(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160549
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】画像解析装置、画像解析方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241107BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241107BHJP
【FI】
H04N7/18 K
G06T7/00 660A
G06T7/00 660B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075670
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232221
【氏名又は名称】日本電気航空宇宙システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】杉泊 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大内 浩
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC01
5C054FC12
5C054HA19
5L096BA08
5L096CA25
5L096DA01
5L096DA04
5L096FA02
5L096FA09
5L096FA52
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】映像から識別される特定の人物とその人物に関連する人物との関係を容易に把握できるようにする。
【解決手段】画像解析装置10は、属性情報取得部110、指定入力受付部120、関連人物特定部130及び表示出力部140を備える。属性情報取得部110は、複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する。指定入力受付部120は、指定人物を示す人物指定入力を受け付ける。関連人物特定部130は、個々の人物について取得された属性情報を用いて、指定人物と関連する人物である関連人物を特定する。表示出力部140は、指定人物と関連人物との関係を示す人物関係情報と、指定人物および関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段と、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段と、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段と、
を備える画像解析装置。
【請求項2】
前記表示出力手段は、
前記指定人物が属する組織の第1の組織図と前記関連人物が属する組織の第2の組織図とを前記組織情報として前記画面に含め、
前記第1の組織図と前記第2の組織図とを用いて前記人物関係情報を生成する、
請求項1に記載の画像解析装置。
【請求項3】
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付けるラインを、前記人物関係情報として生成する、
請求項2に記載の画像解析装置。
【請求項4】
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付ける共通のマークを、前記人物関係情報として生成する、
請求項2に記載の画像解析装置。
【請求項5】
前記表示出力手段は、前記第1の組織図において前記指定人物に対応する第1の部分と前記第2の組織図において前記関連人物に対応する第2の部分とを共通の表示態様に設定することで前記人物関係情報を生成する、
請求項2に記載の画像解析装置。
【請求項6】
前記表示出力手段は、前記人物関係情報に対応する部分を前記画面上で選択する入力を受け付けたことに応じて、選択された前記人物関係情報により示される前記指定人物と前記関連人物とが共に写っている1以上の画像を表示する、
請求項2から5のいずれか一項に記載の画像解析装置。
【請求項7】
前記関連人物特定手段は、
各画像から取得される前記個々の人物の前記属性情報に基づいて、前記指定人物と共にいる時間および前記指定人物と共に出現した回数の少なくとも一方を人物毎に算出し、
人物毎に算出された前記時間および前記回数の少なくとも一方と、時間および回数の少なくとも一方について予め設定された基準と、を比較した結果に基づいて、前記指定人物に対する前記関連人物を特定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像解析装置。
【請求項8】
前記関連人物特定手段は、前記基準を変更する基準変更入力を受け付けたことに応じて、前記基準変更入力により変更された新たな基準に基づいて前記指定人物に対する前記関連人物の特定結果を更新する、
請求項7に記載の画像解析装置。
【請求項9】
前記人物の属性は、前記人物の身体的特徴に関する属性を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像解析装置。
【請求項10】
少なくとも一つのコンピュータが、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得し、
指定人物を示す人物指定入力を受け付け、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定し、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する、
ことを含む画像解析方法。
【請求項11】
少なくとも一つのコンピュータを、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像解析装置、画像解析方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を解析して特定の人物を識別する技術が様々なシーンにおいて活用されている。
【0003】
