のユーザ装置4-3に対して、画像の取得またはSNSへの投稿を依頼する。対象地点のユーザ装置4-3は、SNSへの投稿を介して、または、情報処理装置1に直接、広告の素材となる画像を提供する。
【0021】
図3は、情報処理装置1のハードウェア構成を例示する図である。情報処理装置1の構成は、通常のコンピュータと同様である。なお、SNSサーバ3、ユーザ装置4についても、その規模の相異があるものの、ハードウェア構成自体は、情報処理装置1と同様である。情報処理装置1は、例えば、CPU101と、メモリ102と、外部記憶装置103と、表示装置104と、入力装置105と、通信装置106を有する。
【0022】
CPU101は、メモリ102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、情報処理装置1の機能を提供する。CPU101はプロセッサとも呼ばれる。ただし、CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、CPU101は、単一のソケットで接続される単一のプロセッサであって、マルチコア構成のものであってもよい。さらに、情報処理装置1の少なくとも一部の処理がDigital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサ、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)等によって提供されてもよい。また、情報処
理装置1の少なくとも一部が、Field-Programmable Gate Array(FPGA)等の専用large scale integration(LSI)、その他のデジタル回路であってもよい。また、情報処理装置1
の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。
【0023】
メモリ102は、主記憶装置とも呼ばれ、CPU101が実行するコンピュータプログラム、CPU101が処理するデータ等を記憶する。メモリ102は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。さらに、外部記憶装置103は、例えば、メモリ102を補助
する記憶領域として使用され、CPU101が実行するコンピュータプログラム、CPU
101が処理するデータ等を記憶する。外部記憶装置103は、ハードディスクドライブ、Solid State Drive(SSD)等である。さらに、情報処理装置1には、着脱可能記憶
媒体の駆動装置を設けてもよい。着脱可能記憶媒体は、例えば、ブルーレイディスク、Digital Versatile Disc(DVD)、Compact Disc(CD)、フラッシュメモリカード等である。
【0024】
表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。入力装置105は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等である。本実施形態では、ポインティングデバイスとしてマウス、タッチパネル等が例示される。通信装置106は、ネットワークN1上の他の装置とデータを授受する。
【0025】
図4は、情報処理装置1の機能の構成を例示するブロック図である。図4では、AIマシン2、SNSサーバ3、投稿者のユーザ装置4-1、広告制作者のユーザ装置4-2、対象地点のユーザ装置4-3も併せて記載されている。情報処理装置1においては、上述の通り、CPU101がメモリ102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、図4の各部の処理を提供する。
【0026】
図4のように、情報処理装置1は、情報収集部11、教師データ設定部12、学習制御部13、教師データ拡張部14、判定制御部15、および、情報提示部16を有している。また、情報処理装置1は、教師データ群D1、SNSデータD2、広告実績データD3等を保存するデータベースを有している。これらの構成が、すべて、単体としての情報処理装置1に実装される必要はない。情報処理装置1は、ネットワークN1を通じて連携可能な他のコンピュータに図4おのいずれかの構成を分担させてもよい。例えば、教師データ群D1、SNSデータD2、広告実績データD3等のデータは、他のコンピュータが管理するデータベースに保存されてもよい。また、例えば、AIマシン2が情報処理装置1と一体のコンピュータであってもよい。
【0027】
情報収集部11は、SNSサーバ3等のネットワークN1上のコンピュータにアクセスし、SNSへの投稿を監視する。また、情報収集部11は、SNSサーバ3を検索し、各種条件に該当する画像、画像の投稿者、投稿場所、その他の情報を収集する。情報収集部11は、SNSサーバ3が提供するAPIによりSNSサーバ3にアクセスすればよい。情報収集部11は、収集した画像、データ、その他の情報をSNSデータD2に保存する。
【0028】
教師データ設定部12は、管理者であるユーザ(以下、管理者ユーザともいう)が画像等のデータにラベル付けするためにユーザインタフェースを提供する。管理者ユーザは、教師データ設定部12によって表示された画像等のデータに対して、例えば、例えば、“L1”、“L2”、・・・・、“LN”等で例示される評価値を設定する。そして、教師データ設定部12は、画像等のデータと、ユーザインタフェースを介して管理者ユーザから受け付けたラベルとを関連付けて、教師データ群D1に保存する。
【0029】
学習制御部13は、教師データ拡張部14と連携し、AIマシン2により、機械学習を実行し、学習済みモデル22を作成する。すなわち、学習制御部13は、教師データ群D1を読み出し、AIマシン2に投入し、機械学習を実行させる。教師データ拡張部14は、学習制御部13が教師データ群D1から読み出した教師データ(入力データとラベルのペア)のうち、一部の入力データを変形し、データ拡張を実行する。すなわち、教師データ拡張部14は、一部の入力データの変形の度合いに応じて、ラベルをそのまま維持するか、または、ラベルを変更し、変更されたラベルを変形された入力データに付し、新たな教師データを作成する。学習制御部13は、教師データ群D1に保存されたオリジナルの教師データと、教師データ拡張部14によりデータ拡張された教師データによりAIマシ
ン2に機械学習を実行させる。
【0030】
学習制御部13は、このような機械学習によりAIマシン2内に学習済みモデル22を作成する。学習制御部13は、作成された学習済みモデル22により、新たに入力されるデータを判定する。例えば、作成された学習済みモデル22が画像の広告に適する程度を判定するモデルの場合、学習制御部13は新たに入力される画像の広告に適する程度を判定する。以上のように、学習制御部13、教師データ拡張部14およびAIマシン2は、入力されるデータを判定する判定エンジン17を形成する。なお、判定エンジン17が、情報処理装置1とは異なる、別体のコンピュータであって、情報処理装置1とネットワークN1を介して連携するものであってもよい。また、判定エンジン17が、情報処理装置1に内蔵されるものであってもよい。
【0031】
判定制御部15は、学習制御部13から判定エンジン17にアクセスし、様々なデータ、例えば、SNSに投稿された画像等が広告に適する程度の判定、あるいは、画像がSNSで高い評価を受ける程度、いわゆる「映え度」の判定等を実行する。情報提示部16は、判定制御部15による判定結果および広告実績データD3に保存された過去の実績値等に基づき、ユーザ装置4に様々な情報を提示する。
