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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160585
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】端末および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241107BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
G06Q30/06
A47F5/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075744
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】515130201
【氏名又は名称】株式会社Preferred Networks
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山川 要一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊太
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 悠一
【テーマコード(参考)】
3B118
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3B118FA11
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の品出しを容易にする。
【解決手段】本開示の一実施形態である端末は、商品を一意に特定するコードを読み取り可能な読取手段と、商品の陳列棚に装着されている当該商品の棚札に少なくとも表示されているコードであって当該商品を一意に特定するコードの、前記読取手段による読み取りに基づいて、当該商品を品出し商品として登録する登録手段と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を一意に特定するコードを読み取り可能な読取手段と、
商品の陳列棚に装着されている当該商品の棚札に少なくとも表示されているコードであって当該商品を一意に特定するコードの、前記読取手段による読み取りに基づいて、当該商品を品出し商品として登録する登録手段と、
を有する、端末。
【請求項2】
前記登録手段は、前記コードの読み取りに基づいて、当該コードの商品を、複数個の単品の商品が梱包されているケース単位で商品が保管されているバックルームから品出しされる品出し商品として登録する、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記登録手段は、前記読み取られたコードの前記商品を、前記バックルームから前記ケースの単位で品出しされる品出し商品として登録する、請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記登録手段は、前記読取手段による商品の単品販売用の前記コードの読み取りに基づいて、当該商品を、前記ケースの単位で品出しされる品出し商品として登録する、請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記読み取られたコードの前記商品について、品出しすべき数を受け付ける受付手段を有し、
前記登録手段は、前記読み取られたコードの前記商品を、前記受付手段で受け付けた数の前記ケースの分、品出しされる品出し商品として、登録する、請求項3に記載の端末。
【請求項6】
前記登録において前記登録手段は、前記読み取りに基づいて、前記商品を、所定の情報と紐付け、
前記所定の情報は、紐付けられる商品が品出し商品であると特定するための情報である、請求項1に記載の端末。
【請求項7】
前記所定の情報は、品出しリストである、請求項6に記載の端末。
【請求項8】
前記登録手段は、前記品出し商品として登録される前記商品について、前記読取手段で読み取られた当該商品の前記コードを、当該商品が品出し商品であることを示す情報とともに、送信する、請求項1に記載の端末。
【請求項9】
前記読取手段でコードが読み取られた商品を品出し商品として登録する機能を有効化および無効化する設定手段を有し、
前記読取手段は、フォーマットが異なる複数の種類のコードを読取可能であり、
前記設定手段は、前記機能の有効化に基づいて、前記読取手段によるコードの読み取りに関する設定を、特定の種類以外のコードを読み取らないように設定し、
前記登録手段は、前記読取手段による、前記特定の種類のコードであって商品を一意に特定する前記コードの読み取りに基づいて、当該商品を、品出し商品として登録する、請求項1に記載の端末。
【請求項10】
品出し商品としての前記商品の登録は、当該商品の品出しに基づいて解除される、請求項1に記載の端末。
【請求項11】
前記登録手段によって品出し商品として登録された各商品について、バックルーム内の当該商品の保管場所を前記端末のユーザに通知する通知手段と、
前記通知に応じた商品の品出しに基づいて、品出し商品としての当該商品の登録を解除する解除手段と、
を有する、請求項1に記載の端末。
【請求項12】
前記読取手段によって読み取られる前記商品の前記コードは、売場における当該商品の前記棚札にも当該商品自体にも表示されているものである、請求項1に記載の端末。
【請求項13】
前記登録手段は、前記登録において、品出し商品として登録される前記商品に対して、複数の属性のうちの少なくとも1つの属性を紐付ける、請求項1に記載の端末。
【請求項14】
前記商品に対して紐付けられ得る前記複数の属性は、当該商品の陳列棚において当該商品の在庫がない状態、及び、当該商品の陳列棚において当該商品の在庫が僅かである状態、を含む、請求項13に記載の端末。
【請求項15】
前記商品に対して紐付けられ得る前記複数の属性は、当該商品の品出しの優先度を含む、請求項13に記載の端末。
【請求項16】
前記棚札は、当該棚札に対応する商品の商品名と、当該商品の価格と、当該商品を一意に特定するコードと、を表示する値札である、請求項1乃至15のいずれかに記載の端末。
【請求項17】
前記読取手段に読み取られる、商品を一意に特定する前記コードは、当該商品の単品販売用のJANコードである、請求項1乃至15のいずれかに記載の端末。
【請求項18】
商品の陳列棚に装着されている当該商品の棚札に少なくとも表示されている情報であって読取手段が読み取った当該商品を特定するための情報に基づいて特定された商品を、品出しすべき商品のリストに登録する、情報処理装置。
【請求項19】
前記読取手段が読み取った前記商品を特定するための情報を取得し、
前記商品を特定するための情報に基づいて商品を特定する、請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記商品を特定するための情報は、前記商品の陳列棚に装着されている前記棚札に表示されているコード情報である、請求項18または19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記商品の品出しすべき数を取得し、
前記取得した前記商品の品出しすべき数を前記リストに登録する、請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記リストを端末に通知する、請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記リストに含まれる商品名を端末に通知する、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記リストに含まれる商品の保管場所を端末に通知する、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記リストに含まれる商品の品出しすべき数を端末に通知する、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項26】
前記商品の品出しすべき数は、ケースの数である、請求項21または25に記載の情報処理装置。
【請求項27】
前記読取手段は、前記棚札に表示されている予め定められたコード以外のコードを読み取らない、請求項20に記載の情報処理装置。
【請求項28】
前記品出しリストは、商品のカテゴリごと、または、従業員ごとに作成される、請求項18に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗の売場において、陳列棚に陳列されている商品が少なくなったり、欠品していたり、あるいは、顧客から売場にある商品の数よりも多い数の注文があったりした場合に、在庫が保管されているバックルームから商品を取り出してくる作業(なお、「品出し」とも呼ばれている)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-038364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
品出しにおいて、店舗の従業員は、どの商品を品出しすべきかを判断し、品出しすべき商品を覚えたり、筆記具を用いて品出しすべき商品をメモしたりするが、このような方法は作業負荷が高い。
【0005】