画像を解析して特定の人物を識別する技術の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1は、入力された映像を基に、特定の人物とその人物の潜在的な仲間を識別する技術を開示されている。例えば、特許文献1は、特定の人物とその他の人物とが同時に出現する回数に基づいて、特定の人物に対する潜在的な仲間を決定する手法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある映像から特定の人物とその人物に関連する人物が識別された場合、それらの人物の関係性を把握したいというニーズがある。引用文献1の技術では、この関係までは判定されていない。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、映像から識別される特定の人物とその人物に関連する人物との関係を容易に把握できるようにするための画像解析装置、画像解析方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段と、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段と、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段と、
を備える画像解析装置が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、
少なくとも一つのコンピュータが、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得し、
指定人物を示す人物指定入力を受け付け、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定し、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する、
ことを含む画像解析方法が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、
少なくとも一つのコンピュータを、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、例えば映像の確認業務を行う人物が、映像から識別される複数の人物の関係を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る画像解析装置の概要を示す図である。
【
図2】画像解析装置を含んで構成される画像解析システムのシステム構成を例示する図である。
【
図3】データベースに記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】画像解析装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】第2実施形態に係る画像解析装置により実行される処理を例示するフローチャートである。
【
図6】表示出力部が出力する画面の一例を示す図である。
【
図7】表示出力部が出力する画面の他の一例を示す図である。
【
図8】表示出力部が出力する画面の他の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態の第1の変形例に係る画像解析装置(表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図10】第2実施形態の第1の変形例に係る画像解析装置(表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図11】第2実施形態の第2の変形例に係る画像解析装置(関連人物特定部および表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図12】基準変更入力に応じて更新された画面を例示する図である。
【
図13】第2実施形態の第3の変形例に係る画像解析装置(関連人物特定部および表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図14】基準変更入力に応じて更新された画面を例示する図である。
【
図15】第3実施形態に係る画像解析システム1のシステム構成を例示する図である。
【
図16】姿勢情報データベースに記憶される情報の一例を示す図である。
【
図17】第3実施形態に係る画像解析装置(関連人物特定部および表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図18】第3実施形態に係る画像解析装置(関連人物特定部および表示出力部)の動作を説明するための図である。
【
図19】第3実施形態に係る画像解析装置(関連人物特定部および表示出力部)の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。また、図中のブロックといった要素が矢印によってリンクされる場合において、その矢印の向きは、情報の流れを分かり易くするためのものに過ぎない。この場合において、矢印の向きは、特に説明のない限り、通信の方向(一方向通信/双方向通信)を限定しない。
【0013】
また、以下の説明において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0014】
・第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る画像解析装置10の概要を示す図である。本図に例示される画像解析装置10は、属性情報取得部110、指定入力受付部120、関連人物特定部130及び表示出力部140を備える。
【0015】
属性情報取得部110は、複数の入力画像を処理する。属性情報取得部110は、各画像の処理結果に基づき、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する。指定入力受付部120は、ある人物を示す人物指定入力を受け付ける。以下の説明において、人物指定入力によって示される人物を「指定人物」とも表記する。関連人物特定部130は、個々の人物について取得された属性情報を用いて、指定人物と関連する人物を特定する。以下の説明において、指定人物と関連する人物を「関連人物」とも表記する。表示出力部140は、人物関連情報と組織情報とを含む画面を、ディスプレイなどの出力装置に出力する。ここで「人物関連情報」とは、指定人物と関連人物との関係を示す情報である。また「組織情報」とは、指定人物および関連人物のそれぞれが属する組織に関する情報である。人物関連情報および組織情報の具体例については後述する。
【0016】
本実施形態によれば、複数の画像の各々を処理することによって、個々の人物の属性情報が画像毎に取得される。そして、ある人物が指定人物として特定された場合、画像毎に取得される属性情報に基づいて、当該指定人物と関連する人物が特定される。そして、指定人物と特定人物との関係を示す人物関係情報と、各人物が属する組織に関する組織情報とを含む画面が出力される。すなわち、特定の人物とその人物に関連する人物との関係を容易に把握できるようにするための画像解析装置および画像解析方法が提供される。また、後述の第2実施形態の説明からも分かるとおり、上記問題を解決する手段である画像解析装置10の機能を少なくとも一つのコンピュータ上で実現するためのプログラム、並びに、当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読記録媒体が提供される。