【0032】
情報提示部16は、例えば、広告に適する程度が“L1”である画像をSNSに投稿した投稿者のユーザ装置4-1に対して、そのような“L1”である画像を広告として利用することの許諾を求める。ここで、L1は、最も高い評価値であるとする。また、情報提示部16は、投稿者のユーザ装置4-1から許諾を得られた場合には、広告制作者のユーザ装置4-2に対して、許諾が得られた画像を広告として利用することを推奨するメッセージを送付する。すなわち、情報提示部16は、投稿者のユーザ装置4-1と広告制作者のユーザ装置4-2とのマッチングを実行し、マッチングの結果を広告実績データD3に保存する。マッチングの結果は、投稿者の許諾の可否、広告として画像が採用されたか否か、または、採用された場合の画像の利用価格(取引実績価格ともいう)等である。
【0033】
さらに、情報提示部16は、広告実績データD3を基に、画像が写真である場合に、広告に適する程度が“L1”である写真が基準値より多い撮影地点を選択する。または、情報提示部16は、広告実績データD3を基に、画像が写真である場合に、広告に適する程度が“L1”である写真が多く撮影された順に、撮影地点をソーティングし、ランキングする。そして、情報提示部16は、ランキングが高い順に撮影地点を対象地点として選択する。そして、情報提示部16は、選択された対象地点の近隣に位置する対象地点のユーザ装置4-3に、選択された対象地点で写真を撮影し、SNSに投稿するか、直接情報処理装置1に撮影された写真を提供するように促す。
【0034】
すでに述べたように、教師データ群D1は、画像と画像に付されたラベルとを含む教師データを多数保持する。教師データ群D1は、各種の判定を学習するための教師データの部分集合に分かれる。例えば、第1の部分集合は、画像の「映え度」を学習するための教師データの部分集合である。第2の部分集合は、画像が広告に適する程度を学習するための教師データの部分集合である。SNSデータD2は、SNSから取得された画像に関連する情報、例えば、投稿者の属性、投稿された画像の評価値、画像が撮影された環境に関連する情報等を保持する。広告実績データD3は、広告として利用された画像に関連する情報、広告制作者の属性等を保持する。
【0035】
(データ例)
図5は、教師データ拡張部14に設定される設定パラメータの一例である。教師データ拡張部14は、この設定パラメータにしたがって、教師データのデータ拡張を実施する。この例では、教師データのラベルの種類はN種類である。この例では、データ拡張のため
の設定パラメータが2種類設定されている。第1の例は、設定パラメータP1である。設定パラメータP1は、ラベルをX段階低下させるデータの変更を指定する。設定パラメータP1は、例えば、AIマシン2に入力される教師データのうち、P%の割合(頻度)で、教師データを変化させる。また、設定パラメータP1は、例えば、教師データの画像のうち、例えば、ランダムにT1%の範囲を切り取るトリミングを実行する。一例としては、P=1%であり、T1=99%である。すなわち、設定パラメータP1は、画像のうち、比較的大きな範囲を削除するようなトリミングを実行する場合であり、ラベルをX段階低下させる。例えば、X=1段階の場合、L1はL2に変更される。
【0036】
なお、このようなラベルの変更は一例である。ラベルの種類は3種類以上でもよい。ラベルを変化させる段階数は、2段階以上でもよい。画像の変更の仕方は、トリミングに限定されず、画像の回転、画像のコントラストの変更、画像の明るさの変更、画像の色彩の変更でもよい。
【0037】
図5で、第2の例は、設定パラメータP2である。設定パラメータP2は、教師データのラベルを変更しない。設定パラメータP2は、例えば、AIマシン2に入力される教師データのうち、100-P%の割合(頻度)で、教師データを変化させる。また、また、設定パラメータP2は、例えば、教師データの画像のうち、例えば、ランダムにT2%の範囲を切り取るトリミングを実行する。一例としては、T2=99%である。すなわち、設定パラメータP2は、画像のうち、比較的大きな範囲を残すようなトリミングを実行する場合であり、教師データのラベルを変化させないで維持する。
【0038】
図6は、SNSデータD2に含まれる掲載済み画像テーブルを例示する図である。掲載済み画像テーブルは、SNSに掲載済みの画像の評価に関連する情報を記録する。掲載済み画像テーブルは、構成要素として、画像ID、投稿ユーザID、映え度、SNS反応数、広告に適する程度、取引実績価格の各列を有している。なお、情報処理装置1が複数のSNSにアクセスする場合には、掲載済み画像テーブルの構成要素には、SNSを特定する情報(SNSのサイトのURL等)が含まれてもよい。本実施形態では、SNSを特定する情報は省略される。
【0039】
画像IDは、SNSに投稿された画像のID(例えば、ファイル名)である。なお、画像IDに対応する画像自体は、SNSデータD2に保存されてもよい。また、画像IDに対応する画像自体は、情報処理装置1ではなく、SNSサーバ3等、他のコンピュータで保管されてもよい。投稿ユーザIDは、SNSにおける投稿者のユーザIDである。投稿ユーザIDは、例えば、メールアドレス等であってもよい。投稿ユーザIDは、投稿元を示す識別情報の一例である。「映え度」は、AIマシン2、すなわち、画像の映え度を学習した学習済みモデルを有する判定エンジン17によって判定された、SNSにおける画像の評価値である。ただし、判定エンジン17による評価が未実施の場合には、「映え度」は、空欄のままとされる。
【0040】
SNS反応数は、所定期間におけるSNSでの当該画像IDの画像に対するクリック数である。ただし、SNS反応数は、所定期間におけるSNSでの他のユーザから入力された「いいね数」であってもよい。所定期間は、例えば、画像がSNSに投稿された時から現在までの期間である。ただし、所定期間が、画像がSNSに投稿された時からの固定期間であってもよい。また、所定期間が、画像がSNSに投稿された時から開始し、単位時間あたりのSNS反応数が基準値未満となるまでの期間であってもよい。広告に適する程度は、AIマシン2、すなわち、画像の広告に適する程度を学習した学習済みモデルを有する判定エンジン17によって判定された評価値である。ただし、判定エンジン17による評価が未実施の場合には、広告に適する程は、空欄のままとされる。取引実績価格は、画像が、広告に利用されたときの取引価格の実績値である。ただし、取引が未実施の場合
には、取引実績価格は、空欄のままとされる。なお、図6の掲載済み画像テーブルのうち、画像IDと、広告に適する程度と、取引実績価格は、別テーブルで、広告実績データD3に保存されてもよい。
【0041】
図7は、SNSデータD2に含まれる画像関連情報テーブルを例示する図である。画像関連情報テーブルは、SNSに掲載済みの画像の撮影条件または環境に関する情報を記録する。画像関連情報テーブルは、構成要素として、画像ID、位置情報、撮影地点、季節、月、曜日、祝日、時刻、天候、気温、湿度、キーワードの各行を有している。
【0042】
