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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160562
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】エレクトロクロミックデバイス
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/38 20060101AFI20241107BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241107BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241107BHJP
   G02F 1/163 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
G09G3/38
G09G3/20 621A
G09F9/30 380
G02F1/163
G09G3/20 624B
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G09G3/20 622A
G09G3/20 623A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075696
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 啓太
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 良和
【テーマコード(参考)】
2K101
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA21
2K101DC54
2K101EC08
2K101ED13
2K101ED21
2K101ED74
2K101EE02
2K101EE06
2K101EJ11
5C080AA11
5C080BB05
5C080FF11
5C080HH21
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C094AA53
5C094BA03
5C094BA52
5C094CA19
5C094GA10
(57)【要約】
【課題】より適切なデバイスの制御を実現できるエレクトロクロミックデバイスを提供する。
【解決手段】エレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミック材料を挟んで対向する2つの電極と、2つの電極の一方にソース又はドレインの一方が接続される複数のスイッチング素子と、スイッチング素子のソース又はドレインの他方と接続される複数の伝送路と、2つの電極の一方に与えられる印加電位に対応する信号電位が供給される第1配線と、複数の伝送路の各々と、の間の接続を個別に切替可能な複数の第1切替部と、を備え、伝送路のリセット電位が与えられる第1期間と、信号電位が伝送路に与えられる第2期間と、が交互に生じる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミック材料を挟んで対向する2つの電極と、
前記2つの電極の一方にソース又はドレインの一方が接続される複数のスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のゲートと接続される複数の走査線と、
前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方と接続される複数の伝送路と、
前記2つの電極の一方に与えられる印加電位に対応する信号電位が供給される第1配線と、前記複数の伝送路の各々と、の間の接続を個別に切替可能な複数の第1切替部と、を備え、
前記ゲートへ伝送される信号が前記走査線に与えられる前又は与えられた後の一方に前記伝送路のリセット電位が与えられる第1期間と、前記ゲートへ伝送される信号が前記走査線に与えられる前又は与えられた後の他方に前記信号電位が前記伝送路に与えられる第2期間と、が交互に生じる、
エレクトロクロミックデバイス。
【請求項2】
前記リセット電位が供給される第2配線と、
前記第2配線と前記複数の伝送路との間の接続を切替可能な第2切替部と、を備え、
前記第1期間に、前記第2配線と前記複数の伝送路とが接続されるよう前記第2切替部が制御され、
前記第2期間に、前記第1配線と前記伝送路とが接続されるよう前記第1切替部が制御される、
請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
【請求項3】
前記第1配線と前記複数の伝送路との間の接続を一括で切替可能な第3切替部を備え、
前記第1期間に、前記リセット電位が前記第1配線に与えられ、かつ、前記第1配線と前記複数の伝送路とが接続されるよう前記第3切替部が制御され、
前記第2期間に、前記信号電位が前記第1配線に与えられ、かつ、前記第1配線と前記伝送路とが接続されるよう前記第1切替部が制御される、
請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
【請求項4】
前記第1期間に、前記リセット電位が前記第1配線に与えられ、かつ、前記第1配線と前記複数の伝送路とが接続されるよう前記第1切替部が制御され、
前記第2期間に、前記第1配線に前記信号電位が与えられ、かつ、前記第1配線と前記伝送路とが接続されるよう前記第1切替部が制御される、