【0017】
以下、別の実施形態において、画像解析装置10の詳細例について説明する。
【0018】
・第2実施形態
図2は、画像解析装置10を含んで構成される画像解析システム1のシステム構成を例示する図である。
図2に例示される画像解析システム1は、画像解析装置10、データベース20およびディスプレイ30を含んで構成されている。画像解析装置10およびデータベース20はネットワーク40を介して接続されている。また、ディスプレイ30は、画像解析装置10用のディスプレイとして、画像解析装置10の入力インターフェース(図示せず)を介して接続されている。なお、画像解析システム1の構成は本図に示される例に限定されない。例えば、データベース20は、画像解析装置10の内部の記憶領域において構築されてもよい。また、例えば、ディスプレイ30は、画像解析装置10とネットワーク40を介して接続された図示しないコンピュータのディスプレイであってもよい。
【0019】
データベース20は、
図3に例示されるように、様々な人物に関する各種情報を記憶している。
図3は、データベース20に記憶される情報の一例を示す図である。
図3の例では、データベース20は、顔認識用の登録情報、人物の氏名、人物属性および所属組織情報を記憶している。ここで、顔認識用の登録情報は、顔画像および顔画像に基づいて抽出可能な特徴量の少なくとも一方を含む。また、人物属性は、顔特徴以外の属性であって、画像から少なくとも一人の人物を識別するために使用可能な任意の属性を含む。例えば、人物属性は、人物の身体的特徴(骨格の形状、身長、体の大きさ、髪の色、肌の色といった様々な特徴の組み合わせ)に関する情報を含む。なお人物属性は、これらの任意の属性に加えて、年齢や性別といったその他の属性を更に含んでいてもよい。また、所属組織情報は、対象とする人物が属する組織を識別する情報、組織内の役職や序列を示す情報などを含む。また、所属組織情報は、該当する組織の体系(構造)を示す情報を更に含んでいてもよい。
【0020】
図3に例示されるような情報は、例えば、次のように蓄積される。まず、画像解析装置10または図示しない管理用端末が、対象とする人物の顔画像と共に、その人物の属性に関する情報および所属組織に関する情報を入力として受け付ける。そして、画像解析装置10または図示しない管理用端末が、入力として受け付けた情報をまとめて1つのレコードを生成する。そして、画像解析装置10または図示しない管理用端末が、生成されたレコードをデータベース20に記憶する。このようにして、
図3に例示されるような情報がデータベース20に蓄積される。
【0021】
画像解析装置10は、第1実施形態で説明した属性情報取得部110、指定入力受付部120、関連人物特定部130および表示出力部140を少なくとも備える。
【0022】
図4は、画像解析装置10を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示する図である。
【0023】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0024】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0025】
プロセッサ1020は、Central Processing Unit(CPU)やGraphics Processing Unit(GPU)などである。
【0026】
メモリ1030は、Random Access Memory(RAM)などで実現される主記憶装置である。
【0027】
ストレージデバイス1040は、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、メモリカード、又はRead Only Memory(ROM)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、少なくとも、上述した画像解析システム1の機能(属性情報取得部110、指定入力受付部120、関連人物特定部130および表示出力部140)を実現するプログラムモジュールを記憶している。また、ストレージデバイス1040は、データベース20としての役割を果たしてもよい。
【0028】
プロセッサ1020は、ストレージデバイス1040から読み出したプログラムモジュールをメモリ1030上に展開して実行することにより、そのプログラムモジュールに対応する機能を実現する。例えば、プロセッサ1020は、属性情報取得部110に対応するプログラムモジュールをメモリ1030上に読み出して実行することにより、本開示において説明される属性情報取得部110の機能を実現する。同様に、プロセッサ1020は、指定入力受付部120に対応するプログラムモジュールをメモリ1030上に読み出して実行することにより、本開示において説明される指定入力受付部120の機能を実現する。同様に、プロセッサ1020は、関連人物特定部130に対応するプログラムモジュールをメモリ1030上に読み出して実行することにより、本開示において説明される関連人物特定部130の機能を実現する。同様に、プロセッサ1020は、表示出力部140に対応するプログラムモジュールをメモリ1030上に読み出して実行することにより、本開示において説明される表示出力部140の機能を実現する。このプロセッサ1020の動作は、本開示に含まれる各実施形態において共通している。
【0029】
上述したプログラムモジュールは、ストレージデバイス1040以外の記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な任意の媒体を含む。プログラムモジュールを記録する記録媒体には、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0030】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000(画像解析装置10)と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。例えば、ディスプレイ30といった出力装置が、入出力インタフェース1050を介してコンピュータ1000(画像解析装置10)と接続される。