画像IDは、図6の説明と同様である。位置情報は、ユーザが投稿した画像に設定した、SNSに登録されている位置情報である。位置情報は、例えば、駅、ランドマーク、店舗名、観光地の施設名等で設定され、SNSに投稿するユーザ間で共有される。撮影地点は、画像が写真である場合に、撮影された地点の経度(X座標)と、緯度(Y座標)である。季節は、写真が撮影されたときの季節である。曜日は、画像が写真である場合に、撮影されたときの曜日(日、月、火、水、木、金、土)である。祝日は、写真が撮影された日が祝日か否かを示す情報である。例えば、写真が撮影された日が祝日の場合、祝日の行には、「Y」が設定される。時刻は、写真が撮影された時刻(0乃至24)である。天候、気温、および湿度は、写真が撮影されたときの天候、気温、および湿度である。また、キーワードは、画像がSNSに投稿されたときに、投稿者または閲覧者からその画像に対して提示されたメッセージ、メッセージを要約したキーワード、ハッシュタグ等である。
【0043】
なお、画像関連情報テーブルのうち、天候、気温、湿度、およびキーワード以外の情報は、SNSに登録された写真中で、ユーザが、写真のデータに含まれるExif(Exchangeable image file format)形式のデータを削除しなかった場合に、収集可能である。例えば、Exif形式のデータから、撮影地点の経度と緯度が取得可能である。季節、月、曜日、祝日、時刻は、例えば、Exif形式のデータに含まれる撮影日時の情報と、情報処理装置1内のカレンダ情報とを照合して取得可能である。また、天候、気温、および湿度は、例えば、Exif形式のデータに含まれる撮影日時の情報を基に、気象庁のウェブサイトまたはインターネット上の天気予報サービスのウェブサイトを検索することで取得可能である。また、情報処理装置1は、SNSの写真データにおいてExif形式のデータが取得できない場合には、投稿者のユーザ装置4-1にアクセスして、広告利用の許諾を得るときに、Exif形式のデータの取得を打診してもよい。
【0044】
図8は、SNSデータD2の投稿者属性テーブルを例示する図である。投稿者テーブルは、SNSへの投稿者の属性を例示する情報を記録する。投稿者属性テーブルは、構成要素として、ユーザID、映え度評価実績、広告に適する程度の評価実績値、性別、年齢、フォロワー数、SNS反応数実績値、画像利用への許諾率の実績値の各行を有している。
【0045】
ユーザIDは、すでに、図6の掲載済み画像テーブルで説明した通りである。映え度評価実績値は、AIマシン2、すなわち、判定エンジン17によって過去に判定された、当該ユーザIDのユーザにおける、SNSにおける画像の評価値の平均値である。例えば、ラベルが2段階の場合、L1=1、L2=-1として数値化したときの平均値である。広告に適する程度の評価実績値も、映え度評価実績値と同様に計算される。性別、年齢は、投稿者の性別(M:男性、W:女性)、年齢である。フォロワー数は、投稿者のSNSでのフォロワー数である。SNS反応数実績値は、SNS反応数の実績、例えば、投稿者別に、全SNS反応数を投稿画像数で割り算した、画像1枚あたりの平均反応数である。SNS反応数は、すでに図6で説明した通りであり、所定期間におけるSNSでの当該画像IDの画像に対するクリック数、いいね数等である。画像利用への許諾率実績値は、情報処理装置1が投稿者のユーザ装置4-1に、広告への利用を打診したときの許諾率(利用が許諾された割合)の平均値である。
【0046】
これらのうち、映え度評価実績および画像利用への許諾率の実績値は、情報処理装置1において記録された過去の情報を基に算出可能である。性別、年齢、フォロワー数、およびSNS反応数は、APIを介して、SNSサーバ3から取得可能である。ただし、情報処理装置1は、投稿者のユーザ装置4-1に許諾を求めるときに、性別、年齢等のユーザの属性を求め、入力を受け付けてもよい。
【0047】
図9は、広告実績データD3の広告制作者属性テーブルを例示する図である。広告制作者属性テーブルは、構成要素として、広告制作者ID、性別、年齢、好み、過去の操作ログ情報の要約の各行を有している。広告制作者IDは、広告制作者が情報処理装置1から提供されるサービスを利用するときのIDである。広告制作者IDは、例えば、広告制作者のメールアドレスでもよい。性別、年齢、好みは、広告制作者の属性情報ということができる。好みは、好きな色、好きな季節、好きなスポーツ、好きな料理、趣味等を示す文字列である。ただし、広告制作者の属性情報が性別、年齢、好みに限定される訳ではない。過去の操作ログ情報の要約は、広告制作者が情報処理装置1から提供されるサービスを利用したときの操作ログに含まれる文字列の抜粋である。例えば、所定回数以上記録された文字列が、過去の操作ログ情報の要約として抽出され、広告制作者属性テーブルに記録される。
【0048】
(機械学習)
図10を参照して、情報処理装置1における機械学習の手順を例示する。図10は、AIマシン2が広告に適する程度を学習するときの手順を例示する図である。図4の学習制御部13は、教師データ群D1の教師データをAIマシン2に入力する。教師データ群D1は、例えば、SNSへの掲載済み画像IM1、IM2、・・・、IMkのそれぞれにラベルが付された教師データの部分集合を複数含む。各部分集合は、例えば、「映え度」を学習するための教師データ、広告に適する程度を学習するための教師データを含む。ラベルは、各掲載済み画像IM1、IM2、・・・、IMkが広告に適する程度を示す文字列であり、例えば、“L1”、“L2”、・・・・、“LN”等である。「映え度」、広告に適する程度は、すでに図2の学習システム21で説明した通りである。ラベルを設定する管理者ユーザは、掲載済み画像IM1等の主観的な印象、過去の類似の画像でのSNSでの反応数(クリック数、いいね数)、取引価格の実績値等を基に、掲載済み画像IM1等にラベルを設定する。
【0049】
AIマシン2は、ラベル付けされたデータの入力を受け、ニューラルネットワークの各層を伝搬させて、データ(通常はベクトルデータ)と各層に設定された重みとのたたみ込み演算等により、データを判定する。そして、AIマシン2は、判定結果とラベルとの誤差を逆方向に伝搬させ、誤差が小さくなる方向でニューラルネットワーク各層の重みを調整する。なお、重みを調整するときに入力される教師データの数に限定はない。例えば、AIマシン2は、1個の教師データの入力ごとに、誤差を逆方向に伝搬させて重みを調整してもよい。また、AIマシン2は、教師データ群D1から部分集合を取得し、ミニバッチと呼ばれる単位で誤差を逆方向に伝搬させて重みを調整してもよい。また、AIマシン2は、例えば、広告に適する程度を学習するための学習データの部分集合全体を取得し、画像の判定を実行し、部分集合のすべて学習データを判定後に、誤差を逆方向に伝搬させて重みを調整してもよい。
【0050】
そして、次々に入力され教師データに対して、誤差が基準値以下になったときに、学習済みモデルの作成が完了する。なお、すでに述べたように、AIマシン2に入力される教師データは、教師データ群D1から読み出されたオリジナルデータの他、教師データ拡張部14によって拡張されたデータも含まれる。
【0051】
以上のように、情報処理装置1は、ラベルが付与された入力データを含む教師データを用いた機械学習(例えば、深層学習)による学習済みモデルの生成を実行するといえる。
【0052】
(処理フロー)
図11から図18により、情報処理装置1の処理フローが説明される。図11は、情報処理装置1(例えば、図4の学習制御部13)による機械学習の処理手順を例示する図である。以下、機械学習に使用される教師データ群D1の第1の部分集合は、例えば、SNSで高評価が得られる画像であるか否か、すなわち、画像に対する「映え度」を学習する教師データである。また、機械学習に使用される教師データ群D1の第2の部分集合は、例えば、広告に適する程度を学習する教師データである。
【0053】