請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレクトロクロミックデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
印加電圧に応じて透光の度合いと着色の度合いを制御可能な領域を形成できるエレクトロクロミックデバイスが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010-518456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレクトロクロミック材料に対する印加電圧の制御のために複数のスイッチング素子を利用するアクティブマトリクス方式では、より適切なデバイスの制御を実現するために各スイッチング素子に与えられる電位の個別制御が重要である。具体的には、あるスイッチング素子のソース又はドレインに与えられるべき電位が他のスイッチング素子のソース又はドレインにも与えられてしまうことは抑制されるべきである。しかしながら、特許文献1ではそのような制御が具体的に示されておらず、実現性に欠けていた。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたもので、より適切なデバイスの制御を実現できるエレクトロクロミックデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるエレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミック材料を挟んで対向する2つの電極と、前記2つの電極の一方にソース又はドレインの一方が接続される複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子のゲートと接続される複数の走査線と、前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方と接続される複数の伝送路と、前記2つの電極の一方に与えられる印加電位に対応する信号電位が供給される第1配線と、前記複数の伝送路の各々と、の間の接続を個別に切替可能な複数の第1切替部と、を備え、前記ゲートへ伝送される信号が前記走査線に与えられる前又は与えられた後の一方に前記伝送路のリセット電位が与えられる第1期間と、前記ゲートへ伝送される信号が前記走査線に与えられる前又は与えられた後の他方に前記信号電位が前記伝送路に与えられる第2期間と、が交互に生じる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、デバイスの主要構成を示す概略図である。
図2図2は、ECパネルの構成例を示す概略図である。
図3図3は、アクティブエリアの積層構造に含まれる主要な構成を示す概略図である。
図4図4は、スイッチング素子の構成を示す概略的な回路図である。
図5図5は、駆動信号のタイミング制御を示すタイムチャートである。
図6図6は、実施形態1における信号制御を示すタイムチャートである。
図7図7は、実施形態1と異なる他の構成例を示す概略図である。
図8図8は、参考例における信号制御を示すタイムチャートである。
図9図9は、実施形態2によるECパネルを示す概略図である。
図10図10は、実施形態2における信号制御を示すタイムチャートである。
図11図11は、実施形態3における信号制御を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、デバイス1の主要構成を示す概略図である。デバイス1は、エレクトロクロミックデバイスである。以下、特筆しない限り、ECという記載は、エレクトロクロミック(ElectroChromic)をさすものとする。ECデバイスは、印加電圧の制御によって透光の度合いと着色の度合いを可逆的に制御可能なEC材料15(図3参照)を利用したデバイスである。EC材料15として、例えば酸化タングステン(WO)等、イオン挿入系の金属酸化物が挙げられるが、これに限られるものでなく、同様の現象を生じさせる他の材料が採用されてもよい。
【0010】
図1に示すように、デバイス1は、アクティブエリアAAが形成されたECパネル10を備える。上述したEC材料15は、アクティブエリアAA内に封止されている。従って、アクティブエリアAAの透光の度合いと着色の度合いは、EC材料15に対する印加電圧の制御によって制御可能である。
【0011】
ECパネル10には、EC材料15に対する印加電圧の制御に係る各種の信号がホスト25から与えられる。係る各種の信号は、役割に応じて、それぞれ異なる経路で与えられる。図1に示す例では、ホスト25から、配線31,32,33,34が延出している。
【0012】
配線31を介して出力される信号は、ゲートドライバ21及び配線35を介して、駆動信号としてアクティブエリアAAに与えられる。配線32を介して出力される信号は、デコーダ22及び配線36を介して切替回路エリアSAに与えられる。配線33を介して出力された信号の電位は、切替回路エリアSA及び配線37を介して、印加電位としてアクティブエリアAAに与えられる。配線34を介して出力された信号の電位は、切替回路エリアSA及び配線37を介して、リセット電位としてアクティブエリアAAに与えられる。
【0013】
図2は、ECパネル10の構成例を示す概略図である。図2に示すように、アクティブエリアAAには、複数のスイッチング素子40がマトリクス状に配置されている。以下、第1方向Dxと記載した場合、マトリクス状に配置されたスイッチング素子40の並び方向の一方をさす。第2方向Dyと記載した場合、マトリクス状に配置されたスイッチング素子40の並び方向の他方をさす。第1方向Dxと第2方向Dyとは直交する。また、第1方向Dx及び第2方向Dyに直交する方向を、第3方向Dzとする。