【0031】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000(画像解析装置10)をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLocal Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)などを含む。ネットワークインタフェース1060は、無線または有線接続によって、コンピュータ1000(画像解析装置10)を各種ネットワークに接続させる。コンピュータ1000(画像解析装置10)は、ネットワークインタフェース1060を介して、例えばデータベース20と通信できる。
【0032】
また、コンピュータ1000(画像解析装置10)は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、図示しない各種機器とも接続できる。ここでいう「各種機器」とは、特に限定されないが、例えば、操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マウスといった入力装置、および、スピーカー、マイクロフォン、プリンタといった出力装置などである。
【0033】
図5は、第2実施形態に係る画像解析装置10により実行される処理を例示するフローチャートである。
【0034】
まず、属性情報取得部110は、処理対象とする複数の画像(例えば、動画データなど)を取得し、各画像を解析する(ステップS102)。属性情報取得部110は、各画像の解析処理の結果として、個々の人物の属性情報を画像毎に取得する。
【0035】
一例として、属性情報取得部110は、個々の人物の顔画像または当該顔画像に基づく顔特徴量、個々の人物の全身画像または当該全身画像に基づく骨格情報などを、個々の人物の属性情報として取得する。この場合、属性情報取得部110は、まず、処理対象となる複数の画像に写っている人物それぞれに対応する画像領域(以下、「人物領域」とも表記)を特定する。属性情報取得部110は、各人物について特定された人物領域から、各人物の骨格情報を生成する。なお、属性情報取得部110は、既知の画像処理アルゴリズム(例えば、人物の画像から人物の関節部位等を特定する画像処理アルゴリズム等)を用いて、人物領域から骨格情報を生成できる。また、属性情報取得部110は、人物領域の中から顔部分の領域(以下、「顔領域」とも表記)を更に抽出できる。なお、属性情報取得部110は、既知の顔認識アルゴリズムを用いて、個々の人物の顔領域を抽出できる。この場合において、属性情報取得部110は、個々の人物の顔領域から顔特徴量情報を生成してもよい。そして、属性情報取得部110は、個々の人物について得られた情報(顔領域、顔特徴情報、骨格情報など)を、個々の人物の属性情報として取得する。属性情報取得部110により取得された個々の人物の属性情報は、データベース20内の各人物に関する情報と照合される。照合の結果、各画像に写っている個々の人物が識別される。個々の人物の識別結果は、例えば、メモリ1030やストレージデバイス1040といった、画像解析装置10の記憶領域に格納される。
【0036】
なお、画像解析装置10は、個々の人物の識別結果を基に識別された人物のリストを生成し、ディスプレイ30に出力する機能を更に有していてもよい。また、画像解析装置10は、個々の人物の領域を示す情報(例えば、矩形の枠)を各画像に付与する処理を行い、当該処理後の画像を含む画面をディスプレイ30に出力する機能を更に有していてもよい。
【0037】
次に、指定入力受付部120は人物指定入力を取得する(ステップS104)。例えば、指定入力受付部120は、指定人物を特定する情報の入力操作を、入出力インタフェース1050に接続された入力装置を介して受け付ける。当該入力操作は、例えば、ディスプレイ30に表示された人物リストの中から指定人物を選択する操作やディスプレイ30に表示された画像内で指定人物に対応する領域を選択する操作等を含む。また、指定入力受付部120は、指定人物に関する他の画像(クエリ画像)を入力として受け付けてもよい。
【0038】
次に、関連人物特定部130は、人物指定入力により示される指定人物に対する関連人物を特定する(ステップS106)。関連人物特定部130は、ステップS102の処理において、各画像から取得された個々の人物の属性情報を用いて、指定人物に対する関連人物を特定する。
【0039】
例えば、関連人物特定部130は、次のようにして関連人物を特定できる。まず、関連人物特定部130は、各画像から取得される個々の人物の属性情報に基づいて、指定人物と共にいる時間および指定人物と共に出現した回数の少なくとも一方を算出する。例えば、30fpsで撮影された動画データ(複数の画像)を属性情報取得部110が処理した結果、指定人物に対応する第1の人物の属性情報と、指定人物とは異なる第2の人物の属性情報が、動画内の3つの区間において同時に取得されたとする。また、当該3つの区間は、第1の区間(300フレーム)、第2の区間(900フレーム)、第3の区間(600フレーム)であったとする。この場合、関連人物特定部130は、各区間に対応する時間を合算することにより、第1の人物と第2の人物とが共にいる時間を算出できる。すなわち、関連人物特定部130は、第1の区間に対応する時間「10秒」と、第2の区間に対応する時間「30秒」と、第3の区間に対応する時間「20秒」とを合算することにより、第1の人物(指定人物)と第2の人物とが共にいる時間を「60秒」と算出できる。また、関連人物特定部130は、動画内の区間の数「3」を、第1の人物(指定人物)と第2の人物とが共に出現した回数として算出できる。そして、関連人物特定部130は、第2の人物について算出された、第1の人物(指定人物)と共にいる時間および第1の人物(指定人物)と共に出現した回数の少なくとも一方を、関連人物を判断するために予め設定された基準と比較する。当該基準は、関連人物と判断する基準時間および関連人物と判断する出現回数の少なくとも一方を定めている。また、当該基準は、ストレージデバイス1040といった関連人物特定部130がアクセス可能な記憶領域に予め記憶されている。例えば、第2の人物について算出された時間の長さが予め設定された基準時間の長さ以上である場合、関連人物特定部130は、当該第2の人物を関連人物として特定してもよい。また例えば、第2の人物について算出された出現回数が予め設定された基準回数以上である場合、関連人物特定部130は、当該第2の人物を関連人物として特定してもよい。また例えば、第2の人物について算出された時間および出現回数の双方がそれぞれについて設定された基準を超えている場合、関連人物特定部130は、当該第2の人物を関連人物として特定してもよい。
【0040】