図11では、教師データ群D1の一部を取得し、ミニバッチで機械学習が実行される。ただし、情報処理装置1の機械学習がミニバッチによる処理に限定される訳ではない。すなわち、情報処理装置1は、教師データ群D1のうち、「映え度」を学習するための部分集合を一度に入力して、誤差を少なくする方向で重み係数を調整するバッチ学習を実行してもよい。また、情報処理装置1は、教師データ群D1のうち、「映え度」を学習するための教師データの1つ1つを入力するごとに、誤差を少なくする方向で重み係数を調整するオンライン学習を実行してもよい。
【0054】
この処理では、情報処理装置1は、データ拡張処理のパラメータを設定する(S1)。データ拡張処理のパラメータは、例えば、図5に例示されている。そして、情報処理装置1は、次のミニバッチのデータを取得する(S2)。そして、情報処理装置1は、ミニバッチのデータに対して、データ拡張処理のパラメータにしたがってデータ拡張処理を実行する(S3)。そして、情報処理装置1は、データ拡張処理されたミニバッチのデータをAIマシン2に投入し、機械学習を実行させる(S4)。AIマシン2は、ニューラルネット上で、入力層から順方向の処理と、逆方向の誤差伝搬処理を実行する。すなわち、順方向の処理では、AIマシン2は、データの入力、入力データに対する重み係数による畳み込み演算、プーリング処理、全結合層による出力処理、誤差判定等を実行する。また、逆方向の誤差伝搬処理では、AIマシン2は、最上位層で判定された誤差を逆方向に伝搬させ、ニューラルネットワークの各層の重み係数の更新処理等を実行する。
【0055】
そして、情報処理装置1は、すべてのミニバッチが終了したか否かを判定する(S5)。まだ、未処理のミニバッチが残っている場合、情報処理装置1は、制御をS2に戻し、次のミニバッチを実行する。なお、図11では省略しているが、すべてのミニバッチが終了した場合には、情報処理装置1は、誤差が十分に収束したか否かを判定し、誤差が十分に収束した場合には、情報処理装置1は学習済みモデルの形成を完了する。また、誤差が十分に収束しない場合には、情報処理装置1は、学習を継続するための新たな教師データにより、次の機械学習を実行する。
【0056】
図12は、データ拡張処理(図11のS3)の詳細を例示する図である。この処理では、情報処理装置1は、ミニバッチに含まれる教師データのうちの所定割合(P%)のデータに基準値を超える変形を加える(S31)。S31の処理は、第1の教師データに含まれる第1の入力データを変化させて第2の入力データとする処理といえる。ここで、ミニバッチに含まれる教師データのうちの所定割合(P%)のデータは、第1の入力データの一例である。また、変形が加えられたデータが第2の入力データである。
【0057】
基準値を超える変形は、例えば、基準値を超える比率T1%まで画像の範囲を削減するトリミングである。また、基準値を超える変形は、基準値を超える画像の回転、基準値を超えるコントラストまたは明るさの変化等である。
【0058】
そして、情報処理装置1は、変形に対応してラベルを変更する(S32)。例えば、4種類のラベルが付与される教師データで、1段階変更する場合には、L1=>L2のようにラベルが変更される。ただし、ラベルの種類が2種類に限定される訳ではなく、ラベルが変更される段階が1段階に限定される訳ではない。また、ラベルの変更はコントラストなど変更に応じて格下げされるだけでなく、格上げされる場合があってもよい。S32の処理は、第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて第1のラベルとは異なる第2のラベルを第2の入力データに付与することといえる。
【0059】
さらに、情報処理装置1は、ミニバッチに含まれる教師データのうちの残り(100-P%)のデータに基準値未満の変形を加える。このとき、情報処理装置1は、変更を加えた教師データのラベルをそのまま維持する(S33)。S33の処理は、第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて第1のラベルを維持することといえる。したがって、S32とS33の処理は、第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて第1のラベルまたは第1のラベルとは異なる第2のラベルを第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成することの一例ということができる。
【0060】
図13は、画像判定処理E1の手順を例示する図である。情報処理装置1は、図11図12の機械学習によって作成された学習済みモデルを用いて、新たな画像の判定と、判定結果に伴う処理を実行する。なお、図13では、学習済みモデルの例として、「映え度」を判定する学習モデル、および、広告に適する程度を判定する学習モデルが用いられる。また、図13の画像判定処理E1では、情報処理装置1は、SNSに投稿される画像に優先順位を設けることなく、順次投稿される画像を判定する。SNSに投稿される画像は、公衆ネットワーク上で過去に閲覧可能に掲載された画像の一例である。
【0061】
この処理では、情報処理装置1(図4の情報収集部11)がSNSを監視する(S11A)。情報処理装置1は、新規の画像の投稿があるか否かを判定する(S12A)。なお、情報処理装置1は、常時SNSへの投稿を監視する代わりに、期間を区切って周期的にSNSを検索し、区切られた期間ごとに投稿された画像を一括して処理してもよい。
【0062】
新規の投稿がない場合(S12AでNO)、情報処理装置1は、制御をS11Aの処理に戻す。そして、新規の投稿があると(S12AでYES)、情報処理装置1(図4の判定制御部15)は、投稿された画像の映え度を判定する(S13)。映え度の判定は、例えば、映え度の判定を学習した学習済みモデルによって判定してもよい。また、情報処理装置1は、投稿後、その投稿に対する所定期間のSNSでの反応数、例えば、クリック数または、いいね数に基づいて映え度を判定してもよい。S13で映えないと判定された場合(S14でNO)、情報処理装置1は、制御をS11Aの処理に戻す。なお、情報処理装置1は、いいね数を評価するとき、投稿者のフォロワー数でいいね数を補正してもよい。すなわち、情報処理装置1は、フォロワー数が多い投稿者ほど、いいね数を小さくする補正係数をいいね数に乗算して、フォロワー数でいいね数を規格化してもよい。フォロワー数が多い投稿者ほど、「映え度」の評価値以上にいいね数が多くなることは当然だからである。
【0063】
そして、映えると判定された場合(S14でYES)、情報処理装置1は、次に、投稿された画像の広告に適する程度を判定する(S15)。情報処理装置1は、例えば、過去の画像の広告に適する程度を学習した学習済みモデルによって、新たに投稿された画像の広告に適する程度を判定すればよい。なお、情報処理装置1は、S13の映え度の判定を省略して、S15の広告に適する程度を判定してもよい。S15の処理で、投稿された画像が広告に適していないと判断された場合、情報処理装置1は、制御をS11Aの処理に戻す。広告に適していないとは、例えば、広告に適する程度を学習した学習済みモデルの
判定が、“L2”の場合である。
【0064】