本開示では、商品の品出しを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態である端末は、商品を一意に特定するコードを読み取り可能な読取手段と、商品の陳列棚に装着されている当該商品の棚札に少なくとも表示されているコードであって当該商品を一意に特定するコードの、前記読取手段による読み取りに基づいて、当該商品を品出し商品として登録する登録手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る配送センターから小売店への商品の配送について説明するための図である。
図2】本開示の一実施形態に係る商品が陳列されている陳列棚に装着されている棚札について説明するための図である。
図3】本開示の一実施形態に係る各エリアに置かれている各台車について説明するための図である。
図4】本開示の一実施形態に係る台車の様子を示す図である。
図5】本開示の一実施形態に係るエリアボードの一例である。
図6】本開示の一実施形態に係る全体の構成例である。
図7】本開示の一実施形態に係る端末の機能ブロック図である。
図8】本開示の一実施形態に係る商品位置管理サーバの機能ブロック図である。
図9】本開示の一実施形態に係るデータベース記憶部に記憶されるデータの一例である。
図10】本開示の一実施形態に係る品出しリスト記憶部に記憶されるデータの一例である。
図11】本開示の一実施形態に係る品出しリストへの登録の処理のシーケンス図である。
図12】本開示の一実施形態に係る品出しリストの通知の処理のシーケンス図である。
図13】本開示の一実施形態に係る端末に表示される画面の遷移図(品出しリストの登録)である。
図14】本開示の一実施形態に係る端末に表示される画面の遷移図(品出しリストの通知)である。
図15】本開示の一実施形態に係る商品位置管理サーバ、配送センター管理サーバ、端末のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本開示の実施の形態を説明する。
【0009】
<用語の説明>
・本明細書において、「陳列棚」とは、小売店の店舗の売場で商品が並べられる場所である。なお、陳列棚は、棚に限られず、商品が並べられる任意の什器であってよい。陳列棚は、複数枚の棚板によって多段構成の什器であってよい。陳列棚には、その陳列棚に並べられている商品に対応する棚札が装着されている。陳列棚に棚札が装着されているとは、陳列棚に棚札が固定されて設置されていること、及び、着脱可能に設置されていること、並びに、陳列棚に組み込まれていること、のいずれも含む。棚札の装着される場所は、陳列棚の棚板における、売場通路側の側面であってよい。
・本明細書において、「棚札」とは、棚札と対応するように棚札のそばに置かれる商品を特定するための情報(例えば、バーコード等のコード等の任意の画像)が表示されている情報媒体である。棚札は、棚札のそばに置かれる商品の商品名と当該商品の価格との他に、当該商品を特定するための情報が表示された値札であってもよい。
・本明細書において、「コード」とは、商品(商品名等の商品情報)を一意に特定することができる情報をエンコードした任意のコード(例えば、バーコード)である。例えば、コードは、店内で商品を一意に特定することができる、単品販売用の商品のJAN(Japanese Article Number)コードである。コードは、EAN(European Article Number)コード、UPC(Universal Product Code)、GTIN(Global Trade Item Number)コードなど、JANコードとはフォーマットが異なるコードでもよい。なお、「フォーマットが異なる」とは、「規格が異なる」、「コード体系が異なる」、「コードへのエンコード時の規則が異なる」ことを含んでもよい。文脈によってコードをシンボルと読み替えてよい。
・本明細書において、「商品を特定するための情報」は、商品(商品名等の商品情報)を一意に特定することができる情報であり、コード等の任意の画像である。商品を特定するための情報は、棚札に表示されていてもよいし、商品自体に表示されていてもよい。
【0010】
・本明細書において、「小売店」とは、消費者に商品を販売する販売店である。例えば、小売店は、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、百貨店、ホームセンター等であるが、これらに限定されない。
・本明細書において、「配送センター」とは、商品の製造者等から商品を入荷して当該商品を小売店へ出荷する事業者である(なお、物流センターとも呼ばれる)。
・本明細書において、「商品」とは、任意の商品であってよい。
・本明細書において、「売場」とは、店舗内で、消費者に商品が販売される場所である。
・本明細書において、「バックルーム」とは、店舗内で、売場で販売される商品の在庫(売場に供給するための在庫商品)が保管される場所である(なお、バックヤード、倉庫とも呼ばれる)。なお、バックルームが、売場を備える店舗に併設される場合でも、この店舗は、売場とバックルームとを備えるという。
・本明細書において、「エリア」とは、バックルーム内で、台車を置く領域である。
・本明細書において、「台車」とは、商品を積載して移動可能な運搬用の道具である(なお、カート、ワゴンとも呼ばれる)。台車は、商品を積載している状態でバックルーム内を移動し、その商品は、その台車の移動先でその台車に積載されたまま保管される。例えば、商品は、台車に積載された状態で配送センターから小売店のバックルームへ納入される。
・本明細書において、「ケース」とは、バックルームにおいて単品の商品が保管されている単位であり、単品の商品が複数個梱包される容器(例えば、段ボール等の箱)である。すなわち、ある商品について、その商品の1つのケースは、複数個の単品の商品を内包する。ケースは、集合包装とも呼ばれる。
【0011】
<概要>
図1は、本開示の一実施形態に係る配送センターから小売店への商品の配送について説明するための図である。なお、図1の小売店の数、配送センターの数、エリアの数、台車の数、端末の数、従業員の数は一例であり、これらに限定されない。
【0012】
各小売店(図1の例では、小売店aおよび小売店b)には、1つまたは複数の配送センターから商品が配送される。例えば、小売店aには、複数の配送センター(図1の例では、配送センターaと配送センターb)から商品が配送され、小売店bには、1つの配送センター(図1の例では、配送センターb)から商品が配送されている。
【0013】
小売店の店舗のバックルームは、1つまたは複数のエリアを有する(図1の例では、小売店aは、エリアA、エリアB、・・・を有する)。例えば、エリアは、バックルーム内の予め決められた区画(例えば、バックルームの床に記された線によって区切られた区画)である。なお、区画を予め決めるのではなく、その場所に置かれるべき10台等の複数の台車が置かれている場所をエリアとしてもよい。
【0014】
各エリアには、1つまたは複数の台車が置かれている。図1の例では、エリアAには、台車1、台車2、・・・が置かれており、エリアBには、台車3、台車4、・・・が置かれている。
【0015】
各台車には、1つまたは複数の商品が積載されている。例えば、1つまたは複数の同一商品が1つのケース(例えば、段ボール等の箱)に梱包されて、1つまたは複数のケースが台車に積載されている。
【0016】
なお、ある商品(例えば、商品a)が、複数のエリアにあってもよい(例えば、商品aが、エリアAにもあるし、エリアBにもある)。また、ある商品(例えば、商品a)が、複数の台車にあってもよい(例えば、商品aが、台車1にもあるし、台車2にもあるし、台車3にもあるし、台車4にもある)。
【0017】
小売店のバックルームにいる従業員31は、端末30を操作する。
【0018】
本開示の一実施形態に係る店舗は、売場と、バックルームと、を含む。上述したように、バックルームは、1つまたは複数のエリアを有する。配送センターからトラック等に積載されて配送された商品は、商品搬入口を通じてトラック等からバックルームへ納入され、その後必要に応じてバックルームと売場とを繋ぐ出入口を通じて従業員31がバックルームから売場へ商品を供給する。
【0019】
図2は、本開示の一実施形態に係る商品が陳列されている陳列棚に装着されている棚札について説明するための図である。
【0020】
小売店の店舗の売場において、商品が陳列されている陳列棚には棚札が装着されている。図2は、棚札の一例を示す。なお、棚札は、電子棚札であってもよいし、紙の棚札であってもよい。
【0021】
棚札には、棚札のそばに置かれている商品の商品名と当該商品の価格とが表示されている。さらに、棚札には、商品(商品名等の商品情報)を一意に特定することができる情報(例えば、商品に固有の識別情報であるJANコード)をエンコードした任意のコード(例えば、バーコード)が表示されている。棚札には、このコードの他に、棚札を特定するためのコード(例えば、CODE128)が表示されていることがある。
【0022】
図3は、本開示の一実施形態に係る各エリアに置かれている各台車について説明するための図である。各エリア内には、1つまたは複数の台車が置かれる。図3では、3つのエリアそれぞれに2つの台車が置かれている様子が示される。なお、台車の形状および種類は一例であって、任意の形状および種類であってよい。
【0023】
図4は、本開示の一実施形態に係る台車の様子を示す図である。図4に示されるように、例えば、台車には、1つまたは複数の商品が梱包された1つまたは複数のケース(例えば、段ボール等の箱)が積載される。
【0024】