次に、表示出力部140は、指定人物と関連人物との関係を示す人物関係情報および組織情報を生成する(ステップS108)。そして、表示出力部140は、人物関係情報および組織情報を含む画面をディスプレイ30に出力する(ステップS110)。例えば、表示出力部140は以下のような動作を行う。
【0041】
まず、表示出力部140は、指定入力受付部120が受け付けた人物指定入力により特定される指定人物の組織情報をデータベース20から読み出す。また、表示出力部140は、関連人物特定部130により関連人物として特定された人物の組織情報をデータベース20から読み出す。ここで、指定人物の組織情報が第1の組織を示しており、関連人物の組織情報が第1の組織とは異なる第2の組織を示していたとする。この場合、表示出力部140は、指定人物が属する第1の組織の組織図(第1の組織図)と、関連人物が属する第2の組織の組織図(第2の組織図)とを取得する。なお、各組織の組織図に関するデータは、例えばストレージデバイス1040といった、表示出力部140がアクセス可能な記憶領域に予め記憶されている。表示出力部140は、第1の組織図および第2の組織図それぞれのデータを当該記憶領域から取得した後、第1の組織図および第2の組織図を上述の組織情報として含む画面の描画データを生成する。
【0042】
さらに、表示出力部140は、第1の組織図と第2の組織図とを用いて、指定人物と関連人物との関係を示す人物関係情報を生成する。例えば、表示出力部140は、指定人物について取得された組織情報に基づいて、第1の組織図上で当該指定人物に対応する部分(役職や序列などで決まる組織図上での位置)を特定する。また、表示出力部140は、関連人物について取得された組織情報に基づいて、第2の組織図上で当該関連人物に対応する部分(役職や序列などで決まる組織図上での位置)を特定する。そして、表示出力部140は、第1の組織図上の指定人物の位置と、第2の組織図上の関連人物との位置を用いて、2つの組織図の間で人物関係情報を生成する。表示出力部140は、生成した人物特定情報を画面の描画データと組み合わせて、ディスプレイ30に出力する。
【0043】
一例として、表示出力部140は、
図6に例示するような画面をディスプレイ30に出力する。
図6は、表示出力部140が出力する画面の一例を示す図である。本図に例示される画面は、第1の組織図と第2の組織図との間において、指定人物(人物H)の位置と関連人物(人物Cおよび人物F)の位置とを対応付けるラインを含んでいる。このようなラインによって、指定人物と関連人物との関係が視覚化される。例えば、本図の例では、指定人物Hと関連する人物として、人物Cおよび人物Fが特定されている状態が、2本のラインL1およびL2によって視覚化されている。このような画面を活用することで、入力される映像の解析結果から特定される指定人物と関連人物との組織間での関係を容易に把握することができる。
【0044】
他の一例として、表示出力部140は、
図7に例示するような画面をディスプレイ30に出力する。
図7は、表示出力部140が出力する画面の他の一例を示す図である。本図に示される画面は、第1の組織図と第2の組織図との間において、指定人物と関連人物とを対応付ける共通のマークとして、星形のマークを含んでいる。なお共通のマークは、指定人物と関連人物との対応関係が識別できれば任意のマークでよい。このように、指定人物と関連人物とに共通のマークを付与することによって、指定人物と関連人物との関係が視覚化される。例えば、本図の例では、指定人物Hと関連する人物として、人物Cおよび人物Fが特定されている状態が、各々の人物の位置に付与された星形のマークによって視覚化されている。このような画面を活用することで、入力される映像の解析結果から特定される指定人物と関連人物との組織間での関係を容易に把握することができる。
【0045】
他の一例として、表示出力部140は、
図8に例示するような画面をディスプレイ30に出力する。
図8は、表示出力部140が出力する画面の他の一例を示す図である。本図に例示される画面について、表示出力部140は、第1の組織図において指定人物に対応する部分と、第2の組織図において関連人物に対応する第2の部分と、を共通の表示態様(共通の背景パターン)に設定している。なお共通の表示態様は、指定人物と関連人物との対応関係が識別できれば任意である。このような画面を活用することで、入力される映像の解析結果から特定される指定人物と関連人物との組織間での関係を容易に把握することができる。
【0046】
また、表示出力部140は、
図6から
図8の表示例の2つ以上を組みわせた画面をディスプレイ30に出力するように構成されていてもよい。
【0047】
以上、本実施形態によれば、指定人物と関連人物との関係を示す人物関係情報と、指定人物および関連人物がそれぞれ属する組織に関する組織情報とを含む画面がディスプレイ30に出力される。このような画面により、画像を確認する業務を行う人物(業務担当者)が、指定人物と関連人物との関係をより詳細に把握できる。例えば、業務担当者は表示出力部140により出力される画面を確認することによって、組織内や組織間の指揮命令系統を容易に把握するができる。その他にも、例えば業務担当者が捜査関係者である場合、表示出力部140により出力される画面によって、複数のメンバによる集団犯罪捜査の効率化が図れる。
【0048】
・第2実施形態の変形例
第1の変形例として、表示出力部140は、
図6から
図8に例示されるような画面上で、人物関係情報を選択する入力を受け付けた場合に、選択された人物関係情報に対応する追加の情報を出力するように構成されていてもよい。一例として、表示出力部140は、画面上で人物関係情報に対応する部分を選択する入力を受け付ける。そして、表示出力部140は、選択された人物関係情報によって示される指定人物および関連人物を特定する。そして、表示出力部140は、指定人物と関連人物とが共に写っている1以上の画像を、複数の画像の中から特定する。そして、表示出力部140は、特定した1以上の画像をディスプレイ30に表示させる。
【0049】
第1の変形例に係る画像解析装置10(表示出力部140)の動作について図を用いて説明する。
図9および
図10は、第2実施形態の第1の変形例に係る画像解析装置10(表示出力部140)の動作を説明するための図である。まず、表示出力部140は、
図9に例示されるように、ディスプレイ30に表示されている画面上で、人物関係情報に対応する部分(例えば、ラインL1/ラインL2)を選択する入力を受け付ける。本図では、指定人物(人物H)と第1の関連人物(人物C)との関係を示す人物関係情報に対応するラインL1が選択されている状態が描かれている。表示出力部140は、
図9に例示されるような選択入力に応じて、例えば、
図10に例示されるような画面を更に出力する。
図10の画面は、人物Hと人物Cとが共に写っている画像と、当該画像内での各人物の領域を示す情報とを含んでいる。なお、