S15の処理で、投稿された画像が広告に適していると判断された場合、情報処理装置1は、判定された画像を広告に利用した場合の期待報酬または価値情報を推定する(S18)。期待報酬は、例えば、広告に適していると判断された画像の実際の広告での利用実績から推定されればよい。例えば、今回過去に、S15での判定結果が“L1”である場合に、情報処理装置1は、過去に広告に適する程度が“L1”と判定された画像の広告での利用における取引価格の実績値、平均値を期待報酬として用いてればよい。また、価値情報は、例えば、期待報酬を金額以外の数値に換算したものである。金額以外の数値としては、例えば、10段階での評価値である。S18の処理は、判定された画像が広告に適する程度、画像に対する公衆ネットワーク上での閲覧者からの反応、および、広告に適する程度が判定された画像の取引実績の少なくとも1つに基づいて画像に対する報酬として期待できる期待報酬または広告としての価値情報を算出する処理の一例である。
【0065】
次に、情報処理装置1(図4の情報提示部16)は、画像の投稿者に広告への利用を打診する(S19)。画像の投稿者は、例えば、投稿者のユーザ装置4-1の識別情報、SNSでの投稿ユーザID等で特定される。ユーザ装置4-1の識別情報は、例えば、Medium Access Control(MAC)アドレス、インターネット上のドメイン名、携帯電話とし
て機能する端末の携帯電話番号等である。この場合、情報処理装置1は、S18で推定した画像を広告に利用した場合の期待報酬または価値情報を投稿者に提示する。そして、情報処理装置1は、画像の投稿者から、広告への利用に対する許諾が得られたか否かを判定する(S20)。広告への利用に対する許諾が得られない場合、情報処理装置1は、制御をS17の処理に戻す。
【0066】
一方、広告への利用に対する許諾が得られた場合、情報処理装置1は、広告制作者のユーザ装置4-2に、広告に適すると判定された画像の広告への利用を提案するメッセージを送信する(S22)。メッセージは、電子メールによる送信でもよいし、SNSでのメッセージの伝達でもよい。
【0067】
そして、情報処理装置1は、広告制作者のユーザ装置4-2から、提案した画像を広告に採用するとの応答があったか否かを判定する(S23)。所定期間応答がないか、または、採用しないとの応答があった場合、情報処理装置1は、制御をS17の処理に戻す。
【0068】
一方、提案した画像が広告に採用された場合、情報処理装置1は、その採用された画像の取引実績での価格を広告実績データD3またはSNSデータD2の掲載済み画像テーブルに記録する(S24)。さらに、情報処理装置1は、図13の画像判定結果に基づき、教師データを作成する(S25)。以上のように、情報処理装置1は、学習済みモデルによる情報処理を実行するといえる。
【0069】
図14は、画像判定処理E2の手順を例示する図である。図13では、情報処理装置1は、常時SNSへの投稿を監視するか、または、期間を区切ってSNSにアクセスして、投稿された画像を判定した。図14では、情報処理装置1は、図13のような処理に代えて、所定期間にSNSに投稿された画像を収集し、事前に優先する画像を決定し、決定された優先順に投稿された画像を処理する。以下、このような処理を画像判定処理E2という。
【0070】
この画像判定処理E2では、情報処理装置1は、SNSへの投稿者ごとに、投稿者の情報を収集する。そして、情報処理装置1は、例えば、投稿者が過去に投稿した画像の映え度が評価された実績値、広告に適する程度の実績値、許諾実績、画像が広告に利用されたときの取引実績価格で投稿者を評価し、評価点でソーティングする(S11B)。映え度
が評価された実績値、広告に適する程度の実績、許諾実績、取引実績価格等は、図8で説明した通りである。また、投稿者の評価は、例えば、過去に投稿した画像の映え度の実績値、広告に適する程度の実績値、許諾実績、取引実績価格のそれぞれで点数を付与し、点数合計で投稿者をソーティングすればよい。ただし、点数は、過去に投稿した画像の映え度の実績値、広告に適する程度の実績値、許諾実績、取引実績価格等の1つの項目に基づくものでもよい。
【0071】
次に、情報処理装置1は、S11Bの処理でソーティングされた投稿者の上位から所定数の投稿者を選択し、投稿された画像のうち、選択された投稿者の画像を取得する(S12B)。そして、選択された画像に対して、S13乃至S25の処理を実行する。S13乃至S25の処理は、すでに、図13で説明した通りである。その結果、S19の処理では、情報処理装置1は、点数合計で投稿者をソーティングし、上位の投稿者から順に、広告利用を打診する。この場合、情報処理装置1は、過去に投稿した画像の映え度の実績値、広告に適する程度の実績値を優先して投稿者に打診してもよい。したがって、図14のS19の処理では、情報処理装置1は、学習済みモデルによって画像の判定処理を実行し、判定処理による評価の高い順に画像の投稿者を優先して、広告への画像の利用を打診するといえる。
【0072】
図15は、教師データの作成処理(図13図14のS25)の詳細を例示する図である。ここでは、広告に適する程度を学習するための教師データの作成を例として、説明がされる。この処理では、情報処理装置1(図4の教師データ設定部12)は、投稿された画像について、AIマシン2によって判定された画像の映え度、AIマシン2によって判定された画像の広告に適する程度、図13図14のS18の処理で推定された期待報酬、投稿者からの広告へ利用することに対する許諾の有無、広告としての利用時の取引実績価格を取得する(S251)。
【0073】
次に、情報処理装置1は、S251で取得した情報を管理者であるユーザに提示し、ラベルの設定を受ける(S252)。管理者であるユーザは、AIマシン2によって判定された画像の広告に適する程度をそのまま維持してもよい。また、管理者であるユーザは、情報処理装置1のユーザインタフェースを介して、画像の映え度、広告へ利用することに対する許諾の有無、広告としての利用時の取引実績価格等を参照して、AIマシン2によって判定された画像の広告に適する程度を修正し、再設定してもよい。そして、情報処理装置1は、作成された教師データを広告に適する程度の教師データとして、教師データ群D1に保存する(S253)。なお、「映え度」を学習するための教師データの作成では、情報処理装置1(図4の教師データ設定部12)は、投稿された画像について、AIマシン2によって判定された画像の映え度、SNSでの反応数等をユーザに提示し、各画像に対して、映え度についてのラベルの設定を受ければよい。
【0074】
図16は、情報処理装置1が実行する撮影推奨処理を例示する図である。この処理では、情報処理装置1は、投稿された画像の広告での利用実績を基に、撮影に適した対象地点を選定し、選定された対象地点近隣に所在する、対象地点のユーザ装置4-3に撮影を推奨する。この処理では、情報処理装置1が、SNSデータD2の掲載済み画像テーブル(図6)から、広告で利用実績のある画像に関する情報を取得する(S41)。
【0075】
そして、情報処理装置1は、各画像を例えば、AIマシン2によって判定された映え度、AIマシン2によって判定された広告に適する程度、または取引実績価格に基づいて点数を付与し、付与した点数でソーティングする(S42)。点数は、映え度、広告に適する程度、または取引実績価格等の1つの項目に基づくものでもよいし、これらの点数を重み付けして合計したものでもよい。なお、情報処理装置1は、映え度、広告に適する程度、または取引実績価格等を基に、期待報酬または価値情報を算出し、期待報酬または価値
情報を点数として画像をソーティングしてもよい。S42の処理は、期待報酬または価値情報、広告に適する程度または取引実績価格に基づいて掲載済み画像の評価値を設定する処理の一例といえる。
【0076】