【0014】
図3は、アクティブエリアAAの積層構造に含まれる主要な構成を示す概略図である。図3に示すように、ECパネル10は、第1基板11と第2基板12とがEC材料15を挟んで第3方向Dzに対向することでEC材料15を封止する構成である。第1基板11及び第2基板12は、例えばガラス基板のように、透光性を有する基板である。図示しないが、Dx―Dy平面を正面視する平面視点でアクティブエリアAAを縁取るようにシール材が設けられている。EC材料15は、第1基板11、第2基板12及び当該シール材によってアクティブエリアAA内に封止される。
【0015】
第1基板11のEC材料15側の面には、第1電極13が形成されている。第2基板12のEC材料15側の面には、第2電極14が形成されている。第1電極13と第2電極14との電位差が、EC材料15への印加電圧を決定する。実施形態では、第2電極14に定電位が与えられる。ただし、「第2電極14に定電位が与えられる」とは、厳密に第2電極14全体を完全に当該定電位にすることを意味せず、端子接続等によって外部から定電位が与えられることを示すに過ぎない。実施形態1では、第2電極14の電位が静的であることを前提とするので、第1電極13の電位制御によって、EC材料15への印加電圧制御が行われる。第1電極13には、スイッチング素子40が接続されている。なお、図3では図示を省略しているが、後述する走査線350、伝送路370等の配線等、スイッチング素子40を機能させるために必要な各種の構成は、第1電極13よりも第1基板11側に設けられる積層構造内に実装される。
【0016】
図4は、スイッチング素子40の構成を示す概略的な回路図である。スイッチング素子40は、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)である。スイッチング素子40のゲートは、走査線350に接続されている。スイッチング素子40のソース又はドレインの一方は、伝送路370に接続されている。スイッチング素子40のソース又はドレインの他方は、第1電極13に接続されている。すなわち、スイッチング素子40は、走査線350を介してゲートに信号(駆動信号)が与えられたタイミングで、伝送路370を介して伝送される信号による電位(例えば、印加電位又はリセット電位)に応じた電位を第1電極13に与えるスイッチング素子として機能する。
【0017】
図4に示す伝送路370は、図2に示す伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nのいずれかである。配線37は、図2に示す伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nのように、複数の伝送路を含む。当該複数の伝送路は、切替回路エリアSAを介して配線33と接続されている。nは、スイッチング素子40の第2方向Dyの並び数及び伝送路の数を示す2以上の自然数である。第1方向Dxに並ぶ複数のスイッチング素子40は、同じ伝送路を共有する。
【0018】
伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nのような複数の伝送路はそれぞれ個別の第1切替部51,52,53,・・・,5nを介して配線33と接続されている。図2に示すように、伝送路Data_1は、第1切替部51を介して配線33と接続されている。伝送路Data_2は、第1切替部52を介して配線33と接続されている。伝送路Data_3は、第1切替部53を介して配線33と接続されている。これらと同様、伝送路Data_nは、第1切替部5nを介して配線33と接続されている。
【0019】
また、実施形態1では、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nのような複数の伝送路はそれぞれ個別の第2切替部61,62,63,・・・,6nを介して配線34と接続されている。図2に示すように、伝送路Data_1は、第2切替部61を介して配線34と接続されている。伝送路Data_2は、第2切替部62を介して配線34と接続されている。伝送路Data_3は、第2切替部63を介して配線34と接続されている。これらと同様、伝送路Data_nは、第2切替部6nを介して配線34と接続されている。当該複数の伝送路と第2切替部61,62,63,・・・,6nとが接続される位置は、当該複数の伝送路と第1切替部51,52,53,・・・,5nとが接続される位置よりもアクティブエリアAA側である。
【0020】
第1切替部51,52,53,・・・,5n及び第2切替部61,62,63,・・・,6nは、デコーダ22の制御下で動作する。
【0021】
デコーダ22は、第1切替部51,52,53,・・・,5nを個別に制御する信号を伝送する配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnと接続される。図2に示すように、配線ASW1は、デコーダ22と第1切替部51とを接続する。配線ASW2は、デコーダ22と第1切替部52とを接続する。配線ASW3は、デコーダ22と第1切替部53とを接続する。これらと同様、配線ASWnは、デコーダ22と第1切替部5nとを接続する。配線36は、配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnを含む。
【0022】
