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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160589
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ロボット箱詰め装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075751
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】飯酒盃 真
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA02
3E003AB03
3E003BB02
3E003BC04
3E003BD04
3E003CB02
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成で、上方開口した箱体内に製品をサシミ状に供給すること。
【構成】 複数の製品1を起立させた状態で支持するガイド溝23を有するガイドレール部20と、ガイドレール部の搬出側に設けられ、ガイドレール部から搬出される製品を受け取るとともに、製品の移動方向に沿って製品を傾斜させる製品傾倒部30と、製品傾倒部で傾斜した姿勢の製品を吸着し得る吸着ヘッド40と、吸着ヘッドを製品傾倒部と上方開放する箱体との間を移動させるロボットを備える。吸着ヘッドの吸着面41は、製品傾倒部で傾斜した姿勢の製品の傾きに合わせた傾斜面を有し、ロボットは、傾斜した姿勢の製品を、箱体2内に供給された別の製品に重ねるように吸着ヘッドを移動する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製品を起立させた状態で、横並びで支持するガイド溝を有するガイドレール部と、
前記ガイドレール部の搬出側に設けられ、前記ガイドレール部から搬出される前記製品を受け取るとともに、前記製品の移動方向に沿って前記製品を傾斜させる製品傾倒部と、
前記製品傾倒部で傾斜した姿勢の前記製品を吸着し得る吸着ヘッドと、
その吸着ヘッドを前記製品傾倒部と、上方開放する箱体との間を移動させるロボットとを備え、
前記吸着ヘッドの吸着面は、前記製品傾倒部で前記傾斜した姿勢の前記製品の傾きに合わせた傾斜面を有し、
前記ロボットは、前記傾斜した姿勢の前記製品を、前記箱体内に供給された別の製品に重ねるように前記吸着ヘッドを移動するようにし、
前記別の製品に重ねられた状態で前記吸着ヘッドの吸着を解除するように構成するロボット箱詰め装置。
【請求項2】
前記製品を受け取る前記製品傾倒部の底面は、前記製品の移動方向に対して交差する方向に山谷が連続する凹凸面となり、
前記凹凸面は、傾斜角度が異なる第1傾斜面部と第2傾斜面部が交互に配置される
請求項1に記載のロボット箱詰め装置。
【請求項3】
前記ガイド溝の幅方向の中心位置と、
前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部の接続部分をずらし、前記中心位置は前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部のうち傾斜角度が緩い側に位置するようにした
請求項2に記載のロボット箱詰め装置。
【請求項4】
前記製品傾倒部の底面は、前記前記ガイド溝の底部から段差を設け、低い位置に配置される請求項1に記載のロボット箱詰め装置。
【請求項5】
前記製品を受け取る前記製品傾倒部の底面は、前記製品の移動方向に沿って水平な第1姿勢と、前記製品の移動方向に沿って傾斜する第2姿勢に変化するよう構成する
請求項1に記載のロボット箱詰め装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のロボット箱詰め装置と、
前記製品を起立した姿勢で搬送するバケットを複数有するダブルループ集積装置を備え、
前記ダブルループ集積装置の左右のいずれかの側に前記ガイドレール部を配置し、
前記バケット内で起立した前記製品を押し出して前記ガイドレール部の前記ガイド溝に起立した姿勢のまま前記製品を供給し得るように構成するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット箱詰め装置及びシステムに関するもので、例えば複数の製品を刺身盛りのような半重ねの状態で、トレイ等の上部開放した箱体に詰めるのに適した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子等を収納した製品を上部開放した箱体内に収納する場合において見栄えをよくするため、製品を刺身盛りのような半重ねの状態に並べて箱体に収納する場合がある。このような包装形態になるように製品を供給する技術として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された技術は、上方が開放した箱体を傾斜した状態にし、その箱体内にロボットで保持する製品を1段ずつ積み重ね、所定個数の製品を箱体内に供給した後、箱体を水平状態に戻すことで複数の製品が同じ方向に倒れて隣接する製品に重なりサシミ状にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5627120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、箱体を水平状態に戻した際に箱体内の製品の整列状態を乱してしまうおそれがある。また、箱を傾斜状態にする装置等が別途必要になり、製品を移し変えるための構成・機構が複雑になる。