次に、情報処理装置1は、S42で点数が上位の画像の撮影地点を特定する(S43)。S43の処理は、評価値が基準以上の前記掲載済み画像が撮影された地点を特定する処理の一例といえる。例えば、情報処理装置1は、S42で点数が上位の画像のそれぞれの撮影地点を特定する。撮影地点は、例えば、経度と緯度で特定されるので、情報処理装置1は、S42で点数が上位の画像の撮影地点において、所定距離以内に位置する撮影地点を収集する。収集された撮影地点が複数存在する場合には、複数の撮影地点の重心位置を代表の撮影地点としてもよい。また、撮影地点は、SNSで定義されている、位置情報を基準に点数を集計してもよい。すでに述べたように、位置情報は、例えば、駅、ランドマーク、店舗名、観光地の施設名等でである。
【0077】
さらに、情報処理装置1は、上記撮影地点または代表地点のうち、画像が撮影された季節、日時、および季節と日時における過去の気象データを含む撮影条件から撮影の可能性が高い地点を絞る(S44)。例えば、S43で特定された撮影地点に対応する画像のうち、撮影された季節、日時、および撮影日時における過去の気象データが、現在の季節、日時、および現在の気象データと類似するものを選定する。すなわち、情報処理装置1は、S42で点数が上位の画像うち、同様の撮影条件が現時点で実現できる画像に絞る。なお、S44の処理で画像を絞った結果、該当する画像およびその撮影地点が得られない場合、情報処理装置1は、S44の処理を省略してもよい。
【0078】
そして、情報処理装置1は、S43の処理で集約された撮影地点または代表に設定された撮影地点(以下、対象地点という)、またはS44の処理で絞られた対象地点の近隣に位置する、対象地点のユーザ装置4-3を特定し、撮影を推奨するメッセージを対象地点のユーザ装置4-3に送信する(S45)。メッセージは、電子メールで送信されてもよいし、SNSのメッセージで送信されてもよい。S45の処理は、特定される地点近隣に位置する装置に、公衆ネットワーク上での閲覧可能な画像の投稿を促す情報を送信する処理の一例といえる。
【0079】
図17は、情報処理装置1が実行する広告制作者への画像推奨処理R1を例示する図である。この処理では、広告のテーマまたはキーワードが与えられ時に、情報処理装置1は、該当する画像を広告制作者に提示する。この処理では、情報処理装置1(図4の情報提示部16)は、例えば、ユーザインタフェースを介して、広告制作者のユーザ装置4-2から、広告に関連するテーマまたはキーワードを取得する(S51)。S51の処理は、広告に関するテーマまたはキーワードを含む条件を取得することの一例である。
【0080】
次に、情報処理装置1は、SNSデータD2の画像関連情報テーブルのキーワードの行を検索し、テーマまたはキーワードに対応する画像の画像IDを収集する(S52)。S52の処理は、公衆ネットワーク上で閲覧可能な画像の中から条件を満たす画像を収集することの一例である。そして、情報処理装置1は、収集されたそれぞれの画像IDに対して、映え度、広告的に適する程度、SNSでの反応数、取引実績価格等から、投稿者の期待報酬または価値情報を推定する(S53)。映え度、広告的に適する程度、SNSでの反応数、取引実績価格等と、投稿者の期待報酬との関係は、例えば、回帰分析により決定できる。
【0081】
次に、情報処理装置1は、期待報酬、価値情報を基に、広告制作のコストを算出する(S54)。広告制作のコストは、例えば、投稿者の期待報酬または価値情報に所定の係数を乗算するか、または、所定の関数で投稿者の期待報酬または価値情報を処理した出力で
決定される。そして、情報処理装置1は、収集された画像IDに対応する画像と、コストを広告制作者に提示し、当該画像を推奨する(S55)。
【0082】
図18は、情報処理装置1が実行する広告制作者への画像推奨処理R2を例示する図である。この処理では、情報処理装置1(図4の情報提示部16)は、広告実績データD3の広告制作者属性テーブルから次に処理する対象の広告制作者の属性情報または広告制作者が画像を検索したときのログ情報またはログ情報の要約を取得する(S61)。広告制作者の属性情報は、性別、年齢、好み等である。
【0083】
次に、情報処理装置1は、属性情報またはログ情報等に適合する掲載済み画像と撮影者の情報を取得する(S62)。情報処理装置1は、例えば、広告制作者の属性情報またはログ情報に関連するキーワードでSNSデータD2の画像関連情報テーブルを検索すればよい。また、情報処理装置1は、属性情報またはログ情報と、これらに関連するキーワードで検索するため、情報処理装置1は、単語とこれに関連する単語とを定義した関連語辞書を用意しておけばよい。そして、情報処理装置1は、広告制作者の属性情報またはログ情報に関連する1以上のキーワードを関連語辞書から取得し、取得したキーワードでSNSデータD2の画像関連情報テーブルを検索すればよい。
【0084】
そして、情報処理装置1は、取得したキーワードがSNSデータD2の画像関連情報テーブルで見いだされたときに、その行の画像IDで特定される画像が、広告制作者に適合すると判断する。情報処理装置1は、そのような適合する画像をSNSデータD2の画像関連情報テーブルから収集する。そして、情報処理装置1は、現在処理中の広告制作者を収集された掲載済み画像に適合する広告制作者に決定する(S63)。そして、情報処理装置1は、広告制作者に適合する画像と適合する画像の撮影者の情報を提示するとともに、画像の撮影者に画像と適合する広告制作者の情報を提示する(S64)。すなわち、掲載済み画像および掲載済み画像の撮影者と、広告制作者とをマッチングさせる。
【0085】
次に、情報処理装置1は、次に処理する広告制作者が残っているか否かを判定する(S65)。次に処理する広告制作者が残っている場合には、情報処理装置1は、制御をS61の処理に戻す。次に処理する広告制作者が残っていない場合には、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0086】
(実施形態の効果)
本実施形態では、情報処理装置1は、教師データの変形に応じて、教師データのラベルを維持し、または、ラベルを変更する。すなわち、情報処理装置1は、第1の入力データから第2の入力データへの変化の度合いに応じて第1のラベルまたは第1のラベルとは異なる第2のラベルを第2の入力データに付与することによって第2の教師データを作成する。したがって、情報処理装置1は、教師データ群D1を用いてAIマシン2に機械学習させる場合も、データの変形、すなわち、データ拡張するとともに、適切なラベルを付して、新たな教師データを適切に生成できる。その結果、情報処理装置1は、AIマシン2に、適切な教師データを大量に入力し、機械学習させることができる。
【0087】
また、教師データ群D1の教師データは、画像と、画像に付された広告に適する程度を含むのので、広告に適する程度を学習する学習済みモデルを生成できる。
【0088】
また、情報処理装置1は、SNSに投稿された画像が広告に適する程度に基づいてその画像に対する報酬として期待できる期待報酬または広告としての価値情報を算出し、投稿者等の関係者に提示する。その結果、情報処理装置1は、投稿者に画像の広告における価値を認識させることができる。
【0089】
また、情報処理装置1は、S18の処理で、公衆ネットワークであるSNS上で過去に閲覧可能に掲載された画像と画像に対する公衆ネットワーク上での閲覧者からの反応および画像の広告での取引実績の少なくとも1つとを基に期待報酬または価値情報を決定する。したがって、情報処理装置1は、適切な期待報酬または価値情報を決定できる。
【0090】
また、情報処理装置1は、図13図14のS19のように、S18の処理で画像を広告に利用した場合の期待報酬または価値情報を投稿者に提示するので、投稿者は、広告の利用を許諾するか否かの判断で、報酬に対する具体的な情報を取得できる。したがって、情報処理装置1は、投稿者に、画像の広告への利用許諾の可否を適切に判断させることができる。