また、実施形態1では、デコーダ22は、第2切替部61,62,63,・・・,6nを一括で制御する信号を伝送する配線ASW0と接続される。配線ASW0は、デコーダ22と第2切替部61,62,63,・・・,6nとを接続する。実施形態1の配線36は、配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnに加えて、さらに、配線ASW0を含む。
【0023】
デコーダ22は、配線32を介してホスト25から与えられた信号に応じて動作し、第1切替部51,52,53,・・・,5n及び第2切替部61,62,63,・・・,6nの動作を制御する。より具体的には、デコーダ22は、いわゆる組み合わせ論理回路として機能し、配線36に含まれる配線の数よりも少ない数の配線を含む配線32を介して与えられた信号に応じて第1切替部51,52,53,・・・,5n及び第2切替部61,62,63,・・・,6nの動作を制御できる。
【0024】
図4に示す走査線350は、図2に示す走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mのいずれかである。配線35は、図2に示す走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mのように、複数の走査線を含む。ゲートドライバ21は、配線31を介してホスト25から与えられた信号に応じて動作し、走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mに順次駆動信号を与える。mは、スイッチング素子40の第1方向Dxの並び数及び走査線の数を示す2以上の自然数である。第2方向Dyに並ぶ複数のスイッチング素子40は、同じ走査線を共有する。
【0025】
図5は、駆動信号のタイミング制御を示すタイムチャートである。図5等では、タイムチャートにおける走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mの電位が駆動信号に与えられる期間にハイ(High)になり、駆動信号が与えられない期間にロウ(Low)になるものとする。
【0026】
図5に示すように、走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mに駆動信号が順次与えられる。駆動信号が与えられる走査線の切り替わりの単位になる期間を単位期間1Hとして示している。また、図5では、第1方向Dxに並ぶ走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_mの全てに1回ずつ駆動信号が与えられる期間をフレーム期間1Fとして示している。デバイス1では、フレーム期間1Fが周期的に繰り返されることでアクティブエリアAAの状態が周期的に制御される。
【0027】
以下、図5を参照して説明した単位期間1Hにおけるより詳細な信号制御について説明する。
【0028】
図6は、実施形態1における信号制御を示すタイムチャートである。図6ならびに後述する図8図10及び図11では、走査線Gate_1と走査線Gate_2に駆動信号が与えられる期間を抜粋して示すが、他の走査線に駆動信号が与えられる期間も同様の考え方による信号制御が適用される。また、これらの図におけるInput Dataは、配線33を介して与えられる信号による電位を示す。また、Vprechargeは、配線34を介して与えられる信号による電位を示す。
【0029】
まず、走査線Gate_1に駆動信号が与えられる単位期間1Hについて説明する。駆動信号が与えられる期間の開始前に、配線ASW0の電位がハイになる第1期間P1が生じる。配線ASW0の電位がハイになることで、第2切替部61,62,63,・・・,6nが接続状態(ON)になる。これによって、配線34と、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nと、が接続される。すなわち、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nに対して、Vprechargeに与えられているリセット電位V1―0が与えられる。このため、第1期間P1の時点で、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nの電位が、リセット電位V1―0に対応した電位になる。第1期間P1の終了までに、配線ASW0の電位はロウに戻る。すなわち、第1期間P1の終了までに、第2切替部61,62,63,・・・,6nが非接続状態(OFF)に戻る。
【0030】
第1期間P1の終了後、走査線Gate_1に駆動信号が与えられる第2期間P2が開始される。走査線Gate_1に駆動信号が与えられることで、図2に示すスイッチング素子40のうち、「1―1」、「1―2」、「1―3」、・・・、「1―m」と記載されたスイッチング素子40のゲートに電圧が印加され、スイッチング素子40のソース―ドレイン間が開通する。第2期間P2中、配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnの電位がそれぞれ異なるタイミングでハイになるとともに、ハイになった対象に応じた信号がInput Dataとして配線33に供給される。
【0031】