各台車に、台車IDが含まれた情報媒体(紙媒体、ICタグ等の電子媒体等)が装着されている。例えば、台車IDが含まれた情報媒体は、台車IDの文字列と、台車IDをエンコードしたバーコード等のコードと、を表示する媒体(例えば、プレート、シール、バッジ等)である。この情報媒体の台車への装着位置は、特定の位置に限定されない。なお、台車は、台車IDが含まれた情報媒体が装着された状態で納入されるものとする。また、配送センターにおいて複数の台車に積載されていた商品が1つの台車に積み替えられることがあり、この場合には、その1つの台車が、それら複数の台車それぞれの台車IDが含まれた情報媒体が装着された状態で納入されることがある。すなわち、納入される台車に、1つまたは複数の台車IDが含まれた情報媒体が装着される。
【0025】
各台車(例えば、台車の上部)に、1つのエリアボードが装着されている。以下、図5を参照しながら、エリアボードについて詳細に説明する。
【0026】
[エリアボード]
図5は、本開示の一実施形態に係るエリアボードの一例である。上述したように、1つの台車に、1つのエリアボードが装着される。商品が積載された台車がバックルームに納入されると、店舗の従業員は台車にエリアボードを装着する。
【0027】
エリアボードは、エリアを特定する情報であるエリアID(図5の例では、"A")とエリアボードを特定する情報であるボードID(図5の例では、"2")を人が読み取れるように表示し、かつ、エリアボードをバックルーム内で一意に特定することができる情報(例えば、エリアIDとボードIDの両方を示す情報、あるいは、エリアIDと予め紐付けられておりエリア間で重複しないボードIDを示す情報)をエンコードしたバーコード等のコードを表示する、情報媒体(例えば、プレート、シール、バッジ等)である。各台車に装着されたエリアボードのエリアIDとボードIDのそれぞれは、目的の商品を探す人が、その目的の商品を積載している台車をバックルームから探し出すために用いる情報であって、その台車に紐付けられている情報である。以降、この情報を、エリアボードの識別情報と呼ぶ。エリアIDおよびボードIDについては後述する。
【0028】
ボードIDは、バックルーム内で一意に特定することができる(つまり、ボードIDがエリア間で重複しない)ことが従業員31によるエリアボードの探索の観点から好ましいが、エリアIDとボードIDの両方からエリアボードをバックルーム内で一意に特定することができれば、エリア間で重複してもよい。
【0029】
なお、従業員31がエリアを識別しやすいように、エリアボードをエリアに応じた色で着色する(図5の例では、エリアボードの枠を着色する)ようにしてもよい。
【0030】
<全体の構成例>
図6は、本開示の一実施形態に係る全体の構成例である。商品位置管理システム1は、商品位置管理サーバ10と、端末30と、を含む。商品位置管理システム1は、1つまたは複数の配送センターサーバ(図6の例では、配送センター管理サーバ20Aおよび配送センター管理サーバ20B。以下、1つまたは複数の配送センター管理サーバを配送センター管理サーバ20と総称する)をさらに含んでもよい。以下、それぞれについて説明する。
【0031】
<<商品位置管理サーバ>>
商品位置管理サーバ10は、店舗の商品を管理する情報処理装置(データ処理装置)である。具体的には、商品位置管理サーバ10は、端末30からの指示に応じて、品出しすべき商品を品出しリスト(後述)に登録し、当該リストに含まれる商品の商品名、保管場所、品出しすべき数を端末30に通知することができる。商品位置管理サーバ10は、1つまたは複数のコンピュータからなる。商品位置管理サーバ10は、端末30および配送センター管理サーバ20とデータを送受信することができる。なお、商品位置管理サーバ10が複数の小売店を管理するようにしてもよいし、商品位置管理サーバ10が1つの小売店を管理する(つまり、小売店ごとに商品位置管理サーバ10が設置される)ようにしてもよい。
【0032】
<<配送センター管理サーバ>>
配送センター管理サーバ20は、商品を特定するための情報(例えば、単品販売用の商品のJANコード)と商品の商品情報(例えば、商品名)との紐付け情報(図8のデータベース記憶部103(詳細については後述する)に記憶されるデータ)を商品位置管理サーバ10へ送信する。
【0033】
[商品を特定するための情報]
ここで、「商品を特定するための情報」について説明する。「商品を特定するための情報」は、商品(商品名等の商品情報)を一意に特定することができる情報であり、コード等の任意の画像である。「商品を特定するための情報」は、売場における商品の陳列棚に装着されている棚札に表示されていてもよいし、その商品自体に表示されていてもよい。「商品を特定するための情報」は、好ましくは、その商品の棚札にもその商品自体にも表示されている同一の情報であり、これにより、その情報を、その商品自体からも、その商品が陳列棚に無い状態においてその棚札からも取得することができる。棚札に少なくとも表示されている情報とは、棚札に表示されている情報だけでなく、棚札とは異なる物(例えば商品自体)にも表示されている同一の情報も、その概念として含む。
【0034】
[コード]
「コード」は、「商品を特定するための情報」の一例であり、例えば、商品に固有の識別情報であるJANコードである。なお、コードによりエンコードされている情報を「コード情報」という。本明細書では、JANコードを用いた場合を主に説明するが、これに限定されず、文脈によってJANコードを、JANコードとは異なるフォーマットのコードと読み替えてよい。なお、棚札に少なくとも表示されているコードとは、棚札に表示されているコードだけでなく、棚札とは異なる物(例えば商品自体)にも表示されている同一のコードも、その概念として含む。
【0035】
<<端末>>
端末30は、店舗の従業員31(ユーザ)が携帯して操作する情報処理装置(データ処理装置)である。例えば、端末30は、ディスプレイを備え、ハンドターミナル、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ等の任意の端末であってよく、携帯に適したものが望ましい。端末30は、バーコードリーダ(バーコードスキャナ)などの、バーコード等のコード等の画像を読み取る機能を有する読取デバイス(読取手段ともいう)を備える。読取手段は、例えば、端末30に備えられているトリガーボタンが押されると光(例えば、赤色の光)をバーコードに照射し、その反射光を受光することでバーコードが表す情報を読み取り、トリガーボタンが押されなくなると光の照射を止める。読取手段が情報を読み取ったことに応じて、端末30は、所定の確認音を発したり、所定の確認画面をディスプレイに表示したりしてもよい。端末30は、読取手段で情報を読み取った際のトリガーボタンが押されている時間の長さに応じた付加情報を、読み取った情報に付加(紐付け)してもよい。また、端末30は、読取手段で情報を読み取る前、あるいは、読取手段で読み取った後に、端末30を操作して、その情報に付加情報を付加(紐付け)してもよい。
【0036】
この読取手段が、フォーマットが異なる複数の種類のコード(例えば、JANコードとCODE128)を読み取ることができる場合、従業員31が、商品を特定するための情報をエンコードした特定の種類のコード(例えば、JANコード)を端末30で読み取ろうとしたが、他の種類のコード(例えば、棚札自体を特定するためのコード(例えば、CODE128))が誤って読み取られてしまうことを防ぐために、読取手段の設定(コンフィグレーション)を、読取手段が、この特定の種類のコードを除く他の種類のコードを読み取らないように設定してもよい。この設定は、読取手段が、受光した反射光のパターンが特定の種類のコードのパターンに合致するかを判定し、合致したパターンのコードについてのみ、そのコードの情報を読み取る設定でもよい。また、この設定は、読取手段が、受光した反射光のパターンが複数の種類のコードのパターンのいずれに合致するかを判定し、特定の種類のコードのパターンに合致したコードについてはそのコードの情報を読み取り、特定の種類のコードとは異なる他の種類のコードのパターンに合致したコードについてはそのコードの情報を読み取らない設定でもよい。また、この設定は、読取手段が、受光した反射光のパターンが複数の種類のコードのパターンのいずれに合致するかを判定し、特定の種類のコードのパターンに合致したコードについてはそのコードの情報を読み取り、特定の種類のコードとは異なる他の種類のコードのパターンに合致したコードについてはそのコードの情報を読み取るが破棄する設定でもよい。端末30は、この設定が有効である間、特定の種類のコードが読取手段で読み取られると所定の確認音を発したり所定の確認画面をディスプレイに表示したりするが、それ以外の種類のコードについては所定の確認音を発したり所定の確認画面をディスプレイに表示したりもしないでよい。端末30は、後述の「品出しリストを作成する機能(品出しリスト管理)が指定されたときにこの設定が有効になるように、構成されていてもよい。
【0037】
[紐付け]
ここで、紐付けについて説明する。「紐付ける」とは、直接的に紐付けることと、間接的に紐付けることと、の両方の概念を含む。「AとBとを直接的に紐付けて登録する」とは、「AからB、および/または、BからAを直接的に参照可能にすること。例えば、データベースの1レコードの項目aとbそれぞれにAとBを登録すること」である。また、「AとBを紐付ける」とは、「AとBとを1つのデータに結合すること(例えば、BをAのメタデータとしてAとBを結合する)」である(なお、読み取った情報への付加情報の紐付け方法は、例えば、付加情報を、読み取った情報のメタデータとするように読み取った情報と付加情報とを1つのデータに結合する方法が挙げられるが、これに限定されない)。「AとBとを間接的に紐付けて登録する」とは、「AからB、および/または、BからAを他の項目を参照することで間接的に参照可能にすること。例えば、データベースの1レコードの項目aとcそれぞれにAとCを登録し、当該データベースとは別のデータベースの1レコードの項目cとbそれぞれにCとBを登録すること」である。