【0005】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のロボット箱詰め装置は、(1)複数の製品を起立させた状態で、横並びで支持するガイド溝を有するガイドレール部と、前記ガイドレール部の搬出側に設けられ、前記ガイドレール部から搬出される前記製品を受け取るとともに、前記製品の移動方向に沿って前記製品を傾斜させる製品傾倒部と、前記製品傾倒部で傾斜した姿勢の前記製品を吸着し得る吸着ヘッドと、その吸着ヘッドを前記製品傾倒部と、上方開放する箱体との間を移動させるロボットとを備え、前記吸着ヘッドの吸着面は、前記製品傾倒部で前記傾斜した姿勢の前記製品の傾きに合わせた傾斜面を有し、前記ロボットは、前記傾斜した姿勢の前記製品を、前記箱体内に供給された別の製品に重ねるように前記吸着ヘッドを移動するようにし、前記別の製品に重ねられた状態で前記吸着ヘッドの吸着を解除するように構成した。
【0007】
このようにすると、起立した製品は、製品傾倒部で製品の移動方向に沿って傾斜し、吸着ヘッドの吸着面もその製品の傾きに合う傾斜面となっているので、吸着面の傾斜方向と製品の傾斜方向を合わせた状態で吸着ヘッドを下降させることで、吸着面に製品を吸着させることができる。そして、吸着ヘッドに吸着保持された製品は、傾斜した姿勢となるため、そのまま製品を箱体に供給すると、当該傾斜した姿勢で置くことができる。よって、既に箱体内に供給された製品の上に、傾斜した製品を所定量ずらして置くことで、複数の製品を刺身盛りのような半重ねの状態で箱詰めすることができる。しかも、製品を傾斜した姿勢で移動し箱体に供給するため、箱体自体は例えば水平に置いた状態のままで箱詰め処理が行える。
【0008】
(2)前記製品を受け取る前記製品傾倒部の底面は、前記製品の移動方向に対して交差する方向に山谷が連続する凹凸面となり、前記凹凸面は、傾斜角度が異なる第1傾斜面部と第2傾斜面部が交互に配置されるとよい。
【0009】
このようにすると、山谷が連続する凹凸面からなる受取面の上に起立した姿勢の複数の製品が供給されると、各製品が傾斜角度の緩い側に倒れるため、倒れる側に隣接する製品の上に一部が重なるように傾斜した姿勢となる。各製品は、傾斜した姿勢で吸着されるため、その傾斜した姿勢のまま吸着される。よって、吸着ヘッドは、集積品を構成する複数の製品を傾斜姿勢で安定して保持でき、箱体に移し替える際には、その一部が重なるように傾斜した姿勢のまま箱詰めできる。その結果、各製品は、縦方向と横方向にそれぞれ一部が重なるように傾斜した姿勢で箱詰めされる。
【0010】
(3)前記ガイド溝の幅方向の中心位置と、前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部の接続部分をずらし、前記中心位置は前記第1傾斜面部と前記第2傾斜面部のうち傾斜角度が緩い側に位置するようにするとよい。このようにすると、ガイド溝から搬出される製品は、傾斜角度の緩い傾斜面部の途中に移り、傾斜面に沿って落下しながら前進移動し、そのままスムーズに緩い傾斜面部に沿うように倒すことができ、隣に位置する製品に重ねることができる。
【0011】
(4)前記製品傾倒部の底面は、前記前記ガイド溝の底部から段差を設け、低い位置に配置されるとよい。段差を設けることで、製品の先頭が傾斜面に沿って落下しながら前進移動するのをよりスムーズに案内することができる。
【0012】
(5)前記製品を受け取る前記製品傾倒部の底面は、前記製品の移動方向に沿って水平な第1姿勢と、前記製品の移動方向に沿って傾斜する第2姿勢に変化するよう構成するとよい。このようにすると、ガイドレール部から搬出される製品を受け取る際には、第1姿勢にあるので製品を安定して移し替えることができる。そして、製品傾倒部に移し替えられた製品は、第2姿勢に変化することにともない傾斜した姿勢にすることができる。
【0013】
(6)本発明に係るシステムは、(1)から(5)のいずれかに記載のロボット箱詰め装置と、前記製品を起立した姿勢で搬送するバケットを複数有するダブルループ集積装置を備え、前記ダブルループ集積装置の左右のいずれかの側に前記ガイドレール部を配置し、前記バケット内で起立した前記製品を押し出して前記ガイドレール部の前記ガイド溝に起立した姿勢のまま前記製品を供給し得るように構成するとよい。
【0014】
このようにすると、ダブルループ集積装置にて所定の製品を順次搬送して所定位置に位置させ、バケット内の製品を横に押し出してガイドレール部のガイド溝にセットすることができる。よって、ダブルループ集積装置における製品の集積処理と、ロボット箱詰め装置による箱詰め処理が、それぞれのタイミングで実行することができる。
【0015】