図6に示す例では、配線ASW1の電位がハイになったタイミングで、Input Dataの電位が印加電位V1―1になる。これによって、第1切替部51が接続状態(ON)になり、配線33と伝送路Data_1とが接続される。すなわち、このタイミングで伝送路Data_1に与えられている印加電位V1―1に対応した電位が、「1―1」と記載されたスイッチング素子40のソース―ドレイン間を通って、当該スイッチング素子40と接続された第1電極13に与えられる。また、配線ASW2の電位がハイになったタイミングで、Input Dataの電位が印加電位V1―2になる。従って、印加電位V1―2に対応した電位が、「1―2」と記載されたスイッチング素子40と接続された第1電極13に与えられる。また、配線ASW3の電位がハイになったタイミングで、Input Dataの電位が印加電位V1―3になる。従って、印加電位V1―3に対応した電位が、「1―3」と記載されたスイッチング素子40と接続された第1電極13に与えられる。これらと同様に、配線ASWnの電位がハイになったタイミングで、Input Dataの電位が印加電位V1―nになる。従って、印加電位V1―nに対応した電位が、「1―n」と記載されたスイッチング素子40と接続された第1電極13に与えられる。
【0032】
走査線Gate_1に駆動信号が与えられる単位期間1H(前の単位期間1H)の終了後、走査線Gate_2に駆動信号が与えられる単位期間1H(後の単位期間1H)が開始される。後の単位期間1Hでも、駆動信号が与えられる期間の開始前に、配線ASW0の電位がハイになる第1期間P1が生じ、その後に走査線Gate_2に駆動信号が与えられる第2期間P2が開始されるという流れは、前の単位期間1Hと同様である。従って、後の単位期間1Hでは、第1期間P1の時点で、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nの電位が、リセット電位V2―0に対応した電位になる。
【0033】
また、第2期間P2中、配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnの電位がそれぞれ異なるタイミングでハイになるとともに、ハイになった対象に応じた信号がInput Dataとして配線33に供給される点も、前の単位期間1Hと次の単位期間1Hとで変わらない。ただし、Input Dataに対応した電位が与えられるスイッチング素子40及び第1電極13は、駆動信号が与えられる伝送路370に対応する。従って、後の単位期間1HでInput Dataに対応した電位が与えられるスイッチング素子40は、図2で走査線Gate_2と接続されているスイッチング素子40(「2―1」、「2―2」、「2―3」、・・・、「2―n」と記載されたスイッチング素子40)である。後の単位期間1Hでは、印加電位V2―rに対応した電位が、「2―r」と記載されたスイッチング素子40のソース―ドレイン間を通って、当該スイッチング素子40と接続された第1電極13に与えられる。rは、1からnのいずれかの自然数である。
【0034】
走査線Gate_3以降の走査線350に駆動信号が与えられる単位期間1Hについては図示しないが、走査線Gate_1又は走査線Gate_2に駆動信号が与えられる単位期間1Hと同様である。
【0035】
なお、Input DataにおけるNc(No care)は、ホスト25から配線33への信号の出力がないことを示す。
【0036】
図1に示すホスト25は、図6に示すような信号制御を成立させるための各種の信号を出力する回路又は情報処理装置である。具体的には、ホスト25は、配線31を介して伝送される信号を出力してゲートドライバ21を周期的に動作させる。また、ホスト25は、配線32を介して伝送される信号を出力してデコーダ22を周期的に動作させる。また、ホスト25は、Input Dataとして示した内容に対応する信号を配線33に出力する。また、ホスト25は、Vprechargeとして機能する信号を配線34に出力する。
【0037】
ホスト25は、第1基板11上に実装されてもよいし、FPC(Flexible Printed Circuits)等の部材を介してECパネル10に接続されてもよい。なお、図2に示す五角形状の端子50は、ホスト25が実装されたFPCを接続する端子を概略的に例示したものである。ホスト25が第1基板11上に実装される場合、スイッチング素子40は省略されてよい。また、この場合、配線31,32,33,34,35,36,37は、第1基板11上に実装される配線パターンとして設けられる。一方、FPCを介してホスト25がECパネル10に接続される場合、配線31,32,33,34の一部分は、FPCに含まれる。
【0038】
以上、実施形態1について説明した。次に、実施形態1と異なる他のECパネル10Aについて、図7を参照して説明する。
【0039】
図7は、実施形態1と異なる他の構成例を示す概略図である。図7に示す他の構成例によるECパネル10Aは、配線34、第2切替部61,62,63,・・・,6n及び配線ASW0がない点で、図2を参照して説明した実施形態1のECパネル10と異なる。このような差異を示す目的で、図2において切替回路エリアSAとされた構成を、図7では切替回路エリアSA1としている。以上、特筆した事項を除いて、ECパネル10Aは、ECパネル10と同様である。
【0040】
ECパネル10Aにおける信号制御の参考例について、図8を参照して説明する。
【0041】
図8は、参考例における信号制御を示すタイムチャートである。図7を参照して説明したように、参考例が適用されるECパネル10Aには配線ASW0がない。また、参考例が適用されるECパネル10Aには配線34がないため、Vprechargeはない。このため、参考例では、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nの電位が、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位になることがない。参考例において伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nの電位が更新されるのは、第2期間P2中に配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnの電位がそれぞれ異なるタイミングでハイになるとともに、ハイになった対象に応じた印加電位がInput Dataとして配線33に与えられるタイミングのみである。