図10に例示される画面に含まれる画像は、属性情報取得部110により処理された複数の画像の中から代表的な画像が選択される。例えば、表示出力部140は、各人物が最も大きく映っている画像を代表画像として選択することができる。また、
図10に例示されるように、表示出力部140は、他の画像に切り替えるためのボタンを画面に更に含めてもよい。また、
図10に例示される画面に含まれる画像は、大元の動画データから各人物が共に写っている部分を切り抜いた部分動画データであってもよい。
【0050】
第1の変形例によれば、映像を確認する人物が、指定人物と関連人物とが共に写っている実際の画像を容易に閲覧できるようになる。
【0051】
第2の変形例として、表示出力部140は、関連人物特定部130において関連人物を特定するために使用される基準を変更するための要素を画面上に出力するように構成されていてもよい。この場合、表示出力部140は、例えば
図11に示されるような画面をディスプレイ30に出力する。
図11は、第2実施形態の第2の変形例に係る画像解析装置10(関連人物特定部130および表示出力部140)の動作を説明するための図である。
図11に例示される画面は、右上部分に関連人物を特定するための基準を設定および変更するための要素Eを備えている。ユーザは、例えば、入出力インタフェース1050に接続された入力機器を介して、時間および回数の少なくとも一方に関する基準を変更する入力を要素E上で行う。
【0052】
図11に例示される要素Eにおいて基準を変更する入力が行われた場合、関連人物特定部130は、当該入力により変更された新たな基準に基づいて、指定人物に対する関連人物の特定結果を更新する。例えば、
図11に例示される画面では、指定人物(人物H)に対して、二人の関連人物(人物Cおよび人物F)が特定されている。ここで、属性情報取得部110による各画像の処理結果(各画像から取得される個々の人物の属性情報)に基づいて、人物Cが人物Hと共にいた時間および人物Cが人物Hと共に出現した回数が、それぞれ「100秒」および「3回」と算出されていたとする。また、同様に、人物Fが人物Hと共にいた時間および人物Fが人物Hと共に出現した回数が、それぞれ「200秒」および「5回」と算出されていたとする。そして、
図11に例示される画面の要素Eにおいて、基準時間を「200秒」に変更する入力、または、基準回数を「5回」に変更する入力が行われたとする。この場合、人物Cは、入力により変更された新たな基準を満たさなくなる。この結果、関連人物特定部130は、人物Cを関連人物から除外し、画面表示を例えば
図12に示されるように更新する。
図12は、基準変更入力に応じて更新された画面を例示する図である。
図12の画面では、
図11の画面とは異なり、人物H(指定人物)と人物F(関連人物)との関係を示す人物関係情報(ラインL2)のみが残されている。
【0053】
第2の変形例で説明したように関連人物を特定する基準を変更可能とすることにより、指定人物に関連する人物をより柔軟に特定することができる。
【0054】
第3の変形例として、関連人物特定部130は、「人物間の距離」を更に用いて関連人物を特定するように構成されていてもよい。この場合、属性情報取得部110は、処理対象とする画像の解析結果として、例えば各人物の位置(画像座標系の位置、または、画像座標系の位置に対応する現実世界の座標系での位置)を更に取得する。属性情報取得部110は、画像に写る物体の位置を算出する手法として、様々な既知の手法を利用できる。そして、関連人物特定部130は、各画像から取得される個々の人物の位置に関する情報に基づいて、指定人物とその他の各人物との間の距離を算出できる。例えば、関連人物特定部130は、指定人物と共にいる各人物について各画像から取得される位置情報に基づいて、指定人物までの距離(距離の平均値)を算出する。そして、関連人物特定部130は、ある人物について算出された距離が、予め定められた基準を満たす(例えば、算出された距離が基準距離以下である)場合、当該人物を「関連人物」として特定する。
【0055】
この場合、表示出力部140、
図13に例示するような画面を出力するように構成されていてもよい。
図13は、第2実施形態の第3の変形例に係る画像解析装置10(関連人物特定部130および表示出力部140)の動作を説明するための図である。
図13に例示される画面は、右上部分に関連人物を特定するための基準を設定および変更するための要素Eを備えている。本図における要素Eは、第2の変形例に係る図(
図11および
図12)と異なり、「距離」に関する基準を変更する入力を受け付け可能に構成されている。ユーザは、例えば、入出力インタフェース1050に接続された入力機器を介して、時間、回数および距離の少なくとも一つに関する基準を変更する入力を要素E上で行う。
【0056】
図13に例示される要素Eにおいて基準を変更する入力が行われた場合、関連人物特定部130は、当該入力により変更された新たな基準に基づいて、指定人物に対する関連人物の特定結果を更新する。例えば、
図13に例示される画面では、指定人物(人物H)に対して、二人の関連人物(人物Cおよび人物F)が特定されている。ここで、属性情報取得部110による各画像の処理結果(各画像から取得される個々の人物の属性情報)に基づいて、人物Cが人物Hと共にいた時間、人物Cが人物Hと共に出現した回数、および、人物Cが人物Hと共にいたときの距離が、それぞれ「100秒」、「3回」、「0.5m」と算出されていたとする。また、同様に、人物Fが人物Hと共にいた時間、人物Fが人物Hと共に出現した回数、および、人物Fが人物Hと共にいたときの距離が、それぞれ「200秒」、「5回」、「1.0m」と算出されていたとする。そして、
図13に例示される画面の要素Eにおいて、基準距離を「0.5m」に変更する入力が行われたとする。この場合、人物Fは、入力により変更された新たな基準を満たさなくなる。この結果、関連人物特定部130は、人物Fを関連人物から除外する。この結果、表示出力部140は画面表示を例えば
図14に示されるように更新する。
図14は、基準変更入力に応じて更新された画面を例示する図である。
図14の画面では、
図13の画面とは異なり、人物H(指定人物)と人物C(関連人物)との関係を示す人物関係情報(ラインL1)のみが残されている。
【0057】
第3の変形例によれば、「人物間の距離」という新たな指標により、指定人物に関連する可能性の高い人物を精度よく特定することができる。
【0058】
なお、画像解析装置10は、第1の変形例に係る構成と、第2の変形例に係る構成または第3の変形例に係る構成と、を組み合わせて有していてもよい。
【0059】
・第3実施形態