【0091】
また、情報処理装置1は、図14の画像判定処理E2のように、学習済みモデルによって画像の判定処理を実行し、判定処理による評価の高い順に画像の投稿者を優先して、広告への画像の利用を打診する。したがって、情報処理装置1は、より広告に適した画像を投稿する可能性の高い投稿者を優先して、画像の利用を打診できる。
【0092】
また、情報処理装置1は、図16のS42のように、期待報酬または価値情報、広告に適する程度または取引実績価格に基づいて掲載済み画像の評価値として点数を設定する。情報処理装置1は、S42で点数が上位の画像の撮影地点を集約し、対象地点を特定し、撮影を推奨するメッセージを特定された対象地点のユーザ装置4-3に送信する。このため、情報処理装置1は、期待報酬または価値情報、広告に適する程度または取引実績価格の高い画像を効果的に投稿させることができる。
【0093】
また、情報処理装置1は、S44のように、S43で特定された撮影地点に対応する画像のうち、撮影された季節、日時、および季節と日時における過去の気象データが、現在の季節、日時、および季節と日時における過去の気象データと類似するものを選定する。したがって、情報処理装置1は、より高い確率で、映え度、AIマシン2によって判定された広告に適する程度、取引実績価格、期待報酬または価値情報の高い画像を投稿者に投稿させることができる。
【0094】
また、情報処理装置1は、広告に関するテーマまたはキーワードを含む条件を取得し、テーマまたはキーワードに対応する画像を収集するので、与えられたテーマまたはキーワードに適した画像を得ることができる。また、情報処理装置1は、収集した画像から、期待報酬、価値情報を基に、広告制作のコストを算出し、広告制作者に提示するので、広告制作者が所望する画像とコストを併せて提示し、広告制作者を支援できる。
【0095】
また、情報処理装置1は、広告実績データD3の広告制作者属性テーブルから広告制作者の属性情報または広告制作者が画像を検索したときのログ情報またはログ情報の要約を取得する。そして、情報処理装置1は、属性情報またはログ情報等に適合するSNSへの掲載済み画像と撮影者の情報を取得し、広告制作者と撮影者とをマッチングさせることができる。
【0096】
(変形例)
上記図18では、広告制作者の属性情報または広告制作者が画像を検索したときのログ情報を基に、広告制作者に適合する撮影済み画像と、撮影者を収集した。このような処理に代えて、広告制作者が画像を検索するときに、広告制作者に適合する撮影済み画像を検索してもよい。図19は、広告制作者が検索クエリを入力したときに、当該クエリに適合する撮影済み画像を取得する画像推奨処理R3を例示する図である。
【0097】
この処理では、情報処理装置1(図4の情報提示部16)は、広告制作者が画像を検索
するときのクエリを広告制作者のユーザ装置4-2から取得する。(S71)。クエリは、自然言語であり、例えば、「きれいなビーチ」、「野性味あふれる動物」、「きれいな花」等である。
【0098】
次に、情報処理装置1は、クエリに適合する掲載済み画像と撮影者の情報を取得する(S72)。情報処理装置1は、例えば、クエリに含まれるキーワード(名詞、形容詞等)でSNSデータD2の画像関連情報テーブルを検索すればよい。また、情報処理装置1は、属性情報またはログ情報と、これらに関連するキーワードで検索するため、情報処理装置1は、単語とこれに関連する単語とを定義した関連語辞書を用意しておけばよい。そして、情報処理装置1は、広告制作者が入力したクエリに関連する1以上のキーワードを関連語辞書から取得し、取得したキーワードでSNSデータD2の画像関連情報テーブルを検索すればよい。
【0099】
そして、情報処理装置1は、取得したキーワードがSNSデータD2の画像関連情報テーブルで見いだされたときに、その行の画像IDで特定される画像が、広告制作者のクエリに適合すると判断する。情報処理装置1は、そのような適合する画像をSNSデータD2の画像関連情報テーブルから取得する。そして、情報処理装置1は、広告制作者に適合する画像と適合する画像の撮影者の情報を提示する(S73)。そして、情報処理装置1は、広告制作者の応答を待つ。広告制作者が提示された画像に納得しない場合(S74でNO)、情報処理装置1は、処理をS72に戻し、次にクエリに適合する掲載済み画像と撮影者の情報を取得し、処理を継続する。
【0100】
一方、情報処理装置1は、提示された画像に納得したとの応答を広告制作者のユーザ装置4-2から受けた場合(S74でYES)、情報処理装置1は、画像の撮影者、すなわち、投稿者のユーザ装置4-1に広告制作者を提示し、両者の合意を待つ(S75)。そして、情報処理装置1は、画像の撮影者の応答を待つ。画像の撮影者、すなわち、投稿者のユーザ装置4-1から、広告制作者と合意できたとの応答を受信できない場合(S76でNO)、情報処理装置1は、処理をS72に戻し、次にクエリに適合する掲載済み画像と撮影者の情報を取得し、処理を継続する。画像の撮影者、すなわち、投稿者のユーザ装置4-1から、広告制作者と合意できたとの応答を受信した場合(S76でYES)、情報処理装置1は、処理を終了する。すなわち、情報処理装置1は、広告制作者のクエリに対して、掲載済み画像および掲載済み画像の撮影者と、をマッチングさせることができる。
【0101】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、情報処理装置1は、例えば、ミニバッチの教師データをデータ拡張し、AIマシン2にデータ拡張した教師データを入力し、学習を実行させる。本実施形態では、情報処理装置1は、更新前の学習済みモデルにより、画像を評価し、広告に適した画像とされるラベリング画像候補を選択する。ここで、情報処理装置1は、更新前の学習済みモデルで選択されたラベリング画像候補を管理者ユーザの評価により再度評価し、更新後の教師データを作成し、AIマシン2に再度入力する。そして、AIマシン2に、再度、更新後の教師データをAIマシン2に再学習させ、更新後の学習済みモデルを作成させる。本実施形態の情報処理装置1は、学習済みモデルの作成、学習済みモデルによる判定結果の管理者ユーザによる評価、評価に基づく教師データの更新、および再学習というループにより、学習済みモデルを順次更新させ、判定の精度を向上させる。
【0102】
図20は、第2の実施形態の情報システム10Aの構成を例示する図である。本実施形態でも、情報システム10Aは、情報処理装置1と、AIマシン2を有する。本実施形態でも、AIマシン2は、学習システム21を有し、学習済みモデルを生成する。ただし、本実施形態では、学習システム21は、更新前学習済みモデル22-1を基に、更新後の
学習済みモデル22-2を生成する。
【0103】
そのため、AIマシン2は、まず、更新前学習済みモデル22-1により、画像候補D10を評価し、高評価の画像を選択し、ラベリング画像候補D11とする。ここで、画像候補D10は、更新後の教師データの候補となる画像である。画像候補D10は、例えば、SNSサーバ3から取得した画像である。画像候補D10は、例えば、更新前の学習済みモデルの学習に用いられた教師データに含まれる画像であってもよい。また、高評価の画像とは、例えば、映え度の高い画像、あるいは、広告に適する程度が高い画像である。
【0104】