【0038】
<機能ブロック>
図7は、本開示の一実施形態に係る端末30の機能ブロック図である。端末30は、読み取り部301と、品出し数取得部302と、登録部303と、設定部304と、通知部305と、解除部306と、リスト登録要求部307と、を備えることができる。端末30は、後述のように1つ以上のメモリと1つ以上のプロセッサを有し、このプロセッサがプログラムを実行することによって、読み取り部301、品出し数取得部302、登録部303、設定部304、通知部305、解除部306、リスト登録要求部307、として機能することができる。
【0039】
読み取り部(読取手段ともいう)301は、商品を一意に特定するコードを読み取る。
【0040】
品出し数取得部(受付手段ともいう)302は、コード情報が読み取られた商品について、品出しすべき数を受け付ける。
【0041】
登録部(登録手段ともいう)303は、読み取り部301による商品を一意に特定するコードの読み取りに基づいて、商品を、品出し商品として登録する。
【0042】
登録部303は、読み取り部301による読み取りに基づいて、商品を、所定の情報と紐付けてもよい。なお、所定の情報は、紐付けられる商品が品出し商品であると特定するための情報である。
【0043】
登録部303は、品出し商品として登録される商品について、読み取り部301で読み取られた当該商品のJANコードを、当該商品のJANコードが品出し商品のJANコードであることを示す情報とともに、送信してもよい。この情報は、この商品が品出し商品であると特定するための所定の情報の一例である。
【0044】
登録部303は、読み取り部301による商品の単品販売用のJANコードの読み取りに基づいて、当該商品を、複数個の単品の商品が梱包されているケース単位で品出しする品出し商品として、登録してもよい。
【0045】
登録部303は、商品を、複数個の単品の商品が梱包されているケースを、品出し数取得部302で受け付けた数の分、品出しする品出し商品として、登録してもよい。
【0046】
登録部303は、登録において、品出し商品として登録される商品に対して、複数の属性のうちの少なくとも1つの属性を紐付けてもよい。商品に対して紐付けられ得る複数の属性は、当該商品の陳列棚において当該商品の在庫がない状態、および、当該商品の陳列棚において当該商品の在庫が僅かである状態、を含んでもよい。商品に対して紐付けられ得る複数の属性は、当該商品の品出しの優先度を含んでもよい。
【0047】
設定部304は、読み取り部301でJANコードが読み取られた商品を品出し商品として登録する機能を有効化および無効化する。設定部304は、当該機能の有効化に基づいて、読み取り部301によるコードの読み取りに関する設定を、JANコードではない他の種類のコードを読み取らないように設定してよい(なお、読み取り部301は、JANコードを含む複数の種類のフォーマットのコードを読取可能であるとする)。
【0048】
通知部305は、登録部303によって品出し商品として登録された各商品について、バックルーム内の当該商品の保管場所を端末30のユーザに通知する。
【0049】
解除部306は、通知部305による通知に応じた商品の品出しに基づいて(例えば、図14のS207の「積み出し」ボタンの押下に基づいて)、品出し商品としての当該商品の登録を解除する。つまり、登録部303によって品出し商品として登録された商品は、バックルームから品出しされ、品出し商品としての商品の登録は、当該商品の品出しに基づいて解除される。
【0050】
リスト登録要求部307は、商品位置管理サーバ10に対して、商品を品出しリストに登録する(商品を品出し商品として登録する)よう要求する。例えば、リスト登録要求部307は、読み取り部301によって読み取られたコード情報、および、品出し数取得部302によって取得された品出しすべき数を、商品位置管理サーバ10に通知して品出しリストに登録するよう要求してよい。
【0051】
図8は、本開示の一実施形態に係る商品位置管理サーバ10の機能ブロック図である。商品位置管理サーバ10は、コード取得部101と、商品特定部102と、データベース記憶部103と、品出しリスト登録部104と、品出しリスト記憶部105と、品出しリスト通知部106と、を備えることができる。商品位置管理サーバ10は、後述のように1つ以上のメモリと1つ以上のプロセッサを有し、このプロセッサがプログラムを実行することによって、コード取得部101、商品特定部102、品出しリスト登録部104、品出しリスト通知部106、として機能することができる。
【0052】
コード取得部101は、端末30の読取手段が読み取った、商品を特定するための情報(例えば、棚札に表示されているコード情報、単品販売用の商品のコード情報)、および、当該商品の品出しすべき数を取得する。
【0053】
商品特定部102は、コード取得部101が取得した商品を特定するための情報に基づいて商品を特定する。具体的には、商品特定部102は、データベース記憶部103を参照して、コード取得部101が取得した商品のコード情報に紐付けられている商品情報を特定する。
【0054】
データベース記憶部103には、商品のコード情報(例えば、単品販売用の商品のJANコードが示す数字)と、商品の商品情報と、商品の保管場所情報(例えば、エリアIDおよびボードID)と、その保管場所に保管されている商品の数(例えば、商品が梱包されているケースの個数)と、が紐付けられたデータベースが記憶されている。
【0055】
なお、データベース記憶部103に記憶されている、商品のコード情報と商品の商品情報との紐付け情報は、配送センター管理サーバ20から送信されたものを用いてもよいし、商品位置管理サーバ10の管理者等によって作成されたものを用いてもよい。
【0056】
品出しリスト登録部104は、商品特定部102が特定した商品を品出しリストに登録して、品出しすべき商品が登録された品出しリストを品出しリスト記憶部105に記憶する。
【0057】
品出しリスト記憶部105には、品出しすべき商品が登録された品出しリスト(つまり、従業員31が、商品のコード情報を端末30の読取手段で読み取ることで、品出しすべき商品を登録したリスト)が記憶されている。品出しリストは、品出しすべき商品の商品情報と、当該商品が保管されているバックルーム内の台車等の保管場所情報(例えば、エリアIDおよびボードID)と、当該商品の品出しすべき数(例えば、ケースの個数)と、を含むことができる。
【0058】
品出しリスト通知部106は、品出しリストを端末30に通知する。具体的には、品出しリスト通知部106は、品出しリストに含まれる商品の商品名、当該商品の保管場所、当該商品の品出しすべき数、を端末30に通知する。
【0059】
図9は、本開示の一実施形態に係るデータベース記憶部103に記憶されるデータの一例である。
【0060】
データベース記憶部103には、商品のコード情報と、商品の商品情報と、商品の保管場所情報と、保管されている商品の数と、が紐付けられたデータベースが記憶されている。
【0061】
なお、1つの商品情報に対して、1つまたは複数のコード情報(例えば、同一の商品名の商品に対して異なる時期に付けられたJANコード)が紐付けられてよい。
【0062】
[保管場所情報]
ここで、保管場所情報について説明する。保管場所は、商品が保管される任意の場所であってよい。例えば、保管場所は、バックルーム内のエリアに置かれた台車であり、保管場所情報は、エリアボードの識別情報である。
【0063】
「エリアID」は、台車が置かれているエリアの識別子である。台車が置かれているエリアとは、その台車が、商品を積載した状態で移動してその移動先でその商品を積載したまま保管する場合の、その台車の移動先である。なお、本開示において「エリア」とは、文脈によって、エリアを特定する情報(例えばエリアID)と適宜読み替えてよい。
【0064】
「ボードID」は、台車に装着されているエリアボードの識別子である。なお、本開示において「台車」とは、文脈によって、台車に装着されているエリアボードを特定する情報(例えばボードID)と適宜読み替えてよい。
【0065】
以下、他の保管場所情報の例を説明する。
【0066】
例えば、保管場所情報は、台車ID(バックルームに置かれている台車(例えば、配送センターから小売店へ納入された台車)ごとに付与されている、台車の識別子)であってもよい。
【0067】
例えば、保管場所情報は、バックルーム内の台車に限らず、商品が保管されている棚等を一意に特定することができる情報であってもよい。
【0068】
例えば、保管場所情報は、店舗名を含んでもよい。この場合、各店舗の従業員は、自店舗だけでなく他店舗の商品の在庫も探すことができるようになる。
【0069】
図10は、本開示の一実施形態に係る品出しリスト記憶部105に記憶されるデータの一例である。
【0070】
品出しリスト記憶部105には、品出しすべき商品が登録された品出しリストが記憶されている。
【0071】
例えば、品出しリストは、商品のカテゴリごとに作成される(つまり、カテゴリ1の商品の品出しリスト、カテゴリ2の商品の品出しリスト、・・・が作成される)。例えば、品出しリストは、従業員31ごとに作成される。例えば、品出しリストは、端末30ごとに作成される。カテゴリとは、飲料、製菓、調味料、などの商品の種類ごとのものであってもよいし、売場のレイアウトに準じた区画ごとのものであってもよい。