また、上述した(1)から(6)に示す構成は、適宜組み合わせて構成することができ、そのように組み合わせた構成を前提として、実施形態や図面に記載の構成要素を組み合わせるとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下に示す少なくとも一つの効果を奏することができる。製品を傾斜した姿勢で移動し箱体に供給するため、箱体自体は例えば水平に置いた状態のままで箱詰め処理が行える。箱詰めした後で箱体が傾いたりすることを抑制でき、製品が箱体内で暴れたりすることを可及的に抑制できる。吸着ヘッドを移動するロボットは、吸着ヘットを昇降させる機能と、水平方向に往復移動或いは2次平面内で移動させる機能があればよいので、簡単な構成としたり、高速処理をしたりすることが可能となる。また、複数の製品を縦方向並びに横方向にそれぞれ一部を重ねた姿勢で箱詰めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るロボット箱詰め装置を備えるシステムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に用いられる製品並びに箱体の一例を示す図である。
図3】本発明に係るロボット箱詰め装置の好適な一実施形態を示す第1姿勢のときの斜視図である。
図4】その斜視図である。
図5】その平面図である。
図6】その側面図である。
図7】その第2姿勢のときの斜視図である。
図8】その平面図である。
図9】製品を載せた状態を示す第1姿勢のときの斜視図である。
図10】製品を載せた状態を示す第2姿勢のときの斜視図である。
図11】その正面図である。
図12】その平面図である。
図13】別の実施形態を示す第1姿勢の時の斜視図である。
図14】別の実施形態を示す第2姿勢の時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0019】
図1は、システム10の一部を示している。このシステム10は、製品1を1つずつ搬送する製品搬送コンベア11と、その製品搬送コンベア11の搬出側に配置されるダブルループ集積装置12と、ダブルループ集積装置12の搬送途中に配置され、ダブルループ集積装置12で搬送される製品1を下流側で待機する上部開放した箱体2に移し替えるロボット箱詰め装置15と、その箱体2を搬送する箱体搬送コンベア13等を備える。
【0020】
本実施形態における箱詰め対象の製品1は、図2(a)に示すように、細長な物品3を包装袋4で収納して構成される。物品3は例えば菓子その他の食品などである。なお、物品3は菓子等に限ることはなく、各種のものに適用でき、さらに、本実施形態のように包装袋4で包装するのではなく、包装箱等で収納してもよい。さらには、製品1は、包装体ではなく物品3単体のものでもよい。
【0021】
また、本実施形態のシステム10は、箱体2に複数の製品1を刺身盛りのような半重ねの状態(「サシミ状」とも称する)に積み込むもので、箱体2は、図2(b)に示すように、その底面2aに一方の短辺側でその短辺方向に延びる第1突起部2bと第2突起部2cを有し、他方の短辺側に一段高く底上げされた棚部2dを有する。
【0022】
図2(c)に示すように、製品1は、長手方向に沿って傾斜状に箱体2内に供給され、箱体2の長辺に沿う方向の前後に配置される製品1同士がサシミ状に配置される。そして、各製品1は、斜めに起立した姿勢で下端側が第1突起部2b側の側壁2e,第1突起部2b,第2突起部2cに接触して位置決めされ、後側に位置する製品1や棚部2dに支持されて斜めの姿勢を維持する。また、図2(c)では、図示の便宜上横に並んだ製品1は、側面同士が接触したり、所定距離をおいて離れた姿態を採っているが、実際には、ロボット箱詰め装置15で一括して移し替えられる製品1同士は、左右で一部が重なり合いサシミ状に姿勢が変更されることから、箱体2内で左右に並ぶ製品1同士も半重ねのサシミ状の状態となる。このように、製品1を縦及び横方向にサシミ状にして箱体2に詰め込むためのシステム10の具体的な構成は以下の通りある。
【0023】
製品搬送コンベア11は、搬送方向の前方側が下に位置する下方傾斜状の搬送面を有するベルトコンベアであり、製品1を横向き、すなわち、長手方向が搬送方向に対して直交する方向に向く姿勢で搬送する。
【0024】
ダブルループ集積装置12は、搬送方向に沿って前後に並ぶ18個のバケットを1セットとしたバケット郡を少なくとも2組備え、18個単位で移動する。図1に示すようにロボット箱詰め装置15の設置エリアで一方のバケット郡Aが一時停止している際に、他方のバケット郡Bを構成するバケット14が製品搬送コンベア11の駆動にあわせて間歇移動し、製品搬送コンベア11の搬出位置で空のバケット14を待機させ、製品搬送コンベア11から搬出される製品1を空のバケット14で受け取ると、バケット郡Bを構成する各バケット14を、バケット1つ分のピッチを移動し、次の空のバケット14に対する製品供給に備える。この処理を適宜繰り替えることで、18個のうちの所定のバケット14に対して製品1を供給する。すなわち、図2(c)に示したように、本実施形態では、箱体2に対し、製品1を前後に3個、2個、3個に配列したレイアウトで供給するようにしたため、先頭から5番目と14番目のバケット14には製品1を供給せず空のバケット14の状態のままにし、それ以外のバケット14に製品1を供給する。
【0025】