【0042】
参考例の信号制御では、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位になることがないため、あるスイッチング素子40から見て第1方向Dxの隣に位置する他のスイッチング素子40に与えられた電位が一瞬入り込む。具体例を挙げると、印加電位V2―2が与えられるのは、図7で「2―2」が記載されたスイッチング素子40である。「2―2」のスイッチング素子40には、印加電位V2―2が与えられる前に、走査線Gate_2の電位がハイになった時点からゲートに駆動信号が与えられており、ソース―ドレイン間の信号伝送が可能になっている。このため、「2―2」のスイッチング素子40には、配線ASW2の電位がハイになって印加電位V2―2のInput_Dataが与えられるタイミングまで、印加電位V1―2が与えられて第1電極13に伝送される状態になっている。同様の仕組みで、「2―3」、・・・、「2―n」のスイッチング素子40でも、本来与えられるべき信号とは異なる信号がソース―ドレイン間を通って第1電極13に与えられる状態になっている。
【0043】
このように、参考例は、各スイッチング素子40に与えられるべき電位とは異なる電位が与えられる期間が生じる信号制御になっている。このような信号制御は、EC材料15の透光の度合いと着色の度合いとして好ましくないだけでなく、各スイッチング素子40の電圧耐性の観点からも好ましくない。
【0044】
例えば、図3を参照して説明した第2電極14の電位は、第2電極14に定電位を与える構成との関係によっては、Dx―Dy平面で一律ではないことがある。一方、EC材料15の電圧応答の性質は一定である。従って、Dx―Dy平面で一律ではない第2電極14に対応して、各スイッチング素子40を介して第1電極13に与えられる電位を個別に制御することで、Dx―Dy平面全体で見た場合のEC材料15に対する印加電圧をより均一にする制御が行われることがある。このような制御では、各スイッチング素子40のソース―ドレイン間を通る信号の電圧が均一でないため、スイッチング素子40の配置によって求められるスイッチング素子40の電圧耐性がそれぞれ異なる。ここで、参考例では、図8を参照して説明したように「s―r」のスイッチング素子40に対して、「(s-1)―r」のスイッチング素子40に与えられるべき印加電位V(s-1)―rが与えられてしまう。sは、2からmのいずれかの自然数である。このような参考例で、第1方向Dxに隣り合うスイッチング素子40の電圧耐性が異なり、かつ、印加電位V(s-1)―rが「s―r」のスイッチング素子40の電圧耐性を超える電圧を生じさせる場合、「s―r」のスイッチング素子40の特性を損ない得る。
【0045】
これに対し、実施形態1では、図6を参照して説明したように、第2期間P2が生じる前に、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nの電位が、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位にされている。すなわち、当該リセット電位を全てのスイッチング素子40の電圧耐性で許容される電位にすることで、スイッチング素子40の電圧耐性を超える電位がスイッチング素子40に与えられることを抑制できる。
【0046】
また、第1方向Dxに隣り合うスイッチング素子40の電圧耐性が完全に食い違い、共有できる電位がない場合であっても、リセット電位V1―0を「1―r」のスイッチング素子40に対応させ、リセット電位V2―0を「2―r」のスイッチング素子40に対応させることで、スイッチング素子40の電圧耐性を超える電位がスイッチング素子40に与えられることを抑制できる。このように、走査線350を共有するスイッチング素子40単位でリセット電位を個別に制御できることで、スイッチング素子40の電圧耐性についてよりきめ細かに対応できる。
【0047】
なお、実施形態1では、「1―2」のスイッチング素子40には、印加電位V1―2が与えられる前に、走査線Gate_2の電位がハイになった時点からゲートに信号が与えられており、ソース―ドレイン間の信号伝送が可能になっている。このため、「1―2」のスイッチング素子40には、配線ASW2の電位がハイになって印加電位V1―2のInput_Dataが与えられるタイミングまで、リセット電位V1―0のリセット電位が与えられて第1電極13に伝送される状態になっている。同様の仕組みで、「1―3」、・・・、「1―n」のスイッチング素子40でも、個別の信号に対応した電位が与えられる前にリセット電位がソース―ドレイン間を通って第1電極13に与えられる状態になっている。このようにしてリセット電位が第1電極13に一瞬与えられることは、デバイス1のようなECデバイスでは実質的に問題にならない。なぜなら、印加電圧に応じた透光の度合いと着色の度合いがEC材料15に反映されるまでの応答速度に対して、リセット電位の印加時間を短く調整することができるためである。このような短い時間に与えられるリセット電位は、EC材料15の制御に実質的な影響を与えない。
【0048】