【0072】
<方法>
図11を参照しながら品出しリストへの登録の処理について説明し、図12を参照しながら品出しリストの通知の処理について説明する。
【0073】
なお、図11および図12を参照して説明される以下の実施形態では、1つの端末30と商品位置管理サーバ10とが互いに通信して情報(データ)の送受信を行って処理を遂行するが、複数の端末30のそれぞれと商品位置管理サーバ10とが互いに通信して情報の送受信を行って処理を遂行してもよい。この場合、ある端末30が図11および図12の処理シーケンスを行っている最中に、別の端末30が図11および図12の処理シーケンスを行ってよく、これら処理シーケンスにおいて商品位置管理サーバ10で管理・記憶される同じデータベースが参照され、各端末30を操作する従業員は同時に作業することできる。また、これら処理シーケンスにおいて、各端末30の操作結果は、リアルタイムでデータベースに反映され、各処理シーケンスはその反映結果をすぐに参照できる。すなわち、第1の端末30の処理シーケンスの最中に、別の第2の端末30の処理シーケンスによってデータベースを更新でき、その更新されたデータベースは第1の端末30の処理シーケンスによって参照できる。
【0074】
図11は、本開示の一実施形態に係る品出しリストへの登録の処理のシーケンス図である。
【0075】
まず、端末30における、品出しすべき数の商品を品出し商品として登録する処理について説明する。この登録処理は、例えば、3つの情報(「品出しリスト(品出し商品が登録される品出しリストの識別子。例えば、図13のS103で選択されたカテゴリごとの品出しリストの識別子)」と、「商品(例えば、商品の識別子としてのJANコード)」と、「品出しすべき数」、の3つ)の紐付けによって行われてよい。「品出しリスト」は、紐付けられる商品が品出し商品であると特定するための所定の情報の一例である。以下、紐付け方法の例を説明する。なお、カテゴリごとの品出しリストの場合を説明するが、従業員の識別情報に紐付けることによって従業員ごとの品出しリスト等としてもよい。
【0076】
例えば、端末30は、紐付けの対象である3つの情報を相互に参照可能にするリンクデータを生成して記憶することによって、リンクデータで相互に参照可能な3つの情報を紐付けてもよい。端末30は、このリンクデータを商品位置管理サーバ10へ送信することによっても、これら3つの情報を紐付けてもよい。
【0077】
例えば、端末30は、紐付けの対象である3つの情報に共通するメタデータを3つの情報に付すことによって、同じメタデータを有する3つの情報を紐付けてもよい。端末30は、共通するメタデータを有する3つの情報を商品位置管理サーバ10へ送信することによっても、これら3つの情報を紐付けてもよい。
【0078】
例えば、端末30は、紐付けの対象である3つの情報の送信の開始と終了を示すデータ(つまり、3つの情報のうち最初に送信する情報の送信の開始を示すデータ、および、3つの情報のうち最後に送信する情報の送信の終了を示すデータ)を生成して記憶することによって、この送信の開始から終了までの同一期間内に送信される3つの情報を紐付けてもよい。端末30は、3つの情報およびこれら3つの情報の送信の開始と終了を示すデータを商品位置管理サーバ10へ送信することによっても、これら3つの情報を紐付けてもよい。
【0079】
例えば、端末30は、紐付けの対象である3つの情報を1つのデータにまとめることによって、1つのデータに含まれる3つの情報を紐付けてもよい。端末30は、3つの情報を1つのデータにまとめて商品位置管理サーバ10へ送信することによっても、これら3つの情報を紐付けてもよい。
【0080】
例えば、端末30は、紐付けの対象である3つの情報を予め定められた順序で送信することを決定することによって、3つの情報を紐付けてもよい。端末30は、3つの情報を所定の順序で商品位置管理サーバ10へ送信することによっても、これら3つの情報を紐付けてもよい。
【0081】
ステップ11(S11)において、端末30は、読取手段でJANコードが読み取られた商品を品出し商品として登録する機能を有効化する。端末30は、当該機能の有効化に基づいて、読取手段によるコードの読み取りに関する設定を、JANコードではない他の種類のコードを読み取らないように設定する(なお、読取手段は、JANコードを含む複数の種類のコードを読取可能であるとする)。
【0082】
例えば、従業員31が、端末30に表示された図13のS101の画面で「品出しリスト管理」を指定してS102の画面が表示されると、端末30は、JANコードではない他の種類のコードを読み取らない設定を有効にする。なお、端末30は、品出しリストの保存が完了して図13のS101の画面に戻ってくると、当該設定を無効にする。このS11の処理はオプショナルでよい。
【0083】
ステップ12(S12)において、端末30は、品出しリスト管理の機能が利用されている間に商品のコード情報を読取手段で読み取ることで、その商品を品出しリストと紐付ける。すなわち、端末30は、読取手段でコード情報を読み取った商品を品出しされる商品(品出し商品)として特定して登録する機能が有効であるときに、商品のコード情報を読み取ることで、その商品を品出し商品として特定する。そして、端末30は、品出し商品として特定した商品のコード情報(例えば、商品が陳列されている陳列棚に装着されている棚札に表示されている商品のコード情報)を、品出し商品のコード情報として、商品位置管理サーバ10へ送信する。このとき、端末30は、送信するコード情報が品出し商品のコード情報であることを少なくとも商品位置管理サーバ10によって識別可能とする情報とともに、商品位置管理サーバ10にコード情報を送信する。例えば、端末30は、送信されるコード情報が品出し商品のコード情報であることを商品位置管理サーバ10に知らしめる情報をメタデータとして有する、商品のコード情報を含むデータ(登録リクエスト)を、商品位置管理サーバ10に送信する。
【0084】
例えば、従業員31は、端末30に表示された図13のS104の画面の指示にしたがって、品出ししたい商品のコード情報を、端末30の読取手段で読み取る。その後、端末30は、当該読み取った商品のコード情報を商品位置管理サーバ10へ送信する。
【0085】
なお、端末30は、棚札に表示されているコードからコード情報を読み取ってもよいし、商品自体に表示されているコードからコード情報を読み取ってもよい。
【0086】
ステップ13(S13)において、商品位置管理サーバ10は、S12で取得した商品のコード情報に基づいて商品を特定する。具体的には、商品位置管理サーバ10は、データベース記憶部103を参照して、S12で取得した商品のコード情報に紐付けられている商品情報を特定する。商品位置管理サーバ10は、特定した商品情報を端末30に送信する。なお、本ステップの処理を商品位置管理サーバ10の代わりに端末30が実行してもよい。
【0087】
ステップ14(S14)において、端末30は、商品位置管理サーバ10から取得した商品情報あるいは自身で特定した商品情報を、図13のS105の画面のように、品出しする商品として、端末30の画面に表示する。このとき端末30は、品出しする各商品について、品出しすべき商品の数を表示する。
【0088】
ステップ15(S15)において、端末30は、品出しリスト管理の機能が利用されている間に、S12で取得したコード情報の商品の品出しすべき数を、品出しリストと紐付ける。すなわち、端末30は、読取手段でコード情報を読み取った商品を品出しされる商品(品出し商品)として登録(特定)する機能が有効であるときに、商品のコード情報を読み取ることで、その商品を品出し商品として特定する。そして、端末30は、品出しすべき商品(つまり、S12でコード情報が読み取られた商品)の品出しすべき数を商品位置管理サーバ10へ送信する。
【0089】
例えば、同一のコード情報が複数回読み取られた場合、同一のコード情報が読み取られた回数を品出しすべき商品の数(例えば、ケースの個数)とする(つまり、同一のコード等がN回読み取られた場合には、品出しすべき商品の数(例えば、ケースの個数がN個であるとする)ことができる。なお、従業員31が端末30を操作して端末30の画面に入力した数を品出しすべき商品の数としてもよい。
【0090】
上述したように、品出しすべき数の商品を品出し商品として登録するため、端末30は、「品出しリスト」と、「商品」と、「品出しすべき数」、の3つの情報を紐付ける。なお、端末30がコード情報をサーバ10へ送信し、サーバ10が受信したコード情報から商品情報を特定して端末30へ送信し、品出しリストと端末30が受信した商品情報と品出しすべき数とを紐付けてサーバ10へ送信してもよいし、あるいは、端末30が品出しリストとJANコードと品出しすべき数とを紐付けてサーバ10へ送信してもよい。「品出しリストと商品情報と品出しすべき数を端末30がサーバ10へ送信すること」も、「品出しリストとJANコードと品出しすべき数を端末30がサーバ10へ送信すること」も、概念的には品出しリストと商品と品出しすべき数とを紐付ける、と呼ぶ。
【0091】
ステップ16(S16)において、商品位置管理サーバ10は、S13で特定した商品の保管場所を特定する。具体的には、商品位置管理サーバ10は、データベース記憶部103を参照して、S13で特定した商品の商品情報に紐付けられている保管場所情報を特定する。
【0092】