このように所定のバケット14に対する製品1の供給を完了すると、ダブルループ集積装置12の制御部は、バケット郡Bを前進移動させ、先行するバケット郡Aに追いつき待機する。また、バケット14に供給された製品1は、バケット14がダブルループ集積装置12の水平方向を移動する搬送面上にあるときには起立した姿勢を維持する。つまり複数の製品1は、その長手方向が搬送方向に対して直交する方向に向いた状態で短手方向が起立するとともに、前後に整列した状態で搬送され、所定位置で待機する。
【0026】
そして後述する手順によりバケット郡Aに供給された全ての製品1がロボット箱詰め装置15に移送し、バケット郡Aを構成するすべてのバケット14が空になると、ダブルループ集積装置12の制御部は、バケット郡Aを構成するバケット14を前進移動させて製品搬送コンベア11の搬出側に位置させるとともに、バケット郡Bを構成するバケット14をロボット箱詰め装置15の設置エリアに移動させて一時停止する。これにより、以後、バケット郡Bを構成するバケット14内の製品1からロボット箱詰め装置15に対する移し替えが行われる。
【0027】
箱体搬送コンベア13は、箱体2を間歇搬送するもので、ベルトコンベアでもよいが例えばフィンガーコンベアやバケットコンベアなど箱体2を位置決めしつつ搬送するコンベア装置とするとよい。また、前後に配置する箱体2の搬送ピッチは、ダブルループ集積装置12における1番目と10番目のバケット14の配置ピッチと等しくし、箱体2の送りは1ピッチずつ行うように構成する。
【0028】
ロボット箱詰め装置15は、図3以降に示すように、ダブルループ集積装置12で搬送される複数の起立状態の製品1を受け取り、移動方向に対して左右に並べられて支持するガイドレール部20と、ガイドレール部20における製品1の移動方向の前方側に沿って配置され、所定数の製品1を起立させた状態で並べた集積品5を受け取るとともに各製品1を前後方向に傾斜する姿勢にする製品傾倒部30と、製品傾倒部30に載せられた集積品5を一括してピックアップし移載する吸着ヘッド40等を備える。さらに本実施形態では、上記のロボット箱詰め装置15を2セット備え、箱体搬送コンベア13上で待機する2つの箱体2に対する箱詰めを一括して行えるようにしている。
【0029】
ガイドレール部20は、左右に所定ピッチで配置される仕切壁22間に形成されるガイド溝23内に、製品1が1つずつ起立状態でセットされる。これにより、起立した製品1は、ガイド溝23の配置ピッチで左右に並んだ状態で待機する。ガイド溝23の前後両端は開口され、ガイド溝23内の製品1は、ガイド溝23の伸びる方向に沿って前進移動可能になる。
【0030】
ガイド溝23の底部24は、縦断面が略V字状に形成され、その下端位置24aは、幅方向の中央位置に至る形状としている。またガイド溝23の左右の配置ピッチは、ダブルループ集積装置12のバケット14の配置ピッチと等しくし、ダブルループ集積装置12の制御部は、所定のバケット14がガイドレール部20の各ガイド溝23に対向する位置で一時停止するように制御する。そして、その一時停止した状態では、前後に連続する3つのバケット14が、対応するロボット箱詰め装置15のガイドレール部20の3つのガイド溝23に対向し、各バケット14と各ガイド溝23は、それぞれ一直線上に並ぶように配置する。
【0031】
そして、図示省略するが、ロボット箱詰め装置15の設置エリアでダブルループ集積装置12を横断するように往復移動する第1プッシャー部材を有する第1プッシャー装置を備える。この第1プッシャー部材は、上記の往復移動に伴い前後に隣接する3つのバケット14内に進入可能な部位を有し、当該部位がバケット14内に進入し、バケット14内に起立配置する製品1をダブルループ集積装置12の搬送方向に対して直交する方向に付勢し、その製品1をバケット14の横から外に押し出し、ガイドレール部20の各ガイド溝23内に供給可能に構成する。また、第1プッシャー部材は、例えば単純に往復移動するように構成してもよいし、ガイドレール部20に向けて前進移動する区間は、当該部位がバケット14内を移動し、後退移動する区間は上昇してバケット14の上方空間を移動するようにしてもよい。
【0032】
さらに上述したようにロボット箱詰め装置15は、2つ設けているため、それにあわせて第1プッシャー装置も2つ備え、1つのバケット群を構成する1番目から9番目のバケット14で搬送される製品1は、2組のうちの一方の第1プッシャー装置により一方のロボット箱詰め装置15のガイドレール部20に移し替えられ、10番目から18番目のバケット14で搬送される製品1は、他方の第1プッシャー装置により他方のロボット箱詰め装置15のガイドレール部20に移し替えられる。そして、その製品1の移し替えは、バケット14の3個単位であるので、まず、1から3番目のバケットからの製品の移し替えが完了すると、ダブルループ集積装置12の制御部は、ロボット箱詰め装置15の設置エリアで一時停止していたバケット14を3ピッチ分前進移動させて再び一時停止する。これにより、4番目から6番目のバケット14並びに13番目から15番目のバケット14がそれぞれのロボット箱詰め装置15のガイドレール部20に対向する。その後、バケット14を3ピッチ分前進移動させて再び一時停止すると、7番目から9番目のバケット14並びに16番目から18番目のバケット14がそれぞれのロボット箱詰め装置15のガイドレール部20に対向する。