以上説明したように、実施形態1によれば、EC材料15を挟んで対向する2つの電極(第1電極13、第2電極14)と、当該2つの電極の一方(第1電極13)にソース又はドレインの一方が接続される複数のスイッチング素子40と、スイッチング素子40のゲートと接続される複数の走査線(走査線Gate_1,Gate_2,Gate_3,・・・,Gate_m)と、スイッチング素子40のソース又はドレインの他方と接続される複数の伝送路(伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_n)と、当該一方に与えられる印加電位が供給される第1配線(配線33)と、当該複数の伝送路の各々と、の間の接続を個別に切替可能な複数の第1切替部(第1切替部51,52,53,・・・,5n)と、を備え、当該ゲートへ伝送される駆動信号が与えられる前又は与えられた後の一方に当該伝送路のリセット電位が与えられる第1期間P1と、当該駆動信号が与えられる前又は与えられた後の他方に当該印加電位が当該伝送路に与えられる第2期間P2と、が交互に生じる。これによって、伝送路を共有するスイッチング素子40の一方に対する印加電位が与えられた後、他方に対する印加電位が与えられる前に伝送路の電位をリセットできる。従って、伝送路を共有するが接続される走査線が異なるスイッチング素子40同士の間で印加電位が共有されることを抑制できる。このように、実施形態1によれば、より適切なデバイスの制御を実現できる。
【0049】
また、リセット電位が供給される第2配線(配線34)と、当該第2配線と複数の伝送路(伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_n)との間の接続を切替可能な第2切替部(第2切替部61,62,63,・・・,6n)と、を備える。第1期間P1に、当該第2配線と当該複数の伝送路とが接続されるよう当該第2切替部が制御され、第2期間P2に、当該第1配線と当該伝送路とが接続されるよう第1切替部(第1切替部51,52,53,・・・,5n)が制御されることで、より適切なデバイスの制御をより具体的に実現できる。
【0050】
(実施形態2)
次に、実施形態1と一部が異なる実施形態2について、図9及び図10を参照して説明する。実施形態2の説明では、実施形態1と異なる事項について特筆して説明し、実施形態1と同様の事項については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0051】
図9は、実施形態2によるECパネル10Bを示す概略図である。ECパネル10Bは、2つの点で、図2を参照して説明した実施形態1のECパネル10と異なる。当該2つの点のうち一方は、配線34がないことである。当該2つの点のうち他方は、第2切替部61,62,63,・・・,6nが、第3切替部71,72,73,・・・,7nに置換されていることである。このような差異を示す目的で、図2において切替回路エリアSAとされた構成を、図9では切替回路エリアSA2としている。以上、特筆した事項を除いて、ECパネル10Bは、ECパネル10と同様である。
【0052】
第3切替部71,72,73,・・・,7nは、第1切替部51,52,53,・・・,5nと同様、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nのような複数の伝送路と配線33との間に介在して、信号の伝送経路を開閉可能に設けられる。ただし、配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnの個別の電位制御によって個別に制御される第1切替部51,52,53,・・・,5nとは異なり、第3切替部71,72,73,・・・,7nは、配線ASW0の電位制御によって一括で制御される。
【0053】
図10は、実施形態2における信号制御を示すタイムチャートである。図9を参照して説明したように実施形態2のECパネル10Bには配線34がないため、図10で示すタイムチャートには、図6で示す実施形態1のタイムチャートと異なり、Vprechargeはない。一方、実施形態2では、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位が、第1期間P1中にInput_Dataとして配線33に与えられる。
【0054】
図10に示すように、実施形態2でも、図6を参照して説明した実施形態1と同様、第1期間P1に配線ASW0の電位がハイになる。実施形態2では、これによって、第3切替部71,72,73,・・・,7nが接続状態になる(図9参照)。すなわち、第1期間P1中に、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nと配線33とが接続される。上述したように、実施形態2では、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位が、第1期間P1中にInput_Dataとして配線33に与えられるので、リセット電位が第1期間P1中に伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nに与えられる。従って、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nに与えられる信号を見た場合、実施形態2は、実施形態1と同じである。
【0055】