ステップ17(S17)において、商品位置管理サーバ10は、S13で特定した商品情報と、S16で特定した商品の保管場所情報と、S15で取得した商品の数と、を品出しリストに登録して、品出しすべき商品が登録された品出しリストを品出しリスト記憶部105に記憶する。
【0093】
図12は、本開示の一実施形態に係る品出しリストの通知の処理のシーケンス図である。
【0094】
ステップ21(S21)において、端末30は、商品位置管理サーバ10に対して品出しリストを要求する。
【0095】
ステップ22(S22)において、商品位置管理サーバ10は、S21の要求に応じて、品出しリストに含まれている商品が保管されているエリアを端末30に通知する。具体的には、商品位置管理サーバ10は、品出しリストに含まれている1つまたは複数のエリアを特定する情報(例えば、エリアID)を抽出して、当該抽出した1つまたは複数のエリアを特定する情報(例えば、エリアID)を端末30に通知する(例えば、図14のS204)。
【0096】
ステップ23(S23)において、端末30は、従業員31がS22で通知されたエリアのうちのいずれかのエリアに到着したこと(例えば、図14のS204のエリアのリストのなかから選択されたエリア)を商品位置管理サーバ10に通知する。
【0097】
ステップ24(S24)において、商品位置管理サーバ10は、S23の通知に応じて、S23で通知されたエリア内で品出しすべき商品が保管されている台車を端末30に通知する。具体的には、商品位置管理サーバ10は、品出しリストに含まれている当該エリア内の1つまたは複数の台車を特定する情報(例えば、ボードID)を抽出して、当該抽出した1つまたは複数の台車を特定する情報(例えば、ボードID)を端末30に通知する(例えば、図14のS205)。
【0098】
ステップ25(S25)において、端末30は、従業員31がS24で通知された台車のうちのいずれかの台車に到着したこと(例えば、図14のS205の台車のリストのなかから選択された台車)を商品位置管理サーバ10に通知する。
【0099】
ステップ26(S26)において、商品位置管理サーバ10は、S25の通知に応じて、S25で通知された台車に積載されている品出しすべき商品および数を端末30に通知する。具体的には、商品位置管理サーバ10は、品出しリストに含まれている当該台車内の1つまたは複数の商品情報を抽出して、当該抽出した1つまたは複数の商品情報を端末30に通知する(図14のS206)。
【0100】
ステップ27(S27)において、端末30は、従業員31がS26の商品を取り出したか否かを商品位置管理サーバ10に通知する。具体的には、端末30は、従業員31が端末30に入力した(例えば、図14のS207の画面に入力した)商品の取り出しの結果(取り出された商品とその数)を商品位置管理サーバ10に通知する。具体的には、端末30は、商品の品出しに基づいて(例えば、図14のS207の「積み出し」ボタンの押下に基づいて)、品出し商品としての当該商品の登録を解除する。なお、商品が取り出されなかった(つまり、従業員31が商品を見つけられなかった、見つけたけれども取り出せなかった等(例えば、図14のS207の「見つからない」ボタンが押下される))場合、S27において端末30は、その旨を商品位置管理サーバ10に通知する。
【0101】
ステップ28(S28)において、商品位置管理サーバ10は、S27で商品が取り出された場合には、品出しリストを更新する(つまり、S27において端末30から通知された、取り出された商品及びその数に応じて、当該商品の在庫数(品出しリスト記憶部105とデータベース記憶部103の在庫商品の数)が減らされる)。商品位置管理サーバ10は、品出しリストの更新後、S22またはS24へ戻り、次に取り出すべき商品が保管されているエリアまたは台車を端末30に通知する。
【0102】
なお、商品位置管理サーバ10は、S27で商品が取り出されなかった(つまり、従業員31が商品を見つけられなかった、見つけたけれども取り出せなかった等(例えば、図14のS207の「見つからない」ボタンが押下される))旨が端末30から通知されたことに応じて、他の台車に当該商品が保管されているときにはその旨を、図14の[別の台車の通知]画面のように端末30に通知する。図14の[別の台車の通知]で「積み出し」ボタンが押下されると、品出しリストが更新されて(在庫商品の数が減らされて)S22またはS24へ戻り、[後で]ボタンが押下されると、品出しリストが更新されることなく(在庫商品の数が減らされることなく)S22またはS24へ戻る。
【0103】
<画面>
図13を参照しながら品出しリストへの登録の際に端末30に表示される画面について説明し、図14を参照しながら品出しリストの通知の際に端末30に表示される画面ついて説明する。
【0104】
なお、端末30のディスプレイで指定された情報は、端末30から商品位置管理サーバ10に通知(送信)され、商品位置管理サーバ10によって処理される。処理結果としての画面情報を商品位置管理サーバ10が端末30に通知(送信)すると、端末30は、その画面情報に基づいた画面を表示する。
【0105】
図13は、本開示の一実施形態に係る端末30に表示される画面の遷移図(品出しリストの登録)である。
【0106】
ステップ101(S101)は、在庫管理のアプリケーションのメニュー画面である。
【0107】
例えば、従業員31が端末30を操作して、在庫管理のアプリケーションを起動させると、端末30は、S101のようなメニュー画面を表示する。従業員31は、メニュー画面上で、品出しリストを作成する機能(品出しリスト管理)を指定することができる。S101の画面で「品出しリスト管理」が指定されると、S102の画面へ進む。
【0108】
ステップ102(S102)およびステップ103(S103)は、品出しリストを作成する商品のカテゴリを選択する画面である。S102の画面で商品のカテゴリのリストを表示するよう指示が入力されると、S103のような商品のカテゴリのリストが表示される。従業員31は、S103の画面で、品出しリストを作成する商品のカテゴリを選択する。S103の画面で商品のカテゴリが選択されると、S104の画面へ進む。
【0109】
ステップ104(S104)は、商品を特定するための情報を読み取る画面である。従業員31は、商品を特定するための情報(例えば、棚札に表示されているコード)を端末30の読取手段で読み取る。読み取り後、ステップ105の画面が表示される。
【0110】
なお、S104において、同一のコードが複数回読み取られてもよい。
【0111】
ステップ105(S105)は、S104の読み取りの結果を示す画面である。具体的には、各商品の商品名(つまり、S104で読み取られたコード等に紐付けられている商品名)、および、当該各商品の品出しすべき数(例えば、ケースの個数)が表示される。S104で同一のコード等が複数回読み取られた場合、同一のコード等が読み取られた回数を商品の品出しすべき数とする。
【0112】
なお、上記のように同一のコードが読み取られた回数を商品の品出しすべき数とするのではなく、従業員31が図13の[必要箱数選択]の画面に入力した数を商品の品出しすべき数としてもよい。
【0113】
すべての商品のコードが読み取られた後、S105の「品出しリストを保存」ボタンが押下されると、品出しリストが保存される。
【0114】
ステップ106(S106)は、S105で保存が完了した品出しリストを示す画面である。
【0115】
図14は、本開示の一実施形態に係る端末に表示される画面の遷移図(品出しリストの通知)である。
【0116】
ステップ201(S201)は、在庫管理のアプリケーションのメニュー画面である。
【0117】
例えば、従業員31が端末30を操作して、在庫管理のアプリケーションを起動させると、端末30は、S201のようなメニュー画面を表示する。従業員31は、メニュー画面上で、品出しすべき商品をバックルームで探す機能(品出しリスト)を指定することができる。S201の画面で「品出しリスト」が指定されると、S202の画面へ進む。
【0118】
ステップ202(S202)およびステップ203(S203)は、品出しをする商品のカテゴリを選択する画面である。S202の画面で商品のカテゴリのリストを表示するよう指示が入力されると、S203のような商品のカテゴリのリストが表示される。従業員31は、S203の画面で、品出しをする商品のカテゴリを選択する。S203の画面で商品のカテゴリが選択されると、S204の画面へ進む。
【0119】
なお、各カテゴリ名とともに表示される数字(かっこ内の数字)は、各カテゴリにおける品出しすべき商品の数である。
【0120】
ステップ204(S204)は、S203で選択されたカテゴリの品出しリストに含まれている商品が保管されているエリアのリスト(例えば、エリアIDのリスト)を表示する画面である。従業員31は、S204の画面で、従業員31が到着したエリアを選択する。S204の画面でエリアが選択されると、S205の画面へ進む。このように、エリアごとに品出しすべき商品を通知するので、従業員31は効率よく品出しをすることができる。
【0121】
なお、各エリアとともに表示される数字(かっこ内の数字)は、各エリアにおける品出しすべき商品の数である。例えば、エリアは品出しすべき商品の数が多い順に表示され、従業員31は上から順に(商品の数が多いエリアから順に)商品を取り出す。
【0122】
ステップ205(S205)は、S204で選択されたエリア内で品出しすべき商品が保管されている台車のリスト(例えば、ボードIDのリスト)を表示する画面である。従業員31は、S205の画面で、従業員31が到着した台車を選択する。S205の画面で台車が選択されると、S206の画面へ進む。このように、台車ごとに品出しすべき商品を通知するので、従業員31は効率よく品出しをすることができる。