【0033】
製品傾倒部30は、平面視が四角形状で、ガイドレール部20側の一辺側が開口した箱状の本体34を有し、その本体34の一辺側の開口部側から起立した姿勢の製品1が製品傾倒部30内に進入し供給されるように構成する。そして開口部側から見てそれぞれ左側に第1側壁部31、奥側に第2側壁部32、右側に第3側壁部33を有する。さらに、製品1の受取面となる底面は、山谷が連続する凹凸面となる。この凹凸面は、第1側壁部31側から順に傾斜角度が緩やかな下り斜面の第1傾斜面部35と傾斜角度が急な登り斜面の第2傾斜面部36を交互に配置する。
【0034】
本体34は、第2側壁部32側でベース台38に対し所定角度範囲内で正逆回転自在に取り付けられる。そして本実施形態では、本体34は、図3から図6等に示すように水平な第1姿勢と、図7図8等に示すように搬入側(ガイドレール部20側)が下がった下方傾斜状の第2姿勢との間を変位する。また、第1側壁部31と第3側壁部33の外面のガイドレール部20側には、突起部39を備え、この突起部39を図示省略するシリンダーやモータ等により動作する駆動機構により昇降させることで本体34の姿勢を変化させるように構成する。
【0035】
一組の第1傾斜面部35と第2傾斜面部36の配置ピッチは、ガイドレール部20のガイド溝23の配置ピッチよりも長くし、各ガイド溝23の底部24の下端位置24aと、製品傾倒部30の凹凸面の各谷部すなわち隣接する第1傾斜面部35の下端と第2傾斜面部36の下端の接続部分37は、左右方向に位置をずらして偏心配置する。より具体的には、図4図5等に示すように、ガイド溝23の底部24の下端位置24aは、第1傾斜面部35側に位置する。
【0036】
製品傾倒部30は、本体34が第一姿勢にある状態で、ガイドレール部20から搬出される製品1(集積品5)を受け取るように構成する。そして、製品傾倒部30の製品を受け取る部位は、ガイドレール部20から段差を設け少し低い位置に設ける。すなわち、図4等に示すように、本体34が第1姿勢にある状態では、ガイド溝23の底部24の下端位置24aより下がった位置に第1傾斜面部35が位置するように構成する。
【0037】
さらに、ガイドレール部20の製品傾倒部30の設置位置と反対側には、第2プッシャー部材を配置する。この第2プッシャー部材は、左右に隣接する各ガイド溝23内に進入可能な部位を有し、当該部位がガイド溝23内に進入し、ガイド溝23内に起立配置する製品1を前方に付勢し、その製品1をガイド溝23の前方から外に押し出し、製品傾倒部30に供給可能に構成する。
【0038】
第2プッシャー部材にて付勢される製品1は、その製品1の一部がガイド溝23内に残っている状態では、仕切壁22に案内されて真っ直ぐに起立した姿勢を維持し、製品傾倒部30に移ると、起立姿勢を保持する支えがなくなるため左右いずれかに倒れようとするが、このとき第2傾斜面部36は急峻に切り立っていることもあり、製品1は傾斜角度が緩やかな第1傾斜面部35側に倒れる。このとき、本実施形態では、ガイド溝23の下端位置24aと、製品傾倒部30の接続部分37が偏心しているので、段差がある製品傾倒部30側で製品1を受ける位置は谷部の最下端となる接続部分37ではなく、谷部に至る第1傾斜面部35の途中であり、移し替えられる製品1は、最下端となる接続部分37に向けてその第1傾斜面部35に沿って滑り落ちながら傾斜面に沿うように斜めに倒れる。すなわち、ガイド溝23から押し出された製品1は、製品傾倒部30内を下降しなから前進移動することで、徐々にスムーズに第1傾斜面部35側に倒れ、隣接する傾斜姿勢の製品1に支持され、安定した傾斜姿勢をとる。このようにして、第2プッシャー部材で押し出された複数の製品1からなる集積品5は、一方向に倒れるとともに、各製品1の一部分が重なるサシミ状の姿勢となる(図9参照)。
【0039】
また、製品傾倒部30の本体34が第1姿勢の状態では、本体34の底部側はガイド溝23の底部24の下端位置24aに対して段差を設けて少し低い位置にあるため、ガイドレール部20側から押し出されて製品傾倒部30側に位置した製品1は、少し落下供給されることもあり、ガイドレール部20側に戻るのが抑止される。
【0040】
また、本実施形態では、第2プッシャー部材により複数の製品1が製品傾倒部30の本体34に移し替えられると、本体34は搬入側が下降して第2姿勢に変位する(図7図8図10等参照)。このとき、第2プッシャー部材は製品1の後ろ側に接触した状態で停止しており、本体34は搬入側に向けて下方傾斜状になっても製品1は後戻りせず、第2プッシャー部材で押し出された位置で位置決めされる。その後、第2プッシャー部材は、上昇移動しガイドレール部20の上方空間を移動して後退する。このようにすることで、第1プッシャー部材によりバケット14から押し出された次の製品1がガイドレール部20に移し替えられるのに干渉することなく許容する。
【0041】
また、製品傾倒部30側に移し替えられた個々の製品1は、本体34が第2姿勢になるのにつれて、進行方向(第2プッシャー部材による押し出し方向)の後方側が下がった下方傾斜状の姿勢となる。
【0042】
吸着ヘッド40は、中空のボックス状からなり、その下面側に設けられる吸着面41が、ガイドレール部20並びに製品傾倒部30内における製品1の移動方向に沿った前後方向に向けて所定角度に傾斜する傾斜面としている。この傾斜面の傾斜角度は、第2姿勢の時の本体34の傾斜角度すなわち下方傾斜状の製品1の傾斜角度にあわせている。