図15は、第3実施形態に係る画像解析システム1のシステム構成を例示する図である。本図の例において、データベース20は、姿勢情報データベース22を含んでいる。姿勢情報データベース22は、例えば
図16に示すように、人物がとり得る様々な姿勢に関する情報を記憶している。
図16は、姿勢情報データベースに記憶される情報の一例を示す図である。本図に例示される姿勢情報データベース22は、姿勢画像、姿勢特徴量(骨格情報)および姿勢名称を含む姿勢情報を複数記憶している。
【0060】
本実施形態に係る画像解析装置10は、以下で説明する点を除き、第1実施形態および第2実施形態と同様の機能構成(例:
図1)を有している。
【0061】
本実施形態に係る属性情報取得部110は、処理対象の画像に写っている個々の人物の骨格情報を用いて、個々の人物の姿勢または行動を更に特定する。例えば、属性情報取得部110は、ある対象人物の画像領域から抽出可能な骨格情報と、姿勢情報データベース22に登録されている各種姿勢の骨格情報(以下、「登録骨格情報」とも表記)とを比較する。属性情報取得部110は、比較の結果に基づいて、複数の登録骨格情報の中から類似度の最も高い登録骨格情報を特定する。そして、属性情報取得部110は、特定した登録骨格情報に対応する姿勢や行動の名称(例えば、「手渡し」や「座り」など)を、対象人物の姿勢や行動を示す情報として取得する。属性情報取得部110は、このような処理を各画像について実行し、各画像に写る個々の人物の姿勢や行動を特定できる。そして、属性情報取得部110は、各画像に写っている個々の人物について特定された姿勢や行動を示す情報を、その人物の属性情報に追加する。また、本実施形態に関連人物特定部130は、個々の人物の属性情報に含まれる人物の姿勢や行動に基づいて、指定人物に対する関連人物を絞り込むことができるように構成される。
【0062】
本実施形態に係る画像解析装置10の動作について、
図17乃至
図19を用いて説明する。
図17乃至
図19は、第3実施形態に係る画像解析装置10(関連人物特定部130および表示出力部140)の動作を説明するための図である。
【0063】
まず、関連人物特定部130は、特定の姿勢または行動を指定する入力を受け付ける。この場合、表示出力部140は、姿勢または行動を指定する入力を受け付けるために、例えば
図17に例示するような画面を表示する。
図17に例示される画面は、右上部分に関連人物を特定するための基準を設定および変更するための要素Eを備えている。本図における要素Eは、先に説明した例で示す画面と異なり、「姿勢/行動」に関する基準を変更する入力を受け付け可能に構成されている。ユーザは、例えば、入出力インタフェース1050に接続された入力機器を介して、姿勢または行動に関する基準を変更する入力を要素E上で行うことができる。
【0064】
ここで、
図18に例示されるように、「(何らかの物体の)手渡し」という特定の姿勢(行動)がユーザにより指定されたとする。この場合、関連人物特定部130は、各画像からそれぞれ取得される指定人物の属性情報を用いて、「手渡し」の姿勢を取っている指定人物が写っている画像を特定する。例えば、関連人物特定部130は、
図19に示すような画像を特定できる。
図19に例示される画像では、指定人物(人物H)が「手渡し」の姿勢を取っている。また、
図19に例示される画像では、他の人物として「人物C」が写っている。関連人物特定部130は、このように特定した画像において共に写っている他の人物(
図19の例では「人物C」)を関連人物として絞り込む。この結果、人物Fが関連人物から除外される。表示出力部140は、この結果に応じて、
図18に示されるように画面表示を更新する。
図18の画面では、
図17の画面とは異なり、人物H(指定人物)と人物C(関連人物)との関係を示す人物関係情報(ラインL1)のみが残されている。
【0065】
「人物の姿勢」という新たな指標により、指定人物に関連する可能性の高い人物を精度よく特定することができる。
【0066】
なお本実施形態において、関連人物特定部130は、第2実施形態の変形例で説明したように、「距離」に関する基準によって関連人物を更に詳細に絞り込んでもよい。
【0067】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0068】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0069】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段と、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段と、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段と、
を備える画像解析装置。
2.
前記表示出力手段は、
前記指定人物が属する組織の第1の組織図と前記関連人物が属する組織の第2の組織図とを前記組織情報として前記画面に含め、
前記第1の組織図と前記第2の組織図とを用いて前記人物関係情報を生成する、
1.に記載の画像解析装置。
3.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付けるラインを、前記人物関係情報として生成する、
2.に記載の画像解析装置。
4.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付ける共通のマークを、前記人物関係情報として生成する、
2.に記載の画像解析装置。
5.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図において前記指定人物に対応する第1の部分と前記第2の組織図において前記関連人物に対応する第2の部分とを共通の表示態様に設定することで前記人物関係情報を生成する、
2.に記載の画像解析装置。
6.
前記表示出力手段は、前記人物関係情報に対応する部分を前記画面上で選択する入力を受け付けたことに応じて、選択された前記人物関係情報により示される前記指定人物と前記関連人物とが共に写っている1以上の画像を表示する、
2.から5.のいずれか一つに記載の画像解析装置。
7.
前記関連人物特定手段は、
各画像から取得される前記個々の人物の前記属性情報に基づいて、前記指定人物と共にいる時間および前記指定人物と共に出現した回数の少なくとも一方を人物毎に算出し、
人物毎に算出された前記時間および前記回数の少なくとも一方と、時間および回数の少なくとも一方について予め設定された基準と、を比較した結果に基づいて、前記指定人物に対する前記関連人物を特定する、
1.から6.のいずれか一つに記載の画像解析装置。
8.