【0123】
なお、各台車とともに表示される数字(かっこ内の数字)は、各台車における品出しすべき商品の数である。例えば、台車は品出しすべき商品の数が多い順に表示され、従業員31は上から順に(商品の数が多い台車から順に)商品を取り出す。
【0124】
ステップ206(S206)は、S205で選択された台車に積載されている品出しすべき商品のリスト(例えば、商品名のリスト)を表示する画面である。
【0125】
ステップ207(S207)は、従業員31が商品の取り出しの結果を入力するための画面である。商品が取り出されなかった(つまり、従業員31が商品を見つけられなかった、見つけたけれども取り出せなかった等の事情により「見つからない」ボタンが押下された)場合には、他の台車に当該商品が保管されているときにはその旨(図14の[別の台車の通知])を端末30に通知する。
【0126】
<効果>
このように、本開示の一実施形態では、小売店の店舗の従業員は、売場において、商品が陳列されている陳列棚に装着されている棚札に少なくとも表示されているコードを端末で読み取るだけで、品出しすべき商品を品出しリストに登録することができる。さらに、品出しリストに含まれる各商品が保管されているバックルーム内の台車等の保管場所が端末に通知されるので、従業員は、通知にしたがうだけで容易に品出しをすることができる。
【0127】
<ハードウェア構成>
前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)の一部又は全部は、ハードウェアで構成されていてもよいし、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等が実行するソフトウェア(プログラム)の情報処理で構成されてもよい。ソフトウェアの情報処理で構成される場合には、前述した実施形態における各装置の少なくとも一部の機能を実現するソフトウェアを、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的な記憶媒体(非一時的なコンピュータ可読媒体)に収納し、コンピュータに読み込ませることにより、ソフトウェアの情報処理を実行してもよい。また、通信ネットワークを介して当該ソフトウェアがダウンロードされてもよい。さらに、ソフトウェアの処理の全部又は一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路に実装されることにより、当該ソフトウェアによる情報処理がハードウェアにより実行されてもよい。
【0128】
ソフトウェアを収納する記憶媒体は、光ディスク等の着脱可能なものでもよいし、ハードディスク、メモリ等の固定型の記憶媒体であってもよい。また、記憶媒体は、コンピュータ内部に備えられてもよいし(主記憶装置、補助記憶装置等)、コンピュータ外部に備えられてもよい。
【0129】
図15は、前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。各装置は、一例として、プロセッサ1001と、主記憶装置1002(メモリ)と、補助記憶装置1003(メモリ)と、ネットワークインタフェース1004と、デバイスインタフェース1005と、を備え、これらがバス1006を介して接続されたコンピュータ1000として実現されてもよい。
【0130】
図15のコンピュータ1000は、各構成要素を一つ備えているが、同じ構成要素を複数備えていてもよい。また、図15では、1台のコンピュータ1000が示されているが、ソフトウェアが複数台のコンピュータにインストールされて、当該複数台のコンピュータそれぞれがソフトウェアの同一の又は異なる一部の処理を実行してもよい。この場合、コンピュータそれぞれがネットワークインタフェース1004等を介して通信して処理を実行する分散コンピューティングの形態であってもよい。つまり、前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)は、1又は複数の記憶装置に記憶された命令を1台又は複数台のコンピュータが実行することで機能を実現するシステムとして構成されてもよい。また、端末から送信された情報をクラウド上に設けられた1台又は複数台のコンピュータで処理し、この処理結果を端末に送信するような構成であってもよい。
【0131】
前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)の各種演算は、1又は複数のプロセッサを用いて、又はネットワークを介した複数台のコンピュータを用いて、並列処理で実行されてもよい。また、各種演算が、プロセッサ内に複数ある演算コアに振り分けられて、並列処理で実行されてもよい。また、本開示の処理、手段等の一部又は全部は、ネットワークを介してコンピュータ1000と通信可能なクラウド上に設けられたプロセッサ及び記憶装置の少なくとも一方により実現されてもよい。このように、前述した実施形態における各装置は、1台又は複数台のコンピュータによる並列コンピューティングの形態であってもよい。
【0132】
プロセッサ1001は、少なくともコンピュータの制御又は演算のいずれかを行う電子回路(処理回路、Processing circuit、Processing circuitry、CPU、GPU、FPGA、ASIC等)であってもよい。また、プロセッサ1001は、汎用プロセッサ、特定の演算を実行するために設計された専用の処理回路又は汎用プロセッサと専用の処理回路との両方を含む半導体装置のいずれであってもよい。また、プロセッサ1001は、光回路を含むものであってもよいし、量子コンピューティングに基づく演算機能を含むものであってもよい。
【0133】
プロセッサ1001は、コンピュータ1000の内部構成の各装置等から入力されたデータやソフトウェアに基づいて演算処理を行ってもよく、演算結果や制御信号を各装置等に出力してもよい。プロセッサ1001は、コンピュータ1000のOS(Operating System)や、アプリケーション等を実行することにより、コンピュータ1000を構成する各構成要素を制御してもよい。
【0134】
前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)は、1又は複数のプロセッサ1001により実現されてもよい。ここで、プロセッサ1001は、1チップ上に配置された1又は複数の電子回路を指してもよいし、2つ以上のチップあるいは2つ以上のデバイス上に配置された1又は複数の電子回路を指してもよい。複数の電子回路を用いる場合、各電子回路は有線又は無線により通信してもよい。
【0135】
主記憶装置1002は、プロセッサ1001が実行する命令及び各種データ等を記憶してもよく、主記憶装置1002に記憶された情報がプロセッサ1001により読み出されてもよい。補助記憶装置1003は、主記憶装置1002以外の記憶装置である。なお、これらの記憶装置は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を意味するものとし、半導体のメモリでもよい。半導体のメモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれでもよい。前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)において各種データ等を保存するための記憶装置は、主記憶装置1002又は補助記憶装置1003により実現されてもよく、プロセッサ1001に内蔵される内蔵メモリにより実現されてもよい。例えば、前述した実施形態における記憶部は、主記憶装置1002又は補助記憶装置1003により実現されてもよい。
【0136】
前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)が、少なくとも1つの記憶装置(メモリ)と、この少なくとも1つの記憶装置に接続(結合)される少なくとも1つのプロセッサで構成される場合、記憶装置1つに対して、少なくとも1つのプロセッサが接続されてもよい。また、プロセッサ1つに対して、少なくとも1つの記憶装置が接続されてもよい。また、複数のプロセッサのうち少なくとも1つのプロセッサが、複数の記憶装置のうち少なくとも1つの記憶装置に接続される構成を含んでもよい。また、複数台のコンピュータに含まれる記憶装置とプロセッサによって、この構成が実現されてもよい。さらに、記憶装置がプロセッサと一体になっている構成(例えば、L1キャッシュ、L2キャッシュを含むキャッシュメモリ)を含んでもよい。
【0137】
ネットワークインタフェース1004は、無線又は有線により、通信ネットワーク1007に接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース1004は、既存の通信規格に適合したもの等、適切なインタフェースを用いればよい。ネットワークインタフェース1004により、通信ネットワーク1007を介して接続された外部装置1008Aと情報のやり取りが行われてもよい。なお、通信ネットワーク1007は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PAN(Personal Area Network)等の何れか又はそれらの組み合わせであってよく、コンピュータ1000と外部装置1008Aとの間で情報のやり取りが行われるものであればよい。WANの一例としてインターネット等があり、LANの一例としてIEEE802.11やイーサネット(登録商標)等があり、PANの一例としてBluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等がある。