【0043】
そして吸着面41には、長手方向に延びるスリット状の吸引口45が設けられる。この吸引口45は、長辺側の一対の側壁47側にそれぞれ設け、合計2本備える。また、吸着ヘッド40の上面48の所定位置には開口部46が設けられ、図示省略する所定の配管部の一端側が接続される。また、その配管部の他端側は吸引手段に連携される。これにより、吸引手段により吸着ヘッド40のボックス内の空気が吸引されると、吸着面41の外部付近の空気は、吸引口45から吸着ヘッド40の内部に吸い込まれる。
【0044】
このとき、吸着面41付近に製品1が存在すると、製品1が吸引口45に吸着され、吸着ヘッド40に吸着保持される。すなわち、まず吸引に伴い吸引口45に接する製品1のフィルム部位が吸着される。さらに、各製品1は第1傾斜面部35に沿って左右方向にも傾いているため、吸着ヘッド40が下降移動して最初に吸引口45が製品1に接触した段階ではその接触した部位の周辺のフィルム部位と吸引口45との間には、所定の隙間が形成されフィルム部位は吸着面41から離反しているが、その隙間に存在する空気が吸着ヘッド40のボックス内に吸い込まれるのに伴い当該フィルム部位も吸引され、フィルムが変形して吸引口45に吸着される。これにより、吸引口45は、その全体が製品1のフィルムにより塞がれ製品1がサシミ状態のまま吸着保持される。
【0045】
また、吸引口45は、スリット状に連続しているため、複数の製品1を一括して吸着することができ、個々の製品1の位置に合わせる必要も無く、構成が簡易となる。更にスリット状にすることで、個々の製品1の上端側の上面を多く吸着することで、複数の製品1を同一方向に傾斜した姿勢で安定して保持することができる。
【0046】
吸着面41の傾斜角度が、第2姿勢の傾斜角度に合わせたため、例えば、第2姿勢の本体34上で傾斜姿勢の複数の製品1の上方に吸着ヘッド40を位置させると、吸着面41と製品1の長手方向が平行になる(図10図11等参照)。このとき、吸着ヘッド40の長手方向は、製品の長手方向に対して直交する方向に延び、3つの製品1の上方を跨ぐように位置しており(図12等参照)、その状態のまま吸着ヘッド40が下降移動すると、吸着面41は集積品5を構成する下方傾斜状の複数の製品1の表面に接触する。よって、その状態のまま吸引すると、第2姿勢の本体34上にて傾斜状態で待機する複数の製品1は、その傾斜姿勢のまま吸着ヘッド40に吸着保持される。
【0047】
そして、その吸着保持した状態のまま吸着ヘッド40を上昇するとともに箱体搬送コンベア13上で待機する箱体2の上方所定位置に移動し、その後下降移動することで、複数の製品1を長手方向に沿って傾斜した姿勢のまま箱体2内に位置させることができる。そして、その状態で吸引を解除すると、傾斜姿勢のまま製品1を箱体2内に供給できる。
【0048】
このようにして、ガイドレール部20内の製品1を第2プッシャー部材で押し出して製品傾倒部30に移し替えることで製品1を起立状態で並べた集積品5を簡単にサシミ状にすることができ、さらに本体34を第1姿勢から第2姿勢に変化させることで、サシミ状のまま長手方向に傾斜させることができ、その姿勢のまま製品傾倒部30内で集積品5を吸着ヘッド40で一括して吸着保持して箱体2に供給することができる。
【0049】
そして、係る処理を行うための吸着ヘッド40の移動は、昇降移動と水平移動が行えればよく、吸着ヘッド40の姿勢・角度を変えたりする必要はないので、吸着ヘッド40を移動させるロボットは、例えばパラレルリンクロボットなどの上下方向と水平面内での移動が行えるもので実施できる。そして、吸着ヘッド40は、当該ロボットアームの先端に取り付けられ、製品傾倒部30と、箱体搬送コンベア13上で待機中の箱体2の間を往復移動する。
【0050】
上記の構成のロボット箱詰め装置15は、ダブルループ集積装置12や箱体搬送コンベア13と協同し、以下の処理を行うように制御することで、箱体2内に集積品5がサシミ状になるように製品1を箱詰めする。
【0051】
まず、上述したようにダブルループ集積装置12の1番目から3番目のバケット14と10番目から12番目のバケット14で搬送される各製品1を、各第1プッシャー部材でガイドレール部20の各ガイド溝23内にセットする。次いで、第2プッシャー部材を動作させ、ガイド溝23内を前進移動し、製品傾倒部30の第1姿勢にある本体34に送り出し、次いで本体34を第2姿勢に変位することで、各製品1を長手方向の後方側が下に位置する下方傾斜姿勢にする。
【0052】
この状態で、ロボットアームを動作させ、各吸着ヘッド40が2つのロボット箱詰め装置15の各製品傾倒部30で傾斜姿勢にある複数の製品1を吸着保持し、空の2個の箱体2にそれぞれ移し替える。より具体的には、各吸着ヘッド40は、左右にサシミ状に並んだ状態で長手方向に傾斜姿勢にある3個の製品1を保持した状態で箱体2上の所定位置に移動するとともに下降し、各製品1の下方にある短辺が箱体2の第2突起部2cに接触するとともに製品1の下面所定位置が棚部2dに接触した状態で吸引を解除する。これにより、3つの製品1は、当該短辺部分と下面部分の2点で支持され、互いにサシミ状に重なった状態で、長手方向に傾斜した姿勢で箱体2内に保持される。