前記関連人物特定手段は、前記基準を変更する基準変更入力を受け付けたことに応じて、前記基準変更入力により変更された新たな基準に基づいて前記指定人物に対する前記関連人物の特定結果を更新する、
7.に記載の画像解析装置。
9.
前記人物の属性は、前記人物の身体的特徴に関する属性を含む、
1.から8.のいずれか一つに記載の画像解析装置。
10.
少なくとも一つのコンピュータが、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得し、
指定人物を示す人物指定入力を受け付け、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定し、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する、
ことを含む画像解析方法。
11.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記指定人物が属する組織の第1の組織図と前記関連人物が属する組織の第2の組織図とを前記組織情報として前記画面に含め、
前記第1の組織図と前記第2の組織図とを用いて前記人物関係情報を生成する、
ことを含む10.に記載の画像解析方法。
12.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付けるラインを、前記人物関係情報として生成する、
ことを含む11.に記載の画像解析方法。
13.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付ける共通のマークを、前記人物関係情報として生成する、
ことを含む11.に記載の画像解析方法。
14.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記第1の組織図において前記指定人物に対応する第1の部分と前記第2の組織図において前記関連人物に対応する第2の部分とを共通の表示態様に設定することで前記人物関係情報を生成する、
ことを含む11.に記載の画像解析方法。
15.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記人物関係情報に対応する部分を前記画面上で選択する入力を受け付けたことに応じて、選択された前記人物関係情報により示される前記指定人物と前記関連人物とが共に写っている1以上の画像を表示する、
ことを含む11.から14.のいずれか一つに記載の画像解析方法。
16.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
各画像から取得される前記個々の人物の前記属性情報に基づいて、前記指定人物と共にいる時間および前記指定人物と共に出現した回数の少なくとも一方を人物毎に算出し、
人物毎に算出された前記時間および前記回数の少なくとも一方と、時間および回数の少なくとも一方について予め設定された基準と、を比較した結果に基づいて、前記指定人物に対する前記関連人物を特定する、
ことを含む10.から15.のいずれか一つに記載の画像解析方法。
17.
前記少なくとも一つのコンピュータが、
前記基準を変更する基準変更入力を受け付けたことに応じて、前記基準変更入力により変更された新たな基準に基づいて前記指定人物に対する前記関連人物の特定結果を更新する、
ことを含む16.に記載の画像解析方法。
18.
前記人物の属性は、前記人物の身体的特徴に関する属性を含む、
10.から17.のいずれか一つに記載の画像解析方法。
19.
少なくとも一つのコンピュータを、
複数の画像を処理することにより、各画像に写る個々の人物について当該人物の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得手段、
指定人物を示す人物指定入力を受け付ける指定入力受付手段、
前記個々の人物について取得された前記属性情報を用いて、前記指定人物と関連する人物である関連人物を特定する関連人物特定手段、
前記指定人物と前記関連人物との関係を示す人物関係情報と、前記指定人物および前記関連人物のそれぞれが属する組織に関する組織情報と、を含む画面を出力する表示出力手段、
として機能させるためのプログラム。
20.
前記表示出力手段は、
前記指定人物が属する組織の第1の組織図と前記関連人物が属する組織の第2の組織図とを前記組織情報として前記画面に含め、
前記第1の組織図と前記第2の組織図とを用いて前記人物関係情報を生成する、
19.に記載のプログラム。
21.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付けるラインを、前記人物関係情報として生成する、
20.に記載のプログラム。
22.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図と前記第2の組織図の間で前記指定人物と前記関連人物とを対応付ける共通のマークを、前記人物関係情報として生成する、
20.に記載のプログラム。
23.
前記表示出力手段は、前記第1の組織図において前記指定人物に対応する第1の部分と前記第2の組織図において前記関連人物に対応する第2の部分とを共通の表示態様に設定することで前記人物関係情報を生成する、
20.に記載のプログラム。
24.
前記表示出力手段は、前記人物関係情報に対応する部分を前記画面上で選択する入力を受け付けたことに応じて、選択された前記人物関係情報により示される前記指定人物と前記関連人物とが共に写っている1以上の画像を表示する、
20.から23.のいずれか一つに記載のプログラム。
25.
前記関連人物特定手段は、
各画像から取得される前記個々の人物の前記属性情報に基づいて、前記指定人物と共にいる時間および前記指定人物と共に出現した回数の少なくとも一方を人物毎に算出し、
人物毎に算出された前記時間および前記回数の少なくとも一方と、時間および回数の少なくとも一方について予め設定された基準と、を比較した結果に基づいて、前記指定人物に対する前記関連人物を特定する、
19.から24.のいずれか一つに記載のプログラム。
26.
前記関連人物特定手段は、前記基準を変更する基準変更入力を受け付けたことに応じて、前記基準変更入力により変更された新たな基準に基づいて前記指定人物に対する前記関連人物の特定結果を更新する、
25.に記載のプログラム。
27.
前記人物の属性は、前記人物の身体的特徴に関する属性を含む、
19.から26.のいずれか一つに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0070】
1 画像解析システム
10 画像解析装置
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
110 属性情報取得部
120 指定入力受付部
130 関連人物特定部
140 表示出力部
20 データベース
22 姿勢情報データベース
30 ディスプレイ
40 ネットワーク