【0138】
デバイスインタフェース1005は、外部装置1008Bと直接接続するUSB等のインタフェースである。
【0139】
外部装置1008Aはコンピュータ1000とネットワークを介して接続されている装置である。外部装置1008Bはコンピュータ1000と直接接続されている装置である。
【0140】
外部装置1008A又は外部装置1008Bは、一例として、入力装置であってもよい。入力装置は、例えば、カメラ、マイクロフォン、モーションキャプチャ、各種センサ、キーボード、マウス、タッチパネル等のデバイスであり、取得した情報をコンピュータ1000に与える。また、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の入力部とメモリとプロセッサを備えるデバイスであってもよい。
【0141】
また、外部装置1008A又は外部装置1008Bは、一例として、出力装置でもよい。出力装置は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示装置であってもよいし、音声等を出力するスピーカ等であってもよい。また、パーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の出力部とメモリとプロセッサを備えるデバイスであってもよい。
【0142】
また、外部装置1008Aまた外部装置1008Bは、記憶装置(メモリ)であってもよい。例えば、外部装置1008Aはネットワークストレージ等であってもよく、外部装置1008BはHDD等のストレージであってもよい。
【0143】
また、外部装置1008A又は外部装置1008Bは、前述した実施形態における各装置(商品位置管理サーバ10、配送センター管理サーバ20、端末30)の構成要素の一部の機能を有する装置でもよい。つまり、コンピュータ1000は、外部装置1008A又は外部装置1008Bに処理結果の一部又は全部を送信してもよいし、外部装置1008A又は外部装置1008Bから処理結果の一部又は全部を受信してもよい。
【0144】
本明細書(請求項を含む)において、「a、b及びcの少なくとも1つ(一方)」又は「a、b又はcの少なくとも1つ(一方)」の表現(同様な表現を含む)が用いられる場合は、a、b、c、a-b、a-c、b-c又はa-b-cのいずれかを含む。また、a-a、a-b-b、a-a-b-b-c-c等のように、いずれかの要素について複数のインスタンスを含んでもよい。さらに、a-b-c-dのようにdを有する等、列挙された要素(a、b及びc)以外の他の要素を加えることも含む。
【0145】
本明細書(請求項を含む)において、「データを入力として/を用いて/データに基づいて/に従って/に応じて」等の表現(同様な表現を含む)が用いられる場合は、特に断りがない場合、データそのものを用いる場合や、データに何らかの処理を行ったもの(例えば、ノイズ加算したもの、正規化したもの、データから抽出した特徴量、データの中間表現等)を用いる場合を含む。また、「データを入力として/を用いて/データに基づいて/に従って/に応じて」何らかの結果が得られる旨が記載されている場合(同様な表現を含む)、特に断りがない場合、当該データのみに基づいて当該結果が得られる場合や、当該データ以外の他のデータ、要因、条件及び/又は状態にも影響を受けて当該結果が得られる場合を含む。また、「データを出力する」旨が記載されている場合(同様な表現を含む)、特に断りがない場合、データそのものを出力として用いる場合や、データに何らかの処理を行ったもの(例えば、ノイズ加算したもの、正規化したもの、データから抽出した特徴量、各種データの中間表現等)を出力として用いる場合を含む。
【0146】
本明細書(請求項を含む)において、「接続される(connected)」及び「結合される(coupled)」との用語が用いられる場合は、直接的な接続/結合、間接的な接続/結合、電気的(electrically)な接続/結合、通信的(communicatively)な接続/結合、機能的(operatively)な接続/結合、物理的(physically)な接続/結合等のいずれをも含む非限定的な用語として意図される。当該用語は、当該用語が用いられた文脈に応じて適宜解釈されるべきであるが、意図的に或いは当然に排除されるのではない接続/結合形態は、当該用語に含まれるものして非限定的に解釈されるべきである。
【0147】
本明細書(請求項を含む)において、「AがBするよう構成される(A configured to B)」との表現が用いられる場合は、要素Aの物理的構造が、動作Bを実行可能な構成を有するとともに、要素Aの恒常的(permanent)又は一時的(temporary)な設定(setting/configuration)が、動作Bを実際に実行するように設定(configured/set)されていることを含んでよい。例えば、要素Aが汎用プロセッサである場合、当該プロセッサが動作Bを実行可能なハードウェア構成を有するとともに、恒常的(permanent)又は一時的(temporary)なプログラム(命令)の設定により、動作Bを実際に実行するように設定(configured)されていればよい。また、要素Aが専用プロセッサ、専用演算回路等である場合、制御用命令及びデータが実際に付属しているか否かとは無関係に、当該プロセッサの回路的構造等が動作Bを実際に実行するように構築(implemented)されていればよい。
【0148】
本明細書(請求項を含む)において、含有又は所有を意味する用語(例えば、「含む(comprising/including)」、「有する(having)」等)が用いられる場合は、当該用語の目的語により示される対象物以外の物を含有又は所有する場合を含む、open-endedな用語として意図される。これらの含有又は所有を意味する用語の目的語が数量を指定しない又は単数を示唆する表現(a又はanを冠詞とする表現)である場合は、当該表現は特定の数に限定されないものとして解釈されるべきである。
【0149】
本明細書(請求項を含む)において、ある箇所において「1つ又は複数(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」等の表現が用いられ、他の箇所において数量を指定しない又は単数を示唆する表現(a又はanを冠詞とする表現)が用いられているとしても、後者の表現が「1つ」を意味することを意図しない。一般に、数量を指定しない又は単数を示唆する表現(a又はanを冠詞とする表現)は、必ずしも特定の数に限定されないものとして解釈されるべきである。
【0150】
本明細書において、ある実施形態の有する特定の構成について特定の効果(advantage/result)が得られる旨が記載されている場合、別段の理由がない限り、当該構成を有する他の1つ又は複数の実施形態についても当該効果が得られると理解されるべきである。但し、当該効果の有無は、一般に種々の要因、条件及び/又は状態に依存し、当該構成により必ず当該効果が得られるものではないと理解されるべきである。当該効果は、種々の要因、条件及び/又は状態が満たされたときに実施形態に記載の当該構成により得られるものに過ぎず、当該構成又は類似の構成を規定したクレームに係る発明において、当該効果が必ずしも得られるものではない。
【0151】
本明細書(請求項を含む)において、複数のハードウェアが所定の処理を行う場合、各ハードウェアが協働して所定の処理を行ってもよいし、一部のハードウェアが所定の処理の全てを行ってもよい。また、一部のハードウェアが所定の処理の一部を行い、別のハードウェアが所定の処理の残りを行ってもよい。本明細書(請求項を含む)において、「1又は複数のハードウェアが第1の処理を行い、前記1又は複数のハードウェアが第2の処理を行う」等の表現(同様な表現を含む)が用いられている場合、第1の処理を行うハードウェアと第2の処理を行うハードウェアは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。つまり、第1の処理を行うハードウェア及び第2の処理を行うハードウェアが、前記1又は複数のハードウェアに含まれていればよい。なお、ハードウェアは、電子回路、電子回路を含む装置等を含んでよい。
【0152】
本明細書(請求項を含む)において、複数の記憶装置(メモリ)がデータの記憶を行う場合、複数の記憶装置のうち個々の記憶装置は、データの一部のみを記憶してもよいし、データの全体を記憶してもよい。また、複数の記憶装置のうち一部の記憶装置がデータを記憶する構成を含んでもよい。
【0153】
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は上記した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加、変更、置き換え、部分的削除等が可能である。例えば、前述した実施形態において、数値又は数式を説明に用いている場合、これらは例示的な目的で示されたものであり、本開示の範囲を限定するものではない。また、実施形態で示した各動作の順序も例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
図1
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図10
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