【0053】
一方、ダブルループ集積装置12は、上述した第1プッシャー部材による最初の3個ずつの製品1をバケット14から押し出した後、所定タイミングでバケット14を3ピッチ分前進移動し、バケット郡の4番目から6番目のバケット14と、13番目から15番目のバケット14を、ガイドレール部20の各ガイド溝23に対向した位置で一時停止する。この状態で第1プッシャー部材が各バケット14内の製品1を押し出してガイド溝23に製品を送り込む。5番目と14番目のバケット14には製品1を供給せず空のバケットとなっているため、左右のガイド溝23にそれぞれ製品1が起立状態で供給される。
【0054】
次いで、その2つの製品1は、第2プッシャー部材によって、製品傾倒部30に送り出されるとともに、本体34が第2姿勢に変位して各製品1は後方傾斜状に変位する。この状態で2個の製品1は吸着ヘッド40により吸着保持されるとともに、前工程で3個の製品1がサシミ状の横一列で供給された箱体2の所定位置に供給する。すなわち、吸着ヘッド40を所定位置で下降移動することで、各製品1の下方にある短辺が箱体2の第1突起部2bに接触するとともに製品1の下面の所定位置が既に箱体2内に傾斜姿勢で供給された製品1の一部と接触した状態になり、その状態で吸引を解除する。これにより、2つの製品1は、当該短辺部分と下面部分の2点で支持され、長手方向に傾斜した姿勢で前後の製品1同士が一部重なった状態で箱体2内に保持される。
【0055】
また、ダブルループ集積装置12は、適宜のタイミングでバケット14を3ピッチ分前進移動し、バケット郡の7番目から9番目のバケット14と、16番目から18番目のバケット14を、ガイドレール部20の各ガイド溝23に対向した位置で一時停止する。この状態で第1プッシャー部材が各バケット14内の製品1を押し出してガイド溝23に製品を送り込むことで、それぞれ3個の製品1が各ガイド溝23に起立状態で供給される。
【0056】
そして、ガイド溝23内で起立姿勢の各製品1は、第2プッシャー部材により製品傾倒部30側に移し替えられるとともに、本体34が第2姿勢に変化されることで各製品1は、長手方向に沿って後方傾斜状の姿勢となる。この後方傾斜状の3つの製品1は、吸着ヘッド40により傾斜姿勢のまま吸着保持され、箱体搬送コンベア13上で待機する箱体2へ移し替えられる。このとき、箱体搬送コンベア13は、上述した2回目の製品1の供給後、箱体2を1ピッチ分だけ搬送し一時停止する。これにともない、吸着ヘッド40は、1ピッチ分下流に移動した各箱体2上に移動するととともに下降し、3列目となる3個の製品1を傾斜姿勢のまま所定位置に供給する。すなわち、吸着ヘッド40を所定位置で下降移動することで、各製品1の下方にある短辺が箱体2の側壁2eに接触するとともに製品1の下面の所定位置が既に箱体2内に傾斜姿勢で供給された2列目の製品1の一部と接触した状態になり、その状態で吸引を解除する。これにより、3つの製品1は、当該短辺部分と下面部分の2点で支持され、長手方向に傾斜した姿勢で2列目と3列目の前後の製品1同士が一部重なった状態で箱体2内に保持される。
【0057】
上記の操作により、箱体2内には、製品1の長手方向(縦)とそれに直交する方向(横)にそれそれぞれ傾斜し、隣接する製品1が刺身盛りのように重なり合い確実に縦及び横方向にサシミ状にして箱詰めすることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、バケット14の配置ピッチと、ガイドレール部20のガイド溝23の配置ピッチを等しくし、2つのロボット箱詰め装置15の配置間隔さらには箱体搬送コンベア13における箱体2の搬送ピッチを、1番目のバケット14と10番目のバケット14の間隔に合わせたるとともに、ダブルループ集積装置12が一時停止した際の1番目と10番目のバケット14の位置に合わせてロボット箱詰め装置15(ガイドレール部20)並びに一時停止する前後2個の箱体2の位置を同一線上にしたため、製品1をバケット14から横に押し出してそのままロボット箱詰め装置15のガイドレール部20に供給し、ロボット箱詰め装置15内の製品1の移動も第2プッシャー部材を直線的に移動するだけでよく、さらに製品傾倒部30から箱体2までの製品1の移動も、平面視で1列目と2列目まではそれまでの製品1の移動方向の延長線上にまっすぐに移動するだけでよく、機構・制御が簡易となる。さらに、2つの箱体2に対し、それぞれの吸着ヘッド40を幅寄せすることなくまっすぐ移動して供給先の隣接する箱体2に対してそれぞれ製品1を移し替えることができる。
【0059】
また、3列目の製品1の箱体2への供給に際し、箱体搬送コンベア13側で箱体2を1ピッチ分搬送したことに伴い吸着ヘッド40の位置を上記1ピッチ分だけ下流側に移動するが、水平移動ですむ。そして、このように1ピッチ移動させる処理を入れることで、箱体搬送コンベア13は箱体2を1ピッチ分ずつ移動するため、箱体搬送コンベア13に対する空の箱体2の供給も1ピッチ搬送する都度行えばよくなる。
【0060】