情報処理装置1は、管理者ユーザに対してラベリングサーバとしてのユーザインタフェースを提供する。すなわち、情報処理装置1は、高評価の画像であるラベリング画像候補D11を提示し、その適否を管理者ユーザから受け付ける。そして、情報処理装置1は、管理者ユーザから受け付けた適否にしたがって、ラベリング画像候補にラベルを設定し、更新後の教師データD12を作成する。そして、情報処理装置1は、更新後の教師データD12をAIマシン2に入力し、学習を実行させ、更新後の学習済みモデル22-2を作成させる。
【0105】
図21は、第2の実施形態の情報システム10Aにおける処理手順を例示する図である。この処理では、まず、AIマシン2は、更新前学習済みモデルで画像候補D10を採点する(S101)。次に、AIマシン2は、採点した画像から高得点画像をラベリング画像候補D11として抽出する(S102)。
【0106】
次に、情報処理装置1がラベリングサーバとして、抽出したラベリング画像候補D11に対して、人による評価を受け付ける(S103)。映え度が高い画像や広告評価が高い画像は相対的に少なく、AIマシン2を効率的に学習させるためには、S103以下の処理(例えば、S105、S106、S107を含む処理)が有効である。さらに、S101からS102の処理とともに、情報処理装置1は、画像候補D10を変形するための自然言語を受け付け、AIマシン2を用いて自然言語にしたがって、画像候補D10を変形する(S104)。
【0107】
ここで、自然言語は、例えば、画像候補D10を変形する仕様を示す記述である。例えば、チューリップの花が描かれた画像に対して、「チューリップをカーネーションに変更」と指定すると、AIマシン2は、カーネーションが描かれた画像候補D10を作成する。これは、例えば、ニューラルネットワークの階層を最上位の全結合層から逆方向の入力層側にデータを流すことで実現される。例えば、AIマシン2がカーネーションを認識する学習済みモデルを有しているとする。この学習済みモデルに、入力層から画像を入力すると、AIマシン2は、画像が「カーネーション」か否かを判定し、画像がカーネーションを含む場合に、「カーネーション」という自然言語を全結合層から出力する。一方、この学習済みモデルの全結合層に「カーネーション」という自然言語を入力すると、データが入力層方向に順次変換され、「カーネーション」を含む画像を生成することが可能となる。なお、自然言語は、上記に限定されず、例えば、「時間を夕方に変更」と指定されると、風景写真が夕焼けを含むものに変更される。また、例えば、自然言語が「ピカソ風の絵に」と指定されると、画像がピカソの描いた絵に類似するものに変更される。
【0108】
なお、AIマシン2は、人の介在なしに、S104の処理を実行してもよい。例えば、AIマシン2は、画像候補D10を認識し、認識した画像から自然言語「テーブルの上の綺麗なチューリップとコーヒーカップ」を生成する。ここで、AIマシン2は、すでに、「チューリップ」「コーヒーカップ」等の物体の画像を学習済みであるとする。また、「チューリップ」についても、「きれいチューリップ」「しなびたチューリップ」「枯れたチューリップ」等の分類を学習済みであるとする。
【0109】
そして、AIマシン2は、「映える類似物体に関する単語リスト」を有するものとする。例えば、単語「チューリップ」に対して、「映える類似物体に関する単語リスト」には、「カーネーション」が登録されている。ただし、「映える類似物体に関する単語リスト」は、条件とともに「単語」が登録されていてもよい。例えば、「5月」「初夏」という時期的条件つきで、単語「チューリップ」に対して、「映える類似物体に関する単語リスト」には、「カーネーション」が登録されている。また、例えば、「3月から4月」、「春」という時期的条件つきで、単語「チューリップ」に対して、「映える類似物体に関する単語リスト」には、「桜」が登録されている。そして、現在の時期が「5月」または「初夏」である、という条件が充足されると、AIマシン2は、「テーブルの上の綺麗なチューリップとコーヒーカップ」という自然言語を「テーブルの上の綺麗なカーネーションとコーヒーカップ」に変換する。また、現在の時期が「3月から4月」または「春」である、という条件が充足されると、AIマシン2は、「テーブルの上の綺麗なチューリップとコーヒーカップ」という自然言語を「テーブルの上の綺麗な桜とコーヒーカップ」に変換する。そして、AIマシン2は、変換された自然言語にしたがって、画像候補D10を変更すればよい。
【0110】
そして、情報処理装置1は、上記の処理によって変形された候補画像を提示し、その適否を管理者ユーザから受け付ける(S105)。そして、情報処理装置1は、S102の処理で抽出されたラベリング画像候補D11に、S103での評価を基にラベルを設定し、更新後の教師データD12を作成する。また、情報処理装置1は、S105の処理で管理者ユーザから受け付けた適否にしたがって、S104の処理で変形された画像候補にラベルを設定し、更新後の教師データD12を作成する(S106)。
【0111】
そして、情報処理装置1は、人による評価を反映した画像候補を学習用画像として更新後の教師データを入力し、AIマシン2に再学習を実行させる(S107)。そして、AIマシン2は、次の性能向上時に、作成された学習済みモデルを更新後の学習済みモデルをとしてデプロイし、画像の判定に使用する(S108)。なお、情報処理装置1は、図20において、S101、S102、S103、S106からS108までの処理と、S104からS108までの処理とは、それぞれ、個別の機能として独立に提供してもよい。
【0112】
以上述べたように、本実施形態では、情報処理装置1は、更新前の第1の教師データを用いて学習した学習済みモデルを作成しておき、更新前の学習済みモデルにより、更新後教師データの候補である画像候補を判定させる。そして、情報処理装置1は、この更新前の学習済みモデルにより判定した結果に対する適否を受け付ける。さらに、情報処理装置1は、受け付けた適否を基に、画像候補に更新されたラベルを再設定して更新された教師データを作成する。このような処理によって、情報処理装置1は、学習済みモデルの判定の精度を向上できる。
【0113】
さらに、本実施形態では、情報処理装置1は、AIマシン2により、画像候補を変化させる方向性または変化の仕様を示す自然言語を受け付け、自然言語にしたがって、例えば、第1の教師データに含まれる第1の入力データを変化させて、変化した画像候補を作成する。そして、更新された画像候補の変化に応じて変更されたラベルの設定を受け付ける。したがって、情報処理装置1は、自然言語により画像候補を自在に変形し、適切なラベルを付すことで、自然言語を利用し、柔軟で自在にデータ拡張を実行できる。
【0114】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる
。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0115】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ
等に固定された記録媒体としても利用可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 情報処理装置
2 AIマシン
3 SNSサーバ
4 ユーザ装置
11 情報収集部
12 教師データ設定部
13 学習制御部
14 教師データ拡張部
15 判定制御部
16 情報提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
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