以上、特筆した事項を除いて、実施形態2は、実施形態1と同様である。実施形態2によれば、第1配線(配線33)と複数の伝送路(伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_n)との間の接続を一括で切替可能な第3切替部(第3切替部71,72,73,・・・,7n)を備える。第1期間P1に、リセット電位が当該第1配線に与えられ、かつ、当該第1配線と当該複数の伝送路とが接続されるよう当該第3切替部が制御され、第2期間P2に、印加電位が当該第1配線に与えられ、かつ、当該第1配線と当該伝送路とが接続されるよう当該第1切替部が制御されることで、実施形態1とは異なる態様で、実施形態1と同様の作用効果を実現できる。さらに、実施形態1と比較した場合、第2配線(配線34)を省略できる。
【0056】
(実施形態3)
次に、実施形態1,2と一部が異なる実施形態3について、図11を参照して説明する。実施形態3の説明では、実施形態1と異なる事項について特筆して説明し、実施形態1と同様の事項については、同じ符号を付して説明を省略することがある。実施形態3では、図7を参照して説明したECパネル10Aが採用される。
【0057】
図11は、実施形態3における信号制御を示すタイムチャートである。図7を参照して説明したように、実施形態3で採用されるECパネル10Aには配線ASW0がない。また、ECパネル10Aには配線34がないため、図11に示すタイムチャートには、実施形態2と同様、Vprechargeはない。また、実施形態3では、実施形態2と同様、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位が、第1期間P1中にInput_Dataとして配線33に与えられる。
【0058】
図11に示すように、実施形態3では、第1期間P1に配線ASW1,ASW2,ASW3,・・・,ASWnの全ての電位がハイになる。これによって、第1切替部51,52,53,・・・,5nが全て接続状態になる(図9参照)。すなわち、第1期間P1中に、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nと配線33とが接続される。上述したように、実施形態3では、リセット電位V1―0やリセット電位V2―0のようなリセット電位が、第1期間P1中にInput_Dataとして配線33に与えられるので、リセット電位が第1期間P1中に伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nに与えられる。従って、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nに与えられる信号を見た場合、実施形態3は、実施形態1,2と同じである。
【0059】
以上、特筆した事項を除いて、実施形態3は、実施形態1と同様である。実施形態3によれば、第1期間P1に、リセット電位が第1配線(配線33)に与えられ、かつ、当該第1配線と複数の伝送路(伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_n)とが接続されるよう第1切替部(第1切替部51,52,53,・・・,5n)が制御され、第2期間P2に、当該第1配線に印加電位が与えられ、かつ、当該第1配線と当該伝送路とが接続されるよう当該第1切替部が制御されることで、実施形態1とは異なる態様で、実施形態1と同様の作用効果を実現できる。さらに、実施形態1と比較した場合、第2配線(配線34)及び第1切替部(第1切替部51,52,53,・・・,5n)を省略できる。
【0060】
なお、図3では、スイッチング素子40毎に第1電極13が区切られている。すなわち、上述した実施形態1では、図2においてマトリクス状に配置されたスイッチング素子40毎に第1電極13がそれぞれ独立している。このような第1電極13の態様は必須でない。例えば、第2電極14のようにアクティブエリアAA内で連続する電極層と同様の構成として第1電極13が設けられてもよい。この場合であっても、複数のスイッチング素子40がそれぞれ異なる位置で係る第1電極13に接続される。係る第1電極13には、アクティブエリアAA内で電位が均一でない状態が発生し得るので、複数のスイッチング素子40の各々を介してEC材料15への印加電圧を制御する技術的意義が成立する。
【0061】
また、図3を参照した説明では、スイッチング素子40が伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nからの電圧を直接第1電極13に伝送しているが、伝送路Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_nと第1電極13との信号伝送経路上に、アンプのように信号を増幅する回路等、配線33から与えられた印加電位に基づいた処理を行う回路をさらに追加してもよい。この場合、配線33から与えられる電位は「印加電位を示す信号(の電位)」として扱われる。そして、当該電位に増幅処理等が施された電位が、印加電位として、第1電極13に与えられる。また、実施形態1,2,3のように、アンプのように信号を増幅する回路がない場合、配線33からの印加電位がそのまま第1電極13に与えられる。
【0062】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0063】
1 デバイス
10 ECパネル
11 第1基板
12 第2基板
13 第1電極
14 第2電極
15 EC材料
21 ゲートドライバ
22 デコーダ
40 スイッチング素子
51,52,53,・・・,5n 第1切替部
61,62,63,・・・,6n 第2切替部
71,72,73,・・・,7n 第3切替部
AA アクティブエリア
Data_1,Data_2,Data_3,・・・,Data_n 伝送路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11