なお、このように1ピッチ移動する処理を行わず、3列目の製品1を供給するまで箱体2を停止させていてもよい。係る構成にすると、吸着ヘッド40の移動は、昇降並びに往復直線運動でよいため、より簡単な構成で実現できる。一方、係る構成を採ると、箱体搬送コンベア13は、2ピッチ分ずつ箱体を間欠搬送することになり、箱体搬送コンベア13に対する空の箱体2の供給を2個ずつ行う必要がある。
【0061】
なお、2つの吸着ヘッド40は、それぞれ別々のロボットに取り付けられて独立して動作するようにしてもよいが、1つのロボットのロボットハンドとして取り付けられ、一緒に移動・動作するとよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、本体34は、搬入側が下降して傾斜するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば水平状態の第1姿勢(図13参照)から搬入側が上昇して製品1の押し出し方向の前方に向けて下方傾斜状の第2姿勢(図14参照)に変位するようにしてもよい。
【0063】
但し、搬入側を上昇させると、図14に示すように第2姿勢の時にその底面がガイド溝23の下端位置24aよりも上方に位置するため、水平な第1姿勢に復帰するまで次の製品1の供給は行えない。よって、上述した実施形態のように搬入側が下降する第2姿勢にすると、第2姿勢から第1姿勢に復帰する途中でもガイド溝23からの製品1の押し出し供給が可能となり、処理速度が速くなるのでよい。
【0064】
さらには、本体34の搬入側を昇降させるのではなく、奥側を上昇或いは下降させるようにしてもよい。奥側が上下、特に下がるようにすると、第2プッシャー部材の移動や、次の製品供給時の制約・干渉もなくなるのでよい。
【0065】
さらにまた、製品傾倒部30は、上述した各実施形態等のように本体34が正逆回転し、ガイドレール部20からの搬入時は水平にして製品1を安定して移し替えることができるようにし、その後に本体34が第2姿勢に変位することで製品1を長手方向に傾斜するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、搬送面が変位することなく第2姿勢の本体のように傾斜した搬送面を有するものとしてもよい。固定設置する場合は、上り傾斜でも下り傾斜でもよいが、上り傾斜の方がプッシャーで安定して押し出し、位置決めができるのでよい。
【0066】
また、ガイドレール部20の各ガイド溝23内に、製品1を起立姿勢でセットするための装置・機器は、上述した実施形態ではダブルループ集積装置12並びに第1プッシャー装置を用いて構成したが、係る構成に限るものではなく、例えば、ガイドレール部20の上方から落下供給する経路を備える供給装置等としてもよく、さらには、ガイドレール部を、ダブルループ集積装置12のバケット14と兼用してもよい。すなわち、一時停止するバケット14から製品傾倒部30に対して製品1を押し出し供給する。但し、実施形態のように別途ガイドレール部を設けると、ダブルループ集積装置12による製品1の集積処理と、ロボット箱詰め装置15による製品1を傾斜させるとともに、傾斜した姿勢で吸着保持して箱体2に供給する処理をそれぞれ適宜のタイミングで行えるのでよい。
【0067】
さらにまた、上述した実施形態では、横並びの製品1も重ねたサシミ状の集積品5を更に前後にサシミ状に箱詰めするようにしたが、集積品5は、サシミ状ではなくてもよい。
【0068】
また、製品傾倒部30は、製品1に応じて傾斜角度を調整可能なように構成してもよい。このように傾斜角度を調整可能にする場合、例えば上述した実施形態のように水平な第1姿勢と傾斜する第2姿勢に変化可能な構成において第2姿勢をとる際の傾斜角度を異ならせたり、第1姿勢をとらず第2姿勢のみの構成において傾斜角度を異ならせるようにしたりするなど、各種の構成を採りうる。第1姿勢をとらない構成では、上述した変形例では、傾斜した搬送面を固定設置するとしたが、傾斜した状態の搬送面の角度を製品1に応じて調整可能にするとよい。
【0069】
また、上述した各実施形態に示すように製品傾倒部30の本体34が第1姿勢と第2姿勢との間で変位する構成において、本体34の底面に製品吸着用の穴を設けて、本体34を傾斜させる前に製品1を吸着することで、傾斜状態の製品傾倒部30における製品1の位置ずれを防止してもよい。
【0070】
さらにまた、第2プッシャー部材は、ガイド溝23内に進入させずに、ガイド溝23から突出した部分に接触して製品1を押送してもよい。
【0071】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0072】
1 :製品
2 :箱体
3 :物品
4 :包装袋
5 :集積品
10 :システム
11 :製品搬送コンベア
12 :ダブルループ集積装置
13 :箱体搬送コンベア
14 :バケット
15 :ロボット箱詰め装置
20 :ガイドレール部
23 :ガイド溝
24 :底部
24a :下端位置
30 :製品傾倒部
31 :第1側壁部
32 :第2側壁部
33 :第3側壁部
34 :本体
35 :第1傾斜面部
36 :第2傾斜面部
37 :接続部分
40 :吸着ヘッド
41 :吸着面
A :バケット郡
B :バケット郡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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